伏び用浚渫装置及び浚渫方法
【課題】伏び内の堆積物を排出する伏び用浚渫装置において、道路が近くまで通っておらず、且つ、孔芯が一直線でない伏びの内側に堆積した堆積物を排出する。
【解決手段】先端部11と、スクリュー部16と、横断面が多角形の棒材の両端に該横断面より食み出さない連結部23, 25を有し、スクリュー部16の軸部17の後端に連結増しできる回転用シャフト22と、回転用シャフト22を回転させない状態で挿通できる横断面形状の貫通孔37aを設けたシャフト受け部37を固定フレーム32に回転自在に支持した回転用シャフト支持装置36と、固定フレーム32に設けた駆動回転力の入力部41とシャフト受け部37を回転力伝達具42で連結した回転駆動装置40とを備え、連結された回転用シャフトどうし22は、両者の間の連結部23, 25を中心に任意の方向へ揺動するようになっており、回転用シャフト22は、その外側にストッパ孔45が設けられている。
【解決手段】先端部11と、スクリュー部16と、横断面が多角形の棒材の両端に該横断面より食み出さない連結部23, 25を有し、スクリュー部16の軸部17の後端に連結増しできる回転用シャフト22と、回転用シャフト22を回転させない状態で挿通できる横断面形状の貫通孔37aを設けたシャフト受け部37を固定フレーム32に回転自在に支持した回転用シャフト支持装置36と、固定フレーム32に設けた駆動回転力の入力部41とシャフト受け部37を回転力伝達具42で連結した回転駆動装置40とを備え、連結された回転用シャフトどうし22は、両者の間の連結部23, 25を中心に任意の方向へ揺動するようになっており、回転用シャフト22は、その外側にストッパ孔45が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伏びの内側に堆積した土砂等の堆積物を除去するための伏び用浚渫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図11に示す如く、伏び1は、軌道2の下側を軌道2の横断方向に沿って貫通し、軌道2の両脇に設けられた側溝3, 3を連通する水路である。伏び1は、その孔周壁が軌道2の下側に埋設した複数の管1a(陶管等)で形成されており、孔周壁を破損(管の亀裂等)したものは、土砂等が入って軌道2が陥没する原因となるので、伏び1内に堆積した堆積物を外側へ排出する排出作業を行った後、補修される。この排出作業には、図12に示す下水管用の堆積物排出装置60を用いることが考えられる(特許文献1)。
【特許文献1】特開平7−259176号公報
【0003】
前記堆積物排出装置60は、先端側から後端側へ向かって、ロータリカッタ61a、吸入ダクト61b、吸入ダクト61bに連通する複数の連結管61c、最後端の連結管61cに連通するジョイント61d、及びエアシリンダ61eがこの順番で接合された進入装置61と、ロータリカッタ61aの駆動モータ61a−1に油圧ホース62aを介して接続した油圧ポンプ62と、ジョイント61dに吸入ホース63bを介して連通した真空タンク63aを有する作業車63と、エアシリンダ61eにエアホース64aを介して接続したエアコンプレッサ64とを備える。前記堆積物排出装置60を用いた伏び1内の堆積物の排出作業は、先ず、伏び1の近くに、進入装置61、油圧ポンプ62、作業車63、及びエアコンプレッサ64を配置して、進入装置61の後端側のエアシリンダ61eを伏び1の外側に固定設置する。続いて、エアコンプレッサ64でエアシリンダ61eを延伸させてロータリカッタ61aを伏び1内の堆積物へ押し付けながら、油圧ポンプ62でロータリカッタ61aの駆動モータ61a−1を駆動してロータリカッタ61aを回転させて堆積物を崩していくと共に、崩した堆積物を吸入ダクト61bから複数の連結管61c, ジョイント61d, 及び吸入ホース63bを介して作業車63の真空タンク63aへ吸入していく。エアシリンダ61eをそのストロークぶん延ばし終わる毎に、ロータリカッタ61aの回転及び吸入ダクト61bによる堆積物の吸入を一旦停止し、最後端の連結管61cとジョイント61dとを分離しエアシリンダ61eを連結管61cの1 本当たりの管長さぶん収縮させて、最後端の連結管61cとジョイント61dとの間に新たな連結管を連結増しし、再び、エアシリンダ61eの延伸, ロータリカッタ61aの回転及び吸入ダクト61bによる堆積物の吸入で伏び1内の堆積物を排出していく。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記堆積物排出装置は、下記(1)及び(2)の問題があった。
(1)伏び1は、田んぼや山林地に隣接することが多く、道路が伏び1の近くまで通っていないことが多い。この場合、前記堆積物排出装置60の車両を伏び1に近づけることができないため、重い、進入装置61、油圧ポンプ62、真空タンク63a及びエアコンプレッサ64を伏び1の近くまで簡単に運ぶことができず、伏び1の浚渫作業が困難である。
【0005】
(2)伏び1を流れる農業用水や雨水等は伏びから漏れても問題がないため、伏び1の孔周壁の隣接する管1aどうしを水密に接合する必要もなく、時間の経過と共に屈折したり継ぎ目が上下左右にズレたりしたものが多い。ところが、前記堆積物排出装置60は、進入装置61の連結管61cを次々と連結増しつつ直線状に延ばして伏び1内に挿入することになるため、孔芯は一直線でない伏び1には適用できない。
【0006】
本発明は、道路が近くまで通っていない伏びの浚渫作業を容易にできるようにすると共に、孔芯が一直線でない伏びであっても堆積物を確実に排除できる伏び用浚渫装置及び浚渫方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
道路が近くまで通っていない伏びの浚渫作業を容易にできるようにすると共に、孔芯が一直線でない伏び内の堆積物を確実に排除できるように請求項1記載の本発明が採用した手段は、伏び内の堆積物を排出する伏び用浚渫装置において、棒材を螺旋状に巻いてなる先端部と、軸部の外周面に螺旋状の羽根が接合され、先端部の後端部に軸部の先端を連結できるスクリュー部と、横断面が多角形の棒材からなる棒状部にストッパ接合部を設けると共に棒状部の両端に該横断面より食み出さない連結部を設けてなり、スクリュー部の軸部の後端に次々と着脱自在に連結増しできると共に連結増したどうしが連結部を中心に任意の方向へ揺動可能となる複数本の回転用シャフトと、回転用シャフトとの間で回転を生じさせない状態で回転用シャフトを挿通できる横断面形状の貫通孔を有する回転自在なシャフト受け部及び駆動回転力の入力部を固定フレームに設け、入力部とシャフト受け部を回転力伝達具で連結してなる据置き可能なシャフト回転支持装置と、回転用シャフトのストッパ接合部へ着脱可能に装着でき、シャフト回転支持装置のシャフト受け部へ挿通する回転用シャフトの前進を阻止するようにシャフト回転支持装置に当接できるストッパとを備えていることを特徴とする伏び用浚渫装置である。
【0008】
請求項1記載の本発明にあっては、先端部、スクリュー部、各回転用シャフト及びシャフト回転支持装置を分離した状態で作業現場まで運ぶことができ、作業現場において、一本状に連結した先端部、スクリュー部及び適宜本数の回転用シャフトを伏び内へ挿入すると共に、伏びの外側に出ている回転用シャフトを据え置いたシャフト回転支持装置のシャフト受け部の貫通孔に挿通した状態のまま回転用シャフトを前方に押し込んで先端部を伏び内の堆積物に押し当て、このまま入力部から回転用シャフトに回転力を付与して回転させることで、回転用シャフトのストッパ接合部に装着したストッパがシャフト回転支持装置に当接するまで、先端部を堆積物にねじ込んで崩すと共に崩した堆積物を先端部よりも後方の回転中のスクリュー部内へ掻き集めることができ、次に、回転用シャフトを引っ張ってスクリュー部を堆積物と共に伏びの外側へ引き出して堆積物を排出することができ、続けて、堆積物に先端部をねじ込んでスクリュー部内へ掻き集めることと伏びの外側へ堆積物を排出することを繰り返すことで、伏び内の堆積物を排除することができ、堆積物の排出により伏び内へ挿入する回転用シャフトが不足するときには回転用シャフトの連結増しができ、伏びの孔芯が一直線でないときであっても、複数本の回転用シャフトを伏びの孔芯に沿って揺動させながら伏び内に挿入できると共に、連結部で屈折する複数本の回転用シャフトが回転しながら回転力を先端の先端部及びスクリュー部に伝達させ、堆積物を崩して掻き集めて排出することができる。
【0009】
堆積物の崩しが円滑にできるように請求項2記載の本発明が採用した手段は、前記先端部の螺旋形状は、先端へ向かう程に半径が小さくなっている請求項1記載の伏び用浚渫装置である。
【0010】
請求項2記載の本発明にあっては、先端部の先端側の螺旋の半径が小さくなっているので、先端部のねじ込みの開始段階において堆積物に先端部を大きな力でねじ込むことができる。
【0011】
一直線でない伏びに対する先端部の挿入を容易にすると共に挿入状態での回転を円滑にするために請求項3記載の本発明が採用した手段は、前記先端部と前記スクリュー部の連結を、連結部を中心に任意の方向へ揺動可能にできるようにした請求項1又は2記載の伏び用浚渫装置である。
【0012】
請求項3記載の本発明にあっては、伏びの孔芯が一直線でないときであっても、先端部を伏びの孔芯に沿って揺動させながら伏び内へ挿入して連結部で屈折させつつ先端部を回転させることができる。
【0013】
一直線でない伏び内へ連結増しした回転用シャフトを容易に前進できるようにするために請求項4記載の本発明が採用した手段は、前記各回転用シャフトの長手寸法は、伏びを形成する管の一本当たりの長手寸法よりも短くなっている請求項1乃至3のいずれかに記載の伏び用浚渫装置である。
【0014】
請求項4記載の本発明にあっては、スクリュー部の軸部の後端に揺動可能に連結増しした回転用シャフトを、孔芯が一直線でない伏びの管の一本当たりにつき1回は屈折させることができる。
【0015】
道路が近くまで通っていない伏びの浚渫作業を容易にできるようにすると共に、孔芯が一直線でない伏びの内側に堆積した堆積物であっても排出できるように請求項5記載の本発明が採用した手段は、伏び内の堆積物を外側へ排出する伏び用浚渫方法において、棒材を螺旋状に巻いてなる先端部と、軸部の外周面に螺旋状の羽根が接合され軸部を先端部の後端部に連結できるスクリュー部と、スクリュー部の軸部の後端に次々と着脱自在に連結増しできると共に連結部を中心に任意の方向へ揺動可能となる複数本の回転用シャフトと、回転用シャフトを挿通可能に支持して回転用シャフトに回転力を付与できるシャフト回転支持装置を分離した状態で浚渫作業現場まで運ぶ運搬工程と、浚渫作業現場において、一本状に連結した先端部、スクリュー部及び適宜本数の回転用シャフトを伏び内へ挿入すると共に、伏びの外側に出ている回転用シャフトを据え置いたシャフト回転支持装置へ挿通した状態のまま回転用シャフトを前方に押し込んで先端部を伏び内の堆積物に押し当て、このまま回転用シャフトに回転力を付与して回転させることで、先端部を堆積物にねじ込んで崩すと共に崩した堆積物を先端部よりも後方の回転中のスクリュー部内へ掻き集める堆積物の崩し掻き集め工程と、回転用シャフトを引っ張ってスクリュー部を堆積物と共に伏びの外側へ引き出して堆積物を排出する堆積物の排出工程と、前記堆積物の崩し掻き集め工程と前記堆積物の排出工程を繰り返すことで伏び内の堆積物を排除し、堆積物の排出により伏び内へ挿入する回転用シャフトが不足するときには回転用シャフトを連結増しする繰り返し工程とからなることを特徴する伏び用浚渫方法である。
【0016】
請求項5記載の本発明において、前記各回転用シャフトにストッパ接合部を予め設けると共に、ストッパ接合部に着脱自在に装着できるストッパを浚渫作業現場まで運び、前記回転用シャフトに回転力を付与して回転させるときに、回転用シャフトのストッパ接合部に装着したストッパがシャフト回転支持装置に当接するまで回転用シャフトを前方へ進めるようにすることもある。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の本発明に係る伏び用浚渫装置は、先端部、スクリュー部、各回転用シャフト及びシャフト回転支持装置を分離した状態で作業現場まで運ぶことが可能なため、道路が近くまで通っていない伏びの浚渫作業を容易にできると共に、伏びの孔芯が一直線でないときであっても、複数本の回転用シャフトを伏びの孔芯に沿って揺動させながら伏び内に挿入できると共に、連結部で屈折する複数本の回転用シャフトが回転しながら回転力を先端の先端部及びスクリュー部に伝達させ、堆積物を崩して掻き集めて排出できるので、孔芯が一直線でない伏び内の堆積物を確実に排除できる。
【0018】
請求項2記載の本発明に係る伏び用浚渫装置は、堆積物に先端部を大きな力でねじ込むことができるので、堆積物の崩しが円滑にできる。
【0019】
請求項3記載の本発明に係る伏び用浚渫装置は、先端部を伏びの孔芯に沿って揺動させながら伏び内へ挿入して連結部で屈折させつつ先端部を回転させることができるので、一直線でない伏びに対するスクリュー部の挿入を容易にすると共に挿入状態での回転を円滑にすることができる。
【0020】
請求項4記載の本発明に係る伏び用浚渫装置は、孔芯が一直線でない伏びの管の一本当たりにつき1回は屈折するので、一直線でない伏び内へ連結増しした回転用シャフトを容易に前進させることができる。
【0021】
請求項5記載の本発明に係る伏び用浚渫方法は、先端部、スクリュー部、各回転用シャフト及びシャフト回転支持装置を分離した状態で浚渫作業現場まで運ぶことができるため、道路が近くまで通っていない伏びの浚渫作業を容易にできると共に、伏びの孔芯が一直線でないときであっても、複数本の回転用シャフトを伏びの孔芯に沿って揺動させながら伏び内に挿入できると共に、連結部で屈折する複数本の回転用シャフトが回転しながら回転力を先端の先端部及びスクリュー部に伝達させ、堆積物を崩して掻き集めて排出できるので、孔芯が一直線でない伏び内の堆積物を確実に排除できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係る伏び用浚渫装置(以下、「本発明浚渫装置」という。)を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0023】
図1〜図10は本発明浚渫装置の実施の形態を示すものである。図1は、本発明浚渫装置を伏びに連通する側溝に設置した状態を示す右側面断面図であって、図(A)は側溝の前後幅が広い場合の態様を示し、図(B)は側溝の前後幅が狭い場合の態様を示したものである。図2は、一本状態に連結した先端部、スクリュー部、及び複数の回転用シャフトを拡大して示す右側面図であり、スクリュー部の両端側及び回転用シャフトを断面して要部を示したものである。図3は、先端部を拡大して示すものであって、図(A)は右側面図、図(B)は軸部の背面図である。図4は、スクリュー部を拡大して示すものであって、図(A)は右側面断面図、図(B)は軸部の正面図、図(C)は軸部の背面図である。図5(A)〜(D)は、回転用シャフトを拡大して示すものであって、図(A)は右側面断面図、図(B)は平面図、図(C)は正面図、図(D)は背面図である。図6は、回転用シャフトどうしの連結状態を示す右側面断面図であり、図(A)は両者の軸芯が同一直線上に位置する状態、図(B)は先側の回転用シャフトを下方向へ揺動させて屈折した状態を示すものである。図7は、回転用シャフトどうしの連結状態を示す平面断面図であり、図(A)は両者の軸芯が同一直線上に位置する状態、図(B)は先側の回転用シャフトを左方向へ揺動させて屈折した状態を示すものである。図8は、シャフト回転支持装置を示す右側面図であり、フレーム本体及びシャフト受け部を断面したものである。図9はシャフト回転支持装置を示す斜視図である。図10は、伏び及び側溝に設置した本発明浚渫装置を前後方向に中間省略し、本発明浚渫装置を用いて伏び内の堆積物を排出する方法を示す右側面断面図であって、図(A)は先端部を堆積物に押し当てて少し食い込ませる工程、図(B)は先端部を回転させて堆積物にねじ込む工程、図(C)は回転する先端部で堆積物を崩して崩した堆積物をスクリュー部内へ掻き集める工程を示すものである。
【0024】
本発明浚渫装置10は、一本状態に連結して伏び1内に挿入される、先端部(所謂オーガー部)11、スクリュー部16及び複数本の回転用シャフト22と、伏び1に連通する側溝3内に据え置かれ、挿通させた回転用シャフト22を支持しつつ回転力を回転用シャフト22へ伝達させるシャフト回転支持装置49と、回転用シャフト22の前進を阻止するストッパー45(図2参照)とを備えている。
【0025】
前記先端部11は、図3に示す如く、鋼からなる20mmφ程度の棒材を螺旋状に巻いて形成した先端本体部12と、先端本体部12の後端に溶接等で接合した軸部13とからなる。本例の先端本体部12の螺旋形状は、後端側から先端へ向かう程に半径が小さくなるように棒材が巻かれ、棒材の先端を鋭角にしてある。このように先端部11は、先端本体部12の先端側の螺旋の半径を小さくすることで、堆積物に対するねじ込みの開始段階において大きな力で容易にねじ込むことができるようになる。なお、先端部11の螺旋形状は、図示は省略したが、同一の半径で棒材を巻いて形成することもある。前記軸部13は、その後端側に横断面の外形を多角形(例えば、六角形)とした凸部14aと該凸部14aに横断方向に穿設したボルト用挿通孔14bとを有する後端側連結部14が形成されている。
【0026】
前記先端部11は、その最大半径をスクリユー部16の半径と同等又は若干大きくし、先頭になって伏び1内へ挿入するときに、スクリュー部16及び回転用シャフト22を誘導するガイドとして役目と、伏び管1a,1aの継手部へスクリュー部16がめり込まない役目とを発揮するようになっている。先端部11は、この役目を発揮するように、先端本体部12の最大半径とその前後長さを最適値に設定してあり、例えば、伏び管1aの標準的な寸法(孔径が300mmで前後長さが600mm)については、最大半径を120〜140mm(最適は130mm)で、その前後長さを250〜350mmとしてある。
【0027】
前記スクリュー部16は、図4に示す如く、外径が50mm程度の鋼管等で形成された軸部17の外周面に、鋼製等の羽根20が巻付け方向を先端本体部12の螺旋方向と同方向に巻いて螺旋状して溶接等で接合されている。前記スクリュー部16の軸部17は、先端側に横断面の内形を多角形(例えば、六角形)とした凹部18aと該凹部18aに横断方向に穿設したボルト用挿通孔18bとを有する先端側連結部18が形成され、後端側に横断面の外形を多角形(例えば、六角形)とした凸部19a及び該凸部19aに横断方向に穿設したボルト用挿通孔19bを有する後端側連結部19が形成されている。
【0028】
前記スクリュー部16は、各伏び管1aへ円滑に挿通できるように、半径とその前後長さを最適値に設定してあり、例えば、伏び管1aの標準的な寸法(孔径が300mmで前後長さが600mm)については、半径を115〜135mm(最適は125mm)で、その前後長さを250〜350mmとしてある。
【0029】
前記先端部11とスクリュー部16との連結は、図2に示す如く、本例では、先端部11の後端側連結部14の凸部14a(図3参照)にスクリュー部16の先端側連結部18の凹部18a(図4参照)を嵌入し、両連結部14, 18のボルト用挿通孔14b, 18b(図3,図4参照)に挿通したボルト28にナット29を緊締することで、両者11, 16を分離可能とし持ち運び易くしてある。先端部11とスクリュー部16の連結は、先端部11単独の長手寸法が回転用シャフト22の長手寸法と同一又は近似するときには、後述する回転用シャフト22どうしの連結と同様に、両者の軸芯の最大屈折角度θが3°以下(最適は2°)となるように任意の方向へ揺動できるようにして、一直線でない伏び1内をスムーズに前進後退及び回転ができるようにし、また、連結状態の先端部11とスクリュー部16の長手寸法が回転用シャフト22の長手寸法と同一又は近似するときには、揺動しないように連結するとよい。
【0030】
前記回転用シャフト22は、図5に示す如く、棒状部24と、棒状部24の先端に一体に形成した先端側連結部23と、棒状部24の後端に接合した後端側連結部25とからなる。棒状部24は、鋼、FRP(繊維強化プラスチック)又はアルミニユーム製の中空棒材から成形され、横断面の外形が多角形で且つ横断面の内形がスクリュー部16の後端側連結部19の凸部19aの横断面外形と同角数の多角形となっており、軸芯方向に沿って適宜間隔で穿設した孔や外側面に凹設した凹溝等からなるストッパ接合部24aが設けられている。棒状部24は、多角形の横断面に45〜50mmの円が外接する大きさとなっている。先端側連結部23は、棒状部24の先端側に、外側を削成等して平行に形成したボルトナット配置用段部23c,23cにボルト用挿通孔23bが穿設されたものである。後端側連結部25は、横断面の外形が多角形の凸部25aにボルト用挿通孔25bが穿設され、先端凸部を棒状部24の後端孔へ同一軸芯状に嵌入して溶接等で接合したものである。
【0031】
前記回転用シャフト22は、回転用シャフト22の長手寸法を伏び1の孔周壁を形成する管1aの一個当たりの長手寸法よりも短くし、スクリュー部16の軸部17の後端に連結増ししたときに、伏び管1aの一個当たりにつき1回は揺動屈折できるようにして一直線でない伏び1内をスムーズに前進後退及び回転ができるようにしてある。
【0032】
更に、回転用シャフト22は、図6及び図7に示す如く、連結した回転用シャフト22どうしの軸芯の最大屈折角度θが3°以下(最適は2°)となるように任意の方向で揺動できるようにすることで、複数本を一本状に連結した状態で一直線でない伏び1内をスムーズに前進後退及び回転ができるようにしてある。
【0033】
前記スクリュー部16と回転用シャフト22との連結は、図2に示す如く、スクリュー部16の後端側連結部19の凸部19a(図4参照)に、回転用シャフト22の先端側連結部23の凹部23a(図5参照)を嵌入し、両連結部19, 23のボルト挿通孔19b, 23b(図4,図5参照)に挿通したボルト28にナット29を緊締することで、スクリュー部16の後端側に回転用シャフト22を着脱自在に連結できるようにしてある。スクリュー部16と回転用シャフト22の連結は、後述する回転用シャフト22どうしの連結と同様に、連結したどうしの軸芯の最大屈折角度θが3°以下(最適は2°)となるように任意の方向で揺動できるようにして、一直線でない伏び1内をスムーズに前進後退及び回転ができるようにすることもある。
【0034】
前記回転用シャフト22どうしの連結は、図6及び図7に示す如く、先側の回転用シャフト22の後端側連結部25の凸部25aに後側の回転用シャフト22の先端側連結部23の凹部23aを嵌入し、両連結部25, 23のボルト用挿通孔25b, 23bに挿通したボルト28にナット29を緊締することで、両回転用シャフト22を着脱自在に連結してある。連結した回転用シャフト22どうしは、図6(A)に示す如く、前記緊締されたボルト28とナット29が、先端側連結部23のボルトナット配置用段部23cに配置されて回転用シャフト22本体の外形に沿って延長した仮想延長面30よりも外側に食み出さないようになっており、連結箇所が後述するシャフト受け部37の貫通孔37aを前後方向へ挿通できるようになっている。
【0035】
前記回転用シャフト22は、後端側連結部25の凸部25aの横断面外形よりも先端側連結部23の凹部23aの横断面内形が大きい遊嵌合状態となるようにしてある。連結した回転用シャフト22どうしは、図6(A)及び図7(A)に示す如く、互いを同一軸芯上に配置した場合は、前側の回転用シャフト22の後端側連結部25の凸部25aと後側の回転用シャフト22の先端側連結部23の凹部23aとの間に遊間が形成されるから、緊締したボルト28の軸部を中心として任意の方向へ揺動(例えば、図6(B)に示す下方向への揺動、図7(B)に示す左方向への揺動等)させて屈折させることができ、又、屈折して先側の回転用シャフト22の後端側連結部25の凸部25aと後側の回転用シャフト22の先端側連結部23の凹部23aとが当接すると(図6(B)及び図7(B)参照)揺動を規制するようになっている。このように、連結した回転用シャフト22どうしは、両回転用シャフト軸芯の交差角度θ(θは3°以下の範囲となるように設定される)で任意方向へ揺動して屈折でき、屈折した状態を維持したまま回転力を伝達できるようになっている。
【0036】
前記シャフト回転支持装置49は、図8及び図9に示す如く、固定フレーム32と、回転用シャフト22との間で回転を生じさせない状態で回転用シャフト22を挿通できる横断面形状の貫通孔37aを有するシャフト受け部37を固定フレーム32に回転自在に設けた回転用シャフト支持装置36と、固定フレーム32に設けた駆動回転力の入力部41とシャフト受け部37を回転力伝達具42で連結した回転駆動装置40とを備え、浚渫作業現場の側溝3等に据置き可能となっている。シャフト回転支持装置49は、人力で運搬可能な重量(20kg前後)となるように構成されている。
【0037】
前記固定フレーム32は、図8に示す如く、前板33aと後板33bとを前後に離して側板33c等で連結されて、内側に前記回転用シャフト支持装置36及び前記回転駆動装置40を配置するための内部スペース33dを形成したフレーム本体33と、フレーム本体33を支持する脚部34とを備える。固定フレーム32は、軽量化を図ってシャフト回転支持装置49の持ち運びをし易くするために、材質としてアルミニユーム又はFRP等を選択することもある。固定フレーム32は、フレーム本体33と脚部34とがボルト39で着脱自在に接合されており、両者33,34を分離することでシャフト回転支持装置49の持ち運びをし易くしてある。
【0038】
前記固定フレーム32の脚部34は、図9に示す如く、フレーム本体33が上部に載設される安置台34aと、安置台34aの左右に一組宛て設けられる脚本体部34bとを備え、各組の脚本体部34bに設けられた前後の脚先部34g,34gの左右及び前後位置を、シヤフト回転支持装置49の据え置く場所の状況に応じて変更できるようにしてある。各脚本体部34bは、連結部34dから左右方向へ延びる前後二本の第1の支持棒34c,34cが突設され、連結部34dに穿設した挿通孔34d−1,34d−1に、前後方向へ延びて先端に脚先部34gを設けた二本の第2の支持棒34e,34eの一方が前方から挿入されると共に他方が後方から挿入されている。各組の脚本体部34bは、安置台34aに穿設した挿通孔34a−1,34a−1に第1の支持棒34c,34cを挿入できるようにしてある。そして、各組の脚本体部34bは、前後の脚先部34g,34gの左右及び前後位置を調節するとき、安置台34aに対する第1の支持棒34c,34cの挿入寸法が調節されると共に、連結部34dに対する第2の支持棒34e,34eの挿入寸法が調節され、安置台34a及び連結部34dに設けた固定具(ボルト)34fで第1・第2の支持棒34c,34eが固定されるようになっている。
【0039】
前記回転用シャフト支持装置36は、図8に示す如く、フレーム本体33の前板33a及び後板33bに穿設した孔に転がり軸受を介して装着する等してフレーム本体33に回転自在に支持したシャフト受け部37に、回転用シャフト22の棒状部24の横断面外形と同一又は若干大きい横断面形状の前後方向へ貫通する貫通孔37aを設けてある。これにより、前記回転用シャフト支持装置36は、シャフト受け部37の貫通孔37aの横断面形状が、回転用シャフト22との間で回転を生じさせない状態で挿通できるようになっているから、(1)回転用シャフト22の棒状部24をシャフト受け部37の貫通孔37aに挿通して前後方向に摺動案内することができ、(2)ボルト28とナット29を緊締した状態の回転用シャフト22の先端側連結部23をシャフト受け部37の貫通孔37aに挿通可能でき(前述の如く、緊締したボルト28とナット29は先端側連結部23のボルトナット配置用段部23c,23cに配置され連結部23が回転用シャフト22の横断面外形よりも外側へ食み出すことが無いため。)、(3)シャフト受け部37に回転力を付与して貫通孔37aに挿通した回転用シャフト22を軸芯22a回りへシャフト受け部37と共回りさせることができる。
【0040】
前記回転駆動装置40は、フレーム本体33の前板33a及び後板33bに穿設した孔に転がり軸受を介して装着する等してフレーム本体33に回転自在に支持された駆動回転力の入力部41と、入力部41と回転用シャフト支持装置36のシャフト受け部37とを連結する回転力伝達具42とを備えている。回転力伝達具42は、入力部41に一体に接合された原動側スプロケット42aと、回転用シャフト支持装置36のシャフト受け部37にキー(図示省略)を介して接合されシャフト受け部37と共回りする従動側スプロケット42cと、両スプロケット42a, 42cに巻回して噛合する伝動チェーン42bとからなる。本例の回転駆動装置40は、駆動回転力の入力部41にハンドル43を接合することで、入力部41に駆動回転力を人力で入力するようにし、原動機の持ち運びを不要とした態様である。本例の態様の他には、入力部41に小型電動モータ(図示略)の出力部を連結した電動式とすることで、作業者が疲れないようにした態様もある。
【0041】
前記ストッパ45は、図2に示す如く、回転用シャフト22を構成する棒状部24に設けられた複数のストッパ接合部24aのうちの任意のストッパ接合部24aへ着脱可能に装着できると共に装着時に容易に脱落しないものであって、ストッパ接合部24aが孔のときには孔へ挿着できるボルト45aと挿着したボルト45aに螺着するナット45bとを組合せたもの等が選択され、ストッパ接合部24aが外側面の凹溝のときには凹溝に外嵌できるリング等が選択される。ストッパ45は、シャフト回転支持装置49のシャフト受け部37へ挿通された回転用シャフト22におけるシャフト受け部37より後方に適宜寸法だけ離れたストッパ接合部24aに装着され(図10の図A参照)、回転用シャフト22の前進に伴いシャフト回転支持装置49に当接すると、回転用シャフト22の前進を阻止することができる(図10の図B及び図C参照)。
【0042】
本発明浚渫装置10を用いて伏び1内の堆積物を排出する方法は、以下の工程で行われる。
(第1工程:シャフト回転支持装置49の運搬)
本発明浚渫装置10を、先端部11と、スクリュー部16と、必要本数の回転用シャフト22と、シャフト回転支持装置49とに分離し、更に、シャフト回転支持装置49の固定フレーム33をフレーム本体33と脚部34とに分離し、分離した各々を人力で伏び1の近くまで持ち運ぶ。
【0043】
(第2工程:シャフト回転支持装置49の据え置き)
浚渫作業に最適な場所に、フレーム本体33と脚部34とをボルト39で接合して組立てたシャフト回転支持装置49を据え置く。なお、伏び1との関係でシャフト回転支持装置49の芯出しを容易とするために、適当なときに、シャフト回転支持装置49のシャフト受け部37の貫通孔37aに回転用シャフト22を挿通し、回転用シャフト22の先端を伏び1に位置合わせするとよい。もし、本例のようにシャフト回転支持装置49を側溝3に据え置くときには、側溝3の形状に合わせて各脚先部34gの左右及び前後位置を適宜変更し、安定よく据え置きできるようにする。なお、側溝3の幅が固定フレーム32の前後幅よりも狭い場合には、側溝3を掘り拡げてから設置するとよい。
【0044】
この際、フレーム本体33の前後位置を調節することで、フレーム本体33の後板33bと側溝3の壁面との間に回転用シャフト22を連結増しできるスペースを確保したり、伏び1の開口とフレーム本体33の前板33aとの間に先端部11及びスクリュー部16を引出しできるスペースを予め確保したりすることもある。
【0045】
(第3工程:先端部11、スクリュー部16及び回転用シャフト22の準備)
図1(A)のように側溝3の前後幅が広いときには、シャフト回転支持装置49のシャフト受け部37の貫通孔37aへ挿通し、回転用シャフト22とスクリュー部16と先端部11を一本状に連結する。また、図1(B)のように側溝3の前後幅が狭いときには、伏び1の開口端側の内側へ一本状に連結した状態で先端部11及びスクリュー部16を挿入すると共に、シャフト回転支持装置49のシャフト受け部37の貫通孔37aへ挿通した回転用シャフト22をスクリュー部16に連結する。なお、伏び1の内側に開口部まで堆積物が詰まっているときには、予め堆積物をシャベル等で伏び1の外側に掻き出し、伏び1内に先端部11やスクリュー部16を挿入し易くしておくとよい。回転用シャフト22が足りないときには、回転用シャフト22を連結増しするとよい。
【0046】
(第4工程:堆積物の崩し掻き集め)
図10(A)に示す如く、回転用シャフト22の貫通孔27aへ挿通した回転用シャフト22を人力で前方に押し込み、前進した先端部11を伏び1内の堆積物に少し食い込ませた後、回転用シャフト22の押し込みを停止する。続けて、シャフト受け部37の後端よりも適宜寸法だけ後方に離れたストッパ接合部24aにストッパ45を装着した後、ハンドル43から人力による駆動回転力を回転駆動装置40の入力部41、回転力伝達具42及びシャフト受け部37を介して回転用シャフト22に伝達付与して、一本に連結した、先端部11、スクリュー部16及び回転用シャフト22を適宜数だけ回転させる。この回転操作に伴い、先ず、図10(B)に示す如く、先端部11の棒材を螺旋状に巻いた先端本体部12が堆積物にねじ込まれて前進し、次に、図10(C)に示す如く、ストッパ45がシャフト受け部37に当接して先端部11の前進が阻止された後は、前進停止した状態で回転させる先端本体部12が、ねじ込んだ堆積物を崩すと共に崩した堆積物を先端部11よりも後方のスクリュー部16内へ掻き集めることで堆積物を掘る。
【0047】
先端部11の螺旋状に巻いてなる先端本体部12の先端側の半径を小さくしてあるときには、堆積物へのねじ込みの開始段階において先端本体部12の先端側を大きな力でねじ込むことができるので、先端部11のねじ込みが容易である。また、先端本体部12の後端の半径がスクリュー部16の半径よりも5〜15mm大きくしたときには、先端部11及びスクリュー部16を伏び1内に挿入すると先端部11の後端よりも半径の小さいスクリュー部16の先端が伏び1の孔周壁から離れるので、伏び1内を前進するスクリュー部16の先端は伏び1を形成する管1a, 1aどうしの継ぎ目に引っ掛かることがないから、スクリュー部16の伏び1内での前進をスムーズに行うことができる。
【0048】
(第5工程:堆積物の排出)
後端の回転用シャフト22を後方へ引っ張って、伏び1内から回転用シャフト22をシヤフト回転支持装置49の後方へ引き出すことで、掻き集めた堆積物をスクリュー部16と共に後退させて、伏び1の開口端よりも外側へ排出する。引っ張り出す回転用シャフト22が側溝3等に衝突するときには、回転用シャフト22の連結を解いて分離するとよい。
【0049】
(第6工程:堆積物の崩し掻き集め乃至排出の繰り返し)
前記第4工程及び第5工程の順番で両工程を適宜回数だけ繰り返して伏び1内を掘り進めて堆積物を外側へ排出して、伏び1内に貫通孔を形成する。堀り進めるのに伴い押し込む回転用シャフト22が足りないときには、回転用シャフト22を連結して継ぎ足すとよい。繰り返す第4工程及び第5工程において、伏び1の孔芯が一直線でないとしても、伏び1の孔芯に沿って、一本状に連結した、先端部11とスクリュー部16と複数本の回転用シャフト22とを揺動屈折させながら伏び1内に挿入できる。また、連結した回転用シャフト22を回転させるときには、伏び1の孔芯が一直線でないとしても、連結した回転用シャフト22どうしが屈折状態を維持したまま回転力を伝達させることができるから、一本状に連結した先端部11とスクリュー部16と複数本の回転用シャフト22を、揺動屈折させながら又は揺動屈折させることなく回転することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明浚渫装置の実施の形態を示すものであって、本発明浚渫装置を伏びに連通する側溝に設置した状態を示す右側面断面図であり、図(A)は側溝の前後幅が広い場合の態様を示し、図(B)は側溝の前後幅が狭い場合の態様を示したものである。
【図2】同実施の形態において、一本状態に連結した先端部、スクリュー部、及び複数の回転用シャフトを拡大して示す右側面図であり、スクリュー部の両端側及び回転用シャフトを断面して要部を示したものである。
【図3】同実施の形態において、先端部を拡大して示すものであって、図(A)は右側面図、図(B)は軸部の背面図である。
【図4】同実施の形態において、スクリュー部を拡大して示すものであって、図(A)は右側面断面図、図(B)は軸部の正面図、図(C)は軸部の背面図である。
【図5】同実施の形態において、回転用シャフトを拡大して示すものであって、図(A)は右側面断面図、図(B)は平面図、図(C)は正面図、図(D)は背面図である。
【図6】同実施の形態において、回転用シャフトどうしの連結状態を示す右側面断面図であり、図(A)は両者の軸芯が同一直線上に位置する状態、図(B)は先側の回転用シャフトを下方向へ揺動させて屈折した状態を示すものである。
【図7】同実施の形態において、回転用シャフトどうしの連結状態を示す平面断面図であり、図(A)は両者の軸芯が同一直線上に位置する状態、図(B)は先側の回転用シャフトを左方向へ揺動させて屈折した状態を示すものである。
【図8】同実施の形態において、シャフト回転支持装置を示す右側面図であり、フレーム本体及びシャフト受け部を断面したものである。
【図9】同実施の形態において、シャフト回転支持装置を示す斜視図である。
【図10】同実施の形態において、伏び及び側溝に設置した本発明浚渫装置を前後方向に中間省略した右側断面図であって、本発明浚渫装置を用いて伏び内の堆積物を排出する方法を示すものであり、図(A)は先端部を堆積物に押し当てて少し食い込ませる工程、図(B)は先端部を回転させて堆積物にねじ込む工程、図(C)は回転する先端部で堆積物を崩して崩した堆積物をスクリュー部内へ掻き集める工程を示すものである。
【図11】伏びを示す右側面断面図である。
【図12】下水管用の堆積物排出装置を示す右側面断面図である。
【符号の説明】
【0051】
10…伏び用浚渫装置 11…先端部 16…スクリュー部 17…軸部 20…羽根 22…回転用シャフト 23…連結部 24a…ストッパ接合部 25…連結部 32…固定フレーム 36…回転用シャフト支持装置 37…シャフト受け部 37a…貫通孔 40…回転駆動装置 41…駆動回転力の入力部 42…回転力伝達具 45…ストッパ
【技術分野】
【0001】
本発明は、伏びの内側に堆積した土砂等の堆積物を除去するための伏び用浚渫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図11に示す如く、伏び1は、軌道2の下側を軌道2の横断方向に沿って貫通し、軌道2の両脇に設けられた側溝3, 3を連通する水路である。伏び1は、その孔周壁が軌道2の下側に埋設した複数の管1a(陶管等)で形成されており、孔周壁を破損(管の亀裂等)したものは、土砂等が入って軌道2が陥没する原因となるので、伏び1内に堆積した堆積物を外側へ排出する排出作業を行った後、補修される。この排出作業には、図12に示す下水管用の堆積物排出装置60を用いることが考えられる(特許文献1)。
【特許文献1】特開平7−259176号公報
【0003】
前記堆積物排出装置60は、先端側から後端側へ向かって、ロータリカッタ61a、吸入ダクト61b、吸入ダクト61bに連通する複数の連結管61c、最後端の連結管61cに連通するジョイント61d、及びエアシリンダ61eがこの順番で接合された進入装置61と、ロータリカッタ61aの駆動モータ61a−1に油圧ホース62aを介して接続した油圧ポンプ62と、ジョイント61dに吸入ホース63bを介して連通した真空タンク63aを有する作業車63と、エアシリンダ61eにエアホース64aを介して接続したエアコンプレッサ64とを備える。前記堆積物排出装置60を用いた伏び1内の堆積物の排出作業は、先ず、伏び1の近くに、進入装置61、油圧ポンプ62、作業車63、及びエアコンプレッサ64を配置して、進入装置61の後端側のエアシリンダ61eを伏び1の外側に固定設置する。続いて、エアコンプレッサ64でエアシリンダ61eを延伸させてロータリカッタ61aを伏び1内の堆積物へ押し付けながら、油圧ポンプ62でロータリカッタ61aの駆動モータ61a−1を駆動してロータリカッタ61aを回転させて堆積物を崩していくと共に、崩した堆積物を吸入ダクト61bから複数の連結管61c, ジョイント61d, 及び吸入ホース63bを介して作業車63の真空タンク63aへ吸入していく。エアシリンダ61eをそのストロークぶん延ばし終わる毎に、ロータリカッタ61aの回転及び吸入ダクト61bによる堆積物の吸入を一旦停止し、最後端の連結管61cとジョイント61dとを分離しエアシリンダ61eを連結管61cの1 本当たりの管長さぶん収縮させて、最後端の連結管61cとジョイント61dとの間に新たな連結管を連結増しし、再び、エアシリンダ61eの延伸, ロータリカッタ61aの回転及び吸入ダクト61bによる堆積物の吸入で伏び1内の堆積物を排出していく。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記堆積物排出装置は、下記(1)及び(2)の問題があった。
(1)伏び1は、田んぼや山林地に隣接することが多く、道路が伏び1の近くまで通っていないことが多い。この場合、前記堆積物排出装置60の車両を伏び1に近づけることができないため、重い、進入装置61、油圧ポンプ62、真空タンク63a及びエアコンプレッサ64を伏び1の近くまで簡単に運ぶことができず、伏び1の浚渫作業が困難である。
【0005】
(2)伏び1を流れる農業用水や雨水等は伏びから漏れても問題がないため、伏び1の孔周壁の隣接する管1aどうしを水密に接合する必要もなく、時間の経過と共に屈折したり継ぎ目が上下左右にズレたりしたものが多い。ところが、前記堆積物排出装置60は、進入装置61の連結管61cを次々と連結増しつつ直線状に延ばして伏び1内に挿入することになるため、孔芯は一直線でない伏び1には適用できない。
【0006】
本発明は、道路が近くまで通っていない伏びの浚渫作業を容易にできるようにすると共に、孔芯が一直線でない伏びであっても堆積物を確実に排除できる伏び用浚渫装置及び浚渫方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
道路が近くまで通っていない伏びの浚渫作業を容易にできるようにすると共に、孔芯が一直線でない伏び内の堆積物を確実に排除できるように請求項1記載の本発明が採用した手段は、伏び内の堆積物を排出する伏び用浚渫装置において、棒材を螺旋状に巻いてなる先端部と、軸部の外周面に螺旋状の羽根が接合され、先端部の後端部に軸部の先端を連結できるスクリュー部と、横断面が多角形の棒材からなる棒状部にストッパ接合部を設けると共に棒状部の両端に該横断面より食み出さない連結部を設けてなり、スクリュー部の軸部の後端に次々と着脱自在に連結増しできると共に連結増したどうしが連結部を中心に任意の方向へ揺動可能となる複数本の回転用シャフトと、回転用シャフトとの間で回転を生じさせない状態で回転用シャフトを挿通できる横断面形状の貫通孔を有する回転自在なシャフト受け部及び駆動回転力の入力部を固定フレームに設け、入力部とシャフト受け部を回転力伝達具で連結してなる据置き可能なシャフト回転支持装置と、回転用シャフトのストッパ接合部へ着脱可能に装着でき、シャフト回転支持装置のシャフト受け部へ挿通する回転用シャフトの前進を阻止するようにシャフト回転支持装置に当接できるストッパとを備えていることを特徴とする伏び用浚渫装置である。
【0008】
請求項1記載の本発明にあっては、先端部、スクリュー部、各回転用シャフト及びシャフト回転支持装置を分離した状態で作業現場まで運ぶことができ、作業現場において、一本状に連結した先端部、スクリュー部及び適宜本数の回転用シャフトを伏び内へ挿入すると共に、伏びの外側に出ている回転用シャフトを据え置いたシャフト回転支持装置のシャフト受け部の貫通孔に挿通した状態のまま回転用シャフトを前方に押し込んで先端部を伏び内の堆積物に押し当て、このまま入力部から回転用シャフトに回転力を付与して回転させることで、回転用シャフトのストッパ接合部に装着したストッパがシャフト回転支持装置に当接するまで、先端部を堆積物にねじ込んで崩すと共に崩した堆積物を先端部よりも後方の回転中のスクリュー部内へ掻き集めることができ、次に、回転用シャフトを引っ張ってスクリュー部を堆積物と共に伏びの外側へ引き出して堆積物を排出することができ、続けて、堆積物に先端部をねじ込んでスクリュー部内へ掻き集めることと伏びの外側へ堆積物を排出することを繰り返すことで、伏び内の堆積物を排除することができ、堆積物の排出により伏び内へ挿入する回転用シャフトが不足するときには回転用シャフトの連結増しができ、伏びの孔芯が一直線でないときであっても、複数本の回転用シャフトを伏びの孔芯に沿って揺動させながら伏び内に挿入できると共に、連結部で屈折する複数本の回転用シャフトが回転しながら回転力を先端の先端部及びスクリュー部に伝達させ、堆積物を崩して掻き集めて排出することができる。
【0009】
堆積物の崩しが円滑にできるように請求項2記載の本発明が採用した手段は、前記先端部の螺旋形状は、先端へ向かう程に半径が小さくなっている請求項1記載の伏び用浚渫装置である。
【0010】
請求項2記載の本発明にあっては、先端部の先端側の螺旋の半径が小さくなっているので、先端部のねじ込みの開始段階において堆積物に先端部を大きな力でねじ込むことができる。
【0011】
一直線でない伏びに対する先端部の挿入を容易にすると共に挿入状態での回転を円滑にするために請求項3記載の本発明が採用した手段は、前記先端部と前記スクリュー部の連結を、連結部を中心に任意の方向へ揺動可能にできるようにした請求項1又は2記載の伏び用浚渫装置である。
【0012】
請求項3記載の本発明にあっては、伏びの孔芯が一直線でないときであっても、先端部を伏びの孔芯に沿って揺動させながら伏び内へ挿入して連結部で屈折させつつ先端部を回転させることができる。
【0013】
一直線でない伏び内へ連結増しした回転用シャフトを容易に前進できるようにするために請求項4記載の本発明が採用した手段は、前記各回転用シャフトの長手寸法は、伏びを形成する管の一本当たりの長手寸法よりも短くなっている請求項1乃至3のいずれかに記載の伏び用浚渫装置である。
【0014】
請求項4記載の本発明にあっては、スクリュー部の軸部の後端に揺動可能に連結増しした回転用シャフトを、孔芯が一直線でない伏びの管の一本当たりにつき1回は屈折させることができる。
【0015】
道路が近くまで通っていない伏びの浚渫作業を容易にできるようにすると共に、孔芯が一直線でない伏びの内側に堆積した堆積物であっても排出できるように請求項5記載の本発明が採用した手段は、伏び内の堆積物を外側へ排出する伏び用浚渫方法において、棒材を螺旋状に巻いてなる先端部と、軸部の外周面に螺旋状の羽根が接合され軸部を先端部の後端部に連結できるスクリュー部と、スクリュー部の軸部の後端に次々と着脱自在に連結増しできると共に連結部を中心に任意の方向へ揺動可能となる複数本の回転用シャフトと、回転用シャフトを挿通可能に支持して回転用シャフトに回転力を付与できるシャフト回転支持装置を分離した状態で浚渫作業現場まで運ぶ運搬工程と、浚渫作業現場において、一本状に連結した先端部、スクリュー部及び適宜本数の回転用シャフトを伏び内へ挿入すると共に、伏びの外側に出ている回転用シャフトを据え置いたシャフト回転支持装置へ挿通した状態のまま回転用シャフトを前方に押し込んで先端部を伏び内の堆積物に押し当て、このまま回転用シャフトに回転力を付与して回転させることで、先端部を堆積物にねじ込んで崩すと共に崩した堆積物を先端部よりも後方の回転中のスクリュー部内へ掻き集める堆積物の崩し掻き集め工程と、回転用シャフトを引っ張ってスクリュー部を堆積物と共に伏びの外側へ引き出して堆積物を排出する堆積物の排出工程と、前記堆積物の崩し掻き集め工程と前記堆積物の排出工程を繰り返すことで伏び内の堆積物を排除し、堆積物の排出により伏び内へ挿入する回転用シャフトが不足するときには回転用シャフトを連結増しする繰り返し工程とからなることを特徴する伏び用浚渫方法である。
【0016】
請求項5記載の本発明において、前記各回転用シャフトにストッパ接合部を予め設けると共に、ストッパ接合部に着脱自在に装着できるストッパを浚渫作業現場まで運び、前記回転用シャフトに回転力を付与して回転させるときに、回転用シャフトのストッパ接合部に装着したストッパがシャフト回転支持装置に当接するまで回転用シャフトを前方へ進めるようにすることもある。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の本発明に係る伏び用浚渫装置は、先端部、スクリュー部、各回転用シャフト及びシャフト回転支持装置を分離した状態で作業現場まで運ぶことが可能なため、道路が近くまで通っていない伏びの浚渫作業を容易にできると共に、伏びの孔芯が一直線でないときであっても、複数本の回転用シャフトを伏びの孔芯に沿って揺動させながら伏び内に挿入できると共に、連結部で屈折する複数本の回転用シャフトが回転しながら回転力を先端の先端部及びスクリュー部に伝達させ、堆積物を崩して掻き集めて排出できるので、孔芯が一直線でない伏び内の堆積物を確実に排除できる。
【0018】
請求項2記載の本発明に係る伏び用浚渫装置は、堆積物に先端部を大きな力でねじ込むことができるので、堆積物の崩しが円滑にできる。
【0019】
請求項3記載の本発明に係る伏び用浚渫装置は、先端部を伏びの孔芯に沿って揺動させながら伏び内へ挿入して連結部で屈折させつつ先端部を回転させることができるので、一直線でない伏びに対するスクリュー部の挿入を容易にすると共に挿入状態での回転を円滑にすることができる。
【0020】
請求項4記載の本発明に係る伏び用浚渫装置は、孔芯が一直線でない伏びの管の一本当たりにつき1回は屈折するので、一直線でない伏び内へ連結増しした回転用シャフトを容易に前進させることができる。
【0021】
請求項5記載の本発明に係る伏び用浚渫方法は、先端部、スクリュー部、各回転用シャフト及びシャフト回転支持装置を分離した状態で浚渫作業現場まで運ぶことができるため、道路が近くまで通っていない伏びの浚渫作業を容易にできると共に、伏びの孔芯が一直線でないときであっても、複数本の回転用シャフトを伏びの孔芯に沿って揺動させながら伏び内に挿入できると共に、連結部で屈折する複数本の回転用シャフトが回転しながら回転力を先端の先端部及びスクリュー部に伝達させ、堆積物を崩して掻き集めて排出できるので、孔芯が一直線でない伏び内の堆積物を確実に排除できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係る伏び用浚渫装置(以下、「本発明浚渫装置」という。)を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0023】
図1〜図10は本発明浚渫装置の実施の形態を示すものである。図1は、本発明浚渫装置を伏びに連通する側溝に設置した状態を示す右側面断面図であって、図(A)は側溝の前後幅が広い場合の態様を示し、図(B)は側溝の前後幅が狭い場合の態様を示したものである。図2は、一本状態に連結した先端部、スクリュー部、及び複数の回転用シャフトを拡大して示す右側面図であり、スクリュー部の両端側及び回転用シャフトを断面して要部を示したものである。図3は、先端部を拡大して示すものであって、図(A)は右側面図、図(B)は軸部の背面図である。図4は、スクリュー部を拡大して示すものであって、図(A)は右側面断面図、図(B)は軸部の正面図、図(C)は軸部の背面図である。図5(A)〜(D)は、回転用シャフトを拡大して示すものであって、図(A)は右側面断面図、図(B)は平面図、図(C)は正面図、図(D)は背面図である。図6は、回転用シャフトどうしの連結状態を示す右側面断面図であり、図(A)は両者の軸芯が同一直線上に位置する状態、図(B)は先側の回転用シャフトを下方向へ揺動させて屈折した状態を示すものである。図7は、回転用シャフトどうしの連結状態を示す平面断面図であり、図(A)は両者の軸芯が同一直線上に位置する状態、図(B)は先側の回転用シャフトを左方向へ揺動させて屈折した状態を示すものである。図8は、シャフト回転支持装置を示す右側面図であり、フレーム本体及びシャフト受け部を断面したものである。図9はシャフト回転支持装置を示す斜視図である。図10は、伏び及び側溝に設置した本発明浚渫装置を前後方向に中間省略し、本発明浚渫装置を用いて伏び内の堆積物を排出する方法を示す右側面断面図であって、図(A)は先端部を堆積物に押し当てて少し食い込ませる工程、図(B)は先端部を回転させて堆積物にねじ込む工程、図(C)は回転する先端部で堆積物を崩して崩した堆積物をスクリュー部内へ掻き集める工程を示すものである。
【0024】
本発明浚渫装置10は、一本状態に連結して伏び1内に挿入される、先端部(所謂オーガー部)11、スクリュー部16及び複数本の回転用シャフト22と、伏び1に連通する側溝3内に据え置かれ、挿通させた回転用シャフト22を支持しつつ回転力を回転用シャフト22へ伝達させるシャフト回転支持装置49と、回転用シャフト22の前進を阻止するストッパー45(図2参照)とを備えている。
【0025】
前記先端部11は、図3に示す如く、鋼からなる20mmφ程度の棒材を螺旋状に巻いて形成した先端本体部12と、先端本体部12の後端に溶接等で接合した軸部13とからなる。本例の先端本体部12の螺旋形状は、後端側から先端へ向かう程に半径が小さくなるように棒材が巻かれ、棒材の先端を鋭角にしてある。このように先端部11は、先端本体部12の先端側の螺旋の半径を小さくすることで、堆積物に対するねじ込みの開始段階において大きな力で容易にねじ込むことができるようになる。なお、先端部11の螺旋形状は、図示は省略したが、同一の半径で棒材を巻いて形成することもある。前記軸部13は、その後端側に横断面の外形を多角形(例えば、六角形)とした凸部14aと該凸部14aに横断方向に穿設したボルト用挿通孔14bとを有する後端側連結部14が形成されている。
【0026】
前記先端部11は、その最大半径をスクリユー部16の半径と同等又は若干大きくし、先頭になって伏び1内へ挿入するときに、スクリュー部16及び回転用シャフト22を誘導するガイドとして役目と、伏び管1a,1aの継手部へスクリュー部16がめり込まない役目とを発揮するようになっている。先端部11は、この役目を発揮するように、先端本体部12の最大半径とその前後長さを最適値に設定してあり、例えば、伏び管1aの標準的な寸法(孔径が300mmで前後長さが600mm)については、最大半径を120〜140mm(最適は130mm)で、その前後長さを250〜350mmとしてある。
【0027】
前記スクリュー部16は、図4に示す如く、外径が50mm程度の鋼管等で形成された軸部17の外周面に、鋼製等の羽根20が巻付け方向を先端本体部12の螺旋方向と同方向に巻いて螺旋状して溶接等で接合されている。前記スクリュー部16の軸部17は、先端側に横断面の内形を多角形(例えば、六角形)とした凹部18aと該凹部18aに横断方向に穿設したボルト用挿通孔18bとを有する先端側連結部18が形成され、後端側に横断面の外形を多角形(例えば、六角形)とした凸部19a及び該凸部19aに横断方向に穿設したボルト用挿通孔19bを有する後端側連結部19が形成されている。
【0028】
前記スクリュー部16は、各伏び管1aへ円滑に挿通できるように、半径とその前後長さを最適値に設定してあり、例えば、伏び管1aの標準的な寸法(孔径が300mmで前後長さが600mm)については、半径を115〜135mm(最適は125mm)で、その前後長さを250〜350mmとしてある。
【0029】
前記先端部11とスクリュー部16との連結は、図2に示す如く、本例では、先端部11の後端側連結部14の凸部14a(図3参照)にスクリュー部16の先端側連結部18の凹部18a(図4参照)を嵌入し、両連結部14, 18のボルト用挿通孔14b, 18b(図3,図4参照)に挿通したボルト28にナット29を緊締することで、両者11, 16を分離可能とし持ち運び易くしてある。先端部11とスクリュー部16の連結は、先端部11単独の長手寸法が回転用シャフト22の長手寸法と同一又は近似するときには、後述する回転用シャフト22どうしの連結と同様に、両者の軸芯の最大屈折角度θが3°以下(最適は2°)となるように任意の方向へ揺動できるようにして、一直線でない伏び1内をスムーズに前進後退及び回転ができるようにし、また、連結状態の先端部11とスクリュー部16の長手寸法が回転用シャフト22の長手寸法と同一又は近似するときには、揺動しないように連結するとよい。
【0030】
前記回転用シャフト22は、図5に示す如く、棒状部24と、棒状部24の先端に一体に形成した先端側連結部23と、棒状部24の後端に接合した後端側連結部25とからなる。棒状部24は、鋼、FRP(繊維強化プラスチック)又はアルミニユーム製の中空棒材から成形され、横断面の外形が多角形で且つ横断面の内形がスクリュー部16の後端側連結部19の凸部19aの横断面外形と同角数の多角形となっており、軸芯方向に沿って適宜間隔で穿設した孔や外側面に凹設した凹溝等からなるストッパ接合部24aが設けられている。棒状部24は、多角形の横断面に45〜50mmの円が外接する大きさとなっている。先端側連結部23は、棒状部24の先端側に、外側を削成等して平行に形成したボルトナット配置用段部23c,23cにボルト用挿通孔23bが穿設されたものである。後端側連結部25は、横断面の外形が多角形の凸部25aにボルト用挿通孔25bが穿設され、先端凸部を棒状部24の後端孔へ同一軸芯状に嵌入して溶接等で接合したものである。
【0031】
前記回転用シャフト22は、回転用シャフト22の長手寸法を伏び1の孔周壁を形成する管1aの一個当たりの長手寸法よりも短くし、スクリュー部16の軸部17の後端に連結増ししたときに、伏び管1aの一個当たりにつき1回は揺動屈折できるようにして一直線でない伏び1内をスムーズに前進後退及び回転ができるようにしてある。
【0032】
更に、回転用シャフト22は、図6及び図7に示す如く、連結した回転用シャフト22どうしの軸芯の最大屈折角度θが3°以下(最適は2°)となるように任意の方向で揺動できるようにすることで、複数本を一本状に連結した状態で一直線でない伏び1内をスムーズに前進後退及び回転ができるようにしてある。
【0033】
前記スクリュー部16と回転用シャフト22との連結は、図2に示す如く、スクリュー部16の後端側連結部19の凸部19a(図4参照)に、回転用シャフト22の先端側連結部23の凹部23a(図5参照)を嵌入し、両連結部19, 23のボルト挿通孔19b, 23b(図4,図5参照)に挿通したボルト28にナット29を緊締することで、スクリュー部16の後端側に回転用シャフト22を着脱自在に連結できるようにしてある。スクリュー部16と回転用シャフト22の連結は、後述する回転用シャフト22どうしの連結と同様に、連結したどうしの軸芯の最大屈折角度θが3°以下(最適は2°)となるように任意の方向で揺動できるようにして、一直線でない伏び1内をスムーズに前進後退及び回転ができるようにすることもある。
【0034】
前記回転用シャフト22どうしの連結は、図6及び図7に示す如く、先側の回転用シャフト22の後端側連結部25の凸部25aに後側の回転用シャフト22の先端側連結部23の凹部23aを嵌入し、両連結部25, 23のボルト用挿通孔25b, 23bに挿通したボルト28にナット29を緊締することで、両回転用シャフト22を着脱自在に連結してある。連結した回転用シャフト22どうしは、図6(A)に示す如く、前記緊締されたボルト28とナット29が、先端側連結部23のボルトナット配置用段部23cに配置されて回転用シャフト22本体の外形に沿って延長した仮想延長面30よりも外側に食み出さないようになっており、連結箇所が後述するシャフト受け部37の貫通孔37aを前後方向へ挿通できるようになっている。
【0035】
前記回転用シャフト22は、後端側連結部25の凸部25aの横断面外形よりも先端側連結部23の凹部23aの横断面内形が大きい遊嵌合状態となるようにしてある。連結した回転用シャフト22どうしは、図6(A)及び図7(A)に示す如く、互いを同一軸芯上に配置した場合は、前側の回転用シャフト22の後端側連結部25の凸部25aと後側の回転用シャフト22の先端側連結部23の凹部23aとの間に遊間が形成されるから、緊締したボルト28の軸部を中心として任意の方向へ揺動(例えば、図6(B)に示す下方向への揺動、図7(B)に示す左方向への揺動等)させて屈折させることができ、又、屈折して先側の回転用シャフト22の後端側連結部25の凸部25aと後側の回転用シャフト22の先端側連結部23の凹部23aとが当接すると(図6(B)及び図7(B)参照)揺動を規制するようになっている。このように、連結した回転用シャフト22どうしは、両回転用シャフト軸芯の交差角度θ(θは3°以下の範囲となるように設定される)で任意方向へ揺動して屈折でき、屈折した状態を維持したまま回転力を伝達できるようになっている。
【0036】
前記シャフト回転支持装置49は、図8及び図9に示す如く、固定フレーム32と、回転用シャフト22との間で回転を生じさせない状態で回転用シャフト22を挿通できる横断面形状の貫通孔37aを有するシャフト受け部37を固定フレーム32に回転自在に設けた回転用シャフト支持装置36と、固定フレーム32に設けた駆動回転力の入力部41とシャフト受け部37を回転力伝達具42で連結した回転駆動装置40とを備え、浚渫作業現場の側溝3等に据置き可能となっている。シャフト回転支持装置49は、人力で運搬可能な重量(20kg前後)となるように構成されている。
【0037】
前記固定フレーム32は、図8に示す如く、前板33aと後板33bとを前後に離して側板33c等で連結されて、内側に前記回転用シャフト支持装置36及び前記回転駆動装置40を配置するための内部スペース33dを形成したフレーム本体33と、フレーム本体33を支持する脚部34とを備える。固定フレーム32は、軽量化を図ってシャフト回転支持装置49の持ち運びをし易くするために、材質としてアルミニユーム又はFRP等を選択することもある。固定フレーム32は、フレーム本体33と脚部34とがボルト39で着脱自在に接合されており、両者33,34を分離することでシャフト回転支持装置49の持ち運びをし易くしてある。
【0038】
前記固定フレーム32の脚部34は、図9に示す如く、フレーム本体33が上部に載設される安置台34aと、安置台34aの左右に一組宛て設けられる脚本体部34bとを備え、各組の脚本体部34bに設けられた前後の脚先部34g,34gの左右及び前後位置を、シヤフト回転支持装置49の据え置く場所の状況に応じて変更できるようにしてある。各脚本体部34bは、連結部34dから左右方向へ延びる前後二本の第1の支持棒34c,34cが突設され、連結部34dに穿設した挿通孔34d−1,34d−1に、前後方向へ延びて先端に脚先部34gを設けた二本の第2の支持棒34e,34eの一方が前方から挿入されると共に他方が後方から挿入されている。各組の脚本体部34bは、安置台34aに穿設した挿通孔34a−1,34a−1に第1の支持棒34c,34cを挿入できるようにしてある。そして、各組の脚本体部34bは、前後の脚先部34g,34gの左右及び前後位置を調節するとき、安置台34aに対する第1の支持棒34c,34cの挿入寸法が調節されると共に、連結部34dに対する第2の支持棒34e,34eの挿入寸法が調節され、安置台34a及び連結部34dに設けた固定具(ボルト)34fで第1・第2の支持棒34c,34eが固定されるようになっている。
【0039】
前記回転用シャフト支持装置36は、図8に示す如く、フレーム本体33の前板33a及び後板33bに穿設した孔に転がり軸受を介して装着する等してフレーム本体33に回転自在に支持したシャフト受け部37に、回転用シャフト22の棒状部24の横断面外形と同一又は若干大きい横断面形状の前後方向へ貫通する貫通孔37aを設けてある。これにより、前記回転用シャフト支持装置36は、シャフト受け部37の貫通孔37aの横断面形状が、回転用シャフト22との間で回転を生じさせない状態で挿通できるようになっているから、(1)回転用シャフト22の棒状部24をシャフト受け部37の貫通孔37aに挿通して前後方向に摺動案内することができ、(2)ボルト28とナット29を緊締した状態の回転用シャフト22の先端側連結部23をシャフト受け部37の貫通孔37aに挿通可能でき(前述の如く、緊締したボルト28とナット29は先端側連結部23のボルトナット配置用段部23c,23cに配置され連結部23が回転用シャフト22の横断面外形よりも外側へ食み出すことが無いため。)、(3)シャフト受け部37に回転力を付与して貫通孔37aに挿通した回転用シャフト22を軸芯22a回りへシャフト受け部37と共回りさせることができる。
【0040】
前記回転駆動装置40は、フレーム本体33の前板33a及び後板33bに穿設した孔に転がり軸受を介して装着する等してフレーム本体33に回転自在に支持された駆動回転力の入力部41と、入力部41と回転用シャフト支持装置36のシャフト受け部37とを連結する回転力伝達具42とを備えている。回転力伝達具42は、入力部41に一体に接合された原動側スプロケット42aと、回転用シャフト支持装置36のシャフト受け部37にキー(図示省略)を介して接合されシャフト受け部37と共回りする従動側スプロケット42cと、両スプロケット42a, 42cに巻回して噛合する伝動チェーン42bとからなる。本例の回転駆動装置40は、駆動回転力の入力部41にハンドル43を接合することで、入力部41に駆動回転力を人力で入力するようにし、原動機の持ち運びを不要とした態様である。本例の態様の他には、入力部41に小型電動モータ(図示略)の出力部を連結した電動式とすることで、作業者が疲れないようにした態様もある。
【0041】
前記ストッパ45は、図2に示す如く、回転用シャフト22を構成する棒状部24に設けられた複数のストッパ接合部24aのうちの任意のストッパ接合部24aへ着脱可能に装着できると共に装着時に容易に脱落しないものであって、ストッパ接合部24aが孔のときには孔へ挿着できるボルト45aと挿着したボルト45aに螺着するナット45bとを組合せたもの等が選択され、ストッパ接合部24aが外側面の凹溝のときには凹溝に外嵌できるリング等が選択される。ストッパ45は、シャフト回転支持装置49のシャフト受け部37へ挿通された回転用シャフト22におけるシャフト受け部37より後方に適宜寸法だけ離れたストッパ接合部24aに装着され(図10の図A参照)、回転用シャフト22の前進に伴いシャフト回転支持装置49に当接すると、回転用シャフト22の前進を阻止することができる(図10の図B及び図C参照)。
【0042】
本発明浚渫装置10を用いて伏び1内の堆積物を排出する方法は、以下の工程で行われる。
(第1工程:シャフト回転支持装置49の運搬)
本発明浚渫装置10を、先端部11と、スクリュー部16と、必要本数の回転用シャフト22と、シャフト回転支持装置49とに分離し、更に、シャフト回転支持装置49の固定フレーム33をフレーム本体33と脚部34とに分離し、分離した各々を人力で伏び1の近くまで持ち運ぶ。
【0043】
(第2工程:シャフト回転支持装置49の据え置き)
浚渫作業に最適な場所に、フレーム本体33と脚部34とをボルト39で接合して組立てたシャフト回転支持装置49を据え置く。なお、伏び1との関係でシャフト回転支持装置49の芯出しを容易とするために、適当なときに、シャフト回転支持装置49のシャフト受け部37の貫通孔37aに回転用シャフト22を挿通し、回転用シャフト22の先端を伏び1に位置合わせするとよい。もし、本例のようにシャフト回転支持装置49を側溝3に据え置くときには、側溝3の形状に合わせて各脚先部34gの左右及び前後位置を適宜変更し、安定よく据え置きできるようにする。なお、側溝3の幅が固定フレーム32の前後幅よりも狭い場合には、側溝3を掘り拡げてから設置するとよい。
【0044】
この際、フレーム本体33の前後位置を調節することで、フレーム本体33の後板33bと側溝3の壁面との間に回転用シャフト22を連結増しできるスペースを確保したり、伏び1の開口とフレーム本体33の前板33aとの間に先端部11及びスクリュー部16を引出しできるスペースを予め確保したりすることもある。
【0045】
(第3工程:先端部11、スクリュー部16及び回転用シャフト22の準備)
図1(A)のように側溝3の前後幅が広いときには、シャフト回転支持装置49のシャフト受け部37の貫通孔37aへ挿通し、回転用シャフト22とスクリュー部16と先端部11を一本状に連結する。また、図1(B)のように側溝3の前後幅が狭いときには、伏び1の開口端側の内側へ一本状に連結した状態で先端部11及びスクリュー部16を挿入すると共に、シャフト回転支持装置49のシャフト受け部37の貫通孔37aへ挿通した回転用シャフト22をスクリュー部16に連結する。なお、伏び1の内側に開口部まで堆積物が詰まっているときには、予め堆積物をシャベル等で伏び1の外側に掻き出し、伏び1内に先端部11やスクリュー部16を挿入し易くしておくとよい。回転用シャフト22が足りないときには、回転用シャフト22を連結増しするとよい。
【0046】
(第4工程:堆積物の崩し掻き集め)
図10(A)に示す如く、回転用シャフト22の貫通孔27aへ挿通した回転用シャフト22を人力で前方に押し込み、前進した先端部11を伏び1内の堆積物に少し食い込ませた後、回転用シャフト22の押し込みを停止する。続けて、シャフト受け部37の後端よりも適宜寸法だけ後方に離れたストッパ接合部24aにストッパ45を装着した後、ハンドル43から人力による駆動回転力を回転駆動装置40の入力部41、回転力伝達具42及びシャフト受け部37を介して回転用シャフト22に伝達付与して、一本に連結した、先端部11、スクリュー部16及び回転用シャフト22を適宜数だけ回転させる。この回転操作に伴い、先ず、図10(B)に示す如く、先端部11の棒材を螺旋状に巻いた先端本体部12が堆積物にねじ込まれて前進し、次に、図10(C)に示す如く、ストッパ45がシャフト受け部37に当接して先端部11の前進が阻止された後は、前進停止した状態で回転させる先端本体部12が、ねじ込んだ堆積物を崩すと共に崩した堆積物を先端部11よりも後方のスクリュー部16内へ掻き集めることで堆積物を掘る。
【0047】
先端部11の螺旋状に巻いてなる先端本体部12の先端側の半径を小さくしてあるときには、堆積物へのねじ込みの開始段階において先端本体部12の先端側を大きな力でねじ込むことができるので、先端部11のねじ込みが容易である。また、先端本体部12の後端の半径がスクリュー部16の半径よりも5〜15mm大きくしたときには、先端部11及びスクリュー部16を伏び1内に挿入すると先端部11の後端よりも半径の小さいスクリュー部16の先端が伏び1の孔周壁から離れるので、伏び1内を前進するスクリュー部16の先端は伏び1を形成する管1a, 1aどうしの継ぎ目に引っ掛かることがないから、スクリュー部16の伏び1内での前進をスムーズに行うことができる。
【0048】
(第5工程:堆積物の排出)
後端の回転用シャフト22を後方へ引っ張って、伏び1内から回転用シャフト22をシヤフト回転支持装置49の後方へ引き出すことで、掻き集めた堆積物をスクリュー部16と共に後退させて、伏び1の開口端よりも外側へ排出する。引っ張り出す回転用シャフト22が側溝3等に衝突するときには、回転用シャフト22の連結を解いて分離するとよい。
【0049】
(第6工程:堆積物の崩し掻き集め乃至排出の繰り返し)
前記第4工程及び第5工程の順番で両工程を適宜回数だけ繰り返して伏び1内を掘り進めて堆積物を外側へ排出して、伏び1内に貫通孔を形成する。堀り進めるのに伴い押し込む回転用シャフト22が足りないときには、回転用シャフト22を連結して継ぎ足すとよい。繰り返す第4工程及び第5工程において、伏び1の孔芯が一直線でないとしても、伏び1の孔芯に沿って、一本状に連結した、先端部11とスクリュー部16と複数本の回転用シャフト22とを揺動屈折させながら伏び1内に挿入できる。また、連結した回転用シャフト22を回転させるときには、伏び1の孔芯が一直線でないとしても、連結した回転用シャフト22どうしが屈折状態を維持したまま回転力を伝達させることができるから、一本状に連結した先端部11とスクリュー部16と複数本の回転用シャフト22を、揺動屈折させながら又は揺動屈折させることなく回転することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明浚渫装置の実施の形態を示すものであって、本発明浚渫装置を伏びに連通する側溝に設置した状態を示す右側面断面図であり、図(A)は側溝の前後幅が広い場合の態様を示し、図(B)は側溝の前後幅が狭い場合の態様を示したものである。
【図2】同実施の形態において、一本状態に連結した先端部、スクリュー部、及び複数の回転用シャフトを拡大して示す右側面図であり、スクリュー部の両端側及び回転用シャフトを断面して要部を示したものである。
【図3】同実施の形態において、先端部を拡大して示すものであって、図(A)は右側面図、図(B)は軸部の背面図である。
【図4】同実施の形態において、スクリュー部を拡大して示すものであって、図(A)は右側面断面図、図(B)は軸部の正面図、図(C)は軸部の背面図である。
【図5】同実施の形態において、回転用シャフトを拡大して示すものであって、図(A)は右側面断面図、図(B)は平面図、図(C)は正面図、図(D)は背面図である。
【図6】同実施の形態において、回転用シャフトどうしの連結状態を示す右側面断面図であり、図(A)は両者の軸芯が同一直線上に位置する状態、図(B)は先側の回転用シャフトを下方向へ揺動させて屈折した状態を示すものである。
【図7】同実施の形態において、回転用シャフトどうしの連結状態を示す平面断面図であり、図(A)は両者の軸芯が同一直線上に位置する状態、図(B)は先側の回転用シャフトを左方向へ揺動させて屈折した状態を示すものである。
【図8】同実施の形態において、シャフト回転支持装置を示す右側面図であり、フレーム本体及びシャフト受け部を断面したものである。
【図9】同実施の形態において、シャフト回転支持装置を示す斜視図である。
【図10】同実施の形態において、伏び及び側溝に設置した本発明浚渫装置を前後方向に中間省略した右側断面図であって、本発明浚渫装置を用いて伏び内の堆積物を排出する方法を示すものであり、図(A)は先端部を堆積物に押し当てて少し食い込ませる工程、図(B)は先端部を回転させて堆積物にねじ込む工程、図(C)は回転する先端部で堆積物を崩して崩した堆積物をスクリュー部内へ掻き集める工程を示すものである。
【図11】伏びを示す右側面断面図である。
【図12】下水管用の堆積物排出装置を示す右側面断面図である。
【符号の説明】
【0051】
10…伏び用浚渫装置 11…先端部 16…スクリュー部 17…軸部 20…羽根 22…回転用シャフト 23…連結部 24a…ストッパ接合部 25…連結部 32…固定フレーム 36…回転用シャフト支持装置 37…シャフト受け部 37a…貫通孔 40…回転駆動装置 41…駆動回転力の入力部 42…回転力伝達具 45…ストッパ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伏び内の堆積物を排出する伏び用浚渫装置において、
棒材を螺旋状に巻いてなる先端部と、
軸部の外周面に螺旋状の羽根が接合され、先端部の後端部に軸部の先端を連結できるスクリュー部と、
横断面が多角形の棒材からなる棒状部にストッパ接合部を設けると共に棒状部の両端に該横断面より食み出さない連結部を設けてなり、スクリュー部の軸部の後端に次々と着脱自在に連結増しできると共に連結部を中心に任意の方向へ揺動可能となる複数本の回転用シャフトと、
回転用シャフトとの間で回転を生じさせない状態で回転用シャフトを挿通できる横断面形状の貫通孔を有する回転自在なシャフト受け部及び駆動回転力の入力部を固定フレームに設け、入力部とシャフト受け部を回転力伝達具で連結してなる据置き可能なシャフト回転支持装置と、
回転用シャフトのストッパ接合部へ着脱可能に装着でき、シャフト回転支持装置のシャフト受け部へ挿通する回転用シャフトの前進を阻止するようにシャフト回転支持装置に当接できるストッパと
を備えていることを特徴とする伏び用浚渫装置。
【請求項2】
前記先端部の螺旋形状は、先端へ向かう程に半径が小さくなっている請求項1記載の伏び用浚渫装置。
【請求項3】
前記先端部と前記スクリュー部の連結を、連結部を中心に任意の方向へ揺動可能にできるようにした請求項1又は2記載の伏び用浚渫装置。
【請求項4】
前記各回転用シャフトの長手寸法は、伏びを形成する管の一本当たりの長手寸法よりも短くなっている請求項1乃至3のいずれかに記載の伏び用浚渫装置。
【請求項5】
伏び内の堆積物を外側へ排出する伏び用浚渫方法において、
棒材を螺旋状に巻いてなる先端部と、軸部の外周面に螺旋状の羽根が接合され軸部を先端部の後端部に連結できるスクリュー部と、スクリュー部の軸部の後端に次々と着脱自在に連結増しできると共に連結部を中心に任意の方向へ揺動可能となる複数本の回転用シャフトと、回転用シャフトを挿通可能に支持して回転用シャフトに回転力を付与できるシャフト回転支持装置を分離した状態で浚渫作業現場まで運ぶ運搬工程と、
浚渫作業現場において、一本状に連結した先端部、スクリュー部及び適宜本数の回転用シャフトを伏び内へ挿入すると共に、伏びの外側に出ている回転用シャフトを据え置いたシャフト回転支持装置へ挿通した状態のまま回転用シャフトを前方に押し込んで先端部を伏び内の堆積物に押し当て、このまま回転用シャフトに回転力を付与して回転させることで、先端部を堆積物にねじ込んで崩すと共に崩した堆積物を先端部よりも後方の回転中のスクリュー部内へ掻き集める堆積物の崩し掻き集め工程と、
回転用シャフトを引っ張ってスクリュー部を堆積物と共に伏びの外側へ引き出して堆積物を排出する堆積物の排出工程と、
前記堆積物の崩し掻き集め工程と前記堆積物の排出工程を繰り返すことで伏び内の堆積物を排除し、堆積物の排出により伏び内へ挿入する回転用シャフトが不足するときには回転用シャフトを連結増しする繰り返し工程とからなる
ことを特徴する伏び用浚渫方法。
【請求項1】
伏び内の堆積物を排出する伏び用浚渫装置において、
棒材を螺旋状に巻いてなる先端部と、
軸部の外周面に螺旋状の羽根が接合され、先端部の後端部に軸部の先端を連結できるスクリュー部と、
横断面が多角形の棒材からなる棒状部にストッパ接合部を設けると共に棒状部の両端に該横断面より食み出さない連結部を設けてなり、スクリュー部の軸部の後端に次々と着脱自在に連結増しできると共に連結部を中心に任意の方向へ揺動可能となる複数本の回転用シャフトと、
回転用シャフトとの間で回転を生じさせない状態で回転用シャフトを挿通できる横断面形状の貫通孔を有する回転自在なシャフト受け部及び駆動回転力の入力部を固定フレームに設け、入力部とシャフト受け部を回転力伝達具で連結してなる据置き可能なシャフト回転支持装置と、
回転用シャフトのストッパ接合部へ着脱可能に装着でき、シャフト回転支持装置のシャフト受け部へ挿通する回転用シャフトの前進を阻止するようにシャフト回転支持装置に当接できるストッパと
を備えていることを特徴とする伏び用浚渫装置。
【請求項2】
前記先端部の螺旋形状は、先端へ向かう程に半径が小さくなっている請求項1記載の伏び用浚渫装置。
【請求項3】
前記先端部と前記スクリュー部の連結を、連結部を中心に任意の方向へ揺動可能にできるようにした請求項1又は2記載の伏び用浚渫装置。
【請求項4】
前記各回転用シャフトの長手寸法は、伏びを形成する管の一本当たりの長手寸法よりも短くなっている請求項1乃至3のいずれかに記載の伏び用浚渫装置。
【請求項5】
伏び内の堆積物を外側へ排出する伏び用浚渫方法において、
棒材を螺旋状に巻いてなる先端部と、軸部の外周面に螺旋状の羽根が接合され軸部を先端部の後端部に連結できるスクリュー部と、スクリュー部の軸部の後端に次々と着脱自在に連結増しできると共に連結部を中心に任意の方向へ揺動可能となる複数本の回転用シャフトと、回転用シャフトを挿通可能に支持して回転用シャフトに回転力を付与できるシャフト回転支持装置を分離した状態で浚渫作業現場まで運ぶ運搬工程と、
浚渫作業現場において、一本状に連結した先端部、スクリュー部及び適宜本数の回転用シャフトを伏び内へ挿入すると共に、伏びの外側に出ている回転用シャフトを据え置いたシャフト回転支持装置へ挿通した状態のまま回転用シャフトを前方に押し込んで先端部を伏び内の堆積物に押し当て、このまま回転用シャフトに回転力を付与して回転させることで、先端部を堆積物にねじ込んで崩すと共に崩した堆積物を先端部よりも後方の回転中のスクリュー部内へ掻き集める堆積物の崩し掻き集め工程と、
回転用シャフトを引っ張ってスクリュー部を堆積物と共に伏びの外側へ引き出して堆積物を排出する堆積物の排出工程と、
前記堆積物の崩し掻き集め工程と前記堆積物の排出工程を繰り返すことで伏び内の堆積物を排除し、堆積物の排出により伏び内へ挿入する回転用シャフトが不足するときには回転用シャフトを連結増しする繰り返し工程とからなる
ことを特徴する伏び用浚渫方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−133176(P2010−133176A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311396(P2008−311396)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000196587)西日本旅客鉄道株式会社 (202)
【出願人】(597110995)株式会社レールテック (3)
【出願人】(501345091)栄光テクノ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000196587)西日本旅客鉄道株式会社 (202)
【出願人】(597110995)株式会社レールテック (3)
【出願人】(501345091)栄光テクノ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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