説明

伝送データ表示装置

【課題】本発明は、特定の監視データや特定の制御データの順序に着目し、当該着目したデータの送受信状況を、容易に把握することができる伝送データ表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る伝送データ表示システム100が有する、監視制御伝送データ表示装置3は、次の動作を行う。監視制御伝送データ表示装置3は、監視制御サーバ1から、データパターン要素と同じメッセージデータが有する、送受信時刻情報を抽出する。また、監視制御伝送データ表示装置3は、当該抽出した送受信時刻情報に、データパターン要素に関する情報を加えた解析対象データを、送受信時刻情報に従って時系列に配置させる。そして、監視制御伝送データ表示装置3は、時系列的に配置された解析対象データから、データパターンと同じ構成を含む部分を、送受信シーケンスとして表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、監視制御システムにおいて送受信されるデータの表示を行うことができる伝送データ表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
監視制御サーバと端末機器とで構成される監視制御システムでは、監視制御対象となる端末機器に応じて、監視データや制御データなどのデータの送受信を、監視制御サーバと端末機器との間で行う必要がある。また、試験時などに備えて、データの送受信処理をユーザが閲覧できるように、監視制御システム全体を構築する必要がある。
【0003】
たとえば、システム内におけるデータの転送ルートを確認することができる、従来技術が存在する(特許文献1参照)。
【0004】
当該特許文献1では、複数のパケット交換機によってネットワーク構成されている。パケット交換機は、監視対象の端末からのパケットを受信すると、監視対象であることをそのパケットに設定し、中継回線に送信し、端末回線からの受信パケットと中継回線への送信パケットとの情報を蓄積管理する。特許文献1に係る技術では、ユーザは、通信監視対象の転送パケットの各パケット交換機における出入りと、システム内での転送ルートを把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−312662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、特許文献1に係る技術では、パケット情報からパケットの送受信ルートを把握することは可能である。しかしながら、特許文献1に係る技術は、特定の監視データや特定の制御データの順序に着目し、当該着目したデータの送受信状況を把握するには不適である。
【0007】
そこで、本発明は、特定の監視データや特定の制御データの順序に着目し、当該着目したデータの送受信状況を、容易に把握することができる伝送データ表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の伝送データ表示装置は、監視制御システムにおいて送受信される、データの送受信シーケンスを表示する伝送データ表示装置であって、前記送受信されたデータを、当該送受信の時刻と共に、メッセージデータとして格納しておく第一の格納手段と、所定のデータが所定の順序で並ぶことにより構成されたデータパターンが入力されたとき、前記第一の格納手段から、前記所定のデータと同じ前記メッセージデータが有する、第一送受信時刻情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出した前記第一送受信時刻情報に、前記所定のデータに関する情報を加えた解析対象データを、前記第一送受信時刻情報に従って時系列に配置させ、当該配置された前記解析対象データから、前記データパターンと同じ構成を含む部分を、前記送受信シーケンスとして表示する解析・表示手段とを、備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1に記載の伝送データ表示装置は、送受信されたデータを、当該送受信の時刻と共に、メッセージデータとして格納しておく第一の格納手段と、所定のデータが所定の順序で並ぶことにより構成されたデータパターンが入力されたとき、前記第一の格納手段から、前記所定のデータと同じ前記メッセージデータが有する、第一送受信時刻情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出した前記第一送受信時刻情報に、前記所定のデータに関する情報を加えた解析対象データを、前記第一送受信時刻情報に従って時系列に配置させ、当該配置された前記解析対象データから、前記データパターンと同じ構成を含む部分を、前記送受信シーケンスとして表示する解析・表示手段とを備える。
【0010】
したがって、当該伝送データ表示装置は、サーバと所定の端末機器との間でやり取りされる多量のパケットデータにおいて、着目したデータパターンを満たす部分を、送受信シーケンスとして表示できる。よって、ユーザは、当該着目したデータの送受信状況を容易に把握できる。これにより、たとえば、ユーザは、サーバによる所定の端末機器に対する制御実行時の監視データの変更時刻を、容易に識別できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る伝送データ表示システム100の概略構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る監視制御伝送データ表示装置3の構成を示すブロック図である。
【図3】監視制御サーバ1に格納されている、メッセージデータ情報10の構成例を示す図である。
【図4】監視制御データパターン指定部16で指定されるデータパターンの一例を示す図である。
【図5】監視制御伝送データ表示装置3で格納されている、監視データ・制御データ信号構成情報13の構成例を示す図である。
【図6】監視制御伝送データ表示装置3で格納されている、監視データ・制御データ間依存情報12の構成例を示す図である。
【図7】監視制御伝送データ表示装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態1に係るメッセージデータ抽出部11の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施の形態1に係るメッセージデータ抽出部11に入力される入力情報の一例を示す図である。
【図10】実施の形態1に係るメッセージデータ抽出部11から出力される出力情報の一例を示す図である。
【図11】実施の形態1に係る監視制御データパターン解析部14の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】実施の形態1に係る監視制御データパターン解析部14における、監視制御データ解析処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】実施の形態1に係る監視制御データパターン解析部14における、抽出データ解析処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】実施の形態1に係る監視制御データパターン解析部14における、パターン照合処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】抽出データ解析処理の際に使用される、解析対象データの構成を示す図である。
【図16】実施の形態1に係る監視制御データパターン解析部14から出力される出力情報の一例を示す図である。
【図17】実施の形態1に係る解析結果表示部15で表示される送受信シーケンスの一例を示す図である。
【図18】実施の形態2に係る発明において指定される、データパターンの一例を示す図である。
【図19】実施の形態2に係る監視制御データパターン解析部14における、パターン照合処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】実施の形態2に係る監視制御データパターン解析部14から出力される出力情報の一例を示す図である。
【図21】実施の形態3に係る発明において指定される、データパターンの一例を示す図である。
【図22】実施の形態3に係る監視制御データパターン解析部14の動作を説明するためのフローチャートである。
【図23】実施の形態3に係る監視制御データパターン解析部14から出力される出力情報の一例を示す図である。
【図24】実施の形態4に係る監視制御伝送データ表示装置3Aの構成を示すブロック図である。
【図25】監視制御伝送データ表示装置3Aに格納される、監視制御機器間依存情報30の構成例を示す図である。
【図26】実施の形態4に係る監視制御データパターン解析部14の動作を説明するためのフローチャートである。
【図27】実施の形態4に係る監視制御データパターン解析部14における、監視制御データ解析処理の流れを示すフローチャートである。
【図28】実施の形態4に係る発明において指定される、データパターンの一例を示す図である。
【図29】実施の形態4に係る監視制御データパターン解析部14から出力される出力情報の一例を示す図である。
【図30】実施の形態4に係る解析結果表示部15で表示される送受信シーケンスの一例を示す図である。
【図31】実施の形態5に係る監視制御伝送データ表示装置3Bの構成を示すブロック図である。
【図32】実施の形態5に係る監視制御データパターン解析部14の動作を説明するためのフローチャートである。
【図33】実施の形態5に係る監視制御データパターン解析部14における、監視制御データ解析処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0013】
<実施の形態1>
図1は、本願発明に係る伝送データ表示システム100の概略構成を示す図である。
【0014】
図1に示すように、伝送データ表示システム100は、1台の監視制御サーバ1と、監視制御の対象とする複数台の端末機器2と、1台の監視制御伝送データ表示装置3とから、構成されている。ここで、端末機器2は、監視制御サーバ1による監視・制御の対象となる。
【0015】
図1に示すように、監視制御サーバ1と各端末機器2とは、データ(より具体的には、監視データや制御データ)の送受信が可能なように接続されている。また、監視制御サーバ1と監視制御伝送データ表示装置3とにおいても、各種データの送受信が可能なように接続されている。なお、監視制御サーバ1と監視制御伝送データ表示装置3とを、一体化させることも可能である。
【0016】
ここで、監視データとは、監視制御サーバ1が端末機器2の状態を監視する際に利用される、端末機器2から監視制御サーバ1へと送信されるデータのことである。また、制御データとは、監視制御サーバ1が端末機器2の状態を制御する際に利用される、監視制御サーバ1から端末機器2へと送信されるデータのことである。
【0017】
当該制御データの送受信により、監視制御サーバ1は、端末機器2の状態を制御することができ、当該監視データの送受信により、監視制御サーバ1は、制御処理前後における端末機器2の状態を監視することができる。
【0018】
監視制御サーバ1と各端末機器2との間において、複数の制御データや複数の監視データが、パケットデータとして送受信される。そして、監視制御伝送データ表示装置3では、当該制御データや監視データの送受信の時系列的伝送状態を、送受信シーケンスとして模試的に表示することができる。監視制御伝送データ表示装置3は、監視制御サーバ1との通信を通じて、当該送受信シーケンスを表示する。
【0019】
図2は、本実施の形態に係る、監視制御サーバ1の構成および監視制御伝送データ表示装置3の構成を示すブロック図である。
【0020】
上記のように、監視制御サーバ1は、各端末機器2との間で複数のパケットデータが送受信されるが、当該監視制御サーバ1は、送受信した監視・制御データであるパケットデータを時系列に蓄積し、当該蓄積したものをメッセージデータ情報10として格納している。図3は、当該メッセージデータ情報10の一例を示す図である。
【0021】
当該メッセージデータ情報10は、表形式で表現される情報である。制御・監視データのデータ情報と、受信時刻情報と、送信時刻情報とがセットとして、監視制御サーバ1に格納される。本願明細書では、図3の各段における、受信時刻情報と送信時刻情報とデータ情報とからなるデータを、メッセージデータと称する。
【0022】
データ情報は、監視制御サーバ1が送受信する制御データまたは監視データの内容であり、「0」「1」ビットから成るデータ群である。図3に示すように、当該データ情報は、1バイト毎に区分して格納されている。また、送信時刻情報は、制御データまたは監視データが送信された時刻を示す情報である。また、受信時刻情報は、制御データまたは監視データが受信された時刻を示す情報である。図3の例では、23時00分00秒ジャストに送信されたデータ情報から、メッセージデータとしての格納が開始されている。
【0023】
また、図2に示すように、監視制御伝送データ表示装置3は、メッセージデータ抽出部11、監視制御データパターン解析部14、解析結果表示部15および監視制御データパターン指定部16から構成されている。さらに、監視制御伝送データ表示装置3には、監視データ・制御データ間依存情報12および監視データ・制御データ信号構成情報13が、予め格納されている。
【0024】
ユーザが監視制御データパターン指定部16に対して所望の操作を行うと、当該所望の操作により特定されるデータパターンが、監視制御伝送データ表示装置3に指定(入力)される。
【0025】
ここで、データパターンは、所定の制御データおよび/または所定の監視データが、所定の順序で並ぶことにより構成される。また、当該データパターンには、開始時刻に関する情報および終了時刻に関する情報も含まれている。当該開始時刻および当該終了時刻は、後述する解析処理において、解析の対象となるメッセージデータを絞り込む際に用いられる。具体的に、開始時刻から終了時刻までのメッセージデータ情報10が、監視制御伝送データ表示装置3における解析処理の対象となる。
【0026】
なお、本実施の形態において、データパターンにおける、当該開始時刻および当該終了時刻以外の、所定の制御データおよび/または所定の監視データが所定の順序で並ぶことにより構成される表の部分を、「データパターン表」と称することとする。
【0027】
図4は、監視制御データパターン指定部16により指定される、データパターンの簡単な一例を示す図である。当該データパターンのデータパターン表は、二つの監視データのみから構成されている。図4に示すデータパターンは、次のようにして指定される。
【0028】
まず、監視制御データパターン指定部16を用いて、ユーザは、開始時刻として23時00分00秒を指定し、終了時刻として23時59分59秒を指定する。さらに、監視制御データパターン指定部16を用いて、ユーザは、第一の監視データを特定するために、監視制御項目名称「状態C」および監視制御項目値「OPEN」を指定する。さらに、監視制御データパターン指定部16を用いて、ユーザは、第二の監視データを特定するために、監視制御項目名称「状態C」および監視制御項目値「CLOSE」を指定する。さらに、監視制御データパターン指定部16を用いて、ユーザは、第一の監視データの後に第二の監視データが位置するように、データパターンとしての出現順序を指定する。
【0029】
なお、図4の例では、2つ監視データのみからデータパターン表は構成されているが、上記の通り、監視データのみならず制御データをも含められていても良く、制御データのみから構成されていても良い。また、データパターン表を構成する監視・制御データの数も2に限らず、3以上であっても良い。
【0030】
次に、メッセージデータ抽出部11は、監視制御データパターン解析部14からの命令を受けて、監視制御サーバ1(具体的には、メッセージデータ情報10)から、所定のメッセージデータを抽出する。ここで、メッセージ抽出部11は、監視データ・制御データ信号構成情報13を用いて、監視制御データパターン指定部16で指定されたデータパターンに応じて、所定のメッセージデータを抽出する。
【0031】
ここで、監視データ・制御データ信号構成情報13は、メッセージデータ中の監視データ・制御データの信号構成に関する情報である。図5は、監視データ・制御データ信号構成情報13の一例を示す図である。
【0032】
監視データ・制御データ信号構成情報13から分かるように、監視データおよび制御データの信号は、ヘッダ部40とボディ部41とから構成されている。ヘッダ部40には、監視データ、制御データのいずれかであるかを示す信号種別情報42と、ボディ部41中に含まれる項目数を示す監視項目数情報43とが記述されている。また、ボディ部41には、監視制御項目名称44と監視制御項目値45とから成る対情報が、複数対(監視項目数情報43で記述されている個数)含まれている。なお、監視データおよび制御データの信号には、上記以外の情報が含まれていてもよい。
【0033】
次に、監視制御データパターン解析部14は、メッセージデータ抽出部11で抽出したメッセージデータにおいて、監視制御データパターン指定部16で指定されたデータパターンを満たすメッセージパターンの部分を検出する、解析処理を実施する。ここで、監視制御データパターン解析部14は、監視データ・制御データ間依存情報12を用いて、当該解析処理を実施する。そして、監視制御データパターン解析部14は、当該解析結果を、解析結果表示部15に対して出力する。
【0034】
監視データ・制御データ間依存情報12は、監視データ/制御データ送受信の依存関係を示す情報である。図6は、監視データ・制御データ間依存情報12の一例を示す図である。
【0035】
図6に示すように、監視データ・制御データ間依存情報12は、監視制御項目名称と監視制御項目値と依存監視制御項目名称と監視制御項目値とから成る表形式で表現される情報である。図6の監視データ・制御データ間依存情報12の例では、一方の監視データまたは制御データと、他方の監視データまたは制御データとが、関係付けられて構成されている。ここで、他方の監視データまたは制御データとは、一方の監視データまたは制御データを送受信する前提として、送受信されるべきデータである。
【0036】
図6では、「監視制御項目名称」と「監視制御項目値」とからなるデータが、上記一方の監視データまたは制御データである。これに対して、「依存監視制御項目名称」と「依存監視制御項目値」とからなるデータが、上記他方の監視データまたは制御データである。
【0037】
たとえば、図6の一例では、監視制御サーバ1が、所定の端末機器2に、制御項目名称「制御A」−制御項目値「OPEN」である制御データを送信する前提として、当該監視制御サーバ1は、当該所定の端末機器2に、制御項目名称「制御B」−制御項目値「SELECT」である制御データを送信する必要があることを示している。
【0038】
また、監視制御サーバ1が、所定の端末機器2に、制御項目名称「制御A」−制御項目値「CLOSE」である制御データを送信する前提として、当該監視制御サーバ1は、当該所定の端末機器2に、制御項目名称「制御B」−制御項目値「SELECT」である制御データを送信する必要があることを示している。
【0039】
さらに、監視制御サーバ1が、所定の端末機器2から、監視項目名称「状態C」−監視項目値「CLOSE」である監視データを受信する前提として、当該監視制御サーバ1は、当該所定の端末機器2に、制御項目名称「制御A」−制御項目値「CLOSE」である制御データを送信する必要があることを示している。
【0040】
次に、解析結果表示部15は、監視制御データパターン解析部14で解析された解析結果を受けて、当該解析結果に基づいて作成された送受信シーケンスを作成する。さらに、解析結果表示部15は、当該作成した送受信シーケンスを、模式的に、視認可能に表示する。
【0041】
上記機能ブロック11〜15を有する監視制御伝送データ表示装置3を適用したときのハードウェア構成図を、図7に示す。なお、図7では明示的に示していないが、監視制御データパターン指定部16を適用したハードウェア構成としては、キーボードやマウスなどである。
【0042】
パーソナルコンピュータ(PC)23には、演算を行うCPU(Central Processing Unit)21と、情報を記憶することが出来る記憶装置22とが、含まれる。図7中において、監視データ・制御データ間依存情報12とおよび監視データ・制御データ信号構成情報13は、記憶装置22に格納される。また、図7中において、メッセージデータ抽出部11、監視制御データパターン解析部14および解析結果表示部15は、プログラムとして記憶装置22に格納され、当該プログラムはCPU21上で実行される。
【0043】
次に、本実施の形態に係る監視制御伝送データ表示装置3の動作を、具体的に説明する。本実施の形態では、監視制御サーバ1と所定の一の端末機器2との間における監視・制御データの送受信に着目し、当該送受信の送受信シーケンスのうち、指定されたデータパターンの構成を有する送受信シーケンスを表示する場合について、説明する。
【0044】
まず、メッセージデータ抽出部11の動作を、図8に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図8に示す一連のメッセージデータ抽出動作は、後述する図12のステップST110中において実行される。
【0045】
まず、メッセージデータ抽出部11は、監視データ・制御データ信号構成情報13を読み込む(ステップST70)。
【0046】
次に、メッセージデータ抽出部11は、メッセージデータ情報10から抽出を行うメッセージデータの、開始時刻、終了時刻、監視制御項目名称、監視制御項目値を指定する(ステップST71)。
【0047】
後述する図12のステップ110において、監視制御データパターン解析部14は、データパターンから、開始時刻、終了時刻、およびデータパターン表における1行分の「監視制御項目名称」「監視制御項目値」を取得する。メッセージデータ抽出部11は、当該取得した各情報を、監視制御データパターン解析部14から入力し、当該入力に従い、メッセージデータ抽出部11は、ステップST71の指定を行う。つまり、メッセージデータ抽出部11は、入力した「開始時刻」、「終了時刻」、および1行分の「監視制御項目名称」「監視制御項目値」を指定する(ステップST71)。
【0048】
図9は、メッセージデータ抽出部11に入力される上記各情報の一例である。メッセージデータ抽出部11が、図9に示す情報の入力を受けたとする。この場合には、メッセージデータ抽出部11は、開始時刻として「23時00分00秒」を指定し、終了時刻として「23時59分59秒」を指定し、監視制御項目名称として「状態C」を指定し、監視制御項目値として「OPEN」を指定する(ステップST71)。
【0049】
以下の説明では、抽出を行うメッセージデータは、ステップST71で下記のように指定されたものとする。つまり、ステップST71では、「開始時刻T1」、「終了時刻T2」、「監視制御項目名称G」および「監視制御項目値H」が指定されたものとする。
【0050】
次に、メッセージデータ抽出部11は、メッセージデータ情報10から、1行分のメッセージデータを読み込む(ステップST72)。ここで、図3で例示したように、メッセージデータ情報10は、時系列的に、行を変えて、配置された複数のメッセージデータから構成されている。たとえば、ステップST72では、メッセージデータ情報10において、未だ読み込みが終了していない、最も上段行に位置するメッセージデータから、メッセージデータ抽出部11は読み込みを行う。
【0051】
次に、ステップST72で読み込んだメッセージデータに含まれる「受信時刻X」が、ステップST71で指定された「開始時刻T1」と「終了時刻T2」の範囲以内であるか否かを、メッセージデータ抽出部11は判定する(ステップST73)。
【0052】
ステップST73において、開始時刻T1≦受信時刻X≦終了時刻T2の要件を満たさないと判定されたとき(ステップST73で「N」)、図8に示す動作は終了する。これに対して、ステップST73において、開始時刻T1≦受信時刻X≦終了時刻T2の要件を満たすと判定されたとき(ステップST73で「Y」)、メッセージデータ抽出部11は、ステップST74の動作に移行する。
【0053】
さて、ステップST74では、メッセージデータ抽出部11は、ステップST72で読み込んだメッセージデータの「データ情報」を取得する。ここで、当該説明では、メッセージデータ抽出部11は、ステップST74において、「データ情報J」を取得したとする。
【0054】
次に、メッセージデータ抽出部11は、ステップST70で読み込んだ監視データ・制御データ信号構成情報13を用いて、ステップST71で指定された「監視制御項目名称C」が記録されている、信号(データ情報)内の位置を特定する(ステップST75)。なお、監視制御項目名称Cは、信号(データ情報)内において、「位置K」に位置されている。
【0055】
次に、メッセージデータ抽出部11は、ステップST74で取得したデータ情報Jにおいて、ステップST75で特定した位置Kに配置されている、データ値Mを取得する(ステップST76)。当該ステップST76で取得したデータ値Mは、ステップST71で指定された監視制御項目名称Gに対する、データ情報Jにおける監視制御項目値であると把握できる。
【0056】
次に、メッセージデータ抽出部11は、ステップST76で取得したデータ値Mが、ステップST71で指定された監視制御項目値Hと同じであるか否かを、判定する(ステップST77)。
【0057】
ステップST77で、データ値M=監視制御項目値Hでないと判定されたとき(ステップST77で「N」)、メッセージデータ抽出部11はステップST72に戻り、ステップST72以降の動作を繰り返し実施する。
【0058】
これに対して、ステップST77で、データ値M=監視制御項目値Hであると判定されたとき(ステップST77で「Y」)、メッセージデータ抽出部11は、ステップST72で読み込んだメッセージデータに含まれる、「受信時刻情報」と「送信時刻情報」とを、抽出結果として記録する(ステップST78)。
【0059】
なお、当該受信時刻情報と送信時刻情報とは、ステップST71で指定された監視制御項目名称Gおよび監視制御項目値H(ステップST76で取得したデータMと同じ)とともに、関連付けて抽出結果として記録される。当該関連付けられたものを、「解析対象データ」と称することとする。
【0060】
当該抽出結果の記録の後、メッセージデータ抽出部11はステップST72に戻り、ステップST72以降の動作を繰り返し実施する。
【0061】
ステップST71で指定された事項に関してステップST72〜ST78までのフローを繰り返し行った結果、メッセージデータ抽出部11からは、たとえば図10に例示するような出力情報が、監視制御データパターン解析部14に対して送信される。当該出力情報は、ステップST78の記録の結果であり、複数の解析対象データから成る。
【0062】
図10に例示する出力情報は、表形式で表現される情報であり、「送信時刻」、「受信時刻」、「監視制御項目名称」および「監視制御項目値」を持つ。「送信時刻」および「受信時刻」は、ステップST78でメッセージデータから取得した情報である。当該「送信時刻」および「受信時刻」は、ステップST71で指定された「監視制御項目名称」および「監視制御項目値」と関連付けて記録される。
【0063】
図10の各行のデータ解析対象データである。たとえば、メッセージデータ抽出部11が、図9に示す入力情報をステップST71で指定すると、当該メッセージデータ抽出部11は図10に示すような出力情報が出力する。つまり、図9で指定される「開始時刻」から「終了時刻」までのメッセージデータにおいて、図9の状態C−OPENの監視データと同じメッセージデータに、メッセージデータ抽出部11が着目する。メッセージデータ抽出部11は、当該着目したメッセージデータから送受信時刻情報を抽出し、当該送受信時刻情報に上記他の情報との関連付けを行い、解析対象データを作成・列記する。
【0064】
次に、監視制御データパターン解析部14の動作を、図11,12,13,14に示すフローチャートを用いて説明する。
【0065】
まず、図11において、監視制御データパターン解析部14は、監視データ・制御データ間依存情報12を読み込む(ステップST100)。
【0066】
次に、監視制御データパターン解析部14は、監視制御データパターン指定部16において指定されたデータパターン(図4の例示参照)のデータパターン表から、1行分の制御・監視データを読む(ステップST101)。
【0067】
ここで、1行分の制御・監視データとは、図4の例では、監視制御項目名称「状態C」−監視制御項目値「OPEN」を有する監視データと、監視制御項目名称「状態C」−監視制御項目値「CLOSE」を有する監視データとの各々を示す。なお、当該ステップST101では、たとえば、表形式で記述されている監視制御データを上から1行ずつ順に読み込んでも良い。
【0068】
次に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST101においてデータパターン表の構成要素である1行分の監視・制御データを読み込めたか否かを判定する(ステップST102)。
【0069】
たとえば、データパターン表を構成する全ての監視・制御データを読み込んだ後は、ステップST101において、未読込みの監視・制御データはない。この場合は、ステップST102において「N」となり、監視制御データパターン解析部14は、ステップST105の抽出データ解析処理を実施する。当該ステップST105の詳細内容を示すフローチャートが、図13である。
【0070】
他方、データパターン表において、未読込みの監視・制御データが存在するときには、ステップST101において、1行分の当該未読込みの監視・制御データが読み込まれる。この場合は、ステップST102において「Y」となり、監視制御データパターン解析部14は、ステップST104の監視制御データ解析処理を実施する。当該ステップST104の詳細内容を示すフローチャートが、図12である。なお、一連の監視制御データ解析処理(ステップST104、図12)が終了した後は、監視制御データパターン解析部14の動作は、ステップST101に戻り、ステップS101以降の動作を繰り返し実行する。
【0071】
次に、図12を用いて、ステップST104の監視制御データ解析処理の内容について、詳細に説明する。
【0072】
まず、監視制御データパターン解析部14は、監視制御データパターン16で指定されたデータパターンから、開始時刻および終了時刻を取得する(ステップST110)。さらに、監視制御データパターン解析部14は、ST101で読み込んだ1行分の監視・制御データから、「監視制御項目名称」および「監視制御項目値」を取得する(ステップST110)。そして、監視制御データパターン解析部14は、前記で取得した各情報(開始時刻、終了時刻、監視制御項目名称、監視制御項目値)を、メッセージデータ抽出部11へ送信する(ステップST110)。当該送信の結果、メッセージデータ抽出部11では、図8に示す抽出処理が実施される。
【0073】
図8に示す一連の処理の結果、監視制御データパターン解析部14は、メッセージデータ抽出部11から、上記出力結果を取得する(ステップST110)。当該取得した情報は、ステップST101で読み込んだ1行分の監視・制御データに対する、解析対象データである。
【0074】
たとえば、ステップST101で読み込んだ1行分の監視・制御データが、図9に例示する「状態C」−「OPEN」から成る監視データであるとする。この場合には、監視制御データパターン解析部14は、図10に例示する一覧の出力結果を取得する。ここで、取得される出力結果は、図8で抽出・記録した送受信時刻情報に、ステップST101で読み込んだ1行分の監視・制御データに関する情報(監視制御項目名称、監視制御項目値)を加えた解析対象データが、少なくとも1以上含まれる。
【0075】
次に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST100で読み込んだ監視データ・制御データ間依存情報12を参照し、ステップST101で読み込んだ1行分の監視・制御データの項目があるか否かを判定する(ステップST111)。
【0076】
具体的に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST100で読み込んだ監視データ・制御データ間依存情報12において(図6の例示を参照)、ステップST101で読み込んだ1行分の監視・制御データの「監視制御項目名称」−「監視制御項目値」が、図6の表中の「監視制御項目名称」−「監視制御項目値」の項目にあるかを判断する(ステップST111)。
【0077】
たとえば、ステップST101で読み込んだ1行分の監視・制御データが、監視制御項目名称:制御Bで、監視制御項目値:OPENである制御データであるとする。図6の1,2行目を参照すると、監視制御項目名称が制御Bで、監視制御項目値がOPENである制御データの項目がない。この場合には、ステップST111で「N」となり、図12の一連の動作は終了し、監視制御データパターン解析部14の動作は図11のステップST101に戻る。
【0078】
他方、ステップST101で読み込んだ1行分の監視・制御データが、監視制御項目名称:制御Aで、監視制御項目値:OPENである制御データであるとする。図6の1,2行目を参照すると、監視制御項目名称が制御Aで、監視制御項目値がOPENである制御データの項目が存在する。この場合には、ステップST111で「Y」となり、監視制御データパターン解析部14の動作はステップST112へと進む。
【0079】
ステップST112では、監視制御データパターン解析部14は、ステップST100で読み込んだ監視データ・制御データ間依存情報12を用いて、ステップST101で読み込んだ1行分の監視・制御データと依存関係にある、監視・制御データを特定する。つまり、監視制御データパターン解析部14は、監視データ・制御データ間依存情報12を用いて、ステップST101で読み込んだ1行分の監視・制御データの送受信の前提として送受信される、監視・制御データを特定する。
【0080】
たとえば、ステップST101で読み込んだ1行分の監視・制御データが、監視制御項目名称:制御Aで、監視制御項目値:OPENである制御データであるとする。図6の1,2行目を参照すると、監視制御項目名称が制御Aで、監視制御項目値がOPENである制御データの項目が存在する。この場合には、ステップST112において、監視制御データパターン解析部14は、図6を用いて、依存監視制御項目名称が制御Bで依存監視制御項目値がSELECTである、制御データを特定する(図6の2列目−3行目および2列目−4行目参照)。
【0081】
次に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST112で特定した監視制御データを基に、ステップST110の動作を実施する。すなわち、当該ステップST110の動作では、ステップST112で特定した監視制御データを基に図8の一連の動作が実施されることとなる。
【0082】
具体的に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST112で特定した監視制御データから「監視制御項目名称(図6における依存監視制御項目名称)」および「監視制御項目値(図6における依存監視制御項目値)」を、取得する(ステップST110)。そして、監視制御データパターン解析部14は、既に取得している開始時刻および終了時刻に加えて、前記で改めて取得した各情報(監視制御項目名称、監視制御項目値)を、メッセージデータ抽出部11へ送信する(ステップST110)。当該送信の結果、メッセージデータ抽出部11では、図8に示す抽出処理が実施される。当該記載から分かるように、この場合には、図8のステップST71では、図12のステップST112で特定した監視制御データに関する、「監視制御項目名称(図6における依存監視制御項目名称)」および「監視制御項目値(図6における依存監視制御項目値)」が指定されることとなる。
【0083】
図8に示す一連の処理の結果、監視制御データパターン解析部14は、メッセージデータ抽出部11から、上記出力結果を取得する(ステップST110)。当該取得した情報は、ステップST112で特定した監視・制御データに対する、少なくとも1以上の解析対象データである。つまり、図8において、メッセージデータ情報10から、ステップ112で特定された監視・制御データと同じメッセージデータが有する送受信時刻情報が、取得される。そして、当該取得された送受信時刻情報に、ステップST112で特定された監視・制御データに関する情報を加えた、解析対象データが、メッセージデータ抽出部11から監視制御データパターン解析部14へと送信される(ステップST110)。
【0084】
次に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST100で読み込んだ監視データ・制御データ間依存情報12を参照し、ステップST112で特定した監視・制御データの項目があるか否かを判定する(ステップST111)。
【0085】
具体的に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST100で読み込んだ監視データ・制御データ間依存情報12において(図6の例示を参照)、ステップST112で特定した監視・制御データの「監視制御項目名称」−「監視制御項目値」が、図6の表中の「監視制御項目名称」−「監視制御項目値」の項目にあるかを判断する(ステップST111)。
【0086】
当該ステップST111で「Y」と判断される場合とは、ステップST112で特定した監視・制御データと依存関係にある、監視・制御データがある場合である。つまり、ステップST112で特定した監視・制御データの送受信の前提として送受信される、監視・制御データが、図6において特定される場合である。したがって、今回のステップST112では、直前のステップST112で特定した監視・制御データと依存間にある、監視・制御データを特定する。
【0087】
ステップST110からST112までの処理を繰り返し行うことにより、ステップST101で読み込んだ1行分の監視・制御データと依存関係にある、全ての監視・制御データについても網羅的に、図8に示す抽出処理を実施することができる。
【0088】
また、図12に示す一連の動作(図11のステップST104)と、図11のステップST101,ST102の動作とを繰り返し行う。これにより、監視制御データパターン指定部16で指定されたデータパターン表を構成する全ての監視・制御データについて図8に示す抽出処理が実施されると共に、各当該データパターン表の構成要素であるデータと依存関係にある全ての監視・制御データについても網羅的に、図8に示す抽出処理を実施することができる。
【0089】
図11のステップST101,ST102,ST104の繰り返し動作が完結すると、ステップST105の抽出データ解析処理(図13)へと、監視制御データパターン解析部14の動作は移行する。
【0090】
図15は、図11のステップST101,ST102,ST104の繰り返し動作が完結することに、監視制御データパターン解析部14が得る情報の一例である。当該図15に例示する情報は、表形式で表現される情報であり、送信時刻、受信時刻と監視制御項目名称と監視制御項目値を持つ。上記した解析対象データの各々は、図15の各行により特定されるデータである。監視制御データパターン解析部14は、図15に例示する情報をもって、ステップST105の抽出データ解析処理を行う。
【0091】
次に、図13を用いて、ステップST105の抽出データ解析処理の内容について、詳細に説明する。
【0092】
まず、監視制御データパターン解析部14は、図15に例示した情報を構成する各解析対象データを、当該解析対象データが有する送受信時刻情報を用いて、時系列に配列し直す(ステップST120)。ここで、解析対象データが監視データであるときには、監視制御データパターン解析部14は、受信時刻情報をキーとしてステップST120の時系列的再配列処理を実施する。他方、解析対象データが制御データであるときには、監視制御データパターン解析部14は、送信時刻情報をキーとしてステップST120の時系列的再配列処理を実施する。
【0093】
次に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST120において時系列的に再配置された情報の中から、解析対象データを1行分だけ読み込む(ステップST121)。
【0094】
次に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST121において解析対象データを読み込めたか否かを判定する(ステップST122)。
【0095】
たとえば、ステップST120で時系列的再配列された全ての解析対象データを読み込んだ後は、ステップST121において、未読込みの解析対象データはない。この場合は、ステップST122において「N」となり、監視制御データパターン解析部14は、図13に示す一連の動作を終了する。
【0096】
他方、ステップST120で時系列的再配列された全ての解析対象データにおいて、未読込みの解析対象データが存在するときには、ステップST121において、未読込みの1行分の解析対象データが読み込まれる。この場合は、ステップST122において「Y」となり、監視制御データパターン解析部14は、ステップST123の処理を実施する。
【0097】
次に、監視制御データパターン解析部14は、監視制御データパターン指定部16で指定されたデータパターン表において、最上段に位置する監視・制御データを読み込む(ステップST123)。つまり、データパターン表は、時系列的に順に配置された監視・制御データから構成されるが、監視制御データパターン解析部14は、当該配置状態の先頭に位置する監視・制御データを読み込む(ステップST123)。
【0098】
次に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST121で読み込んだ解析対象データの「監視制御項目名称」および「監視制御項目値」と、ステップST123で読み込んだ監視・制御データの「監視制御項目名称」および「監視制御項目値とが、一致するか否かを判定する(ステップST124)。
【0099】
ステップST124において「一致」との判定がなされたとき(ステップST124で「Y」)、監視制御データパターン解析部14は、ステップST121で読み込んだ解析対象データ(抽出データと把握できる)を、出力情報Xとして設定する(ステップST127)。その後、監視制御データパターン解析部14は、ステップST121の動作を再度行う。
【0100】
これに対して、ステップST124において「不一致」との判定がなされたとき(ステップST124で「N」)、監視制御データパターン解析部14は、既に出力情報Xが設定されているか否かを判定する(ステップST125)。
【0101】
ステップST125において「未設定」との判定がなされたとき(ステップST125で「N」)、監視制御データパターン解析部14は、ステップST121の動作を再度行う。
【0102】
これに対して、ステップST125において「設定済」との判定がなされたとき(ステップST125で「Y」)、監視制御データパターン解析部14は、ステップST126のパターン照合処理行う。当該ステップST126のパターン照合処理の詳細な動作が、図14である。
【0103】
次に、図14を用いて、ステップST126のパターン照合処理の内容について、詳細に説明する。
【0104】
まず、監視制御データパターン解析部14は、監視制御データパターン指定部16で指定されたデータパターン表を構成する監視・制御データを一つ読み込む(ステップST131)。ここで、ステップST131で読み込まれる監視・制御データは、当該データパターン表において、ステップST123で読み込まれた監視・制御データの次の行に位置するものである。
【0105】
なお、ステップST131に再帰される際に当該ステップST131で読み込まれる監視・制御データは、データパターン表において、直前のステップST131で読み込まれた監視・制御データの次の行に位置するものである。
【0106】
次に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST131において監視・制御データを読み込めたか否かを判定する(ステップST132)。
【0107】
たとえば、データパターン表を構成する全ての監視・制御データについて読込みが終了している場合には、ステップST131において、監視・制御データは読み込めない。したがって、この場合は、ステップST132において「N」となり、監視制御データパターン解析部14は、図14に示す一連の動作を終了する。
【0108】
なお、図14に示す(図13のステップST126に示す)パターン照合処理終了後、監視制御データパターン解析部14は、図13のステップST121からの動作を再開する。
【0109】
他方、データパターン表を構成する全ての監視・制御データについて読込みが終了していない場合には、ステップST131において、未読込みの監視・制御データが読み込まれる。この場合は、ステップST132において「Y」となり、監視制御データパターン解析部14は、ステップST133の処理を実施する。
【0110】
ステップST133では、監視制御データパターン解析部14は、図13のステップST120で時系列的に配置された解析対象データ表において、現在読み込み中の抽出データPに着目する。ここで、「現在読み込み中の抽出データP」とは、直前に、図13のステップST121で読み込まれた解析対象データのことである。
【0111】
ステップST133ではさらに、当該着目した解析対象データ(上記データP)を基準として、監視制御データパターン解析部14は、より時系列的に降順に位置する解析対象データのうち、ステップST131で読み込んだ1行分のデータパターンと一致する解析対象データQを検索する。具体的に、監視制御データパターン解析部14では、前記1行分のデータパターンが有する「監視制御項目名称」と「項目値」と同じ値を有する解析対象データQを、検索する。
【0112】
次に、監視制御データパターン解析部14は、時系列的に配置された解析対象データのうち、上記基準となる解析対象データより降順において、ステップST131で読み込んだ1行分のデータパターンと一致する解析対象データQが、見つかったか否かを判定する(ステップST134)。
【0113】
ステップST131で読み込んだ1行分のデータパターンと一致する解析対象データQが、見つからなかったとする(ステップST134で「N」)。この場合には、監視制御データパターン解析部14は、図13のステップST127で設定した出力情報Xを破棄する(ステップST135)。そして、図14に示す(図13のステップST126に示す)パターン照合処理は、終了する。その後、監視制御データパターン解析部14は、図13のステップST121からの動作を再開する。
【0114】
他方、ステップST131で読み込んだ1行分のデータパターンと一致する解析対象データQが、見つかったとする(ステップST134で「Y」)。この場合には、監視制御データパターン解析部14は、上記時系列的に配置された解析対象データにおいて、直前に図13のステップST121で読み込まれた解析対象データ(上記データP)から、ステップST134で見つかった解析対象データQまでに含まれる、全解析対象データを、出力情報Xとして追加する(ステップST136)。
【0115】
なお、出力情報Xに上記データPからデータQの情報を追加する際に重複するデータある場合には、当該重複部分は上書きする。当該ステップST136の後、監視制御データパターン解析部14は、ステップST131の動作を再開する。
【0116】
図13,14に示す動作が繰り返し実行される。これにより、監視制御データパターン解析部14は、時系列的に配置された解析対象データ表の中から、監視制御データパターン指定部16で指定されたパターンデータ表の構成を、骨格として含む解析対象データを、出力情報Xとして得ることができる。
【0117】
図16は、監視制御データパターン解析部14が得た、出力情報Xの一例を示す図である。図16は、図15に例示する解析対象データの一覧を時系列的に配置し、当該再配置された解析対象データから得られた、出力情報Xを例示している。ここで、図16の例示では、監視制御データパターン指定部16で指定されたパターンデータは、図4に例示したものである。
【0118】
図16の例では、監視制御データパターン解析部14は、二通り(図16の上下の各表)の出力情報Xを取得している。図16の各出力情報Xには、図4に示す「状態C」−「OPEN」の監視データと「状態C」−「CLOSE」の監視データとが当該順に構成されたパターンデータと、同じ構成が含まれている。つまり、図16の上段の表および下段の表共に、「状態C」−「OPEN」の監視データと「状態C」−「CLOSE」の監視データとが、当該順で出現する骨格部を有している。なお、時系列的に配列された解析対象データ表に対する図14のステップST136の動作から分かるように、「状態C」−「OPEN」の監視データ(解析対象データ)と、「状態C」−「CLOSE」の監視データ(解析対象データ)との間において、他の解析対象データも含まれる。
【0119】
図16の出力情報Xを得るにあたり、監視制御データパターン解析部14は、図4のパターンデータを参照し、「状態C」−「OPEN」である解析対象データを、時系列的に配置された解析対象データ表から抽出している。そして、監視制御データパターン解析部14は、図14のパターン照合処理を2回読み出す(2回繰り返し処理する)。これにより、図16に例示するように、図4のパターンデータの構成を含む、2通りの出力情報Xが取得される。
【0120】
さて、監視制御データパターン解析部14が出力情報Xを取得した後、次に、監視制御データパターン解析部14は、当該出力情報Xを、解析結果表示部15に対して送信する。
【0121】
解析結果表示部16では、受信した出力情報Xをもとに、送受信シーケンスを視認可能に表示する。図17は、図16に示す出力情報Xをもとに、解析結果表示部15で表示された送受信シーケンスを示す図である。
【0122】
図16の例では、2通りの出力情報Xが取得されている。したがって、図17に示すように、解析結果表示部16には、2通りの送受信シーケンスが表示される。解析結果表示部16で表示される送受信シーケンスは、監視制御サーバ1と所定の一の端末機器2との間における、監視・制御データの一連の送受信状況である。各送受信シーケンス中の各フローは、図16の各表の行に対応している。各フローの端点には、それぞれ送信時刻、受信時刻が記述され、隣接するフロー間には、時刻間隔も記述される。また、各フローの線上には、送受信される監視・制御データの具体的な表示である、「監視制御項目名称」と「監視制御項目値」も記述される。
【0123】
以上のように、本実施の形態に係る伝送データ表示システム100では、データパターン(図4参照)が入力されたとき、監視制御伝送データ表示装置3は、次の動作を行う。つまり、監視制御伝送データ表示装置3は、監視制御サーバ1が有するメッセージデータから、当該データパターンを構成する各監視・制御データと同じデータを、解析対象データとして抽出する。そして、監視制御伝送データ表示装置3は、抽出した解析対象データを時系列に配列し直し、当該配列後の解析対象データ表から、当該データパターンと同じ構成を有する部分を、送受信シーケンスとして表示している。
【0124】
したがって、伝送データ表示システム100は、監視制御サーバ1と所定の一の端末機器2との間でやり取りされる多量のパケットデータにおいて、着目したデータパターンを満たす部分を、送受信シーケンスとして表示できる。よって、ユーザは、当該着目したデータの送受信状況を容易に把握できる。これにより、たとえば、ユーザは、監視制御サーバ1による所定の一の端末機器2に対する制御実行時の監視データの変更時刻を、容易に識別できるという効果がある。
【0125】
また、本実施の形態に係る伝送データ表示システム100では、監視制御伝送データ表示装置3は、監視データ・制御データ間依存情報12を格納している。そして、監視制御伝送データ表示装置3は、当該監視データ・制御データ間依存情報12を用いて、メッセージデータ情報10からのデータの抽出も行っている。
【0126】
したがって、監視制御伝送データ表示装置3は、指定されたパターンデータを構成する各監視・制御データに影響を与える他の監視・制御データをも、送受信シーケンスとして表示することができる。よって、ユーザは、縦横来制御実行時の状態変更通知タイミングや他のデータへの影響範囲を容易に識別することが可能である。
【0127】
<実施の形態2>
実施の形態1では、監視制御データパターン指定部16で指定するデータパターン表は、複数の監視・制御データを所定の順序で配置されたものを含んでいた。本実施の形態2では、当該指定されるデータパターン表には、少なくとも1部の監視・制御データの間に、所要時間に関する情報が含まれている。
【0128】
つまり、本実施の形態において、データパターンにおける、開始時刻および終了時刻以外の、所定の制御データおよび/または所定の監視データと所要時間に関する情報とが所定の順序で並ぶことにより構成される表の部分を、「データパターン表」と称することとする。また、本願明細書では、当該データパターン表を構成する各行の構成要素(1行分のデータパターン)を、「データパターン要素」と称する。
【0129】
本実施の形態に係る監視制御伝送データ表示装置3の監視制御データパターン指定部16は、データパターン要素として所要時間情報を含むデータパターン表の指定が可能である。
【0130】
図18は、監視制御データパターン指定部16で指定される、本実施の形態に係るデータパターンの一例を示す図である。図18と図4との比較から分かるように、本実施の形態で指定されるデータパターン表には、「状態C」−「OPEN」監視データと「状態C」−「CLOSE」監視データとの間において、所要時間に関する情報が含まれている。図18の例示では、「状態C」−「OPEN」監視データから、「状態C」−「CLOSE」監視データに至るまでの所要時間が、「9秒以上」であるデータパターンが指定されることを意味する。
【0131】
本実施の形態では、データパターン表に所要時間に関する構成要素が含まれる。よって、本実施の形態に係る監視制御データパターン解析部14では、図14のフローチャートのパターン照合処理の代わりに、図19に示すフローチャートのパターン照合処理が実行される。
【0132】
次に、図19を用いて、本実施の形態に係る監視制御データパターン解析部14におけるパターン照合処理について説明する。
【0133】
ここで、図19のステップST181の動作は、図14のステップST131の動作と同じである。なお、図19における「データパターンを一つ読み込む」動作(ステップST181やステップST1813)は、次の動作となる。つまり、直前の「データパターンを一つ読み込む」動作で読み込まれた1行分のデータパターン要素(監視・制御データまたは所要時間情報)の、次の行に位置する1行分のデータパターン要素(監視・制御データまたは所要時間情報)が、現在の「データパターンを一つ読み込む」動作で読み込まれる。
【0134】
また、図19のステップST182の動作は、図14のステップST132の動作と同じである。
【0135】
さて、本実施の形態に係る監視制御データパターン解析部14では、ステップST182の次に、ステップST183の動作を行う。つまり、監視制御データパターン解析部14は、ステップST181で読み込んだ1行分のデータパターン要素が、「所要時間」に関するものであるか否かを判定する(ステップST183)。
【0136】
まず、ステップST181で読み込んだ1行分のデータパターン要素が、「所要時間」に関するものである場合(ステップST183の「Y」)について説明する。
【0137】
当該場合には、監視制御データパターン解析部14は、図13のステップST120で時系列的に配置された解析対象データ表において、現在読み込み中の抽出データPに着目する(ステップST184)。ここで、「現在読み込み中の抽出データP」とは、直前に、図13のステップST121で読み込まれた解析対象データ、または、直前のステップST187やステップST186で設定された解析対象データのことである。
【0138】
ステップST184ではさらに、監視制御データパターン解析部14は、時系列的に配列された解析対象データ表において受信時間同士を比較し、当該着目した解析対象データ(上記データP)から、指定された時間以降の解析対象データRを検索する。ここで、「指定された時間」とは、ステップST183で所要時間であると判定された1行分のパターンデータで規定されている「所要時間」のことである。
【0139】
たとえば、ステップST181で、図18に示す所要時間が「9秒」である1行分のパターンデータが読み込まれたとする。この場合には、監視制御データパターン解析部14は、時系列的に配列された解析対象データ表において、着目した解析対象データ(上記データP)の受信時間から、受信時間が「9秒」以降である解析対象データRを検索する(ステップST184)。
【0140】
なお、着目している解析対象データPの受信時間を基準に、9秒ジャスト後の受信時間を有する他の解析対象データがあれば、監視制御データパターン解析部14は、当該他の解析対象データを、上記解析対象データRとして検索する(解析対象データPの受信時間+9秒=解析対象データRの受信時間)。
【0141】
また、着目している解析対象データPの受信時間を基準に、9秒ジャスト後の受信時間を有する他の解析対象データがなく、9秒より大きな受信時間を有する他の解析対象データが複数存在するときには、以下の方法を採用できる。つまり、着目している解析対象データPの受信時間を基準に、9秒より大きく、当該9秒の直後である受信時間を有する他の解析対象データを、監視制御データパターン解析部14は解析対象データRとして検索する(解析対象データRの受信時間T1>解析対象データPの受信時間T2+9秒、ただし、時系列的に配置された解析対象データ表において、受信時間T1は、受信時間T2+9秒の値に最も近い値である)。
【0142】
次に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST184において、解析対象データRの検索に成功したか否かを判定する(ステップST185)。たとえば、解析対象データPの受信時間に、ステップST181で読み込んだ1行分のデータパターンに規定されている所要時間を加えた時間以上の、受信時間を有する解析対象データが、時系列的に配置された解析対象データ表内にないとする。このときには、ステップST185では不成功と判定される。
【0143】
ステップST185で、解析対象データRの検索に失敗したと判定されたとき、ステップST185で「N」となり、図19に示すパターン照合処理は終了する。これに対して、ステップST185で、解析対象データRの検索に成功したと判定されたとき、ステップST185で「Y」となり、監視制御データパターン解析部14は、ステップST184で検索した解析対象データRを、「現在読み込み中の抽出データである解析対象データP」として、設定する(ステップST186)。
【0144】
次に、監視制御データパターン解析部14は、上記データパターン表から1行分のデータパターン要素をさらに読み込む(ステップST1813)。ここで、ステップST1813で読み込まれる1行分のデータパターン要素は、データパターン表において、直前に読み込まれた1行分のデータパターン要素の直後の行に位置する、1行分のデータパターン要素である。その後、ステップST1814では、ステップST182と同じ動作が実施される。
【0145】
ステップST1814で読み込まれるデータパターン要素がないと判定されたとき、ステップST1814で「N」となり、図19に示すパターン照合処理は終了する。これに対して、ステップST1814で読み込まれるデータパターン要素があると判定されたとき、ステップST188の処理が実行される。
【0146】
ステップST188は、図14に示したステップST133と同じ動作である。ただし、ステップST183で「Y」の経路が選択されたときには、「現在読み込み中の抽出データP」とは、ステップST186で設定されたものである。また、ステップST183で「Y」の経路が選択されたときには、検索される解析対象データQは、ステップST1813で読み込んだ1行分のデータパターン要素と一致する解析対象データである。
【0147】
次に、ステップST181で読み込んだ1行分のデータパターン要素が、「所要時間」に関するものでない場合(ステップST183の「N」)について説明する。当該場合とは、ステップST181で読み込んだ1行分のデータパターン要素が、監視・制御データである場合である。
【0148】
当該場合には、監視制御データパターン解析部14は、時系列的に配置された解析対象データ表において、現時点で読み込まれている解析対象データを、「現在読み込み中の抽出データ」である解析対象データPとして、設定する(ステップST187)。ここで、現時点で読み込まれている解析対象データは、図13のステップST121で読み込まれたデータ、直前のステップST186で設定されたデータ、または直前のステップST187で設定されたデータであると解される。
【0149】
次に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST188の動作を実施する。ステップST188は、図14に示したステップ133と同じ動作である。ただし、ステップST183で「N」の経路が選択されたときには、「現在読み込み中の抽出データP」とは、ステップST187で設定されたものである。また、ステップST183で「N」の経路が選択されたときには、検索される解析対象データQは、ステップST181で読み込んだ1行分のデータパターン要素と一致する解析対象データである。
【0150】
ステップST188の後、ステップST189、ステップST1811およびステップST1812の各処理が実行される。ここで、ステップST189は、図14のステップST134と同じである。また、ステップST1811は、図14のステップST135と同じである。また、ステップST1812は、図14のステップST136と同じである。なお、ステップST136でも述べたように、ステップST1812において出力情報Xに上記データPからデータQの情報を追加する際に重複するデータある場合には、当該重複部分は上書きする。
【0151】
図13,19に示す動作が繰り返し実行される。これにより、監視制御データパターン解析部14は、時系列的に配置された解析対象データ表の中から、監視制御データパターン指定部16で指定されたパターンデータ表(図18参照)の構成を、骨格として含む解析対象データを、出力情報Xとして得ることができる。
【0152】
ここで、実施の形態1では、図4に例示するデータパターン表が指定されたとき、二通りの出力情報X(図16参照)が出力される例について説明した。当該例と同じ状況で、本実施の形態に係るデータパターン表(図18参照)が指定されたとする。当該場合には、図20に示す出力情報Xが出力される。
【0153】
本実施の形態では、データパターン表にデータパターン要素として、所要時間に関する情報も含まれている。したがって、本実施の形態では、図16に示した出力情報Xの内、「状態C」−「OPEN」の監視データの受信時間と、「状態C」−「CLOSE」の監視データの受信時間との間が、「9秒」以上である出力情報Xのみが取得され、それ以外のものは取得されない。つまり、図20に示す出力情報Xのみが、本実施の形態では取得されることとなる。
【0154】
本実施の形態では、上記のように、図20に示す出力情報Xが解析結果表示部15に送信される。したがって、本実施の形態では、解析結果表示部15は、図20に示す出力結果Xに対応した送受信シーケンスのみを表示する。
【0155】
なお、本実施の形態で説明した上記以外の構成・動作は、実施の形態1で説明した内容と同様である。
【0156】
以上の本実施の形態に係る伝送データ表示システム100では、データパターンには、少なくとも一部の所定のデータ間において、所要時間を示す情報がデータパターン要素として含まれている。そして、本実施の形態に係る監視制御データパターン指定部16は、当該データパターンの指定が可能である。
【0157】
したがって、監視・制御データの順序だけでなく、監視・制御データ間の所要時間をも満たす送受信シーケンスが、解析結果表示部15において表示される。このため、ユーザは、たとえば所定のデータ間の所要時間が長い制御の送受信シーケンスを容易に取得することができる。
【0158】
<実施の形態3>
実施の形態1では、監視制御データパターン指定部16で指定するデータパターン表には、複数の監視・制御データが所定の順序で配置されていた。そして、データパターン要素である各監視・制御データは、「監視制御項目名称」と「監視制御項目値」とにより、種別が特定されていた。
【0159】
これに対して、本実施の形態3では、当該指定されるデータパターン表において、データパターン要素である少なくとも1以上の各監視・制御データは、「監視制御項目名称」と「監視制御項目値」と、さらに「条件」とにより、種別が特定される。
【0160】
つまり、本実施の形態において、データパターンにおける、開始時刻および終了時刻以外の、所定の制御データおよび/または所定の監視データが所定の順序で並ぶことにより構成される表の部分を、「データパターン表」と称することとする。そして、当該データパターン表の少なくとも1以上のデータパターン要素には、「条件」に関する情報も含まれている。ここで、本実施の形態では、当該「条件」は「監視制御項目値」に対して適用されるものである。
【0161】
本実施の形態に係る監視制御伝送データ表示装置3の監視制御データパターン指定部16は、データパターン要素として条件を含むデータパターン表の指定が可能である。
【0162】
図21は、監視制御データパターン指定部16で指定される、本実施の形態に係るデータパターンの一例を示す図である。図21と図4との比較から分かるように、本実施の形態で指定されるデータパターン表には、二つのデータパターン要素は、「監視制御項目名称」−「監視制御項目値」−「条件」とで特定されるデータである。なお、図21の例示では、「状態C」で監視制御項目値が「CLOSE」以外の値(≠CLOSE)の監視データが、データパターン表の2番目に配置されている。
【0163】
ここで、「条件」の表現方法は、上記条件式に限らず、データを特定する条件の表記方法が他にあれば、当然他の表記方法も採用可能である。なお、監視制御伝送データ表示部3が当該表記方法を認識できるように、採用している条件の表記方法に関するプログラムが、当該監視制御伝送データ表示部3に設定される。
【0164】
本実施の形態では、データパターン表に条件に関する項目が含まれる。よって、本実施の形態に係る監視制御データパターン解析部14では、図11のフローチャートの代わりに、図22に示すフローチャートが実行される。
【0165】
次に、図22を用いて、本実施の形態に係る監視制御データパターン解析部14における動作について説明する。なお、当該説明では、図21に示すデータパターンが指定された場合を想定する。
【0166】
ここで、図22のステップST210、ST211,ST212の動作は各々、図11のステップST100,ST101,ST102と同じである。
【0167】
さて、図22に示す処理では、ステップST212で「Y」あることが判定されたとき、ステップST211で読み込んだデータパターン要素に「条件」に関する項目があるか否かを、監視制御データパターン解析部14は判定する(ステップST216)。
【0168】
ステップST216において「条件」に関する項目がないことが判定されたとき(ステップST216で「N」)、監視制御データパターン解析部14は、ステップST214の監視制御データ解析処理を実施する。当該ステップST214は、図11のステップST104と同じである。
【0169】
これに対して、ステップST216において「条件」に関する項目があることが判定されたとき(ステップST216で「Y」)、監視制御データパターン解析部14は、当該条件が付されている監視・制御データに対して、当該条件を加味する。具体的には、監視制御データパターン解析部14は、ステップST211で読み込んだデータパターン要素の「監視制御項目値」に、当該データパターンに含まれる「条件」を適用する。これにより、監視制御データパターン解析部14は、「条件」に合致する「監視制御項目値」を取得する(ステップST217)。
【0170】
ステップST211で読み込んだ1行分のデータパターンが、図21のデータパターン表における2番目(2行目)のデータパターン要素である場合には、ステップST217では、監視制御データパターン解析部14は、「CLOSE」以外の「監視制御項目値」を取得する。
【0171】
その後のステップST214では、図12のステップST110において監視制御データパターン解析部14は、開始時刻、終了時刻、監視制御項目名称および監視制御項目値を指定するが、当該「監視制御項目名称」は、ステップST211で読み込んだデータパターン要素のものであり、当該「監視制御項目値」は、ステップST217で取得されたものとなる。なお、開始時刻および終了時刻は、実施の形態1で説明したものが指定される。
【0172】
つまり、データパターン要素に条件の項目があるときには、監視制御データパターン解析部14は、図8のメッセージデータ抽出処理際して、当該データパターン要素において「監視制御項目値」に「条件」を加味した条件加味データを指定する。図21のデータパターン表における2番目(2行目)のデータパターン要素の場合には、「状態C」で「CLOSE以外の監視制御項目値」である監視データが、条件加味データとなる。
【0173】
なお、上記指定される「監視制御項目値」が実施の形態1と相違するが、他のステップST214およびステップST215の処理は、図11に示すステップST104およびステップST105の処理と同じである。
【0174】
ここで、上記条件加味データが指定されたときには、図8の処理により、当該条件加味データと同じメッセージデータが有する送受信時刻情報が、監視制御サーバ1のメッセージデータ情報10から抽出される。さらに、ステップST111で当該条件加味データと依存関係にある監視・制御データが有する送受信時刻情報も、監視制御サーバ1のメッセージデータ情報10から抽出される。
【0175】
そして、抽出した前者の送受信時刻情報に、条件加味データの「監視制御項目名称」およびステップST217で取得された「監視制御項目値」を加えたものを、解析対象データとして監視制御データパターン解析部14は取得する。さらに、抽出した後者の送受信時刻情報に、条件加味データと依存関係にあるデータの「依存監視制御項目名称」および「監視制御項目値」を加えたものを、解析対象データとして監視制御データパターン解析部14は取得する。
【0176】
なお、本実施の形態で説明した上記以外の構成・動作は、実施の形態1で説明した内容と同様である。また、本実施の形態を適用した場合(図21のデータパタンが指定された場合)に、監視制御データパターン解析部14が取得する出力情報Xの一例を、図23に示す。
【0177】
図21のデータパターン要素(「状態C]−「CLOSE以外の監視制御項目値」)に対応するものとして、つまり「状態C」が「OPEN」の後に「CLOSE」とならないものとして、図23に示すように、「状態C」−「UNDEF」の監視データが出力情報Xとして出力される。
【0178】
以上のように、本実施の形態に係る伝送データ表示システム100では、監視制御伝送データ表示部3は、条件の項目を有するデータパターンの指定が可能である。そして、上記条件加味データと用いた、メッセージデータ情報10からのデータの抽出を行い、当該抽出した結果をも、解析対象データとしている。
【0179】
したがって、解析結果表示部15では、指定の監視データ・制御データの条件を満たす送受信シーケンスを表示できる。このため、ユーザは、たとえば想定外の監視データの変化を容易に検出することができる。
【0180】
なお、本実施の形態に係る技術を、実施の形態2に係る技術に適用しても当然良い。
【0181】
<実施の形態4>
上記実施の形態1−3に係る伝送データ表示システム100では、特定の一の端末機器2と監視制御サーバ1との間で送受信される監視・制御データを、データパターンを用いて解析している。そして、当該データパターンの要件を満たす、特定の一の端末機器2と監視制御サーバ1との間における送受信シーケンス(図17参照)を、上記実施の形態1−3に係る伝送データ表示システム100では表示している。
【0182】
これに対して、本実施の形態4に係る伝送データ表示システムでは、端末機器2間の送受信データの依存関係をも解析する。そして、監視制御サーバ1と一の端末機器2との間の送受信シーケンス、および監視制御サーバ1と他の端末機器2との間の送受信しケースを、本実施の形態4に係る伝送データ表示システムでは表示する。当然、本実施の形態においても、表示される送受信シーケンスは、指定されたデータパターンの内容を満たしている。
【0183】
図24は、本発明の実施の形態に係る監視制御伝送データ表示装置3Aの構成を示す、ブロック図である。
【0184】
図2と図24との比較から分かるように、本実施の形態に係る監視制御伝送データ表示装置3Aでは、監視制御機器間依存情報30が追加的に格納されている。当該監視制御機器間依存情報30の格納以外の構成は、本実施の形態に係る監視制御伝送データ表示装置3Aと実施の形態1に係る監視制御伝送データ表示装置3とで同じである。
【0185】
本実施の形態に係る監視制御データパターン解析部14では、当該監視制御機器間依存情報30をも用いて、複数の端末機器2を考慮したメッセージデータ情報10の解析を行う。
【0186】
ここで、監視制御機器間依存情報30は、監視制御サーバ1と一方の端末機器2との間で送受信される監視・制御データと、監視制御サーバ1と他方の端末機器2との間で送受信される監視・制御データとの、依存関係を示す情報である。
【0187】
たとえば、監視制御サーバ1と一方の端末機器2との間で所定の監視・制御データが送受信される前提として、監視制御サーバ1と他方の端末機器2との間における他の所定の監視・制御データの送受信が必要な場合には、当該送受信の関係が、監視制御機器間依存情報30に記述される。
【0188】
図25は、監視制御機器間依存情報30の一部を例示したものである。図25に示すように、監視制御機器間依存情報30は、表形式で表現される情報であり、機器名、監視制御項目名称、監視制御項目値、依存機器名、依存監視制御項目名称および依存監視制御項目値を、項目として持つ。
【0189】
ここで、当該表形式では、「監視制御項目名称」−「監視制御項目値」で特定される監視・制御データの、監視制御サーバ1と「機器名」で特定される端末機器2との間での送受信の前提として、「依存監視制御項目名称」−「依存監視制御項目値」で特定される監視・制御データの、監視制御サーバ1と「依存機器名」で特定される端末機器2との間における送受信が必要であることを示す。
【0190】
具体的に、図25の例では、「制御A」−「CLOSE」の制御データの、監視制御サーバ1から「機器2L」への送信の前提として、「状態Z」−「ENABLE」で特定される監視データを、監視制御サーバ1が「機器2P」から受信する必要があることを示す。
【0191】
図26は、本実施の形態に係る監視制御データパターン解析部14の動作を示すフローチャートである。図26と図11との比較から分かるように、本実施の形態では、監視制御データパターン解析部14が、監視制御機器間依存情報30を読み込む工程が追加されている(ステップST250)。他のステップST251,ST252,ST253の各々は、図11のステップST100,ST101,ST102と同様である。また、ステップST255では、図13,14,19の処理が実行される。
【0192】
さて、本実施の形態では、ステップST254の具体的処理として、図27に示す監視制御データ解析処理が実施される。以下、図27のフローチャートを用いて、本実施の形態に係る監視制御データパターン解析部14の監視制御データ解析処理を、具体的に説明する。
【0193】
ここで、本実施の形態に係る監視制御データパターン指定部16が指定するデータパターンには、「機器名」の項目も含まれる。データパターン内に当該「機器名」の項目が規定されることにより、当該データパターン内のデータパターン表で規定される監視・制御データの送受信が、監視制御サーバ1と当該「機器名」で特定される端末機器2との間でなされることが特定できる。なお、当該データパターンで規定されている機器名が、図27のステップST260において、「機器名」として指定される。
【0194】
図28は、当該監視制御データパターン指定部16が指定するデータパターンの一例を示す図である。図28では、図4に示したデータパターンに、「機器名」を特定する情報が含まれている。図28の例では、データパターン表で規定される「状態C」−「OPEN」→「状態C」−「CLOSE」のデータ送受信が、端末機器2Lと監視制御サーバ1との間のものであることが特定されている。
【0195】
なお、図示は省略するが、メッセージデータ情報10を構成する各メッセージデータにおいても、当該メッセージデータの送信先を特定する「機器名」情報、あるいは当該メッセージの送信元を特定する「機器名」情報が付されている。
【0196】
図27を参照して、ステップST260の処理において、図8の抽出処理が実行される。つまり、図28で示したテーブルパターンで規定された、「開始時刻」、「終了時刻」「機器名」、テーブルパターン表の1行分の「監視制御項目名称」および「監視制御項目値」を指定して、これらをキーとして、図8の抽出処理が実行される。
【0197】
そして、当該抽出処理により、ステップST260において送受信情報の一覧を、監視制御データパターン解析部14を取得する。ここで、当該取得した送受信情報に、ステップST260で指定されている、「機器名」「監視制御項目名称」「監視制御項目値」を関連付けて加えたものが、「解析対象データ」となる。複数の当該解析対象データは、図26ステップST255に示す抽出データ解析処理の対象となる。
【0198】
また、図27のステップST260,ST261,ST262各々の処理は、図12のステップST110,ST111,ST112の処理と同じである。ただし、図27に示す処理では、ステップST261で「N」のとき、監視制御データ解析処理は終了せず、ステップST263の処理を監視制御データパターン解析部14が実施する。
【0199】
また、本実施の形態では、ステップST260ではデータパターンに含まれる「機器名」に関する情報も指定される。したがって、ステップST260で取得されるメッセージデータは、ステップST260で指定された「機器名」「監視制御項目名称」「監視制御項目値」と一致するものである。
【0200】
さて、ステップST263において、監視制御データパターン解析部14は、ステップST250で読み込んだ監視制御機器名間依存情報30において(図25の例示を参照)、ステップST260で指定された「機器名」−「監視制御項目名称」−「監視制御項目値」が、図25の表中の「機器名」−「監視制御項目名称」−「監視制御項目値」の項目にあるか否かを判断する(ステップST263)。
【0201】
たとえば、ステップST260で指定された、監視制御項目名称が状態Cで、監視制御項目値がOPENで、機器名が端末機器2Lであるとする。図25を参照すると、監視制御項目名称が状態Cで、監視制御項目値がOPENで、機器名が端末機器2Lである監視データの項目がない。この場合には、ステップST263で「N」となり、図27の一連の動作は終了し、監視制御データパターン解析部14の動作は図26のステップST252に戻る。
【0202】
他方、ステップST260で指定された監視制御項目名称が制御Aで、監視制御項目値がCLOSEで、機器名が端末機器2Lであるとする。図25を参照すると、監視制御項目名称が制御Aで、監視制御項目値がCLOSEで、機器名が端末機器2Lである項目が存在する。この場合には、ステップST263で「Y」となり、監視制御データパターン解析部14の動作はステップST264へと進む。
【0203】
ステップST264では、監視制御データパターン解析部14は、ステップST250で読み込んだ監視制御機器間依存情報30を用いて、ステップST260指定された情報と依存関係にある、項目を特定する。つまり、監視制御データパターン解析部14は、監視制御機器間依存情報30を用いて、監視制御サーバ1とステップST260で指定された端末機器2との間における、ステップST260で指定された監視・制御データの送受信の前提として送受信される、監視制御サーバ1と他の端末機器2との間における監視・制御データを特定する。
【0204】
たとえば、ステップST260で指定された情報が、監視制御サーバ1と端末機器2Lとの間における、監視制御項目名称:制御Aで、監視制御項目値:CLOSEである制御データであるとする。図25を参照すると、機器名が端末機器2Lで、監視制御項目名称が制御Aで、監視制御項目値がCLOSEである項目が存在する。この場合には、ステップST264において、監視制御データパターン解析部14は、図25を用いて、依存機器名が端末機器2Pで、依存監視制御項目名称が状態Zで、依存監視制御項目値がENABLEである、事項を特定する(図25の4列目−6列目参照)。
【0205】
次に、監視制御データパターン解析部14は、ステップST264で特定した事項を基に、ステップST265の動作を実施する。ここで、ステップST265では、図27の「開始」から「終了」までの一連の動作が再帰的に実施される。
【0206】
なお、ステップ265における最初ステップST260で指定される「機器名」、「監視制御項目名称」および「監視制御項目値」は、ステップST264で特定された、「依存機器名」、「依存監視制御項目名称」および「依存監視制御項目値」である。
【0207】
そして、当該最初のステップST260に含まれる図8の抽出処理により、当該「依存機器名」「依存監視制御項目名称」「依存監視制御項目値」で特定されるデータと同一のメッセージデータが、監視制御サーバ1内のメッセージデータ情報10から検出される。そして、当該検出したメッセージデータが有する送受信情報が、抽出される。なお、当該抽出された送受信情報に、ステップST264で特定された、「依存機器名」「依存監視制御項目名称」「依存監視制御項目値」を加えたものも、「解析対象データ」としてステップST225に示す抽出データ解析処理が実施される。
【0208】
ステップST263からST265までの処理を行うことにより、データパターンで規定された端末機器2と監視端末サーバ1との間で送受信される、ステップST152で読み込んだ1行分の監視・制御データと依存関係にある、他の端末機器2と監視端末サーバ1との間で送受信される監視・制御データについても網羅的に、図8に示す抽出処理を実施することができる。
【0209】
さて、図26ステップST254の処理が終了すると、上記他の実施の形態で説明した抽出データ解析処理と同様の処理が、実施される(図26のステップST255)。当該ステップST255の処理の結果として得られる出力情報の一例を図29に示す。
【0210】
上記のように、解析対象データには「機器名」も含まれる。したがって、本実施の形態では、出力情報には、図16で例示した表の各項目(送受信時刻情報、監視制御項目名称、監視制御項目値)に加えて、当然「機器名」の項目が設けられる。
【0211】
また、図28に例示するデータパターンが指定されたときに、図29に例示する出力結果が、取得される。図29に示すように、図28のデータパターン表の構成が、出力情報として含まれている。つまり、図29の例では、「状態C」−「OPEN」の監視データの送受信の後に、「状態C」−「CLOSE」の監視データの送受信が行われる構成を含みつつ、当該両監視データの間に送受信される、監視・制御データも含まれる。
【0212】
また、図29の出力情報には、図25に示した監視制御機器間依存情報30を用いた解析結果が反映されている。つまり、監視制御サーバ1と端末機器2Lとの間で、「制御A」−「CLOSE」の制御データが送受信される前提として、監視制御サーバ1と端末機器2Pとの間で送受信された、「状態Z」−「ENABLE」の監視データが、図29の出力情報に含まれている。
【0213】
ステップST255が終了すると、取得された出力情報は、解析結果表示部15に送信される。解析結果表示部15は受信した出力情報を用いて、送受信シーケンスを作成し、当該作成した送受信シーケンスを視認可能に表示する。
【0214】
図30は、図29の出力情報を用いて、作成・表示される送受信シーケンスの様子を示す図である。
【0215】
図30に例示するように、本実施の形態で表示される送受信シーケンスは、実施の形態1で表示される送受信シーケンス(図17)に、複数の端末機器2の依存性情報も表示される。つまり、出力情報には機器名に関する情報が含まれ、監視制御機器間依存情報30の情報を用いた解析処理が行われているので、当該機器名と機器間依存情報を反映した送受信シーケンスが表示される。
【0216】
以上のように、本実施の形態に係る伝送データ表示システムでは、端末機器2を特定する情報を含めたデータパターンが指定できるとともに、監視制御機器間依存情報30をも用いて、メッセージデータ情報10からメッセージデータを選択している。そして、当該伝送データ表示システムでは、当該選択したメッセージデータから解析対象データを特定し、当該解析対象データを用いて、当該データパターンを満たす解析データのみを、送受信シーケンスとして表示している。
【0217】
したがって、実施の形態1で説明した効果に加えて、ユーザは複数の端末機器2と監視制御サーバ1との間でのメッセージデータのやり取りも容易に識別できる、という効果を、本実施の形態に係る伝送データ表示システムは、奏することができる。
【0218】
<実施の形態5>
上記実施の形態1に係る伝送データ表示システム100では、メッセージデータ情報10を対象に、一連のデータ抽出処理(実施の形態1の図8を用いた説明参照)を実施していた。
【0219】
これに対して、本実施の形態5に係る伝送データ表示システムでは、上記動作に加えて、監視制御データパターン解析部14が取得した出力情報(図16,20,29等参照)を対象に、一連のデータ抽出処理を実施することもできる。
【0220】
図31は、本実施の形態に係る監視制御伝送データ表示装置3Bの構成を示す、ブロック図である。
【0221】
図2と図31との比較から分かるように、本実施の形態に係る監視制御伝送データ表示装置3Bでは、解析結果一時情報(解析結果情報と把握できる)40が追加的に格納されている。当該解析結果一時情報40の格納以外の構成は、本実施の形態に係る監視制御伝送データ表示装置3Bと実施の形態1に係る監視制御伝送データ表示装置3とで同じである。
【0222】
本実施の形態に係る監視制御データパターン表示装置3Bでは、当該解析結果一時情報40を用いた、指定されたデータパターンを満たす送受信シーケンスを表示するための一連の処理も行うことができる。ここで、解析結果一時情報40は、過去において監視制御データパターン解析部14が出力した出力情報である。出力情報は、解析結果表示部15における送受信シーケンス表示の際に使用されるものである(図16,20,29等参照)。また、当該出力情報は、上述した解析対象データから成るので、解析結果一時情報40も解析対象データから成る。
【0223】
本実施の形態に係る監視制御データパターン解析部14は、取得した出力情報を一時的に解析結果一時情報40として保存し、次回のデータパターン解析の際には、当該保存した解析結果一時情報40を用いた上記一連の処理が実行できる。具体的には、以下の通りである。
【0224】
本実施の形態に係る監視制御データパターン解析部14は、図11に示した動作の代わりに、図32の動作を行う。ここで、図32のフローチャートは、図11のフローチャートにおけるステップST105の後に、ステップST306が追加された動作であることが分かる。したがって、当該ステップST306の追加以外は、図11の動作と図32の動作とは同じである。
【0225】
図32に示すように、本実施の形態に係る監視制御データパターン解析部14は、ステップST105の抽出データ解析処理により取得した出力情報を、解析結果一時情報40として保存する。
【0226】
その後、監視制御データパターン指定部16が、新たに、データパターンを指定したとする。このとき、当該新たに指定されたデータパターンを用いて、実施の形態1で説明した、送受信シーケンスが表示されるまでの一連の処理が実現される。
【0227】
ここで、実施の形態1では、図12におけるSTステップ110の送受信情報の抽出処理は、メッセージデータ情報10を対象に実施されていた。つまり、当該ST110では、メッセージデータ情報10において、データパターン表のデータパターン要素と同じメッセージデータまたは当該データパターン要素と依存関係にあるデータと同じメッセージデータが特定され、当該特定したメッセージデータを有する送受信情報が取得されていた。
【0228】
これに対して、新たにデータパターンが指定されたときに、監視制御データパターン表示装置3Bに対して、解析結果一時情報40を対象にしたデータの抽出処理の実施が選択されたとする。この場合には、本実施の形態では、図12に示す処理の代わりに、図33に示す処理が実施される。ここで、図33のステップST311,ST312の処理は、図12のステップST111,ST112の処理と同じである。
【0229】
本実施の形態では、図33のステップST310において、次の処理が実行される。
【0230】
監視制御データパターン解析部14は、新たに指定されたデータパターンで規定される開始時刻、終了時刻を指定する。さらに、新たに指定されたデータパターンのデータパターン要素を特定する「監視制御項目名称」および「監視制御項目値」、または、ステップST312で特定された「依存監視制御項目名称」および「依存監視制御項目値」を、監視制御データパターン解析部14は、指定条件として指定する。
【0231】
そして、監視制御データパターン解析部14は、前記で指定された開始時刻から終了時刻までの、解析結果一時情報40を構成する複数の解析対象データにおいて、上記指定条件と同じ解析対象データを取得する。
【0232】
上記図32,33で明示した動作の相違以外の他の全ての動作は、実施の形態1で説明した内容と同じである。したがって、本実施の形態に係る監視制御データパターン表示装置3Bは、新たに指定されたデータパターンに基づいて、解析結果一時情報40から所定の解析対象データを抽出し、当該抽出した解析対象データを時系列に配置させ、当該時系列的に配置された解析対象データから、前記データパターンと同じ構成を含む部分を、送受信シーケンスとして表示することもできる。
【0233】
以上のように、本実施の形態に係る伝送データ表示システムでは、前回の出力情報から、新たに設定されたデータパターンを満たす部分を新たな出力情報として取得し、当該取得した出力情報に基づいた、新たな送受信シーケンスの表示を行う。
【0234】
したがって、当該伝送データ表示システムは、実施の形態1の効果に加え、ユーザは必要な部分の送受信シーケンスを順次絞り込んでいくことができ、当該絞込みの結果、最終的な必要な部分の送受信シーケンスを容易に表示させることができる、という効果も奏する。
【0235】
なお、上記実施の形態1乃至5に係る発明は、各々、様々なバリエーションにて組み合わせ構成することもできる。
【符号の説明】
【0236】
1 監視制御サーバ、2 端末機器、3,3A,3B 監視制御伝送データ表示装置、10 メッセージデータ情報、11 メッセージデータ抽出部、12 監視データ・制御データ間依存情報、13 監視データ・制御データ信号構成情報、14 監視制御データパターン解析部、15 解析結果表示部、16 監視制御データパターン指定部、30 監視制御機器間依存情報、40 解析結果一時情報、100 伝送データ表示システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視制御システムにおいて送受信される、データの送受信シーケンスを表示する伝送データ表示装置であって、
前記送受信されたデータを、当該送受信の時刻と共に、メッセージデータとして格納しておく第一の格納手段と、
所定のデータが所定の順序で並ぶことにより構成されたデータパターンが入力されたとき、前記第一の格納手段から、前記所定のデータと同じ前記メッセージデータが有する、第一送受信時刻情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出した前記第一送受信時刻情報に、前記所定のデータに関する情報を加えた解析対象データを、前記第一送受信時刻情報に従って時系列に配置させ、当該配置された前記解析対象データから、前記データパターンと同じ構成を含む部分を、前記送受信シーケンスとして表示する解析・表示手段とを、
備える、
ことを特徴とする伝送データ表示装置。
【請求項2】
データ送受信の依存関係を示すデータ間依存情報を、格納しておく第二の格納手段を、
さらに備えており、
前記抽出手段は、
前記データ間依存情報を用いて、前記所定のデータの送受信の前提として送受信されるデータを特定し、当該特定された前記データと同じ前記メッセージデータが有する第二送受信時刻情報をも、前記第一の格納手段から抽出し、
前記解析・表示手段は、
前記抽出手段で抽出した前記第二送受信時刻情報に、前記特定された前記データに関する情報を加えたものも前記解析対象データとする、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ表示装置。
【請求項3】
前記データパターンには、
少なくとも一部の前記所定のデータ間において、所要時間を示す情報がパターン要素として含まれている、
ことを特徴とする請求項1に記載の伝送データ表示装置。
【請求項4】
前記データパターンにおいて、少なくとも一部の前記所定のデータに対して、所定の条件が付さているとき、前記抽出手段は、
前記所定の条件が付されている前記所定のデータに対して、前記所定の条件を加味することにより、条件加味データを特定し、当該特定された前記条件加味データと同じ前記メッセージデータが有する第三送受信時刻情報をも、前記第一の格納手段から抽出し、
前記解析・表示手段は、
前記抽出手段で抽出した前記第三送受信時刻情報に、前記特定された前記条件加味データに関する情報を加えたものも前記解析対象データとする、
ことを特徴とする請求項1に記載の伝送データ表示装置。
【請求項5】
前記監視制御システムにおいて、一方の端末機器で送受信されるデータと、他方の前記端末機器で送受信されるデータとの、依存関係を示す機器間依存情報を格納しておく、第三の格納手段を、
さらに備えており、
前記データパターンには、前記所定のデータを送受信する前記端末機器に関する機器名情報が含まれており、
前記抽出手段は、
前記機器間依存情報を用いて、前記機器名情報で特定される前記端末機器における前記所定のデータの送受信の前提として送受信されるデータを特定するとともに、当該特定されたデータを送受信する前記端末機器を特定し、前記特定された前記端末機器が送受信する、前記特定された前記データと同じ前記メッセージデータが有する第四送受信時刻情報をも、前記第一の格納手段から抽出し、
前記解析・表示手段は、
前記抽出手段で抽出した前記第四送受信時刻情報に、前記特定された前記データに関する情報を加えたものも前記解析対象データとする、
ことを特徴とする請求項1に記載の伝送データ表示装置。
【請求項6】
前記解析・表示手段において表示した過去の前記送受信シーケンスを示す出力情報を、解析結果情報として格納しておく、第四の格納手段を、
さらに備えており、
前記データパターンが入力されたとき、前記抽出手段は、
前記第四の格納手段から、前記所定のデータと同じ前記解析対象データを抽出し、
前記解析・表示手段は、
前記抽出手段で抽出した前記解析対象データを時系列に配置させ、当該配置された前記解析対象データから、前記データパターンと同じ構成を含む部分を、前記送受信シーケンスとして表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の伝送データ表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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