説明

余剰汚泥可溶化装置及び余剰汚泥可溶化装置用のオゾン処理槽

【課題】オゾンの消費量を抑え、効率的に余剰汚泥を減容化する装置の提供。
【解決手段】余剰汚泥貯留槽を含む有機性排液処理システムにおける余剰汚泥可溶化装置は、余剰汚泥の計量添加手段、余剰汚泥を処理するためのオゾン発生手段を有するオゾン処理槽1、オゾン処理槽1と余剰汚泥を循環可能に接続された循環槽2および循環槽に接続された脱オゾン槽3とから構成し、オゾン処理槽1は密閉式の槽本体を垂直方向に液密に仕切った複数の処理槽からなり、最初の処理槽は、オゾン導入手段と、汚泥貯留槽および前記循環槽からの汚泥導入手段と、オゾン処理する汚泥を次の処理槽への搬送用の連通管とを有しており、最後の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥導入用の連通管と、汚泥を循環槽に搬出するための搬出管を有しており、そして途中の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥導入用の連通管と、後段の処理槽への汚泥搬出用の連通管を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、余剰汚泥可溶化装置及びそのためのオゾン処理槽に関する。より詳しく述べると、生物処理を利用した有機性廃液処理システムで生じる余剰汚泥を可溶化して汚泥を減容するための可溶化装置及び余剰汚泥可溶化装置用のオゾン処理槽に関する。
【背景技術】
【0002】
下水に代表される有機性排液は、例えば図8に示す通り、活性汚泥法等の生物処理により処理されている。
図8は、従来の一般的有機性廃液処理システムを示す模式図である。この有機性排液処理システムは、流量調整槽101と、流量調整槽101により搬送された有機性排液を生物処理するための第1曝気槽102、第2曝気槽103と、第2曝気槽103と接続され、第1曝気槽102、第2曝気槽103により処理した有機性排液を液体成分と沈殿した汚泥とに分離するための沈殿槽104と、沈殿槽104と接続され、沈殿槽104からの汚泥を濃縮し、第1曝気槽102に戻し、濃縮した汚泥を後段の汚泥処理槽106に送る汚泥濃縮貯留槽105と、汚泥濃縮貯留槽105で濃縮した汚泥を貯留するための汚泥貯留槽106とから主として構成されている。
【0003】
なお、生物処理槽である曝気槽の数は任意であり、また汚泥濃縮槽槽105からの分離液は、第1曝気槽102の代わりに流量調整槽101に戻す構成としてもよい。
【0004】
第1曝気槽102および第2曝気槽103は、有機性排液を生物処理するための処理槽であり、一般に曝気(エアレーション)するための曝気装置を有しており、好気的条件により生物処理している。
生物処理した液体(処理液)を沈殿槽104で固液分離し、分離された液体(分離液)は殺菌又は消毒された後、放流される。
固液分離された固体成分(スラリー状物)は、後段の汚泥濃縮貯留槽105に搬送されて、汚泥濃縮貯留槽105でさらに液体と固体とに分離される。
【0005】
分離された液体の大部分は、第1曝気槽102(または流量調整槽101)に戻され再び第1曝気槽102および第2曝気槽103で生物処理に供せられる。
一方、分離された汚泥(および少量の分離液を含む)は、後段の汚泥貯留槽106に搬送された後に、余剰汚泥として処理される。
【0006】
余剰汚泥は、例えば最終処分場や焼却処理施設等で処理されるかあるいはコンポスト化されて再利用されている。
【0007】
しかしながら、最終処分場での処理可能量が少なくなり、また焼却処分を行う場合にはダイオキシン対策を講じる必要がある等の課題がある。
【0008】
これに対して、特許文献1〜3は、図9に示す通り余剰汚泥をオゾン処理して可溶化する方法が記載されている。
図9は、従来の余剰汚泥減容化装置を組み込んだ有機性排液処理システムを示す模式図である。
【0009】
図9に示すシステムは、図8に示す従来の有機性廃液処理システムにおいて、沈殿槽104からの汚泥の一部を抜き取り、オゾン処理により可溶化するためのオゾン処理槽206、オゾン処理した汚泥から脱オゾンするための脱オゾン槽が設けられ、オゾン処理槽で汚泥の一部をオゾン処理により可溶化した汚泥を第1の曝気槽102(または流量調整槽101)に戻している(汚泥返送ライン)。
【特許文献1】特開平06−206088号公報 (特許請求の範囲、段落0044、図1)
【特許文献2】特開平8−299995号公報(特許請求の範囲、図1)
【特許文献3】特開平11−277095号公報(特許請求の範囲、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1〜3の方法では、汚泥の一部を抜き取って可溶化するので余剰汚泥の減容化量に課題がある。より具体的には、特許文献1〜3に記載の方法は、汚泥に対してワンパスでオゾン処理しているので、汚泥の減容化率は50%程度である。また、使用するオゾン量は多量であるので、オゾン消費量を低減したいという要求がある。
【0011】
したがって、本発明の課題は、オゾンの消費量を抑え、より効率的に、好ましくは実質的に100%、余剰汚泥を減容化する装置及び余剰を減容化する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討した結果、有機性排液を生物処理するための生物処理槽および生物処理の際に生じる余剰汚泥を貯留するための汚泥貯留槽を含む有機性排液処理システムにおける余剰汚泥を減容化する余剰汚泥可溶化装置であって、前記汚泥貯留槽からの余剰汚泥を計量添加するための計量添加手段と、計量添加した余剰汚泥をオゾン処理するためのオゾン発生手段とを有するオゾン処理槽と、前記オゾン処理槽と前記余剰汚泥を循環可能に接続された循環槽であって、オゾン処理した余剰汚泥を散気手段により圧縮空気を散気しながら前記オゾン処理槽と循環槽との間を所定時間循環させて熟成処理して前記余剰汚泥の可溶化を完了し、そして可溶化を完了した余剰汚泥を前記生物処理槽側に戻す循環槽と、前記循環槽に接続され、前記循環槽で発生するオゾンを含む気体からオゾンを吸着するための脱オゾン槽と、から構成されることを特徴とする余剰汚泥可溶化装置、および
この装置を用いた、有機性排液を生物処理槽で生物処理した際に生じる余剰汚泥を減溶化する余剰汚泥の可容化方法であって、
(a) 所定量の余剰汚泥をオゾン処理槽に搬送する余剰汚泥搬送工程と、
(b) 搬送した余剰汚泥をオゾン処理するオゾン処理工程と、
(c) 前記オゾン処理した余剰汚泥を循環槽で圧縮空気を散気しながら熟成させるのと同時に、発生したオゾンを含む気体からオゾンを分解する熟成工程と、
(d) 工程(c)からの余剰汚泥をオゾン処理槽と循環槽との間で循環させて可溶化を完了する循環工程と、
(e) 可溶化を完了した余剰汚泥を再び生物処理槽に戻して生物処理する生物処理工程と、を含むことを特徴とする余剰汚泥の可溶化方法により、既存の有機性廃液処理システムに接続して、有機性廃液処理システムから発生する余剰汚泥を少ないオゾンの消費量で充分に可溶化して有機性廃液処理システムの生物処理槽に戻すことによって、実質的に全ての余剰汚泥を減容化することが可能となることを先に見出して特許出願した(特願2006−216628)。
【0013】
なお、本発明で使用する用語「熟成」とは、オゾン処理して一部可溶化した余剰汚泥の可溶化を所定のレベルまで促進する処理を意味する。また、所定レベルまで可溶化することを本発明では、可溶化の完了と言う。
【0014】
本発明者等はさらに、鋭意検討した結果、前記装置において、オゾン処理槽を所定の構成にすることによって、オゾン処理槽におけるオゾン処理した(オゾン処理している)汚泥の滞留時間を長くとることができ、すなわち、オゾン処理槽内でのオゾンと汚泥との接触時間をより長時間とることが可能となり、比較的少ないスペースで効率よく汚泥のオゾン処理を行うことができることを見出して本発明を創作するに至った。
【0015】
すなわち、本発明の第1実施形態によると有機性排液を生物処理するための生物処理槽および生物処理の際に生じる余剰汚泥を貯留するための汚泥貯留槽を含む有機性排液処理システムにおける余剰汚泥を減容化する余剰汚泥可溶化装置であって、
前記汚泥貯留槽からの余剰汚泥を計量添加するための計量添加手段と、計量添加した余剰汚泥をオゾン処理するためのオゾン発生手段とを有するオゾン処理槽と、
前記オゾン処理槽と前記余剰汚泥を循環可能に接続された循環槽であって、オゾン処理した余剰汚泥を散気手段により圧縮空気を散気しながら前記オゾン処理槽と循環槽との間を所定時間循環させて熟成処理して前記余剰汚泥の可溶化を完了し、そして可溶化を完了した余剰汚泥を前記生物処理槽側に戻す循環槽と、
前記循環槽に接続され、前記循環槽で発生するオゾンを含む気体からオゾンを吸着するための脱オゾン槽と、
から構成され、
前記オゾン処理槽は、密閉式の処理槽本体を垂直方向に液密に仕切った複数の処理槽からなり、
前記複数の処理槽のうちの最初の処理槽は、前記オゾン発生手段で発生したオゾンを導入するための前記処理槽本体の垂直方向に延長されて設けられたオゾン導入手段と、前記汚泥貯留槽および前記循環槽からの汚泥を導入するための汚泥導入手段と、前記処理槽側からの汚泥を導入するための汚泥導入手段と、前記オゾン処理する汚泥を次の処理槽へ搬送するための連通管とを有しており、
前記複数の処理槽のうち最後の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、汚泥を循環槽に搬出するための搬出管を有しており、そして
前記複数の処理槽のうち途中の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、後段の処理槽に汚泥を搬出するための連通管を有しており、
前記最初の処理槽にオゾンとともに導入した汚泥を、液密に次段の処理装置圧送して最後の処理槽から排出することを特徴とする余剰汚泥可溶化装置が提供される。
【0016】
また、本発明の第2実施形態に係る発明は、有機性排液を生物処理するための生物処理槽および生物処理の際に生じる余剰汚泥を貯留するための汚泥貯留槽を含む有機性排液処理システムにおける余剰汚泥を減容化する余剰汚泥可溶化装置であって、
前記汚泥貯留槽からの余剰汚泥を計量添加するための計量添加手段と、計量添加した余剰汚泥をオゾン処理するためのオゾン発生手段とを有するオゾン処理槽と、
前記オゾン処理槽と前記余剰汚泥を循環可能に接続された循環槽であって、オゾン処理した余剰汚泥を散気手段により圧縮空気を散気しながら前記オゾン処理槽と循環槽との間を所定時間循環させて熟成処理して前記余剰汚泥の可溶化を完了し、そして可溶化を完了した余剰汚泥を前記生物処理槽側に戻す循環槽と、
前記循環槽に接続され、前記循環槽で発生するオゾンを含む気体からオゾンを吸着するための脱オゾン槽と、
から構成された余剰汚泥可溶化装置におけるオゾン処理槽であって、
前記オゾン処理槽は、密閉式の処理槽本体を垂直方向に液密に仕切った複数の処理槽からなり、
前記複数の処理槽のうちの最初の処理槽は、前記オゾン発生手段で発生したオゾンを導入するための前記処理槽本体の垂直方向に延長されて設けられたオゾン導入手段と、前記汚泥貯留槽および前記循環槽からの汚泥を導入するための汚泥導入手段と、前記処理槽側からの汚泥を導入するための汚泥導入手段と、前記オゾン処理する汚泥を次の処理槽へ搬送するための連通管とを有しており、
前記複数の処理槽のうち最後の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、汚泥を循環槽に搬出するための搬出管を有しており、そして
前記複数の処理槽のうち途中の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、後段の処理槽に汚泥を搬出するための連通管を有しており、
前記最初の処理槽にオゾンとともに導入した汚泥を、液密に次段の処理装置圧送して最後の処理槽から排出することを特徴とする余剰汚泥可溶化装置用のオゾン処理槽である。
【0017】
さらに、本発明の第3実施形態に係る発明は、オゾン処理によって有機性排液由来の汚泥を減容化するためのオゾン処理槽であって、
前記オゾン処理槽は、密閉式の処理槽本体を垂直方向に液密に仕切った複数の処理槽からなり、
前記複数の処理槽のうちの最初の処理槽は、前記オゾン発生手段で発生したオゾンを導入するための前記処理槽本体の垂直方向に延長されて設けられたオゾン導入手段と、汚泥を導入するための汚泥導入手段と、前記オゾン処理する汚泥を次の処理槽へ搬送するための連通管とを有しており、
前記複数の処理槽のうち最後の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、汚泥を搬出するための搬出管を有しており、そして
前記複数の処理槽のうち途中の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、後段の処理槽に汚泥を搬出するための連通管を有しており、
前記最初の処理槽にオゾンとともに導入した汚泥を、液密に次段の処理装置圧送して最後の処理槽から排出することを特徴とする余剰汚泥可溶化装置用のオゾン処理槽である。
【発明の効果】
【0018】
このようにして構成された本発明によると、密封系のオゾン処理槽を縦方向に区切って複数の処理槽を設け、そして最初の処理槽から順次オゾン発生装置で発生したオゾンとともに汚泥を圧送するので、省スペースで滞留時間を長くとることが可能となり、すなわち、オゾンと汚泥との接触時間を長くとることが可能となり、そのため効率よく密封系内で汚泥をオゾン処理することが可能となる。従って、より少ないオゾン量で効率よく、実際には約100%、汚泥処理を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の余剰汚泥減容化装置を組み込んだ有機性排液処理システムを示す模式図であり、図2は、本発明の余剰汚泥減容化装置を示す模式図であり、図3は、本発明のオゾン処理槽を示す側面図であり、図4は、本発明のオゾン処理槽の平面図であり、図5は、図3に示すオゾン処理槽のA-A断面図であり、図6は、余剰汚泥の分解の様子を示す模式図であり、そして図7は本発明の余剰汚泥可溶化を示すフローチャートである。
【0020】
〔余剰汚泥の可溶化装置〕
まず、図1に基づいて、本発明の余剰汚泥の可溶化装置の説明をする。
図1に示す通り、本発明の余剰汚泥の可溶化装置は、既存の有機性廃液の生物処理システム(例えば、図8に記載したシステム:図1中、点線で囲った部分)に接続して生物処理システムから生じる余剰汚泥を可溶化して生物処理側に可溶化した汚泥を戻す装置である。
【0021】
既存の有機性排液処理システムは、従来技術で記載した通り、流量調整槽101と、流量調整槽101により搬送された有機性排液を生物処理するための第1曝気槽102、第2曝気槽103と、第2曝気槽103と接続され、第1、2曝気槽102、103により処理した有機性排液を液体成分と沈殿した汚泥とに分離するための沈殿槽104と、沈殿槽104と接続され、沈殿槽104からの汚泥を濃縮し、第1の曝気槽102に戻し、濃縮した汚泥を後段の汚泥処理槽106に送る汚泥濃縮貯留槽105と、汚泥濃縮貯留槽105で濃縮した汚泥を貯留するための汚泥貯留槽106とから主として構成されている(段落0002〜0005参照)。
【0022】
本発明の余剰汚泥の可溶化装置は、汚泥貯留槽106と接続された多槽式オゾン処理槽1と、前記多槽式オゾン処理槽1と循環可能に接続された循環槽2と、多槽式オゾン処理槽1で発生したオゾンを含有する気体からオゾンを吸着する脱オゾン槽3と、循環処理槽2で充分熟成して可溶化した汚泥を生物処理槽(流量調整槽101または第1曝気槽102、図の例では第1曝気槽102)に戻すためのラインとから主として構成されている。
【0023】
(多槽式オゾン処理槽1)
本発明の多槽式オゾン処置槽1は、汚泥貯留槽106に貯留された余剰汚泥にオゾン添加して(オゾンガスの吹き込み)、余剰汚泥とオゾンガスとを接触させ、余剰汚泥の細胞壁にオゾンの酸化力により傷を付け浸透圧で細胞内の液を出して可溶化する槽である。そのため、オゾン処理槽1は、図2に示す通りオゾン発生器11と接続されている。
オゾン発生器11は、所定量のオゾンを発生できる装置であれば特に限定されるものではないが、一般には常温常圧の空気を原料として無声放電方式でインバータを使用して高濃度のオゾンを連続して発生する装置である。オゾン発生器11にはオゾン量を調節するための調整ダイヤルとオゾン化するための空気の量を調整により行う。そして、オゾン量を調整して所定量のオゾンガスを本発明の多槽式オゾン処理槽1に添加する。
【0024】
本発明の多槽式オゾン処理槽1は、汚泥をオゾン処理して可溶化するとともに、オゾン処理して可溶化した汚泥を、後述する循環槽2との間で所定時間循環させるための槽であり、密封系の処理槽本体を垂直方向に多室式に区切った構成を有している。なお、本発明の余剰汚泥の可溶化装置において、多槽式オゾン処理槽1には、後述する循環槽2との間での汚泥を循環して処理する際に所定量のオゾンを絶えず添加している。
【0025】
より、具体的には、本発明の多槽式オゾン処理槽1は、図3〜図5に示す通りの構成を有している。なお図3〜図5に示す実施形態では、本発明の多槽式オゾン処理槽1は4槽式のオゾン処理槽として例示されているが、本発明のオゾン処理槽1の槽の数は、本発明の目的・効果を奏するものであれば特に4槽に限定されるものではなく、3槽であってもあるいは5槽以上であってもよい。
【0026】
図3〜図5に示す通り、本発明の多槽式オゾン処理槽1は、密閉式の装置本体を垂直方向に区切った第1処理槽1a、第2処理槽1b、第3処理槽1cおよび第4処理槽1dの各々独立した密閉槽である4つの処理槽から構成されている。第1処理槽1aにはオゾン発生器11(図1、図2参照)からのオゾンを第1の処理槽に導入するためのオゾン導入管12(請求項でいうオゾン導入手段)と、図1に示す汚泥貯留槽106および循環槽2からの汚泥を導入するための汚泥導入手段13と、前記オゾン処理する汚泥を次の処理槽である第2処理槽1bへ圧送するための汚泥連通管14aとを有しており、そして中間処理槽である第2および第3処理槽1b、1cには、第1処理槽1aから第2処理槽1bへオゾン処理中の汚泥を圧送するための汚泥連通管14a、第2処理槽1bから第3処理槽1cへオゾン処理中の汚泥を圧送するための連通管14b、第3処理槽1cから最後の処理槽である第4処理槽1dへオゾン処理中の汚泥を圧送するための汚泥連通管14cが各々設けられている。
【0027】
そして、前記複数の処理槽のうち最後の処理槽である第4処理槽は1d、前段の処理槽である第3処理槽1cからの汚泥を導入するための汚泥連通管14cと、オゾン処理中の汚泥を循環槽2(図1、図2参照)に搬出(系外へ搬出)するための搬出管15を有している。
【0028】
すなわち、本実施形態のオゾン処理槽1は、密閉空間であるオゾン処理槽1を4つの密閉空間である第1〜第4処理槽に仕切り(液密・気密に仕切り)、各処理槽1a〜1dを汚泥連通管14a〜14cにより連通した構成を有している。そして、本実施形態のオゾン処理槽1における最初の処理槽である第1処理槽1aはオゾン発生器2と、汚泥貯留槽106および循環槽2からの汚泥を導入するための二つの汚泥導入手段13と接続されており、そして最後の処理槽である第4処理槽1dは、汚泥排出口である排出管15から構成されている。
また、汚泥連通管14a〜14cは、各処理槽1a〜1cの下方から次の処理槽1b〜1dの上方に向かってオゾン処理している汚泥を圧送するように構成されている。
【0029】
このように各々液密(気密)に区切られた複数(本実施形態の場合には4槽)の処理槽から構成した本発明のオゾン処理槽は、まずオゾン発生器11からのオゾンとともに汚泥が最初の処理槽である第1処理槽1aに汚泥が導入される(流体の導入)と、第1処理槽1aの流体量が連続して増加し、増加した体積分だけ汚泥連通管14aを介して汚泥、すなわちオゾン処理中である汚泥が第2処理槽1bに圧送される。そして順次連通管を介してオゾン処理中の汚泥が第2処理槽1bから第3処理槽1cへ、第3処理槽1cから第4処理槽1dへと圧送され、そして第4処理槽1dから密閉系である本発明の多槽式オゾン処理槽1の系外へと連続して搬送される。
この際に、第1処理槽1aに上方から導入された汚泥は、オゾン発生器11から同じく上方から散気されたオゾンとともに、第1処理槽1aの下方へと圧送される。そして、汚泥は、オゾンが散気された状態で第1処理槽1aの下方にある汚泥連通管14a内を圧送されて上方から処理槽1bに入る。同様にして、オゾン処理中の汚泥は、第2処理槽1bの下方から汚泥連通管14b内を圧送されて上方から第3処理槽1cに入り、第3処理槽1cの下方から汚泥連通管14c内を圧送されて上方から第4処理槽1dに入り、そして第4処理槽1dからオゾン処理槽1の外に排出される。
本発明の多槽式オゾン処理槽1において、汚泥は、オゾン発生器11からのオゾンとともに汚泥貯留槽106および循環槽2からの絶えず第1処理槽1aに供給され、そして密閉空間である第1〜第4処理槽1a〜1d内で所定の圧力が負荷された状態で循環槽2へ排出されることとなる。
【0030】
そのため、本発明の多槽式オゾン処理槽1は、連続して汚泥をオゾン処理することが可能であるとともに、多槽式オゾン処理槽1でのオゾン処理中の汚泥の滞留時間を長く取ることが可能となる。また。本発明の多槽式オゾン処理槽1は、処理槽本体を複数の密閉空間に区切っているので、単位面積当たりの滞留時間を長くすることができるので、少ないスペースでも充分にオゾン処理を行うことが可能となる。
すなわち、単槽式のオゾン処理装置に比較して、例えば4槽式の本発明によるオゾン処理装置は、密閉空間内で約4倍のオゾン処理槽内での滞留時間(すなわち、オゾンと汚泥との接触時間)を確保することが可能となるので、省スペースで効率のより汚泥のオゾン処理を行うことが可能となる。
さらに、本発明のオゾン処理槽1において、汚泥は、オゾン発生器11からのオゾンとともに汚泥貯留槽106および循環槽2から絶えず第1処理槽1aに供給され、そして密閉空間である第1〜第4処理槽1a〜1d内で所定の圧力が負荷された状態で循環槽2へ排出されるので、汚泥は絶えず散気されているオゾンと、所定の圧力が負荷された状態で反応すると考えられる。そのため、オゾンと汚泥との反応効率が格段に上昇するものと考えられる。
また、本実施形態のオゾン処理槽1は、密閉空間であるオゾン処理槽1を4つの密閉空間である第1〜第4処理槽に仕切ることにより、各処理槽を構成しているので、各処理槽は、比較的簡単な構成を有しており、メンテナンスなどを容易に行うことができる。すなわち、一般に滞留時間を長くとるためには、じゃま板などを設けて処理槽内を通流する汚泥の処理槽内での滞留時間を確保することが考えられるが、このように処理槽内を複雑化するとメンテナンス等が大変となるだけでなく、場合によっては目詰まりの原因となる。
これに対して本発明のように縦方向に処理槽を区切るという簡単な構成で多槽式オゾン処理槽を実現することによって、処理槽の製造もメンテナンスも用意になるという副次的効果も奏する。
【0031】
(循環槽2)
循環槽2は、本発明の多槽式オゾン処理槽1で可溶化した汚泥を、オゾン処理槽1との間で循環させて熟成させるための槽である。そして、循環槽2で熟成した汚泥を、既存のシステムの生物処理側に搬送して再び生物処理を行うとともに、一部(有意部分)を本発明の多層式オゾン処理槽1に戻す。すなわち、前述の通り本発明の多槽式オゾン処理装置1でオゾン処理した汚泥を循環槽に滞留させて熟成(可溶化の促進)を行い、再び本発明の多槽式オゾン処理装置1でオゾン処理を行う。本発明の多槽式オゾン処理装置では、循環槽2で熟成処理された汚泥を再びオゾン処理を行うが、前述の通り、本発明の多槽式オゾン処理装置1は、汚泥をオゾン処理槽内に長時間滞留させることができるので、このように多槽式オゾン処理装置1と循環槽2との間で汚泥を循環させることにより、効率よく汚泥の可溶化を行うことが可能となる。
【0032】
図1に示す通り循環槽2は、複数の部屋に区切られており、各部屋には圧縮空気を送るための散気手段21が設けられている。そして散気手段21により圧縮空気を送ることにより汚泥の可溶化を促進するとともに、汚泥中のオゾンを脱気させる機能を有している。
循環槽2は、さらにオゾン処理槽1との間を循環させるための循環ラインと、オゾンを含有する気体からオゾンを吸着する脱オゾン槽3と、可溶化を促進した(実質的に完全に可溶化した)汚泥を、生物処理槽(図1の例では第1曝気槽102)に戻すための返送ラインとを有している。
【0033】
なお、本発明の好ましい実施形態によると、散気手段21は、圧縮空気温度を15〜35℃の範囲に制御するための温度調整手段(例えば熱交換器)を有することが好ましい。このように温度調整することにより、安定した熟成処理を行うことが可能となる。
【0034】
(脱オゾン槽3)
脱オゾン槽3は、循環槽2で発生したオゾンガスを含む気体を、排風機により吸い取るための吸気手段と、オゾンを吸着させるための活性炭槽と、オゾンを吸着した気体を排気するための排気口から構成されている。
このように構成した本発明の汚泥の可溶化装置は、多槽式オゾン処理槽と循環槽との間で、多槽式オゾン処理槽でオゾン処理した汚泥を循環させるので、実質的に全ての汚泥を可溶化することが可能である。しかも、前述の通り、本発明のオゾン処理槽は、処理槽本体を複数の密閉空間に区切っているので、単位面積当たりの滞留時間を長くすることができ(単槽式のオゾン処理装置に比較して、例えば4槽式の本発明によるオゾン処理装置は、密閉空間内で約4倍のオゾン処理槽内での滞留時間を確保することが可能となり、また高圧力下で密閉空間でオゾンと汚泥とを反応させるので、オゾンの反応率が格段に上昇する。従って、ワンパスで多量のオゾンを使用して汚泥のオゾン処理を行う従来技術の汚泥の可溶化装置における汚泥の可溶化が約50%であるのに対して実質的に100%の汚泥を可溶化させることが可能となる。
【0035】
[余剰汚泥の可溶化装置の動作・余剰汚泥の可溶化]
次に、本発明の余剰汚泥の可溶化装置の動作(余剰汚泥の可溶化方法)について説明する。
(オゾン処理(工程(a)、工程(b))
まず、汚泥貯留槽らの余剰汚泥を所定量、本発明の多槽式オゾン処理槽1の第1処理槽1aに搬送する。余剰汚泥の第1処理槽1aへの搬送と同時に所定量のオゾンを連続してオゾン処理槽1における第1処理槽1aに吹き込む。
余剰汚泥と、オゾンとがオゾン処理槽で接触することによって余剰汚泥は、オゾンの酸化作用により可溶化し始める。
【0036】
すなわち、余剰汚泥中(有機性排液)中のSS成分は、生物に起因する有機物質である。オゾンは、有機性浮遊物を構成する細胞壁や細胞質膜を攻撃してこれらを破壊する。さらに、オゾンは、細胞壁を構成する多糖類も分解する。
【0037】
より具体的には、図6に示す通り、オゾンを添加すると、汚泥を構成する微生物等の細胞壁に傷が付き分解されやすい状態となる。また、一部の糖類やたんぱく質の分解も開始される。
次いで、細胞壁が分解することにより浸透圧の関係から余剰汚泥を構成する微生物等の細胞内へ水が流入し、膨張・肥大化してくる。そして、水の流入により膨張・肥大化した余剰汚泥を構成する細胞内から内容物が流出し始める。このようにして余剰汚泥は分解されて可溶化状態となる。
この際に、本発明のオゾン処理工程を、前述のような多槽式オゾン処理槽1に行うことによって、汚泥への可溶化を促進する。
【0038】
すなわち、本発明におけるオゾン処理工程を多槽式のオゾン処理装置を用いて行うことにより、単槽式のオゾン処理装置に比較して、例えば4槽式の本発明によるオゾン処理装置の場合には、密閉空間内で約4倍のオゾン処理槽内での滞留時間(すなわち、オゾンと汚泥との接触時間)を確保することが可能となる。
また、本発明のオゾン処理槽1において、オゾン処理に供せられる汚泥は、散気されたオゾンとともに汚泥貯留槽および循環槽から絶えず第1処理槽1aに供給され、そして密閉空間である複数の処理槽内で所定の圧力が負荷された状態で循環槽へ排出されるので、汚泥は絶えず散気されているオゾンと、所定の圧力下で反応すると考えられる。そのため、オゾンと汚泥との反応効率が格段に上昇するものと考えられる。
【0039】
(熟成・循環工程(工程(c)、(d))
本発明では、このような可溶化状態を促進するために、本発明による多槽式オゾン処理槽と循環槽との間にオゾン処理して可溶化し始めた余剰汚泥を循環させる。
すなわち、オゾン処理した余剰汚泥の可溶化は充分とは言えず可溶化されていない部分を充分に含んでいる(一部可溶化状態)。
この熟成・循環工程でも本発明による多槽式オゾン処理槽内に一部可溶化状態の汚泥を導入した場合、前記のオゾン処理工程と同様に単槽式のオゾン処理装置に比較して、密閉空間内で略槽数倍のオゾン処理槽内での滞留時間(すなわち、オゾンと汚泥との接触時間)を確保することが可能となり、より長時間オゾンと一部可溶化汚泥との接触時間を確保することができる。
【0040】
すなわち、多槽式オゾン処理槽を用いる本発明では、多槽式オゾン処理槽から循環槽、循環槽から本発明の多槽式オゾン処理槽へと循環させながら可溶化を促進していく際に、オゾン処理槽からの一部可溶化した余剰汚泥を循環槽で圧縮空気の吹き込み下に滞留させることによって、可溶化を促進して、多槽式オゾン槽に戻すこととなる。この循環処理を所定時間(若しくは所定回数)繰り返すことによって、余剰汚泥の有意部分を可溶化する(可溶化完了)。図1に記載のように循環槽を多段化した場合には、順次処理した汚泥をオーバーフローさせながら次の部屋へと移していく。
この際に、本発明の多槽式オゾン処理槽は、前述した通り複数の密閉した槽から構成されているので、充分なオゾン処理時間を少ないスペースで確保することが可能となる。そのため、汚泥とオゾンとの接触時間が長くとれ、なおかつ密閉空間での圧力負荷条件下での効率よいオゾンと汚泥との反応のために、循環槽での負荷を軽減することができる。
【0041】
また、循環槽では、温度調整された圧縮空気が常に散気されており、熟成している(可溶化が促進している状態の)余剰汚泥からオゾンを脱気して、脱オゾン槽によりオゾンを吸着して排気している。
【0042】
循環時間(循環回数)は、所望の余剰汚泥の可溶化の程度、オゾンの添加量により適宜決定され特に限定されるものではない。また、本発明による可溶化の程度(可溶化完了または熟成終了)も特に限定されるものではないが、本発明の好ましい実施形態では、実質的に全ての余剰汚泥を可溶化する。
【0043】
(生物処理工程(工程(e))
このようにして所望の可溶化の程度まで可溶化した(可溶化を完了した)余剰汚泥は、生物処理槽(第1曝気層または流量調整槽)に戻され再び生物処理に供せられる。
すなわち、本発明で処理された余剰汚泥は、有意に(好ましくは実質的全て)可溶化されており、細胞壁や細胞膜を持っておらず、微生物のほとんど死滅しておりある程度の低分子化が進んだ状態、すなわちBOD源として扱える状態である。
したがって、可溶化を完了した余剰汚泥は、生物処理にて好気的に炭酸ガスと水とに分解される。
【0044】
このようにして、可溶化を完了した余剰汚泥を生物処理槽に搬送した後、再び工程(a)、(b)に戻り、次の余剰汚泥の可溶化処理を行う。
このようにバッチ式に余剰汚泥の可溶化処理を行うことによって、汚泥貯留槽に滞留している余剰汚泥を実質的全て可溶化して再び生物処理が施される。
そのため、ワンパスでオゾン処理を行う従来技術の汚泥の可溶化が約50%であるのに対して実質的に100%の汚泥を可溶化させることが可能となる。
【0045】
以上説明した通り、本発明の余剰汚泥可溶化装置及び可溶化方法によると、オゾン処理した余剰汚泥をオゾン処理槽と循環槽との間を所定時間(所定回数)循環処理するので、所望の程度(好ましくは実質的全て)余剰汚泥を可溶化することができる。しかも、本発明において、オゾン処理槽が、上述した構成の多槽式に構成されているので、オゾンの消費量を1槽式のオゾン処理槽と比較して少なくすることが可能となる。また、オゾン処理した余剰汚泥を本発明の多槽式オゾン処理槽と循環槽との間を所定時間(所定回数)循環処理することにより、オゾン処理槽の容積を少なくすることができる。
そのため、既存の有機性排液処理システムに容易に組み込むことが可能となる。
【0046】
なお、本発明の多槽式オゾン処理装置は、上記の汚泥処理システムに組み込み可能であるだけでなく、例えば従来技術で説明したオゾン処理を用いた汚泥処理システムにも活用可能である。
従って本発明は、オゾン処理によって有機性排液由来の汚泥を減容化するためのオゾン処理槽であって、
前記オゾン処理槽は、「処理槽本体を垂直方向で区切った複数の処理槽からなり、
前記複数の処理槽のうちの最初の処理槽は、前記オゾン発生手段で発生したオゾンを導入するための前記処理槽本体の垂直方向に延長されて設けられたオゾン導入手段と、汚泥を導入するための汚泥導入手段と、前記オゾン処理する汚泥を次の処理槽へ搬送するための連通管とを有しており、前記複数の処理槽のうち最後の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、汚泥を搬出するための搬出管を有しており、そして前記複数の処理槽のうち途中の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、後段の処理槽に汚泥を搬出するための連通管を有している、ことを特徴とする余剰汚泥可溶化装置用のオゾン処理槽。」まで拡張される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の余剰汚泥の可溶化装置を組み込んだ有機性排液処理システムを示す模式図である。
【図2】本発明の余剰汚泥の可溶化装置を示す模式図である。
【図3】本発明のオゾン処理槽を示す側面図である。
【図4】本発明のオゾン処理槽の平面図である。
【図5】図2に示すオゾン処理槽のA-A断面図である。
【図6】余剰汚泥の分解の様子を示す模式図である。
【図7】本発明の余剰汚泥可溶化を示すフローチャートである。
【図8】従来の一般的有機性廃液処理システムを示す模式図。
【図9】従来の余剰汚泥の可溶化装置を組み込んだ有機性排液処理システムを示す模式図である。
【符号の説明】
【0048】
101 流量調整槽
102、103 曝気槽
104 沈殿槽
105 汚泥濃縮貯留槽
106 汚泥貯留槽
1 オゾン処理槽
1a,1b,1c,1d 第1〜第4処理槽
2 循環槽
3 脱オゾン槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性排液を生物処理するための生物処理槽および生物処理の際に生じる余剰汚泥を貯留するための汚泥貯留槽を含む有機性排液処理システムにおける余剰汚泥を減容化する余剰汚泥可溶化装置であって、
前記汚泥貯留槽からの余剰汚泥を計量添加するための計量添加手段と、計量添加した余剰汚泥をオゾン処理するためのオゾン発生手段とを有するオゾン処理槽と、
前記オゾン処理槽と前記余剰汚泥を循環可能に接続された循環槽であって、オゾン処理した余剰汚泥を散気手段により圧縮空気を散気しながら前記オゾン処理槽と循環槽との間を所定時間循環させて熟成処理して前記余剰汚泥の可溶化を完了し、そして可溶化を完了した余剰汚泥を前記生物処理槽側に戻す循環槽と、
前記循環槽に接続され、前記循環槽で発生するオゾンを含む気体からオゾンを吸着するための脱オゾン槽と、
から構成され、
前記オゾン処理槽は、密閉式の処理槽本体を垂直方向に液密に仕切った複数の処理槽からなり、
前記複数の処理槽のうちの最初の処理槽は、前記オゾン発生手段で発生したオゾンを導入するための前記処理槽本体の垂直方向に延長されて設けられたオゾン導入手段と、前記汚泥貯留槽および前記循環槽からの汚泥を導入するための汚泥導入手段と、前記処理槽側からの汚泥を導入するための汚泥導入手段と、前記オゾン処理する汚泥を次の処理槽へ搬送するための連通管とを有しており、
前記複数の処理槽のうち最後の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、汚泥を循環槽に搬出するための搬出管を有しており、そして
前記複数の処理槽のうち途中の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、後段の処理槽に汚泥を搬出するための連通管を有しており、
前記最初の処理槽にオゾンとともに導入した汚泥を、液密に次段の処理装置圧送して最後の処理槽から排出することを特徴とする余剰汚泥可溶化装置。
【請求項2】
有機性排液を生物処理するための生物処理槽および生物処理の際に生じる余剰汚泥を貯留するための汚泥貯留槽を含む有機性排液処理システムにおける余剰汚泥を減容化する余剰汚泥可溶化装置であって、
前記汚泥貯留槽からの余剰汚泥を計量添加するための計量添加手段と、計量添加した余剰汚泥をオゾン処理するためのオゾン発生手段とを有するオゾン処理槽と、
前記オゾン処理槽と前記余剰汚泥を循環可能に接続された循環槽であって、オゾン処理した余剰汚泥を散気手段により圧縮空気を散気しながら前記オゾン処理槽と循環槽との間を所定時間循環させて熟成処理して前記余剰汚泥の可溶化を完了し、そして可溶化を完了した余剰汚泥を前記生物処理槽側に戻す循環槽と、
前記循環槽に接続され、前記循環槽で発生するオゾンを含む気体からオゾンを吸着するための脱オゾン槽と、
から構成された余剰汚泥可溶化装置におけるオゾン処理槽であって、
前記オゾン処理槽は、密閉式の処理槽本体を垂直方向に液密に仕切った複数の処理槽からなり、
前記複数の処理槽のうちの最初の処理槽は、前記オゾン発生手段で発生したオゾンを導入するための前記処理槽本体の垂直方向に延長されて設けられたオゾン導入手段と、前記汚泥貯留槽および前記循環槽からの汚泥を導入するための汚泥導入手段と、前記処理槽側からの汚泥を導入するための汚泥導入手段と、前記オゾン処理する汚泥を次の処理槽へ搬送するための連通管とを有しており、
前記複数の処理槽のうち最後の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、汚泥を循環槽に搬出するための搬出管を有しており、そして
前記複数の処理槽のうち途中の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、後段の処理槽に汚泥を搬出するための連通管を有しており、
前記最初の処理槽にオゾンとともに導入した汚泥を、液密に次段の処理装置圧送して最後の処理槽から排出することを特徴とする余剰汚泥可溶化装置用のオゾン処理槽。
【請求項3】
オゾン処理によって有機性排液由来の汚泥を減容化するためのオゾン処理槽であって、
前記オゾン処理槽は、密閉式の処理槽本体を垂直方向に液密に仕切った複数の処理槽からなり、
前記複数の処理槽のうちの最初の処理槽は、前記オゾン発生手段で発生したオゾンを導入するための前記処理槽本体の垂直方向に延長されて設けられたオゾン導入手段と、汚泥を導入するための汚泥導入手段と、前記オゾン処理する汚泥を次の処理槽へ搬送するための連通管とを有しており、
前記複数の処理槽のうち最後の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、汚泥を搬出するための搬出管を有しており、そして
前記複数の処理槽のうち途中の処理槽は、前段の処理槽からの汚泥を導入するための連通管と、後段の処理槽に汚泥を搬出するための連通管を有しており、
前記最初の処理槽にオゾンとともに導入した汚泥を、液密に次段の処理装置圧送して最後の処理槽から排出することを特徴とする余剰汚泥可溶化装置用のオゾン処理槽。

【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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