説明

伝送線路トランス及びこれを備える増幅ユニット

【課題】インピーダンス特性の調整操作の操作性を良好にする。
【解決手段】磁性体からなるコア材2と、伝送線路3と、を備える伝送線路トランス1である。コア材2は、伝送線路3が巻回された本体部4と、本体部4に対して当接したまま移動させる操作が可能な可動部5と、からなる。伝送線路トランス1は基板6上に設けられるものである。可動部5の少なくとも一部(例えば、頭部11)は、本体部4に対して基板6の反対側に位置する。可動部5は、可動部5の少なくとも一部(例えば、頭部11)に対する操作によって、本体部4に対し移動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送線路トランス及び増幅ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
広帯域(例えば、40MHz〜1GHz)の入力信号を増幅させる広帯域増幅器の入力側及び出力側には、広帯域にわたりインピーダンス整合が取れた伝送線路トランスが接続される。伝送線路トランスは、広帯域増幅器の内部増幅ユニット(電界効果トランジスタ)と外部伝送線路(ケーブルや他ユニット)とのインピーダンス整合を取ることを目的として、広帯域増幅器に接続される。
【0003】
図13及び図14は伝送線路トランスの一例を示す図である。このうち図13は正面図、図14は側面図である。図13及び図14に示す伝送線路トランス100は、コア材101と、このコア材101に巻回された伝送線路102と、コア材101が載置された台座103と、台座103に設けられた端子104と、を備えて構成されている。コア材101は、磁性体からなる。図13及び図14には、メガネのような形状のコア材101を例示している。伝送線路102は、バイファイラ(2本の組み合わせ線)もしくはトリファイラ(3本の組み合わせ線)である。伝送線路102の端部は端子104にからげて半田付けされている。この端子104は増幅ユニットの出力トランスとして機能する。このような伝送線路トランス100は、回路基板105上に搭載して用いられる。
【0004】
このような伝送線路トランス100は、所望の特性インピーダンスに応じて伝送線路102の構造(経路など)を変化させることにより、容易に、小型で特性インピーダンスが高いものとすることができる。すなわち、特性が揃った伝送線路トランスを調整の必要なく得ることができる。ひいては、このような伝送線路トランスを増幅ユニットの回路基板上に実装した際にも、その増幅ユニットの均一な特性が得られる。
【0005】
図13及び図14に示すのと同様の、メガネ型のコア材を有する伝送線路トランスは、特許文献1に開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、周囲にコイルが巻回された樹脂製のボビンと、このボビンの周囲を囲むように配置された外部磁性部材と、ボビン内に螺入された内部磁性部材と、を備えるインダクタンス可変型コイル装置が開示されている。特許文献2には、外部磁性部材、ボビン(該文献中の「コイル部材4」)、及び、内部磁性部材のうちの少なくとも1つを移動させることにより、コイル装置のインダクタンスを変化させることができる、と記載されている。
【0007】
また、特許文献3には、横方向に延在する上下一対の横方向コアと、上下方向に延在するとともにそれぞれコイルが巻回された左右一対の縦方向コアと、を備える可変インダクタンス機器が開示されている。この可変インダクタンス機器においては、縦方向コアの上端面は上側の横方向コアの下面に、縦方向コアの下端面は下側の横方向コアの上面に、それぞれ当接したことにより、これら4つの部分のコアが総体としてループ状のコアを構成している。特許文献3には、コイルが巻回された左右一対の縦方向コアの間隔を調節することにより、可変インダクタンス機器のインダクタンスを変化させることができる、と記載されている。
【特許文献1】特開平10−116733号公報
【特許文献2】特開平5−315146号公報
【特許文献3】特開平11−238626号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、所望の特性インピーダンスに応じて伝送線路の構造を変化させることにより、伝送線路トランスのインピーダンス特性を調節することができるものの、実際には、次のような課題がある。
【0009】
広帯域増幅器の内部増幅ユニットや回路基板上の部品、さらには伝送線路トランス自体の特性バラツキに起因して、増幅ユニット自体でインピーダンスの不整合が生じることがある。
【0010】
伝送線路トランスは、コア材の構造、伝送線路の構造、伝送線路の巻回の仕方を変更することにより、インピーダンス変換比を理想値に近いものとすることができる。しかし、量産する場合、材料の変動や、組立工程でのバラツキ(伝送線路の巻き位置、巻回強度など)の影響により、出来上がった伝送線路トランスのインピーダンス変換比は必ずしも同一にはならない。また、特許文献1のような伝送線路トランス(図13、図14)は、一旦製造された後ではインピーダンス特性の調整を行うことができない。
【0011】
このため、増幅ユニットの回路基板に実装した際、周辺部品とのマッチング差により、広帯域増幅器の特性(特に入力・出力リターンロス特性)に大きなバラツキが生じてしまう事となる。このように、インピーダンスの不整合が生じてしまうと、反射波の発生や反射波発生に伴う伝送効率の低下を引き起こすことがある。そのため伝送線路トランス(回路基板に実装された状態の伝送線路トランス)自体のインピーダンス特性を調節できることが望まれる。
【0012】
なお、特許文献2の技術では、コイル装置のインダクタンスが可変であるため、インダクタンスの変化に伴いインピーダンスも変化することが考えられる。しかしながら、特許文献2では、以下に説明するように、インダクタンスを変化させるための操作性、及び、コイル装置の配置(レイアウト)の自由度に課題があった。
【0013】
先ず、ボビンに螺入された内部磁性部材を回転させることによってその軸方向に移動させる操作は、六角レンチなどの工具を用いてコイル装置の側方から行う。しかし、コイル装置が基板上に固定されている場合であって、コイル装置の寸法が小さい場合には、操作する手が基板と干渉し操作が困難であるという課題があった。しかも、コイル装置の側方に操作用のスペースを空けておく必要があり、基板上におけるこのスペースに他の機器を配置することができないという課題があった。つまり、操作性及びレイアウトの自由度に関して課題があった。
【0014】
なお、特許文献2における外部磁性部材、及びボビン(該文献中の「コイル部材4」)については、移動手法の説明が無く、どのように移動させれば良いのかが不明である。よって、外部磁性部材、及びボビンの移動操作性の善し悪しについては判断が不可能である。
【0015】
また、特許文献3には、縦方向コアをどのように移動させればよいのかについての説明がない。また、そもそも、縦方向コアと横方向コアとがどのように接続されているのかについても説明がない。このため、縦方向コアの操作性についての判断が不可能である。
【0016】
このように、特許文献2,3の技術では、インピーダンス特性を調節するための操作性に課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、磁性体からなるコア材と、伝送線路と、を備える伝送線路トランスにおいて、前記コア材は、前記伝送線路が巻回された本体部と、前記本体部に対して当接したまま移動させる操作が可能な可動部と、からなり、当該伝送線路トランスは基板上に設けられるものであり、前記可動部の少なくとも一部は、前記本体部に対して前記基板の反対側に位置し、前記可動部は、前記少なくとも一部に対する操作によって、前記本体部に対し移動されることを特徴とする伝送線路トランスを提供する。
【0018】
この伝送線路トランスによれば、可動部を本体部に対して移動させることにより、インピーダンス特性を調節することができる。
【0019】
また、可動部の少なくとも一部は、本体部に対して基板の反対側に位置し、可動部は、少なくとも一部に対する操作によって、本体部に対し移動されるので、可動部の操作性、すなわちインピーダンス特性の調整操作の操作性を良好なものとすることができる。なぜなら、操作を行う手が基板と干渉しないようにできるからである。
【0020】
しかも、基板上における伝送線路トランスのレイアウトの自由度を向上することができる。なぜなら、本体部に対して基板の反対側に位置する部分に対する操作によって可動部を移動できるため、伝送線路トランスの側方に調整操作用のスペースを空けておく必要がないからである。
【0021】
また、本発明は、磁性体からなるコア材と、伝送線路と、を備える伝送線路トランスにおいて、前記コア材は、前記伝送線路が巻回された本体部と、前記本体部に対して当接したまま移動させる操作が可能な可動部と、からなり、前記可動部は、前記本体部に形成された案内路内に配置され、押し込み操作により前記案内路に沿って移動可能であることを特徴とする伝送線路トランスを提供する。
【0022】
この伝送線路トランスによれば、可動部を本体部に対して移動させることにより、インピーダンス特性を調節することができる。
【0023】
また、可動部は、本体部に形成された案内路内に配置され、押し込み操作という単純な操作によって案内路に沿って移動可能であるため、可動部の操作性、すなわちインピーダンス特性の調整操作の操作性を良好なものとすることができる。
【0024】
また、本発明は、磁性体からなるコア材と、伝送線路と、を備える伝送線路トランスにおいて、前記コア材は、前記伝送線路が巻回された本体部と、前記本体部に対して当接したまま移動させる操作が可能な可動部と、からなり、当該伝送線路トランスは基板上に設けられるものであり、前記可動部は当該伝送線路トランスを基準として前記基板とは反対側から移動操作が可能な位置に設けられていることを特徴とする伝送線路トランスを提供する。
【0025】
この伝送線路トランスによれば、可動部を本体部に対して移動させることにより、インピーダンス特性を調節することができる。
【0026】
また、可動部は伝送線路トランスを基準として基板とは反対側から移動操作が可能な位置に設けられているので、可動部の操作性、すなわちインピーダンス特性の調整操作の操作性を良好なものとすることができる。なぜなら、操作を行う手が基板と干渉しないようにできるからである。
【0027】
しかも、基板上における伝送線路トランスのレイアウトの自由度を向上することができる。なぜなら、基板とは反対側から可動部の移動操作が可能であるため、伝送線路トランスの側方に調整操作用のスペースを空けておく必要がないからである。
【0028】
また、本発明は、本発明の伝送線路トランスと、前記伝送線路トランスに接続された広帯域増幅器と、を備えることを特徴とする増幅ユニットを提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、インピーダンス特性の調整操作の操作性を良好なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0031】
〔第1の実施形態〕
図1乃至図4は第1の実施形態に係る伝送線路トランス1を示す図であり、このうち図1は正面図、図2は側面図、図3は背面図、図4は平面図である。図5は伝送線路トランス1が備えるコア材2の可動部5を示す正面図である。図6は伝送線路トランス1の等価回路図である。図7は第1の実施形態に係る増幅ユニット20の構成を示すブロック図である。この伝送線路トランス1は、磁性体からなるコア材2と、伝送線路3と、を備える。コア材2は、伝送線路3が巻回された本体部4と、本体部4に対して当接したまま移動させる操作が可能な可動部5と、からなる。この伝送線路トランス1は基板(回路基板6)上に設けられるものである。可動部5の少なくとも一部(例えば、頭部11)は、本体部4に対して基板(回路基板6)の反対側に位置する。そして、可動部5は、前記少なくとも一部(例えば、頭部11)に対する操作によって、本体部4に対し移動される。また、この増幅ユニット20は、伝送線路トランス1と、伝送線路トランス1に接続された広帯域増幅器30と、を備える。以下、詳細に説明する。
【0032】
先ず、伝送線路トランス1の構成を説明する。
【0033】
図1乃至図4に示すように、伝送線路トランス1は、磁性体からなるコア材2と、このコア材2に巻回された伝送線路3と、コア材2が載置された台座7と、台座7に設けられた端子P10、P20、P30、P40、P50と、を備えて構成されている。このような伝送線路トランス1は、図1に示すように回路基板(基板)6上に設けられている。なお、伝送線路トランス1は、例えば、回路基板6に接着されている。
【0034】
コア材2は、伝送線路3が巻回された本体部4と、この本体部4に対して当接したまま移動させる操作が可能な可動部5と、からなる。
【0035】
本体部4は、例えば、図1に示すようにメガネ型の形状のものであり、左右一対の開口9a、9bがそれぞれ本体部4を前後に貫通するように形成されている。本体部4の上面及び下面は、例えば、それぞれ平坦、かつ互いに平行に形成されている。また、本体部4の前面及び背面も、例えば、それぞれ平坦、かつ互いに平行に形成されている。しかも、前面及び背面は、上面及び下面に対してそれぞれ垂直に形成されている。また、本体部4の左右両側面は、それぞれ外方に膨出する円弧状に形成されている。
【0036】
伝送線路3としては、例えば、バイファイラ(2本の組み合わせ線)もしくはトリファイラ(3本の組み合わせ線)を用いる。本実施形態では、例えば、伝送線路3がバイファイラであるものとする。
【0037】
伝送線路トランス1は、例えば、広帯域増幅器30の出力側に接続されて、増幅ユニット20の出力トランスとして機能する。このような伝送線路トランス1は、広帯域増幅器30の出力端子OUT1、OUT2側に配置される平衡側と、出力側伝送線路(図示略)に接続される不平衡側とを備える。端子P10、P20、P30、P40、P50のうち、端子P10、P20、P30は平衡側に配置される入力端子であり、端子P40、P50は不平衡側に配置される出力端子である。
【0038】
ここで、伝送線路3のうち、端子P10とP50との間の接続線を第1の信号線、端子P20とP40との間の接続線を第2の信号線と称し、これら第1及び第2の信号線の総体を第1の伝送線路L1と称する。他方、端子P20とP50との間の接続線を第3の信号線、端子P30とP40との間の接続線を第4の信号線と称し、これら第3及び第4の信号線の総体を第2の伝送線路L2と称する(図6)。
【0039】
第1及び第2の信号線によって構成される第1の伝送線路L1(図6)、及び、第3及び第4の信号線によって構成される第2の伝送線路L2(図6)は、それぞれバイファイラ(2芯平行線)によって構成されている。第1の伝送線路L1を形成する第1の信号線は、一端が入力端子P10に絡められ且つ半田付けにより該入力端子P10に接続され、他端は本体部4の開口9aを通過した後、出力端子P50に絡められ且つ半田付けにより該出力端子P50に接続されている。また、第2の信号線は、一端が入力端子P20に絡められ且つ半田付けにより該入力端子P20に接続され、他端は本体部4の開口9bを通過した後、出力端子P40に絡められ且つ半田付けにより該出力端子P40に接続されている。なお、第1の信号線は開口9aを例えば3回通過するように本体部4に巻回され、第2の信号線は開口9bを例えば3回通過するように本体部4に巻回されている。
【0040】
更に、第2の伝送線路L2を形成する第3の信号線は、一端が入力端子P20に絡められ且つ半田付けにより該入力端子P20に接続され、他端は開口9aを通過した後、出力端子P50に絡められ且つ半田付けにより該出力端子P50に接続されている。また、第4の信号線は、一端が入力端子P30に絡められ且つ半田付けにより該入力端子P30に接続され、他端は開口9bを通過した後、出力端子P40に絡められ且つ半田付けにより該出力端子P40に接続されている。なお、第3の信号線は開口9aを例えば3回通過するように本体部4に巻回され、第4の信号線は開口9bを例えば3回通過するように本体部4に巻回されている。このように、例えば、第1及び第3の信号線が本体部4の開口9aを通過し、第2及び第4の信号線が本体部4の開口9bを通過している。
【0041】
なお、伝送線路3は、本体部4の上面を避けて巻回されている。また、本体部4の上面にはその他の異物も位置しないようにする。これにより、コア材2の上面において、可動部5の配置領域以外の部分は平坦とされている。これらにより、伝送線路トランス1は、自動搭載機を用いて回路基板6上に自動搭載しやすい形状となっている。
【0042】
本実施形態の場合、可動部5は、例えば、図5に示すように、ボルト型に形成されている。すなわち、可動部5は、例えば、本体部4に螺入することが可能な雄ねじ部10と、この雄ねじ部10よりも大径の頭部11と、を備えて構成されている。
【0043】
一方、本体部4には、雌ねじ部12が、該本体部4の上面に開口して形成されている。なお、雌ねじ部12は、例えば、図1及び図2に示すように、本体部4の上端から下端まで貫通していても良いし、下端までは達しない深さに形成しても良い。
【0044】
本体部4の雌ねじ部12には、可動部5の雄ねじ部10が螺入されている。従って、本体部4に対する可動部5の螺入量を調節することによって、本体部4に対する可動部5の位置を調節できるようになっている。このように可動部5の位置を調節することにより、伝送線路トランス1のインピーダンス特性を調節することができるようになっている。
【0045】
なお、雌ねじ部12は、例えば、その軸方向が回路基板6に対して垂直となるように形成されている。このため、本体部4に対する可動部5の螺入量を調節することにより、可動部5は回路基板6に対して垂直な方向に移動する。
【0046】
可動部5の頭部11には、例えば、ドライバーなどの工具により可動部5を回転操作することが可能な切り込みが形成されている。すなわち、頭部11は、本体部4に対する可動部5の位置を調節するための調節操作部として機能する。また、この調節操作部としての頭部11は、図1及び図2に示すように、可動部5において回路基板6とは反対側の端部に配置されている。しかも、調節操作部としての頭部11は、回路基板6とは反対側に向けて本体部4から突出している。換言すれば、頭部11は、本体部4に対して回路基板6の反対側に位置する。このため、可動部5の位置を移動させる操作を、伝送線路トランス1を基準として回路基板6とは反対側から行うことができる。
【0047】
また、可動部5は、コア材2において、伝送線路3の巻回経路を避けた部位を構成している。このように、可動部5は伝送線路3の巻回経路を避けて配置されているため、伝送線路3が可動部5の移動操作を妨げないようにできるとともに、可動部5の移動に伴って伝送線路3の経路まで変わってしまうという問題の発生も抑制できる。
【0048】
コア材2の材質及び特性について一例を説明すると、コア材2は、例えば、鉄を主成分とし、ニッケル、亜鉛、銅を含む合金であり、透磁率約290に設定されている。
【0049】
なお、本実施形態に係る伝送線路トランス1は、可動部5を備える点と、この可動部5が螺入される雌ねじ部12を有する点で、特許文献1の伝送線路トランスと相違し、その他の点では特許文献1の伝送線路トランスと同様に構成されている。
【0050】
次に、伝送線路トランス1を備える増幅ユニット20の構成を説明する。
【0051】
図7に示すように、増幅ユニット20は、伝送線路トランス1と、この伝送線路トランス1に接続された広帯域増幅器30と、を備える。
【0052】
広帯域増幅器12は、第1入力端子IN1及び第2入力端子IN2と、電源端子Vccと、第1出力端子OUT1及び第2出力端子OUT2と、を備えている。このうち第1出力端子OUT1には伝送線路トランス1の端子P10が、第2出力端子OUT2には伝送線路トランス1の端子P30が、電源端子Vccには伝送線路トランス1の端子P20が、それぞれ接続されている。
【0053】
また、第1入力端子IN1及び第2入力端子IN2は、入力側の伝送線路トランス(図示略)を介して、同軸線路などの不平衡線路によって構成された入力側伝送線路(図示略)へと接続されている。また、伝送線路トランス1の端子P40及びP50は、同軸線路などの不平衡線路によって構成された出力側伝送線路(図示略)へと接続されている。
【0054】
次に、動作を説明する。
【0055】
伝送線路トランス1のインピーダンス特性を調節するには、本体部4に対する可動部5の螺入量を調節する。具体的な操作は、例えばドライバーなどの工具を用いて行うことができる。なお、図1及び図3は図2よりも可動部5を深く螺入した状態を示す。
【0056】
ここで、可動部5の螺入量の調節操作は、伝送線路トランス1を基準として、回路基板6に対して反対側から行うことができる。このため、操作を行う手が回路基板6と干渉したりしないようにできる。なお、伝送線路トランス1の側方に、操作用のスペースを空けておく必要もない。
【0057】
このように本体部4に対する可動部5の位置を調節することにより、本体部4と可動部5との間に生じる付加容量が変化するとともに、コア材2周辺の磁界が変化する。これらの変化に伴い、伝送線路トランス1のインピーダンス特性を(例えば、数オーム程度)変化させることができる。つまり、伝送線路トランス1のインピーダンス特性を調節することが可能である。
【0058】
このように伝送線路トランス1のインピーダンス特性を調節することにより、伝送線路トランス1を備える増幅ユニット20の反射特性を改善することができる。なお、増幅ユニット20の反射特性は、該増幅ユニット20が備える能動素子やチップ部品の特性ばらつきにより少なからず影響を受けるものの、伝送線路トランス1のインピーダンス特性を調節することによって、これらの影響も軽減されるよう反射特性を改善できる。つまり、伝送線路トランス1自体の特性ばらつきのみならず、他の素子の特性ばらつきによる悪影響も軽減することができる。
【0059】
以上のような第1の実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
先ず、可動部5を本体部4に対して移動させることにより、伝送線路トランス1のインピーダンス特性を所望の値に調節することができる。
【0060】
また、可動部5は、本体部4に対して回路基板6の反対側に位置する頭部11に対する操作によって本体部4に対し移動されるので、可動部5の操作性、すなわちインピーダンス特性の調整操作の操作性を良好なものとすることができる。なぜなら、操作を行う手が回路基板6と干渉しないようにできるからである。
【0061】
しかも、回路基板6上における伝送線路トランス1のレイアウトの自由度を向上することができる。なぜなら、頭部11に対する操作によって可動部5を移動できるため、伝送線路トランス1の側方に調整操作用のスペースを空けておく必要がないからである。
【0062】
また、可動部5は、コア材2において、伝送線路3の巻回経路を避けた部位を構成しているため、伝送線路3が可動部5の移動の邪魔とならず、該可動部5の操作性を一層良好にすることができる。しかも、可動部5の移動に伴って伝送線路3の経路まで変わってしまうという問題の発生も抑制できる。
【0063】
なお、特許文献3の技術では、コイルが巻回された縦方向コアを移動させるため、縦方向コアに巻回されたコイルの少なくとも一端は、その移動量を許容できるように、自由な状態にしておく必要がある。しかも、このようにコイルの一端が自由な状態であることから、縦方向コアを同じ位置に移動させても、コイルの一端が再現性良く同じ位置に移動するとは限らない。このため、縦方向コアを同じ位置に移動させた場合であっても、同じインダクタンス特性を再現することが困難であるという課題がある。これに対し、本実施形態の伝送線路トランス1においては、可動部5は、コア材2において、伝送線路3の巻回経路を避けた部位を構成しているため、このような課題は生じないようにできる。
【0064】
また、可動部5は、本体部4に螺入されており、その螺入量を調節することによって本体部4に対する位置を調節できるようになっているため、個々の伝送線路トランス1においては、可動部5の螺入量とインピーダンス特性との対応を一義的なものとすることができる。つまり、螺入量を同じにすれば、再現性良く、同じインピーダンス特性に設定することができる。
【0065】
また、可動部5は、本体部4に対する位置を調節するための調節操作部としての頭部11を、当該可動部5において回路基板6とは反対側の端部に備えるので、可動部5の操作性、すなわちインピーダンス特性の調整操作の操作性を一層良好にできる。
【0066】
なお、特許文献2では、外部磁性部材と内部磁性部材とが離間した構造であるため、コイル装置を大量生産するに際し、外部磁性部材と内部磁性部材との間隔を再現性良く製造することが困難である。このため、製品毎に外部磁性部材と内部磁性部材との間隔がばらつくことに起因して、コイル装置自体の特性も製品毎にばらついてしまうという課題が考えられる。これに対し、本実施形態の伝送線路トランス1においては、可動部5は本体部4に対して当接したまま移動できるようになっている。このため、可動部5と本体部4との間に間隔がないため、このような課題は生じないようにできる。
【0067】
〔第2の実施形態〕
図8及び図9は第2の実施形態に係る伝送線路トランス1の構成を示す図であり、このうち図8は正面図、図9は側面図である。
【0068】
第2の実施形態に係る伝送線路トランス1は、コア材2の構成のみが上記の第1の実施形態に係る伝送線路トランス1と相違し、その他の点は上記の第1の実施形態に係る伝送線路トランス1と同様に構成されている。
【0069】
図8及び図9に示すように、本実施形態の場合、本体部4には、可動部5を案内する案内路41が形成されている。そして、可動部5は、その案内路41内に配置され、押し込み操作により案内路41に沿って移動可能とされている。
【0070】
案内路41は、例えば、図8及び図9に示すように、本体部4の前面から背面に亘って延在するように形成されている。従って、可動部5は、押し込み操作によって、本体部4の前後方向に移動されるようになっている。
【0071】
本実施形態の場合、可動部5は、例えば、直方体形状に形成されている。また、案内路41は、可動部5が当接したまま案内できるような、長尺な直方体形状の溝(図8及び図9において下側に向けて開口した溝)として形成されている。
【0072】
可動部5における回路基板6側の面42は、本体部4における回路基板6側の面43と面一に配置されている。
【0073】
可動部5の面42には、可動部台座45が、可動部5と一体に設けられている。可動部台座45は、可動部5の面42に固定された小径部46と、この小径部46の回路基板6側に位置する大径部47と、を一体に備えている。このうち小径部46は、図8及び図9に示すように、左右方向及び前後方向の径が可動部5と同一に設定され、可動部5の面42へ接合されている。また、大径部47は、図8及び図9に示すように、左右方向及び前後方向の径が可動部5よりも大きく設定されている。なお、可動部台座45の小径部46及び大径部47は、それぞれ直方体形状に形成されている。また、台座(本体部台座)7には、可動部台座45を前後に案内可能な台座案内路48が、該台座7の前面から背面に亘って延在するように形成されている。
【0074】
可動部5は、可動部台座45に対する押し込み操作に伴い移動させることができるが、特に、大径部47を押し込み操作することにより、一層容易に可動部5を移動させることができる。なぜなら、コア材2は、例えば、高さが3mm程度の極小さいものであるため、更にそのコア材2の一部である可動部5を操作するのは容易ではない。そこで、可動部5よりも大径の大径部47に対する押し込み操作に伴わせて可動部5を移動できるようにしたことにより、可動部5の移動を容易に行うことができる。
【0075】
なお、可動部台座45(或いは可動部5)の押し込み操作は、例えば、L字状に屈折した棒状の治具を用いることにより、好適に行うことができる。このような治具の屈折した先端部で可動部台座45(或いは可動部5)を突くことにより、可動部5を移動させる操作を、伝送線路トランス1を基準として回路基板6とは反対側から好適に行うことができる。つまり、可動部5は伝送線路トランス1を基準として回路基板6とは反対側から移動操作が可能な位置に設けられていると言える。
【0076】
本実施形態の場合、雌ねじ部12は、必要ないため本体部4に形成されていない。
【0077】
以上のような第2の実施形態によれば、可動部5は、本体部4に形成された案内路41内に配置され、押し込み操作により案内路41に沿って移動可能であるため、可動部5を本体部4に対して移動させることにより、伝送線路トランス1のインピーダンス特性を所望の値に調節することができる。しかも、個々の伝送線路トランス1においては、可動部5の位置とインピーダンス特性との対応を一義的なものとすることができる。つまり、可動部5の位置を同じにすれば、再現性良く、同じインピーダンス特性に設定することができる。
【0078】
また、可動部5は伝送線路トランス1を基準として回路基板6とは反対側から移動操作が可能な位置に設けられているので、可動部5の操作性、すなわちインピーダンス特性の調整操作の操作性を良好なものとすることができるとともに、回路基板6上における伝送線路トランス1のレイアウトの自由度を向上することができる。
【0079】
また、可動部5は、コア材2において、伝送線路3の巻回経路を避けた部位を構成しているため、該可動部5の操作性を一層良好にすることができるとともに、可動部5の移動に伴って伝送線路3の経路まで変わってしまうという問題の発生も抑制できる。
【0080】
また、可動部5における回路基板6側の面には、可動部5よりも大径の部分を有する可動部台座45が一体に設けられている。具体的には、例えば、可動部台座45は、可動部5と同径で該可動部5に接合された小径部46と、小径部46よりも大径の大径部47と、を有する構成とされている。このため、可動部台座45(特に大径部47)に対する押し込み操作に伴わせて可動部5を好適に移動させることができる。
【0081】
また、本体部4における回路基板6側の面には台座(本体部台座)7が一体に設けられ、可動部台座45は、台座7に形成された台座案内路48内に配置され、該台座案内路48に沿って移動可能であるため、可動部台座45をスムーズに移動させることができる。
【0082】
また、本実施形態の場合、コア材2の上面が全体に亘って平坦であるため、自動搭載機を用いた自動搭載を、上記の第1の実施形態の場合よりも好適に行うことができる。
【0083】
また、本実施形態の場合、本体部4に雌ねじ部12を形成する必要がないため、コア材2の加工が上記の第1の実施形態よりも容易である。
【0084】
〔第3の実施形態〕
図10及び図11は第3の実施形態に係る伝送線路トランス1の構成を示す図であり、このうち図10は正面図、図11は側面図である。
【0085】
第3の実施形態に係る伝送線路トランス1は、コア材2の構成のみが上記の第1の実施形態に係る伝送線路トランス1と相違し、その他の点は上記の第1の実施形態に係る伝送線路トランス1と同様に構成されている。
【0086】
図10及び図11に示すように、本実施形態の場合、可動部5は、本体部4の上面に沿って移動可能となるよう該本体部4上に載置されている。具体的には、可動部5は、例えば、図10及び図11に示すように、図13のコア材101の上部を水平に切断したような形であり、本体部4はその残りの部分の形である。よって、可動部5の全体が、本体部4に対して回路基板6の反対側に位置している。
【0087】
このため、可動部5は、本体部4の上面に沿って、任意の方向に移動させることが可能となっている。つまり、可動部5を押したり引いたりすることにより、該可動部5を本体部4に対して容易に移動させることができる。
【0088】
なお、本実施形態の場合、雌ねじ部12は、必要ないため本体部4に形成されていない。
【0089】
以上のような第3の実施形態によれば、可動部5は、本体部4の上面に沿って移動可能となるよう該本体部4上に載置されているため、可動部5を本体部4に対して移動させることにより、伝送線路トランス1のインピーダンス特性を所望の値に調節することができる。しかも、個々の伝送線路トランス1においては、可動部5の位置とインピーダンス特性との対応を一義的なものとすることができる。つまり、可動部5の位置を同じにすれば、再現性良く、同じインピーダンス特性に設定することができる。
【0090】
また、図10及び図11に示すように、可動部5の全体が、本体部4に対して回路基板6の反対側に位置し、可動部5に対する操作によって、該可動部5を本体部4に対し容易に移動させることができる。換言すれば、可動部5は伝送線路トランス1を基準として回路基板6とは反対側から移動操作が可能な位置に設けられている。よって、可動部5の操作性、すなわちインピーダンス特性の調整操作の操作性を良好なものとすることができるとともに、回路基板6上における伝送線路トランス1のレイアウトの自由度を向上することができる。
【0091】
また、図10及び図11に示すように、可動部5は、コア材2において、伝送線路3の巻回経路を避けた部位を構成しているため、該可動部5の操作性を一層良好にすることができるとともに、可動部5の移動に伴って伝送線路3の経路まで変わってしまうという問題の発生も抑制できる。
【0092】
また、本実施形態の場合、コア材2の上面が全体に亘って平坦であるため、自動搭載機を用いた自動搭載を、上記の第1の実施形態の場合よりも好適に行うことができる。
【0093】
また、本実施形態の場合、本体部4に雌ねじ部12を形成する必要がないため、コア材2の加工が上記の第1の実施形態よりも容易である。
【0094】
ここで、第3の実施形態の場合において、実際に伝送線路トランス1の反射特性の変化を評価した結果を図12に示す。評価は、本体部4の位置を固定し、可動部5を前後(開口9a、9bの中心軸方向)に移動させて行った。また、コア材2の寸法は、前後幅W(図11)を例えば3.0mm、高さH(図11)も例えば3.0mmとした。可動部5の移動量は、0mm(移動なし)、0.5mm、1.0mm、1.5mm、3.0mm(つまり可動部5なし)の5条件である。
【0095】
図12に示すように、図6の回路図における平衡側の端子間のインピーダンス値Zin1及びZin2を例えばそれぞれ150Ωとした場合の、不平衡側の端子間の反射特性Zout0(インピーダンス値75Ω)の反射特性は、主に低周波帯域(〜500MHz)において可動部5の位置に応じて変動する。つまり、コア材2の形状の変化が伝送線路トランス1の特性に強く影響を及ぼす領域は、おおよそ500MHz以下の周波数であると考えられる。逆に500MHzを超えて高周波領域に入ると、コア材2よりも伝送線路3の形状、太さ、長さ、被覆の厚さ、線同士の相対位置、回路基板6との相対位置などによって、特性が容易に変化するため、コア材2の特性が変化しても、インピーダンスはほとんど変化しないと考えられる。
【0096】
なお、上記の第1の実施形態では、可動部5の頭部11が本体部4から突出しない構成としても良く、雌ねじ部12内に頭部11も螺入される構造としても良い。この場合、自動搭載機を用いた自動搭載を一層行いやすくなる。なお、この場合も、可動部5は伝送線路トランス1を基準として回路基板6とは反対側から移動操作が可能である。
【0097】
また、第3の実施形態では、可動部5が一方向にのみ移動可能となるように、本体部4によって可動部5を案内させるようにしても良い。例えば、本体部4に溝を形成し、可動部5にはこの溝にかみ合うような凸部を形成すれば、本体部4によって可動部5を案内できる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】第1の実施形態に係る伝送線路トランスの正面図である。
【図2】第1の実施形態に係る伝送線路トランスの側面図である。
【図3】第1の実施形態に係る伝送線路トランスの背面図である。
【図4】第1の実施形態に係る伝送線路トランスの平面図である。
【図5】第1の実施形態に係る伝送線路トランスが備えるコア材の可動部を示す正面図である。
【図6】第1の実施形態に係る伝送線路トランスの等価回路図である。
【図7】第1の実施形態に係る増幅ユニットの構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施形態に係る伝送線路トランスの正面図である。
【図9】第2の実施形態に係る伝送線路トランスの側面図である。
【図10】第3の実施形態に係る伝送線路トランスの正面図である。
【図11】第3の実施形態に係る伝送線路トランスの側面図である。
【図12】第3の実施形態に係る伝送線路トランスによる効果を示す図である。
【図13】特許文献1の伝送線路トランスを示す正面図である。
【図14】特許文献1の伝送線路トランスを示す側面図である。
【符号の説明】
【0099】
1 伝送線路トランス
2 コア材
3 伝送線路
4 本体部
5 可動部
6 基板
7 台座(本体部台座)
11 頭部(可動部の少なくとも一部、調節操作部)
20 増幅ユニット
30 広帯域増幅器
41 案内路
45 可動部台座
46 小径部
47 大径部
48 台座案内路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体からなるコア材と、
伝送線路と、
を備える伝送線路トランスにおいて、
前記コア材は、
前記伝送線路が巻回された本体部と、
前記本体部に対して当接したまま移動させる操作が可能な可動部と、
からなり、
当該伝送線路トランスは基板上に設けられるものであり、
前記可動部の少なくとも一部は、前記本体部に対して前記基板の反対側に位置し、
前記可動部は、前記少なくとも一部に対する操作によって、前記本体部に対し移動されることを特徴とする伝送線路トランス。
【請求項2】
前記可動部は、前記本体部に螺入されており、その螺入量を調節することによって前記本体部に対する位置が調節されることを特徴とする請求項1に記載の伝送線路トランス。
【請求項3】
前記可動部は、前記本体部に対する位置を調節するための調節操作部を、当該可動部において前記基板とは反対側の端部に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の伝送線路トランス。
【請求項4】
前記可動部は、前記本体部の上面に沿って移動可能となるよう該本体部上に載置されていることを特徴とする請求項1に記載の伝送線路トランス。
【請求項5】
磁性体からなるコア材と、
伝送線路と、
を備える伝送線路トランスにおいて、
前記コア材は、
前記伝送線路が巻回された本体部と、
前記本体部に対して当接したまま移動させる操作が可能な可動部と、
からなり、
前記可動部は、前記本体部に形成された案内路内に配置され、押し込み操作により前記案内路に沿って移動可能であることを特徴とする伝送線路トランス。
【請求項6】
当該伝送線路トランスは基板上に設けられるものであり、
前記可動部における前記基板側の面には、該可動部よりも大径の部分を有する可動部台座が、該可動部と一体に設けられ、
前記可動部は、前記可動部台座に対する押し込み操作に伴って移動されることを特徴とする請求項5に記載の伝送線路トランス。
【請求項7】
前記本体部における前記基板側の面には本体部台座が該本体部と一体に設けられ、
前記可動部台座は、前記本体部台座に形成された台座案内路内に配置され、該台座案内路に沿って移動可能であることを特徴とする請求項6に記載の伝送線路トランス。
【請求項8】
前記可動部台座は、前記可動部と同径で該可動部に接合された小径部と、前記小径部よりも大径の大径部と、を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の伝送線路トランス。
【請求項9】
磁性体からなるコア材と、
伝送線路と、
を備える伝送線路トランスにおいて、
前記コア材は、
前記伝送線路が巻回された本体部と、
前記本体部に対して当接したまま移動させる操作が可能な可動部と、
からなり、
当該伝送線路トランスは基板上に設けられるものであり、前記可動部は当該伝送線路トランスを基準として前記基板とは反対側から移動操作が可能な位置に設けられていることを特徴とする伝送線路トランス。
【請求項10】
前記可動部は、前記コア材において前記伝送線路の巻回経路を避けた部位を構成することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の伝送線路トランス。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の伝送線路トランスと、
前記伝送線路トランスに接続された広帯域増幅器と、
を備えることを特徴とする増幅ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−135393(P2010−135393A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307551(P2008−307551)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】