説明

体重減少の達成および肥満症の治療のための漸増用量投与計画(ESCALATINGDOSINGREGIMEN)

本発明は、例えば、肥満症、ならびに肥満症自体と関連し、および/またはこれに起因する状態を含む関連状態の治療において体重減少を達成するための、新規なトピラメート組成物および方法に向けられている。本発明は、肥満症および関連状態の治療において、トピラメートおよび任意にフェンテルミンまたはブプロピオンなどの交感神経刺激薬の投与に適した漸増用量投与計画(escalating dosing regimen)を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本願は、2008年6月9日に出願された米国特許出願第12/135,953号の一部継続出願であって、その開示は参照することによって援用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
小児および成人の両方における肥満症の有病率は、先進国、特に米国のみならず、中国およびインドなどの多くの発展途上国においても上昇している。膝および足首関節悪化などの身体的問題から、自尊心に関わる問題および体重が重い人々に対する社会の態度に起因する情緒的問題に至るまで、人々の生活の多くの側面が肥満症によって影響されている。肥満症に起因する医学的問題は重篤なものとなり得、しばしば生命を脅かし、糖尿病、息切れならびに喘息および肺高血圧症などの他の呼吸器疾患、胆嚢疾患、脂質異常症(例えば、高コレステロールまたは高濃度のトリグリセリド)および脂質異常症の高血圧症、骨関節炎および他の整形外科的障害、逆流性食道炎(胸やけ)、いびき、睡眠時無呼吸、月経不順、不妊症、妊娠と関連する障害、痛風、冠動脈疾患および他の心臓疾患などの心血管障害、筋ジストロフィー、ならびに低αリポタンパク血症、家族性複合型高脂血症、およびインスリン抵抗性シンドロームXを含むシンドロームXなどの代謝障害を含む。さらに、肥満症は特定の癌、特に結腸癌、直腸癌、前立腺癌、乳癌、子宮癌、および子宮頸癌の発生率上昇と関連する。
【0003】
肥満症は、高血圧症、脂質異常症、II型糖尿病、冠動脈心疾患、脳卒中、胆嚢疾患、骨関節炎ならびに子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、および大腸癌による罹患率のリスクを実質的に増加する。より重い体重は、全死因死亡率の増加とも関連する。これらの問題の多くは、罹患した個人が持続的に有意な体重減少を経験すれば軽減または改善される。これらの個人の体重減少は、寿命の有意な増加を促進することもできる。
【0004】
肥満症および関連疾患を治療する戦略は、食事制限、身体活動の増加、薬理学的方法、および外科手術さえ含まれ、その選択は、少なくとも部分的に、個人が達成しようと試みている体重減少の程度のみならず、該対象が示している肥満症の重症度に依存する。例えば、低カロリー、低脂肪食および/または定期的な運動などの治療方法は、ほんの少し過体重である個人にはしばしば適切である。しかしながら、食事および行動修正を通じて長期間の体重減少を維持する困難のため、他の治療手段、特に薬物療法に対する関心が高まっている。
【0005】
伝統的な薬理学的介入は、典型的には5〜15キログラムの間の体重減少を誘導する;薬物療法を中断すると、体重増加の再発がしばしば結果として起こる。外科治療は比較的成功しており、極度の肥満症および/または重篤な医学的合併症を有する患者向けである。
【0006】
上記治療は、カフェイン、エフェドリンならびにフェニルプロパノールアミン(アキュトリム(Acutrim(登録商標))、およびデクサトリム(Dexatrim(登録商標)))を含む店頭販売の食欲抑制剤の制御された使用によって増強されうる。さらに、アンフェタミン、ジエチルプロピオン(テヌエイト(Tenuate(登録商標)))、マジンドール(マザノール(Mazanor(登録商標))、およびサノレックス(Sanorex(登録商標)))、フェンテルミン(ファスティン(Fastin(登録商標))、およびイオナミン(Ionamin(登録商標)))、フェンメトラジン(プレルジン(Preludin(登録商標)))、フェンジメトラジン(ボントロール(Bontrol(登録商標))、プレギン(Plegine(登録商標))、アジポスト(Adipost(登録商標))、ジタール(Dital(登録商標))、ジレキサン(Dyrexan(登録商標))、メルフィアト(Melfiat(登録商標))、プレル−2(Prelu−2(登録商標))、およびレキシゲン・フォルテ(Rexigen Forte(登録商標)))、ベンズフェタミン(ジドレックス(Didrex(登録商標)))ならびにフルオキセチン(プロザック(Prozac(登録商標)))を含む処方薬が、重篤に過体重および/または肥満の対象または患者の治療にしばしば用いられる。
【0007】
社会は医薬品の分野において大幅な進歩を見ている一方、いかなる医薬品であっても、もちろん、投与することの弱点がある。時には、不利益、または「副作用」が非常に重篤であるため、特定の薬剤を治療上の有効量にて投与することが妨げられる。さらに、同一の治療分類(therapeutic class)にある多くの薬剤は類似の副作用特性を示すが、これは、患者は治療を控えるか、または選択した薬物療法と関連するさまざまな程度の副作用に苦しまなければならないことを意味する。
【0008】
本発明は、トピラメートを単独、または投与される薬剤の一方または両方と関連する副作用を直接的または間接的に減少させる第二の治療薬と組み合わせて投与するための漸増用量投与計画(escalating dosing regimen)に向けられている。「間接的に」副作用を減少させるとは、第二の治療薬が第一の医薬品を、治療効果を損なうことなく低用量で投与されることを可能にし、それゆえ用量依存性の望ましくない作用がないことを意味する。
【0009】
トピラメート(2,3,4,5−ビス−O−(1−メチルエチリデン)−β−D−フルクトピラノーススルファメート)は、特定の発作性疾患の治療用および片頭痛の予防用にFDAおよび多くの他の国々の規制当局によって認可された広範囲の神経治療薬である。E. Faught et al. (1996) Neurology 46:1684-90; Karim et al. (1995) Epilepsia 36 (S4):33; S. K. Sachdeo et al. (1995) Epilepsia 36(S4):33; T. A. Glauser (1999) Epilepsia 40 (S5):S71-80; R. C. Sachdeo (1998) Clin. Pharmacokinet. 34:335-346)。トピラメートは糖尿病(米国特許第7,109,174号および第6,362,220号)、神経障害(米国特許第6,908,902号)、うつ病(米国特許第6,627,653号)、精神病(米国特許第6,620,819号)、頭痛(米国特許第6,319,903号)ならびに高血圧症(米国特許第6,201,010号)の治療に有効であるという証拠もある。しかしながら、ヒトにおいて、トピラメートの使用と関連する有害作用、例えば認知低下および言葉が見つけにくくなるなどの有害作用があり、このことは多くの肥満患者がこの薬物を摂取する妨げとなりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それゆえ、既知の治療薬および組成物の治療効果が改善される、肥満症および関連状態を治療するためのさらなる方法および組成物の開発に大きな関心がある。さらに、投与される個々の活性薬剤の用量を減少し、かつ、他の活性薬剤(active agent or agents)の1つ以上の副作用を軽減するために、2つ以上の活性薬剤が組み合わせて投与される併用療法が利用されてよい。肥満症および肥満症に起因し、またはこれと関連する状態の発生率が拡大しているため、毒性の減少、副作用の減少および有効な治療をもたらす併用療法を含む、肥満症および/または関連状態の治療のための有効な方法が差し迫って必要である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概略
本発明は、体重減少を達成し、肥満症を治療し、かつ、過剰体重もしくは肥満症に起因し、またはこれらと関連する状態を治療するための新規なトピラメート組成物および方法を提供する。該組成物は単一活性薬剤としてトピラメートを含有してよいが、より典型的には、少なくとも1つの交感神経刺激薬と組み合わせてトピラメートを含有する。用語「交感神経刺激薬(sympathomimetic agent)」は専門用語であり、交感神経系の刺激を模倣または変化する薬剤または化合物を指す。代表的な交感神経刺激薬は、フェンテルミンおよびブプロピオンを含む。好ましくは、該トピラメートおよび該交感神経刺激薬は単一剤形に含有され、該交感神経刺激薬の即時放出、ならびに該トピラメートの制御放出、例えば、持続放出、遅延放出、または持続放出および遅延放出の両方を提供する。
【0012】
本発明の別の態様では、トピラメートの有効量、微結晶セルロース、およびメチルセルロースから成る制御放出トピラメート組成物が提供される。該組成物は、該トピラメートの持続放出を提供するであろう。例えば、ビーズまたは錠剤の形態にある該組成物は、エチルセルロース、またはポリビニルピロリドンなどでコーティングされていてよく、該トピラメートの遅延放出をさらに提供してよい。必ずというわけではないが、好ましくは、交感神経刺激薬が含まれ、存在する場合には、好ましくは即時放出型である。
【0013】
本発明は、トピラメートを単独または交感神経刺激薬と組み合わせて投与するための漸増用量投与計画(escalating dosing regimen)を特徴とし、該投与計画は体重減少を達成する方法、例えば、肥満症、過体重、もしくは肥満症と関連する状態を治療するための方法と関連し、または代替方法、例えば、てんかんを治療する方法、もしくは衝動制御障害を治療する方法などと関連する。該方法は上記のトピラメート組成物の投与を含み、該トピラメートは必ずというわけではないが一般的に、制御放出組成物にて、および/または交感神経刺激薬と組み合わせて投与される。該漸増用量投与計画(escalating dosing regimen)は、特定の期間、初回の1日投与量を個人に投与し、様々な指定の時点で該投与量を徐々に増加させることを含む。
【0014】
本発明は、トピラメート、任意に交感神経刺激薬、および、該活性薬剤を投与、例えば、自己投与するための説明書を含むパッケージ化された医薬製剤も提供する。一般的に、投与用の該説明書は漸増用量投与計画(escalating dosing regimen)への言及を含み、より低い1日投与量のトピラメートが初めに投与され、その後、様々な指定の時点で徐々に増加する投与計画への言及を含む。理想的には、少なくとも4週間の推奨投与量を明記する用量設定カード(titration card)が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、正常な肥満対象における本発明の制御放出トピラメート対トピラメート(トパマックス(Topamax(登録商標)))の血漿濃度の概要を提供する。
【0016】
【図2】図2は、制御放出トピラメートと組み合わせてフェンテルミンを投与された対象、および即時放出トピラメート(トパマックス(Topamax(登録商標)))と組み合わせてフェンテルミンを投与された対象について、平均血漿フェンテルミン濃度対時間を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な記載
定義および命名法:
本明細書および添付の特許請求の範囲にて用いられている単数形「a」、「an」および「the」は、文脈においてはっきりと別段の指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。それゆえ、例えば、「活性薬剤(an active agent)」は単一の活性薬剤のみならず、2つ以上の異なる活性薬剤の組み合わせも指し、「剤形(a dosage form)」は単一剤形のみならず剤形の組み合わせをも指す、などである。
【0018】
別段の定義がない限り、本明細書で用いられている全ての専門用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されている意味を有する。本発明の記載に特に重要な特定の専門用語は、下記で定義する。
【0019】
活性薬剤のことを言う場合、出願人は用語「活性薬剤」について、指定された分子実体(molecular entity)のみならず、下記で論じるような塩、エステル、アミド、プロドラッグ、抱合体、活性代謝物、ならびに他の同様の誘導体、類似体、および関連化合物を含みこれらに限定されない、その医薬的に許容され、薬理活性のある類似体をも包含することを意図する。それゆえ、例えば、「フェンテルミン」または「ブプロピオン」への言及は、フェンテルミンおよびブプロピオン自体のみならず、フェンテルミンおよびブプロピオンの塩および他の誘導体、例えば、それぞれフェンテルミン塩酸塩およびブプロピオン塩酸塩をも包含する。量または用量が特定されている場合、その量または用量は活性薬剤自体の量または用量を指すのであって、塩などを指すのではないと理解されるべきである。例えば、フェンテルミンの用量または量が7.5mgであると示されている場合、それは9.84のフェンテルミン塩酸塩に相当し、7.5のフェンテルミン塩酸塩ではないであろう。
【0020】
本明細書で用いられている用語「治療すること」および「治療」は、症状の重症度および/または頻度の減少、症状および/または根本原因の除去、ならびに損傷の改善または修復を指す。特定の態様では、本明細書で用いられている用語「治療すること」および「治療」は、症状の発生の予防を指す。他の態様では、本明細書で用いられている用語「治療すること」および「治療」は、肥満症、過剰体重、および/または関連状態と関連する症状の根本原因の予防を指す。語句「対象に投与すること」は、当該技術分野で認識された導入方法を用いて、該対象(例えば、ヒトまたは他の哺乳類対象)に本発明の組成物または剤形を導入するプロセスを指す。
【0021】
用語「有効量」および「治療上の有効量」は、対象または患者(例えば、ヒト対象または患者)に投与した場合に、無毒で、かつ、いくらかの所望の治療効果を生ずるのに有効な本発明の薬剤、化合物、薬物、組成物または組み合わせの量を指す。
【0022】
用語「剤形」は、単回投与で治療効果を達成するのに十分な量の活性薬剤を含有する医薬組成物のいずれかの形態を意味する。製剤が錠剤またはカプセル剤である場合、該剤形は通常、そのような錠剤またはカプセル剤の1つである。過剰投与することなく最も有効な結果を効果的に提供するであろう投与の頻度は、薬理学的特性および親水性などの物理的特性の両方を含む特定の活性薬剤の特性によって変動するであろう。
【0023】
用語「制御放出」は、薬物の放出が即時的ではない薬物含有製剤またはその一部分(fraction)を指す、すなわち、「制御放出」製剤は、投与が吸収プールへの薬物の即時放出をもたらさないことを指す。該用語は、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed. (Easton, PA: Mack Publishing Company, 1995)」に定義されている「非即時放出」と互換的に用いられる。通常は、本明細書で用いられている用語「制御放出」は、持続放出、調節(modified)放出および遅延放出製剤を含む。
【0024】
用語「持続放出(sustained release)」(「持続放出(extended release)」と同義である)はその従来の意味で用いられ、長期にわたって薬物のゆっくりとした放出を提供し、必ずというわけではないが、好ましくは、長期にわたって実質的に一定の薬物の血中濃度をもたらす薬物製剤を指す。用語「遅延放出」もその従来の意味で用いられ、患者への投与後、薬物が製剤から患者の体へ放出される前に、測定可能な時間遅延を提供する薬物製剤を指す。
【0025】
「医薬的に許容される」は、生物学的または他の点で所望でないものではない物質を意味する、すなわち、患者に投与される医薬組成物に組み込まれてよいが、いずれかの所望でない生物学的効果をもたらすことなく、または該物質が含有される該組成物の他の成分のいずれかと有害な様式にて相互作用することのない物質を意味する。用語「医薬的に許容される」が医薬担体または賦形剤を指すのに用いられている場合、該担体または賦形剤が毒性および製造テストの必要な基準を満たすことを意味するか、または米国食品医薬品局が作成した不活性成分ガイド(Inactive Ingredient Guide)に含まれていることを意味する。「薬理活性のある」(または「活性のある」)誘導体または類似体などで用いられている「薬理活性のある」(または単に「活性のある」)は、親化合物と同種の薬理学的活性をほぼ同程度有する誘導体または類似体を指す。用語「医薬的に許容される塩」は、例えば塩酸もしくはリン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、もしくはマンデル酸などの有機酸で形成される酸付加塩を含む。遊離カルボキシル基で形成される塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または水酸化第二鉄などの無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、またはプロカインなどの有機塩基に由来してもよい。
【0026】
本明細書で用いられている「対象」、「個人」または「患者」は、治療が必要ないずれかの対象を指し、一般的には本発明に従って行われる治療を受ける者を指す。該対象はいずれかの脊椎動物であってよいが、典型的には哺乳類であろう。哺乳類である場合、該対象は多くの実施態様においてヒトであろうが、家畜、実験対象動物またはペット動物であってもよい。
【0027】
別段の定義がない限り、本明細書で用いられている全ての専門用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されているものと同一の意味を有する。本発明の実行またはテストにおいて、本明細書に記載されているものと類似または均等ないずれかの方法および物質が用いられてもよいが、好ましい方法および物質は以下で記載されている。本明細書で言及している全ての出版物は、該出版物が関連するものとして引用されている方法および/または物質を開示および記載して言及することによって本明細書に援用される。
【0028】
値の範囲が提供されている場合、文脈においてはっきりと別段の指示がない限り下限値の単位の10分の1まで(to the tenth of the unit of the lower limit)、その範囲の上限値および下限値の間のそれぞれ中間の値、およびその表示の範囲のいずれかの他の表示のまたは中間の値は、本発明の範囲内に包含されると理解される。これらのより小さな範囲の上限値および下限値は、独立してより小さな範囲に含まれてよく、本発明の範囲内にも包含され、表示の範囲のいずれかの具体的に除外された境界に従う。表示の範囲が境界の一方または両方を含む場合、それらの含まれた境界の一方または両方を除外する範囲も本発明に含まれる。
【0029】
別段の定義がない限り、本明細書で用いられている全ての専門用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されているものと同一の意味を有する。本発明の実行またはテストにおいて、本明細書に記載されているものと類似または均等ないずれかの方法および物質が用いられてもよいが、好ましい方法および物質は以下で記載されている。
【0030】
本明細書で論じる出版物は、単に本出願の出願日前のそれらの開示のために提供される。本発明が先行発明によって該出版物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるものは本明細書にはない。さらに、提供された公開日は、独立に確認する必要がありうる実際の公開日と異なりうる。
【0031】
本発明の方法および製剤:
本発明は、体重減少を達成し、かつ、肥満症、過剰体重または肥満症と関連する状態、糖尿病(肥満症と関連しているかどうかに関わらず)、ならびに以下で説明するような他の状態および障害を治療するための新規な方法および組成物を提供する。米国疾病対策センターによると、過体重(該用語は本明細書で用語「過剰体重」と同義的に用いられている)であることの臨床的定義は、25.0〜29.9kg/mの間のボディー・マス・インデックス(BMI)を有していることである;BMIは、個人の体重(キログラム)と身長(メートル)を掛け合わせることによって計算される。CDCは肥満症を30以上のBMIを有するもの定義している。1つの実施態様では、本発明は体重減少を達成し、かつ、過体重、肥満症、ならびに過剰体重および肥満症と関連する状態を治療する方法を提供し、交感神経刺激薬フェンテルミンおよび抗痙攣剤トピラメートの組み合わせの投与を含む。
【0032】
トピラメートは、米国において商品名トパマックス(Topamax(登録商標))(オルト−マクニール・ファーマシューティカル社、ラリタン、ニュージャージー州、米国)で販売されている抗痙攣性のスルファメート化合物である。トピラメートは、部分発作(partial onset seizures)または原発性全身性強直間代発作を患う患者用のアジュバント療法の抗てんかん薬としての使用のため、および片頭痛の予防のために認可された。医師用卓上参考書(Physician's Desk Reference), 56th ed. (2002)を参照のこと;マリアノフ(Maryanoff)らに付与された米国特許第4,513,006号およびアルマルッソー(Almarssoo)らに付与された米国特許第7,351,695号も参照のこと。
【0033】
「トピラメート」は一般的に、化学名2,3,4,5−ビス−O−(1−メチルエチリデン)−β−D−フルクトピラノーススルファメートおよび分子式C1221NOSを有するスルファメート置換単糖を指す。該化合物の構造は式(I)によって表される。
【化1】

(I)
本明細書で用いられている用語「トピラメート」は、2,3,4,5−ビス−(O)−(1−メチルエチリデン)−β−D−フルクトピラノーススルファメートのみならず、個々のエナンチオマー、個々のジアステレオマー、またはその混合物を包含する。本明細書で用いられている用語「トピラメート」は、トピラメート塩のみならず、多形、溶媒和物(水和物および混合溶媒和物、ならびに塩の水和物を含む)、共結晶(例えば、他の化合物または他の形態のトピラメートとの共結晶)、非晶質、ならびに式(I)の化合物の無水物形態をも包含する。該化合物がスルファミン酸誘導体であるという事実から分かるように、本発明と関連して有用なトピラメート塩は、医薬的に許容される塩基付加塩である。該塩は、式(I)の化合物のスルファミン酸基と結合する医薬的に許容されるカチオンを提供する塩基から製造される。適切な医薬的に許容されるカチオンは有機および無機カチオンの両方を含み、ナトリウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛、プロカイン、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、ベネタミン、クレミゾール、ジエチルアミン、ピペラジン、トロメタミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、トリブチルアミン、2−アミノ−2−ペンチルプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ベンジルアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、バリウムまたはビスマス対イオン(barium or bismuth counter ions)を含み、これらに限定されない。特に好ましいカチオンはナトリウム、リチウム、およびカリウムである。上記で参照した他の形態のトピラメートは、当該技術分野で周知の方法を用いて製造されてよい;例えば、米国特許第7,351,695号を参照のこと。本発明の方法は、トピラメートの単独または、より好ましくは、交感神経刺激薬と組み合わせた投与のための投与計画を含む。特定の態様では、本発明は、例えば、ブプロピオンまたはフェンテルミンと組み合わせたトピラメートを含む医薬組成物の投与のための投与計画を提供する。
【0034】
漸増用量投与計画(escalating dosage regimen)に向けられている本発明の1つの実施態様では、投与戦略(dosing strategy)は、一定期間、より低量のトピラメートの1日投与量を、単独または交感神経刺激薬と組み合わせて患者に投与し、次いで該投与量を様々な指定の時点で徐々に増加させることを含む。
【0035】
例えば、過体重または肥満の患者、および過剰体重または肥満症と関連し、またはこれらに起因する状態に苦しみうる患者を治療する場合、該患者は1週間、15mg/日〜30mg/日、例えば、23mg/日の投与量のトピラメートを摂取する。次いで、該患者は第二週の間、35mg/日〜55mg/日、例えば、46mg/日の投与量のトピラメートを摂取する。その後、該患者は第三週の間、60mg/日〜80mg/日、例えば、69mg/日の投与量のトピラメートを摂取し、次いで第四週の間、85mg〜125mg/日、例えば、92mg/日の最終投与量のトピラメートを摂取する。
【0036】
別の例では、肥満症および/または関連状態について患者を治療する場合、該患者は1週間、15mg/日〜30mg/日、例えば、23mg/日の投与量のトピラメートを、3.75mg/日の投与量のフェンテルミンと組み合わせて摂取する。次いで該患者は、第二週の間、35mg/日〜55mg/日、例えば、46mg/日の投与量のトピラメートを、7.5mg/日の投与量のフェンテルミンと組み合わせて摂取する。その後、該患者は、第三週の間、60mg/日〜80mg/日、例えば、69mg/日の投与量のトピラメートを、11.25mg/日の投与量のフェンテルミンと組み合わせて摂取し、次いで第四週の間、85mg〜125mg/日、例えば、92mg/日の最終投与量のトピラメートを、15mg/日の投与量のフェンテルミンと組み合わせて摂取する。
【0037】
第四週の投与後、トピラメート単独またはフェンテルミンと組み合わせたトピラメートのさらなる投与を、無期限に、またはより典型的には、症状の十分な減少が達成されるまで継続する。特定の態様では、92mg/日の最終用量のトピラメートを、単独または15mg/日の投与量のフェンテルミンと組み合わせて、無期限または症状の十分な減少が達成されるまで投与する。他の態様では、トピラメート単独またはフェンテルミンと組み合わせたトピラメートの最終用量は該投与計画の初回の開始用量まで減少し、無期限または症状の十分な減少が達成されるまで維持される。体重減少の投与計画では、該投与計画は一般的には、個人の体重の問題の重症度、減らすべき体重の量、および体重が減少する速度に依存して相当期間、例えば、約4週間〜約67週間の範囲にわたって行う、連続的な、すなわち、継続的な投与を含む。
【0038】
本発明の別の実施態様では、トピラメートは継続的に、すなわち、一般的には上記の漸増用量投与計画(escalating dosage regimen)に従って投与される。これらの方法のいずれか、すなわち、該漸増用量投与計画(escalating dosage regimen)または継続維持投与計画(ongoing maintenance dosage regimen)において、活性薬剤としてトピラメートの有効量を含む医薬組成物が投与されるが、ここでトピラメートの「有効量」は一般的に、肥満症、過剰体重、および/または関連障害と関連する少なくとも1つの病理学的パラメーターの減少をもたらす量である。本発明の方法、例えば、肥満症および/または肥満症と関連する状態の治療などの体重減少を達成する方法において、トピラメートの有効量は、肥満症、過剰体重、および/または関連障害に苦しみ、トピラメート組成物で治療されない個人において、パラメーター、例えば、体重減少の予想される減少と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%の減少を達成するのに有効な量である。
【0039】
適切なトピラメートの1日量は、10mg〜1500mgの範囲にある。例えば、10mg、20mg、30mg、60mg、90mg、120mg、150mg、180mg、210mg、240mg、270mg、300mg、330mg、360mg、390mg、420mg、450mg、480mg、500mg、600mg、800mg、1000mg、1200mg、または1500mgなどが、患者に1日投与量として投与される。別の例では、23mg、46mg、69mgおよび92mgなどが患者に1日投与量として投与される。いくつかの実施態様では、トピラメートの1日投与量は10mg〜150の範囲にある。特定の実施態様では、トピラメートの1日投与量は10mg〜100mgの範囲にある。前述の「1日投与量(daily dosages)」のそれぞれは、必ずというわけではないが一般的に、1日1回量(single daily dose)として投与される。
【0040】
該患者は、トピラメートの特定の投与量を数週間、数ヶ月間、または数年間、例えば、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間、2年間、3年間、4年間、または5年間などにわたって摂取してよい。
【0041】
本発明の態様は、10〜23mgの低用量の初回用量で投与された場合に本発明のトピラメート製剤が有効である、トピラメート単独療法または併用療法を提供する。特定の態様では、該トピラメート製剤はおよそ20mgの用量で有効である。本発明の新規なトピラメート製剤は、濃度時間曲線下面積(AUC)によって定義される総薬物曝露を減少させることなく、より低い最大濃度(Cmax)を有する。さらに、本発明の新規なトピラメート製剤は、薬物の投与後、最大血漿濃度が達成される時間(Tmax)までに6〜8時間の時間遅延を有する。図1に示すように、制御放出(CR)カプセル製剤についてのAUCによって測定された薬物曝露は、Cmaxの20%減少にもかかわらず、100mgの即時放出トピラメート(トパマックス(Topamax(登録商標)))錠剤と同一である。それゆえ、本製剤はCmaxを減少させることができ、AUCが同一であるため、治療の有効性を損なうことなく副作用を減少させるであろう。トピラメートは鎮静効果を有しうるため、このCmaxの減少は好ましく、最大血漿濃度に達する時間が夕方または夜まで遅延することは、薬物の耐性を改善するであろう。
【0042】
それ自体、トピラメートの有効量は減少し、それによって患者におけるいずれかの毒性または有害な副作用をさらに減少させる。該患者に投与されるトピラメートの量は、該患者において毒性をもたらすであろう量よりも少ない量である。特定の実施態様では、該患者に投与される該化合物の量は、該化合物の有毒なレベルと同等またはそれを超えるレベルの該患者の血漿中の該化合物の濃度をもたらす量よりも少ない量である。本発明の実行における該患者に投与されるべき該化合物の最適な量は、該個人のみならず、該個人の症状の重症度に依存するであろう。
【0043】
目的の投与方法に依存して、医薬製剤は固体、半固体または液体であってよく、例えば、錠剤、カプセル剤、カプレット、液体、懸濁液、乳剤、坐剤、顆粒剤、小丸薬、ビーズ、または散剤などであってよく、好ましくは正確な投与量の単回投与に適切な単位剤形にあってよい。適切な医薬組成物および剤形は、医薬製剤の分野の当業者に周知の従来の方法、ならびに関連文章および文献、例えば、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Easton, PA: Mack Publishing Co., 1995)」に記載された方法を用いて製造されてよい。経口投与、およびそれゆえ経口剤形が一般的に好ましく、錠剤、カプセル剤、カプレット、溶液、懸濁液およびシロップを含み、カプセル化していてもいなくてもよい複数の顆粒剤、ビーズ、散剤、または小丸薬も含んでよい。上記のように、好ましい経口剤形はカプセル剤および錠剤、特に制御放出カプセル剤および錠剤である。
【0044】
上記のように、投与の簡便性および投与量の均一性のために、本発明の組成物は単位剤形に製剤化するのが特に有利である。本明細書で用いられている用語「単位剤形」は、治療される個人用の単位投与量として適した物理的に分離した単位を指す。すなわち、該組成物は、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果を生じるように計算された活性薬剤の所定の「単位投与量」をそれぞれ含有する分離した投与量単位に製剤化される。本発明の単位剤形の特定化は、送達される活性薬剤の固有の特性に依存する。投与量は、成分の常用量および投与様式を参照することによりさらに決定されうる。注目すべきは、場合によっては、2つ以上の個々の投与量単位が組み合わさって活性薬剤の治療上の有効量を提供する、例えば、2つの錠剤またはカプセル剤が一緒になって治療上有効な投与量のトピラメートを提供してよく、各錠剤またはカプセル剤中の単位投与量は治療上の有効量のおよそ50%であってよい。
【0045】
錠剤は、標準的な錠剤処理方法および装置を用いて製造されてよい。直接圧縮および造粒技術が好ましい。活性薬剤に加えて、錠剤は一般的に、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、および着色剤などの不活性の、医薬的に許容される担体物質を含有する。
【0046】
カプセル剤も好ましい経口剤形であり、この場合、活性薬剤含有組成物は液体または固体(顆粒剤、ビーズ、散剤もしくは小丸薬などの微粒子を含む)の形態にカプセル化されてよい。適切なカプセル剤はハードまたはソフトのいずれかであってよく、一般的にゼラチン、デンプン、またはセルロース物質から製造されており、ゼラチンカプセルが好ましい。2片のハードゼラチンカプセルは、好ましくは、ゼラチンバンドなどで密封される。例えば、カプセル化医薬品を製造するための物質および方法を記載している、本明細書で前に引用した「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」を参照のこと。
【0047】
錠剤、カプセル剤、カプレット、または微粒子のいずれであっても、経口剤形は、必要であれば、トピラメートの制御放出を提供するように製剤化されてよく、好ましい実施態様では、本製剤は制御放出経口剤形である。一般的に、該剤形は、該剤形から患者の体へ長期にわたってトピラメートの持続放出、すなわち、ゆっくりとした放出を提供し、典型的には約4〜約12時間の範囲の期間、典型的には約6〜約10時間または6〜約8時間の範囲にわたって該薬剤の実質的に一定の血中濃度を提供する。該トピラメートの放出は遅延性であってもよい;すなわち、投与とトピラメート放出の開始の間に時間差があってもよい。このように、例えば、個人は、学校または仕事の日に、眠気またはトピラメートの他の副作用を経験しないであろう。それゆえ、好ましい剤形は、該トピラメートの持続放出、該トピラメートの遅延放出、または該トピラメートの持続および遅延放出の両方を含む。
【0048】
一般的に、当業者であれば理解できるであろうが、持続放出剤形は、親水性ポリマーなどのゆっくりと加水分解する物質のマトリックス内に活性薬剤を分散させることによって、または固体の、薬物含有剤形を該物質でコーティングすることによって製剤化される。持続放出コーティングまたはマトリックスを提供するのに有用な親水性ポリマーは、例えば:ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロースポリマー;好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、およびメタクリル酸アルキルエステルなどから形成されるアクリル酸ポリマーおよびコポリマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートおよび/またはエチルメタクリレートのコポリマー;ならびにビニルポリマーおよびコポリマー、例えばポリビニルピロリドンなど、例えば、ポビドンK30、ポリビニルアセテート、およびエチレン−ビニルアセテートコポリマーなどを含む。本明細書で好ましい持続放出ポリマーは、ダウ・ケミカルから「メトセル(Methocel)」ポリマーとして入手できるもの、特に、約4,000cpsの粘度等級および約27.5%〜31.5%のメトキシル含有量を有するメトセルA(Methocel(商標)A)群のメチルセルロースエーテルポリマー、例えば、メトセルA15LV(Methocel(商標)A15LV)、メトセルA15C(Methocel(商標)A15C)、およびメトセルA4M(Methocel(商標)A4M)を含む。
【0049】
持続放出製剤が製造される場合、錠剤、顆粒剤、散剤、およびカプセル剤などは、賦形剤、ならびに必要に応じて、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、味覚修飾剤、および香料などを加えた後、従来の方法に従って製造されうる。これらの添加剤は当該技術分野で一般的に用いられるものであってよく、例えば、賦形剤としてラクトース、塩化ナトリウム、グルコース、デンプン、微結晶セルロース、およびケイ酸、結合剤として水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ゼラチン溶液、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セラック、リン酸カルシウム、およびポリビニルピロリドン、崩壊剤として寒天末、炭酸水素ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびステアリン酸モノグリセリド、滑沢剤として精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、およびポリエチレングリコール、着色剤としてβ−カロテン、黄色三二酸化鉄、およびカラメル、ならびに味覚修飾剤としてサッカロースおよび橙皮が、例として列挙できる。注目すべきは、様々な等級の微結晶セルロースが本明細書で好ましい充填剤であり、例えば、それぞれ約50ミクロン、100ミクロン、および190ミクロンの粒径を有するアビセルPH101(Avicel(登録商標)PH101)、アビセルPH102(Avicel(登録商標)PH102)、およびアビセルPH200(Avicel(登録商標)PH200)(FMC)である。約50ミクロン〜200ミクロンの範囲の粒径を有する微結晶セルロースが本明細書で好ましい。
【0050】
該剤形は、遅延放出コーティングと共に提供されてもよく、例えば、アクリレートおよび/またはメタクリレートコポリマーから成っていてよい。該ポリマーの例は、ローム・ファルマ(ドイツ)から商品名「オイドラギット(Eudragit)」で入手できるポリマーである。オイドラギット(Eudragit)シリーズE、L、S、RL、RS、およびNEコポリマーは、有機溶媒中に可溶化した形態、水分散液中の形態、または乾燥粉末として入手できる。好ましいアクリレートポリマーはメタクリル酸およびメチルメタクリレートのコポリマーであり、例えばオイドラギット(Eudragit)Lおよびオイドラギット(Eudragit)Sシリーズポリマーである。他の好ましいオイドラギット(Eudragit)ポリマーはカチオン性であり、例えばオイドラギット(Eudragit)E、RS、およびRLシリーズポリマーである。オイドラギット(Eudragit)E100およびE POはジメチルアミノエチルメタクリレートおよび中性メタクリレート(例えば、メチルメタクリレート)のカチオン性コポリマーであり、一方、オイドラギット(Eudragit)RSおよびオイドラギット(Eudragit)RLポリマーは類似のポリマーであり、中性メタクリル酸エステルおよび少量のトリメチルアンモニオエチルメタクリレートから成る。
【0051】
特定の実施態様では、例えば、経口投与可能なカプセル剤に取り込まれ、または経口投与可能な錠剤に圧縮されることによる経口投与用の制御放出トピラメートビーズは、押出球形化プロセスを用いて製造され、トピラメート、40.0%w/w;微結晶セルロース、例えば、アビセルPH102(Avicel(登録商標)PH102)、56.5%w/w;およびメチルセルロース、例えば、メトセルA15LV(Methocel(商標)A15LV)、3.5%w/wから成るマトリックスコアが製造される。次いで、該トピラメートコアは、エチルセルロース、5.47%w/wおよびポビドンK30:2.39%w/wでコーティングされる。以下で詳細に記載するように、第二の活性薬剤、例えば、交感神経刺激薬のビーズも製造されてよく、該カプセル剤に組み込まれてよい。例えば、糖球(sugar spheres)または類似の不活性コア上に即時放出薬物コーティングを有するフェンテルミンまたはブプロピオンビーズが利用されてよい。次いで、2組のビーズは1つのカプセル剤にカプセル化されてよい。
【0052】
非経口投与用の本発明の製剤は、滅菌の水性および非水性溶液、懸濁液、ならびに乳剤を含む。注射用水性溶液は、水溶性形態にある活性薬剤を含有する。非水性溶媒またはビヒクルの例は、オリーブ油およびコーン油などの脂肪油、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、プロピレングリコールなどの低分子量アルコール、ポリエチレングリコールなどの合成親水性ポリマー、ならびにリポソームなどを含む。非経口製剤は可溶化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、および安定剤などのアジュバントを含有してもよく、水性懸濁液はナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、およびデキストランなどの該懸濁液の粘度を増加させる物質を含有してよい。注射用製剤は、滅菌剤の取り込み、細菌保持フィルターを通す濾過、照射、または熱によって滅菌される。それらは、滅菌注射用媒体を用いることによっても製造されうる。活性薬剤は、注射投与の直前に適切なビヒクルで再水和されうる乾燥、例えば、凍結乾燥形態にあってもよい。
【0053】
活性薬剤は、従来の経皮薬物送達システムを用いて皮膚を通して投与されてもよく、活性薬剤は皮膚に貼られる薬物送達装置として機能する積層構造の中に含有される。該構造において、薬物組成物は上部裏層(upper backing layer)の基礎をなす層、または「リザーバー」に含有される。該積層構造は単一のリザーバーを含有してよく、または複数のリザーバーを含有してよい。1つの実施態様では、該リザーバーは、薬物送達の間、該システムを皮膚に貼る機能をする医薬的に許容される接触接着物質のポリマーマトリックスを含む。あるいは、該薬物含有リザーバーおよび皮膚接触接着剤は、分離した異なる層として存在し、該接着剤は該リザーバーの基礎をなし、この場合、上記のポリマーマトリックス、もしくは液体もしくはヒドロゲルリザーバーであってよく、または他の何らかの形態をとってよい。経皮薬物送達システムは、皮膚透過促進剤をさらに含有してよい。
【0054】
前記の製剤に加えて、活性薬剤は活性薬剤の制御放出、好ましくは長期にわたる持続放出用のデポー製剤として製剤化されてよい。これらの持続放出剤形は、一般的に埋め込み(例えば、皮下もしくは筋肉内または筋肉内注射による)によって投与される。
【0055】
本組成物は一般的に経口的、非経口的、経皮的、または埋め込みデポーによって投与されるであろうが、他の投与方法も同様に適切である。例えば、投与は経粘膜的、例えば、直腸または膣投与であってよく、好ましくは活性薬剤に加えて坐剤ワックスなどの賦形剤を含有する坐剤を用いてよい。経鼻または舌下投与のための製剤も、当該技術分野で周知の標準的な賦形剤で製造される。本発明の医薬組成物は、吸入用に、例えば、生理食塩水中の溶液として、乾燥粉末として、またはエアロゾルとして製剤化されてもよい。
【0056】
別の実施態様では、本発明の方法、すなわち、漸増用量投与計画(escalating dosage regimen)または継続維持投与(ongoing maintenance dosing)は、トピラメートおよび交感神経刺激薬の組み合わせの投与を含む。
【0057】
本発明における使用のための交感神経刺激薬、およびそれらの一般的臨床用途または効果は、第1表に明記している。
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【0058】
特定の実施態様では、該交感神経刺激薬はフェンテルミンまたはフェンテルミン様化合物である。本明細書で定義しているように、「フェンテルミン様化合物」はフェンテルミンと構造的に関連し(例えば、類似体または誘導体)、フェンテルミンと類似の食欲抑制活性を維持している化合物である。1つのフェンテルミン様化合物は、クロルフェンテルミンである。さらに別の実施態様では、該交感神経刺激薬はアンフェタミンまたはアンフェタミン様化合物である。本明細書で用いられている「アンフェタミン様化合物」は、アンフェタミンと構造的に関連し(例えば、類似体または誘導体)、アンフェタミンの食欲抑制効果を維持している化合物である。さらに別の実施態様では、該交感神経刺激薬はフェンメトラジンまたはフェンメトラジン様化合物である。本明細書で定義しているように、「フェンメトラジン様化合物」は、フェンメトラジンと構造的に関連し(例えば、類似体または誘導体)、フェンメトラジンの食欲抑制効果を維持している化合物である。1つのフェンメトラジン様化合物は、フェンジメトラジンである。本発明の化合物の類似体および/または誘導体は、対象(例えば、哺乳類対象)において食欲を抑制する(例えば、食物摂取を抑制する)それらの能力について検査されうる。
【0059】
他の実施態様では、該交感神経刺激薬はブプロピオンまたはブプロピオン様化合物である。本明細書で定義しているように、「ブプロピオン様化合物」はブプロピオンと構造的に関連し(例えば、類似体または誘導体)、ブプロピオンと類似の抗うつ活性を維持している化合物である。
【0060】
代表的な実施態様では、該交感神経刺激薬はブプロピオン、アンフェタミン、メタンフェタミン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミン、フェンテルミン、クロルフェンテルミン、ジエチルプロピオン、フェンメトラジン、およびフェンジメトラジンから選択される(第1表に明記している)。
【0061】
1つの実施態様では、該交感神経刺激薬はフェンテルミンである。プソイドエフェドリン(エフェドリンの立体異性体)、メチルフェニデート、デクスメチルフェニデート、ツアミノヘプタン、ならびに、例えばカフェインおよびブプロピオンを含む他のCNS刺激薬を含む他の交感神経刺激薬を利用することも、本発明の範囲内に包含される。
【0062】
本発明の併用療法に用いられる薬物についての適切な投与量の選択は、例えば、患者の健康全般、および併用療法に対する反応などを含む該患者の観察により、当業者によって決定および最適化されうる。患者が所望の治療効果を示していないと決定された場合、または、逆に、数が非常に多く、または厄介な重症度を有している所望でない、または有害な副作用を該患者が経験している場合に、最適化が必要となりうる。
【0063】
達成されるべき臨床上の目標に依存して、用いられる投与量は変動するであろうが、該交感神経刺激薬について適切な1日量の範囲は一般的に2mg〜1500mgの範囲にあり、一定期間継続して患者に投与される。例えば、2mg、4mg、10mg、20mg、30mg、60mg、90mg、120mg、150mg、180mg、210mg、240mg、270mg、300mg、330mg、360mg、390mg、420mg、450mg、480mg、500mg、600mg、800mg、1000mg、1200mg、または1500mgなどが1日投与量として患者に投与されるが、これは1日1回投与量(single daily dosage)であってよい。別の例では、3.75mg、7.5mg、11.75mg、または15mgなどが1日投与量として患者に投与されるが、これもまた、1日1回投与量であってよい。
【0064】
1つの実施態様では、組み合わせの各成分(例えば、(i)トピラメート、および(ii)交感神経刺激薬(sympathomimetic drug))は、単独療法として各成分について典型的に記載される用量以下の用量で処方される。該成分は別々に、または組み合わせ投与量(combination dosage)として処方されてよい。1つの実施態様では、組み合わせの各成分(例えば、(i)トピラメート、および(ii)交感神経刺激薬)は、各成分について単独療法として典型的に記載される用量以上の用量で処方される。該成分は別々に、または組み合わせ投与量として処方されてよい。
【0065】
別の実施態様では、該交感神経刺激薬の処方投与量は、単独療法について典型的に記載される用量以上であり、トピラメートは単独療法について典型的に記載される用量またはそれ以下の投与量で処方される。別の実施態様では、該交感神経刺激薬の処方投与量は、単独療法について典型的に記載される用量またはそれ以下であり、トピラメートは単独療法について典型的に記載される用量以上の投与量で処方される。
【0066】
特定の実施態様では、フェンテルミンが交感神経刺激薬である場合、フェンテルミンは、例えば、1日投与量、例えば、2mg〜60mgの範囲にある1日1回投与量で投与されてよい。1つの態様では、該フェンテルミンは1日投与量、例えば、2mg〜30mgの範囲にある1日1回投与量で投与される。別の態様では、該フェンテルミンは1日投与量、例えば、2mg〜15mgの範囲にある1日1回投与量で投与される。
【0067】
特定の実施態様では、ブプロピオンが交感神経刺激薬である場合、ブプロピオンは、例えば、1日投与量、例えば、50mg〜400mgの範囲、より典型的には50mg〜200mgの範囲にある1日1回投与量で投与されてよい。
【0068】
本発明の医薬的組み合わせ(pharmaceutical combinations)の投与方法は、特に、用いられる交感神経刺激薬の種類に依存するであろう。トピラメートおよび該交感神経刺激薬は同一組成物にて一緒に投与されてよく、または2つの分離した組成物にて同時もしくは連続して投与されてよい。また、1つ以上の交感神経刺激薬は、治療組成物(therapeutic composition)の形態にて、または組み合わせて、例えば、同時もしくは連続して投与される1つ以上の分離した組成物の形態にて、対象または患者に投与されてよい。投与スケジュールは、選択される交感神経刺激薬の種類に依存するであろう。例えば、交感神経刺激薬は刺激効果を有しうるが、該刺激効果の程度は選択される該交感神経刺激薬に依存して変動しうる。有意な刺激効果を有する交感神経刺激薬は、より弱い刺激効果を有する交感神経刺激薬と比較して、好ましくはその日のより早いうちに投与されるであろう。トピラメートは、典型的には低用量でさえ少なくともある程度の鎮静効果を有するが、より弱い鎮静効果を有する化合物の投与と比較してその日のより遅くに投与されてよい。
【0069】
1つの実施態様では、トピラメートは制御放出型にて、すなわち、持続放出および/または遅延放出型にて、好ましくはその両方にて投与され、フェンテルミンは即時放出型にて投与される。それ自体、フェンテルミンは食欲抑制剤であるのみならず刺激薬であるため、該薬物は午前中に摂取されてよい。この実施態様において、トピラメートはフェンテルミンと比較して、その日のより遅くに摂取されてよい。好ましくは、トピラメートは鎮静効果を有するため、患者は夕食直前またはさらに夜遅くに該薬物を摂取する。
【0070】
さらに別の実施態様では、トピラメートは制御放出型にて、すなわち、持続放出および/または遅延放出型にて投与され、ブプロピオンは即時放出型にて投与される。それ自体、ブプロピオンは食欲抑制剤であるのみならず刺激薬であるため、該薬物は午前中に摂取されてよい。この実施態様において、トピラメートはブプロピオンと比較してその日のより遅くに摂取されてよい。好ましくは、トピラメートは鎮静効果を有するため、患者は夕食直前またはさらに夜遅くに該薬物を摂取する。
【0071】
上記のように、併用療法が示される本発明の制御放出剤形は、制御放出トピラメートビーズおよび即時放出フェンテルミンビーズ、またはブプロピオンビーズなどを含有するカプセル剤であってよい。該トピラメートビーズは押出球形化プロセスを用いて製造されてよく、トピラメート、40.0%w/w;微結晶セルロース、例えば、アビセルPH102(Avicel(登録商標)PH102)、56.5%w/w;およびメチルセルロース、例えば、メトセルA15LV(Methocel(商標)A15LV)、3.5%w/wから成るマトリックスコアを製造してよい。次いで、該トピラメートコアは、エチルセルロース、5.47%w/wおよびポビドンK30:2.39%w/wでコーティングされる。フェンテルミンビーズ、またはブプロピオンビーズなどは、糖球(sugar spheres)または類似の不活性コア上の即時放出薬物コーティングから成る。次いで2組のビーズは、1つのカプセル剤にカプセル化される。
【0072】
特定の実施態様では、フェンテルミンビーズは、糖球(sugar spheres)または他の不活性コア上の制御放出薬物コーティングが提供されてよい。他の態様では、該フェンテルミンビーズは、制御放出トピラメートビーズ上にコーティングされてよい。
【0073】
次いで、併用療法において、好ましい投与方法は、単一組成物中またはそれぞれ活性薬剤の1つを含有する2つの分離した組成物中にある、2つの活性薬剤の同時投与を含む。該投与方法は、1日の中の異なる時間での2つの活性薬剤の投与を含んでもよく、交感神経刺激薬は一般的にその日の早いうちに投与され、トピラメートは一般的にその日の遅くに投与されてよい。しかしながら通常は、2つの薬剤は、該交感神経刺激薬の即時放出および該トピラメートの制御放出を提供する1つ以上の剤形を用いて同時に投与される。代表的な実施態様では、該交感神経刺激薬および該トピラメートは、該交感神経刺激薬の即時放出ならびに該トピラメートの持続放出および/または遅延放出、好ましくは持続放出および遅延放出の両方を提供する単一剤形にて投与される。上記のように、該剤形はコーティングされたコアもしくはカプセル化されたビーズであってよく、またはそれらは錠剤であってよく、例えば、該錠剤は少なくとも2つの分離した区分(segments)を含有し、その中の少なくとも1つが即時放出型であるフェンテルミンまたはブプロピオンなどの交感神経刺激薬を含有し、その中の別の区分(segments)が制御放出型のトピラメートを含有する。
【0074】
適応(Indications):
本発明の有用性を見出しうる特に興味深い状態は、過体重、肥満症ならびに過剰体重および肥満症としばしば関連し、および/またはそれらに起因する状態を含む。本明細書で提供する投与計画に従って投与されるトピラメート組成物および組み合わせは、有意な治療効果および有害作用の減少を生じるため、これらの医薬組成物を非常に有効な治療法としており、特に過体重、肥満症ならびに/または、過剰体重もしくは肥満症自体と関連し、および/もしくはこれらに起因する状態を含む関連状態の治療に有効なものとしている。それゆえ、本発明の併用療法の治療計画での治療に適切な対象は、肥満症と関連する状態を患う個人を含み、該状態は下記を含み、これらに限定されない:
糖尿病、インスリン抵抗性、および耐糖能異常;
肺高血圧症、喘息、および息切れなどの呼吸器疾患;
胆嚢疾患;
脂質異常症、例えば、高コレステロール、および高濃度のトリグリセリドなど;
骨関節炎および他の整形外科的障害;
逆流性食道炎;
睡眠時無呼吸および大いびきを含む、睡眠と関連する有害状態;
月経不順、不妊症、および妊娠合併症;
痛風;
高血圧、すなわち、高血圧症;
冠動脈疾患および他の心臓疾患などの心血管障害;
筋ジストロフィー;
脳卒中、特に血栓脳卒中および深部静脈血栓症(DVT);
片頭痛;
低αリポタンパク血症、家族性複合型高脂血症、およびインスリン抵抗性シンドロームXを含むシンドロームXなどの代謝障害;ならびに
結腸癌、直腸癌、腎臓癌、食道癌、胆嚢癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、子宮癌、卵巣癌、子宮内膜癌、および子宮頸癌。
【0075】
より重い体重は、全死因死亡率の増加とも関連する。これらの問題のほとんどまたは全ては、持続的かつ有意な体重減少によって軽減または改善される。持続的かつ有意な体重減少によって、寿命も同様に有意に増加する。
【0076】
糖尿病は肥満の個人に非常によく見られ、持続的かつ病的に上昇した血中グルコース濃度と関連する。米国における主要な死因の1つであり、全死亡率の約5%を占める。糖尿病は2つの主要なサブクラスに分けられる:若年性糖尿病、またはインスリン依存性糖尿病(IDDM)としても知られるI型;および、成人発症型糖尿病、またはインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)としても知られるII型である。
【0077】
米国糖尿病協会によると、米国において100万人を超える若年性糖尿病患者がいる。I型糖尿病は、自己免疫疾患の一形態である。患者によって製造される自己抗体が、膵臓のインスリン産生細胞を完全または部分的に破壊する。それゆえ、若年性糖尿病患者は、生涯にわたって外因性のインスリンを摂取しなければならない。治療をしなければ、過剰なアシドーシス、脱水症、腎臓損傷、および死をもたらしうる。治療をした場合でさえ、失明、アテローム性動脈硬化症、およびインポテンスなどの合併症が生じうる。
【0078】
500万人を超えるII型(成人発症型)糖尿病患者が米国において診断されている。II型疾患は、通常、中年期に発症する;今では、主な原因は過体重および肥満症であると分かっている。II型糖尿病患者においては、食後の血中グルコースレベルの上昇が、膵臓によるインスリン産生を適切に刺激しない。さらに、末梢組織は一般的に、インスリンの効果に抵抗性である。結果としてもたらされる高血中グルコースレベル(高血糖)は、広範な組織損傷をもたらしうる。II型糖尿病患者は、しばしばインスリン抵抗性と呼ばれる。体がそのインスリン抵抗性を克服しようとするため、彼らはしばしば正常よりも高い血漿インスリンレベル(高インスリン血症)を有する。今では、一部の研究者は、高インスリン血症は高血圧の発生、高レベルの循環低密度リポタンパク質(LDLs)、および正常より低いレベルの有益な高密度リポタンパク質(HDLs)の原因要素となりうると信じている。中等度インスリン抵抗性は、II型糖尿病の初期ではインスリン分泌の増加によって代償されうる一方、より進行した病状では、インスリン分泌も損なわれる。
【0079】
インスリン抵抗性および高インスリン血症は、かなりの健康リスクをもたらす2つの他の代謝障害にも関連している:耐糖能異常および代謝的肥満症(metabolic obesity)である。耐糖能異常は、摂食前にはグルコースレベルが正常であるが、食後にレベルが上昇する(高血糖)傾向があることによって特徴付けられる。世界保健機関によると、年齢20歳〜74歳の間の米国の人口のおよそ11%が、耐糖能異常を有していると推定される。これらの個人は、糖尿病および冠動脈疾患のリスクがより高いと考えられる。
【0080】
肥満症も、インスリン抵抗性と関連しうる。肥満症、耐糖能異常、およびII型糖尿病の間の因果関係が提唱されているが、生理学的基礎はいまだ確立されていない。一部の研究者は、耐糖能異常および糖尿病は、人がインスリン抵抗性および高インスリン血症を発症した後、疾患プロセスの後半にのみ臨床的に観察および診断されると信じている。
【0081】
インスリン抵抗性は、高血圧症、冠動脈疾患(動脈硬化症)、および乳酸アシドーシス、ならびに関連病状と頻繁に関連する。これらの病状の間の基本的関係、および治療方法は、確立されていない。
【0082】
高血圧症は肥満の個人に頻繁に見られる別の状態であり、大動脈内の血圧が慢性的に上昇した場合に生じる。高血圧症は、米国単独において約5,000万の人々に影響している。それは、人々が年を取るにつれて多く見られ、アフリカ系アメリカ人において多く見られ、かつ、より重篤となる。ほとんどの場合の高血圧症は、病因が未知である。高血圧症を発症する傾向は、遺伝しうることが分かっている。環境も高血圧症において非常に重要な役割を果たす。例えば、高血圧症は、体重を制御し、身体の健康を維持し、健康な食事を摂食し、アルコール摂取を制限し、および、血圧を増加させうる薬物を回避することによって回避しうる。他のあまり一般的ではない高血圧症の原因は、腎臓または内分泌腺の障害を含む。高血圧症は、明確な症状がないにもかかわらず、死をもたらしうるため、「サイレントキラー(silent killer)」と呼ばれる。未治療の高血圧症を有する人々は、正常な血圧を有する人々よりも、脳卒中、心臓発作、心不全、心臓リズムの異常、および腎不全などの心血管合併症が原因で死亡し、またはこれらによって障害を負う可能性がはるかに高い。
【0083】
高血圧症の現在の治療は、生活様式の変化(食事、運動、および禁煙など)のみならず、薬物治療を含む。高血圧症を治療するために現在用いられている主な種類の薬物は、アドレナリン作動性ニューロンアンタゴニスト(末梢作用性)、αアドレナリン作動性アゴニスト(中枢作用性)、αアドレナリン作動性遮断薬、αおよびβ遮断薬、アンジオテンシンII受容体遮断薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、βアドレナリン作動性遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、チアジド(ベンゾチアジアジン誘導体)および関連利尿薬、ならびに血管拡張薬(血管平滑筋の直接弛緩によって作用する)を含む。
【0084】
特に重篤な高血圧障害は、突発性肺高血圧症としても知られる原発性肺高血圧症である。これは、心臓または肺の他の疾患がない中で肺動脈の血圧が異常に高い状態である。原発性肺高血圧症の原因は未知である。肺高血圧症は、血流に対する抵抗性の増加に応答して発症する。該抵抗に対して血液を送り出す動作の増加のために、肺細動脈の狭窄が生じ、右心が肥大する。最終的に、進行性心不全が発症する。現在、原発性肺高血圧症の既知の治療法はない。血管拡張薬の使用である程度の成功が見られるが、治療は主に症状を制御することに向けられている。原発性肺高血圧症の症状を治療するために用いられる他の薬物は、利尿薬およびカルシウムチャネル遮断薬を含む。典型的には、該疾患が進行するにつれて、酸素がしばしば必要である。特定の場合には、ドナー臓器の入手可能性が極めて限定的である状態が続いているが、心臓−肺移植が特定の適切な候補に示されうる。残念ながら、原発性肺高血圧症は進行性疾患であり、通常は、うっ血性心不全および呼吸不全をもたらす。
【0085】
二次性肺高血圧症は、他の状態、例えば、強皮症などの合併症として生じる重篤な障害である。治療法は原発性肺高血圧症のものと類似であり、残念ながら、予後も同一である。
【0086】
肥満の個人に頻繁に見られる他の呼吸器疾患は、喘息および息切れを含むが、これらは共に体重減少によってしばしば緩和される状態である。
【0087】
睡眠と関連する有害な状態および障害について、おそらく最も懸念されるものは、睡眠時無呼吸である。睡眠時無呼吸は、咽頭筋が弛緩したときに生じるより一般的な形態である閉塞性睡眠時無呼吸、または、呼吸を制御する筋肉に脳が適切なシグナルを送らないときに生じる中枢性睡眠時無呼吸のいずれかとして分類される。さらに、一部の人々は混合型睡眠時無呼吸を有するが、これは閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸の組み合わせである。睡眠時無呼吸は文字通り「呼吸の停止」を意味する。それは睡眠中に生じる上気道閉塞の反復エピソードによって特徴付けられ、通常は血中酸素飽和度の減少と関連する。言い換えれば、いくつかの可能性のある部位で気道が塞がれるということである。上気道は気道内の過剰な組織、大きな扁桃腺、および大きな舌によって塞がれ得、通常は睡眠時の気道筋弛緩および虚脱を含む。別の閉塞部位は鼻腔でありうる。時には、顎および気道の構造が睡眠時無呼吸の要因となりうる。
【0088】
閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸の徴候および症状は重複するため、時には睡眠時無呼吸の種類の決定がより困難となる。最も一般的な閉塞性および中枢性睡眠時無呼吸の徴候および症状は下記を含む:日中の過剰な眠気(過眠症);大いびき;睡眠中の呼吸停止の観察されたエピソード;息切れを伴う突然の覚醒;口内乾燥もしくは咽頭炎を伴う覚醒;起床時の頭痛;および/または睡眠維持の困難(不眠症)。破壊的ないびきが閉塞性睡眠時無呼吸のより顕著な特徴でありうる一方、息切れを伴う覚醒が中枢性睡眠時無呼吸でより一般的でありうる。
【0089】
睡眠時無呼吸は進行性疾患であり、非常に重篤になりうる;それは緊急の治療を要する潜在的に生命を脅かす状態である。診断未確定の閉塞性睡眠時無呼吸のリスクは、心発作、脳卒中、高血圧、心疾患、不整脈、およびインポテンスを含む。さらに、閉塞性睡眠時無呼吸は、事故、生産性の損失および対人関係の問題をもたらしうる日中の眠気の原因となる。症状の重症度は、軽度、中等度または重篤でありうる。
【0090】
睡眠時無呼吸は睡眠ポリグラフと呼ばれる睡眠検査を利用して診断されるが、治療法は障害の重症度に依存して異なる。軽度の睡眠時無呼吸は、通常は、いくつかの行動変化によって治療される;体重を減少させること、および横向きに眠ることがしばしば推奨される。3つの異なる方法でいびきを減少させるのに役立ちうる経口装置(oral mouth devices)(気道を開いた状態に保つのに役立つ)がある。一部の装置は、(1)顎を前方に持っていき、(2)軟口蓋を上昇させ、または(3)舌を保持する(気道内に戻り、呼吸を遮断しないように)。
【0091】
中等度〜重篤な睡眠時無呼吸は、通常は持続的気道陽圧法(C−PAP)で治療される。C−PAPは、鼻マスクを用いて鼻に空気を吹き込み、開かれた非閉塞の状態に気道を保つ機械である。より重篤な無呼吸用には、二層式の(Bi−level(Bi−PAP))機械がある。該二層式の機械は、2つの異なった圧力で空気を吹き込む点が異なっている。人が吸入する場合、圧力はより高く、呼息する場合、圧力はより低い。
【0092】
一部の人々は、睡眠時無呼吸の原因となりうる顔面変形を有する。それは単に彼らの顎が本来あるべきよりも小さいのかもしれないし、または、彼らは咽頭の奥の開きがより小さいのかもしれない。一部の人々は、扁桃腺肥大、大きな舌、または気道を部分的に遮断する他のいくつかの組織を有する。鼻中隔彎曲症(deviated septum)を治療すれば、鼻腔を開くのに役立ちうる。扁桃腺および咽頭扁桃腺またはポリープの除去も役立ちうる。小児は、扁桃腺および咽頭扁桃腺が除去される傾向が強いようである。外科手術、例えば気管開口術、口蓋垂口蓋咽頭形成術(UPPP)、レーザーを利用した口蓋垂口蓋弓形成術(LAUP)、ソムノプラスティー(somnoplasty)、および下顎筋切開術(mandibular myotomy)などが、睡眠時無呼吸を効果的に治療するためにしばしば必要である。しかしながら、特に肥満の人における体重減少は、睡眠時無呼吸および他の睡眠関連の有害な状態、例えば大いびきなどを有意に軽減しうる。
【0093】
比較的最近、肥満症と片頭痛の発生または発生率上昇との間の関係が指摘されている。片頭痛は軽度の痛みから始まり、短期間に強さが増加する。2つの主要な片頭痛の種類がある。普通型片頭痛は片頭痛に苦しむ人の80〜85%に影響し、前兆のある古典型片頭痛は片頭痛に苦しむ人の15%に影響する。片頭痛と関連する症状は、頭痛、心理的症状(psychological symptomology)、例えば易怒性、うつ病、疲労、眠気、もしくは不穏状態;神経症状、例えば光恐怖症、もしくは音声恐怖症、もしくは胃腸症状、例えば排便習慣の変化、もしくは食物摂取の変化、または排尿症状、例えば頻尿を含み、片頭痛集団についての神経学的欠損であり、様々な欠損となりうる前兆であるが、個人においては通常は固定した型にはまっている(stereotyped)。これらの欠損は、視覚暗点(visual scotoma)もしくは視覚デザイン(visual designs)、片麻痺、伝播性錯感覚(migrating paraesthesia)、構音障害、失語症(dysphasia)、または既視感であってよい。該頭痛は、通常は、光または音感受性、光恐怖症または音声恐怖症、易怒性および集中力の低下を伴う。片頭痛が肥満症に起因し、または肥満症によって悪化した個人にとって、本発明の方法論に従う治療は有効でありうる。
【0094】
本発明が直ちに適応できる他の兆候は、てんかんおよび衝動制御障害などの特定の精神兆候を含む。
【0095】
トピラメートは、長い間、抗てんかん薬として知られている。しかしながら、本明細書の別の箇所で示したように、以前に有効性に必要であり、または必要であると信じられていた投与量では、トピラメート治療は有意な副作用をもたらした。本発明によると、フェンテルミンの同時投与によってトピラメート投与量は減少し得、全部ではないがほとんどが用量依存性のトピラメートの副作用を有意に減少させる。
【0096】
精神兆候の中で、うつ病が特に一般的である。「うつ病」は、周知のように、働くこと、勉強すること、眠ること、食べること、および、かつて楽しかった活動を楽しむことについての能力を妨げる症状の組み合わせによって現れる。うつ病は、大うつ病、特に難治性うつ病、双極性うつ病、およびうつ病と関連する変性を含む。うつ病の症状は、持続的な悲しい、不安な、または「むなしい」気分、絶望感、悲観、罪悪感、無価値感、無力感、性交を含むかつては楽しかった趣味および活動への興味または喜びの喪失、エネルギー減退、疲労、「鈍化(slowed down)」、集中力低下、記憶力低下、決断力低下、不眠症、早朝覚醒、または寝過ごし、食欲および/もしくは体重減少または過食および体重増加、死または自殺の思考;自殺未遂、不穏状態、易怒性、ならびに治療に反応しない持続的な身体症状、例えば頭痛、消化器障害、および慢性痛を含む。
【0097】
他の精神障害も本発明の組成物および方法を用いて治療されうる。これらの障害は、衝動制御障害、パニック症候群、全般性不安障害(general anxiety disorder)、あらゆる種類の恐怖症候群、躁病、躁うつ病、軽躁病、単極性うつ病、ストレス障害、PTSD、身体表現性障害、人格障害、精神病、および統合失調症を含む。
【0098】
「衝動制御障害」は、抑え難い衝動に応答して行われる有害な行為によって特徴付けられる。衝動制御障害の本質的特徴は、本人または他人に有害な動作を行いたいという衝動、欲動または誘惑に抗しきれないことである。症状は、行為前の緊張感または覚醒の増加、および行為時の喜び、満足感、または解放感の経験を含む。該行為を行った後、後悔または罪悪感があるかもしれないし、ないかもしれない。間欠性爆発性障害、窃盗癖、病的賭博、放火癖、抜毛癖、衝動買い、反復自傷、非倒錯性的依存症(nonparaphilic sexual addictions)、重度の爪かみ、強迫的皮膚摘み取り(compulsive skin picking)、衝撃的特徴(impulsive features)を有する人格障害、注意欠陥/多動性障害、過食によって特徴付けられる摂食障害、ならびにアルコール依存症および薬物依存症などの物質乱用障害を含む多数の障害が衝動制御障害と見なされうる。過食障害および過食症も時には衝動制御障害として分類される。
【0099】
パッケージ化された医薬製剤:
本発明の方法を実施するためのパッケージ化された医薬製剤も提供される。パッケージ化された製剤は密封容器内にある本発明の組成物を含有し、典型的には、各々ブリスター・パックなどの密封ハウジング(sealed housing)内にある個々の剤形を複数含有するが、単一密封容器内にある1つ以上の剤形も含有しうる。任意に、用量漸増(dose titration)および用量増加(dose escalation)のために、一方または両方の活性薬剤の低用量を有する剤形も含まれてよい。
【0100】
特定の実施態様では、パッケージ化された医薬製剤は、体重減少を達成し、肥満症を治療し、肥満症と関連する状態を治療し、または本明細書で前に説明した他の状態を治療するために患者が薬物投与を実行するための説明書を含む。例えば、該説明書は、摂取すべきトピラメートの1日量、摂取すべきフェンテルミンもしくは他の交感神経刺激薬の1日量、ならびに/またはトピラメートおよび任意に第二の活性薬剤を含有する制御放出剤形の自己投与のための投与計画を含んでよい。該説明書は、適切な記録媒体上に記録され、または紙もしくはプラスチックなどの基質上に印字されていてよい。それ自体、該説明書は添付文書として存在してよく、パッケージのラベルに存在し、容器、またはその構成部品(すなわち、パッケージングもしくはサブパッケージングに付随する)などとして存在してよい。他の実施態様では、該説明書は、コンピューターが読める適切な記憶媒体、例えばCD−ROMまたはディスケットなどに存在する電子記憶データファイルとして存在する。さらに他の実施態様では、実際の説明書は存在しないが、離れた供給源から該説明書を得る方法、例えばインターネットを利用した方法が提供される。一例として、該説明書を見ることができ、および/または該説明書をダウンロードできるウェブサイトに患者を導くために、ウェブアドレスが含まれてよい。説明書自体と同様に、説明書を得るためのこの方法は適切な基質上に記録される。
【0101】
含まれる成分の一部または全ては、無菌性を維持するために適切なパッケージング内にパッケージ化されてよい。多くの実施態様において、該成分は格納要素(containment element)内にパッケージ化されて、単一の、扱いやすい単位を提供し、例えば、該成分の一部または全ての無菌性をさらに保つために、該格納要素(containment element)、例えば、箱または類似の構造は、気密容器であってもなくてもよい。特定の態様では、剤形が即時放出型のフェンテルミンならびに制御放出、例えば、持続放出および遅延放出型のトピラメートを含有する、制御放出剤形の密封パッケージが提供される。あるいは、分離したフェンテルミン含有およびトピラメート含有剤形が含まれてよい。
【実施例】
【0102】
下記の実施例は本発明の製造法および使用法の完全な開示および記載を当業者に提供するために提供されており、本発明者が自らの発明であると考える範囲を限定する目的はなく、下記の実験が、行った全てまたは唯一の実験であることを意味する目的もない。用いられる数値(例えば量または温度など)に関する正確性を保証するために努力をなしたが、ある程度の実験誤差および偏差が考慮されるべきである。特に示さないかぎり、部とは重量部であり、分子量とは重量平均分子量であり、温度は摂氏温度で示され、圧力は大気圧またはその近くである。
【0103】
実施例1
押出球形化プロセスを用いて制御放出トピラメートビーズを製造し、トピラメート、40.0%w/w;微結晶セルロース(アビセルPH102(Avicel(登録商標)PH102))、56.5%w/w;およびメトセルA15LV(Methocel(商標)A15LV)、3.5%w/wから成るマトリックスコアを製造する。次いで、該トピラメートコアをエチルセルロース、5.47%w/w、およびポビドンK30、2.39%w/wでコーティングした。
【0104】
製造されたトピラメートビーズの組成は下記の通りである:
成分 %w/w
トピラメート 36.85
微結晶セルロース、
(Avicel(登録商標)PH102) 52.05
メチルセルロース
(Methocel(商標)A15LV) 3.22
エチルセルロース 5.47
ポリビニルピロリドン
(ポビドンK30) 2.39
【0105】
フェンテルミン塩酸塩を糖球(sugar spheres)上にコーティングし、即時放出フェンテルミンビーズを準備した。次いで、2組のビーズを複数のカプセル剤のそれぞれにカプセル化した。
【0106】
実施例2
フェンテルミンと組み合わせた本発明のトピラメートの制御放出製剤と、即時放出トピラメート(トパマックス(Topamax(登録商標)))とを比較した研究において、本発明のトピラメートの制御放出製剤はフェンテルミン曝露に対して10〜15%低い効果を有した(図2)。
【0107】
複数回投与における定常状態での血漿フェンテルミンPKパラメーターについての平均値および統計比較は、第2表にまとめている。
【表2】

【0108】
これらのデータは、複数回投与後の試験対参考治療の間のフェンテルミン曝露の低下した最大値および範囲を示す。それ自体、トピラメートの制御放出製剤は、フェンテルミンとの薬物相互作用を減少させ、次いでフェンテルミンと関連するさらなる副作用を減少させるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トピラメートの有効量;
微結晶セルロース;および
メチルセルロース、
を含む、対象において肥満症、糖尿病または関連状態を治療するための制御放出組成物。
【請求項2】
該トピラメート、該微結晶セルロース、および該メチルセルロースがビーズのマトリックスコアに存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
該マトリックスコアがエチルセルロースでコーティングされている、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
該マトリックスコアがポリビニルピロリドンでさらにコーティングされている、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
該ビーズがカプセル剤にカプセル化されている、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
該カプセル剤が交感神経刺激薬をさらに含む、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
該交感神経刺激薬がフェンテルミンまたはブプロピオンである、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
該フェンテルミンまたは該ブプロピオンが糖球(sugar sphere)上にコーティングされている、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
該フェンテルミンまたは該ブプロピオンが制御放出トピラメートビーズ上にコーティングされている、請求項7記載の組成物。
【請求項10】
該フェンテルミンまたは該ブプロピオンが即時放出型である、請求項7記載の組成物。
【請求項11】
該フェンテルミンまたは該ブプロピオンが制御放出型である、請求項7記載の組成物。
【請求項12】
該トピラメートがフェンテルミンまたはブプロピオン曝露を減少させ、フェンテルミンまたはブプロピオンと関連する副作用を減少させる、請求項7記載の組成物。
【請求項13】
対象において体重減少を達成する方法であって、漸増用量投与計画(escalating dosing regimen)に従ってトピラメートの有効量を該対象に投与することを含む方法であって、該トピラメートが制御放出型である方法。
【請求項14】
該制御放出型が該トピラメートの持続放出、遅延放出または持続放出および遅延放出の両方を提供する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
該投与計画が、
トピラメートの初回の1日投与量を該個人に一定期間投与すること;および
様々な指定の時点で該投与量を徐々に増加すること、
を含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
初回の1日投与量が20mg〜100mgの範囲にある、請求項15記載の方法。
【請求項17】
トピラメートの初回の1日投与量が23mg/日である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
交感神経刺激薬の有効量を投与することをさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項19】
該交感神経刺激薬がフェンテルミンまたはブプロピオンである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
該交感神経刺激薬が即時放出型である、請求項18記載の方法。
【請求項21】
漸増用量投与計画(escalating dosing regimen)に従ってトピラメートの有効量を対象に投与することによって、該対象において体重減少を達成する方法であって、
第一週の間、15mg/日〜30mg/日の範囲の投与量でトピラメートの初回用量を投与すること;
その後、第二週の間、35mg/日〜55mg/日のトピラメートを投与すること;
その後、第三週の間、60mg/日〜80mg/日のトピラメートを投与すること;および
その後、第四週の間、85mg/日〜125mg/日のトピラメートを投与すること、
を含む方法。
【請求項22】
該漸増用量投与計画(escalating dosage regimen)を通じて交感神経刺激薬の1日投与量を投与することをさらに含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
該交感神経刺激薬の1日投与量が毎週徐々に増加する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
該交感神経刺激薬がフェンテルミンである、請求項22または23記載の方法。
【請求項25】
フェンテルミンの1日投与量が2mg〜15mgの範囲にある、請求項24記載の方法。
【請求項26】
トピラメート、および体重減少を達成するために漸増用量投与計画(escalating dosing regimen)に従って該トピラメートを投与するための説明書を含む、パッケージ化された医薬製剤。
【請求項27】
交感神経刺激薬をさらに含む、請求項26のパッケージ化された医薬製剤。
【請求項28】
該トピラメートおよび該交感神経刺激薬が用量設定カード(titration card)に提供され、該カードが4週間の各薬剤の1日投与量を提供する、請求項27のパッケージ化された医薬製剤。
【請求項29】
該トピラメートの1日投与量が毎週増加する、請求項28のパッケージ化された医薬製剤。
【請求項30】
該交感神経刺激薬の1日投与量が毎週増加する、請求項29のパッケージ化された医薬製剤。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−522897(P2011−522897A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513647(P2011−513647)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/046805
【国際公開番号】WO2009/152190
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(510324931)バイバス・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】VIVUS, INC.
【Fターム(参考)】