説明

会議端末装置、会議制御方法、及び会議制御プログラム、

【課題】撮像範囲の変更前に設定情報を他拠点へ送信する会議端末装置、会議制御方法、会議制御プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】まず初めに、CPU121は、撮像装置1が移動されたかどうかを判断する(S401)。移動されていないと判断した場合(S401:NO)、撮像範囲設定情報を取得したかどうかを判断する(S402)。取得したと判断し(S402:YES)、さらに前回の撮像範囲設定情報を出力操作した拠点と同じ拠点から取得していないと判断した場合(S403:NO)、静止画像と撮像範囲設定情報を保存する(S404)。前回の撮像範囲設定情報を操作した拠点が自拠点ではない場合(S405:NO)、前回に撮像範囲設定情報を出力操作した拠点の会議端末装置120へ撮像範囲設定情報と静止画像を対応付けして送信する処理を実行する(S406)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議端末装置、会議制御方法、及び会議制御プログラムに関し、詳細には、撮像範囲の変更前に設定情報を他拠点へ送信する会議端末装置、会議制御方法、会議制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の拠点でネットワークを介して接続し、各拠点で取得された撮影画像と音声情報を双方向に送受信することにより、遠隔の地にある者同士の会議を実現するテレビ会議装置が知られている。
【0003】
また、撮像画像を撮像する撮像手段において、利用者が撮像時の設定条件を変更する場合に、変更前の設定条件を保存する技術が開示されている(特許文献1)。上記技術では、撮像済の画像の撮像時における撮像手段の設定条件を表示手段に表示する。そして、その表示された設定条件を参考にしながら、次の撮像条件の参考にすることで、容易に次の撮像ができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−88790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数の拠点で行うテレビ会議では、自拠点の撮像手段に対して、他拠点の利用者が遠隔操作してパン、チルト、ズーム制御を実行することで、撮像範囲が変更制御されることがある。よって、撮像範囲を変更する指示を出した拠点以外の拠点では、撮像画像が意図しない撮像範囲に変更されてしまう。また、上記先行技術をテレビ会議に適用し、撮像範囲の変更前の設定条件を記録することが考えられるが、変更される撮像手段に対応した会議装置のみに記憶されるだけで、他の拠点から変更前の撮像範囲に戻す操作が困難であるという課題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、撮像範囲の変更前に設定情報を他拠点へ送信する会議端末装置、会議制御方法、会議制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する為に、請求項1に記載の会議端末装置では、複数の他の装置と通信手段を介して、撮像画像、または音声情報の送受信を行う会議端末装置において、前記会議端末装置が設置された自拠点を撮像する撮像手段から、前記撮像画像を取得する撮像画像取得手段と、前記撮像画像取得手段で取得した前記撮像画像を他拠点の前記会議端末装置へ出力する撮像画像出力手段と、前記撮像手段の撮像範囲を設定する撮像範囲設定情報を受付ける設定情報受付け手段と、前記設定情報受付け手段により受付けた前記撮像範囲設定情報に基づいて、前記撮像手段の撮像範囲を制御する撮像範囲制御手段と、前記設定情報受付け手段により他拠点から前記撮像範囲設定情報の変更を受付けた場合、変更前の撮像範囲に対応した前記撮像範囲設定情報を、前記撮像範囲設定情報を出力した拠点以外の前記会議端末装置へ出力する変更前設定情報出力手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の会議端末装置では、請求項1に記載の構成に加え、前記設定情報受付け手段により他拠点から前記撮像範囲設定情報の変更を受付けた場合、変更前の撮像範囲の静止画像を生成する変更前静止画像生成手段をさらに備え、前記変更前設定情報出力手段は、変更前の撮像範囲に対応した前記撮像範囲設定情報に対応付けして、前記変更前静止画像生成手段で生成された前記静止画像を出力することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の会議端末装置では、請求項2に記載の構成に加え、前記変更前設定情報出力手段は、変更前の撮像範囲に対応した前記撮像範囲設定情報を設定した拠点の前記会議端末装置のみに、前記撮像範囲設定情報、及び前記静止画像を出力することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の会議端末装置では、請求項2に記載の構成に加え、前記変更前静止画像生成手段により生成された前記静止画像に、利用者による手書きが可能なホワイトボードに対応する画像を検出する検出手段をさらに備え、前記変更前設定情報出力手段は、前記検出手段により前記ホワイトボードの画像が検出された場合は、自拠点、及び前記通信手段を介して接続されている全ての他拠点の前記会議端末装置へ、変更前の撮像範囲に対応した前記撮像範囲設定情報を出力することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の会議端末装置では、請求項4に記載の構成に加え、前記変更前静止画像生成手段は、前記検出手段で前記ホワイトボードの画像を検出した場合は、前記静止画像の解像度の設定情報を、前記検出手段で検出されなかった場合より、高い解像度になるよう設定して前記静止画像を生成することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の会議端末装置では、請求項2乃至5のいずれかに記載の構成に加え、前記変更前設定情報出力手段により出力された前記撮像範囲設定情報、及び前記静止画像を受信する変更前設定情報受信手段と、前記変更前設定情報受信手段により受信した前記静止画像を、前記撮像範囲設定情報と対応付けして表示手段へ出力する静止画像出力手段をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の会議端末装置では、請求項6に記載の構成に加え、前記静止画像出力手段で出力された前記静止画像に対して、前記表示手段上で利用者の操作による指示を受付ける操作指示受付け手段をさらに備え、前記操作指示受付け手段により指示を受付けた場合、前記表示手段に出力している前記静止画像に対応付けられた前記撮像範囲設定情報を、対応する拠点の前記会議端末装置へ出力する操作指示出力手段をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の会議端末装置では、請求項7に記載の構成に加え、前記撮像範囲制御手段は、前記操作指示出力手段により出力された前記撮像範囲設定情報に基づいて撮像範囲を変更した場合、変更後から所定時間の間は撮像範囲を変更しないことを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の会議端末装置では、請求項1乃至8のいずれかに記載の構成に加え、前記撮像範囲制御手段は、前記設定情報受付け手段により受付けた前記撮像範囲設定情報に基づいて撮像範囲を制御している間は、他拠点の前記会議端末装置から出力される前記撮像範囲設定情報に対応しないことを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の会議端末装置では、請求項9に記載の構成に加え、前記撮像範囲制御手段が、前記撮像範囲設定情報に対応しない場合は、前記撮像範囲設定情報を送信した他拠点の前記会議端末装置へ、対応しない旨の情報を送信する非対応情報送信手段をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の会議制御方法では、複数の他の装置と通信手段を介して、撮像画像、または音声情報の送受信を行う会議端末装置にて処理する会議制御方法に於いて、前記会議端末装置が設置された自拠点を撮像する撮像手段から、前記撮像画像を取得する撮像画像取得ステップと、前記撮像画像取得ステップで取得した前記撮像画像を他拠点の前記会議端末装置へ出力する撮像画像出力ステップと、前記撮像手段の撮像範囲を設定する撮像範囲設定情報を受付ける設定情報受付けステップと、前記設定情報受付けステップにより受付けた前記撮像範囲設定情報に基づいて、前記撮像手段の撮像範囲を制御する撮像範囲制御ステップと、前記設定情報受付けステップにより他拠点から前記撮像範囲設定情報の変更を受付けた場合、変更前の撮像範囲に対応した前記撮像範囲設定情報を、前記撮像範囲設定情報を出力した拠点以外の前記会議端末装置へ出力する変更前設定情報出力ステップを処理することを特徴とする。
【0018】
請求項12に記載の会議制御プログラムでは、複数の他の装置と通信手段を介して、撮像画像、または音声情報の送受信を行う会議端末装置にて実行する会議制御プログラムに於いて、前記会議端末装置が設置された自拠点を撮像する撮像手段から、前記撮像画像を取得する撮像画像取得ステップと、前記撮像画像取得ステップで取得した前記撮像画像を他拠点の前記会議端末装置へ出力する撮像画像出力ステップと、前記撮像手段の撮像範囲を設定する撮像範囲設定情報を受付ける設定情報受付けステップと、前記設定情報受付けステップにより受付けた前記撮像範囲設定情報に基づいて、前記撮像手段の撮像範囲を制御する撮像範囲制御ステップと、前記設定情報受付けステップにより他拠点から前記撮像範囲設定情報の変更を受付けた場合、変更前の撮像範囲に対応した前記撮像範囲設定情報を、前記撮像範囲設定情報を出力した拠点以外の前記会議端末装置へ出力する変更前設定情報出力ステップを前記会議端末装置で実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の会議端末装置では、複数の他の装置と通信手段を介して、撮像画像、または音声情報の送受信を行う。会議端末装置が設置された自拠点を撮像する撮像手段から、撮像画像を取得する。そして取得した撮像画像を他拠点の会議端末装置へ出力する。また、撮像手段の撮像範囲を設定する撮像範囲設定情報を受付ける。受付けた撮像範囲設定情報に基づいて、撮像手段の撮像範囲を制御する。他拠点から撮像範囲設定情報の変更を受付けた場合、変更前の撮像範囲に対応した撮像範囲設定情報を、撮像範囲設定情報を出力した拠点以外の会議端末装置へ出力する。よって、ある拠点からの指示で撮像範囲を変更されても、その他の拠点には変更前の撮像範囲設定情報が出力されるので、利用者は、変更前の撮像範囲に撮像画像を容易に戻すことができる。
【0020】
請求項2に記載の会議端末装置では、請求項1に記載の構成の効果に加え、他拠点から撮像範囲設定情報の変更を受付けた場合、変更前の撮像範囲の静止画像を生成する。そして撮像範囲に対応した撮像範囲設定情報に対応付けして、生成された静止画像を出力する。よって、ある拠点からの指示で撮像範囲を変更されても、その他の拠点には変更前の撮像範囲設定情報が、変更前の静止画像と共に出力されるので、利用者は、変更前の撮像画像を確認しながら容易に撮像範囲を戻すことができる。
【0021】
請求項3に記載の会議端末装置では、請求項2に記載の構成の効果に加え、変更前の撮像範囲に対応した撮像範囲設定情報を設定した拠点の会議端末装置のみに、撮像範囲設定情報、及び前記静止画像を出力する。よって、ある拠点からの指示で撮像範囲を変更されても、変更前の撮像範囲を設定した拠点のみ、利用者は、変更前の撮像範囲に撮像画像を容易に戻すことができる。
【0022】
請求項4に記載の会議端末装置では、請求項2に記載の構成の効果に加え、生成された静止画像に、利用者による手書きが可能なホワイトボードに対応する画像を検出する。ホワイトボードの画像が検出された場合は、自拠点、及び通信手段を介して接続されている全ての他拠点の会議端末装置へ、変更前の撮像範囲に対応した前記撮像範囲設定情報を出力する。よって、変更前の撮像範囲がホワイトボードを撮像している場合は、元に戻す要求が高くなると想定されるので、全ての拠点に撮像範囲設定情報を出力することで、どの拠点からも元の撮像範囲に容易に戻すことができるようになる。
【0023】
請求項5に記載の会議端末装置では、請求項4に記載の構成の効果に加え、ホワイトボードの画像を検出した場合は、静止画像の解像度の設定情報を、検出されなかった場合より、高い解像度になるよう設定して静止画像を生成する。よって、利用者は、変更前の撮像範囲に含まれているホワイトボードの静止画像を、より鮮明に確認できるようになる。
【0024】
請求項6に記載の会議端末装置では、請求項2乃至5のいずれかに記載の構成の効果に加え、出力された撮像範囲設定情報、及び静止画像を受信する。受信した静止画像を、撮像範囲設定情報と対応付けして表示手段へ出力する。よって、ある拠点からの指示で撮像範囲を変更されても、その他の拠点には変更前の撮像範囲設定情報と静止画像が表示手段へ出力されるので、利用者は、表示手段を確認することで変更前の撮像範囲に撮像画像を容易に戻すことができる
【0025】
請求項7に記載の会議端末装置では、請求項6に記載の構成の効果に加え、出力された静止画像に対して、表示手段上で利用者の操作による指示を受付ける。そして指示を受付けた場合、表示手段に出力している静止画像に対応付けられた撮像範囲設定情報を、対応する拠点の会議端末装置へ出力する。よって、利用者は、表示手段に出力されている静止画像を指定するだけで、他拠点の撮像手段の撮像範囲を容易に元に戻すことができる。
【0026】
請求項8に記載の会議端末装置では、請求項7に記載の構成の効果に加え、出力された撮像範囲設定情報に基づいて撮像範囲を変更した場合、変更後から所定時間の間は撮像範囲を変更しない。よって、利用者は、撮像範囲を所望の範囲へ変更した後で、すぐに他の拠点から変更されることを防ぐことができる。
【0027】
請求項9に記載の会議端末装置では、請求項1乃至8のいずれかに記載の構成の効果に加え、受付けた撮像範囲設定情報に基づいて撮像範囲を制御している間は、他拠点の会議端末装置から出力される撮像範囲設定情報に対応しない。よって、利用者は、撮像範囲の変更を指示している間に、他拠点からの撮像範囲の変更指示が重ならないようにすることができる。
【0028】
請求項10に記載の会議端末装置では、請求項9に記載の構成の効果に加え、撮像範囲設定情報に対応しない場合は、撮像範囲設定情報を送信した他拠点の会議端末装置へ、対応しない旨の情報を送信する。よって、利用者は、撮像範囲の変更指示が、他拠点の変更指示と重なって対応されなかったことを把握できるようになる。
【0029】
請求項11に記載の会議制御方法では、複数の他の装置と通信手段を介して、撮像画像、または音声情報の送受信を行う。会議端末装置が設置された自拠点を撮像する撮像手段から、撮像画像を取得する。そして取得した撮像画像を他拠点の会議端末装置へ出力する。また、撮像手段の撮像範囲を設定する撮像範囲設定情報を受付ける。受付けた撮像範囲設定情報に基づいて、撮像手段の撮像範囲を制御する。他拠点から撮像範囲設定情報の変更を受付けた場合、変更前の撮像範囲に対応した撮像範囲設定情報を、撮像範囲設定情報を出力した拠点以外の会議端末装置へ出力する。よって、ある拠点からの指示で撮像範囲を変更されても、その他の拠点には変更前の撮像範囲設定情報が出力されるので、利用者は、変更前の撮像範囲に撮像画像を容易に戻すことができる。
【0030】
請求項12に記載の会議制御プログラムでは、複数の他の装置と通信手段を介して、撮像画像、または音声情報の送受信を行う。会議端末装置が設置された自拠点を撮像する撮像手段から、撮像画像を取得する。そして取得した撮像画像を他拠点の会議端末装置へ出力する。また、撮像手段の撮像範囲を設定する撮像範囲設定情報を受付ける。受付けた撮像範囲設定情報に基づいて、撮像手段の撮像範囲を制御する。他拠点から撮像範囲設定情報の変更を受付けた場合、変更前の撮像範囲に対応した撮像範囲設定情報を、撮像範囲設定情報を出力した拠点以外の会議端末装置へ出力する。よって、ある拠点からの指示で撮像範囲を変更されても、その他の拠点には変更前の撮像範囲設定情報が出力されるので、利用者は、変更前の撮像範囲に撮像画像を容易に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】テレビ会議システム100の概略構成図である。
【図2】テレビ会議システム100の電気的構成図である。
【図3】拠点情報データベース1352Aの説明図である。
【図4】撮像範囲設定情報データベース1352Bの説明図である。
【図5】会議端末装置120で実行するメイン処理のフローチャート図である。
【図6】会議端末装置120で実行する変更指示処理のフローチャート図である。
【図7】拠点Cで表示される画面説明図である。
【図8】拠点Cで表示される画面説明図である。
【図9】会議端末装置120で実行するメイン処理2のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を具体化した会議端末装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0033】
まず、図1〜図2を参照して、本実施形態のテレビ会議システム100の概略構成、及び構成要素である撮像装置1、会議端末装置120の電気的構成について、順に説明する。図1に示すように、テレビ会議システム100は、各拠点(以後、拠点A、拠点B、拠点Cとする。)に設けられた、撮像装置1、会議端末装置120を含み、これらはすべてネットワーク200に接続されている。ネットワーク200としては、例えば、IP(Internet Protocol)やISDN(Integrated Services Digital Network)等のネットワークを採用することができる。図1では、拠点は3拠点しか図示されていないが、実際には複数が存在してもよい。また各拠点は、例えば、ある企業の同一サイト内に複数存在してもよいし、異なる事業所内や、異なる地域や国に点在して存在していてもよい。
【0034】
会議端末装置120は、例えば、周知のパーソナルコンピュータであり、汎用型の装置である。会議端末装置120は、ネットワーク200を介して接続された複数の拠点間で、使用者の撮像画像や音声情報を送受信することでテレビ会議を行う為の通信機能等を備える。また、撮像装置1は、テレビ会議使用者の撮像画像を取得するカメラ機器や、音声情報を取得するマイク機器、音声情報を出力するスピーカ機器を備える。また、撮像装置1は、会議端末装置120と電気的な接続をすることにより、ネットワーク200を介して他拠点とテレビ会議を行うための機器として機能するようになる。撮像装置1、会議端末装置120についての詳細な説明は、後述する。
【0035】
さらに、テレビ会議への参加を希望する使用者は、会議端末装置120のうちいずれかを操作し、使用者はID情報等を登録することによってテレビ会議にログインする。テレビ会議に参加した状態では、例えば撮像装置1のカメラによって会議に参加している使用者が撮像される。撮像された撮像画像は、撮像装置1から会議端末装置120へ送信され、他拠点の会議端末装置120に対して送信される。撮像画像を受信した他拠点の会議端末装置120では、受信した撮像画像を自拠点で撮像した撮像画像と共に表示装置125に表示させる。撮像画像が複数存在する場合、個別のウィンドウ内に其々表示させる。これによってテレビ会議に参加する使用者は、各拠点で会議に参加する使用者の撮像画像を共有して視認することが可能となる。また、撮像装置1のカメラ機器には、撮像方向、撮像範囲を変更するために、パン、チルト、ズーム機構を備え、自拠点、もしくは他拠点の会議端末装置120を利用者が操作することで、撮像装置1の撮像範囲を変更することができるようになっている。
【0036】
次に、図2を参照して、撮像装置1、会議端末装置120の電気的構成について説明する。撮像装置1としては、CPU111と、CPU111に各々接続されたROM112およびRAM113を備えている。CPU111には、その他、入出力(I/O)インタフェイス114が接続されている。I/Oインタフェイス114には、カメラ6、マイク4、スピーカ10、画像入力処理部106、音声入力処理部104、駆動処理部107、音声出力処理部110、記録装置115、外部接続装置116が接続されている。
【0037】
CPU111は、撮像装置1の全体の制御を司る。ROM112は、BIOSを含む、撮像装置1を動作させるための各種のプログラムや、そのための設定値を記憶している。CPU111は、ROM112や、後述する記憶装置115に記憶されたプログラムに従って、撮像装置1の動作を制御する。RAM113は、各種データを一時的に記憶するための記憶装置である。
【0038】
画像入力処理部106、駆動処理部107、音声入力処理部104、音声出力処理部110には、それぞれ、カメラ6、マイク4、スピーカ10が接続されている。カメラ6は、端末装置1が設置されている拠点を撮像する撮像機器である。本実施形態のカメラ6は、撮像範囲を変更する為に、パン、チルト、ズーム機構を備える。具体的には、図示は省略するが、例えば特開2008−76639(雲台機能付きクレードル)に開示されている技術を用いてもよい。上記文献では、2つの駆動モータを制御して、カメラ部をパン方向、チルト方向へ所定の位置まで回転駆動させることで、カメラの姿勢を変更できるようになっている。パン、チルト機構については、上記文献の構成に限らず、汎用的なパン、チルト機構を用いてもよい。また、ズーム機構についても、汎用的なデジタルカメラで使用されているズーム機構を用いればよい。
【0039】
画像入力処理部106は、カメラ6からの撮像情報の入力を処理する機器である。また、駆動処理部107は、カメラ6の駆動部への駆動信号を制御する機器である。マイク4は、撮像装置1が設置されている拠点の音声情報を取得する機器であり、音声入力処理部104は、マイク4から入力された音声情報を処理する機器である。スピーカ10は、他拠点の装置から送信された他拠点の音声情報を出力する機器であり、音声出力処理部110は、スピーカ10へ音声情報の出力を処理する機器である。
【0040】
外部接続装置116は、汎用的なUSB機器等であり、会議端末装置120に接続することで撮像画像や音声情報データの送受信を行うための通信機器である。
【0041】
また、記憶装置115は、プログラム情報記憶エリア1151を含む複数の記憶エリアを備えている。プログラム情報記憶エリア1151には、詳細は図示しないが、撮像画像、音声情報を会議端末装置120との間で送受信する機能を実行させるための各種プログラムが記憶されている。
【0042】
次に、会議端末装置120の電気的構成について説明をする。会議端末装置120としては、CPU121と、CPU121に各々接続されたROM122およびRAM123を備えている。CPU121には、その他、入出力(I/O)インタフェイス124が接続されている。I/Oインタフェイス124には、表示装置125、画像出力処理部126、操作部127、通信装置133、記憶装置135、外部接続装置150、CD−ROMドライブ140が接続されている。
【0043】
CPU121は、会議端末装置120の全体の制御を司る。ROM122は、BIOSを含む、会議端末装置120を動作させるための各種のプログラムや、そのための設定値を記憶している。CPU121は、ROM122や、後述する記憶装置135に記憶されたプログラムに従って、会議端末装置120の動作を制御する。RAM123は、各種データを一時的に記憶するための記憶装置である。
【0044】
画像出力処理部126は、表示装置125と接続されている。表示装置125は、他拠点から取得した撮像画像や、自拠点で撮像された撮像画像等を表示する機器であり、汎用的な液晶モニタ、プロジェクタ等の表示機器である。画像出力処理部126は、表示装置125への撮像画像等の出力を処理する機器である。操作部127は、汎用的なキーボード機器や、タッチパネル機器である。利用者は、操作部127を介して会議端末装置120への各種指示を入力することができるようになっている。
【0045】
記憶装置135は、プログラム情報記憶エリア1351、設定情報記憶エリア1352を含む複数の記憶エリアを備えている。プログラム情報記憶エリアには、詳細は図示しないが、撮像画像、音声情報を撮像装置1や他拠点の会議端末装置120との間で送受信することでテレビ会議を行うためのテレビ会議アプリを、会議端末装置120に実行させるための各種プログラムが記憶されている。設定情報記憶エリア1352には、後述する接続拠点情報データベース1352A、撮像範囲設定情報データベース1352Bが記憶されている。
【0046】
CD−ROMドライブ140は、CD−ROM141に記録されているデータを読み込む機器である。また、CD−ROM141は、会議端末装置120でテレビ会議を行うためのテレビ会議アプリ等が記憶されている。CD−ROM141の導入時には、これら各種プログラムが、CD−ROM141から、プログラム記憶エリア1351に記憶される。外部接続装置150は、汎用的なUSB機器等であり、撮像装置1に接続することで撮像画像や音声情報の送受信を行うための通信機器である。通信装置133は、ネットワーク200に接続し、他の会議端末装置120との間で撮像画像や音声情報等の各種データの送受信を行うための機器である。
【0047】
次に、図3を参照しながら、接続拠点情報データベース1352Aについて説明をする。接続拠点情報データベース1352Aは、会議端末装置120が、通信回線を介してどの拠点の会議端末装置120と接続しているかを、会議が実行中の間、記憶されるデータベースである。自拠点IDの項目には、自拠点の会議端末装置120に対応する識別情報が記憶されている。図3では、拠点Aを自拠点として、001の識別情報が記憶されている。また、接続拠点IDの項目には、自拠点の会議端末装置120と通信接続されている他拠点の会議端末装置120の識別情報が記憶されている。図3では、拠点B、拠点Cの識別情報が、002、003として記憶されている。よって、会議端末装置120は、接続拠点情報データベース1352Aを参照することで、どの会議端末装置120とテレビ会議を実行しているのかを確認することができる。
【0048】
次に、図4を参照にしながら設定情報記憶エリア1352に記憶されている、撮像範囲設定情報データベース1352Bについて説明をする。撮像範囲設定情報データベース1352Bは、拠点ID、パン、チルト、ズーム、静止画像の項目が対応付けられて記憶されている。拠点IDの項目は、以下のパン、チルト、ズームの設定値を指示した拠点の会議端末装置120に対応した識別情報が記憶されている。パンの項目には、カメラ6のパン方向の角度設定値が記憶されている。チルトの項目には、カメラ6のチルト方向の角度設定値が記憶されている。ズームの項目には、カメラ6のズーム倍率の設定値が記憶されている。静止画像に、パン、チルト、ズームの設定値情報が対応つけられて記憶されている。よって、会議端末装置120は、撮像範囲設定情報データベース1352Bの各設定値に基づいて、カメラ6を駆動制御部107を介して制御することで、撮像範囲を決定する。また、撮像範囲設定情報データベース1352Bは、変更する指示を受けた場合、最新の設定値情報を最下層に追加して更新記憶するようになっているものとする。
【0049】
次に、図5を参照して会議端末装置120のCPU121により行われるメイン処理について説明をする。図5は会議端末装置120のメイン処理のフローチャートであり、会議端末装置120の電源がONされると開始される。本実施形態では、既に撮像装置1と接続された状態で、他拠点の会議端末装置120と通信回線を介して、撮像画像、音声情報の送受信が可能な状態になっているものとする。まず初めに、CPU121は、撮像装置1が移動されたかどうかを判断する(S401)。ステップS401の処理では、具体的には、撮像装置1から取得した撮像画像が、直前に取得した撮像画像と所定割合以上変化したかどうかを解析し、利用者によって撮像装置1が移動されたかどうかを判断する。ステップS401の処理で、CPU121は、移動されていないと判断した場合(S401:NO)、次に撮像範囲設定情報を取得したかどうかを判断する(S402)。ステップS402の処理では、自拠点か、もしくは他拠点の会議端末装置120により出力された、撮像装置1のカメラ6の撮像範囲を変更するための撮像範囲設定情報を取得したかどうかを判断する。ステップS402の処理で、CPU121は、取得していないと判断した場合(S402:NO)は、ステップS401の処理へ戻る。
【0050】
ステップS402の処理で、CPU121は、撮像範囲設定情報を取得したと判断した場合は(S402:YES)、前回の撮像範囲設定情報を出力操作した拠点と同じ拠点から取得したかどうかを判断する(S403)。ステップS403の処理で、CPU121は、前回と同じ拠点では無いと判断した場合(S403:NO)、現在表示している撮像画像の静止画像と、撮像範囲設定情報を保存する処理を実行する(S404)。ステップS404の処理では、表示手段125へ出力している撮像画像の静止画像を生成し、またその時のカメラ6の撮像範囲に対応する各設定値を、撮像範囲設定情報データベース1352Bへ記憶する。また、ステップS403の処理で、CPU121は、前回と同じ拠点であると判断した場合(S403:YES)、ステップS408の処理へ移行する。
【0051】
ステップS404の処理の後、CPU121は、前回の撮像範囲設定情報を操作した拠点が自拠点かどうかを判断する(S405)。具体的には、撮像範囲設定情報データベース1352Bの最新の情報の拠点IDが、自拠点の会議端末装置120のIDと同じかどうかを判断する。ステップS405の処理で、CPU121は、自拠点ではないと判断した場合(S405:NO)、前回に撮像範囲設定情報を出力操作した拠点の会議端末装置120へ、ステップS404の処理で保存した撮像範囲設定情報と静止画像を対応付けして送信する処理を実行する(S406)。また、ステップS405の処理で、CPU121は、前回に撮像範囲設定情報を出力操作した拠点が自拠点であると判断した場合は(S405:YES)、保存した静止画像を自拠点の表示手段125へ出力する(S407)。
【0052】
ステップS406、ステップS407、又はステップS403:YESの処理の後、CPU121は、撮像装置1の撮像範囲を変更する処理を実行する(S408)。ステップS408の処理では、具体的には、ステップS402の処理で新たに取得した撮像範囲設定情報であるパン方向の設定値、チルト方向の設定値、ズーム設定値に基づいて、駆動制御部107を介してカメラ6の撮像範囲を変更する処理を実行する。
【0053】
ステップS408の処理の後、CPU121は、ステップS408の処理が完了してから所定時間が経過したかどうかを判断する(S409)。ここでの所定時間とは、具体的には、10秒~30秒程度が望ましいが、これに限るものではなく、適宜変更できるようになっている。ステップS409の処理で、CPU121は、所定時間が経過していないと判断した場合は(S409:NO)、新たに撮像範囲設定情報を取得したかどうかを判断する(S413)。ステップS413の処理で、CPU121は、取得していないと判断した場合(S413:NO)、再度ステップS409の処理へ戻る。ステップS413の処理で、CPU121は、新たに撮像範囲設定情報を取得したと判断した場合(S413:YES)、キャンセル通知処理を実行する(S414)。ステップS414の処理では、ステップS408の処理により撮像範囲が変更されてから所定時間以内に、新たな撮像範囲設定情報を取得した場合は、その撮像範囲設定情報を出力した拠点の会議端末装置120へ、撮像範囲の変更操作がキャンセルされた旨の通知を実行する。ステップS414の処理後は、再度ステップS409の処理へ戻る。
【0054】
ステップS409の処理で、CPU121は、所定時間が経過したと判断した場合(S409:YES)、次に終了指示が有ったかどうかを判断する(S410)。ステップS410の処理では、テレビ会議の終了に関する指示や、撮像画像の送受信を終了する指示が利用者により操作されたかどうかを判断する。ステップS410の処理で、CPU121は、終了指示が無かったと判断した場合(S410:NO)、ステップS401の処理へ戻り、以降の処理を繰り返し実行する。また、ステップS410の処理で、CPU121は、終了指示が有ったと判断した場合(S410:YES)、本処理を終了する。
【0055】
また、ステップS401の処理で、CPU121は、撮像装置1が移動されたと判断した場合(S401:YES)、保存されている静止画像と撮像範囲設定情報を消去する(S411)。ステップS411の処理では、利用者によって、撮像装置1が移動されると、前回の撮像範囲設定情報と撮像範囲の位置関係が変わってしまう為、自拠点の会議端末装置120の撮像範囲設定情報データベース1352Bに記憶されている情報を消去する。ステップS411の処理の後、CPU121は、他拠点に静止画像と撮像範囲設定情報の消去命令に関する信号を送信する(S412)。ステップS412の処理で送信された消去命令を受信した他拠点の会議端末装置120では、詳細な説明は後述するが、静止画像と撮像範囲設定情報が消去される。
【0056】
次に、図6を参照しながら、撮像範囲の設定変更を行う際に会議端末装置120で処理される変更指示処理について説明をする。まず初めに、CPU121は、消去命令信号を受信したかどうかを判断する(S501)。ステップS501の処理では、図5のステップS412で他拠点から送信された消去命令の信号を受信したかどうかを判断する。ステップS501の処理で、CPU121は、消去命令の信号を受信したと判断した場合(S501:YES)、保存されている静止画像と撮像範囲設定情報を消去する(S502)。また、ステップS501の処理で、CPU121は、消去命令の信号を受信していないと判断した場合(S501:NO)、次に、CPU121は、他拠点から静止画像と撮像範囲設定情報を受信したかどうかを判断する(S503)。ステップS503の処理では、図5のステップS406の処理で送信された静止画像と撮像範囲設定情報を受信したかどうかを判断する。ステップS503の処理で、CPU121は、静止画像と撮像範囲設定情報を受信したと判断した場合(S503:YES)、受信した静止画像と撮像範囲設定情報を一時的に保存する(S505)。ステップS503の処理で、CPU121は、静止画像と撮像範囲設定情報を受信していないと判断した場合(S503:NO)、撮像範囲変更の操作が有ったかどうかを判断する(S504)。ステップS504の処理では、利用者が会議端末装置120の操作部127を操作し、他拠点の撮像装置1の撮影範囲を変更する。具体的には、利用者は、表示画面125に表示されている他拠点の撮像画像を指定し、操作部127を介して撮像範囲を変更する為の操作を実行する。撮像範囲を変更する為の操作は、利用者が所望の撮像範囲になるように、指定した撮像装置1のカメラ6をパン方向、チルト方向、ズーム倍率等を変更する処理である。
【0057】
ステップS504の処理で、CPU121は、撮像範囲変更の操作が無いと判断した場合(S504:NO)、ステップS507の処理へ移行する。ステップS504の処理で、CPU121は、撮像範囲変更の操作が有ると判断した場合(S504:YES)、撮像範囲設定情報を送信する(S506)。ステップS506の処理では、撮像範囲を変更しようとする他拠点の会議端末装置120へ、撮像範囲設定情報を送信する。よって、ステップS506の処理で送信された撮像範囲設定情報を受信した他拠点の会議端末装置120では、ステップS402の処理でYESと判断され、撮像範囲が変更される。
【0058】
ステップS504、ステップS505、またはステップS506の処理の後、CPU121は、静止画像と撮像範囲設定情報が有るかどうかを判断する(S507)。ステップS507の処理で、CPU121は、静止画像と撮像範囲設定情報が無いと判断した場合(S507:NO)、ステップS511へ移行する。ステップS507の処理で、CPU121は、静止画像と撮像範囲設定情報が有ると判断した場合(S507:YES)、受信した静止画像を表示手段125へ表示する(S508)。表示手段125への表示している状態の説明は、後述で説明する。
【0059】
ステップS508の処理の後、CPU121は、静止画像が選択されたかどうかを判断する(S509)。ステップS509の処理では、ステップS508の処理で表示手段125に表示された静止画像を、利用者が操作部127を介して指定したかどうかを判断する。ステップS509の処理で、CPU121は、操作が有ったと判断した場合(S509:YES)、次に撮像範囲設定情報を送信する(S510)。ステップS510の処理では、ステップS509の処理で利用者によって指定された静止画像に対応した撮像範囲設定情報を、他拠点の会議端末装置120へ送信する。よって、ステップS509の処理で送信された撮像範囲設定情報を受信した側の会議端末装置120では、受信した撮像範囲設定情報に基づいて撮像装置1の撮像範囲が、静止画像が生成された状態である元の撮像範囲に戻る。また、ステップS509の処理で、CPU121は、静止画像の選択が無いと判断した場合(S509:NO)、次に終了指示があるかどうかを判断する(S511)。ステップS511の処理で、CPU121は、終了指示が無いと判断した場合(S511:NO)、再度ステップS501の処理へ戻り、以降の処理が実行される。また、ステップS511の処理で、CPU121は、終了指示が有ったと判断した場合(S511:YES)、本処理を終了する。
【0060】
次に、図7、8を参照しながら、図5と図6の処理での表示手段125の状態について説明をする。図7は、拠点Cでの表示手段125に表示されている表示画面601の説明図である。画面左上には、拠点Bでの撮像画像603が表示されている。また、画面右上には、拠点Aでの撮像画像602が表示されている。画像左下には、自拠点であるC拠点での撮像画像604が表示されている。各拠点の撮像画像602、603、604は、各拠点の撮像装置1から取得した撮像画像を定期的に送受信することで、動画像として表示されている。また、画面右下には、撮像範囲の変更前の静止画像を表示する静止画像領域605が表示されている。
【0061】
図8は、図7の状態から、拠点Bの利用者が、拠点Aの撮像画像602の撮像範囲を変更した場合の拠点Cでの画面説明図である。拠点Bの会議端末装置120で、図6のステップS504の処理で拠点Aの撮像範囲の変更を指示する操作をし(S504:YES)、拠点Aへ撮像範囲設定情報が送信される(S506)。拠点Aの会議端末装置では、図5のステップS402の処理で撮像範囲設定情報を受信する(S402:YES)。拠点Aでの現時点での撮像範囲は、前回拠点Cの操作によって設定されているものとすると、ステップS403:NOと判定され、現在の撮像範囲の静止画像と、撮像範囲設定情報が保存される(S404)。具体的には、図4の撮像範囲設定情報データベース1352Bに示す様に、拠点Cによって設定された各設定情報が、静止画像と対応付けて拠点Aの会議端末装置120に記憶される。続いてステップS405ではNOと判定されて、前回設定操作した拠点Cに静止画像と撮像範囲設定情報を送信する(S406)。そして、拠点Aでは、撮像画像の撮像範囲がステップS402の処理で受信した撮像範囲設定情報に基づいて変更される。
【0062】
拠点Cでは、図8に示すように、拠点Aの撮像画像602の撮像範囲が変更されると、図6のステップS503:YES、S505、S507:YES、S508の処理を実行し、静止画像領域605に静止画像606が表示されるようになる。静止画像606は、拠点Aの撮像範囲が変更される前の撮像範囲に対応した静止画像である。よって、拠点Cの利用者は、静止画像606を指定する操作を実行すると(S509:YES)、拠点Aの元の撮像範囲に対応した撮像範囲設定情報を拠点Aへ送信するので(S510)、拠点Aの撮像範囲を図7の撮像画像602の状態に戻すことが容易にできる。
【0063】
本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、様々な変形が可能であることは言うまでもない。図9を参照しながら、図5のメイン処理の変形例であるメイン処理2について説明をする。図9のメイン処理2は、図5のメイン処理に、ステップS420と、ステップS421の処理を追加した点のみ異なるが、その他の処理は図5のメイン処理と同様の処理となっているので、異なる処理のみ説明をする。
【0064】
ステップS401からステップS404の処理まで、図5で記載した処理と同様の処理が実行された後、CPU121は、現在表示している撮像画像にホワイトボードの画像が含まれているかどうかを検出する(S420)。ステップS420の処理では、具体的には、撮像装置1で撮像された撮像画像に対して、例えば四角形の輪郭で構成される白色領域が存在するかどうかを、汎用的な類似度比較法等を用いて検出するようになっている。ステップS420の処理で、CPU121は、ホワイトボードの画像が検出されなかったと判断した場合(S420:NO)、ステップS405の処理が実行される。ステップS405以降のステップは、図5の処理と同様の為、説明を省略する。
【0065】
また、ステップS420の処理で、CPU121は、ホワイトボードを検出したと判断した場合(S420:YES)、静止画像と撮像範囲設定情報を全拠点へ送信する(S421)。ステップS421の処理では、静止画像と撮像範囲設定情報を、図3に示す拠点情報データベース1352Aに記憶されている全ての拠点に対して送信する。自拠点に対しては、静止画像を表示画面125へ出力する処理となる。ステップS421の処理の後は、CPU121は、ステップS408の処理へ移行する。ステップS408以降の処理は、図5で記載した処理と同様の為、説明を省略する。また、ステップS421の処理で送信する静止画像を、ステップS406の処理で送信する場合より、高解像度モードで送信するようにしてもよい。
【0066】
上記変形例のメイン処理2を実施することにより、変更前の撮像範囲がホワイトボードを撮像している場合は、元に戻す要求が高くなると想定されるので、全ての拠点に撮像範囲設定情報を出力することで、どの拠点からも元の撮像範囲に容易に戻すことができるようになる。
【0067】
また、図5のメイン処理についての変形例として、ステップS406の処理では、前回操作した拠点のみに静止画像、撮像範囲設定情報を送信するように記載したが、これに限るものではなく、今回の変更を操作した拠点以外の全ての拠点へ送信するようにしてもよい。
【0068】
上記に記載した実施形態を実施することにより、ある拠点からの指示で撮像装置1の撮像範囲を変更されても、その他の拠点には変更前の撮像範囲設定情報が送信、及び出力されるので、利用者は、変更前の静止画像を選択することにより、撮像画像を容易に元の撮像範囲に戻すことができる。
【符号の説明】
【0069】
1 撮像装置
100 テレビ会議システム
120 会議端末装置
1153A 接続拠点情報データベース
1153B 撮像範囲設定情報データベース
200 ネットワーク
601 拠点Cでの表示画面
602 拠点Aの撮像画像
603 拠点Bの撮像画像
604 拠点Cの撮像画像
605 静止画像領域
606 拠点Aの変更前静止画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の他の装置と通信手段を介して、撮像画像、または音声情報の送受信を行う会議端末装置において、
前記会議端末装置が設置された自拠点を撮像する撮像手段から、前記撮像画像を取得する撮像画像取得手段と、
前記撮像画像取得手段で取得した前記撮像画像を他拠点の前記会議端末装置へ出力する撮像画像出力手段と、
前記撮像手段の撮像範囲を設定する撮像範囲設定情報を受付ける設定情報受付け手段と、
前記設定情報受付け手段により受付けた前記撮像範囲設定情報に基づいて、前記撮像手段の撮像範囲を制御する撮像範囲制御手段と、
前記設定情報受付け手段により他拠点から前記撮像範囲設定情報の変更を受付けた場合、変更前の撮像範囲に対応した前記撮像範囲設定情報を、前記撮像範囲設定情報を出力した拠点以外の前記会議端末装置へ出力する変更前設定情報出力手段と、
を備えることを特徴とする会議端末装置。
【請求項2】
前記設定情報受付け手段により他拠点から前記撮像範囲設定情報の変更を受付けた場合、変更前の撮像範囲の静止画像を生成する変更前静止画像生成手段をさらに備え、
前記変更前設定情報出力手段は、変更前の撮像範囲に対応した前記撮像範囲設定情報に対応付けして、前記変更前静止画像生成手段で生成された前記静止画像を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の会議端末装置。
【請求項3】
前記変更前設定情報出力手段は、変更前の撮像範囲に対応した前記撮像範囲設定情報を設定した拠点の前記会議端末装置のみに、前記撮像範囲設定情報、及び前記静止画像を出力する
ことを特徴とする請求項2に記載の会議端末装置。
【請求項4】
前記変更前静止画像生成手段により生成された前記静止画像に、利用者による手書きが可能なホワイトボードに対応する画像を検出する検出手段をさらに備え、
前記変更前設定情報出力手段は、前記検出手段により前記ホワイトボードの画像が検出された場合は、自拠点、及び前記通信手段を介して接続されている全ての他拠点の前記会議端末装置へ、変更前の撮像範囲に対応した前記撮像範囲設定情報を出力する
ことを特徴とする請求項2に記載の会議端末装置。
【請求項5】
前記変更前静止画像生成手段は、前記検出手段で前記ホワイトボードの画像を検出した場合は、前記静止画像の解像度の設定情報を、前記検出手段で検出されなかった場合より、高い解像度になるよう設定して前記静止画像を生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の会議端末装置。
【請求項6】
前記変更前設定情報出力手段により出力された前記撮像範囲設定情報、及び前記静止画像を受信する変更前設定情報受信手段と、
前記変更前設定情報受信手段により受信した前記静止画像を、前記撮像範囲設定情報と対応付けして表示手段へ出力する静止画像出力手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の会議端末装置。
【請求項7】
前記静止画像出力手段で出力された前記静止画像に対して、前記表示手段上で利用者の操作による指示を受付ける操作指示受付け手段をさらに備え、
前記操作指示受付け手段により指示を受付けた場合、前記表示手段に出力している前記静止画像に対応付けられた前記撮像範囲設定情報を、対応する拠点の前記会議端末装置へ出力する操作指示出力手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項6に記載の会議端末装置。
【請求項8】
前記撮像範囲制御手段は、前記操作指示出力手段により出力された前記撮像範囲設定情報に基づいて撮像範囲を変更した場合、変更後から所定時間の間は撮像範囲を変更しない
ことを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記撮像範囲制御手段は、前記設定情報受付け手段により受付けた前記撮像範囲設定情報に基づいて撮像範囲を制御している間は、他拠点の前記会議端末装置から出力される前記撮像範囲設定情報に対応しない
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の会議端末装置。
【請求項10】
前記撮像範囲制御手段が、前記撮像範囲設定情報に対応しない場合は、
前記撮像範囲設定情報を送信した他拠点の前記会議端末装置へ、対応しない旨の情報を送信する非対応情報送信手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項9に記載の会議端末装置。
【請求項11】
複数の他の装置と通信手段を介して、撮像画像、または音声情報の送受信を行う会議端末装置にて処理する会議制御方法に於いて、
前記会議端末装置が設置された自拠点を撮像する撮像手段から、前記撮像画像を取得する撮像画像取得ステップと、
前記撮像画像取得ステップで取得した前記撮像画像を他拠点の前記会議端末装置へ出力する撮像画像出力ステップと、
前記撮像手段の撮像範囲を設定する撮像範囲設定情報を受付ける設定情報受付けステップと、
前記設定情報受付けステップにより受付けた前記撮像範囲設定情報に基づいて、前記撮像手段の撮像範囲を制御する撮像範囲制御ステップと、
前記設定情報受付けステップにより他拠点から前記撮像範囲設定情報の変更を受付けた場合、変更前の撮像範囲に対応した前記撮像範囲設定情報を、前記撮像範囲設定情報を出力した拠点以外の前記会議端末装置へ出力する変更前設定情報出力ステップ
を処理することを特徴とする会議制御方法。
【請求項12】
複数の他の装置と通信手段を介して、撮像画像、または音声情報の送受信を行う会議端末装置にて実行する会議制御プログラムに於いて、
前記会議端末装置が設置された自拠点を撮像する撮像手段から、前記撮像画像を取得する撮像画像取得ステップと、
前記撮像画像取得ステップで取得した前記撮像画像を他拠点の前記会議端末装置へ出力する撮像画像出力ステップと、
前記撮像手段の撮像範囲を設定する撮像範囲設定情報を受付ける設定情報受付けステップと、
前記設定情報受付けステップにより受付けた前記撮像範囲設定情報に基づいて、前記撮像手段の撮像範囲を制御する撮像範囲制御ステップと、
前記設定情報受付けステップにより他拠点から前記撮像範囲設定情報の変更を受付けた場合、変更前の撮像範囲に対応した前記撮像範囲設定情報を、前記撮像範囲設定情報を出力した拠点以外の前記会議端末装置へ出力する変更前設定情報出力ステップ
を前記会議端末装置で実行させることを特徴とする会議制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−17063(P2013−17063A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148858(P2011−148858)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】