説明

位置合わせ装置および位置合わせ方法

【課題】 部品の角度調節を容易に行うことができ、かつ、部品どうしを面合わせした状態で部品の位置合わせを行うことができる位置合わせ装置を提供する。
【解決手段】 位置合わせ装置10は、光学部品11aを保持する第1チャック12a、光学部品11bを保持する第2チャック12b、Xステージ13、Yステージ14、θxステージ15、θyステージ16、これら各ステージを打叩して衝撃的な慣性力を与えることにより各ステージを微小距離スライドさせるアクチュエータ23a等、昇降/押圧機構18、を具備する。光学部品11cが光学部品11aと光学部品11bの間に挟まれ、光学部品11aと光学部品11cは曲面で接し、光学部品11bと光学部品11cは平面で接し、光学部品11a〜11cは昇降/押圧機構18によって摩擦保持される。Xステージ13とYステージ14をスライドさせて光学部品11b・11cを位置合わせし、θxステージ15とθyステージ16をスライドさせて光学部品11a・11cの位置合わせを行う。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバーや光学レンズ等の光学部品の位置合わせに用いられる位置合わせ装置と位置合わせ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバーを用いた通信技術が広く普及しつつある。ここで、光ファイバーを用いた長距離信号伝送を行うためには、光ファイバーどうしの接合損失が小さくなるように、光ファイバー部品の位置合わせを行って光ファイバー部品どうしを溶接等して連結する必要がある。
【0003】このような光ファイバー部品の位置合わせ、例えば、2個の光ファイバー部品の位置合わせは、モータ駆動型で多自由度を有するステージの先端に各ファイバー部品を固定し、このステージを移動させることで2個の光ファイバー部品の位置合わせを行う。具体的には、2個の光ファイバー部品を所定の微小間隔ほど離隔して、2個の光ファイバー部品を通過する光量を測定しながらステージの片方または両方を移動し、2個の光ファイバー部品を通過する光量が最大となる位置を探索してその位置において2個の光ファイバー部品を面合わせして溶接等し、2個の光ファイバー部品を固定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような位置合わせ方法を用いた場合には、光ファイバー部品どうしを離隔した状態で位置合わせを行い、その後に面合わせを行うために、光ファイバー部品を移動させる際に微小な位置ずれを起こす可能性がある。これにより光ファイバー部品間の接合損失を最小限に抑えることが困難であり、また、最適な溶接位置を決定することも困難であるとともに相当の時間を要する。
【0005】このために、光ファイバー部品の位置合わせは、光ファイバー部品どうしを面合わせした状態で行うことが好ましいが、従来の位置合わせ装置では、面合わせされて面摩擦が存在している2個の光ファイバー部品を一定の力で相対移動させようとすると、接触面の間にスティックスリップ現象が発生して、光ファイバー部品を安定して微小移動させることが困難であった。
【0006】また、従来の位置合わせ装置では、光ファイバー部品の接合面が傾いていた場合には、接合面どうしが確実に面合わせされるように光ファイバー部品の角度を変化させなければならないが、このような角度調節機構は接合面の角度を微細に調節できることが必要であり、このため角度調節機構の構造が複雑となって位置合わせ装置が大型化する問題がある。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、部品の角度調節を容易に行うことができ、かつ、部品どうしを面合わせした状態で部品の位置合わせを行うことができる位置合わせ装置と位置合わせ方法を提供することを目的とする。また、本発明は短時間で部品どうしの位置合わせを行うことができる位置合わせ装置と位置合わせ方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、小型で正確な位置合わせを行うことができる位置合わせ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1の観点によれば、第1の部品と第2の部品の間に第3の部品が挟まれ、前記第1の部品と前記第3の部品の接触面と前記第2の部品と前記第3の部品の接触面の一方が曲面であって他方が平面である前記第1,第2,第3の部品の位置合わせを、圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を用いて行う位置合わせ装置であって、前記第1の部品を保持する第1の保持手段と、前記第2の部品を保持する第2の保持手段と、前記第1の部品と前記第3の部品の接触面および前記第2の部品と前記第3の部品の接触面に所定の摩擦力が生ずるように、前記第1の部品と前記第2の部品との間に所定の押圧力を印加する押圧機構と、圧電素子または磁歪素子を有し、前記圧電素子または前記磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を前記第1,第2,第3の部品と前記第1の保持手段と前記第2の保持手段の少なくとも1つに与えるアクチュエータと、を具備し、互いに接触している前記第1,第2,第3の部品のいずれかを前記アクチュエータによって加えられる衝撃的な慣性力によってスライドさせることにより前記第1,第2,第3の部品の位置合わせを行うことを特徴とする位置合わせ装置、が提供される。
【0009】本発明の第2の観点によれば、第1の部品と第2の部品の間に第3の部品が挟まれ、前記第1の部品と前記第3の部品の接触面が曲面であり前記第2の部品と前記第3の部品の接触面が平面である前記第1,第2,第3の部品の位置合わせを、圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を用いて行う位置合わせ装置であって、前記第1の部品を保持する第1の保持手段と、XステージとYステージとθxステージとθyステージとを有するステージ部と、前記ステージ部の上面に保持され、前記第2の部品を保持する第2の保持手段と、前記第1の部品と前記第3の部品の接触面および前記第2の部品と前記第3の部品の接触面に所定の摩擦力が生ずるように、前記第1の部品と前記第2の部品との間に所定の押圧力を印加する押圧機構と、前記ステージ部を構成する4つのステージを個々に打叩可能に配置され、圧電素子または磁歪素子を有し、前記圧電素子または前記磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を前記各ステージに加えて前記各ステージを所定方向へ移動させるアクチュエータと、を具備し、前記Xステージと前記Yステージを移動させて前記第2の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらすことにより、前記第2の部品と前記第3の部品の位置合わせが行われ、前記θxステージと前記θyステージを移動させて前記第1の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらすことにより、前記第1の部品と前記第3の部品の位置合わせが行われることを特徴とする位置合わせ装置、が提供される。
【0010】本発明の第3の観点によれば、第1の部品と第2の部品の間に第3の部品が挟まれ、前記第1の部品と前記第3の部品の接触面および前記第2の部品と前記第3の部品の接触面が曲率の異なる曲面である前記第1,第2,第3の部品の位置合わせを、圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を用いて行う位置合わせ装置であって、前記第1の部品を保持する第1の保持手段と、曲率の異なる第1および第2のθxステージと曲率の異なる第1と第2のθyステージとを有するステージ部と、前記ステージ部の上面に保持され、前記第2の部品を保持する第2の保持手段と、前記第1の部品と前記第3の部品の接触面および前記第2の部品と前記第3の部品の接触面に所定の摩擦力が生ずるように、前記第1の部品と前記第2の部品との間に所定の押圧力を印加する押圧機構と、前記ステージ部を構成する4つのステージを個々に打叩可能に配置され、圧電素子または磁歪素子を有し、前記圧電素子または前記磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を前記各ステージに加えて所定の方向へ移動させるアクチュエータと、を具備し、前記第1のθxステージと前記第1のθyステージを移動させて前記第2の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらすことにより、前記第2の部品と前記第3の部品の位置合わせが行われ、前記第2のθxステージと前記第2のθyステージを移動させて前記第1の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらすことにより、前記第1の部品と前記第3の部品の位置合わせが行われることを特徴とする位置合わせ装置、が提供される。
【0011】本発明の第4の観点によれば、第1の光学部品と第2の光学部品の間に第3の光学部品が挟まれ、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品の接触面が曲面であり前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面が平面である前記第1,第2,第3の光学部品の位置合わせを、圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を用いて行う位置合わせ装置であって、前記第1の光学部品を保持する第1の保持手段と、XステージとYステージとθxステージとθyステージとを有するステージ部と、前記ステージ部の上面に保持され、前記第2の光学部品を保持する第2の保持手段と、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品の接触面および前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面に所定の摩擦力が生ずるように、前記第1の光学部品と前記第2の光学部品との間に所定の押圧力を印加する押圧機構と、前記ステージ部を構成する4つのステージを個々に打叩可能に配置され、圧電素子または磁歪素子を有し、前記圧電素子または前記磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を前記各ステージに加えて所定の方向へ移動させるアクチュエータと、前記Xステージと前記Yステージを移動させることによって前記第2の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらし、前記θxステージと前記θyステージを移動させることによって前記第1の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらして、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量が最大となる前記第1,第2,第3の光学部品の状態を探し出す制御装置と、を具備することを特徴とする位置合わせ装置、が提供される。
【0012】このような第3および第4の観点に係る位置合わせ装置においては、第1,第2,第3の光学部品の接触状態を保持した状態で、前記第1,第2,第3の光学部品をその光軸回りに回転させることができる回転機構を設けることによって、第1,第2,第3の光学部品を位置合わせした状態で、これらを容易に溶接等することが可能となる。アクチュエータを、XステージをX方向で挟んで2個配置し、YステージをY方向で挟んで2個配置し、θxステージをX方向で挟んで2個配置し、θyステージをY方向で挟んで2個配置すると、各ステージを各方向で容易に往復移動させることができる。
【0013】なお、第3の観点に係る位置合わせ装置では、アクチュエータを、第1,第2のそれぞれのθxステージを挟むように2個ずつ配置し、第1,第2のそれぞれのθyステージを挟むように2個ずつ配置すると、各ステージを各方向で容易に往復移動させることができる。
【0014】第1の観点から第4の観点に係る位置合わせ装置においては、アクチュエータとして、急峻な伸縮によって衝撃的な慣性力を発生する圧電素子または磁歪素子と、慣性力を加える対象物に接する先端部材と、先端部材部が所定の力で対象物に押圧されるように先端部材および圧電素子または磁歪素子を押圧する予圧機構とを有するものが好適に用いられる。予圧機構としては、例えば、エアーシリンダが好適に用いられ、これによりアクチュエータの位置決めを容易に行うことができる。
【0015】本発明の第5の観点によれば、第1の光学部品と第2の光学部品の間に第3の光学部品が挟まれ、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品の接触面が曲面であり、前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面が平面である前記第1,第2,第3の光学部品の位置合わせを行う位置合わせ方法であって、前記第1の光学部品を第1の保持手段に保持する工程と、前記第2の光学部品の第2の保持手段に保持する工程と、前記第1の光学部品と前記第2の光学部品の間に第3の光学部品を挟み、前記第1の保持手段を前記第2の保持手段側に所定の力で押圧することにより、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品との接触面および前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面に所定の摩擦力を生じさせて、前記第1,第2,第3の光学部品を保持する工程と、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量を測定しながら、前記第2の部品または前記第2の保持手段に圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を加えて、前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面をずらすことにより、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量が最も多くなる位置を探し出す工程と、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量を測定しながら、前記第1の部品または前記第1の保持手段に圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を加えて、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品の接触面をずらすことにより、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量が最も多くなる位置を探し出す工程と、を有することを特徴とする位置合わせ方法、が提供される。
【0016】本発明の第6の観点によれば、第1の光学部品と第2の光学部品の間に第3の光学部品が挟まれ、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品の接触面が曲面であり、前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面が平面である前記第1,第2,第3の光学部品の位置合わせを行う位置合わせ方法であって、前記第1の光学部品を第1の保持手段に保持する工程と、前記第2の光学部品の第2の保持手段に保持する工程と、XステージとYステージとθxステージとθyステージとを有するステージ部の上面に前記第2の保持手段を保持する工程と、前記第1の光学部品と前記第2の光学部品の間に第3の光学部品が挟まれ、前記第1の保持手段を前記第2の保持手段側に所定の力で押圧することにより、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品との接触面および前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面に所定の摩擦力を生じさせて、前記第1,第2,第3の光学部品を保持する工程と、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量を測定しながら、前記Xステージと前記Yステージのいずれかに圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を加えることによって、前記第2の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらして、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量が最大となる前記第1,第2,第3の光学部品の状態を探し出す工程と、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量を測定しながら、前記θxステージと前記θyステージのいずれかに圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を加えることによって、前記第1の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらして、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量が最大となる前記第1,第2,第3の光学部品の状態を探し出す工程と、を有することを特徴とする位置合わせ方法、が提供される。
【0017】このような位置合わせ装置および位置合わせ方法によれば、部品を押圧することによって当接させるために、部品どうしを接触させる際の角度調節を容易に行うことができる。また、圧電素子(特に、積層型圧電アクチュエータ)または磁歪素子が発生する慣性的な衝撃力を利用することにより、部品どうしを面合わせした状態で所定の部品だけをずらすことができる。これにより部品どうしを微小距離離隔させた状態で位置合わせを行う場合と比較して、より正確な位置合わせを行うことが可能となる。さらにこのような位置合わせ方法を用いることにより、部品どうしを短時間で位置合わせすることができる。本発明の位置合わせ装置は従来の位置合わせ装置と比較して、小型であるという特徴を有する。
【0018】なお、本発明において、例えば、「前記第1の部品と前記第3の部品の接触面が曲面である」という場合には、これは、第1の部品と第3の部品の少なくとも一方の部材が曲面を有しており、この曲面が他方の部品と接触する場合をいい、必ずしも、この曲面全体が他方の部品と接触することを要しない。具体的には、球面に円錐面をかぶせて接触させる場合や曲率の異なる球面を接触させる場合であるが、他方の部材において一方の部材と接触する面は平面ではないことが必要である。また、例えば、「前記第2の部品と前記第3の部品の接触面が平面である」場合とは、第2の部品と第3の部品の両方が平らな面を有しており、この平らな面で接触することをいう。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。ここでは、3個の光学部品を1列に並べ、これらの光学部品を透過する光量が最大となるように、これらの光学部品の位置合わせを行う位置合わせ装置について説明することとする。図1は位置合わせ装置10の概略平面図であり、図2はその概略側面図である。
【0020】位置合わせ装置10は、3個の光学部品11a・11b・11cの位置合わせを行う。図2に示されるように、光学部品11cは光学部品11aと光学部品11bの間に挟まれるように配置される。
【0021】図3は、光学部品11a〜11cの構造をより詳細に示す説明図である。光学部品11aは、筒状部品61aと筒状部品61aの中央に設けられ、実際に光を通す円柱部品61bとから構成されている。これら筒状部品61aと円柱部品61bとは予め溶接されており、一体化されているものとする。光学部品11cには円筒部品61aが当接する。この円柱部品61bにおける光学部品11cとの接触面は略円錐状に加工されている。また、光学部品11cにおいて、円筒部品61cに接触する面は略球面状の曲面となっている。光学部品11bと光学部品11cとの接触面は平面となっている。光学部品11bは、筒状部品62aと筒状部品62aの中央に設けられ、実際に光を通す円柱部品62bとを有している。これら筒状部品62aと円柱部品62bは予め溶接されており、一体化されている。
【0022】位置合わせ装置10は、光学部品11aを保持する第1チャック12aと、光学部品11bを保持する第2チャック12bと、Xステージ13とYステージ14とθxステージ15とθyステージ16が上からこの順番で積み重ねられて構成されているステージ部17と、Xステージ13を打叩する2個のアクチュエータ23a・23bと、Yステージ14を打叩する2個のアクチュエータ24a・24bと、θxステージ15を打叩する2個のアクチュエータ25a・25bと、θyステージ16を打叩する2個のアクチュエータ26a・26bと、を有している。
【0023】第1チャック12aは昇降/押圧機構18に保持されており、この昇降/押圧機構18は第1チャック12aを下方(Z方向)に所定の力で押圧することができるようになっている。また、第2チャック12bはステージ部17の上面(つまり、Xステージ13の上面)に保持されている。第1チャック12a・12bは、例えば、機械的な締め付け力によってそれぞれ光学部品11a・11bを強固に保持する。なお、第1チャック12aは光学部品11aを構成する筒状部品61aを保持し、第2チャック12bは光学部品11bを構成する筒状部品62aを保持する。第1チャック12aと第2チャック12bとしては、エアーチャック(真空チャック)を用いることもできる。
【0024】第2チャック12bに保持された光学部品11bの上に光学部品11cを載置して、光学部品11aを保持した第1チャック12aを昇降/押圧機構18により降下させることによって、光学部品11aと光学部品11cの接触面および光学部品11bと光学部品11cの接触面に所定の摩擦力が生じて、光学部品11a〜11cが保持される。光学部品11bと光学部品11cとは互いに平面で接触するために、光学部品11bと光学部品11cとの面合わせは、光学部品11cを光学部品11bの上に載置するという単純な作業によって行うことができ、複雑は角度調節機構を必要としない。また、光学部品11aと光学部品11cとの面合わせも、光学部品11aを降下させるだけでこれらの部品間を摺り合わせることができるために、複雑な角度調節を行う必要がない。このように、位置合わせ装置10は、光学部品11a〜11cどうしの角度調整を容易に行うことができる構造となっている。
【0025】ステージ部17は回転ステージ19上に保持されている。この回転ステージ19は、ステージ部17をZ軸回りに回転させることができるが、アクチュエータ23a・23b・24a・24b・25a・25b・26a・26b(以下「アクチュエータ23a等」という)を回転させることはない。後述するように、光学部品11a〜11cの位置合わせが終了した後には、これらの部品間の溶接を行う処理が行われるが、この回転ステージ19はこの溶接の際に光学部品11a〜11cをZ軸回りに回転させるために用いられる。
【0026】Xステージ13はX方向にのみスライド自在であり、Yステージ14はY方向にのみスライド自在である。θxステージ15は、光学部品11cの曲面の曲率に対応した所定の曲率を有しており、θx方向に振り子のように動く。θyステージ16は、光学部品11cの曲面の曲率に対応した所定の曲率を有しており、θy方向に振り子のように動く。
【0027】なお、θx方向をX−Y平面に投影した方向はX方向と45度ずれており、θy方向をX−Y平面に投影した方向はY方向と45度ずれている。しかし、θxステージ15とθyステージ16の配置はこのような形態に限定されない。例えば、θxステージ15とθyステージ16は、θxステージ15とθyステージ16を図1に示す状態から0度超90度未満の角度でX−Y面内で回転させた位置で保持することができる。
【0028】アクチュエータ23aはXステージ13の側面を打叩してXステージ13を+Xの向きに微小距離だけスライドさせる。また、アクチュエータ23bはXステージ13の側面を打叩してXステージ13を−Xの向きに微小距離だけスライドさせる。Xステージ13を挟んで2個のアクチュエータ23a・23bを配置することにより、例えば、Xステージ13を+Xの向きに移動させ過ぎた場合に−Xの向きに戻す動作を容易かつ迅速に行うことができる。
【0029】アクチュエータ23aは、ヘッド(先端部材部)31cと、圧電素子31bと、エアーシリンダ31aから構成されている。アクチュエータ23b・24a・24b・25a・25b・26a・26bもまたアクチュエータ23aと同様の構造を有する。アクチュエータ23aがXステージ13を打叩する際に、アクチュエータ23aは圧電素子31bの急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力(以下「インパクト力」という)をXステージ13に与える。これによりXステージ13を瞬時に微小距離だけスライドさせることができる。
【0030】ヘッド31cは、圧電素子31bに発生するインパクト力を確実にXステージ13に与えることができ、また圧電素子31bに発生するインパクト力の大きさを増大することができるように、超硬やステンレス鋼等の金属を用いて形成されている。圧電素子31bとしては、積層型圧電素子(積層型圧電アクチュエータ)が好適に用いられ、その伸縮方向はアクチュエータ23aの長手方向、つまりX方向に一致する。エアーシリンダ31aは、ヘッド31cがXステージ13の側面に当接するように、圧電素子31bとヘッド31cを所定の力でXステージ13に押圧する。このエアーシリンダ31aによる押圧力によっては、Xステージ13はX方向に移動することがないようになっている。なお、エアーシリンダ31aに代えて、スプリングやウレタンゴム等の弾性体を用いることもできる。
【0031】同様に、アクチュエータ24aはYステージ14の側面を打叩してYステージ14にインパクト力を与え、Yステージ14を+Yの向きに微小距離だけスライドさせる。また、アクチュエータ24bはYステージ14の側面を打叩してYステージ14にインパクト力を与え、Yステージ14を−Yの向きにYステージ14を微小距離だけスライドさせる。Yステージ14がY方向にスライドする際には、Xステージ13もまたYステージ14と一体的にY方向に移動する。
【0032】アクチュエータ23a・23bはそれぞれ保持治具34aに保持されており、アクチュエータ24a・24bはそれぞれ保持治具34bに保持されている。保持治具34aと保持治具34bは、アクチュエータ23a・23bとアクチュエータ24a・24bがそれぞれXステージ13とYステージ14を打叩できるように、アクチュエータ23a・23bとアクチュエータ24a・24bを所定の高さに保持している。
【0033】アクチュエータ25aはθxステージ15の側面を打叩してθxステージ15にインパクト力を与え、θxステージ15を+θxの向きに振り子状に微小距離だけスライドさせる。また、アクチュエータ25bはθxステージ15の側面を打叩してθxステージ15にインパクト力を与え、θxステージ15を−θxの向きに微小距離だけスライドさせる。θxステージ15が傾斜する際には、Xステージ13とYステージ14もまた一体的に傾斜する。
【0034】アクチュエータ26aはθyステージ16の側面を打叩してθyステージ16にインパクト力を与え、θyステージ16を+θyの向きに振り子状に微小距離だけスライドさせる。また、アクチュエータ26bはθyステージ16の側面を打叩してθyステージ16にインパクト力を与え、θyステージ16を−θyの向きに微小距離だけスライドさせる。θyステージ16が傾斜する際には、Xステージ13とYステージ14とθxステージ15もまた一体的に傾斜する。
【0035】アクチュエータ25a・25bはそれぞれ保持治具35aに保持されており、アクチュエータ26a・26bはそれぞれ保持治具35bに保持されている。保持治具35aと保持治具35bは、アクチュエータ25a・25bとアクチュエータ26a・26bがそれぞれθxステージ15とθyステージ16を打叩できるように、アクチュエータ25a・25bとアクチュエータ26a・26bを所定の高さに保持している。
【0036】アクチュエータ25a・25b・26a・26bは、θxステージ15とθyステージ16の位置に応じて配置すればよいが、アクチュエータ25a・25b・26a・26bは、図2に示すように水平姿勢で保持しなければならないものではない。例えば、θx方向の接線方向からθxステージ15を打叩することができるように、アクチュエータ25a・25bを、そのヘッド31cが下側となりエアーシリンダ31aが上側となるように傾けて配置することも好ましい。さらに、θyステージ16の上面の所定位置(θx方向側の側面近傍)をアクチュエータ25a・25bによって、上側から打叩することによっても、θxステージ15をθx方向にスライドさせることができる。アクチュエータ26a・26bについても同様に配置することが可能である。
【0037】このような構造を有する位置合わせ装置10においては、例えば、光学部品11a〜11cが摩擦保持された状態において、アクチュエータ23a・23bを駆動してXステージ13をX方向にスライドさせると、Xステージ13に保持された第2チャック12bおよび第2チャック12bに保持された光学部品11bがXステージ13とともにスライドする。このとき、光学部品11bと光学部品11cの接触面が滑って、光学部品11bがX方向にずれることによって光学部品11bと光学部品11cの相対的な位置が変化する。一方、光学部品11aと光学部品11cは円錐面と球面で接するために、この接触面では滑りが発生せずに、光学部品11aと光学部品11c相対的な位置関係は保持される。
【0038】なお、エアーシリンダ31aや圧電素子31bを連続的に徐々に変位させて静的な押圧力をXステージ13に加えた場合には、その押圧力が光学部品11bと光学部品11cとの間の摩擦保持力を超えた時点で急激に光学部品11bが大きくスライドしてしまうために、光学部品11bと光学部品11c間の微小な位置合わせ行うことができない。
【0039】同様に、アクチュエータ24a・24bを駆動してYステージ14をY方向に微小にスライドさせた場合には、光学部品11aと光学部品11cの相対的な位置関係は変化せず、光学部品11bと光学部品11cの相対的な位置がY方向において微小にずれる。このように、アクチュエータ23a・23b・24a・24bを駆動してXステージ13とYステージ14を微小にスライドさせることにより、光学部品11bと光学部品11cの位置合わせを行うことができる。
【0040】一方、光学部品11a〜11cが摩擦保持された状態において、例えば、アクチュエータ25a・25bを駆動させてθxステージ15を振り子状に動かした場合には、光学部品11bと光学部品11cの相対的な位置関係は変化することなく、光学部品11bと光学部品11cが共にθxステージ15の傾斜に伴って傾斜するために、光学部品11aと光学部品11cの接触面において、光学部品11cがθx方向に滑る。
【0041】同様に、アクチュエータ26a・26bを駆動させてθyステージ16を振り子状に動かした場合には、光学部品11bと光学部品11cの相対的な位置関係は変化することなく、光学部品11bと光学部品11cが傾斜することによって、光学部品11aと光学部品11cの接触面において、光学部品11cがθy方向に滑る。このように、アクチュエータ25a・25b・26a・26bを駆動してθxステージ15とθyステージ16をスライドさせることにより、光学部品11aと光学部品11cの位置合わせを行うことができる。
【0042】このような位置合わせ装置10では、従来の位置合わせ装置のように、光学部品を保持した複数の機構を独立して動作させることによって光学部品を移動させる必要がないために、構造が簡単で、小型化が容易である。
【0043】次に、位置合わせ装置10を用いた光学部品11a〜11cの位置合わせ作業工程について説明する。図4は位置合わせ装置10を備えた位置合わせシステム100の構成を示す説明図である。光学部品11a・11bには、それぞれ光ファイバーケーブル29a・29bが取り付けられており、これらの光ファイバーケーブル29a・29bが発光部と受光部を有する光量測定器30に接続されて、光学部品11a〜11cを通過する光量を測定することができるようになっている。光量測定器30は集中制御装置40に接続されており、光学部品11a〜11cの相対的な位置調整を行っている光量測定器30が計測する透過光量のデータが集中制御装置40に送られるようになっている。
【0044】集中制御装置40には、第1アクチュエータドライバ32aと、第2アクチュエータドライバ32bと、ステージドライバ32cが接続されている。第1アクチュエータドライバ32aは集中制御装置40からの信号を受けてアクチュエータ23a・23b・24a・24bを駆動し、第2アクチュエータドライバ32bは集中制御装置40からの信号を受けてアクチュエータ25a・25b・26a・26bを駆動する。ステージドライバ32cは集中制御装置40からの信号を受けて回転ステージ19の回転動作や昇降/押圧機構18の昇降動作、第1チャック12aと第2チャック12bの保持/開放動作を行う。
【0045】光学部品11a〜11cの位置合わせが終了した後には、光学部品11aと光学部品11cの間および光学部品11bと光学部品11cの間をYAGレーザを用いて溶接する。このためにYAGレーザ装置50と集中制御装置40との間で、位置合わせ装置10における位置合わせ処理とYAGレーザ装置50による溶接処理のそれぞれの処理の開始/終了等を示す制御信号の交換が行えるようになっている。
【0046】集中制御装置40は、集中制御装置40の制御を行うためのソフトウエアがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC)41と接続されている。オペレータは、パーソナルコンピュータ(PC)41から、位置合わせシステム100を運転することができるようになっている。
【0047】このような位置合わせシステム100では、初期化処理、サーチ、調芯、YAG溶接という4種の基本処理を、光学部品11a〜11cの形状等に応じて組み合わせることによって適切な処理フローを構成し、この処理フローにしたがって光学部品11a〜11cの位置合わせを行う。位置合わせ装置10への光学部品11a〜11cの取り付け、光学部品11a〜11cの取り出しは、オペレータによる手動操作か、またはロボットによる自動操作によって行われる。また前記基本処理の開始、中断、終了等を指示は、パーソナルコンピュータ(PC)41から行うことができるようになっている。
【0048】初期化処理は、位置合わせ装置10に設けられた各種の可動部材を元の位置に戻す処理である。例えば、第1チャック12aを上方に退避させるように昇降/押圧機構18を動作させ、ステージ部17および回転ステージ19をずれのない状態に戻し、第1チャック12aと第2チャック12bを開放した状態とし、アクチュエータ23a等をステージ部17からそれぞれ退避させる。通常、この初期化処理は、YAG溶接が終了した後に、光学部品11a〜11cを取り出す際に行われる。
【0049】位置合わせ装置10の初期化が終了している状態において、第2チャック12bに光学部品11bを保持させ、また、光学部品11aを第1チャック12aに保持させ、さらに光学部品11cを光学部品11bの上に載置した後に、昇降/押圧機構18を動作させて第1チャック12aを降下させる。これにより、光学部品11a〜11cが所定の摩擦力で摩擦保持される。
【0050】こうして摩擦保持された光学部品11a〜11cどうしの光軸はお互いに合っていない場合がほとんどであり、このような状態では光学部品11a〜11cを透過する光量(以下、実際に光学部品11a〜11cを透過する光量を「透過光量P」という)は、予め定められた一定値(以下「判定用透過光値PA」という)よりも小さい。そこで、次にサーチおよび調芯を行う。サーチおよび調芯は連続的に行われ、これらの処理によって、透過光量Pが判定用透過光値PAを超えるような光学部品11a〜11cの位置を探索する。
【0051】サーチには、XY方向において行うXYサーチとθxθy方向について行うθxθyサーチとがあり、同様に調芯にはXYサーチ後に行われるXY調芯と、θxθyサーチ後に行われるθxθy調芯とがある。サーチおよび調芯は、例えば、XYサーチとXY調芯の1組の処理と、θxθyサーチとθxθy調芯の1組の処理を、交互に行い、その過程で、透過光量Pが予め定められた値以上の一定の値に収束したときに終了する。XYサーチの手順とθxθyサーチの手順は同じであり、また、XY調芯とθxθy調芯の手順は同じであることから、以下、XYサーチとXY調芯を例としてその手順について説明する。
【0052】XYサーチは、Xステージ13とYステージ14をそれぞれX方向とY方向にスライドさせることによって、光学部品11bを光学部品11cに対してスライドさせ、これにより透過光量Pを変化させ、透過光量Pが判定用透過光量PA以上となる位置を探索する処理である。
【0053】このXYサーチのフローチャートを図5に示す。また、図6にXYサーチの際の第2チャック12bの中心(つまり光学部品11bの中心)である点Oの位置の移動軌跡を示す説明図である。最初に、XYサーチのパラメータとして、(1)XYサーチを行う最大エリアS、(2)判定用透過光量PAの値、(3)サーチインパクト強度、(4)サーチステップL、(5)サーチパルス周期、の設定を行う。
【0054】XYサーチを行う最大エリアSの設定はアクチュエータ23a・23b・24a・24bの最大インパクト数(打叩回数)を設定することによって行われる。この最大インパクト数を大きく設定した場合には、最大エリアSは広くなる。判定用透過光量PAの値は、光学部品11a〜11cの位置合わせが終了した時点で必要とされる透過光量の何割かの値に設定されるか、または経験的に定められる。
【0055】サーチインパクト強度は、アクチュエータ23a・23b・24a・24bによりXステージ13またはYステージ14を打叩する際のインパクト力の大きさである。このサーチインパクト強度が小さい場合には、1回の打叩によるXステージ13またはYステージ14のスライド量は小さくなるために、Xステージ13またはYステージ14を精密にスライドさせることができる。サーチステップLはアクチュエータ23a・23b・24a・24bによる1回または複数回の打叩によってXステージ13またはYステージ14が移動する距離であり、精密なサーチを行う場合には、サーチステップLを短く設定する。
【0056】サーチパルス周期は、アクチュエータ23a・23b・24a・24bによるXステージ13またはYステージ14の打叩間隔である。サーチパルス周期は、確実に一定距離だけXステージ13またはYステージ14を移動させることができるように、1度の打叩によるXステージ13またはYステージ14のスライドが停止した後に次の打叩を行うように、設定することが好ましい。
【0057】XYサーチの方法としては、図6に示すように、例えば、点Oが+Xの向きに1サーチステップL、−Yの向きに1サーチステップL、−Xの向きに2サーチステップ(2L)、+Yの向きに2サーチステップ(2L)、+Xの向きに3サーチステップ(3L)、−Yの向きに3サーチステップ(3L)、−Xの向きに4サーチステップ(4L)、+Yの向きに4サーチステップ(4L)、というように渦巻状に移動するように、アクチュエータ23a・23b・24a・24bの中の1個を選んでXステージ13またはYステージ14を打叩する方法が挙げられる。
【0058】このようして点Oを移動させていく過程において、アクチュエータ23a・23b・24a・24bによる1打叩毎に透過光量Pを測定し、判定用透過光量PAと比較する。P≧PAとなった時点でXステージ13とYステージ14の打叩は終了する。勿論、Xステージ13とYステージ14を全く移動させることなく、最初の状態でP≧PAの関係が満たされていれば、XYサーチは行わずに次のXY調芯を行う。一方、最大エリアS内においてP≧PAとならなかった場合には、エラーメッセージがパーソナルコンピュータ(PC)41に表示される。この場合には、例えば、オペレータは光学部品11a〜11cの取り付け状態等を確認し、処理を最初から行う。
【0059】このようにしてXYサーチが終了した後には、より精密に点OのXY位置を定めるXY調芯を行う。図7はXY調芯におけるX方向調芯のフローチャートである。なお、Y方向調芯はX方向調芯と同様にして行われる。XY調芯においては、パラメータとして、(1)透過光量下限値PB、(2)調芯インパクト強度、(3)最大繰り返し数、(4)収束範囲、(5)調芯パルス周期、を設定する。
【0060】透過光量下限値PBは、XYサーチ時に用いられる判定用透過光量PAよりも小さい値である。XY調芯時に透過光量Pが透過光量下限値PBを下回った際には、例えば、XY調芯を中止してXYサーチから操作をやり直すようにする。調芯インパクト強度は、アクチュエータ23a・23b・24a・24bによりXステージ13またはYステージ14を打叩する際のインパクト力の大きさであるが、この調芯インパクト強度は、XYサーチ時に設定されるサーチインパクト強度よりも小さい値に設定される。
【0061】なお、調芯インパクト強度としては、サーチインパクト強度よりも小さい強度範囲において、最初におおまかな位置合わせ(粗調芯)を行う際に用いる粗調芯インパクト強度と、最終的な微調芯を行う微調芯インパクト強度の少なくとも2つの値を設定することが好ましい。これにより効率的なXY調芯が可能となる。
【0062】後述するように、XY調芯においては、Xステージ13をX方向で往復させ、またYステージ14をY方向で往復させて、透過光量Pが一定の値に収束する点を探し出す。最大繰り返し数は、その際にその透過光量Pが一定の値に収束しない場合のXステージ13のX方向移動とYステージ14のY方向移動の操作限度を定めるものである。収束範囲は、Xステージ13のX方向移動とYステージ14のY方向移動を1セットとしたときのセット毎の透過光量Pの値が満たすべき透過光量の範囲である。
【0063】XY調芯においては、最初に+Xの向きに調芯インパクト強度(好ましくは粗調芯インパクト強度)にてXステージ13を設定回数(例えば、2回)打叩し、このときに透過光量Pが上がった場合には+Xの向きに、一方、透過光量Pが下がった場合には−Xの向きに、調芯インパクト強度にてさらにXステージ13を打叩する。定められた向き(+Xの向きまたは−Xの向き)にXステージ13を打叩し続けて、透過光量Pが減少したら、反対向きに調芯インパクト強度(好ましくは微調芯インパクト強度)にてXステージ13を打叩し、このときに透過光量Pが減少したならば、その時点でX方向の調芯は一時的に終了する。このような処理がX方向調芯である。同様の処理をY方向について、Y方向調芯を行う。
【0064】1回のX方向調芯と1回のY方向調芯を1セットとして、この処理が終了したときの透過光量Pの値を記憶する。さらに、X方向調芯とY方向調芯を1セットしてこの処理を繰り返して実行し、例えば、3セットの透過光量Pの値が定められた収束範囲に入ったらXY調芯の終了とする。
【0065】なお、1セットのX方向調芯とY方向調芯を予め定められた最大繰り返し数行っても透過光量Pが収束しない場合には、XY調芯を終了し、パーソナルコンピュータ(PC)41にその結果を示すメッセージを表示させる。この表示を解除するために、オペレータは、例えば、再度XY調芯を開始するか、またはXYサーチからやり直すか、または処理を中止する。
【0066】また、XY調芯において、判定用透過光量PAよりも透過光量Pが小さくなっても、X方向調芯とY方向調芯を続行する。しかし、透過光量Pが透過光量下限値PBよりも小さくなった場合には、XY調芯が中止され、パーソナルコンピュータ(PC)41にその旨が表示される。この場合には、例えば、XYサーチに戻って処理がやり直される。
【0067】上述したXYサーチとXY調芯が1度終了した後には、θxθyサーチとθxθy調芯によって、光学部品11aと光学部品11cの位置合わせを行う。θxθyサーチとθxθy調芯によっては、光学部品11bと光学部品11cの相対的な位置関係は変化しないが、θxθy調芯後には、透過光量Pが最大となるXY位置が先に決定されたXY位置からずれる場合がある。このために、θxθy調芯後には、再びXYサーチとXY調芯を行う。
【0068】この2度目のXY調芯後には、透過光量Pが最大となるθxθy位置が先に決定されたθxθy位置からずれる場合がある。このために、2度目のXY調芯後には、再びθxθyサーチとθxθy調芯を行う。このようにして、XYサーチおよびXY調芯とθxθyサーチおよびθxθy調芯を繰り返しても、透過光量Pが一定値に収束しているならば、その時点で、サーチおよび調芯を終了する。
【0069】こうして光学部品11a〜11cの位置合わせが終了した後には、光学部品11a〜11cの位置が合っている状態で、光学部品11a・11c間および光学部品11b・11c間をYAG溶接する。このときのYAG溶接は、最初に、光学部品11a〜11cの位置関係がずれることがない程度に、部分的に行う。その後に、第1チャック12aによる光学部品11aの保持状態を解除し、回転ステージ19を回転させながら、溶接位置にYAGレーザを照射して、必要な溶接位置での溶接を行うか、または、光学部品11a〜11cを位置合わせ装置10から取り外して、別の装置を用いて最終的な溶接を行ってもよい。
【0070】このような位置合わせシステム100によれば、光学部品11a〜11cの位置合わせの殆どを自動で行うことができるために、短時間で正確な位置合わせを行うことが可能となる。
【0071】なお、上述した3個の光学部品11a〜11cの位置合わせの形態は、前述したように光学部品11aは筒状部品61aと円柱部品61bとが一体化された場合における位置合わせの形態である。しかし、光学部品11aにおいて、筒状部品61aと円柱部品61bが予め一体化されていない場合もあり得る。この場合には、XY調芯とθxθy調芯を行った後に、円柱部品61bの高さ(筒状部品61a内への挿入長さ)を調整する操作(Z軸調芯)を行わなければならない。
【0072】この場合には、図8に示されるように、ステッピングモータ71によってZ方向に昇降自在な第3チャック12cを位置合わせ装置10に設けて、第1チャック12aに筒状部品61を保持させ、第3チャック12cに円柱部品61bを保持させる。光学部品11a〜11cの位置合わせは前述したサーチおよび調芯によって行われるが、このときに、円柱部品61bはできるだけ筒状部品61aの内部に挿入しておく。調芯が終了した後に、円柱部品61bをステッピングモータ71を動作させて所定のステップで上昇させながら、透過光量Pを測定して、その最大となる位置で第3チャック12cを保持する。その後に所定の溶接位置へYAGレーザを照射することにより、光学部品11aを一体化することができる。
【0073】以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、上記形態においては、アクチュエータ23等において、衝撃的な慣性力を発生させる素子として圧電素子を用いた場合について示したが、磁歪素子のように、圧電素子と同様の動作が可能である素子を用いることが可能である。
【0074】また、上記形態においては、XYサーチとθxθyサーチをパーソナルコンピュータ(PC)41からの指示によって行う場合について説明したが、Xステージ13、Yステージ14、θxステージ15、θyステージ16をそれぞれ所定方向にスライドさせるようにアクチュエータ23a等を動作させるジョイスティックを集中制御装置40に設け、このジョイスティックをオペレータがマニュアル操作することによって、透過光量Pが判定用透過光量PA以上となる場所を検出してもよい。この方法は、例えば、先に説明したXYサーチにおいて、最大エリアSの範囲内に透過光量Pが判定用透過光量PA以上となる位置を検出できなかった場合に、透過光量Pが判定用透過光量PA以上となる場所を検出するための対処方法としても有効である。
【0075】上記形態においては、光学部品11cとして一面が曲面であり、一面が平面である場合について説明したが、例えば、光学部品11aと光学部品11cが曲面(以下「曲面A」という)で接触し、かつ、光学部品11bと光学部品11cが曲面(以下「曲面B」という)で接触するという場合がある。この場合には、光学部品11aと光学部品11cの位置合わせを行うために、曲面Aの曲率に対応する曲率を有する第1のθxステージおよび第1のθyステージと、曲面Bの曲率に対応する曲率を有する第2のθxステージおよび第2のθyステージとを設けて、第1のθxステージおよび第1のθyステージを用いたサーチおよび調芯と、第2のθxステージおよび第2のθyステージを用いたサーチおよび調芯とを、繰り返して行えばよい。
【0076】さらに上記形態では、ステージ部17を構成する各ステージをアクチュエータ23a等を用いて打叩することにより、間接的に光学部品11a〜11cの相対的な位置をずらして光学部品11a〜11cの位置合わせを行う形態について説明したが、直接に光学部品11a・11bを打叩してこれらの位置をずらすことによって、光学部品11a〜11cの位置合わせを行ってもよい。
【0077】図3に示したように、光学部品11aと光学部品11cとが円錐面と球面で接し、光学部品11bと光学部品11cとが平面で接触する場合には、ステージ部17を、Xステージ13とYステージ14からなる第1ステージ部と、θxステージ15とθyステージ16からなる第2ステージ部とに分けて、第1チャック12aが第2ステージ部に固定され、第2チャック12bが第1ステージ部に固定された形態とするとよい。この場合には、第1ステージ部と第2ステージ部の間に第1チャック12aと第2チャック12bおよび光学部品11a〜13cが挟まれた形態となる。アクチュエータ25a・25b・26a・26bは、第2ステージ部が配置される高さ位置に合わせて、θxステージ15とθyステージ16を打叩できる位置に保持される。
【0078】さらにまた上記形態では、3個の光学部品11a〜11cの位置合わせを行う場合について説明したが、位置合わせ装置10は、2個の光学部品の位置合わせにも用いることができる。例えば、2個の光学部品が平面で接触する場合には、XYサーチとXY調芯を行うことによってこれらの位置合わせを行えばよく、2個の光学部品が曲面で接する場合には、θxθyサーチとθxθy調芯によってこれらの位置合わせを行えばよい。
【0079】上記説明では光学部品11a〜11cの位置合わせを行う位置合わせ装置と位置合わせ方法について説明したが、位置合わせを行う部品は光学部品に限定されるものではない。例えば、機械部品の位置合わせにも本発明を適用することができる。
【0080】
【発明の効果】上述の通り本発明によれば、曲面で接触する部品どうしの角度調節と平面で接触する部品どうしの角度調整を容易に行うことができ、かつ、部品どうしを面合わせした状態で部品どうしの位置合わせを行うことができるために、部品どうしの精密な位置合わせを行うことが可能となる。また、本発明によれば、装置の小型化が容易である。さらに本発明によれば、パーソナルコンピュータを用いた自動処理によって短時間で部品どうしの位置合わせを行うことが可能であるために、生産効率を高めることが可能である。なお、位置合わせ装置の構成を部品どうしの位置合わせがマニュアル操作によって行うことも可能な構成とした場合には、自動処理時に発生した不具合に迅速に対処することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置合わせ装置の一実施形態を示す概略平面図。
【図2】図1に示す位置合わせ装置の概略側面図。
【図3】図2に示す光学部品の構造を示す断面図。
【図4】図1に示す位置合わせ装置を備えた位置合わせシステムの概略構成を示す説明図。
【図5】XYサーチの工程を示す説明図(フローチャート)
【図6】XYサーチの際の第2チャックの中心である点Oの位置の移動軌跡を示す説明図。
【図7】XY調芯の工程を示す説明図(フローチャート)。
【図8】図3に示される光学部品の別の構造を示す断面図。
【符号の説明】
10;位置合わせ装置
11a・11b・11c;光学部品
12a;第1チャック
12b;第2チャック
12c;第3チャック
13;Xステージ
14;Yステージ
15;θxステージ
16;θyステージ
17;ステージ部
18;昇降/押圧機構
19;回転ステージ
23a・23b・24a・24b・25a・25b・26a・26b;アクチュエータ
29a・29b;光ファイバーケーブル
30;光量測定器
31a;エアーシリンダ
31b;圧電素子
31c;ヘッド(先端部材部)
32a;第1アクチュエータドライバ
32b;第2アクチュエータドライバ
32c;ステージドライバ
34a・34b・35a・35b;保持治具
40;集中制御装置
41;パーソナルコンピュータ(PC)
50;YAGレーザ装置
61a;筒状部品
61b;円柱部品
62a;筒状部品
62b;円柱部品
71;ステッピングモータ
100;位置合わせシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の部品と第2の部品の間に第3の部品が挟まれ、前記第1の部品と前記第3の部品の接触面と前記第2の部品と前記第3の部品の接触面の一方が曲面であって他方が平面である前記第1,第2,第3の部品の位置合わせを、圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を用いて行う位置合わせ装置であって、前記第1の部品を保持する第1の保持手段と、前記第2の部品を保持する第2の保持手段と、前記第1の部品と前記第3の部品の接触面および前記第2の部品と前記第3の部品の接触面に所定の摩擦力が生ずるように、前記第1の部品と前記第2の部品との間に所定の押圧力を印加する押圧機構と、圧電素子または磁歪素子を有し、前記圧電素子または前記磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を前記第1,第2,第3の部品と前記第1の保持手段と前記第2の保持手段の少なくとも1つに与えるアクチュエータと、を具備し、互いに接触している前記第1,第2,第3の部品のいずれかを前記アクチュエータによって加えられる衝撃的な慣性力によってスライドさせることにより前記第1,第2,第3の部品の位置合わせを行うことを特徴とする位置合わせ装置。
【請求項2】 第1の部品と第2の部品の間に第3の部品が挟まれ、前記第1の部品と前記第3の部品の接触面が曲面であり前記第2の部品と前記第3の部品の接触面が平面である前記第1,第2,第3の部品の位置合わせを、圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を用いて行う位置合わせ装置であって、前記第1の部品を保持する第1の保持手段と、XステージとYステージとθxステージとθyステージとを有するステージ部と、前記ステージ部の上面に保持され、前記第2の部品を保持する第2の保持手段と、前記第1の部品と前記第3の部品の接触面および前記第2の部品と前記第3の部品の接触面に所定の摩擦力が生ずるように、前記第1の部品と前記第2の部品との間に所定の押圧力を印加する押圧機構と、前記ステージ部を構成する4つのステージを個々に打叩可能に配置され、圧電素子または磁歪素子を有し、前記圧電素子または前記磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を前記各ステージに加えて前記各ステージを所定方向へ移動させるアクチュエータと、を具備し、前記Xステージと前記Yステージを移動させて前記第2の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらすことにより、前記第2の部品と前記第3の部品の位置合わせが行われ、前記θxステージと前記θyステージを移動させて前記第1の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらすことにより、前記第1の部品と前記第3の部品の位置合わせが行われることを特徴とする位置合わせ装置。
【請求項3】 第1の部品と第2の部品の間に第3の部品が挟まれ、前記第1の部品と前記第3の部品の接触面および前記第2の部品と前記第3の部品の接触面が曲率の異なる曲面である前記第1,第2,第3の部品の位置合わせを、圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を用いて行う位置合わせ装置であって、前記第1の部品を保持する第1の保持手段と、曲率の異なる第1および第2のθxステージと曲率の異なる第1と第2のθyステージとを有するステージ部と、前記ステージ部の上面に保持され、前記第2の部品を保持する第2の保持手段と、前記第1の部品と前記第3の部品の接触面および前記第2の部品と前記第3の部品の接触面に所定の摩擦力が生ずるように、前記第1の部品と前記第2の部品との間に所定の押圧力を印加する押圧機構と、前記ステージ部を構成する4つのステージを個々に打叩可能に配置され、圧電素子または磁歪素子を有し、前記圧電素子または前記磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を前記各ステージに加えて所定の方向へ移動させるアクチュエータと、を具備し、前記第1のθxステージと前記第1のθyステージを移動させて前記第2の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらすことにより、前記第2の部品と前記第3の部品の位置合わせが行われ、前記第2のθxステージと前記第2のθyステージを移動させて前記第1の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらすことにより、前記第1の部品と前記第3の部品の位置合わせが行われることを特徴とする位置合わせ装置。
【請求項4】 第1の光学部品と第2の光学部品の間に第3の光学部品が挟まれ、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品の接触面が曲面であり前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面が平面である前記第1,第2,第3の光学部品の位置合わせを、圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を用いて行う位置合わせ装置であって、前記第1の光学部品を保持する第1の保持手段と、XステージとYステージとθxステージとθyステージとを有するステージ部と、前記ステージ部の上面に保持され、前記第2の光学部品を保持する第2の保持手段と、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品の接触面および前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面に所定の摩擦力が生ずるように、前記第1の光学部品と前記第2の光学部品との間に所定の押圧力を印加する押圧機構と、前記ステージ部を構成する4つのステージを個々に打叩可能に配置され、圧電素子または磁歪素子を有し、前記圧電素子または前記磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を前記各ステージに加えて所定の方向へ移動させるアクチュエータと、前記Xステージと前記Yステージを移動させることによって前記第2の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらし、前記θxステージと前記θyステージを移動させることによって前記第1の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらして、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量が最大となる前記第1,第2,第3の光学部品の状態を探し出す制御装置と、を具備することを特徴とする位置合わせ装置。
【請求項5】 前記第1,第2,第3の光学部品の接触状態を保持した状態で、前記第1,第2,第3の光学部品をその光軸回りに回転させることができる回転機構をさらに具備することを特徴とする請求項4に記載の位置合わせ装置。
【請求項6】 前記アクチュエータは、前記XステージをX方向で往復移動させることができるように前記XステージをX方向で挟んで2個配置され、前記YステージをY方向で往復移動させることができるように前記YステージをY方向で挟んで2個配置され、前記θxステージをθx方向で往復移動させることができるように前記θxステージをX方向で挟んで2個配置され、前記θyステージをθy方向で往復移動させることができるように前記θyステージをY方向で挟んで2個配置されていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の位置合わせ装置。
【請求項7】 前記アクチュエータは、急峻な伸縮によって衝撃的な慣性力を発生する圧電素子または磁歪素子と、前記慣性力を加える対象物に接する先端部材と、前記先端部材部が所定の力で前記対象物に押圧されるように前記先端部材および前記圧電素子または前記磁歪素子を押圧する予圧機構と、を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の位置合わせ装置。
【請求項8】 第1の光学部品と第2の光学部品の間に第3の光学部品が挟まれ、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品の接触面が曲面であり、前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面が平面である前記第1,第2,第3の光学部品の位置合わせを行う位置合わせ方法であって、前記第1の光学部品を第1の保持手段に保持する工程と、前記第2の光学部品の第2の保持手段に保持する工程と、前記第1の光学部品と前記第2の光学部品の間に第3の光学部品を挟み、前記第1の保持手段を前記第2の保持手段側に所定の力で押圧することにより、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品との接触面および前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面に所定の摩擦力を生じさせて、前記第1,第2,第3の光学部品を保持する工程と、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量を測定しながら、前記第2の部品または前記第2の保持手段に圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を加えて、前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面をずらすことにより、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量が最も多くなる位置を探し出す工程と、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量を測定しながら、前記第1の部品または前記第1の保持手段に圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を加えて、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品の接触面をずらすことにより、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量が最も多くなる位置を探し出す工程と、を有することを特徴とする位置合わせ方法。
【請求項9】 第1の光学部品と第2の光学部品の間に第3の光学部品が挟まれ、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品の接触面が曲面であり、前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面が平面である前記第1,第2,第3の光学部品の位置合わせを行う位置合わせ方法であって、前記第1の光学部品を第1の保持手段に保持する工程と、前記第2の光学部品の第2の保持手段に保持する工程と、XステージとYステージとθxステージとθyステージとを有するステージ部の上面に前記第2の保持手段を保持する工程と、前記第1の光学部品と前記第2の光学部品の間に第3の光学部品が挟まれ、前記第1の保持手段を前記第2の保持手段側に所定の力で押圧することにより、前記第1の光学部品と前記第3の光学部品との接触面および前記第2の光学部品と前記第3の光学部品の接触面に所定の摩擦力を生じさせて、前記第1,第2,第3の光学部品を保持する工程と、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量を測定しながら、前記Xステージと前記Yステージのいずれかに圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を加えることによって、前記第2の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらして、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量が最大となる前記第1,第2,第3の光学部品の状態を探し出す工程と、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量を測定しながら、前記θxステージと前記θyステージのいずれかに圧電素子または磁歪素子の急峻な伸縮によって発生する衝撃的な慣性力を加えることによって、前記第1の部品と前記第3の部品の相対的な位置をずらして、前記第1,第2,第3の光学部品を透過する光量が最大となる前記第1,第2,第3の光学部品の状態を探し出す工程と、を有することを特徴とする位置合わせ方法。

【図1】
image rotate


【図3】
image rotate


【図6】
image rotate


【図2】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【公開番号】特開2003−270477(P2003−270477A)
【公開日】平成15年9月25日(2003.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−68852(P2002−68852)
【出願日】平成14年3月13日(2002.3.13)
【出願人】(396020800)科学技術振興事業団 (35)
【出願人】(502091412)
【出願人】(502121111)株式会社ナノコントロール (10)
【出願人】(502091434)
【Fターム(参考)】