作業用構台解体方法
【課題】作業用構台の解体作業に多くの時間と人員を要し、かつ、安全性が担保されていなかった。
【解決手段】昇降動作が可能なゴンドラ61,62を略水平移動可能な状態で支持するゴンドラユニット50を作業の対象となる基準空間Bの最上段に設置し、同基準空間Bの形成に用いられている、最上段の第二水平鋼材30以外の所定の鋼材を切断、除去する。当該ゴンドラ61,62を用いた切断、除去作業を、作業用構台100の端において覆工板70の長手方向に連なる全基準空間Bに対して行った後、最上段の第二水平鋼材30間に、簡易足場80を架け渡す。そして、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30の各部位を切断し各支持杭10を独立した状態とした上で、各支持杭10を除去する。以上の工程を繰り返すことで、作業用構造台100を、少ない労力で効率よくかつ安全に解体することができる。
【解決手段】昇降動作が可能なゴンドラ61,62を略水平移動可能な状態で支持するゴンドラユニット50を作業の対象となる基準空間Bの最上段に設置し、同基準空間Bの形成に用いられている、最上段の第二水平鋼材30以外の所定の鋼材を切断、除去する。当該ゴンドラ61,62を用いた切断、除去作業を、作業用構台100の端において覆工板70の長手方向に連なる全基準空間Bに対して行った後、最上段の第二水平鋼材30間に、簡易足場80を架け渡す。そして、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30の各部位を切断し各支持杭10を独立した状態とした上で、各支持杭10を除去する。以上の工程を繰り返すことで、作業用構造台100を、少ない労力で効率よくかつ安全に解体することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場において仮設される作業用構台を解体するための解体作業用ゴンドラユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場において作業用構台を解体する際には、図12に示すように、高所作業用の足場を確保するために、作業用構台1の所定位置に足場2を配置させる必要がある。従来の解体作業においては、上記足場2を、作業者が作業用構台1の各支持杭3を登り降りしながら取付けていた。すなわち、各支持杭3の側面に取付けられた棒状あるいは突起状の足懸り等を利用して所定の高さ位置までよじ登り、同高さ位置において、足場2の取付け作業を行っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の解体作業においては、足場2の取付け箇所の数だけ、作業者が各支持杭3を登り降りしながら足場2を取付ける作業が必要となる。そのため、足場2の取付けに多くの時間を要し、ひいては作業用構台1の解体作業全体に長時間を要していた。また、作業者自身による支持杭3の登り降り作業を伴うため、危険性も高かった。さらに、足場2の取付け作業に時間と体力を要するために、作業者一人当たりの作業量も少なくならざるを得ず、解体作業のための人員も多く要していた。加えて、一つの足場2上で行える解体作業には限界があるため、作業用構台1の他の部分を解体するために、各足場2の間を移動する必要があった。もしくは、かかる移動を少なくするには、各足場2に十分な人員を配置する必要があった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、少ない人員により、効率的かつ安全に作業用構台を解体することが可能な解体作業用ゴンドラユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、略矩形板状の覆工板を地面よりも所定の高さ位置に平面状に複数枚敷設するため同覆工板の長手方向及び幅方向に夫々所定の間隔を空けて立設する複数の支持杭と、各支持杭を同幅方向に接続する複数の第一の鋼材と、各支持杭を同長手方向に接続する複数の第二の鋼材とによって組まれた作業用構台を解体する作業用構台解体方法であって、昇降型ゴンドラと同昇降型ゴンドラを吊り下げ支持するゴンドラ支持体とからなる解体作業用ゴンドラユニットを上記作業用構台の最上段の所定位置に設置するゴンドラユニット設置工程と、上記支持杭と第一の鋼材と第二の鋼材とによって形成される単位空間であって第一の鋼材又は第二の鋼材を含む一面が上記作業用構台の外側面を兼ねる単位空間が複数段積み重なった空間の内部又は外部において、上記昇降型ゴンドラを下降又は上昇させ、同昇降型ゴンドラが各第一の鋼材または第二の鋼材の高さ位置に移動した際に、上記作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材を一方とする上記最上段における第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対のいずれかを除き、少なくとも、各鋼材の部位であって同空間の形成にのみ用いられている各鋼材の部位を切断又は除去する第一解体工程と、上記切断も除去も行われなかった第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対が夫々上記支持杭の先端部位と交差する部位に、簡易足場の両先端部位を係止させることにより、同簡易足場を上記最上段の第一の鋼材間又は第二の鋼材間に架渡す足場架渡し工程と、上記最上段において簡易足場が架渡された第一の鋼材または第二の鋼材のうち上記作業用構台の外側面に含まれる鋼材の中途部位であって、上記支持杭間を接続する部位を切断する第二解体工程と、上記第一解体工程及び第二解体工程により他の支持杭と接続しない状態となった支持杭を除去する支持杭除去工程とを具備するとしてもよい。
【0005】
上記構成においては、作業用構台を解体する。同作業用構台は、地面よりも所定の高さ位置に略矩形板状の覆工板を平面状に複数枚敷設するため同覆工板の長手方向及び幅方向に夫々所定の間隔を空けて立設する複数の支持杭と、各支持杭を同幅方向に接続する複数の第一の鋼材と、各支持杭を同長手方向に接続する複数の第二の鋼材とによって組まれている。
上記作業用構台を解体するために、先ず、ゴンドラユニット設置工程において、昇降型ゴンドラと同昇降型ゴンドラを吊り下げ支持するゴンドラ支持体とからなる解体作業用ゴンドラユニットを上記作業用構台の最上段の所定位置に設置する。
【0006】
次に、第一切断工程で、上記支持杭と第一の鋼材と第二の鋼材とによって形成される単位空間であって第一の鋼材又は第二の鋼材を含む一面が上記作業用構台の外側面を兼ねる単位空間が複数段積み重なった空間の内部又は外部において、上記昇降型ゴンドラを下降又は上昇させる。そして、同昇降型ゴンドラが各第一の鋼材または第二の鋼材の高さ位置に移動した際に、各鋼材を切断又は除去する。このとき、上記作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材を一方とする上記最上段における第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対のいずれか一方を除き、少なくとも、各鋼材の部位であって同空間の形成にのみ用いられている各鋼材の部位を切断又は除去する。また、各鋼材を切断又は除去する順序を定めておき、同順序に従って各鋼材を切断又は除去してもよい。
【0007】
足場架渡し工程においては、上記設置された解体作業用ゴンドラユニットを移動させ、簡易足場を上記最上段の切断も除去も行われなかった第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対の間に架渡す。具体的には、簡易足場の両先端部位をそれぞれ、第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対が夫々上記支持杭の先端部位と交差する部位に係止させることにより、架渡す。このように、最上段の第一の鋼材間又は第二の鋼材間に簡易足場が架渡されることにより、最上段の第一の鋼材の対または第二の鋼材の対における、作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材までの移動手段が確保される。そして、第二切断工程で、同外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材の中途部位であって、上記支持杭間を接続する部位を切断する。
【0008】
上記第一解体工程及び第二解体工程により、その側面において接続する全ての第一の鋼材と第二の鋼材とが除去され或いは途中で切断され、その結果、他の支持杭とは接続しなくなった支持杭が出現する。そこで、支持杭除去工程において、他の支持杭と接続しない状態となった支持杭を除去する。すなわち、上記各工程を繰り返し、全ての支持杭についての除去が終了したときに、上記作業用構台の解体が完了する。
【0009】
上記作業用構台解体方法において、上記第一解体工程は、上記昇降型ゴンドラをゴンドラ支持体によって吊られた状態で略水平方向に移動させ昇降動作を行う位置を変化させるとしてもよい。
上記構成においては、上記昇降型ゴンドラを、ゴンドラ支持体によって吊られた状態で略水平方向に移動させる。すなわち、解体作業用ゴンドラユニット全体を移動させなくとも、ある一定範囲内において昇降型ゴンドラの昇降動作を行う位置を変えることができるため、解体作業の効率が上がる。
【0010】
上記作業用構台解体方法において、上記第一解体工程は、複数の昇降型ゴンドラを下降又は上昇させ所定の鋼材を複数箇所において切断し、同所定の鋼材を他の鋼材又は支持杭と接続しない状態にし除去するとしてもよい。
上記構成においては、複数の昇降型ゴンドラを下降又は上昇させる。そして、所定の鋼材を複数箇所において切断し、同所定の鋼材を他の鋼材又は支持杭と接続しない状態にして除去する。例えば、二台の昇降型ゴンドラを、ある鋼材の両端付近を通過する位置に降下又は上昇させれば、同鋼材を両側から切断できるので、効率よく同鋼材を作業用構台から分離することができる。
【0011】
上記作業用構台解体方法において、上記足場架渡し工程は、少なくとも一方の先端部位に支持杭先端のウェブ部に係止可能なウェブ部係止片を形成した簡易足場を用い、同ウェブ部係止片を、上記切断も除去も行われなかった最上段の第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対における作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材と交差する支持杭のウェブ部に係止するとしてもよい。
【0012】
上記構成においては、簡易足場として、少なくとも一方の先端部位に支持杭先端のウェブ部に係止可能なウェブ部係止片を形成したものを用いる。そして、同ウェブ部係止片を、上記切断も除去も行われなかった最上段の第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対における作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材と交差する支持杭のウェブ部に係止する。その結果、同簡易足場が最上段の第一の鋼材間又は第二の鋼材間に架渡される。ここで、上記支持杭や各鋼材としては、断面がIもしくはHのいわゆるH型鋼が多く使用される。そこで、同ウェブ部係止片をH型鋼のフランジ同士を接続するウェブ部分に係止する構成とすれば、簡易足場の一端を容易に、最上段の第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対における作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材と交差する支持杭に係止することができる。
【0013】
ただし、簡易足場の構成としては、上記のものに限られない。上記作業用構台解体方法において、上記足場架渡し工程は、少なくとも、一方の先端部位から上記簡易足場の中央側に所定距離接近した位置に支持杭先端のウェブ部に係止可能なウェブ部係止片を形成し、かつ、長手側の両縁部であって上記一方の先端近傍を含む複数箇所に上記昇降型ゴンドラを吊下げるためのゴンドラ吊下具を形成した簡易足場を用いるとしてもよい。
【0014】
上記構成においては、簡易足場として、少なくとも一方の先端部位から同簡易足場の中央側に所定距離接近した位置に、支持杭先端のウェブ部に係止可能なウェブ部係止片を形成したものを用いる。さらに、同簡易足場の長手側の両縁部であって上記一方の先端近傍を含む複数箇所に、上記昇降型ゴンドラを吊下げるためのゴンドラ吊下具を形成する。当該構成とすれば、簡易足場の一方の先端部位が、最上段の第一の鋼材の対または第二の鋼材の対における作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材または第二の鋼材よりも更に外側に突き出た状態で、同簡易足場を第一の鋼材間又は第二の鋼材間に架渡すことができる。そして、上記一方の先端部位近傍に設けられたゴンドラ吊下具に昇降型ゴンドラを吊下げれば、簡易な構成で、作業用構台の外側面の外側において昇降型ゴンドラを昇降させることができる。
【0015】
また、簡易足場に形成されるウェブ部係止片の数は限られないため、更に、上記一方の先端部位に同ウェブ部係止片を形成してもよい。かかる構成下、同先端部位のウェブ部係止片を支持杭先端のウェブ部に係止し、同先端部位の内側のゴンドラ吊下具に昇降型ゴンドラを吊下げれば、簡易な構成で、作業用構台の外側面の内側において昇降型ゴンドラを昇降させることができる。
【0016】
これまでは、作業用構台を解体するための技術的思想として方法の形を採って説明を行ったが、かかる方法の実現に用いるための道具として有用な発明が成り立つことは当然に考えられる。そこで、所定間隔を空けて立設する支持杭を接続するとともに互いに所定の距離をもって対向する鋼材間に架渡される簡易足場であって、少なくとも、一方の先端部位から同簡易足場の中央側に所定距離接近した位置に、上記支持杭の先端部位に係止可能な先端部位係止片を形成し、かつ、長手側の両縁部であって上記一方の先端近傍を含む複数箇所に昇降型ゴンドラを吊下げるためのゴンドラ吊下具を形成した構成としてもよい。すなわち、かかる簡易足場を用いれば、簡易な構成で、簡易足場が架渡される鋼材が接続する各支持杭が形成する側面の両側において、昇降型ゴンドラに昇降動作を行わせることができる。
【0017】
また、請求項1にかかる発明は、解体の対象とする足場上に置かれる解体作業用ゴンドラユニットであって、昇降型ゴンドラと、矩形に組まれた下方枠と、略矩形に組まれた枠であって上記昇降型ゴンドラの昇降動作および略水平移動を可能とした上で上記昇降型ゴンドラを支持する上方枠と、上方枠と下方枠との上下の距離を少なくとも上記昇降型ゴンドラの高さを越える距離に保ちつつ上方枠と下方枠とを両端部位で接続する端枠とからなるゴンドラ支持体と、を備える構成としてある。
かかる解体作業用ゴンドラユニットを、解体の対象となる作業用構台の最上段に設置すれば、解体作業用ゴンドラユニット全体を移動させなくとも、ある一定範囲内において昇降型ゴンドラの昇降動作を行う位置を変えられるのため、解体作業の効率が上がる。
また、請求項2は、上記昇降型ゴンドラは、上記ゴンドラ支持体内に収まる大きさであり、上記ゴンドラ支持体の短手方向の長さ範囲内の空間を上記ゴンドラ支持体の長手方向に沿って略水平移動可能であり、かつ、上記下方枠の内側を下方へ通過して上記ゴンドラ支持体の外へ降下可能である構成としている。
また、請求項3は、上記上方枠を構成する一対の鋼材であって上方枠の長手方向を向く一対の長鋼材は、互いに向かい合う面に上方枠の長手方向に沿った凹部をそれぞれ形成するとともに、両凹部内に所定の棒材の両端を収容することにより、当該棒材を上方枠の長手方向に略水平移動可能な状態で保持し、上記昇降型ゴンドラは、当該棒材から吊り下げられている構成としている。
また、請求項4は、上記ゴンドラ支持体は、上記上方枠と下方枠と端枠とによって形成される6面のうち上面および又は長手方向の両側面を金網で覆った構成としている。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、作業用構台を少ない労力で、短時間かつ安全に解体することが可能な作業用構台解体方法を提供することができる。
また、解体作業の効率がより高まる。
さらに、解体作業の効率がより高まるとともに、各鋼材を作業用構台本体から分離させることも容易となる。
さらに、簡易足場を容易に最上段の第一の鋼材間または第二の鋼材間に架渡すことができる。
さらに、簡易足場を容易に最上段の第一の鋼材間または第二の鋼材間に架渡すことができるとともに、簡易な構成で、作業用構台の外側面の外側または内側において昇降型ゴンドラに昇降動作を行わせることができる。
さらに、支持杭を夫々接続する鋼材間に、容易に架渡すことができるとともに、各鋼材が夫々接続する支持杭が形成する側面の両側において、昇降型ゴンドラに昇降動作を行わせる簡易足場を提供することができる。
さらに、請求項1の発明によれば、昇降型ゴンドラの移動の自由を確保することで作業用構台の解体作業を効率よくさせる解体作業用ゴンドラユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】作業用構台の概略斜視図である。
【図2】ゴンドラユニットを示した斜視図である。
【図3】作業用構台を上方から示した図である。
【図4】第一水平鋼材及び第一斜鋼材を除去する際の説明図である。
【図5】作業用構台を上方から示した図である。
【図6】第二水平鋼材及び第二斜鋼材を切断する際の説明図である。
【図7】簡易足場を示した斜視図である。
【図8】作業用構台を上方から示した図である。
【図9】作業用構台の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材を切断する際の説明図である。
【図10】支持杭を除去する際の説明図である。
【図11】簡易足場の他の例を示した斜視図である。
【図12】従来の解体作業についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本願解体方法による解体の対象となる作業用構台を斜視図により示している。 同図に示す作業用構台100は、道路や橋などの建設現場において、かかる建設物を建設する際の作業用の足場として構築されるものである。同作業用構台100は、概略、高所作業用の足場領域として複数枚敷設される略矩形板状の覆工板70の長手方向及び幅方向に夫々所定の間隔を空けて立設する複数の支持杭10と、各支持杭10を接続する各鋼材によって構築されている。すなわち、作業用構台100を上から見た場合に、各支持杭10は、縦横方向それぞれに所定の空けて連なる格子点上に立設する。そして、同幅方向に並ぶ支持杭10の各列を、支持杭10の高さ方向に所定の間隔をもって複数の第一水平鋼材20が略水平方向に接続する。また、同長手方向に並ぶ支持杭10の各列は、複数の第二水平鋼材30によって略水平に接続される。さらに、各支持杭10と第一水平鋼材20とによって構成される各格子枠には、補強のための二本の第一斜鋼材41がクロス状に取り付けられている。同様に、各支持杭10と第二水平鋼材30とによって構成される各格子枠には、第二斜鋼材42がクロス状に取り付けられている。ただし、図の見易さのため、作業用構台100内部の各鋼材は適宜図示を省略してある。
【0021】
同様に図示を省略しているが、作業用構台100の最上段には、同作業用構台100自体の長手方向に渡された複数の主桁及び各主桁上を覆って作業用の足場面積を確保する覆工板70が敷設される。ここで、略矩形板状の覆工板70が主桁上においてどの様な向きで敷設されるかは、覆工板70の縦横の長さや主桁間の距離等の要因によって定まるが、本実施形態においては、主桁間にその長手方向が渡されるように各覆工板70を敷設することとする。従って、第一水平鋼材20が略水平方向に各支持杭10を接続する方向は、同図においては、図中の覆工板70の幅方向となり、第二水平鋼材30が略水平方向に各支持杭10を接続する方向は、図中の覆工板70の長手方向となる。
以下、上記作業用構台100を解体する手順について説明する。
【0022】
図2は、ゴンドラユニット50を斜視図により示している。
上記ゴンドラユニット50は、ゴンドラ61,62と、鋼材を略直方体状に組んで形成したゴンドラ支持枠体51とからなる。同ゴンドラ支持枠体51は、同ゴンドラ支持枠体51の底面を縁取る下方枠52と、上面を縁取る上方枠53と、下方枠52と上方枠53との上下の距離を所定距離に保ちつつその両端部位で両枠を接続する端枠54a,54bとによって構成される。
上方枠53は、その長手方向を構成する二本の鋼材(以下、長鋼材53a,53b)によって二台のゴンドラ61,62を支持する。ゴンドラ61,62は、それぞれ懸持部材61a,62aによって、ワイヤ61b,62bを介して吊り下げられた状態となっている。そして、長鋼材53a,53bが各懸持部材61a,62aを両側から支持することで、上方枠53がゴンドラ61,62を吊り下げ支持する。ゴンドラ61,62は、ゴンドラ支持枠体51の枠体内に収容できる大きさであるとともに、少なくとも一人以上の人間が乗り込める大きさとする。また、ゴンドラ61,62は、図示しないウインチ駆動部を夫々備えることにより、所定の高低差内で自由に上昇・降下可能であるとする。
【0023】
ここで、ゴンドラ支持枠体51が各ゴンドラ61,62を支持する態様は限定されるものではない。例えば、同図中の拡大図に示すように、長鋼材53a,53bとして、上下の縁部において、上方枠53の内側に向かって突出するとともに同鋼材の長手方向に連続して形成されたフランジを有するものを用いる。そして、長鋼材53a,53bの互いに相対する面と、前記各フランジによって囲まれた凹部を、それぞれ支持兼誘導用空間53a1,53b1とする。支持兼誘導用空間53a1,53b1内において、各ゴンドラ61,62を吊下げる懸持部材61a,62aの両側が夫々外れないように保持しつつ、同懸持部材61a,62aを長鋼材53a,53bの長手方向に略水平移動可能とする。当該構成とすれば、各ゴンドラ61,62は、ゴンドラ支持枠体51に吊られた状態において、長鋼材53a,53bの長さの範囲内で自由に略水平移動することができる。
【0024】
加えて、上方枠53と下方枠52と端枠54a,54bとによって形成される6面のうち、上面や長手側の両側面を金網で覆ってもよい。かかる構成とすれば、ゴンドラ61,62に乗った作業者の頭上が金網でカバーされた状態となるため、クレーンに吊られた鋼材の落下等、不意の落下物等から作業者を守ることができる。
【0025】
図3は、ゴンドラユニット50を作業用構台100の最上段に設置した状態を上方から示している。ただし、同図では、本来上方から見える第一水平鋼材20あるいは第一斜鋼材41の部位の図示を省略してある。
ここで、作業用構台100を上方から見たときに第一水平鋼材20又は第一斜鋼材41と第二水平鋼材30とによって形成される略矩形の格子枠を基準格子枠Aとする。ゴンドラ61,62を用いる解体作業は、同基準格子枠A下に連なる、支持杭10と第一水平鋼材20と第二水平鋼材30と第一斜鋼材41と第二斜鋼材42とによって形成される空間(以下、基準空間B)毎に行われる。同図に示すように、ゴンドラユニット50は作業用構台100の最上段において、基準格子枠A1の幅(基準格子枠A1を形成する第二水平鋼材30の部位の長さ)内に収まるように上方から設置される。なお、ゴンドラユニット50を作業用構台100上に設置するためのクレーン等の重機類は図示を省略してある。また、ゴンドラユニット50が設置された基準格子枠A1及び基準格子枠A1と覆工板70の長手方向に連なる他の基準格子枠A2,A3以外の領域には、作業スペースを確保するための覆工板70が被せられている。
【0026】
本実施形態においては、ゴンドラユニット50の長手方向の長さを、基準格子枠Aの長手方向の長さ(つまり、覆工板70の幅方向における支持杭10の立設間隔)よりも長く設定する。当該設定とすれば、作業用構台100の最上段において、互いに対向して一の基準格子枠Aの二辺となっている第二水平鋼材30の上に、同ゴンドラユニット50を設置することができる。さらに、同ゴンドラユニット50の下方枠52及び上方枠53が、その長手方向において、ゴンドラユニット50の設置対象となった基準格子枠Aの外側まで延出するため、同設置対象の基準格子枠Aの外側においても、上記ゴンドラ61,62を昇降させることができる。なお、ゴンドラユニット50を設置する基準格子枠Aは、その時点において、作業用構台100の外側面に含まれる第二水平鋼材30を有する基準格子枠Aのいずれかとする。すなわち、解体作業は、施設されている作業用構台100の端部から行っていく。
【0027】
図4は、第一水平鋼材20及び第一斜鋼材41を除去する際の説明図である。
同図は、敷設される覆工板70の幅方向を向く作業用構台100の側面を示しており、簡単のため、ゴンドラユニット50の設置対象となった基準格子枠A1の下方に連なる基準空間B1のみを示している。
本実施形態においては、二台のゴンドラ61,62を夫々、基準空間B1内であって、各第一水平鋼材20及び各第一斜鋼材41の両端付近を通過する位置で昇降させる。つまり、各第一水平鋼材20又は第一斜鋼材41を両側から切断し、除去する。
【0028】
同図の(1)は、ゴンドラ61,62をゴンドラ支持枠体51の高さから降下させ、第一斜鋼材41aを切断、除去する際の各高さ位置でその降下動作を止めた場合を示している。ゴンドラ61,62の各高さ位置をかかる位置としたら、先ず、ゴンドラ61,62の何れか一方に乗った作業者が、第一斜鋼材41aの端部付近を切断する。次に、同第一斜鋼材41aを図示しないクレーンのフック等によって確実に保持する。当該状況において、上記切断した作業者が乗るゴンドラとは別のゴンドラに乗った作業者が第一斜鋼材41aの端部付近を切断すれば、第一斜鋼材41aは地上に落下することなく、作業用構台100から完全に分離し、除去される。その後、当該第一斜鋼材41aを上記クレーン等によって所定の資材置き場に移動させる。
【0029】
このように、上記第一斜鋼材41a及びこれと略平行に取り付けられている他の第一斜鋼材41については、ゴンドラ61,62を降下させていく過程で、その都度、各鋼材の両端付近の切断に適切な高さ位置でゴンドラ61,62を止め、上記切断、除去作業を繰り返す。一方、上記第一斜鋼材41aとは交差する角度で取り付けられている各第一斜鋼材41については、ゴンドラ61,62が一旦作業用構台100の最下段まで降下した後の、上昇過程において、各鋼材の両端付近の切断に適切な高さ位置でゴンドラ61,62を止め、上記切断、除去作業を繰り返す。ただし、当該各第一斜鋼材41の切断、除去の順序は一例に過ぎない。各第一水平鋼材20についても、降下過程あるいは上昇過程において、各鋼材の両端付近の切断に適切な高さ位置でゴンドラ61,62を止め、上記切断、除去作業を繰り返す。その結果、同図の(2)に示すように、ゴンドラ61,62をゴンドラ支持枠体51内に再び収容するまでに、上記基準空間B1の形成に用いられる全ての第一水平鋼材20と第一斜鋼材41とを切断し、除去することができる。
【0030】
なお、上記基準空間B1の形成に用いられる第一水平鋼材20と第一斜鋼材41は、同図紙面の手前側と奥側とに夫々存在する。ここで、基準空間B1の最上段にゴンドラユニット50を設置した際のゴンドラ61,62の昇降過程において、かかる手前側と奥側とに夫々存在する第一水平鋼材20及び第一斜鋼材41の全てを切断、除去する必要はない。つまり、基準空間B1の形成に用いられる第一水平鋼材20と第一斜鋼材41とは、隣り合う他の基準空間B2の形成にも用いられている場合があり、かかる隣の空間について同様の作業を行う際に切断、除去できるからである。従って、ある基準空間Bの最上段にゴンドラユニット50を設置した際のゴンドラ61,62の昇降過程においては、少なくとも、その基準空間Bの形成にのみ用いられている第一水平鋼材20と第一斜鋼材41を全て切断、除去するものとする。
【0031】
図5は、ゴンドラユニット50を作業用構台100の最上段に設置した状態を上方から示している。
第一水平鋼材20及び第一斜鋼材41の切断、除去を行った後は、ゴンドラ61,62が作業用構台100の外側面に含まれる第二水平鋼材30又は第二斜鋼材42を左右から挟んだ状態で昇降できる位置に、ゴンドラ61,62を夫々略水平移動させる。つまり、一の基準空間Bの形成に用いられる各鋼材の切断又は除去を行う限りにおいては、ゴンドラユニット50全体を移動させる必要はなく、昇降動作を行うゴンドラ61,62の位置のみを変更する。
なお、ゴンドラ61,62が第二水平鋼材30等を左右から挟んだ状態で昇降させるとしたのは、支持杭10の側面に取り付けられた各第二水平鋼材30や第二斜鋼材42を切断する際に、作業用構台100の外側からの作業の方がし易かったり、上記基準空間B1内からの作業の方がし易かったりするからである。
【0032】
図6は、第二水平鋼材30及び第二斜鋼材42を切断する際の説明図である。
同図は、覆工板70の長手方向を向く作業用構台100の外側面を正面から示しており、基準空間Bが作業用構台100自体の幅方向に三つ連なった状態を示している。ゴンドラユニット50の設置位置は、図3〜5と同様に、基準空間B1の最上段である。なお、同図においては、作業用構台100の外側面の外側を昇降するゴンドラ61のみ図示し、ゴンドラ62の図示を省略しているが、ゴンドラ62も基本的にゴンドラ61と同様の動きをする。
同図(1)に示すように、ゴンドラ61(62)を下降又は上昇させ、最上段の第二水平鋼材30以外の第二水平鋼材30と第二斜鋼材42とを切断する。つまり、ゴンドラ61(62)を昇降させ、切断対象となる各第二水平鋼材30または第二斜鋼材42の各高さ位置に移動した際に昇降動作を止め、各鋼材の切断を行う。
【0033】
この場合、ゴンドラ61(62)が作業用構台100の最下段まで降下する過程で切断可能な第二水平鋼材30及び第二斜鋼材42を全て切断してもよいし、半数程度切断し、残りは上昇過程において切断するようにしてもよい。そして、同図(2)に示すように、ゴンドラ61(62)をゴンドラ支持枠体51内に再び収容するまでに、基準空間B1の外側面の形成に用いられる第二水平鋼材30と第二斜鋼材42とであって、最上段の第二水平鋼材30以外の各鋼材を切断する。
【0034】
本実施形態においては、第二水平鋼材30を構成する各部材及び第二斜鋼材42は、支持杭10の側面であって作業用構台100の外側に面する側面に取付けられているものと、支持杭10の側面であって基準空間B1の内側に面する側面に取付けられているものとがある。従って、上記作業用構台100の外側に面する側面に取付けられているものは、作業用構台100の外側において昇降するゴンドラ61に乗る作業者が切断し、基準空間B1の内側に面する側面に取付けられているものは、同基準空間B1内を昇降するゴンドラ62に乗る作業者が切断する。
【0035】
ここで、第一水平鋼材20及び第一斜鋼材41は切断した上で除去し、第二水平鋼材30及び第二斜鋼材42は切断のみを行うとしたのは、以下の理由による。つまり、第一水平鋼材20及び第一斜鋼材41は、第二水平鋼材30及び第二斜鋼材42に比べ通常長い。かかる長い鋼材を途中で切断しただけの状態で、依然元の半分近い長さの鋼材が各支持杭10に接続されている場合には、最終的に各支持杭10を傾倒させ除去する際に、当該長い鋼材が作業の邪魔になる。そのため、第一水平鋼材20及び第一斜鋼材41については、切断した上で除去し、その殆どの部分を支持杭10から分離させるとした。
【0036】
一方、第二水平鋼材30及び第二斜鋼材42はそれ程の長さを有しておらず、中途部位で切断されただけで各支持杭10に接続されている場合であっても、各支持杭10を傾倒させ除去する際の作業の邪魔にはならない。従って、作業上の効率を考慮して、第二水平鋼材30及び第二斜鋼材42については、その中途部位を切断するのみとした。
ただし、各鋼材の切断や除去を上記のように限定する必要は必ずしも無く、例えば、ある鋼材が各支持杭10に対してボルトなどで固定されている場合に、同ボルトによる固定を解除して、当該鋼材の全体を各支持杭10から分離させ、除去するとしてもよい。また、各鋼材の長さが所定の範囲に収まる短さであれば、全ての第一水平鋼材20、第二水平鋼材30、第一斜鋼材41、第二斜鋼材42について、その中途部位を切断するのみとしてもよい。
【0037】
上述の通り、基準空間B1の最上段にゴンドラユニット50を設置した状態で、各鋼材に対する切断及び除去、または切断作業を終えたら、次に、ゴンドラユニット50をクレーン等で移動させる。そして、基準空間B1と覆工板70の長手方向に連なる他の基準空間B2,B3の最上段に順にゴンドラユニット50を設置し、各基準空間内外において、同様に各鋼材の切断及び除去、または切断作業を行う。その結果、上記基準空間B1〜B3の形成に用いられる各支持杭10であって、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30によって各先端部位を接続された各支持杭10は、それ以外の支持杭10とは完全に分離した状態となる。従って、これまでに説明した作業が、請求項1の、ゴンドラユニット設置工程と第一解体工程とに対応する。
【0038】
このように、各鋼材の切断、除去作業時の移動手段として、上記ゴンドラユニット50を用いることにより、作業者は、切断等を行った鋼材から他の切断等の対象となる鋼材に、短時間で容易かつ安全に移動することができる。その結果、作業用構台100の解体作業の全体的な効率を、従来に比べて飛躍的に上げることができる。また、作業者は、自身で支持杭10を登り降りする必要が無いため、その作業量の殆どを鋼材の切断等、解体作業自体に充てることができる。よって、一人当たりの解体作業量が向上し、少ない人員で同作業用構台100を解体できる。
【0039】
上記ゴンドラユニット50を用いることは、以下のような効果をも生じさせる。上述したように、ゴンドラ61,62に乗る作業者の頭上には、常に略直方体状の枠体状に組まれたゴンドラ支持枠体51が設置されている。そのため、クレーン等のワイヤに吊られた鋼材が荷揺れを起こし、同鋼材を吊ったワイヤが作業者の側に振れた場合にも、同ワイヤの中途部位が上記ゴンドラ支持枠体51の上方枠53や下方枠52に当たる。その結果、鋼材を吊った同ワイヤが振れても、その先端の振り幅が減少し、同ワイヤに吊られた鋼材が作業者の乗ったゴンドラ61,62に接触する危険性が極力抑えられる。
【0040】
次に、請求項1の足場架渡し工程以下に対応する手順について説明する。
図7は、簡易足場を斜視図により示している。
同図に示すように、簡易足場80は、二本の長鋼材81a,81bと、同長鋼材81a,81bを略平行に保ち両者を接続する二本の短鋼材82a,82bとによって、略矩形に組まれた形状となっている。また、短鋼材82aは、同簡易足場80の一端において、長鋼材81aと長鋼材81bとの端部同士を接続しており、短鋼材82bは、同簡易足場80の他端側において、長鋼材81aと長鋼材81bをその端部同士ではなく、中途部分同士で接続している。つまり、長鋼材81a,81bは、短鋼材82bと接続する部位よりも更に延出している。
【0041】
長鋼材81a,81bと短鋼材82a,82bとによって囲まれた範囲は、その上で作業者が作業できるように、所定の強度を有するメッシュ部材83によって覆われている。また、上記短鋼材82aの略中央には、下向きにウェブ部係止片84が突設されている。ウェブ部係止片84は、対向する側面間に所定の隙間を設けて突設された二片の係止片84a,84bとからなる。かかる構成の簡易足場80は、後述するように、作業用構台100の最上段における第二水平鋼材30間の移動手段として用いられる。
【0042】
図8は、簡易足場80を作業用構台100の最上段に設置した状態を上方から示している。
簡易足場80は、上記ゴンドラユニット50を移動させた上で、上記基準空間B1〜B3の形成に用いられる第二水平鋼材30であって、上記ゴンドラ61,62を用いた各鋼材の切断処理によっては切断されなかった最上段の第二水平鋼材30間に架渡される。つまり、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30、及び当該第二水平鋼材30が各先端部位を接続する支持杭10は、作業用構台100の他の部分とは一切接続していない状態であるため、同簡易足場80を架渡し、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30までの移動手段を確保する。
【0043】
簡易足場80を最上段の第二水平鋼材30間に架渡す際の具体的な態様について説明する。上述したように、簡易足場80の一端には上記ウェブ部係止片84が突設されている。そこで、同ウェブ部係止片84が設けられている側の一端を、同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30にまで到達させる。そして、同ウェブ部係止片84を同第二水平鋼材30が接続する何れかの支持杭10の先端に係止させることにより、簡易足場80の一端を、同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30側に架け止める。本実施形態においては、支持杭10としてH型鋼を使用する。従って、上記係止片84aと係止片84bとによって、H型鋼のフランジ同士を接続するウェブ部分を挟むようにして上記ウェブ部係止片84を係止することで、容易かつ確実に、簡易足場80の一端を、同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30側に架け止めることができる。
【0044】
実際の作業では、簡易足場80のウェブ部係止片84が突設されていない側において、短鋼材82bと接続する部位よりも更に延出する長鋼材81a,81bの部位を作業者が支える。かかる状態で、簡易足場80をクレーン等で吊り上げ、ウェブ部係止片84が突設されている面を下に向けたまま、同クレーン等の操作で、ウェブ部係止片84を備える簡易足場80の一端を係止の対象となる支持杭10の先端に誘導する。なお、簡易足場80の長鋼材81a,81bが延出する側については、上記ウェブ部係止片84の係止作業後、同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30と対向する第二水平鋼材30に対して、任意の公知手法で仮固定すればよい。
【0045】
ここで、長鋼材81a,81bが延出する側を仮固定する第二水平鋼材30と他の第二水平鋼材30であって解体の順序が後となる第二水平鋼材30とを接続する主桁等が、除去されずにまだ設置されている場合がある。かかる場合であっても、長鋼材81a,81bが延出する側では、同長鋼材81a,81b間に隙間が生じていため、同隙間に同主桁の端部を導き、長鋼材81a,81bで同主桁を挟むようにすれば、同簡易足場80を最上段の第二水平鋼材30間に架渡すことができる。
【0046】
簡易足場80は、最上段の第二水平鋼材30間を連絡する足場としての役割を果たすだけではない。上述したように、簡易足場80を架渡す段階では、同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30及び当該第二水平鋼材30が各先端部位を接続する各支持杭10は、作業用構台100の他の部分と切断されている。従って、簡易足場80の両端を最上段の各第二水平鋼材30に係止することで、若干不安定さを残す同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30及び当該第二水平鋼材30が各先端部位を接続する各支持杭10が安定する。その結果、同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30上での作業も安全なものとなる。
【0047】
図9は、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30を切断する際の説明図である。
同図は、上記図6と同様に、覆工板70の長手方向を向く作業用構台100の外側面を正面から示しており、同作業用構台100の最上段には、簡易足場80が架け止められている。作業者は、簡易足場80上を移動し、上記外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30上に到達する。そして、上記ウェブ部係止片84を係止した支持杭10の両側あるいは片側の第二水平鋼材30の部位であって、各支持杭10を接続する部位を切断する。かかる部位を切断したら、次に、簡易足場80を架渡す位置を他の支持杭10上に変更し、同様に最上段の第二水平鋼材30の部位であって、各支持杭10を接続する部位を切断する。このようにして、最終的には、最上段の第二水平鋼材30の部位であって各支持杭10を接続する部位の全てを切断する。
【0048】
また、同図(2)に示すように、最上段の第二水平鋼材30の各部位を切断していく際に、各支持杭10の先端部位にワイヤ90の一端を取り付ける。支持杭10の先端部位に取付けられなかった同ワイヤ90の他端は、同支持杭10を除去する際にクレーンのフック等で保持される。つまり、その両側あるいは片側の第二水平鋼材30の各部位が切断され、他の支持杭10とは一切接続せず独立して地上に立設する状態となった支持杭10を一本ずつ除去する。
【0049】
図10は、各支持杭10を除去する際の説明図である。
同図に示すように、一の支持杭10の先端部位に取付けた上記ワイヤ90の他端を図示しないクレーンのフック等で吊下げ支持した状態で、地上において同支持杭10の根元近傍を切断する。そして、同根元近傍が切断された支持杭10を上記ワイヤ90を介してクレーン等で吊り下げた状態で傾倒させ、所定の資材置き場に移動させる。このように、最上段の第二水平鋼材30の各部位の切断及び支持杭10の除去作業を繰り返すことで、覆工板70の長手方向に並び基準空間B1〜B3の形成に用いられる支持杭10であって、外側面に含まれる各支持杭10の除去が完了する。そして、作業用構台100の端から順に、全ての基準空間Bに対して上述した各処理を繰り返し行えば、作業用構台100の全てを解体することができる。
【0050】
図11は、簡易足場の他の例を斜視図により示している。
簡易足場110は、長鋼材111a,111bと、短鋼材112a,112bとによって略矩形に組まれる点、及び長鋼材111a,111bと短鋼材112a,112bとによって囲まれた範囲をメッシュ部材113が覆う点は、上記簡易足場80と同様である。しかし、簡易足場110は、短鋼材112aの略中央及び、短鋼材112aよりも所定の距離、簡易足場110の中央に接近した位置で長鋼材111aと長鋼材111bとを接続する短鋼材112cの略中央から、夫々下向きにウェブ部係止片114,115が突設されている。更に、短鋼材112aが長鋼材111a,111bと接続する各部位、及び、短鋼材112cが長鋼材111a,111bと接続する各部位には、昇降型ゴンドラを吊下げるためのゴンドラ吊下具116,117が夫々取付けられている。
【0051】
上記構成によって、簡易足場110は、最上段の第二水平鋼材30間に架渡された際に、足場としてだけではなく、昇降型ゴンドラを吊り下げる役割も果たす。すなわち、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30が接続する何れかの支持杭10の先端に、ウェブ部係止片114或いは、ウェブ部係止片115を係止する。ウェブ部係止部114を支持杭10に係止させる際には、予め、短鋼材112cが長鋼材111a,111bと接続する部位に取付けられた二つのゴンドラ吊下具117に、昇降型ゴンドラを吊下げておく。上記ゴンドラ61を用いる場合(ゴンドラ62を用いる場合も同じ)は、二本のワイヤ61b(62b)の先端を各ゴンドラ吊下具117に夫々懸止めることにより、上記ゴンドラ61(62)をゴンドラ吊下具117に吊下げる。その結果、簡易足場110を最上段の第二水平鋼材30間に架渡した際に、作業用構台100の外側面を形成する支持杭10の内側において、昇降型ゴンドラを昇降させることができる。
【0052】
一方、ウェブ部係止部115を支持杭10に係止させる際には、予め、二つのゴンドラ吊下具116に、昇降用ゴンドラを吊下げておく。ここでも、上記ゴンドラ61(62)を用いる場合は、二本のワイヤ61b(62b)の先端を各ゴンドラ吊下具116に夫々懸止める。すると、簡易足場110を最上段の第二水平鋼材30間に架渡した際に、ゴンドラ吊下具116は作業用構台100の外側面よりも更に外側に位置することになり、昇降型ゴンドラを同外側面を形成する支持杭10の更に外側において昇降させることができる。すなわち、最上段の第二水平鋼材30間に架渡す足場として簡易足場110を用いれば、作業用構台100の外側面を形成する支持杭10の内側または外側で昇降型ゴンドラを昇降させることができる。その結果、支持杭10の側面に取付いたままの鋼材の除去など、適宜、種々の作業を行うことができる。
【0053】
このように、昇降動作が可能なゴンドラ61,62を略水平移動可能な状態で支持するゴンドラユニット50を作業の対象となる基準空間Bの最上段に設置し、同基準空間Bの形成に用いられている、最上段の第二水平鋼材30以外の所定の鋼材を切断、除去する。当該ゴンドラ61,62を用いた切断、除去作業を、作業用構台100の端において覆工板70の長手方向に連なる全基準空間Bに対して行った後、最上段の第二水平鋼材30間に、簡易足場80を架け渡す。そして、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30の各部位を切断し各支持杭10を独立した状態とした上で、各支持杭10を除去する。以上の工程を繰り返すことで、作業用構造台100を、少ない労力で効率よくかつ安全に解体することができる。
【符号の説明】
【0054】
10…支持杭、20…第一水平鋼材、30…第二水平鋼材、41,41a…第一斜鋼材、42…第二斜鋼材、50…ゴンドラユニット、51…ゴンドラ支持枠体 52…下方枠、53…上方枠、54a,54b…端枠、61,62…ゴンドラ、70…覆工板、80,110…簡易足場、81a,81b,111a,111b…長鋼材、82a,82b,112a,112b,112c…短鋼材、84,114,115…ウェブ部係止片、100…作業用構台、116,117…ゴンドラ吊下具、A,A1,A2,A3…基準格子枠、B,B1,B2,B3…基準空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場において仮設される作業用構台を解体するための解体作業用ゴンドラユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場において作業用構台を解体する際には、図12に示すように、高所作業用の足場を確保するために、作業用構台1の所定位置に足場2を配置させる必要がある。従来の解体作業においては、上記足場2を、作業者が作業用構台1の各支持杭3を登り降りしながら取付けていた。すなわち、各支持杭3の側面に取付けられた棒状あるいは突起状の足懸り等を利用して所定の高さ位置までよじ登り、同高さ位置において、足場2の取付け作業を行っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の解体作業においては、足場2の取付け箇所の数だけ、作業者が各支持杭3を登り降りしながら足場2を取付ける作業が必要となる。そのため、足場2の取付けに多くの時間を要し、ひいては作業用構台1の解体作業全体に長時間を要していた。また、作業者自身による支持杭3の登り降り作業を伴うため、危険性も高かった。さらに、足場2の取付け作業に時間と体力を要するために、作業者一人当たりの作業量も少なくならざるを得ず、解体作業のための人員も多く要していた。加えて、一つの足場2上で行える解体作業には限界があるため、作業用構台1の他の部分を解体するために、各足場2の間を移動する必要があった。もしくは、かかる移動を少なくするには、各足場2に十分な人員を配置する必要があった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、少ない人員により、効率的かつ安全に作業用構台を解体することが可能な解体作業用ゴンドラユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、略矩形板状の覆工板を地面よりも所定の高さ位置に平面状に複数枚敷設するため同覆工板の長手方向及び幅方向に夫々所定の間隔を空けて立設する複数の支持杭と、各支持杭を同幅方向に接続する複数の第一の鋼材と、各支持杭を同長手方向に接続する複数の第二の鋼材とによって組まれた作業用構台を解体する作業用構台解体方法であって、昇降型ゴンドラと同昇降型ゴンドラを吊り下げ支持するゴンドラ支持体とからなる解体作業用ゴンドラユニットを上記作業用構台の最上段の所定位置に設置するゴンドラユニット設置工程と、上記支持杭と第一の鋼材と第二の鋼材とによって形成される単位空間であって第一の鋼材又は第二の鋼材を含む一面が上記作業用構台の外側面を兼ねる単位空間が複数段積み重なった空間の内部又は外部において、上記昇降型ゴンドラを下降又は上昇させ、同昇降型ゴンドラが各第一の鋼材または第二の鋼材の高さ位置に移動した際に、上記作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材を一方とする上記最上段における第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対のいずれかを除き、少なくとも、各鋼材の部位であって同空間の形成にのみ用いられている各鋼材の部位を切断又は除去する第一解体工程と、上記切断も除去も行われなかった第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対が夫々上記支持杭の先端部位と交差する部位に、簡易足場の両先端部位を係止させることにより、同簡易足場を上記最上段の第一の鋼材間又は第二の鋼材間に架渡す足場架渡し工程と、上記最上段において簡易足場が架渡された第一の鋼材または第二の鋼材のうち上記作業用構台の外側面に含まれる鋼材の中途部位であって、上記支持杭間を接続する部位を切断する第二解体工程と、上記第一解体工程及び第二解体工程により他の支持杭と接続しない状態となった支持杭を除去する支持杭除去工程とを具備するとしてもよい。
【0005】
上記構成においては、作業用構台を解体する。同作業用構台は、地面よりも所定の高さ位置に略矩形板状の覆工板を平面状に複数枚敷設するため同覆工板の長手方向及び幅方向に夫々所定の間隔を空けて立設する複数の支持杭と、各支持杭を同幅方向に接続する複数の第一の鋼材と、各支持杭を同長手方向に接続する複数の第二の鋼材とによって組まれている。
上記作業用構台を解体するために、先ず、ゴンドラユニット設置工程において、昇降型ゴンドラと同昇降型ゴンドラを吊り下げ支持するゴンドラ支持体とからなる解体作業用ゴンドラユニットを上記作業用構台の最上段の所定位置に設置する。
【0006】
次に、第一切断工程で、上記支持杭と第一の鋼材と第二の鋼材とによって形成される単位空間であって第一の鋼材又は第二の鋼材を含む一面が上記作業用構台の外側面を兼ねる単位空間が複数段積み重なった空間の内部又は外部において、上記昇降型ゴンドラを下降又は上昇させる。そして、同昇降型ゴンドラが各第一の鋼材または第二の鋼材の高さ位置に移動した際に、各鋼材を切断又は除去する。このとき、上記作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材を一方とする上記最上段における第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対のいずれか一方を除き、少なくとも、各鋼材の部位であって同空間の形成にのみ用いられている各鋼材の部位を切断又は除去する。また、各鋼材を切断又は除去する順序を定めておき、同順序に従って各鋼材を切断又は除去してもよい。
【0007】
足場架渡し工程においては、上記設置された解体作業用ゴンドラユニットを移動させ、簡易足場を上記最上段の切断も除去も行われなかった第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対の間に架渡す。具体的には、簡易足場の両先端部位をそれぞれ、第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対が夫々上記支持杭の先端部位と交差する部位に係止させることにより、架渡す。このように、最上段の第一の鋼材間又は第二の鋼材間に簡易足場が架渡されることにより、最上段の第一の鋼材の対または第二の鋼材の対における、作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材までの移動手段が確保される。そして、第二切断工程で、同外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材の中途部位であって、上記支持杭間を接続する部位を切断する。
【0008】
上記第一解体工程及び第二解体工程により、その側面において接続する全ての第一の鋼材と第二の鋼材とが除去され或いは途中で切断され、その結果、他の支持杭とは接続しなくなった支持杭が出現する。そこで、支持杭除去工程において、他の支持杭と接続しない状態となった支持杭を除去する。すなわち、上記各工程を繰り返し、全ての支持杭についての除去が終了したときに、上記作業用構台の解体が完了する。
【0009】
上記作業用構台解体方法において、上記第一解体工程は、上記昇降型ゴンドラをゴンドラ支持体によって吊られた状態で略水平方向に移動させ昇降動作を行う位置を変化させるとしてもよい。
上記構成においては、上記昇降型ゴンドラを、ゴンドラ支持体によって吊られた状態で略水平方向に移動させる。すなわち、解体作業用ゴンドラユニット全体を移動させなくとも、ある一定範囲内において昇降型ゴンドラの昇降動作を行う位置を変えることができるため、解体作業の効率が上がる。
【0010】
上記作業用構台解体方法において、上記第一解体工程は、複数の昇降型ゴンドラを下降又は上昇させ所定の鋼材を複数箇所において切断し、同所定の鋼材を他の鋼材又は支持杭と接続しない状態にし除去するとしてもよい。
上記構成においては、複数の昇降型ゴンドラを下降又は上昇させる。そして、所定の鋼材を複数箇所において切断し、同所定の鋼材を他の鋼材又は支持杭と接続しない状態にして除去する。例えば、二台の昇降型ゴンドラを、ある鋼材の両端付近を通過する位置に降下又は上昇させれば、同鋼材を両側から切断できるので、効率よく同鋼材を作業用構台から分離することができる。
【0011】
上記作業用構台解体方法において、上記足場架渡し工程は、少なくとも一方の先端部位に支持杭先端のウェブ部に係止可能なウェブ部係止片を形成した簡易足場を用い、同ウェブ部係止片を、上記切断も除去も行われなかった最上段の第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対における作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材と交差する支持杭のウェブ部に係止するとしてもよい。
【0012】
上記構成においては、簡易足場として、少なくとも一方の先端部位に支持杭先端のウェブ部に係止可能なウェブ部係止片を形成したものを用いる。そして、同ウェブ部係止片を、上記切断も除去も行われなかった最上段の第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対における作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材と交差する支持杭のウェブ部に係止する。その結果、同簡易足場が最上段の第一の鋼材間又は第二の鋼材間に架渡される。ここで、上記支持杭や各鋼材としては、断面がIもしくはHのいわゆるH型鋼が多く使用される。そこで、同ウェブ部係止片をH型鋼のフランジ同士を接続するウェブ部分に係止する構成とすれば、簡易足場の一端を容易に、最上段の第一の鋼材の対又は第二の鋼材の対における作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材又は第二の鋼材と交差する支持杭に係止することができる。
【0013】
ただし、簡易足場の構成としては、上記のものに限られない。上記作業用構台解体方法において、上記足場架渡し工程は、少なくとも、一方の先端部位から上記簡易足場の中央側に所定距離接近した位置に支持杭先端のウェブ部に係止可能なウェブ部係止片を形成し、かつ、長手側の両縁部であって上記一方の先端近傍を含む複数箇所に上記昇降型ゴンドラを吊下げるためのゴンドラ吊下具を形成した簡易足場を用いるとしてもよい。
【0014】
上記構成においては、簡易足場として、少なくとも一方の先端部位から同簡易足場の中央側に所定距離接近した位置に、支持杭先端のウェブ部に係止可能なウェブ部係止片を形成したものを用いる。さらに、同簡易足場の長手側の両縁部であって上記一方の先端近傍を含む複数箇所に、上記昇降型ゴンドラを吊下げるためのゴンドラ吊下具を形成する。当該構成とすれば、簡易足場の一方の先端部位が、最上段の第一の鋼材の対または第二の鋼材の対における作業用構台の外側面に含まれる第一の鋼材または第二の鋼材よりも更に外側に突き出た状態で、同簡易足場を第一の鋼材間又は第二の鋼材間に架渡すことができる。そして、上記一方の先端部位近傍に設けられたゴンドラ吊下具に昇降型ゴンドラを吊下げれば、簡易な構成で、作業用構台の外側面の外側において昇降型ゴンドラを昇降させることができる。
【0015】
また、簡易足場に形成されるウェブ部係止片の数は限られないため、更に、上記一方の先端部位に同ウェブ部係止片を形成してもよい。かかる構成下、同先端部位のウェブ部係止片を支持杭先端のウェブ部に係止し、同先端部位の内側のゴンドラ吊下具に昇降型ゴンドラを吊下げれば、簡易な構成で、作業用構台の外側面の内側において昇降型ゴンドラを昇降させることができる。
【0016】
これまでは、作業用構台を解体するための技術的思想として方法の形を採って説明を行ったが、かかる方法の実現に用いるための道具として有用な発明が成り立つことは当然に考えられる。そこで、所定間隔を空けて立設する支持杭を接続するとともに互いに所定の距離をもって対向する鋼材間に架渡される簡易足場であって、少なくとも、一方の先端部位から同簡易足場の中央側に所定距離接近した位置に、上記支持杭の先端部位に係止可能な先端部位係止片を形成し、かつ、長手側の両縁部であって上記一方の先端近傍を含む複数箇所に昇降型ゴンドラを吊下げるためのゴンドラ吊下具を形成した構成としてもよい。すなわち、かかる簡易足場を用いれば、簡易な構成で、簡易足場が架渡される鋼材が接続する各支持杭が形成する側面の両側において、昇降型ゴンドラに昇降動作を行わせることができる。
【0017】
また、請求項1にかかる発明は、解体の対象とする足場上に置かれる解体作業用ゴンドラユニットであって、昇降型ゴンドラと、矩形に組まれた下方枠と、略矩形に組まれた枠であって上記昇降型ゴンドラの昇降動作および略水平移動を可能とした上で上記昇降型ゴンドラを支持する上方枠と、上方枠と下方枠との上下の距離を少なくとも上記昇降型ゴンドラの高さを越える距離に保ちつつ上方枠と下方枠とを両端部位で接続する端枠とからなるゴンドラ支持体と、を備える構成としてある。
かかる解体作業用ゴンドラユニットを、解体の対象となる作業用構台の最上段に設置すれば、解体作業用ゴンドラユニット全体を移動させなくとも、ある一定範囲内において昇降型ゴンドラの昇降動作を行う位置を変えられるのため、解体作業の効率が上がる。
また、請求項2は、上記昇降型ゴンドラは、上記ゴンドラ支持体内に収まる大きさであり、上記ゴンドラ支持体の短手方向の長さ範囲内の空間を上記ゴンドラ支持体の長手方向に沿って略水平移動可能であり、かつ、上記下方枠の内側を下方へ通過して上記ゴンドラ支持体の外へ降下可能である構成としている。
また、請求項3は、上記上方枠を構成する一対の鋼材であって上方枠の長手方向を向く一対の長鋼材は、互いに向かい合う面に上方枠の長手方向に沿った凹部をそれぞれ形成するとともに、両凹部内に所定の棒材の両端を収容することにより、当該棒材を上方枠の長手方向に略水平移動可能な状態で保持し、上記昇降型ゴンドラは、当該棒材から吊り下げられている構成としている。
また、請求項4は、上記ゴンドラ支持体は、上記上方枠と下方枠と端枠とによって形成される6面のうち上面および又は長手方向の両側面を金網で覆った構成としている。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、作業用構台を少ない労力で、短時間かつ安全に解体することが可能な作業用構台解体方法を提供することができる。
また、解体作業の効率がより高まる。
さらに、解体作業の効率がより高まるとともに、各鋼材を作業用構台本体から分離させることも容易となる。
さらに、簡易足場を容易に最上段の第一の鋼材間または第二の鋼材間に架渡すことができる。
さらに、簡易足場を容易に最上段の第一の鋼材間または第二の鋼材間に架渡すことができるとともに、簡易な構成で、作業用構台の外側面の外側または内側において昇降型ゴンドラに昇降動作を行わせることができる。
さらに、支持杭を夫々接続する鋼材間に、容易に架渡すことができるとともに、各鋼材が夫々接続する支持杭が形成する側面の両側において、昇降型ゴンドラに昇降動作を行わせる簡易足場を提供することができる。
さらに、請求項1の発明によれば、昇降型ゴンドラの移動の自由を確保することで作業用構台の解体作業を効率よくさせる解体作業用ゴンドラユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】作業用構台の概略斜視図である。
【図2】ゴンドラユニットを示した斜視図である。
【図3】作業用構台を上方から示した図である。
【図4】第一水平鋼材及び第一斜鋼材を除去する際の説明図である。
【図5】作業用構台を上方から示した図である。
【図6】第二水平鋼材及び第二斜鋼材を切断する際の説明図である。
【図7】簡易足場を示した斜視図である。
【図8】作業用構台を上方から示した図である。
【図9】作業用構台の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材を切断する際の説明図である。
【図10】支持杭を除去する際の説明図である。
【図11】簡易足場の他の例を示した斜視図である。
【図12】従来の解体作業についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本願解体方法による解体の対象となる作業用構台を斜視図により示している。 同図に示す作業用構台100は、道路や橋などの建設現場において、かかる建設物を建設する際の作業用の足場として構築されるものである。同作業用構台100は、概略、高所作業用の足場領域として複数枚敷設される略矩形板状の覆工板70の長手方向及び幅方向に夫々所定の間隔を空けて立設する複数の支持杭10と、各支持杭10を接続する各鋼材によって構築されている。すなわち、作業用構台100を上から見た場合に、各支持杭10は、縦横方向それぞれに所定の空けて連なる格子点上に立設する。そして、同幅方向に並ぶ支持杭10の各列を、支持杭10の高さ方向に所定の間隔をもって複数の第一水平鋼材20が略水平方向に接続する。また、同長手方向に並ぶ支持杭10の各列は、複数の第二水平鋼材30によって略水平に接続される。さらに、各支持杭10と第一水平鋼材20とによって構成される各格子枠には、補強のための二本の第一斜鋼材41がクロス状に取り付けられている。同様に、各支持杭10と第二水平鋼材30とによって構成される各格子枠には、第二斜鋼材42がクロス状に取り付けられている。ただし、図の見易さのため、作業用構台100内部の各鋼材は適宜図示を省略してある。
【0021】
同様に図示を省略しているが、作業用構台100の最上段には、同作業用構台100自体の長手方向に渡された複数の主桁及び各主桁上を覆って作業用の足場面積を確保する覆工板70が敷設される。ここで、略矩形板状の覆工板70が主桁上においてどの様な向きで敷設されるかは、覆工板70の縦横の長さや主桁間の距離等の要因によって定まるが、本実施形態においては、主桁間にその長手方向が渡されるように各覆工板70を敷設することとする。従って、第一水平鋼材20が略水平方向に各支持杭10を接続する方向は、同図においては、図中の覆工板70の幅方向となり、第二水平鋼材30が略水平方向に各支持杭10を接続する方向は、図中の覆工板70の長手方向となる。
以下、上記作業用構台100を解体する手順について説明する。
【0022】
図2は、ゴンドラユニット50を斜視図により示している。
上記ゴンドラユニット50は、ゴンドラ61,62と、鋼材を略直方体状に組んで形成したゴンドラ支持枠体51とからなる。同ゴンドラ支持枠体51は、同ゴンドラ支持枠体51の底面を縁取る下方枠52と、上面を縁取る上方枠53と、下方枠52と上方枠53との上下の距離を所定距離に保ちつつその両端部位で両枠を接続する端枠54a,54bとによって構成される。
上方枠53は、その長手方向を構成する二本の鋼材(以下、長鋼材53a,53b)によって二台のゴンドラ61,62を支持する。ゴンドラ61,62は、それぞれ懸持部材61a,62aによって、ワイヤ61b,62bを介して吊り下げられた状態となっている。そして、長鋼材53a,53bが各懸持部材61a,62aを両側から支持することで、上方枠53がゴンドラ61,62を吊り下げ支持する。ゴンドラ61,62は、ゴンドラ支持枠体51の枠体内に収容できる大きさであるとともに、少なくとも一人以上の人間が乗り込める大きさとする。また、ゴンドラ61,62は、図示しないウインチ駆動部を夫々備えることにより、所定の高低差内で自由に上昇・降下可能であるとする。
【0023】
ここで、ゴンドラ支持枠体51が各ゴンドラ61,62を支持する態様は限定されるものではない。例えば、同図中の拡大図に示すように、長鋼材53a,53bとして、上下の縁部において、上方枠53の内側に向かって突出するとともに同鋼材の長手方向に連続して形成されたフランジを有するものを用いる。そして、長鋼材53a,53bの互いに相対する面と、前記各フランジによって囲まれた凹部を、それぞれ支持兼誘導用空間53a1,53b1とする。支持兼誘導用空間53a1,53b1内において、各ゴンドラ61,62を吊下げる懸持部材61a,62aの両側が夫々外れないように保持しつつ、同懸持部材61a,62aを長鋼材53a,53bの長手方向に略水平移動可能とする。当該構成とすれば、各ゴンドラ61,62は、ゴンドラ支持枠体51に吊られた状態において、長鋼材53a,53bの長さの範囲内で自由に略水平移動することができる。
【0024】
加えて、上方枠53と下方枠52と端枠54a,54bとによって形成される6面のうち、上面や長手側の両側面を金網で覆ってもよい。かかる構成とすれば、ゴンドラ61,62に乗った作業者の頭上が金網でカバーされた状態となるため、クレーンに吊られた鋼材の落下等、不意の落下物等から作業者を守ることができる。
【0025】
図3は、ゴンドラユニット50を作業用構台100の最上段に設置した状態を上方から示している。ただし、同図では、本来上方から見える第一水平鋼材20あるいは第一斜鋼材41の部位の図示を省略してある。
ここで、作業用構台100を上方から見たときに第一水平鋼材20又は第一斜鋼材41と第二水平鋼材30とによって形成される略矩形の格子枠を基準格子枠Aとする。ゴンドラ61,62を用いる解体作業は、同基準格子枠A下に連なる、支持杭10と第一水平鋼材20と第二水平鋼材30と第一斜鋼材41と第二斜鋼材42とによって形成される空間(以下、基準空間B)毎に行われる。同図に示すように、ゴンドラユニット50は作業用構台100の最上段において、基準格子枠A1の幅(基準格子枠A1を形成する第二水平鋼材30の部位の長さ)内に収まるように上方から設置される。なお、ゴンドラユニット50を作業用構台100上に設置するためのクレーン等の重機類は図示を省略してある。また、ゴンドラユニット50が設置された基準格子枠A1及び基準格子枠A1と覆工板70の長手方向に連なる他の基準格子枠A2,A3以外の領域には、作業スペースを確保するための覆工板70が被せられている。
【0026】
本実施形態においては、ゴンドラユニット50の長手方向の長さを、基準格子枠Aの長手方向の長さ(つまり、覆工板70の幅方向における支持杭10の立設間隔)よりも長く設定する。当該設定とすれば、作業用構台100の最上段において、互いに対向して一の基準格子枠Aの二辺となっている第二水平鋼材30の上に、同ゴンドラユニット50を設置することができる。さらに、同ゴンドラユニット50の下方枠52及び上方枠53が、その長手方向において、ゴンドラユニット50の設置対象となった基準格子枠Aの外側まで延出するため、同設置対象の基準格子枠Aの外側においても、上記ゴンドラ61,62を昇降させることができる。なお、ゴンドラユニット50を設置する基準格子枠Aは、その時点において、作業用構台100の外側面に含まれる第二水平鋼材30を有する基準格子枠Aのいずれかとする。すなわち、解体作業は、施設されている作業用構台100の端部から行っていく。
【0027】
図4は、第一水平鋼材20及び第一斜鋼材41を除去する際の説明図である。
同図は、敷設される覆工板70の幅方向を向く作業用構台100の側面を示しており、簡単のため、ゴンドラユニット50の設置対象となった基準格子枠A1の下方に連なる基準空間B1のみを示している。
本実施形態においては、二台のゴンドラ61,62を夫々、基準空間B1内であって、各第一水平鋼材20及び各第一斜鋼材41の両端付近を通過する位置で昇降させる。つまり、各第一水平鋼材20又は第一斜鋼材41を両側から切断し、除去する。
【0028】
同図の(1)は、ゴンドラ61,62をゴンドラ支持枠体51の高さから降下させ、第一斜鋼材41aを切断、除去する際の各高さ位置でその降下動作を止めた場合を示している。ゴンドラ61,62の各高さ位置をかかる位置としたら、先ず、ゴンドラ61,62の何れか一方に乗った作業者が、第一斜鋼材41aの端部付近を切断する。次に、同第一斜鋼材41aを図示しないクレーンのフック等によって確実に保持する。当該状況において、上記切断した作業者が乗るゴンドラとは別のゴンドラに乗った作業者が第一斜鋼材41aの端部付近を切断すれば、第一斜鋼材41aは地上に落下することなく、作業用構台100から完全に分離し、除去される。その後、当該第一斜鋼材41aを上記クレーン等によって所定の資材置き場に移動させる。
【0029】
このように、上記第一斜鋼材41a及びこれと略平行に取り付けられている他の第一斜鋼材41については、ゴンドラ61,62を降下させていく過程で、その都度、各鋼材の両端付近の切断に適切な高さ位置でゴンドラ61,62を止め、上記切断、除去作業を繰り返す。一方、上記第一斜鋼材41aとは交差する角度で取り付けられている各第一斜鋼材41については、ゴンドラ61,62が一旦作業用構台100の最下段まで降下した後の、上昇過程において、各鋼材の両端付近の切断に適切な高さ位置でゴンドラ61,62を止め、上記切断、除去作業を繰り返す。ただし、当該各第一斜鋼材41の切断、除去の順序は一例に過ぎない。各第一水平鋼材20についても、降下過程あるいは上昇過程において、各鋼材の両端付近の切断に適切な高さ位置でゴンドラ61,62を止め、上記切断、除去作業を繰り返す。その結果、同図の(2)に示すように、ゴンドラ61,62をゴンドラ支持枠体51内に再び収容するまでに、上記基準空間B1の形成に用いられる全ての第一水平鋼材20と第一斜鋼材41とを切断し、除去することができる。
【0030】
なお、上記基準空間B1の形成に用いられる第一水平鋼材20と第一斜鋼材41は、同図紙面の手前側と奥側とに夫々存在する。ここで、基準空間B1の最上段にゴンドラユニット50を設置した際のゴンドラ61,62の昇降過程において、かかる手前側と奥側とに夫々存在する第一水平鋼材20及び第一斜鋼材41の全てを切断、除去する必要はない。つまり、基準空間B1の形成に用いられる第一水平鋼材20と第一斜鋼材41とは、隣り合う他の基準空間B2の形成にも用いられている場合があり、かかる隣の空間について同様の作業を行う際に切断、除去できるからである。従って、ある基準空間Bの最上段にゴンドラユニット50を設置した際のゴンドラ61,62の昇降過程においては、少なくとも、その基準空間Bの形成にのみ用いられている第一水平鋼材20と第一斜鋼材41を全て切断、除去するものとする。
【0031】
図5は、ゴンドラユニット50を作業用構台100の最上段に設置した状態を上方から示している。
第一水平鋼材20及び第一斜鋼材41の切断、除去を行った後は、ゴンドラ61,62が作業用構台100の外側面に含まれる第二水平鋼材30又は第二斜鋼材42を左右から挟んだ状態で昇降できる位置に、ゴンドラ61,62を夫々略水平移動させる。つまり、一の基準空間Bの形成に用いられる各鋼材の切断又は除去を行う限りにおいては、ゴンドラユニット50全体を移動させる必要はなく、昇降動作を行うゴンドラ61,62の位置のみを変更する。
なお、ゴンドラ61,62が第二水平鋼材30等を左右から挟んだ状態で昇降させるとしたのは、支持杭10の側面に取り付けられた各第二水平鋼材30や第二斜鋼材42を切断する際に、作業用構台100の外側からの作業の方がし易かったり、上記基準空間B1内からの作業の方がし易かったりするからである。
【0032】
図6は、第二水平鋼材30及び第二斜鋼材42を切断する際の説明図である。
同図は、覆工板70の長手方向を向く作業用構台100の外側面を正面から示しており、基準空間Bが作業用構台100自体の幅方向に三つ連なった状態を示している。ゴンドラユニット50の設置位置は、図3〜5と同様に、基準空間B1の最上段である。なお、同図においては、作業用構台100の外側面の外側を昇降するゴンドラ61のみ図示し、ゴンドラ62の図示を省略しているが、ゴンドラ62も基本的にゴンドラ61と同様の動きをする。
同図(1)に示すように、ゴンドラ61(62)を下降又は上昇させ、最上段の第二水平鋼材30以外の第二水平鋼材30と第二斜鋼材42とを切断する。つまり、ゴンドラ61(62)を昇降させ、切断対象となる各第二水平鋼材30または第二斜鋼材42の各高さ位置に移動した際に昇降動作を止め、各鋼材の切断を行う。
【0033】
この場合、ゴンドラ61(62)が作業用構台100の最下段まで降下する過程で切断可能な第二水平鋼材30及び第二斜鋼材42を全て切断してもよいし、半数程度切断し、残りは上昇過程において切断するようにしてもよい。そして、同図(2)に示すように、ゴンドラ61(62)をゴンドラ支持枠体51内に再び収容するまでに、基準空間B1の外側面の形成に用いられる第二水平鋼材30と第二斜鋼材42とであって、最上段の第二水平鋼材30以外の各鋼材を切断する。
【0034】
本実施形態においては、第二水平鋼材30を構成する各部材及び第二斜鋼材42は、支持杭10の側面であって作業用構台100の外側に面する側面に取付けられているものと、支持杭10の側面であって基準空間B1の内側に面する側面に取付けられているものとがある。従って、上記作業用構台100の外側に面する側面に取付けられているものは、作業用構台100の外側において昇降するゴンドラ61に乗る作業者が切断し、基準空間B1の内側に面する側面に取付けられているものは、同基準空間B1内を昇降するゴンドラ62に乗る作業者が切断する。
【0035】
ここで、第一水平鋼材20及び第一斜鋼材41は切断した上で除去し、第二水平鋼材30及び第二斜鋼材42は切断のみを行うとしたのは、以下の理由による。つまり、第一水平鋼材20及び第一斜鋼材41は、第二水平鋼材30及び第二斜鋼材42に比べ通常長い。かかる長い鋼材を途中で切断しただけの状態で、依然元の半分近い長さの鋼材が各支持杭10に接続されている場合には、最終的に各支持杭10を傾倒させ除去する際に、当該長い鋼材が作業の邪魔になる。そのため、第一水平鋼材20及び第一斜鋼材41については、切断した上で除去し、その殆どの部分を支持杭10から分離させるとした。
【0036】
一方、第二水平鋼材30及び第二斜鋼材42はそれ程の長さを有しておらず、中途部位で切断されただけで各支持杭10に接続されている場合であっても、各支持杭10を傾倒させ除去する際の作業の邪魔にはならない。従って、作業上の効率を考慮して、第二水平鋼材30及び第二斜鋼材42については、その中途部位を切断するのみとした。
ただし、各鋼材の切断や除去を上記のように限定する必要は必ずしも無く、例えば、ある鋼材が各支持杭10に対してボルトなどで固定されている場合に、同ボルトによる固定を解除して、当該鋼材の全体を各支持杭10から分離させ、除去するとしてもよい。また、各鋼材の長さが所定の範囲に収まる短さであれば、全ての第一水平鋼材20、第二水平鋼材30、第一斜鋼材41、第二斜鋼材42について、その中途部位を切断するのみとしてもよい。
【0037】
上述の通り、基準空間B1の最上段にゴンドラユニット50を設置した状態で、各鋼材に対する切断及び除去、または切断作業を終えたら、次に、ゴンドラユニット50をクレーン等で移動させる。そして、基準空間B1と覆工板70の長手方向に連なる他の基準空間B2,B3の最上段に順にゴンドラユニット50を設置し、各基準空間内外において、同様に各鋼材の切断及び除去、または切断作業を行う。その結果、上記基準空間B1〜B3の形成に用いられる各支持杭10であって、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30によって各先端部位を接続された各支持杭10は、それ以外の支持杭10とは完全に分離した状態となる。従って、これまでに説明した作業が、請求項1の、ゴンドラユニット設置工程と第一解体工程とに対応する。
【0038】
このように、各鋼材の切断、除去作業時の移動手段として、上記ゴンドラユニット50を用いることにより、作業者は、切断等を行った鋼材から他の切断等の対象となる鋼材に、短時間で容易かつ安全に移動することができる。その結果、作業用構台100の解体作業の全体的な効率を、従来に比べて飛躍的に上げることができる。また、作業者は、自身で支持杭10を登り降りする必要が無いため、その作業量の殆どを鋼材の切断等、解体作業自体に充てることができる。よって、一人当たりの解体作業量が向上し、少ない人員で同作業用構台100を解体できる。
【0039】
上記ゴンドラユニット50を用いることは、以下のような効果をも生じさせる。上述したように、ゴンドラ61,62に乗る作業者の頭上には、常に略直方体状の枠体状に組まれたゴンドラ支持枠体51が設置されている。そのため、クレーン等のワイヤに吊られた鋼材が荷揺れを起こし、同鋼材を吊ったワイヤが作業者の側に振れた場合にも、同ワイヤの中途部位が上記ゴンドラ支持枠体51の上方枠53や下方枠52に当たる。その結果、鋼材を吊った同ワイヤが振れても、その先端の振り幅が減少し、同ワイヤに吊られた鋼材が作業者の乗ったゴンドラ61,62に接触する危険性が極力抑えられる。
【0040】
次に、請求項1の足場架渡し工程以下に対応する手順について説明する。
図7は、簡易足場を斜視図により示している。
同図に示すように、簡易足場80は、二本の長鋼材81a,81bと、同長鋼材81a,81bを略平行に保ち両者を接続する二本の短鋼材82a,82bとによって、略矩形に組まれた形状となっている。また、短鋼材82aは、同簡易足場80の一端において、長鋼材81aと長鋼材81bとの端部同士を接続しており、短鋼材82bは、同簡易足場80の他端側において、長鋼材81aと長鋼材81bをその端部同士ではなく、中途部分同士で接続している。つまり、長鋼材81a,81bは、短鋼材82bと接続する部位よりも更に延出している。
【0041】
長鋼材81a,81bと短鋼材82a,82bとによって囲まれた範囲は、その上で作業者が作業できるように、所定の強度を有するメッシュ部材83によって覆われている。また、上記短鋼材82aの略中央には、下向きにウェブ部係止片84が突設されている。ウェブ部係止片84は、対向する側面間に所定の隙間を設けて突設された二片の係止片84a,84bとからなる。かかる構成の簡易足場80は、後述するように、作業用構台100の最上段における第二水平鋼材30間の移動手段として用いられる。
【0042】
図8は、簡易足場80を作業用構台100の最上段に設置した状態を上方から示している。
簡易足場80は、上記ゴンドラユニット50を移動させた上で、上記基準空間B1〜B3の形成に用いられる第二水平鋼材30であって、上記ゴンドラ61,62を用いた各鋼材の切断処理によっては切断されなかった最上段の第二水平鋼材30間に架渡される。つまり、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30、及び当該第二水平鋼材30が各先端部位を接続する支持杭10は、作業用構台100の他の部分とは一切接続していない状態であるため、同簡易足場80を架渡し、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30までの移動手段を確保する。
【0043】
簡易足場80を最上段の第二水平鋼材30間に架渡す際の具体的な態様について説明する。上述したように、簡易足場80の一端には上記ウェブ部係止片84が突設されている。そこで、同ウェブ部係止片84が設けられている側の一端を、同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30にまで到達させる。そして、同ウェブ部係止片84を同第二水平鋼材30が接続する何れかの支持杭10の先端に係止させることにより、簡易足場80の一端を、同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30側に架け止める。本実施形態においては、支持杭10としてH型鋼を使用する。従って、上記係止片84aと係止片84bとによって、H型鋼のフランジ同士を接続するウェブ部分を挟むようにして上記ウェブ部係止片84を係止することで、容易かつ確実に、簡易足場80の一端を、同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30側に架け止めることができる。
【0044】
実際の作業では、簡易足場80のウェブ部係止片84が突設されていない側において、短鋼材82bと接続する部位よりも更に延出する長鋼材81a,81bの部位を作業者が支える。かかる状態で、簡易足場80をクレーン等で吊り上げ、ウェブ部係止片84が突設されている面を下に向けたまま、同クレーン等の操作で、ウェブ部係止片84を備える簡易足場80の一端を係止の対象となる支持杭10の先端に誘導する。なお、簡易足場80の長鋼材81a,81bが延出する側については、上記ウェブ部係止片84の係止作業後、同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30と対向する第二水平鋼材30に対して、任意の公知手法で仮固定すればよい。
【0045】
ここで、長鋼材81a,81bが延出する側を仮固定する第二水平鋼材30と他の第二水平鋼材30であって解体の順序が後となる第二水平鋼材30とを接続する主桁等が、除去されずにまだ設置されている場合がある。かかる場合であっても、長鋼材81a,81bが延出する側では、同長鋼材81a,81b間に隙間が生じていため、同隙間に同主桁の端部を導き、長鋼材81a,81bで同主桁を挟むようにすれば、同簡易足場80を最上段の第二水平鋼材30間に架渡すことができる。
【0046】
簡易足場80は、最上段の第二水平鋼材30間を連絡する足場としての役割を果たすだけではない。上述したように、簡易足場80を架渡す段階では、同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30及び当該第二水平鋼材30が各先端部位を接続する各支持杭10は、作業用構台100の他の部分と切断されている。従って、簡易足場80の両端を最上段の各第二水平鋼材30に係止することで、若干不安定さを残す同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30及び当該第二水平鋼材30が各先端部位を接続する各支持杭10が安定する。その結果、同外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30上での作業も安全なものとなる。
【0047】
図9は、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30を切断する際の説明図である。
同図は、上記図6と同様に、覆工板70の長手方向を向く作業用構台100の外側面を正面から示しており、同作業用構台100の最上段には、簡易足場80が架け止められている。作業者は、簡易足場80上を移動し、上記外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30上に到達する。そして、上記ウェブ部係止片84を係止した支持杭10の両側あるいは片側の第二水平鋼材30の部位であって、各支持杭10を接続する部位を切断する。かかる部位を切断したら、次に、簡易足場80を架渡す位置を他の支持杭10上に変更し、同様に最上段の第二水平鋼材30の部位であって、各支持杭10を接続する部位を切断する。このようにして、最終的には、最上段の第二水平鋼材30の部位であって各支持杭10を接続する部位の全てを切断する。
【0048】
また、同図(2)に示すように、最上段の第二水平鋼材30の各部位を切断していく際に、各支持杭10の先端部位にワイヤ90の一端を取り付ける。支持杭10の先端部位に取付けられなかった同ワイヤ90の他端は、同支持杭10を除去する際にクレーンのフック等で保持される。つまり、その両側あるいは片側の第二水平鋼材30の各部位が切断され、他の支持杭10とは一切接続せず独立して地上に立設する状態となった支持杭10を一本ずつ除去する。
【0049】
図10は、各支持杭10を除去する際の説明図である。
同図に示すように、一の支持杭10の先端部位に取付けた上記ワイヤ90の他端を図示しないクレーンのフック等で吊下げ支持した状態で、地上において同支持杭10の根元近傍を切断する。そして、同根元近傍が切断された支持杭10を上記ワイヤ90を介してクレーン等で吊り下げた状態で傾倒させ、所定の資材置き場に移動させる。このように、最上段の第二水平鋼材30の各部位の切断及び支持杭10の除去作業を繰り返すことで、覆工板70の長手方向に並び基準空間B1〜B3の形成に用いられる支持杭10であって、外側面に含まれる各支持杭10の除去が完了する。そして、作業用構台100の端から順に、全ての基準空間Bに対して上述した各処理を繰り返し行えば、作業用構台100の全てを解体することができる。
【0050】
図11は、簡易足場の他の例を斜視図により示している。
簡易足場110は、長鋼材111a,111bと、短鋼材112a,112bとによって略矩形に組まれる点、及び長鋼材111a,111bと短鋼材112a,112bとによって囲まれた範囲をメッシュ部材113が覆う点は、上記簡易足場80と同様である。しかし、簡易足場110は、短鋼材112aの略中央及び、短鋼材112aよりも所定の距離、簡易足場110の中央に接近した位置で長鋼材111aと長鋼材111bとを接続する短鋼材112cの略中央から、夫々下向きにウェブ部係止片114,115が突設されている。更に、短鋼材112aが長鋼材111a,111bと接続する各部位、及び、短鋼材112cが長鋼材111a,111bと接続する各部位には、昇降型ゴンドラを吊下げるためのゴンドラ吊下具116,117が夫々取付けられている。
【0051】
上記構成によって、簡易足場110は、最上段の第二水平鋼材30間に架渡された際に、足場としてだけではなく、昇降型ゴンドラを吊り下げる役割も果たす。すなわち、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30が接続する何れかの支持杭10の先端に、ウェブ部係止片114或いは、ウェブ部係止片115を係止する。ウェブ部係止部114を支持杭10に係止させる際には、予め、短鋼材112cが長鋼材111a,111bと接続する部位に取付けられた二つのゴンドラ吊下具117に、昇降型ゴンドラを吊下げておく。上記ゴンドラ61を用いる場合(ゴンドラ62を用いる場合も同じ)は、二本のワイヤ61b(62b)の先端を各ゴンドラ吊下具117に夫々懸止めることにより、上記ゴンドラ61(62)をゴンドラ吊下具117に吊下げる。その結果、簡易足場110を最上段の第二水平鋼材30間に架渡した際に、作業用構台100の外側面を形成する支持杭10の内側において、昇降型ゴンドラを昇降させることができる。
【0052】
一方、ウェブ部係止部115を支持杭10に係止させる際には、予め、二つのゴンドラ吊下具116に、昇降用ゴンドラを吊下げておく。ここでも、上記ゴンドラ61(62)を用いる場合は、二本のワイヤ61b(62b)の先端を各ゴンドラ吊下具116に夫々懸止める。すると、簡易足場110を最上段の第二水平鋼材30間に架渡した際に、ゴンドラ吊下具116は作業用構台100の外側面よりも更に外側に位置することになり、昇降型ゴンドラを同外側面を形成する支持杭10の更に外側において昇降させることができる。すなわち、最上段の第二水平鋼材30間に架渡す足場として簡易足場110を用いれば、作業用構台100の外側面を形成する支持杭10の内側または外側で昇降型ゴンドラを昇降させることができる。その結果、支持杭10の側面に取付いたままの鋼材の除去など、適宜、種々の作業を行うことができる。
【0053】
このように、昇降動作が可能なゴンドラ61,62を略水平移動可能な状態で支持するゴンドラユニット50を作業の対象となる基準空間Bの最上段に設置し、同基準空間Bの形成に用いられている、最上段の第二水平鋼材30以外の所定の鋼材を切断、除去する。当該ゴンドラ61,62を用いた切断、除去作業を、作業用構台100の端において覆工板70の長手方向に連なる全基準空間Bに対して行った後、最上段の第二水平鋼材30間に、簡易足場80を架け渡す。そして、作業用構台100の外側面に含まれる最上段の第二水平鋼材30の各部位を切断し各支持杭10を独立した状態とした上で、各支持杭10を除去する。以上の工程を繰り返すことで、作業用構造台100を、少ない労力で効率よくかつ安全に解体することができる。
【符号の説明】
【0054】
10…支持杭、20…第一水平鋼材、30…第二水平鋼材、41,41a…第一斜鋼材、42…第二斜鋼材、50…ゴンドラユニット、51…ゴンドラ支持枠体 52…下方枠、53…上方枠、54a,54b…端枠、61,62…ゴンドラ、70…覆工板、80,110…簡易足場、81a,81b,111a,111b…長鋼材、82a,82b,112a,112b,112c…短鋼材、84,114,115…ウェブ部係止片、100…作業用構台、116,117…ゴンドラ吊下具、A,A1,A2,A3…基準格子枠、B,B1,B2,B3…基準空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解体の対象とする足場上に置かれる解体作業用ゴンドラユニットであって、
昇降型ゴンドラと、
略矩形に組まれた下方枠と、略矩形に組まれた枠であって上記昇降型ゴンドラの昇降動作および略水平移動を可能とした上で上記昇降型ゴンドラを支持する上方枠と、上方枠と下方枠との上下の距離を少なくとも上記昇降型ゴンドラの高さを越える距離に保ちつつ上方枠と下方枠とを両端部位で接続する端枠とからなるゴンドラ支持体と、
を備えることを特徴とする解体作業用ゴンドラユニット。
【請求項2】
上記昇降型ゴンドラは、上記ゴンドラ支持体内に収まる大きさであり、上記ゴンドラ支持体の短手方向の長さ範囲内の空間を上記ゴンドラ支持体の長手方向に沿って略水平移動可能であり、かつ、上記下方枠の内側を下方へ通過して上記ゴンドラ支持体の外へ降下可能であることを特徴とする請求項1に記載の解体作業用ゴンドラユニット。
【請求項3】
上記上方枠を構成する一対の鋼材であって上方枠の長手方向を向く一対の長鋼材は、互いに向かい合う面に上方枠の長手方向に沿った凹部をそれぞれ形成するとともに、両凹部内に所定の棒材の両端を収容することにより、当該棒材を上方枠の長手方向に略水平移動可能な状態で保持し、上記昇降型ゴンドラは、当該棒材から吊り下げられていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の解体作業用ゴンドラユニット。
【請求項4】
上記ゴンドラ支持体は、上記上方枠と下方枠と端枠とによって形成される6面のうち上面および又は長手方向の両側面を金網で覆ったことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の解体作業用ゴンドラユニット。
【請求項1】
解体の対象とする足場上に置かれる解体作業用ゴンドラユニットであって、
昇降型ゴンドラと、
略矩形に組まれた下方枠と、略矩形に組まれた枠であって上記昇降型ゴンドラの昇降動作および略水平移動を可能とした上で上記昇降型ゴンドラを支持する上方枠と、上方枠と下方枠との上下の距離を少なくとも上記昇降型ゴンドラの高さを越える距離に保ちつつ上方枠と下方枠とを両端部位で接続する端枠とからなるゴンドラ支持体と、
を備えることを特徴とする解体作業用ゴンドラユニット。
【請求項2】
上記昇降型ゴンドラは、上記ゴンドラ支持体内に収まる大きさであり、上記ゴンドラ支持体の短手方向の長さ範囲内の空間を上記ゴンドラ支持体の長手方向に沿って略水平移動可能であり、かつ、上記下方枠の内側を下方へ通過して上記ゴンドラ支持体の外へ降下可能であることを特徴とする請求項1に記載の解体作業用ゴンドラユニット。
【請求項3】
上記上方枠を構成する一対の鋼材であって上方枠の長手方向を向く一対の長鋼材は、互いに向かい合う面に上方枠の長手方向に沿った凹部をそれぞれ形成するとともに、両凹部内に所定の棒材の両端を収容することにより、当該棒材を上方枠の長手方向に略水平移動可能な状態で保持し、上記昇降型ゴンドラは、当該棒材から吊り下げられていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の解体作業用ゴンドラユニット。
【請求項4】
上記ゴンドラ支持体は、上記上方枠と下方枠と端枠とによって形成される6面のうち上面および又は長手方向の両側面を金網で覆ったことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の解体作業用ゴンドラユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−101163(P2010−101163A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276396(P2009−276396)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【分割の表示】特願2007−336060(P2007−336060)の分割
【原出願日】平成16年2月3日(2004.2.3)
【出願人】(504044528)
【出願人】(505224156)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【分割の表示】特願2007−336060(P2007−336060)の分割
【原出願日】平成16年2月3日(2004.2.3)
【出願人】(504044528)
【出願人】(505224156)
【Fターム(参考)】
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