説明

体腔内に導入され、体腔内に媒体を吐出し、また、超音波を遮断するための装置

哺乳動物の体腔内に媒体を導入するための装置は、哺乳動物の体腔内に挿入されるためのガイドデバイスと、このガイドデバイスの周りを覆う媒体収容デバイスとを有している。この媒体は、超音波減衰剤であり得る。この装置は、子宮筋腫を治療するのに有用であり、集束された超音波によりもたらされる体へのダメージを回避する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断並びに治療のための装置に関する。より詳細には、本発明は、人間を含む哺乳動物の体腔内に媒体を吐出するための装置に関する。特に、本発明は、哺乳動物の体腔、特に直腸内に媒体を導入並びに収容させるための装置に関する。また、本発明は、哺乳動物の体腔、特に直腸を拡張させるための装置に関する。一方、本発明は、集束式超音波療法の分野に関し、特に、本発明は、体内への超音波を遮断するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の技術には、哺乳動物の体腔内に媒体を吐出するための多くの種類のデバイスがある。一般に、これらデバイスは、幾らかの組織と一体的になって、幾らかの組織構造体により吸収される媒体、例えば造影剤を導入するように設計されている。さらに、多くの場合には、薬剤並びに栄養剤が導入される。この目的は、主に、洗浄、活性化、即ち投薬、並びに、栄養供給用の媒体を吐出することである。一般に、この種のデバイスは、媒体を保持並びに収容することができない。また、このデバイスは、媒体と動物の組織との間に遮断部材を形成する機能を有しておらず、従って、体腔が媒体によって刺激されるのを防止することができない。即ち、既存の技術の吐出デバイスでは、通常、体内に位置されるデバイスの一部が、開成若しくは半開成されているか、浸透(infiltration)構造を有している。特別な治療並びに診断において、拡張、遮断、若しくは、簡単な治療を実現するように媒体を導入するための位置付けの主目的を有するデバイスは、開示されていない。
【0003】
近年、超音波療法を用いる範囲が、ますます広くなってきている。超音波療法の開発において、特別な音響療法、例えば高強度集束式超音波療法(ダメージを与える線量)は、多くの種類の病気、例えば、結石、腫瘍等を治療するのに用いられてきた。超音波の良好な透過性並びに配向性を利用することにより、外部からの超音波は、人間若しくは人間以外の動物の体内で一点に集束される。かくして、この焦点での機械、熱、並びに穿孔効果が、病気治療のために利用される。
【0004】
高強度集束式超音波(HIFU)療法は、超音波アプリケータから射出される比較的低い平均強度のレベル(一般に、1平方センチメートル当り数ワット)の超音波を空間上の焦点に集束させて、1000W/cmを超える平均的な音響強度のレベルを有する集束領域を形成する。この結果、この集束領域の温度は、瞬時(0.1ないし5秒)に急上昇する(一般に、摂氏70度を超える)。従って、集束領域での組織は、ダメージを受け、治療が達成される。
【0005】
超音波が1つの媒体から他の媒体に透過されたとき、これら超音波の一部は、2つの媒体のインターフェースで第1の媒体へと後方に反射され(反射作用)、残りの超音波は、インターフェースを透過して、第2の媒体に透過する。しかし、この透過方向は、偏向される(屈折作用)。インターフェースでの音響反射の程度は、2つの媒体間の音響インピーダンス差によって決定される。この差が大きいと、反射が大きい(媒体の製品密度並びに音響スピードは、媒体の音響インピーダンスに参照される)。脂肪と筋肉との間の反射は小さく、一方、骨面での反射は比較的大きい。ほぼ100%の反射が、音響アプリケータと空気との間のインターフェースで生じる。反射が強いと、多くのエネルギーが蓄積され、予想外のエネルギーが開放、若しくは、焦点を越える位置にエネルギーが蓄積される。
【0006】
高強度集束式超音波の臨床使用の分野において、複雑な解剖組織上の構造並びに組織の特徴のため、また、異なる治療目的並びに治療位置のために、特殊な技術の手段が、期待通りの集束を実現しつつ、音響透過方法における非目的組織へのダメージを回避するように、超音波の透過を制御する必要がある。従って、良好な治療効果が達成され、安全な治療が確実とされ得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
高強度集束式超音波の臨床使用の研究において、多くの特有な問題がある。HIFU療法の開発傾向の1つは、多種多様な治療箇所(treatment position)に対する治療プロトコルを提供並びに改良し、従って、このような適切な治療備品が提供されることである。
【0008】
例えば、HIFU療法が子宮筋腫に適用される場合、超音波は、下腹部に透過され、焦点は、子宮の目的エリア内に位置され、音響エネルギーの多くは、この焦点に蓄積されることができる。しかし、音響エネルギーの小さな部分は、焦点を越えて前方へと更に透過される。超音波が直腸を透過するときにこの直腸内に空気がある場合、超音波は、空気と直腸壁との間で反射してしまう。従って、エネルギーは蓄積され、直腸脇の直腸壁はダメージを受け、更には、直腸壁に穴が形成されてしまう。直腸内に全く空気が無い場合、超音波は、直腸を透過することができる。超音波が脊柱に達したとき、大きな音響インピーダンス差を有するインターフェースが、骨と筋肉と神経組織との間に形成されるので、強い反射並びに吸収が、脊柱近くの面に生じ、多くのエネルギーが蓄積され、明らかな病床点が形成される。脊柱の周りには多くの神経が張り巡らされ、神経組織は、超音波並びに超音波によりもたらされるダメージに比較的敏感であることは、良く知られている。従って、治療される患者には、恐らくかなり深刻な副作用、病床点が生じられる下半身の麻痺さえもたらされかねない。
【0009】
上述されたような治療の間に、治療の安全性を改良するために、直腸内の空気を除去する方法、並びに、発散性の超音波の直腸への透過を止めさせる方法は、既存の技術に付随する課題である。
【0010】
既存の技術は、治療される対象者への超音波遮断手段、若しくは、これに関連した技術解決策を開示しておらず、また、超音波療法による子宮筋腫の治療に存在する前記課題を濃く複数方法を開示していない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明により解決される第1の課題は、哺乳動物の体腔内に媒体を導入するための装置を提供することである。この装置は、体腔内に挿入並びに収容され、また、媒体を含むことができる。この装置は、所定の形状に保持されることができ、従って、位置付け、拡張、遮断、並びに、簡単な治療の目的が、実現され得る。
【0012】
本発明により解決される第2の課題は、哺乳動物の体腔を拡張するための特別な構造を有する装置を提供することである。さらに、この装置は、特に、体腔にダメージを与えることなく哺乳動物の体腔内に可撓性の小胞を導入するのに適している。
【0013】
本発明により解決される第3の課題は、超音波を遮断するための装置を提供することである。体腔を拡張するための上記の装置の使用により、超音波が体内に集束された後の、所定の透過方法で治療される対象者へのダメージの課題を解決するように、媒体が導入される。
【0014】
上述された技術の課題を解決するために、本発明により与えられた技術的な解決策は、以下のようである。
【0015】
第1に、本発明は、哺乳動物の体腔内に媒体を導入するための装置を提供している。この装置は、(1)哺乳動物の体腔内に挿入されるための導入手段と、(2)この導入手段の外面を覆っている、媒体を収容するための収容手段とを有している。
【0016】
上述されたような導入手段は、広げられたり閉じられたりすることができる。この装置は、閉じられた状態で体腔内に挿入され、所定の形状に拡張され保持される。装置は、引き出されるときに閉じられるだろう。接続ロッド構造が、広げられたり閉じられたりするのを実現するために使用されることができる。導入手段の接続ロッド構造は、ナットとねじとを使用することができ、手動で動作されることができる。もちろん、これは、当業者により知られる押し方法により動作されることができる。しかし、押し力は、組織へのダメージを回避するように注意深く制御されるだろう。
【0017】
この装置は、媒体を吐出する手段を更に有している。この装置は、媒体を吐出する手段と一体的であっても良いし、プラグ接続により媒体を吐出する手段に接続されても良い。更に、この装置は、また、使用前に媒体を貯蔵するための媒体貯蔵手段を有することができる。この媒体貯蔵手段は、媒体を吐出する手段と一体的であり得る。例えば、貯蔵用の小胞が、単一の貯蔵メカニズムで媒体をデバイスに押圧することにより媒体を吐出させるのに使用される。
【0018】
使用の異なる目的によれば、媒体は、遮断剤、吸収剤、並びに、減衰剤から選択されることができる。
【0019】
超音波療法が、体内への超音波遮断を必要とする場合、媒体が、超音波減衰剤から選択され、ヒマシ油(free castor oil)、シリコーン油、大豆油、並びに、ピーナッツ油から選択されることができる。
【0020】
上述されたような装置は、人間を含む哺乳動物に対して使用されることができる。この装置は、要求に答えるように、例えば、直腸内の空気を除去するように、直腸内に媒体を導入して媒体を収容し、この直腸内に収容された媒体により超音波の連続的な透過を遮断するのに特に適している。
【0021】
本発明は、また、哺乳動物の体腔を拡張するための装置を提供している。接続ロッド構造を有する導入手段は、この手段が広げられたり閉じられたりするのを実現するように使用されることができる。この装置は、哺乳動物の直腸を拡張するのに特に適している。
【0022】
ナットとねじとが、広げられたり閉じられたりするのを実現するように接続ロッド構造を手動で動作させるのに使用されることができる。また、可撓性の材料で形成された小胞が、前記体腔内に導入されることができる。
【0023】
また、本発明は、超音波を遮断するための装置を提供している。この装置は、(1)哺乳動物の体腔内に挿入されるための導入手段と、(2)媒体を収容するための収容手段とを有している。この収容手段は、導入手段の外面を覆い、超音波を遮断するのに使用される。
【0024】
超音波を遮断するための装置の収容手段は、可撓性の材料で形成された小胞であり得る。前記導入手段は、広げられたり閉じられたりすることができる。この導入手段は、広げられたり閉じられたりするのを実現するように、接続ロッド構造を使用している。哺乳動物の体腔は、直腸であることが好ましい。導入手段の接続ロッド構造は、ナットとねじとを使用することができ、手動で動作されることができる。
【0025】
本発明は、哺乳動物の体腔内に媒体を導入するための斬新な装置を提供している。この装置は、通常の吐出デバイスとはかなり異なる。この装置の収容構造体は、閉じられ、位置付け、体腔の拡張、治療における保護ブロックの達成、若しくは、簡単な治療を実現するように、多種多様の媒体を収容することができる。本発明に開示されている装置は、また、他の放射線治療における遮断のために使用されることができる。
【0026】
本発明に開示されている拡張装置は、拡張を徐々に達成することができ、麻酔、腸壁の裂傷、出血、並びに、腸瘻をもたらすことなく、少ない痛みで適切かつ制御可能の十分な広がり度を有している。
【0027】
特に、本発明は、特別な超音波療法、特に子宮筋腫の治療のためのシンプルかつ効果的な補助デバイスを提供している。この装置は、患者の直腸を占めるのに超音波減衰剤を用いることができ、従って、超音波透過路の空気をなくし、焦点の後への超音波エネルギーを吸収並びに減衰する。この結果、脊柱の表面に病変点がもたらされることは、回避される。本発明は、子宮筋腫に適用される高強度集束式超音波療法の課題を解決し、患者への安全なHIFU療法を確実にする。従って、非外傷若しくは非侵襲式の治療が実現可能であり、患者の治療費用は、大きく減じられることができ、治療時間は、短縮されることができ、また、痛みが、減じられることができる。従って、この装置は、十分な社会的利益をもたらす。
【0028】
本発明の要約の後に、本発明の目的並びに特徴は、当業者により、以下の詳細な説明と添付図面とを参照して良く理解されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明を良く理解するために、図1は、体内への超音波遮断装置を用いることなく子宮筋腫に適用される既存の高強度集束式超音波療法(high-intensity focused ultrasound therapy)を示している。超音波源10が、子宮17の目的エリアに集束される超音波を発生する。この結果、焦点12が、形成される。直腸14内に全く空気がない場合、焦点を透過した超音波は、超音波の透過路16に沿って進み続け、脊柱18の表面で反射し、病変点(lesion point)20が、形成される。この既存の技術と比較して、本発明に開示されている装置の使用により、直腸内の空気を除去するための、並びに、予想外の病変点を除去するための技術的な解決策が、以下に詳細に説明される。
【0030】
図2は、患者の直腸内に超音波遮断剤(blocker)を導入するための本発明の装置を示している。この装置は、(1)哺乳動物の体腔内に挿入されるための導入(lead-in)手段と、(2)媒体を収容するための収容手段とを有し、この収容手段は、導入手段の外面を覆い、超音波を遮断するのに使用される。
【0031】
図2並びに3は、一実施形態の導入手段の構造と動作とを示している。拡張アーム26,28が、回動軸30,32により、拡張ロッド34,36にそれぞれ接続されている。これら拡張アーム26,28は、また、回動軸40,42により、固定具44に接続されている。拡張ロッド34,36の他端部は、回動軸38により、拡張リンク56に接続されている。この固定具44は、剛性の接続体によりハンドル54に接続されている。この固定具44の先端部は、雄ねじを有している。押し部材50が、固定具44の雄ねじに係合する雌ねじを有している。この押し部材50は、固定具44の雄ねじに沿って回転されると、固定具44に対して移動することができる。この移動の限度は、前記係合するねじの長さによって決定されている。押し部材50の先端部は、閉成され、ルーメン52を有している。このルーメン中には、移動ブロック48が収容されている。この移動ブロック48とルーメン52との間には、押し部材50の回転により移動ブロック48が回転し得ないように、ギャップが形成されている。固定具44に対する押し部材50の移動により、移動ブロック48は、前方(図の左方向)、若しくは、後方(図の右方向)へと軸方向に移動される。移動ブロック48は、しっかりとした接続により、前記拡張リンク56に接続されている。従って、この拡張リンク56は、固定具44に沿って軸方向に移動されることができる。この結果、拡張リンク56は、拡張ロッド34,36を相対的に広げさせ、これに応じて、拡張アーム26,28を広げさせるように、前方(図の左方向)に移動する。また、拡張リンク56は、拡張ロッド34,36を相対的に閉成させ、これに応じて、拡張アーム26,28を閉じさせるように、後方に移動する。固定具44に対する押し部材50の移動量は、拡張アーム26,28の広がり度を制御することができる。広げられたり閉じられたりする機能を有する4つのバーのリンク機構(four-bar linkages)を応用した導入手段は、以上のように説明される。
【0032】
閉じた状態において、前記導入手段は、シャトル形状であり、これの前端部は、段階的な方法で治療される患者の直腸内に挿入され得るように閉成されている。この導入手段の挿入部分の材料は、ポリマー材料から選択されることが好ましい。特に、導入手段が、超音波療法に適用されるとき、体内での超音波の不適切な反射若しくは集束は、回避されるべきである。この装置が他の目的のために使用される場合、装置の材料は、他の目的に応じて選択されるだろう。
【0033】
前記収容手段24は、前記拡張アーム26,28と固定具44とを覆っている。この収容手段24の先端部は、前記ハンドル54近くで固定具44に固定されている。また、収容手段24は、しっかりとした接続により、導入手段と一体的であり得る。従って、この一体的なデバイスは、使い捨て用の一体デバイスであることが好ましい。また、収容手段は、使用の直前に導入手段に固定されることができる。かくして、収容手段のみが使い捨てであり、一方、導入手段は、何度も使用されることができ、従って、コストは減じられる。固定方法は、ストリップで結合すること、接着テープで固定すること、若しくは、収容手段自身の可撓性のフランジインターフェースを導入手段の対応した溝部中に位置させることを有する多くの選択肢を含んでいる。
【0034】
前記収容手段は、可撓性の材料で形成されている。この収容手段の表面は、体腔の壁部と接触する。この収容手段は、治療若しくは検査中の短時間にのみ使用される。従って、収容手段の材料は、適切な生体適合性を有するだろう。特殊な必要性に応じて、幾らかの平滑剤、若しくは、カップリング剤が、デバイスが体内に容易に挿入され得るように、また、デバイスが体腔の壁部に良好に接触し得るように、収容手段の表面に塗布されることができる。収容手段の材料は、可撓性の材料から選択されることが好ましい。可撓性の材料で形成された小胞(vesicle)は、導入手段を密に覆うのに比較的適しているので、この小胞は、導入手段により体腔内に容易に移動される。実施形態において、この収容手段は、適切な形状を有するラテックスの小胞である。
【0035】
前記導入手段と収容手段とは、体腔の異なるディメンションに適応して、治療される様々な対象者(subjects)に使用されるように、異なるディメンションにそれぞれ設計されることができる。例えば、直腸内に位置される様々な装置のディメンションは、身長に応じて選択される。一般に、直腸内に位置される導入手段の長さは、100mmないし160mmであり、拡張幅は、50mmないし150mmである。
【0036】
操作者は、拡張アーム26,28の閉じた状態においてハンドル54を把持し、患者の直腸内に導入手段を軽く押すことができる。押し部材50を回転させることにより、拡張アーム26,28を広げる。この広がり度は、制御されることができる。
【0037】
前記拡張リンク56内にはルーメンが形成され、このルーメン近くの前端部には少なくとも1つの媒体用の出口64が形成されている。また、前記移動ブロック48と押し部材50との両方は、ホールを有している。これらホールは、媒体通路66を形成している。この媒体通路66は、ホース60に接続されている。このホース60の他端部は、注入並びに貯蔵手段62に接続されている。
【0038】
前記注入並びに貯蔵手段62は、図によって示されているように射出手段の構造であり得る。プランジャーを押すことにより、媒体は、ホース60から、媒体注入用の出口58、媒体通路66、拡張ロッド56のルーメンへ、さらに、拡張リンクのルーメンの端部のところの媒体用の出口64から収容手段24中に吐出される。直腸内への媒体の充填と直腸の拡張とは、注入される媒体の総量を制御するか、Bモードスキャナーで観察することにより制御されることができる。
【0039】
図3に示されているように、前記拡張アーム26,28は、拡張状態を保持し、これに応じて、直腸がラケット形状にされる。収容手段24が媒体で充填されても、直腸の対応する位置は、比較的平坦に維持される。直腸の平坦な部分は、超音波減衰媒体で充填され、この結果、直腸内の空隙は、検討された問題を解決するように媒体に占められる。一方、平坦形状の直腸は、治療の焦点の後への連続的な超音波透過に対するブロックになることができ、超音波減衰媒体は、超音波エネルギーを吸収し、従って、図1に示されているような脊柱の表面への病床点は、除去されることができる。
【0040】
本発明に使用される超音波減衰媒体は、使用中の収容手段の破損による患者への危害が防止され得るように、生体適合性を有するだろう。油が、理想的な超音波減衰剤である。本発明に使用される超音波減衰剤は、ヒマシ油、シリコーン油、大豆油、並びに、ピーナッツ油を含むが、これらに限定されることはない。低コストのヒマシ油が、本発明に選択されることが好ましい。
【0041】
本発明のシンプルな機械構造は、他の既存の技術により、容易に変更もしくは代用される。当業者は、上述されたような実施形態の多くの変更並びに改良を容易に果たし、又は、これを他の分野に適用することができる。本発明は、全ての種類の実施形態並びに適用例を含んでいる。本発明は、好ましい実施形態に従って説明されているが、本発明の範囲は、本発明の添付の請求項以外により限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】子宮筋腫に対して適用される高強度集束式超音波療法を示している図である。
【図2】本発明に従った装置の閉じられた状態を示している図である。
【図3】図2に示されている本発明に従った装置の広げられた状態を示している図である。
【図4】本発明に従った装置のハンドルの拡大図である。
【符号の説明】
【0043】
10…超音波源、12…焦点、14…直腸、16…焦点の後の超音波透過路、17…子宮、18…脊柱、20…病変点、24…収容手段、26,28…拡張アーム、30,32…回動軸、34,36…拡張ロッド、38…回動軸、40,42…回動軸、44…固定具、46…シール、48…移動ブロック、50…押し部材、52…ルーメン、54…ハンドル、56…拡張リンク、58…媒体注入ポート、60…ホース、62…注入並びに貯蔵手段、64…拡張リンクのルーメンの媒体出口、66…媒体通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の体腔内に媒体を吐出するための装置であって、
(1)前記体腔内に挿入されるための導入手段と、
(2)この導入手段の外面を覆っている、前記媒体を収容するための収容手段とを具備し、
前記導入手段は、広げられたり閉じられたりすることが可能である装置。
【請求項2】
前記収容手段は、可撓性の材料で形成された小胞である請求項1の装置。
【請求項3】
前記導入手段は、前記広げられたり閉じられたりするのを実現するように、接続ロッド構造を使用している請求項2の装置。
【請求項4】
前記導入手段の接続ロッド構造は、ナットとねじとを使用し、手動で動作される請求項3の装置。
【請求項5】
媒体を吐出する手段を更に具備している請求項4の装置。
【請求項6】
前記導入手段は、広げられているときに、導入手段の外面を覆った前記収容手段をラケット形状にさせることが可能である請求項5の装置。
【請求項7】
使用前の前記媒体を貯蔵するための媒体貯蔵手段を更に具備している請求項6の装置。
【請求項8】
前記媒体は、遮断剤、吸収剤、並びに、超音波減衰剤からなるグループから選択されることが可能である請求項6の装置。
【請求項9】
前記超音波減衰剤は、ヒマシ油、シリコーン油、大豆油、並びに、ピーナッツ油からなるグループから選択されている請求項8の装置。
【請求項10】
前記哺乳動物の体腔は、直腸である請求項9の装置。
【請求項11】
前記可撓性の材料で形成された小胞は、ラテックスの小胞である請求項2ないし10のいずれか1の装置。
【請求項12】
哺乳動物の体腔を拡張させるための装置であって、接続ロッド構造を有する導入手段が、広げられたり閉じられたりするのを実現するのに使用されている装置。
【請求項13】
ナットとねじとが、前記広げられたり閉じられたりするのを実現するように、前記接続ロッド構造を手動で動作させるのに使用されている請求項12の装置。
【請求項14】
閉じられた状態で収容手段を前記体腔内に導入し、前記導入手段の広げられた状態を利用してこの収容手段を所定の形状にさせるのに使用される請求項13の装置。
【請求項15】
前記広げられた状態における前記収容手段の形状は、ラケット形状である請求項14の装置。
【請求項16】
(1)広げられたり閉じられたりすることが可能である、哺乳動物の直腸内に挿入されるための導入手段と、
(2)可撓性の材料で形成された、超音波減衰媒体を収容するための収容手段とを具備し、この収容手段は、前記導入手段の外面を覆っている、超音波療法に用いられる超音波遮断装置。
【請求項17】
前記導入手段は、前記広げられたり閉じられたりするのを実現するように、接続ロッド構造を使用している請求項16の装置。
【請求項18】
前記導入手段の接続ロッド構造は、手動動作用のナットとねじとを使用している請求項17の装置。
【請求項19】
高強度超音波療法を受ける患者に保護を与える方法であって、導入手段と収容手段とを有する超音波遮断装置を直腸内に導入する工程と、前記導入手段の外面を覆った収容手段に超音波減衰媒体を収容させる工程とを具備する方法。
【請求項20】
前記導入手段を拡張させる工程と、前記収容手段をラケット形状にする工程とをさらに具備する請求項19の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−528140(P2008−528140A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552491(P2007−552491)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【国際出願番号】PCT/CN2005/001368
【国際公開番号】WO2006/079267
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(507232087)チョンチン・ハイフ(エイチアイエフユー)・テクノロジー・カンパニー・リミテッド (11)
【Fターム(参考)】