説明

低臭気かつ高耐衝撃性を有する(メタ)アクリル系接着剤

【課題】高耐衝撃性、及び無臭又は低臭気の(メタ)アクリル系接着剤を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル酸エステルE(アルコールALCとメタアクリル酸又はアクリル酸とのエステル化によって得ることができ、前記アルコールALCは少なくとも5つの炭素原子を含む。);及び、室温で固体であるゴムブロックコポリマーRS(これはスチレンと、ブタジエン及び/又はイソプレン及び/又はエチレンプロピレンジエンモノマーとのコポリマーである。);側鎖に(メタ)アクリル基を有するポリマーPL(これは末端(メタ)アクリル酸基をもつブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、又はポリウレタン(メタ)アクリレート、又は特定のポリアルキレングリコールとメタクリル酸又はアクリル酸とのエステル化によって得られるエステル、そしてこれは200から9000g/モルの間の分子量を有する。)、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐衝撃性(メタ)アクリル系接着剤の分野に関連する。
【背景技術】
【0002】
(メタ)アクリル系モノマー又はオリゴマーを基礎とする接着剤が公知である。そのような(メタ)アクリル系接着剤は、通常、2成分型接着剤である;2成分のうちの1つがラジカル開始剤、典型的にはパーオキシド、を含む。そのような接着剤の長所は、それらが機械強度の迅速な発達を示すことである。
【0003】
耐衝撃性は、構造接着の重要な物質特性である。通常、(メタ)アクリル系接着剤は、低い衝撃性に難があり、突然の衝撃の場合に接着の破壊に導かれてしまう。しかしながら、そのような衝撃は非常に頻繁に起こる。耐衝撃性を増大させるために、固体及び液体ゴムを用いることがずっと以前から知られている。固体ゴムは、接着剤の粘度を増加させることが知られているため、少量の固体ゴムしか使用されない。液体ゴムの使用は、耐衝撃性を高めるが、わずかに限られた範囲までである。この問題は特に低温においてそうである。米国特許第6,433,091号明細書は、ポリマー系エラストマー及びビニル末端液状ゴムを含む接着剤組成物を開示している。開示されたモノマーの主要部、例えばメチルメタクリレート、は強く且つ不快な臭気を示し、この臭気はそのような組成物の応用分野を制限している。
【特許文献1】米国特許第6433091号公報
【特許文献2】米国特許第4451615号公報
【特許文献3】国際公開WO02/070620号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一般的な目的は、迅速な硬化、改良された耐衝撃性、及び著しく低減された臭気又は無臭の組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
予期せぬことに、このことは、請求項1に記載した組成物によって達成されることが発見された。そのような組成物の長所は、組成物が多量の固体ゴムを含み−たとえフィラーが存在する場合でさえ−従来の適用用器具によって適用するために高粘度過ぎるということがなく、優れた耐衝撃性及び高いガラス転移温度をもたらすことである。
【0006】
さらに、本発明の組成物は非常に低臭気であり、それは、そのような組成物が、換気装置がないか又はわずかな換気しかない区域においても適用されうるということにおいて大きな利点である。さらに、本発明の組成物に用いられるモノマー類は、メチルメタクリレートよりも高い引火点を有し、それは、輸送、取り扱い、及び貯蔵に関する法規に関して有利である。本組成物の引火点は50℃より高いことが好ましい。
【0007】
本発明は、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルE、少なくともゴムブロックコポリマーRS、及び少なくとも、側鎖に(メタ)アクリル基を有するポリマーPL、を含む組成物である。
【0008】
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート類、すなわち、アクリル酸のエステル類、並びにメタクリレート類、すなわち、メタクリル酸のエステル類を意味する。
【0009】
上記(メタ)アクリル酸エステルEは、アルコールALCとメタクリル酸又はアクリル酸とのエステル化によって入手可能である。前記アルコールALCは、少なくとも5つの炭素原子を含む。このアルコールはモノオールであることが好ましい。さらに、好ましい前記モノオールは、特定の場合におけるエーテル官能基を除いて、その化学式中にそれ以上の官能基を有しない。そのようなアルコールは、テトラヒドロフルフリルアルコール、イソボルネオール、トリメチルシクロヘキサノール、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択されることが好ましい。テトラヒドロフルフリルアルコールが最も好ましいアルコールALCである。
【0010】
アルコールALCと(メタ)アクリル酸とのエステル化は、当業者に公知の方法によって実施される。前記(メタ)アクリル酸エステルEのさらに別の合成経路も可能である。例えば、触媒存在下におけるメチルメタクリレート又はメチルアクリレートとアルコールALCとのエステル交換もまた、前記(メタ)アクリル酸エステルEをもたらす。そのようなエステル交換の詳細は、この分野の当業者に公知である。
【0011】
(メタ)アクリル酸エステルEは、その化学式中に1つだけの(メタ)アクリル基を有することが好ましい。
【0012】
−からC−(メタ)アクリレートは高い蒸気圧を有し、それは強い臭気をもたらす;特に、接着剤中に一般に用いられているメチルメタクリレートは、非常に不快な強い臭気を有し、この臭気がそのような接着剤の使用を制限している。そのような制限は、上記(メタ)アクリル酸エステルEには存在しない。(メタ)アクリル酸エステルEの選択は、硬化した接着剤の特性を大きく左右する。上記(メタ)アクリル酸エステルEは、典型的には接着剤の主成分であり、そしてそのため、硬化挙動及び硬化した接着剤の機械特性のほとんどについて重要である。特定の場合においては、所望する機械特性を得るために、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルEの混合物を用いることが必要だろう。
【0013】
(メタ)アクリル酸エステルEは、室温で測定して15mPas未満の粘度を有することが好ましい。
【0014】
(メタ)アクリル酸エステルEは、メチルメタクリレートの引火点よりも高い引火点を示し、50℃よりも高いことが好ましい。このことは、製造、輸送、及び適用時に、エステルE、組成物のそれぞれの取り扱いにおいて有利である。
【0015】
さらに、(メタ)アクリル酸エステルEは、硬化後、高いガラス転移温度(T)を示す。Tは50℃より高いことが好ましい。接着剤の多くの工業用途は高められた作業温度をもつため、(メタ)アクリル酸エステルE、組成物、のそれぞれの高いガラス転移温度は有利である。接着剤が低いガラス転移温度をもつ場合、接着剤は荷重を受けてクリープする傾向があり、そのことは接合部の破壊へと導く。
【0016】
(メタ)アクリル酸エステルEなどのメタクリル酸エステル類の使用は、硬化した接着剤があるレベルの柔軟性を示すことが必要である場合に、特に有利である。テトラヒドロフルフリルメタクリレートが最も好ましい(メタ)アクリル酸エステルEであることを発見している。
【0017】
(メタ)アクリル酸エステルEの量は、典型的には、組成物の質量を基準にして20から80質量%の間である。
【0018】
上記組成物はさらに、少なくともゴムブロックコポリマーRSを含む。このゴムブロックコポリマーRSは室温で固体であり、そしてスチレン及びブタジエン及び/又はイソプレン及び/又はエチレンプロピレンジエンモノマーのコポリマーである。それらの化学構造のため、これらのブロックコポリマーゴムは、以下において「無極性(apolar)」という。
【0019】
好ましいゴムブロックコポリマーRSは、スチレンと、ブタジエン又はイソプレンのいずれかとのブロックコポリマー類であり、例えば、SBS、SIS、SB、又は(SB2)B2、特にKraton(登録商標)グレードポリマー類としてKraton Polymers社から販売されているものである。スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー又はスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーがより好ましい。(SB2)B2の構造のスチレン/ブタジエンブロックコポリマー類が本発明の目的に非常によく適しており、それゆえにこれらのブロックコポリマー類がより好ましいことを発見している。これらのブロックコポリマー類は、スチレン末端ブロック、及びブタジエンからなる分枝したゴム性中間ブロックを有する。これらの(SB2)B2ブロックコポリマー類は、重合時にブタジエンの1,2−付加に由来する側鎖ビニル基の高い含有量をもつことが好ましい。これらのビニル基は、通常、ゴム鎖に沿ってばらまかれる。そのような好ましいスチレン/ブタジエンブロックコポリマーの例は、市販されているKraton(登録商標)D-KX222である。
【0020】
さらに、好ましいスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーは、直鎖状のスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、例えばKraton(登録商標)D-1101である。
【0021】
好ましいゴムブロックコポリマーRSは、Kraton(登録商標)D-KX222又はKraton(登録商標)D-1101である。
【0022】
ゴムブロックコポリマーRSの量は、典型的には、組成物の質量を基準にして1〜40質量%、好ましくは5〜30質量%である。
【0023】
上記ゴムブロックコポリマーの上記(メタ)アクリル酸エステルに対する質量比RS/Eは、15%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、33%以上であることがなおさらに好ましく、33〜70%であることが最も好ましい。
【0024】
上記組成物は、側鎖である(メタ)アクリル基を有するポリマーPLをさらに含む。このポリマーPLは、200から9000g/モルの間の分子量を有する。典型的且つ好ましくは、これらのポリマー類PLは室温で液状又はワックス状である。
【0025】
本発明の1つの態様においては、ポリマーPLは、末端(メタ)アクリル基をもつブタジエン/アクリロニトリルコポリマーである。好ましい末端基はアクリル基である。そのようなポリマーPL、すなわち末端(メタ)アクリル基をもつブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、の例は、BFGoodrich(登録商標)から、Hycar(登録商標)VTBNXとして市販されているポリマー類である。
【0026】
本発明の別の態様においては、上記ポリマーPLはポリウレタン(メタ)アクリレートであり、イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーとヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとの反応によって得ることができる。
【0027】
「イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマー」とは、ここでは、イソシアネート基当量のヒドロキシル基当量に対する比が1より大きな割合でのポリイソシアネート及びポリオールの任意の反応生成物と理解され、すなわち、NCO-xx-NHCO-O-yy-O-OCONH-xx-OCNタイプの付加体が本明細書においてポリウレタンプレポリマーとみなされ、ここでxxはNCO基を除いたジイソシアネートを表し、かつ、yyはOH基を除いたジオールを表す。
【0028】
基本的には、イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーの製造におけるポリオールとして任意のポリオールOH-R-(OH)qが使用でき、ここでqは1以上であり、かつRはその骨格又は側鎖中にヘテロ原子を有するポリマー性骨格を表す。適合性はしかし、上記ポリオールの極性によって強く影響を受ける。そのようなポリオール類の好ましい例は、ポリエーテルポリオール類ともよばれるポリオキシアルキレンポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択されるポリオール類である。好ましいポリオール類はジオール類であり、最も好ましくはポリオキシエチレンジオール類又はポリオキシプロピレンジオール類又はポリオキシブチレンジオール類である。
【0029】
ポリオキシアルキレンポリオール類は、(ASTM D-2849-69に準拠して測定され、且つポリオール1グラム当たりのミリ当量不飽和度(mEq/g)によって表される)低いか又は高い不飽和度を示す。高い不飽和度を有するポリオキシアルキレンポリオール類は、例えば、NaOH、KOH、又はアルカリのアルコラートなどのアニオン性触媒を用いて得ることができる。低い不飽和度を有するポリオキシアルキレンポリオール類は、例えば、いわゆるダブルメタルシアン化物錯体触媒(DMC触媒)を用いて得ることができる。低い不飽和度、好ましくは0.01mEq/g、を有するポリオキシアルキレンポリオール類の使用は、2000g/モル以上の分子量のポリオール類について好ましい。
【0030】
基本的には、2以上のイソシアネート基をもつ任意のポリイソシアネートが、イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーの製造における上記ポリイソシアネートとして用いられうる。例としては、ここでは2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)及びそれらの任意の混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタンジイソシアネートの任意の異性体、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナートベンゼン、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2−メチルペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、2,2,4−及び2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−及び−1,4−ジイソシアネート及びそれらの異性体の任意の混合物、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナートメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネート又はIPDI)、パーヒドロ−2,4’−及び−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI)、1,4−ジイソシアネート−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、m−及びp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,3−及び1,4−ビス−(イソシアナートメチル)−シクロヘキサン、上述したイソシアネート類の任意のオリゴマー又はポリマー、並びに上述したイソシアネート類の任意の混合物、が挙げられる。好ましいポリイソシアネート類は、MDI、TDI、HDI、IPDI、並びにそれらの任意の混合物である。最も好ましいものはMDI及びTDI並びにそれらの混合物である。
【0031】
ポリイソシアネート及びポリオールは公知の方法で反応されて、イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーが得られる。
【0032】
上記イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーは、ヒドロキシル基を含む(メタ)アクリル酸エステルと反応される。このヒドロキシル基は分子のエステル部分の一部である。このエステル部分は1つだけ水酸基を有することが好ましい。ヒドロキシル基を含む好ましい(メタ)アクリル酸エステルは、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである。この2種の反応剤は公知の方法で、かつ典型的には水酸基を含む(メタ)アクリル酸エステルのモル当量過剰下で反応される。
【0033】
好ましいポリウレタン(メタ)アクリレートは、TDI/ポリエチレングリコールポリウレタンプレポリマー又はMDI/ポリエチレングリコールポリウレタンプレポリマーと、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとの反応生成物である。
【0034】
ポリウレタンプレポリマー及び/又はポリウレタン(メタ)アクリレートの調製は、(メタ)アクリル酸エステルEがイソシアネートと反応性である官能基をもたない場合は、(メタ)アクリル酸エステルEの存在下で行うことができる。
【0035】
本発明の別の態様においては、ポリマーPLは、アルコールALC−IIとメタクリル酸又はアクリル酸とのエステル化によって得ることができ、前記アルコールALC−IIはその化学式(I)又は(II)中に以下の構造要素(I)又は(II)を有する。
【0036】
【化2】

【0037】
式中、m、n、及びpは数字であり且つn≧0、m≧0、及びn+m≧3−50、及び3≧p≧16を表す。nが0でなく且つmが0でない場合は、式(I)のエチレンオキシ及びプロピレンオキシセグメントは、これらのポリマーの調製に応じて、ブロック内でランダムに分配され又は配置される。
【0038】
好ましいアルコールALC−IIは、ポリオキシアルキレンジオール類である。好ましいポリオキシアルキレンジオール類は、ポリエチレングリコール又はポリ(エチレン/ポリプロピレン)グリコール類又はポリテトラメチレンエーテルグリコールである。最も好ましいポリオキシアルキレンジオール類は、ポリエチレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールである。ポリテトラメチレンエーテルグリコール類は、BASF社からPolyTHF(登録商標)、又はDuPont社からTerathane(登録商標)として市販されている。Terathane(登録商標)250及び650がこれらの目的のためにうまく適していることを発見した。いくつかの場合にはまた、Terathane(登録商標)1000及び少しの程度、Terathane(登録商標)1400もまた使用されうる。
【0039】
(メタ)アクリル酸と上記アルコールALC−IIとのエステル化は、当業者に公知の方法によって達成される。上記(メタ)アクリル酸エステルEの合成のためのさらなる経路もまた可能である。例えば、触媒存在化における、メチルメタクリレート又はメチルアクリレートとアルコールALC−IIとのエステル交換もまた、上記(メタ)アクリル酸エステルEをもたらす。そのようなトランスエステル化の詳細は、当分野の当業者に公知である。
【0040】
これらの化学構造のため、これら上述したポリマー類PLは以下で「極性(polar)」といわれる。
【0041】
上述したように、当技術の状況からは、固体ゴムは接着剤の粘度を著しく増大させることが知られている。(メタ)アクリレート類に関しては、このことは特に本発明に用いるモノマー類、すなわち、上記(メタ)アクリル酸エステルEの場合にみられる。さらにメチルメタクリレートでは粘度の増加は存在するが、ずっと程度は少ない。しかしながら、充分な耐衝撃性を達成するために、多量の固体ゴムRSを無臭又は低臭気の(メタ)アクリル酸エステル類Eをともに用いる場合、その接着剤は通常の適用(塗工)用具で分配することはもはや不可能である。
【0042】
(メタ)アクリル酸エステル類E、固体ゴムRS、及びポリマーPLの組み合わせが、PLを除いた組み合わせと比較して、粘度の劇的な低下をもたらすことを発見したことが、本発明の重要点である。そのような低下は予期せぬものであり、かつ通常の希釈効果よりもずっと大きい。この現象は分散体又はエマルションの形成によって説明される。
【0043】
ポリマーPLに対するゴムブロックコポリマーRSの質量比RS/PLは、1/1.5〜5/1、好ましくは1/1〜5/1、より好ましくは1/1〜3/1である。
【0044】
極性ポリマーPLと極性固体ゴムとの組み合わせも、又は無極性固体ゴムRSと側鎖に(メタ)アクリルポリマーをもつ無極性ポリマーとの組み合わせのいずれも、上述した粘度低下を示さないことが発見されている。したがって、極性ポリマーPL及び無極性固体ゴムRSの双方の存在が、本発明に必須である。E、RS、及びPL(E−RS−PL)の組み合わせ物がPLの粘度よりも低く、かつ、E−RS−PL及びE−RSの組み合わせの両方において同質量比のRS/EをもつE及びRS(E−RS)の組み合わせ物の粘度の33%以下、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下の粘度を有する。組み合わせ物E−RS−PLの粘度は、PLの粘度のたかだか50%であることが好ましく、たかだか10%であることがより好ましい。
【0045】
組み合わせ物E−RS−PLの粘度は、170Pas未満であることが好ましく、100Pas未満であることがさらに好ましく、50Pas未満であることが最も好ましく、これにより容易な製造工程及びスムーズな塗工が可能になる。
【0046】
本組成物は、有機又は無機フィラー、又はチキソ付与剤、安定剤、添加剤、接着促進剤、消泡剤、増粘剤、可塑剤、湿潤剤、ワックス化合物、架橋剤、禁止剤、触媒、フリーラジカル開始剤などの、当業者に周知のさらなる化合物を含むことができる。
【0047】
本組成物は、追加して少なくとも有機又は無機フィラーを含むことが好ましい。無機フィラーは、シリカ、火成性シリカ、炭酸カルシウム、被覆炭酸カルシウム、ガラスもしくはセラミックスビーズ、中空ガラスもしくはセラミック球体、又はそれらの任意の混合物からなる群から選択されることが好ましい。有機フィラーはポリマー繊維又はポリマー粉末であることが好ましい。好ましいポリマーは、ポリ(メチルメタクリレート)又はポリスチレンである。
【0048】
さらに、好ましい有機フィラーは、コア−シェルポリマー類である。そのようなコア−シェルポリマー類の好ましい例はいわゆるMBSポリマー類であり、Atofina社からClearstrength(登録商標)として、又はRohm and Haas社からParaloid(登録商標)として市販されている。
【0049】
好ましい接着促進剤はシラン類、(メタ)アクリルホスフェート類、又は(メタ)アクリル金属塩類であり、好ましくは少なくとも1つの(メタ)アクリル基を有するものである。
【0050】
本組成物は、光、又はフリーラジカルの存在によって硬化されうる。フリーラジカル開始剤は典型的には有機パーオキシド、特にベンゾイルパーオキシドである。触媒もまた存在することが好ましい。そのような触媒の例は、第四級アミン及び/又は塩及び/又は遷移金属錯体である。第四級アミンの例は、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエチルトルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N−エトキシル化p−トルイジン、N−アルキルモルホリン、又はそれらの任意の混合物、さらに、上記塩及び遷移金属錯体の例は、コバルト、ニッケル、及び/又は銅の塩及び錯体である。
【0051】
ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、t−ブチル−p−クレゾールなどの重合禁止剤を使用して、本組成物の貯蔵時の早期硬化を避けることが有利でありうる。
【0052】
本組成物の調製は、以下の方法で実施することが好ましい。最初に、上記(メタ)アクリル酸エステルE及び上記固体ゴムRSを撹拌によって混合する。次に、上記ポリマーPLを組成物に撹拌して加え、ここで上記固体ゴムが見た目には均一に溶解する。突然、劇的な粘度低下が観測されうる。これに、さらなる成分を加えうる。
【0053】
本組成物は2成分からなる接着剤として使用されうる。第一の成分Aは上述したとおりの組成を含む。第二の成分Bは、少なくとも、フリーラジカル禁止剤、好ましくは少なくともパーオキシド、より好ましくは少なくともベンゾイルパーオキシドからなるか、またはこれらを含む。典型的には両方の成分が調合される。両方の成分が類似の粘度、好ましくは200Pas未満、を有することが好ましい。さらに好ましくは、両方の成分がペースト状、好ましくはチキソ性を有するペースト状であることであり、それらは公知の接着剤適用手段によって適用可能である。
【0054】
さらには、上記第一及び第二の成分の質量比A/Bは1/2〜20/1であることが好ましく、1/1〜15/1が好ましく、5/1〜15/1がより好ましく、約10/1が最も好ましい。
【0055】
本接着剤は成分A及び成分Bを混合することによって硬化する。本発明の組成物は、混合のミスが非常に重要ということはないということで有利である。勧められる混合比からのわずかなズレは機械物性値のわずか乃至少しの低下をもたらすだけである。したがって、本接着剤は、他の反応性システムのような完璧に均一な混合は必要としない。上記2成分の混合は、従来の混合装置、好ましくはスタティックミキサーによって達成されうる。
【0056】
本接着剤組成物は以下の方法で典型的に使用される。
成分A及びBを混合して混合物A−Bを形成させる。この混合物A−Bは次に第一の接合材料M1の表面に適用される。次に、第二の接合材料M2の表面を、その混合物A−Bと接触させる。最後に本接着剤が硬化される。成分A及びBの間の反応は、この2成分が混合させるとすぐに開始することは、当業者に明らかである。
【0057】
上記接合材料M1及び/又はM2は、物理的、化学的、及び/又は物理化学的方法により、特にプライマー又は接着促進剤組成物を適用する形で、前処理されてもよい。上記接合材料M1及びM2は、少なくとも混合物A−Bと接触する領域内においては、金属、ガラス、木、コンクリート、石、ポリマー類からなる群から選択される材料からなる。接合材料M1及びM2は同一又は異なる材料であることができる。
【0058】
本発明の別の態様は、2成分型反応性接着剤組成物を提供するためのキットである。このキットは、2つの区画(チャンバー)K1及びK2を含む。この区画K1は、上述した接着剤組成物の成分Aを含み、かつ前記区画K2は上述した接着剤の成分Bを含む。これらの区画は、ドラム缶、樽型容器、又はペール缶でありうる。これらの区画は、キットがサイド・バイ・サイドカートリッジ又はチューブ・イン・チューブ・カートリッジとなるように配置されることが好ましい。
【0059】
図1及び2は、そのような好ましいチューブ・イン・チューブ、又はサイド・バイ・サイドカートリッジ配置を概略的に示している。
【0060】
図1はカートリッジを通る断面を示し、そして図2はカートリッジを通る縦の断面を概略的に示している。
【0061】
図1a)及び2a)中のチューブ・イン・チューブ配置において、内側チューブ4はチューブ・イン・チューブカートリッジ1の外側チューブ3によって取り囲まれている。チューブ3及び4は同心状に配置されていることが好ましい。内側チューブ4は区画K2を含むが、区画K1は内側チューブ及び外側チューブの間に配置されている。これらのチューブはそれぞれピストン5及びピストン6によって閉じられている。ピストン5は穴の開いた皿の形を有し、ピストン6は皿状である。
【0062】
図1b)及び2b)のサイド・バイ・サイドカートリッジ配置においては、区画K1及びK2を形成している2つのチューブ3’及び4’は、接触するほど近いか、接触しているか、又は連結されている。これらのチューブは皿状形であるピストン5及びピストン6によって閉じられている。
【0063】
両方のカートリッジ配置において、ピストン5及び6は移動可能であり、かつ図1及び図2に示されていないコーキング・ガンのピストンによって押される。適切な挿入部材がカートリッジのピストン及びガンのピストンの間に配置されうる。終端からチューブの中へピストンが動くことによって、区画K1及びK2内に配置された接着剤組成物の成分A及びBが、カートリッジの開口部8及び9を通して絞り出される。これらカートリッジは、分配する終端部において典型的にはネジ7を有し、このネジにスタティック・ミキサーが接続されうる。チューブ3、4は、別々に生産されることができ、個別に充填され、かつ、成分A及びBで充填される前又は後に組立られることができる。チューブ1、2はまた、例えば射出成形法によって、1つの単一部材として製造されることができる。チューブの材料はアルミニウム又は熱可塑性ポリマーであることが好ましい。熱可塑性ポリマーが最も好ましい。チューブの壁の厚さは接着剤の特性及びカートリッジの材料に左右される。
【0064】
これらのサイド・バイ・サイド又はチューブ・イン・チューブ配置が好ましいのは、それらが容易に使用できる適用具を代表し、この適用具は手で混合することを必要とせず、そしてそのため、経験がない使用者のための、少量から中程度量、すなわち、典型的には20mlから800ml以下、のための理想的な包装である。したがって、そのようなキットは、日曜大工店で販売されうる。
【0065】
多い量のためには、2成分型ポンプ装置が、使用にさらに適している。それらの場合、成分A及びBは、典型的にはペール缶、ドラム缶、又はバンドタイプペール缶(ホブボック(hobbock))に詰められる。
【0066】
〔実施例〕
(測定方法)
− 粘度: 装置:Rheometer CV 120 hr(Bohlin Instruments社)、プレート/プレート、直径:25mm、ギャップ:1mm、周波数:1S−1、ISO 6721-10に準拠。
− 衝撃強度(inpact strength(IS))(シャルピー): 装置:Wolpert PW5、DIN 51222に準拠。試験体の中央にノッチ(Vカット)なし。測定した値は、mJ/mmで示す。
− 引張強度(TS)及び破断時伸度(EAB): 装置:Zwick/Roell Z005、ISO 527に準拠。速度:200mm/min。
衝撃試験及び引張強度の測定のために、10%ベンゾイルパーオキシド、可塑剤、及びフィラーを含むペーストで組成物を硬化させた。
【0067】
【表1】

【0068】
ポリウレタンメタクリレートPU−MAcの合成:
200gのポリプロピレングリコール(Mw=2000g/モル)を50gのMDIと窒素雰囲気下にて120℃で反応させた。180分間の撹拌後、28.6gの安定化されたヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を添加し、そしてNCO量が0.1未満になるまで撹拌した。生成したポリウレタンメタクリレートを次に冷却した。粘度は240Pasであった。
【0069】
表1に示した物質及び上述したポリウレタンメタクリレートを用いて以下の組成物を配合した。最初に固体ゴムRS又はRSrefを(メタ)アクリレートE又はErefに加え、そしてフラスコの底に固体ゴムが残らないようになるまで撹拌した。その後、ポリマーPL又はPLrefを撹拌下に添加した。最後に追加の成分を加えて撹拌した。
【0070】
【表2】

【0071】
【表3】

【0072】
表2及び表3は、既に、E及びRSの組み合わせ物に加えられた少量のPLが組み合わせ物E−RSの粘度及びPLの粘度と比較して、粘度を大きく低減することを示している。例4、例11のそれぞれにおいて、Ref.3において組み合わせ物E−RSに高粘度ポリマーを混合することによって、それぞれ125及び50のファクターの低減が達成された。さらに、表2及び表3は、多量の固体ゴムが、粘稠になりすぎることなく組成物に添加されうることを示している。
【0073】
【表4】

【0074】
表5の例Ref.8は、例4との比較において、E−RS組み合わせ物の粘度より低く且つポリマーの粘度より低く粘度が低下することは、無極性(apolar)ポリマーPLrefを用いた場合には起こらないことを示している。さらに、表5の例Ref.14は、極性(polar)固体ゴムRSrefをRSの代わりに用いた場合には、粘度の低下は観測されないことを示している。
【0075】
【表5】

【0076】
【表6】

【0077】
【表7】

【0078】
表7は、本発明の組成物20〜24が低粘度で、且つ高含有量の固体ゴムを含み、したがって、特に低温における高耐衝撃性、をもつことを示している。固体ゴム/E比が33%である組成物Ref.23は、あまりに高粘度のためにパーオキシドペーストと混合することができず、したがって、全ての機械特性値を測定することができなかった。比較例Ref.22及びRef.24の組成物は、非常に粘稠だった。それらとパーオキシドペーストを混合することは困難だった。また一方、実施例20〜24と全体として大きく異なり、そのような高粘度バインダーを調合して従来の適用装置によって適用することができる接着剤を得ることはできなかった。
【0079】
【表8】

【0080】
表8は、多量のフィラーが、多量の固体ゴムを含有する接着剤に添加されうることを示している。フィラーの高い量にもかかわらず、実施例25の組成物は容易に注ぐことができる。ペースト状接着剤を得るために、実施例25の組成物は、さらにより多くのフィラーを調合することができる。
【0081】
【表9】

【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の組成物用キットの2つの態様例(カートリッジ)の横断面図である。
【図2】本発明の組成物用キットの2つの態様例(カートリッジ)の縦断面図である。
【符号の説明】
【0083】
1…チューブ・イン・チューブカートリッジ、2…サイド・バイ・サイドカートリッジ、3…外側チューブ、4…内側チューブ、3’…チューブ、4’…チューブ、5…ピストン、6…ピストン、7…ネジ、8…開口部、9…開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)〜(c):
(a)アルコールALCとメタアクリル酸又はアクリル酸とのエステル化によって得られる、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルE(前記アルコールALCは少なくとも5つの炭素原子を含む。);及び
(b)少なくとも、室温で固体であるゴムブロックコポリマーRS(これは、スチレンと、ブタジエン及び/又はイソプレン及び/又はエチレンプロピレンジエンモノマー、のコポリマーである。);及び
(c)少なくとも、側鎖に(メタ)アクリル基を有するポリマーPL(さらにこれは200から9000g/モルの間の分子量を有する。)
を含む組成物。
〔さらに、前記ポリマーPLは、
末端に(メタ)アクリル基、好ましくはアクリル基、を有するブタジエン/アクリロニトリルコポリマーであるか、
又は、
イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーと、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとの反応によって得られるポリウレタン(メタ)アクリレート(前記イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネート及びポリオールOH−R−(OH)q(q≧1かつRは主鎖中又は側鎖中にヘテロ原子を有するポリマー鎖を表す)との反応によって得られる。)であるか;
又は、
アルコールALC−IIと、メタアクリル酸又はアクリル酸とのエステル化によって得られる。(前記アルコールALC−IIは以下の化学式(I)又は(II):
【化1】

(式中、n≧0、m≧0、かつn+m≧3〜50、かつ3≧p≧16である。)
の構造要素を有する。)〕。
【請求項2】
前記アルコールALCが、テトラヒドロフルフリルアルコール、イソボルネオール、トリメチルシクロヘキサノール、及びそれらの任意の混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記(メタ)アクリル酸エステルEが、メタクリル酸エステルであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
(メタ)アクリル酸エステルEが、テトラヒドロフルフリルメタクリレートであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記(メタ)アクリル酸エステルEが、硬化後に50℃以上のガラス転移温度Tを有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記(メタ)アクリル酸エステルEが50℃以上の引火点を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記ゴムブロックコポリマーRSが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、又はスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ゴムブロックコポリマーRSが(SB2)B2コポリマーであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
ヒドロキシル基を有する前記(メタ)アクリル酸エステルが、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記アルコールALC−IIがポリエチレングリコール又はポリ(エチレン/プロピレン)グリコール、好ましくはポリエチレングリコール、であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記アルコールALC−IIがポリテトラメチレンエーテルグリコールであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記(メタ)アクリル酸エステルEに対する前記ゴムブロックコポリマーRSの質量比RS/Eが30%以上、好ましくは33%以上、最も好ましくは35〜70%であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記(メタ)アクリル酸エステルE、前記ゴムブロックコポリマーRS、及び前記ポリマーPLが、分散体又はエマルションを形成していることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記ポリマーに対する前記ゴムブロックコポリマーRSの質量比RS/PLが1/1.5〜5/1、好ましくは1/1〜5/1、より好ましくは1/1〜3/1であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記ゴムブロックコポリマーRSの量が、組成物の質量を基準にして1〜40質量%、好ましくは5〜30質量%であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記(メタ)アクリル酸エステルE、前記ゴムブロックコポリマーRS、及び前記ポリマーPLの組み合わせ物(E−RS−PL)が特定の粘度を有し、
前記粘度がPLの粘度よりも低く、PLの粘度の50%以下、さらに好ましくは10%以下であり、
かつ、
前記粘度が、E−RS−PL及びE−RSの両者の組み合わせ物においてRS/Eの質量比が同じ場合には、E及びRS(E−RS)の組み合わせ物の粘度の33%以下、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である、
ことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
2成分からなる接着剤組成物であって、
第一の成分Aは、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物からなるか又は組成物を含み;かつ、
第二の成分Bは、少なくともフリーラジカル開始剤、好ましくは少なくともパーオキシド、より好ましくは少なくともベンゾイルパーオキシド、からなるか又は含む、接着剤組成物。
【請求項18】
前記第一及び第二の成分の質量比A/Bが、1/2〜20/1、好ましくは1/1〜15/1、より好ましくは5/1〜15/1、最も好ましくは約10/1、であることを特徴とする、請求項17に記載の接着剤組成物。
【請求項19】
2つの区画K1及びK2を含み、前記区画K1は請求項17又は18に記載の接着剤組成物の成分Aを含み、かつ、前記区画K2は請求項17又は18に記載の接着剤組成物の成分Bを含む、2成分型反応性接着剤組成物を提供するためのキット。
【請求項20】
前記区画が、ドラム缶、樽型容器、又はペール缶、であることを特徴とする請求項19に記載のキット。
【請求項21】
前記区画が、前記キットがサイド・バイ・サイドカートリッジ(2)又はチューブ・イン・チューブカートリッジ(1)となるように配置されていることを特徴とする、請求項19に記載のキット。
【請求項22】
請求項17又は18に記載の接着剤組成物を接着剤として使用する方法であって、
以下のステップ:
(i) 成分A及びBを混合して、混合物A−Bを形成し、
(ii) 前記混合物A−Bを第一の接合材料M1の表面に適用し、
(iii) 前記混合物A−Bと、第二の接合材料M2の表面を接触させ、
(iv) 前記接着剤を硬化させる、
を含む方法。
【請求項23】
成分A及びBの混合がスタティックミキサーを用いて行われることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第一及び第二の接合材料M1及びM2が、少なくとも混合物A−Bと接触する領域において、金属、ガラス、木、コンクリート、石、ポリマーからなる群から選択される材料が外に現れていることを特徴とする、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法によって接合されているジョイント物品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−9020(P2006−9020A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−184155(P2005−184155)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】