作業機の情報管理システム
【課題】作業機の情報を簡単に管理することができるようにする。
【解決手段】作業機1の各種情報を電子メールにて送信する情報送信手段51と、各種情報を有する電子メールを複数保存する電子メール保存手段52と、電子メール保存手段に保存された電子メールを受信可能なコンピュータ53とを備え、コンピュータ53は、電子メールを複数受信して当該複数の電子メール内の各種情報を統合する情報統合部55と、情報統合部55により統合した情報を電子メールにて電子メール保存手段52に返信する電子メール返信部56とを備えている。
【解決手段】作業機1の各種情報を電子メールにて送信する情報送信手段51と、各種情報を有する電子メールを複数保存する電子メール保存手段52と、電子メール保存手段に保存された電子メールを受信可能なコンピュータ53とを備え、コンピュータ53は、電子メールを複数受信して当該複数の電子メール内の各種情報を統合する情報統合部55と、情報統合部55により統合した情報を電子メールにて電子メール保存手段52に返信する電子メール返信部56とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の作業機の情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、バックホー等の作業機には、様々な使用形態があるのが実情である。例えば、レンタル会社が作業機をメーカから購入し、その作業機を様々なユーザにレンタルしたり、建築会社が作業機をメーカから購入して、その作業機を建設現場等にて使用することもある。
このように、作業機は、使用形態や使用場所が様々であるため、作業機の動作状態など遠隔地で素早く把握することは難しいのが実情である。
【0003】
このようなことに鑑み、作業機の動作状態などの様々な情報をGPSなどの衛星通信網を用いて遠隔地にてキャッチし、作業機を把握して管理しようとする技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1は、移動機械(作業機)に設けられる端末と、この端末と通信回線を介して接続され、移動機械の管理を行うサーバとを備えた移動機械の管理システムであって、端末には、固有・不変の識別子が付され、サーバは、この端末の識別子を取得する手段と、取得した識別子に基づいて端末の通信期間の管理を行う手段とを備えているシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−220433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の管理システムにおいては、例えば、GPS衛星などの衛星通信網との通信が行えるように移動建機にGPS装置を設ける必要があると共に、GPS衛星を使用しなければならず、移動機械の情報を管理するためのシステムが非常に大掛かりなものとなっている。また、移動機械から送られてきた情報を保存するためには、大掛かりなネットワークサーバが必要であり、情報の保存も非常に大掛かりなものとなっていた。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑み、作業機の情報を簡単に送信することができると共に、作業機から送られてきた情報の保存も簡単にすることができる作業機の情報管理システムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、作業機の各種情報を電子メールにて送信する情報送信手段と、前記各種情報を有する電子メールを複数保存する電子メール保存手段と、前記電子メール保存手段に保存された電子メールを受信可能なコンピュータとを備え、前記コンピュータは、前記電子メールを複数受信して当該複数の電子メール内の各種情報を統合する情報統合部と、前記情報統合部により統合した情報を電子メールにて前記電子メール保存手段に返信する電子メール返信部とを備えている点にある。
【0008】
前記情報送信手段は、前記作業機に備えられて作業機の各種情報を画像に変換して表示する表示装置と、前記表示装置に表示された画像を読み取りネットワークを介して電子メールとして送信する通信機器とを備えていることが好ましい。
前記表示装置は、作業機の動作部に関する情報に関し、当該1の情報を画像データに変換すると共に、前記1の情報とは異なり且つ1の情報と統合可能な他の情報を他の画像データに変換するコード変換手段と、前記1の画像データと前記他の画像データとを表示する画像表示手段とを備え、前記通信機器は、1の画像データから情報を読み取って1の電子メールとして前記電子メール保存手段に送信すると共に、他の画像データから情報を読み取って他の電子メールとして前記電子メール保存手段に送信するように構成されていることが好ましい。
【0009】
前記情報統合部は、前記1の電子メール内の1の情報と前記他の電子メール内の他の情報とを統合するように構成され、前記電子メール返信部は、統合した情報を1つの電子メールに組み入れて電子メール保存手段に返信するように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作業機の情報を簡単に送信することができると共に、作業機から送られてきた情報の保存も簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】表示装置の構成図を示したものである。
【図2】表示装置の正面全体図を示したものである。
【図3】表示部に表示した一例を示したものである。
【図4】記憶部に記憶されている動作情報を模したものである。
【図5】動作情報を画像に変換して表示部に表示するまでの流れを示したものである。
【図6】動作情報の画像を表示するまでの操作手順を示したものである。
【図7】ガイダンスを表示した一例を示したものである。
【図8】作業機の情報管理するシステムの例として、運行管理システムを示したものである。
【図9】動作情報を有する電子メールを統合するまでの流れを示したものである。
【図10】動作情報(運行管理)を示した一例であって、a)各号機毎の積算時間を示したものであり、b)日付毎の動作時間(運行時間)を示したものである。
【図11】作業機の情報管理するシステムの例として、故障診断システムを示したものである。
【図12】診断情報を有する電子メールを統合するまでの流れを示したものである。
【図13】診断情報を表示した一例を示したものである。
【図14】作業機の全体側面図を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図14は、作業機の情報管理システムにおける作業機の一例を示したものである。
まず、作業機について説明する。なお、本発明の作業機の情報管理システムに適用される作業機は、この実施形態に示した作業機に限定されない。
【0013】
図14に示すように、作業機(バックホー)1は、下部の走行装置2と、上部の旋回体3とを備えている。
走行装置2は、ゴム製覆帯を有する左右一対の走行体4を備え、両走行体4を走行モータMで動作するようにしたクローラ式走行装置が採用されている。また、該走行装置2の前部にはドーザ5が設けられている。
【0014】
旋回体3は、走行装置2上に旋回ベアリング11を介して上下方向の旋回軸回りに左右旋回自在に支持された旋回台12と、該旋回台12の前部に備えられた作業装置13(掘削装置)とを有している。旋回台12上には、エンジン,ラジエータ,運転席9,燃料タンク,作動油タンク等が設けられている。運転席9の周囲には、作業機1に関する様々な情報を表示する表示装置25が設けられている。運転席9は、旋回台12上に設けられたキャビン14により囲まれている。
【0015】
作業装置13は、旋回台12の前部に左右方向の中央部よりやや右寄りにオフセットして設けられた支持ブラケット16に上下方向の軸心回りに左右揺動自在に支持されたスイングブラケット17と、該スイングブラケット17に基部側を左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されて上下揺動自在に支持されたブーム18と、該ブーム18の先端側に左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されて前後揺動自在に支持されたアーム19と、該アーム19の先端側にスクイ・ダンプ動作可能に設けられたバケット20とを備えている。
【0016】
スイングブラケット17は、旋回台12内に備えられたスイングシリンダの伸縮によって揺動され、ブーム18は、該ブーム18とスイングブラケット17との間に介装されたブームシリンダ22の伸縮によって揺動され、アーム19は、該アーム19とブーム18との間に介装されたアームシリンダ23の伸縮によって揺動され、バケット20は、該バケット20とアーム19との間に介装されたバケットシリンダ21の伸縮によってスクイ・ダンプ動作される。
【0017】
さて、作業機に搭載された表示装置25は、作業機1に関する様々な情報を表示することができるものであるが、特に、エンジン等の動作部が動作したときの情報(以降、動作情報ということがある)をネットワークを介して外部に送るために、当該情報を外部への送信用画像に変換して表示することができるものである。即ち、この表示装置25は、作業機1の動作部に関する情報を外部に送るための機能が備えられている。なお、作業機1には、様々な機器等が搭載されているが、動作する機器のことを動作部という。
【0018】
以下、表示装置について詳しく説明する。
図1、2に示すように、表示装置25は、作業機1の各種設定などを行うための入力部26と、作業機1に関する情報を表示する表示部27と、CPU等から構成された制御部28と、不揮発性メモリ等から構成された記憶部29とを備えている。
制御部28には、例えば、燃料センサから出力された燃料(残量)、水温センサから出力された水温、エンジンオイルの不足の有無を検出するエンジンオイル圧力スイッチ、入力部26から出力された各種入力信号、エンジン回転数が入力される。また、制御部28には、その他のセンサからの信号や当該表示装置25に接続したその他の制御機器からの信号が入力されるようになっている。
【0019】
表示部27は、文字や図形等を可変して表示する可変表示部30と、点灯及び消灯することにより作業機1の状態を表す固定表示部31とを備えている。
固定表示部31は、作業機1の動作時において、点灯することにより注意や警告を促す警告注意ランプ31aと、点灯することによりエンジンオイルの不足を示すオイルランプ31bと、点灯することによりバッテリーの電力不足を示すバッテリーランプ31cと、点灯することにより作業機1が高速で走行していることを示す走行ランプ31dとを備えている。上述した警告注意ランプ31a、オイルランプ31b、バッテリーランプ31c、走行ランプ31dは、消灯によりそれぞれに対応した状態が起きてないことを示している。なお、固定表示部31は、点灯及び消灯により作業機1に関する情報を示すものであれば、警告注意ランプ31a、オイルランプ31b、バッテリーランプ31c、走行ランプ31d以外のものであってもよい。
【0020】
可変表示部30は、例えば、液晶により構成されていて、液晶のドット表示を可変することにより、作業機1に関する様々な情報を表示するものである。図3(a)に示すように、可変表示部30は、制御部28に入力された様々な信号に基づいて、作業機1が動作しているときの動作部における動作状態を表示する。例えば、可変表示部30は、動作状態として、燃料の残量を左側にグラフ化して表示したり、水温を右側にグラフ化して表示する。
【0021】
また、図3(b)に示すように、可変表示部30は、作業機1の操作等の案内を表示する。例えば、可変表示部30は、操作の案内として、操作部材(レバー)を示す図形とレバーの操作内容を示す文字列(例えば、「レバーロックを上げてください」)を表示する。このように、可変表示部30は、業者が直接認識できる動作情報や操作の案内などを表示することができるものであるが、上述したように、動作情報を外部の送信用のデータとして変換された画像(画像データ)を表示することができる。
【0022】
入力部26は、複数のボタンスイッチSW(SW1,SW2,SW3,SW4,SW5)を備えている。これら複数のボタンスイッチSWは、可変表示部30に隣接して左右に並列して設けられ、各ボタンスイッチには所定の機能を具備したものとなっている。
例えば、ボタンスイッチSW1は、作業機1の各種設定を行うものであり、ボタンスイッチSW2は、作業モードを吊り下げの作業モードにするためのものであり、ボタンスイッチSW3は、作業装置13のアーム17の揺動範囲を制限設定するためのものであり、ボタンスイッチSW4は、ユーザに可変表示部30によって一定の案内(インホメーション)をするためのものであり、ボタンスイッチSW5は、可変表示部30の表示を切り替えるためのものである。
【0023】
なお、複数のボタンスイッチSWは、可変表示部30の下部側に表示された各矢印Y等に対応して、矢印Y等を選択するスイッチとしても動作するようになっている。また、各ボタンスイッチは、上述した機能を有するものに限らず、その他の機能を有するものであってもよい。
記憶部29は、エンジン等の動作部に関する情報を記憶するものであって、例えば、エンジンの動作に関する情報(動作情報)を記憶することができるものである。具体的には、図4に示すように、記憶部29は、エンジンが動作している間の時間が分かるように、エンジンの動作開始時刻及び動作終了時刻を日付に対応させ、これらを動作情報(動作開始時刻、動作終了時刻、日付)として記憶する。即ち、記憶部29には、エンジンが動作して当該エンジンの回転数が制御部に入力されると、入力された時点の時間(動作開始時刻)が日付と共に保存され、エンジンが停止して当該エンジンの回転数が制御部に入力されなくなると、入力されなくなった時点の時間(動作終了時刻)が日付と共に保存される。このように、記憶部29には、エンジンの動作開始時刻や動作終了時刻が日付毎に保存され、エンジンが動作したときの動作情報が蓄積される。なお、記憶部に記憶された動作情報は、作業機の運行を管理するために用いられることがあるため、説明の便宜上、動作情報のことを運行管理情報ということがある。
【0024】
また、記憶部29には、後述するように、蓄積された動作情報を外部へ送るために、送り先(例えば、メールアドレス、IPアドレス)が予め記憶されている。さらに、記憶部29には、作業機を識別(特定)するためのコードが記憶されている。
制御部28は、コード変換手段40と、画像表示手段41と、ガイダンス手段42と、画像位置変更手段43とを備えている。これらコード変換手段40、画像表示手段41、ガイダンス手段42、画像位置変更手段43は、CPU等の制御部28に組み込まれたプログラム等により構成されている。
【0025】
コード変換手段40は、記憶部29に記憶された情報を外部に送るために、その情報を画像データ(例えば、2次元コード)に変換するものである。この実施の形態では、コード変換手段40は、記憶部29に記憶された動作情報(動作開始時刻、動作終了時刻、日付)をQR(Quick Response)コードに変換するものである。なお、コード変換手段40は、動作情報(運行管理情報)を、例えば、携帯電話、ネットブックコンピュータなど様々な通信機器45によって読み込むことができる画像データに変換するものであれば良く、変換後の画像はQRコードに限定されない。
【0026】
さて、図4に示したように、動作情報(運行管理情報)は、日付毎に連続して記憶部29に蓄積され膨大なデータ量となり、全ての動作情報(運行管理情報)を1つのQRコードに変換できない場合もある。そのため、コード変換手段40では、動作情報(運行管理情報)を2次元コードに変換する際に、まず、全ての動作情報のうち一部の動作情報(1の動作情報)を1のQRコード(画像データ)に変換すると共に、この1の動作情報とは異なる他の動作情報を他のQRコード(画像データ)に変換することにしている。
【0027】
さらに詳しくは、図5に示すように、例えば、コード変換手段40は、記憶部29に記憶された1ヶ月分の動作情報のうち、前半(1/1〜1/15)の動作情報(1の動作情報)をQRコードに変換して、後半(1/16〜1/31)の動作情報(他の動作情報)をQRコードに変換する。
このように、前半(1/1〜1/15)の動作情報と、後半(1/16〜1/31)の動作情報とは、1月の動作情報としてまとめられるため、コード変換手段40は、統合可能な動作情報を1の動作情報と他の動作情報とに分割して、それぞれの動作情報を画像データに変換するものである。なお、コード変換手段40にて動作情報の画像に変換する期間をスイッチ等で設定できるようにしてもよい。例えば、1ヶ月分の動作情報に限らず、2ヶ月分としてもよいし、任意の期間を設定できるようにしてもよい。
【0028】
また、記憶部29内には、動作部に関して様々な情報が記憶されているが、コード変換手段40は、外部に送信する情報が動作情報であれば、動作情報を画像に変換し、外部に送信する情報が診断情報であれば、診断情報を画像に変換する。つまり、コード変換手段40は、様々な情報を画像に変換するのではなく、定められた1つの情報を分割して、分割した情報を画像に変換する。
【0029】
なお、コード変換手段40は、動作情報を画像データに変換する際は、記憶部29に記憶されている送り先(例えば、メールアドレス、IPアドレス)及び作業機1を特定するためのコードをQRコードに変換している。
画像表示手段41は、記憶部29に記憶された情報を外部に送るために、QRコード(画像データ)画像データに変換されたものをそれぞれ表示部27に表示させるものである。QRコード(画像データ)を表示させる手順に合わせて画像表示手段41について説明する。
【0030】
図6に示すように、まず、通常画面が表示されている状態にてボタンスイッチSW1を押すと、「運行管理」、「定期点検」、「時計セット」等の項目が表示される。ここで、「運行管理」の項目を選択する(運行管理の項目にカーソルを合わせてボタンスイッチSW5を押す)と、「運行表示」、「運行送信」の項目が表示される。「運行送信」の項目を選択する(運行送信の項目にカーソルを合わせてボタンスイッチSW5を押す)と、記憶部29内の動作情報(例えば、1ヶ月分の動作情報)がコード変換手段40によってQRコードに変換され、変換された1のQRコードと、他のQRコードとが画像表示手段41によって可変表示部30に並べて表示されることになる。この画像表示手段41は、QRコードを表示する際に、QRコードの個数に対応してQRコードの下側に番号を表示する。このQRコードの個数に対応して番号を表示することにより、作業者が携帯電話等を用いてQRコードを読み込む際での混同を防止することができる。
【0031】
ガイダンス手段42は、長期間に亘って動作情報(運行管理情報)の未送信を防止するためのもので、QRコードを表示するためのスイッチ(例えば、ボタンスイッチSW5)が押されてからの期間が所定期間以上経過したときに、可変表示部30へのQRコードを表示させる旨のガイダンスを表示部27に表示させるものである。
具体的には、図6に示すように、各種ボタンスイッチSWによって項目を適宜選択し、これにより、動作情報(運行管理情報)を表示部27に表示させてからの期間が、例えば、2ヶ月経過し、その間に運行管理情報を表示部27に表示しなかったときは、図7に示すように、「運行管理情報を送信してから2ヶ月が経過しています。運行管理情報を送信して下さい」とのガイダンス表示を自動的にガイダンス手段42よって行うことが好ましい。なお、ガイダンスの内容は、運行管理情報の送信を促すものであれば、図7に示したものに限定されない。
【0032】
画像位置変更手段43は、可変表示部30に表示された1のQRコード及び/又は他のQRコードの位置を変更するものである。例えば、可変表示部30に1のQRコード、他のQRコードとが表示されている状態において、QRコードを示す番号をボタンスイッチSWによって選択し、可変表示部30の下部側に表示された各矢印Y等に対応するボタンスイッチSWを選択すると、画像位置変更手段43が選択した番号に対応するQRコードの全体を矢印Yに応じた方向にシフトさせる。これにより、QRコードは、可変表示部30の画面上にて、縦横(x方向、y方向)に移動することになる。
【0033】
図8は、作業機の情報管理するシステムの例として、運行管理システムを示したものである。運行管理システム50は、上述した動作情報(運行管理情報)を用いて作業機の運行管理を行うものである。
この運行管理システム50は、情報送信手段51と、電子メール保存手段52と、コンピュータ53とを備えている。
【0034】
情報送信手段51は、作業機1の動作情報を電子メールにて送信するものである。情報送信手段51は、作業機1に備えられた表示装置25と、表示装置25に表示された画像データ(QRコード)を読み取り可能でQRコード内のデータをネットワークに送信可能な通信機器45とを備えている。
詳しくは、通信機器45は、カメラ付き携帯電話等であって、カメラにて表示装置25の可変表示部30に表示されたQRコードを読み込むことにより、QRコード内の情報を取り込むことができるものである。また、通信機器45は、通信機能を用いてQRコード内に格納された送信先(例えば、電子メールアドレス)に、QRコードの情報(動作情報)を電子メールを用いて送信することができるものである。
【0035】
電子メール保存手段52は、動作情報を有する電子メールを保存可能なものであって、具体的には、電子メールサーバ等で構成されている。なお、電子メールサーバ52は、電子メールを送受信して所定のクライアント(コンピュータ53)に、配送するものであるが、説明の便宜上、通信機器45から送られてきた電子メールを一括して保存するものを含めて電子メールサーバ52として説明する。
【0036】
このような運行管理システム50においては、作業機1の動作情報を表示装置25にQRコードとして表示し、そのQRコードを携帯電話にて読み込み、携帯電話にてQRコード内の情報(データ)を電子メールサーバ52に電子メールとして送信することにより、作業機1の動作情報を電子メールサーバ52に送信することができる。例えば、第1作業機1(A号機ということがある)の表示装置25に、1/1(1月1日)〜1/15(1月15日)の動作情報を変換した1のQRコードと、1/16(1月16日)〜1/31(1月31日)の動作情報を変換した他のQRコードとを表示し、それぞれのQRコードを携帯電話にて読み込んで電子メールとして送信したとすると、電子メールサーバ52には、A号機の1/1〜1/15までの動作情報が電子メール(メール1)として保存されると共にA号機の1/16〜1/31までの動作情報が電子メール(メール2)として保存される。第2作業機1(B号機ということがある)においても、A号機と同様に表示装置25及び携帯電話を用いて動作情報を送信すれば、電子メールサーバ52に動作情報を有する電子メールを保存することができる。
【0037】
コンピュータ53は、電子メールサーバ52に保存された電子メールを受信可能なものであって、例えば、作業機1をレンタルするレンタル会社に配置されたものである。
このコンピュータ53は、例えば、パーソナルコンピュータであって、情報統合部55と、電子メール返信部56と、情報抽出部57とを備えている。これら情報統合部55、電子メール返信部56、情報抽出部57は、パーソナルコンピュータ53に格納されたプログラム等により構成されている。
【0038】
情報統合部55は、電子メールサーバ52に保存された複数の電子メールを受信したとき、複数の電子メール内の動作情報を統合するものである。
図9に示すように、例えば、A号機の1/1〜1/15までの動作情報を有する電子メール(メール1)と、A号機の1/16〜1/31までの動作情報を有する電子メール(メール2)とをコンピュータ53が受信すると、メール1とメール2とを1つの電子メール(メール7)にまとめ、2つの動作情報を統合する。電子メール返信部56は、情報統合部55により統合した動作情報を電子メールにて電子メールサーバ52に送信する。
【0039】
この電子メール返信部56は、情報統合部55によって電子メールがまとめられると、例えば、1つにまとめられたメール7(メール1とメール2とが統合された電子メール)を電子メールサーバ52に送信する。なお、電子メール返信部56によって、1つにまとめられたメール7を送信したときに、電子メールサーバ52内の元のメール1及びメール2を自動的に削除することが好ましい。
【0040】
情報抽出部57は、受信したメールから動作情報を抽出して、動作情報をコンピュータ53に接続された表示部(モニタ)に表示するものである。例えば、情報抽出部57は、図4に示すように、作業機1が動作した動作時刻を日付毎に表示部に表示させるものであっても、図10(a)に示すように、作業機1毎に動作時間(運行時間)の積算時間をグラフにより表示部に表示させるものであっても、図10(b)に示すように、日付毎の動作時間をグラフにより表示するものであってもよい。なお、情報抽出部57は、受信した電子メール内の動作情報を表示部に表示するものであればよく、動作情報の表示形態については上述したものに限らず限定されない。
【0041】
図8を用いて運行管理について説明する。
運行管理の説明においては、説明の便宜上、第1レンタル会社(A社)がA号機をユーザAに貸し出し、第2レンタル会社(B社)がB号機をユーザBに貸し出し、第3レンタル会社(C社)がC号機をユーザCに貸し出したものとする。
ユーザAは、A社の要望等に応じて、上述した手順によってA号機の運行管理情報のQRコードを表示装置25に表示し、この表示装置25に表示したQRコードをカメラ付き携帯電話にて読み込む。そして、ユーザAは、読み込まれたQRコード内のデータ(A号機の運行管理情報)を電子メールにて電子メールサーバ52に送信する。一方、A社は、当該A社のコンピュータ53から電子メールサーバ52にアクセスを行い、電子メールを受信することにより、A号機の運行管理情報を取得することができる。
【0042】
同様に、ユーザBは、B社の要望等に応じて、B号機の運行管理情報を電子メールにて電子メールサーバ52に送信した後、B社のコンピュータ53から電子メールサーバ52にアクセスすることにより、B号機の運行管理情報を取得することができる。同様に、ユーザCは、C社の要望等に応じて、C号機の運行管理情報を電子メールにて電子メールサーバ52に送信した後、C社のコンピュータ53から電子メールサーバ52にアクセスすることにより、C号機の運行管理情報を取得することができる。
【0043】
このように、各ユーザは、レンタルした作業機1の表示装置25に当該作業機1の運行管理情報を画像として表示させ、その画像を携帯電話等にて送信することにより、簡単に各レンタル会社に運行管理情報を送信することができる。
レンタル会社は、ユーザから送られてきた電子メールを自社のコンピュータ53にて受信することにより、レンタルしている作業機1の運行管理情報を取得することができる。また、コンピュータ53の情報統合部55及び電子メール返信部56によって、電子メールサーバ52内の電子メールをまとめているため、電子メール(運行管理情報)の管理が行い易いと共に、まとめた運行管理情報を電子メールサーバ52内に保存することができる。
【0044】
以上、作業機の情報管理システムによれば、作業機1の各種情報を電子メールにて送信する情報送信手段51と、各種情報を有する電子メールを複数保存する電子メール保存手段52と、電子メール保存手段52に保存された電子メールを受信可能なコンピュータ53とを備え、コンピュータ53は、電子メールを複数受信して当該複数の電子メール内の各種情報を統合する情報統合部55と、情報統合部55により統合した情報を電子メールにて電子メール保存手段52に返信する電子メール返信部56とを備えている。
【0045】
これによれば、従来のように、作業機1側にGPS装置を設けると共に、GPS衛星などの衛星通信やネットワークサーバ(webサーバ)などの大掛かりなシステムを構築しなくても、電子メールを用いて簡単に作業機1の情報を送信することができる。しかも、作業機1の情報を送受信するために電子メールを用いたとしてもコンピュータ53によって複数の電子メールをまとめることができるため電子メールによる情報管理の煩わしさもなくなり、この点からも作業機1における情報を管理し易い。
【0046】
情報送信手段51は、作業機1に備えられて作業機1の各種情報を画像(画像データ)に変換して表示する表示装置25と、表示装置25に表示された画像を読み取りネットワークを介して電子メールとして送信する通信機器45とを備えている。
これによれば、表示装置25に表示された画像を通信機器45により読み取り、この通信機器45にて電子メールを送信することにより簡単に作業機1の情報を送信することができる。
【0047】
表示装置25は、作業機1の動作部に関する情報に関し、当該1の情報を画像データに変換すると共に、1の情報とは異なり且つ1の情報と統合可能な他の情報を他の画像データに変換するコード変換手段40と、1の画像データと他の画像データとを表示する画像表示手段51とを備え、通信機器45は、1の画像データから情報を読み取って1の電子メールとして電子メール保存手段52に送信すると共に、他の画像データから情報を読み取って他の電子メールとして電子メール保存手段52に送信するように構成されている。
【0048】
これによれば、作業機1の動作部に関する情報、例えば、上述したように、作業機1の動作情報(運行管理情報)を分割して画像として表示装置25に表示し、それぞれの画像を通信機器45等により読み取ることにより、動作情報を外部に送信することができる。即ち、情報量が多い動作情報であっても、その動作情報を1の情報の画像と他の情報の画像とに分けて表示することができることから、情報量が多いものであっても外部に送信することが可能となる。
【0049】
情報統合部55は、1の電子メール内の1の情報と他の電子メール内の他の情報とを統合するように構成され、電子メール返信部56は、統合した情報を1つの電子メールに組み入れて電子メール保存手段52に返信するように構成されている。
これによれば、表示装置25によって分割表示されて当該表示装置25から送られてきた画像データを統合することができ、情報の管理を行いやすい。
[第2実施形態]
第1実施形態では、作業機1の動作部に関する情報のうち動作情報(運行管理情報)を表示装置25にて表示するようにしていたが、第2実施形態では、動作情報のうち診断に用いる診断情報を表示装置25にて表示するものである。第2実施形態では、第1実施形態と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
診断情報とは、動作部が故障していないか否かを判断するための情報であり、例えば、動作部を動作させたときの動作状態などである。具体的には、燃料センサーが動作したときの電圧幅、水温センサが動作したときの電圧幅など、様々な動作部の動作状態である。このような動作状態(診断情報)は、表示装置25の記憶部29に記憶されている。
図11は、作業機の情報管理するシステムの例として、故障診断システムを示したものである。以下、故障診断システム60の説明と合わせて表示装置25を説明する。なお、図8に示したシステムと同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
故障診断システム60は、上述した診断情報を用いて作業機1の故障診断を行うものである。情報送信手段51は、作業機1の診断情報を電子メールにて送信するものであり、第1実施形態と同様に表示装置25と、通信機器45とを備えたものである。電子メール保存手段52は、診断情報を有する電子メールを保存可能なものであって、具体的には、電子メールサーバ52等で構成されている。
【0052】
故障診断システム60においては、作業機1の診断情報を表示装置25にQRコードとして表示し、そのQRコードを通信機器45(携帯電話)にて読み込み、携帯電話にてQRコード内の情報(データ)を電子メールサーバ52に電子メールとして送信することにより、作業機1の診断情報を電子メールサーバ52に送信することができる。
例えば、第1作業機1(A号機ということがある)の表示装置25に、各種センサの動作状態(診断情報)を変換した1のQRコードと、センサとは異なる動作部の動作状態(診断情報)を他のQRコードとを表示し、それぞれのQRコードを携帯電話にて読み込んで電子メールとして送信したとすると、電子メールサーバ52には、A号機の各種センサの診断情報が電子メール(メール1)として保存されると共にA号機のセンサとは異なる動作部の診断情報が電子メール(メール2)として保存される。
【0053】
図12に示すように、コンピュータ53の情報統合部55は、例えば、各種センサの診断情報を有する電子メール(メール1)と、センサとは異なる動作部の診断情報を有する電子メール(メール2)とをコンピュータ53が受信すると、メール1とメール2とを1つの電子メール(電子メール3)にまとめ、2つの診断情報を統合する。コンピュータ53の電子メール返信部56は、情報統合部55により統合した診断情報を電子メールにて電子メールサーバ52に送信する。
【0054】
情報抽出部57は、受信したメールから診断情報を抽出して、例えば、図13に示すように、診断情報をコンピュータ53に接続された表示部(モニタ)に表示するものである。
この故障診断システム60においては、例えば、A号機を操作しているユーザAが作業機1の動作状態(診断情報)をQRコードとして表示装置25に表示し、この表示装置25に表示したQRコードをカメラ付き携帯電話にて読み込み、読み込まれたQRコード内のデータ(A号機の診断情報)を電子メールにて電子メールサーバ52に送信し、A社は、当該A社のコンピュータ53から電子メールサーバ52にアクセスを行い、診断情報の電子メールを受信することにより、A号機の診断情報を取得することができる。
【0055】
そして、A社がA号機の診断情報をコンピュータ53などに表示することにより、A号機の様々な動作部の動作状態を把握でき、各動作部の動作状態から動作部が故障しているか否かを判断することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。上述した実施形態では、動作情報や診断情報を表示装置25に表示するとしているが、これに限らず、動作部に関する情報であれば何でも良く、例えば、動作部のメンテナンスを行うに際しての情報を表示するようにしてもよい。
【0056】
また、上述した実施形態では、2つの画像データ(QRコード)を表示部に表示する例を示しているが、これに限らず、表示部には複数(3つ以上)の画像データを表示するようにしてもよい。作業機1は、バックホーに限らず、トラクタやコンバインなどであってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 作業機
25 表示装置
45 通信機器
51 情報送信手段
52 電子メール保存手段
53 コンピュータ
55 情報統合部
56 電子メール返信部
57 情報抽出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の作業機の情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、バックホー等の作業機には、様々な使用形態があるのが実情である。例えば、レンタル会社が作業機をメーカから購入し、その作業機を様々なユーザにレンタルしたり、建築会社が作業機をメーカから購入して、その作業機を建設現場等にて使用することもある。
このように、作業機は、使用形態や使用場所が様々であるため、作業機の動作状態など遠隔地で素早く把握することは難しいのが実情である。
【0003】
このようなことに鑑み、作業機の動作状態などの様々な情報をGPSなどの衛星通信網を用いて遠隔地にてキャッチし、作業機を把握して管理しようとする技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1は、移動機械(作業機)に設けられる端末と、この端末と通信回線を介して接続され、移動機械の管理を行うサーバとを備えた移動機械の管理システムであって、端末には、固有・不変の識別子が付され、サーバは、この端末の識別子を取得する手段と、取得した識別子に基づいて端末の通信期間の管理を行う手段とを備えているシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−220433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の管理システムにおいては、例えば、GPS衛星などの衛星通信網との通信が行えるように移動建機にGPS装置を設ける必要があると共に、GPS衛星を使用しなければならず、移動機械の情報を管理するためのシステムが非常に大掛かりなものとなっている。また、移動機械から送られてきた情報を保存するためには、大掛かりなネットワークサーバが必要であり、情報の保存も非常に大掛かりなものとなっていた。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑み、作業機の情報を簡単に送信することができると共に、作業機から送られてきた情報の保存も簡単にすることができる作業機の情報管理システムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、作業機の各種情報を電子メールにて送信する情報送信手段と、前記各種情報を有する電子メールを複数保存する電子メール保存手段と、前記電子メール保存手段に保存された電子メールを受信可能なコンピュータとを備え、前記コンピュータは、前記電子メールを複数受信して当該複数の電子メール内の各種情報を統合する情報統合部と、前記情報統合部により統合した情報を電子メールにて前記電子メール保存手段に返信する電子メール返信部とを備えている点にある。
【0008】
前記情報送信手段は、前記作業機に備えられて作業機の各種情報を画像に変換して表示する表示装置と、前記表示装置に表示された画像を読み取りネットワークを介して電子メールとして送信する通信機器とを備えていることが好ましい。
前記表示装置は、作業機の動作部に関する情報に関し、当該1の情報を画像データに変換すると共に、前記1の情報とは異なり且つ1の情報と統合可能な他の情報を他の画像データに変換するコード変換手段と、前記1の画像データと前記他の画像データとを表示する画像表示手段とを備え、前記通信機器は、1の画像データから情報を読み取って1の電子メールとして前記電子メール保存手段に送信すると共に、他の画像データから情報を読み取って他の電子メールとして前記電子メール保存手段に送信するように構成されていることが好ましい。
【0009】
前記情報統合部は、前記1の電子メール内の1の情報と前記他の電子メール内の他の情報とを統合するように構成され、前記電子メール返信部は、統合した情報を1つの電子メールに組み入れて電子メール保存手段に返信するように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作業機の情報を簡単に送信することができると共に、作業機から送られてきた情報の保存も簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】表示装置の構成図を示したものである。
【図2】表示装置の正面全体図を示したものである。
【図3】表示部に表示した一例を示したものである。
【図4】記憶部に記憶されている動作情報を模したものである。
【図5】動作情報を画像に変換して表示部に表示するまでの流れを示したものである。
【図6】動作情報の画像を表示するまでの操作手順を示したものである。
【図7】ガイダンスを表示した一例を示したものである。
【図8】作業機の情報管理するシステムの例として、運行管理システムを示したものである。
【図9】動作情報を有する電子メールを統合するまでの流れを示したものである。
【図10】動作情報(運行管理)を示した一例であって、a)各号機毎の積算時間を示したものであり、b)日付毎の動作時間(運行時間)を示したものである。
【図11】作業機の情報管理するシステムの例として、故障診断システムを示したものである。
【図12】診断情報を有する電子メールを統合するまでの流れを示したものである。
【図13】診断情報を表示した一例を示したものである。
【図14】作業機の全体側面図を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図14は、作業機の情報管理システムにおける作業機の一例を示したものである。
まず、作業機について説明する。なお、本発明の作業機の情報管理システムに適用される作業機は、この実施形態に示した作業機に限定されない。
【0013】
図14に示すように、作業機(バックホー)1は、下部の走行装置2と、上部の旋回体3とを備えている。
走行装置2は、ゴム製覆帯を有する左右一対の走行体4を備え、両走行体4を走行モータMで動作するようにしたクローラ式走行装置が採用されている。また、該走行装置2の前部にはドーザ5が設けられている。
【0014】
旋回体3は、走行装置2上に旋回ベアリング11を介して上下方向の旋回軸回りに左右旋回自在に支持された旋回台12と、該旋回台12の前部に備えられた作業装置13(掘削装置)とを有している。旋回台12上には、エンジン,ラジエータ,運転席9,燃料タンク,作動油タンク等が設けられている。運転席9の周囲には、作業機1に関する様々な情報を表示する表示装置25が設けられている。運転席9は、旋回台12上に設けられたキャビン14により囲まれている。
【0015】
作業装置13は、旋回台12の前部に左右方向の中央部よりやや右寄りにオフセットして設けられた支持ブラケット16に上下方向の軸心回りに左右揺動自在に支持されたスイングブラケット17と、該スイングブラケット17に基部側を左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されて上下揺動自在に支持されたブーム18と、該ブーム18の先端側に左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されて前後揺動自在に支持されたアーム19と、該アーム19の先端側にスクイ・ダンプ動作可能に設けられたバケット20とを備えている。
【0016】
スイングブラケット17は、旋回台12内に備えられたスイングシリンダの伸縮によって揺動され、ブーム18は、該ブーム18とスイングブラケット17との間に介装されたブームシリンダ22の伸縮によって揺動され、アーム19は、該アーム19とブーム18との間に介装されたアームシリンダ23の伸縮によって揺動され、バケット20は、該バケット20とアーム19との間に介装されたバケットシリンダ21の伸縮によってスクイ・ダンプ動作される。
【0017】
さて、作業機に搭載された表示装置25は、作業機1に関する様々な情報を表示することができるものであるが、特に、エンジン等の動作部が動作したときの情報(以降、動作情報ということがある)をネットワークを介して外部に送るために、当該情報を外部への送信用画像に変換して表示することができるものである。即ち、この表示装置25は、作業機1の動作部に関する情報を外部に送るための機能が備えられている。なお、作業機1には、様々な機器等が搭載されているが、動作する機器のことを動作部という。
【0018】
以下、表示装置について詳しく説明する。
図1、2に示すように、表示装置25は、作業機1の各種設定などを行うための入力部26と、作業機1に関する情報を表示する表示部27と、CPU等から構成された制御部28と、不揮発性メモリ等から構成された記憶部29とを備えている。
制御部28には、例えば、燃料センサから出力された燃料(残量)、水温センサから出力された水温、エンジンオイルの不足の有無を検出するエンジンオイル圧力スイッチ、入力部26から出力された各種入力信号、エンジン回転数が入力される。また、制御部28には、その他のセンサからの信号や当該表示装置25に接続したその他の制御機器からの信号が入力されるようになっている。
【0019】
表示部27は、文字や図形等を可変して表示する可変表示部30と、点灯及び消灯することにより作業機1の状態を表す固定表示部31とを備えている。
固定表示部31は、作業機1の動作時において、点灯することにより注意や警告を促す警告注意ランプ31aと、点灯することによりエンジンオイルの不足を示すオイルランプ31bと、点灯することによりバッテリーの電力不足を示すバッテリーランプ31cと、点灯することにより作業機1が高速で走行していることを示す走行ランプ31dとを備えている。上述した警告注意ランプ31a、オイルランプ31b、バッテリーランプ31c、走行ランプ31dは、消灯によりそれぞれに対応した状態が起きてないことを示している。なお、固定表示部31は、点灯及び消灯により作業機1に関する情報を示すものであれば、警告注意ランプ31a、オイルランプ31b、バッテリーランプ31c、走行ランプ31d以外のものであってもよい。
【0020】
可変表示部30は、例えば、液晶により構成されていて、液晶のドット表示を可変することにより、作業機1に関する様々な情報を表示するものである。図3(a)に示すように、可変表示部30は、制御部28に入力された様々な信号に基づいて、作業機1が動作しているときの動作部における動作状態を表示する。例えば、可変表示部30は、動作状態として、燃料の残量を左側にグラフ化して表示したり、水温を右側にグラフ化して表示する。
【0021】
また、図3(b)に示すように、可変表示部30は、作業機1の操作等の案内を表示する。例えば、可変表示部30は、操作の案内として、操作部材(レバー)を示す図形とレバーの操作内容を示す文字列(例えば、「レバーロックを上げてください」)を表示する。このように、可変表示部30は、業者が直接認識できる動作情報や操作の案内などを表示することができるものであるが、上述したように、動作情報を外部の送信用のデータとして変換された画像(画像データ)を表示することができる。
【0022】
入力部26は、複数のボタンスイッチSW(SW1,SW2,SW3,SW4,SW5)を備えている。これら複数のボタンスイッチSWは、可変表示部30に隣接して左右に並列して設けられ、各ボタンスイッチには所定の機能を具備したものとなっている。
例えば、ボタンスイッチSW1は、作業機1の各種設定を行うものであり、ボタンスイッチSW2は、作業モードを吊り下げの作業モードにするためのものであり、ボタンスイッチSW3は、作業装置13のアーム17の揺動範囲を制限設定するためのものであり、ボタンスイッチSW4は、ユーザに可変表示部30によって一定の案内(インホメーション)をするためのものであり、ボタンスイッチSW5は、可変表示部30の表示を切り替えるためのものである。
【0023】
なお、複数のボタンスイッチSWは、可変表示部30の下部側に表示された各矢印Y等に対応して、矢印Y等を選択するスイッチとしても動作するようになっている。また、各ボタンスイッチは、上述した機能を有するものに限らず、その他の機能を有するものであってもよい。
記憶部29は、エンジン等の動作部に関する情報を記憶するものであって、例えば、エンジンの動作に関する情報(動作情報)を記憶することができるものである。具体的には、図4に示すように、記憶部29は、エンジンが動作している間の時間が分かるように、エンジンの動作開始時刻及び動作終了時刻を日付に対応させ、これらを動作情報(動作開始時刻、動作終了時刻、日付)として記憶する。即ち、記憶部29には、エンジンが動作して当該エンジンの回転数が制御部に入力されると、入力された時点の時間(動作開始時刻)が日付と共に保存され、エンジンが停止して当該エンジンの回転数が制御部に入力されなくなると、入力されなくなった時点の時間(動作終了時刻)が日付と共に保存される。このように、記憶部29には、エンジンの動作開始時刻や動作終了時刻が日付毎に保存され、エンジンが動作したときの動作情報が蓄積される。なお、記憶部に記憶された動作情報は、作業機の運行を管理するために用いられることがあるため、説明の便宜上、動作情報のことを運行管理情報ということがある。
【0024】
また、記憶部29には、後述するように、蓄積された動作情報を外部へ送るために、送り先(例えば、メールアドレス、IPアドレス)が予め記憶されている。さらに、記憶部29には、作業機を識別(特定)するためのコードが記憶されている。
制御部28は、コード変換手段40と、画像表示手段41と、ガイダンス手段42と、画像位置変更手段43とを備えている。これらコード変換手段40、画像表示手段41、ガイダンス手段42、画像位置変更手段43は、CPU等の制御部28に組み込まれたプログラム等により構成されている。
【0025】
コード変換手段40は、記憶部29に記憶された情報を外部に送るために、その情報を画像データ(例えば、2次元コード)に変換するものである。この実施の形態では、コード変換手段40は、記憶部29に記憶された動作情報(動作開始時刻、動作終了時刻、日付)をQR(Quick Response)コードに変換するものである。なお、コード変換手段40は、動作情報(運行管理情報)を、例えば、携帯電話、ネットブックコンピュータなど様々な通信機器45によって読み込むことができる画像データに変換するものであれば良く、変換後の画像はQRコードに限定されない。
【0026】
さて、図4に示したように、動作情報(運行管理情報)は、日付毎に連続して記憶部29に蓄積され膨大なデータ量となり、全ての動作情報(運行管理情報)を1つのQRコードに変換できない場合もある。そのため、コード変換手段40では、動作情報(運行管理情報)を2次元コードに変換する際に、まず、全ての動作情報のうち一部の動作情報(1の動作情報)を1のQRコード(画像データ)に変換すると共に、この1の動作情報とは異なる他の動作情報を他のQRコード(画像データ)に変換することにしている。
【0027】
さらに詳しくは、図5に示すように、例えば、コード変換手段40は、記憶部29に記憶された1ヶ月分の動作情報のうち、前半(1/1〜1/15)の動作情報(1の動作情報)をQRコードに変換して、後半(1/16〜1/31)の動作情報(他の動作情報)をQRコードに変換する。
このように、前半(1/1〜1/15)の動作情報と、後半(1/16〜1/31)の動作情報とは、1月の動作情報としてまとめられるため、コード変換手段40は、統合可能な動作情報を1の動作情報と他の動作情報とに分割して、それぞれの動作情報を画像データに変換するものである。なお、コード変換手段40にて動作情報の画像に変換する期間をスイッチ等で設定できるようにしてもよい。例えば、1ヶ月分の動作情報に限らず、2ヶ月分としてもよいし、任意の期間を設定できるようにしてもよい。
【0028】
また、記憶部29内には、動作部に関して様々な情報が記憶されているが、コード変換手段40は、外部に送信する情報が動作情報であれば、動作情報を画像に変換し、外部に送信する情報が診断情報であれば、診断情報を画像に変換する。つまり、コード変換手段40は、様々な情報を画像に変換するのではなく、定められた1つの情報を分割して、分割した情報を画像に変換する。
【0029】
なお、コード変換手段40は、動作情報を画像データに変換する際は、記憶部29に記憶されている送り先(例えば、メールアドレス、IPアドレス)及び作業機1を特定するためのコードをQRコードに変換している。
画像表示手段41は、記憶部29に記憶された情報を外部に送るために、QRコード(画像データ)画像データに変換されたものをそれぞれ表示部27に表示させるものである。QRコード(画像データ)を表示させる手順に合わせて画像表示手段41について説明する。
【0030】
図6に示すように、まず、通常画面が表示されている状態にてボタンスイッチSW1を押すと、「運行管理」、「定期点検」、「時計セット」等の項目が表示される。ここで、「運行管理」の項目を選択する(運行管理の項目にカーソルを合わせてボタンスイッチSW5を押す)と、「運行表示」、「運行送信」の項目が表示される。「運行送信」の項目を選択する(運行送信の項目にカーソルを合わせてボタンスイッチSW5を押す)と、記憶部29内の動作情報(例えば、1ヶ月分の動作情報)がコード変換手段40によってQRコードに変換され、変換された1のQRコードと、他のQRコードとが画像表示手段41によって可変表示部30に並べて表示されることになる。この画像表示手段41は、QRコードを表示する際に、QRコードの個数に対応してQRコードの下側に番号を表示する。このQRコードの個数に対応して番号を表示することにより、作業者が携帯電話等を用いてQRコードを読み込む際での混同を防止することができる。
【0031】
ガイダンス手段42は、長期間に亘って動作情報(運行管理情報)の未送信を防止するためのもので、QRコードを表示するためのスイッチ(例えば、ボタンスイッチSW5)が押されてからの期間が所定期間以上経過したときに、可変表示部30へのQRコードを表示させる旨のガイダンスを表示部27に表示させるものである。
具体的には、図6に示すように、各種ボタンスイッチSWによって項目を適宜選択し、これにより、動作情報(運行管理情報)を表示部27に表示させてからの期間が、例えば、2ヶ月経過し、その間に運行管理情報を表示部27に表示しなかったときは、図7に示すように、「運行管理情報を送信してから2ヶ月が経過しています。運行管理情報を送信して下さい」とのガイダンス表示を自動的にガイダンス手段42よって行うことが好ましい。なお、ガイダンスの内容は、運行管理情報の送信を促すものであれば、図7に示したものに限定されない。
【0032】
画像位置変更手段43は、可変表示部30に表示された1のQRコード及び/又は他のQRコードの位置を変更するものである。例えば、可変表示部30に1のQRコード、他のQRコードとが表示されている状態において、QRコードを示す番号をボタンスイッチSWによって選択し、可変表示部30の下部側に表示された各矢印Y等に対応するボタンスイッチSWを選択すると、画像位置変更手段43が選択した番号に対応するQRコードの全体を矢印Yに応じた方向にシフトさせる。これにより、QRコードは、可変表示部30の画面上にて、縦横(x方向、y方向)に移動することになる。
【0033】
図8は、作業機の情報管理するシステムの例として、運行管理システムを示したものである。運行管理システム50は、上述した動作情報(運行管理情報)を用いて作業機の運行管理を行うものである。
この運行管理システム50は、情報送信手段51と、電子メール保存手段52と、コンピュータ53とを備えている。
【0034】
情報送信手段51は、作業機1の動作情報を電子メールにて送信するものである。情報送信手段51は、作業機1に備えられた表示装置25と、表示装置25に表示された画像データ(QRコード)を読み取り可能でQRコード内のデータをネットワークに送信可能な通信機器45とを備えている。
詳しくは、通信機器45は、カメラ付き携帯電話等であって、カメラにて表示装置25の可変表示部30に表示されたQRコードを読み込むことにより、QRコード内の情報を取り込むことができるものである。また、通信機器45は、通信機能を用いてQRコード内に格納された送信先(例えば、電子メールアドレス)に、QRコードの情報(動作情報)を電子メールを用いて送信することができるものである。
【0035】
電子メール保存手段52は、動作情報を有する電子メールを保存可能なものであって、具体的には、電子メールサーバ等で構成されている。なお、電子メールサーバ52は、電子メールを送受信して所定のクライアント(コンピュータ53)に、配送するものであるが、説明の便宜上、通信機器45から送られてきた電子メールを一括して保存するものを含めて電子メールサーバ52として説明する。
【0036】
このような運行管理システム50においては、作業機1の動作情報を表示装置25にQRコードとして表示し、そのQRコードを携帯電話にて読み込み、携帯電話にてQRコード内の情報(データ)を電子メールサーバ52に電子メールとして送信することにより、作業機1の動作情報を電子メールサーバ52に送信することができる。例えば、第1作業機1(A号機ということがある)の表示装置25に、1/1(1月1日)〜1/15(1月15日)の動作情報を変換した1のQRコードと、1/16(1月16日)〜1/31(1月31日)の動作情報を変換した他のQRコードとを表示し、それぞれのQRコードを携帯電話にて読み込んで電子メールとして送信したとすると、電子メールサーバ52には、A号機の1/1〜1/15までの動作情報が電子メール(メール1)として保存されると共にA号機の1/16〜1/31までの動作情報が電子メール(メール2)として保存される。第2作業機1(B号機ということがある)においても、A号機と同様に表示装置25及び携帯電話を用いて動作情報を送信すれば、電子メールサーバ52に動作情報を有する電子メールを保存することができる。
【0037】
コンピュータ53は、電子メールサーバ52に保存された電子メールを受信可能なものであって、例えば、作業機1をレンタルするレンタル会社に配置されたものである。
このコンピュータ53は、例えば、パーソナルコンピュータであって、情報統合部55と、電子メール返信部56と、情報抽出部57とを備えている。これら情報統合部55、電子メール返信部56、情報抽出部57は、パーソナルコンピュータ53に格納されたプログラム等により構成されている。
【0038】
情報統合部55は、電子メールサーバ52に保存された複数の電子メールを受信したとき、複数の電子メール内の動作情報を統合するものである。
図9に示すように、例えば、A号機の1/1〜1/15までの動作情報を有する電子メール(メール1)と、A号機の1/16〜1/31までの動作情報を有する電子メール(メール2)とをコンピュータ53が受信すると、メール1とメール2とを1つの電子メール(メール7)にまとめ、2つの動作情報を統合する。電子メール返信部56は、情報統合部55により統合した動作情報を電子メールにて電子メールサーバ52に送信する。
【0039】
この電子メール返信部56は、情報統合部55によって電子メールがまとめられると、例えば、1つにまとめられたメール7(メール1とメール2とが統合された電子メール)を電子メールサーバ52に送信する。なお、電子メール返信部56によって、1つにまとめられたメール7を送信したときに、電子メールサーバ52内の元のメール1及びメール2を自動的に削除することが好ましい。
【0040】
情報抽出部57は、受信したメールから動作情報を抽出して、動作情報をコンピュータ53に接続された表示部(モニタ)に表示するものである。例えば、情報抽出部57は、図4に示すように、作業機1が動作した動作時刻を日付毎に表示部に表示させるものであっても、図10(a)に示すように、作業機1毎に動作時間(運行時間)の積算時間をグラフにより表示部に表示させるものであっても、図10(b)に示すように、日付毎の動作時間をグラフにより表示するものであってもよい。なお、情報抽出部57は、受信した電子メール内の動作情報を表示部に表示するものであればよく、動作情報の表示形態については上述したものに限らず限定されない。
【0041】
図8を用いて運行管理について説明する。
運行管理の説明においては、説明の便宜上、第1レンタル会社(A社)がA号機をユーザAに貸し出し、第2レンタル会社(B社)がB号機をユーザBに貸し出し、第3レンタル会社(C社)がC号機をユーザCに貸し出したものとする。
ユーザAは、A社の要望等に応じて、上述した手順によってA号機の運行管理情報のQRコードを表示装置25に表示し、この表示装置25に表示したQRコードをカメラ付き携帯電話にて読み込む。そして、ユーザAは、読み込まれたQRコード内のデータ(A号機の運行管理情報)を電子メールにて電子メールサーバ52に送信する。一方、A社は、当該A社のコンピュータ53から電子メールサーバ52にアクセスを行い、電子メールを受信することにより、A号機の運行管理情報を取得することができる。
【0042】
同様に、ユーザBは、B社の要望等に応じて、B号機の運行管理情報を電子メールにて電子メールサーバ52に送信した後、B社のコンピュータ53から電子メールサーバ52にアクセスすることにより、B号機の運行管理情報を取得することができる。同様に、ユーザCは、C社の要望等に応じて、C号機の運行管理情報を電子メールにて電子メールサーバ52に送信した後、C社のコンピュータ53から電子メールサーバ52にアクセスすることにより、C号機の運行管理情報を取得することができる。
【0043】
このように、各ユーザは、レンタルした作業機1の表示装置25に当該作業機1の運行管理情報を画像として表示させ、その画像を携帯電話等にて送信することにより、簡単に各レンタル会社に運行管理情報を送信することができる。
レンタル会社は、ユーザから送られてきた電子メールを自社のコンピュータ53にて受信することにより、レンタルしている作業機1の運行管理情報を取得することができる。また、コンピュータ53の情報統合部55及び電子メール返信部56によって、電子メールサーバ52内の電子メールをまとめているため、電子メール(運行管理情報)の管理が行い易いと共に、まとめた運行管理情報を電子メールサーバ52内に保存することができる。
【0044】
以上、作業機の情報管理システムによれば、作業機1の各種情報を電子メールにて送信する情報送信手段51と、各種情報を有する電子メールを複数保存する電子メール保存手段52と、電子メール保存手段52に保存された電子メールを受信可能なコンピュータ53とを備え、コンピュータ53は、電子メールを複数受信して当該複数の電子メール内の各種情報を統合する情報統合部55と、情報統合部55により統合した情報を電子メールにて電子メール保存手段52に返信する電子メール返信部56とを備えている。
【0045】
これによれば、従来のように、作業機1側にGPS装置を設けると共に、GPS衛星などの衛星通信やネットワークサーバ(webサーバ)などの大掛かりなシステムを構築しなくても、電子メールを用いて簡単に作業機1の情報を送信することができる。しかも、作業機1の情報を送受信するために電子メールを用いたとしてもコンピュータ53によって複数の電子メールをまとめることができるため電子メールによる情報管理の煩わしさもなくなり、この点からも作業機1における情報を管理し易い。
【0046】
情報送信手段51は、作業機1に備えられて作業機1の各種情報を画像(画像データ)に変換して表示する表示装置25と、表示装置25に表示された画像を読み取りネットワークを介して電子メールとして送信する通信機器45とを備えている。
これによれば、表示装置25に表示された画像を通信機器45により読み取り、この通信機器45にて電子メールを送信することにより簡単に作業機1の情報を送信することができる。
【0047】
表示装置25は、作業機1の動作部に関する情報に関し、当該1の情報を画像データに変換すると共に、1の情報とは異なり且つ1の情報と統合可能な他の情報を他の画像データに変換するコード変換手段40と、1の画像データと他の画像データとを表示する画像表示手段51とを備え、通信機器45は、1の画像データから情報を読み取って1の電子メールとして電子メール保存手段52に送信すると共に、他の画像データから情報を読み取って他の電子メールとして電子メール保存手段52に送信するように構成されている。
【0048】
これによれば、作業機1の動作部に関する情報、例えば、上述したように、作業機1の動作情報(運行管理情報)を分割して画像として表示装置25に表示し、それぞれの画像を通信機器45等により読み取ることにより、動作情報を外部に送信することができる。即ち、情報量が多い動作情報であっても、その動作情報を1の情報の画像と他の情報の画像とに分けて表示することができることから、情報量が多いものであっても外部に送信することが可能となる。
【0049】
情報統合部55は、1の電子メール内の1の情報と他の電子メール内の他の情報とを統合するように構成され、電子メール返信部56は、統合した情報を1つの電子メールに組み入れて電子メール保存手段52に返信するように構成されている。
これによれば、表示装置25によって分割表示されて当該表示装置25から送られてきた画像データを統合することができ、情報の管理を行いやすい。
[第2実施形態]
第1実施形態では、作業機1の動作部に関する情報のうち動作情報(運行管理情報)を表示装置25にて表示するようにしていたが、第2実施形態では、動作情報のうち診断に用いる診断情報を表示装置25にて表示するものである。第2実施形態では、第1実施形態と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
診断情報とは、動作部が故障していないか否かを判断するための情報であり、例えば、動作部を動作させたときの動作状態などである。具体的には、燃料センサーが動作したときの電圧幅、水温センサが動作したときの電圧幅など、様々な動作部の動作状態である。このような動作状態(診断情報)は、表示装置25の記憶部29に記憶されている。
図11は、作業機の情報管理するシステムの例として、故障診断システムを示したものである。以下、故障診断システム60の説明と合わせて表示装置25を説明する。なお、図8に示したシステムと同様の部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
故障診断システム60は、上述した診断情報を用いて作業機1の故障診断を行うものである。情報送信手段51は、作業機1の診断情報を電子メールにて送信するものであり、第1実施形態と同様に表示装置25と、通信機器45とを備えたものである。電子メール保存手段52は、診断情報を有する電子メールを保存可能なものであって、具体的には、電子メールサーバ52等で構成されている。
【0052】
故障診断システム60においては、作業機1の診断情報を表示装置25にQRコードとして表示し、そのQRコードを通信機器45(携帯電話)にて読み込み、携帯電話にてQRコード内の情報(データ)を電子メールサーバ52に電子メールとして送信することにより、作業機1の診断情報を電子メールサーバ52に送信することができる。
例えば、第1作業機1(A号機ということがある)の表示装置25に、各種センサの動作状態(診断情報)を変換した1のQRコードと、センサとは異なる動作部の動作状態(診断情報)を他のQRコードとを表示し、それぞれのQRコードを携帯電話にて読み込んで電子メールとして送信したとすると、電子メールサーバ52には、A号機の各種センサの診断情報が電子メール(メール1)として保存されると共にA号機のセンサとは異なる動作部の診断情報が電子メール(メール2)として保存される。
【0053】
図12に示すように、コンピュータ53の情報統合部55は、例えば、各種センサの診断情報を有する電子メール(メール1)と、センサとは異なる動作部の診断情報を有する電子メール(メール2)とをコンピュータ53が受信すると、メール1とメール2とを1つの電子メール(電子メール3)にまとめ、2つの診断情報を統合する。コンピュータ53の電子メール返信部56は、情報統合部55により統合した診断情報を電子メールにて電子メールサーバ52に送信する。
【0054】
情報抽出部57は、受信したメールから診断情報を抽出して、例えば、図13に示すように、診断情報をコンピュータ53に接続された表示部(モニタ)に表示するものである。
この故障診断システム60においては、例えば、A号機を操作しているユーザAが作業機1の動作状態(診断情報)をQRコードとして表示装置25に表示し、この表示装置25に表示したQRコードをカメラ付き携帯電話にて読み込み、読み込まれたQRコード内のデータ(A号機の診断情報)を電子メールにて電子メールサーバ52に送信し、A社は、当該A社のコンピュータ53から電子メールサーバ52にアクセスを行い、診断情報の電子メールを受信することにより、A号機の診断情報を取得することができる。
【0055】
そして、A社がA号機の診断情報をコンピュータ53などに表示することにより、A号機の様々な動作部の動作状態を把握でき、各動作部の動作状態から動作部が故障しているか否かを判断することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。上述した実施形態では、動作情報や診断情報を表示装置25に表示するとしているが、これに限らず、動作部に関する情報であれば何でも良く、例えば、動作部のメンテナンスを行うに際しての情報を表示するようにしてもよい。
【0056】
また、上述した実施形態では、2つの画像データ(QRコード)を表示部に表示する例を示しているが、これに限らず、表示部には複数(3つ以上)の画像データを表示するようにしてもよい。作業機1は、バックホーに限らず、トラクタやコンバインなどであってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 作業機
25 表示装置
45 通信機器
51 情報送信手段
52 電子メール保存手段
53 コンピュータ
55 情報統合部
56 電子メール返信部
57 情報抽出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機の各種情報を電子メールにて送信する情報送信手段と、前記各種情報を有する電子メールを複数保存する電子メール保存手段と、前記電子メール保存手段に保存された電子メールを受信可能なコンピュータとを備え、
前記コンピュータは、前記電子メールを複数受信して当該複数の電子メール内の各種情報を統合する情報統合部と、前記情報統合部により統合した情報を電子メールにて前記電子メール保存手段に返信する電子メール返信部とを備えていることを特徴とする作業機の情報管理システム。
【請求項2】
前記情報送信手段は、前記作業機に備えられて作業機の各種情報を画像に変換して表示する表示装置と、前記表示装置に表示された画像を読み取りネットワークを介して電子メールとして送信する通信機器とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の作業機の情報管理システム。
【請求項3】
前記表示装置は、作業機の動作部に関する情報に関し、当該1の情報を画像データに変換すると共に、前記1の情報とは異なり且つ1の情報と統合可能な他の情報を他の画像データに変換するコード変換手段と、前記1の画像データと前記他の画像データとを表示する画像表示手段とを備え、前記通信機器は、1の画像データから情報を読み取って1の電子メールとして前記電子メール保存手段に送信すると共に、他の画像データから情報を読み取って他の電子メールとして前記電子メール保存手段に送信するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の作業機の情報管理システム。
【請求項4】
前記情報統合部は、前記1の電子メール内の1の情報と前記他の電子メール内の他の情報とを統合するように構成され、前記電子メール返信部は、統合した情報を1つの電子メールに組み入れて電子メール保存手段に返信するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の作業機の情報管理システム。
【請求項1】
作業機の各種情報を電子メールにて送信する情報送信手段と、前記各種情報を有する電子メールを複数保存する電子メール保存手段と、前記電子メール保存手段に保存された電子メールを受信可能なコンピュータとを備え、
前記コンピュータは、前記電子メールを複数受信して当該複数の電子メール内の各種情報を統合する情報統合部と、前記情報統合部により統合した情報を電子メールにて前記電子メール保存手段に返信する電子メール返信部とを備えていることを特徴とする作業機の情報管理システム。
【請求項2】
前記情報送信手段は、前記作業機に備えられて作業機の各種情報を画像に変換して表示する表示装置と、前記表示装置に表示された画像を読み取りネットワークを介して電子メールとして送信する通信機器とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の作業機の情報管理システム。
【請求項3】
前記表示装置は、作業機の動作部に関する情報に関し、当該1の情報を画像データに変換すると共に、前記1の情報とは異なり且つ1の情報と統合可能な他の情報を他の画像データに変換するコード変換手段と、前記1の画像データと前記他の画像データとを表示する画像表示手段とを備え、前記通信機器は、1の画像データから情報を読み取って1の電子メールとして前記電子メール保存手段に送信すると共に、他の画像データから情報を読み取って他の電子メールとして前記電子メール保存手段に送信するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の作業機の情報管理システム。
【請求項4】
前記情報統合部は、前記1の電子メール内の1の情報と前記他の電子メール内の他の情報とを統合するように構成され、前記電子メール返信部は、統合した情報を1つの電子メールに組み入れて電子メール保存手段に返信するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の作業機の情報管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2011−74638(P2011−74638A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226185(P2009−226185)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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