説明

低カロリー茹でうどんの製造方法

【課題】この発明は、茹でうどんの製造方法に関して、原材料の配合面からのアプローチと、製造工程面からの両面からの工夫によって低カロリーの茹でうどん等を提供する。
【解決手段】原材料の計量工程、ミキシング工程、複合工程、圧延工程、切出工程、茹で工程、冷却工程、包装工程とからなる茹でうどんの製造工程において、うどん原材料の配合比率を、小麦粉66%と、この小麦粉のほぼ半量の澱粉と、補強材料として食物繊維、グルテン、酵素及び増粘剤をそれぞれ少量を加え、塩水45〜47部を以て、前記ミキシング工程を常圧下でミキシングを行うと共に、茹で工程においてその茹で湯をPH5.5〜6.0に調整して約30分程度の茹で時間とすること二よって低カロリーゆでうどんの製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
この発明は、低カロリー茹でうどんでありながら、麺質及び触感を損なうことなく茹でうどんの低カロリー化をを実現した低カロリー茹でうどんの製造方法に関する。
メタボリックシンドロームなる言葉が国民全体に普及して、肥満は健康の敵の如く世の中が動いている。このような状況にあって食品は、低カロリー食品を志向するようになっている。本発明は上記の要請に応えるものである。
【0002】
茹でうどんは現在では、準主食ではあるが、茹でうどん麺質及び触感を損なうことなく低カロリーを実現されたことがないところからも非常に困難なことであることは事実であります。
【技術の背景】
【0003】
そこで、この発明は、茹でうどんの製造方法に関して、上記の問題点を二つの面、即ち、第一点として原材料の配合面からのアプローチと、第二点製造工程面からのアプローチからの工夫によって低カロリーの茹でうどんを提供するものである。
【0004】
従来、このような低カロリーの麺の製造に関して、これまでにもさまざまの方面から研究されており、主として海藻成分を混入すること(特許文献1)、レジスタントスターチを混入するもの(特許文献2)及びこんにゃく成分を混入させるもの(例えば、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5)がある。
【0005】
【先行技術文献】
【特許文献1】特公平5−60889
【特許文献2】特開平10−262589
【特許文献3】特開平10−191912
【特許文献4】特開2004−357571
【特許文献5】特開2005−13143
【発明の開示】

【発明の解決しようとする課題】
【0006】
従来の低カロリーの麺の製造に関して提供されているのは、こんにゃく粉、大豆パウダー、こんにゃく凝固材で製造されたこんにゃくうどんであるが、これは、その外観や形状からうどんと称しているが、その実質はこんにゃくである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ミキシング工程、複合工程、圧延工程、切出工程、茹で工程、冷却工程、包装工程とからなる茹でうどんの生麺製造工程において、うどん原材料の配合比率を、小麦粉66%と、この小麦粉のほぼ半量の澱粉と、補強材料として食物繊維、グルテン、酵素及び増粘剤をそれぞれ少量を加え、塩水45〜47部を以て、前記ミキシング工程を常圧下でミキシングを行うと共に、茹で工程においてその茹で湯をPH5.5〜6.0に調整して約30分程度の茹で時間とした低カロリー茹でうどんの製造方法としたものである。
【発明の効果】
【0008】
本件の低カロリー茹でうどんの製造方法にかかるうどんでは、麺質緒及び食感を全く損なうことなく、しかも従来のこの種のうどんカロリーを約30%オフすることに成功したことによって、準主食としてのうどんの摂取量、日本人の食生活そのものを変更させる可能性を秘めている。
【発明を実施化するための形態】
【0009】
この発明は、茹でうどんの製造方法に関して、第一点として原材料の配合面からのアプローチと、第二点製造工程面からのアプローチからの工夫によって低カロリーのゆでうどんの製造を実現することが出来たものである。
そこで、第一点として原材料の配合面からのアプローチとしての原材料の配合について下記のようである。
小麦粉 66.5部
澱粉 33.5部
食物繊維 3.0部
グルテン 2.0部
酵素 2.0部
増粘剤 1.0部
冷水 43.0部
食塩 4.0部
【0010】
上記のこの発明をより明確にするために従来の配合と比較して見る。以下に示すものは、従来の配合である。
従来の配合
小麦粉 80.0部
澱粉 20.0部
酵素 0.5部
塩水 45.0部
【0011】
以下、第二点製造工程面からのアプローチについて順次に説明する。
(1)第一工程
原材料の計量工程
原材料を計量1して、上記の原材料を使用する。
小麦粉 66.5部
澱粉 33.5部
食物繊維 3.0部
グルテン 2.0部
酵素 2.0部
増粘剤 1.0部
冷水 43.0部
食塩 4.0部
(2)第二工程
常圧ミキシング工程
従来のうどん等の生麺の製造では、高密度の麺質とするべく真空ミキシングとするのが支流であるが、このような脱気しながらミキシングする真空ミキシングした場合、生地密度が高くなり、食感は硬くなる。この欠点を避けるべく、あえて常圧下2で粉と水とを均一にミキシングとしたものである。
【0012】
(3)第三工程
熟成、プレス工程では、前記の工程でミキシングされた状態で、この工程によってグルテン組織を破壊することなく短時間で均一に圧力3をかけてグルテン組織を形成させ、適当な時間生地を休ませグルテン組織の緩和を図る工程であります。
【0013】
(4)第四工程
圧延工程4である。グルテン組織の破壊を防ぎ、麺に腰を与える工程である。
【0014】
(5)第五工程
切り出し工程5である。うどんの太さにカットする工程である。
【0015】
(6)第六工程
茹で工程を従来より長時間(30分)茹でる工程6である。茹で時間を長くしても煮崩、しっかりした食感を維持するために、先に示した配合割合
小麦粉 66.5部
澱粉 33.5部
を主原料として以下のものを配合、補強している。
食物繊維 3.0部
グルテン 2.0部
酵素 2.0部
増粘剤 1.0部
特に、澱粉を多めに配合することで、長時間(30分)茹でても煮崩れせず、麺が短く切れてしまうことがなく麺質、食感を損なうことがない。
この発明でのこの工程で、従来と違って長時間茹でることにより、麺に必要な水分を保持させると共に、この際の茹で湯をPH5.5〜 6.0に調整し、沸騰させ過ぎないようにして、煮崩れを防いでいるものである。
【0016】
(7)第七工程
以下冷却、計量、包装、殺菌、冷却、保管、出荷の工程7は、従来の工程とほぼ同様である。
【産業上の利用の可能性】
【0017】
以上の工程による茹でうどんについて、うどんメーカーである大徳食品株式会社で通常のうどん調理をして社員10数名に試食してもらたところ麺質、食感、風味、弾力感、コシ、モチモチ感、及び美味しさ等、についてその感想を聴いたところ、これらの全ての点で茹でうどんとしての最高の品質の茹でうどんに仕上がっているとの感想であった。
【0018】
また、本件工程による茹でうどんについて、公的機関において従来の茹でうどんとの比較で分析して貰ったところ以下の分析結果を得た。
エネルギー(カロリー)比較の結果は以下の通りであった。
従来の茹でうどん エネルギー 141キロカロリー(100gあたり)
本願発明の茹でうどん エネルギー 90キロカロリー (100gあたり)
本願発明の茹でうどんについてのその他の栄養成分等分析データーは以下の通りである。
たんぱく質 2.9g
脂質 0.4g
炭水化物 18.8g
ナトリウム 33 mg
食塩相当量 0.1g
水分 77.8g
灰分 0.1g
比較のため、従前のうどんの麺質データーは次の通りである。
たんぱく質 2.7g
脂質 0.4g
炭水化物 31.7g
ナトリウム 190 mg
食塩相当量 0.5g
水分 64.7g
灰分 0.5g
この結果、従来の茹でうどんに比較して約30%の低カロリーとすることができたものであります。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の工程図である
【符号の説明】
1 ... 常圧ミキシング工程
2 ... 熟成、プレス工程
3 ... 熟成、プレス工程
4 ... 圧延工程
5 ... 切り出し工程
6 ... 茹で工程
7 ... 冷却、計量、包装、殺菌、冷却、保管、出荷の工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原材料の計量工程、ミキシング工程、複合工程、圧延工程、切出工程、茹で工程、冷却工程、包装工程とからなる茹でうどんの製造工程において、うどん原材料の配合比率を、小麦粉66%と、この小麦粉のほぼ半量の澱粉と、補強材料として食物繊維、グルテン、酵素及び増粘剤をそれぞれ少量を加え、塩水45〜47部を以て、前記ミキシング工程を常圧下でミキシングを行うと共に、茹で工程においてその茹で湯をPH5.5〜6.0に調整して約30分程度の茹で時間としたことを特徴とする低カロリーゆでうどんの製造方法。

【図1】
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