説明

伝導性ポリマー複合材料に基づくアンテナおよびその製造のための方法

本開示は、金属製アンテナの代替物としての、伝導性ポリマー複合材料に基づくアンテナを記述する。そのアンテナは非伝導性の支持構造およびその非伝導性の支持構造の上に堆積した伝導性複合材料層を含む。その伝導性複合材料は、複数のカーボンナノチューブ類およびポリマーを含む。その複数のカーボンナノチューブ類のそれぞれは、その複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している。その伝導性複合材料層は、少なくとも1種類の電磁信号を受信するように操作可能である。そのアンテナの他の様々な態様は、金属製のアンテナアンダーボディーがその非伝導性の支持構造に置き換わったハイブリッドアンテナ構造を含む。そのハイブリッドアンテナにおいて、その伝導性複合材料層は、その金属製のアンテナアンダーボディーに関する増幅器の役目をする。そのアンテナおよびハイブリッドアンテナを製造するための方法も開示する。そのアンテナおよびハイブリッドアンテナを含むラジオ、携帯電話、および無線ネットワークカードも記述する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] この出願は、2008年6月3日に出願された米国仮特許出願第61/058,352号に対する優先権を主張し、それを本明細書にそのまま援用する。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究に関する記載
[0002] 該当無し
【背景技術】
【0003】
[0003] アンテナは現代の無線通信技術の基礎を構成する。アンテナは、電磁放射を受け取り、および放つように、ならびに自由空間および無線デバイス間の導管の役目をするように設計されている。一般に用いられるアンテナの基本的な要求は、それらが電気伝導体を含むことである。この理由から、ほとんどの伝統的なアンテナは金属製の構造に限られてきた。重量が考慮すべき事柄であるアンテナの適用に関して、金属製のアンテナは一部の場合において問題がある可能性もある。
【0004】
[0004] 様々な構造の適用において、ポリマーおよびポリマー複合材料は金属の軽量な代替物として用いられてきた。特定のポリマーおよびポリマー複合材料は電気伝導性であり、または電気伝導性にすることができるが、低い伝導性が一般に電気伝導性を必要とする適用における金属の代替物としてのそれらの使用を制限してきた。
【0005】
[0005] 上述のことを考慮して、非金属製の、または少なくとも部分的に非金属製のアンテナ構造物は、金属製のアンテナが慣習的に用いられる様々な適用においてかなり有用であろう。本開示は、伝導性カーボンナノチューブ類を充填材料として利用している高度に伝導性のポリマー複合材料から製造されたアンテナ構造物を記述する。これらのアンテナ構造物は、完全に金属製である伝統的なアンテナに対する代わりのアプローチを提供する。その非金属製の、または少なくとも部分的に非金属製のアンテナ構造物は、比較可能な金属製のアンテナよりも低い重量を有する点およびかなり向上されたアンテナ効率を提供する点で好都合である。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 様々な態様において、アンテナを本明細書において記述する。そのアンテナは非伝導性の支持構造およびその非伝導性の支持構造の上に堆積した伝導性複合材料層を含む。その伝導性複合材料は、複数のカーボンナノチューブ類およびポリマーを含む。その複数のカーボンナノチューブ類のそれぞれは、その複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している。その伝導性複合材料層は、少なくとも1種類の電磁信号を受信するように操作可能である。
【0007】
[0007] 様々な態様において、ハイブリッドアンテナを本明細書において記述する。そのハイブリッドアンテナは、金属製のアンテナアンダーボディー(antenna underbody)およびその金属製のアンテナアンダーボディーをオーバーコートしている(overcoating)伝導性複合材料層を含む。その伝導性複合材料層は複数のカーボンナノチューブ類およびポリマーを含む。その複数のカーボンナノチューブ類のそれぞれは、その複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している。その伝導性複合材料層は、その金属製のアンテナアンダーボディーに関する増幅器の役目をする。
【0008】
[0008] 様々な態様において、そのアンテナおよびハイブリッドアンテナを含むラジオを記述する。様々な態様において、そのアンテナおよびハイブリッドアンテナを含む携帯電話を記述する。様々な態様において、そのアンテナおよびハイブリッドアンテナを含む無線ネットワークカードを記述する。
【0009】
[0009] 他の様々な態様において、アンテナを形成するための方法を本明細書において記述する。その方法は、非伝導性支持構造を用意することおよび伝導性複合材料層をその非伝導性支持構造の上に堆積させることを含む。その伝導性複合材料層は複数のカーボンナノチューブ類およびポリマーを含む。その複数のカーボンナノチューブ類のそれぞれは、その複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している。その伝導性複合材料層は、少なくとも1種類の電磁信号を受信するように操作可能である。
【0010】
[0010] さらに他の様々な態様において、ハイブリッドアンテナを形成するための方法を本明細書において記述する。その方法は、金属製のアンテナアンダーボディーを用意することおよび伝導性複合材料層をその金属製のアンテナアンダーボディーの上に堆積させることを含む。その伝導性複合材料層は複数のカーボンナノチューブ類およびポリマーを含む。その複数のカーボンナノチューブ類のそれぞれは、その複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している。その伝導性複合材料層は、その金属製のアンテナアンダーボディーに関する増幅器の役目をする。
【0011】
[0011] 上文は、以下の詳細な記述をよりよく理解することができるように、本開示の様々な特徴をかなり広く概説した。本開示の追加の特徴および利点を以下で記述し、それは特許請求の範囲の主題を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
[0012] 本開示およびその利点のより完全な理解のため、ここで本開示の特定の態様を記述する添付の図面と関連して受け取られるべき下記の記述を参照し、ここで:
【図1】[0013] 図1は、カーボンナノチューブ/ポリカーボネート複合材料中の伝導度の、測定角度の関数としての実例となるプロットを示し;
【図2】[0014] 図2A〜図2Cは、精製したMWNT類、未精製のMWNT類、MWNT−ポリカーボネートポリマー複合材料、および本来の(pristine)ポリカーボネートポリマーの、それぞれ488、514、および785nmの波長における実例となるラマンスペクトルを示し;
【図3】[0015] 図3は、ポリマー複合材料の形成の前の、ポリマー複合材料において用いられたMWNT類の実例となるTEM画像を示し;
【図4】[0016] 図4は、ポリマー複合材料の形成の後のMWNT類の実例となるTEM画像を示し、これはMWNT類が互いときつく束ねられており、ポリマーに取り囲まれていることを示しており;
【図5】[0017] 図5は、実例となる非金属製アンテナの写真を示し;ならびに
【図6】[0018] 図6は、ラジオに接続された実例となる非金属製アンテナの写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0019] 下記の記述において、本明細書で開示する様々な態様の完全な理解をもたらすために、ある程度の詳細、例えば特定の量、濃度、大きさ等を述べる。しかし、当業者には、本開示はその特定の詳細無しで実行されてよいことは明らかであろう。多くの場合、その考慮すべき事柄および同様のものに関する詳細は、その詳細が本開示の完全な理解を得るのに必要では無く、関連技術における当業者の技術内である限り省略された。
【0014】
[0020] 図面に関して一般に、その説明は本開示の特定の態様を記述するためのものであり、それに対する制限であることを意図するわけでは無いことは理解されるであろう。さらに、図面は必ずしも一定の縮尺では無い。
【0015】
[0021] 本明細書において用いられる用語のほとんどは当業者に見覚えがあるであろうが、明白に定義されていない場合、用語は現在当業者に受け入れられている意味を採用しているものと解釈されるべきであることは理解されるべきである。
【0016】
[0022] カーボンナノチューブ類に関する様々な可能性のある適用が、それらの優れた機械的および電気的特性に基づいて提案されてきた。これらの可能性のある適用の多くは、カーボンナノチューブ類を配置した際にポリマー複合材料中の構成要素として用いることを目論んでいる。カーボンナノチューブ類を用いて目論まれる実例となるデバイスには、例えばフィールドエミッター、センサーおよび様々な光電子工学デバイスが含まれる。特に、ポリマー複合材料の適用に関して、カーボンナノチューブ充填材料は、ポリマー複合材料の電気的、熱的、光学的およびしばしば機械的特性を、ポリマーホスト全体に浸透したネットワークを確立することにより大きく増進させることが知られている。カーボンナノチューブ類の、ポリマー複合材料の適用は、典型的には個別化されたカーボンナノチューブ類の機械的強度を利用するために分散されたカーボンナノチューブ類に焦点を合わせてきた。同様に、電気伝導性のカーボンナノチューブポリマー複合材料も、典型的には分散されたカーボンナノチューブ類を有するカーボンナノチューブポリマー複合材料に焦点を合わせてきた。しかし、電子の輸送に関わる力学は、機械的適用において存在する力学と異なる。従って、本明細書で記述される、重度に凝集したカーボンナノチューブ類を有するポリマー複合材料は、分散されたカーボンナノチューブ類を有する低濃度パーコレーション閾値(percolation threshold)ポリマー複合材料と比較して増進された電気伝導性を与える点で好都合な利益をもたらす。
【0017】
[0023] 本明細書で記述した様々な態様のいずれにおいても、カーボンナノチューブ類はあらゆる既知の技法により形成されてよく、例えばすす、粉末、ファイバー、バッキーペーパーおよびそれらの混合物のような様々な形で得ることができる。カーボンナノチューブ類は、様々な製造法のいずれかにより製造されたあらゆる長さ、直径、またはキラリティーであってよい。一部の態様において、カーボンナノチューブ類は約0.1nm〜約100nmの範囲の直径を有する。一部の態様において、カーボンナノチューブ類は約100nm〜約1μmの範囲の長さを有する。一部の態様において、カーボンナノチューブ類のキラリティーは、そのカーボンナノチューブ類が金属性、半金属性、半導体性またはそれらの組み合わせであるようなものである。カーボンナノチューブ類には、単層カーボンナノチューブ類(SWNTs)、二層カーボンナノチューブ類(DWNTs)、多層カーボンナノチューブ類(MWNTs)、短くしたカーボンナノチューブ類、酸化されたカーボンナノチューブ類、機能性を持たせたカーボンナノチューブ類、精製したカーボンナノチューブ類、およびそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。一部の態様において、そのカーボンナノチューブ類はMWNT類である。一部の態様において、そのカーボンナノチューブ類はSWNT類である。
【0018】
[0024] 本明細書で提示した様々な態様のいずれにおいても、そのカーボンナノチューブ類は機能性を持たせていない、または機能性を持たせたものであってよい。本明細書で用いられる機能性を持たせたカーボンナノチューブ類は、化学的修飾、物理的修飾またはそれらの組み合わせを有するカーボンナノチューブのタイプのいずれかを指す。その修飾はナノチューブの末端、側壁、または両方を含むことができる。実例となるカーボンナノチューブ類の化学的修飾には、例えば共有結合およびイオン結合が含まれる。実例となる物理的修飾には、例えば化学吸着、インターカレーション、界面活性剤相互作用、ポリマーラッピング、溶媒和、およびそれらの組み合わせが含まれる。機能性を持たせていないカーボンナノチューブ類は典型的にはロープまたは束と呼ばれる凝集物として単離され、それらはファンデルワールス力によりまとまっている。特に、そのカーボンナノチューブ類は互いと接触している。カーボンナノチューブの束は、本明細書で記述される加工技法を用いてさらにもっと高密度に凝集した状態にすることができる。
【0019】
[0025] 機能性を持たせていないカーボンナノチューブ類は、様々な製造法のいずれかから製造されたまま用いられてよく、またはそれらはさらに精製されてよい。カーボンナノチューブ類の精製は典型的には例えばカーボンナノチューブ類からの金属性不純物の除去、非ナノチューブの炭素性不純物の除去、または両方を指す。実例となるカーボンナノチューブ精製法には、例えば酸化性の酸を用いる酸化、空気中での加熱による酸化、濾過およびクロマトグラフィーによる分離が含まれる。酸化的精製法は非ナノチューブの炭素性不純物を二酸化炭素の形で除去する。酸化性の酸を用いるカーボンナノチューブ類の酸化的精製はさらに、結果として酸化された機能性を持たせたカーボンナノチューブ類の形成をもたらし、ここでそのカーボンナノチューブ構造の閉じた末端は酸化的に開き、複数のカルボン酸基で終結している。カーボンナノチューブ類の酸化的精製を行うための実例となる酸化性の酸には、例えば硝酸、硫酸、発煙硫酸およびそれらの組み合わせが含まれる。酸化性の酸を用いる酸化的精製法はさらに結果として溶液相中の金属性不純物の除去をもたらす。酸化性の酸を用いる酸化的精製を行う時間の長さに依存して、酸化された機能性を持たせたカーボンナノチューブ類のさらなる反応が、カーボンナノチューブ類が短くなる結果をもたらし、それもそれらの開いた末端において複数のカルボン酸基により終結している。酸化された機能性を持たせたカーボンナノチューブ類および短くなったカーボンナノチューブ類の両方におけるカルボン酸基は、さらに反応して他のタイプの機能性を持たせたカーボンナノチューブ類を形成してよい。本開示の様々な態様において、そのカーボンナノチューブ類は、酸化的精製の手順により製造されたカルボキシル化されたカーボンナノチューブ類である。一部の態様において、そのカルボキシル化されたカーボンナノチューブ類はカルボキシル化されたMWNT類を含む。他の態様において、そのカルボキシル化されたカーボンナノチューブ類はカルボキシル化されたSWNT類を含む。本開示の一部の態様において、そのカーボンナノチューブ類は未精製である。本開示の他の態様において、そのカーボンナノチューブ類は精製されている。
【0020】
[0026] 様々な態様において、本開示はカーボンナノチューブ類およびポリマーを有する伝導性複合材料層を記述する。本開示のカーボンナノチューブポリマー複合材料の様々な態様において、そのカーボンナノチューブ類は複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している。特に、そのカーボンナノチューブ類は伝導性複合材料層中で少なくとも部分的に凝集して束になっている。一部の態様において、そのカーボンナノチューブ類は、伝導性複合材料層中で、製造されたままのカーボンナノチューブ類におけるよりも高密度で束になっている。
【0021】
[0027] 理論または機構に束縛されるわけでは決して無く、カーボンナノチューブ類を互いと密に接触させておくことで、結果として電気的信号のホッピング輸送機構ではなくバリスティック輸送(ballistic transport)がもたらされると信じられている。その輸送機構の最新の理解によると、本明細書で開示されるカーボンナノチューブポリマー複合材料の高い電気伝導性は、そのカーボンナノチューブ類の大きくて高密度な束への会合の結果であり、それはそのポリマー複合材料がミクロスケールで分散されたカーボンナノチューブ類を有するポリマー複合材料よりもマクロスケールでより高いレベルで電荷を運ぶことを可能にする。分散されたカーボンナノチューブ類を有するポリマー複合材料中の伝導度は数桁低い。
【0022】
[0028] 様々な態様において、本開示のカーボンナノチューブポリマー複合材料は、カーボンナノチューブ類およびポリカーボネートポリマーの制御されたブレンドにより製造される。しかし、当業者は、なお本開示の精神および範囲内で操作する限りは、他のポリマー系をそのカーボンナノチューブ類とブレンドすることができることを認識するであろう。その制御されたブレンドは、その複合材料の形態を、ポリマー複合材料内で重度に凝集したカーボンナノチューブ類を生成するように変え、そうして好都合な輸送力学および約1300S/cm以上の電気伝導度をもたらす。好都合なことに、そのカーボンナノチューブポリマー複合材料は十分な電気伝導度を有しており、その結果それらをコーティングとして適用して広帯域周波数範囲を超えてGHzの領域中への電磁アンテナ/増幅器変換(transduction)効果をもたらすことができる。
【0023】
[0029] 本明細書における様々な態様において、伝導性カーボンナノチューブポリマー複合材料は薄いフィルムとして堆積させることができる。その伝導性カーボンナノチューブポリマー複合材料の薄いフィルムは、約1Hzから約1000GHzまでの周波数範囲で広帯域信号処理能力を示すことができる。
【0024】
[0030] 様々な態様において、アンテナを本明細書において記述する。そのアンテナは非伝導性の支持構造およびその非伝導性の支持構造の上に堆積させた伝導性複合材料層を含む。その伝導性複合材料は、複数のカーボンナノチューブ類およびポリマーを含む。その複数のカーボンナノチューブ類のそれぞれは、その複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している。その伝導性複合材料層は、少なくとも1種類の電磁信号を受信するように操作可能である。一部の態様において、そのカーボンナノチューブ類は多層カーボンナノチューブ類である。他の態様において、そのカーボンナノチューブ類は単層カーボンナノチューブ類である。
【0025】
[0031] 様々な態様において、その伝導性複合材料層は連続的な層を形成している。他の様々な態様において、その伝導性複合材料層は不連続な層を形成している。
【0026】
[0032] その伝導性複合材料層は、一部の態様において約1μm〜約1mm、他の態様において約1mmから約1cmまで、およびさらに他の態様において約1cmから約10cmまでの厚さを有している。様々な態様において、そのアンテナにより送信される、および受信される周波数は、その伝導性複合材料層の厚さを変えることにより調節される。
【0027】
[0033] 様々な態様において、その伝導性複合材料層は約0.1から約10000S/cmまでの範囲のAC/DC伝導度を有する。他の様々な態様において、その伝導性複合材料層は約1から約2000S/cmまでの範囲のAC/DC伝導度を有する。さらに他の様々な態様において、その伝導性複合材料層は約1から約1500S/cmまでの範囲のAC/DC伝導度を有する。一部の態様において、その伝導性複合材料層は約1000S/cmより大きいAC/DC伝導度を有する。
【0028】
[0034] 様々な態様において、その伝導性複合材料層中のカーボンナノチューブ類の濃度は、約0.1から約20重量パーセントまでの範囲である。一部の態様において、その濃度は約0.1から約10重量パーセントまでの範囲である。
【0029】
[0035] そのアンテナの様々な態様において、その非伝導性の支持構造はそのアンテナに長さを与えるために延長されている。一部の態様において、その非伝導性の支持構造はシリンダーである。一部の態様において、その非伝導性の支持構造は中空の管である。一部の態様において、その非伝導性の支持構造はプラスチックから形成されている。
【0030】
[0036] 一部の態様において、その伝導性複合材料層はその中空の管の外側表面の上に堆積している。一部の態様において、その伝導性複合材料層はその中空の管の内側表面の上に堆積している。さらに他の態様において、その伝導性複合材料層はその中空の管の内側表面および外側表面両方の上に堆積している。
【0031】
[0037] そのアンテナは、一部の態様において約1cm〜約1m、他の態様において約1mから約10mまで、およびさらに他の態様において約50mまでの長さを有する。様々な態様において、そのアンテナにより送信される、および受信される周波数は、そのアンテナの長さを変えることにより調節される。
【0032】
[0038] 様々な態様において、その伝導性複合材料層を構成するポリマーは、例えば熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーである。熱可塑性ポリマーには、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド類(ナイロン類)、ポリエステル類、およびポリカーボネート類が含まれる。熱硬化性ポリマーには、例えばエポキシ類が含まれる。様々な態様において、そのポリマーはポリカーボネートである。様々な態様において、そのポリマーはカーボンナノチューブ類の表面をぬらしている。様々な態様において、その伝導性複合材料層は予め形成されたポリマーをカーボンナノチューブ類と混合することにより形成される。他の様々な態様において、その伝導性複合材料層は、少なくとも1種類のモノマーをカーボンナノチューブ類と混合し、次いでその少なくとも1種類のモノマーを重合させて少なくとも部分的に束になったカーボンナノチューブ類を有するポリマー複合材料を形成することにより形成される。
【0033】
[0039] 様々な態様において、その伝導性複合材料層を、例えば浸漬コーティング、スピンコーティング、印刷、スプレー堆積、およびそれらの組み合わせのような技法を用いてその非伝導性の支持構造の上に堆積させる。様々な態様において、その伝導性複合材料層を、浸漬コーティングの技法によりその非伝導性の支持構造の上に堆積させる。実例となる浸漬コーティングの技法を、下記の実験的な実施例として示す。
【0034】
[0040] 様々な態様において、そのアンテナは少なくとも1種類の電磁信号を受信するように操作可能である。一部の態様において、その少なくとも1種類の電磁信号はマイクロ波信号である。一部の態様において、その少なくとも1種類の電磁信号はラジオ信号である。
【0035】
[0041] 様々な態様において、本開示のアンテナは完全に金属製のアンテナよりも効率的である。本明細書で用いられるアンテナ効率は、アンテナ端子において起こるロスの量を指すであろう。そのロスは伝導および誘電性媒体により、ならびにそのアンテナおよび取り付けられたトランスミッターデバイスの間のミスマッチの結果である反射により起こる。
【0036】
[0042] 本開示の他の様々な態様において、ハイブリッドアンテナを本明細書において記述する。そのハイブリッドアンテナは金属製のアンテナアンダーボディーおよびその金属製のアンテナアンダーボディーをオーバーコートしている伝導性複合材料層を含む。その伝導性複合材料層は複数のカーボンナノチューブ類およびポリマーを含む。その複数のカーボンナノチューブ類のそれぞれは、その複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している。その伝導性複合材料層は、その金属製のアンテナアンダーボディーに関する増幅器の役目をする。
【0037】
[0043] そのハイブリッドアンテナの様々な態様において、そのポリマーはポリカーボネートである。そのハイブリッドアンテナの一部の態様において、そのカーボンナノチューブ類は多層カーボンナノチューブ類である。そのハイブリッドアンテナの一部の態様において、そのカーボンナノチューブ類は単層カーボンナノチューブ類である。そのハイブリッドアンテナの一部の態様において、その伝導性複合材料層を、例えば浸漬コーティング、スピンコーティング、印刷、スプレー堆積、およびそれらの組み合わせのような技法を通してその金属製のアンテナアンダーボディーの上に堆積させる。
【0038】
[0044] そのハイブリッドアンテナは、一部の態様において約1cm〜約1m、他の態様において約1mから約10mまで、およびさらに他の態様において約50mまでの長さを有する。その伝導性複合材料層は、一部の態様において約1μm〜約1mm、他の態様において約1mmから約1cmまで、およびさらに他の態様において約1cmから約10cmまでの厚さを有する。
【0039】
[0045] そのハイブリッドアンテナの様々な態様において、その伝導性複合材料層中のカーボンナノチューブ類の濃度は、約0.1から約20重量パーセントまでの範囲である。一部の態様において、その濃度は約0.1から約10重量パーセントまでの範囲である。
【0040】
[0046] そのハイブリッドアンテナの様々な態様において、その伝導性複合材料層は約0.1から約10000S/cmまでの範囲のAC/DC伝導度を有する。他の様々な態様において、その伝導性複合材料層は約1から約2000S/cmまでの範囲のAC/DC伝導度を有する。さらに他の様々な態様において、その伝導性複合材料層は約1から約1500S/cmまでの範囲のAC/DC伝導度を有する。一部の態様において、その伝導性複合材料層は約1000S/cmより大きいAC/DC伝導度を有する。
【0041】
[0047] そのハイブリッドアンテナの様々な態様において、その金属製のアンテナアンダーボディーはその伝導性複合材料層により完全にオーバーコートされている。他の様々な態様において、その金属製のアンテナアンダーボディーはその伝導性複合材料層により部分的にオーバーコートされている。一部の態様において、その伝導性複合材料層は連続的である。一部の態様において、その伝導性複合材料層は不連続である。
【0042】
[0048] 本開示のさらに他の様々な態様において、アンテナを形成するための方法を本明細書において記述する。その方法は、非伝導性支持構造を用意することおよび伝導性複合材料層をその非伝導性支持構造の上に堆積させることを含む。その伝導性複合材料層は複数のカーボンナノチューブ類およびポリマーを含む。その複数のカーボンナノチューブ類のそれぞれは、その複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している。その伝導性複合材料層は、少なくとも1種類の電磁信号を受信するように操作可能である。
【0043】
[0049] その方法の様々な態様において、その非伝導性の支持構造はシリンダーである。その方法の様々な態様において、その非伝導性の支持構造は中空の管である。その方法の一部の態様において、そのポリマーはポリカーボネートである。その方法の一部の態様において、そのカーボンナノチューブ類は多層カーボンナノチューブ類である。その方法の他の様々な態様において、そのカーボンナノチューブ類は単層カーボンナノチューブ類である。
【0044】
[0050] 本開示のさらに他の様々な態様において、ハイブリッドアンテナを形成するための方法を本明細書において記述する。その方法は、金属製のアンテナアンダーボディーを用意することおよび伝導性複合材料層をその金属製のアンテナアンダーボディーの上に堆積させることを含む。その伝導性複合材料層は複数のカーボンナノチューブ類およびポリマーを含む。その複数のカーボンナノチューブ類のそれぞれは、その複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している。その伝導性複合材料層は、その金属製のアンテナアンダーボディーに関する増幅器の役目をする。
【0045】
[0051] その方法の様々な態様において、そのポリマーはポリカーボネートである。その方法の様々な態様において、そのカーボンナノチューブ類は単層カーボンナノチューブ類である。その方法の様々な態様において、そのカーボンナノチューブ類は多層カーボンナノチューブ類である。
【0046】
[0052] その方法の様々な態様において、その堆積させる工程は、例えば浸漬コーティング、スピンコーティング、印刷、スプレー堆積、およびそれらの組み合わせのような技法を含む。
【0047】
[0053] 本開示のアンテナおよびハイブリッドアンテナは、金属製のアンテナを用いるあらゆるデバイスにおいて代替アンテナとして用いられてよい。そのデバイスは、例えばラジオ、携帯電話、および無線ネットワークカードを含むことができる。様々な態様において、本開示のアンテナまたはハイブリッドアンテナを含むラジオを本明細書において記述する。様々な態様において、本開示のアンテナまたはハイブリッドアンテナを含む携帯電話を本明細書において記述する。様々な態様において、本開示のアンテナまたはハイブリッドアンテナを含む無線ネットワークカードまたは他の無線通信デバイスを本明細書において記述する。
【実施例】
【0048】
[0054] 下記の実験的な実施例は、本開示の特定の観点を示すために含められている。下記の実施例において記述されている方法は単に本開示の代表的な態様を表しているにすぎないことを当業者は理解するべきである。当業者は、本開示を考慮して、本開示の精神および範囲から逸脱すること無く記述された特定の態様において多くの変更をすることができ、なお同様な、または類似の結果が得られることを理解するべきである。
【0049】
[0055] 実施例1:MWNT複合材料のAC伝導度。低濃度の金属触媒粒子を含む未精製のMWNT類(TEM画像に基づく)を量り分け、ポリカーボネートと様々な添加量(loading levels)で混合した。得られた懸濁液を室温において空気中で48時間攪拌した。MWNTの添加の関数としての得られたポリマー複合材料のAC伝導度を、表1に示す。
【0050】
表1:MWNT/ポリカーボネート複合材料のAC伝導度
【0051】
【表1】

【0052】
[0056] 図1は、カーボンナノチューブ/ポリカーボネート複合材料中の伝導度の、測定角度の関数としての実例となるプロットを示す。
【0053】
[0057] 実施例2:MWNT複合材料の物理的特性付け。図2A、2Bおよび2Cは、それぞれ精製したMWNT類(201)、未精製のMWNT類(202)、MWNT−ポリカーボネート複合材料(203)、および本来のポリカーボネートポリマー(204)の実例となるラマンスペクトルを示す。488nm(図2A)、514nm(図2B)および785nm(図2C)の励起波長を用いた。MWNT類のラマンスペクトルにおいて、Dピークが広いことは、一般には、非結晶炭素のような欠陥を表わすだけでなく、ボイド、ヘッケライト(haeckelite)、ならびにナノチューブの長さおよび幅のバリエーションの特徴でもあることが理解されている。図2A〜2Cにおいて示されているように、未精製および酸処理した(精製した)カーボンナノチューブ類に関するDおよびGピークは典型的な強い強度を有していた。それに対し、DピークはMWNTポリマー複合材料に関して試験した全ての波長においてかなり低減していた。
【0054】
[0058] カーボンナノチューブ類とポリマーの長い混合時間は得られたポリマー複合材料内のカーボンナノチューブ類の凝集の増大をもたらし、高密度なカーボンナノチューブの束を与える可能性があることが知られている。本開示で利用される高度に伝導性のポリマー複合材料を製造するため、カーボンナノチューブ類のポリマー材料との攪拌を延長した期間の間行い、カーボンナノチューブ類の高密度なバンドリングおよびポリマーウェッティングを促進した。図3は、ポリマー複合材料の形成の前の、ポリマー複合材料において用いられたMWNT類の実例となるTEM画像を示す。図4は、ポリマー複合材料の形成の後のMWNT類の、実例となる対照的なTEM画像を示し、これはMWNT類が互いときつく束ねられており、ポリマーに取り囲まれていることを示す。得られたポリマー複合材料の伝導度は前に表1で示している。一般に、伝導度は、未精製のMWNT類から製造されたポリマー複合材料に関して、精製したMWNT類から作られたポリマー複合材料と比較してより高い。表1で示した伝導度は、SWNT類から形成されたバッキーペーパーの伝導度に匹敵する。
【0055】
[0059] ポリカーボネート/カーボンナノチューブ複合材料の電気伝導度は、パーコレーション理論に基づく相似則により記述することができる。パーコレーションプロセスを記述するために相似則[σDC=σ(p−p]が用いられ、ここでσDCは伝導度、σは充填材の伝導度、pはナノチューブ類の重量分率、およびpはそれを超えるとその材料が伝導体のようにふるまう初期伝導度である。指数tは試料の次元性に関し、ここでt〜1、t〜1.33およびt〜2.0がそれぞれ1、2および3次元に対応する。相似則の式の曲線当てはめは、精製したMWNT類に関してp=0.20wt%、t=1.39、および未精製のMWNT類に関してp=0.19wt%、t=0.97のパーコレーション閾値を与えた。精製したMWNT類と比較した未精製のMWNT類に関するこれらの結果に基づいて、パーコレーションの開始はおおよそ同じであるが、次元性の項は異なっている。明らかに、キャリアの次元性が精製した試料において劇的に変化している。
【0056】
[0060] 実施例3:非金属製アンテナの製作。実施例1で記述したように製造した7.23重量パーセントのカーボンナノチューブ複合材料を用いて、小さくて薄い中空のプラスチックの棒(長さ=4.97cm、直径=0.30cm)を、その複合材料中で、複合材料の薄い連続的な層がそのプラスチックの棒上に堆積するまで浸漬した。図5は、この実施例において記述したように製造した実例となる非金属製アンテナの写真を示す。
【0057】
[0061] 単純なラジオに一般に用いられるアンテナの代わりに接続した際に、広い周波数の範囲にわたる信号の受信が観察された。図6は、ラジオ601に接続した実例となる非金属製アンテナ600の写真を示す。オシロスコープを用いて、5Hz〜13MHzの範囲にわたる周波数の受信が測定された。
【0058】
[0062] 実施例4:非金属製アンテナの操作上のパラメーター。実施例3で製造されたアンテナに関して、共振周波数、定在波比(SWR)、およびインピーダンスを測定した。実施例3において提供した記述に従って、そのアンテナを、角から角までおおよそ1/2波長の、またはその垂直な要素の2倍の長さの四角形のグランドプレーンを有する、(おおよそ5cmの長さの)伝統的な1/4波垂直(1/4 wave vertical)の形で作成した。
【0059】
[0063] そのアンテナの中心周波数は1.63GHzであり、共振ディップ(resonant dip)は−4.3dbであった。SWRはこの周波数において3.78であり、インピーダンスは1.3pfの容量性負荷に関してZ=56−i75であった。共振はかなり浅く広く、それはそのアンテナのこの態様が限られた効率であるが広い帯域幅を有していることを示している。その中心周波数の周辺の1/2ディップ点は、1.1082GHzおよび2.2231GHzであった。インピーダンスの虚部構成要素(imaginary component)がゼロまで下がり、容量性から誘導性負荷への移行であると解釈される点は、Z=211で1.47GHzおよびZ=7で2.0GHzであった。
【0060】
[0064] 実施例5:金属製アンテナの操作上のパラメーター(比較例)。実施例4のアンテナの性能の、同じグランドプレーンを有する伝統的な銅1/4波長垂直アンテナに対する比較も行なった。その銅のアンテナに関して、中心周波数は1.227GHzであり、共振ディップは−7.5dbであった。共振時のインピーダンスはZ=28.6−i30.43であり、2.3のSWRをもたらした。共振時に、負荷は4pfにおいて容量性であったが、共振周波数は実施例4の同じ長さのアンテナの共振周波数よりもかなり低かった。1/2ディップ点は1.091GHzおよび1.39GHzにあり、虚部構成要素は1.17GHz(Z=192)および1.330GHz(Z=16.4)においてゼロまで下がった。
【0061】
[0065] 実施例6:非金属製アンテナの金属製アンテナへの連結。実施例5の伝統的な銅1/4波アンテナ(1/4 wave anetnna)を、実施例3の非金属製アンテナ上に連結させて連結アンテナを製造した。その連結アンテナは976MHzに低下した共振周波数を有していたが、−14.275dbの増大した共振ディップを有していた。共振時のSWRは1.5であり、インピーダンスはZ=37+i12.1であった。1/2ディップ点(〜−7db)は839.25MHzおよび1.2557MHzにあり、虚部構成要素が消える点は614MHz(Z=4)および1.6GHz(Z=106)であった。その連結アンテナの操作上のパラメーターは、特にその連結アンテナの大きく増大した効率(共振時において、誘導性負荷=1.9nH)の観点から興味深い。その連結アンテナにおいて、そのカーボンナノチューブ複合材料は、周波数を低くすることにより共振増幅器として、ならびにケーブルおよびコネクターにおける誘導性負荷を補うことにより誘電体としての両方で、二重の能力で働く。
【0062】
[0066] 上記の記述から、当業者はこの開示の本質的な特徴を容易に確かめることができ、その精神および範囲から逸脱すること無く、その開示を様々な用途および条件に適応させるために様々な変更および修正をすることができる。上記で記述された態様は単に説明的なものであることを意図しており、下記の特許請求の範囲において定義される本開示の範囲を限定するものとして受け取られるべきでは無い。
【符号の説明】
【0063】
201 精製したMWNT類
202 未精製のMWNT類
203 MWNT−ポリカーボネート複合材料
204 本来のポリカーボネートポリマー
600 非金属製アンテナ
601 ラジオ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次のものを含むアンテナ:
非伝導性の支持構造;ならびに
その非伝導性の支持構造の上に堆積した伝導性複合材料層;
ここで、その伝導性複合材料層は複数のカーボンナノチューブ類およびポリマーを含む;
ここで、その複数のカーボンナノチューブ類のそれぞれは、その複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している;ならびに
ここで、その伝導性複合材料層は、少なくとも1種類の電磁信号を受信するように操作可能である。
【請求項2】
その非伝導性の支持構造がシリンダーを含む、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
その非伝導性の支持構造が中空の管を含む、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項4】
次のものを含むハイブリッドアンテナ:
金属製のアンテナアンダーボディー;ならびに
その金属製のアンテナアンダーボディーをオーバーコートしている伝導性複合材料層;
ここで、その伝導性複合材料層は複数のカーボンナノチューブ類およびポリマーを含む;
ここで、その複数のカーボンナノチューブ類のそれぞれは、その複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している;ならびに
ここで、その伝導性複合材料層は、その金属製のアンテナアンダーボディーに関する増幅器の役目をする。
【請求項5】
そのポリマーがポリカーボネートである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンテナまたはハイブリッドアンテナ。
【請求項6】
そのカーボンナノチューブ類が多層カーボンナノチューブ類である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンテナまたはハイブリッドアンテナ。
【請求項7】
そのカーボンナノチューブ類が単層カーボンナノチューブ類である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンテナまたはハイブリッドアンテナ。
【請求項8】
その少なくとも1種類の電磁信号がラジオ信号である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアンテナまたはハイブリッドアンテナ。
【請求項9】
その伝導性複合材料層のAC/DC伝導度が約0.1から約10,000S/cmまでの範囲である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアンテナまたはハイブリッドアンテナ。
【請求項10】
その伝導性複合材料層中のカーボンナノチューブ類の濃度が約0.1から約20重量パーセントまでの範囲である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のアンテナまたはハイブリッドアンテナ。
【請求項11】
その伝導性複合材料層を、浸漬コーティング、スピンコーティング、印刷、スプレー堆積、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択される技法により堆積させる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のアンテナまたはハイブリッドアンテナ。
【請求項12】
アンテナを形成するための方法であって、前記方法が次のことを含む方法:
非伝導性支持構造を用意する;ならびに
伝導性複合材料層をその非伝導性支持構造の上に堆積させる;
ここで、その伝導性複合材料層は複数のカーボンナノチューブ類およびポリマーを含む;
ここで、その複数のカーボンナノチューブ類のそれぞれはその複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している;ならびに
ここで、その伝導性複合材料層は少なくとも1種類の電磁信号を受信するように操作可能である。
【請求項13】
その非伝導性の支持構造がシリンダーを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
その非伝導性の支持構造が中空の管を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
ハイブリッドアンテナを形成するための方法であって、前記方法が次のことを含む方法:
金属製のアンテナアンダーボディーを用意する;ならびに
伝導性複合材料層をその金属製のアンテナアンダーボディーの上に堆積させる;
ここで、その伝導性複合材料層は複数のカーボンナノチューブ類およびポリマーを含む;
ここで、その複数のカーボンナノチューブ類のそれぞれはその複数のカーボンナノチューブ類の少なくとも1個の他のものと接触している;ならびに
ここで、その伝導性複合材料層はその金属製のアンテナアンダーボディーに関する増幅器の役目をする。
【請求項16】
そのポリマーがポリカーボネートである、請求項12〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
そのカーボンナノチューブ類が多層カーボンナノチューブ類である、請求項12〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
そのカーボンナノチューブ類が単層カーボンナノチューブ類である、請求項12〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
その堆積させる工程が、浸漬コーティング、スピンコーティング、印刷、スプレー堆積、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択される技法を含む、請求項12〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
請求項1に記載のアンテナを含むラジオ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−522107(P2011−522107A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512543(P2011−512543)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/045646
【国際公開番号】WO2010/011416
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(508000087)ユニバーシティ オブ ヒューストン (5)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF HOUSTON
【Fターム(参考)】