説明

体液処理用品の吸収体

【課題】アンモニアの臭気を低減することのできる吸収体。
【解決手段】体液処理用品1における吸収体21は、吸着および包接のいずれかの作用によってアンモニアに対しての消臭効果を奏する第1消臭成分と一体的に使用される第1高吸収性ポリマー粒子27と、中和および酸化のいずれかの作用によって消臭効果を奏する第2消臭成分と一体的に使用される第2高吸収性ポリマー粒子28とを含む。吸収体21の厚さ方向において、第2高吸収性ポリマー粒子28は、第1高吸収性ポリマー粒子27と吸水性繊維26との集合体29の上方および下方のいずれかに存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、吸尿パッドや使い捨ておむつ等の体液処理用品の吸収体として使用するのに好適な吸収体に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる吸収体であって、体液に由来するアンモニアやジメチルアミン、酢酸等の臭気の発生を防止可能なものは公知である。
【0003】
たとえば、特開平4−17058号公報(P1992−17058A、特許文献1)に記載の使い捨ておむつでは、表面シートと裏面シートとの間に設けられた吸水層がアンモニア吸着能を有する吸水性有機重合体と、その重合体中に含有された塩化ベンザルコニウムおよび/またはグリコン酸クロルへキシジンとによって形成されている。アンモニア吸着能を有する吸水性有機重合体は、尿中にもともと存在するアンモニアおよび尿素の分解により発生したアンモニアを吸着するために使用されている。塩化ベンザルコニウムおよび/またはグリコン酸クロルヘキシジンは尿素を分解してアンモニアを発生させる細菌に対する殺菌剤として使用されている。
【0004】
特開2000−79159号公報(P2000−79159A、特許文献2)に記載の消臭/抗菌性吸水剤は、紙おむつや失禁パッド等に使用されるもので、吸水性樹脂と、アンモニア生産菌に対して抗菌機能を有する化合物と、アンモニアに対して中和、または中和および吸着能を有する薬剤とを含んでいる。この吸水剤は、吸収性物品において層状に形成されているパルプ等の繊維状物の間に散布された状態で使用されたり、パルプ繊維等の繊維状物と混合された状態で使用されたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平4−17058号公報(P1992−17058B)
【特許文献2】特開2000−79159号公報(P2000−79159A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1における吸水層は、吸水性有機重合体に対して、殺菌剤が水溶液の形態で添加されたり、粉末の状態で添加されたりすることによって作られる。また、特許文献2における消臭性/抗菌性吸水剤は、例えば吸水性樹脂の含水ゲルに抗菌機能を有する化合物を混練、乾燥、粉砕したものに対して、アンモニアに対して中和、または中和および吸着能を有する薬剤を水溶液、水分散液または微粉末の状態で混合することによって作られる。
【0007】
しかるに、吸水性樹脂粒子またはそれとともに使用されている消臭成分がアンモニアを吸着することによって消臭効果を奏するものである場合には、その吸水性樹脂粒子を含む吸収体の使用環境の如何によって、吸着されていたアンモニアが放出されて悪臭の原因になる場合がある。また、吸水性樹脂粒子または消臭成分は、アンモニア以外の臭気成分を吸着することによって、アンモニアに対する吸着能が低下するという場合がある。
【0008】
この発明では、そのような場合のアンモニアによって生じる臭気を低減することができるように、体液処理用品に使用される従来の吸収体に対して改良を施すことを課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するためのこの発明が対象とするのは、消臭効果を奏する高吸収性ポリマー粒子と吸水性繊維とを含む芯材の少なくとも一部分が透液性シートによって被覆されていて、互いに直交する縦方向と横方向と厚さ方向とを有し、体液処理用品に使用される吸収体である。
【0010】
この吸収体において、この発明が特徴とするところは以下のとおりである。すなわち、前記高吸収性ポリマー粒子は、吸着および包接のいずれかの作用によって前記消臭効果を奏する第1消臭成分と一体である第1高吸収性ポリマー粒子と、中和および酸化のいずれかの作用によって前記消臭効果を奏する第2消臭成分と一体である第2高吸収性ポリマー粒子とによって構成される。前記芯材において、前記第1高吸収性ポリマー粒子は、前記吸水性繊維と混合された状態にあって、前記吸水性繊維とともに第1吸収層を形成している。前記第2高吸収性ポリマー粒子は、前記厚さ方向において前記第1吸収層に重なる第2吸収層を形成している。
【0011】
この発明の実施態様の一つにおいて、前記第2高吸収性ポリマー粒子は、前記吸水性繊維と混合された状態にあって、前記吸水性繊維とともに前記第2吸収層を形成している。
【0012】
この発明の実施態様の一つにおいて、前記第1吸収層は、前記縦方向の寸法が前記横方向の寸法よりも大きく、前記第2吸収層は、前記縦方向と前記横方向とにおいて前記第1吸収層の少なくとも中央部分にあり、かつ前記縦方向の前記中央部分においては前記第1吸収層の前記横方向の寸法の少なくとも50%に相当する寸法を有している。
【0013】
この発明の実施態様の一つにおいて、前記第2消臭成分がアンモニアに対しての消臭効果を奏するものである。
【0014】
この発明の実施態様の一つにおいて、前記吸収体が前記第1吸収層の表面の一部分を被覆する不透液性シートを含み、前記厚さ方向において、前記第2吸収層が前記第1吸収層と前記不透液性シートとの間に介在している。
【0015】
この発明の実施態様の一つにおいて、前記芯材は、前記第1吸収層が上となり、前記第2吸収層が下となった状態で前記透液性シートによって全体が被覆されている。前記第2吸収層の下方には、前記透液性シートを介して第2吸収体が位置し、前記第2吸収体では前記第1高吸収性ポリマー粒子が前記吸水性繊維と混合された状態にあって、前記透液性シートと向かい合う面が第2透液性シートによって被覆されている。
【0016】
この発明において、高吸収性ポリマー粒子が消臭成分と一体的であるというときには、高吸収性ポリマー粒子が消臭成分と混合された状態、高吸収性ポリマー粒子と消臭成分とを水の存在下に反応させて消臭成分が高吸収性ポリマー粒子に結合している状態、消臭成分が高吸収性ポリマー粒子の表面に付着している状態のいずれかの状態を意味している。
【発明の効果】
【0017】
この発明に係る吸収体は、吸着および包接のいずれかの作用によってアンモニア等の臭気成分に対しての消臭効果を奏する第1消臭成分と一体的に使用される第1高吸収性ポリマー粒子と、中和および酸化のいずれかの作用によって臭気成分に対しての消臭効果を奏する第2消臭成分と一体的に使用される第2高吸収性ポリマー粒子とを含んでいる。第2高吸収性ポリマー粒子は、第1高吸収性ポリマー粒子と吸水性繊維とが形成する集合体の上方および下方のいずれかに存在していることによって、第1高吸収性ポリマー粒子と一体の第1消臭成分が吸着または包接することのできないアンモニア等の臭気成分や第1消臭成分から放出されたアンモニア等の臭気成分を中和したり酸化したりすることができる。そのことによって、この吸収体では、アンモニア等の臭気の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】吸収体を含む吸尿パッドの部分破断斜視図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】実施態様の一例を示す図2と同様な図。
【図4】実施態様の一例を示す吸尿パッドの平面図。
【図5】実施態様の一例を示す図4と同様な図。
【図6】図5のVI−VI線切断面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付の図面を参照して、この発明に係る吸収体の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0020】
図1において、吸尿パッド1はこの発明に係る吸収体21が使用されているもので、その吸収体21の上面21aを被覆する透液性の表面シート2と、吸収体21の下面21b(図2参照)を被覆する不透液性の裏面シート3とを有する。図には、そのパッド1の縦方向と横方向と厚さ方向とが双頭矢印A,B,Cで示されている。図示例のパッド1は、矩形のもので、縦方向Aの寸法Lが横方向の寸法Wよりも大きく、縦方向Aに延びる中心線Pに関して対称に作られている。パッド1の両端部6では、表面シート2と裏面シート3とが吸収体21から延出する部分において、ホットメルト接着剤7を介して接合している。また、その両端部6では、防漏堤4の端部4aがホットメルト接着剤8を介して表面シート2に接合している。防漏堤4の内側縁部9には、縦方向Aへ延びる弾性部材11が伸長状態で取り付けられている(図2を併せて参照)。
【0021】
図2は、パッド1の長さである寸法Lの中点を通るII−II線に沿った断面図である。この図において、吸収体21は、体液吸収性の芯材22と、芯材22を被覆する透液性のラッピングシート23とを有している。芯材22は、吸水性繊維26と、第1高吸収性ポリマー粒子27と、第2高吸収性ポリマー粒子28とを有している。吸水性繊維26と第1高吸収性ポリマー粒子27とは混合された状態にあって、吸収性材料の集合体29を形成している。第2高吸収性ポリマー粒子28は、その集合体29の下方にあって、集合体29とラッピングシート23との間に介在している。第2高吸収性ポリマー粒子28はまた、芯材22の横方向Bにおける中央部であって、寸法Wを有する範囲に分布している。その寸法Wは、II−II線に沿う芯材22の寸法Wの少なくとも50%に相当する長さを有している。
【0022】
図2においてはまた、吸収体21の下面21bを被覆している裏面シート3が吸収体21の上面21aにまで延びて表面シート2に重なり、ホットメルト接着剤(図示せず)を介して接合している。これら表面シート2と裏面シート3とは、ラッピングシート23に対してホットメルト接着剤(図示せず)を介して接合している。防漏堤4の内側縁部9には、スリーブ12が形成されていて、スリーブ2の内側には弾性部材11がホットメルト接着剤(図示せず)を介して伸長状態で接合している。防漏堤4のうちで、裏面シート3に重なる部分13は、ホットメルト接着剤(図示せず)を介して裏面シート3に接合している。その部分13の一部である防漏堤4の外側縁部14と裏面シート3との間には、縦方向Aへ延びる弾性部材16があって、ホットメルト接着剤(図示せず)を介して外側縁部14および/または裏面シート3に伸長状態で接合している。
【0023】
パッド1は、パンツやパッドホルダ等の着用物品とともに着用されて、図1に仮想線で示されるように縦方向Aにおいて湾曲すると、弾性部材11が収縮することによって、防漏堤4が内側縁部9とその近傍とにおいて、表面シート2上方に向かって起立して仮想線で示す防漏堤4の状態になる。なお、パッド1の弾性部材16は、パッド1の両側縁部をパッド1の着用者の脚回りまたは鼠径部(図示せず)に密着させるように作用する。
【0024】
このように形成されているパッド1の吸収体21において、吸水性繊維26には、粉砕パルプやコットン繊維等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維のステープルが単独で、または混合して使用される。吸収体21の単位面積当たりについて、吸水性繊維26の使用質量は190−330g/mであることが好ましい。
【0025】
第1高吸収性ポリマー粒子27には、アンモニアやジメチルアミン等を吸着することによってこれらの臭気を消すことができる第1消臭成分と一体になったものが使用される。そのような第1消臭成分としては、活性炭やアルミナ、ゼオライト、シクロデキストリン、銀や銅等の殺菌性金属カチオンで置換されたゼオライト等がある。第1高吸収性ポリマー粒子27は、これらの消臭成分と混合することによって消臭成分と一体になり得る。第1高吸収性ポリマー粒子27は、含水ゲルの状態でこれら消臭成分と混合して、消臭成分との一体化を図ることもできる。吸収体21の単位面積当たりについて、第1高吸収性ポリマー粒子27の使用質量は、吸水性繊維26の使用質量の10−90%であることが好ましい。ちなみに、尿中の細菌が持つウレアーゼによって尿が分解すると、アンモニア臭気が発生する。殺菌性金属カチオンは、その細菌に対する殺菌剤として作用することによって、ウレアーゼによる尿の分解を抑え、アンモニア臭気の発生を防止することができる。殺菌剤は、その水溶液を第1高吸収性ポリマー粒子27に対して噴霧することによって、第1高吸収性ポリマー粒子27との一体化を図ることができる。活性炭やアルミナは、金属カチオンと同様な殺菌作用を有する第4級アンモニウム塩化合物が表面に付着しているものであってもよい。
【0026】
第2高吸収性ポリマー粒子28は、臭気成分を中和または酸化して臭気の発生を防止する第2消臭成分と一体になって使用される。例えば、臭気成分のうちの少なくともアンモニアを中和することのできる第2消臭成分と一体になって使用される。中和のためには、強酸および炭酸いずれかの酸の無機塩が使用される。例えば、硫酸アルミニウムや硫酸アルミニウムアンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が使用される。酸化のためには、酸素添加水や二酸化塩素等の酸化剤が使用される。これらの無機塩や酸化剤は、水溶液や粉末の状態で第2高吸収性ポリマー粒子28と混合することによって第2高吸収性ポリマー粒子28との一体化を図ることができる。第2高吸収性ポリマー粒子28と消臭剤との一体化を促進するうえにおいて、第2高吸収性ポリマー粒子28は、含水ゲルの状態であってもよい。吸収体21の単位面積当たりについて、このような第2消臭成分が一体である第2高吸収性ポリマー粒子28の使用質量は、吸収体21の横方向Bの中央部において60−140g/mであることが好ましく、100−130g/mであることがより好ましい。
【0027】
吸収体21のラッピングシート23には、ティシュペーパや親水化処理したSMS(スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド)不織布等が使用される。
【0028】
表面シート2には、親水化処理した熱可塑性合成繊維で形成されている不織布や開孔プラスチックフィルム等が使用される。
【0029】
裏面シート3には、プラスチックフィルムやプラスチックフィルムと不織布とで形成された複合シート等が使用される。
【0030】
防漏堤4には、熱可塑性合成繊維、好ましくは撥水処理した熱可塑性合成繊維で形成された不織布等が使用される。
【0031】
パッド1が着用されて、表面シート2に向かって排泄された尿が吸収体21の芯材22に吸収されるときには、すでに尿中に存在していたアンモニア等の臭気成分および酵素ウレアーゼが尿に作用して生じたアンモニアが第1高吸収性ポリマー粒子27と一体の第1消臭成分によって吸着されて、また第1消臭成分がシクロデキストリン等の包接化合物であれば包接されて、臭気の発生を防止することができる。また、第1高吸収性ポリマー粒子27と一体の第1消臭成分には吸着されなかったアンモニア等の臭気成分、および第1消臭成分から放出されたアンモニア等の臭気成分は、第2高吸収性ポリマー粒子28と一体の第2消臭成分によって中和または酸化され得るので、臭気の発生原因にはなり難い。
【0032】
パッド1における吸収体21では、パッド1が使用されている環境条件の如何によって、第1消臭成分に吸着されていたアンモニア等の臭気成分が第1消臭成分から放出されることがある。しかし、その臭気成分は第2高吸収性ポリマー粒子28における第2消臭成分で中和されたり酸化されたりすることによって、臭気の発生原因になり難い。それゆえ、パッド1では、臭気の発生を防止することが容易である。
【0033】
第2高吸収性ポリマー粒子28は、図示例の如く芯材22の横方向Bにおける中央部のみに分布させることによって、吸収体21の中央部における体液吸収量が吸収体21の両側部における体液吸収量よりも多くなったり、その中央部における体液の逆流(リウエット)を防ぐことができるようになったりする。しかし、この発明では、第2高吸収性ポリマー粒子28を芯材22の横方向Bの全体に分布させることもできる。例えば、裏面シート3が通気不透液性のプラスチックフィルムで形成されていて、その裏面シート3の内側には、ラッピングシート23を介して第2高吸収性ポリマー粒子28が存在し、その第2高吸収性ポリマー粒子28が芯材22の横方向Bの全体に分布しているときには、アンモニア等の臭気が通気性である裏面シート3から漏れ出ることを防止することもできる。使用後のパッド1を廃棄するときに、裏面シート3が外側となるようにパッド1を畳んだり、丸めたりすることがあるが、そのようなときに裏面シート3からの臭気の漏れをこのようにして防止できることは衛生上の面からも好ましいことといえる。第2高吸収性ポリマー粒子28は、縦方向Aにおいて、芯材22の全長にわたって分布していることが好ましいが、芯材22の一部分にのみ分布していてもよい。
【0034】
また、図示例においては、第2高吸収性ポリマー粒子28が集合体29の下方に分布しているが、第2高吸収性ポリマー粒子28が集合体29の上方に分布する態様でこの発明を実施することもできる。ただし、第2高吸収性ポリマー粒子28が集合体29の下方に分布していることは、既述のとおり通気不透液性裏面シート3から臭気成分が漏れ出ることを防止するうえにおいて好ましい。
【0035】
図3において、吸収体21の芯材22を被覆するラッピングシート23は、図2のラッピングシート23とは異なり、芯材22の上面と側面とを被覆する透液性の第1ラッピングシート23aと、芯材22の下面を被覆する通気不透液性の第2ラッピングシート223bとを含んでいる。第2ラッピングシート23bの内側には、第2高吸収性ポリマー粒子28が分布していて、第2ラッピングシート23bからアンモニア等の臭気が漏れ出ることを防止している。
【0036】
図4は、実施態様の一例を示すパッド1の平面図である。パッド1は、図1に例示の矩形のものに代えて、図3の如く両側縁部31を湾曲させて、縦方向Aの中央部において横方向Bの寸法を特に小さくすることができる。そのような両側縁部31は、パッド1の着用者の脚回りにフィットさせることが容易である。一点鎖線は図2に例示の集合体29が分布する範囲を示し、二点鎖線は第2高吸収性ポリマー粒子28が分布する範囲を示している。
【0037】
図5,6の実施態様において、吸尿パッド1の吸収体21は幅がWである第1芯材51と幅がWである第2芯材52とを有し、透水性の第1シート23が第1芯材51を被覆し、透水性の第2シート53が第2芯材52を被覆している。第1芯材51は、図2に例示の芯材22と実質的に同じ切断面を有するものであって、吸水性繊維26と、第1高吸収性ポリマー粒子27と、第2高吸収性ポリマー粒子28とを有している。吸水性繊維26と第1高吸収性ポリマー粒子27とは、集合体29を形成している。ただし、第1芯材51の平面形状は、図2のそれと異なり、図5に示されるように砂時計型である。
【0038】
吸尿パッド1の第2芯材52は、吸水性繊維26と、第1高吸収性ポリマー粒子27とを有し、これら吸水性繊維26と第1高吸収性ポリマー粒子27とは混合された状態にあって、吸収性材料の集合体59を形成している。吸水性繊維26は、図2の集合体29におけるそれと実質的な意味において同じものであるが、集合体29におけるものと同一であるとは限らない。例えば、集合体29における吸水性繊維26には吸水性繊維のうちの粉砕パルプが使用され、図6の集合体59における吸水性繊維26には吸水性繊維のうちのレーヨン繊維が使用されるということがある。高吸収性ポリマー粒子26もまた、集合体29におけるそれと実質的の意味において同じものであるが、集合体29におけるものと同一であるとは限らない。
【0039】
図6の構造の吸収体21を有する吸尿パッド1は、図2の構造の吸収体21を有する吸尿パッド1と比べたときに、尿の吸収量を多くしたり、消臭剤の量を多くしたりすることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 吸尿パッド
21 吸収体
22 芯材
23a 通気不透液性シート
26 吸水性繊維
27 第1高吸収性ポリマー粒子
28 第2高吸収性ポリマー粒子
29 集合体
A 縦方向
B 横方向
C 厚さ方向
L 縦方向の寸法
横方向の寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消臭効果を奏する高吸収性ポリマー粒子と吸水性繊維とを含む芯材の少なくとも一部分が透液性シートによって被覆されていて、互いに直交する縦方向と横方向と厚さ方向とを有し、体液処理用品に使用される吸収体であって、
前記高吸収性ポリマー粒子は、吸着および包接のいずれかの作用によって前記消臭効果を奏する第1消臭成分と一体である第1高吸収性ポリマー粒子と、中和および酸化のいずれかの作用によって前記消臭効果を奏する第2消臭成分と一体である第2高吸収性ポリマー粒子とによって構成され、
前記芯材において、前記第1高吸収性ポリマー粒子は、前記吸水性繊維と混合された状態にあって、前記吸水性繊維とともに第1吸収層を形成し、
前記第2高吸収性ポリマー粒子は、前記厚さ方向において前記第1吸収層に重なる第2吸収層を形成していることを特徴とする前記吸収体。
【請求項2】
前記第2高吸収性ポリマー粒子は、前記吸水性繊維と混合された状態にあって、前記吸水性繊維とともに前記第2吸収層を形成している請求項1記載の吸収体。
【請求項3】
前記第1吸収層は、前記縦方向の寸法が前記横方向の寸法よりも大きく、前記第2吸収層は、前記縦方向と前記横方向とにおいて前記第1吸収層の少なくとも中央部分にあり、かつ前記縦方向の前記中央部分においては前記第1吸収層の前記横方向の寸法の少なくとも50%に相当する寸法を有している請求項1または2記載の吸収体。
【請求項4】
前記第2消臭成分がアンモニアに対しての消臭効果を奏するものである請求項1−3のいずれかに記載の吸収体。
【請求項5】
前記吸収体が前記第1吸収層の表面の一部分を被覆する不透液性シートを含み、前記厚さ方向において、前記第2吸収層が前記第1吸収層と前記不透液性シートとの間に介在している請求項1−4のいずれかに記載の吸収体。
【請求項6】
前記芯材は、前記第1吸収層が上となり、前記第2吸収層が下となった状態で前記透液性シートによって全体が被覆され、
前記第2吸収層の下方には、前記透液性シートを介して第2吸収体が位置し、前記第2吸収体では前記第1高吸収性ポリマー粒子が前記吸水性繊維と混合された状態にあって、前記透液性シートと向かい合う面が第2透液性シートによって被覆されている請求項1−4のいずれかに記載の吸収体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−99485(P2013−99485A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245994(P2011−245994)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】