説明

伸縮アンテナ

【要 約】
【課題】 収納時に筐体の空きスペースに制限された長さとしても、伸張した際に従来より長くする。
【解決手段】 筐体に取り付けられるホルダー14に対して、パイプ部15は摺動可能とされ、このパイプ部15に対してアンテナ基部13は伸縮可能とされている。アンテナ基部13の先端部の挟持部13aにはエレメントを構成する第2エレメント12の下端に形成されている挟持片12aが傾動可能に挟持されている。アンテナ基部13の外周面とパイプ部15の内周面との間には、リング部17とスプリング18とが介在されており、パイプ部15に対してアンテナ基部13を伸張させることで、伸縮アンテナの全長を長くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも受信機能を有する電子機器、特に地上波デジタルテレビ放送を受信することのできる携帯電話機等に備えられる伸縮アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機が普及しているが、この携帯電話機においては通話や情報を送受信するためにアンテナが備えられている。アンテナは携帯電話機の筐体に内蔵されていたり、携帯電話機の筐体に対して伸縮自在とされて不使用時には筐体内に収納できるリトラクティブなアンテナとされているのが一般的である。
ところで、近年地上波デジタルテレビ放送が開始されて、地上デジタルテレビジョン放送の1セグメント部分受信サービスを受信することのできる携帯電話機も知られている。この1セグメント部分受信サービスを効率よく受信するには、アンテナの指向特性を電波の到来方向に合致させて受信することが必要となる。このため、1セグメント部分受信サービスを受信するアンテナには、筐体に対して傾動可能かつ回転可能としてアンテナの指向特性を調整することができるアンテナが好適となる。また、待ち受け時には携帯に便利なように、アンテナを携帯電話機の筐体に収納できることが好適とされる。
【0003】
このような伸縮アンテナの構成の一例を図21に示す。図21に示す伸縮アンテナ200は、可撓性とされたエレメント212を備え、エレメント212の先端には図示しないトップ部が設けられている。また、エレメント212の下端に板状の挟持片212aが形成されており、挟持片212aはアンテナ基部213の先端に形成されている挟持部213aに、軸部216により枢支されている。これにより、エレメント212はアンテナ基部213に対して傾動可能とされる。アンテナ基部213は、ホルダー部214に対して摺動可能に保持されており、下端に抜止用のストッパー219が固着されている。そして、ホルダー部214が携帯電話機の筐体に取り付けられることにより、エレメント212をホルダー部214内に押し込むよう摺動することにより、筐体内にエレメント212を収納することができるようになる。また、この状態においてトップ部を把持してエレメント212をホルダー部214から引き出すことにより、エレメント212を伸張状態とすることができる。伸張状態においては、エレメント212をアンテナ基部213に対して傾動することができ、傾動させた状態においてホルダー部214に対して回動することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図21に示す従来の伸縮アンテナ200は、リトラクタブルアンテナとされており、伸張時に衝撃を受けたときに衝撃を吸収するようエレメント212は復元可能に撓むようにされている。また、任意の位置にエレメント212を傾けて保持する傾動機構と、傾けたエレメント212を水平面内において回転させる回転機構を有している。伸縮アンテナ200の全長は長くするほど感度を向上することができるが、携帯電話機の筐体内に収納されることから、筐体の空きスペースを超える長さとすることができず、筐体の空きスペースに制限されてしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は収納時に筐体の空きスペースに制限された長さとしても、伸張した際に従来より長くすることのできる伸縮アンテナを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の伸縮アンテナは、エレメント部分の下端を枢支するアンテナ基部と、アンテナ基部が内部に摺動可能に保持されるパイプ部とを備え、パイプ部はホルダーに対して摺動可能とされると共に、パイプ部に対してアンテナ基部が伸縮可能とされていることを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、エレメント部分の下端を枢支するアンテナ基部と、アンテナ基部が内部に摺動可能に保持されるパイプ部とを備え、パイプ部はホルダーに対して摺動可能とされると共に、パイプ部に対してアンテナ基部が伸縮可能とされていることから、アンテナ基部をパイプ部に対して伸張できる分だけ従来より伸縮アンテナの全長を長くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施例である伸縮アンテナ1の全体の構成を図1に示し、伸縮アンテナ1のA部を拡大して図2に一部破断して示す。
これらの図に示す本発明の実施例にかかる伸縮アンテナ1は、先端にトップ部10が設けられている第1エレメント11と、第1エレメント11を内部に摺動自在に収納可能な第2エレメント12からなるエレメント部分を備え、このエレメント部分は金属製のアンテナ基部13に傾動可能に枢支されている。トップ部10は、第1エレメント11および第2エレメント12からなるエレメント部分を伸縮する際に把持される摘みとなる合成樹脂製の円盤状の形状とされている。第1エレメント11は、超弾性合金製の可撓性を有するエレメント導体を柔軟な絶縁チューブで被覆して構成されている。また、第2エレメント12は、屈曲自在とされているコイルスプリングを柔軟な絶縁チューブで被覆して構成されている。第2エレメント12の上部には金属製の上部ホールド部が嵌着されており、下部には金属製の下部ホールド部が嵌着されている。第1エレメント11におけるエレメント導体の下部に保持バネが固着されており、第1エレメント11を第2エレメント12内において摺動した際に保持バネの作用により、第1エレメント11が第2エレメント12のコイルスプリングの内周面に弾性的に接触して保持されるようになる。これにより、第1エレメント11を第2エレメント12から任意の長さで引き出して保持することができるようになる。第2エレメント12の下端とされる下部ホールド部の下端には角が丸みを帯びたほぼ矩形に形成されている平板状の挟持片12aが設けられている。
【0009】
アンテナ基部13は、挟持片12aを挟持する挟持部13aを備え、挟持片12aは軸部16により挟持部13a(すなわち、アンテナ基部13)に対して傾動可能に枢支されている。挟持部13aから、若干外径が細くされた断面形状が円形とされている本体部13bが延伸されており、本体部13bは金属製とされた円筒状のパイプ部15に対して摺動可能に保持されている。すなわち、本体部13bの外周面にリング部17と円筒状のスプリング18が嵌挿されてパイプ部15内に挿通されており、リング部17とスプリング18が本体部13bから抜け出ないように、本体部13bの下部に設けられた雌ネジ部にストッパー19が螺着されている。リング部17とスプリング18は、本体部13bの外周面とパイプ部15の内周面との間に介在するようになり、スプリング18の作用によりアンテナ基部13はパイプ部15に対して弾性的に伸縮することができ、パイプ部15に対してアンテナ基部13を伸張した際に、リング部17の先端がパイプ部15の先端に形成されている内側に絞られた絞り部15aの内側に係止される。
【0010】
パイプ部15の外径は、第2エレメント12の外径とほぼ等しくされており、パイプ部15とアンテナ基部13と第2エレメント12はホルダー14の貫通孔内に摺動可能に保持されている。ホルダー14は上部に鍔部14aが形成された円筒状の本体部14bを備えている。円筒状の本体部14bの外周面にはネジ部が形成されており、この本体部14bを例えば携帯電話機の筐体に形成した孔部に螺着することにより、ホルダー14が携帯電話機に固着される。そして、伸縮アンテナ1が携帯電話機に取り付けられるようになる。図1および図2には、第1エレメント11と第2エレメント12からなるエレメント部分がホルダー14から引き出されると共に、アンテナ基部13がパイプ部15から引き出されて伸張状態とされた伸縮アンテナ1の構成が示されている。伸張状態では、パイプ部15もホルダー14から引き出されるようになり、パイプ部15の下端に次第に径が広がるように形成されているテーパ部15bがホルダー14の下端の内側に当接することにより、それ以上パイプ部15をホルダー14から引き出せないようになる。伸縮アンテナ1のトップ部10を把持して、伸縮アンテナ1を伸張させ終わった際のパイプ部15の下端からトップ部10の先端までの伸縮アンテナ1の全長は約134mmとなり、パイプ部15の下端から軸部16のほぼ中央までの長さL1は約21.8mmとなる。また、アンテナ基部13をパイプ部15内に収納した状態を図3に示す。図3に示すように、アンテナ基部13をパイプ部15内に収納した際には、挟持部13aと本体部13bとの間に形成された段部がパイプ部15の先端に当接するようになる。アンテナ基部13をパイプ部15内に収納した場合のパイプ部15の下端から軸部16のほぼ中央までの長さL2は約15mmとなり、アンテナ基部13をパイプ部15から引き出せるように構成したことにより、伸縮アンテナ1を引き出した際の全長を約7mm長くすることができる。
【0011】
次に、本発明の実施例の伸縮アンテナ1を備える携帯電話機100の構成の一例を図4ないし図9に示す。ただし、図4は伸縮アンテナ1を携帯電話機100から伸張させて傾動させた状態を示す斜視図であり、図5は伸縮アンテナ1を携帯電話機100内に収納した状態を示す斜視図であり、図6は伸縮アンテナ1を携帯電話機100から伸張させ終わった状態を一部破断して示す図であり、図7は伸縮アンテナ1を携帯電話機100内に収納した状態を一部破断して示す図であり、図8は伸縮アンテナ1を携帯電話機100から伸張させた際の傾動範囲を示す正面図であり、図9は伸縮アンテナ1を携帯電話機100から伸張させた際の回動範囲を示す側面図である。
これらの図に示すように、本発明にかかる伸縮アンテナ1は、携帯電話機100を構成している筐体100aの一側面に取り付けられている。筐体100aには、図示していないテンキーや操作ボタンからなる操作部と液晶等からなるディスプレイ101とが設けられている。伸縮アンテナ1は、伸張した際に筐体100aに対して傾動可能とされており、図4に示す状態ではアンテナ基部13に対して約90°傾動されて第1エレメント11と第2エレメント12からなるエレメント部分は垂直に直立するようになっている。伸縮アンテナ1は、第2エレメント12から第1エレメント11を引き出せると共に、パイプ部15からアンテナ基部13を引き出せることができ、多段に伸縮自在とされて伸縮アンテナ1の長さを変えることができるようにされている。また、伸縮アンテナ1を縮納した際には図5および図6に示すようにトップ部10まで筐体100aに設けられている収納空間内に収納することができる。収納された際のパイプ部15の下端からトップ部10の先端までの伸縮アンテナ1の全長は約83.9mmとなる。また、伸張状態の伸縮アンテナ1は筐体100aに対して任意の角度で傾動可能とされており、図8に示すように傾動範囲は0°〜約90°とされている。さらに、伸張状態の伸縮アンテナ1は筐体100aに対してアンテナ基部13を回転軸として回動可能とされており、回動範囲は図9に示すように約360°と任意の角度に回動することができる。これにより、携帯電話機100に取り付けられている伸縮アンテナ1の指向特性を所望の方向に向けると共に、伸縮アンテナ1の長さを変えることができるようになり、地上デジタルテレビジョン放送の1セグメント部分受信サービスを受信することのできる携帯電話機100に好適なアンテナとすることができる。
【0012】
次に、本発明の実施例の伸縮アンテナ1を構成している各部品の構成を図10ないし図16に示す。
図10はアンテナ基部13の構成を示す側面図であり、図11はアンテナ基部の構成を一部破断して示す平面図である。これらの図に示すように、アンテナ基部13は真鍮等の金属製とされ挟持部13aと、挟持部13aより外径が若干細くされた円筒状の本体部13bとから構成されている。挟持部13aには、第2エレメント12の下部ホールド部の下端に形成されている挟持片12aが嵌入される挟持溝13cがほぼ中央に形成されている。挟持片12aを挟持する挟持部13aには挿通孔13eが形成されており、挟持溝13cに挟持片12aを嵌入して挿通孔13eに軸部16となるピンを嵌着することにより、第2エレメント12はアンテナ基部13に対して傾動可能に枢支される。また、本体部13bには全体にわたって貫通孔が形成されており、本体部13bの下部の貫通孔内にネジが設けられたネジ孔13dが形成されている。このネジ孔13dにはストッパー19が螺着される。なお、図示されていないがアンテナ基部13の貫通孔内には挟持部13aに挟持された挟持片12aの下面を押圧する押圧棒と、押圧棒を付勢するコイルバネとが内蔵されており、このコイルバネの下端がストッパー19の上面に当接されることによりコイルバネが押圧棒を挟持片12aに押圧するようになる。これにより、第1エレメント11および第2エレメント12からなるエレメント部分をアンテナ基部13に対して傾動した際に所望の傾動角度を保持できると共に、挟持片12aの下面に平坦部を設けることでクリック感を得ることができる。
【0013】
次に、図12はパイプ部15の構成を示す側面図であり、図13はパイプ部15の構成を断面図で示す側面図である。これらの図に示すように、円筒状とされたパイプ部15はステンレス等の金属製とされ、全体にわたって貫通孔15cが形成されている。パイプ部15の先端部に、貫通孔15cの径が若干細くなった挿通孔15dが形成されるように絞り加工されて絞り部15aが設けられている。絞り部15aの内径はアンテナ基部13の本体部13bの外径とほぼ一致している。そして、アンテナ基部13の本体部13bを挿通孔15dに挿通し、次いで、貫通孔15c内に位置する本体部13bにリング部17とスプリング18を嵌挿し、ストッパー19を本体部13bのネジ孔13dに螺着する。この場合、ストッパー19の最大外径は、貫通孔15cの内径とほぼ一致していることから、リング部17およびスプリング18がストッパー19を超えて抜け出ることを防止することができる。また、挿通孔15dの内径が本体部13bの外径にほぼ一致していることからリング部17およびスプリング18が絞り部15aを超えて抜け出ることを防止することができる。これにより、アンテナ基部13の外周面とパイプ部15の内周面の間に常に介在しているスプリング18により、アンテナ基部13はパイプ部15に対して弾性的に摺動可能とされると共に回動可能とされる。なお、パイプ部15の下端には次第に径が広がるテーパ部15bが形成されている。このテーパ部15bは、パイプ部15がホルダー14から引き出された際にホルダー14の下端の内側に当接して、それ以上のパイプ部15の引き出しを防止している。
【0014】
次に、図14(a)はリング部17の構成を示す側面図であり、図14(b)はリング部17の構成を断面図で示す側面図である。これらの図に示すように、リング部17は真鍮等の金属製とされており貫通孔17aが形成されている。この貫通孔17aの内径は、アンテナ基部13の本体部13bに挿通できる大きさとされており、リング部17の外径はパイプ部15の貫通孔15c内に挿通できると共に、パイプ部15の挿通孔15dから抜け出ない大きさとされて、絞り部15aに当接した際に係止される径とされている。
【0015】
次に、図15(a)はスプリング18の構成を示す側面図であり、図15(b)はスプリング18の構成を断面図で示す側面図である。これらの図に示すように、スプリング18はリン青銅等の弾性を有する金属板を円筒状に屈曲することにより形成されており、側面に複数のほぼ矩形状の切欠孔18aが形成されている。切欠孔18aの間の片部は外側に膨出されて膨出片18bとされている。スプリング18は、アンテナ基部13の外周面とパイプ部15の内周面との間に介在できる形状とされており、膨出片18bの作用によりアンテナ基部13がパイプ部15に対して弾性的に摺動可能とされると共に回動可能となる。
【0016】
次に、図16(a)はストッパー19の構成を示す側面図であり、図16(b)はストッパー19の構成を断面図で示す側面図である。これらの図に示すように、ストッパー19は真鍮等の金属製とされており、丸棒状の本体部19aと、本体部19aの一端に設けられた径が大きくされている円盤状の鍔部19cとから構成されている。鍔部19cの外径は、パイプ部15内に挿通できると共にアンテナ基部13の本体部13bの外径より大きくされて、リング部17およびスプリング18が鍔部19cを超えられない径とされている。本体部19aには、先端部と後端部とを残してネジ部19bが形成されている。このネジ部19bはアンテナ基部13のネジ孔13dに螺着され、螺着された際にストッパー19の先端面がアンテナ基部13の本体部13b内に収納されているコイルスプリングを押し縮めるように当接される。
【0017】
ここで、本発明にかかる伸縮アンテナ1をホルダー14から伸張した際に、図3に示すようにアンテナ基部13をパイプ部15内に収納した場合の伸縮アンテナ1のVSWRの周波数特性を図17に示す。図17を参照すると、周波数が470MHzの時に約1.65のVSWRが得られており、周波数が570MHzの時に約2.43のVSWRが得られており、周波数が670MHzの時に約2.02のVSWRが得られており、周波数が770MHzの時に約1.74のVSWRが得られている。VSWRは、約2.5以下とされていれば十分実用に供することができ、整合回路を設けることでVSWRをより小さくすることができることから、本発明にかかる伸縮アンテナ1は使用周波数帯域内において良好なVSWR特性が得られている。
また、本発明にかかる伸縮アンテナ1のインピーダンス特性を示すスミスチャートを図18に示す。図18を参照すると、周波数が470MHzの時に実数分が約49.0Ω、虚数分が約−25.1Ωとなっており、周波数が570MHzの時に実数分が約20.8Ω、虚数分が約4.4Ωとなっており、周波数が670MHzの時に実数分が約42.3Ω、虚数分が約32.1Ωとなっており、周波数が770MHzの時に実数分が約35.9Ω、虚数分が約18.9Ωとなって良好なインピーダンス特性が得られている。
【0018】
また、本発明にかかる伸縮アンテナ1をホルダー14から伸張した際に、図2に示すようにアンテナ基部13をパイプ部15から伸張した場合の伸縮アンテナ1のVSWRの周波数特性を図19に示す。図19を参照すると、周波数が470MHzの時に約1.68のVSWRが得られており、周波数が570MHzの時に約2.33のVSWRが得られており、周波数が670MHzの時に約1.71のVSWRが得られており、周波数が770MHzの時に約1.79のVSWRが得られており、アンテナ基部13をパイプ部15内に収納した場合より使用周波数帯域内において良好なVSWR特性が得られている。
また、本発明にかかる伸縮アンテナ1のインピーダンス特性を示すスミスチャートを図20に示す。図20を参照すると、周波数が470MHzの時に実数分が約39.3Ω、虚数分が約−20.7Ωとなっており、周波数が570MHzの時に実数分が約22.3Ω、虚数分が約8.9Ωとなっており、周波数が670MHzの時に実数分が約49.9Ω、虚数分が約27.1Ωとなっており、周波数が770MHzの時に実数分が約33.1Ω、虚数分が約16.9Ωとなって、アンテナ基部13をパイプ部15内に収納した場合より使用周波数帯域内において良好なインピーダンス特性が得られている。
【産業上の利用可能性】
【0019】
以上の説明では、地上デジタルテレビジョン放送の1セグメント部分受信サービスを受信することのできる携帯電話機等の伸縮アンテナとして説明したが、これに限るものではなく傾動して水平面内において回転することが必要とされるアンテナ一般に適用することができるものである。
また、第1エレメントおよび第2エレメントからなるアンテナ部分は2段に伸縮可能としたが、これに限るものではなく第1エレメントのみからなる1段構成のアンテナ部分としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例である伸縮アンテナの全体の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例である伸縮アンテナのA部を拡大して示す図である。
【図3】本発明の実施例である伸縮アンテナにおいて、アンテナ基部をパイプ部内に収納した状態を示す断面図である。
【図4】本発明にかかる伸縮アンテナを携帯電話機から伸張して傾動した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明にかかる伸縮アンテナを携帯電話機に収納した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明にかかる伸縮アンテナを携帯電話機から伸張させ終わった状態を一部破断して示す図である。
【図7】本発明にかかる伸縮アンテナを携帯電話機に収納した状態を一部破断して示す図である。
【図8】本発明にかかる伸縮アンテナを携帯電話機から伸張した際の傾動範囲を示す正面図である。
【図9】本発明にかかる伸縮アンテナを携帯電話機から伸張した際の回動範囲を示す側面図である。
【図10】本発明にかかる伸縮アンテナのアンテナ基部の構成を示す側面図である。
【図11】本発明にかかる伸縮アンテナのアンテナ基部の構成を一部破断して示す平面図である。
【図12】本発明にかかる伸縮アンテナのパイプ部の構成を示す側面図である。
【図13】本発明にかかる伸縮アンテナのパイプ部の構成を断面図で示す側面図である。
【図14】本発明にかかる伸縮アンテナのリング部の構成を示す側面図およびその断面図である。
【図15】本発明にかかる伸縮アンテナのスプリングの構成を示す側面図およびその断面図である。
【図16】本発明にかかる伸縮アンテナのストッパーの構成を示す側面図およびその断面図である。
【図17】本発明にかかる伸縮アンテナにおいてアンテナ基部をパイプ部内に収納した場合のVSWRの周波数特性を示す図である。
【図18】本発明にかかる伸縮アンテナにおいてアンテナ基部をパイプ部内に収納した場合のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。
【図19】本発明にかかる伸縮アンテナにおいてアンテナ基部をパイプ部から伸張した場合のVSWRの周波数特性を示す図である。
【図20】本発明にかかる伸縮アンテナにおいてアンテナ基部をパイプ部から伸張した場合のインピーダンス特性を示すスミスチャートである。
【図21】従来の携帯電話機用のアンテナの一例の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0021】
1 伸縮アンテナ、10 トップ部、11 第1エレメント、12 第2エレメント、12a 挟持片、13 アンテナ基部、13a 挟持部、13b 本体部、13c 挟持溝、13d ネジ孔、13e 挿通孔、14 ホルダー、14a 鍔部、14b 本体部、15 パイプ部、15a 絞り部、15b テーパ部、15c 貫通孔、15d 挿通孔、16 軸部、17 リング部、17a 貫通孔、18 スプリング、18a 切欠孔、18b 膨出片、19 ストッパー、19a 本体部、19b ネジ部、19c 鍔部、100 携帯電話機、100a 筐体、101 ディスプレイ、200 伸縮アンテナ、212 エレメント、212a 挟持片、213 アンテナ基部、213a 挟持部、214 ホルダー部、216 軸部、219 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するエレメントを有し、前記エレメントの先端にトップ部が固着されていると共に、下端に挟持片が形成されているエレメント部分と、
前記エレメント部分の下端に形成されている前記挟持片を枢支することにより、前記エレメント部分を傾動可能に保持するアンテナ基部と、
該アンテナ基部が摺動可能に保持される円筒状のパイプからなり、先端に内側に絞られた絞り部が、下端に外側に拡径されたテーパ部が形成され、外径が前記エレメント部分における前記エレメントの最大径とほぼ同様の外径とされているパイプ部と、
前記エレメント部分が摺動可能に保持される貫通孔が形成されていると共に、該エレメント部分を引き出した際に前記パイプ部が前記貫通孔内に保持されるホルダーと、
前記アンテナ基部の外周面と前記パイプ部の内周面との間に介在され、前記パイプ部に対して前記アンテナ基部を摺動可能かつ回動可能に保持する円筒状のスプリングと、
該スプリングが前記アンテナ基部から抜け出ないように前記アンテナ基部の下端に固着されるストッパーとを備え、
前記アンテナ部分が前記ホルダーから伸張された際に、前記パイプ部の前記テーパ部が前記ホルダーの下端に係止されると共に、前記パイプ部の前記絞り部により前記スプリングが抜け出ないようにされていることを特徴とする伸縮アンテナ。
【請求項2】
前記アンテナ基部の外周面と前記パイプ部の内周面との間であって、前記スプリングの前側にリング部が介在されており、前記アンテナ部分が前記ホルダーから伸張された際に、前記リング部が前記絞り部に当接されることを特徴とする請求項1記載の伸縮アンテナ。
【請求項3】
前記ホルダーに形成されている前記貫通孔の内周面が内側に膨出されていることにより、前記パイプ部が前記貫通孔内に弾性的に保持されることを特徴とする請求項1記載の伸縮アンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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