説明

伝動ベルト評価方法と伝動ベルト評価装置

【課題】簡単な装置構成でもって伝動ベルトの回転変位伝達特性を高精度で評価できる技術を提供する。
【解決手段】駆動プーリ側の駆動回転変位によって従動プーリ側の従動回転変位を作り出す伝動ベルト1の回転変位伝達特性を評価する伝動ベルト評価装置は、駆動プーリ2と、駆動プーリ2より大径の従動プーリ3と、駆動プーリ2を一定角速度で回転させる駆動源4と、従動プーリ3の従動回転変位を時間−回転角に基づく波形データとして検出するエンコーダ5と、時間−回転角に基づく波形データに対してフーリエ変換を施してその周波数特性を出力するフーリエ変換器6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動プーリの駆動回転変位を従動プーリに伝達することにより従動プーリの従動回転変位を作り出す伝動ベルトの回転変位伝達特性を評価する伝動ベルト評価方法及び伝動ベルト評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
伝動ベルトのプーリ巻き掛け面に周期的な凹凸が生じていると、駆動プーリから従動プーリに伝達すべき回転変位が変動することになる。この駆動プーリと従動プーリとの間の回転変位の変動をこの出願では回転変位伝達特性と呼んでいる。回転変位伝達特性を良好なものとするため、つまり回転変位の変動を小さくするため、伝動ベルトのプーリ巻き掛け面が研磨されているが、完全な平面性を得ることは不可能である。従って、その平面性を検査することによって伝動ベルトを評価する必要がある。
【0003】
以前は、伝動ベルトの厚さむらの検査を行うのに、ノギスやシクネスゲージ等の測定具を用い、それをベルト長さ方向に順次押し当てベルト厚さを測定し、それにより得られるベルト長さ方向での厚さ分布から厚さむら、結果的には回転変位伝達特性が評価されていた。この従来の評価方法は時間がかかるという問題があるだけでなく、ベルト自体がゴム材料からなるものであることから、測定具を押し当てる際の押し圧により測定精度にばらつきが生じ易いという問題をもつ。このため、プーリ間に伝動ベルトを巻き掛けるとともに、一方のプーリ上における伝動ベルトの外周面にアイドラプーリを一定の荷重で接触させ、伝動ベルトの定速走行に伴うアイドラプーリのベルト厚さ方向の変動を周波数分析器により周波数分析し、その分析結果に基づいて厚さむらを判定する検査方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、プーリとの間で伝動ベルトを挟み込んだアイドラプーリの径方向の変位で伝動ベルト平面性を高精度に測定するためには、アイドラプーリの径方向のスムーズな変位を可能にするスライド機構が非常に高価でかつ大掛かりなものとなってしまう。
【特許文献1】特開2000−240729号公報(段落番号0002−0012、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記実状に鑑み、本発明の目的は、簡単な装置構成でもって伝動ベルトの回転変位伝達特性を高精度で評価できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
駆動プーリの駆動回転変位を従動プーリに伝達することにより従動プーリの従動回転変位を作り出す伝動ベルトの回転変位伝達特性を評価する伝動ベルト評価方法において、上記目的を達成するため、本発明による伝動ベルト評価方法は、小径の駆動プーリと大径の従動プーリに測定対象となる伝動ベルトを巻き掛けるステップと、従動プーリの従動回転変位を時間−回転角に基づく波形データとして検出するステップと、前記時間−回転角に基づく波形データに対してフーリエ変換を施してその周波数特性を得るステップと、前記周波数特性から前記伝動ベルトの回転変位伝達特性を評価するステップとからなる。
【0006】
この方法によれば、評価対象となる伝動ベルトの回転変位伝達特性が従動プーリの経時的な従動回転変位からフーリエ変換を経て導出された周波数特性に基づいて評価される。伝動ベルトが組み込まれた装置において重要となる回転変位伝達の状態が直接従動プーリの周波数特性から評価されるので、この評価結果は、従動プーリの変位変動に基づく振動等に起因する種々の問題を解決するために最適に利用することができる。例えば、この伝動ベルトを用いたシート搬送機構が、レーザプリンタなどのシート搬送に利用されている場合、そのプリント出力に生じるバンディングと呼ばれる波状の濃淡現象の解明に利用することができる。また、そのようなバンディングがシート搬送機構の振動と密接な関係があることを考慮するならば、本発明による評価結果を利用して、少なくともシート搬送機構の固有振動数と一致する回転変位伝達変動帯域(振動帯域)を示す伝動プーリの使用を避けるという品質管理的なバンディング対策が可能となる。
【0007】
伝動ベルトの駆動方向(長手方向)に厚さ変動や剛性変動などのベルト品質に関わる変動が生じている場合、回転変位伝達のための有効ピッチ円半径がその変動に応じて変化することになる。この有効ピッチ円半径の変化は駆動プーリから従動プーリに伝達される回転変位の変化をもたらすが、ベルト巻き掛け長さがその変動ピッチよりかなり大きければ、平均化されてしまってその品質変動がプーリの回転変動に現れ難くなる。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、測定対象となる伝動ベルトの駆動方向の予想される品質変動ピッチの3倍以下の巻き掛け長さとなるように前記駆動プーリが選択され、かつ前記品質変動ピッチの5倍以上の巻き掛け長さとなるように前記従動プーリが選択される。この構成を採用することにより、伝動ベルトの回転変位伝達特性評価がより正確なものとなる利点が得られる。
【0008】
駆動プーリ側の駆動回転変位によって従動プーリ側の従動回転変位を作り出す伝動ベルトの回転変位伝達特性を評価する伝動ベルト評価装置において、上記目的を達成するため、本発明による伝動ベルト評価装置は、駆動プーリと、前記駆動プーリより大径の従動プーリと、前記駆動プーリを一定角速度で回転させる駆動源と、前記従動プーリの従動回転変位を時間−回転角に基づく波形データとして検出するエンコーダと、前記時間−回転角に基づく波形データに対してフーリエ変換を施してその周波数特性を出力するフーリエ変換器とを備えている。
【0009】
この構成の装置によれば、評価対象となる伝動ベルトを駆動プーリと従動プーリとに巻き掛け、駆動プーリをステッピングモータのように正確な角速度で回転可能な駆動源を用いて回転させるとともに、従動プーリの回転(従動回転変位)をエンコーダで検出して、その経時的に変化する検出信号として時間−回転角に基づく波形データを得る。その検出データをフーリエ変換器に入力することで、従動プーリの回転変動がどのような周波数帯域を有するかを表す、結果的には伝動ベルトの駆動方向における品質変動がどのような周波数帯域を有するかを表す周波数特性が得られる。例えば、評価対象となっている伝動ベルトが用いられる装置の固有振動数(周波数)が得られた周波数特性の山(振幅が大きな領域)となる周波数と一致するかどうかで伝動ベルトの品質評価を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
まず、本発明による伝動ベルト評価技術の原理を説明する。図1は、その原理を説明するための模式図である。評価対象となる伝動ベルト1は小径の駆動プーリ2と大径の従動プーリ3に巻き掛けられる。その際、小径の駆動プーリ2としては、評価対象となる伝動ベルト1において予想されるあるいは問題とされる、長手方向の厚さ変動や剛性変動などのベルト品質変動ピッチをλとして場合、その巻き掛け長さが3λ以下、好ましくは2λから3λとなるような直径を有するものが選択される。これに対して、大径の従動プーリ3としては、ベルト品質変動を平均化してその影響を受けにくくするためその巻き掛け長さが5λ以上、好ましくは10λ程度となるような直径を有するものが選択される。従って、伝動ベルト1の厚さ変動や剛性変動などのベルト品質変動は、小径の駆動プーリ2と伝動ベルト1との間での有効ピッチ円半径の変動をもたらし、その結果、大径の従動プーリ3の回転速度(角速度)の変動として現れる。
【0011】
駆動プーリ2はステッピングモータ4によって一定角速度で回転駆動される。駆動プーリ2の駆動回転変位は伝動ベルト1を介して従動プーリ3に伝達され、これにより従動プーリ3が従動回転変位する。従動プーリ3の経時的な従動回転変位、つまり回転角速度はエンコーダ5によって検出される。このエンコーダ5は、従動プーリ3の経時的な従動回転変位を時間−回転角に基づく波形データ(信号)として出力することができる。
【0012】
伝動ベルト1の長手方向の厚さ変動や剛性変動などのベルト品質変動は、この時間−回転角に基づく波形データにおける波の変形(位相ずれなど)を生じさせる。従って、この時間−回転角に基づく波形データの時間軸を周波数軸とする変換、つまりフーリエ変換を行うことで、生じうるベルト品質変動の変動ピッチに依存する周波数帯域を把握することができる。例えば、評価対象となっている伝動ベルト1が所定ピッチで駆動面の凹凸による厚さ変動を有し、そのため駆動プーリ2と伝動ベルト1との間で有効ピッチ円半径の変動をもたらしている場合、従動プーリ3の時間−回転角に基づく波形データをフーリエ変換することによって得られた周波数特性においてこの変動ピッチに対応する周波数のところで周波数曲線の山(ピーク)を観察することができる。このために、エンコーダ5から出力される時間−回転角に基づく波形データ(信号)をフーリエ変換し、その周波数特性を算定するフーリエ変換器6が備えられている。
【0013】
ステッピングモータ4、エンコーダ5、フーリエ変換器6の制御やその出力信号の演算処理は、実質的にコンピュータによって構成されているコントローラ7によって行われる。コントローラ7は、評価対象となっている伝動ベルト1を実際に使用される速度で駆動し、これによって得られた従動プーリ3の回転角に関する周波数特性を示すグラフを、人による評価の目的で、モニタに表示したり、プリンタを通じてプリント出力したりすることができる。
【0014】
この周波数特性を用いた伝動ベルト1の評価過程では、伝動ベルト1が実際に適用される駆動機構の固有振動数(周波数)のところでピーク(山)が生じていると、この伝動ベルト1による振動が駆動機構と共振して、無視できない振動問題が生じる可能性があると判定される。言い換えると、少なくとも適用される駆動機構の固有振動数(周波数)のところではピーク(山)が生じないような伝動ベルト1だけを選択することで、簡単で有効である駆動機構の品質保証が実現する。
【0015】
次に、本発明を、レーザビーム露光方式の写真プリント装置における露光搬送機構の伝動ベルト評価に適用した実施例を説明する。この写真プリント装置に搭載されている露光装置は光学系と搬送系からなり、伝動ベルトを回転変位の伝達のために用いた露光搬送機構はその搬送系を構成している。図2にそのような写真プリント装置を断面で示した模式図が示されている。
【0016】
露光装置の光学系は、図3に示すように、印画紙Pの感光面に対してレーザビームを主走査方向にスキャンするビーム出射ユニットによって構成されている。ビーム出射ユニットは、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応した3種のレーザビームを生成するレーザビーム生成モジュール10と、縦軸芯周りで高速回転してレーザビームを走査するポリゴンミラー11と、このポリゴンミラー11からのレーザビームの走査速度を変換するfθレンズ12と、横向きのレーザビームを下向きに変更するための偏向ミラー13とを備える。レーザビーム生成モジュール10は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応して、半導体レーザで成るレーザ光源10rと、固体レーザで成るレーザ光源10gと、固体レーザで成るレーザ光源10bとを備えると共に、G(緑)、B(青)に対応した2つのレーザ光源10g、10bからのレーザビームの強度(光量)を調節(変調)する音響光学変換素子(AOM)で成る光量調節機構14g、14bと、3種のレーザビームを反射する3つのビームミラーMr、Mg、Mbとを備えている。また、前記ポリゴンミラー11はアクチュエータとして電動型のポリゴンモータ15の駆動力で回転駆動される。
【0017】
露光搬送機構は、図3と図4と図5に示すように、印画紙Pを受け取る入口ローラ対21と、この入口ローラ対21から印画紙Pが受け渡される露光前ローラ対22と露光後ローラ対23とを備えている。露光前ローラ対22と露光後ローラ対23は、ビーム出射ユニットの主走査方向に延びた露光ポイントGpを挟んで上流側と下流側に配置され、印画紙Pをレーザビームの主走査方向と直交する副走査方向に搬送する。入口ローラ対21は、電動型のモータM1によって回転駆動される下方の駆動ローラ21aと、印画紙Pを駆動ローラ21aに押し付けた挟着姿勢と、駆動ローラ21aから上方に離間した解除姿勢との間で、電動型のモータM2によって回転駆動されるカムディスクによって上下方向に切り換え可能に構成された遊転型の圧着ローラ21bとからなる。同様に、露光前ローラ対22と露光後ローラ対23もまた、電動型のモータM3によって回転駆動される下方の駆動ローラ22a、23aと、印画紙Pを各駆動ローラ22a、23aに押し付けた挟着姿勢と、駆動ローラ22a、23aから上方に離間した解除姿勢との間で、電動型のモータM4によって回転駆動されるカムディスク24によって上下方向に切り換え可能に構成された遊転型の圧着ローラ22b、23bとからなる。露光ポイントGpにおけるレーザビームによる露光中の印画紙Pの搬送速度は駆動ローラ22a、23aで制御される。モータM3から駆動ローラ22a、23aに回転駆動力を与えるために、モータM3の回転軸に固着された駆動プーリ2と、駆動ローラ対22a、23aのうち下側のローラの駆動軸に固着された従動プーリ3と、これら駆動プーリ2と一対の従動プーリ3とにわたって巻き掛けられた伝動ベルト1とが設けられている。また、モータM2の回転軸からの回転駆動力をカムディスクに伝えるベルト式の伝動系、モータM4の回転軸からの回転駆動力をカムディスク24に伝えるベルト式の伝動系も設けられている。
【0018】
このように構成された露光装置おいて、ビーム出射ユニットを構成するポリゴンミラーの回転系の振動及び印画紙を搬送する搬送系の振動を抑制することが、写真プリント装置のプリント品質を向上させるために要求される。その際、高い位置精度の維持する目的で、ビーム出射ユニットを収容するハウジングと露光搬送機構を収容するハウジングとが複数のネジで連結して、単一の剛体としている。従って、例えば、このハウジングの固有振動の周波数と露光搬送機構が発生させる振動の周波数とが一致することによる共振現象は避けなければならない。この目的のための本発明による伝動ベルト評価技術が利用される。
【0019】
この露光搬送機構で用いられている駆動プーリ2と従動プーリ3と同じ形状を有する伝動ベルト評価装置を準備する。もちろん、露光搬送機構を伝動ベルト評価装置の少なくとも一部として利用してもよい。そのような伝動ベルト評価装置に評価対象となった伝動ベルト1を巻き掛けて、得られた周波数特性グラフが図6(a)と図7(a)に示されている。なお、この実施例では、図6(a)と図7(a)における縦軸は、従動ローラ3の回転速度の振れを、伝動ベルト1の駆動プーリ2におけるピッチ円半径の変動に変換した値で示されており、その横軸は伝動ベルト1の厚み変動ピッチ(凹凸ピッチ)を変動周期(凹凸周期)に変換することで得られた周波数特性として示されている。この実験では凹凸周期と凹凸ピッチの関係は、以下のようになっている。
70Hz・・・7.1mmピッチ
80Hz・・・6.2mmピッチ
90Hz・・・5.5mmピッチ
また、評価対象となった伝動ベルト1を実際に使用した写真プリント装置から出力されたテストプリントのベタ画像をスキャナで読み取り、その空間周波数の分布を示すグラフが図6(b)と図7(b)に示されている。図6(b)と図7(b)における縦軸は濃度レベル(0〜1)を示しており、その横軸は図6(a)と図7(a)と同様で伝動ベルトの凹凸周期を示している。
【0020】
図6は、合格した伝動ベルト1による結果を示しており、図6(a)において、どの周波数帯域においても伝動ベルトの目立った凹凸周期のピーク(山)が示されていない。この伝動ベルト1の駆動面がかなり一様であることが推定される。そのことは、図6(b)において、ほとんど目立った筋ムラを示すピーク(山)が示されていないことからも裏付けられている。
【0021】
これに対して、図7は不合格の伝動ベルト1による結果を示しており、図7(a)において、どの78.7Hzの周波数帯域において伝動ベルトの凹凸周期の際立ったピーク(山)が示されている。この伝動ベルト1の駆動面が78.7Hzの周期、つまりほぼ6.4mmピッチの凹凸が存在していることが推定される。そのことは、図6(b)において、78Hzの周波数領域を有する筋ムラが形成されていることが示されていることによっても裏付けられている。
【0022】
先の実施例では、図6(a)と図7(a)における縦軸は、従動ローラ3の回転速度の振れを、伝動ベルトの駆動プーリ2におけるピッチ円半径の変動に変換した値で示されており、その横軸は伝動ベルトの厚み変動ピッチ(凹凸ピッチ)を変動周期(凹凸周期)に変換して得られた周波数として示されていたが、これに代えて、単純に、縦軸を従動ローラ3の回転速度の振れ量(変動幅)、横軸をその変動周波数としたものを利用してもより。いずれにしても、経時的な従動回転変動とその変動の周波数を表現するものであれば、任意のものを利用することができる。
【0023】
なお、上述した実施例では、本発明による伝動ベルト評価技術をレーザビーム露光方式の写真プリント装置における露光搬送機構の伝動ベルト評価に適用した。しかしながら、本発明による伝動ベルト評価技術はそのような実施例に限られるのではなく、特に振動に対してセンシティブな装置、例えば写真プリント装置の分野では昇華型プリントやライン状プリントヘッドを有するインクジェットプリンタなどのように連続して搬送される媒体に画像が形成される画像形成装置に効果的に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による伝動ベルト評価技術の原理を示す模式図
【図2】本発明によって評価される伝動ベルトを使用している写真プリント装置の断面模式図
【図3】露光装置の光学系の概要を示す斜視図
【図4】露光搬送機構を示す斜視図
【図5】露光搬送機構の縦断図
【図6】合格した伝動ベルトの評価結果を示すグラフ
【図7】不合格の伝動ベルトの評価結果を示すグラフ
【符号の説明】
【0025】
1:伝動ベルト
2:駆動プーリ
3:従動プーリ
4:ステッピングモータ(駆動部)
5:エンコーダ
6:フーリエ変換器
7:コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動プーリの駆動回転変位を従動プーリに伝達することにより従動プーリの従動回転変位を作り出す伝動ベルトの回転変位伝達特性を評価する伝動ベルト評価方法において、
小径の駆動プーリと大径の従動プーリに測定対象となる伝動ベルトを巻き掛けるステップと、
従動プーリの従動回転変位を時間−回転角に基づく波形データとして検出するステップと、
前記時間−回転角に基づく波形データに対してフーリエ変換を施してその周波数特性を得るステップと、
前記周波数特性から前記伝動ベルトの回転変位伝達特性を評価するステップと、
からなる伝動ベルト評価方法。
【請求項2】
測定対象となる伝動ベルトの駆動方向の予想される品質変動ピッチの3倍以下の巻き掛け長さとなるように前記駆動プーリが選択され、かつ前記品質変動ピッチの5倍以上の巻き掛け長さとなるように前記従動プーリが選択される請求項1に記載の伝動ベルト評価方法。
【請求項3】
駆動プーリ側の駆動回転変位によって従動プーリ側の従動回転変位を作り出す伝動ベルトの回転変位伝達特性を評価する伝動ベルト評価装置において、
駆動プーリと、前記駆動プーリより大径の従動プーリと、前記駆動プーリを一定角速度で回転させる駆動源と、前記従動プーリの従動回転変位を時間−回転角に基づく波形データとして検出するエンコーダと、前記時間−回転角に基づく波形データに対してフーリエ変換を施してその周波数特性を出力するフーリエ変換器とを備える伝動ベルト評価装置。
【請求項4】
前記駆動プーリの巻き掛け長さが測定対象となる伝動ベルトの駆動方向の予想される品質変動ピッチの3倍以下であり、かつ前記従動プーリの巻き掛け長さが前記品質変動ピッチの5倍以上である請求項3に記載の伝動ベルト評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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