説明

仮設階段およびそれに用いるストッパー

【課題】傾斜角度を可変とする仮設階段の傾斜移動を規制して仮設階段の揺れの発生を防止する。
【解決手段】仮設階段の階段本体は、第1と第2の傾斜支柱対と両端部が傾斜支柱対に回動自在にピンにより結合される複数の踏み板とを有し傾斜角度が可変となっている。階段本体に装着されるストッパー部材19は、ピンが係合する係合凹部22が先端部に形成され、ピンが当接する当接部23が係合凹部22に対向して基端部に形成される係合部材20と、傾斜支柱に装着される締結具30と、連結棒材40とを有している。係合凹部22にピンを係合するときには、ストッパー部材19は上向きとされ、当接部23にピンを当接するときには、ストッパー部材19は下向きとされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜角度を可変とする仮設階段および仮設階段に用いられその傾斜移動を規制する仮設階段用のストッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
マンションやオフィスビル等の建築物を建設する建築現場においては、建築物や仮設足場等の構築物の上下階を上り下りするために、仮設階段が使用されている。上り下りするための上下階の高さは、仮設足場等の構築物において相違しているので、同一の仮設階段を、種々の構築物に設置するには、上下階の高さに応じて傾斜角度を変化させることができるようにする必要がある。仮設階段の傾斜角度を変化させても踏み板を常に水平に維持させるには、特許文献1に記載されるように、左右の傾斜支柱をそれぞれ前後2本ずつとした合計4本の傾斜支柱と、左右両端を前後の傾斜支柱にピン結合する複数の踏み板とにより仮設階段を形成することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−323003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、傾斜角度を可変とした仮設階段は、傾斜角度を変化させることにより、同一の仮設階段を下側階と上側階の段差が相違する複数の箇所に段差に対応させて、踏み板を水平に保持しつつ設置することができる。傾斜角度可変式の仮設階段は、このような利点を有しているが、踏み板は支柱に対してピンにより回動自在に取り付けられているので、仮設階段を設置場所に強固に固定するには、傾斜支柱を下側階と上側階とに固定する必要がある。そのために、傾斜支柱の上端部にこれを上側階の部材に連結するためのフックが設けられている。
【0005】
しかしながら、全ての踏み板は左右の支柱に対して回動自在にピン結合されているので、フックにより傾斜支柱の上端部を上側階の部材に連結しても、作業者が仮設階段を上り下りする際に仮設階段に揺れが発生することが避けられない。
【0006】
本発明の目的は、傾斜角度を可変とする仮設階段の傾斜移動を規制して仮設階段の揺れの発生を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の仮設階段は、相互に平行な2本の傾斜支柱を有する第1の傾斜支柱対と、相互に平行かつ前記傾斜支柱と平行な2本の傾斜支柱を有する第2の傾斜支柱対と、一端部が前記第1の傾斜支柱対の2本の前記傾斜支柱に回動自在にピンにより結合されるとともに他端部が前記第2の傾斜支柱対の2本の前記傾斜支柱に回動自在にピンにより結合される複数の踏み板とを有し傾斜角度が可変の階段本体と、ピンが係合する係合凹部が先端部に形成され、ピンが当接する当接部が前記係合凹部に対向して基端部に形成されるとともに前記当接部に連通する着脱用の開口部が前記基端部に形成された係合部材と、前記係合部材の前記基端部に一端部が連結された連結棒材と、前記連結棒材の他端部に連結される連結片、および当該連結片に対向するとともに前記傾斜支柱を締結するねじ部材が設けられた締結片を有し前記傾斜支柱に装着される締結具とを備えたストッパー部材とを有し、前記ストッパー部材を一方の前記傾斜支柱対に装着するときには前記係合凹部を前記連結棒材に対して上向きとして前記係合凹部に前記ピンを係合させ、前記ストッパー部材を他方の前記傾斜支柱対に装着するときには前記係合凹部を前記連結棒材に対して下向きとして前記当接部に前記ピンを当接させることにより、同一構造の前記ストッパー部材を両方の前記傾斜支柱対のいずれにも装着し得ることを特徴とする。
【0008】
本発明の仮設階段は、相互に同一構造の第1と第2の2つのストッパー部材を有し、一方のストッパー部材の前記係合凹部を前記連結棒材に対して上向きとして前記係合凹部に前記ピンを係合させて一方の前記傾斜支柱対に装着し、他方のストッパー部材の前記係合凹部を前記連結棒材に対して下向きとして前記当接部に前記ピンを当接させて他方の前記傾斜支柱対に装着することを特徴とする。本発明の仮設階段は、前記ねじ部材が前記傾斜支柱に対して外側となるように前記締結具を前記傾斜支柱に締結することを特徴とする。本発明の仮設階段は、前記締結具の前記連結片を前記連結棒材に回動自在に連結することを特徴とする。
【0009】
本発明の仮設階段用のストッパーは、相互に平行な2本の傾斜支柱を有する第1の傾斜支柱対と、相互に平行かつ前記傾斜支柱と平行な2本の傾斜支柱を有する第2の傾斜支柱対と、一端部が前記第1の傾斜支柱対の2本の前記傾斜支柱に回動自在にピンにより結合されるとともに他端部が前記第2の傾斜支柱対の2本の前記傾斜支柱に回動自在にピンにより結合される複数の踏み板とを有し傾斜角度が可変となった仮設階段の傾斜移動を規制する仮設階段用のストッパーであって、ピンが係合する係合凹部が先端部に形成され、ピンが当接する当接部が前記係合凹部に対向して基端部に形成されるとともに前記当接部に連通する着脱用の開口部が前記基端部に形成された係合部材と、前記係合部材の前記基端部に一端部が連結された連結棒材と、前記連結棒材の他端部に連結される連結片、および当該連結片に対向するとともに前記傾斜支柱を締結するねじ部材が設けられた締結片を有し前記傾斜支柱に装着される締結具とを備えたストッパー部材を有し、前記ストッパー部材を一方の前記傾斜支柱対に装着するときには前記係合凹部を前記連結棒材に対して上向きとして前記係合凹部に前記ピンを係合させ、前記ストッパー部材を他方の前記傾斜支柱対に装着するときには前記係合凹部を前記連結棒材に対して下向きとして前記当接部に前記ピンを当接させることにより、同一構造の前記ストッパー部材を両方の前記傾斜支柱対のいずれにも装着し得ることを特徴とする。
【0010】
本発明の仮設階段用のストッパーは、作業者が上り下りする前記踏み板の左側の前記傾斜支柱対に前記係合凹部を前記連結棒材に対して上向きとして前記ストッパー部材を装着し、前記踏み板の右側の前記傾斜支柱対に前記係合凹部を前記連結棒材に対して下向きとして前記ストッパー部材を装着することを特徴とする。本発明の仮設階段用のストッパーは、前記ねじ部材が前記傾斜支柱に対して外側となるように前記締結具を前記傾斜支柱に締結することを特徴とする。本発明の仮設階段用のストッパーは、前記締結具の前記連結片を前記連結棒材に回動自在に連結することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
傾斜角度を可変とした階段本体にストッパー部材を装着すると、踏み板の傾斜支柱に対する回動が規制されるので、仮設階段は全体が強固に固定締結された状態となり、作業者が仮設階段を上る下りする際には、踏み板が揺れることを防止できる。これにより、作業者は安全に仮設階段を上り下りすることができる。
【0012】
同一のストッパー部材を仮設階段の左右いずれにも装着することができるので、同種のストッパーを仮設階段の左右両方に装着することができ、仮設階段の左右に対応させて複数種類のストッパーを製造することが不要となり、仮設階段に対するストッパー部材の装着作業を容易に行うことができるとともに、ストッパー部材の製造管理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ストッパーが装着された状態の仮設階段を示す斜視図である。
【図2】(A)は図1において左側に装着されたストッパー部材を示す斜視図であり、(B)は図1において右側に装着されたストッパー部材を示す斜視図である。
【図3】(A)は図2(A)において矢印A方向から見たストッパー部材を拡大して示す正面図であり、(B)は図2(B)において矢印B方向から見たストッパー部材を拡大して示す正面図である。
【図4】図2(B)に示されたストッパー部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本発明の仮設階段は、図1に示す階段本体10を有している。階段本体10は、相互に平行な正面側と背面側の2本の傾斜支柱11a,11bを有し図1において左側に示される第1の傾斜支柱対11と、相互に平行な正面側と背面側の2本の傾斜支柱12a,12bを有し図1において右側に示される第2の傾斜支柱対12とを備えている。左右の傾斜支柱対11,12には、それぞれ四辺形の複数枚の踏み板13が相互に平行となって取り付けられている。それぞれの踏み板13は、図1において左側部である一端部が前側のピン14aにより正面側の傾斜支柱11aにピン結合され、後側のピン14bにより背面側の傾斜支柱11bにピン結合されている。それぞれの踏み板13は、図1において右側部である他端部が前側のピン15aにより正面側の傾斜支柱12aにピン結合され、後側のピン15bにより背面側の傾斜支柱12bにピン結合されている。
【0015】
なお、踏み板13の左側から突出しているピン14aと、右側から突出しているピン15aとを1本の棒材により形成するようにしても良く、同様にピン14aとピン15bとを1本の棒材により形成するようにしても良い。
【0016】
このように、階段本体10は、相互に平行な2本の傾斜支柱11a,11bと相互に平行な複数枚の踏み板13とにより平行四辺形リンクが形成され、同様に相互に平行な傾斜支柱12a,12bと踏み板13とにより平行四辺形リンクが形成される。これにより、階段本体10を図示しない構築物の下側階と上側階との間に掛け渡すと、傾斜支柱11a〜12bをどのような角度で傾斜させても、それぞれの踏み板13は水平状態となる。したがって、水平状態となった踏み板13を使用して作業者は下側階と上側階との間で容易に上り下りすることができる。
【0017】
それぞれの傾斜支柱11a〜12bの下端部には、前記した特許文献1に記載されるように、接地板を踏み板13に平行に取り付けるようにしても良い。また、背面側の傾斜支柱11b,12bの上端部に上側階の部材に引っ掛けるフックを設けるようにしても良く、さらには左右の傾斜支柱対11,12に手摺りを設けるようにしても良い。
【0018】
左右の傾斜支柱対11,12には1つずつストッパー部材19が装着されている。左側の傾斜支柱対11には、ストッパー部材19が図2(A)に示されるように上向きに装着され、右側の傾斜支柱対12には、ストッパー部材19が図2(B)に示されるように下向きに装着されている。
【0019】
ストッパー部材19は、図2に示されるように、ピンに装着される係合部材20と、係合部材20が装着されたピンが設けられた傾斜支柱に対して前後が逆となった傾斜支柱に装着される締結具30とを有している。係合部材20と締結具30は、係合部材20に一端部が連結されるとともに他端部に締結具30が連結される連結棒材40により連結されている。連結棒材40は係合部材20の基端部に連結されている。
【0020】
係合部材20は全体的にほぼ長方形の板材からなり、係合部材20には長手方向に伸びる長孔21が形成されている。長孔21のうち係合部材20の先端部側はピンが入り込む係合凹部22となっており、長孔21の基端部側は係合凹部22に対向する当接部23となっている。係合凹部22はピンの外径よりも大きい深さとなっている。係合部材20の基端部側には、長孔21に対して横方向に伸びて長孔21と連通する開口部24が形成されており、開口部24は当接部23に連通している。連結棒材40の一端部は係合部材20の基端部側に当接部23よりも外側に位置させて連結されている。長孔21の長手方向の寸法はピンの外径よりも長くなっており、横方向の寸法はピンの外径にほぼ対応している。係合部材20としては、図示する場合には板材により形成されているが、板材により形成することなく、棒材を折り曲げて図示するように、長孔21と開口部24とを有すL字形状のスペースを有する部材により係合部材20を形成するようにしても良い。
【0021】
一方、締結具30は連結片31とこれに対向する締結片32とを有しており、連結片31と締結片32はスペーサ片33により連結されている。連結片31と締結片32とスペーサ片33は金属製の板材を図示するように全体的にコの字形状に折り曲げることにより形成される。連結片31と締結片32の間の隙間寸法は傾斜支柱の厚み寸法よりも大きく設定されている。締結具30の外周面には補強部34が設けられており、締結片32には補強部34を貫通してねじ部材としてのボルト35がねじ結合され、ボルト35の先端部は図4に示されるように締結片32の内面に突出するようになっている。このボルト35により締結具30は傾斜支柱に締結される。ボルト35を回転する際にはボルト35の六角形の頭部にスパナを引っ掛けることになるが、ボルト35に代えて頭部の部分に手動操作用の部材が設けられた蝶ねじをねじ部材として使用するようにしても良い。
【0022】
連結片31は連結ピン36により連結棒材40に回動自在に連結されている。これにより、ストッパー部材19を傾斜支柱対に装着する際に、締結具30のスペーサ片33を傾斜支柱に接触させた状態で連結棒材40を締結具30に対して任意の角度に回動させることができる。
【0023】
図1に示すように、ストッパー部材19を左側の傾斜支柱対11に装着するには、ストッパー部材19を図2(A)に示すように、上向き姿勢つまり係合部材20を連結棒材40よりも上側として、背面側の傾斜支柱11bに取り付けられたピン14bを係合凹部22内に係合される。一方、締結具30を正面側の傾斜支柱11aに装着してボルト35を傾斜支柱11aに締結する。このときには、ボルト35が階段本体10の外側に突出するようにして締結具30を傾斜支柱11aに装着することになる。
【0024】
他のストッパー部材19を右側の傾斜支柱対12に装着するには、ストッパー部材19を図2(B)に示すように、図2(A)に示す場合と上下を反転させる。つまり下向き姿勢つまり係合部材20を連結棒材40よりも下側として、背面側の傾斜支柱12bに取り付けられたピン15bを当接部23に当接させる。一方、締結具30を正面側の傾斜支柱12aに装着してボルト35を傾斜支柱12aに締結する。このときには、ボルト35が階段本体10の外側に突出するようにして締結具30を傾斜支柱11aに装着することになる。
【0025】
このように、階段本体10にストッパー部材19を装着すると、それぞれの傾斜支柱11a〜12bの傾斜移動が規制されるので、階段本体10を作業者が上り下りするときに階段本体10が揺れることを防止することができる。これにより、作業者は安全に階段本体10を上り下りすることができる。図1には傾斜角度可変式の階段本体10の左右の傾斜支柱対11,12に1つずつストッパー部材19を装着した場合を示すが、左右の傾斜支柱対11,12のいずれか一方に装着すれば、階段本体10の傾斜移動を規制することができる。
【0026】
ストッパー部材19は連結棒材40の一端部に係合部材20の基端部が取り付けられており、係合部材20は連結棒材40に対して横方向に突出し、係合部材20には先端部側に係合凹部22が設けられている。したがって、ストッパー部材19を図2(A)に示すように、係合凹部22を上向きとして係合凹部22にピンを係合させると、ストッパー部材19がピンから外れることが防止される。一方、ストッパー部材19を図2(B)に示すように、係合凹部22を下向きとして当接部23にピンを当接すると、ピンよりも連結棒材40が上側となるので、当接部23が開口部24に向けてフラットとなっていても、ストッパー部材19がピンから外れることを防止できる。
【0027】
ストッパー部材19を、係合凹部22を上向きとして係合凹部22にピンを係合させたときには、ボルト35は傾斜支柱に対して外側となる。同様に、ストッパー部材19を、係合凹部22を下向きとして当接部23にピンを当接させたときにも、ボルト35は傾斜支柱に対して外側となる。ボルト35を傾斜支柱の内側に突出させると、作業者の上り下りに際してボルト35が作業者の邪魔となるが、図示するようにボルト35を外側に向けて突出させるようにすると、作業者の邪魔となることがない。
【0028】
同一のストッパー部材19を左右の傾斜支柱対11,12のいずれにも取り付けることができるので、左右の傾斜支柱対11,12に対応させて2種類のストッパー部材19を製造することなく、同一構造のストッパー部材19を、左右のいずれの傾斜支柱対11,12に対しても装着することができる。これにより、ストッパー部材19の保管管理を容易に行うことができる。また、階段本体10の左右の傾斜支柱対11,12のいずれにも同一構造のストッパー部材19を装着することができるので、同一構造の2つのストッパー部材19を左右の傾斜支柱対11,12の両方に装着することができるとともに、一方の傾斜支柱対にストッパー部材19を装着することもできる。
【0029】
ストッパー部材19の一端部は傾斜支柱対のピンに係合ないし当接させ、他端部は締結具30により傾斜支柱に固定するようにしたので、踏み板13の前後方向の幅寸法が相互に相違する複数種類の仮設階段に対しても同一のストッパー部材19を用いて傾斜移動を規制することができる。
【0030】
ストッパー部材19の階段本体10に対する装着形態としては、図1に示すように、係合部材20を背面側の傾斜支柱11b,12bのピンに係合させるようにし、正面側の傾斜支柱11a,12aに締結具30を装着するようにしているが、前後を逆転させてストッパー部材19を階段本体10に装着するようにしても良い。その場合にも、それぞれボルト35が外側となるように、ストッパー部材19を装着すると、作業者の上り下りの邪魔になることがない。
【0031】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、ストッパー部材19が装着される階段本体10としては、特許文献1に記載されるように、前側の傾斜支柱から踏み板13が突出し、後側の傾斜支柱まで踏み板13が伸びていないタイプについても適用することができる。また、当接部23を係合凹部22と同様に長孔としても良く、その場合には開口部24から図2において上下方向に係合凹部22と当接部23とが伸びた形状となる。
【符号の説明】
【0032】
10 階段本体
11 傾斜支柱対
11a,11b 傾斜支柱
12 傾斜支柱対
12a,12b 傾斜支柱
13 踏み板
14a,14b,15a,15b ピン
19 ストッパー部材
20 係合部材
21 長孔
22 係合凹部
23 当接部
24 開口部
30 締結具
31 連結片
32 締結片
33 スペーサ片
34 補強部
35 ボルト(ねじ部材)
36 連結ピン
40 連結棒材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に平行な2本の傾斜支柱を有する第1の傾斜支柱対と、相互に平行かつ前記傾斜支柱と平行な2本の傾斜支柱を有する第2の傾斜支柱対と、一端部が前記第1の傾斜支柱対の2本の前記傾斜支柱に回動自在にピンにより結合されるとともに他端部が前記第2の傾斜支柱対の2本の前記傾斜支柱に回動自在にピンにより結合される複数の踏み板とを有し傾斜角度が可変の階段本体と、
ピンが係合する係合凹部が先端部に形成され、ピンが当接する当接部が前記係合凹部に対向して基端部に形成されるとともに前記当接部に連通する着脱用の開口部が前記基端部に形成された係合部材と、前記係合部材の前記基端部に一端部が連結された連結棒材と、前記連結棒材の他端部に連結される連結片、および当該連結片に対向するとともに前記傾斜支柱を締結するねじ部材が設けられた締結片を有し前記傾斜支柱に装着される締結具とを備えたストッパー部材とを有し、
前記ストッパー部材を一方の前記傾斜支柱対に装着するときには前記係合凹部を前記連結棒材に対して上向きとして前記係合凹部に前記ピンを係合させ、前記ストッパー部材を他方の前記傾斜支柱対に装着するときには前記係合凹部を前記連結棒材に対して下向きとして前記当接部に前記ピンを当接させることにより、同一構造の前記ストッパー部材を両方の前記傾斜支柱対のいずれにも装着し得ることを特徴とする仮設階段。
【請求項2】
請求項1記載の仮設階段において、相互に同一構造の第1と第2の2つのストッパー部材を有し、一方のストッパー部材の前記係合凹部を前記連結棒材に対して上向きとして前記係合凹部に前記ピンを係合させて一方の前記傾斜支柱対に装着し、他方のストッパー部材の前記係合凹部を前記連結棒材に対して下向きとして前記当接部に前記ピンを当接させて他方の前記傾斜支柱対に装着することを特徴とする仮設階段。
【請求項3】
請求項1または2記載の仮設階段において、前記ねじ部材が前記傾斜支柱に対して外側となるように前記締結具を前記傾斜支柱に締結することを特徴とする仮設階段。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の仮設階段において、前記締結具の前記連結片を前記連結棒材に回動自在に連結することを特徴とする仮設階段。
【請求項5】
相互に平行な2本の傾斜支柱を有する第1の傾斜支柱対と、相互に平行かつ前記傾斜支柱と平行な2本の傾斜支柱を有する第2の傾斜支柱対と、一端部が前記第1の傾斜支柱対の2本の前記傾斜支柱に回動自在にピンにより結合されるとともに他端部が前記第2の傾斜支柱対の2本の前記傾斜支柱に回動自在にピンにより結合される複数の踏み板とを有し傾斜角度が可変となった仮設階段の傾斜移動を規制する仮設階段用のストッパーであって、
ピンが係合する係合凹部が先端部に形成され、ピンが当接する当接部が前記係合凹部に対向して基端部に形成されるとともに前記当接部に連通する着脱用の開口部が前記基端部に形成された係合部材と、
前記係合部材の前記基端部に一端部が連結された連結棒材と、
前記連結棒材の他端部に連結される連結片、および当該連結片に対向するとともに前記傾斜支柱を締結するねじ部材が設けられた締結片を有し前記傾斜支柱に装着される締結具とを備えたストッパー部材を有し、
前記ストッパー部材を一方の前記傾斜支柱対に装着するときには前記係合凹部を前記連結棒材に対して上向きとして前記係合凹部に前記ピンを係合させ、前記ストッパー部材を他方の前記傾斜支柱対に装着するときには前記係合凹部を前記連結棒材に対して下向きとして前記当接部に前記ピンを当接させることにより、同一構造の前記ストッパー部材を両方の前記傾斜支柱対のいずれにも装着し得ることを特徴とする仮設階段用のストッパー。
【請求項6】
請求項5記載の仮設階段用のストッパーにおいて、作業者が上り下りする前記踏み板の左側の前記傾斜支柱対に前記係合凹部を前記連結棒材に対して上向きとして前記ストッパー部材を装着し、前記踏み板の右側の前記傾斜支柱対に前記係合凹部を前記連結棒材に対して下向きとして前記ストッパー部材を装着することを特徴とする仮設階段用のストッパー。
【請求項7】
請求項5または6記載の仮設階段用のストッパーにおいて、前記ねじ部材が前記傾斜支柱に対して外側となるように前記締結具を前記傾斜支柱に締結することを特徴とする仮設階段用のストッパー。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項に記載の仮設階段用のストッパーにおいて、前記締結具の前記連結片を前記連結棒材に回動自在に連結することを特徴とする仮設階段用のストッパー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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