説明

低分子量RNA分子を識別し、かつ定量するための組成物、方法ならびにキット

ポリヌクレオチド標的を識別し、かつ定量するための組成物、方法およびキットが、開示される。そのポリヌクレオチド標的が、低分子量RNA分子(マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)および他のある種類の非翻訳RNA分子が挙げられるが、これらに限定されない)である場合には、これらの組成物、方法およびキットは、特に有用である。上記開示される第1プライマーセットの順方向プライマーおよび逆方向プライマーは、非常に短い6ヌクレオチド長から10ヌクレオチド長の標的結合部位を含む。上記開示される方法の幾つかは、多数の標的ポリヌクレオチドを識別、定量するため、または識別かつ定量するため、1つ以上の多重的な反応工程を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、一般に、低分子量RNA分子を発見、検出または定量するための方法、試薬およびキットに関する。より具体的には、該開示された組成物、方法およびキットは、ポリヌクレオチドを識別し、検出し、かつ定量するのに有用である。このポリヌクレオチドは、制限されずに、マイクロRNA(miRNA)前駆体、デオキシリボヌクレオチドを含むポリヌクレオチド、および低分子量RNA分子を含み、この低分子量RNA分子としては、例えば、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)および他の非翻訳RNA分子(ncRNA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
(背景技術)
特定の核酸配列の識別および定量は、過去20年から30年に渡り、分子生物学で大きな関心を抱かれる分野であり続けてきた。遺伝子型および遺伝子発現プロファイリングは、現在、集中的に研究されている、ただ2つの分野である。ある核酸およびその生成物を識別し、かつ定量する能力は、一塩基遺伝子多型(SNP)分析および薬剤耐性の評価を含む、個別医学のような広範囲な学問分野の進歩を可能にし、生化学および分子生物学プロセスについての我々の理解を促進し、かつ、とりわけ、癌診断および処置を進歩させた。
【0003】
ある非翻訳低分子量RNA分子、特に低分子干渉RNA(siRNA)ならびにマイクロRNA(miRNA)およびそれらの前駆体の新たに発見された特性、ならびにそれらの細胞内プロセスへの効果に、最近の関心の多くが集中している。現在、低分子干渉RNA(siRNA)が、遺伝子抑制に関与すると考えられている一方で、マイクロRNA(miRNA)が、幾つかの形態の翻訳抑制および、幾つかの場合に、遺伝子抑制の原因となっていると考えられている。これらの低分子量RNA分子に対する関心が劇的に上昇した一方で、科学者たちは、これらの低分子を識別し、かつ定量するという困難な作業に直面している。
【0004】
ダイサー切断(Dicer cleavage)後に、上記低分子干渉RNA(siRNA)は、代表的には、19ヌクレオチド長から23ヌクレオチド長になる。上記マイクロRNA(miRNA)は、約17ヌクレオチド長から29ヌクレオチド長の範囲に及ぶ、内在的に発現された1本鎖リボヌクレオチドである。マイクロRNA(miRNA)は、自らの制御配列を有することもあるし有さないこともある、特定遺伝子に由来する。マイクロRNA(miRNA)種は、分子クローン技術、MiRscanおよびmiRseekerのような計算アルゴリズム、ならびに試行錯誤的手法を使用して、識別されてきた。数百のマイクロRNA(miRNA)種が、線虫、ショウジョウバエ、植物およびヒトを含む哺乳動物において識別され、かつその数は、さらなるマイクロRNA(miRNA)種が発見されるにつれて、増加しつつある。
【0005】
現在受け入れられているマイクロRNA(miRNA)生物発生モデルによれば、マイクロRNA(miRNA)遺伝子は、転写され、時々1キロベースを超える転写1次産物(pri−miRNA)を生成する。このpri−miRNAは、代表的には、約70ヌクレオチド長から80ヌクレオチド長のマイクロRNA(miRNA)前駆体を形成するため、エンドヌクレアーゼDroshaによって、核内で切断される。その転写1次産物は、能動的に核から細胞質へ輸送され、そこで、該転写1次産物は、低分子干渉RNAプロセシングにも関与するエンドヌクレアーゼDicerによって、さらにマイクロRNA(miRNA)にプロセシングされる。
【0006】
過去10年間に種々の低分子量RNA分子について、多くのことが知られるようになった一方で、多くのことが解明されないままである。上記低分子量RNA分子が小型であることは、特に候補となる低分子量RNA分子を識別し、かつ検証すること、および公知の種類の低分子量RNA分子を検出し、かつ定量することに関して、問題を提起し得る。従来の技術は、これらの必要性に十分応えていない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
本教示は、ポリヌクレオチドを識別し、検出し、かつ定量するための方法、試薬およびキットに関する。このポリヌクレオチドは、限定でなく例示として、以下:デオキシリボヌクレオチドから構成されるポリヌクレオチドおよびリボヌクレオチドから構成されるポリヌクレオチド、ここで、該ポリヌクレオチドは、制限されずに、非翻訳機能的RNA、非翻訳RNA(ncRNA)、非メッセンジャーRNA(snmRNA)、低分子干渉RNA、転移RNA、小型非翻訳RNA(tncRNA)、スモールモジュラトリーRNA(smRNA)、核小体内低分子RNA(snoRNA)、一過性低分子RNA(stRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、制限されずにプライマリーマイクロRNA(pri−miRNA)および前駆体マイクロRNA(pre−miRNA)のようなマイクロRNA(miRNA)前駆体、等を含む。例えば、Eddy、Nature Reviews Genetics、2001、2:919−29;Storz、Science、2002、296:1260−63;Buckingham、Understanding the RNAissance、2003、1−3、を参照のこと。
【0008】
各々が異常に短い標的結合部位を有する、順方向プライマーおよび対応する逆方向プライマーを含む第1プライマーセットが、開示される。この順方向プライマーの標的結合部位は、上記対応するポリヌクレオチド標的の第1領域と同じ配列を有する、10個以下のヌクレオチドを含む。上記逆方向プライマーの標的結合部位は、上記対応するポリヌクレオチド標的の第2領域と相補的な配列を有する、10個以下のヌクレオチドを含む。幾つかの実施形態において、上記第1プライマーセットの順方向プライマーおよび逆方向プライマーの標的結合部位は、各々、上記対応するポリヌクレオチド標的の第1領域および第2領域と同じ配列を有するか、または相補的である6個、7個、8個、または9個だけのヌクレオチドを含む。幾つかの実施形態において、上記標的の対応する領域が、上記標的ヌクレオチドの5’末端および3’末端の末端ヌクレオチドを含む一方、他の実施形態において、上記標的ヌクレオチドの対応する領域は、この標的ヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドおよび3’末端ヌクレオチドを含まない。第1プライマーセットの順方向プライマーおよび逆方向プライマーは、代表的には、さらに第2部位を含む。この第2部位は、上記プライマーの標的結合部位の上流にあり、かつ標的結合部位であり得るが、必ずしもそうとは限定されない、上記標的結合部位の内側または外側にある、ヌクレオチドアナログを含むプライマーもまた、このアナログが開示される増幅工程に干渉しなければ、上記教示の範囲内にある。
【0009】
開示される方法のある実施形態において、ポリヌクレオチド標的、第1プライマーセットおよび第1伸長酵素を含む単一の反応組成物が形成される。ある実施形態においては、上記単一の反応組成物は、さらに第2プライマーセット、第2伸長酵素、第3伸長酵素またはそれらの組み合わせを含む。結局、各ポリヌクレオチド標的当たり2つのプライマーセットが、同じ反応組成物および、代表的には、同じ反応容器で生じる2つ、3つまたは4つの増幅工程に使用される。それらの増幅工程は、代表的には、以下:(i)上記第1プライマーセットの逆方向プライマーを伸長することによって、第1生成物を生成する工程、(ii)テンプレートとしての上記第1生成物および上記第1プライマーセットの対応する順方向プライマーを使用して、第1単位複製配列を生成する工程、(iii)必要に応じて、上記対応する第1プライマーセットのさらなる順方向プライマーおよびさらなる逆方向プライマーを使用して、さらなる第1単位複製配列を生成する工程、ならびに(iv)必要に応じて、テンプレートとしての上記第1単位複製配列(および適切な場合には、上記さらなる第1単位複製配列も)および上記第2プライマーセットの対応する第1プライマーおよび第2プライマーを使用して、第2単位複製配列を生成する工程(この第2プライマーセットは、ユニバーサルプライマー、独特のハイブリダイゼーションタグを含むプライマー、またはそれらの両方を含み得るが、必ずしも含むとは限定されない)、を包含する。上記反応は、リアルタイム検出を含み得るが、必ずしも含むとは限定されない。ある実施形態においては、増幅工程は、多重化する工程を包含する。
【0010】
ある実施形態において、単一反応組成物を形成するため、ポリヌクレオチド標的が、順方向プライマーおよび逆方向プライマーを含む第1プライマーセット、第2プライマーセットならびに伸長酵素と組み合わされる。上記単一反応組成物は、適切な条件下で反応され、かつ第1生成物、第1単位複製配列、さらなる第1単位複製配列および第2単位複製配列が生成される。ある実施形態においては、第1単位複製配列、さらなる第1単位複製配列、第2単位複製配列およびそれらの組み合わせが、検出され、かつ上記ポリヌクレオチドが、識別および/または定量される。ある実施形態においては、上記増幅する工程、上記検出する工程および上記定量する工程は、Q−PCRまたは別のリアルタイム技術を含む。ある実施形態は、エンドポイント検出技術を含む。
【0011】
ある実施形態において、開示される方法は、少なくとも2つの異なる反応組成物を形成する工程を含み、これらの反応組成物には、例えば、第1反応組成物および第2反応組成物が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態は、さらに、少なくとも第3反応組成物を含む。ある実施形態においては、ポリヌクレオチド標的当たり2つのプライマーセットが、3つ、または4つの増幅工程で使用される。この増幅工程は、少なくとも2つの異なる反応組成物で起き、かつ同じ反応容器で起き得るが必ずしも起きるとは限定されない。この組成物は、制限されずに、第1反応組成物および多数の異なる第2反応組成物を含む。上記方法によれば、上記第1反応組成物で起きる増幅工程は、代表的に、以下:(i)上記第1プライマーセットの逆方向プライマーを使用して、第1生成物を生成する工程、(ii)上記第1プライマーセットのテンプレートおよび対応する順方向プライマーとして、上記第1生成物を使用して、第1単位複製配列を生成する工程、(iii)必要に応じて、上記対応する第1プライマーセットのさらなる順方向プライマーおよびさらなる逆方向プライマーを使用して、さらなる第1単位複製配列を生成する工程、を含む。上記第1工程が完了する場合に、第2反応組成物は、代表的に、(i)上記反応させた第1反応組成物の一部もしくは全て、(ii)ユニバーサルプライマー,独特のハイブリダイゼーションタグを含むプライマー、またはそれらの両方を含み得るが、必ずしも含むとは限定されない、第2プライマーセット、(iii)第3伸長酵素および、必要に応じて、(iv)レポータープローブ、を組み合わせて形成される。適切な反応条件下で、第2単位複製配列は、テンプレートとして、上記さらなる第1単位複製配列を使用して生成される。ある実施形態においては、上記第1工程反応は、多重的な第1反応組成物で実施される。ある実施形態においては、上記第2工程反応は、多重的に実行される。この反応は、多数のより低い構成単位の第2反応同時組成物を含み得るが、必ずしも含むとは限定されない。上記第2工程反応は、リアルタイム検出を含み得るが、必ずしも含むとは限定されない。
【0012】
開示された方法の幾つかは、第1プライマーセットの逆方向プライマーを、対応するポリヌクレオチド標的の第2領域とハイブリダイズする工程、および第1生成物を生成するため、第1伸長酵素を使用して上記ハイブリダイズさせた逆方向プライマーを伸長する工程、を包含する。上記標的が、RNA(例えば、低分子量RNA分子が挙げられるが、これに限定されない)を含む場合に、上記第1生成物は、逆転写産物を含み、かつ上記第1伸長酵素は、逆転写酵素を含み得るが、必ずしも含むとは限定されない。上記第1生成物を、上記第1プライマーセットからの上記対応する順方向プライマーとハイブリダイズさせ、かつこのハイブリダイズさせた順方向プライマーを第2伸長酵素で伸長し、第1単位複製配列を生成する。上記第1単位複製配列の変性した鎖は、さらなる順方向プライマーおよびさらなる逆方向プライマーとハイブリダイズし得、これらのプライマーは伸長され、さらなる第1単位複製配列を生成し得る。ある実施形態においては、一本鎖形態ならびに/あるいは二本鎖形態の第1単位複製配列、さらなる第1単位複製配列、または第1単位複製配列およびさらなる第1単位複製配列が、この第1単位複製配列もしくはこのさらなる第1単位複製配列におけるレポーター基、レポータープローブ結合、色素挿入、またはそれらの組み合わせに起因して検出される。
【0013】
ある実施形態において、第2単位複製配列は、第2プライマーセットのプライマーと、
上記さらなる第1単位複製配列の対応する鎖とをハイブリダイズさせ、かつこのハイブリダイズさせた第2プライマーセットを、第3伸長酵素で伸長することによって、生成される。ある実施形態においては、上記第2伸長酵素および上記第3伸長酵素が、同じ酵素である一方で、他の実施形態においては、これらの第2伸長酵素および第3伸長酵素は、異なる酵素である。上記第2プライマーセットを含む増幅反応は、さらなる反応サイクルにおけるテンプレートとして、上記さらなる第1単位複製配列、上記第2単位複製配列、または上記さらなる第1単位複製配列および上記第2単位複製配列を使用して繰り返され、さらなる第2単位複製配列を生成し得る。この第2単位複製配列は、単一の増幅サイクルにより生成されるにせよ、または複数の増幅サイクルにより生成されるにせよ、検出され、かつ上記対応するヌクレオチド標的は、識別されるか、定量されるか、、または識別および定量され得る。ある実施形態においては、一本鎖形態および/もしくは二本鎖形態の第2単位複製配列、またはその代替物が、上記第2単位複製配列におけるレポーター基、レポータープローブ結合、色素挿入、またはそれらの組み合わせに起因して検出される。
【0014】
ある実施形態において、第2反応組成物が、形成され、この第2反応組成物は、(i)上記第1単位複製配列、上記さらなる第1単位複製配列、または上記第1単位複製配列および上記さらなる第1単位複製配列、ならびに(ii)上記第1単位複製配列、上記さらなる第1単位複製配列、または上記第1単位複製配列および上記さらなる第1単位複製配列のプライマー結合部位とハイブリダイズし得る、プライマーを含む第2プライマーセット、を包含する。ある実施形態においては、上記第2反応組成物は、さらに、レポータープローブ、挿入剤、第3伸長酵素(上記第2伸長酵素と同じであっても、異なってもよい)、レポーター基で標識されたdNTP、リンカーアームを含むdNTPまたはそれらの組み合わせを含む。開示される方法のある実施形態においては、上記標的は、多数の異なる標的ポリヌクレオチドを含み、これらの標的ポリヌクレオチドは、制限されずに、デオキシリボヌクレオチドを含む多数のポリヌクレオチド、またはリボヌクレオチドを含む多数のポリヌクレオチドを含む。これらのリボヌクレオチドには、例えば、多数の低分子量RNA分子が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態においては、上記第2反応組成物は、多数の第2反応組成物を含み、ここで、上記多数のポリヌクレオチド標的のサブセットは、識別および/または定量される。
【0015】
ポリヌクレオチド標的を識別するため、またはポリヌクレオチド標的を定量するための上記開示される方法の他の実施形態は、上記ポリヌクレオチド標的、第1プライマーセット、第2プライマーセットおよび第1伸長酵素を含む反応組成物を形成する工程を包含する。ある実施形態においては、この反応組成物は、さらに、レポータープローブ、挿入剤、レポーター基と標識されたdNTP、リンカーアームを含むdNTP、第2伸長酵素、第3伸長酵素、またはそれらの組み合わせを含む。適切な反応条件下では、第1反応生成物、第1単位複製配列、さらなる第1単位複製配列および第2単位複製配列が生成される。上記第2単位複製配列が、検出され、かつ上記対応するポリヌクレオチド標的が、識別されるか、定量されるか、、または識別および定量される。ある実施形態においては、さらなる増幅サイクルは、さらなる第1単位複製配列もしくは第2単位複製配列、またはそれらの両方を生成する。
【0016】
上記開示される方法のある実施形態において、多数の異なるポリヌクレオチド標的が、多数の異なる第1プライマーセット、第1伸長酵素および第2伸長酵素を使用して、識別されるか、定量されるか、または識別および定量され、ここで、それらの第1伸長酵素および第2伸長酵素は、同じ酵素または異なる酵素である。幾つかの実施形態は、さらに、多数の異なる第2プライマーセットを含み、ここで、第2プライマーセットは、ユニバーサルプライマー、独特なハイブリダイゼーションタグ、またはそれらの両方;第3伸長酵素;多数の異なるレポータープローブ;レポーター基と標識されたdNTP、リンカーアームを含むdNTP、またはそれらの両方;あるいはそれらの組み合わせ、を含む。ある実施形態においては、レポーター基と標識されたdNTP、リンカーアームを含むdNTP、またはそれらの両方は、単位複製配列に組み入れられる。ある実施形態においては、親和性タグまたはレポーター基は、リンカーアームを含む単位複製配列に結合される。幾つかの実施形態においては、上記第2伸長酵素および上記第3伸長酵素は、同じ酵素であり、かつ上記第1伸長酵素および該第2伸長酵素は、異なる酵素である。
【0017】
本教示のある実施形態は、制限されずに、低分子量RNA分子を含む、多数の異なるポリヌクレオチドを、識別、検出、または定量するための多重的な工程を包含する。幾つかの実施形態は、単一の標的ヌクレオチドを識別、検出、または定量するための1構成単位の工程を含む。本教示のある実施形態は、2つ以上の多重的な工程を含む。ある実施形態は、1構成単位の反応、2構成単位の反応、3構成単位の反応および4構成単位の反応、等を含む多重的な工程を企図する。ある実施形態においては、評価される上記多数の異なるポリヌクレオチド標的のサブセットだけが、所定の1構成単位の反応、所定の2構成単位の反応、所定の3構成単位の反応および所定の4構成単位の反応、等で、識別、検出または/および定量される。本教示のある実施形態は、さらに、制限されずに、マルチウェルプレート、またはマルチチャンバーマイクロ流体装置を含む、マルチウェル反応容器を含み、ここで、多数のそれらサブセットの分析は、代表的には、並行して実施される。
【0018】
本教示によれば、低分子量RNA分子を識別する方法が開示される。その方法のある実施形態において、第1プライマーセットの逆方向プライマーが、低分子量RNA分子と、ハイブリダイズされる。その逆方向プライマーは、以下:代表的には、上記3’末端またはその近くで、上記低分子量RNA分子の第2領域と相補的である、10個以下のヌクレオチドを含む(b)RNA分子結合部位の上流にある(a)プライマー結合部位、を含む。ある実施形態においては、上記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位は、その低分子量RNA分子の第2領域と相補的である、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む。上記ハイブリダイズさせた逆方向プライマーは、第1伸長酵素により、テンプレート依存様式で上記低分子量RNA分子に沿って伸長され、逆転写産物を生成する。その対応する第1プライマーセットの順方向プライマーは、以下:上記低分子量RNA分子(代表的には、上記5’末端、またはその近くで)の第1領域と同じ配列を有する、10個以下のヌクレオチドを含む(b)低分子量RNA分子結合部位の上流にある(a)プライマー結合部位、を含み、上記対応する逆転写産物とハイブリダイズされる。上記ハイブリダイズさせた順方向プライマーは、第2伸長酵素によって伸長され、第1単位複製配列を生成する。ある実施形態においては、第1単位複製配列は変性され、または、適切なときには、この分離させた鎖は、上記第1プライマーセットの順方向プライマーもしくは逆方向プライマーのいずれかとハイブリダイズする。上記ハイブリダイズした順方向プライマーおよび逆方向プライマーは、第2伸長酵素によって伸長され、さらなる第1単位複製配列を生成する。(a)上記第1単位複製配列および/または上記さらなる第1単位複製配列を変性させ、(b)上記対応する順方向プライマーおよび逆方向プライマーと、その第1単位複製配列および/もしくはそのさらなる第1単位複製配列の変性させた鎖とをハイブリダイズさせ、そして(c)伸長酵素を使用して上記ハイブリダイズさせたプライマーを伸長するサイクルは、繰り返され得るが必ずしも繰り返される必要はなく、より多くのさらなる第1単位複製配列を生成する。当業者は、上記第1標的領域および上記第2標的領域が、上記標的ヌクレオチドの末端ヌクレオチドを含み得るが、必ずしも含む必要はないことを理解し;幾つかの実施形態においては、当業者は、上記対応する末端から2番目、および3番目、等で停止し得る。
【0019】
ある実施形態において、さらなる第1単位複製配列が、第2プライマーセットと組み合わされ、そしてこの第1単位複製配列は、第2伸長酵素、または第3伸長酵素によって増幅され、多数の第2単位複製配列を生成する。ある実施形態においては、上記第1単位複製配列、上記さらなる第1単位複製配列、または上記第1単位複製配列および上記さらなる第1単位複製配列が、上記第2プライマーセットと組み合わされ、そして第2伸長酵素、または第3伸長酵素によって増幅され、多数の第2単位複製配列を生成する。上記第2単位複製配列は、種々の検出手段のいずれかによって検出され得、そして上記低分子量RNA分子が、識別かつ/または定量される。ある実施形態においては、上記第1伸長酵素および上記第2伸長酵素は、同じ酵素であるか、または異なる酵素である。ある実施形態においては、上記第2伸長酵素および上記第3伸長酵素は、同じ酵素であるか、または異なる酵素である。ある実施形態においては、上記第2伸長酵素および上記第3伸長酵素は、同じ酵素であり、かつ上記第1伸長酵素は、異なる酵素である。ある実施形態においては、上記検出する工程は、レポータープローブ、挿入剤またはそれらの両方を含む。ある実施形態においては、上記増幅する工程、上記検出する工程および上記定量する工程は、定量PCR(G−PCR)または別のリアルタイム技術を含む。ある実施形態は、エンドポイント検出技術を含む。
【0020】
標的ポリヌクレオチドを識別または定量するための上記開示される方法のある実施形態は、以下:第1生成物を生成するための工程;第1単位複製配列を生成するための工程;さらなる第1単位複製配列を生成するための工程;第2単位複製配列を生成するための工程;上記第2単位複製配列またはその代替物を検出する工程;および上記ポリヌクレオチド標的を定量するための工程または上記ポリヌクレオチド標的を識別する工程、を包含する。ある実施形態においては、上記ポリヌクレオチド標的は、制限されずに、マイクロRNA(miRNA)を含む低分子量RNA分子、を含む。
【0021】
本教示は、上記開示される方法に特に有用であるレポータープローブも提供する。しかしながら、当業者は、従来のレポータープローブも、上記開示される方法で使用され得ることを認識する。上記開示される方法を実施するために使用され得るキットも提供される。ある実施形態において、キットは、第1プライマーセットおよび第1伸長酵素を含む。ある実施形態においては、上記開示されるキットは、さらに、第2伸長酵素、第3伸長酵素、第2プライマーセット、レポータープローブ、レポーター基、反応容器、またはそれらの組み合わせを含む。本教示のこれらの特徴および他の特徴は、本明細書中で明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(代表的実施形態の説明)
上記一般的説明および下記詳説は、代表的および説明的なだけであり、かつ上記教示範囲の制限を意図しないと理解されるべきである。本出願において、単数形の使用は、他に特記がなければ、複数形を含む。例えば、「プライマー(a primer)」は、1つ以上のプライマーが存在し得るが、必ずしも存在しないことを意味する;例示であるが制限されずに、特定の第1プライマー種の1つ以上のコピー、同様に、特定の第1プライマー型の1つ以上の種類、例えば、多数の異なる順方向プライマーが挙げられるが、これに限定されない。また、「comprise」、「comprises」、「comprising」、「contain」、「contains」、「containing」、「include」」、「includes」および「including」(すべて「含む」または「包含する」)の使用は、制限されることを意図しない。
【0023】
本明細書中で使用される節の見出しは、整理目的だけであり、かつ、決して説明された主題を制限すると解されるべきではない。特許、特許出願、記事、著書、条約およびインターネットウェブページを含むが、これらに限定されない、本出願で引用された全ての文献ならびに類似資料は、いかなる目的であっても、その全体が参考として明示的に援用される。援用された文献および類似資料の1つ以上が、本出願(定義された用語、用語法、説明技法または類似物を含むが、それらに限定されない)に矛盾する場合は、本出願が優先する。
【0024】
(I.定義)
本明細書中で使用される「親和性タグ」という用語は、多成分複合体の成分をいい、ここで、その多成分複合体の成分は、特異的に相互に反応し、または相互に結合する。代表的な多成分親和性タグ複合体は、制限されずに、リガンドおよびそのレセプター、例えば、アビジン−ビオチン、ストレプトアビジン−ビオチンおよび、制限されずに、2−イミノビオチン、デスチオビオチン、NeutrAvidin(Molecular Probes、Eugene、Oregon)、CaptAvidin(Molecular Probes)などを含む、ビオチン、ストレプトアビジンまたはアビジンの誘導体;制限されずに、マルトース−結合タンパク質(MBP)またはカルシウム−結合タンパク質/ペプチド(CBP)を含む結合タンパク質/結合ペプチドおよびそれらの結合パートナー;エピトープタグ、例えば、c−MYC(例えば、EQKLISEEDL)、HA(例えば、YPYDVPDYA)、VSV−G(例えば、YTDIEMNRLGK)、HSV(例えば、QPELAPEDPED)、V5(例えば、GKPIPNPLLGLDST)およびFLAG TagTM(例えば、DYKDDDDKG)ならびにそれらの対応する抗エピトープ抗体が挙げられるが、これらに限定されない;ハプテン、例えば、ジニトロフェノール(「DNP」)およびジゴキシゲニン(「DIG」)ならびにそれらの対応する抗体;アプタマーおよびそれらの結合パートナー;ポリヒスチジンタグ(例えば、ペンタヒスチジンおよびヘキサヒスチジン)ならびに、制限されずに、対応する金属イオン親和性クロマトグラフィー(IMAC)物質および抗ポリヒスチジン抗体を含む、それらの結合パートナー;フルオロフォアおよびそれらの対応する抗フルオロフォア抗体;などが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態において、親和性タグは、分離手段の一部であり、検出手段の一部であり、またはその両方である。
【0025】
「単位複製配列」という用語は、本明細書中では、広い意味で使われ、かつ上記開示される方法の増幅産物を含む。第1生成物(逆転写産物が挙げられるが、それらに限定されない)、第1単位複製配列、さらなる第1単位複製配列、第2単位複製配列、またはそれらの組み合わせは、単位複製配列という上記用語の意図される範囲に該当する(例えば、図1を参照のこと)。
【0026】
本明細書中で使用される「またはそれらの組み合わせ」という用語は、この用語に先行する列挙された事項の置換および組み合わせのすべてをいう。例えば、「A、B、Cまたはその組み合わせ」は、A、B、C、AB、AC、BCまたはABCの少なくとも1つを含むことが意図され、特定の状況において順序が重要である場合は、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BACまたはCABも含めることが意図される。この例を続ければ、BB、AAA、AAB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABB、等のような1つ以上の事項または用語の反復を含む組み合わせが、明示的に含まれる。当業者は、代表的に、文脈から格別に明らかでなければ、いずれの組み合わせにおいても、事項または用語の数の制限はないと理解する。
【0027】
本明細書中で使用される「対応する」という用語は、この用語が言及する要素間の特定の関係をいう。例えば、特定の第1プライマーセットの順方向プライマーは、同じ第1プライマーセットの逆方向プライマーに対応し、逆もまた同様である。第2プライマーは、状況に依存して、対応する第1生成物、対応する第1単位複製配列、対応する第2単位複製配列またはそれらの組み合わせのプライマー結合部位とアニールするように設計される。順方向プライマーの標的特定部位は、上記対応するポリヌクレオチド標的の第1領域の相補体とアニールするように設計される。逆方向プライマーの標的特定部位は、上記対応するポリヌクレオチド標的の第2領域とアニールするように設計される。特定の親和性タグは、その対応する親和性タグ(例えば、ストレプトアビジンに結合するビオチンが挙げられるが、それに限定されない)と結合する。特定のハイブリダイゼーションタグは、その対応するハイブリダイゼーションタグの相補体とアニールする、等。
【0028】
逆転写酵素を含むDNAポリメラーゼような1つ以上の酵素に関して使用される場合に「それらの酵素学的に活性な突然変異体または改変体」という用語は、望まれる酵素活性の少なくとも幾らかを保持する、対応する酵素に由来する1以上のポリペプチドをいう。この用語の範囲には、以下:酵素学的に活性な断片(切断生成物を含むが、これらに限定されない)、例えば、クレノウ断片、ストッフェル断片、または、遺伝子組み換え型で発現した断片および/またはその対応する酵素よりもサイズが小さいか、もしくはその対応する酵素のすべてではないが、一部と同じである配列を含む、ポリペプチドが挙げられるが、それらに限定されない;「野生型」、または共通アミノ酸配列からの種々の突然変異体などの天然に存在する突然変異体、物理的突然変異誘発物質および/または化学的突然変異誘発物質を使用して生成される突然変異体ならびに遺伝子操作された突然変異体(例えば、確率的および部位特異的突然変異技術を使用して生成させた突然変異体が挙げられるが、これらに限定されない)を含むが、これらに限定されない、対応する酵素の突然変異形態;アミノ酸挿入およびアミノ酸欠失ならびに核酸ナンセンス突然変異、核酸ミスセンス突然変異および核酸フレームシフト突然変異に起因する変化;可逆的に改変されたポリメラーゼ、例えば、米国特許第5、773、258号に説明されたポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定されない;少なくとも一部が、1つ以上の対応する酵素に由来する場合には、天然に存在するものおよび遺伝子操作されたものの両方の、遺伝子混合技術から得た生物学的に活性なポリペプチド(例えば、米国特許第6、319、714号および米国特許第6、159、688号を参照のこと。)、すなわち、スプライスバリアント;1つ以上の上記天然配列のアミノ酸に対する改変を含む1つ以上の酵素に少なくとも一部対応するポリペプチド(上記改変されたポリペプチドが、望まれる触媒活性の少なくとも幾つかを保持する場合には、制限されずに、添加、剥離もしくは変更による糖鎖形成、ジスルフィド結合、ヒドロキシル側鎖およびリン酸側鎖、または架橋を含む)など、が含まれる。特定の酵素に関して使用される場合に「それらの酵素学的に活性な突然変異体または改変体」という用語の意味には、明確に、それらの酵素の酵素学的に活性な突然変異体、それらの酵素の酵素学的に活性な改変体、またはそれらの酵素の酵素学的に活性な突然変異体およびそれらの酵素の酵素学的に活性な改変体が包含される。
【0029】
当業者は、当該分野で公知の適切な分析を使用して容易に酵素活性を測定し得る。このように、DNAポリメラーゼ触媒活性のための適切な分析は、例えば、適切な条件下で、酵素改変体の適切なデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)を、テンプレート依存様式で、新生ポリヌクレオチド鎖に取り込む能力を測定することを包含する。そのような分析手順は、とりわけ、SambrookおよびRussell、分子クローニング、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press、2001、第3版;Sambrook、FritschおよびManiatis、分子クローニング、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press、1989、第2版;Ausbelら、分子生物学における現在の手順、John Wiley&Sons,Inc.(2004年8月までの補遺を含む)に見出され得る。特定の酵素または特定の型の酵素(制限されずに、第1伸長酵素、第2伸長酵素、第3伸長酵素、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、等を含む)が識別または特許請求される場合に、その酵素またはその型の酵素の酵素学的に活性な突然変異体または改変体は、特にそうでないと明記されない限り、含まれる。
【0030】
「溝結合剤(groove binder)」および「副溝結合剤」という用語は、互換的に使用され、かつ、代表的には配列特異的な様式で、二本鎖の副溝に適合する低分子をいう。一般に、副溝結合剤は、半月形を採り得る長くて平らな分子であり、それゆえに、二重らせんの副溝に、しばしば水と置き換わって、びったりとはまる。副溝結合分子は、代表的には、自由にねじれる結合により結ばれた幾つかの芳香環、例えば、フラン、ベンゼンまたはピロール環、を含む。代表的な副溝結合剤としては、制限されずに、ネトロプシン、ジスタマイシン、ベレニル(berenil)、ペンタミジンおよび他の芳香ジアミジンのような抗生物質、Hoechst33258、SN6999、クロモマイシンおよびミトラマイシンのようなオーレオル酸抗腫瘍剤、CC−1065、ジヒドロシクロピロロインドールトリペプチド(DPI)、1,2−ジヒドロ−(3H)−ピロロ[3,2−e]インドール−7−カルボキシレート(CDPI)、ならびに関連化合物およびアナログが挙げられる。ある実施形態において、副溝結合剤は、プライマーの成分、レポータープローブ、ハイブリダイゼーションタグ相補体、またはそれらの組み合わせである。副溝結合剤の詳説は、とりわけ、BlackburnおよびGait編、化学と生物学における核酸、Oxford University Press、1996、第2版、特にsection8.3において;Kumarら、Nucl.Acids Res.、1998、26:831−38;Kutyavinら、Nucl.Acids Res.、2000、28:655−61;TurneおよびとDenny、Curr.Drug Traget、2000、1:1−14;Kutyavinら、Nucl.Acids Res.、1997、25:3718−25;Lukhtanovら、Bioconjug.Chem.1996、7:564−7;Lukhtanovら、Bioconjug.Chem.1995、6:418−26;米国特許第6、426、408号;PCT公開出願WO03/078450に見出され得る。当業者は、副溝結合剤が、代表的には、副溝結合剤が結合したプライマーまたはレポータープローブのTを増加させ、そのようなプライマーまたはレポータープローブを高温において効果的にハイブリダイズさせることを理解する。副溝結合剤を含むプライマーまたはレポータープローブは、とりわけ、Applied Biosystems(Foster City、California)およびEpoch Biosciences(Bothell、ワシントン州)から市販される。
【0031】
「ハイブリダイズする(hybridizing)」および「アニールする(annealing)」という用語ならびにアニールされる(annealed)、ハイブリダイゼーション(hybridization)、アニールする(anneal)およびハイブリダイズする(hybridizes)、等のようなそれらの用語のバリエーションは、互換的に使用され、2重、3重または他のより多重構造の形成をもたらす1つのヌクレオチドと別のヌクレオチドとのヌクレオチド塩基対形成相互作用を意味する。基本的な反応は、代表的には、Watson−Crick型およびHoogsteen型水素結合による、ヌクレオチド塩基特異的(例えば、A:T、A:UおよびG:C)である。ある実施形態においては、塩基重積および疎水性相互作用もまた、二本鎖の安定性に貢献し得る。レポータープローブおよびプライマーが、相補的または実質的に相補的な標的配列とハイブリダイズする条件は、例えば、B.HamesおよびS.Higgins編、Nucleic Acid Hibridization、実践的な手法、IRL Press、ワシントンD.C.、(1985)、およびJ.WetmurおよびN.Davidson、Mol.Biol.(1968)、31:349に説明されるように、当業者には公知である。一般に、そのようなアニーリングが生じるか否かは、とりわけ、上記プライマーおよびレポータープローブのハイブリダイズ領域ならびにその相補的な配列の長さ、pH、温度、一価および二価陽イオンの存在、そのハイブリダイズ領域におけるGヌクレオチドおよびCヌクレオチドの割合、媒体の粘度ならびに変性剤の存在によって影響を受ける。そのような変量は、ハイブリダイゼーションに必要とされる時間に影響する。上記プライマーまたはレポータープローブにおける特定のヌクレオチドアナログまたは溝結合剤の存在も、ハイブリダイゼーションの条件に影響し得る。このように、好ましいアニーリング条件は、具体的な用途に依存する。しかしながら、そのような条件は、過度の実験をせずに、当業者により慣習的に決定され得る。
【0032】
本明細書中で使用される「ハイブリダイゼーションタグ」という用語は、以下:ハイブリダイゼーションタグが成分であるか、またはハイブリダイゼーションタグがハイブリダイズする要素(例えば、第1単位複製配列、さらなる第1単位複製配列、第2単位複製配列、これらのうちのいずれかの代替物、ZipChuteTM試薬、等)を分離する(大量分離が挙げられるが、これに限定されない)ため;基質に結合するものに上記要素をつなげるか、または結合させるため(分離する工程を含んでもよいし、含まなくてもよい);対応するハイブリダイゼーションタグ相補体をアニーリングさせるため;またはそれらの組み合わせのために使用し得るオリゴヌクレオチド配列をいう。ある実施形態において、同じハイブリダイゼーションタグは、多数の異なる要素とともに使用され、大量分離、基質結合、またはそれらの組み合わせを起こさせる。ある実施形態においては、ハイブリダイゼーションタグは、例えば、独特の「アドレス」または識別子を提供する。ある実施形態においては、このアドレスは、対応する要素を同定するために使用され得、この要素は、例えば、対応するハイブリダイゼーションタグ相補体(時々、ジップコードおよびジップコード相補体として言及される)を含む整列されたアレイ上の位置または特定のアドレスにハイブリダイズするが、これに限定されない。ある実施形態においては、独特のハイブリダイゼーションタグを含むプライマーが単位複製配列に組み込まれ、そのハイブリダイゼーションタグを、引き続いて、その単位複製配列を検出するためのレポータープローブを結合させるために使用され得る。「ハイブリダイゼーションタグ相補体」は、代表的には、その対応するハイブリダイゼーションタグの少なくとも一部と相補的であるヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドをいう。種々の実施形態において、ハイブリダイゼーションタグ相補体は、同定(例えば、マイクロアレイ上での多重解読または他の目的)のために、基質へハイブリダイゼーションタグ:要素複合体を結合させるための補足部分として機能し;大量分離手順のための「引抜(pull−out)」配列として機能し;または補足部分および引抜配列の両方として機能する。ある実施形態においては、ハイブリダイゼーションタグ相補体は、レポーター基、移動度変更因子、レポータープローブ結合部位またはそれらの組み合わせを含む。ある実施形態においては、ハイブリダイゼーションタグ相補体は、対応するハイブリダイゼーションタグにアニールされ、引き続いて、そのハイブリダイゼーションタグ相補体の少なくとも一部は放出され、そして、検出される。ある実施形態においては、決定する工程は、ハイブリダイゼーションタグ相補体またはハイブリダイゼーションタグ相補体の少なくとも一部の上の、またはそれに結合した1つ以上のレポーター基を検出する工程を包含する。
【0033】
代表的には、ハイブリダイゼーションタグおよびその対応するハイブリダイゼーションタグ相補体は、以下:内部での自己ハイブリダイゼーション;ならびに異なるハイブリダイゼーションタグ種、反応組成物におけるヌクレオチド配列(標的配列または背景配列が挙げられるが、それらに限定されない)、異なる種類のハイブリダイゼーションタグ相補体、プライマーの標的特定部位などとの交差ハイブリダイゼーション、を最小限にするように選択されるが、しかし、上記ハイブリダイゼーションタグとそのハイブリダイゼーションタグ相補体との間のハイブリダイゼーションを容易にするように修正し得るべきである。ハイブリダイゼーションタグ配列およびハイブリダイゼーションタグ相補体配列は、任意の適した方法によって選択され得る。この方法は、例えば、WO96/12014およびWO96/41011ならびに欧州特許出願第799、897号で説明されるコンピュータアルゴリズム;ならびにSantaLucia(Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America 1998、95:1460−65)のアルゴリズムおよびパラメーターであるが、それらに限定されない、いずれかの適切な方法によって選ばれ得る。ハイブリダイゼーションタグについての説明は、とりわけ、米国特許第6、309、829号(該明細書中では、「タグセグメント」として言及される);米国特許第6、451、525号(該明細書中では、「タグセグメント」として言及される);米国特許第6、309、829号(該明細書中では、「タグセグメント」として言及される);米国特許第5、981、176号(該明細書中では、「グリッドオリゴヌクレオチド」として言及される);米国特許第5、935、793号(該明細書中では、「識別子タグ」として言及される);WO0192579(該パンフレット中では、「アドレス可能支持特異的配列」として言及される);ならびにGerryら、J.Mol.Biol.、1999、292:251−262(その文献中では、「ジップコード」および「ジップコード相補体」として言及される)において見出し得る。当業者は、ハイブリダイゼーションタグおよびその対応するハイブリダイゼーションタグ相補体は、定義上、互に相補的であり、かつハイブリダイゼーションタグおよびハイブリダイゼーションタグ相補体という用語は、相対的であり、かつほとんどの文脈で、本質的に互換的に使用し得ると評価する。
【0034】
ハイブリダイゼーションタグは、プライマー、単位複製配列、レポータープローブもしくはそれらの組み合わせの末端もしくはそれらの近くに位置し得;またはそれらの内部に位置し得る。ある実施形態において、ハイブリダイゼーションタグは、リンカーアームを介して、プライマー、単位複製配列、レポータープローブ、またはそれらの組み合わせに結合される。ある実施形態においては、そのリンカーアームは、切断可能である。
【0035】
ある実施形態において、ハイブリダイゼーションタグは、少なくとも12塩基長であり、少なくとも15塩基長であり、少なくとも12塩基長から60塩基長であり、または少なくともが15塩基長から30塩基長である。ある実施形態においては、ハイブリダイゼーションタグは、12塩基長、15塩基長、20塩基長、21塩基長、22塩基長、23塩基長、24塩基長、25塩基長、26塩基長、27塩基長、28塩基長、29塩基長、30塩基長、45塩基長、または60塩基長である。ある実施形態においては、少なくとも2つのハイブリダイゼーションタグ:ハイブリダイゼーションタグ相補体二重鎖は、互いの10℃以下のΔT範囲内に該当する融点を有する。ある実施形態においては、少なくとも2つのハイブリダイゼーションタグ:ハイブリダイゼーションタグ相補体二重鎖は、互いに5℃以下のΔT範囲内(Tmax−Tmin)に該当する融点を有する。
【0036】
本明細書中で使用される「移動度依存分析技術」という用語は、1つ以上の異なる分離技術において、異なる分子種の異なる移動速度に基づいて、その異なる分子種を分離するためのいずれかの手段をいう。代表的な移動度依存分析技術としては、電気泳動法、クロマトグラフィー、質量分析法、遠心沈殿法、例えば、グラジエント遠心分離法、電界中流体分離法および多段抽出技術などが挙げられる。移動度依存分析技術の説明は、とりわけ、米国特許第5、470、705号、米国特許第5、514、543号、米国特許第5、580、732号、米国特許第5、624、800号および米国特許第5、807、682号;WO0192579;D.R.Baker、細管電気泳動法、Wiley−Interscience、1995;バイオクロマトグラフィー:理論と実践、M.A.Vijayalakshmi編、Taylor&Francis、ロンドン、Engl.、2003;KrylovおよびDovichi、Anal.Chem.、2000、72:111R−128R;SwinneyおよびBornhop、電気泳動法、2000、21:1239−50;Crabtreeら、電気泳動法、2000、21:1329−35;ならびにA.Pingoudら、生化学の方法:学生と研究者のための簡潔な案内、Germany、2002、Wiley−VCH Verlag GmbH、Weinheim、に見出される。
【0037】
本明細書中で使用される「移動度変更因子」という用語は、分子成分(例えば、ポリマー鎖であるが、これに限定されない)をいう。この分子成分は、要素(例えば、レポータープローブ、プライマー、単位複製配列、またはそれらの組み合わせ)に加えられる場合、移動度依存分析技術において、その移動度変更因子が、ハイブリダイズまたは結合(共有結合的または非共有結合的)する要素の移動度に影響する。
【0038】
代表的に、移動度変更因子は、上記要素とハイブリダイズもしくは結合する場合に、上記荷電/翻訳摩擦抵抗を変化させるか;またはその特有の移動度(例えば、その対応する成分とハイブリダイズもしくは結合する場合に、篩基質もしくは非篩基質におけるクロマトグラフ分離媒体における特有の溶出特性もしくは特有の電気泳動移動度を与えるか;またはそれら両方である(例えば、米国特許第5、470、705号および米国特許第5、514、543号;Grossmanら、Nucl.Acids Res.、1994、22:4527−34)。ある実施形態において、移動度変更因子を含まない多数の異なる単位複製配列は、移動度依存分析技術において、同じか、または実質的に同じ移動度を有する。代表的に、その単位複製配列は、各単位複製配列がさらに適切な移動度変更因子を含む場合には、移動度依存分析技術において、分離、または実質的に分離され得る。
【0039】
本明細書中で使用されるような、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「核酸」および「核酸配列」という用語は、一般に互換的に使用され、かつヌクレオチド内リン酸ジエステル結合連鎖により連結される、2’−デオキシリボヌクレオチド(DNA)およびリボヌクレオチド(RNA)、またはヌクレオチド内アナログならびに付随する対イオン(例えば、H、NH、トリアルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、Mg2+、Naなど)を含む、ヌクレオチドモノマーの一本鎖および二本鎖ポリマーを含む。核酸は、全てデオキシリボヌクレオチドから構成されてもよいし、全てリボヌクレオチドから構成されてもよいし、またはそれらのキメラ混合物から構成されてもよい。上記ヌクレオチドモノマーユニットは、本明細書中に記載されるヌクレオチドのいずれか(天然に存在するヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログが挙げられるが、それらに限定されない)を含み得る。核酸は、代表的には、サイズが、時に当該分野おいてオリゴヌクレオチドとして言及される場合の数モノマーユニット(例えば、5ユニット−40ユニット)から、数千モノマーヌクレオチドユニットに及ぶ。核酸配列は、文脈からそうでないことが明白であるかまたは異なることが明示的に示されない限り、左から右へ5’から3’の方向で示され:そして、そのような配列においては、文脈からそうでないことが明白でない限り、「A」は、アデニンを意味し、「C」は、シトシンを意味し、「G」は、グアニンを意味し、「T」は、チミンを意味し、かつ「U」は、ウラシルを意味する。
【0040】
本明細書中で使用される「ヌクレオチド塩基」という用語は、置換芳香環または非置換芳香環をいう。ある実施形態において、その芳香環は、窒素原子を含む。ある実施形態においては、上記ヌクレオチド塩基は、相補的なヌクレオチド塩基とWatson−Crick型水素結合またはHoogsteen型水素結合を形成し得る。代表的なヌクレオチド塩基およびそれらのアナログとしては、天然に存在するヌクレオチド塩基であるアデニン、グアニン、シトシン、5メチルシトシン、ウラシル、チミンならびに天然に存在するヌクレオチド塩基のアナログ(7−デアザアデニン、7−デアザグアニン、7−デアザ−8−アザグアニン、7−デアザ−8−アザアデニン、N6−Δ2−イソペンテニルアデニン(6iA)、N6−Δ2−イソペンテニル−2−メチルチオアデニン(2ms6iA)、N2−ジメチルグアニン(dmG)、7−メチルグアニン(7mG)、イノシン、ネブラリン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2,6−ジアミノプリン、ヒポキサンチン、プソイドウリジン、プソイドシトシン、プソイドイソシトシン、5−プロピニルシトシン、イソシトシン、イソグアニン、7−デアザグアニン、2−チオピリミジン、6−チオグアニン、4−チオチミン、4−チオウラシル、O−メチルグアニン、N−メチルアデニン、O−メチルチミン、5,6−ジヒドロチミン、5,6−ジヒドロウラシル、ピラゾロ[3,4−D]ピリミジン(例えば、米国特許第6、143、877号および米国特許第6、127、121号ならびにWO0138584を参照のこと。)、エテノアデニン、ニトロインドールおよび4−メチルインドールのようなインドール、ならびにニトロピロールのようなピロールが挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。ある代表的なヌクレオチド塩基は、例えば、Fasman、生化学と分子生物学の実践的ハンドブック、CRC Press、Boca Raton、フロリダ、1989、pp.385−394およびこの文献中に引用された参考文献に見出され得る。
【0041】
本明細書中で使用される「ヌクレオチド」という用語は、リボース、アラビノース、キシロース、ピラノースおよびそれらの糖アナログのような糖のC−1’炭素と結合したヌクレオチド塩基を含む化合物をいう。上記ヌクレオチドという用語は、ヌクレオチドアナログもまた包含する。上記糖は、置換されていても、非置換であってもよい。置換リボース糖としては、1つ以上の炭素原子(例えば、2’−炭素原子)が、1以上の同じかまたは異なる−R、−OR、−NRアジ化物、シアン化物もしくはハロゲン基と置換されたリボースが挙げられるが、これらに限定されない。ここで、各Rは、独立して、H、C−Cアルキル,C−CアシルもしくはC−C14アリールである場合には、を含むが、それらに限定されない。代表的なリボースは、2’−(C1−C6)アルコキシリボース、2’−(C5−C14)アリールオキシリボース、2’,3’−ジデヒドロリボース、2’−デオキシ−3’−ハロリボース、2’−デオキシ−3’−フルオロリボース、2’−デオキシ−3’−クロロリボース、2’−デオキシ−3’−アミノリボース、2’−デオキシ−3’−(C1−C6)アルキルリボース、2’−デオキシ−3’−(C1−C6)アルコキシリボースおよび2’−デオキシ−3’−(C5−C14)アリールオキシリボース、リボース、2’−デオキシリボース、2’,3’−ジデオキシリボース、2’−ハロリボース、2’−フルオロリボース、2’−クロロリボース、ならびに、例えば、2’−O−メチル、4’−а−アノマーヌクレオチド、1’−а−アノマーヌクレオチド、2’−4’−および3’−4’−結合ならびに他の「固定された(locked)」または「LNA」二環式糖変性剤(例えば、WO9822489、WO9839352およびWO9914226;ならびにBraaschとCorey、Chem.Biol.、2001、8:1−7)が挙げられるが、それらに限定されない。「LNA」または「固定された(locked)核酸」は、上記リボース環が、限定ではなく例示として、2’−酸素と3’−炭素もしくは4’−炭素との間、または2’−5’主鎖を伴う3’−4’LNAの間のメチレン結合により束縛されるように、立体配置的に固定されるDNAアナログである。結合により課せられた立体配置的制限は、しばしば相補的な配列に対する結合親和性を増加させ、かつそのような二本鎖の耐熱性を増加させる。ポリヌクレオチド内の代表的なLNA糖アナログとしては、
【0042】
【化1】

が挙げられるが、これらに限定されない。ここで、Bは任意のヌクレオチド塩基である。
【0043】
リボースの2’−または3’−の位置は、制限されずに、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、アリロキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、メトキシエチル、アルコキシ、フェノキシ、アジド、シアノ、アミド、イミド、アミノ、アルキルアミノ、フルオロ、クロロおよびブロモを含むように改変され得る。ヌクレオチドとしては、L光学異性体ならびにD光学異性体が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Garbesi、Nucl.Acids Res.、1993、21:4159−65;Fujimori、J.Amer.Chem.Soc.1990、112:7435;Urata、核酸シンポジウム、1993、シリアルナンバー29:69−70を参照のこと。)。上記ヌクレオチド塩基がプリン(例えば、アデニンまたはグアニン)である場合には、上記リボース糖は、該ヌクレオチド塩基のN位に結合される。上記ヌクレオチド塩基がピリミジン(例えば、シトシン、チミンまたはウラシル)である場合には、上記ペントース糖は、該ヌクレオチド塩基のN位に結合される。ただし、プソイドウリジンについては、ペントース糖は、ウラシルヌクレオチド塩基のC5位に結合される(例えば、KornbergとBaker、DNA複製、Freeman、サンフランシスコ、California、1992、第2版を参照のこと。)。
【0044】
1つ以上のヌクレオチドのペントース炭素は、式:
【0045】
【化2】

を有するリン酸エステルで置換され得、ここで、αが0から4の整数である。
ある実施形態において、αは、2であり、かつ上記リン酸エステルは、上記ペントースの3’−または5’−の炭素に結合される。ある実施形態においては、上記ヌクレオチドは、該ヌクレオチド塩基がプリン、7−デアザプリン、ピリミジンまたはそれらのアナログであるヌクレオチドである。「ヌクレオチド5’−三リン酸」は、5’位に三リン酸エステル基を有するヌクレオチドをいい、特にリボース糖の構造的特徴を示すために、時に「NTP」、または「dNTP」および「ddNTP」と示される。上記三リン酸エステル基は、種々の酸素のための硫黄置換、例えば、а−チオ−ヌクレオチド5’−三リン酸を含み得る。ヌクレオチド化学についての総説は、とりわけ、Shabarova,Z.およびBogdanov,A.核酸の先端有機化学、VCH、ニューヨーク、1994;ならびにBlackburnおよびGaitに見出し得る。
【0046】
本明細書中に使用される「ヌクレオチドアナログ」という用語は、上記ペントース糖、ヌクレオチド塩基またはヌクレオチドの1つ以上のリン酸エステルが、そのアナログと交換され得る実施形態をいう。ある実施形態において、代表的なペントース糖アナログは、上述のものである。ある実施形態においては、上記ヌクレオチドアナログは、上述のようなヌクレオチド塩基アナログを有する。ある実施形態においては、代表的なリン酸エステルアナログとしては、アルキルホスホネート、メチルホスホネート、ホスホラミダート、ホスホトリエステル、ホスホロチオネート、ホスホロジチオネート、ホスホロセレネート、ホスホロジセレネート、ホスホロアニロチオネート(phosphoroanilothioate)、ホスホロアニリダート、ホスホロアミダート、リン酸ホウ素(boronophosphate)などが挙げられるが、それらに限定されず、そして付随する対イオンを含み得る。
【0047】
ポリヌクレオチドアナログに重合され得るモノマーもまた、ヌクレオチドアナログの定義に含まれる。このポリヌクレオチドアナログにおいて、DNA/RNAのリン酸エステルまたは糖リン酸エステル主鎖は、少なくとも部分的に、異なる型の内部ヌクレオチド結合によって置換されている。代表的なポリヌクレオチドアナログとしてペプチド核酸(PNA)が挙げられるが、これに限定されない。このPNAでは、上記ポリヌクレオチドの糖リン酸エステル主鎖が、アミド結合を含むペプチド主鎖で交換される。本明細書中に使用される「PNA」という用語は、文脈からそうでないことが明白でない限り、擬性相補的(pseudocomplementary)なPNA(pcPNA)を含むものと理解されるべきである(例えば、DatarとKim、応用分子生物学における概念、Eaton Publishing、Westborough、マサチューセッツ、2003、特に74−75;VermaとEckstein、Ann.Rev.Biochem.、1998、67:99−134;Goodchild、Bioconj.化学、1990、1:165−187;BraaschとCorey、Methods、2001、23:97−107P;Demidovら、Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America 1999、99:5953−58)
核酸としては、ゲノムDNA、cDNA、hnRNA、mRNA、rRNA、tRNA、低分子量RNA分子(miRNAおよびmiRNA前駆体、siRNA、stRNA、snoRNA、他の非コードRNA(ncRNA)が挙げられるが、これらに限定されない)、断片化された核酸、核、細胞質または細胞内小器官から得られた核酸、生物学的サンプル上または生物学的サンプル内に存在し得る微生物、DNAウィルスまたはRNAウィルスから得られた核酸が挙げられるが、それらに限定されない。
【0048】
核酸は、例えば、単一の型の糖部分(例えば、RNAおよびDNAの場合のように)、または異なる糖部分の混合体(例えば、RNA/DNAキメラの場合のように)から構成され得る。ある実施形態において、核酸は、以下の構造式に従う、リボポリヌクレオチドおよび2’−デオキシリボポリヌクレオチドである。
【0049】
【化3】

ここで、各Bは、独立したヌクレオチドの塩基部分(例えば、プリン、7−デアザプリン、1つ以上の置換炭化水素で置換されたプリンもしくはプリンアナログ、ピリミジン、1つ以上の置換炭化水素で置換されたピリミジンもしくはピリミジンアナログ、またはアナログヌクレオチド)であり;各mは、それぞれの核酸の長さを定義し、かつゼロから数千、数万またはそれ以上にさえ及び;各Rは、独立して、水素、ハロゲン、−−R’’、−−OR’’および−−NR’’R’’からなる群より選択され、ここで、各R’’は、独立して、(C1−C6)アルキル、(C2−C7)アシルもしくは(C5−C14)アリール、シアン化合物、アジ化物、あるいはリボース糖が2’3’−ジデヒドロリボースとなるように2つの隣接するRが一緒になって結合を形成し;そして、各R’は、独立して、ヒドロキシルもしくは以下
【0050】
【化4】

であり、ここで、αは、0、1もしくは2である。
【0051】
上に例示されたリボポリヌクレオチドおよび2’−デオキシリボポリヌクレオチドのある実施形態において、ヌクレオチド塩基Bは、上述のように上記糖成分のC1’炭素に共有結合的に結合される。「核酸」「核酸配列」「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」のような用語は、核酸アナログ、ポリヌクレオチドアナログおよびオリゴヌクレオチドアナログを含み得る。「核酸アナログ」、「ポリヌクレオチドアナログ」および「オリゴヌクレオチドアナログ」という用語は、互換的に使用され、かつ、本明細書中で使用される場合、ヌクレオチドアナログ、リン酸エステルアナログまたはペントース糖アナログを含む核酸をいう。核酸アナログの定義の内には、前記リン酸エステルまたは糖リン酸エステル結合が他の型の結合で置換される核酸もまた含まれる。それら他の型の結合としては、N−(2−アミノエチル)−グリシンアミドおよび他のアミド(例えば、Nielsenら、Science、1991、254:1497−1500;WO9220702;米国特許第5、719、262号および米国特許第5、698、685号;を参照のこと);モルフォリン(例えば、米国特許第5、698、685号;米国特許第5、378、841号;米国特許第5、185、144号を参照のこと);カルバメート(例えば、Stirchak&Summerton、J.Org.Chem.1987、52:4202を参照のこと);メチレン(メチルイミノ)(例えば、Vasseurら、J.Am.Chem.Soc.、1992、114:4006を参照のこと);3’−チオフォマセタール(thioformacetal)(例えば、Jonesら、J.Org.Chem.、1993、58:2983を参照のこと);スルファメート(sulfamate)(例えば、米国特許第5、470、967号を参照のこと);一般にPNAとして言及される2−アミノエチルグリシン(例えば、WO9220702;Nielsen、Science、1991、254:1497−1500を参照のこと);ならびにその他(例えば、米国特許第5、817、781号;Frier&Altman、Nucl.Acids Res.、1997、25:4429およびこの文献中に引用される参考文献を参照のこと)、が挙げられる。リン酸エステルアナログとしては、(i)C−Cアルキルホスホネート(例えば、メチルホスホネート);(ii)ホスホロアミダート;(iii)C−Cアルキルホスホトリエステル;(iv)ホスホロチオネート;および(v)ホスホロジチオネートが挙げられるが、それらに限定されない。Scheit、ヌクレオチドアナログ、John Wiley、New York、1980;Englisch、Agnew、Chem.Int.Ed.Engl.、1991、30:613−29;Agarwal、ポリヌクレオチドとアナログのための手順、Humana Press、1994;およびS.VermaとF.Eckstein、Ann.Rev.Biochem.、1999、67:99−134)も参照のこと。
【0052】
「レポーター基」という用語は、本明細書中では広い意味で使用され、かつ何らかの識別可能なタグ、標識または部分をいう。当業者は、多くの異なる種類のレポーター基が、個別にであれ、1つ以上の異なるレポーター基との組み合わせにおいてであれ、本教示において使用され得ることを認識する。レポーター基という用語は、多要素間接レポーター系(親和性タグが挙げられるが、これに限定されない);および蛍光レポーター基−クエンチャー対のような多要素レポーター基またはレポーター基の対(蛍光クエンチャーおよび非蛍光クエンチャー(NFQ)としてもまた知られるダーククエンチャーが挙げられるが、これらに限定されない)もまた包含する。
【0053】
「臨界サイクル」または「C」という用語は、定量分析法またはリアルタイム分析法に関して使用され、分析物(本教示の目的のためには、単位複製配列またはその代替物であり、これらの任意の一方の鎖または両方の鎖が挙げられるが、これらに限定されない)の量が、固定された閾値または限界に達する分別サイクル数を示す。閾値は、上記使用者により手動で設定されてもよいし、リアルタイム機器のソフトウェアで決定され得る。代表的なリアルタイム機器としては、ABI PRISM(登録商標)7000 Sequence Detection System、ABI PRISM(登録商標)7700 Sequence Detection System、ABI PRISM(登録商標)7900HT Sequence Detection System、ABI PRISM(登録商標)7300 Real−Time PCR System(Applied Biosystems)、Smart Cycler System(Cepheid Fisher Scientificにより配給される)、LightCyclerTMSystem(Roche Molecular)、およびMx4000(Stratagene、La Jolla、California)が挙げられる。臨界サイクル(ΔCおよびΔΔCが挙げられるが、これらに限定されない)およびそれらの使用の説明は、とりわけ、ABI PRISM(登録商標)7700 Sequence Detection System使用者便覧#2、2001に見出し得る。ある実施形態において、そのようなリアルタイム定量は、レポータープローブ(従来のレポータープローブおよび本教示のレポータープローブが挙げられるが、これらに限定されない)、挿入色素(臭化エチジウムおよびSYBRGreenIもしくはそれらの等価物が挙げられるが、これらに限定されない)、またはそのようなレポータープローブおよび挿入色素、を包含する。リアルタイム分析の説明は、とりわけ、Essentials of Real Time PCR,Applied Biosystems、2002、 P/N 105622;McPhersonとMoller、PCR:The Basics from background to bench、Bios Scientific Publishers Limited、Oxford、Engl.、2000、特にSection3.3;Edwardsら編、Real−Time PCR:An Essential Guide、Horizon Biosicence、Norwich、Engl.;およびR.Haugland、Handbook of Fluorescent Probes and Reserch Products、9th ed.、Molecular Probes,Inc.、2002、特にSection8.3、に見出し得る。
【0054】
「第1生成物」という用語は、上記対応する標的ヌクレオチドの第2領域とハイブリダイズした上記第1プライマーセットの逆方向プライマーが、プライマー伸長反応(例えば、図1Aを参照のこと)において伸長酵素により伸長される場合に生じるヌクレオチド配列をいう。上記標的ヌクレオチドが、RNA分子(例えば、低分子量RNA分子が挙げられるが、これに限定されない)である場合には、上記第1生成物は、逆転写産物として言及され得る。当業者は、本教示に従った第1生成物の生成は、少なくとも従来のRT−PCR技術における逆転写産物の生成と類似することを認識する。
【0055】
「代替物」および「単位複製配列代替物」という互換的な用語は、本明細書中においては広い意味で使用され、かつ上記対応する単位複製配列に代わる役割を果たすいずれかの分子または実体をいう。ある実施形態においては、代替物が検出され、このことは、上記対応する単位複製配列が生成され、かつ存在したかまたは存在することを示す。限定ではなく例示として、ヌクレアーゼ分析の間にTaqMan(登録商標)プローブから切断されるレポータープローブが検出され得、それによってレポータープローブがハイブリダイズされた単位複製配列が存在することを示す。代表的な単位複製配列代替物としては、蛍光もしくは(適切な場合は)強化/改変された蛍光、またはレポータープローブの少なくとも一部(限定ではなく例示として、ヌクレアーゼプローブもしくは上記クエンチャーが切断されたヌクレアーゼプローブ断片から切断された蛍光成分);単位複製配列に一度アニールされたが、引き続いて設計により放出されたハイブリダイゼーションタグ相補体(ZipChute(登録商標)試薬(例えば、Rosenblumら、WO2004046344)が挙げられるが、これに限定されない);CaptAvidin親和性タグを含む単位複製配列から設計により放出されたビオチン化されたフルオロフォア;および第2単位複製配列などの二本鎖単位複製配列の一本鎖が挙げられるが、これらに限定されない。「単位複製配列を検出する」、「第2単位複製配列を検出する」という用語などは、それらの単位複製配列代替物が検出される状況を包含する。限定ではなく例示として、検出が、レポータープローブのリアルタイム検出(ABI PRISMTM 7700 Sequence Detection Systemで実行されるTaqMan(登録商標)分析が挙げられるが、これに限定されない)を含む場合、特定の第2単位複製配列に特異的である特定のTaqMan(登録商標)プローブの切断に起因する蛍光の検出は、本願の目的のためには、上記TaqMan(登録商標)プローブに対応する第2単位複製配列を検出することである。
【0056】
本明細書中で使用される場合、「標的結合部位」という用語は、上記対応する標的の第1領域と同じである順方向プライマーの配列または上記対応する標的の第2領域と相補的である逆方向プライマーの配列をいう。当業者は、上記標的がポリヌクレオチドである場合には、「ポリヌクレオチド結合部位」という用語は標的結合部位という用語と互換的であり、そして上記標的が低分子量RNA分子である場合には、「低分子量RNA分子結合部位」という用語は標的結合部位という用語と互換的であることを認識する。このように、標的結合部位、ポリヌクレオチド結合部位および低分子量RNA分子結合部位という用語は、各々一般に、標的配列、ポリヌクレオチド標的および低分子量RNA分子標的に関して使用される。「プライマー結合部位」という用語は、上記第2プライマーセットの対応するプライマーが特異的にハイブリダイズする第1プライマーセットの順方向プライマーまたは逆方向プライマーの配列をいう。代表的には、上記第2プライマーセットのプライマーが、上記第1生成物、上記第1単位複製配列、上記さらなる第1単位複製配列、またはそれらの組み合わせが増幅されることを可能にするために使用される。この増幅は、多サイクルの増幅(例えば、PCR)を含む技術を包含する。ある実施形態において、第2プライマーセットのプライマーが利用され、上記対応する第1生成物、対応する第1単位複製配列の鎖、上記さらなる第1単位複製配列の鎖、対応する第2単位複製配列の鎖、またはそれらの組み合わせを増幅する。
【0057】
「ユニバーサル塩基」または「ユニバーサルヌクレオチド」という用語は、一般に本明細書中では互換的に使用され、オリゴヌクレオチド中の1つ以上の天然ヌクレオチドまたは天然塩基と置換し得るヌクレオチドアナログ(ヌクレオシドアナログを含む)をいう。ユニバーサル塩基は、代表的には、芳香環部分(この部分は、窒素原子を含んでもよいし、含まなくてもよい)を含み、かつ一般に、二本鎖を安定させるために芳香環スタッキング(aromatic ring stacking)を使用する。ある実施形態において、ユニバーサル塩基がペントース糖のC−1’炭素に共有結合的に結合され、ユニバーサルヌクレオチドを造り得る。ある実施形態においては、ユニバーサル塩基は、特異的に別のヌクレオチド塩基とは水素結合しない。ある実施形態においては、ヌクレオチド塩基は、疎水性スタッキングにより同じ核酸鎖上の隣接するヌクレオチド塩基と相互作用し得る。ユニバーサルヌクレオチドおよびユニバーサル塩基としては、デオキシ−7−アザインドール三リン酸(d7AITP)、デオキシイソカルボスチリル三リン酸(dICSTP)、デオキシプロピニルイソカルボスチリル三リン酸(dPICSTP)、デオキシメチル−7−アザインドール三リン酸(dM7AITP)、デオキシImPy三リン酸(dImPyTP)、デオキシPP三リン酸(dPPTP)、デオキシプロピニル−7−アザインドール三リン酸(dP7AITP)、3−メチルイソカルボスチリル三リン酸(MICS)、5−メチルイソカルビル(5MICS)、イミダゾール−4−カルボキサミド、3−ニトロピロール、5−ニトロインドール、ヒポキサンチン、イノシン、デオキシイノシン、5−フルオロデオキシウリジン、4ニトロベンゾイミダゾール(nitrobenzimidazole)およびpcPNA塩基を含むPNA塩基をが挙げられるが、それらに限定されない。ユニバーサル塩基の説明は、とりわけ、Loakes、Nucl.Acids Res.、2001、29:2437−47;Bergerら、Nucl.Acids Res.、2000、28:2911−14;Loakesら、J.Mol.Biol.、1997、270:426−35;VermaおよびEckstein、Ann.Rev.Biochem.、1998、67:99−134;US0233619および米国特許第6,433,134号、ならびに米国特許第6,433,134号、において見出される。
【0058】
「ポリヌクレオチド標的」、「標的ポリヌクレオチド」または「標的」という用語は、その識別、存在、非存在および/または定量が、本教示の方法およびキットを使用して評価される核酸配列をいう。ある実施形態において、その標的配列は、ポリヌクレオチド(デオキシリボヌクレオチドを含んでもよいし、含まなくてもよい)、またはmiRNA前駆体(pri−miRNA、pre−miRNA、もしくはpri−miRNAおよびpre−miRNAが挙げられるが、これらに限定されない)のようなRNA分子を含む。幾つかの実施形態において、上記ポリヌクレオチド標的は、低分子量RNA分子(miRNA、siRNA、stRNA、snoRNA、他のncRNAなどが挙げられるが、これらに限定されない)を含む。当業者は、上記標的ポリヌクレオチドが、17ヌクレオチド長から29ヌクレオチド長(例えば特定の低分子量RNA分子であるが、これに限定されない)である場合には、上記第1標的領域内または上記第2標的領域内のいずれにも位置しない標的におけるヌクレオチド(すなわち、そのヌクレオチドは、上記対応する順方向プライマーの標的結合部位と同じでもないし、上記対応する逆方向プライマーの標的結合部位と相補的でもない)であり得、そして代表的にはそうであることを認識する。そのようなヌクレオチドは、上記第1標的領域に対する標的配列の5’側(例えば、図2を参照のこと);上記第2標的領域に対する標的配列の3’側;またはこの第1標的領域と第2標的領域との間に位置し得る。この第1標的領域と第2標的領域との間に位置する場合には、それらのヌクレオチドは、「ギャップ」または「ギャップ配列」として言及される。制限ではなく例示的な目的として、23ヌクレオチド長、7ヌクレオチド長である標的結合部位を有する対応する順方向プライマーおよび8ヌクレオチド長である標的結合部位を有する対応する逆方向プライマーであるmiRNA標的を仮定すると、その標的の第1領域と第2領域との間に8ヌクレオチド長のギャップが存在する。図2は、上記標的ポリヌクレオチド(4)の第1領域(5;GAAGAG)と第2領域(6;GGTTCCT)との間に位置する9ヌクレオチド(下線で示される)の代表的なギャップ配列(7)を示す。このギャップ配列は、以下に説明されるように、本教示の特定のレポータープローブの設計において重要であり得、そして特定の「プライマーダイマー」人工物の効果を最小化および/または排除することにもまた重要であり得る。
【0059】
(II.試薬)
「レポータープローブ」という用語は、単位複製配列、単位複製配列代替物、またはそれらの組み合わせと結合またはアニールするヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、またはヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログの配列をいい、そして強度における変化または放出された波長の変化(これらが挙げられるが、これらに限定されない)が検出される場合には、上記対応する標的ポリヌクレオチドを識別および/または定量するために使用される。ほとんどのレポータープローブは、それらの作用様式に基づいて分類され得、:ヌクレアーゼプローブ(TaqMan(登録商標)プローブが挙げられるが、これに限定されない)(例えば、Livak、遺伝子分析、生分子工学、1999、14:143−149;Yeungら、BioTechniques、2004、36:266−75、を参照のこと);スコーピオンプライマー、LuxTMプライマー、Amplifluorなどの伸長プローブ;分子ビーコン、Eclipseプローブ、ライトアッププローブ(light−up Probe)、単独で標識されたレポータープローブの対、ハイブリダイゼーションプローブ対などのハイブリダイゼーションプローブ;またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態において、レポータープローブは、アミド結合、LNA、ユニバーサル塩基、またはそれらの組み合わせを含み、かつステムループおよびステムレス(stem−less)レポータープローブ構造を含む。あるレポータープローブが、単独で標識される一方で、他のレポータープローブは、二重に標識される。隣接してハイブリダイズされたプローブ間のFRETを含む二重プローブシステムは、レポータープローブという用語の意図された範囲内にある。
【0060】
ある実施形態において、レポータープローブは、蛍光レポーター基、クエンチャーレポーター基(制限されずに、ダーククエンチャーおよび蛍光クエンチャーを含む)、親和性タグ、ハイブリダイゼーションタグ、ハイブリダイゼーションタグ相補体、またはそれらの組み合わせを含む。ある実施形態においては、ハイブリダイゼーションタグ相補体を含むレポータープローブが上記対応するハイブリダイゼーションタグとアニールし、多成分レポーター基のメンバーが、多成分レポーター基の対応するメンバー、またはそれらの組み合わせを含むレポータープローブと結合する。代表的なレポータープローブとしては、TaqMan(登録商標)プローブ;スコーピオンプローブ(スコーピオンプライマーとしてもまた言及される);LuxTMプライマー;FRETプライマー;Eclipseプローブ;分子ビーコン(FRETベースの分子ビーコン、多色分子ビーコン、アプタマービーコン、PNAビーコンおよび抗体ビーコンが挙げられるが、これらに限定されない);レポーター基で標識されたPNAクランプ;レポーター基で標識されたPNAオープナー;レポーター基で標識されたLNAプローブならびに、ナノ結晶、金属ナノ粒子および類似のハイブリッドプローブを含むプローブ(例えば、Dubertretら、Nature Biotech.、2001、19:365−70;Zelphatiら、BioTechniques、2000、28:304−15)が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態においては、レポータープローブは、さらに、溝結合剤(TaqMan(登録商標)MGBプローブおよびTaqMan(登録商標)MGB−NFQプローブ(いずれもApplied Biosystems製)が挙げられるが、それらに限定されない)を含む。ある実施形態においては、レポータープローブの検出は、蛍光偏光検出(例えば、SimeonovおよびNikiforov、Nucl.Acids Res.、2002、30:e91)を含む。
【0061】
そのような従来のレポータープローブに加えて、本教示のレポータープローブは、対応する標的ヌクレオチドの検出、識別および定量において使用され得る。本教示のレポータープローブとしては、ギャッププローブ、特定のキメラプローブ、およびキメラ配列を含むギャッププローブが挙げられる。ギャッププローブは、低分子量RNA分子のギャップ配列の対応物である複製配列における配列(すなわち、上記対応する順方向プライマーの標的結合部位と同じ配列でもないし、上記対応する逆方向プライマーの標的結合部位と相補的な配列でもないが、それらの配列間に位置する低分子量RNA分子の配列)と特異的にハイブリダイズするように設計される。本教示のレポータープローブは:(i)ホモポリマープローブおよび(ii)ヘテロポリマーまたはキメラプローブもまた含む。本教示の代表的なレポータープローブとしては、制限されずに、DNAプローブ、RNAプローブ、LNAプローブ、2’O−アルキルヌクレオチドプローブ、ホスホロアミダイト(phosphoroamidite)プローブ(例えば、N3’−P5’ホスホロアミダイトプローブおよびモルフォリノホスホロアミダイトプローブ)、2’−フッ化アラビノ核酸(FANA)プローブ、シクロヘキサン核酸(CeNA)プローブ、トリシクロDNA(tcDNA)プローブおよびPNAプローブ(例えば、Kurreck、Eur.J.Biochem.、2003、270:1628−44を参照のこと)が挙げられる。本教示のキメラプローブとしては、制限されずに、DNA−PNAキメラプローブ、DNA−LNAキメラプローブ、DNA−2’Oアルキルキメラプローブなどが挙げられる。ある実施形態において、そのようなDNAキメラプローブは、通常、このプローブの5’末端に位置する(いつもではない)少なくとも2つのデオキシリボヌクレオチドを含む。
【0062】
本教示のレポータープローブは、さらにレポーター基含み、そしてある実施形態においては、蛍光レポーター基−クエンチャー対を含む。ある実施形態においては、レポーター基は、単位複製配列において見出されるギャップ配列またはギャップ配列の相補体とだけハイブリダイズするように設計される。当業者は、時々、ある増幅技術を伴い、かつ上記標的ポリヌクレオチドと共通する幾つかの配列を含み得る「プライマーダイマー」の存在下においてさえ、真の単位複製配列のみが、ギャップ配列またはそれらの相補体を含み、それゆえ上記ギャップにだけハイブリダイズする(当業者が、種々の周知のアルゴリズムを使用して計算され得、または経験的に決定され得ると理解する適切ナストリンジェンシー条件を仮定する)、開示されるレポータープローブと安定的にハイブリダイズし得ることを認識する。ある実施形態においては、レポータープローブの単位複製配列結合部位は、単位複製配列に見出されるギャップ配列またはギャップ配列相補体、およびこのギャップ配列に隣接する数ヌクレオチド(代表的には、この単位複製配列ギャップ配列の片側または両側の1つまたは2つのさらなるヌクレオチド)ともまた、ハイブリダイズするように設計される。
【0063】
ある実施形態において、レポーター基、2つ以上のデオキシリブヌクレオチド、および下流の多数のヌクレオチドアナログを含むキメラレポーター基が開示される。代表的には、DNAポリメラーゼまたは逆転写酵素のテンプレートとしての役割をすぐには果たさず、それゆえプライマー伸長反応中に増幅されないので、そのようなヌクレオドアナログが選択される。代表的な非伸長ヌクレオチドアナログとしては、制限されずに、ロックされた核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、2’O−アルキルヌクレオチド(例えば、2’O−メチルヌクレオチドおよび2’O−エチルヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。ある実施形態においては、キメラレポータープローブは、レポーター基および少なくとも4つのPNAの上流に位置する少なくとも2つのヌクレオチドを含む。ある実施形態においては、キメラレポータープローブは、蛍光レポータープローブ基‐クエンチャー対を含む。ある実施形態においては、蛍光レポーター基は、少なくとも2つのデオキシポリヌクレオチドの上流に位置するか、または少なくとも2つのデオキシポリヌクレオチドのうちの1つの結合され、そしてクエンチャーが上流に位置し(またはその逆)、蛍光レポータープローブ基‐クエンチャー対を形成する。この蛍光レポータープローブ基‐クエンチャー対は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を含んでもよいし、含まなくてもよい。当業者は、上記レポータープローブが、特定の検出技術(例えば、TaqMan(登録商標)分析を含むがこれに限定されない、ヌクレアーゼ分析)のために特に有用であり得る。
【0064】
ある実施形態において、レポータープローブは、第1プライマーセットの順方向プライマーまたは逆方向プライマーのいずれかの標的結合部位と同じであるか、または相補的である配列を含まない。ある実施形態においては、レポータープローブは、以下:上記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、またはこの順方向プライマーの標的結合部位の3’末端と相補的である、(a)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ;この標的ポリヌクレオチドの少なくとも2つのヌクレオチドと同じヌクレオチド塩基を有するか、または相補的であり、かつ上記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位、または上記逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位と同じでも、相補的でもない、隣接する(b)少なくとも2つのヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ;この逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、またはこの逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位の3’末端と相補的である、隣接する(c)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ、を含む。
【0065】
開示される第1プライマーセットは、順方向プライマーおよび逆方向プライマーを含み、順方向プライマーおよび各逆方向プライマーは各々、異常に短い標的結合部位(すなわち、上記第1標的領域と同じ配列を有する10個以下のヌクレオチドを有する順方向プライマーおよび上記第2標的領域と相補的である10個以下のヌクレオチドを有する逆方向プライマー)を含む。ある実施形態においては、上記逆方向プライマーの標的結合部位は、その標的の対応する第2領域と相補的である6個、7個、8個または9個のヌクレオチドを含む。ある実施形態においては、それらの順方向プライマーおよび逆方向プライマーは、さらに上記標的結合部位の上流にあり、かつプライマー結合部位を含み得るが必ずしも含むとは限定されない、さらなる部位を含む。このプライマー結合部位が存在する場合には、これらのプライマー結合部位は、上記対応する第2プライマーセットの各プライマーと選択的にハイブリダイズするように設計される。このように、単位複製配列と組み合わされる場合、この対応する第2プライマーセットおよび適切な伸長酵素を使用してさらなる増幅が可能である。
【0066】
制限ではなく例示的な目的として、例示的な第1プライマーセットが図2で示される。順方向プライマー(1)は、対応する標的(4)の第1領域(5;GAAGAG)と同じ配列を有する標的結合部位(2)および任意の上流にある部位(3)を含む。上記代表的な第1プライマーセットの下流のプライマー(8)は、対応する標的(4)の第2領域(6)と相補的であり、かつハイブリダイズされることが示されている標的結合部位(9)およびこの標的結合部位(9)の上流にある任意の第2部位(10)を含む。第1プライマーセットの任意の第2部位(3,10)のいずれか、または両方は、ハイブリダイゼーションタグ;第2プライマーセットのプライマーがアニールし得るプライマー結合部位;親和性タグのための結合部位;架橋剤(例えば、リンカーアームであるが、これに限定されない);などとして機能し得る(必ずしもそうではない)。ある実施形態においては、順方向プライマー、逆方向プライマーまたはそれら両方の標的結合部位および第2部位は、少なくとも部分的に重複し得る。ある実施形態においては、上記標的ポリヌクレオチドの第1領域または第2領域は、その標的の末端ヌクレオチド(例えば、図2における第1領域(5)「GAAGAG」を参照のこと)を含まない。
【0067】
本教示の第2プライマーセットは、第1プライマーおよび第2プライマーを含み、これらの第1プライマーおよび第2プライマーは、上記対応する第1プライマーセットの、各々、順方向プライマーおよび逆方向プライマーのプライマー結合部位に対応する単位複製配列の領域とアニールするように設計される。ある実施形態においては、第2プライマーセットのプライマーは、ユニバーサルプライマーである。ある実施形態においては、第2プライマーセットのプライマーは、ユニバーサル順方向プライマーおよびユニバーサル逆方向プライマーを含む。ある実施形態においては、第2プライマーセットのプライマーは、さらにハイブリダイゼーションタグ、親和性タグ、レポーター基、またはそれらの組み合わせを含む。ある実施形態においては、ハイブリダイゼーションタグは、上記対応する単位複製配列が識別されることを可能とする。ある実施形態においては、第2プライマーセットの第1プライマーは、第1ユニバーサルプライミング配列を含み、かつその対応する第2プライマーセットの第2プライマーは、第2ユニバーサルプライミング配列を含む。ある実施形態においては、第2プライマーセットの1つのプライマーは、ユニバーサルプライミング配列を含み、かつその対応する第2プライマーセットの他のプライマーは、制限されずに、独特のハイブリダイゼーションタグを含む、ハイブリダイゼーションタグを含む。この独特のハイブリダイゼーションタグは、引き続いて、上記対応する単位複製配列を識別するために使用され得る。
【0068】
特定の開示される方法は、多数の異なるポリヌクレオチド標的を識別および/または定量するための多数の異なる第1プライマーセットを含み、これらのポリヌクレオチド標的は、制限されずに、デオキシリボヌクレオチドを含むポリヌクレオチド、miRNA前駆体、低分子量RNA分子、またはそれらの組み合わせを含む。ある実施形態は、多数の異なる第1単位複製配列および多数の異なるさらなる第1単位複製配列を生成する工程を包含する。ある実施形態は、多重的な反応を含むか、またはさらに含み、ここで、多数の異なる第2単位複製配列が生成される。ある実施形態においては、単位複製配列を生成する1つ以上の多重的反応が、同じ反応容器で実施される。この反応容器としてはマルチウェルプレート(例えば、96ウェルプレート、384ウェルプレート、1536ウェルプレートなど);またはマイクロ液体装置(例えば、TaqMan(登録商標)Low Density Array(Applied Biosystems)が挙げられるが、これに限定されない)が挙げられる。ある実施形態においては、多数の異なる第2単位複製配列が、同じ反応容器の異なるウェルまたはチェンバーにおいて生成され、そして多数の異なる第2単位複製配列のサブセットが、少なくとも2つの異なるウェルまたはチェンバーにおいて生成および検出される。代表的には、この生成および検出は、一連の並行する一重反応、二重反応、三重反応または四重反応において起こるが、より高いレベルの並行する多重化もまた、本教示の意図される範囲内にある。ある実施形態においては、(i)第1生成物、第1単位複製配列、さらなる第1単位複製配列、またはそれらの組み合わせを生成する工程、(ii)第2単位複製配列を生成する工程、または(iii)それらの両方の工程が、機器を使用して自動化または半自動化される。この機器としては、サーモサイクラーもしくはリアルタイム機器、ソフトウェア、ロボティクス、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
本教示の第1プライマーセットのプライマー、第2プライマーセットのプライマーおよびレポータープローブの結合部位は、必要に応じて、対応する標的配列の相補的な領域、対応する単位複製配列、またはそれらの組み合わせと特異的にアニールをすることを可能にするのに十分な長さである。配列特異的核酸プライマーおよびレポータープローブのための設計の基準は、当業者に周知である。核酸プライマーおよびレポータープローブの設計の詳説は、とりわけ、DiffenbachおよびDveksler、PCRプライマー、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press、1995;R.Rapley、核酸手順ハンドブック、Humana Press、Totowa、New Jersey、2000;SchenaとKwokら、Nucl.Acids Res.、1990、18:999−1005において見出され得る。プライマーおよびレポータープローブの設計ソフトウェアプログラムもまた、市販されており、これらのプログラムとしては、制限されずに、Primer Express、Applied Biosystems;Primer PremierおよびBeacon Designerソフトウェア、PREMIER Biosoft international、Palo Alto、California;Primer Designer4、Sci−Ed Software、Durham、North Carolina;Primer Detective、ClonTech、Palo Alto、California;Lasergene、DNASTAR、Inc.、Madison、Wisconsin;Oligoソフトウェア、National Biosciences、Inc.、Plymouth、Massachusetts;iOlogo、Caesar Software、Portsmouth、New Hampshire;およびrealtimeprimerdatabase.ht.stまたはmedgen31.urgent.be/primerdatabase/index(Pattynら、Nucl.Acids Res.、2003、31:122−23も参照のこと)のワールドワイドウェブ上のRTPrimerDBが挙げられる。
【0070】
当業者は、上記開示される方法およびキットに伴う使用に適切であるプライマーおよびレポータープローブが、本教示および当該分野において公知の慣習的な方法を使用して、過度の実験を伴わずに、経験的に識別され得ることを理解する。例えば、適切なプライマー、プライマーセットおよびレポータープローブは、関連する科学文献(適切なデータベースを含むが、それに限定されない)から候補標的ポリヌクレオチドを選択し、そして計算アルゴリズム(例えば、sanger−ac.uk/Software/Rfam/miRNA/indexのワールドワイドウェブ上のmiRNA登録;genes/mit.edu/mirscanのウェブで入手し得るMiRscan;miRseeker;およびCarterら、Nucl.Acids Res.、2001、29(19):3928−38を参照のこと)を使用することにより、得ることができる。目的のポリヌクレオチドが識別される場合、試験プライマーおよび/またはレポータープローブは、周知の合成技術を使用して合成され得、かつそれらの合成技術の適切さは、上記開示される方法およびキット(例えば、Beaucageら編、核酸化学における現在の手順、John Wiley&Sons、New York、New York、2004年8月に至る最新版を含む;BlackburnとGait、Glen Research 2002カタログ、Sterling、Virginia;The Glen Report、Glen Research、2003、16(2):5;Berry and Associates、合成医化学2003/2004、Dexter、Michigan;PNA Chemistry for the Expedite(登録商標)8900 Nucleic Acid Synthesis System User’s Guide、Applied Biosysytemsを参照のこと)において評価され得る。当業者は、プライマーまたはレポータープローブの融点(T)は、とりわけ、副溝結合剤を組み合わせること、ヌクレオチドを適切なヌクレオチドアナログと置換すること(すなわち、キメラプローブ)、または溝結合剤と一緒にかもしくは溝結合剤なしで、適切なアナログを含むホモポリマープローブ(PNAオリゴマープローブ、またはLNAオリゴマープローブが挙げられるが、これらに限定されない)を使用することにより上げることができることを認識する。
【0071】
ある実施形態において、例えば、移動度変更因子を含む多数の成分が、実質的に類似する特有移動度を有するために、大量分離され得るか、または異なる特有の移動度を有する移動度変更因子を含む他の成分から分離され得る場合、多数のプライマー、多数の単位複製配列、多数の単位複製配列代替物、またはそれらの組み合わせは、実質的に類似する特有移動度を有する。ある実施形態においては、移動度変更因子を含む多数のプライマー、移動度変更因子を含む多数の第1生成物、移動度変更因子を含む多数の単位複製配列、移動度変更因子を含む多数の単位複製配列代替物、またはそれらの組み合わせは、異なる特有移動度を有する。
【0072】
ある実施形態において、移動度変更因子は、ヌクレオチドポリマー鎖を含み、このヌクレオチドポリマー鎖は、制限されずに、オリゴヌクレオチドポリマー鎖またはポリヌクレオチドポリマー鎖を含む。これらのポリマー鎖としては、例えば、プライマー、ハイブリダイゼーションタグ相補体、レポータープローブなど(例えば、Tongら、Nat.Biotech、2001、19:756−759を参照のこと)一連のさらなる非標的配列特異的ヌクレオチドまたはヌクレオチドスペーサーが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態においては、移動度変更因子は、非ヌクレオチドポリマー鎖を含む。代表的な非ヌクレオチドポリマー鎖は、制限されずに、ペプチド、ポリぺプチド、ポリエチレンオキシド(PEO)などを含む。ある実施形態においては、ポリマー鎖は、PEO単位からなる鎖のような、実質的に非荷電の水溶性鎖;ポリペプチド鎖;またはそれらの組み合わせを含む。
【0073】
上記ポリマー鎖は、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。さらに、このポリマー鎖は、線形構造、櫛形構造、分枝構造、樹枝状構造(例えば、ポリアミドアミン分枝ポリマーを含むポリマー、Polysciences、Inc.、Warrington、ペンシルバニア州)、またはそれらの組み合わせを有し得る。ある実施形態においては、このポリマー鎖は、親水性であるか、またはポリマー鎖が要素にハイブリダイズまたは結合されるときに、この要素‐移動度変更因子が水性媒体にすぐに可溶であることを保証するのに少なくとも十分に親水性である。移動度依存分析技術が電気泳動法である場合、ある実施形態においては、そのポリマー鎖は、非荷電であるか、またはその対応する要素よりも実質的に低い電荷/サブユニット濃度を有する。
【0074】
移動度変更因子として有用なポリマー鎖の合成は、少なくとも部分的に、ポリマーの性質に依存する。適切なポリマーを調製する方法は、一般に、周知のポリマーサブユニット合成法に従う。これらの方法は、直接的にか、または荷電もしくは非荷電連結基を介して間接的に、規定されたサイズのマルチサブユニットポリマー単位を相互に連結する工程を含み、一般に、広範に種々のポリマー(例えば、PEO、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリウレタンポリマーポリペプチド、オリゴ糖およびヌクレオチドポリマー)に適用され得る。ポリマーユニット連結のそのような方法は、例えば、ポリプロピレンユニットとPEOユニットとが交互のコポリマーのような選択された長さのコポリマーを合成するのにもまた適切である。選択された長さのポリペプチドおよびアミノ酸複合体(ホモポリマーまたは混合ポリマーのいずれか)が、標準的な固相法(例えば、Int.J.Peptide Protein Res.、1990、35:161−214を参照のこと)によって合成され得る。
【0075】
選択された数のヘキサエチレンオキシド(HEO)ユニットを有するPEOポリマー鎖を調製する1つの方法は、HEOユニットを一末端においてジメトキシトリチル(DMT)で保護し、そして他の末端においてメタンスルホネートで活性化することである。この活性化されたHEOは、次いで、第2DMTの保護するHEO基と反応させられ、DMT保護されたHEOダイマーを形成する。このユニット付加が、次いで、望まれるPEO鎖長(例えば、米国特許第4、914、210号を参照のこと;米国特許第5、777、096号もまた参照のこと)が達成されるまで、連続的に実行される。
【0076】
「伸長酵素」という用語は、適当な反応条件(適切なヌクレオチド三リン酸、コファクター、緩衝剤などが挙げられるが、これらに限定されない)下で、テンプレート依存様式において、ハイブリダイズしたプライマーの5’−3’伸長を触媒し得るポリペプチドをいう。伸長酵素は、代表的には、DNAポリメラーゼ(例えば、RNA依存DNAポリメラーゼ(逆転写酵素が挙げられるが、これに限定されない)、DNA依存DNAポリメラーゼ)であり、そして少なくとも特定の条件下では、DNAポリメラーゼのこれらの種類の両方の特性を共有するDNAポリメラーゼ(これらの各々の酵素学的に活性な突然変異体または改変体を含む)を含む。ある実施形態においては、伸長酵素は、その酵素学的に活性な突然変異体または改変体を含む逆転写酵素(例えば、鳥類骨髄芽球症ウィルス(AMV)逆転写酵素およびモロニーラット白血病ウィルス(MMLV)逆転写酵素のようなレトロウィルス逆転写酵素が挙げられる)である。ある実施形態においては、伸長酵素は、その酵素学的に活性な突然変異体または改変体を含むDNAポリメラーゼである。特定のDNAポリメラーゼは、ある条件下で、逆転写酵素活性を有する。このDNAポリメラーゼとしては、例えば、Mn2+の存在下では逆転写活性を示すが、Mg2+の存在下では示さないThermus thermophilus(Tth DNAポリメラーゼ、E.C.2.7.7.7.)のDNAポリメラーゼが挙げられるが、これに限定されない(Thermus種Z05に由来する組み換えポリメラーゼを含み、いずれもApplied Biosystems製の、GeneAmp(登録商標)AccuRT RNA PCR KitおよびHot Start RNA PCR Kitもまた参照のこと)。同様に、特定のDNAポリメラーゼ(例えば、AMV逆転写酵素およびMMLV逆転写酵素が挙げられるが、これらに限定されない)は、ある反応条件下で逆転写酵素活性を有する。開示される方法およびキットとともに使用するための適切なDNAポリメラーゼの詳説は、とりわけ、NelsonおよびCox、Lehninger Principles of Biochemistry、Worth Publishing、New York、New York、2000、第3版、特に26章と29章;R.M.Twyman、先端分子生物学:簡潔な参考書、Bios Scientific Publishers、New York、New York、1999年;および酵素源ガイド:ポリメラーゼ、Promega、Madison、Wisconsin、1998、に見出し得る。伸長酵素という用語の意図される範囲内には、明示的に、異なる感温特性を与えるように改変された酵素のような、酵素学的に活性な突然変異体または改変体が含まれる(例えば、米国特許番号第5、773、258号;米国特許番号第5、677、152号;および米国特許番号第6、183、998号を参照のこと)。
【0077】
ある実施形態において、プライマー、単位複製配列、またはプライマーおよび単位複製配列は、レポーター基を含む。ある実施形態においては、レポーター基を含むプライマーは、プライマー伸長により単位複製配列に組み込まれる。ある実施形態においては、単位複製配列は、レポーター基で標識されたdNTPがプライマー伸長または他の増幅技術中に組み込まれるときにその単位複製配列中に組み込まれたレポーター基を含む。レポーター基は、適切な条件下では、蛍光シグナル、化学ルミネセンスシグナル、生物ルミネセンスシグナル、リン光シグナル、または電気化学ルミネセンスシグナルを発し得る。代表的なレポーター基としては、フルオロフォア、放射性同位元素、クロモゲン、酵素、抗原(エピトープタグを含むが、これに限定されない)、半導体ナノ結晶(例えば、量子ドット)、重金属、色素、リン光基、化学ルミネセンス基、電気化学検出部分、親和性タグ、結合タンパク質、リン光体、希土類キレート、遷移金属キレート、近赤外線色素(「Cy.7.SPh.NCS」、「Cy.7.OphEt.NCS」、「Cy.7.OphEt.CoSu」およびIRD800(例えば、J.Flanaganら、Bioconjug.Chem.1997、8:751−56;800IRDホスホラミダイトとのDNA合成、LI−COR公報#111、LI−COR、Inc.Lincoln、ネブラスカ州を参照のこと))、電気化学ルミネセンス標識(Ru(bpy)2+としてもまた公知であるトリス(ビピリダル)(bipyridal)ルテニウム(II)、Os(phen)(dppene)2+としてもまた公知であるオスミウム(1,10−フェナントロリン)ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン2+、ルミノール/過酸化水素、Al(ヒドロキシキノリン−スルホン酸)、9,10−ジフェニルアントラセン−2−スルホネートおよびRu(v−bpy2+)としてもまた公知であるトリス(4−ビニル−4’−メチル−2、2’−ビピリダル)ルテニウム(II)などが挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
レポーター基という用語はまた、多数の要素からなる間接レポーターシステムもまた包含し、これらの間接レポーター系は、制限されずに、ビオチン:アビジンのような親和性タグ、抗体:抗原、リガンド:レセプター(結合タンパク質およびそれらのリガンドが挙げられるが、それに限定されない)などを含む。ここで、1つの成分は、検出し得るシグナルの可能性を高めるために、上記システムの1つ以上の他の成分と相互反応する。代表的な多要素レポーターシステムは、ビオチンレポーター基およびストレプトアビジン結合体化フルオロフォアを含むオリゴヌクレオチド(または逆でも同様である);DNPレポーター基およびフルオロフォアで標識された抗DNP抗体を含むオリゴヌクレオチド;などを含む。ある実施形態において、レポーター基(特に多要素レポーター基)は、必ずしも検出のためには使用されず、単離/分離のための親和性タグとして機能する。これらのレポーター基としては、例えば、ビオチン基およびストレプトアビジンでコーティングされた基質(または逆でも同様である);ジゴキシゲニンレポーター基および抗ジゴキシゲニン抗体またはジゴキシゲニン結合アプタマーを含む基質;DNAレポーター基および抗DNA抗体またはDNA結合アプタマーを含む基質;などが挙げられるが、それらに限定されない。レポーター基を、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、ペプチド、抗体および他のタンパク質質、単糖、二糖およびオリゴ糖、有機分子ならびに類似体に結合させるための詳細な手順は、とりわけ、G.T.Hermanson,Bioconjugate Techiniques、Academic Press、San Diego、1996;Beaucageら;Molecular Probe Handbook;ならびにPierce Applications HandbookおよびCatalog2003−2004、Pierce Biotechnology、Rockford、IL、2003に見出し得る。
【0079】
フルオロフォアとクエンチャーとの対(蛍光クエンチャーおよびダーククエンチャー(非蛍光クエンチャーとしてもまた公知))のような多要素相互反応レポーター基もまた、レポーター基の用語の範囲内に含まれる。蛍光クエンチャーは、フルオロフォアから発せられる蛍光シグナルを吸収し得、そして、十分な蛍光エネルギーを吸収した後、この蛍光クエンチャーは、特徴的な波長で蛍光を発し得る(例えば、蛍光共鳴エネルギー移動)。例えば、制限されずに、FAM−TAMRA対は、FAMの励起ピークである492nmで照射され得る、そして、TAMRAの発光ピークである580mnで蛍光を発し得る。適切に蛍光レポーター基と対にされたダーククエンチャーは、上記フルオロフォアからの蛍光エネルギーを吸収するが、それ自体は蛍光を発しない。むしろ、このダーククエンチャーは、代表的には、熱として、その吸収したエネルギーを放散する。代表的なダーククエンチャーまたは非蛍光クエンチャーとしては、ダブシル、ブラックホールクエンチャー、アイオワブラック、QSY−7、AbsoluteQuencher、エクリプス非蛍光クエンチャー、ゴールドナノ粒子などの金属クラスターなどが挙げられる。フルオロフォアとクエンチャーとの対を含む特定の二重標識されたプローブは、その対の構成要素が物理的に分離されるときに、蛍光を発し得る(例えば、TaqMan(登録商標)プローブなどのヌクレアーゼプローブ)。フルオロフォアとクエンチャーとの対を含む他の二重標識されたプローブは、その対の構成要素が空間的に分離されるときに、蛍光を発し得る(例えば、分子ビーコンのようなハイブリダイゼーションプローブ、またはスコーピオンプライマーなどの伸長プローブ)。フルオロフォアとクエンチャーとの対は、当該分野において周知であり、そして種々のレポータープローブのために広範に使用される(例えば、Yeungら、BioTechniques、2004、36:266−75;Dubertretら、Nat.Biotech.、2001、19:365−70;およびTyagiら、Nat.Biotech.、2000、18:1191−96を参照のこと)。
【0080】
ある実施形態において、レポーター基は、電気化学ルミネセンス部分を含み、適切な条件下で、検出し得る電気的に生成された化学ルミネセンス(ECL)を発し得る。ECLにおいては、電気化学ルミネセンス部分の励起は、電気化学的に駆動され、そして、この
電気化学ルミネセンス発光が光学的に検出され得る。代表的な電気化学ルミネセンスレポーター基の種類としては、以下:620nm放出波長を有するRu(bpy)2+およびRu(v−bpy)2+;584nm放出波長を有するOs(phen)(deppene)2+;425nm放出波長を有するルミノール/過酸化水素;499nm放出波長を有するアル(ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸);および428nm放出波長を有する9,10−ジフェニルアントラセン(diphenylanothracene)−スルホネートなどが挙げられる。プローブへの組み込みに適するように改変された、これら3つの電気化学ルミネセンスレポーター基の種類の形態は、市販されており、当該分野において公知である技術を使用して、過度の実験を伴わずに、合成され得る。例えば、アミノリンカー基を通して核酸配列に連結されるRu(bpy)2+N−ヒドロキシスクシンイミドエステルが説明されており(米国特許第6、048、687号を参照のこと);そしてOs(phen)(deppene)2+およびAl(HQS)3+のスクシンイミドエステルは合成され、そして、類似した方法を使用して核酸配列に結合され得る。上記Ru(bpy)2+電気化学ルミネセンスレポーター基は、市販のルテニウムホスホロアミダイト(IGEN International、Inc.Gaitherburg、メリーランド)を使用して核酸配列に合成的に組み込まれ得る。
【0081】
ルテニウム、オスミウム、白金、パラジウムおよび他の遷移金属のさらなる他のポリ芳香族化合物およびキレートが、電気化学ルミネセンス特性を示している。ECLおよび電気化学ルミネセンス部分の詳細な説明は、とりわけ、A.BardおよびL.Faulker、電気化学的方法、John Wiley&Sons、2001;M.CollinsonとM.Wightman、Anal.Chem.、1993、65:2576;D.BruceとM.Richter、Anal.Chem.、2002、74:3157;A.Knight、Trends in Anal.Chem.、1999、18:47;B.Mueggeら、Anal.Chem.、2003、75:1102;H.Abrundaら、J.Amer.Chem.Soc.、1982、104:2641;K.Manessら、J.Amer.Chem.Soc.、1996、118:10609;M.CollinsonとR.Wightman、Science、1995、268:1883以下;および米国特許第6、479、233号(リン光性ランタニドおよび遷移金属レポーター基の議論のためのO’Sullivanら、Nucl.Acids Res.、2002、30:e114を参照のこと)において見出し得る。
【0082】
(III.技術)
本教示によるポリヌクレオチド標的は、任意の生物またはかつて生物だったもの(原核生物、古細菌、ウィルスおよび真核生物が挙げられるが、それらに限定されない)に由来し得る。そのポリヌクレオチド標的はまた、合成物であり得る。このポリヌクレオチド標的は、核(代表的にはゲノムDNA(gDNA)およびRNA転写産物(特定のmiRNA前駆体および他の低分子量RNA分子が挙げられるが、これらに限定されない)起源であってもよいし、または核外(例えば、細胞質内、核外遺伝子、ミトコンドリア内、ウィルス内等)のものであってもよい。当業者は、gDNAが、完全な長さの物質だけではなく、任意の手段(例えば、酵素消化、超音波処理、せん断力などが挙げられるが、これらに限定されない)により生成された断片もまた含むことを認識する。ある実施形態においては、上記ポリヌクレオチド標的は、二本鎖形態または一本鎖形態で存在し得る。
【0083】
種々の方法が、本教示の方法およびキットで使用するためのポリヌクレオチド標的を入手するために利用可能である。その標的配列が生物学的マトリックスから入手される場合、特定の単離技術が代表的に採用される。これらの技術としては、制限されずに、(1)例えば、フェノール/クロロホルム有機試薬(例えば、Ausbelら、特に第1巻第2章第1節を参照のこと)を使用し、ある実施形態においては、自動抽出機(例えば、Model 341 DNA抽出機(Applied Biosystems))を使用する、エタノール沈殿後の有機物抽出;固定相吸収法(例えば、米国特許第5、234、809号;Walshら、BioTechniques、1991、10(4):506−513を参照のこと);および塩によって誘導されたDNA沈殿法(例えば、Millerら、Nucl.Acids Res.、1988、16(3):9−10)(そのような沈殿法は、代表的には「塩析」法として言及される)が挙げられる。ある実施形態においては、上記単離法は、例えば、サンプルから望まれないタンパク質を排除するのを助けるために、酵素消化工程が先行する(例えば、タンパク質分解酵素K、または他の類似タンパク質分解酵素などによる消化)。例えば、米国特許出願番号第09/724、613号を参照のこと;米国特許出願番号第10/618、493号および米国特許出願番号第10/780、963号;および米国仮特許出願番号第60/499、082号および米国特許仮特許出願番号第60/523、056号もまた参照のこと。種々の市販のキットおよび機器もまた、標的ポリヌクレオチド(低分子量RNA分子を含むが、これに限定されない)およびそれらの前駆体を入手するために使用され得る。このキットおよび機器としては、例えば、ABI PRISM(登録商標)TransPrep System、BloodPrepTMChemistry、ABI PRISM(登録商標) 6100 Nucleic Acid PrepStationおよびABI PRISM(登録商標) 6700 Automated Nucleic Acid Workstation(これらすべてはApplied Biosystemsから市販される);SV96 Total RNA Isolation SystemおよびRNAgents(登録商標)Total RNA Isolation System(Promega、Madison、Wisconsin);mirVana miRNA Isolation Kit(Ambion、Austin、Texas);ならびにAbsolutely RNATMPurification Kitおよびthe Micro RNA Isolation Kit(Stratagene、La Jolla、CA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
ある実施形態においては、サンプルにおける核酸は、制限酵素切断に供され得、そして、それに起因する制限断片が、ポリヌクレオチド標的として採用され得る。異なるポリヌクレオチド標的は、単一の隣接する核酸の異なる部位であってもよいし、または異なる核酸上にあってもよい。単一の隣接する核酸の異なる標的配列は、重複していてもよいし、していなくてもよい。あるポリヌクレオチド標的はまた、制限されずに、プライマリーmiRNA(pri−miRNA)、前駆体miRNA(pre−miRNA)、miRNA、mRNAおよびsiRNAを含む他の標的配列内に存在し得る。
【0085】
上記開示されたある実施形態は、第1生成物を生成する工程、第1単位複製配列を生成する工程、さらなる第1単位複製配列を生成する工程、第2単位複製配列を生成する工程、さらなる第2単位複製配列を生成する工程、またはそれらの組み合わせを含む。ある実施形態においては、少なくともこれらの工程の幾つかは、第1反応組成物において同時にまたはほとんど同時に生じる。ある実施形態においては、これらの工程の幾つかは、第1反応組成物で生じ、そして、他の工程は、第2反応組成物または第3反応組成物で生じる。本教示の特定のキットは、増幅手段を含む。
【0086】
本教示による増幅は、少なくとも標的ヌクレオチドの一部および/または単位複製配列が代表的にはテンプレート依存様式で複製される任意の手段を含み、このテンプレート依存様式は、制限されずに、核酸配列を直線的または指数関数的に増幅する広範な技術を含む。増幅工程を実施するための代表的な技術としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、プライマー伸長(逆転写を含むが、これに制限されない)、鎖置換(SDA)、種々の置換増幅(MDA)、核酸鎖に基づく増幅(NASBA)、ローリングサークル型増幅(RCA)、転写媒介増幅(TMA)など、またはそれらの組み合わせ(転写および種々の変形を含む)が挙げられる。この技術の説明は、とりわけ、SambrookとRussell;Sambrookら;Ausbelら;Diffenbach編、PCRプライマー:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press、1995;The Electronic Protocol Book、Chang Bioscience、2002;Msuihら、J.Clin.Micro.、1996、34:501−07;Rapley、米国特許第6、027、998号および米国特許第6、511、810号;WO9731256およびWO0192579;Ehrlichら、Science、1991、252:1643−50;Innisら、PCR手順:方法と応用へのガイド、1990、Academic Press;Favisら、Nature Biotechnology、2000、18:561−64;およびRabenauら、Infection、2000、28:97−102に見出し得る。
【0087】
ある実施形態において、増幅は、以下:(i)プライマーと標的ポリヌクレオチドおよび/または相補的または実質的に相補的な配列を含む単位複製配列とをハイブリダイズする工程;(ii)そのハイブリダイズさせたプライマーを伸長し、それによりテンプレート依存様式でヌクレオチド鎖を合成する工程;ならびに(iii)新たに形成された核酸二重構造を改変し、その鎖を分離する、の連続する工程のサイクルを含む。そのサイクルは、所望される場合には、繰り返されてもよいし繰り返されなくてもよい。増幅は、熱循環する工程を含むこともできるし、または等温的に実行され得る。ある実施形態においては、新生の核酸二重構造は、最初は変性されないが、1つ以上のその後の工程においてそれらの二本鎖形態で使用され、そして、その鎖のいずれか1方または両方が、検出され得る(検出される必要がある)。ある実施形態においては、一本鎖の単位複製配列が生成される(例えば、非対称的PCRが挙げられるが、これに限定されない)。
【0088】
プライマー伸長は、テンプレートにアニールしたプライマーを、5’=>3’方向で、伸長酵素(DNAポリメラーゼ(制限されずに、逆転写酵素を含む)のような増幅酵素が挙げられるが、これに限定されない)を使用して伸長する工程を包含する増幅技術である。特定の実施形態によると、適切な緩衝剤、塩、pH、温度およびヌクレオチド三リン酸(それらのアナログを含む)と一緒に、伸長酵素は、アニールしたプライマーの3’末端で始まるテンプレート鎖と相補的であるヌクレオチドを組み込み、相補鎖を生成する。ある実施形態においては、プライマー伸長のために使用される伸長酵素は、5’−エキソヌクレアーゼ活性を欠くか、または実質的に欠く。
【0089】
当業者は、幾つかの異なる酵素(伸長酵素が挙げられるが、これに限定されない)が、上記開示された方法およびキットにおいて使用され得ることを理解する。この酵素としては、例えば、耐熱性または超耐熱性の原核生物、真核生物、または古細菌性生物から分離されたものが挙げられるが、それらに限定されない。当業者はまた、ポリメラーゼ(DNA依存DNAポリメラーゼおよびRNA依存DNAポリメラーゼが挙げられるが、それらに限定されない)などの酵素が、天然に生じる酵素だけではなく遺伝子組み換え酵素;ならびにそれらの酵素の酵素学的に活性な断片、切断産物、突然変異体または改変体(例えば、クレノー断片、ストッフェル断片、Taq FS(Applied Biosystems)、9°NTMDNAポリメラーゼ(New England BioLabs、Beverly、Massachusetts)、ならびにLuoおよびBarany、Nucl.Acids Res.、1996、24:3079−3085、Eisら、Nature Biotechnology、2001、19:673−76、米国特許第6、265、193号および米国特許第6、576、453号で説明される突然変異体酵素(天然に存在する突然変異体および人工の突然変異体が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられるが、それらに限定されない)もまた、開示される教示の範囲内にあることを理解する。可逆的に改変されたポリメラーゼ(例えば、米国特許第5、773、258号で説明されるものが挙げられるが、それに限定されない)もまた、本教示の範囲に含まれる。本教示はまた、種々のウラシルに基づく除染策も企図し、ここで、例えば、ウラシルは、増幅反応および、種々のグリコシラーゼ処置(例えば、米国特許第5、536、649号を参照のこと)で剥離された、後続のキャリーオーバー生成物に組み込まれ得る。当業者は、所望の酵素活性を有する任意のタンパク質が、上記開示された方法およびキットにおいて使用され得ることを理解する。逆転写酵素、ウラシルN−グリコシラーゼなどを含むDNAポリメラーゼの説明は、とりわけ、Twyman、先端分子生物学、BIOS Scientific Publishers、1999;酵素源ガイド、Promega、1998、rev.092298;SambrookとRusell;Sambrookら;Lehninger、PCR:The Basics;およびAusbelら、に見出される。
【0090】
上記開示された方法およびキットのある実施形態は、分離する工程(分離工程か、もしくは検出工程の一部かのいずれかとして)または分離手段を含む。分離する工程は、少なくとも幾つかの未反応の成分または少なくとも幾つかの試薬を単位複製配列から除去する任意のプロセスを含む。ある実施形態において、単位複製配列は、未反応成分および試薬(反応組成物に存在する未反応の分子種、伸長酵素、プライマー、コファクター、dNTPなどが挙げられるが、これらに限定されない)から分離される。当業者は、多数の周知の分離手段が、本明細書で開示された方法およびキットにおいて使用され得、それゆえ、採用された分離技術が、この開示された方法にに対する限定ではないことを認識する。
【0091】
分離工程を実行するための代表的な手段/技術としては、ゲル電気泳動法(例えば、等電点分離法およびキャピラリー電気泳動法が挙げられるが、それらに限定されない);二電気泳動法;フローサイトメトリー法(ビーズ、ミクロスフェアなどを使用した蛍光活性選別技術が挙げられるが、それらに限定されない);液体クロマトグラフィー(HPLC、FPLC、サイズ排除(ゲル濾過)クロマトグラフィー、親和クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互反応クロマトグラフィー、免疫親和性クロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラフィーが挙げられるが、これらに限定されない);親和性タグ結合(例えば、ビオチン−アビジン、ビオチン−ストレプトアビジン、マルトース−マルトース結合タンパク質(MBP)およびカルシウム−カルシウム結合ペプチド);ハイブリダイゼーションタグとハイブリダイゼーションタグ相補体とのアニーリング;質量分析法(MALDI−TOF、MALDI−TOF−TOF、タンデム型質量分析法(MS−MS)、LC−MSおよびLC−MS/MSが挙げられるが、これらに限定されない);微量液体装置;などが挙げられる。分離技術および分離検出技術の説明は、とりわけ、Rapley;Sambrookら;SambrookおよびRussell;Ausbelら;Molecular Probe Handbook;Pierce Applications Handbook;キャピラリー電気泳動法:理論と実践、P.GrossmanとJ.Colburn編、Academic Press、1992;G.Siuzdak、生命工学における質量分析法の拡大する役割、MCC Press、2003;WO0192579;およびM.Ladisch、バイオ分離技術:原理、実践および経済学、John Wiley&Sons、2001に見出し得る。
【0092】
ある実施形態において、分離工程は、単位複製配列、単位複製配列代替物、またはそれらの両方と基質とを結合またはアニールする工程、例えば、ビオチン親和性タグを含む二本鎖の第2単位複製配列とストレプトアビジンでコーティングされた基質とを結合する工程、またはハイブリダイゼーションタグを含む一本鎖の単位複製配列とその基質上の特有のアドレスのハイブリダイゼーションタグ相補体を含む基質とを結合する工程、を包含するが、それらに限定されない。適当な基質は、以下:マイクロアレイ(固定アレイおよびビーズアレイが挙げられる);適切に処置またはコーティングされた反応容器および表面;ビーズ(磁性ビーズ、常磁性ビーズ、ラテックスビーズ、金属ビーズ、ポリマービーズ、色素含浸ビーズおよびコーティングされたビーズが挙げられるが、それらに限定されない);必要に応じて、識別可能なマイクロシリンダー;トランスデューサを含むバイオセンサー;など(例えば、Tongら、Nat.Biotech.、2001、19:756−59;Gerryら、J.Mol.Biol.、1999、292:251−62;Srisawatら、Nucl.Acids Res.、2001、29:e4;Hanら、Nat.Biotech.、2001、19:631−35;およびStearsら、Nat.Med.、2003、9:140−45、補遺を含む)が挙げられるが、それらに限定されない。当業者は、任意の数の基質が、上記開示された方法およびキットで採用され、そして、この基質の形状および組成には、一般的に制限がないことを認識する。
【0093】
ある実施形態において、単位複製配列またはその代替物は、液体クロマトグラフィーにより分離される。本明細書の教示で使用されるための代表的な固定相クロマトグラフィー媒体は、逆相媒体(例えば、C−18またはC−8固相)、イオン交換媒体(特に陰イオン交換媒体)および疎水性相互反応媒体を含む。ある実施形態においては、単位複製配列またはその代替物は、ミセル動電キャピラリークロマトグラフィー(MECC)により分離される。
【0094】
逆相クロマトグラフィーは、定組成、またはより代表的には、線状、曲折、または段階的な傾斜溶媒を使用して実行され、ここで、水成溶媒におけるアセトニトリルまたはイソプロパノールなどの非極性溶媒のレベルが、クロマトグラフィー行程中増加され、このことによって、上記固相に対する各分析物の親和性に従って、分析物が連続的に溶出する。ポリヌクレオチド(単位複製配列および少なくとも幾つかのそれらの代替物を含む)を分離するために、代表的にイオン対合剤(例えば、テトラアルキルアンモニウム)がその溶媒に含まれ、リン酸エステルの荷電を遮蔽する。
【0095】
単位複製配列の移動度は、ポリマー鎖を含む移動度変更因子を使用して変動させ得る。この動度変更因子は、固相または固定相に対して結合する成要素の親和性を変更する。従って、逆相クロマトグラフィーにおいては、固定相のための単位複製配列および/またはそれらの単位複製配列代替物の増加された親和性は、適度に疎水性のテイル(例えば、PEO含有ポリマー、短いポリペプチドなど)を上記移動度変更因子に添加することにより達成され得る。より長いテイルは、上記固相のためのより大きな親和性を与え、それゆえ、連結反応産物または連結反応産物代替物が溶出されるには、より高い非極性溶媒濃度(およびより長い溶出時間)が必要とされる。
【0096】
ある実施形態において、単位複製配列、単位複製配列代替物、またはそれらの両方は、篩基質、または非篩基質における電気泳動法により分解される。ある実施形態においては、電気泳動法分離は、制限されずに、マイクロキャピラリーおよびナノキャピラリー(例えば、キャピラリー電気泳動法:理論と実践、GrossmanとColburn編、Academic Press、1992を参照のこと)を含むキャピラリー電気泳動法によるキャピラリー管で実行される。上記開示された教示における使用のための篩基質としては、共有結合的に架橋された基質(ビスアクリルアミドと共有結合的に架橋されたポリアクリルアミド);線状ポリマー(例えば、米国特許第5、552、028号)で形成されたゲル基質;ゲルなしの篩媒体(例えば、米国特許第5、624、800号;HubertおよびSlater、電気泳動法、1995、16:2137−2142;Mayerら、Anal.Chem.、1994、66(10):1777−1780を参照のこと)が挙げられる。電気泳動法媒体は、一本鎖形態にポリヌクレオチドを維持するための7Mホルムアミドなどの核酸変性剤を含み得る。適切なキャピラリー電気泳動法器具機器は市販されており、例えば、ABI PRISMTM Genetic Analyzerシリーズ(Applied Biosystems)が挙げられる。
【0097】
ある実施形態において、ハイブリダイゼーションタグ相補体には、ハイブリダイゼーション転写促進因子が含まれ、ここで、本明細書中で使用される場合「ハイブリダイゼーション転写促進因子」という用語は、例えば、挿入剤(例えば、米国特許第4、835、263号を参照のこと)、副溝結合剤(例えば、米国特許第5、801、155号を参照のこと)および架橋官能基などの2つのポリヌクレオチド間のハイブリダイゼーションを高めるか、安定させるか、または正の影響を与える役割を果たす部分を意味する。そのハイブリダイゼーション転写促進因子は、ハイブリダイゼーションタグとハイブリダイゼーションタグ相補体との二重構造と相互反応することを可能にする様式で上記移動度変更因子に結合される限り、移動度変更因子のいずれの部位にも結合され得る。ある実施形態においては、ハイブリダイゼーション転写促進因子は、例えば、ネトロプシン、ジスタマイシンなどの副溝結合剤を含む。
【0098】
当業者は、単位複製配列および/または単位複製配列代替物もまた、例えば、ゲル濾過、質量分析法、またはHPLCにより、分子量および分子の長さ、または、移動度に基づいて分離され、かつ、適切な方法を使用して検出され得ることを認識する。ある実施形態においては、単位複製配列および/または単位複製配列代替物は、以下の力:重力、電気、遠心力、水力、空気、または磁力、の1つ以上を利用して分離され得る。
【0099】
ある実施形態において、親和性タグは、例えば、反応組成物の要素からの単位複製配列および/または単位複製配列代替物などに結合する要素を分離するために使用される。ある実施形態においては、親和性タグは、単位複製配列および/または単位複製配列代替物を基質に結合するために使用され、これには、例えば、ジゴキシゲニンで標識された単位複製配列を抗ジゴキシゲニン抗体を含む基質に結合させることが挙げられるが、それに限定されない。ある実施形態においては、アプタマーが、単位複製配列および/または単位複製配列代替物を基質と結合するために使用される(例えば、SrisawatとEngelke、RNA、2001、7:632−641;Holemanら、Fold Des.、1998、3:423−31;Srisawatら、Nucl.Acids Res.、2001、29(2):e4を参照のこと)。ある実施形態においては、二本鎖の単位複製配列および/または単位複製配列代替物のうちの一本鎖は、例えば、ビオチンを含む親和性タグを含み、そして、この単位複製配列および/または単位複製配列代替物は、例えば、ストレプトアビジンでコーティングされた基質など、その対応する親和性タグを含む基質と結合される。従って、親和性タグで標識された二本鎖または部分的に二本鎖の単位複製配列またはその代替物が基質と組み合わされる場合に、この単位複製配列またはその代替物は、上記親和性タグを介して上記基質に結合する。ある実施形態においては、この基質と結合した二本鎖の単位複製配列および/または単位複製配列代替物は変性され、そして、上記結合した親和性タグを含まない単位複製配列鎖は、その基質から放出される。ある実施形態においては、放出された鎖またはその代替物は、引き続いて、検出される。
【0100】
ある実施形態において、ハイブリダイゼーションタグ、ハイブリダイゼーションタグ相補体、またはハイブリダイゼーションタグおよびハイブリダイゼーションタグ相補体は、単位複製配列および/または単位複製配列代替物から結合される要素を分離するために使用される。ある実施形態においては、ハイブリダイゼーションタグは、単位複製配列および/または単位複製配列代替物を基質に結合するために使用される。ある実施形態においては、多数の単位複製配列および/または単位複製配列代替物は、同じハイブリダイゼーションタグを含む。例えば、同じハイブリダイゼーションタグ相補体を使用した、多数の異なる要素:ハイブリダイゼーションタグ種を分離する工程は、多数の異なる要素:ハイブリダイゼーションタグ種を、同じハイブリダイゼーションタグ相補体を含む基質につなぐこと、および全てまたは実質的に全てのハイブリダイズしていない物質を除去することによるが、これらに限定されない。
【0101】
ある実施形態において、分離は、直接的または間接的(例えば、間接的な単位複製配列のガラス基質への結合であるが、これに限定されない)に、単位複製配列および/または単位複製配列代替物を基質に結合する工程を包含し、ここで、単位複製配列および/または単位複製配列代替物は、ビオチンなどの親和性タグを含み、そして、その基質はストレプトアビジン、CaptAvidinもしくはNeutrAvidinなどの対応する親和性タグを含む(またはその逆)。当業者は、ある方法が、少なくとも2つの異なる分離(例えば、第1大量分離および第2分離)を含み、ここで、例えば、親和性タグを含む単位複製配列および/または単位複製配列代替物は、対応する親和性タグを含む基質に結合されることを理解する。例えば、キャピラリー電気泳動法によりDNP親和性タグを含む単位複製配列を分離し、次いで、このDNP単位複製配列を間接的に抗DNP抗体を含む基質上の特定アドレスにつなぐこと;RP−HPLCによりハイブリダイゼーションタグを含む単位複製配列および/または単位複製配列代替物を分離し、次いで、この単位複製配列および/または単位複製配列代替物を、その対応するハイブリダイゼーションタグ相補体を含むガラス、雲母、またはシリコン基質にハイブリダイズすること;またはビオチン化された二本鎖単位複製配列および/または単位複製配列代替物をストレプトアビジンでコーティングされた基質に結合して、それを非結合成分から分離し、その二本鎖の単位複製配列および/または単位複製配列代替物を変性して、ビオチン化されない鎖の単位複製配列および/または単位複製配列代替物を解放し、次いで、その解放された一本鎖を、移動度依存分析技術(キャピラリー電気泳動法、または質量分析法が挙げられるが、これらに限定されない)に供すること、が挙げられるが、それらに限定されない。
【0102】
ある実施形態において、基質は、誘導体化またはコーティングされ、親和性タグ、単位複製配列および/または単位複製配列代替物、ハイブリダイゼーションタグ相補体、またはそれらの組み合わせの結合を強化する。代表的な基質処理およびコーティングとしては、ポリリジンコーティング;アルデヒド処理;アミン処理;エポキシド処理;硫黄ベースの処理(例えば、イソチオシアナート、メルカプト、チオール);アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、またはそれらの誘導体でのコーティング;などが挙げられる。捕捉部分を強化するための技術および手順についての説明は、とりわけ、Microarray Analysis;G.MacbeathとS.Schreiber、2000、Science、289:1760−63;A.Talapatra、R.RouseとG.Hardiman、Proteogenomics、2002、3:1−10;G.Hardiman編、Microarray Methods and Applications−Nuts and Bolts、2003、DNA Press;B.HousemanとM.Mrksich、Trends in Biochemistry、2002、20:279−81;S.Carmichaelら、a Simple Test Method for Covalent Binding Microarray Surfaces、NoAb BioDiscoveries Mivroarray Technical Note#010516SC;P.Galvin、DNAマイクロ配列を利用した異なる遺伝子発現分析への入門書、2003−4−02、The European Working Group on CTFR Expression;およびZhuら、Curr.Opin.Chem.Biol.、2003、7:55−63に見出し得る。前処置された基質および誘導体化試薬ならびにキットは、CEL Associates、Pearland Texas;Molecular Probes、Eugene Oregon;Quantifoil MicroTools GmbH、Jena Germany;Xenopore Corp.、Hawthorne、New Jersey;NoAb Biodiscoveries、Mississauga、Ontario、Canada;TeleChem International Sunnyvale、California;CLONTECH Laboratories、Inc.、Palo Alto、California;およびAccelr8 Technology Corp.、Denver、Coloradoを含む、幾つかの製造元から市販される。ある実施形態において、上記基質に結合された捕捉部分は、ヌクレオチド(例えば、ハイブリダイゼーションタグ相補体、核酸アプタマーおよび、さらにPNA、pcPNA、LNA、2’O−アルキルヌクレオチドなどを含むキメラオリゴマー)を含む。
【0103】
ある実施形態において、検出する工程は、機器を使用して(すなわち、コンピュータアルゴリズムを含み得るが、必ずしも含む必要がない自動化または半自動化された手段を使用して)、単位複製配列および/または単位複製配列代替物を分離および/または検出する工程を包含する。ある実施形態において、その検出する工程は、分離する工程と組み合わされるか、または分離する工程の継続であり、この分離する工程には、例えば、蛍光スキャナーおよびグラフ作製、記録、または読み取り機器を備えるキャピラリー電気泳動機器;質量分析計と組み合わせたキャピラリー電気泳動機器;吸収度モニターもしくは蛍光スキャナーおよびグラフレコーダー、または質量分析計と組み合わせたクロマトグラフィーカラム;またはスキャナーもしくはCCDカメラなどのデータ記録機器を有するマイクロアレイが挙げられるが、それらに限定されない。ある実施形態において、その検出する工程は、増幅する工程および定量および/または識別する工程(例えば、Q−PCRのようなリアルタイム分析が挙げられるが、それに限定されない)と組み合わされる。検出する工程を実行する代表的な手段としては、キャピラリー電気泳動法装置、例えば、ABI PRISM(登録商標)3100 Genetic Analyzer、ABI PRISM(登録商標)3100−Avant Genetic Analyzer、ABI PRISM(登録商標)3700 DNA Analyzer、ABI PRISM(登録商標)3730 DNA Analyzer、ABI PRISM(登録商標)3730X/DNA Analyzer(すべてApplied Biosystemsから市販される);ABI PRISM(登録商標)7700 Sequence Detection System;質量分析計;およびApplied Biosystemsの1700 Chemiluminescent Microarray Analyzerならびに、Affymetrix、Agilent、Illuminaおよび、とりわけ、Amersham Biosciences(例えば、Gerryら、J.Mol.Biol.、1999、292:251−62;De Bellisら、Minerva Biotec、2002、14:247−52;Stearsら、Nat.Med.、2003、補遺を含む9:140−45)から入手可能な他の市販のアレイシステムを備えるApplied BiosystemsのArray Systemなどのマイクロアレイおよび関連ソフトウェアが挙げられる。レポーター基検出、データ収集および分析のための代表的なソフトウェアは、GeneMapperTMSoftware、GeneScan(登録商標)Analysis SoftwareおよびGenotyper(登録商標)Software(すべてApplied Biosystems製)を含む。
【0104】
ある実施形態において、分離する工程または検出する工程は、制限されずに、蛍光活性化されたソーティング(例えば、Vignali、J.Immunol.、Methods、2000、243:243−55)を含むフローサイトメトリー法を含む。ある実施形態においては、検出する工程は、以下:キャピラリー電気泳動機器などの移動度分析技術を使用した単位複製配列および/または単位複製配列代替物を分離する工程;例えば、蛍光スキャナーを使用して溶出液を観察し、単位複製配列および/または単位複製配列代替物が溶出するときにそれらを検出する工程;および、代表的には、GeneScan(登録商標)Analysis Softwareを使用したABI PRISM(登録商標)Genetic Analyzer(両方ともApplied Biosystemsから市販される)などの検出ソフトウェアおよび分析ソフトウェアを使用して、単位複製配列および/または単位複製配列代替物の蛍光プロファイルを評価する工程、を包含する。ある実施形態においては、測定する工程は、プレートリーダーおよび適切な照射源を含む。
【0105】
ある実施形態において、上記単位複製配列および/または単位複製配列代替物は、レポーター基を含まないが、それらの対応する質量対電荷比(m/z)に基づいて検出および定量される。ある実施形態においては、多数の単位複製配列および/または単位複製配列代替物が、液体クロマトグラフィーまたはキャピラリー電気泳動法により分離され、ESIもしくはMALDIに供され、そして、質量分析法により検出される。質量分析法の説明は、とりわけ、Gary Siuzdak、生命工学における質量分析法の拡大する役割、MCC Press、2003に見出され得る。本教示での使用のための代表的な質量分析法は、API 2000TMLC/MS/MS System、API 3000TMLC/MS/MS System、API 4000TMLC/MS/MS System、API 4000TMQTRAPTMSystem、QSTAR(登録商標)System、QTRAPTMSystem、Applied Biosystems 4700 Proteomics AnalyzerおよびVoyagerTMBiospectrometryTMシリーズ機器全て(Applied Biosystems製);Premierおよび関連したソフトウェアおよび適切なフロントエンド分離システム(Waters)を含むQ−TOF機器;ならびにLTQシリーズ、LCQシリーズおよび、関連したソフトウェアおよび適切なフロントエンド分離システム(ThermoFinnegan)を備える量子機器を含む。
【0106】
ある実施形態において、単位複製配列および/または単位複製配列代替物は、基質(マイクロアレイまたはビーズが挙げられるが、これらに限定されない)にハイブリダイズまたは結合される。ある実施形態においては、基質と結合した単位複製配列および/または基質と結合した単位複製配列代替物は、レポーター基を含まないが、標識された実体の基質と結合した単位複製配列および/または基質と結合した単位複製配列代替物にへのハイブリダイゼーションに起因して検出される。この標識された実体としては、制限されずに、標識されたハイブリダイゼーションタグ相補体、レポータープローブ(例えば、分子ビーコン、ライトアッププローブ、標識されたLNAプローブ、標識されたPNAプローブ)、または基質の捕捉プローブが挙げられる。ある実施形態においては、上記標識された実体は、蛍光レポーター基およびクエンチャーを含む。
【0107】
ある実施形態において、検出する工程は、レポーター基、放出されたハイブリダイゼーションタグ相補体のレポーター基、またはハイブリダイゼーションタグ相補体の一部を含む。例えば、制限されずに、分子ビーコンを含むクエンチャーを含む単位複製配列および/または単位複製配列代替物を、標識されたレポータープローブにハイブリダイズする工程が挙げられるが、それらに限定されない。ここでの分子ビーコンは、ステムループおよびステムレスビーコン、TaqMan(登録商標)プローブ、LightSpeedTMPNAプローブ、またはマイクロアレイ捕捉プローブを含む。ある実施形態においては、単位複製配列、単位複製配列代替物、またはレポータープローブは、基質に結合され、そして、その対応するレポータープローブ、単位複製配列、または単位複製配列代替物のハイブリダイゼーションの際に、蛍光が検出される。ある実施形態においては、これらのハイブリダイゼーションの事象は、同時に、またはほとんど同時に検出および定量される。
【0108】
ある実施形態において、検出する工程は、一本鎖の単位複製配列または単位複製配列代替物を含む。この検出する工程は、例えば、検出される一本鎖分子に一体化されたレポーター基を検出する工程であるが、これに限定されない。このレポーター基は、例えば、単位複製配列、または放出されたハイブリダイゼーションタグ相補体のレポーター基(代表的な単位複製配列代替物)に組み合わされる蛍光レポーター基;検出される一本鎖単位複製配列とハイブリダイズする分子上のレポーター基(例えば、本教示のレポーター基、ハイブリダイゼーションタグ相補体、または従来のレポータープローブ(例えば、分子ビーコン、PNAビーコンおよびLNAビーコン、TaqMan(登録商標)プローブ、スコーピオンプライマー、またはライトアッププローブ)である。
【0109】
ある実施形態において、二本鎖の単位複製配列または単位複製配列代替物が検出される。代表的には、この二本鎖の単位複製配列または単位複製配列代替物は、三本鎖形成により、または、レポーター基で標識されるかもしくは分子ビーコンのような標識された要素と一緒に使用されるかのいずれかで、例えばPNAオープナ、PNAクランプおよび三重形成オリゴヌクレオチド(TFO)(これらに限定されない)を使用した二本鎖分子の局部的な間隙により、検出される(例えば、Dreweら、Mol.Cell.Probes、2000、14:269−83;Zelphatiら、BioTechniques、Kuhnら、J.Ameri.Chem.Soc.、2002、124:1097−1103;KnauertとGlazer、Hum.Mol.Genet.、2001、10:304−15;Lohseら、Bioconj.Chem.、1997、8:503−09を参照のこと)。ある実施形態においては、単位複製配列および/または単位複製配列代替物は、ホモプリン配列のストレッチを含む。
【0110】
ある実施形態において、検出する工程は、代表的には単位複製配列および/または単位複製配列代替物の存在に起因する、レポーター基の検出可能なシグナルまたはレポーター基の検出可能なシグナルにおける変化を、測定する工程または定量する工程を包含する。例えば、ハイブリダイズしないレポータープローブ(特定の分子ビーコン、LNAプローブ、PNAプローブおよびライトアッププローブが挙げられるが、これらに限定されない)は、低水準だが検出し得るシグナルを発し、ハイブリダイズされた場合には、量的に増加する(例えば、Svanikら、Analyst.Biochem.、2000、281:26−35;NikiforovとJeong、Analyst.Biochem.、1999、275:248−53;およびSimeonovとNikiforov、Nucl.Acids Res.、2002、30:e91を参照のこと)。ある実施形態においては、検出する工程は、蛍光偏光を測定する工程を包含する。当業者は、採用された分離または検出手段が、一般に無制限であることを理解する。むしろ、広く多様な分離または検出手段は、上記開示された方法およびキットの範囲内にある。
【0111】
本教示によれば、単位複製配列を生成する工程は、適切な増幅手段および/または技術(例えば、本明細書中で開示された増幅技術が挙げられるが、これらに限定されない)を使用して実施され得;ポリヌクレオチド標的を検出する工程、ポリヌクレオチド標的を識別する工程、ポリヌクレオチド標的を定量する工程、またはそれらの組み合わせは、適切な技術(制限されずに、適切な機器を含む)を利用して実施され得る。この適切な機器としては、例えば、本明細書中で開示された技術および代表的な機器が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態においては、第1生成物を生成する工程は、とりわけ、上記第1プライマーセットの開示された順方向プライマーおよび伸長酵素を使用して実施され得;さらなる第1単位複製配列を生成する工程は、とりわけ、この開示された第1プライマーセットおよび伸長酵素を利用して実施され得;第2単位複製配列を生成する工程は、とりわけ、上記第2プライマーセットおよび伸長酵素を利用して実施され得;そして第2単位複製配列またはそれらの代替物を検出する工程は、とりわけ、上記開示された検出手段(開示された分離手段を含んでもよいし、含まなくてもよい)を利用して実施され得;そしてポリヌクレオチドを識別する工程または定量する工程は、とりわけ、上記開示された基質、機器、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用して実施され得る。
【0112】
(IV.特定の例示的な方法)
ある上記開示された方法は、目的の既知のポリヌクレオチド(特に、miRNA、siRNA、stRNAおよび他のncRNAなどの低分子RNA分子が挙げられるが、それらに限定されない)の定量に関する。それらの方法において、その標的ポリヌクレオチドの配列は公知であり、そして、第1プライマーセットおよびレポータープローブは、この公知の配列に基づいて設計される。第2プライマーセットは、以下:(i)各々の第1単位複製配列およびさらなる第1単位複製配列の増幅プライマー(その後の分離および/または識別に有用である標的特異的ハイブリダイゼーションタグをコードしてもよいし、しなくてもよい)、(ii)ユニバーサルプライマー、代表的には一様な様式で、例えば、多数の第1単位複製配列および/またはさらなる第1単位複製配列の多重化された増幅、または(iii)標的と特定ハイブリダイゼーションタグをコードするユニバーサルプライマーおよび標的特異的プライマーの組み合わせ、としての役割を果たすように設計され得る。
【0113】
他の開示された方法は、未知のポリヌクレオチド(特に、miRNA、siRNA、stRNAおよび他のncRNAなどの低分子RNA分子が挙げられるが、それらに限定されない)を識別することに向けられる。目的の配列は、既知ではないが、部分的な配列情報は、既知であるか、または予測され得る。制限としてでなく例示的な目的のために、幾つかのmiRNAの予測アルゴリズムが利用可能である(例えば、genes/mit.edu/mirscanのウェブで入手し得るMiRscan;miRseeker;およびCarterら、ヌクレオチド研究、2001、29(19):3928−38を参照のこと)。この科学文献および利用可能なデータベース(例えば、sanger−ac.uk/Software/Rfam/miRNA/indexのワールドワイドウェブ上のthe miRNA Registryを参照のこと)が分析され、相同性の可能な領域を同定し、潜在的なmiRNA標的の一端または両端において、それがさらに慣習的な実験を使用して評価され得る。可能なステムループ構造についてのgDNAのバイオインフォマティクスはまた、本教示による評価のために可能性のあるmiRNA標的をも示し得る。さらに、未知の配列は、上記開示された方法および組成物を使用して経験的に識別され得る。幾つかの実施形態において、制限されずに、低分子量RNA分子を含むポリヌクレオチド標的を識別するための第1プライマーの1つの、または両方のプライマーは、6個、7個、8個、9個、または10個のランダムまたは縮重ヌクレオチド(ユニバーサル塩基が挙げられるが、これに限定されない)を含む。
【0114】
それらの方法のある実施形態が「RT−PCR−PCR類似」増幅技術を採用する一方で、他の増幅技術もまた企図される。さらに、上記開示された方法のある実施形態は、単一の組成物を含み、その組成物の中で単位複製配列が生成される。他の実施形態は、制限されずに、多重的フォーマットを含む2つ以上の反応組成物を含み、この多重的フォーマットは、第1生成物、第1単位複製配列およびさらなる第1単位複製配列が生成される第1反応組成物および第2単位複製配列が生成される多数の異なる第2反応組成物を含む。
【0115】
ある開示された方法の幾つかの側面の概観は、図1Aおよび図1Bで例示的な目的のために示されるが、決して本教示を制限することを意図しない。図1Aの最上部に示されるように、代表的なmiRNA標的は、第1プライマーセットの対応する逆方向プライマーとハイブリダイズされ、そして、伸長酵素が存在するときに、このハイブリダイズされた逆方向プライマーは伸長され、第1生成物が形成される。適切な反応条件下で、上記順方向プライマーを、この第1生成物とハイブリダイズさせ、そして、別の逆方向プライマーを、上記標的とハイブリダイズさせる。当業者は、従来の方法体系によれば、第1生成物と標的の二重構造は、上記順方向プライマーおよび逆方向プライマーが、しばしば熱循環器で結合される前に、変性されることを認識する。驚くべきことに、本発明者は、その標的がmiRNAである場合に、それらの順方向プライマーおよび逆方向プライマーの両方が、等温的に、すなわち、変性工程なしに、組み合わされ得ることを観察した。特定の理論的な基礎に制限されることなく、この現象は、上記第1プライマーセット(代表的には、10−8(nM)から10−6(μM)の範囲)の濃度に対して相対的であるmiRNAと第1標的の二重構造(代表的には、10−15(fM)から10−12(pM)の範囲)の濃度に起因し得る。これらの条件下では、上記順方向プライマーは、上記第1生成物と標的の二重構造からのmiRNA標的の5’末端と置換され得、そして、酵素活性の最適温度で、伸長酵素により伸長され得る。例えば、上記標的が低分子量RNA分子である特定の実施形態において、上記第1反応組成物は、約20℃で数十分間(例えば、10分から30分)インキュベートされ、次いで、この温度は、上記酵素活性を最適化するか、または少なくとも高めるために上げられる(代表的にはこの実施例における逆転写酵素)。このように、ある実施形態においては、変性工程は、第1単位複製配列を生成する工程に先行して含まれる一方で、他の実施形態においては、その順序は任意である。次いで、反応組成物の温度は、上記逆転写酵素(もし含有されれば)を不活性化および/または、もし適切であれば、第2伸長酵素を活性化するため(例えば、「ホットスタート」ポリメラーゼ)に上げられる。次いで、その反応組成物は、制限された回数のサイクル(代表的には、12サイクル、11サイクル、10サイクル、9サイクル、8サイクル、7サイクル、6サイクル、5サイクルまたは4サイクル)の間、変性温度とアニーリング/伸長温度との間(例えば、95℃以上で10秒から20秒、次いで、60℃で約1分間)を繰り返し、第1単位複製配列およびさらなる第1単位複製配列を生成する。
【0116】
図1に戻って、ある実施形態において、それらの第1単位複製配列およびさらなる第1単位複製配列が生成された後、第2プライマーセットおよび必要に応じて伸長酵素が加えられ(図1B最上部を参照のこと)、第2反応組成物が形成される。他の実施形態において、以下に論じられるように、第2プライマーセットは、上記第1単位複製配列および上記さらなる第1単位複製配列を変性するのに十分な温度まで加熱される。この反応組成物は、上記第2プライマーセットのプライマーを上記第1単位複製配列および上記さらなる第1単位複製配列の分離された鎖とハイブリダイズさせるために冷却され、そして、この第2プライマーセットのハイブリダイズしたプライマーが、上記伸長酵素により伸長され、第2単位複製配列を生成する。このサイクルは、図1Bの上の半分に示されるように、必要に応じて繰り返される。
【0117】
ある実施形態において、上記第2プライマーセットおよび必要に応じての伸長酵素が添加される場合に、レポータープローブが、第2反応組成物に添加される。他の実施形態においては、レポータープローブが、後の工程で添加される。当業者は、検出が、ヌクレアーゼ分析(TaqMan(登録商標)分析が挙げられるが、これに限定されない)またはプローブ伸長分析(例えば、、またはスコーピオンプライマーによるもの)においてレポータープローブを使用する工程を包含する場合に、適切なDNAポリメラーゼ(これは上記第2伸長酵素と同じであってもよいし、同じでなくてもよい)が、上記反応組成物(図1BのDNAポリメラーゼとして示される)に含まれる必要があることを認識する。この反応は、採用されたレポータープローブおよび検出分析の性質に依存して繰り返され、そして、これらのレポータープローブおよびそれらの代替物(例えば、分断されたレポーター基)が検出され、そして図1Bの最下部に示されるように、その対応する標的が識別または定量される。
【0118】
当業者は、検出が異なる作用メカニズムを有する種々のレポータープローブを含み、そして、検出がリアルタイムまたはエンドポイントのいずれにおいても実施され得ることを認識する。検出が、単位複製配列に組み込まれた(標識されたプライマーの一部としてか、または増幅の間の標識したdNTPの組み込みに起因してかのいずれかで)か、または単位複製配列に結合された(例えば、レポーター基を含むハイブリダイゼーションタグ相補体を介してか、または単位複製配列と一体化されているかもしくは結合されているリンカーアームを介して)レポーター基を含み得ることもまた、認識する。例えば、質量分析法を使用する非標識単位複製配列の検出もまた、本教示の範囲に含まれる。
【0119】
開示された方法のある実施形態において、単一の反応組成物が形成され、そして(その反応形式に依存して)2つ、3つまたは4つの増幅工程が、同じ反応組成物(代表的には同じ反応容器(例えば、図3を参照のこと))で起きる。開示された方法の特定の実施形態によれば、第1反応組成物は、ポリヌクレオチド標的、第1プライマーセットおよび伸長酵素を含み;ならびに第1生成物、第1反応組成物、さらなる第1反応組成物、またはそれらの組み合わせが、生成および検出され;そしてその標的ポリヌクレオチドが、識別および/または定量される。
【0120】
ある実施形態において、上記単一反応組成物は、さらに第2プライマーセットを含む。この第2プライマーセットの第1プライマーおよび第2プライマーは、上記第1単位複製配列および上記さらなる第1単位複製配列を増幅し、第2単位複製配列を生成するために使用される。ある実施形態においては、第2プライマーセットのプライマーは、ユニバーサルプライマーである。ある実施形態においては、この第2プライマーセットの両方のプライマーが、ユニバーサルプライマーを含む。ある実施形態においては、これらの第2プライマーの1つは、ユニバーサルプライマーであり、そして、その対応するプライマーは、代表的には標的特異的配列をコードするハイブリダイゼーションタグを含み、この標的特異的配列は、引き続き、上記第2単位複製配列をその対応するポリヌクレオチド標的に相関させるために使用される。ある実施形態においては、上記第2プライマーセットのプライマーは、親和性タグを含む。ある実施形態においては、上記第2単位複製配列は、この第2プライマーセットのさらなるプライマーで繰り返し生成される。ある実施形態においては、この第2単位複製配列またはそれらの代替物が、検出され、そして、その対応するポリヌクレオチド標的が、識別および/または定量される。
【0121】
ある実施形態においては、ポリヌクレオチド標的は、低分子量RNA分子を含み、上記伸長酵素は、逆方向酵素または逆転写酵素活性を有するDNAポリメラーゼを含み、そして、上記代生成物は、逆転写産物を含む。ある実施形態においては、逆転写酵素およびDNAポリメラーゼを含め、少なくとも2つの異なる伸長酵素が使用される。
【0122】
ある実施形態において、上記開示された方法は、少なくとも2つの反応組成物(例えば、図4を参照のこと)を形成する工程を包含する。本質的に、ポリヌクレオチド標的当たり2つのプライマーセットが、3つ、または4つの増幅工程で使用され、これらの増幅工程は、2つの異なる反応組成物で起き、そして同じ反応容器で生じ得るが、必ずしも生じるとは限らない。代表的に反応組成物において起きる増幅工程は、以下:(i)上記第1プライマーセットの逆方向プライマーを使用して第1生成物を生成する工程、(ii)テンプレートとしての第1生成物および上記第1プライマーセットの対応する順方向プライマーを使用して第1単位複製配列を生成する工程、ならびに、必要に応じて、(iii)上記対応する第1プライマーセットの順方向プライマーおよび逆方向プライマーを使用してさらなる第1単位複製配列を生成する工程、を包含する。この第1工程が完了する場合、生じる第1反応組成物は、上記第2プライマーセットの対応する第1プライマーおよび第2プライマーと組み合わされ、これらの第2プライマーセットは、ユニバーサルプライマー、ハイブリダイゼーションタグを含むプライマー、またはそれらの両方を含み得るが、必ずしも含むとは限らない。そして、(iv)第2単位複製配列が、上記第1単位複製配列、そして、適切な場合には、テンプレートとしての上記さらなる第1単位複製配列を使用して生成される。ある実施形態においては、それらの第1工程反応は、多重の第1反応組成物において実施される。ある実施形態においては、その第2工程反応は、多重で実施され、多数の並行する下位工程の第2反応組成物を含み得るが、必ずしも含むとは限らない。この第2工程反応は、リアルタイム検出を含み得るが、必ずしも含むとは限らない。
【0123】
ある実施形態において、ポリヌクレオチド標的、第1伸長酵素、第2伸長酵素ならびに第1プライマーセット(順方向プライマーおよび逆方向プライマーを含む)を含む第1反応組成物が形成される。ある実施形態においては、それらの第1伸長酵素および第2伸長酵素は、以下:(i)同じものである(例えば、Tthポリメラーゼなどの、ある条件下で逆転写酵素活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼ、または、AMV逆転写酵素などの、ある条件下でDNAポリメラーゼ活性を有する逆転写酵素などが挙げられるが、それらに限定されない)か;異なるもの(例えば、AMV逆転写酵素(逆転写酵素だけが生じる条件下で)などの、レトロウィルス逆転写酵素を含む第1伸長酵素およびThermus aquaticus(Taq)ポリメラーゼなどの、第2伸長酵素などが挙げられるが、それらに限定されない)である。適切な条件下では、第1反応生成物および第1単位複製配列は、第1反応組成物において生成される。ある実施形態においては、さらなる第1単位複製配列もまた、上記第1プライマーセット使用した第1反応組成物において生成される。
【0124】
(i)上記第1単位複製配列、上記さらなる第1単位複製配列、または上記第1反応組成物の第1単位複製配列およびさらなる第1単位複製配列、(ii)第2プライマーセット、ならびに、必要に応じて、(iii)第3伸長酵素を含む第2反応組成物が形成される。ある実施形態においては、上記第1単位複製配列、またはこの第1単位複製配列およびさらなる第1単位複製配列は、上記第2反応組成物の形成中、またはそれに先行して希釈される。ある適当な反応条件下では、上記第1単位複製配列、上記さらなる第1単位複製配列、またはそれら両方は、上記第2プライマーセットのプライマーおよび上記第3伸長酵素を使用して増幅され、そして、第2単位複製配列が生成される。ある実施形態においては、第2反応組成物は、さらにレポータープローブ、挿入剤、またはそれらの両方を含む。ある実施形態においては、第2単位複製配列は、ハイブリダイゼーションタグ、移動度変更因子、親和性タグ、レポーター基、またはそれらの組み合わせを含む。この第1単位複製配列、またはその代替物が、検出され、そしてその対応する標的ヌクレオチドが、識別および/または定量される。
【0125】
ある実施形態において、多数の異なる第2反応組成物が形成される。ある実施形態においては、希釈されたか、または希釈されずに反応させた第1反応組成物が、マルチウェル反応容器(TaqMan(登録商標)Low Density Array(Applied Biosystems、Foster City、California)などのマルチチャンバーマイクロ流体装置、またはマルチウェルプレートが挙げられるが、これらに限定されない)の1つ以上の異なるウェルに置かれる。ある実施形態においては、異なる反応ウェル(少なくとも2つの異なる反応チャンバーが挙げられるが、これに限定されない)の少なくとも2つは、以下:(i)伸長酵素、(ii)第2プライマーセット、および(iii)レポータープローブ(1つのウェル、またはチャンバーにおけるレポータープローブは、別のウェル、またはチャンバーにおけるレポータープローブと異なる)を含む。ある実施形態においては、評価される異なるポリヌクレオチド標的の総数のサブセットだけが、単一の反応ウェル、または反応チャンバーで、検出、識別および/または定量される。
【0126】
ある実施形態において、ポリヌクレオチド標的は、低分子量RNA分子を含み、伸長酵素は、逆転写酵素または逆転写酵素活性を有するDNAポリメラーゼを含み、そして上記第1反応生成物は、逆転写産物を含む。
【0127】
開示された方法の特定の実施形態は、少なくとも3つの反応組成物を含む。第1生成物は、第1プライマーセットの逆方向プライマー、ポリヌクレオチド標的および第1伸長酵素を含む第1反応組成物において生成される。第1単位複製配列およびさらなる第1単位複製配列が、第2反応組成物で生成される。この第2反応組成物は、上記反応させた第1反応組成物またはその反応させた第1反応組成物の少なくとも一部、上記対応する第1プライマーセットの順方向プライマーおよび、必要に応じて、第2伸長酵素を含む。代表的には、その第2反応組成物は、例えば、12サイクル、10サイクル、9サイクル、8サイクル、7サイクル、6サイクル、5サイクル、4サイクルまたは3サイクルなど、限られた回数熱サイクルを繰り返される。第2単位複製配列は、第3反応組成物において生成され、この第3反応組成物は、上記反応させた第2反応組成物またはその反応させた第2反応組成物の少なくとも一部、上記対応する第2プライマーセットおよび、必要に応じて、第3伸長酵素を含む。その第2単位複製配列、またはそれらの代替物が、検出され、そして、その対応するポリヌクレオチド標的が、識別および/または定量される。
【0128】
上記反応させた第1反応組成物、上記反応させた第2反応組成物、またはこの反応させた第1反応組成物およびこの反応させた第2反応組成物は、各々、第2反応組成物または第3反応組成物の形成中、またはそれに先行して、希釈され得るが、必ずしも希釈される必要はない。上記第1伸長酵素、上記第2伸長酵素および上記第3伸長酵素は、同じであり得る一方、その第1伸長酵素は異なる。ある実施形態においては、多重的な反応が、上記第1反応組成物、上記第2反応組成物、上記第3反応組成物、またはそれらの組み合わせにおいて起こる。
【0129】
開示された方法の特定の実施形態において、多数の異なる標的ポリヌクレオチドが、識別または定量され、そして、上記第3反応組成物は、多数の異なる第3反応組成物を含み、ここで、多数の異なる標的ポリヌクレオチドのサブセットが、異なる第3反応組成物において分析される。ある実施形態においては、希釈され、または希釈されずに反応させた第2反応組成物が、マルチウェル反応容器(TaqMan(登録商標)Low Density Array(Applied Biosystems)などのマルチチャンバーマイクロ流体装置、またはマルチウェルプレートが挙げられるが、これらに限定されない)の1つ以上の異なるウェルに置かれる。ある実施形態においては、異なる反応ウェル(少なくとも2つの異なる反応チャンバーが挙げられるが、これらに限定されない)の少なくとも2つは、以下:(i)伸長酵素、(ii)第2プライマーセット、および(iii)レポータープローブ(1つのウェル、またはチャンバーにおけるレポータープローブは、別のウェル、またはチャンバーにおけるレポータープローブと異なる)を含む。ある実施形態においては、評価される異なるポリヌクレオチド標的の総数のサブセットだけが、単一の反応ウェル、または反応チャンバーで、検出、識別および/または定量される。
【0130】
(V.特定のキット)
本教示は、本方法を促進するために設計されたキットもまた提供する。キットは、ある方法を実行するために必要とされる2つ以上の成分を集めることにより、上記開示された方法の実施を促進するのに役立つ。キットは、事前に測定された単位量の成分を含み、最終使用者による測定の必要性を最小限にし得、そして、1つ以上の上記開示された方法のための指示書もまた含み得る。代表的には、キット成分は、互いに組み合わせて作動するように最適化される。
【0131】
上記開示されたキットは、標的ポリヌクレオチド(低分子量RNA分子およびデオキシリボヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを含む)を識別、検出および/または定量するために使用され得る。ある実施形態においては、6個、7個、8個、9個または10個のヌクレオチドを含む標的結合部位を含む、順方向プライマー、または6個、7個、8個、9個または10個のヌクレオチドを含む標的結合部位を含む、逆方向プライマー、を含むキットが開示される。ある実施形態においては、このキットは、順方向プライマーおよび対応する逆方向プライマーを含む第1プライマーセットを含む。ある実施形態においては、上記開示されたキットは、さらに、制限されずに、ユニバーサル順方向プライマー、ユニバーサル逆方向プライマーもしくはそれらの両方を含む第2プライマーセット;レポーター基;制限されずに、マルチウェルプレートもしくはマルチチャンバーマイクロ流体装置を含む反応容器;基質;緩衝液もしくは緩衝液の塩;またはそれらの組み合わせを含む。ある実施形態においては、上記開示されたキットは、さらに、第1伸長酵素、第2伸長酵素および/または第3伸長酵素を含む。
【実施例】
【0132】
(IV.例示的な実施形態)
上で説明された、本教示は、実施例を参照して、より良く理解され得る。以下の実施例は、例示的な目的のみを意図しており、決して開示される教示の範囲を限定するものと解されるべきではない。
【0133】
(実施例1)
種々のレポータープローブ構築物を使用する低分子量RNA分子の検出および定量。
【0134】
gaagagauacgcccugguuccu(配列番号1)は、従来の手法を使用して合成した。対応する第1のプライマーセットも合成した。ここで、該対応するプライマーセットは、(i)[ACCGACTCCAGCTCCCGAAC]GAAGAGAT(配列番号2)の配列を有する順方向プライマーであって、合成低分子量RNA分子標的(下線で示される)の5’末端と同じ8個のヌクレオチドの標的結合部位、ならびにその上流にある、第1ユニバーサルプライマーのためのプライマー結合部位(角括弧で示される)を含む、順方向プライマー、ならびに(ii)[GTGTCGTGGAGTCGGCAA]AGGAACCA(配列番号3)の配列を有する逆方向プライマーであって、これは、合成低分子量RNA分子標的(下線で示される)の3’末端と相補的である8個のヌクレオチドの標的結合部位、およびその上流にある、第2ユニバーサルプライマーのための第2プライマー結合部位(角括弧で示される)を含む。表1に示される、4つの異なるレポータープローブも調製した。ここで、該レポータープローブは、(i)デオキシリボヌクレオチド、蛍光レポーター基の6カルボキシフルオレスセイン(FAM)および副溝結合剤(MGB)を含む、プローブ(表1における「DNA」);(ii)2つのデオキシリボヌクレオチド(下線で示される)、10個のロックされた核酸(LNA)(丸括弧で示される)、蛍光レポーター基の6カルボキシフルオレスセイン(FAM)および副溝結合剤(MGB)を含む、キメラプローブ(表1における「2DNA−LNA」);(iii)2個のデオキシリボヌクレオチド(下線で示される)、18個の2’−O−メチルヌクレオチド(丸括弧で示される)、FAMおよび副溝結合剤(MGB)を含む、キメラプローブ(表1における「2DNA−OMC」);ならびに(iv)13つのペプチド核酸(PNA)、FAM、消光レポーター基の4−(4’−ジメチルアミノフェニルアゾ)安臭香酸(表1における「ダブシル」)を含む、ペプチド核酸(PNA)プローブ(表1における「PNA」)、を包含する。
【0135】
【表1】

多数の第1反応組成物を形成した。それらは、ddHO(100フェムトモル(fM)、10fM、1fM、10アタモル(attamole=aM、または1aM)で上記標的を連続10回希釈したもの1μL、1μLの上記第1プライマーセット(1μMの順方向プライマーと逆方向プライマー)、5μLの2×RT−PCR Master Mix(AmpliTaq Gold(登録商標)DNAポリメラーゼ;Applied Biosystemsを含む)、3.75μLのddHO、および40×RNaseインヒビターを含む0.25μLのMultiScribeTM逆転写酵素(Applied Biosystems)の1マイクロリットル(μL)、を含む。その最終的な量は10μLであった。上記逆転写産物、上記第1単位複製配列および上記さらなる第1単位複製配列を生成するために、上記第1反応組成物を、37℃で30分間加熱し、次いで、95℃で10分間加熱し、95℃で15秒間および60℃で1分間の加熱を交互に10回繰り返し、次いで、4℃に冷却した。逆転写産物、第1単位複製配列およびさらなる第1単位複製配列を含む、繰り返し生成した第1反応組成物の各々を、ddHOで100倍に希釈した。
【0136】
対応する多数の第2反応組成物を形成した。該第2反応組成物は各々、適切に希釈、反応させた1μLの第1反応組成物、GTGTCGTGGAGTCGGCAA(配列番号5)およびACCGACTCCAGCTCCCGAAC(配列番号6)のユニバーサルプライマー(10μMの上記第1ユニバーサルプライマーおよび上記第2ユニバーサルプライマー)を含む2.5μLの第2プライマーセット、1μLの適切なレポータープローブ(5μMの上記DNA、2DNA−LNAもしくは2DNA−OMCいずれか;すべては表1に示される)、12.5μLの2×TaqMan(登録商標)Universal Master Mix No EmpArase(登録商標)UNG(品番4324018、Applied Biosystems)ならびに9μLのddHOを含む。その最終的な量は25μLであった。第2単位複製配列を生成するために、これらの第2反応組成物を、ABI 7700 Sequence Detection System(Applied Biosystems)へ移した。ここで、該第2反応組成物は、95℃で10分間加熱し、95℃で15秒間および60℃で1分間の加熱を交互に40回繰り返し、次いで、4℃に冷却した。各反応のサイクル限界値(C)は、表2で示されるように、標的濃度を使用して決めた。
【0137】
【表2】

(実施例2)
切断可能なデオキシリボ核酸(DNA)レポータープローブとペプチド核酸(PNA)ビーコンレポータープローブとの比較
上記PNAビーコンレポータープローブ(表1で示される)を評価するために、類似の反応手順を実施した。ただし、上記第2反応組成物を、ABI PRISM 7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)へ移され、95℃で15秒間、50℃で1分間および60℃で1分間を交互に40回繰り返し、そして、表3で示されるようにC値を得た。
【0138】
【表3】

(実施例3)
第1反応組成物における「バックグラウンドRNA」の効果
標的の検出および定量についての総RNA濃度の効果を評価するために、代表的な分析は、「バックグラウンドRNA」(各々三連で、12の異なる反応組成物)の存在下および存在しない場合の各々で、100fM、10fM、1fM、100aMまたは1aMの上記標的を含む、並行した三連のセットの第1反応組成物で実施した。標的の定量10aMは、本質的に実施例1に記載されるように実施した。ただし、6つの三連のセットの第1反応組成物に、100ngのUniversal Human Reference総RNA(表4の「100ngUHR」;ddHOで希釈したUHR 総RNA、1mg/mL、Applied Biosystems品番4345048)を加え、かつ他の6つの三連のセットの上記第1反応組成物に、UHRを含まない緩衝剤を加えた(表4の「0ngUHR」)。上記第2反応組成物は、実施例1のDNAレポータープローブを含んだが、他のいずれのレポータープローブも含まなかった。上記反応組成物を、繰り返し生成し、ABI PRISM(登録商標)7700 Sequence Detection Systemを使用してC値を決めた。12個の三連のセットの全てに対する平均C値および各標準偏差は、表4に示す。
【0139】
【表4】

(実施例4)
標的結合部位のサイズ評価
上記順方向プライマーおよび上記逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位のサイズの検出効率についての効果を評価するために、6個、7個、8個、9個または10個のヌクレオチドを含む標的結合部位を含む一連のプライマーを合成した。5つの異なる第1プライマーセットの順方向プライマーおよび逆方向プライマーを、表5に示す。ここで、標的結合部位は下線で示し、かつプライマー結合部位は角括弧で示す。
【0140】
【表5】

一連の第1反応組成物を、実施例1で記載されるように調製した。ここで、上記10マーの第1プライマーセットと、各100fM、10fM、1fM、100aM、10aMおよび1aMの合成RNA標的とを組み合わせ;上記9マーの第1プライマーセットと、各100fM、10fM、1fM、100aM、10aM、および1aMの合成RNA標的とを組み合わせた、等。上記第2反応組成物におけるレポータープローブは、上記DNAプローブ(配列番号4)であった。上記方法は、他の点では、実施例1で記載されるように実施し、かつC値は、表6に示されるように、各第1プライマーセット−標的濃度の組み合わせについて決定した。
【0141】
【表6】

(実施例5)
第1プライマーセット濃度の評価
上記第1プライマーセットの種々の濃度の低分子RNA分子の検出および定量についての効果を評価するために、一連の第1反応組成物を調製した。ここで、該第1プライマーセットは、連続して2倍に希釈した上記8マーの第1プライマーセット(0−100nM)、上記DNAレポータープローブ、および100fMまたは10fMいずれかの上記合成RNA標的を含む。上記方法の残余を実施し、かつ上記C値(表7に示される)を、実施例1で記載されるように得た。
【0142】
【表7】

(実施例6)
マイクロRNA(miRNA)標的の代表的な多重定量
代表的な多重定量分析において、多数の異なる標的ヌクレオチドを定量するために、表8に示される33の合成マイクロRNA(miRNA)標的および対応する第1プローブセットは、合成するか、または制限されずに、Applied Biosystemsを含む、市場業者から入手し得る。上記順方向プライマー(「UF−FP」)は各々、上記標的結合部位(下線で示される)の5’に位置する、同じユニバーサルプライマー結合部位(角括弧で示される)を含む。上記逆方向プライマー(「zip−RP」)は各々、上記標的結合部位(下線で示される)の5’に位置する、異なるプライマー結合部位(丸括弧で示される)を含む。
【0143】
【表8】


一連の対応するTaqMan(登録商標)プローブおよびペプチド核酸(PNA)レポータープローブ(表9に示される)は、合成するか、または制限されずに、Applied Biosystemsを含む市場業者から入手し得る。
【0144】
【表9】


上記ユニバーサル順方向プライマーACCGACTCCAGCTCCCGAAC(配列番号179)および独特のハイブリダイゼーションタグを含む、対応する逆方向プライマーを含む、上記第2プライマーセット(表10に示される)も、合成するか、または市場から入手し得る。
【0145】
【表10】


TaqMan Low Density Array(Applied Biosystems)は、同じフィルポートチャンネルに沿った個別のチャンバーに、各マイクロRNA(miRNA)標的に対して、第2プライマーセットおよび対応するレポータープローブの逆方向プライマーを、事前にスポットすることにより調製される。代表的には、1μLの逆方向プライマーおよび対応するレポータープローブを含む溶液を、Low Density Arrayカードの適切なチェンバーにスポットして、乾燥させ、次いで、該カードを密閉する。
【0146】
2相の多重化は、以下の通り実施した。以下:1μLの総RNAサンプル(代表的には、0.1−100ng)、1μLの上記33の第1プライマーセットの混合物(0.5μM)、5μLの2×RT−PCR Master Mix(Applied Biosystems)、2.75μLのddHOおよびRNAインヒビターを含む0.25μLの40×MultiScribeTM逆転写酵素を含む第1反応組成物を形成する。この第1反応組成物を、20℃で20分間、37℃で30分間、95℃で10分間インキュベートし、95℃で15秒間60℃で1分間を交互に10回繰り返し、次いで、4℃に冷却する。該10μLのこの反応させた第1反応組成物と、8μLのユニバーサル順方向プライマー(10μM)、40μLの2×TaqMan(登録商標)Universal Master Mix(Applied Biosystems)および23μLのddHOとを組み合わせる。該混合物の80μMを、上記事前にスポットしたTaqMan(登録商標)Low Density Arrayの適切な装填ポートに入れ、次いで、ABI PRISM(登録商標)7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)に移す。上記分析の残余は、上記7900HT利用者用指導書に従って実施する。各チェンバーからの蛍光は、上記分析サイクルを検出し、臨界値は、一体化されたソフトウェアによって決定し、かつC値を生成する。上記対応するC値に基づき、各合成マイクロRNA(miRNA)標的の初濃度は、標準曲線を使用して定量し得る。
【0147】
(実施例7)
例示的方法
1μL(10ng/μL)のMouse Lung 総RNA(Stratagene)を含む第1反応組成物、8個のヌクレオチド(下線で示される)および上流のプライマー結合部位を含む標的結合部位を含むGTGTCGTGGAGTCGGCAAAACTATAC(配列番号213)を有する1μLのlet−7a1を特有する逆方向プライマー(1μM)、5μLの2×RT−PCR Master Mix No AmpErase(登録商標)UNG(Applied Biosystems)、2.75μLのddHOならびに40×RNaseインヒビターを含む0.25μLのMultiScribeTM逆転写酵素(Applied Biosystems)を形成した。この第1反応組成物は、20℃で20分間、37℃で30分間、かつ85℃で5分間加熱し、次いで、4℃に冷却した。
【0148】
第2反応組成物は、1μLの上記対応するlet−7a1順方向プライマー(1μM;表8の配列番号16)を、上記反応させた第1反応組成物に加えることによって形成した。上記第2反応組成物を、10分間で95℃まで加熱し、95℃で15秒間および60℃で1分間を10回交互に繰り返し、次いで、反応させた第2反応組成物を4℃に冷却した。
【0149】
以下:2μLの上記反応させた第2反応組成物、第2プライマーセット(ACCGACTCCAGCTCCCGAAC(配列番号214)の配列を有する対応する1μLの第1プライマー(10μM)およびGTGTCGTGGAGTCGGCAA(配列番号215)の配列を有する1μLの第2プライマー(10μM))、1μLのレポータープローブ(5μM;表9の配列番号114)および5μLの2×TaqMan(登録商標)Universal Master Mix(Applied Biosystems)、を含む第3反応組成物を形成した。この第3反応組成物は、384ウェルプレートのウェルへ手動でピペッティングし、かつABI PRISM(登録商標) 7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)へ移した。上記第3反応組成物は、10分間で95℃まで加熱し、次いで、95℃で15秒間および60℃で1分間を40回交互に繰り返し、31.79のC値をlet−7a1に対して得た。
【0150】
(実施例8)
例示的方法
1μL(10ng/μL)のMouse Lung 総RNA(Stratagene)、上記順方向プライマー(1μM)として1μLの配列番号16、上記逆方向プライマー(1μM)として1μLの配列番号213、5μLの2×RT−PCR Master Mix No AmpErase(登録商標)UNG(Applied Biosystems)、1.75μLのddHOおよび40×RNaseインヒビターを含む0.25μLのMultiScribeTM逆転写酵素(Applied Biosystems)を含む第1反応組成物を形成した。この第1反応組成物は、20℃で20分間、37℃で30分間、85℃で5分間加熱し、次いで、該反応させた第1反応組成物を4℃に冷却した。
【0151】
以下:2μLの上記反応させた第1反応組成物、実施例7の第2プライマーセットの1μLの順方向プライマーおよび1μLの逆方向プライマー、1μLのレポータープローブ(5μM;表9の配列番号114)ならびに5μLの2×TaqMan(登録商標)Universal Master Mix(Applied Biosystems)、を含む第2反応組成物形成した。上記第2反応組成物は、384ウェルプレートのウェルへピペットにより手動で入れられ、かつABI PRISM(登録商標) 7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)へ移した。上記第2反応組成物を、10分間で95℃まで加熱し、次いで、95℃で15秒間および60℃で1分間の加熱を40回交互に繰り返し、かつ21.60のCt値をlet−7a1に対して得た。
【0152】
(実施例9)
代表的な方法
第1反応組成物を、実施例8に記載されたように、形成し、かつ以下のように反応させた:20℃で20分間、37℃で30分間、95℃で10分間加熱し、95℃で15秒間および40℃で1分間の加熱を3回交互に繰り返し、かつ、次いで、4℃に冷却した。
【0153】
第2反応組成物を形成し、これは、以下:2μLの上記反応させた第1反応組成物、実施例7の第2プライマーセット、1μLのレポータープローブ(5μM;表9の配列番号114)および5μLの2×TaqMan(登録商標) Universal Master Mix(Applied Biosystems)、を含む。上記第2反応組成物を、384ウェルプレートのウェルへピペットにより手動で入れ、かつABI PRISM(登録商標) 7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)へ移した。上記第2反応組成物を、10分間で95℃まで加熱し、次いで、95℃で15秒間および60℃で1分間の加熱を40回交互に繰り返し、かつ17.39のCt値をlet−7a1に対して得た。
【0154】
(実施例10)
代表的な方法
第1反応組成物を、実施例7で記載し、かつ反応させたように、形成した。第2反応組成物を、上記サイクル工程は、95℃で15秒間、次いで、40℃で1分間の加熱を3回繰り返したことを除いて、実施例7に記載し、かつ反応させたように、形成した。
【0155】
第3反応組成物を形成した。これは、以下:2μLの上記反応させた第2反応組成物、実施例7の第2プライマーセットの1μLの第1プライマーおよび1μLの第2プライマー、実施例7の1μLのレポータープローブ、ならびに5μLの2×TaqMan(登録商標)Universal Master Mix(Applied Biosystems)、を含む。上記第3反応組成物は、384ウェルプレートのウェルへピペットにより手動で入れ、そしてABI PRISM(登録商標)7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)へ移した。上記第3反応組成物を、10分間で95℃まで加熱し、次いで、95℃で15秒間および60℃で1分間の加熱を40回交互に繰り返し、かつ17.20のCt値をlet−7a1に対して得た。
【0156】
(実施例11)
代表的な方法
第1反応組成物を、実施例7で記載したように、反応させ、かつ形成した。第2反応組成物を、上記サイクル工程は、95℃で15秒間および40℃で1分間の加熱を3回繰り返し、かつ、次いで、95℃で15秒間および60℃で1分間の加熱を7回繰り返したことを除いて、実施例7に記載したように、反応させ、かつ形成した。
【0157】
第3反応組成物を形成した。これは、以下:2μLの反応させた第2反応組成物、実施例7の第2プライマーセット、実施例7のレポータープローブおよび5μLの2×TaqMan(登録商標)Universal Master Mix(Applied Biosystems)、を含む。上記第3反応組成物は、384ウェルプレートのウェルへピペットにより手動で入れ、かつABI PRISM(登録商標) 7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems)へ移した。上記第3反応組成物を、10分間で95℃まで加熱し、次いで、95℃で15秒間および60℃で1分間の加熱を40回交互に繰り返し、かつ11.47のCt値をlet−7a1に対して得た。
【0158】
種々の適用、方法および組成に関し、開示される教示を記載したが、種々の変更および修正が、本明細書を逸脱することなく為され得ることが認識される。上記実施例は、開示される教示をより良く例示するために提供され、本明細書の教示範囲を制限することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0159】
当業者は、以下に説明される図面が、例示的な目的だけのものであり、かつ、決して本教示範囲の制限を意図しないことを理解する。
【図1A】本教示のある実施形態の種々の局面についての図式化された概観を提供する。「F」は、蛍光レポーター基を示し、かつ、「Q」は、代表的なレポータープローブ上の蛍光レポーター基とクエンチャーの一対を形成するクエンチャーを示す。
【図1B】本教示のある実施形態の種々の局面についての図式化された概観を提供する。「F」は、蛍光レポーター基を示し、かつ、「Q」は、代表的なレポータープローブ上の蛍光レポーター基とクエンチャーの一対を形成するクエンチャーを示す。
【図2】標的結合部位(2)および、必要に応じて、その標的結合部位(2)の上流にある第2部位(3;この実施例における第1プライマー結合部位)を含む、例示的な第1プライマーセットの第1プライマー(1;配列番号215);第1標的領域(5)、第2標的領域(6)および、この実施例における、ギャップ配列の伸展(7;下線で示される)を含む、ポリヌクレオチド標的(4;配列番号216);ならびに標的結合部位(9)および、必要に応じて、標的結合部位(9)の上流にある、第2部位(10;この実施例における第2プライマー結合部位)を含む、上記例示的な第1プライマーセットの対応する逆方向プライマー(8;配列番号217)、を示す。
【図3】単一反応組成物を含む本教示のある実施形態の局面を示す。ポリヌクレオチド標的、第1プライマーセット、伸長酵素および第2プライマーセットが、組み合わされ、第1反応組成物を形成する。ある実施形態において、上記第1反応組成物は、さらに、リアルタイム機器が採用される場合を、制限されずに含む、対応するレポータープローブを包含する。上記第1反応組成物は、変性、プライマーのアニーリング、および伸長の多重的なサイクルに供され、第2反応組成物を生成する。上記第1反応組成物がレポータープローブを含まなかった場合のある実施形態においては(最上段右の矢印の下に示される)、上記第2単位複製配列は、レポータープローブおよび、必要に応じて、伸長酵素(括弧で示される)と組み合わされる。上記レポータープローブまたはその代替物が検出され、そして上記対応する標的が、識別および/または定量される。示されるその代替的な実施形態(右の分枝)において、上記レポータープローブは、第1反応組成物に含まれ、そして上記対応するポリヌクレオチドの検出、識別および/または定量が、例えば、リアルタイム分析技術(これに限定されない)を使用して反復生成の間に行われる。
【図4】二工程二反応組成物方式を採用する、ある多重的方法の種々の実施形態のある局面を示す。多数のポリヌクレオチド標的(例示的な目的のためにAからF)は、対応する第1プライマーセットおよび伸長酵素と組み合わされ、第1反応組成物を形成する。この第1反応組成物が、変性、順方向プライマーおよび/または逆方向プライマーのアニーリングおよび伸長の限られた回数のサイクルに供される場合に、第1単位複製配列およびさらなる第1単位複製配列が生成される。上記反応させた第1反応組成物は、適切な希釈剤で希釈され、そして3つのアリコートに分割され、それらのアリコートは3つの異なる第2反応組成物に分配される。上記3つの代表的な第2反応組成物の各々は、上記希釈した反応させた第1反応組成物、適切な第2プライマーセット(SPS A/B、SPS C/DおよびSPS E/Fとして示される)、各第2反応組成物当たり2つの異なるレポータープローブ(AおよびB、CおよびDまたはEおよびFのいずれか、各々、RPA、RPB、RPC、RPD、RPEおよびRPFとして示される)、ならびに伸長酵素(EE)を含む。これらの第2反応組成物は、多数のサイクルの変性、プライマーのアニーリングおよび伸長に従い、かつ対応する第2単位複製配列が、生成される(SAA、SAB、SAC、SAD、SAEおよびSAFとして示される)。この例示的実施形態において、リアルタイム分析が採用され、上記標的ヌクレオチドを検出、識別かつ/または定量する一方で、上記異なる第2反応組成物が、反復生成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的結合部位および第2の部位を含むプライマーであって、該第2の部位は該標的結合部位の上流に存在し、該標的結合部位が、10個以下のヌクレオチドを含み、該ヌクレオチドが、対応する標的と同一の配列を有する、プライマー。
【請求項2】
前記標的結合部位が、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項1に記載のプライマー。
【請求項3】
前記第2の部位が、プライマー結合部位を含む、請求項2に記載のプライマー。
【請求項4】
前記対応する標的が、ポリヌクレオチドである、請求項1に記載のプライマー。
【請求項5】
前記ポリヌクレオチド標的が、低分子量RNA分子である、請求項4に記載のプライマー。
【請求項6】
標的結合部位および第2の部位を含むプライマーであって、該第2の部位が、該標的結合部位の上流に存在し、かつ該標的結合部位が、対応する標的に対して相補的な配列を有する、10個以下のヌクレオチドを含む、プライマー。
【請求項7】
前記標的結合部位が、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項6に記載のプライマー。
【請求項8】
前記第2の部位が、プライマー結合部位を含む、請求項7に記載のプライマー。
【請求項9】
前記対応する標的が、ポリヌクレオチドである、請求項6に記載のプライマー。
【請求項10】
前記ポリヌクレオチド標的が、低分子量RNA分子である、請求項9に記載のプライマー。
【請求項11】
順方向プライマーおよび逆方向プライマーを含むプライマーセットであって、
該順方向プライマーが、プライマー結合部位および標的結合部位を含み、該プライマー結合部位が、該標的結合部位の上流に存在し、かつ該標的結合部位が、対応する標的の第1領域と同一の配列を有する10個以下のヌクレオチドを含み;
そして、該逆方向プライマーが、プライマー結合部位および標的結合部位を含み、該プライマー結合部位が、該標的結合部位の上流に存在し、かつ該標的結合部位が、該対応する標的の第2領域に対して相補的な配列を有する、10個以下のヌクレオチドを含むプライマーセット。
【請求項12】
前記順方向プライマーの標的結合部位が、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項11に記載のプライマーセット。
【請求項13】
前記逆方向プライマーの標的結合部位が、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項11に記載のプライマーセット。
【請求項14】
前記順方向プライマーの標的結合部位が、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項13に記載のプライマーセット。
【請求項15】
少なくとも4つのペプチド核酸(PNA)の上流にある、少なくとも2つのデオキシリボヌクレオチド;およびレポーター基を含む、レポータープローブ。
【請求項16】
前記レポーター基が、蛍光レポーター基およびクエンチャーを含む、請求項15に記載のレポータープローブ。
【請求項17】
副溝結合剤をさらに含む、請求項15に記載のレポータープローブ。
【請求項18】
低分子量RNA分子識別法であって、以下の工程:
第1プライマーセットの逆方向プライマーを、該低分子量RNA分子とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該逆方向プライマーは、(b)低分子量RNA分子結合部位の上流にある(a)プライマー結合部位を含み、該(b)低分子量RNA分子結合部分は、該低分子量RNA分子の第2領域に対して相補的な10個以下のヌクレオチドを含む、工程;
第1伸長酵素で、該ハイブリダイズした逆方向プライマーを伸長し、逆転写産物を生成する工程;
該第1プライマーセットの順方向プライマーを、該逆転写産物とハイブリダイズさせ、ここで、該順方向プライマーは、(b)低分子量RNA分子結合部位より上流にある(a)プライマー結合部位を含み、該(b)低分子量RNA分子結合部分は、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、10個以下のヌクレオチドを含む、工程;
第2伸長酵素で、該ハイブリダイズした順方向プライマーを伸長し、第1単位複製配列を生成する工程;
該第1単位複製配列を増幅して、さらなる第1単位複製配列を生成する工程;
該さらなる第1単位複製配列と、第2プライマーセットとを合わせる工程;
該さらなる第1単位複製配列を増幅して、第2単位複製配列を生成する工程;
該第2単位複製配列を検出する工程;および
該低分子量RNA分子を識別する工程、
を包含する、方法。
【請求項19】
前記第1伸長酵素と前記第2伸長酵素とが、同じ酵素である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1伸長酵素と前記第2伸長酵素とが、異なる酵素である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記合わせる工程がさらに第3伸長酵素を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
(a)前記第2伸長酵素と前記第3伸長酵素とが、同じ酵素であり、かつ(b)前記第1伸長酵素と該第2伸長酵素とが、異なる酵素である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2単位複製配列生成と前記検出する工程が、リアルタイム機器を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記低分子RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNA(siRNA)を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第2領域と相補的な、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2プライマーセットのプライマーが、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびハイブリダイゼーションタグを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記第2プライマーセットの第1プライマーおよび第2プライマーの両方が、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびハイブリダイゼーションタグを含み、該ユニバーサルプライミング配列が、同じかもしくは異なり、かつ該ハイブリダイゼーションタグが、同じかもしくは異なる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
第2単位複製配列が、親和性タグ、レポーター基、移動度変更因子、ハイブリダイゼーションタグまたはそれらの組み合わせを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記検出する工程が、移動度依存分析技術を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項32】
前記検出する工程がさらにレポータープローブを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
前記レポータープローブが、蛍光レポーター基、クエンチャー、副溝結合剤またはそれらの組み合わせを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記レポータープローブが、前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、(a)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ;
該低分子量RNA分子の少なくとも2つのヌクレオチドと同じヌクレオチド塩基を有するかまたは相補的であり、かつ該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、または前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、隣接する(b)少なくとも2つのヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ;
該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、隣接する(c)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ、
を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記レポータープローブ配列が、(a)前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、または(b)前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記低分子量RNA分子が、多数の異なる低分子量RNA分子を含み、前記第1プライマーセットが、多数の異なる第1プライマーセットを含み、かつ前記検出する工程が、多数の異なる第2単位複製配列の検出を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項37】
前記低分子量RNA分子が、17から29個のリボヌクレオチドを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項38】
前記低分子RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNA(siRNA)を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記低分子量RNA分子が、100個以下のリボヌクレオチドを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項40】
前記低分子量RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)前駆体を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
低分子量RNA分子識別法であって、以下の工程:
第1プライマーセットの逆方向プライマーを、該低分子量RNA分子とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該逆方向プライマーは、プライマー結合部位および低分子量RNA分子結合部位からなり、該プライマー結合部分および該低分子量RNA分子結合部分は、該低分子量RNA分子の第2領域に対して相補的な、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、工程;
第1伸長酵素で、該ハイブリダイズしたプライマーを伸長し、逆転写産物を生成する工程;
該第1プライマーセットの順方向プライマーを、該逆転写産物とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該順方向プライマーは、プライマー結合部位および低分子量RNA分子結合部位からなり、該プライマー結合部分および該低分子量RNA分子結合部分は、該低分子量RNA分子の第1領域と同じである、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、工程;
第2伸長酵素で、該ハイブリダイズされた順方向プライマーを伸長し、第1単位複製配列を生成する工程;
該第1プライマーセットを使用した該第1単位複製配列を増幅して、さらなる第1単位複製配列を生成する工程;
該さらなる第1単位複製配列と、第3伸長酵素と、第1プライマーならびに第2プライマーを含む第2プライマーセットとを合わせる工程であって、ここで、該第1プライマーが、第1ユニバーサルプライミング配列を含むか、該第2プライマーが、第2ユニバーサルプライミング配列を含むか、またはあるプライマーが、ユニバーサルプライミング配列を含み、かつ他のプライマーが独特のハイブリダイゼーションタグを含む、工程;
該さらなる第1単位複製配列を増幅して、第2単位複製配列を生成する工程;
蛍光レポーター基、クエンチャー、副溝結合剤またはそれらの組み合わせを含む、レポータープローブを使用して該第2単位複製配列を検出する工程;ならびに
該低分子量RNA分子を識別する工程、
を包含する、方法。
【請求項42】
前記第2伸長酵素と前記第3伸長酵素とが、同じ酵素であり、かつ前記第1伸長酵素と該第2伸長酵素とが、異なる酵素である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記レポータープローブが、前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的な、(a)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ;
該低分子量RNA分子の少なくとも2つのヌクレオチドと同じヌクレオチド塩基を有するかまたは相補的であり、かつ該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位または前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、隣接する(b)少なくとも2つのヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ;
該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、隣接する(c)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ、
を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記レポータープローブ配列が、(a)前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位か、もしくは(b)前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記低分子量RNA分子が、多数の異なる低分子量RNA分子を含み、前記第1プライマーセットが、多数の異なる第1プライマーセットを含み、前記レポータープローブが、多数の異なるレポータープローブを含み、かつ前記検出する工程が、多数の異なる第2単位複製配列の検出を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記低分子量RNA分子が、17から29個のリボヌクレオチドを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記低分子RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNA(siRNA)を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
低分子量RNA分子識別法であって、以下の工程:
該低分子量RNA分子と、第1プライマーセット、第2プライマーセット、第1伸長酵素および、必要に応じて、第2伸長酵素とを合わせる工程であって、ここで、該第1プライマーセットは、(a)順方向プライマーならびに(b)逆方向プライマーを含み、該(a)順方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する10個以下のヌクレオチドを含む(ii)低分子量RNA分子結合部位の上流にある(i)プライマー結合部位を含み、かつ該(b)逆方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第2領域と相補的な10個以下のヌクレオチドを含む(ii)低分子量RNA分子結合部位の上流にある(i)プライマー結合部位を含む、工程;
逆転写産物、第1単位複製配列、さらなる第1単位複製配列および第2単位複製配列を生成する工程;
該第2単位複製配列を検出する工程;ならびに
該低分子量RNA分子を識別する工程
を包含する、方法。
【請求項49】
前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第2領域に対して相補的な、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記第2プライマーセットのプライマーが、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびハイブリダイゼーションタグを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記第2プライマーセットの第1プライマーおよび第2プライマーの両方が、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびハイブリダイゼーションタグを含み、該ユニバーサルプライミング配列が、同じかもしくは異なり、かつ該ハイブリダイゼーションタグが、同じかもしくは異なる、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
第2単位複製配列が、親和性タグ、レポーター基、移動度変更因子、ハイブリダイゼーションタグまたはそれらの組み合わせを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項55】
前記検出する工程が、移動度依存分析技術を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項56】
前記合わせる工程がさらに、レポータープローブを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項57】
前記レポータープローブが、蛍光レポーター基、クエンチャー、副溝結合剤またはそれらの組み合わせを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記レポータープローブが、前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、(a)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログを含む;
前記低分子量RNA分子の少なくとも2つのヌクレオチドと同じヌクレオチド塩基を有するかまたは相補的であり、かつ該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、もしくは前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、隣接する(b)少なくとも2つのヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ;
該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、隣接する(c)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ、
を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記レポータープローブ配列が、(a)前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、または(b)前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記低分子量RNA分子が、多数の異なる低分子量RNA分子を含み、前記第1プライマーセットが、多数の異なる第1プライマーセットを含み、かつ前記検出する工程が、多数の異なる第2単位複製配列の検出を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項61】
前記低分子量RNA分子が、17から29個のリボヌクレオチドを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項62】
前記低分子RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNA(siRNA)を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記低分子量RNA分子を、第1プライマーセット、第2プライマーセット、レポータープローブ、第1伸長酵素および、必要に応じて、第2伸長酵素と合わせる工程であって、ここで、(a)第1プライマーセットは、(1)順方向プライマーならびに(2)逆方向プライマーを含み、該(1)順方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む(ii)低分子量RNA分子結合部位の上流にある(i)プライマー結合部位を含み、かつ該(2)逆方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第2領域に対して相補的な、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む(ii)低分子量RNA分子結合部位の上流にある(i)プライマー結合部位を含み;(b)前記第2プライマーセットは、第1プライマーおよび第2プライマーを含み、該第1プライマーもしくは該第2プライマー、または該第1プライマーおよび該第2プライマーは、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびにハイブリダイゼーションタグを含み;かつ(c)該レポータープローブは、蛍光レポーター基、クエンチャー、副溝結合剤またはそれらの組み合わせを含み;かつ該レポータープローブ配列は、該順方向プライマーの(a)低分子量RNA分子結合部位、または該逆方向プライマーの(b)低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、もしくは相補的でもない、工程;
逆転写産物、第1単位複製配列、さらなる第1単位複製配列および第2単位複製配列を生成する工程;
該第2単位複製配列を検出する工程;ならびに
該低分子量RNA分子を識別する工程、
を包含する、方法。
【請求項64】
前記伸長酵素が、転写酵素およびDNAポリメラーゼを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記低分子量RNA分子が、多数の異なる低分子量RNA分子を含み;前記第1プライマーセットが、多数の異なる第1プライマーセットを含み;前記レポータープローブが、多数の異なるレポータープローブを含み;かつ前記検出する工程が、多数の異なる第2単位複製配列の検出を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記低分子量RNA分子が、17から29個のリボヌクレオチドを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項67】
前記低分子RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNA(siRNA)を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記低分子量RNA分子が、100個以下のリボヌクレオチドを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項69】
前記低分子量RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)前駆体を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
低分子量RNA分子定量法であって、以下の工程:
前記第1プライマーセットの逆方向プライマーを、該低分子量RNA分子とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該逆方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第2領域に対して相補的な10個以下のヌクレオチドを含む(b)低分子量RNA分子結合部位の上流にある(a)プライマー結合部位を含む、工程;
第1伸長酵素で、該ハイブリダイズした逆方向プライマーを伸長して、逆転写産物を生成する工程;
該第1プライマーセットの順方向プライマーを、該逆転写産物とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該順方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、10個以下のヌクレオチドを含む(b)低分子量RNA分子結合部位の上流にある(a)プライマー結合部位を含む、工程;
第2伸長酵素で該ハイブリダイズした順方向プライマーを伸長して、第1単位複製配列を生成する工程;
該第1単位複製配列を増幅して、さらなる第1単位複製配列を生成する工程;
該さらなる第1単位複製配列と、第2プライマーセットとを合わせる工程;
該さらなる第1単位複製配列を増幅して、第2単位複製配列を生成する工程;
該第2単位複製配列を検出する工程;および
該低分子量RNA分子を定量する工程
を包含する、方法。
【請求項71】
前記第1伸長酵素と前記第2伸長酵素とが、同じ酵素である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記第1伸長酵素と前記第2伸長酵素とが、異なる酵素である、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記合わせる工程が、さらに第3伸長酵素を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項74】
(a)前記第2伸長酵素と前記第3伸長酵素とが、同じ酵素であり、かつ(b)前記第1伸長酵素と該第2伸長酵素とが、異なる酵素である、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記第2単位複製配列を生成する工程、前記検出する工程および前記定量する工程が、リアルタイム機器を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項76】
前記低分子RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNA(siRNA)を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項77】
前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項78】
前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第2領域と相補的な、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項79】
前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記第2プライマーセットのプライマーが、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびハイブリダイゼーションタグを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項81】
前記第2プライマーセットの第1プライマーおよび第2プライマーが、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびハイブリダイゼーションタグを含み、該ユニバーサルプライミング配列が、同じかもしくは異なり、かつ該ハイブリダイゼーションタグが、同じかもしくは異なる、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
第2単位複製配列が、親和性タグ、レポーター基、移動度変更因子、ハイブリダイゼーションタグまたはそれらの組み合わせを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項83】
前記検出する工程が、移動度依存分析技術を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項84】
前記検出する工程が、さらにレポータープローブを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項85】
前記レポータープローブが、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)、ロックされた核酸(LNA)、2’−O−アルキルヌクレオチド、ホスホロアミダート、フッ化アラビノ核酸(FANA)、モルフォリノホスホロアミダート(MP)、シクロヘキセン核酸(CeNA)、トリシクロDNA(tcDNA)、またはそれらの組み合わせを含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記レポータープローブが、さらに多数のデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)、ロックされた核酸(LNA)、2’−O−アルキルヌクレオチド、ホスホロアミダート、フッ化アラビノ核酸(FANA)、モルフォリノホスホロアミダート(MP)、シクロヘキセン核酸(CeNA)、トリシクロDNA(tcDNA)を含むが、それらの組み合わせは含まない、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記レポータープローブが、蛍光レポーター基、クエンチャー、副溝結合剤またはそれらの組み合わせを含む、請求項84に記載の方法。
【請求項88】
前記レポータープローブが、前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、(a)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ;
該低分子量RNA分子の少なくとも2つのヌクレオチドと同じヌクレオチド塩基を有するかまたは相補的であり、かつ該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、もしくは前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、隣接する(b)少なくとも2つのヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ;
該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、隣接する(c)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ、
を含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記レポータープローブ配列が、(a)前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、もしくは(b)前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記低分子量RNA分子が、多数の異なる低分子量RNA分子を含み、前記第1プライマーセットが、多数の異なる第1プライマーセットを含み、かつ前記検出する工程が、多数の異なる第2単位複製配列の検出を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項91】
前記低分子量RNA分子が、17から29個のリボヌクレオチドを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項92】
前記低分子RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNA(siRNA)を含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記低分子量RNA分子が、100個以下のリボヌクレオチドを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項94】
前記低分子量RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)前駆体を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記増幅する工程、前記検出する工程および前記定量する工程が、定量PCR(Q−PCR)を含み、かつ前記合わせる工程がさらに、レポータープローブを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項96】
前記レポータープローブが、蛍光レポーター基、クエンチャー、副溝結合剤またはそれらの組み合わせを含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記レポータープローブが、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)、ロックされた核酸(LNA)、2’−O−アルキルヌクレオチド、ホスホロアミダート、フッ化アラビノ核酸(FANA)、モルフォリノホスホロアミダート(MP)、シクロヘキセン核酸(CeNA)、トリシクロDNA(tcDNA)またはそれらの組み合わせを含む、請求項95に記載の方法。
【請求項98】
前記該レポータープローブが、少なくとも4つのペプチド核酸(PNA)の上流にある、少なくとも2つのデオキシリボヌクレオチド、蛍光レポーター基、およびクエンチャーを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記レポータープローブがさらに副溝結合剤を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記レポータープローブがさらに多数のデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)、ロックされた核酸(LNA)、2’−O−アルキルヌクレオチド、ホスホロアミダート、フッ化アラビノ核酸(FANA)、モルフォリノホスホロアミダート(MP)、シクロヘキセン核酸(CeNA)、トリシクロDNA(tcDNA)を含むが、それらの組み合わせは含まない、請求項96に記載の方法。
【請求項101】
前記レポータープローブが、前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、(a)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログを含む;
該低分子量RNA分子の少なくとも2つのヌクレオチドと同じヌクレオチド塩基を有するかまたは相補的であり、かつ該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、もしくは前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、隣接する(b)少なくとも2つのヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ;
該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、隣接する(c)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ、
を含む、請求項96に記載の方法。
【請求項102】
前記レポータープローブ配列が、(a)前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、もしくは(b)前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、請求項96に記載の方法。
【請求項103】
(a)前記低分子量RNA分子が、多数の異なる低分子量RNA分子を含み、(b)前記第1プライマーセットが、多数の異なる第1プライマーセットを含み、(c)前記検出する工程が、多数の異なる第2単位複製配列の検出を含み、かつ(d)前記Q−PCRが、多数の異なる分析を含み、ここで、分析は、(i)第2プライマーセット、(ii)レポータープローブ、(iii)かつ前記さらなる第1単位複製配列のアリコートを含み、かつ多数の異なる分析の少なくとも1つは、多数の異なる低分子量RNA分子のサブセットを定量するために設計される、請求項96に記載の方法。
【請求項104】
前記低分子量RNA分子が、多数の異なる低分子量RNA分子を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項105】
多数の低分子量RNA分子を定量する方法であって、以下の工程:
多数の異なる第1プライマーセットから、多数の異なる逆方向プライマーを、多数の異なる低分子量RNA分子とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該異なる逆方向プライマーは、各々、該対応する低分子量RNA分子の第2領域に対して相補的な、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む(b)低分子量RNA分子結合部位の上流にある(a)プライマー結合部位を含む、工程;
第1伸長酵素で、該多数の異なるハイブリダイズした逆方向プライマーを伸長して、多数の逆転写産物を生成する工程;
該多数の第1プライマーセットから、該多数の異なる順方向プライマーを、該多数の逆転写産物とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該異なる順方向プライマーの少なくとも1つは、該対応する低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む(b)低分子量RNA分子結合部位の上流にある(a)プライマー結合部位を含む、工程;
第2伸長酵素で、該多数のハイブリダイズした順方向プライマーを伸長して、多数の異なる第1単位複製配列を生成する工程;
該第1プライマーセットを使用した該多数の異なる第1単位複製配列を増幅して、多数の異なるさらなる第1単位複製配列を生成する工程;
多数の異なる分析を実施する工程であって、ここで、各分析は、(a)第1プライマーおよび第2プライマーを含む第2プライマーセット、(b)レポータープローブもしくは挿入剤、またはレポータープローブおよび挿入剤、(c)該多数のさらなる第1単位複製配列のアリコートおよび(d)第3伸長酵素を含み、該第2プライマーセットは、該第1プライマー、もしくは該第2プライマー、または該第1プライマーおよび該第2プライマーは、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびハイブリダイゼーションタグを含み、該レポータープローブは、蛍光レポーター基、クエンチャー、副溝結合剤またはそれらの組み合わせを含む、工程;ならびに
該多数の異なる低分子量RNA分子を定量する工程、
を包含する、方法。
【請求項106】
(a)前記第2伸長酵素と前記第3伸長酵素とが、同じ酵素であるか、もしくは異なる酵素であり、かつ(b)前記第1伸長酵素と該第2伸長酵素とが、同じ酵素であるか、もしくは異なる酵素である、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記レポータープローブが、前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、(a)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログを含む;
前記低分子量RNA分子の少なくとも2つのヌクレオチドと同じヌクレオチド塩基を有するかまたは相補的であり、かつ該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、もしくは前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、隣接する(b)少なくとも2つのヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ;
該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、隣接する(c)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ、
を含む、請求項105に記載の方法。
【請求項108】
前記レポータープローブ配列が、(a)前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、もしくは(b)前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、請求項105に記載の方法。
【請求項109】
前記低分子量RNA分子が、17から29個のリボヌクレオチドを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項110】
前記低分子RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNA(siRNA)を含む、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記多数の異なる分析が、Q−PCRを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項112】
低分子量RNA分子の定量法であって、以下の工程:
害低分子量RNA分子を、第1プライマーセット、第2プライマーセット、第1伸長酵素および、必要に応じて、第2伸長酵素と合わせる工程であって、ここで、該第1プライマーセットは、(a)順方向プライマーおよび(b)逆方向プライマーを含み、該(a)順方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、10個以下のヌクレオチドを含む(ii)低分子量RNA分子結合部位の上流にある(i)プライマー結合部位を含み、かつ該(b)逆方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第2領域と相補的な関係ある、10個以下のヌクレオチドを含む(ii)低分子量RNA分子結合部位の上流にあ、(i)プライマー結合部位を含む、工程;
逆転写産物、第1単位複製配列、さらなる第1単位複製配列および第2単位複製配列を生成する工程;
該第2単位複製配列を検出する工程;および
該低分子量RNA分子を定量する工程、
を包含する、方法。
【請求項113】
前記伸長酵素が、転写酵素およびDNAポリメラーゼを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項115】
前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第2領域に対して相補的な、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項116】
前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記第2プライマーセットのプライマーが、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびハイブリダイゼーションタグを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項118】
前記第2プライマーセットの第1プライマーおよび第2プライマーが、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびハイブリダイゼーションタグを含み、ここで、該ユニバーサルプライミング配列は、同じかもしくは異なり、かつ該ハイブリダイゼーションタグは、同じかもしくは異なる、請求項112に記載の方法。
【請求項119】
前記検出する工程がさらに、レポータープローブを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項120】
前記レポータープローブが、蛍光レポーター基、クエンチャー、副溝結合剤またはそれらの組み合わせを含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記レポータープローブが、前記低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じか、または前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、(a)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログを含む;
低分子量RNA分子の少なくとも2つのヌクレオチドと同じか、または相補的な、かつ該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、もしくは前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、隣接する(b)少なくとも2つのヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログ;
該低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、隣接する(c)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ、
を含む、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記レポータープローブ配列が、(a)前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、もしくは(b)前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記低分子量RNA分子が、多数の異なる低分子量RNA分子を含む、請求項112に記載の方法。
【請求項124】
前記生成する工程する工程、前記検出する工程および前記定量する工程が、Q−PCRを含む、かつ前記合わせる工程がさらにレポータープローブを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項125】
前記レポータープローブが、蛍光レポーター基、クエンチャー、副溝結合剤またはそれらの組み合わせを含む、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記レポータープローブが、さらに、リボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)、ロックされた核酸(LNA)、2’−O−アルキルヌクレオチド、ホスホロアミダート、フッ化アラビノ核酸(FANA)、モルフォリノホスホロアミダート(MP)、シクロヘキセン核酸(CeNA)、トリシクロDNA(tcDNA)およびそれらの組み合わせを含む、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記レポータープローブが、蛍光レポーター基、少なくとも4つのペプチド核酸(PNA)の上流にある、少なくとも2つのデオキシリボヌクレオチド、およびクエンチャーを含む、請求項125に記載の方法。
【請求項128】
前記レポータープローブが、さらに多数のリボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)、ロックされた核酸(LNA)、2’−O−アルキルヌクレオチド、ホスホロアミダート、フッ化アラビノ核酸(FANA)、モルフォリノホスホロアミダート(MP)、シクロヘキセン核酸(CeNA)、トリシクロDNA(tcDNA)を含むが、それらの組み合わせは含まない、請求項125に記載の方法。
【請求項129】
前記レポータープローブが、前記低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、(a)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログを含む;
該低分子量RNA分子の少なくとも2つのヌクレオチドと同じか、または相補的な、かつ該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、もしくは前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、隣接する(b)少なくとも2つのヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ;
該低分子量RNA分子結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位の3’末端と相補的である、隣接する(c)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ、
を含む、請求項125に記載の方法。
【請求項130】
前記レポータープローブ配列が、(a)前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、もしくは(b)前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位のいずれかと同じでも、相補的でもない、請求項125に記載の方法。
【請求項131】
低分子量RNA分子1つが、17から29個のリボヌクレオチドを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項132】
前記低分子RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNA(siRNA)を含む、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
低分子量RNA分子定量法であって、以下の工程:
該低分子量RNA分子、第1プライマーセット、第2プライマーセット、レポータープローブ、第1伸長酵素および、必要に応じて、第2伸長酵素を合わせる工程であって、ここで、(a)該第1プライマーセットは、(1)順方向プライマーならびに(2)逆方向プライマーを含み、該(1)順方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む(ii)低分子量RNA分子結合部位の上流にある(i)プライマー結合部位を含み、かつ(2)逆方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第2領域と相補的な関係ある、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む(ii)低分子量RNA分子結合部位の上流にある(i)プライマー結合部位を含み;(b)該第2プライマーセットは、第1プライマーおよび第2プライマーを含み、ここで、該第1プライマー、もしくは該第2プライマー、または該第1プライマーならびに該第2プライマーは、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列ならびにハイブリダイゼーションタグを含む;かつ(c)該レポータープローブは、蛍光レポーター基、クエンチャー、副溝結合剤またはそれらの組み合わせを含み、かつ該レポータープローブ配列は、(a)該順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位、もしくは(b)該逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位と同じではなく、または相補的な関係にはない、工程;
逆転写産物、第1単位複製配列、さらなる第1単位複製配列および第2単位複製配列を生成する工程;
該第2単位複製配列を検出する工程;ならびに
該低分子量RNA分子を定量する工程、
包含する、方法。
【請求項134】
前記低分子量RNA分子が、多数の異なる低分子量RNA分子を含み、前記第1プライマーセットは、多数の異なる第1プライマーセットを含み、前記レポータープローブの組は、多数の異なるレポータープローブの組を含み、かつ前記検出する工程は、多数の異なる第2単位複製配列の検出を含む、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記低分子量RNA分子が、17から29個のリボヌクレオチドを含む、請求項133に記載の方法。
【請求項136】
前記低分子RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNA(siRNA)を含む、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
ポリヌクレオチド定量法であって、以下の工程:
第1プライマーセットの逆方向プライマーセットを、該ポリヌクレオチドとハイブリダイズする工程であって、ここで、該逆方向プライマーは、該ポリヌクレオチドの第2領域と相補的な10個以下のヌクレオチドを含む(b)ポリヌクレオチド結合部位の上流にある(a)プライマー結合部位を含む、工程;
該ハイブリダイズした逆方向プライマーを、第1伸長酵素で伸長して、第1単位複製配列を生成する工程;
該第1プライマーセットの順方向プライマーセットを、該最初の生成物とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該順方向プライマーは、該ポリヌクレオチドの第1領域と同一の配列を有する、10個以下のヌクレオチドを含む(b)ポリヌクレオチド結合部位の上流にある(a)プライマー結合部位を含む、工程;
該ハイブリダイズした順方向プライマーを、第2伸長酵素で伸長して、第1単位複製配列を生成する工程;
該第1単位複製配列を増幅して、さらなる第1単位複製配列を生成する工程;
該さらなる第1単位複製配列と第2プライマーセットを合わせる工程;
該さらなる第1単位複製配列を増幅して、第2単位複製配列を生成する工程;
該第2単位複製配列を検出する工程;および
該ポリヌクレオチドを定量する工程、
を包含する、方法。
【請求項138】
前記第1伸長酵素と前記第2伸長酵素とが、同じ酵素である、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記第1伸長酵素と前記第2伸長酵素とが、異なる酵素である、請求項137に記載の方法。
【請求項140】
結合がさらに第3伸長酵素を含む、請求項137に記載の方法。
【請求項141】
(a)前記第2伸長酵素と前記第3伸長酵素とが、同じ酵素であり、かつ前記第1伸長酵素と該第2伸長酵素とが、異なる酵素である、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記第2単位複製配列を生成する工程、検出および定量が、リアルタイム機器を含む、請求項137に記載の方法。
【請求項143】
マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)前駆体またはそれらの組み合わせを含む、ポリヌクレオチドの方法。
【請求項144】
前記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位が、前記ポリヌクレオチドの第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項137に記載の方法。
【請求項145】
前記逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位が、前記ポリヌクレオチドの第2領域と相補的な、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項137に記載の方法。
【請求項146】
前記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位が、前記ポリヌクレオチドの第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記第2プライマーのプライマーセットが、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびハイブリダイゼーションタグを含む、請求項137に記載の方法。
【請求項148】
前記第2プライマーセットの第1プライマーおよび第2プライマーが、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびハイブリダイゼーションタグを含む、ならびに該ユニバーサルプライミング配列が、同じかもしくは異なり、かつ該ハイブリダイゼーションタグが、同じかもしくは異なる、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
第2単位複製配列が、親和性タグ、レポーター基、移動度変更因子、ハイブリダイゼーションタグまたはそれらの組み合わせを含む、請求項137に記載の方法。
【請求項150】
前記検出する工程が、移動度依存分析技術を含む、請求項137に記載の方法。
【請求項151】
前記検出する工程がさらにレポータープローブを含む、請求項137に記載の方法。
【請求項152】
前記レポータープローブが、蛍光レポーター基、クエンチャー、副溝結合剤またはそれらの組み合わせを含む、請求項151に記載の方法。
【請求項153】
前記レポータープローブが、前記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位の3’末端と相補的である、(a)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログを含む;
該ポリヌクレオチドの少なくとも2つのヌクレオチドと同じヌクレオチド塩基を有するかまたは相補的であり、かつ該順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位、または前記逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位と同じでも、相補的でもない、隣接する(b)少なくとも2つのヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ;
該逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位の3’末端と相補的である、隣接する(c)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ、
を含む、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記レポータープローブ配列が、(a)前記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位、もしくは(b)前記逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位、と同じでも、相補的でもない、請求項152に記載の方法。
【請求項155】
前記ポリヌクレオチドが、多数の異なるポリヌクレオチドを含み、前記第1プライマーセットが、多数の異なる第1プライマーセットを含み、かつ前記検出する工程が、多数の異なる第2単位複製配列の検出を含む、請求項137に記載の方法。
【請求項156】
前記ポリヌクレオチドが、100個以下のポリヌクレオチドを含む、請求項137に記載の方法。
【請求項157】
前記ポリヌクレオチドが、マイクロRNA(miRNA)前駆体を含み、かつ前記第1生成物が逆転写産物を含む、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
前記ポリヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチドを含む、請求項156に記載の方法。
【請求項159】
前記ポリヌクレオチドが、多数の異なるポリヌクレオチドを含む、請求項137に記載の方法。
【請求項160】
前記増幅する工程、前記検出する工程および前記定量する工程が、Q−PCRを含む、請求項137に記載の方法。
【請求項161】
(a)前記ポリヌクレオチドは、多数の異なるポリヌクレオチドを含み、(b)前記第1プライマーセットは、多数の異なる第1プライマーセットを含み、(c)前記検出する工程は、多数の異なる第2単位複製配列を含み、かつ(d)前記Q−PCRは、多数の異なる分析の実施を含む、ここで、各分析は、(i)第2プライマーセット、(ii)レポータープローブ、(iii)かつ、さらなる第1単位複製配列のアリコートを含み、かつ多数の異なる分析の中で少なくとも1つは、多数の異なるポリヌクレオチドのサブセットを定量するように設計される、請求項160に記載の方法。
【請求項162】
前記レポータープローブが、蛍光レポーター基、クエンチャー、副溝結合剤またはそれらの組み合わせを含む、請求項161に記載の方法。
【請求項163】
前記レポータープローブが、前記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位と相補的な、(a)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログを含む;
前記ポリヌクレオチドの少なくとも2つのヌクレオチドと同じヌクレオチド塩基を有するかまたは相補的であり、かつ該順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位、または前記逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位と同じでも、相補的でもない、隣接する(b)少なくとも2つのヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ;
該逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位と相補的である、隣接する(c)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ、
を含む、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記レポータープローブ配列が、(a)前記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位、または(b)前記逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位、と同じではない、もしくは相補的ではない、請求項162に記載の方法。
【請求項165】
前記レポータープローブがさらに、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)、ロックされた核酸(LNA)、2’−O−アルキルヌクレオチド、ホスホロアミダート、フッ化アラビノ核酸(FANA)、モルフォリノホスホロアミダート(MP)、シクロヘキセン核酸(CeNA)、トリシクロDNA(tcDNA)およびそれらの組み合わせを含む、請求項160に記載の方法。
【請求項166】
前記レポータープローブが、蛍光レポーター基、少なくとも4つのペプチド核酸(PNA)の上流にある少なくとも2つのデオキシリボヌクレオチド、およびクエンチャーを含む、請求項165に記載の方法。
【請求項167】
前記レポータープローブがさらに副溝結合剤を含む、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
前記レポータープローブがさらに多数のデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)、ロックされた核酸(LNA)、2’−O−アルキルヌクレオチド、ホスホロアミダート、フッ化アラビノ核酸(FANA)、モルフォリノホスホロアミダート(MP)、シクロヘキセン核酸(CeNA)、トリシクロDNA(tcDNA)を含むが、それらの組み合わせを含まない、請求項160に記載の方法。
【請求項169】
低分子量RNA分子識別法であって、以下の工程:
前記ポリヌクレオチドと、第1プライマーセット、第2プライマーセット、第1伸長酵素および、必要に応じて、第2伸長酵素を合わせる工程であって、ここで、(a)該第1プライマーセットは、(1)順方向プライマーおよび(2)逆方向プライマーを含み、(1)順方向プライマーは、該ポリヌクレオチドの第1領域と同一の配列を有する、10個以下のヌクレオチドを含む(ii)ポリヌクレオチド結合部位の上流にある(i)プライマー結合部位を含み、かつ(2)逆方向プライマーは、該ポリヌクレオチドの第2領域と相補的な関係ある、10個以下のヌクレオチドを含む(ii)ポリヌクレオチド結合部位の上流にある(i)プライマー結合部位を含み;かつ(b)該第2プライマーセットが、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびハイブリダイゼーションタグを含むプライマーを含む、工程;
第1単位複製配列、さらなる第1単位複製配列、および第2単位複製配列を生成する工程;
該第2単位複製配列を検出する工程;および
該ポリヌクレオチドを識別する工程、
を包含する、手段。
【請求項170】
前記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位が、前記ポリヌクレオチドの第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項169に記載の方法。
【請求項171】
前記逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位が、前記ポリヌクレオチドの第2領域と相補的な、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項169に記載の方法。
【請求項172】
前記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位が、前記ポリヌクレオチドの第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項171に記載の方法。
【請求項173】
前記第2プライマーセットの第1プライマーおよび第2プライマー両方が、ユニバーサルプライミング配列、ハイブリダイゼーションタグ、またはユニバーサルプライミング配列およびハイブリダイゼーションタグを含む、ならびに該ユニバーサルプライミング配列が、同じかもしくは異なり、かつ該ハイブリダイゼーションタグが、同じかもしくは異なる、請求項169に記載の方法。
【請求項174】
第2単位複製配列が、親和性タグ、レポーター基、移動度変更因子、ハイブリダイゼーションタグまたはそれらの組み合わせを含む、請求項169に記載の方法。
【請求項175】
前記検出する工程が、移動度依存分析技術を含む、請求項169に記載の方法。
【請求項176】
前記検出する工程がさらに、レポータープローブを含む、請求項169に記載の方法。
【請求項177】
前記レポータープローブが、蛍光レポーター基、クエンチャー、副溝結合剤またはそれらの組み合わせを含む、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
前記レポータープローブが、前記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位の3’末端と相補的である、(a)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログを含む;
該ポリヌクレオチドの少なくとも2つのヌクレオチドと同じヌクレオチド塩基を有するかまたは相補的であり、かつ該順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位、または前記逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位と同じでも、相補的でもない、隣接する(b)少なくとも2つのヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ;
前記レポータープローブが、該逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位の3’末端と同じヌクレオチド塩基を有するか、または該逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位の3’末端と相補的である、隣接する(c)ヌクレオチドもしくはヌクレオチドアナログ、
を含む、請求項163に記載の方法。
【請求項179】
前記レポータープローブ配列が、(a)該順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位、または(b)該逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位、と同ではないか、もしくは相補的ではない、請求項163に記載の方法。
【請求項180】
前記レポータープローブがさらに、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)、ロックされた核酸(LNA)、2’−O−アルキルヌクレオチド、ホスホロアミダート、フッ化アラビノ核酸(FANA)、モルフォリノホスホロアミダート(MP)、シクロヘキセン核酸(CeNA)、トリシクロDNA(tcDNA)およびそれらの組み合わせを含む、請求項176に記載の方法。
【請求項181】
前記レポータープローブが、蛍光レポーター基、少なくとも4つのペプチド核酸(PNA)の上流にある少なくとも2つのデオキシリボヌクレオチド、およびクエンチャーを含む、請求項180に記載の方法。
【請求項182】
前記レポータープローブがさらに、多数のリボヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)、ロックされた核酸(LNA)、2’−O−アルキルヌクレオチド、ホスホロアミダート、フッ化アラビノ核酸(FANA)、モルフォリノホスホロアミダート(MP)、シクロヘキセン核酸(CeNA)、トリシクロDNA(tcDNA)を含むが、それらの組み合わせを含まない、請求項176に記載の方法。
【請求項183】
前記ポリヌクレオチドが、多数の異なるポリヌクレオチドを含む、請求項169に記載の方法。
【請求項184】
前記ポリヌクレオチドが、100個以下のポリヌクレオチドを含む、請求項169に記載の方法。
【請求項185】
前記ポリヌクレオチドが、マイクロRNA(miRNA)前駆体を含む、請求項169に記載の方法。
【請求項186】
前記ポリヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチドを含む、請求項169に記載の方法。
【請求項187】
低分子量RNA分子識別法であって、以下の工程:
第1プライマーセットの逆方向プライマーセットを、該低分子量RNA分子とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該逆方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第2領域と相補的な10個以下のヌクレオチドを含む低分子量RNA分子結合部位を含む、工程;
該ハイブリダイズした逆方向プライマーを、第1伸長酵素で伸長して、逆転写産物を生成する工程;
該第1プライマーセットの順方向プライマーセットを、該逆転写産物とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該順方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第1領域と同じ、10個以下のヌクレオチドを含む低分子量RNA分子結合部位を含む、工程;
該ハイブリダイズした順方向プライマーを、第2伸長酵素で伸長して、第1単位複製配列を生成する工程;
該第1単位複製配列を検出する工程;および
該低分子量RNA分子を識別する工程、
を包含する、方法。
【請求項188】
前記第1伸長酵素と前記第2伸長酵素とが、同じ酵素であるか、または異なる酵素である、請求項187に記載の方法。
【請求項189】
前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項187に記載の方法。
【請求項190】
前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子結合部位の第2領域と相補的な、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項187に記載の方法。
【請求項191】
前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項190に記載の方法。
【請求項192】
前記検出する工程が、レポータープローブ、挿入剤、またはレポータープローブおよび挿入剤を含む、請求項187に記載の方法。
【請求項193】
前記検出する工程が、リアルタイム検出技術を含む、請求項187に記載の方法。
【請求項194】
前記検出する工程が、エンドポイント検出技術を含む、請求項187に記載の方法。
【請求項195】
前記低分子RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、またはマイクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNA(siRNA)を含む、請求項187に記載の方法。
【請求項196】
低分子量RNA分子定量法であって、以下の工程:
第1プライマーセットの逆方向プライマーセットを、該低分子量RNA分子とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該逆方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第2領域と相補的な10個以下のヌクレオチドを含む低分子量RNA分子結合部位を含む、工程;
該ハイブリダイズした逆方向プライマーを、第1伸長酵素で伸長して、逆転写産物を生成する工程;
該第1プライマーセットの順方向プライマーセットを、該逆転写産物とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該順方向プライマーは、該低分子量RNA分子の第1領域と同じ、10個以下のヌクレオチドを含む低分子量RNA分子結合部位を含む、工程;
該ハイブリダイズした順方向プライマーを、第2伸長酵素で伸長して、第1単位複製配列を生成する工程;
該第1単位複製配列を検出する工程;および
該低分子量RNA分子を定量する工程、
を包含する、方法。
【請求項197】
前記第1伸長酵素と前記第2伸長酵素とが、同じ酵素または異なる酵素である、請求項196に記載の方法。
【請求項198】
前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項196に記載の方法。
【請求項199】
前記逆方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子結合部位の第2領域と相補的な、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項196に記載の方法。
【請求項200】
前記順方向プライマーの低分子量RNA分子結合部位が、該低分子量RNA分子の第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項199に記載の方法。
【請求項201】
前記検出する工程が、レポータープローブ、挿入剤、またはレポータープローブおよび挿入剤を含む、請求項196に記載の方法。
【請求項202】
前記検出する工程が、リアルタイム検出技術を含む、請求項201に記載の方法。
【請求項203】
前記検出する工程が、エンドポイント検出技術を含む、請求項196に記載の方法。
【請求項204】
前記低分子RNA分子が、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、または低分子干渉RNA(siRNA)およびマイクロRNA(miRNA)を含む、請求項196に記載の方法。
【請求項205】
前記第1単位複製配列を増幅して、さらなる第1単位複製配列を生成するさらなる工程を含み、ここで前記検出する工程が、該さらなる第1単位複製配列の検出を含む、請求項196に記載の方法。
【請求項206】
前記検出する工程が、レポータープローブ、挿入剤、またはレポータープローブおよび挿入剤を含む、請求項205に記載の方法。
【請求項207】
ポリヌクレオチド識別法であって、以下の工程:
第1プライマーセットの逆方向プライマーセットを、該ポリヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該逆方向プライマーは、該ポリヌクレオチドの第2領域と相補的な10個以下のヌクレオチドを含む(b)ポリヌクレオチド結合部位の上流にある(a)プライマー結合部位を含む、工程;
該ハイブリダイズした逆方向プライマーを、第1伸長酵素で伸長して、第1生成物を生成する工程;
該第1プライマーセットの順方向プライマーセットを、該第1生成物とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該順方向プライマーは、該ポリヌクレオチドの第1領域と同じ、10個以下のヌクレオチドを含む(b)ポリヌクレオチド結合部位の上流にある(a)プライマー結合部位を含む、工程;
該ハイブリダイズした順方向プライマーを、第2伸長酵素で伸長して、第1単位複製配列を生成する工程;
該第1単位複製配列を検出する工程;および
該ポリヌクレオチドを識別する工程、
を包含する、方法。
【請求項208】
前記第1伸長酵素と前記第2伸長酵素とが、同じ酵素であるか、または異なる酵素である、請求項207に記載の方法。
【請求項209】
前記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位が、前記ポリヌクレオチドの第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項207に記載の方法。
【請求項210】
前記逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位が、前記ポリヌクレオチドの第2領域と相補的な、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項207に記載の方法。
【請求項211】
前記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位が、前記ポリヌクレオチドの第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項210に記載の方法。
【請求項212】
前記検出する工程が、レポータープローブ、挿入剤、またはレポータープローブおよび挿入剤を含む、請求項207に記載の方法。
【請求項213】
前記検出する工程が、リアルタイム検出技術を含む、請求項212に記載の方法。
【請求項214】
前記検出する工程が、エンドポイント検出技術を含む、請求項207に記載の方法。
【請求項215】
前記ポリヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチドを含む、請求項207に記載の方法。
【請求項216】
前記第1単位複製配列を増幅して、さらなる第1単位複製配列を生成する工程を含み、ここで前記検出する工程がさらに、該さらなる第1単位複製配列の検出を含む、請求項207に記載の方法。
【請求項217】
前記検出する工程が、レポータープローブ、挿入剤、またはレポータープローブおよび挿入剤を含む、請求項216に記載の方法。
【請求項218】
ポリヌクレオチド定量法であって、以下の工程:
第1プライマーセットの逆方向プライマーセットを、該ポリヌクレオチドとハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該逆方向プライマーは、該ポリヌクレオチドの第2領域と相補的な10個以下のヌクレオチドを含む(b)ポリヌクレオチド結合部位の上流にある(a)プライマー結合部位を含む、工程;
該ハイブリダイズした逆方向プライマーを、第1伸長酵素で伸長して、第1生成物を生成する工程;
該第1プライマーセットの順方向プライマーセットを、該第1生成物とハイブリダイズさせる工程であって、ここで、該順方向プライマーは、該ポリヌクレオチドの第1領域と同じ、10個以下のヌクレオチドを含む(b)ポリヌクレオチド結合部位の上流にある(a)プライマー結合部位を含む、工程;
該ハイブリダイズした順方向プライマーを、第2伸長酵素で伸長して、第1単位複製配列を生成する工程;
該第1単位複製配列を検出する工程;および
該ポリヌクレオチドを定量する工程、
を包含する、方法。
【請求項219】
前記第1伸長酵素と前記第2伸長酵素とが、同じ酵素であるか、または異なる酵素である、請求項218に記載の方法。
【請求項220】
前記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位が、該ポリヌクレオチドの第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項218に記載の方法。
【請求項221】
前記逆方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位が、該ポリヌクレオチドの第2領域と相補的な、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項218に記載の方法。
【請求項222】
前記順方向プライマーのポリヌクレオチド結合部位が、前記ポリヌクレオチドの第1領域と同一の配列を有する、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項221に記載の方法。
【請求項223】
前記検出する工程が、レポータープローブ、挿入剤、またはレポータープローブおよび挿入剤を含む、請求項218に記載の方法。
【請求項224】
前記検出する工程が、リアルタイム検出技術を含む、請求項223に記載の方法。
【請求項225】
前記検出する工程が、エンドポイント検出技術を含む、請求項218に記載の方法。
【請求項226】
前記ポリヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチドを含む、請求項218に記載の方法。
【請求項227】
前記第1プライマーセットを使用して、第1単位複製配列を増幅することにより、さらなる第1単位複製配列を生成する工程を含み、かつ、ここでの検出が、該さらなる第1単位複製配列の検出を含む、請求項218に記載の方法。
【請求項228】
前記検出する工程が、レポータープローブ、挿入剤、またはレポータープローブおよび挿入剤を含む、請求項227に記載の方法。
【請求項229】
低分子量RNA分子識別法であって、以下:
第1生成物を生成する工程;
第1単位複製配列を生成する工程;
さらなる第1単位複製配列を生成する工程;
第2単位複製配列を生成する工程;
該第2単位複製配列を検出する工程;および
低分子量RNA分子を識別する工程、
を包含する、方法。
【請求項230】
前記低分子量RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)を含む、請求項229に記載の方法。
【請求項231】
前記第1生成物生成工程が、第1プライマーセットの逆方向プライマーを、該低分子量RNA分子とハイブリダイズさせる工程、および第1伸長酵素を使用して、該ハイブリダイズしたプライマーを伸長する工程を包含する、請求項229に記載の方法。
【請求項232】
前記第1単位複製配列生成工程が、対応する第1プライマーセットの順方向プライマーを、該第1生成物とハイブリダイズさせる工程、および第2伸長酵素を使用して、該ハイブリダイズしたプライマーを伸長する工程を包含する、請求項229に記載の方法。
【請求項233】
前記第2単位複製配列生成工程が、前記第2プライマーセットの第1プライマーおよび第2プライマーを、前記さらなる第1単位複製配列の別個の鎖のプライマー結合部位とハイブリダイズさせる工程、および第3伸長酵素を使用して、該ハイブリダイズしたプライマーを伸長する工程を包含する、請求項229に記載の方法。
【請求項234】
低分子量RNA分子定量法であって、以下:
第1生成物を生成する工程;
第1単位複製配列を生成する工程;
さらなる第1単位複製配列を生成する工程;
第2単位複製配列を生成する工程;
該第2単位複製配列を検出する工程;および
低分子量RNA分子を定量する工程、
を包含する、方法。
【請求項235】
前記該低分子量RNA分子が、マイクロRNA(miRNA)を含む、請求項234に記載の方法。
【請求項236】
前記第1生成物生成工程が、第1プライマーセットの逆方向プライマーを、該低分子量RNA分子とハイブリダイズさせる工程、および第1伸長酵素を使用して、該ハイブリダイズしたプライマーを伸長する工程を包含する、請求項234に記載の方法。
【請求項237】
前記第1単位複製配列生成工程が、対応する第1プライマーセットの順方向プライマーを、該第1生成物とハイブリダイズさせる工程、および第2伸長酵素を使用して、該ハイブリダイズしたプライマーを伸長する工程を包含する、請求項234に記載の方法。
【請求項238】
前記第2単位複製配列生成工程が、該第2プライマーセットの第1プライマーおよび第2プライマーを、前記さらなる第1単位複製配列の別個の鎖のプライマー結合部位とハイブリダイズさせる工程、および第3伸長酵素を使用して、該ハイブリダイズしたプライマーを伸長する工程を包含する、請求項234に記載の方法。
【請求項239】
請求項1のプライマーを含む、キット。
【請求項240】
前記プライマーの標的結合部位が、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項239に記載のキット。
【請求項241】
請求項6のプライマーを含む、キット。
【請求項242】
前記プライマーの標的結合部位が、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項241に記載のキット。
【請求項243】
請求項11のプライマーを含む、キット。
【請求項244】
請求項15のレポータープローブをさらに含む、請求項243に記載のキット。
【請求項245】
前記順方向プライマーの標的結合部位が、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項243に記載のキット。
【請求項246】
前記逆方向プライマーの標的結合部位が、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項243に記載のキット。
【請求項247】
前記順方向プライマーの標的結合部位が、6個、7個、8個、または9個のヌクレオチドを含む、請求項246に記載のキット。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−513011(P2008−513011A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532434(P2007−532434)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/032805
【国際公開番号】WO2006/033928
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(500069057)アプレラ コーポレイション (120)
【住所又は居所原語表記】850 Lincoln Centre Drive Foster City CALIFORNIA 94404 U.S.A.
【Fターム(参考)】