説明

低温度触媒工程用のエアフィルタ組立体

【課題】低温度での触媒反応で使用される吸気された空気を濾過するためのエアフィルタ組立体を提供する。
【解決手段】吸気される汚い空気52から微粒子汚染物質と化学汚染物質または双方を除去するエアフィルタ組立体10であって、濾過されたか浄化された空気は燃料電池102のような触媒装置に供給される。フィルタ組立体は、物理的および微粒子汚染物質を除去する物理フィルタ部分と、化学汚染物質を除去する化学フィルタ部分または双方の部分を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2001年9月12日に米国を除く全ての国を指定して、PCT国際特許出願として米国所在のドナルドソン カンパニー、インコーポレイティドの出願人名で、2000年9月12日に出願された米国出願番号09/660,127号の優先権主張に基づき出願された。
【0002】
本出願は、低温の触媒作用の処理工程用のエアフィルタシステムに関する。特に、本開示は、燃料電池の装置で使用されるエアフィルタに係るものである。
【背景技術】
【0003】
今日の世界の全ての大気空気は、ある程度の汚染物質を有しているが、これは仕方がないとされている。これらの汚染物質には、例えば枯葉、ちぎれた紙などの破片、綿木の花、昆虫などの大きなものと、微粒子のように空気中に分散するために充分に小さなものがある。このような微粒子は、埃、花粉、スモッグおよび煙の煤塵がある。
【0004】
化学汚染物質も大気空気中に広く存在している。これらの多くは、人工の汚染の結果であるが、他の化学薬品も自然に発生する。典型的な汚染物質としては、メタン、ブタン、プロパンなどの炭化水素と、アンモニアや窒素の酸化物や硫酸化物や、一酸化炭素や水素硫化物などの揮発性の有機的な化合物が含まれる。
【0005】
自動車などの今日の殆どの機械は、それらの動作に問題を引き起こすような汚染物質は濾過するか、または汚染物質に耐えることができるように設計されることであろう。例えば、葉や紙などの大きなサイズの汚染物質は、自動車のグリルと種々のベントによって空気の吸気流から取り除かれる。この構成は、またエンジン部に侵入するかもしれない鳥やリスおよびマウスなどの小動物を取り除くようにしている。埃などのより細かい汚染物質は、エンジンルーム内に配設されたエアフィルタにより取り除かれる。そして、典型的な自動車と内燃焼機械群(例えば、芝刈り機、除雪用ブロア装置、スノーモービル他)にとっては、装置の機能上において化学汚染物質の影響がたとえあったとしても、機関の燃焼工程において動力を発生する段階では、吸気空気中に存在する化学汚染物質に耐えることができるためにその影響は非常に少ない。
【0006】
今日の汚染された大気中で最適に作動するように最適化されていないいくつかの機械とシステムが未だに存在する。この理由は、効率的な動作または最適な動作のいずれかまたは一方の条件に必要となる浄化された吸気空気の重要性が認識されていないか、または空気中の汚染物質により機械の性能を下げる点について未だ最適に認識されていないか定義されていないことによる。
【0007】
住宅と商業の両目的のために、電力供給源として急速に広まりつつある燃料電池は、未だ完全に理解されているわけではない1つのタイプのシステムである。この燃料電池は、電解質をサンドイッチする2つの電極(陽極と陰極)から成る装置である。そのセルのサイズ、形およびデザインによって燃料電池は、携帯電話やコンピュータ、自動車、住宅の家屋または発電所さえ稼働させることができるようなエネルギーを供給することができる。燃料電池は、通常は燃料資源がセルの陽極側面に供給され、酸化剤が陰極側に供給されている状態で作動する。一般的に使用される燃料は例えば水素である。
【0008】
多くの燃料電池は、燃料電池の機能に必要な吸気空気中に多量の汚染物質があると効率的に作動するようには設計されていない。さらに、一般的に燃料電池は吸気空気中の汚染物質に対処するか、または濾過できるようには設計されていない。この理由は、燃料電池とその動作が新しい技術であることから、その動作パラメタについて定義されていないことによる。一般に、燃料電池の総合的な能力と限界は完全に理解されているわけではない。
【0009】
したがって、望まれているものは、広い範囲の汚染物質を有する環境下で機能できる燃料電池である。
【特許文献1】米国特許第5,876,487号公報
【特許文献2】米国特許第6,110,611号公報
【特許文献3】米国特許第6,117,579号公報
【特許文献4】米国特許第6,103,415号公報
【特許文献5】米国特許第6,083,637号公報
【発明の開示】
【0010】
本発明は、燃料電池のような低温度での触媒反応で使用される吸気された空気を濾過するためのエアフィルタ組立体を提供するものである。この組立体は、浄化された酸化剤を燃料電池などの触媒反応体の陰極側面に提供するために、吸気される空気の流れの特定の濾過と化学濾過のいずれかまたは双方を行う。
【0011】
このフィルタ組立体は、化学触媒反応を阻害する微粒子または化学汚染物質のいずれかまたは双方を捕らえて捕捉する。一実施例のフィルタ組立体によれば、化学汚染物質を捕捉し、一時的に保持しておき、導入される汚い空気の汚染物質が許容可能レベル以下になると、汚染物質放出する。
【0012】
このフィルタ組立体は、低温の触媒反応の工程で役に立つ。このフィルタ組立体は、プロトン変換膜(PEM)などのように燃料電池で使用される空気を濾過するために使用することができる。
【0013】
一つの実施例では、電力を発生するシステムが提供される。このシステムは、エアフィルタ組立体であって、ハウジングと、このハウジング中のフィルタエレメントとが含まれる。このハウジングは、入口と出口とを備え、入口は汚い大気をフィルタ組立体に供給し、この出口はフィルタ組立体からきれいな空気を供給する。フィルタエレメントは、汚い空気から微粒子汚染物質を取り除くために組み立てられるとともに配設される物理的または微粒子濾過部分と、汚い空気から化学汚染物質を取り除くための化学フィルタ部分を含む。このシステムはさらに空気導入口を有する燃料電池を含む。このエアフィルタ組立体は、フィルタ組立体の出口から燃料電池の吸気口まできれいな空気を供給するために組み立てられて配設される。
【0014】
別の実施例では、燃料電池とともに使用されるフィルタ組立体が提供される。このフィルタ組立体は、ハウジングとこのハウジング中のフィルタエレメントを有する。このハウジングは入口と出口とを備え、入口は汚い大気をフィルタ組立体に供給し、この出口はフィルタ組立体からきれいな空気を供給する。フィルタエレメントは、汚い空気から微粒子汚染物質を取り除くために組み立てられるとともに配設される物理的または微粒子濾過部分と、汚い空気から化学汚染物質を取り除くための化学フィルタ部分を含む。特に、化学フィルタ部分は汚い空気からアンモニアとアミンを取り除くために組み立てられて配設される。このために飽和活性炭吸着媒体からなる第1の部分と、汚い空気から酸性のガスと有機的な材料を取り除くために組み立てられて配設される第2の部分とを含み、この第2の部分は飽和活性炭吸着媒体からなり、汚い空気中の汚染物質を酸化させる第3の部分とからなり、この第3の部分は触媒の材料を含む。また、第4の部分と必要な追加部分も含ませることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1を参照して、本発明のフィルタ組立体10の一つの適用例は、空気から汚染物質を取り除き、低温の触媒反応で使用するような装置に使用される。
【0016】
図1に表現されるように、大気または周囲の空気50は入口12を通ってフィルタ組立体10に入る。このフィルタ組立体10に入る前の大気50は、様々な物理的汚染物質(例えば、微粒子)および化学汚染物質を持った汚い空気52である。フィルタエレメント15は、出口14を通してフィルタ組立体10から出されるきれいな空気54を供給するために、汚い空気52を濾過する。きれいな空気54が、設備100の吸気空気56となる。この実施例では、設備100は燃料電池102である。この設備100はこの吸気空気56を利用して作動し、排気60は設備100から出る。
【0017】
図1を参照して、本発明のフィルタ組立体10は、フィルタ組立体10の様々なフィルタエレメントに対して空気を送るための入口12を持っている。このフィルタ組立体10は、汚い空気側13と綺麗な空気側17を有した少なくとも1つのフィルタエレメントを有する。ほとんどの実施例において、フィルタエレメント15はハウジング11内で取り囲まれるか別の方法でケースに入れられる。また、フィルタ組立体10は、フィルタ組立体10で取り除かれた空気を燃料電池102か他の設備100に受け渡すための出口14を含む。
【0018】
大気50は、ハウジング11の入口12を介してフィルタ組立体10中に入り、フィルタエレメント15の汚い空気側13に進む。空気がフィルタエレメント15を通過し、きれいな空気側17に通り抜けるときに、汚染物質が除かれて濾過された空気54が供給される。この濾過された空気は、フィルタのハウジング11の出口14を介して通過して、設備100で使用される。濾過された空気54を提供するために空気中から取り除かれる汚染物質の種類と量は、空気50中に存在している汚染物質と少なくとも1つのフィルタエレメント15に依存する。
【0019】
このフィルタエレメント15の構成としては、概ね2次平面となるパネルフィルタ構造にすることができる。このパネルフィルタエレメント15'の一例は図2に示される。確認を容易にするために、図1で述べた主要な構成であって同じ機能をする構成についは、図2においてプライム附合(''''')を各番号に付与して示してある。これは図3に示した構成でも同じである。
【0020】
最初に、汚い空気52 がパネルフィルタ 15'の空気側13' に入り、フィルタ媒体25を通過し、次に、浄化された空気54として空気側17' から出る。このパネルフィルタ15'は、第1の側13'と第2の側17'の一方または双方において、フィルタ媒体25を保護するとともに、特に大きな微粒子または破片を取り除くための外側のライナー28を備えている。このフィルタ媒体25は、後述するように少なくとも一つの微粒子濾過エレメントと化学濾過エレメントを少なくとも備える。いくつかの実施例では、フィルタ媒体25は、微粒子状の汚染物質と化学的な汚染物質
の双方を除去する。
【0021】
これに代えて、図3に示すようにフィルタエレメント15は、管状または円環状のフィルタエレメント15''の構造にすることができる。一般的に、管状のフィルタエレメントは二つの端部キャップ41、42の間におけるフィルタ媒体25'の延設部分を含む。このフィルタエレメント15は内部容積部35を規定する外側面32と内側面34とを有している。第1の端部キャップ41は、内部容積部35への接近を許容するために主に「開口」しており、第2の端部キャップ42は管状のフィルタエレメント15''の底部全体を横切るように延設された主に「閉じた」端部キャップである。外側ライナー28'をフィルタエレメント15''の外周面32の上に配置することでフィルタ媒体25'を保護することができ、内側ライナーを内周面34の上に配置することができる。このフィルタ媒体25'は、後述するように少なくとも一つの微粒子濾過エレメントと化学濾過エレメントを少なくとも備えるか、フィルタ媒体25'は微粒子及び化学的汚染物質の除去ができる。
【0022】
この管状のフィルタエレメント15''によれば、空気はフィルタ媒体25'に対して相対的に内側/外側(すなわち、「逆方向の流れ」)の方向に流れるか、外側/内側(すなわち、「正方向の流れ」)の方向に流れるように案内される。図3において、汚い空気52がフィルタ媒体の外周面32から入り、内周面34を通過してから内部容積部35を通過する様子が示されている。このような実施例では、外周面32が汚い空気側13''となり内周面34が綺麗な空気側17''である。「逆方向の流れ」では、内周面34が汚い空気側となり外周面が汚い空気側になるであろう。
【0023】
パネルフィルタエレメント15'と管状のフィルタエレメント15''は、物理的(例えば、微粒子)汚染物質と、化学汚染物質のいずれか一方または双方を取り除くように設計される。特に、パネルフィルタ15'のフィルタ媒体25と管状のフィルタエレメント15''のフィルタ媒体25'は、物理的(例えば、微粒子)汚染物質と、化学汚染物質のいずれか一方または双方を取り除く能力を有する材料から選択される。各種類の汚染物質の除去のために別々のフィルタエレメント部分を使用できるが、単一のフィルタエレメントで複数種類の汚染物質の除去をすることができる。好ましくは、必ずしも限定されるものではないが、別々の微粒子フィルタ部分が微粒子などの物理的な汚染物質を取り除くために使用され、化学フィルタ部分が化学汚染物質を取り除くのに使用される。この構成は、フィルタの目詰まりなどが発生しないようにするために、化学汚染物質が化学フィルタ部分に到達する前に、大きな微粒子を取り除くことで化学フィルタエレメントの効率を最大にすることが望ましい。
【0024】
フィルタエレメントの物理フィルタ部分
本発明のフィルタ組立体10において、特にパネルフィルタエレメント15'または管状のフィルタエレメント15''のようなフィルタエレメント15は、入ってくる空気から微粒子のような物理的汚染物質を除去する部分が含まれる。複数の微粒子フィルタ部分を併設し、隣り合うフィルタ部分で次第に小さいサイズの微粒子を除去するように構成できる。またはこれに代えて、一つの微粒子フィルタ部分を使用できる。
【0025】
目の粗いフィルタ部分は、葉、種子、紙と他のゴミと破片、綿花、齧歯動物などの小動物のような大きい汚染物質を、装置の吸気管から除去するように配置されることが望ましい。このような粗いフィルタ部分は、格子、網目のようなものであり、金属、プラスチックまたは適当な材料から形成されるとともに、フィルタエレメント15を取り囲むハウジング11の入口12に組み入れられる。この粗いフィルタ部分は、一般的に少なくとも約1インチ(約2.5cm)の直径以上を有するサイズの物体を除去し、また別の実施例ではより代表的には少なくとも約0.5インチ(約1.25cm)の直径以上を有するサイズの物体、または少なくとも約0.25インチ(約0.635cm)の直径以上を有するサイズの物体を除去する。
【0026】
通常は、微粒子フィルタ部分は、繊維状マットや織物、紙などのフィルタ媒体を含み、約0.01mmのサイズの粒子を取り除く。この微粒子フィルタ部分で除去される微粒子は粉塵、 ゴミ、 花粉、 昆虫、 木製のチップ、 のこぎり粉塵、 金属削りくずのようなものがある。
【0027】
フィルタ媒体は微粒子を除く際に、その効率を改良するために種々の処理方法で処理され、例えば静電処理された媒体、または一層または多層のファインファイバーを有するセルロース媒体、または当業者間で知られているほかの媒体がある。
【0028】
HEPA(高い効率の粒子空気)フィルタなどのサブミクロンフィルタ部分をフィルタ組立体に含ませることができる。このサブミクロンフィルタは、燃焼やバクテリアやウイルスのようなものによって作り出されるエーロゾルなどの超微粒子を取り除くことを、通常は意図している。
【0029】
この微粒子フィルタ部分は、入って来る空気から雨とみぞれのような液体汚染物質を取り除くように設計することができる。空気中から液体を除去するために、空気の流れは高い表面エネルギーを有する材料を利用したフィルタ部分を通ることが望ましい。疎水性の表面を有する媒体は凝集によって液体汚染物質を取り除く。この疎水性表面を有するグラスファイバーをコーティングしたものは、液体汚染物質を取り除くための媒体の一事例である。液体汚染物質を取り除くための他の媒体の事例には発泡した金属ビーズを組み合わせた処理グラスファイバーがある。これらの媒体はフィルタ媒体の延設部分に、プリーツ(ひだ)付きの紙延設部分として組み込むことができる。他の実施例では、燃料電池装置の内部で利用可能な空間如何では液体汚染物質を取り除くために慣性力を利用した分離装置を使用すると良い。拡張されたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)膜もさらに空気中から液体汚染物質を取り除くために使用できる。この拡張されたPTFEは、微細多孔性膜であり孔サイズが小さいので液体は通さず湿気(蒸気)のみの通過を許容する。
【0030】
微粒子の除去効率を有する様々の組み合わせのフィルタ部分を使用することができることが理解される。望ましい粒子除去システムは、大気中に存在する汚染物質の種類(例えば、葉、綿花、粗い綿、雪など)に存在するとともに、必要となる清浄度レベルに依存する。
【0031】
フィルタエレメントの化学フィルタ部分
本発明のフィルタ組立体10において、特にパネルフィルタエレメント15'または管状のフィルタエレメント15''のようなフィルタエレメント15は、大気から吸着または吸収によって汚染物質を除去する部分が含まれる。ここで、「吸着」、「吸収」、「吸着剤」とした事項は、吸着または吸収するメカニズムも意味するように意図されている。
【0032】
化学フィルタ部分は、代表的には物理的吸着剤または化学的吸着剤を含み、これらには、例えば乾燥剤(例えば、水か水蒸気を吸着するかまたは吸収する材料)や揮発性の有機的な化合物、酸性のガス及び塩基性のガスの少なくとも一つを吸収する材料が通常含まれる。このような適当な吸着性の材料には、例えば活性炭、活性炭ファイバー、飽和炭素、活性アルミナ、分子ふるい材料、イオン換樹脂、イオン交換ファイバー、シリカゲル、アルミナとシリカがある。これらの材料は、過マンガン酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸カルシウムやこれらの混合物で結合又は含浸することができる。また、いくつかの実施例では、吸着性の材料を第2の材料とともに組み合わせるか飽和することができる。いくつかの設計では、吸着性の材料として活性炭素のベッド状のものを飽和炭素の上流側に設けることが望ましい。
【0033】
この吸着性の材料としては、代表的には、顆粒状、ビーズ、繊維、細かい粉、ナノ構造体、ナノチューブ、エアロゲル(aerogels)のような粒状または顆粒状材料があり、またはセラミックビーズ、単一構造体、紙媒体、金属製基部上に塗装される材料として存在する場合がある。通常は、吸着性の材料(特に微粒子または粒状にされた材料)は材料のベッドとして供給される。
【0034】
これに代えて、吸着性の材料を、大型錠剤、顆粒、ビーズ、またはプリーツまたはハニカム構造であって、さらに形状付けできるように単一形状または一体形状にすることができる。少なくとも、ある事例では吸着性の材料はフィルタ組立体の正常な寿命の期間内においてその形状を実質的に保つ。この吸着性の材料は自由に流動する微粒子材料を、固体または液体のバインダーで結合し、その後、流動しない物体の形状に加工することができる。この吸着性の材料は、例えば成型、圧縮成形または押し出し成型によって形成することができる。
【0035】
バインダーは、粉または粒状の形態で乾燥しているものや、液体中に溶けた状態のものや液体中に分散しているものが使用される。湿度で硬化するウレタンやて代表的に「ホットメルト(熱溶融)」として参照される材料がバインダーとして、吸着性の材料に直に噴霧するようにして使用することができる。他の実施例では成型過程の間に取り除くことができる溶剤か分散剤を含む一時的な液体バインダーを使用できる。このような適当なバインダーは、例えばラテックス、マイクロ結晶化セルロース、ポリビニル・アルコール、澱粉、カルボキシル・メチル・セルロース、ポリビニルピロロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ダイカルシウム燐酸塩、およびナトリウム・シリケートが含まれる。
【0036】
望ましくは、形成材料の構成は、少なくとも70重量%、代表的には98重量%の吸着性の材料を含む。他の事例では、形成材料の構成は、85から95重量%であり、好ましくは約90重量%の吸着性の材料を含む。形成材料は吸着性の材料が約2重量%以下のバインダーを含み、またバインダーの30重量%以上を含む。この成型についての型開き、添加剤、及び他の成型技術に関する記載は、米国特許番号5,876,487号に開示されている。
【0037】
化学フィルタ部分で使用される他の実施例となる適当な吸着性の材料としては、媒介体を含む吸着性の材料がある。例えば、吸着性の材料とバインダーとを保持させるためにメッシュ(網)かスクリム(幕)を使用することができる。このメッシュかスクリムとしてポリエステルと他の適当な材料を使用することができる。通常どんな媒介体も吸着性の材料の約50重量%以下に設定され、主に吸着性の材料の約20から40重量%に設定される。形状付けされた媒介体を有する吸着性の材料体のバインダーの量は、総吸着性の重さの約10から50%の範囲となり、吸着性の材料の量は、通常は総吸着性の重さの約20から60%の範囲となる。
【0038】
化学フィルタ部分は、空気中の汚染物質の除去のための強い基本的な材料を有するか、空気中の酸性物の基本的な汚染物質の除去のための基本的な材料のいずれかまたは双方を持つことができる。好ましくは、これらの強い基本的な材料と酸性物の除去の基本的な材料とは互いに離されることで互いに干渉しないようにすると良い。大気空気中に存在する酸性の化合物としては例えば、硫化酸化物、窒素酸化物、硫化水素、水素塩化物、揮発性の有機的な酸および不揮発性の有機的な酸がある。また、大気空気中の塩基性成分としては、アンモニア、 アミン、アミド、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、揮発性の有機塩基、不揮発性の有機塩基とがある。一般に、化学フィルタ部分の塩基性な材料と酸性の材料により、空気中の汚染物質を表面で捕捉することで除去するが、通常は、酸性及び塩基性の表面が汚染物質とが化学反応する結果、少なくとも表面の汚染物質が吸着される。
【0039】
いくつかの実施例では、媒介体のそれ自体が強い塩基性または酸性の材料である。このような材料としては例えば高分子微粒子、活性炭媒体、ゼオライト、 粘土、シリカゲルおよび金属酸化物などの材料が含まれる。他の実施例では、強酸性材料と強塩基性材料が粒状のビーズ、繊維体、細粉体、ナノチューブ、エアロゲル等のキャリアに表面コーティングとして付与されうる。さらに、これに代えて又は追加的に、酸性及び塩基性表面を形成する酸性及び塩基性材料がキャリアの少なくとも一部に亙って存在しうる。このことは、例えば、キャリアを酸性材料又は塩基性材料の浸漬することによってなされうる。
【0040】
アンモニアのような塩基性汚染物質を取り除くための好ましい材料としては、クエン酸を含浸透させた活性炭顆粒のベッドがある。
【0041】
酸性汚染物質を取り除くための好ましい材料としては、ラファエット・カンパニのアイオネックスリサーチ分社において、「ケミソーブ1202」としてシー*ケミ社から販売されており入手可能な飽和活性炭素果粒がある。
【0042】
フィルタエレメントにおいて塩基性材料と酸性材料の双方が化学フィルタ部分に存在することになるが、しかしながらこれらの材料は互い反応して中和しないように離すように設けると良い。
【0043】
この化学フィルタ部分は、特定の汚染物質の除去のために専用に作られた他の材料を含むことができる。一例として、一酸化炭素を空気中から除去するために強い酸性材料を含むことができる。この強酸性材料は、例えば、触媒材料として名称「ホップカライト(Hopcalite)」(多孔性のマンガン酸化物と銅の酸化物の混合物)でピッツバーグのMSA社から販売されている材料、貴金属、これらの遷移金属とこれの組み合わせ材料、「ホップカライト」と同様の材料の貴金属
、遷移金属、無機有機的な酸化物、塩と金属、過酸化水素、パーマンガンテス(permangantes)とクロム酸塩とがある。
【0044】
強酸化材料は窒素酸化物(NOx)を空気中から除去する材料に含めることができる。
【0045】
この化学フィルタ部分は汚い空気流中から汚染物質を捕捉し、永久に保持するか、または化学フィルタ部分は後に化学汚染物質を放出するかもしれない。例えば、化学フィルタ部分は汚い空気流から化学汚染物質を除去することで、フィルタにかけられた後の綺麗な空気は、燃料電池などの設備に導入されるときに許容できる閾値以下の汚染物質の濃度となる。汚い空気中の汚染物質のレベルが閾値以下であるときには、フィルタエレメントは汚染物質の除去は必要でなくなり
、むしろある実施例では、化学フィルタ部分は集合した汚染物質を閾値になるまで放出する。この放出は、汚い空気の流れ中の汚染物質濃度と化学フィルタ部分に集合した汚染物質濃度の差によって一般的に発生する。このようにして、化学フィルタ部分は部分的に再生されることで、化学フィルタ部分の使用寿命が延長されるであろう。燃料電池に対する汚染物質濃度の許容閾値レベルが分かっているときに、このような設計が望ましい。
【0046】
微粒子フィルタ部分と化学フィルタ部分とを組み合わせることで一つのフィルタエレメントを作り、物理的及び化学的な汚染物質の双方を除去することができる。一つの実施例では、微粒子フィルタ部分の濾過媒体は化学的に吸収可能な表面処理がされたかまたは酸性あるいは塩基性の汚染物質を相互作用する繊維から作ることができ、化学的濾過部分を形成できる。他の事例では、活性炭素顆粒のベッドを設けることで顆粒体の大きさが充分に小さい場合において空気中から物理的な汚染物質を除去できる。
【0047】
一つの実施例では、化学フィルタ部分をバイパスするようなバイパスシステムを提供することが望ましいであろう。この構成によれば、吸気される空気が化学汚染物質でかなり汚染されていない場合に望ましい。このバイパスシステムは吸気される空気流中の汚染物質レベルに応じて、活性化と再度活性化されることになる。
【0048】
好適なフィルタ組立体
好適なフィルタ組立体の第1の事例は、微粒子と化学物質の両方の濾過能力を有するフィルタ組立体である。この特定の実施例では、フィルタ組立体には物理フィルタ部分となる一つの層の微粒子媒体と、化学フィルタ部分となる3層の吸収媒体とを有している。好ましくは、この物理フィルタ部分は化学フィルタ部分の上流側に設けられることで、浄化されるべき空気流は最初に微粒子フィルタ部分を通過し、次に化学フィルタ部分を通過すると良い。吸収媒体の3層の各層は、他のベッドから穴明きアルミ製の分離板によって互いに離隔されるように保持された顆粒状の材料をベッド状にしたものである。
【0049】
一般的に、好適なフィルタ組立体の構造は、二つの封入された顆粒状の炭素製ベッドと中心の静電媒体の回りに位置される微粒子フィルタとしてのプリーツ構造のガラス媒体を有する。
【0050】
この微粒子フィルタ部分は、好ましくは濾過技術において良く知られているプリーツ構造の像のガラス繊維媒体の構造体である。ホットメルト接着剤のようなベッド用の材料は、プリーツの分離のために使用することができる。
【0051】
好ましい実施例では、化学フィルタ部分の第1の層は、クエン酸で飽和された約35重量%の活性炭素から構成される。好ましくは、米国カリフォルニア州、リッチモンドのカルゴン・カーボン社から「RVCA12」、「RVCA35」の商品番号で販売されている8X16メッシュのサイズの材料が使用可能である。この第1の層は、いくつかの炭化水素と他の有機材料と同様に、空気の流れからアンモニアとアミンを取り除く。化学フィルタ部分の第2の層は第2の飽和活性炭を含む。望ましくは、8X16メッシュの材料は商品名「ケミソーブ1202」として販売されており入手可能なものがある。この第2の層は、酸性のガス、炭化水素、他の有機的な材料を取り除くために使用される。第3の層は、触媒の層である。この化学フィルタ部分の層は、12X20メッシュのサイズの材料が使用されるが、これはカルース・ケミカル社から商品名「カルライト300」で販売されており入手可能なものである。この層は、一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する。
【0052】
第2の好ましいフィルタ組立体の実施例は、第1の実施例に似たものであって、第1の層の飽和活性炭素の「RVCA12」、「RVCA35」に代えて非−炭素系の吸収媒体にしたものである。
【0053】
第3の好ましいフィルタ組立体の実施例は、第1の実施例に似たものであって、第1の層の飽和活性炭素の「RVCA12」、「RVCA35」に代えて非−炭素系の触媒体にしたものである。
【0054】
第4の好ましいフィルタ組立体の実施例は、第1の実施例に似たものであって、第2の層の飽和活性炭素の「ケミソーブ1202」に代えて非−炭素系の吸収媒体にしたものである。
【0055】
第5の好ましいフィルタ組立体の実施例は、第1の実施例に似たものであって、第2の層の飽和活性炭素の「ケミソーブ1202」に代えて非−炭素系の触媒体にしたものである。
【0056】
さらに、他の実施例として一つまたは二つの封入された炭素材料のベッドを、適度な芯またはライナーの回りに巻き付けた炭素材料の繊維で置き換えるものもある。
【0057】
図4と図5を参照して、本発明の原理に基づく二つのフィルタ組立体の物理的な構成を示す実施例が示されている。図4において、フィルタ組立体10は、第1の側112と第2の側114を有したハウジング105を設けたパネルフィルタ110の特徴を備えている。このパネルフィルタ110は、第1の側112に物理フィルタ部分120を含んでいる。この物理フィルタ部分120は、葉や破片などのような大きな物体を取り除くためのルーバー状の格子116として構成されている。格子116はハウジング105と一体的または取り外し可能に設けることができる。このハウジング105からは、格子116から離れるようにフランジ107が延設される。燃料電池のようなあらゆる種類の吸気口に対して改善されたシールを提供するために、このフランジ107においてガスケットを設けることができる。
【0058】
一つの実施例では、パネルフィルタ110は格子116からフランジ107を設けた第2の側114までの深さが約4.15インチ(およそ10.5cm)であり、フランジの厚さは約0.25インチ(およそ0.635cm)であり、第2の側114から約3.21インチ(およそ8.15cm)の場所に位置している。このフランジ107を含まないハウジング102の大きさは、その幅が約15インチ(およそ38cm)であり高さが7インチ(およそ17.8cm)である。フランジ107を含めると、幅は約17.25インチ(およそ43.8cm)であり高さが約9.25インチ(およそ23.5cm)である。ここで、当業者はこのような寸法は、フィルタが使用される適用例に基づき、種々設定されることが理解されよう。
【0059】
パネルフィルタ110で濾過されるべき空気は、大きなゴミを除去する格子116を介して内部に入る。この格子116の背後には、他の物理的なフィルタ部分と化学的なフィルタ部分とこれらの双方が設けられている。好ましくは、上述したような形式の少なくとも一つの化学フィルタ部分が格子116の背後においてハウジング105の内部に配設されていると良い。格子116と他のあらゆる種類の物理フィルタ部分または化学フィルタ部分とを通過して濾過された空気は、第2の側114からパネルフィルタ110の外部に出る。
【0060】
図5を参照して、フィルタ組立体10は6つの側面を備える箱形状のフィルタ組立体130である。図5において、ハウジング135 はフィルタ組立体130の説明を容易にするために一つの側面を省略して示している。このフィルタ組立体130は、第1の側132と第2の側134を有している。
【0061】
このハウジング135 の内部には、物理フィルタ部分140 と化学フィルタ部分150とが設けられている。種々の邪魔板と流路とがハウジング135の内部に設けられており、所望の空気流を得るようにしている。物理フィルタ部分140には、汚い大気空気を取り入れるために開口部143を形成した多孔スクリーン142が設けられている。開口部143を通過する空気中からは、葉や破片などの大きな物体が除去される。この部分から、空気は液体除去部144を通過することで、雨などの水分を水滴とし、ドレイン回収部145で回収され、ハウジング135の外部への排水を可
能にしている。高い効率の微粒子フィルタ146が、開口部143を通り抜けた微粒子を取り除くために含まれている。フィルタ組立体130は、化学汚染物質を吸着するための顆粒状の炭素のベッドまたは吸着剤を組み合わせた化学フィルタ部分150を含む。図5に図示の実施例では、導入された空気は高い効率の微粒子フィルタ146を迂回し、液体除去部144を通過した後に、化学フィルタ部分150に進むことが可能となる。このような流路は、例えは高効率フィルタ146が目詰まりして流れが防止された場合において、フィルタ組立体130を通過する空気の流れを維持するために望ましいことになるであろう。
【0062】
ハウジング135の第2の側134には、出口161と第2の出口162がある。第1の出口161を介して、フィルタ組立体130で濾過されたきれいな空気が、電気装置のような包囲体の中に送られる。第2の出口162はフィルタ組立体130で濾過されたきれいな空気を燃料電池のような装置に送る。この第2の出口162を介して出る空気は、第1の出口161を出るのにつれて、同じ濾過工程を経て外部に出るか、または異なる濾過動作が種々の流れにおいて行うことができる。一つの実施例では、第2の出口162を介して出る空気は、物理フィルタ部分140の全ての構成部分を通過し、さらに化学フィルタ部分150を通過する一方で、第1の出口161を介して出る空気は、物理フィルタ部分140の全ての構成部分のみを通過することとなる。
【0063】
一つの実施例では、フィルタ組立体130は、約12インチと17インチと13インチ(およそ30.5cmと43.2cmと33cm)であり、多孔を有するスクーン142を有する第1の側132は、約12インチ(およそ30.5cm)幅であり、約17インチ(およそ43.2cm)の高さである。湿った空気中の液化で液体を除去する液体除去部144は、約12インチと5.25インチと2インチ(およそ30.5cmと13.3cmと5cm)である。微粒子フィルタ146は、約10インチと12インチと4インチ(およそ25.4cmと30.5cmと10.2cm)である。化学フィルタ部分150は、約12インチと11インチと3インチ厚さ(およそ30.5cmと27.9cmと7.6cm)である。このような実施例によれば、毎分約約55立方フィートcfm(毎分およそ、1.56メートル)の汚い空気を処理することができ、毎分で35cfm(毎分およそ、1立方メートル)で第1の出口161を介して出すことができ、毎分で20cfm(毎分およそ、0.6立方メートル)で第2の出口162を介して出すことができる。
【0064】
燃料電池
図1において、本発明のフィルタ組立体10が作動する設備100として燃料電池 102として表現されている。この燃料電池は電解質(液)を挟むように配設された二つの電極(陽極と陰極)を備えた装置である。水素を含む燃料は陽極に注がれ、そのときに水素電子が自由に分離され、陽電荷のイオンとして残る。電荷は、電解質中にそのイオンが拡散するようにして内部電子回路を伝わる。陰極では、電子は水素イオンと酸素と化合して、水と二酸化炭素及び副産物を発生する。この反応を促進するために触媒(体)が多く使用される。この触媒としては、ニッケル、プラチナ、パラジウム、コバルト、セシウム、ネオダイミウム(neodymium)などの希土類金属がある。燃料電池内での反応物質は、水素と酸化性物質である。
【0065】
通常は、燃料電池102に使用されるフィルタ組立体は、約70〜90℃の範囲の低い運転温度である「低温燃料電池」用として知られている。また、高温燃料電池も知られているが、これらはそれらのより高い運転温度のために化学汚染に敏感でないとされている。高温燃料電池は、しかしながら微粒子汚染物質と、ある種の形態の化学汚染物質に対して敏感であることから、上記の濾過システムによる何らかの利益を得ることもあろう。一つのタイプの低温燃料電池は、一般にプロトン変換膜の使用にちなんで「PEM」と命名される。PEM燃料電池を、本発明のフィルタ組立体と関連して使用することによって利益を得ることができるであろう。本発明のフィルタ組立体と組み合わせて使用することができる燃料電池のほかの機種に関する例は、例えば米国特許第6,110,611と、6,117、579と、6、103,415と、6、083、637号が含まれる。燃料電池に拘わる当業者は、フィルタ組立体は一般的に全ての燃料電池の動作に有益となることを理解するであろう。
【0066】
様々な燃料電池によって許容できる汚染物質の閾値レベルは燃料電池の設計如何に依存する。例えば、炭化水素(メタンとそれより重い物質)と、アンモニア、硫化酸化物、一酸化炭素、シリコンおよび同様のものなどは、触媒の空間を占有して反応を不活発にする。したがって、これらの汚染物質は、それらが燃料電池の反応領域に入る前に取り除く必要がある。
【0067】
使用される触媒、運転条件および触媒の反応条件によって、正確な許容可能な汚染レベルおよびタイプ汚染物質は異なるであろう。
【0068】
本発明のフィルタ組立体によれば、大気空気は燃料電池の運転で使用される前に、汚染物質が取り除かれる。
【0069】
ここで、上記の構造の開示と、この開示とともに以上の記述で詳しく説明された範囲に留まらず、サイズおよびアレンジメント変更は任意に可能であって、請求の範囲に規定された種々の構成についても本発明に含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、本発明のフィルタ組立体を含む電力発生システムの概要を示した模式図である。
【図2】図2は、図1のフィルタ組立体を使用するためのフィルタエレメントの第1の実施例の概要を示した外観斜視図である。
【図3】図3は、図1のフィルタ組立体を使用するためのフィルタエレメントの第2の実施例の概要を示した外観斜視図である。
【図4】図4は、フィルタ組立体の好適な具体例の外観斜視図である。
【図5】図5は、フィルタ組立体の別の好適な具体例の外観斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を発生するシステムであって、
(a)前記システムはフィルタ組立体を含み、
(i)前記フィルタ組立体は、入口と出口を有するハウジングを含み、前記入口は汚れた大気の空気を前記フィルタ組立体の中に受け入れ、前記出口は前記フィルタ組立体からきれいな空気を受け、
(ii)前記フィルタ組立体は、前記ハウジングの中のフィルタエレメントを含み、前記フィルタエレメントは、
(A)前記汚れた空気から微粒子の汚染物質を取り除くように構成および配置される物理フィルタ部分と、
(B)前記汚れた空気から化学的な汚染物質を取り除くように構成および配置される化学フィルタ部分とを備え、前記化学フィルタ部分は、塩基性汚染物質を化学吸着可能な酸性材料及び酸性汚染物質を化学吸着可能な塩基性材料の少なくともいずれかを含み、
(b)前記システムは、空気吸気口を有する燃料電池を含み、前記フィルタ組立体は、前記フィルタ組立体の前記出口から前記燃料電池の前記空気吸気口にきれいな空気を提供するように構成および配置されることを特徴とする電力を発生するシステム。
【請求項2】
電力を発生するシステムであって、
(a)前記システムはフィルタ組立体を含み、
(i)前記フィルタ組立体は、入口と出口を有するハウジングを含み、前記入口は汚れた大気の空気を前記フィルタ組立体の中に受け入れ、前記出口は前記フィルタ組立体からきれいな空気を受け、
(ii)前記フィルタ組立体は、前記ハウジングの中のフィルタエレメントを含み、前記フィルタエレメントは、
(A)前記汚れた空気から微粒子の汚染物質を取り除くように構成および配置される物理フィルタ部分と、
(B)前記汚れた空気から化学的な汚染物質を取り除くように構成および配置され、押し出し法によって形成されたある形状を有する吸収材料を含む化学フィルタ部分とを備え、
(C)前記フィルタエレメントは、円筒状であって2つの端部キャップの間に延びており、
(b)前記システムは、空気吸気口を有する燃料電池を含み、前記フィルタ組立体は、前記フィルタ組立体の前記出口から前記燃料電池の前記空気吸気口にきれいな空気を提供するように構成および配置されることを特徴とする電力を発生するシステム。
【請求項3】
前記化学フィルタ部分は、酸性材料の表面コーティング又は塩基性材料の表面コーティングを含む活性炭を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記化学フィルタ部分は、過マンガン酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸カルシウム及びそれらの混合物からなる群の一つを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記化学フィルタ部分は、酸性材料又は塩基性材料が含浸された活性炭を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記物理フィルタ部分は、プリーツ構成(pleated configuration)を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記化学フィルタ部分は、プリーツ構造(pleated structure)又はハニカム構造を持つことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記フィルタ組立体は、前記フィルタ組立体の一端部に取り付けられた端部キャップを含むことを特徴とする請求項1及び請求項3乃至請求項7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
一つの端部キャップが前記円筒状のフィルタエレメントの内部空間に対して開放され、他の端部キャップが前記内部空間に対して閉鎖されていることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
燃料電池のガス吸気口に空気流を提供する方法であって、前記方法は、
(a)請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のシステムを提供する工程と、
(b)吸入空気流を前記フィルタ組立体の中に通す工程と、
(c)前記フィルタ組立体により前記空気流から微粒子と化学的汚染物質を取り除き、出口に空気流を提供する工程と、
(d)前記出口からの前記空気流を前記燃料電池の前記空気吸気口に提供する工程と、
を備えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−317667(P2007−317667A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−154387(P2007−154387)
【出願日】平成19年6月11日(2007.6.11)
【分割の表示】特願2002−526478(P2002−526478)の分割
【原出願日】平成13年9月12日(2001.9.12)
【出願人】(591163214)ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド (96)
【Fターム(参考)】