低カロリー完全穀粒シリアルバー
【課題】低カロリーであるが、許容可能な味覚および官能特性を維持した完全穀粒および繊維の良好な供給源を提供するシリアルバーを提供すること。
【解決手段】少なくとも約15重量%以上の完全穀粒、少なくとも約5重量%以上のタンパク質、約5重量%以上の繊維、およびバー28グラムあたり少なくとも120カロリー以下を有するシリアルバーを提供するのに有効な量で、完全穀粒およびバインダーを含有する低カロリー完全穀粒シリアルバーを提供する。
【解決手段】少なくとも約15重量%以上の完全穀粒、少なくとも約5重量%以上のタンパク質、約5重量%以上の繊維、およびバー28グラムあたり少なくとも120カロリー以下を有するシリアルバーを提供するのに有効な量で、完全穀粒およびバインダーを含有する低カロリー完全穀粒シリアルバーを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低カロリー完全穀粒シリアルバーに関する。より具体的には、このシリアルバーは、少なくとも約15重量%以上の完全穀粒、少なくとも約5重量%以上のタンパク質、約5重量%以上の繊維、およびバー28グラムあたり少なくとも120カロリー以下を有するシリアルバーを提供するのに有効な量で、完全穀粒およびバインダーを含有する。本発明のシリアルバーは、良好な官能特性を維持しつつ、完全穀粒、タンパク質および繊維を提供することにより低カロリーの栄養価を提供する。
【背景技術】
【0002】
完全穀粒は、良好な繊維源である。繊維質の多い食事は、コレステロール低下、血糖値調節および結腸癌リスク低減など、さまざまな健康上の効果と関連している。完全穀粒はまた、心血管疾患およびさまざまな癌に対する防御の役割をすると考えられている抗酸化物質も提供する。
【0003】
高濃度の完全穀粒および全食物繊維を含有するコンビニエンスフードは、処理中に食物繊維が多量の水分を吸収する傾向があるため、製造が困難である。その結果、高濃度の食物繊維を含有する食品は乾燥したものとなり、通常は食感や口あたりが悪い。
【0004】
携帯用シリアルバーは、従来技術ではよく知られている。これらの携帯食品は、代用食またはスナックとして消費される。これらのシリアルバーは、理想的には味覚および風味を犠牲にすることなく栄養価を提供するほか、粘つく、硬くなる、または粉々に崩れることなく、食感に歯ごたえを残したまま適度な有効期限を有するであろう。しかし、高濃度の完全穀粒および繊維を併用して低カロリーと許容可能な味覚と官能特性とのバランスをとることが、従来のシリアルバーでは問題となってきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明のシリアルバーは、味覚および風味を犠牲にすることなく栄養価を提供するほか、粘つく、硬くなる、または粉々に崩れることなく、食感に歯ごたえを残したまま適度な有効期限を有する。このシリアルバーは、低カロリーではあるが、許容可能な味覚および官能特性を維持しつつ、完全穀粒および繊維の良好な供給源を提供する。本発明のシリアルバーは、携帯可能で、保存期間中の品質が安定している食品であるため、代用食、サプリメント、またはスナック食品として使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシリアルバーは、完全穀粒、バインダーおよび配合コーティング剤のブレンドを含有する。本シリアルバーは、既知の高繊維バーに付随する不良な食感、口あたり、およびパサツキを、1つにはシリアルバーの少なくとも2つの異なる成分で繊維源を提供することにより克服する。この態様では、繊維は、バインダー、場合によっては配合コーティング剤の完全穀粒により提供される。シリアルバーは、少なくとも約6重量%の可溶性繊維、および少なくとも約3.5重量%の不溶性繊維を含有する。
【0007】
本発明は、少なくとも約15重量%の完全穀粒、好ましくは約20から約60重量%の完全穀粒、より好ましくは約20から約40重量%の完全穀粒、および最も好ましくは約25から約30重量%の完全穀粒、およびバインダーを含有するシリアルバーを対象とする。シリアルバーは、少なくとも5重量%以上のタンパク質、好ましくは約8から約12重量%のタンパク質、約5重量%以上の繊維、好ましくは約8から約10重量%の繊維、およびバー28グラムあたり少なくとも120カロリー以下、好ましくはバー28グラムあたり約100カロリー以下を提供するのに有効である。シリアルバーは、約0.40から約0.60、好ましくは約0.45から約0.55のAw(水分活性)を有する。
【0008】
1つの態様では、シリアルバーは、約20から約60重量%の完全穀粒を含有する。完全穀粒は、オート麦、小麦、小麦フレーク、大麦、皮麦フレーク、ソルガム、およびトウモロコシの群からなる完全穀粒を含有する。重要な態様では、シリアルバーは、ロールドオート単独またはロールドオートと別の完全穀粒のブレンドを含有することができる。この態様では、シリアルバーの完全穀粒成分は、いずれもシリアルバーの総重量に対して少なくとも約5重量%のロールドオート、好ましくは約5から約15重量%と、少なくとも約4重量%の小麦フレーク、好ましくは約5から約15重量%と、少なくとも約5重量%の皮麦フレーク、好ましくは約5から約15重量%のブレンドである。
【0009】
シリアルバーはさらに、約35から約60重量%のバインダー、好ましくは約45重量%を含有する。バインダーは、サトウキビ汁、玄米シロップ、カラメル、オリゴフルクトース、イヌリンおよびその混合物からなる群より選択される炭水化物組成物を含有することができる。重要な態様では、バインダーは、カラメル単独またはカラメルと他の炭水化物組成物のブレンドにすることができる。この態様では、バインダーは、少なくとも約1重量%のサトウキビ汁、好ましくは約1から15重量%のサトウキビ汁と、約5から約20重量%の玄米シロップ、好ましくは約13重量%の玄米シロップと、約20から50重量%のカラメル、好ましくは、約38重量%のカラメルと、約1から5重量%のオリゴフルクトースまたはイヌリン、好ましくは約2.5重量%のオリゴフルクトースまたはイヌリンのブレンドである。バインダーは、約25から約35重量%の繊維をシリアルバーに提供する。残りの繊維は、完全穀粒成分、および場合によっては配合コーティング剤により提供される。
【0010】
シリアルバーはさらに、約5から約40重量%の配合コーティング剤を含有する。配合コーティング剤は、バインダーとブレンドすることができ、シリアルバーに霧雨状に振り掛けるもしくはシリアルバーをエンロービングする、またはその両方によりシリアルバーに塗布することができる。重要な態様では、シリアルバーは、いずれもバインダーブレンドの総重量に対して約10から約20重量%、より好ましくは約14から16重量%の配合コーティング剤を含有する。配合コーティング剤は、シリアルバーの風味を高め、乾燥を防ぎ、有効期限の維持を助けるのに効果がある。
【0011】
配合コーティング剤は、いずれも配合コーティング剤の重量に対して約25から約55重量%、好ましくは約30から約32重量%の脂質と、約30から60重量%の炭水化物、および最大約10重量%の少なくとも1種類の香料とを含有する。配合コーティング剤は、約0から30重量%の繊維、好ましくは約20から約30重量%の繊維を含有することができる。
【0012】
別の態様では、シリアルバーの作製方法が提供される。この態様では、バインダーは、少なくとも約5重量%以上のタンパク質、約5重量%以上の繊維および28グラムあたり少なくとも120カロリー以下、および約0.4から約0.6のAwを有するシリアルバーを提供するのに有効な量で、完全穀粒とブレンドされている。一態様では、配合コーティング剤およびバインダーはブレンドされた後、完全穀粒と混合される。あるいは、配合コーティング剤およびブレンダーはブレンドされた後、完全穀粒と混合され、配合コーティング剤はシリアルバー表面と接触する。別の代替方法では、バインダーは完全穀粒とブレンドされ、配合コーティング剤はシリアルバー表面に塗布される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
完全穀粒
本明細書では、「完全穀粒」とはふすま、胚および胚乳部分など、穀物の種全体におけるあらゆる必須部分および天然栄養素を含有する穀粒を言う。ふすま(殻または果皮)は、外皮のすぐ下にある成熟した子房壁であり、外側の細胞層から種皮にいたるまでを含む。ふすまは、セルロースおよびペントサンなどの非デンプン性多糖類に富む。(ペントサンは、多くの植物組織、特にふすまに存在する複合炭水化物であり、5個の炭素原子をもつ単糖類(ペントース)を生成するための加水分解を特徴とする。ペントサンは、さまざまな食品および植物の汁に見られる、式(C5H8O4)nを有する、ペントースからなる多糖類群の仲間である。)その高い繊維含有量により、ふすま、または果皮は、きわめて堅くなる傾向がある。
【0014】
胚盤および胚軸は、胚の2つの主要部分である。胚盤は胚の90%を占め、発芽時に動員される栄養を貯蔵する。この変換の間に、胚軸は苗へ成長する。胚は、高い脂肪油含有量を特徴とする。胚はまた、粗タンパク質、糖質、および灰成分にも富んでいる。胚盤は、くぼんだ細胞壁である油分の多い柔細胞を含有している。
【0015】
胚乳はデンプンを含有し、胚やふすまよりもタンパク質含量が低い。胚乳はまた、粗脂質および灰成分の含量も低い。
【0016】
シリアルバーに用いることができる完全穀粒の例には、オート麦、小麦、小麦フレーク、大麦、皮麦フレーク、ソルガム、およびトウモロコシが挙げられる。
【0017】
バインダー
本明細書の目的では、「バインダー」とは基本的に、自立体である比較的乾燥した成分同士を結合し固定するための「食用糊」として作用する物質を言う。バインダーは、カラメルなどの単一成分であってもよく、または炭水化物とシロップのブレンドとして調製することもできる。有用な炭水化物およびシロップには、サトウキビ汁、玄米シロップ、カラメル、オリゴフルクトース、およびイヌリンが挙げられる。代わりの態様では、バインダーは配合コーティング剤を含有することもできる。
【0018】
配合コーティング剤
用いられる配合コーティング剤は、いくつかの重要な機能を担っている。最も重要なことは、配合コーティング剤が、食物繊維に通常付随する繊維質の口あたりを効果的に隠し、軽減して、より消費者に望ましい製品にする点である。配合コーティング剤はまた、繊維質製品のバーへの押し出しを促す役目をする加工助剤としても機能する。配合コーティング剤は一般に、製品の約5重量%から約40重量%、好ましくは製品の約10重量%から約40重量%の量で存在し、最も好ましくは配合コーティング剤は、製品の約15重量%から約30重量%の量で存在する。配合コーティング剤は、いくつかの成分を含有してもよいが、その構成に不可欠な成分は、脂質タンパク質、炭水化物および香味料である。したがって、1つの実施形態では、配合コーティング剤は、
(1)配合コーティング剤の約25重量%から約55重量%、好ましくは約30重量%から約32重量%の量の脂質タンパク質と、
(2)配合コーティング剤の約30重量%から約60重量%の量の炭水化物と、
(3)配合コーティング剤の最大約10重量%の量で少なくとも1種類の香料と
を含有する。
【0019】
配合コーティング剤の脂質タンパク質は、単一脂質または脂質の組合せを含むことができる。有用な脂質群はきわめて多岐にわたり、分別油、硬化油、半硬化油、不飽和油およびその混合物からなる群より選択される。一般的に、ラウリン酸エステル含有油脂として既知のもののほか、当業者には非ラウリン酸エステル含有脂質としても既知の家畜の油脂は有用である。「脂質」および「油」という用語は、本出願者により同じ意味で使われるが、当業者によっては理解が異なる場合もある。「脂質」とは一般に、上述した群の固体である実施形態を指す用語であり、「油」とは液体の形態を指す。この発明の目的では、配合コーティング剤中の脂質または脂質の混合物は、適切な結晶化のための融点が約華氏90度(32.2℃)から約華氏110度(43.3℃)であり、押し出しおよび冷却後に製品の形を固定する。より具体的には、配合コーティング剤の脂質部分はこれらのサブクラスとして、ココナッツ油、ヤシ油、パーム核油、綿実油、ベニバナ油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油およびその混合物からなる群より選択される。重要な態様では、脂質はパーム核油より提供される。
【0020】
配合コーティング剤の別の重要な成分は、主に甘味剤として作用する炭水化物である。甘味料の量は、配合コーティング剤の約30重量%から約60重量%という幅広い範囲で変えることができるが、甘味料は、配合コーティング剤の約40重量%から約50重量%の範囲で存在するグラニュー糖であることが好ましい。炭水化物または甘味料は、適切なかさおよび食感を配合コーティング剤に提供するのに十分な物理的構成でなければならない。十分なかさを提供するそれらの炭水化物は、単糖類および二糖類である。好ましい糖質はショ糖である。微量の他の単糖類および多糖類のほか、糖アルコール、多価アルコールおよび人工甘味料は、糖度の調整に有用となることができる。
【0021】
香料は、風味を与える食品成分より選択するか、または食品から抽出した風味を直接添加することにより提供される。例えば、風味付けのため直接添加することができるそれらの食品は、一般的クラスのドライフルーツおよびナッツより選択される。乾燥したモモ、アンズ、オレンジの皮およびレーズンは、容易に使用可能なそれらの果物である。
【0022】
チョコレート、ピーナッツバター、ヨーグルト、蜂蜜および糖蜜は、用いることのできる香料の例である。本発明に有用な他の香味料、バニラエキス、バニリン、チョコレートエキス、アーモンドエキス、オレンジオイル、レモンオイル、アップルエッセンス、スペアミントオイル、ラズベリーエッセンス、ストロベリーエッセンス、チェリーエッセンス、パイナップルエッセンス、グレープオイル、ライムオイル、グレープフルーツオイルおよびその組合せからなるクラスより選択される。
【0023】
乳化剤、アジュバントおよびその他のよく知られた菓子用添加剤を配合コーティング剤に添加し、粘性、レオロジーまたはその他の物理特性または化学特性を所望のレベルに調整することができる。レシチンは好ましい乳化剤である。モノグリセリドおよびジグリセリドも有用な乳化剤である。甘味を抑えるための添加剤も添加することができる。例えば、粉末クエン酸結晶を、この目的で少量添加することができる。これらの添加剤の量は、本発明の理解にとって重要ではない。用いることができる配合コーティング剤の供給源には、Kerry Ingredients(ベロイト、WI)、Barry Callebaut(ケベック、CA)およびBlommer Inc.(イーストグリーンヴィル、PA)が挙げられる。
【0024】
水分活性
余分な水分は、加工処理および完成品の双方にとって望ましくない。さらに、完成品は、知覚可能な繊維質の口あたりを与えるほど乾燥してはならない。したがって、含水量およびバランスが大切となる。この点で、シリアルバーは約0.40から約0.60、好ましくは約0.45から約0.55のAwを有する。高い水分活性は、結果的に凝集体となりえるため、バーは全体として柔らかくなりすぎ、食感および口あたりの歯ごたえが低下することになる。高い水分活性はまた、製品内の高含水量を有する個々の食品成分と低含水量の食品成分の間で水分移動の問題が生じ、食感および/または風味を損なうことになるため望ましくない。本発明は、この水分移動の問題を大幅に阻止し、および場合によっては効果的に取り除く。高水分活性はまた、抗菌剤を添加する必要が生じる可能性がある。本発明は、抗菌剤を添加することなく良好な微生物安定性を提供する。本明細書で使われる抗菌剤なしとは、シリアルバーに存在する抗菌剤が検出レベル未満であることを意味する。抗菌剤の例には、プロピオン酸カルシウム、ソルビン酸カリウム、および安息香酸ナトリウムなど既知の食品用抗菌剤が挙げられる。
【0025】
繊維
「繊維」という用語は、粗繊維および食物繊維の総体として知られるようになったものの包括的な語として用いられることが多い。粗繊維は一般に、希釈腐食剤で食品を茹で、次に希酸で茹でた後に残る残留物と理解されている。この方法は、約50〜80%のセルロース、約10〜50%のリグニンおよび約20%のヘミセルロースを回収する。一般に、本発明の目的では、「繊維」または「食物繊維」という用語は、単胃動物、特にヒトにおいて消化された場合に、本質的には変化せずに大腸へ到達する任意の食物を意味するものである。要するに、繊維とは、ヒトの消化酵素に耐性を示す物原料由来のそれらの成分を意味すると理解される。
【0026】
食物繊維はより特別には、ヒト消化管の内分泌物により消化されない全多糖類およびリグニンの総体と定義される。多糖類は、植物の細胞壁または細胞含有物のいずれかに由来する。植物の細胞壁に含有されるそれらの炭水化物には、ゴム、粘質物、ペクチン、ペクチン物質、藻類多糖類およびヘミセルロースがある。これらの炭水化物物質のすべては多糖類に分類される。したがって、この発明の目的では繊維および食物繊維は、セルロースおよびリグニンに加えて、1種または複数種の植物の品種また種に由来する上記の多糖類を、単独または併用により含有する。「繊維」という用語は一般に、繊維状糸様物質を指すために用いられるが、食物繊維は一般に、ゼラチン質または粘着性を特徴としている。
【0027】
本シリアルバーは、良好な食物繊維源を提供する。食物繊維は可溶性繊維および不溶性繊維の組合せである。重要な可溶性繊維源はバインダーであり、好ましくはカラメル由来のバインダーである。バインダーは、シリアルバー中、約25から約35重量%の可溶性繊維を提供するであろう。追加の可溶性繊維は粉末で添加してもよい。大半の不溶性繊維は、完全穀粒より供給される。残りの繊維は、完全穀粒繊維および場合によって配合コーティング剤により供給される。
【0028】
シリアルバーの合計繊維含量および可溶性繊維含量を以下に示す。
製品の風味 合計繊維% 可溶性繊維% 不溶性繊維%
ピーナッツバター 13.2 9.6 3.6
ミックスベリー 13.9 6.9 7.0
ミルクチョコレート 11.4 7.8 3.6
【0029】
シリアルバーの作製方法
前述の通り、スナック食品製品を作製する工程は、以下のステップを含む:
(1)完全穀粒をバインダー、またはバインダーおよび配合コーティング剤と混合する、
(2)(1)の混合をブレンドする、
(3)その結果得られた混合物をシートに押し出し、シートを所望の大きさのバーに切断する、
(4)場合によっては、シリアルバーに配合コーティング剤を振り掛ける、またはシリアルバーを配合コーティング剤でエンロービングする。
【0030】
本発明はさらに、以下の実施例により理解されるであろう。以下の実施例は、好ましい実施形態を説明するためのものであり、特許請求の範囲の有効範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
バー工程の説明
1.バインダーは、シロップ/液体(すなわち、玄米シロップ、濃縮サトウキビ汁シロップ、水およびスクラロース)、温かいカラメル(華氏80度(26.7℃))、配合コーティング剤(華氏100度(37.7℃))および少量の乾物成分(すなわち、塩、酸化防止剤)を、加熱して温度約華氏170〜212度(76.7℃〜100℃)にした高温剪断ミキサーによりブレンドして調製する。
【0036】
2.乾物成分(すなわち、小麦フレーク、オート麦、大麦)を水平型ミキサーに入れ、約1分間15rpmで混合する。再生材料(エンロービングの前にバーから切り落とした部分)を用いる場合は、乾燥成分を混合する前に5〜10%を加える。
【0037】
3.ステップ#1のバインダーを約華氏150〜170度(65.6℃〜76.7℃)に冷却し、香味料を添加する。冷却したバインダーをステップ#2のシリアルバーブレンドに移し、ミキサーで15rmpにて約2から3分間混合する。シリアルブレンドの最終温度は華氏110〜120度(43.3℃〜48.9℃)である。
【0038】
4.次にシリアル混合物を、グラノーラタイプの製品を作製するために用いるSollich Barラインに移す。一連のステンレス製ジャケット型ローラーを介して混合物を処理し、高さ約3/4インチ(1.9cm)のシート状にする。次にシリアルシートを冷却し(華氏35〜55度(1.6〜12.8℃)した後、切断し、ギロチン断裁して最終バー寸法にする。
【0039】
5.振り掛けまたは表面コーティングが必要であれば、次に大きさを揃えたシリアルバーをSollichタイプのエンローバーまたはデコレーターにくぐらせた後、包装前の最終冷却ステップへ進む。
【技術分野】
【0001】
本発明は、低カロリー完全穀粒シリアルバーに関する。より具体的には、このシリアルバーは、少なくとも約15重量%以上の完全穀粒、少なくとも約5重量%以上のタンパク質、約5重量%以上の繊維、およびバー28グラムあたり少なくとも120カロリー以下を有するシリアルバーを提供するのに有効な量で、完全穀粒およびバインダーを含有する。本発明のシリアルバーは、良好な官能特性を維持しつつ、完全穀粒、タンパク質および繊維を提供することにより低カロリーの栄養価を提供する。
【背景技術】
【0002】
完全穀粒は、良好な繊維源である。繊維質の多い食事は、コレステロール低下、血糖値調節および結腸癌リスク低減など、さまざまな健康上の効果と関連している。完全穀粒はまた、心血管疾患およびさまざまな癌に対する防御の役割をすると考えられている抗酸化物質も提供する。
【0003】
高濃度の完全穀粒および全食物繊維を含有するコンビニエンスフードは、処理中に食物繊維が多量の水分を吸収する傾向があるため、製造が困難である。その結果、高濃度の食物繊維を含有する食品は乾燥したものとなり、通常は食感や口あたりが悪い。
【0004】
携帯用シリアルバーは、従来技術ではよく知られている。これらの携帯食品は、代用食またはスナックとして消費される。これらのシリアルバーは、理想的には味覚および風味を犠牲にすることなく栄養価を提供するほか、粘つく、硬くなる、または粉々に崩れることなく、食感に歯ごたえを残したまま適度な有効期限を有するであろう。しかし、高濃度の完全穀粒および繊維を併用して低カロリーと許容可能な味覚と官能特性とのバランスをとることが、従来のシリアルバーでは問題となってきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明のシリアルバーは、味覚および風味を犠牲にすることなく栄養価を提供するほか、粘つく、硬くなる、または粉々に崩れることなく、食感に歯ごたえを残したまま適度な有効期限を有する。このシリアルバーは、低カロリーではあるが、許容可能な味覚および官能特性を維持しつつ、完全穀粒および繊維の良好な供給源を提供する。本発明のシリアルバーは、携帯可能で、保存期間中の品質が安定している食品であるため、代用食、サプリメント、またはスナック食品として使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシリアルバーは、完全穀粒、バインダーおよび配合コーティング剤のブレンドを含有する。本シリアルバーは、既知の高繊維バーに付随する不良な食感、口あたり、およびパサツキを、1つにはシリアルバーの少なくとも2つの異なる成分で繊維源を提供することにより克服する。この態様では、繊維は、バインダー、場合によっては配合コーティング剤の完全穀粒により提供される。シリアルバーは、少なくとも約6重量%の可溶性繊維、および少なくとも約3.5重量%の不溶性繊維を含有する。
【0007】
本発明は、少なくとも約15重量%の完全穀粒、好ましくは約20から約60重量%の完全穀粒、より好ましくは約20から約40重量%の完全穀粒、および最も好ましくは約25から約30重量%の完全穀粒、およびバインダーを含有するシリアルバーを対象とする。シリアルバーは、少なくとも5重量%以上のタンパク質、好ましくは約8から約12重量%のタンパク質、約5重量%以上の繊維、好ましくは約8から約10重量%の繊維、およびバー28グラムあたり少なくとも120カロリー以下、好ましくはバー28グラムあたり約100カロリー以下を提供するのに有効である。シリアルバーは、約0.40から約0.60、好ましくは約0.45から約0.55のAw(水分活性)を有する。
【0008】
1つの態様では、シリアルバーは、約20から約60重量%の完全穀粒を含有する。完全穀粒は、オート麦、小麦、小麦フレーク、大麦、皮麦フレーク、ソルガム、およびトウモロコシの群からなる完全穀粒を含有する。重要な態様では、シリアルバーは、ロールドオート単独またはロールドオートと別の完全穀粒のブレンドを含有することができる。この態様では、シリアルバーの完全穀粒成分は、いずれもシリアルバーの総重量に対して少なくとも約5重量%のロールドオート、好ましくは約5から約15重量%と、少なくとも約4重量%の小麦フレーク、好ましくは約5から約15重量%と、少なくとも約5重量%の皮麦フレーク、好ましくは約5から約15重量%のブレンドである。
【0009】
シリアルバーはさらに、約35から約60重量%のバインダー、好ましくは約45重量%を含有する。バインダーは、サトウキビ汁、玄米シロップ、カラメル、オリゴフルクトース、イヌリンおよびその混合物からなる群より選択される炭水化物組成物を含有することができる。重要な態様では、バインダーは、カラメル単独またはカラメルと他の炭水化物組成物のブレンドにすることができる。この態様では、バインダーは、少なくとも約1重量%のサトウキビ汁、好ましくは約1から15重量%のサトウキビ汁と、約5から約20重量%の玄米シロップ、好ましくは約13重量%の玄米シロップと、約20から50重量%のカラメル、好ましくは、約38重量%のカラメルと、約1から5重量%のオリゴフルクトースまたはイヌリン、好ましくは約2.5重量%のオリゴフルクトースまたはイヌリンのブレンドである。バインダーは、約25から約35重量%の繊維をシリアルバーに提供する。残りの繊維は、完全穀粒成分、および場合によっては配合コーティング剤により提供される。
【0010】
シリアルバーはさらに、約5から約40重量%の配合コーティング剤を含有する。配合コーティング剤は、バインダーとブレンドすることができ、シリアルバーに霧雨状に振り掛けるもしくはシリアルバーをエンロービングする、またはその両方によりシリアルバーに塗布することができる。重要な態様では、シリアルバーは、いずれもバインダーブレンドの総重量に対して約10から約20重量%、より好ましくは約14から16重量%の配合コーティング剤を含有する。配合コーティング剤は、シリアルバーの風味を高め、乾燥を防ぎ、有効期限の維持を助けるのに効果がある。
【0011】
配合コーティング剤は、いずれも配合コーティング剤の重量に対して約25から約55重量%、好ましくは約30から約32重量%の脂質と、約30から60重量%の炭水化物、および最大約10重量%の少なくとも1種類の香料とを含有する。配合コーティング剤は、約0から30重量%の繊維、好ましくは約20から約30重量%の繊維を含有することができる。
【0012】
別の態様では、シリアルバーの作製方法が提供される。この態様では、バインダーは、少なくとも約5重量%以上のタンパク質、約5重量%以上の繊維および28グラムあたり少なくとも120カロリー以下、および約0.4から約0.6のAwを有するシリアルバーを提供するのに有効な量で、完全穀粒とブレンドされている。一態様では、配合コーティング剤およびバインダーはブレンドされた後、完全穀粒と混合される。あるいは、配合コーティング剤およびブレンダーはブレンドされた後、完全穀粒と混合され、配合コーティング剤はシリアルバー表面と接触する。別の代替方法では、バインダーは完全穀粒とブレンドされ、配合コーティング剤はシリアルバー表面に塗布される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
完全穀粒
本明細書では、「完全穀粒」とはふすま、胚および胚乳部分など、穀物の種全体におけるあらゆる必須部分および天然栄養素を含有する穀粒を言う。ふすま(殻または果皮)は、外皮のすぐ下にある成熟した子房壁であり、外側の細胞層から種皮にいたるまでを含む。ふすまは、セルロースおよびペントサンなどの非デンプン性多糖類に富む。(ペントサンは、多くの植物組織、特にふすまに存在する複合炭水化物であり、5個の炭素原子をもつ単糖類(ペントース)を生成するための加水分解を特徴とする。ペントサンは、さまざまな食品および植物の汁に見られる、式(C5H8O4)nを有する、ペントースからなる多糖類群の仲間である。)その高い繊維含有量により、ふすま、または果皮は、きわめて堅くなる傾向がある。
【0014】
胚盤および胚軸は、胚の2つの主要部分である。胚盤は胚の90%を占め、発芽時に動員される栄養を貯蔵する。この変換の間に、胚軸は苗へ成長する。胚は、高い脂肪油含有量を特徴とする。胚はまた、粗タンパク質、糖質、および灰成分にも富んでいる。胚盤は、くぼんだ細胞壁である油分の多い柔細胞を含有している。
【0015】
胚乳はデンプンを含有し、胚やふすまよりもタンパク質含量が低い。胚乳はまた、粗脂質および灰成分の含量も低い。
【0016】
シリアルバーに用いることができる完全穀粒の例には、オート麦、小麦、小麦フレーク、大麦、皮麦フレーク、ソルガム、およびトウモロコシが挙げられる。
【0017】
バインダー
本明細書の目的では、「バインダー」とは基本的に、自立体である比較的乾燥した成分同士を結合し固定するための「食用糊」として作用する物質を言う。バインダーは、カラメルなどの単一成分であってもよく、または炭水化物とシロップのブレンドとして調製することもできる。有用な炭水化物およびシロップには、サトウキビ汁、玄米シロップ、カラメル、オリゴフルクトース、およびイヌリンが挙げられる。代わりの態様では、バインダーは配合コーティング剤を含有することもできる。
【0018】
配合コーティング剤
用いられる配合コーティング剤は、いくつかの重要な機能を担っている。最も重要なことは、配合コーティング剤が、食物繊維に通常付随する繊維質の口あたりを効果的に隠し、軽減して、より消費者に望ましい製品にする点である。配合コーティング剤はまた、繊維質製品のバーへの押し出しを促す役目をする加工助剤としても機能する。配合コーティング剤は一般に、製品の約5重量%から約40重量%、好ましくは製品の約10重量%から約40重量%の量で存在し、最も好ましくは配合コーティング剤は、製品の約15重量%から約30重量%の量で存在する。配合コーティング剤は、いくつかの成分を含有してもよいが、その構成に不可欠な成分は、脂質タンパク質、炭水化物および香味料である。したがって、1つの実施形態では、配合コーティング剤は、
(1)配合コーティング剤の約25重量%から約55重量%、好ましくは約30重量%から約32重量%の量の脂質タンパク質と、
(2)配合コーティング剤の約30重量%から約60重量%の量の炭水化物と、
(3)配合コーティング剤の最大約10重量%の量で少なくとも1種類の香料と
を含有する。
【0019】
配合コーティング剤の脂質タンパク質は、単一脂質または脂質の組合せを含むことができる。有用な脂質群はきわめて多岐にわたり、分別油、硬化油、半硬化油、不飽和油およびその混合物からなる群より選択される。一般的に、ラウリン酸エステル含有油脂として既知のもののほか、当業者には非ラウリン酸エステル含有脂質としても既知の家畜の油脂は有用である。「脂質」および「油」という用語は、本出願者により同じ意味で使われるが、当業者によっては理解が異なる場合もある。「脂質」とは一般に、上述した群の固体である実施形態を指す用語であり、「油」とは液体の形態を指す。この発明の目的では、配合コーティング剤中の脂質または脂質の混合物は、適切な結晶化のための融点が約華氏90度(32.2℃)から約華氏110度(43.3℃)であり、押し出しおよび冷却後に製品の形を固定する。より具体的には、配合コーティング剤の脂質部分はこれらのサブクラスとして、ココナッツ油、ヤシ油、パーム核油、綿実油、ベニバナ油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油およびその混合物からなる群より選択される。重要な態様では、脂質はパーム核油より提供される。
【0020】
配合コーティング剤の別の重要な成分は、主に甘味剤として作用する炭水化物である。甘味料の量は、配合コーティング剤の約30重量%から約60重量%という幅広い範囲で変えることができるが、甘味料は、配合コーティング剤の約40重量%から約50重量%の範囲で存在するグラニュー糖であることが好ましい。炭水化物または甘味料は、適切なかさおよび食感を配合コーティング剤に提供するのに十分な物理的構成でなければならない。十分なかさを提供するそれらの炭水化物は、単糖類および二糖類である。好ましい糖質はショ糖である。微量の他の単糖類および多糖類のほか、糖アルコール、多価アルコールおよび人工甘味料は、糖度の調整に有用となることができる。
【0021】
香料は、風味を与える食品成分より選択するか、または食品から抽出した風味を直接添加することにより提供される。例えば、風味付けのため直接添加することができるそれらの食品は、一般的クラスのドライフルーツおよびナッツより選択される。乾燥したモモ、アンズ、オレンジの皮およびレーズンは、容易に使用可能なそれらの果物である。
【0022】
チョコレート、ピーナッツバター、ヨーグルト、蜂蜜および糖蜜は、用いることのできる香料の例である。本発明に有用な他の香味料、バニラエキス、バニリン、チョコレートエキス、アーモンドエキス、オレンジオイル、レモンオイル、アップルエッセンス、スペアミントオイル、ラズベリーエッセンス、ストロベリーエッセンス、チェリーエッセンス、パイナップルエッセンス、グレープオイル、ライムオイル、グレープフルーツオイルおよびその組合せからなるクラスより選択される。
【0023】
乳化剤、アジュバントおよびその他のよく知られた菓子用添加剤を配合コーティング剤に添加し、粘性、レオロジーまたはその他の物理特性または化学特性を所望のレベルに調整することができる。レシチンは好ましい乳化剤である。モノグリセリドおよびジグリセリドも有用な乳化剤である。甘味を抑えるための添加剤も添加することができる。例えば、粉末クエン酸結晶を、この目的で少量添加することができる。これらの添加剤の量は、本発明の理解にとって重要ではない。用いることができる配合コーティング剤の供給源には、Kerry Ingredients(ベロイト、WI)、Barry Callebaut(ケベック、CA)およびBlommer Inc.(イーストグリーンヴィル、PA)が挙げられる。
【0024】
水分活性
余分な水分は、加工処理および完成品の双方にとって望ましくない。さらに、完成品は、知覚可能な繊維質の口あたりを与えるほど乾燥してはならない。したがって、含水量およびバランスが大切となる。この点で、シリアルバーは約0.40から約0.60、好ましくは約0.45から約0.55のAwを有する。高い水分活性は、結果的に凝集体となりえるため、バーは全体として柔らかくなりすぎ、食感および口あたりの歯ごたえが低下することになる。高い水分活性はまた、製品内の高含水量を有する個々の食品成分と低含水量の食品成分の間で水分移動の問題が生じ、食感および/または風味を損なうことになるため望ましくない。本発明は、この水分移動の問題を大幅に阻止し、および場合によっては効果的に取り除く。高水分活性はまた、抗菌剤を添加する必要が生じる可能性がある。本発明は、抗菌剤を添加することなく良好な微生物安定性を提供する。本明細書で使われる抗菌剤なしとは、シリアルバーに存在する抗菌剤が検出レベル未満であることを意味する。抗菌剤の例には、プロピオン酸カルシウム、ソルビン酸カリウム、および安息香酸ナトリウムなど既知の食品用抗菌剤が挙げられる。
【0025】
繊維
「繊維」という用語は、粗繊維および食物繊維の総体として知られるようになったものの包括的な語として用いられることが多い。粗繊維は一般に、希釈腐食剤で食品を茹で、次に希酸で茹でた後に残る残留物と理解されている。この方法は、約50〜80%のセルロース、約10〜50%のリグニンおよび約20%のヘミセルロースを回収する。一般に、本発明の目的では、「繊維」または「食物繊維」という用語は、単胃動物、特にヒトにおいて消化された場合に、本質的には変化せずに大腸へ到達する任意の食物を意味するものである。要するに、繊維とは、ヒトの消化酵素に耐性を示す物原料由来のそれらの成分を意味すると理解される。
【0026】
食物繊維はより特別には、ヒト消化管の内分泌物により消化されない全多糖類およびリグニンの総体と定義される。多糖類は、植物の細胞壁または細胞含有物のいずれかに由来する。植物の細胞壁に含有されるそれらの炭水化物には、ゴム、粘質物、ペクチン、ペクチン物質、藻類多糖類およびヘミセルロースがある。これらの炭水化物物質のすべては多糖類に分類される。したがって、この発明の目的では繊維および食物繊維は、セルロースおよびリグニンに加えて、1種または複数種の植物の品種また種に由来する上記の多糖類を、単独または併用により含有する。「繊維」という用語は一般に、繊維状糸様物質を指すために用いられるが、食物繊維は一般に、ゼラチン質または粘着性を特徴としている。
【0027】
本シリアルバーは、良好な食物繊維源を提供する。食物繊維は可溶性繊維および不溶性繊維の組合せである。重要な可溶性繊維源はバインダーであり、好ましくはカラメル由来のバインダーである。バインダーは、シリアルバー中、約25から約35重量%の可溶性繊維を提供するであろう。追加の可溶性繊維は粉末で添加してもよい。大半の不溶性繊維は、完全穀粒より供給される。残りの繊維は、完全穀粒繊維および場合によって配合コーティング剤により供給される。
【0028】
シリアルバーの合計繊維含量および可溶性繊維含量を以下に示す。
製品の風味 合計繊維% 可溶性繊維% 不溶性繊維%
ピーナッツバター 13.2 9.6 3.6
ミックスベリー 13.9 6.9 7.0
ミルクチョコレート 11.4 7.8 3.6
【0029】
シリアルバーの作製方法
前述の通り、スナック食品製品を作製する工程は、以下のステップを含む:
(1)完全穀粒をバインダー、またはバインダーおよび配合コーティング剤と混合する、
(2)(1)の混合をブレンドする、
(3)その結果得られた混合物をシートに押し出し、シートを所望の大きさのバーに切断する、
(4)場合によっては、シリアルバーに配合コーティング剤を振り掛ける、またはシリアルバーを配合コーティング剤でエンロービングする。
【0030】
本発明はさらに、以下の実施例により理解されるであろう。以下の実施例は、好ましい実施形態を説明するためのものであり、特許請求の範囲の有効範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
バー工程の説明
1.バインダーは、シロップ/液体(すなわち、玄米シロップ、濃縮サトウキビ汁シロップ、水およびスクラロース)、温かいカラメル(華氏80度(26.7℃))、配合コーティング剤(華氏100度(37.7℃))および少量の乾物成分(すなわち、塩、酸化防止剤)を、加熱して温度約華氏170〜212度(76.7℃〜100℃)にした高温剪断ミキサーによりブレンドして調製する。
【0036】
2.乾物成分(すなわち、小麦フレーク、オート麦、大麦)を水平型ミキサーに入れ、約1分間15rpmで混合する。再生材料(エンロービングの前にバーから切り落とした部分)を用いる場合は、乾燥成分を混合する前に5〜10%を加える。
【0037】
3.ステップ#1のバインダーを約華氏150〜170度(65.6℃〜76.7℃)に冷却し、香味料を添加する。冷却したバインダーをステップ#2のシリアルバーブレンドに移し、ミキサーで15rmpにて約2から3分間混合する。シリアルブレンドの最終温度は華氏110〜120度(43.3℃〜48.9℃)である。
【0038】
4.次にシリアル混合物を、グラノーラタイプの製品を作製するために用いるSollich Barラインに移す。一連のステンレス製ジャケット型ローラーを介して混合物を処理し、高さ約3/4インチ(1.9cm)のシート状にする。次にシリアルシートを冷却し(華氏35〜55度(1.6〜12.8℃)した後、切断し、ギロチン断裁して最終バー寸法にする。
【0039】
5.振り掛けまたは表面コーティングが必要であれば、次に大きさを揃えたシリアルバーをSollichタイプのエンローバーまたはデコレーターにくぐらせた後、包装前の最終冷却ステップへ進む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも15重量%以上の完全穀粒と、
約35重量%以上のバインダーと、
約5重量%以上の配合コーティング剤と
を含むシリアルバーであって、前記シリアルバーは、少なくとも約5重量%以上のタンパク質、約5重量%以上の繊維、およびバー28グラムあたり少なくとも120カロリー以下を提供するのに有効であり、前記シリアルバーは、約0.4から約0.6のAwを有することを特徴とするシリアルバー。
【請求項2】
約20から約60重量%の完全穀粒を含有することを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項3】
完全穀粒は、オート麦、小麦、小麦フレーク、大麦、皮麦フレーク、ソルガム、トウモロコシおよびその混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項4】
完全穀粒は、少なくとも約5重量%のロールドオート、少なくとも約4重量%の小麦フレーク、および少なくとも約5重量%の皮麦フレークのブレンドであることを特徴とする、請求項3に記載のシリアルバー。
【請求項5】
シリアルバーは、約35から約60重量%のバインダーを含有することを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項6】
バインダーは、サトウキビ汁、玄米シロップ、カラメル、オリゴフルクトース、イヌリンおよびその混合物からなる群より選択される炭水化物組成物であることを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項7】
バインダーは、少なくとも約1から15重量%のサトウキビ汁、約5から20重量%の玄米シロップ、約20から50重量%のカラメル、および約1から5重量%のオリゴフルクトースまたはイヌリンのブレンドであることを特徴とする、請求項6に記載のシリアルバー。
【請求項8】
シリアルバーは、約5から約40重量%の配合コーティング剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項9】
配合コーティング剤は、約25から55重量%の脂肪、約30から60重量%の炭水化物、少なくとも1種類の香料、および約0から約30重量%の繊維を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項10】
シリアルバーは、少なくとも約6重量%の可溶性繊維および少なくとも約3.5重量%の不溶性繊維を含有することを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項11】
少なくとも約5重量%以上のタンパク質、約5重量%以上の繊維、28グラムあたり少なくとも120カロリー以下、および約0.4から約0.6のAwを有するシリアルバーを提供するのに有効な量で、バインダーおよび配合コーティング剤を完全穀粒と混合することを含むことを特徴とするシリアルバーの作製方法。
【請求項12】
配合コーティング剤およびバインダーを混合し、次に完全穀粒と混合することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
配合コーティング剤およびバインダーを混合し、次に完全穀粒と混合し、配合コーティング剤をシリアルバー表面と接触させることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
バインダーを完全穀粒と混合し、配合コーティング剤をシリアルバー表面に塗布することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
完全穀粒は、オート麦、小麦、小麦フレーク、大麦、皮麦フレーク、ソルガム、トウモロコシおよびその混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
完全穀粒は、少なくとも約5重量%のロールドオート、少なくとも約4重量%の小麦フレーク、および少なくとも約5重量%の皮麦フレークのブレンドであることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
バインダーは、サトウキビ汁、玄米シロップ、カラメル、オリゴフルクトース、イヌリンおよびその混合物からなる群より選択される炭水化物組成物であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
バインダーは、少なくとも約1から15重量%のサトウキビ汁、約5から20重量%の玄米シロップ、約20から50重量%のカラメル、および約1から5重量%のオリゴフルクトースまたはイヌリンのブレンドであることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
配合コーティング剤は、約25から55重量%の脂肪、約30から60重量%の炭水化物、少なくとも1種類の香料、および約0から約30重量%の繊維を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
シリアルバーは、少なくとも約6重量%の可溶性繊維および少なくとも約3.5重量%の不溶性繊維を含有することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項1】
少なくとも15重量%以上の完全穀粒と、
約35重量%以上のバインダーと、
約5重量%以上の配合コーティング剤と
を含むシリアルバーであって、前記シリアルバーは、少なくとも約5重量%以上のタンパク質、約5重量%以上の繊維、およびバー28グラムあたり少なくとも120カロリー以下を提供するのに有効であり、前記シリアルバーは、約0.4から約0.6のAwを有することを特徴とするシリアルバー。
【請求項2】
約20から約60重量%の完全穀粒を含有することを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項3】
完全穀粒は、オート麦、小麦、小麦フレーク、大麦、皮麦フレーク、ソルガム、トウモロコシおよびその混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項4】
完全穀粒は、少なくとも約5重量%のロールドオート、少なくとも約4重量%の小麦フレーク、および少なくとも約5重量%の皮麦フレークのブレンドであることを特徴とする、請求項3に記載のシリアルバー。
【請求項5】
シリアルバーは、約35から約60重量%のバインダーを含有することを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項6】
バインダーは、サトウキビ汁、玄米シロップ、カラメル、オリゴフルクトース、イヌリンおよびその混合物からなる群より選択される炭水化物組成物であることを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項7】
バインダーは、少なくとも約1から15重量%のサトウキビ汁、約5から20重量%の玄米シロップ、約20から50重量%のカラメル、および約1から5重量%のオリゴフルクトースまたはイヌリンのブレンドであることを特徴とする、請求項6に記載のシリアルバー。
【請求項8】
シリアルバーは、約5から約40重量%の配合コーティング剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項9】
配合コーティング剤は、約25から55重量%の脂肪、約30から60重量%の炭水化物、少なくとも1種類の香料、および約0から約30重量%の繊維を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項10】
シリアルバーは、少なくとも約6重量%の可溶性繊維および少なくとも約3.5重量%の不溶性繊維を含有することを特徴とする、請求項1に記載のシリアルバー。
【請求項11】
少なくとも約5重量%以上のタンパク質、約5重量%以上の繊維、28グラムあたり少なくとも120カロリー以下、および約0.4から約0.6のAwを有するシリアルバーを提供するのに有効な量で、バインダーおよび配合コーティング剤を完全穀粒と混合することを含むことを特徴とするシリアルバーの作製方法。
【請求項12】
配合コーティング剤およびバインダーを混合し、次に完全穀粒と混合することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
配合コーティング剤およびバインダーを混合し、次に完全穀粒と混合し、配合コーティング剤をシリアルバー表面と接触させることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
バインダーを完全穀粒と混合し、配合コーティング剤をシリアルバー表面に塗布することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
完全穀粒は、オート麦、小麦、小麦フレーク、大麦、皮麦フレーク、ソルガム、トウモロコシおよびその混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
完全穀粒は、少なくとも約5重量%のロールドオート、少なくとも約4重量%の小麦フレーク、および少なくとも約5重量%の皮麦フレークのブレンドであることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
バインダーは、サトウキビ汁、玄米シロップ、カラメル、オリゴフルクトース、イヌリンおよびその混合物からなる群より選択される炭水化物組成物であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
バインダーは、少なくとも約1から15重量%のサトウキビ汁、約5から20重量%の玄米シロップ、約20から50重量%のカラメル、および約1から5重量%のオリゴフルクトースまたはイヌリンのブレンドであることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
配合コーティング剤は、約25から55重量%の脂肪、約30から60重量%の炭水化物、少なくとも1種類の香料、および約0から約30重量%の繊維を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
シリアルバーは、少なくとも約6重量%の可溶性繊維および少なくとも約3.5重量%の不溶性繊維を含有することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【公開番号】特開2007−130018(P2007−130018A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300419(P2006−300419)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(501360131)クラフト・フーヅ・ホールディングス・インコーポレイテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS HOLDINGS, INC.
【住所又は居所原語表記】Three Lakes Drive, Northfield, Illinois 60093 United States of America
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(501360131)クラフト・フーヅ・ホールディングス・インコーポレイテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS HOLDINGS, INC.
【住所又は居所原語表記】Three Lakes Drive, Northfield, Illinois 60093 United States of America
【Fターム(参考)】
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