説明

余剰タイヤおよびゴムコンパウンドの再処理

本発明は、タイヤ、チューブ、靴底または任意の他のゴム含有製品からのゴムを含むゴム材料を処理するための方法、システムおよびデバイスを提供する。化学組成および/または製造者、型式および製造日などのゴム材料の特性は特定することができる。特定は人手によっても、自動化しても、あるいはこれらを組み合わせて行うこともできる。ゴム材料の特性は、ゴム製品を分類するために使用することができる。特定の最終製品に適したゴム材料は、その後の処理のために選択される。そのような処理には、破砕、材料分離、化学的処理および物理的処理、脱硫、またはこれらの組み合わせが含まれうる。処理されたゴム材料は製品仕様とともに、保管されるもしくは使用者または製造現場に送られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本願は、2008年6月2日出願の米国仮特許出願第61/058,122号の優先権の利益を主張する2009年6月1日出願の米国特許出願第12/476,211号の一部継続出願である、2009年12月1日に出願の米国特許出願第12/628,947号の利益を主張するものであり、その開示の全てが参照により本明細書中に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]自動車タイヤおよび他のゴム製品は廃棄が困難な場合がある。さらに、これらゴム材料を処理するために多くのリサイクル手順が提案または使用されてきた。しかしながら、これらの手順の大部分では元のゴム材料に比べて低い品質の最終製品が提供される。したがって、再生ゴムの多くが運動場の床、陸上競技用トラックおよび種々のパッドまたはゴム製構造物またはデバイスのような代替的用途のために使用される。
【0003】
[0003]所定の組成を有するとともに非常に良好なゴム品質が求められる新しい製品の製造に使用できる最終製品を、自動車の古タイヤなどの廃ゴムをリサイクルする方法によって提供することができれば、この技術分野におけるかなりの進歩になるであろう。この技術分野では、例えば、新品の自動車用タイヤの製造の一部として使用済み自動車用タイヤをリサイクルすることができる方法を開発することが望まれる。再生ゴムから高品質の最終ゴム製品を供給するという目標は困難であることが立証されているが、本明細書に記載する方法は再生ゴムから高品質の製品を製造する新規な手法を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]本発明は、タイヤ、チューブ、靴底または任意の他のゴム含有製品からのゴムを含むゴム材料を処理するための方法、システムおよびデバイスを提供する。化学組成および/または製造者、型式および製造日などのゴム材料の特性は特定可能である。特定は作業者によっても、自動化しても、あるいはこれらを組み合わせて行うこともできる。ゴム材料の特性はゴム製品を分類するために使用することができる。特定の最終製品に適したゴム材料は、破砕、材料分離、化学的および物理的処理、脱硫、またはこれらの組み合わせを含みうるさらなる工程のために選択される。処理されたゴム材料は製品仕様とともに保管されるもしくはユーザまたは製造現場に送られる。
【0005】
[0005]投入材料の特定および/または工程を管理する作業者には規制基準および/または他のあらゆる基準に従うように訓練が行われうる。作業者には多くの分析技術のいずれかを使用して投入材料の組成を特定するための訓練が行われうる。分析技術は当業者に周知の任意の分析技術とすることができる。
【0006】
[0006]ゴム材料は、汚染物質、有毒物質、金属または他のあらゆる望ましくない物質が除去されるように処理されうる。ゴム材料は、処理後のゴム製品を選択した工程で使用することができるように、または選択した製品に使用することができるように処理されうる。本発明のいくつかの実施形態では、ゴムは、製品が選択した仕様を満たすように処理される。これらの仕様には、サイズ、組成、機械的特性または本明細書中に記載する他のあらゆる特性が含まれうる。
【0007】
[0007]ゴム材料の処理に使用する機器には、回転剪断機、コンベア、トラフ型アウトフィードコンベア(troughed out feed conveyors)、分割シュート、分割コンベア、プレシュレッダー、磁気テーブル、造粒機、オーババンド磁石(overband magnets)、エレベーティングコンベア、ジグザグ、サイクロン、グリッド、メッシュが含まれる。本明細書中に記載されるまたは当業者に周知のゴム材料の処理に使用される他の機器をゴム材料の処理に使用することができる。
【0008】
参照による組み込み
[0008]本明細書に記載される刊行物および特許出願は全て、個々の刊行物または特許出願が明示的かつ個別に示され参照により組み込まれるのと同程度に、参照により本明細書中に組み込まれる。
【0009】
[0009]本発明の新規な特徴は添付の特許請求の範囲に詳述されている。本発明の原理を利用した説明的な実施形態を記載する以下の詳細な説明と、それに付随する図面を参照することにより本発明の特徴および利点がより理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】再生ゴムから新しい製品を製造するための評価および選択の手順を示す。
【図2】本発明の実施形態に従う制御された処理システムの高レベルの記述を示す。
【図3A】訓練された作業者により実施される本発明の方法に従って廃ゴムまたは余剰ゴムなどの原料を選択した後、その特定の原料を第1の裁断工程に送り投入する例示的なシステムを示す。図3Aの最後は図3Bの最初に続く。
【図3B】訓練された作業者により実施される本発明の方法に従い廃ゴムまたは余剰ゴムなどの原料を選択した後、その特定の原料を第1の裁断工程に送り投入する例示的なシステムを示す。図3Bの最後は図3Cの最初に続く。
【図3C】訓練された作業者により実施される本発明の方法に従い廃ゴムまたは余剰ゴムなどの原料を選択した後、その特定の原料を第1の裁断工程に送り投入する例示的なシステムを示す。図3Cの最後は図3Dの最初に続く。
【図3D】訓練された作業者により実施される本発明の方法に従い廃ゴムまたは余剰ゴムなどの原料を選択した後、その特定の原料を第1の裁断工程に送り装填する例示的なシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0013]ここでは、タイヤの製造において新品ゴムおよび/または使用済みゴムの代わりに使用される材料のような目的物を余剰ゴムまたは再生ゴムから生成するのに有用な方法および工程を記載する。一態様において、方法は、廃材のコンパウンド配合に従って余剰タイヤおよび/または廃ゴム材料を評価するステップと、廃材から分離すべき材料を選択するステップであって、その材料は目的物の製造のために選択されるステップと、選択したタイヤおよび/または廃ゴム材料を分離するステップであって、前記分離は、選択した余剰タイヤの特定の品質のために予め決められた特定の最終用途のために分離した材料を処理するためであるステップとを含む。この方法はその周知の組成に従いタイヤを選択する電子識別システムを使用する新規な手法で行われてもよい。
【0012】
[0014]本明細書に記載した方法およびシステムは、再生ゴム材料を生成するのに必要な熱エネルギーなどのエネルギー、冷却、および化学薬品の添加量を、現状のゴムリサイクル方法に比べて大幅に低減することができる。一実施形態において、方法およびシステムはカーボンフットプリントを削減することができるとともにゴムのリサイクル方法の持続性を向上させることができる。
【0013】
[0015]一実施形態においては、廃材を評価し、選択し、分離した後、最終ユーザーによる最終製品の配合を達成するため、2種以上の廃材を混合してもよい。さらに別の実施形態においては、最終製品の製造を制御および管理するための工程内に組み込まれたコントロールの範囲内で混合を監視することができる。
【0014】
作業者
[0016]一実施形態においては、評価と選択の作業を行う者は、その作業人に選択の方法と工程を十分に熟知させるための特別な訓練コースを履修していなければならない。これら訓練コースは国際的に認識されていてもよい。その人物は定められた選択手順を遵守しなかった場合の不利な結果についても知っていてもよい。検査員がサンプル検査を通して選択手順を常に監査することにより工程の信頼性をさらに確保することができる。
【0015】
[0017]評価および選択の工程は、選択した製品の妨げになり得ない限り、処理プラント内の管理された環境で実施される製品または材料の処理前に、任意の承認および許可された作業に適した場所において実施してもよい。一実施形態においては、適切な場所は本発明の工程について訓練を受けた者によって承認される。
【0016】
[0018]一実施形態においては、適切に訓練された者が余剰材料選択の品質管理のための評価と選択を実施する。別の実施形態においては、これらの機能は、製品からの、もしくは製品それ自体に関連する基準または入力に基づきコンピュータシステムにより実施される。この工程はISOの工程を順守してもよい。本明細書に記載された機能を実施する、またはその機能を実施するためのコンピュータシステムを制御する作業者は、本明細書に記載された工程の多くでしばしば重要となりうる、工程の高度な品質管理を保障するために、訓練を受け、試験され、繰り返し審査される。また、作業者には製品の詳細または製品の変更に基づく一貫した最新情報が提供される。
【0017】
[0019]一つの例示的な実施形態では、本発明の工程または選択工程を実施する作業者は、余剰材料、再生材料、または廃材を、その材料の複数の特性に基づいて評価するための訓練を受ける。例えば、特性には、材料のタイプ(例えば、種類およびサイズ)、その材料からの金属、ワイヤ、または繊維の抽出性、処理後の材料の特定の最終用途のための処理サイズ、形状および粒子タイプ、最終用途のための種々の特性の処理材料の混合性、ならびに処理量および重量が含まれるが、これらに限定されるものではない。初期評価の後、新しい製品または最終用途品を生成するために必要な工程は全て、処理日時、処理した材料の量、または最終用途において使用するための最終処理材料の特性に関して所望されうる他の全ての項目について作業者またはコンピュータシステムによって監視が実施されうる。
【0018】
[0020]必要な工程は所望の最終用途または製品に基づき作業者および/または自動化システムにより決定されてもよい。例えば、廃ゴム材料の場合、訓練された作業者が処理機器の動作特性を決定してもよい。処理機器は可変かつプログラム可能であってもよい。例えば、運転速度、回転数、運搬速度、時間、温度、強度、電力量、処理薬品および/または処理機器の物品の任意の他の動作特性は、所望の最終用途または製品を生産するために変更(例えば、増加される/減少される)および/または維持されてもよい。処理機器には回転剪断機、コンベア、トラフ型アウトフィードコンベア、分割シュート、分割コンベア、プレシュレッダー、磁気テーブル、造粒機、オーババンド磁石、エレベーティングコンベア、ジグザグ、サイクロン、グリッドおよびメッシュを含むが、これに限らない、本明細書中に記載されるいずれのデバイスおよび/または装置を含んでよい。いくつかの代替実施形態においては、コンピュータシステムのような自動化システムが受信した廃ゴム材料および/または最終製品の所望の特徴に基づき1つ以上の処理機器の動作特性を決定してもよい。
【0019】
[0021]いくつかの実施形態では、作業者には、作業者が評価または選択機能を実施することおよび/または本明細書中に記載されるいずれのステップを実施することを可能にしうる一連のコントロール部が提供されてもよいおよび/またはそれと連携してもよい。コントロール部は、コンピュータインターフェース、1つ以上のスクリーン、ボタン、ノブ、スイッチ、レバーまたは任意の他の一連のインターフェースデバイスを含むがこれに限らない、任意のユーザーインタラクティブなインタフェースとして設けられてもよい。ユーザーインタラクティブなインタフェースは訓練された作業者から入力を受信するように構成されてもよい。そのような入力には、分類、材料特性、材料識別、所望の最終製品の識別または特徴、もしくは処理機器の動作特性に関する入力を含んでもよいがそれに限定されるものではない。
【0020】
投入原料および識別
[0022]余剰のタイヤおよびゴムコンパウンド材料が工程制御の管理下に入った時点から、選択されたバッチおよび工程に適さないことが判明した材料は、最終製品が梱包され使用または出荷の準備が整うまでバッチとともに工程システム内を移動する追跡可能なタグをつけて識別しておくことができる。一実施形態においては、全ての最終製品に、内容物を記載した構成成分の組成ラベルの付いた明確かつ簡潔な追跡可能タグが付けられる。例えば、最終製品にはバーコードが付されてもよい、RFIDタグが付されてもよい、または他の電子的に識別可能なデバイスを有していてもよい。タグはバッチおよび/または材料を識別してもよく、前記識別子は相互参照されてもよい、もしくはデータベースまたは材料についての追加の情報を有しうる任意の他の一連の記録にアクセスを提供してもよい。そのような追加の情報には材料特性、老化、機能、目的とする最終製品、目的とする最終製品の特徴および/または機器性能パラメータについての情報を含んでもよい。一方、タグはそれ自体がバッチおよび/または材料についての情報を含んでもよく、それは本明細書中に記載される追加の情報を含んでも含まなくてもよい。
【0021】
[0023]最終製品の組成がリサイクル工程で明確に定義された結果、最終製品は再度および繰り返しリサイクルされてもよい。例えば、リサイクル材料を追跡することにより、それらの材料が適した最終用途を知ることができるとともに理解することができ、また材料の欠陥ならびに健康および安全性の問題を回避する、または最小限に抑えることができる。別の一例においては、工程では、リサイクルをより容易にかつ正確に管理するために、製造された全てのタイヤの組成を特定する必要がありうる。ゴム材料は、イソプレン、硫黄、エボナイト、3−メチルイソプレン(2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン)、チオコール、ジビニルアセチレン、ネオプレン、イソブチレン(2−メチルプロペン)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、シス−1,2−ポリイソプレン、シス−1,4−ポリブタジエン、ポリウレタン、エチレン−プロピレンターポリマーゴム(EPDM)、金属、鋼、ピグメント、およびカーボンブラックを含む、様々な成分から構成されうる。さらに別の成分は、米国特許第4240587号、同5157176号、同5236992号、同5375775号、同5634599号、同5883139号、同6407180号、および同6752940号に記載されており、これらのそれぞれは全て参照により本明細書中に組み込まれる。表Iは、各種ゴム組成物において特定されうる各種成分を列挙したものである。表IIは、欧州連合においてトラックおよび乗用車に使用される余剰タイヤと、カナダのタイヤ用ゴムで特定されうる各種成分を列挙したものである。乗用車タイヤの重量の約80%およびトラックのタイヤの約75%をゴムコンパウンドとすることができる。いくつかの例においては、異なる製造者により製造されたタイヤの組成は類似していることもあり、類似していないこともある。タイヤは、表IIIに示すように、約1.5重量%の有害廃棄化合物を含みうる。これらの化合物は、ゴムコンパウンド中に包含されている、または合金元素として存在する。これらの化合物はいずれも、作業者または自動化工程により特定することができ、処理すべきゴム材料を特定するために使用され、選択した最終製品を特定するために使用され、処理中にゴム材料を分離するために使用され、あるいは処理中にゴム材料を分離するための基準として使用される。
【0022】
【表1】

【0023】
【表2】

【0024】
【表3】

【0025】
[0024]どのようにゴム材料が製造されたかといった特性またはゴム材料が暴露されていた環境のタイプに基づいて分類することもできるゴム材料。例えば、熱硬化させたゴム材料は、熱硬化させていないゴム材料とは異なるグループに分類してもよい。別の例として、例えば砂漠において大きな気温変動および/またはUV暴露を受けたタイヤは、温和な気候および/または低いUV暴露を受けたタイヤとは異なる分類としてもよい。一方、ゴム材料は、有害放射性物質、有毒化学物質、または有害廃棄化合物などの有毒または有害な物質の含有量、またはそれらへの暴露に基づいて分類することもできる。
【0026】
[0025]一実施形態においては、評価工程の手法は、人の眼を使用するにしても、タイヤの特徴を認識する他の電子的なシステムを使用するにしても、選択およびバッチ化のためにタイヤまたは他の材料などのゴム材料を目視により検査することに基づく。例えば、ゴム材料を目視検査することにより、製造者、製造日、または製品型式に関する情報が得られる。目視検査により、類似するまたは実質的に同じ組成を有するゴム製品を分類する簡単な方法が提供されうる。類似するまたは実質的に同じ組成を有すると確認されたこれらの物質の成分を特定するためにさらに分析を行うことができる。本発明のいくつかの実施形態においては、製造者、製造日、または製品型式を確認するために目視検査は必要ない。この情報は、本明細書中に記載された、自動認識を含む、方法、システムおよびデバイスにより得ることができる。製造者、製造日および/または製品型式の知識が組成、老化および/またはゴム製品の他の特徴を決定するために使用されてもよい。そのような情報は前記決定を行うにあたり他のデータと比較されてもよいおよび/または相互参照されてもよい。
【0027】
[0026]別の実施形態においては、本明細書に記載される工程は、種々のバッチまたは最終製品を電子的にまたは自動的に認識することにつながりうる。本発明のいくつかの実施形態においては、ゴム材料を特徴づけるために、光学的な、磁気ベースの、および/または機械的な分析を利用する自動化システムを使用することができる。例えば、ゴム材料は、そのゴム材料の1種以上の成分を特定する分光光度法を使用して検査することができる。代替的に、製造者またはゴム材料に関する情報を判断するためにゴム材料のデジタル画像が得られ、処理される。
【0028】
[0027]図1は、再生ゴムから新しい製品を製造するための評価および選択の手順を示す。例えば、古タイヤまたは使用済みのタイヤを、品質管理システム下において選択手順に供することができる。例えば、この管理システムは、訓練された専門家による手動管理とすることができる、または自動化しコンピュータ管理とすることができる。一実施形態においては、タイヤに電子タグを付ける、またはRFIDによりマーキングし、その後、本発明の選択手順に進むにあたりコンピュータシステムで読み取られる。適切な余剰タイヤがシステム(例えば、訓練された作業者)により特定された後、余剰タイヤは本明細書中に記載されたプラント工程などのプラント工程に進むために、バッチ化され、タグが付けられる。図1は、タイプ、サイズ、または最終用途により決定されたような信頼できる他の任意の基準により、選択手順においてゴム材料をさらに評価するステップも示す。例えば、新しいタイヤの製造に部分的に使用される余剰ゴムの基準は、運動場に使用される余剰ゴムの基準と比較すると異なっていてもよい。一実施形態においては、本発明の方法による再生ゴムの最終製品は、フォークリフト用または自転車用タイヤなどの低速タイヤの製造に使用することができる。別の実施形態においては、再生ゴムの最終製品は部分的に自動車用タイヤなどの高速タイヤの製造源として使用することができる。
【0029】
材料の分類および分離
[0028]図1はまた、選択した材料をサンプル検査用のプラントに搬送する例示的な工程を示す。例えば、最終使用に適した品質を有する材料を検査するための訓練を受けた者がサンプル検査を行う。一実施形態においては、使用者から提供された基準に基づいて材料を識別するようにプログラムされた機械がサンプル検査を実施する。図1に示すように、処理すべき材料を選択後、前処理手順を実施することができる。例えば、当業者には明らかなように、前処理手順には、金属ビードの抽出、余剰ゴム材料の切断、または特定の最終用途により求められる他の作業が含まれる。材料が選択された後、一実施形態においては材料が調製された後、例えば本明細書で以下に記載するようなプラントにより処理される。選択されなかった材料も、代替的な使用または異なる基準を有する最終用途での調製のために分類されるおよび/またはバッチ化される。図1に示す別の実施形態においては、選択された材料から抽出されたビードまたは金属等の物質は、他の工業プロセスのためにマーキング、分類、および/またはバッチ化されうる。材料を選択するための施設は、図1に示すように、保管のための設備を含みうる。一実施形態においては、保管は、プラント投入前に材料を搬送するのに要する時間と関連しうる。例えば、新しい材料のバッチが工程に入る前に、プラントから前のバッチのスループットによる汚れを除き、清浄化しなければならない場合、手順を順守することで他の材料との混合の危険性を最小限に抑えることができる安全な保管エリアに材料を保持しておくことができる。
【0030】
材料破砕
[0029]ゴム粒子調製プラントの一例は、乗用車用、商業車用、およびトラック用タイヤを含む様々な規定品質のコンパウンドを有する投入タイヤを15”〜16”幅のスーパーシングルサイズに1時間当たり4トンを超えて処理するように設計され、さらに切断サイズを処理用の機器に合わせた大きさとすることもできる。ゴム粒子調製プラントは、1トン、2トン、3トン、4トン、5トン、6トン、8トン、10トン、12トン、15トン、20トン、25トン、30トン、50トンまたはそれ以上を超える量および/または1トン、2トン、3トン、4トン、5トン、6トン、8トン、10トン、12トン、15トン、20トン、25トン、30トン、50トン以下またはそれ未満の量を含むが、それに限らないあらゆる量の送込みタイヤを処理するように設計されてもよい。完成品のサイズは、定寸台に基づく最終粒子のグリッド穴径に依存しうる。例えば、供給される基本的な完成品の粒子は約4/5mmである。本発明のいくつかの実施形態においては、完成品の粒子のサイズは、約0.01、0.1、0.5、0.8、1、2、4、5、10、20または50mm以下か、それより大きいか、またはほぼその値である。完成品は、約0.5〜10mm、1〜7mm、3〜6mmまたは4〜5mmの間のサイズを有することができる。
【0031】
[0030]本明細書中に記載する余剰ゴム製品を製造するための工程の間に、廃ゴムまたは使用済みゴムを、廃材を裂断、剪断または裁断するためのシステムまたはデバイスに供給することができる。例示的な一実施形態においては、タイヤは回転剪断ホッパーに供給される。粒状または粉状製品は最終使用用途用に設計されるものであるため、余剰または再生ゴムの裁断用の他のタイプのデバイスは、工程に要求されるサイズ形状および密度を達成するために様々なものであってもよい。
【0032】
[0031]一例では、回転剪断機は、保護用ディスクの間にあるフックタイプの刃部を装着した2つの低速で逆回転するシャフトを含む。それぞれ減速ギアボックスが取り付けられた個々の油圧モータがシャフトを駆動しうる。全ての軸受は油入りであり、機械とケースは有害な液体が入り込むことを避けるために密閉されている。油圧モータには、オイルクーラーおよび電気コントロール部を備えた独立式の自立型パワーパックから油圧オイルが供給される。このユニットは送込みホッパー(in-feed hopper)と排出シュートを備えた独立型の鋼製構造物の上に設置される。
【0033】
[0032]廃材を裂断、剪断または裁断するためのシステムまたはデバイスを出た処理済材料はコンベアで搬出することができる。一例では、コンベアはゴムシェブロンベルトコンベアである。処理済材料を工程のある部分から次の部分に移動させるためのコンベアは当業者には明らかであろうように任意のコンベアまたはシステムであってもよい。一方、任意の加工済材料を手動で移動してもよい。
【0034】
[0033]一実施形態においては、コンベアの先端部分で処理済材料が分割され、少なくとも1つのプレシュレッダーに処理済材料を運ぶ2つのコンベアに導かれる。第1段(first stage)プレシュレッダーは、直径が約50mmの穴を有するグリッドを備えることができ、プレシュレッダーのロータは最終製品の品質に大きく影響しうる周知のおよび既定の速度で運転されてもよい。いくつかの実施形態では、プレシュレッダーのロータは10〜300rpm、50〜200rpm、90〜150rpm内の速度で、または約10rpm、30rpm、50rpm、80rpm、90rpm、100rpm、120rpm、140rpm、150rpm、170rpm、180rpm、190rpm、200rpm、210rpm、220rpm、230rpm、250rpm、270rpm、290rpm、300rpm、350rpmで、または任意の他の速度で運転されてもよい。既定の速度は裁断される材料および/または最終製品の所望の特徴に依存してもよい。プレシュレッダーのロータの速度は生じる裁断済材料の形状に影響してもよい。いくつかの実施形態では、回転を遅くすることによって供給の詰まりに対処することができるより大きなトルクを提供してもよい。これは製品の形状を向上しうる。供給速度および回転速度は、原材料の量とともに完成品の特徴を決定してもよい。いくつかの実施形態においては、より立体の最終製品が好ましいであろう。本発明の別の実施形態では、グリッドは、直径約10、20、50、75、100または150mm以下か、それより大きいか、またはほぼその値の穴径を有しうる。プレシュレッダーは、また、約50、150、200、250、300または350rpm以下か、ほぼその値か、またはそれより大きい回転数で運転してもよい。
【0035】
[0034]供給と処理の両方が合うことを確実にするようプレシュレッダー上流側の材料を継続的に監視してもよい。供給速度と処理速度は最終製品の所望の特徴(例えば、組成、形状)を生成するために整合させてもよい。
【0036】
[0035]一実施形態においては、プレシュレッダーは、鋼製本体上で回転する、シェブロン型構成の刃部を備えたロータを含む。例示的な一実施形態においては、本体は、2列の静的な、調節可能な刃部と、高摩耗部分に耐摩耗性ライナーとを備えることができる。別の実施形態では、第1段プレシュレッダーは、直径約10〜500mmの穴径のグリッドを備える。グリッドは、また、直径約1、5、10、50、75、100、200、300、400、500、750または1000mm以下か、ほぼその値か、またはそれより大きい穴径を有することができる。穴径は、約1〜1000、5〜750、10〜500、20〜250または40〜125mmとすることができる。グリッドは油圧降下デバイスなどにより容易に取り外すことができる。さらに別の実施形態では、プレシュレッダーのロータは周知のおよび既定の速度で運転することができる。いくつかの例では、この周知のおよび既定の速度は約10〜1000、20〜750、または50〜400rpmの範囲であってもよい、もしくは任意の他の速度を有してもよい。材料は、機械の底部にあるグリッドから排出され、振動コンベアにより搬出することができる。振動コンベアは、多くの場合、金属で構成され、従って、本発明のシステムに損傷を与えずに、処理済材料中に存在しうる任意の加熱された鋼成分を回収することができる。振動コンベアは、また、火災の危険性を相応に減少させることができる。別の実施形態では、摩擦を減少させるためにプレシュレッダーにミスト噴霧システムが設けられており、それにより切断性が改善されるとともに、火災の危険性が減少する。この例では、完成品が濡れることを防ぐために水流を制御することができ、粉塵の発生を制御するためにろ過を用いることができる。
【0037】
[0036]一実施形態では、第1段プレシュレッダーから振動コンベアを通って排出される裁断済材料は、第1段プレシュレッダーに設けられるグリッドよりも小さな直径の穴を有するグリッドサイズを有する第2段(second stage)プレシュレッダーにコンベアによって運び上げることができる。例えば、第2段プレシュレッダーに設けられたグリッドは、直径10〜500mmの穴を有することができる。グリッドは、また、直径約1、5、10、50、75、100、200、300、400、500、750または1000mm以下か、ほぼその値か、またはそれより大きい穴径を有することができる。穴径は、約1〜1000、5〜750、10〜500、20〜250、または40〜125mmとすることができる。さらに別の実施形態では、第2段プレシュレッダーのロータを周知のおよび既定の速度で回転することができる。いくつかの例では、周知のおよび既定の速度は約10〜1000、20〜750、または50〜400rpmまたは任意の他の速度であってもよい。
【0038】
[0037]第2段プレシュレッダーは、刃部を備えた高速回転シャフトから構成することができる。第2段プレシュレッダーは、約0.5、1、5、10、20、30、50、75、100または150mm未満か、ほぼその値か、またはそれより大きいサイズの材料を製造することができる。処理済材料を第2段プレシュレッダーで裁断後、材料はプレシュレッダーから出て別のコンベアに載せられうる。一実施形態においては、材料は第2段プレシュレッダーを出て金属製ベルトの振動コンベアに載せられる。摩擦を減少させるために、噴霧システムをシュレッダーに設けることができ、これにより切断性を向上し、かつ火災の危険性を減少させる。さらに別の一実施形態では、完成品が濡れることを防ぐために水流が制御される。
【0039】
[0038]処理済材料は少なくとも1つのプレシュレッダーを通過後にコンベア上に供給されうる。好ましくは、処理済材料は直径が約1000〜1、500〜5または100〜10mm以下の粒子である。一実施形態においては、コンベアは、材料を攪拌し、これにより磁気テーブルによる鋼の除去を最大化するための偏心ローラをベルトの下に備えたゴムベルトコンベアである。粒状の処理済材料は、その後、別のコンベア、例えばゴムベルトエレベーティングコンベアに搬送することができる。一実施形態においては、磁気テーブルは、処理済ゴム材料からあらゆる鋼物質を除去するためにコンベア上の鋼製フレームから吊り下げられたオーババンド磁石ユニットである。
【0040】
磁気分離
[0039]裁断後、処理済材料を、さらなるコンベアへの供給速度を制御する貯蔵ホッパーに搬送することができる。一実施形態においては、コンベアは、シェブロン型のゴムベルトエレベーティングコンベアである。一実施形態においては、貯蔵ホッパーは、摩耗を減らすために可撓性を有して配置されている組み立てられた鋼製構造体である。貯蔵ホッパーは、材料の流れを制御するための調節可能なゲートを含むことができる。
【0041】
[0040]処理済材料は、その後、直径約12mmの穴を有するグリッドを備えた回収造粒機を最初に含む造粒機セクションに供給されうる。穴の直径は、また、約1、2、4、6、8、10、15、20、25、50、75または100mm以下か、ほぼその値か、またはそれを超えるものとすることができる。造粒機セクションは、典型的には、送込みホッパーと、造粒済ゴムを搬出するためのグリッド下の振動コンベアを含む。鋼粒子を除去するため、オーババンド磁石が振動トレー上に設置される。ゴム粒状物は振動機の端から直接バケットエレベータに落下する。プレシュレッダーの場合と同様にろ過が実施される。
【0042】
[0041]一実施形態においては、造粒機セクション後の処理済材料は約95%が金属を含まない。別の実施形態では、処理済材料は約99%が金属を含まない。さらに別の実施形態では、処理済材料は金属物質を含有しない。一実施形態においては、造粒機セクション後の処理済材料は、約95%が磁性物質を含まない。別の実施形態では、処理済材料は約99%が磁性物質を含まない。さらに別の実施形態では、処理済材料は金属物質を含有しない。一実施形態においては、造粒機セクション後の処理済材料は約95%が鋼を含まない。別の実施形態では、処理済材料は約99%が鋼を含まない。さらに別の実施形態では、処理済材料は鋼を含有しない。処理済材料が所与の物質を含まないパーセントは、重量基準、体積基準、またはこれらの組み合わせで求めることができる。
【0043】
追加処理
[0042]一実施形態においては、バケットエレベータコンベアは、材料を運び上げ、ロータリーバルブシステムを介してジグザグシステムの上部へ排出する。ジグザグコンベアは岩石または金属バルブなどの任意の重い物質を底部から排出することを可能にする。さらに加工された材料は上部から空気コンベアシステムによってサイクロン内に引き出され、これは最終システムに供給するスクリューエレベーティングコンベアに排出される場所において最終製品の品質に大きく影響する可能性のある空気流の速度および量を遠隔的に調節することができるという点で特有となりうる。空気流速度は5m/s〜300m/s、15m/s〜200m/sまたは約22m/s〜100m/sの範囲内であってもよい。エアフロー速度はいかなる値を有してもよく、それは2m/s、5m/s、10m/s、15m/s、20m/s、22m/s、25m/s、30m/s、40m/s、50m/s、70m/s.90m/s、100m/s、120m/s、150m/s、200m/s、250m/s、300m/s、500m/sまたはそれを超えるまたは下回る値を含んでもよい。エアフロー速度は加工される材料に依存してもよい。
【0044】
[0043]第2段造粒機は、前出の造粒機に類似の機械であるが、直径約5mmの穴径を有するグリッドを備えることができる。グリッドは、約0.01、0.1、0.5、1、2、4、7.5、10、15または20mm未満か、ほぼその値か、またはそれより大きい穴径を有することができる。第2段造粒機は第1段と同様にろ過を実施することができる。造粒機から出た材料は、金属製振動コンベアによる排出の後、スクリューコンベアで運び上げられ、選別機に供給され、そこで綿毛のような細く軽い物質は空気で除去され、ろ過システムへ搬送される。選別機は入力および出力速度が遠隔的に制御され、最終製品の品質に大きく影響しうるという点において革新的となりうる。選別機はサイクロンと縦一列に並んで運転してもよく、両者のバランスのとれた運転によって最終製品の所望の特徴が提供されてもよい。ここでゴム粒子となった処理済材料は、振動トレーによりサイズが揃えられ、サイズが揃えられた製品はスクリューコンベアで運び上げられ、回転永久磁石に供給されて、あらゆる残留鋼が除去される。最終ゴム製品は、スクリューコンベアを運び上げることにより貯蔵システムへ移送されることになろう。
【0045】
[0044]本発明のいくつかの実施形態においては、ゴム材料に脱硫処理を行うことができる。脱硫には、化学的もしくは物理的処理を含む当業者に周知の方法、または「Evaluation of Waste Tire Devulcanization Technologies」,CalRecovery Inc., California Integrated Waste Management Publication, December 2004に記載されている方法(この開示の全ては本明細書中に参照により組み込まれる)を含む任意の脱硫法が含まれる。例えば、脱硫工程には、ゴムの熱分解、ゴムの極低温環境への暴露、またはゴムの超音波またはマイクロ波への暴露が含まれうる。
【0046】
製品梱包
[0045]本発明のいくつかの実施形態においては、使用者に配送するために処理済ゴムを梱包する。処理済または再生ゴムには、粒子サイズ、組成、金属含有量、機械的特性、原料物質、原料物質組成、および原料物質の機械的特性を含む、製品仕様または仕様書を添付することができる。梱包された製品は追跡可能なタグまたは他のデバイスで識別されてもされなくてもよい。いくつかの例では、追跡可能なタグに関連したおよび/または保存された情報が製品仕様の作成に使用されてもよい。製品は、ISO規格を含む任意の規制ガイドラインに従って標準化することができる。梱包された製品には、製品の品質および/または組成を保証するため、品質管理検査が実施されうる。
【0047】
制御
[0046]図2は、本発明の実施形態に従う制御された処理システムの高レベルの記述を示す。システムはまたはそれ以上の処理機器を含みうる処理設備を含んでもよい。処理設備は、再生ゴムをリサイクルするための方法における1つ以上の分類ステップ、裁断ステップ、分離ステップ、造粒ステップおよび混合ステップに対応しうる分類機器、裁断機器、分離機器、造粒機器および混合機器を含んでもよい。制御部は処理設備の1つ以上の処理機器と通信状態にあってもよい。処理機器は可変かつプログラム可能であってもよい。
【0048】
[0047]一例では、制御部は分類機器、裁断機器、分離機器、造粒機器および混合機器の少なくとも1つと通信するように構成されてもよい。いくつかの例では、制御部は前述のタイプの機器の1つ、2つ、3つ、それ以上または全てと通信してもよい。制御部は1つ以上の信号を関連機器に送り、それによって関連機器の操作パラメータに影響を与えてもよい。例えば、制御部はプレシュレッダーロータの速度を制御してもよい。別の例では、制御部はコンベアの速度を制御してもよい。さらに別の例では、制御部はサイクロン内の空気流速度を制御してもよい。制御部は処理設備内の任意の操作パラメータを制御してもよく、操作パラメータには運転速度、回転速度、搬送速度、時間、温度、強度、処理薬品および/または任意の他の操作パラメータを含んでもよいがそれに限定されるものではない。
【0049】
[0048]いくつかの実施形態では、制御部は、また、関連機器から通信を受け取ってもよい。例えば、制御部が関連機器から情報を受信し、関連機器の性能をそれに応じて調整してもよいフィードバック構成が設けられてもよい。
【0050】
[0049]制御部は電気信号により関連機器と通信してもよい。いくつかの例では、制御部は有線または無線通信により関連機器と通信してもよい。
【0051】
[0050]いくつかの実施形態では、制御部は中央管理室に設けられてもよい。中央管理室は好ましくは残りの処理設備とともに現場にあってもよい。他の実施形態では、中央管理室は残りの処理設備から離れていてもよい。制御部は1つ以上のコンピュータシステムおよび/またはマイクロプロセッサを含んでもよい。制御部は任意のソフトウェア、ステップ、プロセスまたは手法を実行するために使用されうる論理、コード、データ、命令を備えた有形のコンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0052】
[0051]制御部は1人以上の使用者と連係するように構成されてもよい。使用者は本明細書中の別の場所で記載されるように訓練された作業者であってもなくてもよい。制御部は使用者から入力を受け取ってもよい。入力には、分類、材料特性、材料識別、所望の最終製品の識別または特徴、または処理機器の動作特性に関する入力を含んでもよいがそれに限定されるものではない。入力はユーザインタラクティブなインタフェースにより受信されてもよい。いくつかの例では、ユーザインタラクティブなインタフェースは、また、使用者に対して情報を表示してもよい。表示される情報に応じて、ユーザは入力を提供するか調節するかを選択してもしなくてもよい。いくつかの例では、制御部はユーザと無関係に動作してもよい。例えば、工程は使用者から自律的に動作してもよい。制御部は処理機器の動作を連続的にまたはスポット的に監視してもよい。いくつかの例では、ユーザは時折介入を行うのみでもよい。
【0053】
[0052]処理設備は工程内の関連する分類ステップを可能にしうる分類アセンブリを含んでもよい。分類アセンブリは原材料が原材料特性に従って分類されることを可能にしうるデバイスを含んでもよい。例えば、原材料は廃ゴムであってもよい。廃ゴムは組成に従って分類されてもよい。そのような分類を可能にしうるそのような機器は、回転剪断機、トラフ型アウトフィードコンベアおよび/または分割シュートおよびコンベアを含んでもよいがそれに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、分類機器は手荷物受取コンベア(luggage carousel)と同様に動作してもよい。分類機器は円形または任意の他の形状を有してもよい。
【0054】
[0053]原材料を識別するために原材料は光学的に走査されてもよい(または任意の他の認識技術を使用してもよい)。例えば、光学式走査器がゴムタイヤの画像を受信し、アルゴリズムを用いてタイヤを視覚的に分析し、製造者、型番またはタイヤの任意の他の識別情報を判断してもよい。いくつかの例では、型番または他の識別番号はタイヤ画像上で可視できてもよく、光学走査システムを使用して判断されてもよい。他の例では、作業者が画像を見てタイヤを特定してもよい。他の実施形態では、タイヤを特定するためにサイズ、トレッド、形状、磁気特性、材料特性、重量のようなタイヤの物理的特徴が分析されてもよい。一方、タイヤは事前に分類されてもよい、またはタイヤ識別子とともに事前にタグが付されてもよい。タイヤの特定を補助するために任意の他のセンサを利用してもよい。いくつかの実施形態では、制御部は走査器、センサまたは他の特定手段と通信していてもよい。
【0055】
[0054]タイヤの識別(または任意の他のゴム製品の識別)に基づき、1つ以上のデータベースまたは一連の記録にアクセスしてもよい。データベースは特定したタイヤ(または他のゴム製品)に関する追加の情報を含んでもよい。そのような追加の情報は、材料組成、金属含有量、機械的特性、老化、他の材料特性および/または所定の最終製品のための処理機器操作パラメータに関する情報を含んでもよい(がそれに限定されるものではない)。追加の情報はゴム製品の同一性に関連してもよい。この追加の情報に基づき、タイヤ/ゴム製品は、分類機器を使用して、同じまたは類似の材料特性を有する材料が同じ容器および/または処理ラインに分類されうるように分類されてもよい。一方、材料は同じ組成を有している必要はなく、同じ処理ラインに供給されることを可能にしうる他の望ましい特徴を有してもよい。制御部は所望の最終製品を生産するためにどの材料がどの工程に分類されるかを常時監視してもよい。制御部は、また、どの材料がどの工程に分類されるかを制御してもよい。
【0056】
[0055]処理設備は工程内の関連する裁断ステップを可能にしうる裁断アセンブリを含んでもよい。裁断アセンブリは分類後の材料が所望のサイズ、形状および/または他の特徴に裁断されることを可能にしうるデバイスを含んでもよい。いくつかの例では、分類後の材料は類似の組成を有してもよい、または所望の組成範囲内にあってもよい。裁断アセンブリには、プレシュレッダーフィードコンベア、プレシュレッダー、トラフ型搬送コンベアおよび別のプレシュレッダーを含んでもよいが、それに限定されるものではない。いくつかの例では、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれを超える裁断ステップが用いられてもよい。裁断アセンブリのいずれの裁断機器も制御部と通信状態にあってもよい。制御部はプレシュレッダーのロータ速度および/またはコンベアの速度を決定してもよい。制御部は裁断済材料の所望の材料特性(例えば、形状、サイズ)を得るために搬送速度および/またはロータ速度を調整および/または制御してもよい。これはライン全体で最終製品の所望の材料特性に影響しうる。
【0057】
[0056]いくつかの実施では、処理設備は工程内の関連する分離ステップを可能にしうる分離アセンブリを含んでもよい。分離アセンブリは特定の材料を分離しうる1つ以上のデバイスを含んでもよい。いくつかの例では、分離アセンブリは金属(例えば、鋼)または有毒物質を含みうる他の材料を除去してもよい。分離アセンブリには、磁気テーブル、トラフ型鋼排出コンベア、トラフ型搬送コンベアおよび/またはオーババンド磁石を含んでもよいが、それに限定されるものではない。金属成分を除去するために磁石を使用してもよい。特定の材料を分離するために機械的分離または化学的分離を含む他の処理を用いてもよい。主要材料は所望の最終製品になるまで引き続き工程を進んでもよい。除去された材料は保存されてもよい、廃棄されてもよいまたは種々の工程において使用されてもよい。制御部はいずれの分離機器と通信してもよい。例えば、制御部は搬送速度を制御してもよいおよび/または1つ以上の磁石の強度を制御してもよい。そのようなコントロール部はどれほど量の材料が分離されるかを決定してもよい。
【0058】
[0057]造粒ステップは分離ステップに追従してもよい。処理設備は工程内の造粒ステップと関連してもよい造粒アセンブリを含んでもよい。造粒アセンブリは材料のさらなる切断または造粒を補助しうる1つ以上のデバイスを含んでもよい。これは材料の形状を改善することとなりうる。造粒アセンブリはトラフ型搬送コンベアおよび1つ以上の回収造粒機のようなデバイスを含んでもよい。制御部は造粒アセンブリのいずれの造粒機器と通信していてもよい。制御部は回収造粒機のロータ速度および/またはコンベアの速度を決定してもよい。制御部は造粒済材料の所望の材料特性(例えば、形状、サイズ)を得るために搬送速度および/またはロータ速度を調整および/または制御してもよい。これはライン全体で最終製品の所望の材料特性に影響しうる。
【0059】
[0058]処理設備は工程内の混合ステップと関連しうる混合アセンブリを含んでもよい。混合アセンブリは所望の材料特性(例えば、サイズ、形状)をさらに改良しうる混合機器を含んでもよい。混合アセンブリにはバケットエレベーティングコンベア、ジグザグ、サイクロン、スクリューエレベーティングコンベアおよび/または選別台を含んでもよい。制御部はいずれの混合機器と通信していてもよい。制御部はサイクロンの空気流速度および/またはコンベアの速度を決定してもよい。制御部は混合済の材料の所望の材料特性(例えば、サイズ、形状)を得るために搬送速度および/またはサイクルエア速度を調整および/または制御してもよい。これは最終製品の所望の材料特性に影響してもよい。
【0060】
[0059]いくつかの実施形態では、制御部は工程全体にわたり、加工されているバッチの材料同一性を常時監視してもよい。いくつかの例では、バッチ処理または連続的な処理を利用してもよい。制御部は工程全体にわたり材料を連続的に監視してもよい。制御部は品質管理を実施するために工程全体にわたり材料のスポット検査を実施しうるセンサと通信してもよい。センサはゴムリサイクル工程の任意のポイントにある1つ以上の処理デバイスに設けられてもよい。いくつかの実施形態では、制御部は処理設備の全てのアセンブリと通信する必要はなく、特定のデバイスおよび/またはセンサと選択的に通信してもよい。
【0061】
[0060]いくつかの実施形態では、最終製品は本明細書中の別の場所に記載されるように梱包されてもよい。制御部は梱包システムと通信していてもよく、梱包済の最終製品材料の製品仕様を得るのに利用してもよい。
【0062】
[0061]制御部は記載されたいずれの装置も所望の最終製品を生産するための状態で動作させてもよい。いくつかの例では、制御部はアルゴリズムを利用してもよい、または所定の原料および/または所望の最終製品に対して特定の機器部分をどのように動作すべきかを決定してもよい。他の実施形態では、所定の原料および/または所望の最終製品に対する機器操作の仕様を提供しうるルックアップ表または記録が提供されてもよい。フィードバックシステムを利用してもしなくてもよい。
【0063】
[0062]本明細書中に記載される全てのアセンブリおよび/またはステップはどのような順序で実施されてもよい。例えば、アセンブリおよび/またはステップはそれらが記載された順序で実施されてもよい。それらは、また、任意の他の順序で実施されてもよい(例えば、造粒が分離の前に行われてもよい等)。いくつかの例では、記載されている種々のアセンブリの構成要素は他のアセンブリの構成要素の前または後に設けられても設けられなくてもよい。そのためこれらステップは混ぜられてもよい。例えば、分離ステップが実施され、その後造粒ステップ、その後別の分離ステップ、その後別の造粒ステップおよび/または混合ステップが実施されてもよい。本明細書中に記載されるどのステップも任意であってよく、類似のステップおよび/またはアセンブリを本明細書中に記載されるどのステップまたはアセンブリの代わりに使用してもよい。
【0064】
システム
[0063]処理システムの種々のユニットは、MTB Recycling, Trept, France and Engineering Services(Bridgend)Limited, Bridgend, United Kingdomを含む多くの製造業者から提供されうる。既述したように、上記システムは、停止および起動ボタンならびに他の計測デバイスを備えた2つの制御ステーションおよびリレーパネルから制御することができる。種々のユニットは電気的に連結され、プラントを正しい順序で始動させ、かつ緊急時に正しい順序で停止させることが保証される。
【0065】
[0064]システムの種々のユニットには、また、剪断機フィードコンベア(shear feed conveyor)、スプリッターフィードコンベア(splitter feed conveyor)、鋼アウトフィードコンベア(steel outfeed conveyor)、スクリューフィードコンベア(screw feed conveyor)、ドラムセパレータスクリューフィードコンベア(drum separator screw feed conveyor)、ドラムセパレータ、空気清浄システム、および電気キャビネットが含まれる。剪断機フィードコンベアは材料を剪断ユニットに移動するために使用される。鋼アウトフィードコンベアは処理ユニットから鋼を搬出するために使用される。ドラムセパレータは磁気分離または任意の他のタイプの分離に使用されうる。
【0066】
[0065]本明細書中に記載するシステムには空気から物質を除去するための空気清浄システムを含むことができる。空気清浄システムは、空気中の粒子量を減少させることができるおよび/または自然発火もしくは他の危険な状態の発生機会を減少させることができる。
【0067】
[0066]本発明のいくつかの実施形態では、材料のグループまたはバッチ間で、各グループまたはバッチの製品が他のグループまたはバッチの製品から実質的に独立するように、処理ユニットおよびクリーニングされる。グループ間におけるクリーニングは、製品品質を向上させ、望ましくない成分が製品に混入する機会を低減することができる。クリーニングには、洗浄、ガスブロー、人手によるクリーニング、化学的洗浄、空気クリーニング、部品交換、部品の代替、処理ユニットの切り換え、またはこれらの任意の組み合わせが含まれうる。
【実施例1】
【0068】
[0067]図3A、3B、3Cおよび3Dは、本明細書に記載する例示的なシステムを示す。廃ゴムまたは余剰ゴムなどの原料が、訓練された作業者または自動化システム(例えば、光学走査)により実施された本発明の工程などの工程により選択された後、その特定の原料が第1の裁断工程に送られ投入される。裁断工程は、回転剪断機がタイヤなどの特定のサイズの材料から開始される。一例では、回転剪断機は、2つの低速で逆回転するシャフトが取り付けられうる大形鋼製本体を有しうる型式175H.P.機械であってもよい。シャフトには保護用ディスクの間にフックナイフが取り付けられてもよい。シャフトはそれぞれ減速ギアボックスが取り付けられた個々の油圧モータにより駆動されてもよい。軸受は油入りであってもよく、機械およびケースは有害な液体の入り込みを避けるために密閉されてもよい。機械はアクセスラダーを備えた組立済みの鋼支持構造上に取り付けられてもよく、組立済みの送込みホッパーおよび排出シュートが取り付けられてもよい。油圧モータにはオイルクーラーおよび電気コントロール部を完備しうる独立した自立型のパワーパックから油圧オイルが提供されてもよい。モータは130kW、415V、50Hzのモータであってもよく、刃部は120mmの2つのフックナイフであってもよい。任意の他の仕様または構成を有する任意の他の回転剪断機を利用してもよい。
【0069】
[0068]裁断された材料は、その後、トラフ型アウトフィードコンベアにより搬送され、分割シュートおよびコンベアにより分割され、そこから分割された材料が特定の裁断サイズでプレシュレッダーフィードコンベアにより搬送される。特定のサイズに裁断処理されたゴム材料は、第1プレシュレッダーにより細かくされる。裁断された材料のサイズは、使用者により選択されうるまたはプログラムされうる。1つの実施では、トラフ型アウトフィードコンベアには回転剪断機から分割シュートに製品を運び上げるためのゴムシェブロンベルトが取り付けられてもよく、鋼支持脚が取り付けられてもよい。コンベアの幅は約900mmであってもよく、ドラム中心は5mであってもよく、モータは6kWのモータであってもよい。いくつかの例では、分割シュートおよびコンベアは細片を分割コンベアに分割および搬送し、その後シュレッダーフィードコンベアに進めるシュートを含んでもよい。分割シュートおよびコンベアは800mmの幅を有してもよく、ドラム中心は5mであってもよく、モータは3kWのモータであってもよい。いくつかの実施形態に従い、プレシュレッダーフィードコンベアは細片をプレシュレッダーに運び上げるためのゴムシェブロンベルトコンベアであってもよい。コンベアの幅は約800mmであり、ドラム中心は6mであってもよく、モータは3kWモータであってもよい。任意の他の大きさまたは構成を有する任意の他のコンベアを利用してもよい。第1のプレシュレッダーは、大形組立本体上を回転するシェブロン構成の刃部が取り付けられた頑丈な回転子を備えた機械であってもよい。本体には、2列の静的な、調節可能な刃部が取り付けられてもよく、高摩耗領域には耐摩耗性ライナープレートが内側に裏張りされてもよい。シャフトは中心点からグリース潤滑される強力軸受内に支持されてもよい。加えて、機械の刃部および羽根を冷却および潤滑するために2つのミスト噴霧ユニットが取り付けられてもよい。グリッドは容易に取り外し可能であってもよく、機械には除去を容易にするための特殊な油圧的に動作する降下デバイスが取り付けられてもよい。機械は電動機によりベルト駆動されてもよく、過負荷状態に対する保護クラッチが取り付けられてもよい。裁断される製品は鋼製の振動コンベアにより除去されてもよい。開口部サイズは約2150mm x 900mmであってもよい。グリッド穴は直径50mmであってもよい。ロータ速度は約190rpmであってもよい。モータは132kW、1000rpmで動作してもよい。プレシュレッダーに関するいずれの動作条件および/または仕様も単に例として提供され、任意の他のプレシュレッダーが使用されてもよい。
【0070】
[0069]その後、処理材料は、トラフ型搬送コンベアにより、プログラムされたサイズにまでゴム材料をさらに裁断する別のプレシュレッダーに搬送され、その後、鋼粒子を除去するために磁気テーブルを備えた振動コンベアにより移動される。一例では、トラフ型搬送コンベアにはコンベアプレシュレッダーに材料を搬送するゴムシェブロンベルトが取り付けられてもよい。コンベアの幅は約600mmであってもよく、ドラム中心は5mmであってもよく、モータは2kW、415V、50Hzのモータであってもよい。任意の他の仕様または大きさを有する任意の他のコンベアが使用されてもよい。第2のプレシュレッダーは、大形組立鋼製本体上で回転するシェブロン構成の刃部が取り付けられた頑丈な回転子を備えた機械であってもよい。本体には、2列の静的な、調節可能な刃部が取り付けられてもよく、高摩耗領域には耐摩耗性ライナープレートが内側に裏張りされてもよい。シャフトは中心点からグリース潤滑される強力軸受内に支持されてもよい。グリッドは容易に取り外し可能であってもよく、機械には除去を容易にするために特殊な油圧的に動作する降下デバイスが取り付けられてもよい。機械は電動機によりベルト駆動されてもよく、過負荷状態に対する保護クラッチが取り付けられてもよい。裁断された製品は鋼製の振動コンベアにより除去されてもよい。開口部サイズは約1200mm x 450mmであってもよい。グリッド穴は直径30mmであってもよい。ロータ速度は約395rpmであってもよい。モータは132kW、1000rpm、415V、50Hzで動作してもよい。プレシュレッダーに関するいずれの動作条件および/または仕様も単に例として提供され、任意の他のプレシュレッダーが使用されてもよい。磁気テーブルはここでアウトフィードコンベアから30mm下にある材料がゴムベルト振動コンベア上に運ばれるように動作してもよい。撹拌は上部ベルトの下に取り付けられるゴムで被覆された動力駆動の偏心車輪により達成されてもよい。オーババンド磁石がゴムベルト上方の鋼製フレームから吊り下げられてもよく、製品から鋼粒子を取り去ってもよい。磁石に影響される傾向のあるプレートは非磁性鋼で供給されてもよい。ベルト幅は約800mmであってもよく、ドラム中心は約2000mmであってもよく、総電力は約5kW、415V、50Hzであってもよい。任意の他の磁気テーブル寸法または構成もしくは磁気分離技術を利用してもよい。
【0071】
[0070]図3A、3B、3Cおよび3Dに示すように、磁気テーブルの後、ゴムから除去された鋼粒子は、その後トラフ型鋼搬出コンベアにより、別の処理のためにその金属をリサイクルするかまたは選択するかの決定を行うことができるエリアへ搬送される。「金属をほとんど含まない(most metal free)」処理済ゴム材料は販売用の最終製品であり、梱包および顧客への配送のために、別のコンベアで貯蔵ホッパーに送られうる。トラフ型鋼排出コンベアには、廃棄するための材料を搬送するためのシェブロンベルトが取り付けられてもよい。トラフ型搬送コンベアには貯蔵ホッパーに材料を搬送するためのシェブロンベルトが取り付けられてもよい。コンベア幅は約600mmであってもよく、ドラム中心は5mであってもよく、モータは2kW、415V、50Hzのモータであってもよい。貯蔵ホッパーは摩耗および詰まりを低減するためにフレームに可撓性を有して取り付けられる組立済みの鋼構造であってもよい。設計には、ブリッジングを大幅に削減するため、および特殊なブリッジング防止デバイスを取り付ける必要をなくすために急勾配の側部および極太の鋼ベルトを組み込んでもよい。調節可能なゲートは流れを制御してもよく、金属ベルトアウトフィードコンベアはシュレッダーからのスムーズな装填を実施するため、および下流側機器の性能を最適化するために自動的に制御されてもよい。ホッパーのサイズは約2900mm x 1390mmであってもよい。アウトフィードコンベアは幅約800mm x 3250mmであってもよい。モータは3kW、415Vおよび50Hzで動作してもよい。本明細書中に提供されるこれらのデバイスのいずれも単に例として提供され、任意の他の類似のデバイスまたは種々の寸法または特徴を備えたデバイスを利用してもよい。
【0072】
[0071]図3A、3B、3Cおよび3Dに示すように、処理済ゴム材料は、また、既述したような工程または貯蔵ホッパーからコンベアにより前進させることができる。コンベアは材料を回収造粒機に搬送するためのシェブロンベルトが取り付けられたトラフ型搬送コンベアであってもよい。コンベアは600mmのベルト幅、5000mmのドラム中心および2kW、415V、50Hzのモータを有してもよい。任意の他の機能または構成を備えた任意の他のコンベアが使用されてもよい。
【0073】
[0072]その場合作業者は回収造粒機に送られる最終製品材料の最終形状またはサイズを決定することができる。形状またはサイズは、使用され、定められた仕様のグリッドにより選別することができる。製品が回収造粒機を通過すると、材料中の任意のさらなる金属(例えば、鋼)を除去するために、処理済材料にオーババンド磁石を通過させることができる。図3A、3B、3Cおよび3Dに示すように、オーババンド磁石を通過すると、バケットコンベアが処理済材料をジグザクコンベアの入口ホッパーへ運び上げる。いくつかの実施では、回収造粒機は1000mm x 300mmの開口部サイズとともに直径12mmのグリッド穴サイズを有してもよい。ロータ速度は約540rpmであってもよく、モータは110kW、1500rpm、415V、および50Hzで動作してもよい。バケットコンベアは材料をゴムバックによってジグザグの入口ホッパーに運び上げてもよく、鎖駆動されてもよい。コンベアは約3340mmの排出高さを有してもよく、モータは2kW、415Vおよび50Hzのモータであってもよい。様々な寸法または仕様の装置が使用されてもよい。
【0074】
[0073]材料は、空気圧により一体型ホッパーからジグザグの上部に供給される。重い成分は引き続きジグザグを降下し、さらなる処理または別のリサイクルのために捕集され分離される。ジグザグからのゴム粒子はサイクロンで分離され、スクリューコンベアへ排出され、回収造粒機に供給される。粉じんの除去はサイクロンの最上部におけるろ過により制御することができる。重い成分はさらなる処理または別のリサイクル用の容器またはコンベアで取り除くことができる。一例によれば、材料は回転バルブによりジグザグ内に供給されてもよい。ジグザグは鋼で構成されてもよい。ゴムは上部から空気的に排出されてもよく、重い成分、バルブ等は引き続きジグザグを降下し基部において客の容器内に排出されてもよい。ジグザグからのゴム粒子はサイクロン内で分離されてもよく、回転バルブによりスクリューコンベアに排出されてもよい。エアおよび粉じんをサイクロンの最上部から除去してもよく、フィルタに供給してもよい。回転バルブのモータは0.75kWで動作してもよく、ファンモータは7.5kWで動作してもよい。そのような構成は単に例として提供される。
【0075】
[0074]プログラムされた材料は、スクリューエレベータによりサイクロンから第2シリーズの造粒機へ排出される。スクリューエレベータは、必要な最終製品に応じて造粒機に組み込まれた適切なグリッドサイズで調整される特定の最終製品の寸法に造粒するために、プログラムされた材料を最終の回収造粒機に送ることができる。スクリューエレベータは22kW、415V、50Hzのモータを利用してもよい。いくつかの実施では、回収造粒機は1000mm x 330mmの開口部サイズおよび5mmの直径を有するグリッド穴サイズを有してもよい。ロータ速度は約540rpmであってもよく、モータは110kW、1500rpm、415V、および50Hzで動作してもよい。
【0076】
[0075]プログラムされた材料は、造粒機から運び上げられ、スクリューエレベータコンベアを使用して選別台上に排出される。スクリューエレベーティングコンベアは任意選択で2500mmの排出高さおよび2.2kW、415V、50Hzのモータを有していてもよい。繊維および粉じんは選別台で製品から除去され、処理物は最終的に最終製品の仕様に合わせて予め設定された振動ふるいを使用して分類される。選別台では、最終的な鋼の検査および除去を行うための磁気分離機を通過するスクリューエレベータコンベアが材料を搬送する。選別台機械は繊維および粉じんを除去してもよく、クラムを振動ふるいにより2つの(またはそれを超える)流れに分類してもよい。約25kWの電力が使用されてもよい。1つのケースでは、スクリューエレベーティングコンベアは2.2kW、415V、50Hzのモータを利用してもよい。
【0077】
[0076]製造され磁気分離機により最終検査がなされた最終製品はスクリューエレベータコンベアにより分離機から搬出され、梱包され、最終在庫管理に入る。磁気分離機は5kWの電力を使用してもよい。任意選択で、スクリューエレベーティングコンベアは2.2kW、415V、50Hzのモータを利用してもよい。
【0078】
[0077]いくつかの実施形態では、材料が選別台を通過して最終製品が製造された後、さらなる混合が必要であると判断されると、スクリューエレベーティングコンベアによってもう一度選別台に搬送されてもよい。選別台機械は再度繊維および粉じんを除去してもよい。これは材料が十分に混合されたと判断されるまで繰り返されてもよい。さらなる混合が必要なければそこで最終製品は梱包されてもよい。
【0079】
[0078]供給物には、プレシュレッダー、シュレッダー、造粒機および/または選別台のエアダクト、フードおよびろ過部を含んでもよい。それぞれの消費電力が5.5kWである5つのユニットが空気浄化を要する機器に隣接して提供され、かつ配置されてもよい。フィルタバッグは粉じんによるフィルタの目詰まりを防ぐために振動させてもよい。総使用電力は約27.5kWであってもよい。
【0080】
[0079]特定の最終製品の使用に適していない材料は、分離機で除去され、さらなる処理または別の使用のために容器またはコンベアで搬出される。
【0081】
[0080]最終製品がこの例示的な方法で処理された後、訓練を受けた作業者またはコンピュータシステムが検査ラベルの貼付および配送工程のための在庫管理を実施しうる。最終製品の詳細およびトレーサビリティの詳細を記録することができる。全ての情報を顧客に、例えば送り状で提供することができる。さらにシステムはISO規格の細目を顧客に提供することもできる。
【0082】
[0081]機器の始動および電気制御はライン毎に始動/停止ボタン、電流計または他のコントロール部が取り付けられた1つ、2つまたはそれを超える中央に配置される制御ステーションからであってもよい。機器の始動および停止順序は機器の1つの要素の偶発的な停止が生産ライン上の全ての要素の順次かつ連続的な停止を実施しうることを確実にするために連動していてもよい。加えて、操作者の安全を確保するためにプラントまわりに非常停止ボタンが戦略的に配置されてもよい。
【0083】
[0082]本発明の好ましい実施形態をここに示し説明してきたが、このような実施形態が例としてのみ提供されることは当業者には自明であろう。ここで当業者は本発明から逸れることなく、多くの変形、変更および置換を実施することが可能となろう。本発明を実施するにあたり、ここで説明した本発明の実施形態の種々の代替が使用可能であることが理解されるべきである。以下の請求項は本発明の範囲を定めるものであり、これらの請求項の範囲内の方法および構成ならびにそれら均等物がこの発明の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.廃ゴム材料を受け取るステップと、
b.前記廃ゴム材料の組成を特定するステップであって、前記特定は訓練された作業者により実行されるステップと、
c.分離機器を使用して前記廃ゴム材料の前記組成により前記廃ゴム材料を分離するステップであって、前記分離ステップは所望の製造最終製品に基づき、それによって所望の再生ゴムを生成するステップと、
d.前記再生ゴムを使用者に配送するステップと
を含む、所望の最終製品のために廃ゴム材料をリサイクルするための方法。
【請求項2】
前記廃ゴム材料に識別情報のタグが付される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特定するステップが前記訓練された作業者にユーザーインタラクティブなインタフェースを示すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記分離ステップが磁気特性に基づき分離することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記分離ステップが密度に基づき分離することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記再生ゴムには前記再生ゴムに関する情報を含む仕様書が添付される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記分離機器がサイクロンまたは造粒機の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
a.前記廃ゴム材料を前記材料の組成により評価するステップと、
b.少なくとも1種の前記廃ゴム材料を、ステップa)で評価した特定の組成の処理のために選択するステップであって、前記材料は目的物の製造のために選択されるステップと、
c.ステップb)の前記選択した廃ゴム材料を分離するステップと、
d.前記分離された廃ゴム材料を前記目的物の前記製造のための材料に処理するステップとを含む、ゴムをリサイクルするための方法。
【請求項9】
前記廃ゴム材料を評価するステップが前記廃ゴム材料の組成を分析することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記分離ステップが有毒物質を除去することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記分離ステップが金属を除去することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記処理ステップが可変かつプログラム可能な処理機器により実行される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
a.少なくとも1つの選択システムであって、前記選択システムは使用者により選択された最終製品の製造のためのゴム粒子の基準を含む、選択システムと、
b.廃ゴム材料を裁断するための少なくとも1つの裁断デバイスであって、前記少なくとも1つの裁断デバイスには前記裁断済材料のサイズを決定するグリッドが取り付けられた、裁断デバイスと、
c.少なくとも1つのコンベアであって、前記少なくとも1つのコンベアは裁断済材料を前記システムを通じて運搬する、コンベアと、
d.少なくとも1つの金属除去機であって、前記少なくとも1つの金属除去機は前記裁断済材料のゴムから金属を除去する、金属除去機と
を含むゴミをリサイクルするためのシステムであって、
前記システムは、使用者により選択された前記最終製品に基づき既定サイズおよび品質のゴム粒子を生成するための少なくとも1つの可変かつプログラム可能な処理機器を含むシステム。
【請求項14】
ゴム粒子の基準には約4〜5mmの粒子を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ゴム粒子は約95%が金属を含まない、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記ゴム粒子は約99%が金属を含まない、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記処理機器がサイクロン、造粒機、前記少なくとも1つの裁断デバイス、前記少なくとも1つのコンベア、または前記少なくとも1つの金属除去機の少なくとも1つを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
a.廃ゴム材料と、
b.前記廃ゴム材料を受け入れ、かつ所望のゴム製品を生産するように構成されている処理設備であって、前記処理設備は1つ以上の処理機器を含む、処理設備と、
c.少なくとも1つの処理機器と通信して前記少なくとも1つの処理機器の動作を制御し、それによって前記処理設備が前記所望のゴム製品を生産するようにする制御部と、を含む、ゴムをリサイクルするためのシステム。
【請求項19】
前記処理設備が分類機器、裁断機器、分離機器、造粒機器または混合機器の少なくとも1つを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記所望のゴム製品が、所望の組成、所望のサイズまたは所望の形状の少なくとも1つを有する、請求項18に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【公表番号】特表2013−512134(P2013−512134A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542158(P2012−542158)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/058566
【国際公開番号】WO2011/068875
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(510317586)エンティリサイクル,エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】