説明

作業機械の多重形態のための共通パイプレイヤフレーム

エンジンハウジングと、第1履帯フレーム(34)と、第2履帯フレーム(34)とを有する無限軌道型の作業機械(10)用のパイプレイヤフレーム(100)が開示される。このフレームは、エンジンハウジングに取り外し可能に取り付けできる中心フレーム(104)と、第1履帯フレームおよび中心フレームに取り外し可能に取り付けできる第1側部フレーム(106)と、第2履帯フレームおよび中心フレームに取り外し可能に取り付けできる第2側部フレーム(102)とを有する。このフレームは、また、第1側部フレームに取り外し可能に取り付けできるスペーサ組立体(150)を有する。このフレームは、さらに、第2側部フレームおよび中心フレームの間に配置される調節可能な組立体(160)で、第2側部フレームおよび中心フレームの間の距離を調節するように構成される調節可能な組立体(160)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パイプレイヤフレームを対象としたものであり、特に、作業機械の多重形態用として使用することができる共通パイプレイヤフレームを対象としている。
【背景技術】
【0002】
パイプレイヤは、重量パイプを持ち上げ、下降させ、運搬するパイプ敷設作業に用いる無限軌道型の作業機械である。パイプレイヤの製造コストを低減するために、標準的なブルドーザトラクタをパイプレイヤに転換する場合が多い。この転換は、標準的なブルドーザの上にパイプレイヤフレームを搭載することによって行われる。パイプレイヤフレームは、通常、ブルドーザのシャシの片側に取り付けられるブームフレームと、シャシの反対側に取り付けられるカウンタウェイトフレームとを含む。ブームおよびカウンタウェイトフレームが取り付けられると、ブルドーザはパイプレイヤとして有効になる。
【0003】
ブルドーザをパイプレイヤに転換する場合の問題は、特に、形態が変化する作業機械に関連して生じる。すなわち、ブルドーザは、輸送用の幅を最小化するために狭い形態に構成することが可能であり、あるいは、ブルドーザが地上に加える圧力を最小化するために幅広の形態に構成できる。問題は、これらの種々の形態を受け入れるためにパイプレイヤフレームを迅速にかつ容易に調節するという点に生じる。作業技能者は、パイプレイヤを狭い形態から広い形態に変化させるのに、多くの時間および労力、並びに多数の取り換え部品を必要とする。
【0004】
この問題に関する1つの試みとしての解決策が、2006年11月2日付けでDietzらに対して発行された(特許文献1)に開示されている。(特許文献1)はパイプレイヤフレームを備えたブルドーザを開示しており、このパイプレイヤフレームは、ブルドーザのシャシの第1側部に取り付けられる第1サブフレームと、シャシの第2側部に取り付けられる第2サブフレームと、第1および第2サブフレームを相互連結するがシャシには取り付けられないクロスバーとを含む。(特許文献1)のクロスバーは、クロスバーの長さを伸張するために一方の方向に捩ることが可能であり、あるいは、クロスバーを短縮するためにもう一方の方向に捩ることができる。従って、クロスバーの長さを、種々の幅を有するシャシに取り付けられるフレームの間に適合するように調節できる。
【0005】
(特許文献1)のシステムは、パイプレイヤの種々の形態間の転換に関連する時間および労力を低減することができるが、それは、なお使用するのに難しくかつ厄介である。特に、(特許文献1)のシステムは、フレームを所定の幅に的確に適合させるための精度を必要とし、従って、転換に要する時間および労力が、未経験技能者の場合はなお多大である可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0245888A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明のパイプレイヤフレームは前記の問題点の1つ以上を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様において、本発明は、エンジンルームと、第1履帯フレームと、第2履帯フレームとを有する無限軌道型の作業機械用のパイプレイヤフレームを対象としている。このフレームは、エンジンルームの内部に取り外し可能に取り付けできる中心フレームと、第1履帯フレームおよび中心フレームに取り外し可能に取り付けできる第1側部フレームと、第2履帯フレームおよび中心フレームに取り外し可能に取り付けできる第2側部フレームとを含む。このフレームは、また、第1側部フレームに取り外し可能に取り付けできるスペーサ組立体を含み、さらに、第2側部フレームおよび中心フレームの間に配置される調節可能な組立体を含む。この調節可能な組立体は、第2側部フレームおよび中心フレームの間の距離を調節するように構成される。
【0009】
別の態様において、本発明は、パイプレイヤを狭い幅および広い幅の間に転換する方法を対象としている。この方法は、第1側部フレームおよび中心フレームの間の間隔を変化させるステップと、第1側部フレームの取付台を異なる長さの取付台と交換するステップと、第2側部フレームおよび中心フレームの間の間隔を変化させるステップと、第2側部フレームの取付台を異なる長さの取付台と交換するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】代表例として開示される作業機械の描画的図解である。
【図2】図1の作業機械と共に用いることができる、代表例として開示されるパイプレイヤフレームの描画的図解である。
【図3】図2のパイプレイヤフレームの、代表例として開示される中心部分の描画的図解である。
【図4】図2のパイプレイヤフレームと共に用いることができる、代表例として開示される調節用組立体の描画的図解である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、代表例として開示される作業機械10を示す。作業機械10は、クローラ型のトラクタとすることができ、建設のような産業に関連する作業を遂行することができる。作業機械10は、エンジンフードまたはエンジンルーム14の内部に組み込まれかつシャシ13上に配置されるエンジン12を含むことができる。作業機械10は、さらに、作業機械10を走行させるためにエンジン12から動力を1つ以上の履帯アセンブリ15に伝達する駆動系で、エンジン12に連結される駆動系(図示なし)を含むことができる。
【0012】
1つの具現化形態において、作業機械10をパイプレイヤとして構成することができる(図1に示す)。作業機械10は、それ自体として、パイプレイヤフレーム100に装着されるブームアセンブリ17を含むことができる。ブームアセンブリ17は、パイプレイヤフレーム100に取り外し可能に取り付けることができ、ラチス型ブームのようなブーム18を含むことができる。ブームアセンブリ17は、さらに、ブーム18の末端21に取り付けられるプーリブロック20と、ウィンチ22とを含むことができる。ウィンチ22には、ケーブル26を装着して、プーリブロック20に巻き付けることができる。ホイストフック24をケーブル26から懸垂することができる。この構成によって、ホイストフック24が吊り上げるホイスト荷重(例えばパイプ)を、ケーブル26をウィンチ22の回りに巻回および解舒することによって上昇および下降させることができる。ブームアセンブリ17は第2ウィンチ30をも含むことができる。ケーブル32によってウィンチ30をブーム18の末端21に繋ぐことができ、それによって、ウィンチ30が、ケーブル32をウィンチ30の回りに巻回および解舒することによって、ブーム18を上昇および下降させることができる。ウィンチ22およびウィンチ30は、液圧モータまたは電気モータのような当分野で知られる任意の適切なタイプの回転アクチュエータとすることができる。
【0013】
作業機械10は、また、パイプレイヤフレーム100に取り外し可能に取り付けられるカウンタウェイトアセンブリ27を含むことができる。カウンタウェイトアセンブリ27はカウンタウェイト28を含むことができ、そのカウンタウェイト28は、ブームアセンブリ17のホイスト荷重によって生じるモーメントに対抗する反作用モーメントを提供することによって、ホイストフック24が搬送するホイスト荷重を均衡化させる役割を果たす。それぞれのモーメントは、作業機械の重心からのその重量の水平距離に作用するそれぞれの重量(ホイスト荷重またはカウンタウェイト28)に対応する。カウンタウェイト28の作業機械の重心からの水平距離は、ホイスト荷重によって生じる種々の異なるモーメントに対抗する所要の反作用モーメントを生成するために、アクチュエータ(図示なし)によって調節することができる。
【0014】
履帯アセンブリ15は、シャシ13に構造的に取り付けることができる履帯フレーム34を含むことができる。履帯フレーム34は、履帯アセンブリ15の底部に向かって配置される接地車輪(図示なし)を支持することができる。履帯フレーム34は、さらに、履帯アセンブリ15の前方および後方における付加的な車輪を支持することができる。これらの車輪は、エンドレスの履帯16を巻き付けることができる長円形のパターンの枠組みとなることができる。車輪は自由に回転することができ、その回転によって、長円形パターンの回りの履帯16の動きが可能になる。履帯フレーム34は、また、履帯アセンブリ15の後方に配置し得るスプロケット36を支持することができる。エンジン12はスプロケット36を駆動して回転させることができる。スプロケット36は履帯16のリンクと噛み合う金属歯を含むことができ、それによって、スプロケット36の回転が履帯16を駆動する。
【0015】
作業機械10をパイプレイヤに転換する場合は、パイプレイヤフレーム100を作業機械10に取り外し可能に取り付けることができる。図2に示すように、パイプレイヤフレーム100は、ブームフレーム102と、中心フレーム104と、カウンタウェイトフレーム106とを含むことができる。ブームフレーム102は、ブームアセンブリ17を受け入れる機能を有することができる。ブームフレーム102は、複数の支柱材112と、水平部材114と、突出部材116とを含むことができる。支柱材112はおよび突出部材116は、水平部材114に、溶接を含む当分野で知られる任意の適切な手段によって恒久的に取り付けることができる。ブームフレーム102は、さらに、突出部材116の頂部に配置されるケーブルガイド118を含むことができる。ケーブルガイド118は、ホイストフック24を昇降する間、ケーブル26のガイドとして機能することができる。
【0016】
水平部材114は、穿孔を有する延出部分115をも含むことができる。延出部分115の穿孔は、クレビス・ピン組立体160のピン162を挿入し得る寸法にすることができる。クレビス・ピン組立体160は、さらに、ベースプレート164に恒久的に固定(例えば溶接)される垂直プレート166を含むことができる。垂直プレート166は、延出部分115の穿孔と同心の穿孔でピン162を挿入し得る寸法の穿孔を有することができる。ピン162は、垂直プレート166の穿孔の間に取り外し可能に取り付けることができる。クレビス・ピン組立体160は、また、ベースプレート164に設けられる孔に差し込むことができる複数のボルト168を含むことができる。ボルト168は、以下にさらに述べるように、クレビス・ピン組立体160を中心フレーム104に取り外し可能に取り付ける役割を果たすことができる。ピン162は、当分野で知られる任意の適切な手段によって、垂直プレート166の穿孔の中に保持することができる。この保持手段として、ピン162の本体の凹窩(図示なし)を通して横方向に挿入されるコッタピン(図示なし)が含まれる。
【0017】
ブームフレーム102は、取り外し可能に取り付けできる複数のブラケット110を含むことができる。各ブラケット110は3つのブラケットプレート109を含むことができる。第1ブラケットプレート109は、支柱材112をブラケット110に連結し得るピン111を受け入れる孔(図示なし)を含むことができる。第2および第3ブラケットプレート109は、それぞれ孔108を含むことができる。各孔108は、第1ブラケットプレート109における孔と同心にすることができ、かつ、ブーム18の端部をブラケットプレート109に連結し得るピン111を受け入れる寸法にすることができる。この連結によって、ウィンチ30がケーブル32を巻回および解舒する際に、ブーム18が孔108を通る軸19の回りに回転できるようになる。ブラケット110は、ブームフレーム102を、履帯フレーム34の外側に取り外し可能に取り付ける(図1参照)機能を担うことができる。ブラケット110は、例えばボルト締結のような当分野で知られる任意の適切な手段によって、履帯フレーム34に取り外し可能に取り付けることができる。
【0018】
カウンタウェイトフレーム106は、カウンタウェイトアセンブリ27を受け入れる機能を有することができる。カウンタウェイトフレーム106は、複数の支柱材120と、プレート121と、水平部材122と、支持部材124とを含むことができる。支持部材124は、水平部材122に、溶接を含む当分野で知られる任意の適切な手段によって恒久的に取り付けることができる。支柱材120は、プレート121に、溶接を含む当分野で知られる任意の適切な手段によって恒久的に取り付けることができる。プレート121は、水平部材122に、ボルト締結を含む当分野で知られる任意の適切な手段によって取り外し可能に取り付けることができる。カウンタウェイトフレーム106は、さらに、ブラケット110に実質的に類似するブラケットで、取り外し可能に取り付けできる複数のブラケット126を含むことができる。各ブラケット126はブラケットプレート127を含むことができる。ブラケット126は、カウンタウェイトフレーム106を、作業機械10の履帯フレーム34の外側に取り外し可能に取り付ける機能を担うことができる。ブラケット126は、履帯フレーム34に、例えばボルト締結のような当分野で知られる任意の適切な手段によって取り外し可能に取り付けることができる。
【0019】
支持部材124は、ウィンチ22およびウィンチ30の組み込みプラットホームとして機能することができる。支持部材124は、また、リンクアセンブリ128を含むことができる。リンクアセンブリ128は、カウンタウェイト28を所定位置にロックする固定具を受け入れる孔を含むことができる。水平部材122はロックアウト掛け金130を含むことができる。ロックアウト掛け金130は、カウンタウェイトアセンブリ27のアクチュエータを選択的にロックして、カウンタウェイト28の水平の動きを防止することができる。
【0020】
中心フレーム104は、全体としてC形状のフレーム132と、2つの支柱材134とを含むことができる。C形状のフレーム132は、頂部フランジ140と、複数のウェブ材142と、底部フランジ144とを含む組み立て部材とすることができる。支柱材134は、C形状のフレーム132に、溶接を含む当分野で知られる任意の適切な手段によって連結することができる。中心フレーム104は、各支柱材134の各端末に配置されるブラケットアセンブリ136を含むことができる。カウンタウェイトフレーム106の水平部材122は、C形状のフレーム132の頂部フランジ140の一方の端部に、ボルト締結を含む当分野で知られる任意の適切な手段によって取り外し可能に取り付けることができる。頂部フランジ140の反対側の端部には、クレビス・ピン組立体160を、ボルト168を用いて取り外し可能に取り付けることができる。水平部材114の延出部分115は、クレビス・ピン組立体160のピン162を受け入れて、ブームフレーム102を中心フレーム104に効果的に結合することができる。
【0021】
図3に示すように、中心フレーム104は、側壁138の内側にぴったり納まって、エンジンフードまたはエンジンルーム14(図1に示す)の一部を形成することができる。中心フレーム104のブラケットアセンブリ136は、エンジンハウジングの側壁138の内側に、ボルト締結またはピン締結を含む当分野で知られる任意の適切な手段によって取り外し可能に取り付けることができる。この方式によって、中心フレーム104を、実質的にエンジンルーム14の内部に配置し、かつ、作業機械10に強固に取り付けることができる。
【0022】
ブラケット110および126の間の距離によって規定されるパイプレイヤフレーム100の幅は調節することができる。上記のように、図2は、パイプレイヤフレーム100の代表的な例としての短い幅を表現している。この幅は、スペーサ組立体150と、ブラケット170および180との追加、並びに、クレビス・ピン組立体160の操作によって拡大することができる。図4に示すスペーサ組立体150は、プレート121と、カウンタウェイトフレーム106の水平部材122との間に装着するように構成される構造部材とすることができる。スペーサ組立体150は、プレート121および水平部材122に、複数のボルト152によって取り外し可能に取り付けることができる。
【0023】
スペーサ組立体150の追加によって、ブラケット126の位置は、結果的に、スペーサ組立体150の厚さに等しい距離だけ、ブラケット110との間が相互に離れるようにかつ履帯フレーム34から離れるように動かされることになる。このため、ブラケット126を履帯フレーム34に取り付けることはできなくなり、前記の連結部からピン125を取り外して、ブラケット126を、カウンタウェイトフレーム106の支柱材120から取り外すことができる。ブラケット126に代えて、ブラケット170(図4に示す)を支柱材120に連結することができる。各ブラケット170は、ブラケット126に実質的に類似するものであるが、異なる長さを有することができる(すなわち、ブラケット170をブラケット126より長くすることができる)。各ブラケット170は、孔174を有するブラケットプレート172と、複数のブラケットプレート173とを含むことができる。例えば、ブラケット170は、スペーサ組立体150の厚さに実質的に等しい長さだけ、ブラケット126より長くすることができる。従って、ブラケット170は、カウンタウェイトフレーム106を、作業機械10の履帯フレーム34の外側に取り外し可能に取り付ける機能を担うことができる。ブラケット110は、履帯フレーム34に、例えば図4に示すボルト176のような当分野で知られる任意の適切な手段によって取り外し可能に取り付けることができる。
【0024】
クレビス・ピン組立体160もパイプレイヤフレーム100の幅の調節を補助することができる。前記のように、クレビス・ピン組立体160は、中心フレーム104にボルト168によって、ブームフレーム102にピン連結によって、取り外し可能に取り付けることができる。ピン162を支持する垂直プレート166の孔は、ベースプレート164の中心線169から水平方向にずらされている。パイプレイヤフレーム100の幅を拡大するために、クレビス・ピン組立体160を中心フレーム104およびブームフレーム102から取り外して、垂直軸167の回りに約180°回転させることができる。この方位の逆転によって、クレビス・ピン組立体160を、中心フレーム104にボルト168によって、ブームフレーム102にピン162によって、再取り付けすることができる。ピン162は中心線169から水平方向にずらされているので、ピン162の位置は、回転後には履帯アセンブリ15の方に外向きに移動することができる。この移動によって、ブームフレーム102の位置が中心フレーム104に対して効果的に調節され、パイプレイヤフレーム100の幅が拡大することになる。この移動量は、スペーサ組立体150の幅に実質的に等しくすることができ、それによって、カウンタウェイト側およびブーム側共に、パイプレイヤフレーム100の幅を対称的に変化させることが可能になる。
【0025】
クレビス・ピン組立体160の方位を変える結果として、ブラケット110の位置が、ブラケット126(または170)から離れるようにかつ履帯フレーム34から離れるように動かされる。このため、ブラケット110を履帯フレーム34に取り付けることはできなくなり、ピン111を取り外して、ブラケット110を、ブームフレーム102の支柱材112から取り外すことができる。ブラケット110に代えて、ブラケット180(図4に示す)を支柱材112に連結することができる。各ブラケット180は、ブラケット110に実質的に類似するものであるが、より長い長さを有することができる。図4に示すように、ブラケット180は、孔184を有するブラケットプレート182と、孔185を有する複数のブラケットプレート183とを含むことができる。操作者が新しく構成される作業機械10に登降する際に役立つステップ187を、ブラケット180に付属させることができる。ブラケット180は、クレビス・ピン組立体160がもたらす調節量を補うのに十分な長さにすることができる。従って、ブラケット180は、ブームフレーム102を、作業機械10の履帯フレーム34の外側に取り外し可能に取り付ける機能を担うことができる。ブラケット180は、履帯フレーム34に、例えば図4に示すボルト186のような当分野で知られる任意の適切な手段によって取り外し可能に取り付けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
開示されたフレームは、可変幅のトラクタを、最小限の調節作業量と、ごく僅かな交換部品とによってパイプレイヤに速やかに転換するために用いることができる。さらに、技能者は、このパイプレイヤフレームを第1の幅から別の所望の幅に速やかに調節することができる。しかもこの場合、作業機械の所有者に相当のコストを負担させることはない。
【0027】
パイプレイヤフレーム100は、第1の具現化形態(図2に示す)と第2の幅広の具現化形態との間に容易に調節することができる。この場合、スペーサ組立体150と、延長ブラケット170および180とを除くすべての部品は両具現化形態に共通である。第1の具現化形態は、作業機械10の輸送時の制限された間隙の場合に必要な狭い幅のパイプレイヤに対応することができる。この第1の具現化形態においては、クレビス・ピン組立体160を、中心フレーム104にボルト168によって、ブームフレーム102の水平部材114にピン162によって、図2に示すように取り付けことができる。ブームフレーム102のブラケット110は、図1に示すように履帯フレーム34に取り付けることができる。カウンタウェイトフレーム106のブラケット126も、図1に示すように履帯フレーム34に取り付けることができる。
【0028】
低い接地圧が必要な用途のように幅広のパイプレイヤが要求される場合は、図1の作業機械を図2の形態に転換することができる。この転換を遂行するため、ブラケット126を履帯フレーム34から取り外し、プレート121を水平部材122から取り外すことができる。スペーサ組立体150を、プレート121および水平部材122の間に位置するように、プレート121および水平部材122に取り付けることができる。スペーサ組立体150の挿入によってブラケット126が履帯フレーム34から離れるように外向きに効果的に移動するので、ブラケット126を支柱材120に連結するピン125を引き抜くことによって、ブラケット126を取り外すことができる。ブラケット126の代わりに、ブラケット170を、ピン125を孔174に差し込んで支柱材120に連結することができる。ブラケット170は、ボルト176によって履帯フレーム34に取り付けることができる。
【0029】
ボルト168を取り外すことによって、クレビス・ピン組立体160のピンを中心フレーム104から取り外すことができる。また、ピン162を取り外すことによって、クレビス・ピン組立体160をブームフレーム102から取り外すことができる。ブラケット110を履帯フレーム34から切り離すことができる。クレビス・ピン組立体160を垂直軸167の回りに約180°回転して、クレビス・ピン組立体160を、中心フレーム104にボルト168によって、ブームフレーム102に、ピン162を垂直プレート166および延出部分115の孔に通すことによって、再取り付けすることができる。ピン162はベースプレート164の中心線169から水平方向にずらすことができるので、パイプレイヤフレーム100の幅が効果的に拡大され、ブラケット110を履帯フレーム34から離れるように外側に移動させることができる。ブラケット110を支柱材112に連結するピン111を引き抜いて、ブラケット110をブームフレーム102から取り外すことができる。ブーム18も、ピン111を取り外すことによってブラケット110から取り外すことができる。ブラケット110の代わりに、ブラケット180を、ピン111を孔184に差し込んで支柱材112に連結することができる。また、ブーム18を、ピン111を孔185に差し込んでブラケット180に取り付けることができる。ブラケット180は、ボルト186によって履帯フレーム34に取り付けることができる。
【0030】
パイプレイヤフレーム100は、可変幅のトラクタをパイプレイヤに速やかに転換するために用いることができる。パイプレイヤフレーム100は、調節を可能にする複数の構成部品(例えば、スペーサ組立体150およびクレビス・ピン組立体160)を有するので、技能者は、パイプレイヤフレーム100を多数の幅に迅速に構成するために、調節可能な構成部品の組み合せを用いることができる。例えば、幅を広げるのにどの調節部品も使用しない場合があり、幅を広げるのにただ1つの調節部品(スペーサ組立体150またはクレビス・ピン組立体160のいずれか)を使用する場合があり、あるいは、幅を広げるのにスペーサ組立体150およびクレビス・ピン組立体160の両方を使用する場合がある。スペーサ組立体150およびクレビス・ピン組立体160は技能者が迅速に調節することができるので、パイプレイヤフレーム100を作業機械10に適合させるのに、時間および労力をほとんど要しないようにすることができる。スペーサ組立体150と延長ブラケット170および180とを除いて、開示された具現化形態のすべての部品は共通とすることができるので、パイプレイヤフレーム100を、作業機械10の所有者にほとんどコストを負担させることなく、作業機械の種々の幅および用途の間において容易に調節可能にすることができる。
【0031】
開示されたフレームシステムに対しては、種々の変更および変形をなし得ることが当業者には明らかであろう。他の具現化形態は、開示された方法および装置の明細並びに実際を精査することによって、当業者には明らかになるであろう。明細および実施例は単に事例としてのみ考慮されるべきことが意図されており、本発明の真の範囲は特許請求の範囲によって示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンハウジングと、第1履帯フレーム(34)と、第2履帯フレーム(34)とを有する無限軌道型の作業機械(10)用のパイプレイヤフレーム(100)であって、
エンジンハウジングに取り外し可能に取り付けできる中心フレーム(104)と、
第1履帯フレームおよび中心フレームに取り外し可能に取り付けできる第1側部フレーム(106)と、
第2履帯フレームおよび中心フレームに取り外し可能に取り付けできる第2側部フレーム(102)と、
第1側部フレームに取り外し可能に取り付けできるスペーサ組立体(150)と、
第2側部フレームおよび中心フレームの間に配置される調節可能な組立体(160)であり、第2側部フレームおよび中心フレームの間の距離を調節するように構成される調節可能な組立体(160)と、
を含むパイプレイヤフレーム。
【請求項2】
中心フレームが実質的にC形状である、請求項1に記載のパイプレイヤフレーム。
【請求項3】
第1側部フレームを第1履帯フレームに連結する第1ブラケット(126)をさらに含む請求項1に記載のパイプレイヤフレームであって、この第1ブラケットは、スペーサが第1側部フレームに取り付けられる時に、異なるサイズの第2ブラケット(170)に取り換えられる、請求項1に記載のパイプレイヤフレーム。
【請求項4】
第2側部フレームを第2履帯フレームに連結する第3ブラケット(110)をさらに含む請求項3に記載のパイプレイヤフレームであって、この第3ブラケットは、第2側部フレームおよび中心フレームの間の距離を拡大するために調節可能な組立体が調節される時に、異なるサイズの第4ブラケット(180)に取り換えられる、請求項3に記載のパイプレイヤフレーム。
【請求項5】
調節可能な組立体がクレビス(166)およびピン(162)を含む、請求項1に記載のパイプレイヤフレーム。
【請求項6】
パイプレイヤを狭い幅および広い幅の間に転換する方法であって、
第1側部フレーム(106)および中心フレーム(104)の間の間隔を変化させるステップと、
第1側部フレームの取付台(126)を異なる長さの取付台(170)と交換するステップと、
第2側部フレーム(102)および中心フレームの間の間隔を変化させるステップと、
第2側部フレームの取付台(110)を異なる長さの取付台(180)と交換するステップと、
を含む方法。
【請求項7】
第1側部フレームおよび中心フレームの間の間隔を変化させるステップが、第1側部フレームを中心フレームから切り離す工程と、第1側部フレームおよび中心フレームを離れるように動かす工程と、第1側部フレームを中心フレームに再連結する工程とを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第2側部フレームおよび中心フレームの間の間隔を変化させるステップが、第2側部フレームを中心フレームから切り離す工程と、連結部材(160)の方位を向け直す工程と、第2側部フレームを中心フレームに再連結する工程とを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第1側部フレームおよび中心フレームの間の間隔が、第2側部フレームおよび中心フレームの間の間隔と実質的に同じである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
エンジン(12)と、
エンジンを実質的に被包するハウジングと、
第1履帯フレーム(34)と、
第1履帯フレームの反対側に配置される第2履帯フレーム(34)と、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のパイプレイヤフレーム(100)と、
を備えた無限軌道型の作業機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−501723(P2011−501723A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526958(P2010−526958)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/011157
【国際公開番号】WO2009/045322
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(391020193)キャタピラー インコーポレイテッド (296)
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
【Fターム(参考)】