説明

低分子干渉核酸(siNA)を用いたシグナル伝達性転写因子6(STAT6)遺伝子発現のRNA干渉媒介性阻害

本発明は、STAT6遺伝子の発現および/または活性のモジュレーションに応答する、および/またはSTAT6遺伝子発現経路をモジュレートする形質、疾患および病状の試験、診断、および処置のための化合物、組成物、および方法に関する。詳しくは、本発明は、STAT6遺伝子発現に対するRNA干渉(RNAi)を媒介し得るか、または媒介する二本鎖核酸分子、例えば、低分子干渉核酸(siNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、および低分子ヘアピンRNA(shRNA)分子などの小核酸分子に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに相補性を有する第1鎖と第2鎖を含み、該鎖の少なくとも一方が、
5’− GUGAAAGCCUGGUGGACAU −3’ (配列番号:2);
5’− AUGUCCACCAGGCUUUCAC −3’ (配列番号:140);
5’− CUACCAUGGUGCCUUCUUA −3’ (配列番号:9);
5’− UAAGAAGGCACCAUGGUAG −3’ (配列番号:141);
5’− GUUCGAUUCCUGUUGGGCU −3’ (配列番号:11);
5’− AGCCCAACAGGAAUCGAAC −3’ (配列番号:142);
5’− CUGCACAGCUUGAUAGAAA −3’ (配列番号:17);
5’− UUUCUAUCAAGCUGUGCAG −3’ (配列番号:143);
5’− CUGCUCUGCUCAGAUGUGA −3’ (配列番号:20);または
5’− UCACAUCUGAGCAGAGCAG −3’ (配列番号:144);
の少なくとも15個のヌクレオチドを含み、該ヌクレオチドの1個以上が、化学修飾されていてもよい二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項2】
該ヌクレオチドがすべて非修飾である、請求項1に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項3】
少なくとも1つのヌクレオチドが、化学修飾されたヌクレオチドである、請求項1に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項4】
該化学修飾されたヌクレオチドが2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドである、請求項3に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項5】
該化学修飾されたヌクレオチドが2’−デオキシヌクレオチドである、請求項3に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項6】
該化学修飾されたヌクレオチドが2’−O−アルキルヌクレオチドである、請求項3に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項7】
センス鎖とアンチセンス鎖を有する式(A):
【化1】

を含む、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子であって、
式中、上側の鎖は、該二本鎖核酸分子のセンス鎖であり、下側の鎖はアンチセンス鎖であり;該アンチセンス鎖は、配列番号:140、配列番号:141、配列番号:142、配列番号:143、または配列番号:144の少なくとも15個のヌクレオチドを含み、該センス鎖は、該アンチセンス鎖と相補性を有する配列を含み;
各Nは、独立して、非修飾または化学修飾されたヌクレオチドであり;
各Bは、存在する、または存在しない末端キャップであり;
(N)は、各々、独立して、非修飾化学修飾された突出ヌクレオチドを表し;
[N]は、リボヌクレオチドであるヌクレオチドを表し;
X1およびX2は、独立して、0〜4の整数であり;
X3は、17〜36の整数であり;
X4は、11〜35の整数であり;
X5は、1〜6の整数であるが、X4とX5の和は17〜36であるものとする、
二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項8】
(a)NX4位の1個以上のピリミジンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−O−アルキルヌクレオチド、2’−デオキシヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはその任意の組合せであり;
(b)NX4位の1個以上のプリンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−O−アルキルヌクレオチド、2’−デオキシヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはその任意の組合せであり;
(c)NX3位の1個以上のピリミジンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−O−アルキルヌクレオチド、2’−デオキシヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはその任意の組合せであり;
(d)NX3位の1個以上のプリンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−O−アルキルヌクレオチド、2’−デオキシヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはその任意の組合せである、
請求項7に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項9】
(a)NX4位の各ピリミジンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−O−アルキルヌクレオチド、2’−デオキシヌクレオチド、またはリボヌクレオチドであり;
(b)NX4位の各プリンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−O−アルキルヌクレオチド、2’−デオキシヌクレオチド、またはリボヌクレオチドであり;
(c)NX3位の各ピリミジンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−O−アルキルヌクレオチド、2’−デオキシヌクレオチド、またはリボヌクレオチドであり;
(d)NX3位の各プリンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−O−アルキルヌクレオチド、2’−デオキシヌクレオチド、またはリボヌクレオチドである、
請求項7に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項10】
(a)NX4位の各ピリミジンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり;
(b)NX4位の各プリンヌクレオチドが、独立して、2’−O−アルキルヌクレオチドであり;
(c)NX3位の各ピリミジンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり;
(d)NX3位の各プリンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシヌクレオチドである、
請求項7に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項11】
(a)NX4位の各ピリミジンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり;
(b)NX4位の各プリンヌクレオチドが、独立して、2’−O−アルキルヌクレオチドであり;
(c)NX3位の各ピリミジンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり;
(d)NX3位の各プリンヌクレオチドが、独立して、リボヌクレオチドである、
請求項7に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項12】
(a)NX4位の各ピリミジンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり;
(b)NX4位の各プリンヌクレオチドが、独立して、リボヌクレオチドであり;
(c)NX3位の各ピリミジンヌクレオチドが、独立して、2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチドであり;
(d)NX3位の各プリンヌクレオチドが、独立して、リボヌクレオチドである、
請求項7に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項13】
X5が3である、請求項7に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項14】
X1が2であり、X2が2である、請求項7に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項15】
X5が3であり、X1が2であり、X2が2である、請求項7に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項16】
X5=1、2、または3;各X1およびX2=1または2;X3=17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30、およびX4=15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30である、請求項7に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項17】
X5=2;各X1およびX1=2;X3=19、およびX4=18である、請求項7に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項18】
X5=2;各X1およびX2=2;X3=19、およびX4=17である、請求項7に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項19】
X5が3であり、X1が2であり、X2が2であり、X3が19であり、X4が16である、請求項7に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項20】
siNAが、
【化2】

(式中:
各Bは、逆位無塩基キャップ部分であり;
cは、2’−デオキシ−2’フルオロシチジンであり;
uは、2’−デオキシ−2’フルオロウリジンであり;
(イタリック体)Aは、2’−デオキシアデノシンであり;
(イタリック体)Gは、2’デオキシグアノシンであり;
Tは、チミジンであり;
Aは、アデノシンであり;
Gは、グアノシンであり;
Uは、ウリジンであり;
は、2’−O−メチル−アデノシンであり;
は、2’−O−メチル−グアノシンであり;
は、2’−O−メチル−ウリジンであり;
前記ヌクレオチド間結合は化学修飾されているか、または非修飾である)
である、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項21】
前記ヌクレオチド間結合が非修飾である、請求項20に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項22】
siNAが、
【化3】

(式中:
各Bは、逆位無塩基キャップ部分であり;
cは、2’−デオキシ−2’フルオロシチジンであり;
uは、2’−デオキシ−2’フルオロウリジンであり;
(イタリック体)Aは、2’−デオキシアデノシンであり;
(イタリック体)Gは、2’デオキシグアノシンであり;
Tは、チミジンであり;
Uは、ウリジンであり;
Aは、アデノシンであり;
は、2’−O−メチル−アデノシンであり;
は、2’−O−メチル−グアノシンであり;
は、2’−O−メチル−ウリジンであり;
前記ヌクレオチド間結合は化学修飾されているか、または非修飾である)
である、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項23】
前記ヌクレオチド間結合が非修飾である、請求項22に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項24】
siNAが、
【化4】

(式中:
各Bは、逆位無塩基キャップ部分であり;
cは、2’−デオキシ−2’フルオロシチジンであり;
uは、2’−デオキシ−2’フルオロウリジンであり;
(イタリック体)Aは、2’−デオキシアデノシンであり;
(イタリック体)Gは、2’デオキシグアノシンであり;
Tは、チミジンであり;
Aは、アデノシンであり;
Gは、グアノシンであり;
Cは、シチジンであり;
は、2’−O−メチル−アデノシンであり;
は、2’−O−メチル−グアノシンであり;
は、2’−O−メチル−ウリジンであり;
前記ヌクレオチド間結合は化学修飾されているか、または非修飾である)
である、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項25】
前記ヌクレオチド間結合が非修飾である、請求項24に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項26】
siNAが、
【化5】

(式中:
各Bは、逆位無塩基キャップ部分であり;
cは、2’−デオキシ−2’フルオロシチジンであり;
uは、2’−デオキシ−2’フルオロウリジンであり;
(イタリック体)Aは、2’−デオキシアデノシンであり;
(イタリック体)Gは、2’デオキシグアノシンであり;
Tは、チミジンであり;
Uは、ウリジンであり;
は、2’−O−メチル−アデノシンであり;
は、2’−O−メチル−グアノシンであり;
は、2’−O−メチル−ウリジンであり;
前記ヌクレオチド間結合は化学修飾されているか、または非修飾である)
である、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項27】
前記ヌクレオチド間結合が非修飾である、請求項26に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項28】
siNAが、
【化6】

(式中:
各Bは、逆位無塩基キャップ部分であり;
cは、2’−デオキシ−2’フルオロシチジンであり;
uは、2’−デオキシ−2’フルオロウリジンであり;
(イタリック体)Aは、2’−デオキシアデノシンであり;
(イタリック体)Gは、2’デオキシグアノシンであり;
Tは、チミジンであり;
Aは、アデノシンであり;
Cは、シチジンであり;
Uは、ウリジンであり;
は、2’−O−メチル−アデノシンであり;
は、2’−O−メチル−グアノシンであり;
は、2’−O−メチル−ウリジンであり;
前記ヌクレオチド間結合は化学修飾されているか、または非修飾である)
である、二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項29】
前記ヌクレオチド間結合が非修飾である、請求項28に記載の二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子。
【請求項30】
薬学的に許容され得る担体または希釈剤中に、請求項1、7、20、22、24、26、または28のいずれかの二本鎖低分子干渉核酸(siNA)を含む医薬組成物。
【請求項31】
エアロゾル製剤中に請求項1、7、20、22、24、26、または28の前記二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を含む医薬組成物。
【請求項32】
被検体に、有効量の請求項7の前記二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を投与することを含む、STAT6の作用によって、または該作用の低下によって媒介される病状に罹患したヒト被検体の処置方法。
【請求項33】
被検体に、有効量の請求項20、22、24、26、または28の前記二本鎖低分子干渉核酸(siNA)分子を投与することを含む、STAT6の作用によって、または該作用の低下によって媒介される病状に罹患したヒト被検体の処置方法。
【請求項34】
該病状が呼吸器疾患である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
該病状が呼吸器疾患である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記呼吸器疾患が、COPD、嚢胞性線維症、喘息、好酸球性の咳、気管支炎、サルコイドーシス、肺線維症、鼻炎、および副鼻腔炎からなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記呼吸器疾患が、COPD、嚢胞性線維症、喘息、好酸球性の咳、気管支炎、サルコイドーシス、肺線維症、鼻炎、および副鼻腔炎からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−520686(P2012−520686A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500944(P2012−500944)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/027732
【国際公開番号】WO2010/107958
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(511127313)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (11)
【Fターム(参考)】