説明

作業情報処理装置、プログラムおよび作業情報処理方法

【課題】作業者や製品の位置を測定し、二次元のレイアウト上に軌跡を表示して、作業にかかった時間や、時刻の変化に対する工程の変化を示すことができる技術の提供を目的とする。
【解決手段】時刻の変化に対する工程の変化を示すことができる作業情報処理装置は、作業者等に取り付けられた位置センサ161からの時刻ごとの検出値から予め記憶した工程情報を用いて時刻ごとに工程を特定し、時刻と工程の関係を二次元のレイアウト上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業情報を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業者や製品の位置を測定し、二次元のレイアウト上に軌跡を表示する技術がある(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−73749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術では、作業にかかった時間や、時刻の変化に対する工程の変化について二次元のレイアウト上に表示された情報からは把握できず、不便であった。
【0005】
そこで、本発明は、時刻の変化に対する工程の変化を示すことができる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る作業情報を処理する技術は、上記課題を解決するため、作業者等に取り付けられたセンサからの時刻ごとの検出値から、記憶した工程情報を用いて時刻ごとの工程を特定し、時刻と工程の関係を表示する。
【0007】
例えば、作業情報処理装置であって、位置と、当該位置に対応付けられた工程と、を含む工程定義情報を記憶する記憶部及び制御部を備え、前記制御部は、検知対象に取り付けられたセンサで検出された位置を示す検出値と、当該検出値が検出された時刻を特定する情報と、を検出情報として受け付け、前記検出値が示す位置に対応付けられた工程を前記工程定義情報より特定し、前記検出された時刻に沿って検知対象が存在する工程の変化を、少なくとも工程を軸とする座標に表示する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
時刻の変化に対する工程の変化を示す技術を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本発明の実施形態における作業情報処理システム1000を示す図である。
【0010】
本発明における作業情報処理システム1000は、センサ161と、検知情報処理装置100と、を備える。
【0011】
センサ161は、センサ161を取り付けられた人の位置を検出するセンサである。本実施形態においては、作業領域内での位置を平面上(X座標とY座標の二次元)で測定する位置センサである。例えば、センサ161は、GPS(Global Positioning System)等の緯度経度の情報を取得するセンサである。
【0012】
なお、センサ161は、位置センサに限らず、作業者等の位置を検出することができるものであればよい。例えば、対象作業者に取り付けられた電波発信器が発信した電波を複数のアンテナで受信し、電波強度から位置の検出を行うことで取り付けられた人の位置を検出するようにしてもよい。
【0013】
またセンサ161は、検出値を、無線を介して検知情報処理装置100に送信する。
【0014】
なお、図1では、センサ161は作業者の左手に取り付けられているが、このような態様に限定されるわけではなく、作業者または作業対象物(製品)の位置を検出することができるようにされていればよい。
【0015】
検知情報処理装置100は、センサ161から送信されてくる検出値をアンテナ150で受信する。
【0016】
図2は、検知情報処理装置100の概略図である。
【0017】
図示するように、検知情報処理装置100は、記憶部120と、制御部130と、入力部141と、出力部142と、通信部143と、を有する。
【0018】
記憶部120は、検知情報記憶領域121と、工程定義情報記憶領域122と、領域情報記憶領域123と、出力情報記憶領域124と、を備える。
【0019】
検知情報記憶領域121には、検知した情報を記憶するための検知情報テーブル200が記憶される。
【0020】
図3に、検知情報テーブル200の構成例を示す。
【0021】
検知情報テーブル200は、時欄201と、ID欄202と、X座標欄203と、Y座標欄204と、を備える。
【0022】
時欄201には、センサ161で検出された検出値が検出された時刻を特定する情報が格納される。本実施例においては、センサ161で検出された検出値を受信した時刻を特定する情報が格納される。
【0023】
なお、センサ161からは定期的に検出値が送信されるようにしておき、特定の時刻を時欄201に格納される値に対応させて検知情報処理装置100で管理しておくことで、各々のレコードの時刻を特定することができる。例えば、「1」、「2」、「3」、・・・、「n」は、記録開始からそれぞれ「1秒後」、「2秒後」、・・・、「n秒後」の検出値と対応するようにする。
【0024】
ID欄202には、センサ161を取り付けられた作業者または作業対象製品を識別するための識別情報であるIDを特定する情報が格納される。
【0025】
本実施形態においては、一人の作業者または一つの製品に取り付けられるセンサ161に一つのIDを割り振っている。
【0026】
X座標欄203には、ID欄202で特定されるセンサ161で検出された検出値のX座標に関する値が格納される。
【0027】
Y座標欄204には、ID欄202で特定されるセンサ161で検出された検出値のY座標に関する値が格納される。
【0028】
なお、センサ161から送信される検出値に、センサごとに一意に割り振られている識別情報であるセンサIDを添付することで、検知情報処理装置100では、センサIDに対応するIDを管理しておき、センサ161で検出された検出値を対応するX座標欄203、Y座標欄204に格納することができる。
【0029】
工程定義情報記憶領域122には、工程を定義する情報を格納するための工程定義テーブル300が記憶される。
【0030】
工程定義テーブル300を説明する前提として、図4を用いて、作業場2の物理的な配置について説明する。
【0031】
図4は、作業場2の二次元のレイアウトを示す図である。
【0032】
作業場2は、一つの壁面に設けられた部品搬入口と、製品出荷口と、床面の第一工程作業領域211と、第一仕掛品置場212と、第二工程作業領域221と、第二仕掛品置場222と、第三工程作業領域231と、第三仕掛品置場232と、第四工程作業領域241と、第四仕掛品置場242と、第五工程作業領域251と、第五仕掛品置場252と、第六工程作業領域261と、第六仕掛品置場262と、第七工程作業領域271と、第七仕掛品置場272と、第八工程作業領域281と、を備える。
【0033】
作業場2の部品搬入口から搬入された製品の部品は、第一工程作業領域211において第一工程の作業対象となる。第一工程の作業が終わると、部品は、第一工程仕掛品置場に溜め置かれ、第二工程が開始される際に第二工程作業領域に受け渡され、第二工程の作業対象となる。
【0034】
このようにして、第一工程から第八工程までの工程を経て、部品は製品へと組み上げられ、製品出荷口から出荷される。
【0035】
また、図4に示すように、作業場2上の位置は、所定の位置を原点とするX軸と、X軸に直交するY軸と、の2軸による座標系により表すことができる。
【0036】
本実施形態においては、部品搬入口が備えられた作業場2の角の位置を原点とし、X軸の方向を作業場2の長辺方向の壁面に沿う第一工程作業領域211から第三工程仕掛品置場231に向かう方向とし、Y軸の方向を作業場2の短辺方向の壁面に沿う第四工程作業領域241から第五工程作業領域251へ向かう方向としている。
【0037】
第一工程作業領域211から第三仕掛品置場232までの各作業領域は、作業場2の長辺方向の壁面に沿うようにX軸の正の方向に向かって配置されており、第四工程作業領域から第四仕掛品置場242までは、作業場2の短辺方向の部品搬入口が備えられた壁面と向かい合う壁面に沿うようにY軸の正の方向に向かって配置されており、第五工程作業領域251から第八工程作業領域281までの各作業領域は、作業場2の長辺方向の別の壁面に沿うようにX軸の負の方向に向かって配置されている。
【0038】
このように、部品搬入口より搬入された部品は、「コ」の字型に流れるように各工程を経由して製品として組み立てられ、製品搬出口から搬出される。
【0039】
図5に、工程定義テーブル300の構成例を示す。
【0040】
工程定義テーブル300は、工程ID欄301と、工程順序欄302と、工程名称欄303と、標準LT(Lead Time)欄304と、表示用X座標欄305と、作業工程の説明欄306と、を備える。
【0041】
工程ID欄301には、工程を識別する情報である工程IDが格納される。
【0042】
工程順序欄302には、工程を実施する順序を特定する情報が格納される。例えば、「1」、「2」、・・・、「n(nは1以上の自然数)」等の重複しない連続する数値であり、工程順序が「1」とは、最もはじめに実施する工程であることを示す。
【0043】
工程名称欄303には、工程を識別する通称が格納される。
【0044】
標準LT欄304には、工程を実施するのにかかる標準的な所要時間が格納される。
【0045】
表示用X座標欄305には、後述する表示画面550等の表示画面にて製品あるいは作業者の位置等を示す際に用いる座標に関する情報が格納される。
【0046】
なお、表示用X座標欄305に格納される座標は、製品が工程を進む順により大きな値となるような値である。
【0047】
作業工程の説明欄306には、各工程の内容を示す情報が記憶される。
【0048】
領域情報記憶領域123には、工程に対応する物理的な領域を特定するための領域テーブル450が記憶される。
【0049】
なお、前提として、本実施形態においては、工程とは作業の管理の目安となる単位をいう。そして、工程が実施される場所・領域と工程には一定の対応関係がある。そのため、原則、作業場2では、同一の工程を異なる場所で実施することはなく、作業者または作業対象の製品の位置によって、実施する工程が必ず一つ特定されるものとする。
【0050】
図6(a)は、図4に示した作業場2の第一工程作業領域211と、第一仕掛品置場212と、第二工程作業領域221と、第二仕掛品置場222と、の部分についての配置を詳細に示す図である。
【0051】
図6(a)のK01領域410と、K02領域420と、K03領域430と、K04領域440とは、それぞれ、図4に示した作業場2の第一工程作業領域211と、第一仕掛品置場212と、第二工程作業領域221と、第二仕掛品置場222と、に対応する。
【0052】
K01領域は、第一の領域と、第二の領域と、を有する。
【0053】
第一の領域は、X座標が0、Y座標が0(以降、(0,0)と記す)で表される点411と、(25000,15000)で表される点412と、(0,15000)で表される点413と、(25000,0)で表される点421と、により囲まれる領域である。
【0054】
第二の領域は、(0,15000)で表される点413と、(0,17000)で表される点と、(5000,17000)で表される点414と、(5000,15000)で表される点と、により囲まれる領域である。
【0055】
K02領域は、(25000,0)で表される点421と、(28000,15000)で表される点422と、(25000,15000)で表される点412と、(28000,0)で表される点431と、により囲まれる領域である。
【0056】
K03領域は、(28000,0)で表される点431と、(58000,15000)で表される点432と、(28000,15000)で表される点422と、(58000,0)で表される点441と、により囲まれる領域である。
【0057】
K04領域は、(58000,0)で表される点441と、(61000,15000)で表される点442と、(58000,15000)で表される点432と、(61000,0)で表される点と、により囲まれる領域である。
【0058】
このような図6(a)の配置に基づき、各領域の範囲を、各領域の対角線を結ぶ二つの頂点の座標により定義する情報を格納する領域テーブル450を図6(b)に示す。
【0059】
領域テーブル450は、領域ID欄451と、開始X座標欄452と、開始Y座標欄453と、終了X座標欄454と、終了Y座標欄455と、対応する工程ID欄456と、を備える。
【0060】
領域ID欄451には、領域を識別する情報として領域IDが格納される。
【0061】
開始X座標欄452には、領域の対角線を挟んで向かい合う二つの頂点のうち片側の頂点である第一の頂点のX座標に関する情報が格納される。
【0062】
開始Y座標欄453には、第一の頂点のY座標に関する情報が格納される。
【0063】
終了X座標欄454には、第一の頂点と対角線を挟んで向かい合う頂点である第二の頂点のX座標に関する情報が格納される。
【0064】
終了Y座標欄455には、第二の頂点のY座標に関する情報が格納される。
【0065】
対応する工程ID欄456には、領域ID欄451に格納された値により特定される領域にて実施される工程の工程IDが格納される。
【0066】
出力情報記憶領域124には、出力する情報を記憶するための出力情報テーブル500が記憶される。
【0067】
図7に、出力情報テーブル500の構成例を示す。
【0068】
出力情報テーブル500は、時欄501と、ID欄502と、工程欄503と、出力座標欄504と、を備える。
【0069】
時欄501には、センサ161で検出された検出値が検出された時刻を特定する情報が格納される。本実施例においては、センサ161で検出された検出値を受信した時刻を特定する情報が格納される。
【0070】
ID欄502には、センサ161を取り付けられた作業者または作業対象製品を識別するための識別情報であるIDを特定する情報が格納される。
【0071】
工程欄503には、センサ161を取り付けられた作業者または作業対象製品の位置から特定された工程を特定する情報が格納される。
【0072】
出力座標欄504には、センサ161を取り付けられた作業者または作業対象製品の位置を画面上に示す際の出力座標を特定する情報が格納される。
【0073】
図2の説明に戻る。
【0074】
制御部130は、入力情報受付部131と、出力情報生成部132と、検知情報管理部133と、検知情報分析部134と、を備える。
【0075】
入力情報受付部131は、後述する入力部141を介して入力された情報を受け付ける。
【0076】
出力情報生成部132は、出力する情報と、画面レイアウトと、を組み合わせて出力画面を構成し、後述する出力部142に表示させる。
【0077】
検知情報管理部133は、後述する通信部143を介して、各センサ161から受信した検出値を、検知情報テーブル200に格納する処理を行う。
【0078】
なお、検知情報管理部133では、センサ161のセンサIDと、作業者を識別するためのIDと、の対応関係を記憶しており、センサ161から受信した測定値に添付されているセンサIDに対応するIDを検知情報テーブル200のID欄202に格納する。
【0079】
そして、検知情報管理部133は、測定値を受信した時刻を記憶部120の図示しない領域に格納する。
【0080】
検知情報分析部134は、検知情報テーブル200に格納された情報から、センサ161ごとに、センサ161を取り付けられた対象がいずれの工程にあるかを特定する。
【0081】
具体的には、検知情報分析部134は、センサ161にて検出された検出値からX座標とY座標を特定する。
【0082】
そして、検知情報分析部134は、領域テーブル450に格納されたレコードのうち、特定したX座標が開始X座標欄452の値と終了X座標欄454の値との間にあり、かつ、特定したY座標が開始Y座標欄453の値と終了Y座標欄455の値との間にあるレコードを特定する。
【0083】
そして、検知情報分析部134は、特定したレコードの対応する工程ID欄456に格納された工程IDを特定する。
【0084】
そして、検知情報分析部134は、工程定義テーブル300のレコードのうち、特定した工程IDが工程定義テーブル300の工程ID欄301の値と合致するレコードの工程名称欄303の値と、表示用X座標欄305の値と、を特定する。
【0085】
そして、検知情報分析部134は、特定した工程の情報と出力座標の情報とを出力情報テーブル500の工程欄503と出力座標欄504とに、それぞれ格納する。
【0086】
入力部141は、操作者からの情報の入力を受け付ける。
【0087】
出力部142は、情報を出力する。
【0088】
通信部143は、アンテナ150を介して情報の送受信を行う。
【0089】
図8は、本実施形態の検知情報処理装置100のハードウェア構成を示す図である。
【0090】
本実施形態においては、検知情報処理装置100は、例えば、クライアントPC(パーソナルコンピュータ)や、ワークステーション、サーバ装置、各種携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)などの計算機である。
【0091】
検知情報処理装置100は、入力装置111と、出力装置112と、演算装置113と、主記憶装置114と、外部記憶装置115と、通信装置116と、それぞれの装置を互いに接続するバス117と、を有する。
【0092】
入力装置111は、例えばキーボードやマウス、あるいはタッチペン、その他ポインティングデバイスなどの入力を受け付ける装置である。
【0093】
出力装置112は、例えばディスプレイなどの、表示を行う装置である
演算装置113は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置である。
【0094】
主記憶装置114は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0095】
外部記憶装置115は、例えばハードディスク装置やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0096】
通信装置116は、アンテナを介して無線通信を行う無線通信ユニット等の通信装置である。
【0097】
検知情報処理装置100の入力情報受付部131と、出力情報生成部132と、検知情報管理部133と、検知情報分析部134と、は、検知情報処理装置100の演算装置113に処理を行わせるプログラムによって実現される。
【0098】
このプログラムは、主記憶装置114または外部記憶装置115内に記憶され、実行にあたって主記憶装置114上にロードされ、演算装置113により実行される。
【0099】
また、検知情報処理装置100の記憶部120は、検知情報処理装置100の主記憶装置114または外部記憶装置115により実現される。
【0100】
検知情報処理装置100の入力部141は、検知情報処理装置100の入力装置111によって実現される。
【0101】
検知情報処理装置100の出力部142は、検知情報処理装置100の出力装置112によって実現される。
【0102】
検知情報処理装置100の通信部143は、検知情報処理装置100の通信装置116によって実現される。
【0103】
次に、本実施形態における状況表示処理のフローについて、図9に基づき説明する。
【0104】
図9は、状況表示処理の流れを示すフロー図である。
【0105】
まず、検知情報管理部133は、所定の間隔(例えば1秒間隔)で通信部143を介して、センサ161から送信された検出値を受け付ける(ステップS001)。
【0106】
具体的には、検知情報管理部133は、通信部143を介して、センサ161から送信された検出値を受け取る。
【0107】
次に、検知情報管理部133は、ステップS001で受け付けた検出値を検知情報テーブル200に格納する(ステップS002)。
【0108】
次に、検知情報分析部134は、検知情報から作業工程を特定する(ステップS003)。
【0109】
具体的には、検知情報分析部134は、検知情報テーブル200のX座標欄203の値と、Y座標欄204の値と、を読み出す。
【0110】
そして、検知情報分析部134は、領域テーブル450に格納されたレコードのうち、読み出したX座標が開始X座標欄452の値と終了X座標欄454の値との間にあり、かつ、読み出したY座標が開始Y座標欄453の値と終了Y座標欄455の値との間にあるレコードを特定する。
【0111】
そして、検知情報分析部134は、特定したレコードの対応する工程ID欄456に格納された工程IDを特定する。
【0112】
次に、検知情報分析部134は、ステップS003で特定した作業工程の工程IDから出力座標を特定する(ステップS004)。
【0113】
具体的には、検知情報分析部134は、工程定義テーブル300のレコードのうち、ステップS003にて特定した工程IDが工程定義テーブル300の工程ID欄301の値と合致するレコードの工程名称欄303の値と、表示用X座標欄305の値と、を特定する。
【0114】
そして、検知情報分析部134は、特定した工程の情報と出力座標の情報とを出力情報テーブル500の工程欄503と出力座標欄504とに、それぞれ格納する。
【0115】
次に、出力情報生成部132は、出力情報テーブル500の情報を用いて、画面を構成して表示する(ステップS005)。
【0116】
具体的には、出力情報生成部132は、出力情報テーブル500のレコードについて、ID欄502の値ごとに、時欄501の値の昇順に出力座標欄504で特定される表示位置に点を表示することで、図10に示す状況表示画面550を構成して表示する。
【0117】
この際、出力情報生成部132は、検知対象が異なる工程に移動した場合には、その移動前の工程の直前の点から移動後の点までを結ぶ斜線を補って表示する。
【0118】
図10は、状況表示画面550の例を示す図である。
【0119】
状況表示画面550は、工程表示欄551と、時刻軸線552と、工程軸線553と、現在時刻表示線554と、作業者位置表示線555と、製品位置表示線556と、により構成される。
【0120】
工程表示欄551は、工程軸線553の工程順に沿うように、第一工程欄と、第一仕掛品欄と、第二工程欄と、第二仕掛品欄と、第三工程欄と、第三仕掛品欄と、第四工程欄と、第四仕掛品欄と、第五工程欄と、第五仕掛品欄と、第六工程欄と、第六仕掛品欄と、第七工程欄と、第七仕掛品欄と、第八工程欄と、を有して構成される。
【0121】
工程表示欄551の各欄は、それぞれ、作業場2の第一工程作業領域211と、第一仕掛品置場212と、第二工程作業領域221と、第二仕掛品置場222と、第三工程作業領域231と、第三仕掛品置場232と、第四工程作業領域241と、第四仕掛品置場242と、第五工程作業領域251と、第五仕掛品置場252と、第六工程作業領域261と、第六仕掛品置場262と、第七工程作業領域271と、第七仕掛品置場272と、第八工程作業領域281と、に対応する。
【0122】
なお、工程定義テーブル300の表示用X座標欄305の値と、出力情報テーブル500の出力座標欄504の値は、工程表示欄551の各欄の中央付近の座標を特定する値である。出力情報生成部132は、表示画面550等の表示画面にて表示される製品の位置と、作業者の位置とが、重複しないように座標を相違させて表示させる。例えば、出力情報生成部132は、出力情報テーブル500の出力座標欄504の値に所定の値を加減して製品の表示位置と作業者の表示位置を相違させる。
【0123】
また、工程表示欄551の各欄の表示上の横幅は、工程のレイアウト上での長さに応じて設定されても良い。例えば、次の工程に向かう方向における工程のレイアウト上の長さに比例して、表示上の横幅が広くなるようにしてもよい。
【0124】
その他、工程表示欄551の各欄の表示上の横幅は、工程の標準リードタイムに比例するように設定されても良いし、単純に等間隔となるようにしても良い。
【0125】
時刻軸線552は、状況表示画面550の上方から下方に向かう縦軸として、時刻の流れを示す。
【0126】
工程軸線553は、状況表示画面550の左方から右方に向かう横軸として、作業工程の流れを示す。
【0127】
現在時刻表示線554は、時刻軸線552上の現在時刻に該当する時刻を示す。
【0128】
作業者位置表示線555は、作業者に取り付けられたセンサ161の時刻ごとの位置を示す点をつなげた線である。
【0129】
製品位置表示線556は、作業対象の製品等に取り付けられたセンサ161の時刻ごとの位置を示す点をつなげた線である。
【0130】
すなわち、例えば第一工程作業領域211に検知対象の作業者等が存在する場合には、状況表示画面550において、第一工程欄の中央の、検出時刻に該当する位置に点が表示され、検出開始から現在時刻に到るまでに記録された点が作業者位置表示線555として表示される。
【0131】
そして、検出情報管理部133は、ステップS001に処理を戻し、検知情報を受け付ける。
【0132】
以上が、状況表示処理のフローである。
【0133】
本発明の第一の実施形態によれば、検知情報処理装置100は、検知対象である作業者および製品の位置を検出して、工程と時刻を特定し、状況表示画面550を用いて工程と時刻の経過との対応を一覧のもとに示すことができる。
【0134】
次に、本発明の第二の実施形態について、図11〜図13を用いて説明する。
【0135】
本発明の第二の実施形態における検知情報処理装置100は、原則、第一の実施形態における検知情報処理装置100と同様であるため、相違する点について以下に説明する。
【0136】
第二の実施形態においては、記憶部120の出力情報記憶領域124が格納する出力情報テーブルは、図11に示す出力情報テーブル600である。
【0137】
出力情報テーブル600は、ID欄601と、工程欄602と、開始時欄603と、終了時欄604と、状況欄605と、警告欄606と、出力座標欄607と、を備える。
【0138】
ID欄601には、センサ161を取り付けられた作業対象製品を識別するための識別情報であるIDを特定する情報が格納される。
【0139】
工程欄602には、センサ161を取り付けられた作業対象製品の位置から特定された工程を特定する情報が格納される。
【0140】
開始時欄603には、ID欄601のIDにより識別される製品について、工程欄602の工程が開始された時を示す情報が格納される。
【0141】
終了時欄604には、ID欄601のIDにより識別される対象について、工程欄602の工程が終了した時を示す情報が格納される。
【0142】
状況欄605には、ID欄601のIDにより識別される対象について、工程欄602の工程の状態を示す情報が格納される。例えば、「終了」、「作業中」等である。
【0143】
警告欄606には、ID欄601のIDにより識別される対象について、工程欄602の工程が開始された以降に警告対象となる事象が発生したか否かを示す情報が格納される。例えば、「有」は警告対象となる事象が発生したことを示す。
【0144】
出力座標欄607には、センサ161を取り付けられた作業対象製品の位置を画面上に示す際の出力座標を特定する情報が格納される。
【0145】
図12に、第二の実施形態における状況表示処理の処理フローを示す。
【0146】
まず、検知情報管理部133は、所定の間隔(例えば1秒間隔)で通信部143を介して、センサ161から送信された検出値を受け付ける(ステップS101)。
【0147】
具体的には、検知情報管理部133は、通信部143を介して、センサ161から送信された検出値を受け取る。
【0148】
次に、検知情報管理部133は、ステップS101で受け付けた検出値を検知情報テーブル200に格納する(ステップS102)。
【0149】
次に、検知情報分析部134は、検知情報から作業工程を特定する(ステップS103)。
【0150】
具体的には、検知情報分析部134は、検知情報テーブル200のX座標欄203の値と、Y座標欄204の値と、を読み出す。
【0151】
そして、検知情報分析部134は、領域テーブル450に格納されたレコードのうち、読み出したX座標が開始X座標欄452の値と終了X座標欄454の値との間にあり、かつ、読み出したY座標が開始Y座標欄453の値と終了Y座標欄455の値との間にあるレコードを特定する。
【0152】
そして、検知情報分析部134は、特定したレコードの対応する工程ID欄456に格納された工程IDを特定する。
【0153】
次に、検知情報分析部134は、検知対象の製品ごとに、ステップS103で特定した工程の開始時と終了時とを特定する(ステップS104)。
【0154】
具体的には、検知情報分析部134は、検知対象の製品のIDごとに、検知情報テーブル200から、工程が切り替わった時を特定する。
【0155】
そして、検知情報分析部134は、工程が切り替わった直前の時欄201と直後の時欄201の値を、切り替わる前の工程についての終了時、および切り替わった後の工程についての開始時として、出力情報テーブル600の開始時欄603と、終了時欄604と、に格納する。
【0156】
次に、検知情報分析部134は、検知対象の製品ごとに、各工程のステータスを特定する(ステップS105)。
【0157】
具体的には、検知情報分析部134は、出力情報テーブル600について、検知対象の製品とステップS103で特定した工程との組み合わせごとに、開始時欄603と終了時欄604に値が格納されている場合には、状況欄605に工程が終了した旨を示す「終了」情報を格納する。開始時欄603に値が格納されているが終了時欄604に値が格納されていない場合には、状況欄605に工程が終了していない旨を示す「作業中」という情報を格納する。
【0158】
次に、検知情報分析部134は、検知対象の製品ごとに、各工程の警告状況を特定する(ステップS106)。
【0159】
具体的には、検知情報分析部134は、出力情報テーブル600について、検知対象の製品とステップS103で特定した工程との組み合わせごとに、開始時欄603の値から終了時欄604の値(終了時が未格納の場合には現時刻を示す値)までの間に、警告対象となる事象が発生したか否かを判定し、発生した場合には警告欄606に「有」という情報を格納する。
【0160】
なお、警告対象となる事象としては、ステップS103で特定した工程について、工程定義テーブル300の対応する工程の標準LT欄304の時間を超過した場合等が挙げられる。
【0161】
次に、検知情報分析部134は、ステップS103で特定した作業工程の工程IDから出力座標を特定する(ステップS107)。
【0162】
具体的には、検知情報分析部134は、工程定義テーブル300のレコードのうち、ステップS103にて特定した工程IDが工程定義テーブル300の工程ID欄301の値と合致するレコードの工程名称欄303の値と、表示用X座標欄305の値と、を特定する。
【0163】
そして、検知情報分析部134は、特定した工程の情報と出力座標の情報とを出力情報テーブル600の工程欄602と出力座標欄607とに、それぞれ格納する。
【0164】
次に、出力情報生成部132は、出力情報テーブル600の情報を用いて、画面を構成して表示する(ステップS108)。
【0165】
具体的には、出力情報生成部132は、出力情報テーブル600のレコードについて、ID欄601の値ごとに、工程の標準リードタイムに対する経過時間の比に応じて、対応する工程の表示位置に線分を表示することで、図13に示す進捗表示画面650を構成して表示する。
【0166】
図13は、進捗表示画面650の例を示す図である。
【0167】
進捗表示画面650は、工程表示欄651と、製品軸線652と、工程軸線653と、ID表示欄654と、作業所要時間比表示線655と、詳細表示欄656と、により構成される。
【0168】
工程表示欄651は、工程軸線653の工程順に沿うように、第一工程欄と、第一仕掛品欄と、第二工程欄と、第二仕掛品欄と、第三工程欄と、第三仕掛品欄と、第四工程欄と、第四仕掛品欄と、第五工程欄と、第五仕掛品欄と、第六工程欄と、第六仕掛品欄と、第七工程欄と、第七仕掛品欄と、第八工程欄と、を有して構成される。
【0169】
工程表示欄651の各欄は、それぞれ、作業場2の第一工程作業領域211と、第一仕掛品置場212と、第二工程作業領域221と、第二仕掛品置場222と、第三工程作業領域231と、第三仕掛品置場232と、第四工程作業領域241と、第四仕掛品置場242と、第五工程作業領域251と、第五仕掛品置場252と、第六工程作業領域261と、第六仕掛品置場262と、第七工程作業領域271と、第七仕掛品置場272と、第八工程作業領域281と、に対応する。
【0170】
なお、工程定義テーブル300の表示用X座標欄305の値と、出力情報テーブル600の出力座標欄607の値は、工程表示欄651の各欄の左端付近の座標を特定する値である。
【0171】
また、工程表示欄651の各欄の表示上の横幅は、工程のレイアウト上での長さに応じて設定されても良い。例えば、次の工程に向かう方向における工程のレイアウト上の長さに比例して、表示上の横幅が広くなるようにしてもよい。
【0172】
その他、工程表示欄651の各欄の表示上の横幅は、工程の標準リードタイムに比例するように設定されても良いし、単純に等間隔となるようにしても良い。
【0173】
製品軸線652は、進捗表示画面650の下方から上方に向かう縦軸として、製品を識別するIDを順に並べる流れを示す。
【0174】
工程軸線653は、進捗表示画面650の左方から右方に向かう横軸として、作業工程の流れを示す。
【0175】
ID表示欄654は、製品軸線652上の製品に該当するIDを示す。
【0176】
作業所要時間比表示線655は、製品に取り付けられたセンサ161の工程ごとにかかった所要時間の、標準リードタイムに対する比の値を各工程欄の幅に対する作業所要時間比表示線655の長さの比として表示させる線を示す。
【0177】
なお、作業所要時間比表示線655においては、作業中の作業について、現在時までの経過時間を作業所要時間とみなして表示される。
【0178】
詳細表示欄656は、作業所要時間比表示線655で表された情報の詳細を文字情報で表示する欄である。例えば、各工程の投入時刻と、作業時間と、作業状態等の情報と、を示す欄である。
【0179】
進捗表示画面650によると、例えば第一工程作業領域211に検知対象の製品が標準リードタイムの9割の時間だけ存在した場合には、状況表示画面650において、第一工程欄の左端から、第一工程の幅の9割の長さの作業所用時間比表示線655が表示され、工程を開始した日時と、作業時間と、終了状態にある旨の詳細表示欄656が表示される。
【0180】
そして、検出情報管理部133は、ステップS101に処理を戻し、検知情報を受け付ける。
【0181】
以上が、第二の実施形態における状況表示処理のフローである。
【0182】
本発明の第二の実施形態によれば、検知情報処理装置100は、検知対象である製品の位置を検出して、工程と時刻を特定し、工程を実施するのにかかった時間を標準リードタイムに対する比として表示することができる。
【0183】
このようにすることで、検知情報処理装置100の利用者は、作業の進捗情報を一覧のもとに確認することができる。
【0184】
次に、本発明の第三の実施形態について、図14〜図17を用いて説明する。
【0185】
本発明の第三の実施形態におけるセンサ161は、位置センサに加え、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の3軸の加速度成分に分けて加速度を検出する加速度センサの機能を有する。
【0186】
なお、センサ161が加速度を検出するX軸、Y軸、Z軸の3軸は、センサ161が検出する位置を示すX座標とY座標とは無関係な独立した軸である。
【0187】
また、本発明の第三の実施形態における検知情報処理装置100は、原則、第一の実施形態における検知情報処理装置100と同様であるため、相違する点について以下に説明する。
【0188】
第三の実施形態においては、記憶部120の検知情報記憶領域121が格納する検知情報テーブル200は、図14に示す検知情報テーブル700である。
【0189】
また、出力情報記憶領域124が格納する出力情報テーブルは、図15に示す出力情報テーブル750である。
【0190】
図14に、第三の実施形態における検知情報テーブル700の構成例を示す。
【0191】
検知情報テーブル700は、第一の実施形態における検知情報テーブル200が有する各欄に加えて、X軸加速度欄705と、Y軸加速度欄706と、Z軸加速度欄707と、を備える。
【0192】
X軸加速度欄705には、センサ161で検出した加速度のうちX軸成分の大きさがミリG(1000分の1G)単位で格納される。
【0193】
Y軸加速度欄706には、センサ161で検出した加速度のうちY軸成分の大きさがミリG単位で格納される。
【0194】
Z軸加速度欄707には、センサ161で検出した加速度のうちZ軸成分の大きさがミリG単位で格納される。
【0195】
図15に、第三の実施形態における出力情報テーブル750の構成例を示す。
【0196】
出力情報テーブル750は、時欄751と、ID欄752と、工程欄753と、出力座標欄754と、合成加速度欄755と、警告欄756と、を備える。
【0197】
時欄751には、センサ161で検出された検出値が検出された時刻を特定する情報が格納される。本実施例においては、センサ161で検出された検出値を受信した時刻を特定する情報が格納される。
【0198】
ID欄752には、センサ161を取り付けられた作業者を識別するための識別情報であるIDを特定する情報が格納される。
【0199】
工程欄753には、センサ161を取り付けられた作業者の位置から特定された工程を特定する情報が格納される。
【0200】
出力座標欄754には、センサ161を取り付けられた作業者の位置を画面上に示す際の出力座標を特定する情報が格納される。
【0201】
合成加速度欄755には、センサ161で計測した3軸の加速度成分を合成した加速度の大きさの値が格納される。
【0202】
警告欄756には、ID欄752のIDにより識別される対象について、工程欄753の工程が開始された以降に警告対象となる事象が発生したか否かを示す情報が格納される。例えば、「有」は警告対象となる事象が発生したことを示す。
【0203】
図16に、第三の実施形態における状況表示処理の処理フローを示す。
【0204】
まず、検知情報管理部133は、所定の間隔(例えば1秒間隔)で通信部143を介して、センサ161から送信された検出値を受け付ける(ステップS201)。
【0205】
具体的には、検知情報管理部133は、通信部143を介して、センサ161から送信された検出値を受け取る。
【0206】
次に、検知情報管理部133は、ステップS101で受け付けた検出値を検知情報テーブル700に格納する(ステップS202)。
【0207】
次に、検知情報分析部134は、検知情報から作業工程を特定する(ステップS203)。
【0208】
具体的には、検知情報分析部134は、検知情報テーブル700のX座標欄203の値と、Y座標欄204の値と、を読み出す。
【0209】
そして、検知情報分析部134は、領域テーブル450に格納されたレコードのうち、読み出したX座標が開始X座標欄452の値と終了X座標欄454の値との間にあり、かつ、読み出したY座標が開始Y座標欄453の値と終了Y座標欄455の値との間にあるレコードを特定する。
【0210】
そして、検知情報分析部134は、特定したレコードの対応する工程ID欄456に格納された工程IDを特定する。
【0211】
次に、検知情報分析部134は、検知対象の作業者ごとに、検知した3軸の加速度を合成した加速度の大きさを算出する(ステップS204)。
【0212】
具体的には、検知情報分析部134は、検知対象の作業者のIDごとに、検知した3軸の加速度を合成した加速度を算出し、出力情報テーブル750の合成加速度欄755に格納する。
【0213】
次に、検知情報分析部134は、検知対象の作業者ごとに、出力座標を特定する(ステップS205)。
【0214】
具体的には、検知情報分析部134は、出力情報テーブル750について、検知対象の製作業者とステップS203で特定した工程との組み合わせごとに、検知したX座標、Y座標の値に基づいて、作業者の位置を作業場2での部品搬入口からの工程上の道のりにあたる距離で表すことで、表示する画面上の座標を特定し、出力座標欄754に格納する。
【0215】
例えば、検出した位置に対応する工程が第三仕掛品置場232よりも実施順が早い工程であれば、検知情報分析部134は、検知したX座標の値そのままを出力座標欄754に格納する。
【0216】
または、検出した位置に対応する工程が第四工程作業領域241または第四仕掛品置場242であれば、検知情報分析部134は、第三仕掛品置場232が第四工程作業領域241と接する線上のいずれかの点についてのX座標の値に、検知したY座標の値を加えた値を出力座標欄754に格納する。
【0217】
または、検出した位置に対応する工程が第五工程251よりも実施順が遅い工程であれば、検知情報分析部134は、第四仕掛品置場242が第五工程作業領域251と接する線上のいずれかの点についてのX座標を2倍した値から、検知したX座標の値を引いた値に、検知したY座標の値を加えた値を出力座標欄754に格納する。
【0218】
次に、検知情報分析部134は、検知対象の作業者ごとに、警告状況を特定する(ステップS206)。
【0219】
具体的には、検知情報分析部134は、出力情報テーブル750について、検知対象の作業者ごとに、出力座標欄754の値の上限と下限の幅が所定の閾値を超える場合や、合成加速度欄755の値の所定の期間の増減量が所定の閾値以下であれば、無駄な移動をしている、あるいは必要な作業動作を行っていない、として警告欄756に「有」という情報を格納する。
【0220】
なお、警告対象となる事象としては、作業者が規定の作業を行っていない場合に警告を行うものであれば、これらに限らない。
【0221】
次に、出力情報生成部132は、出力情報テーブル750の情報を用いて、画面を構成して表示する(ステップS207)。
【0222】
具体的には、出力情報生成部132は、出力情報テーブル750のレコードについて、ID欄751の値ごとに、実施した工程位置に、合成した加速度の時間経過に伴う変化をグラフ化して表示させる。また、作業者が実施した工程位置に線分を表示することで、図17に示す活動状況表示画面780を構成して表示する。
【0223】
図17は、活動状況表示画面780の例を示す図である。
【0224】
活動状況表示画面780は、工程表示欄781と、作業者軸線782と、工程軸線783と、作業者表示欄784と、加速度表示線785と、作業者の移動範囲線788と、により構成される。
【0225】
工程表示欄781は、第二の実施形態における工程表示欄651と同様のため、説明を省略する。ただし、工程表示欄781の各欄の表示上の横幅は、次の工程に向かう方向における工程のレイアウト上の長さに比例して、表示上の横幅が広くなるように設定される。
【0226】
作業者軸線782は、活動状況表示画面780の下方から上方に向かう縦軸として、作業者を識別するIDや名称を順に並べる軸を示す。
【0227】
工程軸線783は、活動状況表示画面780の左方から右方に向かう横軸として、作業工程の流れを示す。なお、レイアウト上の各工程内の所定の位置に対応する工程表示欄781の各工程内の位置は、レイアウト上の工程の開始点から次の工程に向かう方向における当該位置までの長さと、工程表示欄781の各工程の欄の左端から右端へ向かう方向における表示位置までの表示上の長さと、が比例の関係となるよう定められている。
【0228】
作業者表示欄784は、作業者軸線782上の作業者に該当する作業者の名称を示す。
【0229】
加速度表示線785は、作業者に取り付けられたセンサ161で検出した時間ごとの合成加速度の大きさの増加量を、工程軸線783と平行な方向に、工程ごとに設けられた時間軸(工程の左端上の所定の位置を原点とする)に沿って記録したグラフを示す。
【0230】
加速度表示線785のもう一方の軸である加速度の大きさの増加量は、作業者軸線782と並行な方向に設けられている。
【0231】
なお、加速度表示線785は、作業者が別の工程で作業を行った場合には、グラフを中断して作業を行った工程の、相当する時刻を示す箇所に断片的に表示される。そのため、図17の作業者Aについては、加速度表示線786は第三工程作業領域にて作業を行った際の合成加速度を示し、加速度表示線787は第二工程作業領域にてその後行った作業の合成加速度を示す断片となっている。
【0232】
作業者の移動範囲線788は、作業者の移動した範囲を示す。
【0233】
作業者の移動した範囲は、レイアウト上の各工程内の作業者の位置に対応する工程表示欄781の各工程内の表示位置に表示される点同士を連結する線により示される。例えば、図17の活動状況表示画面780においては、作業者Aが第二工程作業領域と、第二仕掛品置場と、第三工程作業領域の一部と、を移動したことが示される。
【0234】
なお、図17の作業者Bの加速度表示線が上下二段となっているが、上段は定時の作業を示し、下段は超過作業(いわゆる残業による作業)を示すものである。
【0235】
このように、活動状況表示画面780によると、作業者の移動範囲と、作業者の時間ごとの加速度の多寡と、を一目のもとに表示することができる。
【0236】
そして、検出情報管理部133は、ステップS201に処理を戻し、検知情報を受け付ける。
【0237】
以上が、第三の実施形態における状況表示処理のフローである。
【0238】
本発明の第三の実施形態によれば、検知情報処理装置100は、検知対象である作業者の位置と加速度を検出して、実施した工程の範囲と時刻ごとの動作の変化量を特定し、一覧のもとに表示することができる。
【0239】
次に、本発明の第四の実施形態について、図18〜図22を用いて説明する。
【0240】
本発明の第四の実施形態における検知情報処理装置800は、原則、第一の実施形態における検知情報処理装置100と同様であるため、相違する点について以下に説明する。
【0241】
図18は、本発明の第四の実施形態における検知情報処理装置800の概略図を示す。
【0242】
記憶部820は、第一の実施形態における記憶領域に加えて、作業識別領域情報記憶領域825を備える。
【0243】
作業識別領域情報記憶領域825は、詳細領域テーブル860を記憶する。
【0244】
図19(a)は、図6に示した作業場2の第一工程作業領域211のA01領域についての配置を詳細に示す図である。
【0245】
Z01詳細領域810は、(0,0)で表される点と、(8500,7500)で表される点と、(0,7500)で表される点と、(8500,0)で表される点と、により囲まれる領域である。
【0246】
Z02詳細領域820は、(8500,0)で表される点と、(17500,7500)で表される点と、(8500,7500)で表される点と、(17500,0)で表される点と、により囲まれる領域である。
【0247】
Z03詳細領域830は、(17500,0)で表される点と、(25000,7500)で表される点と、(17500,7500)で表される点と、(25000,0)で表される点と、により囲まれる領域である。
【0248】
Z04詳細領域840は、(0,7500)で表される点と、(14000,15000)で表される点と、(0,15000)で表される点と、(14000,7500)で表される点と、により囲まれる領域である。
【0249】
Z05詳細領域850は、(14000,7500)で表される点と、(25000,15000)で表される点と、(14000,15000)で表される点と、(25000,7500)で表される点と、により囲まれる領域である。
【0250】
このような図19(a)の詳細配置に基づき、各詳細領域の範囲を、各詳細領域の対角線を結ぶ二つの頂点の座標により定義する情報を格納する詳細領域テーブル860を図19(b)に示す。
【0251】
詳細領域テーブル860は、場所ID欄861と、開始X座標欄862と、開始Y座標欄863と、終了X座標欄864と、終了Y座標欄865と、作業名称欄866と、を備える。
【0252】
場所ID欄861には、詳細領域を識別する情報として場所IDが格納される。
【0253】
開始X座標欄862には、詳細領域の対角線を挟んで向かい合う二つの頂点のうち片側の頂点である第一の頂点のX座標に関する情報が格納される。
【0254】
開始Y座標欄863には、第一の頂点のY座標に関する情報が格納される。
【0255】
終了X座標欄864には、第一の頂点と詳細領域の対角線を挟んで向かい合う第二の頂点のX座標に関する情報が格納される。
【0256】
終了Y座標欄865には、第二の頂点のY座標に関する情報が格納される。
【0257】
表示用X座標欄866には、後述する詳細表示画面950にて製品または作業者の位置等を示す際に用いる画面上の表示位置を特定する座標に関する情報が格納される。
【0258】
作業名称欄867には、場所ID欄861に格納された値により特定される領域にて実施される作業の名称が格納される。例えば、場所ID欄861の値が「Z01」であって作業名称欄867の値が「A組付作業」であれば、「Z01」詳細領域は「A組付作業」を実施する詳細領域であることがわかる。
【0259】
第四の実施形態においては、記憶部820の出力情報記憶領域124が格納する出力情報テーブルは、図20に示す出力情報テーブル900である。
【0260】
出力情報テーブル900は、時欄901と、ID欄902と、出力座標欄903と、X座標欄904と、Y座標欄905と、場所ID欄906と、作業名称欄907と、を備える。
【0261】
時欄901には、センサ161で検出された検出値が検出された時刻を特定する情報が格納される。本実施例においては、センサ161で検出された検出値を受信した時刻を特定する情報が格納される。
【0262】
ID欄902には、センサ161を取り付けられた作業者または作業対象製品を識別するための識別情報であるIDを特定する情報が格納される。
【0263】
出力座標欄903には、センサ161を取り付けられた作業者または作業対象製品の位置を画面上に示す際の出力座標を特定する情報が格納される。
【0264】
X座標欄904には、ID欄902で特定されるセンサ161で検出された検出値のX座標に関する値が格納される。
【0265】
Y座標欄905には、ID欄902で特定されるセンサ161で検出された検出値のY座標に関する値が格納される。
【0266】
場所ID906には、X座標欄904とY座標欄905に格納された座標から特定される詳細領域を示す場所IDを格納する。
【0267】
作業名称907には、場所ID906に格納された場所IDで行われる作業の名称が格納される。
【0268】
制御部830は、第一の実施形態と同様の入力情報受付部131の他に、出力情報生成部832と、検知情報管理部833と、検知情報分析部834と、を有する。
【0269】
出力情報生成部832は、出力する情報と、画面レイアウトと、を組み合わせて出力画面を構成し、出力部142に表示させる。
【0270】
検知情報管理部833は、後述する通信部143を介して、各センサ161から受信した検出値を、検知情報テーブル200および出力情報テーブル900に格納する処理を行う。
【0271】
なお、検知情報管理部833では、センサ161のセンサIDと、作業者を識別するためのIDと、の対応関係を記憶しており、センサ161から受信した測定値に添付されているセンサIDに対応するIDを検知情報テーブル200のID欄202と、出力情報テーブル900のID欄902と、に格納する。
【0272】
そして、検知情報管理部833は、測定値を受信した時刻を記憶部820の図示しない領域に格納する。
【0273】
検知情報分析部834は、第一の実施形態の検知情報分析部134と同様に、検知情報テーブル200に格納された情報から、センサ161ごとに、センサ161を取り付けられた対象がいずれの工程にあるかを特定する。
【0274】
加えて、検知情報分析部834は、出力情報テーブル900のX座標欄904の値と、Y座標欄905の値と、を読み出し、詳細領域テーブル860に格納されたレコードのうち、読み出したX座標が開始X座標欄862の値と終了X座標欄864の値との間にあり、かつ、読み出したY座標が開始Y座標欄863の値と終了Y座標欄865の値との間にあるレコードを特定する。
【0275】
そして、検知情報分析部834は、特定したレコードの対応する場所ID欄861に格納された場所IDと、表示用X座標欄866に格納された座標情報と、作業名称欄867に格納された作業名称と、を特定する。
【0276】
そして、検知情報分析部834は、場所IDと、座標情報と、作業名称と、を出力情報テーブル900の場所ID欄906と、出力座標欄903と、作業名称欄907と、にそれぞれ格納する。
【0277】
第四の実施形態の検知情報処理装置800のハードウェア構成は、図8と同様、例えば、クライアントPCや、ワークステーション、サーバ装置、各種携帯電話端末、PDAなどの計算機である。
【0278】
検知情報処理装置800の入力情報受付部131と、出力情報生成部832と、検知情報管理部833と、検知情報分析部834と、は、検知情報処理装置800の演算装置113に処理を行わせるプログラムによって実現される。
【0279】
これらのプログラムは、主記憶装置114または外部記憶装置115内に記憶され、実行にあたって主記憶装置114上にロードされ、演算装置113により実行される。
【0280】
図21に、第四の実施形態における状況表示処理の処理フローを示す。
【0281】
まず、検知情報管理部833は、所定の間隔(例えば1秒間隔)で通信部143を介して、センサ161から送信された検出値を受け付ける(ステップS301)。
【0282】
次に、検知情報管理部833は、ステップS301で受け付けた検出値を検知情報テーブル200と、出力情報テーブル900と、に格納する(ステップS302)。
【0283】
具体的には、検知情報管理部833は、ステップS301で受け付けた検出値を検知情報テーブル200のX座標欄203と、Y座標欄204と、出力情報テーブル900のX座標欄904と、Y座標欄905と、に格納する。
【0284】
次に、検知情報分析部834は、検知情報から作業工程を特定する(ステップS303)。
【0285】
具体的には、検知情報分析部834は、出力情報テーブル900のX座標欄904の値と、Y座標欄905の値と、を読み出す。
【0286】
そして、検知情報分析部834は、領域テーブル450に格納されたレコードのうち、読み出したX座標が開始X座標欄452の値と終了X座標欄454の値との間にあり、かつ、読み出したY座標が開始Y座標欄453の値と終了Y座標欄455の値との間にあるレコードを特定する。
【0287】
そして、検知情報分析部834は、特定したレコードの対応する工程ID欄456に格納された工程IDを特定する。
【0288】
次に、検知情報分析部834は、ステップS303で特定した作業工程の工程IDから出力座標を特定する(ステップS304)。
【0289】
具体的には、検知情報分析部834は、工程定義テーブル300のレコードのうち、ステップS303にて特定した工程IDが工程定義テーブル300の工程ID欄301の値と合致するレコードについて、工程名称欄303の値と、表示用X座標欄305の値と、を特定する。
【0290】
そして、検知情報分析部834は、特定した工程名称と、表示用X座標の情報と、を出力情報テーブル500の工程欄503と出力座標欄504とに、それぞれ格納する。
【0291】
次に、検知情報分析部834は、検知情報から作業詳細場所を特定する(ステップS305)。
【0292】
具体的には、検知情報分析部834は、出力情報テーブル900のX座標欄904の値と、Y座標欄905の値と、を読み出す。
【0293】
そして、検知情報分析部834は、詳細領域テーブル860に格納されたレコードのうち、読み出したX座標が開始X座標欄862の値と終了X座標欄864の値との間にあり、かつ、読み出したY座標が開始Y座標欄863の値と終了Y座標欄865の値との間にあるレコードを特定する。
【0294】
そして、検知情報分析部834は、特定したレコードの対応する場所ID欄861に格納された場所IDと、表示用X座標欄866に格納された座標情報と、作業名称欄867に格納された作業名称と、を特定する。
【0295】
そして、検知情報分析部834は、場所IDと、座標情報と、作業名称と、を出力情報テーブル900の場所ID欄906と、出力座標欄903と、作業名称欄907と、にそれぞれ格納する。
【0296】
次に、出力情報生成部832は、出力情報テーブル500の情報を用いて、画面を構成して表示する(ステップS306)。
【0297】
具体的には、出力情報生成部832は、出力情報テーブル500のレコードについて、ID欄502の値ごとに、時欄501の値の昇順に出力座標欄504で特定される表示位置に点を表示することで、図10に示す状況表示画面550を構成して表示する。
【0298】
次に、検知情報分析部834は、状況表示画面550において詳細表示の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS307)。
【0299】
具体的には、検知情報分析部834は、入力情報受付部131に対して、状況表示画面550の工程表示欄551のうちの特定の工程を指定する詳細表示指示を受け付けたか否かを問い合わせ、詳細表示の指示を受け付けたか否かを判定する。
【0300】
詳細表示の指示を受け付けない場合(ステップS307において「No」)、検知情報管理部833は、ステップS301に処理を戻し、検知情報を受け付ける。
【0301】
詳細表示の指示を受け付けた場合(ステップS307において「Yes」)、出力情報生成部832は、出力情報テーブル900のレコードについて、ID欄902の値ごとに、指示を受け付けた工程について、時欄901の値の昇順に、出力座標欄903で特定される表示位置に点を表示することで、図22に示す詳細表示画面950を構成して表示する。
【0302】
この際、出力情報生成部832は、検知対象が異なる作業に移動した場合には、その移動前の作業の直前の点から移動後の点までを結ぶ斜線を補って表示する。
【0303】
図22は、詳細表示画面950の例を示す図である。
【0304】
詳細表示画面950は、工程表示欄951と、時刻軸線952と、作業軸線953と、現在時刻表示線954と、作業者位置表示線955と、製品位置表示線956と、により構成される。
【0305】
工程表示欄951は、指定された表示対象の工程の作業について、作業の順に表示欄を有して構成される。図22においては、工程表示欄951は、「A組付作業」、「B組付作業」、「C部溶接作業」、「D部研磨作業」、「E部研磨作業」、の表示欄を画面の左から右にかけて有する。
【0306】
工程表示欄951の各表示欄は、作業場2の第一工程作業領域211について、Z01詳細領域810と、Z02詳細領域820と、Z03詳細領域830と、Z04詳細領域840と、Z05詳細領域850と、に対応する。
【0307】
なお、詳細領域テーブル860の表示用X座標欄866の値と、出力情報テーブル900の出力座標欄903の座標の値は、工程表示欄951の各作業欄の中央付近の横位置の座標を特定する値である。
【0308】
また、工程表示欄951の各作業の欄の表示上の横幅は、詳細領域のレイアウト上での長さに比例して設定されても良いし、単純に等間隔となるようにしても良い。
【0309】
時刻軸線952は、詳細表示画面950の上方から下方に向かう縦軸として、時刻の流れを示す。
【0310】
作業軸線953は、詳細表示画面950の左方から右方に向かう横軸として、作業の流れを示す。
【0311】
現在時刻表示線954は、時刻軸線952上の現在時刻に該当する時刻を示す。
【0312】
作業者位置表示線955は、作業者に取り付けられたセンサ161の時刻ごとの位置を示す点を連続させた線である。
【0313】
製品位置表示線956は、作業対象の製品等に取り付けられたセンサ161の時刻ごとの位置を示す点を連続させた線である。
【0314】
すなわち、例えば第一工程作業領域211に検知対象の作業者が存在する場合には、詳細表示画面950において、工程表示欄951の左側部分または中央の、検出時刻に該当する位置に点が表示され、検出開始から現在時刻に到るまでに記録された点が作業者位置表示線955として表示される。
【0315】
また、第一工程作業領域211のZ01詳細領域810に検知対象の製品または作業者が存在する場合には、詳細表示画面950において、工程表示欄951の右側部分の該当する作業欄の、検出時刻に該当する位置に点が表示され、検出開始から現在時刻に到るまでに記録された点が製品位置表示線956として表示される。
【0316】
そして、検出情報管理部133は、ステップS301に処理を戻し、検知情報を受け付ける。
【0317】
以上が、第四の実施形態における状況表示処理のフローである。
【0318】
本発明の第四の実施形態によれば、検知情報処理装置800は、第一の実施形態における検知情報処理装置100と同様に、検知対象である作業者および製品の位置を検出して、工程と時刻を特定し、状況表示画面550を用いて工程と時刻の経過を一覧のもとに示すことができる。また、加えて、検知対象である作業者および製品のさらに詳細な位置を検出して、工程内の作業と時刻を特定し、詳細表示画面950を用いて工程内の作業と時刻の経過を一覧のもとに示すことができる。
【0319】
以上、本発明について、実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0320】
例えば、上記第一の実施形態の検知処理のステップS004にてセンサ161からの検知情報を受け付ける場合に、受け付けた検出値をそのまま用いるのではなく、検出値から高周波成分を除去して用いることとしてもよい。
【0321】
このようにすることで、ノイズの少ない検知情報を記録することができる。
【0322】
また、上記第一の実施形態の検知処理のステップS201にてセンサ161からの検知情報を受け付ける場合に、X軸とY軸とZ軸の検出値をそのまま受け付けるのではなく、X軸とY軸とZ軸の検出値を合成したベクトルの大きさを受け付けることとしてもよい。
【0323】
このようにすることで、ステップS204にて加速度を合成して計算する際の処理負荷を減らすことができる。
【0324】
また、上記第一の実施形態の状況表示処理のステップS005にて工程と時刻の経過を表示する際に、あわせて、作業場2のレイアウト情報に重ねて検知対象の作業者または製品の軌跡を表示することとしてもよい。
【0325】
このようにすることで、工程と時刻の経過を確認しながら、作業場2の具体的な状況のイメージを把握することができる。
【0326】
また、検知情報処理装置100または800は、装置単体で動作するようにしているが、これに限らず、例えばHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)などの通信プロトコルによりサービスを提供するサーバ装置として、ネットワークを介して他の端末装置から入力指示を受け付け、端末装置に出力を表示させるものであってもよい。
【0327】
このように変更することで、ネットワークに接続された他の端末を介してユーザが検知情報処理装置100または800を操作できるようになり、機器構成の自由度と、ユーザの利便性と、を増加させることができる。
【0328】
また、上記第一の実施形態〜第四の実施形態においては、検知情報処理装置100は、センサ161から送信される情報を受信して、センサ161が位置する工程または詳細作業を特定しているが、これに限られるものではなく、検知情報処理装置100が工程または詳細作業を特定できるような情報を受信できればよい。
【0329】
例えば、工程や詳細作業ごとに設置された検知装置が、対象作業者に取り付けられた電波発信装置が発信した電波を検知して、作業者の識別情報と、検知装置を識別する情報と、を検知情報処理装置100に送信し、検知情報処理装置100は、検知装置を識別する情報により工程や詳細作業を特定するようにしてもよい。
【0330】
このようにすることで、センサ161を小型化させやすくなる。
【0331】
また、検知対象としている作業は、作業場2で示したような工場内の作業に限らず、レストランの厨房での作業、またはスポーツ競技の選手の動作、など様々な作業や動作を対象とすることができる。
【0332】
なお、検知情報処理装置100または800は、装置として取引対象とするだけでなく、装置の動作を実現するプログラム部品単位で取引対象とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0333】
【図1】第一の実施形態における作業情報処理システムの概略図である。
【図2】第一の実施形態における検知情報処理装置の概略図である。
【図3】第一の実施形態における検知情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図4】第一の実施形態における作業場のレイアウトを示す図である。
【図5】第一の実施形態における工程定義テーブルのデータ構造を示す図である。
【図6】第一の実施形態における作業場の領域のレイアウトと領域テーブルのデータ構造を示す図である。
【図7】第一の実施形態における出力情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図8】検知情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図9】第一の実施形態における状況表示処理の処理フローを示す図である。
【図10】第一の実施形態における状況表示処理の出力画面の例を示す図である。
【図11】第二の実施形態における出力情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図12】第二の実施形態における状況表示処理の処理フローを示す図である。
【図13】第二の実施形態における状況表示処理の出力画面の例を示す図である。
【図14】第三の実施形態における検知情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図15】第三の実施形態における出力情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図16】第三の実施形態における状況表示処理の処理フローを示す図である。
【図17】第三の実施形態における状況表示処理の出力画面の例を示す図である。
【図18】第四の実施形態における検知情報処理装置の概略図である。
【図19】第四の実施形態における詳細領域のレイアウトと詳細領域テーブルのデータ構造を示す図である。
【図20】第四の実施形態における出力情報テーブルのデータ構造を示す図である。
【図21】第四の実施形態における状況表示処理の処理フローを示す図である。
【図22】第四の実施形態における状況表示処理の詳細表示画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0334】
100:検知情報処理装置、111:入力装置、112:出力装置、113:演算装置、114:主記憶装置、115:外部記憶装置、116:通信装置、117:バス、120:記憶部、121:検知情報記憶領域、122:対応時刻情報記憶領域、130:制御部、131:入力情報受付部、132:出力情報生成部、133:検知情報管理部、134:検知情報分析部、141:入力部、142:出力部、143:通信部、150:アンテナ、161:センサ、200:検知情報テーブル、300:工程定義テーブル、450:領域テーブル、500:出力情報テーブル、600:出力情報テーブル、700:検知情報テーブル、750:出力情報テーブル、800:検知情報処理装置、820:記憶部、825:作業識別領域情報記憶領域、830:作業項目入力受付部、832:出力情報生成部、833:検知情報管理部、834:検知情報分析部、860:詳細領域テーブル、900:出力情報テーブル、1000:作業情報処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置と、当該位置に対応付けられた工程と、を含む工程定義情報を記憶する記憶部及び制御部を備え、
前記制御部は、検知対象に取り付けられたセンサで検出された位置を示す検出値と、当該検出値が検出された時刻を特定する情報と、を検出情報として受け付け、
前記検出値が示す位置に対応付けられた工程を前記工程定義情報より特定し、
前記検出された時刻に沿って検知対象が存在する工程の変化を、少なくとも工程を軸とする座標に表示する、
ことを特徴とする作業情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業情報処理装置であって、
前記工程定義情報の前記位置は、所定の範囲であって、
前記所定の範囲は、前記工程と一対一に対応付けられており、
前記制御部は、前記工程を特定する処理において、前記検出値が示す位置が含まれる前記範囲を特定して前記工程を特定する、
ことを特徴とする作業情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の作業情報処理装置であって、
前記制御部は、前記表示の処理において、互いに直交する前記工程を示す軸と、前記時刻を示す軸と、を有する画面上に、前記検知対象ごとに、特定した前記工程のうちの所定の位置と、前記時刻と、が交差する点を表示する、
ことを特徴とする作業情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の作業情報処理装置であって、
前記工程定義情報は、さらに、工程の所要時間を含み、
前記制御部は、前記表示する処理において、前記検知対象ごとに、各工程の前記所要時間に対する経過時間の比を表示する、
ことを特徴とする作業情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の作業情報処理装置であって、
前記制御部は、前記経過時間の比を表示する処理において、前記検知対象物ごとに、特定した工程が変化するまでにかかった時間を前記経過時間とする、
ことを特徴とする作業情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の作業情報処理装置であって、
前記制御部は、前記検出情報として、検知対象者に取り付けられたセンサで検出された位置と、加速度と、を示す検出値と、当該検出値が検出された時刻を特定する情報と、を検出情報として受け付け、
前記検出値が示す位置に対応付けられた工程を特定し、
前記検出値が検出された時刻における前記加速度を示す検出値の変化を、前記工程を示す位置に表示する、
ことを特徴とする作業情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の作業情報処理装置であって、
前記制御部は、前記加速度を示す検出値を表示する処理において、さらに、前記加速度を示す検出値の変動幅が所定の値以下である場合に、警告情報を表示する、
ことを特徴とする作業情報処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の作業情報処理装置であって、
前記記憶部は、位置と、当該位置に対応付けられた工程内の詳細な作業と、を含む詳細領域情報を記憶し、
前記制御部は、さらに、
工程内の詳細な作業を表示するよう指示を受け付けると、
前記検出値が示す位置に対応付けられた工程内の詳細な作業を前記詳細領域情報より特定し、
前記検出された時刻に沿って検知対象が存在する工程内の詳細な作業の変化を、少なくとも詳細な作業を軸とする座標に表示する、
ことを特徴とする作業情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータを、
位置と、当該位置に対応付けられた工程と、を含む工程定義情報を記憶する記憶手段及び制御手段として機能させるプログラムであって、
前記制御手段に、検知対象に取り付けられたセンサで検出された位置を示す検出値と、当該検出値が検出された時刻を特定する情報と、を検出情報として受け付ける処理と、
前記検出値が示す位置に対応付けられた工程を前記工程定義情報より特定する処理と、
前記検出された時刻に沿って検知対象が存在する工程の変化を、少なくとも工程を軸とする座標に表示する処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムであって、
前記工程定義情報の前記位置は、所定の範囲であって、
前記所定の範囲は、前記工程と一対一に対応付けられており、
前記制御手段に、前記工程を特定する処理において、前記検出値が示す位置が含まれる前記範囲を特定して前記工程を特定する処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のプログラムであって、
前記制御手段に、前記表示の処理において、互いに直交する前記工程を示す軸と、前記時刻を示す軸と、を有する画面上に、前記検知対象ごとに、特定した前記工程のうちの所定の位置と、前記時刻と、が交差する点を表示する処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項9に記載のプログラムであって、
前記工程定義情報は、さらに、工程の所要時間を含み、
前記制御手段に、前記表示する処理において、前記検知対象ごとに、各工程の前記所要時間に対する経過時間の比を表示する処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムであって、
前記制御手段に、前記経過時間の比を表示する処理において、前記検知対象物ごとに、特定した工程が変化するまでにかかった時間を前記経過時間とさせる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項9に記載のプログラムであって、
前記制御手段に、前記検出情報として、検知対象者に取り付けられたセンサで検出された位置と、加速度と、を示す検出値と、当該検出値が検出された時刻を特定する情報と、を検出情報として受け付ける処理と、
前記検出値が示す位置に対応付けられた工程を特定する処理と、
前記検出値が検出された時刻における前記加速度を示す検出値の変化を、前記工程を示す位置に表示する処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムであって、
前記制御手段に、前記加速度を示す検出値を表示する処理において、さらに、前記加速度を示す検出値の変動幅が所定の値以下である場合に、警告情報を表示する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項9に記載のプログラムであって、
前記記憶手段は、位置と、当該位置に対応付けられた工程内の詳細な作業と、を含む詳細領域情報を記憶し、
前記制御手段に、さらに、
工程内の詳細な作業を表示する指示を受け付ける処理と、
前記検出値が示す位置に対応付けられた工程内の詳細な作業を前記詳細領域情報より特定する処理と、
前記検出された時刻に沿って検知対象が存在する工程内の詳細な作業の変化を、少なくとも詳細な作業を軸とする座標に表示する処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
作業情報処理装置が行う作業情報処理方法であって、
前記作業情報処理装置は、
位置と、当該位置に対応付けられた工程と、を含む工程定義情報を記憶する記憶部及び制御部を備え、
前記制御部が、検知対象に取り付けられたセンサで検出された位置を示す検出値と、当該検出値が検出された時刻を特定する情報と、を検出情報として受け付ける手順と、
前記検出値が示す位置に対応付けられた工程を前記工程定義情報より特定する手順と、
前記検出された時刻に沿って検知対象が存在する工程の変化を、少なくとも工程を軸とする座標に表示する処理と、
を行うことを特徴とする作業情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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