説明

使い捨てパルス酸素濃度計

【解決手段】1回使用の自蔵式の自己電力の使い捨て酸素濃度計はパッチすなわち包帯片の形状を有する。パッチに実装される光エミッタおよび光検出器は協働して少なくとも患者のSpO2を計測する。パッチの電子部品層にはアプリケーションスペシフィック集積回路(ASIC)が実装される。ASICは、ASICに組み込まれて光エミッタおよび光検出器の制御を実行する電子部品と、光検出器で収集されるデータから少なくとも患者のSpO2を算出するアルゴリズムとを備える。任意であるが、パッチにはディスプレイとアラームとが実装され、または、埋め込まれてもよい。ディスプレイは少なくともSpO2を表示する。アラームは、少なくともSpO2が許容範囲内にないことを、そうした場合が問題である場合に、医療従事者/患者に知らせる。パッチにはASICおよび光エミッタを作動させる電力を供給するバッテリが実装される。バッテリは、パッチ上にディスプレイおよびアラームといった任意の部品が実装される場合に、ディスプレイおよびアラームに電力を供給する。パッチ上には取り付け機構が設けられる。こうした取り付け機構は、送受信モードまたは反射モードのいずれの場合でも取り外し自在に患者にパッチを貼り付けることができる粘着層の形状を有する。パッチ酸素濃度計には、遠隔装置や他の無線型のパッチ酸素濃度計から無線で情報を受信したり、遠隔装置や他の無線型のパッチ酸素濃度計に無線で情報を発信したりするために、トランシーバおよび適切な電子部品が実装されてもよい。自蔵式の電源に代わって、パッチ酸素濃度計が遠隔電源から所定の距離内に配置されると、無線型のパッチ酸素濃度計の制御に用いられる電力が遠隔電源から取得されるように構成してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素濃度計に関し、特に、例えば自己粘着性の包帯といったパッチに自蔵される使い捨て酸素濃度計に関する。本発明はさらに、通信性能を有する使い捨てパッチ酸素濃度計に関する。
【背景技術】
【0002】
酸素濃度計は広く知られる。本発明より前では、自蔵式の酸素濃度計は、患者の指にクリップで留められる巨大なハウジングを有する。こうした酸素濃度計は例えば米国特許第5792052号に開示される。自蔵式の酸素濃度計の他の例は、本出願の譲受人に譲渡された米国特許第6654621号に開示される。これら従来の自蔵式の酸素濃度計では、電子部品は、ピボットで患者の指を掴む複数のハウジングに収容されるか(’052特許)、または、患者の指を受け入れる開口を形成するハウジングに収容される(’621特許)。これらの指用酸素濃度計は何度でも使用されることができることから、患者の酸素飽和度が決定されると、指用酸素濃度計は患者から取り外されて他の患者に再使用されることができる。
【0003】
市場には、酸素濃度計の光エミッタおよびセンサを内蔵する包帯がある。光エミッタおよびセンサを制御するとともに包帯に連結される電子部品は、包帯から離れた位置に配置される。こうした装置は、米国特許第6735459号、米国特許第6721585号、米国特許第6684091号、米国特許第6519487号、米国特許第6343224号、米国特許第6321100号および米国特許第6144868号に開示される。この装置では包帯だけが使い捨てである。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、自蔵式で完全に使い捨てで1回使用のパルス酸素濃度計に関する。粘着性の台紙がはがされると、このパルス酸素濃度計は起動する。パルス酸素濃度計のすべての部品は、複数層から形成されるパッチすなわち包帯に実装され、組み込まれ、または、埋め込まれる。患者すなわち患者の指や患者のひたいに複数の周波数の光を出力する発光エミッタすなわち光エミッタ、患者からデータを取得するために患者を通過する光または患者から反射する光を検出して、取得されるデータから血液の酸素飽和度(SpO2)を算出するセンサすなわち検出器に加えて、パルス酸素濃度計用の他の部品はパッチに実装される。この他の部品には、酸素測定回路構成、任意のディスプレイ、(可聴の)圧電振動子といった任意のアラームおよび/または(映像の)ディスプレイ上の光学式の表示器、および、電源が含まれる。回路構成は、アプリケーションスペシフィック集積回路(ASIC)プラットフォームすなわちチップに組み込まれ、水分を寄せ付けず外部へのASICの露出を回避する少なくとも2つの薄い保護層で保護される包帯の層に埋め込まれる。電源は従来のボタン型電池または燃料電池バッテリであればよい。この電池またはバッテリはASICチップと同じ層に埋め込まれればよい。包帯の同じ層には任意のディスプレイおよびアラームが組み込まれる。代替構成として、ディスプレイおよびアラームは、包帯内で、ASICプラットフォーム層の上側で、予め印刷されるグラフィックを有する保護薄膜層の下側に形成される層に形成されてもよい。保護薄膜層の下側にはメンブレンスイッチが設けられてもよい。メンブレンスイッチにより、ユーザは、例えばアラームおよび/またはディスプレイのオンオフといった限られた機能を起動させることができる。
【0005】
包帯は、包帯の最下層の粘着層を覆う台紙付きの無菌の包帯から形成される。粘着層の働きで包帯は患者に取り外し自在に取り付けられることができる。さらに無菌状態を確保するため、包帯は、取り外し自在なカバーを備える無菌包装材に収容されればよい。
【0006】
光エミッタおよび検出器の配置は、送受信モードおよび反射モードのいずれのモードでパッチが用いられるかに依存する。送受信モードでは、パッチすなわち包帯は患者の指や患者の耳たぶ周りに巻き付けられる。反射モードでは、パッチは患者のひたいや患者の他の実質的に平らな面に貼り付けられる。
【0007】
本発明に係る使い捨てパッチ酸素濃度計には通信性能が追加される。無線型のパッチ酸素濃度計では、発信機またはトランシーバがパッチすなわち包帯に実装または埋め込まれる。酸素濃度計パッチからの信号の発信または酸素濃度計パッチでの信号の受信に必要とされる回路構成は、ASICチップに追加すなわち組み込まれるか、または、独立した回路としてパッチの電子部品層に追加される。
【0008】
本発明に係るパッチ酸素濃度計は独立型の包帯または無線型の包帯である。患者に包帯を取り付ける最も簡易な方法は、人の傷口を覆うために用いられる従来の包帯で慣習的に用いられる粘着層を使うことである。しかしながら、本発明のパッチ酸素濃度計すなわち包帯には他の取り付け機構が用いられてもよい。こうした他の取り付け機構には、包帯を患者に確実に取り付けることができる例えばベルクロや留め金が含まれる。患者に取り外し自在に包帯を取り付けるために、層全体が粘着性を有することに代えて、包帯の最下層に部分的に粘着性が付与されてもよい。
【0009】
本発明の無線型のパッチ酸素濃度計に関して、各パッチ酸素濃度計は、ホストモニタシステムに無線で通信することことができることに加えて、患者の他の部位に取り付けられる同様のパッチ酸素濃度計と通信することができる。ホストモニタシステムでは、少なくとも患者の動脈血の酸素飽和度(SpO2)が遠隔で監視される。少なくとも2つの酸素濃度計が患者に取り付けられれば、患者のSpO2の差異が取得される。その結果、患者が単に出血しているのか、ショック状態の境界にいるのか、または、ショック状態にいるのかといった敗血性のショック状態の決定が患者に対してなされることができる。
【0010】
本発明に係る包帯酸素濃度計には電極が追加されてもよい。こうして、患者から患者の動脈血の酸素飽和度が取得されると同時に、SpO2以外に例えばEEG、ECG、EKG他といった生理的パラメータが患者から取得されることができる。患者からの追加の生理的パラメータの計測にあたって、パッチ酸素濃度計に追加の計測機能を実行させる追加の電極は、ASICに組み込まれてもよく、独立した追加の回路としてパッチの電子部品層に実装されてもよい。
【0011】
無線型の酸素濃度計に関して、パッチに電源を埋め込む代わりに、パッチから遠隔の電源が用いられてもよい。この遠隔電源は、パッチが電源から予め定められたあるいは所定の距離内に入ると、パッチに電力を供給する。この高周波特定(radio frequency identification, RFId)機能を備える実施形態では、アンテナコイルと高周波電力レシーバが酸素濃度計パッチに追加される。その結果、遠隔電源から通信距離内に包帯が入ると、遠隔電源から電力が確保される。この実施形態や、パッチ酸素濃度計のその他の無線型実施形態では、ディスプレイおよび/またはアラームがパッチに設けられる必要はない。
【0012】
本発明は、少なくとも患者の動脈血の酸素飽和度の計測のために患者に取り付け自在な単一片の可撓性パッチすなわち包帯に関する。この使い捨てパッチには光エミッタおよび光検出器が実装される。光エミッタから出力されて患者を通過する光を光検出器が検知すると、少なくとも患者のSpO2に関するデータが取得される。使い捨てパッチには、光エミッタおよび光検出器の制御を実行し、取得されるデータから少なくとも患者のSpO2を算出する電子回路が実装される。パッチには患者に取り外し自在にパッチを取り付ける取り付け機構が設けられる。
【0013】
本発明は、患者に取り付けられるのに適するパッチを備える酸素濃度計に関する。酸素濃度計は、それぞれパッチに実装される光エミッタおよび光検出器を備える。光検出器は、光エミッタから出力されて患者を通過する光を検出する。パッチには、光エミッタおよび光検出器を制御し、光検出器で取得されるデータから患者の動脈血の酸素飽和度を少なくとも算出する電子回路が実装される。パッチには患者に取り外し自在にパッチを取り付ける手段が設けられる。
【0014】
本発明はさらに使い捨て酸素濃度計の製造方法に関する。この製造方法は、a)患者の取り付けに適する可撓性のパッチを取得する工程と、b)前記パッチに光エミッタと光検出器とを実装する工程と、c)前記パッチ上に配置されて光を出力する光エミッタ、および、前記パッチ上に配置されて、前記光エミッタから出力されて患者を通過する光または患者から反射する光を検出し、少なくとも患者の血液の酸素飽和度に関するデータを取得する光検出器を確実に相互に協働させる工程と、d)前記光エミッタおよび前記光検出器の制御を実行し、取得されるデータから少なくとも患者の血液の酸素飽和度を算出する電子回路を前記パッチに実装する工程と、e)患者に取り外し自在に前記パッチを取り付ける手段を前記パッチに設ける工程とを備える。
【0015】
本発明に係る無線型の単一片の使い捨て酸素濃度計は、患者の動脈血の酸素飽和度の計測のために患者への取り付けに適する単一片の使い捨てパッチである。無線型のパッチ酸素濃度計は、パッチに実装される光エミッタと、パッチに実装されて、光エミッタから出力されて患者を通過する光または患者から反射する光を検出し、少なくとも患者の動脈血の酸素飽和度に関するデータを取得する光検出器と、パッチに実装されて光エミッタおよび光検出器の制御を実行し、取得されるデータから患者の動脈血の酸素飽和度を算出する電子回路と、パッチに実装されて、少なくとも算出される動脈血の酸素飽和度または取得される患者のデータを遠隔装置に発信するトランシーバと、パッチに設けられて患者に取り外し自在にパッチを取り付ける取り付け機構とを備える。
【0016】
本発明に係る酸素濃度計はさらに、患者への取り付けに適するパッチと、パッチに実装される光エミッタおよび光検出器と、パッチに実装されて光エミッタおよび光検出器の制御を実行し、光エミッタから出力されて患者を通過する光に基づき光検出器で取得されるデータから少なくとも患者の動脈血の酸素飽和度を算出する電子回路と、パッチに実装されて、患者の動脈血の酸素飽和度を示す信号または光検出器で取得されるデータを遠隔装置に発信するトランシーバと、パッチに設けられて、患者に取り外し自在にパッチを取り付ける手段とを備える。
【0017】
本発明はさらに、患者が敗血性のショック状態にあるか否かを決定する方法に関する。この方法は、a)患者への取り付けに適するパッチである少なくとも2つの酸素濃度計を患者の異なる領域に取り付ける工程を備える。各パッチ酸素濃度計には、光エミッタと、光検出器と、光エミッタおよび光検出器を制御し、光エミッタから出力されて患者を通過する光に基づき光検出器で取得されるデータから患者の動脈血の酸素飽和度を算出する電子回路と、遠隔装置または患者に取り付けられるもう一方の酸素濃度計に向かってパッチから算出される患者の動脈血の酸素飽和度を発信するトランシーバと、患者に取り外し自在にパッチを取り付ける手段とが実装される。前述の方法は、b)患者に取り付けられる各酸素濃度計で計測される患者の血液の各酸素飽和度の間の差異を決定する工程と、c)決定される差異および予め決定される状態を比較し、患者がショック状態にあるか否かを決定する工程とを備える。
【0018】
添付の図面とともに本発明の以下の説明が参照されれば、本発明は明らかにされ、本発明自体は最もよく理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1を参照すると、可撓性を有するパッチ2は細長い一片すなわち包帯の形状を有する。パッチ2には、発光エミッタすなわち光エミッタ4と、センサすなわち光検出器6とが実装される。広く知られるように、光エミッタ4は、異なる周波数の光を個別に出力する複数のLEDから構成される。その結果、光エミッタ4は本質において、患者の体の部分、すなわち、指や鼻ばしら、耳たぶ、ひたい、その他の患者の体の部分に複数の周波数の光を出力することができる。光検出器6は、患者を通過する光を感知すなわち検出する。こうして患者からデータが取得される。
【0020】
パッチ2にはアプリケーションスペシフィック集積回路(ASIC)8が実装される。ASIC8は、可撓性を有する回路基板すなわちチップの形状をとることができる。ASIC8には、光エミッタ4および光検出器6を制御する電子部品や、光検出器6で収集すなわち取得されるデータから少なくとも患者の動脈血の酸素飽和度(SpO2)および患者の心拍数を算出する電子部品が組み込まれる。図1に示されるように、従来のASICチップの製造方法によれば、パルス酸素濃度計の動作に求められる典型的な電子部品はASIC8に形成すなわちまとめられる。これらの電子部品には、プロセッサ10、メモリ12、酸素測定機能を実行するように特殊に設計される電子回路14、光エミッタインターフェース回路16、光検出器インターフェース回路18、ディスプレイドライバ20およびアラームドライバ22が含まれる。ASIC8にまとめられる他の電子部品は単純化のために図示されない。ここで説明される酸素濃度計の実施形態では、ASIC8は薄いチップの形状を有することが前提とされる。薄いチップは、以下に詳述されるように、可撓性を有してもよく、および/または、パッチの特定の層に実装すなわち埋め込まれる。
【0021】
SpO2の分析を実行するアルゴリズムは、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5558096号で説明されるものでもよい。’096特許の開示は本出願に参照文献として組み込まれる。従来の方法で光エミッタ4および光検出器6の制御の実行に必要とされうる他のアルゴリズムすなわちソフトウェアはメモリ12に格納されればよい。さらに、以下に説明される他の部品すなわち電子部品を制御するソフトウェアはメモリ12に格納されればよい。
【0022】
図1に示される酸素濃度計では、パッチ2には、ディスプレイ24、アラーム26、および、バッテリ28の形状を有する電源がさらに実装される。ディスプレイ24には薄膜LCDディスプレイが用いられればよい。その一方で、アラーム26には、パッチ2に実装される独立した電子部品としておそらくまとめられる圧電性の振動子が用いられればよい。本発明の酸素濃度計では、バッテリ28には、パッチが無菌の包装材から取り外されるときに自動的に作動する従来の薄板バッテリすなわち燃料電池バッテリが用いられればよい。パッチが無菌の包装材から取り外されるとき、すなわち、粘着材の台紙が取り外されるときに同様に自動的に作動する化学光源を、ディスプレイ24の照明源として用いてもよい。化学照明源の利用はバッテリの寿命を延ばすことができる。自動的な作動は「オン」スイッチを必要としない。さらに、化学照明源は、自動的に周囲の照明環境を感知して化学照明源の必要性を決定することができる。その結果、自動的な照明が求められない場合にバッテリのパワーを節約することができる。本発明では、化学光源の持続時間はバッテリの寿命を反映するように調整されればよい。
【0023】
図示の目的で、パッチ2には取付領域30、32が区画される。分離された領域として図示されるものの、これらの取付領域は、実際には、パッチの表面で患者に接触して患者にパッチを貼り付ける接着層から形成されればよい。取付領域30、32がベルクロから形成されれば、包帯状のパッチは患者の指や患者の耳たぶ周りに巻き付けられることができる。例えば留め金や締め金といった他のタイプの接着機構が用いられてもよい。図1の実施形態に示されるように、酸素濃度計パッチが患者の指や耳たぶ、鼻ばしら周りに巻き付けられる場合、光エミッタ4および光検出器6は配置すなわち特定の方向に指向されて送受信モードで協働する。酸素濃度計パッチの異なる層に関する詳細な説明は図12の説明とともに以下に示される。
【0024】
図2は図1に示される構成要素と同一の構成要素を有する。図2に示されるそれら同一の構成要素には、他の図面で言及される同一の構成要素と同様に、同一の参照符号が付される。図2に示されるパッチ酸素濃度計と図1に示されるパッチ酸素濃度計との間の1つの違いはパッチ上の光エミッタ4および光検出器6の配置である。図示されるように、光エミッタ4および光検出器6は、パッチ上で境界を明確にしつつ相互に近接して実装される。その結果、パッチ酸素濃度計は反射的に患者のSpO2を計測することができる。こうして、図2に示される反射モードのパッチ酸素濃度計は、患者のひたいや、患者の他の実質的に平たい皮膚の表面に好適に貼り付けられることができる。
【0025】
図3は本発明の他の実施形態を示す。この実施形態に係るパッチ酸素濃度計は、前述の実施形態に係るすべての構成要素を有することに加えて、無線型のパッチ酸素濃度計として自らを駆動する電子部品をさらに備える。特に、トランスミッタもしくはトランシーバ34がパッチの電子部品層に追加される。トランシーバ34に結合されるアンテナ36に基づき提供される手段によれば、信号はパッチ酸素濃度計に送信され、および/または、酸素濃度計から信号が送信されることができる。トランシーバ34の制御に必要とされる付加的機能の提供にあたって、送受信回路38といった電子部品が、ASIC8とは別の回路として、または、ASIC8にまとめられる回路として、パッチの電子部品層に追加される。トランシーバ34の機能とトランシーバ34に密接に関連する送受信回路38の機能とに関する説明は譲受人の米国特許第6731962号に開示される。この開示は本出願に参照文献として組み込まれる。
【0026】
トランシーバ34がパッチ酸素濃度計に組み込まれると、パッチ酸素濃度計は、遠隔装置に情報を送信することができるだけでなく、同様に遠隔装置から情報を受信することができる。例えばパッチ酸素濃度計が通常は休止状態であれば、パッチ酸素濃度計を起動してその監視または計測を開始させる遠隔装置からの信号に基づきパッチ酸素濃度計は起動することができる。他の例として、パッチ酸素濃度計の最後の送信が遠隔装置に正確に受信されなかった場合、遠隔装置はパッチ酸素濃度計にデータの再送信を要求することができる。
【0027】
無線型のパッチ酸素濃度計の実施形態に係る光エミッタ4および光検出器6は送受信モードで作動するように配置されるものの、無線型のパッチ酸素濃度計は、図2の実施形態で示される光エミッタ4および光検出器6のそれぞれの位置を単に再配置すれば反射モードで同様に作動することは言うまでもない。
【0028】
無線機能に基づき、図3のパッチ酸素濃度計は、少なくとも算出される患者のSpO2を遠隔装置に送信することができる。遠隔装置には、例えば遠隔装置で患者のSpO2を表示および/または記録するために、例えば無線周波数リンクを有する無線周波数送信機といった最適な通信トランシーバを備える譲受人の生命徴候モニタといったモニタシステムが含まれる。トランシーバ34がパッチ酸素濃度計に組み込まれると、光検出器6、または、パッチ酸素濃度計に追加される後述の電極で取得される情報すなわちデータは、同種の無線酸素濃度計に送信されることができる。その結果、多数の無線型のパッチ酸素濃度計同士の間で小規模な通信ネットワークが確立されて、医師は患者の様々な生理的パラメータを綿密に監視することができる。こうした監視は図15の説明とともに以下に詳細に説明される。
【0029】
図4は本発明の他の実施形態を示す。この実施形態では、バッテリ電源がパッチ酸素濃度計から取り除かれる。その代わりに、パッチ酸素濃度計の電力はアンテナ40およびコイル42の結合に基づき遠隔で確保される。コイル42は、パッチ酸素濃度計に遠隔の電源から電力を受け取らせることができる部品であることから、アンテナ40は任意である。遠隔で電力を取得する機能を提供するために求められる電子部品は、遠隔電源回路44を介してパッチに追加される。遠隔での電力の取得の制御は、商品の識別に用いられている従来のRFID(radio frequency identification)技術と同種である。こうしたRFID技術の利用の一例では、小型化された電子回路ラベルが例えば商品に貼り付けられて、商品が売られる際に商品が識別されることができる。消費者がその商品について偶然に支払いを済ませていない場合、商品がレジスターを通過して店の外に持ち出されたとき、アラームが反応する。アラームの反応を制御する電子回路は遠隔電源から電力を確保する。図4に示されるパッチ酸素濃度計の実施形態の制御に必要とされる電力が少なくとも2倍に増大して、十分なレベルの電力が光エミッタ4の制御に供給されるといった条件付きで、同じシナリオが図4の無線型のパッチ酸素濃度計に当てはめられる。
【0030】
図4の実施形態では、ディスプレイ24およびアラーム26はそのまま残るものの、これらの部品は必ずしも必要とされない。特に、例えば睡眠時無呼吸を含む睡眠の研究に関わる場合に患者がパッチ酸素濃度計を着用するとき、患者はディスプレイを見る必要がない。患者からの示度は遠隔モニタに遠隔で表示される。ディスプレイおよびアラームといった部品、および、それらの個別のドライバを含まないパッチ酸素濃度計が、図5に示される。前述のように、開示されるすべての実施形態では、図にどのように光エミッタ4および光検出器6が配置されていようとも、パッチ酸素濃度計は送受信モードおよび反射モードの両方での作動に適する。
【0031】
本発明の他の側面は、図6に示される細長い一片すなわち包帯のブロック図に示される。図示されるように、図6の使い捨てパッチ酸素濃度計には2つの電極44、46、および、それらそれぞれのインターフェース回路44a、44bが追加される。2つのインターフェース回路44a、46aはASIC8に組み込まれてもよいし、あるいは他の電子部品としてパッチ2の電子部品層に独立して実装されてもよい。電極回路48に代表される追加の電子部品はASIC8に組み込まれるか、または、独立した部品としてパッチ2の電子部品層に実装される。いずれの場合でも、電極44、46は従来の生体電気電極から構成され(例えば銀−銀塩化物、あるいは予め固められた電極に限られず)、相互に離れて配置されるとき(または同一中心で形成されるとき)、電極44、46は例えばEKG、ECGといった患者の追加の生理的パラメータを計測することができる。EKGおよびECGは心臓の電気刺激に関連する生理的パラメータとして広く知られる。生体電気の発生を計測する電極の追加に基づき、ECG QRS複合種と患者の体積記録器の波形との時間差が決定される。体積記録器の波形は侵襲性の血圧(NIPB)に相互に関連する。
【0032】
患者の脈拍、心拍数およびSpO2を含む前述の生理的パラメータに加えて、温度プローブといった形状の電極すなわちセンサが最適な電極とともにパッチにさらに追加される。温度プローブは患者の体温を計測する。こうして、図6のパッチ酸素濃度計では、SpO2および心拍数に加えて、温度や侵襲性の血圧(NIPB)といった他種の生理的パラメータが継続的に監視されて情報として取得される。
【0033】
図7は、パッチ上における光エミッタ4および光検出器6の配置と同様に、電極44、46の異なる配置を示すブロック図である。こうした配置は、反射モードで、患者のひたいまたは患者の他の実質的に平らな面から患者のSpO2が取得される場合に用いられる。
【0034】
図8は、ECG電極44、46と、電極に基づき計測されるデータを取得する電極回路48とを備える無線型のパッチ酸素濃度計を示す。図8の実施形態では、SpO2と、少なくともSpO2の算出用に光検出器6で収集されるデータとに加えて、電極44、46で収集される患者の他の生理的パラメータに関するデータが、前述の表示および/または記録用の生命徴候モニタといった遠隔装置に同様に送信されてもよい。通信回路38および電極回路48は別々に図示されるものの、これらの回路は、パッチ2の電子部品層に実装されるASIC8のメインの電子回路14に組み込まれてもよい。
【0035】
図9は、SpO2、心拍数および他の生理的パラメータを患者から測定する本発明に係る無線型のパッチ酸素濃度計の実施形態に係るブロック図を示す。図9の実施形態は図4の実施形態に類似する。この実施形態では、パッチ酸素濃度計が遠隔電源から所定の距離内に配置されると、遠隔電源からパッチ酸素濃度計の制御用の電力が取得される。こうして、図9のパッチ酸素濃度計では、図4および図5で説明される遠隔電力接近タイプのパッチ酸素濃度計と同様に、患者に取り付けられるパッチ酸素濃度計は、遠隔電源から所定の距離内に患者が入るまで、すなわち、例えば回路14といった電子回路が、その他の電子回路のそれぞれの機能の実行および光エミッタ4への電力の供給を始動させるまで、始動しない。遠隔電源から十分な電力が取得されると、患者はディスプレイ24を介して、ECGおよび強度棒グラフと同様に、SpO2および心拍数を見ることができる。アラーム26および/またはディスプレイ24を作動させたり、非作動にしたりするために、パッチの最上層に図示されないメンブレンスイッチが設けられてもよい。
【0036】
図10は、ディスプレイおよびアラームを有しない図9のパッチ酸素濃度計を示す。この無線型の酸素濃度計/電極の結合パッチは、例えば患者の睡眠時に患者の様々な生理的パラメータを計測する前述の睡眠時無呼吸の研究の場合といった、表示の観察やアラームの確認を患者に必要としない場合に用いられる。
【0037】
図11は、本発明に係る包帯状のパッチ酸素濃度計を示す。図示されるように、包帯のディスプレイ24は患者の心拍数およびSpO2の両方を示す。
【0038】
図12は、本発明に係る酸素濃度計のパッチの様々な層を示す断面図である。図2に示される様々な層は一定の比率またはそれぞれの厚みに比例して描かれていない。図示されるように、台紙シート50上に患者に接触する層52は粘着層である。前述のように、この粘着層は、ベルクロおよび留め金といった適切な取り付け機構で代用されることができる。いずれの場合でも、台紙すなわち紙50の働きで外部に粘着層52の露出は回避される。粘着層52上には患者に快適性を提供し患者の動きを相殺するフォーム層54が形成される。フォーム層54上には保護層56が形成される。保護層56は、水分を遮断し、電気的に絶縁層として機能するプラスチックシートやポリイミドシートから形成されればよい。
【0039】
保護層58およびもう1つの保護層58の間には電子部品層60が形成される。電子部品層60には、前述のASICおよび他の回路を含む様々な電子部品が埋め込まれまたは実装される。様々な部品および/またはASICと光エミッタ4および光検出器6との電気的接続はそれぞれに直接的に接触する電子部品層60で実現される。光エミッタ4および光検出器6はそれぞれ電子部品層60から突き出て粘着層52と同一平面まで延びるか粘着層52より僅かに上方まで延びる。任意の電極44、46は同様に電子品層60から突き出て粘着層52まで延びる。これらは粘着層52と同一平面まで延びるものの、さらに効率的な動作にあたって、電極は、粘着層52を僅かに超えて延びてもよく、予め固められればよい。いずれの場合でも、光エミッタ4、光検出器6および電極44、46のそれぞれの接触面は台紙50で保護される。
【0040】
前述のように、電子部品層は2つの保護層56、58で挟み込まれる。図12に示されるように、ディスプレイ24は電子部品層60から突き出て保護層58の上面と同一平面まで延びる。代替構成として、ディスプレイ24は電子部品層60内に実装されてもよく、このとき、保護層56と同様に保護層58が透明なプラスチック製で水分を遮断して電気的に絶縁性を有すれば、パッチの外向き面からディスプレイは露出することができる。任意のスイッチ60は保護層58の一部を構成するか、または、電子部品層60に埋め込まれればよい。保護層58上には保護薄膜層62が形成される。保護薄膜層62にはグラフィックが印刷されてもよく、透明な窓領域が形成されてもよい。こうして、図11に示されるように、ディスプレイ24を見ることができる。保護薄膜層62上に適切なグラフィックが印刷される場合、任意のスイッチ60が形成されると、患者はこれらの部品の制御を始動させるか否かにあたってどのスイッチを押すべきかを容易に決定することができ、治療奉仕者/患者は、図12のパッチ層に示されない例えば任意のディスプレイ24および/またはアラーム26を制御することができる。
【0041】
図13は本発明に係るパッチ酸素濃度計の包装材を示す。パッチ2は包装材63内に収容される。包装材63は、透明な上側ラップ64および下側ラップ66を備える。下側ラップ66は図12に示される台紙50である。バッテリ28が亜鉛/空気化学を用いて動作する燃料電池タイプのバッテリである場合、台紙50が剥がされると、台紙50はバッテリ28を始動させる追加の機能を有する。こうしたバッテリは、空気を通さない環境に配置されると非動作状態におかれる。しかしながら、例えば台紙50といったシートがパッチから剥がされるとすぐにバッテリは空気との接触に基づき始動する。この特徴は、パッチ酸素濃度計を長期間にわたって収容しておくことができるといった点で有利である。バッテリは、例えば8〜10時間といった適切な時間にわたってパッチ酸素濃度計を動作させるのに十分な電力を有する必要がある。バッテリ28には、バッテリが光にさらされると電力が供給される光起電タイプのバッテリが用いられてもよい。光起電タイプのバッテリが用いられる場合、薄膜保護層62に設けられる透明な窓を介して光起電セルに光が到達するように、バッテリはパッチ上に配置される。粘着層から台紙50がはがされると、空気または光にふれると化学反応を引き起こす前述の化学光源が起動する。
【0042】
図14は、本発明のパッチ酸素濃度計の無線型の実施形態に係る通信機能を示す。(非自己電源の無線型のパッチ酸素濃度計の場合)パッチ酸素濃度計2が遠隔電源68から所定の距離内に配置されると、パッチ酸素濃度計2は遠隔電源68から電力を受け取る。その後、パッチ酸素濃度計2は患者から収集されるデータおよび/または算出されるSpO2を後述の受信機72を介してモニタシステム70に発信する。パッチ酸素濃度計2からモニタシステムへのデータの発信は、参照文献として組み込まれる’962特許と同様に制御される。’962特許では、酸素濃度計からモニタシステム70にデータパケットを送信する際にRFリンクが使用され、モニタシステム70でパケットが元に戻される。
【0043】
図15は、本発明に係る無線型の酸素濃度計パッチを複数使用する場合を示す。この実施形態では、患者がショック状態にあるか否かを医療従事者に知らせるために酸素濃度計パッチは遠隔装置に情報を発信する。図示されるように、パッチ酸素濃度計2は患者74のひたいに取り付けられる。もう1つのパッチ酸素濃度計2’は患者の四肢すなわち指に取り付けられる。それぞれの位置で各パッチ酸素濃度計が患者のSpO2を計測すると、患者のひたいおよび四肢で血液の潅流率がそれぞれ計測され、計測間の差異が特定される。人が例えば循環血液量減少性ショックといったショック状態に陥る場合、患者の四肢では脳に先立って血液の潅流が停止する傾向にあることから、こうした計測は特に重要である。こうして患者の四肢およびひたいの間で潅流の計測の差異が比較されることによって、患者が今にもショック状態に陥りそうであるか、または、潜在的な出血に基づきショック状態に陥っているかが決定されることができる。本発明に係るパッチ酸素濃度計では、患者の体温や他の生理的パラメータの計測に適する最適な電極が追加されれば、敗血性や心臓収縮性のショック状態が計測されることができる。知られるように、潅流は慣習的に、ピークからピークまでの赤い送信信号とピークからピークまでの赤外線の送信信号との比率として算出される指標で表される。例えば米国特許公開第2003/0236452号明細書を参照されたい。この明細書の開示はここに参照文献として組み込まれる。
【0044】
患者がショック状態にあるか、またはショック状態の始まりにいるかを決定する方法を示すフロー図は図16のフローチャートで提供される。特に、患者のショック状態を決定する工程は、本発明に係る複数のパッチ酸素濃度計を患者に取り付けるステップ76から始まる。ステップ78で酸素濃度計から潅流の測定値が取得される。ステップ80で、例えば患者のひたいおよび四肢で計測値間の潅流の差異があるか否かが特定される。差異がある場合、この差異が所定の状態範囲、例えば、患者が問題ない状態にあるか、ショック状態の始まりにあるか、すでにショック状態にあるか否かで基準とされる既定の1〜10の範囲と比較される。典型の1〜10の目盛りでは、1〜4は正常状態に対応し、5〜8はショック状態の始まりに対応し、9〜10は患者のショック状態に対応する。計測された潅流の差異と既定の目盛りとの比較はステップ84、86で実施される。計測された潅流の差異がショック状態の範囲にある場合、ステップ88でショックステータスが発信される。その一方で、計測された差異がショック状態の始まりにある場合、ステップ90でこうした瀬戸際のステータスが発信される。患者が安定していてショック状態にない場合、工程は監視段階に復帰し、本発明に係る酸素濃度計が取り付けられる患者の少なくとも2つの部位の間で計測値の差異が継続的に監視され算出される。本発明に係るパッチ酸素濃度計の異なる実施形態では一度使用されたパッチ酸素濃度計は処分される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る酸素濃度計パッチすなわち包帯のブロック図であり、光エミッタおよび光検出器がパッチ上に配置されて送受信モードで作動し、パッチが患者の指や患者の耳たぶ周りに巻き付けられる際に患者の動脈血の酸素飽和度を計測する。
【図2】本発明に係るパッチ酸素濃度計のブロック図であり、パッチに実装される時の光検出器および光エミッタの指向配置方向は、パッチが患者のひたいや患者の他の実質的に平たい面に粘着的に取り付けられた状態で酸素濃度計が反射モードで動作するのに適するようなものとなっている。
【図3】本発明に係るパッチ酸素濃度計のブロック図であり、パッチに追加される発信機またはトランシーバ、および、これらを作動させる適切な部品に基づきパッチ酸素濃度計は遠隔装置と無線で通信することができる。
【図4】無線型のパッチ酸素濃度計のブロック図であり、パッチ上に電源は設けられず、パッチに追加されるアンテナおよびコイルに基づき遠隔電源から供給される電力が回収され利用される。
【図5】図4に示される無線型のパッチ酸素濃度計の他の実施形態であり、ディスプレイ、アラームおよびそれぞれのドライバがパッチから取り除かれる。
【図6】パッチ酸素濃度計のブロック図であり、パッチに追加される少なくとも2つの電極に基づき、パッチ酸素濃度計は、送受信モードで、SpO2に加えて少なくとも1つの他の生理的パラメータを患者から取得することができる。
【図7】図6に示されるものと同一のパッチ酸素濃度計を示すブロック図であり、反射モードで動作するように光エミッタおよび光検出器が方向付けて配置される。
【図8】患者の追加の生理的パラメータを取得するために電極が形成される無線型のパッチ酸素濃度計のブロック図である。
【図9】パッチに実装されて遠隔電源から電力の供給を受ける電極を備える無線型のパッチ酸素濃度計のブロック図である。
【図10】図9に示される酸素濃度計パッチのブロック図であり、ディスプレイおよびアラームが取り除かれる。
【図11】本発明に係る典型的なパッチ酸素濃度計の平面図である。
【図12】本発明に係るパッチ酸素濃度計のパッチすなわち包帯片の様々な層を示す断面図である。
【図13】本発明に係る使い捨てパッチ酸素濃度計の典型的な無菌包装材と、無菌包装材から酸素濃度計が取り出される様子とを示す。
【図14】遠隔監視装置と通信する本発明に係るパッチ酸素濃度計の単純化された図である。
【図15】患者の異なる領域に取り付けられて、患者がショック状態にあるか否かの指標である患者のSpO2または灌流の差異の計測値を遠隔監視システムに提供する本発明に係る複数のパッチ酸素濃度計を単純化して示す図である。
【図16】図15に示される患者がショック状態にあるか否かを特定する工程を示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者への取り付けに適し、少なくとも患者の血液の酸素飽和度を計測する単一片の使い捨てパッチであって、
前記パッチに実装される光エミッタと、
前記パッチに実装されて、前記光エミッタから出力されて患者を通過する光または患者から反射する光を検知して、少なくとも患者の血液の酸素飽和度に関するデータを取得する光検出器と、
前記パッチに実装されて、前記光エミッタおよび前記光検出器の制御を実行し、取得されるデータから少なくとも患者の血液の酸素飽和度を算出する電子回路と、
前記パッチに実装されて、少なくとも患者の血液の算出される酸素飽和度を遠隔装置に発信するトランシーバと、
前記パッチに設けられて、患者に取り外し自在に前記パッチを取り付ける取り付け機構とを備えることを特徴とするパッチ。
【請求項2】
請求項1に記載のパッチにおいて、当該パッチに実装されて、算出される患者の血液の酸素飽和度を少なくとも表示するディスプレイをさらに備えることを特徴とするパッチ。
【請求項3】
請求項1に記載のパッチにおいて、前記電子回路は、前記パッチに一体的に実装されるASICを備えることを特徴とするパッチ。
【請求項4】
請求項1に記載のパッチにおいて、前記パッチに実装されて、前記電子回路、前記トランシーバおよび前記光エミッタに電力を供給する電源をさらに備えることを特徴とするパッチ。
【請求項5】
請求項1に記載のパッチにおいて、少なくとも前記電子回路は、前記パッチから所定の距離内に離れた電源から電力を受け取ることを特徴とするパッチ。
【請求項6】
請求項1に記載のパッチにおいて、前記パッチは、少なくとも患者の指または患者の耳たぶ周りに巻き付けられるのに適する包帯を備えることを特徴とするパッチ。
【請求項7】
請求項1に記載のパッチにおいて、前記パッチは、患者のひたいまたは患者の他の実質的に平たい面への接着に適する包帯を備えることを特徴とするパッチ。
【請求項8】
請求項1に記載のパッチにおいて、前記パッチに実装される少なくとも2つの電極と、前記パッチに実装または前記電子回路に一体化されて前記電極の制御を実行し、少なくとも患者の1つの他の生理的パラメータを計測する追加の電子部品とをさらに備えることを特徴とするパッチ。
【請求項9】
患者への取り付けに適するパッチと、前記パッチに実装される光エミッタと、前記パッチに実装されて、前記光エミッタから出力されて患者を通過する光または患者から反射する光を検出し、少なくとも患者の血液の酸素飽和度に関するデータを取得する光検出器と、前記パッチに実装されて前記光エミッタおよび前記光検出器の制御を実行し、取得されるデータから少なくとも患者の血液の酸素飽和度を算出する電子回路と、前記パッチに実装されて、少なくとも血液の酸素飽和度で代表される信号または患者から取得されるデータを遠隔装置に発信するトランシーバと、前記パッチに設けられて、患者に前記パッチを取り外し自在に取り付ける手段とを備えることを特徴とする酸素濃度計。
【請求項10】
請求項9に記載の酸素濃度計において、前記パッチに実装されて、前記電子回路、前記トランシーバおよび前記光エミッタに電力を供給する電源をさらに備えることを特徴とする酸素濃度計。
【請求項11】
請求項9に記載の酸素濃度計において、少なくとも前記電子回路は前記酸素濃度計から離れた電源から電力を受け取り、前記遠隔電源に対して所定の距離内に電子回路が配置されると、前記酸素濃度計は前記遠隔電源から電力を取得して少なくとも前記電子回路を制御することを特徴とする酸素濃度計。
【請求項13】
請求項9に記載の酸素濃度計において、前記遠隔装置は、請求項9で請求される他の酸素濃度計を備えることを特徴とする酸素濃度計。
【請求項14】
請求項9に記載の酸素濃度計において、前記遠隔装置は、少なくとも患者の血液の酸素飽和度を監視するモニタを備えることを特徴とする酸素濃度計。
【請求項15】
請求項9に記載の酸素濃度計において、当該酸素濃度計に実装されて、算出された患者の血液の酸素飽和度を少なくとも表示するディスプレイをさらに備えることを特徴とする酸素濃度計。
【請求項16】
請求項9に記載の酸素濃度計において、前記パッチに実装される少なくとも2つの電極と、前記パッチに実装または前記電子回路に一体化されて前記電極の制御を実行し、少なくとも患者の1つの他の生理的パラメータを計測する追加の電子部品とをさらに備えることを特徴とする酸素濃度計。
【請求項17】
請求項9に記載の酸素濃度計において、前記パッチは、患者のひたいへの取り付け、または、患者の指周りへの巻き付けに適する包帯を備えることを特徴とする酸素濃度計。
【請求項18】
患者がショック状態にあるか否かを決定する方法であって、
a)患者への取り付けに適するパッチと、前記パッチに実装される光エミッタと、前記パッチに実装されて、前記光エミッタから出力されて患者を通過する光または患者から反射する光を検知して各酸素濃度計が取り付けられる患者の部位で少なくとも患者の血液の灌流率に関するデータを取得する光検出器と、前記パッチに実装されて前記光エミッタおよび前記光検出器の制御を実行し、取得されるデータから少なくとも患者の部位の血液の灌流率を算出する電子部品と、前記パッチに実装されて、前記パッチが遠隔装置または患者に取り付けられる他の酸素濃度計と通信することを可能にするトランシーバと、前記パッチに設けられて、患者にパッチを取り外し自在に取り付ける手段とをそれぞれ備える少なくとも2つの酸素濃度計を患者の異なる領域に取り付ける工程と、
b)患者の異なる領域に取り付けられる少なくとも2つの酸素濃度計で計測される患者の血液の灌流率の差異を特定する工程と、
c)特定される差異と予め特定される状態とを比較して患者がショック状態にあるか否かを決定する工程とを備えることを備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、前記工程は、患者のひたいに一方の酸素濃度計を取り付ける工程と、患者の四肢に他方の酸素濃度計を取り付ける工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法において、
2つの酸素濃度計から遠隔ホスト装置または2つの酸素濃度計のいずれか一方に送信される患者の血液の灌流率を受け取る工程と、
少なくとも2つの酸素濃度計で計測される血液の灌流率の差異から、患者がショック状態の始まりにあるか否か、または、患者がショック状態にあるか否かを特定する工程とをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法において、前記電子回路および前記光エミッタに電力を供給する電源を前記パッチに実装する工程をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項18に記載の方法において、
酸素濃度計から離れた電源を確立する工程と、
前記各酸素濃度計が前記遠隔電源から所定の距離内に到達すると、前記遠隔電源から前記酸素濃度計のそれぞれの少なくとも電子回路に電力を供給する工程とをさらに備えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2009−513243(P2009−513243A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537733(P2008−537733)
【出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/039355
【国際公開番号】WO2007/050268
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(502034224)スミスズ メディカル ピーエム インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】