使い捨て擦り落とし製品
本発明は、家庭内清掃又はパーソナルケア用途に用いるための使い捨て擦り落とし製品を開示するものである。一実施形態においては、本発明は、ハンドルと、本発明の擦り落とし製品が取付けられて便利な清掃具を形成する剛性のベースを含む清掃具に向けられている。本発明の擦り落とし製品は、多層ラミネート製品であり、通常は、少なくとも2つの別個の層、すなわち研磨性層(32)と、製紙繊維から形成されたティシュー層、コフォーム層、空気堆積ウェブ、又はこれらの組み合わせといった吸収体繊維層(34)とを含む。研磨性層(32)は、主に、メルトブローン又はスパンボンド法で堆積される繊維においては典型的なように無秩序に又は不規則に分布されて開放多孔性構造を形成するポリマー繊維から形成される。一実施形態においては、研磨性層(32)は、多フィラメント集合繊維を含む。一実施形態においては、吸収体繊維(34)層は、非クレープ加工通気乾燥紙ウェブである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
多くの清掃及びパーソナルケア作業のために、研磨性擦り落としパッドが一般的に用いられる。一般に、擦り落としパッドは、天然素材の又は人造の研磨性材料を含む。これまで一般的に用いられた典型的な研磨性材料の例は、軽石、ヘチマ、スチールウール、及び多様なプラスチック材料を含む。非吸収性研磨性材料は、これらの製品においては、吸収体スポンジ状裏あて材と組み合わされる場合が多い。例えば、研磨性材料は、天然スポンジ、再生セルロース又はその他の形式の吸収性発泡体製品の吸収体層も含む多層製品上に層を形成する場合が多い。
これらの擦り落としパッドは、高価なものとなって、使い捨て又は使い切り製品には適さないものとなりがちである。しかしながら、製品の用途の性質により、製品は、たったの1回ないしは2回の使用後に、泥、グリース、バクテリア、その他の汚染物質で汚れることがある。したがって、消費者は、汚れていない清掃パッドを使用しているとはっきり認識するために、これらの高価な擦り落としパッドを非常に頻繁に取替えなければならない。
【背景技術】
【0002】
これまで、研磨性清掃物品の例が説明されている。例えば、国際公開出願番号WO02/41748号、米国特許第5,213,588号、及び米国特許第6,013,349号を参照されたい。
本発明は、過去の擦り落としパッドにおいて直面するこれらの及び他の問題に対処するものであって、多様な研磨性レベルを与えることができ、薄く、快適で、持ちやすくすることができ、良好な吸収性をもち、過去の研磨性清掃物品においてはこれまで与えられなかった利点を与えることができる使い捨て擦り落としパッドに向けられている。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、家庭内清掃又はパーソナルケア用途、並びに工業的清掃その他の用途に用いるための使い捨て擦り落とし製品に向けられている。一実施形態においては、本発明は、本発明の擦り落とし製品を取り外し可能に取り付けて、便利な清掃具を形成することができるハンドル及び剛性のベースを含む清掃具に向けられている。
本発明の擦り落とし製品は、多層製品であり、一般に、少なくとも2つの個別の層、すなわち研磨性層と、製紙繊維からなるティシュー層、コフォーム層、空気堆積ウェブ又はこれらの組み合わせ、もしくは他の公知のセルロースウェブといった吸収性繊維層を含む。研磨性層は、メルトブローン又はスパンボンド法で堆積された繊維においては典型的なように、無秩序に又は不規則に分布された主として粗目ポリマー繊維から形成される。一実施形態においては、研磨性層は、メルトブローン工程又は他の繊維形成工程の間に複数のポリマー・ストランド(すなわち該工程によって製造された個々の繊維)を部分的に融合させて、一体化された繊維状のほぼ非円形の構造を形成することによって形成された多フィラメント集合繊維を含み、該構造においては、実質的に平行なポリマーフィラメントが、それらの側部に沿って接合される。こうした多フィラメント集合体は、メルトブローン法又はスパンボンド法において通常得られる個々のストランドより非常に大きい有効直径を有することができ、複雑な断面形状は、従来の円形繊維において達成されるより高い研磨性を与えるのに一層適しており、有効な清掃及び研磨性に寄与することができる。
【0004】
研磨性層のポリマー繊維は、通常は、開放された多孔性構造を形成する。例えば、研磨性層内の開放気孔スペースは、研磨性層の全体積の約10%以上、特に約50%以上、より特定的には約60%以上とすることができる。さらに、研磨性層の表面積(すなわち、研磨性層の表面によって定められる全面積)の多くの割合は、下にある吸収体層を見ることができる開口部によって占められる。例えば、研磨性層の表面積(上から見た平面において見られる面積)の約10%又はそれ以上、特に約20%又はそれ以上、より特定的には約40%又はそれ以上、最も特定的には約55%又はそれ以上が、下にある吸収体層を見ることができる開口部によって占められる。擦り落とし製品の吸収体層は、例えば、紙ウェブを含むことができ、吸収体層は、非クレープ加工通気乾燥紙ウェブを含むことができる。
【0005】
研磨性層は、メルトブローン法又はスパンボンド法での繊維形成に適した合成熱可塑性ポリマーといったポリマー材料から形成することができる。また、熱硬化性ポリマー、並びに光硬化可能ポリマーその他の硬化可能ポリマーを用いることもできる。一実施形態においては、繊維は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ナイロン、ポリアミド、又は他の適切なコポリマーといった熱可塑性ポリマーから形成することができる。1つの特定の実施形態においては、研磨性繊維は、ポリプロピレンから形成することができる。随意的には、繊維は、二成分又は多成分繊維とすることができる。必要であれば、研磨性層は、2つ又はそれ以上の異なる形式の研磨性繊維から形成することができる。例えば、研磨性層は、層の全体にわたって不均一に互いに混合された異なるタイプの繊維を含むことができる。或いは、研磨性層は、研磨性層の断面にわたるサブ層といったより均質な形で堆積された異なるタイプの繊維を含むことができる。一実施形態においては、研磨性層のポリマー繊維は、実質的に可塑剤を含まず、或いは、33重量パーセント又はそれ以下、より特定的には約20重量パーセント又はそれ以下、さらに特定的には約10重量パーセント又はそれ以下、最も特定的には約3重量パーセント又はそれ以下の可塑剤を有することができる。ポリマー繊維における主要なポリマーは、以下のいずれかの分子量、すなわち、約100,000又はそれ以上、約500,000又はそれ以上、約1,000,000又はそれ以上、約3,000,000又はそれ以上、及び約5,000,000又はそれ以上の分子量を有することができる。
【0006】
一般に、研磨性層中の熱可塑性ポリマー繊維の平均直径は、約30ミクロンより大きいものとされる。より具体的には、熱可塑性繊維の平均直径は、約40ミクロンから600ミクロン、より具体的には約50ミクロンから400ミクロン、さらに具体的には約60ミクロンから300ミクロン、最も具体的には約70ミクロンから約250ミクロンといった、約40ミクロンから約800ミクロンまでの間とすることができる。こうした繊維は、従来のメルトブローン・ウェブの繊維より実質的に粗く、追加された粗さは、通常は、ウェブの研磨性特性を増加させる一助となる。既に指定された平均繊維直径の値はまた、以下でより十分に説明される非円形の多フィラメント集合体の幅のことをいう。例えば、それらの側部に沿って融合された2つ又はそれ以上のポリマー・ストランドの多フィラメント集合体は、約50ミクロンから約800ミクロンの幅、又はその他の既に指定された範囲といった、個々の非融合ストランドの幅の2倍に近い又はそれより大きい幅を有することができる。さらに、多フィラメント集合体においては、約100ミクロン又はそれ以上、約250ミクロン又はそれ以上、約400ミクロン又はそれ以上、約600ミクロン又はそれ以上、及び約800ミクロン又はそれ以上の幅といった他の幅を達成することができる。
【0007】
擦り落としパッドの研磨性層においては、研磨性層のポリマー繊維はまた、約1cmより長く、具体的には約2cmより長くすることができる。
研磨性層の研磨性特性に他の因子が寄与することもある。粗目であることに加えて、研磨性層の繊維は、約1000MPa又はそれ以上、具体的には約2000MPa又はそれ以上、より具体的には約3000MPa又はそれ以上、最も特定的には約5000MPa又はそれ以上といった、ポリプロピレンの弾性係数にほぼ等しい又はそれより大きい弾性係数といった高い弾性係数を有することができる。一例として、フェノールプラスチックは、約8000MPaの弾性係数を有することができ、15%ガラス繊維で強化されたポリアミド(ナイロン6,6)は、4400MPaの報告された弾性係数を有する(一方、ガラス強化されていない場合の弾性係数は約1800MPaである)。
或るポリマーグループにおいては、融点の上昇は、研磨性特性の改善と関連がある。したがって、一実施形態においては、研磨性繊維は、以下の範囲、すなわち、約120℃から約350℃、約150℃から約250℃、又は約160℃から約210℃といった範囲によって例示される約140℃又はそれ以上、約160℃又はそれ以上、約170℃又はそれ以上、約180℃又はそれ以上、或いは約200℃又はそれ以上といった120℃より高い融点を有することができる。
【0008】
或る実施形態においては、比較的高い粘度又は低い溶融流速を有するポリマーは、有効な清掃のための粗目ウェブを製造するのに有用である。ポリマーの溶融流速は、ASTM D1238に従って計測される。メルトブロー作業に典型的に用いられるポリマーは、約1000g/10分又はそれ以上の溶融流速を有することができ、本発明の或る実施形態においては、研磨性層を製造するのに用いられるポリマーは、ASTM D1238によれば、3000g/10分又は2000g/10分より小さい、例えば、約1000g/10分より小さい、又は約500g/10分より小さい、具体的には200g/10分より小さい、より具体的には100g/10分より小さい、最も具体的には、約15g/10分から約250g/10分、又は約20g/10分から約400g/10分といった80g/10分より小さい溶融流速を有することができる。
研磨性層の研磨性はさらに、研磨性層の形状によってさらに増強させることができる。例えば、研磨性層は、不均一な坪量、不均一な厚さ、又はテクスチャ化された湿式堆積ティシュー・ウェブのような下にある繊維性ウェブの立体形状に起因する複数の凹凸領域を有することができる。凹凸領域は、機械方向又は横方向といった少なくとも一方向に実質的に周期的に間隔を置いて配置され、約2mm又はそれ以上、より具体的には約4mm又はそれ以上の特徴的な波長と、少なくとも0.3mm又はそれ以上、より具体的には約0.6mm又はそれ以上、さらに具体的には約1mm又はそれ以上、最も具体的には約1.2mm又はそれ以上の、凸領域と凹領域との間の特徴的な高さの差を有する。
【0009】
一実施形態においては、研磨性層は、本質的にメルトブローン又はスパンボンドポリマー繊維と、随意的な接着剤又は他の結合手段とからなる。別の実施形態においては、研磨性層は、スクリムではないか、又はスクリムを含まない。関連する実施形態においては、研磨性層は、表面上に規則正しく直線的に配置された繊維又はポリマーラブ(例えば、少なくとも3cm又はそれ以上延びる1つ又はそれ以上の平行なリブの組を有する規則正しいパターンに押出され又は成形されたポリマーラブ)を実質的にもたない。
或る実施形態においては、研磨性層は、ティシュー層上に直接形成されることができ、又は先ず形成され、次いで接着剤手段、熱結合などによってティシューに接合されることができる。研磨性層が最初に形成されるときには、適切な立体表面上に形成し、又は成形することによって、立体形状をもつようにされる。例えば、メルトブローン・ウェブは、粗目キャリアワイヤ上に形成することができる。メルトブローン繊維がワイヤに当たるときに、依然として溶融しているか又は部分的に溶融している場合には、メルトブローン繊維が十分に固化する前に該繊維をワイヤにさらに押し付けるために、特にワイヤにわたる水圧の助けによって、ワイヤのテクスチャがウェブに付与される。ワイヤに接触するメルトブローン繊維の成形の改善は、ポリマーの適切に高い温度か又はエアジェットの温度を用いることによって、及び/又はメルトブローン・ダイとキャリアワイヤとの間の距離を調節することによって達成可能である。キャリアワイヤは、清掃のために有用なメルトブローン・ウェブ上の凸領域に対応する反復的な一連のくぼみを有することができる。立体キャリアワイヤは、メルトブローンに隆起した構造を付与することができ、該構造は、所望の研磨性レベルに応じて、周囲のメルトブローン布から約0.2mm又はそれ以上、より具体的には約0.4mm又はそれ以上持ち上がる。軽度の研磨性から強度の研磨性にわたる擦り落としパッドを製造することができる。
【0010】
繰り返し構造は、キャリアワイヤの最小特徴単位セルとして表され、単位セルは、約1mm又はそれ以上、例えば約2mm又はそれ以上の最小面内長さスケール(例えば、平行四辺形である単位セルにおいては短い方の辺の長さ、又は六角形といったより複雑な形状においては小さい方の機械方向幅及び横方向幅)を有することができ、或いは約5平方ミリメートル又はそれ以上(例えば1mm×5mmの寸法の単位セル)、もしくは約20平方ミリメートル又はそれ以上の面積を有することができる。キャリアワイヤは、該キャリアワイヤからのテクスチャ化されたメルトブローン・ウェブの除去を改善するために、液体シリコンといった剥離剤で処理するか、或いはTeflon(登録商標)又は他の剥離剤で被覆することができる。
擦り落としパッドの研磨性層の坪量は、普通は、約10グラム毎平方メートル(gsm)より大きいものとすることができる。より具体的には、研磨性層の坪量は、約25から約200gsmまでの間、より具体的には約30から150gsmまでの間、最も具体的には約40gsmから130gsmまでの間とすることができる。研磨性層は、研磨性材料と繊維性ウェブとの熱結合又は他の相互作用(例えば、水圧交絡すること、ニードリングすること等)によって、下にある繊維性ウェブに直接的に接合することができ、吸収体繊維ウェブへの研磨性層の繊維の付加的な接着剤接合は実質的に存在しない。別の実施形態においては、ホットメルト又は硬化接着剤が適用されて2つの層が接合され、接着剤の坪量は、約10gsmから約50gsm、より具体的には約15gsmから約40gsmといった約5gsm又はそれ以上である。或いは、付加された接着剤の坪量は、約5gsmより少ないものとすることができる。
【0011】
必要であれば、研磨性層は、やや半透明とすることができる。例えば、研磨性層によって覆われる表面積は、隠されていない孔にて光が層を通過できるようにする、研磨性層の軸方向深さを貫通して延びる開放気孔又は孔を含むことができる。一実施形態においては、研磨性層表面の表面積の約30%は、こうした孔を含む。より具体的には、研磨性層の表面によって定められる表面積の約50%は、層を若干半透明にする孔を含むことができる。さらに、研磨性層と繊維性ウェブとのラミネートの全体は、特に濡れたときに半透明となることができる。
研磨性層の繊維直径その他の構造特性(例えば坪量、孔径など)を調節することによって適切な半透明度を得ることができるが、必要に応じて、清澄剤の添加により研磨性層のポリマー材料の不透明度を減少させるステップを行うことができる。一実施形態においては、好ましくは研磨性層を形成する前に、研磨性層に用いられるポリマーに清澄剤を添加することができる。ポリプロピレン用の清澄剤は、Crompton社(コネチカット州グリニッチ)のMoldPro931、Polyvel,Inc(ニュージャージー州ハモントン)のベンジリデンソルビトールCAP20、Milliken Chemical(サウスカロライナ州スパータンバーグ所在)からのMillad(登録商標)3988清澄剤、及び当該技術分野では公知の他の薬剤を含むことができる。清澄剤によって、通常は、ポリマーは、清澄剤が存在しない場合の実質的に同一のポリマーに対し、光透過性が少なくとも20%増加するというように、ASTM D1003に従って計測されときの光透過性が大きく増加することになる。(核剤は、しばしば清澄剤と同義であり、清澄化が起こるか否かに関わらず、ポリマーの機械的特性を改質するために用いられることもできる。)当該技術分野では公知の他の添加剤、フィラー、及び顔料を、本発明の研磨性相中のポリマーと組み合わせることもできる。ガラス又は他の鉱物で強化された繊維又は粒子形態のポリマー繊維が、本発明の範囲内に包含される。例えば、鉱物又はガラス含有繊維又は他の複合繊維形態は、約50重量%又はそれ以上の合成ポリマー、より具体的には約60重量%又はそれ以上の合成ポリマー、さらに具体的には約80重量%又はそれ以上の合成ポリマー、最も具体的には約90重量%から約99重量%の合成ポリマーからなる。
【0012】
研磨性層は、ガス又は液体が研磨性層を容易に通過できるようにする高い透過性を与える比較的開放された構造をもつことができる。透過性は、圧力125Pa(水0.5インチ)に設定され、普通の直径7cmの開口部(38平方センチメートル)を有し、Tappi調整室(華氏73度、相対湿度50%)内で作動する、Textest AG(Zurich,Switzerland)によって製造されたFX3300通気性デバイスで計測された通気性という用語で表すことができる。研磨性層は、以下のいずれか、すなわち、約100CFM(立方フィート毎分)又はそれ以上、約200CFM又はそれ以上、約300CFM又はそれ以上、約500CFM又はそれ以上、もしくは約700CFM又はそれ以上、例えば、約250CFMから約1500CFM、約150CFMから約1000CFM、約100CFMから約800CFM、もしくは約100CFMから約500CFMの通気性をもつことができる。或いは、研磨性層の通気性は、約400CFMより小さいものとすることができる。研磨性層が150gsmより小さい坪量を有する場合には、少なくとも150の組み合わされた坪量を有する研磨性層の多数のプライは、約70CFM又はそれ以上、もしくは単一の研磨性層において与えられる前述の値又は範囲のいずれかの通気性を呈することができる。
【0013】
乾燥吸収体層は、約40CFM又はそれ以上、約60CFM又はそれ以上、及び約80CFM又はそれ以上といった、30立方フィート毎分(CFM)より大きい通気性値を有することができる。或いは、吸収体層は、約15から約30CFMまでの間、又は約20CFMから約80CFMの通気性を有することができる。非常に高い値も可能である。例えば、吸収体層の通気性は、約150CFM又はそれ以上、200CFM又はそれ以上、300CFM又はそれ以上、もしくは400CFM又はそれ以上とすることができる。一例として、高収率繊維からなる非クレープ加工通気乾燥ティシューは、20gsmのウェブにおいて615CFMをもつことが計測され、Scott(登録商標)タオル(テキサス州ダラス所在のキンバリー・クラーク社)のサンプルは、140CFMの通気性をもつことが計測され、VIVA(登録商標)ペーパータオル(テキサス州ダラス所在のキンバリー・クラーク社)のサンプルは、113CFMの通気性をもつことが計測された。
研磨性層お吸収体層からなる乾燥擦り落とし製品は、実質的に気体透過性である必要はないが、以下のいずれか、すなわち、約10CFM又はそれ以上、約50CFM又はそれ以上、約80CFM又はそれ以上、約100CFM又はそれ以上、約200CFM又はそれ以上、約300CFM又はそれ以上、及び約350CFM又はそれ以上、例えば、約10CFMから約500CFM、約20CFMから約350CFM、約30CFMから約250CFM、又は約40CFMから約400CFMの通気性をもつことができる。
【0014】
一実施形態においては、製品の吸収体層を形成する紙ウェブは、非クレープ加工通気乾燥紙ウェブとすることができ、通常は、約10gsmより大きい坪量を有することができる。より具体的には、坪量は、約20から約150gsmまでの間、さらに具体的には約40gsmから約120gsmまでの間とすることができる。さらに、紙ウェブは、高収率パルプ繊維からなるものとすることができる。例えば、紙ウェブは、約5乾燥重量パーセントより多い高収率パルプ繊維を含むことができる。一実施形態においては、紙ウェブは、約15から約30乾燥重量パーセントまでの間の高収率パルプ繊維を含むことができる。他の実施形態においては、ウェブ中の高収率繊維の割合は、以下、すなわち約30%、約50%、約60%、約70%、及び約90%のいずれかより多くすることができる。一実施形態においては、擦り落とし物品の吸収体層は、多プライ紙ウェブ製品とすることができる。例えば、2つ又はそれ以上のティシュー層のラミネート、或いは空気堆積ウェブと湿式堆積ティシューのラミネートは、当該技術分野では公知の接着剤又は他の手段を用いて形成することができる。
必要であれば、紙ウェブは、濡れたときに半透明性を呈することができる。例えば、紙ウェブは、約98%より小さい、特定的には約80%より小さい、より特定的には約60%より小さい湿潤不透明度をもつことができる。一実施形態においては、吸収体層は、濡れたときに半透明となるようにすることができ、擦り落とし製品によって清掃されている面が見えるように、半透明の研磨性層に取り付けることができる。
【0015】
擦り落としパッドの2つの主な層は、適切な方法のいずれかによって取り付けられる。例えば、層は、互いに接着剤により又は熱により結合することができる。一実施形態においては、層は、ホットメルト接着剤で互いに結合することができる。
製品の2つの主な層に加えて、擦り落としパッドは、随意的には、他の層又は添加剤を含むことができる。例えば、研磨性層は、層に入っている粒子状軽石又はミクロスフェアといった種々の可能な添加剤によってさらに研磨性にすることができる。また、パッドは、吸収体層上の疎水性障壁層といった付加的な層を含むことができる。疎水性障壁層は、製品に適用されたフィルムといった恒久的な層か、又は疎水性シートといった取り外し可能な層とすることができる。疎水性障壁は、吸収体層と研磨性層との間に存在させて、吸収体層の一部又は全てが濡れるのを防止することができ、又は随意的には、吸収体層の外面上に存在させて、使用中に手が濡れてくるのを防止することができる。さらに、擦り落とし製品は、石鹸、洗剤、緩衝剤、抗菌剤、皮膚健康剤、ローション、薬剤、研磨性剤などといった、主な層のいずれかに関連する他の添加剤を含有することができる。
【0016】
本発明の擦り落とし製品は、多くの異なる用途に有用なものとすることができる。例えば、擦り落としパッドは、皿洗い用布、たわしパッド、磨きパッド、やすり掛けパッド、又はピーリングパッドのようなパーソナルクレンジングパッドとして有用なものとすることができる。さらに、擦り落とし製品は、床、壁、窓、トイレなどを清掃するのに有用な清掃具の一部とすることができる。特定の実施形態においては、本発明の製品は、吸収体層をもたずに研磨性層のみを含むことができる。例えば、メルトブロー又はスパンボンド研磨性層のみを、取り付けられた吸収体層をもつか又はもたない場合のたわしパッド、磨きパッド、やすり掛けパッド、又はピーリングパッドのようなパーソナルクレンジングパッドとして用いることができる。
【0017】
定義
ここで用いられる「メルトブローン繊維」という用語は、通常は、溶融した熱可塑性材料を、複数の微細な、通常は円形のダイ毛細管を通じて、収束する高速の、普通は高温のガス(例えば空気)流の中へ溶融糸又はフィラメントとして押し出し、溶融した熱可塑性材料のフィラメントがガス流によって細められ、直径が縮小されることにより形成されるポリマー材料の繊維を意味する。その後、メルトブローン繊維は、高速ガス流により運ばれ、集積面に堆積されて、不規則に分散されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。メルトブローン繊維は、連続的又は非連続的であり、集積面に堆積されるときには、通常は自己結合する。しかしながら、或る実施形態においては繊維の縮小を減少させるために、また或る実施形態においては溶融ポリマーの隣接フィラメントが融合(例えばストランドのそれぞれの側部に沿って付着)され、隣接するストランドの近接する側部に沿って少なくとも部分的に接合されて、多フィラメント集合繊維(すなわち、ここでさらに定義される2つ又はそれ以上のポリマー・ストランドからなる集合繊維)である繊維を形成できるようにするために、低い又は極めてわずかな空気流が用いられる。
【0018】
ここで用いられる「製紙繊維」は、全ての公知のセルロース繊維又はセルロース繊維を含有する繊維混合物を含む。本発明のウェブを製造するのに適した繊維は、この限りではないが、天然又は合成セルロース繊維、綿、マニラ麻、ケナフ、サバイグラス、亜麻、アフリカハネガヤ、わら、ジュートヘンプ、バガス、トウワタフロス繊維、及びパイナップル葉繊維といった非木材繊維、並びに北方及び南方軟木クラフト繊維といった軟木繊維、ユーカリ、カエデ、バーチ、及びポプラといった硬木繊維を含む落葉樹及び針葉樹から得られる木材繊維のいずれかを含む。木材繊維は、高収率又は低収率形態で調製することができ、クラフト、亜硫酸処理、高収率パルプ化法その他の公知のパルプ化法を含む公知の方法のいずれかによってパルプ化することができる。有機溶媒パルプ化法から調製された繊維を用いることもできる。乾燥重量の50%より多い又は少ない、或いは乾燥重量の約5%から約30%までの繊維の一部は、レーヨン、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、二成分鞘−芯繊維、多成分バインダ繊維などといった合成繊維とすることができる。例示的なポリエチレン繊維は、Hercules,Inc.(デラウェア州ウィルミントン所在)から入手可能なPulpex(登録商標)である。公知の漂白方法のいずれかを用いることができる。合成セルロース系の繊維には、全ての種類のレーヨンと、ビスコース又は化学的に改質されたセルロースから誘導されたその他の繊維が含まれる。マーセル化パルプ、化学的に硬化され又は架橋された繊維、もしくはスルホン化繊維といった化学的に処理された天然セルロース繊維を用いることができる。製紙繊維を用いる際の良好な機械的特性のために、繊維は比較的損傷を受けず、大部分は精製されないか又はほんのわずかに精製されることが望ましい。再生繊維を用いることができるが、それらの機械的特性及び汚染物質を含有しないことにより、バージン繊維が通常は有用である。マーセル化繊維、再生セルロース繊維、微生物により産出されたセルロース、レーヨン、及び他のセルロース材料又はセルロース誘導体を用いることができる。適切な製紙繊維はまた、再生繊維、バージン繊維、又はそれらの混合物を含むことができる。高い嵩及び良好な圧縮特性を可能にする特定の実施形態においては、繊維は、少なくとも200、より具体的には少なくとも300、さらに具体的には少なくとも400、最も具体的には少なくとも500のカナダ標準形ろ水度をもつことができる。
【0019】
ここで用いられる「高収率パルプ繊維」は、約65パーセント又はそれ以上、より具体的には約75パーセント又はそれ以上、さらに具体的には約75から約95パーセントの収率を与えるパルプ化工程によって製造される製紙繊維である。収率は、最初の木材重量の百分率で表される加工された繊維の結果として得られる量である。こうしたパルプ化法は、漂白ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)圧力/圧力サーモメカニカルパルプ(PTMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、サーモメカニカルケミカルパルプ(TMCP)、高収率亜硫酸パルプ、及び高収率クラフトパルプを含み、これらの全ては、結果として得られる繊維に高レベルのリグニンを残す。高収率繊維は、典型的な化学的にパルプ化された繊維に対して剛性が高い(乾燥状態と湿潤状態との両方において)ことがよく知られている。クラフト及び他の非高収率繊維のセル壁は、リグニンのためにより可撓性となる傾向があり、セル壁上の又はセル壁の一部の「モルタル」又は「グルー」が、大幅に除去されている。リグニンはまた、水に膨潤せず、疎水性であり、繊維に対する水の軟化作用に抵抗し、クラフト繊維に対し、湿潤高収率繊維のセル壁の剛性を維持する。好ましい高収率パルプ繊維はまた、かなり全体的に、比較的損傷していない繊維、高ろ水度(250カナダ標準形ろ水度(CSF)又はそれ以上、より具体的には350CSF又はそれ以上、さらに具体的には400CSF又はそれ以上、例えば約500から750CSF)、及び低い微小繊維含有量(Britt jar試験により25パーセントより少ない、より具体的には20パーセントより少ない、さらに具体的には15パーセントより少ない、もっと具体的には10パーセントより少ない)をもつことによって特徴付けることができる。上記の一般的な製紙繊維に加えて、高収率パルプ繊維はまた、トウワタ種子フロス繊維、アバカ、ヘンプ、綿などのような他の天然繊維を含む。
【0020】
ここで用いられる「セルロース」という用語は、重要な成分としてセルロースを有する材料を含み、具体的には約20重量%又はそれ以上のセルロース又はセルロース誘導体、より具体的には約50重量%又はそれ以上のセルロース又はセルロース誘導体を含むことを意図されている。したがって、この用語は、綿、典型的な木材パルプ、非木材セルロース繊維、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、レーヨン、ビスコース繊維、サーモメカニカル木材パルプ、ケミカル木材パルプ、デボンデッド・ケミカル木材パルプ、NMMO中セルロース溶液から形成されたライオセルその他の繊維、トウワタ、又はバクテリア・セルロース、ライオセル、及びビスコース、レーヨンなどを含む。必要であれば、溶液から紡糸又は再生されていない繊維を排他的に用いることができ、又はウェブの少なくとも約80%は、セルロース溶液から生成されたスパン繊維を含まないものとすることができる。セルロースウェブの例は、湿式堆積クレープ加工ティシュー、湿式堆積非クレープ加工ティシュー、Procter and Gamble(オハイオ州シンシナティ所在)によって製造されたBounty(登録商標)ペーパータオル又はCharmin(登録商標)トイレットペーパといったパターン緻密化又は刻印ティシュー、化粧紙、トイレットペーパ、バインダ繊維からなる空気堆積ウェブのような乾燥堆積セルロースウェブ、少なくとも20%の製紙繊維又は少なくとも50%の製紙繊維からなるコフォームウェブ、発泡形成ティシュー、家庭及び産業用拭取り材、Everhart他の1994年2月8日に発行された米国特許第5,284,703号、及びSuskind他の1989年2月28日に発行された米国特許第4,808,467号のウェブによって例示される、製紙繊維と水圧交絡されたスパンボンドウェブのような水圧交絡ウェブといった、公知のティシュー材料又は関連する繊維性ウェブを含むことができる。一実施形態においては、セルロースウェブは、該ウェブに高い湿潤又は乾燥引張強度を与えるために、ラミネート、接着剤結合、又は水圧交絡により製紙繊維が付加されるか、又は(例えば、テキサス州ダラス所在のキンバリー・クラーク社のVIVA(登録商標)ペーパータオルによって例示される、グラビア印刷又は他の公知の手段によって)ラテックスのような接着剤がウェブに含浸されたスパンボンドウェブのような合成ポリマー網を含む強化されたセルロースウェブとすることができる。強化ポリマー(接着剤を含む)は、セルロースウェブの重量の約1%又はそれ以上、又は以下のいずれか、すなわちセルロースウェブの重量の約1%から約50%、又は約3%から約35%といった、セルロースウェブの重量の約5%又はそれ以上、約10%又はそれ以上、約20%又はそれ以上、約30%又はそれ以上、もしくは約40%又はそれ以上含有されることができる。
【0021】
ここで用いられる「気孔体積」とは、固形分を含まないサンプルによって占められるスペースの体積のことをいう。百分率で表されるときには、固形分を含まないサンプルによって占められる全体積の割合のことをいう。
ここで用いられる「強度相乗効果」及び「伸び相乗効果」とは、非結合状態に対し層が結合されたときの、研磨性層とティシュー層との組み合わせの材料特性における相乗効果的改善の大きさのことをいう。本発明に係るラミネートが、擦り落とし作業又は他の労力を要する作業に用いられるときには、製品の耐久性を驚くほど高めることができる。優れた性能の少なくとも一部は、ラミネートの材料特性における相乗効果によるものであり、個々の構成材の材料特性に基づいて予測されるものより優れている。例えば、ティシュー・ウェブに結合されたメルトブローン層を含む研磨性ラミネートの引張強度及び伸び特性は、同じメルトブローン層とティシュー・ウェブの互いに結合されていない組み合わせより実質的に高い引張強度をもつことができる。結合されたラミネートの引張強度と2つ又はそれ以上の層の非結合の組み合わせの引張強度との比を、「強度相乗効果」と呼ぶ。引張測定は、10インチ毎分のクロスヘッド速度での引張試験機において、3インチジョー幅、4インチゲージ長で行われる。引張強度は、破断前の最大荷重としてとられ、伸びは、最大荷重点での長さの増加パーセントである。ラミネートの伸び(引張試験における破断点伸び)はまた、互いに結合されていない2つ又はそれ以上の層の伸びより高くすることができる。結合されたラミネートの伸びと、互いに結合されていない2つ又はそれ以上の層の組み合わせの伸びとの比を、「伸び相乗効果」と呼ぶ。特に指定のない限り、強度相乗効果及び伸び相乗効果を求めるのに用いられる引張試験は、構成材の機械方向に行われる、すなわち、研磨性層が明白に認識できる機械方向をもたないか、又はラミネート製品のティシューの機械方向と位置合わせされない機械方向をもつときには、ティシュー構成材の引張試験は、通常はティシュー・ウェブにおいて最も高い引張強度を有する方向である機械方向に行われる。
【0022】
或る実施形態においては、強度相乗効果は、約1.05から約3、約1.1から約2.5、及び約1.5から約4の例示的な範囲において、約1.05又はそれ以上、より具体的には約1.1又はそれ以上、さらに具体的には約1.2又はそれ以上、最も具体的には約1.5又はそれ以上とすることができる。或る実施形態においては、伸び相乗効果は、約1.3から約3、約1.5から約2.5、及び約1.5から約2の例示的な範囲において、約1.1又はそれ以上、より具体的には約1.3又はそれ以上、さらに具体的には約1.5又はそれ以上、最も具体的には約1.8又はそれ以上とすることができる。実質的に1より大きい伸び相乗効果をもつラミネートは、必ずしもそうである必要はないが、実質的に1より大きい強度相乗効果を有することができる。同様に、実質的に1より大きい強度相乗効果をもつラミネートは、必ずしもそうである必要はないが、実質的に1より大きい伸び相乗効果を有することができる。
「全表面深さ」は、表面の凸部分と凹部分との間の特徴的な高さの差を示す、表面の形態の尺度である。全表面深さを計測するために用いられる光学技術を、以下に説明する。
当業者にとって最良の形態を含む、本発明の十分な及び本発明を可能にする開示が、付属の図面の参照を含む本明細書の残りの部分でさらに具体的に説明される。
本明細書及び図面における参照番号の反復使用は、本発明の同じ又は類似した特徴又は要素を表すことを意図されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
これより本発明の実施形態の詳細な説明が行われ、以下にそのうちの1つ又はそれ以上の実施例が示される。各実施例は、本発明を限定するのではなく、本発明を説明する目的で与えられる。事実、本発明の範囲又は精神を逸脱することなしに、本発明に種々の修正および変形を施せることが、当業者には明らかになるであろう。例えば、1つの実施形態の一部として図示された又は説明された特徴を、別の実施形態に用いて、更に別の実施形態を得ることができる。従って、そうした修正及び変形を、添付の請求項及びその均等物の範囲内に入るものとして網羅することを、本発明は意図されている。
【0024】
本発明は一般に、家庭内清掃用途及びパーソナルケア用途を含む幅広い用途での使用に適した使い捨て擦り落としパッドに向けられる。本発明の擦り落とし製品は、例えば、皿洗い用布、汎用雑巾、たわし又は磨きパッド、又は例えばピーリングパッドのようなパーソナルケア製品などとして用いるのに適している。特定の実施形態においては、本発明の擦り落とし製品は、例えばやすり掛け又は磨き用途において、表面の層を除去するのに用いることができる。
本発明の擦り落としパッドは、一般に多層構造を持ち、不織紙ウェブを含む吸収体層に固定された不織研摩層を含む。例えば、研摩層は、多孔性の、柔軟な、メルトブローン・ウェブとすることができ、例えばクレープ加工されていない通気乾燥(UCTAD)紙ウェブのような嵩高い吸収性紙ウェブに熱結合させることができる。
【0025】
複合擦り落としパッドの2つの別個の層は、他の複合擦り落とし物品に勝る清掃上の利点を提供することができ、且つ、より低いコストでそれを提供することができる。他の利点は、使い捨て擦り落としパッドからも得られる。例えば、柔らかい紙ウェブ並びにパッドの柔軟性は、従来の複合擦り落とし物品に比べ、清掃の間に物品を遥かに良好に保持できるようにする。加えて、パッドを、剛性の把握装置に取付けられる形状にして、使用者の必要に応じ、強力な又は軽度の擦り落としのための便利な清掃具を形成することができる。例えば、本発明の擦り落とし製品を保持する能力がある清掃具は、床、壁、窓、トイレ、天井ファンなどを清掃するのに用いることができ、また表面を磨くこと又はやすり掛けすることによって表面を清掃するのに用いることもできる。
【0026】
擦り落としパッドは、所望であれば随意的にパッドの能力を増強させるような洗剤又は薬品といった種々の添加剤を含むことができる。更に擦り落としパッドは、濡れた時には半透明となり、それにより、擦り落としの続く間、使用者が清掃されている表面を見られるようにすることができる。特に有利な点として、本発明の複合構造の構成材層の間に相乗効果が生じる場合があり、擦り落としパッドが個々の層の機械的特性の合計よりも大きな機械的特性を呈する場合があることが見出されてきた。例えば、機械的特性の中でもとりわけ引張強度及び耐久性は、個々の層における同じ特性の合計よりも複合構造において、より大きいものとなる場合がある。同様にして、取り付けられた吸収体層のテクスチャにより、パッドの研摩表面の研摩性を増強させることができる。
【0027】
本発明の擦り落としパッドの研摩層は、一般に、パッド上に粗くざらざらした表面を形成するのに十分な強度及び硬度を有する、開放された多孔性の構造に形成される材料を含むことができる。好適な材料は豊富にあり、天然材料とすることも合成材料とすることもできる。可能性のある例示的な材料には、所望の開放性構造へと形成される公知の研摩材料がある。可能性のある合成材料は、例えば、溶融ポリマー即ち非硬化ポリマーから形成され、次いで硬化処理されて所望の研摩層を形成することができるメルトスパン不織ウェブのようなポリマー性材料とすることができる。
本発明の研摩層として、他の材料を随意的に用いることができる。例えば、穿孔ナイロンカバー、ナイロン網状組織、及び例えば3M Corp.(ミネソタ州ミネアポリス)のSCOTCHBRITEパッドのような他の研摩製品に見出される材料に類似した材料といった、公知の市販の擦り落とし製品の研摩層として用いられている他の材料を用いることができる。
擦り落としパッドの研摩層を形成するために用いられる材料及び工程は、意図された製品の所望の最終用途に合わせて選び、設計することができる。例えば、洗顔パッドのようなパーソナルケア製品として設計された擦り落としパッドは、家庭内清掃用途に用いるための擦り落としパッドより柔らかく、より研摩性が低い研摩層を含むことができる。よって、原材料、添加剤、繊維直径、層密度並びに剛性などは、最終製品の所望の特徴に従い、様々に変えることができる。
【0028】
1つの実施形態においては、擦り落としパッドの研摩層は、熱可塑性ポリマー材料を使って形成できるような不織メルトブローン・ウェブを含むことができる。一般に、メルトブローン不織ウェブを形成するために用いることができるいかなる好適な熱可塑性ポリマーも、擦り落としパッドの研摩層のために用いることができる。可能性のある、使用に適した熱可塑性ポリマーの網羅的ではないリストは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリプロピレン、高密度ポリプロピレン、塩化ポリビニル、塩化ビニリデン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリ(メチル)アクリレート、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、ABS、ポリエーテルエステルなどのポリマー又はコポリマー、或いはポリアミド、ポリカプロラクタン、熱可塑性でんぷん、ポリビニル・アルコール、ポリエステルアミド(随意的に可塑剤としてグリセリンを伴う)のようなポリ乳酸、ポリフェニルサルファイド(PPS)、ポリ・エーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ポリビニリデン、ポリウレタン、及びポリウレアを含む。例えば、1つの実施形態においては、研摩層は、ポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性ポリマーを伴って形成されたメルトブローン不織ウェブを含むことができる。ポリプロピレン及び例えばPETなどの他のポリマーでできたアロイ繊維のようなポリマー・アロイもまた研摩層に用いることができる。幾つかのポリマーの組み合わせにおいては、有効な配合を供与するために相溶化剤が必要となる場合もある。1つの実施形態においては、研摩性ポリマーはハロゲン化合物をほぼ持たない。別の実施形態においては、研摩性ポリマーはポリオレフィンではなく、例えばポリプロピレン又はポリエチレンなどより研摩性の高い材料(例えば約1200MPa以上の曲げ弾性率、又は85以上のショアD硬度を有する)を含む。
【0029】
研摩層の繊維は、目が粗いことに加えて、ポリプロピレンにほぼ等しいか又はそれより大きい、例えば約1,000Mpa以上の、具体的には約2,000Mpa以上の、より具体的には約3,000Mpa以上の、最も具体的には約5,000Mpa以上の、高い弾性係数を持つことができる。説明目的として、フェノール系プラスチックは、約8000MPaの弾性係数を持つことができ、15%のグラスファイバーで強化されたポリアミド(ナイロン6,6)は、約4,400MPaの弾性係数を持つことが報告されている(グラスファイバー強化無しの場合、弾性係数は約1,800MPaである)。
研摩層の繊維は、所望に応じてエラストマー性とすることも非エラストマー性とすることも可能である(例えば結晶性又は半結晶性)。加えて、研摩層は、エラストマー性繊維と非エラストマー性繊維を混ぜたものを含むことができる。
【0030】
幾つかのポリマー・グループに関して、融点を高くすることが、研摩特徴の向上に関連する場合がある。よって、研摩層は、1つの実施形態においては、約120℃から約350℃まで、又は約150℃から約250℃まで、又は約160℃から約210℃まで、といった範囲で例示される、例えば約140℃以上の、又は約160℃以上の、又は約170℃以上の、又は約180℃以上の、又は約200℃以上などの、約120℃より大きい融点を持つことができる。
良好な研摩特性の指標となる別の尺度は、標準試験方法ASTM D 1706により測定されるショアD硬度である。一般に、好適な研摩層のポリマー性材料は、例えば約65以上の、又はより具体的には約70以上の、又は最も具体的には約80以上などの、約50以上のショアD硬度を有することができる。例えばポリプロピレンは通例、約70から約80のショアD硬度を有する。
【0031】
1つの実施形態においては、研摩層のポリマー性材料は、約500MPa以上の曲げ率と、約50以上のショアD硬度を持つことができる。代替的な実施形態においては、ポリマー性材料は、約800MPa以上の曲げ率と、約50以上のショアD硬度を持つことができる。
1つの実施形態においては、擦り落としパッドの研摩層は、熱可塑性ポリマー材料を用いて形成されるような不織メルトブローン・ウェブを含むことができる。一般に、メルトブローン不織ウェブを形成するのに使用可能ないかなる好適な熱可塑性ポリマーも、擦り落としパッドの研摩層に使うことができる。可能性のある、使用に適した熱可塑性ポリマーの網羅的なリストは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ナイロンなどのポリマー又はコポリマー、或いはポリアミド、ポリカプロラクタン、熱可塑性でんぷん、ポリビニル・アルコール、例えばポリエステルアミド(随意的に可塑剤としてグリセリンを伴う)のようなポリ乳酸を含む。例えば、1つの実施形態においては、研摩層は、ポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性ポリマーを伴って形成されたメルトブローン不織ウェブを含むことができる。
1つの実施形態においては、研摩層のポリマー性繊維は、可塑剤をほぼ含まないか、又は33重量パーセント以下の可塑剤を含むことができ、より具体的には約20重量パーセント以下の可塑剤を含むことができ、更に具体的には約3重量パーセント以下の可塑剤を含むことができる。ポリマー性繊維の主成分となるポリマーは、約100,000以上、約500,000以上、約1,000,000以上、約3,000,000以上、及び約5,000,000以上のうちいずれかの分子量を持つことができる。
【0032】
研摩層は、いずれかの好適な断面を持つ繊維を含むことができる。例えば、研摩層の繊維は、円形又は非円形の断面を伴う目の粗い繊維を含むことができる。しかも、非円形断面の繊維は、例えば「4DG」繊維(8叉断面形状を持つ特殊PET深溝入り繊維)のような溝入り繊維即ち多突部形状の繊維を含むことができる。加えて、繊維は、単一のポリマー又はコポリマーで形成された単成分繊維とすることができ、又は多成分繊維とすることもできる。
物理的特性の所望の組み合わせを持つ研摩層を製造する試みの中で、1つの実施形態においては、多成分フィラメント又は二成分フィラメント及び繊維から作られた不織ポリマー性布地を用いることができる。二成分又は多成分のポリマー性繊維又はフィラメントは、区別できる2つ又はそれ以上のポリマー性成分を含む。多成分フィラメントの種々の成分は、フィラメントの断面に渡り、ほぼ区別された区域に配列され、該フィラメントの長さに沿って連続的に延びる。例えば、二成分フィラメントは、横並び配列又は芯鞘配列を持つことができる。通例、1つの成分は他の成分とは異なる特性を呈し、そのことによりフィラメントは2つの成分の特性を呈する。例えば、1つの成分は比較的強靭なポリプロピレンとすることができ、他の成分は比較的柔らかいポリエチレンとすることができる。最終的に得られるのは、強靭ではあるが柔らかい不織布である。
【0033】
1つの実施形態においては、強度及び研摩性の向上のために、研摩層はメタロセン・ポリプロピレン即ち「シングルサイト」ポリオレフィンを含む。例示的なシングルサイト材料は、ミネソタ州Vadnais Heights所在のH.B.Fuller Companyから入手可能である。
別の実施形態においては、研摩層は、ポリプロピレン繊維などの縮小された溶融可能な熱可塑性繊維をその上に分布させた、平坦な不織基体を備えた加工前ウェブを含む。加工前ウェブは、加熱されて熱可塑性繊維が収縮し、節のある繊維残部を形成することができ、これが得られるウェブ材料に研摩性特徴を与える。節のある繊維残部は、ウェブの総繊維重量の約10%から約50%までを占めることができ、約100マイクロメートル以上の平均粒径を持つことができる。節のある残部を形成するのに用いられる繊維に加えて、加工前ウェブは、強度を供与するためにポリプロピレンより融点が高い少なくとも1つの成分を含有するセルロース性繊維及び合成繊維を含むことができる。加工前ウェブは、湿式堆積法、空気堆積法、又は他の方法で製造することができる。1つの実施形態においては、加工前ウェブは、実質的に製紙繊維を含まない。例えば、加工前ウェブは、ポリプロピレン繊維を含む繊維質ナイロン・ウェブ(例えばナイロン繊維とポリプロピレン繊維の両方を含むボンデッド・カーデッド・ウェブ)とすることができる。
【0034】
研摩層はまた、穿孔して、物品の吸収体層への流体の到達を向上させることができる。例えばピン穿孔されたメルトブローン・ウェブは、穿孔の存在に起因して、増強された研摩性を持つことができる。
研摩層の形成に使われた材料はまた、所望に応じて種々の添加剤を含むことができる。例えば、光安定剤、熱安定剤、処理助剤、及びポリマーの熱老化安定性を増強する添加剤などの種々の安定剤をポリマーに添加することができる。更に、ヘキサノールなどの補助湿潤剤、アルキルリン酸カリウムなどの帯電防止剤、及び種々のフルオロポリマーなどの撥アルコール剤(例えばDuPont Repellent 9356H)もまた存在することができる。所望の添加剤は、ダイの中のポリマーに添加剤を含ませることによって、或いは又、形成後に、スプレー工程などを通じて研摩層に添加することによって、研摩層に含ませることができる。
【0035】
例示する目的のために、擦り落としパッドの研摩層に用いられるようなメルトブローン不織ウェブを形成するためのシステムの1つの実施形態が、図1に示されている。図示されたように、このシステムは、本発明によるメルトブローン・ウェブ32を製造するために使うことができる、全体を110で表す形成機械を含む。詳細には、形成機械110は、矢印で示された方向に駆動されるようにローラ116及び118の周囲に巻かれた、エンドレス有孔形成ベルト114を含む。
形成ベルト114はいかなる好適な形成ベルトであってもよく、所望であれば、メルトブローン層に付加的な立体テクスチャを与えることができる。付加されたテクスチャは、層の研摩性に影響を与えることができる。例えば、メルトブローン層における高い度合いの表面テクスチャは、Lindsay Wire Companyから入手可能なもののような高寸法形成布上にメルトブローン層を形成することによって、達成することができる。図8は、高度にテクスチャ加工された形成布の上に形成されるような、高度にテクスチャ加工されたメルトブローン層32を示した、本発明の1つの実施形態の断面図である。次いで、本発明の擦り落としパッドの形成に当たって、高度にテクスチャ加工されたメルトブローン層を吸収体層34に取り付けることができる。
【0036】
図1の形成機械システムはまた、繊維126を形成するために用いられるダイ120を含むことができる。ダイ120のスループットは、1時間にわたるダイ幅1インチ当たりの溶融ポリマーのポンド数(PIH)で指定される。熱可塑性ポリマーがダイ120を出るに際し、通常は空気である高圧流体がポリマー流を縮小させ、展延して、繊維126を形成する。繊維126は形成ベルト114上に不規則に堆積させることができ、メルトブローン層32を形成する。
従来のメルトブローン材料の製造においては、ポリマーストランドを縮小して微細な薄い繊維を生み出すためには、通常、高速の空気が用いられる。本発明においては、空気の流域を増大させるか又は他の形で、メルトブローン・ダイヘッドから出てくる溶融したポリマーストランドのすぐそばの空気流の速度を減少させるなどして、空気流システムを調節することにより、繊維直径の大幅な縮小を防止する(即ち繊維縮小の程度を減少させる)ことが可能である。繊維直径の縮小を制限することで繊維の粗さを増大させることができ、それにより該繊維によって形成される層の研摩性を増大させることができる。
【0037】
さらに、ダイ出口近くの空気流を用いてポリマー性繊維を撹乱し、形成ベルト上に高度に不均一となるような形に広げることができる。ベルト上に堆積された粗いメルトブローン繊維の高度の不均一性がウェブ上に顕れ、それは厚さの変化と、ウェブ断面の坪量の変化とを示すことができる、即ちウェブ上に不均等な表面が生み出され、このことは該繊維によって形成される層の研摩性を増大させることができる。
加えて、ウェブ形成中の繊維の不均一な広がりは、内部に増加された空隙空間を持つウェブを生み出すことができる。例えば、層のかなりの部分を占める開放空隙を有する、開放された繊維網状組織を形成することができる。例えば、研摩層の空隙体積は、材料の体積の約10%より大きくすることができ、具体的には約50%より大きくすることができ、より具体的には約60%より大きくすることができる。これらの開放空隙材料は良好な擦り落とし特性を本来的に有する。
【0038】
ウェブに作り出された空隙空間即ち孔はまた、ウェブにわたる不透明度に変化を生み出すことができ、そのことにより、該ウェブによって形成された研摩層は幾らか半透明となる。繊維の不規則な堆積及び、その結果得られる研摩層の開放構造に起因して、ウェブに形成された孔の多くは、層の深さ全体に渡って延びることができ、層を光が遮られることなく透過して、研摩層にある程度の半透明性を与えることを可能にする。ある実施形態においては、研摩層の表面積の約30%より多くが、層の軸方向深さに渡って延びる開放空隙空間を含む。より具体的には、研摩層の表面積の約50%より多くが、層の軸方向深さに渡って延びる開放空隙空間を含み、研摩層に高度の半透明性を与える。よって、研摩層の表面積のかなりの割合を開口部即ち孔が占めることができ、これを通して下にある吸収体層を見ることができる。例えば、約10%以上、具体的には約20%以上、より具体的には約40%以上、及び最も具体的には約55%以上の研摩層表面積(上方からの平面図で見た表面積)を、開口部即ち孔が占めることができ、これを通して下にある吸収体層を見ることができる。付加的に、研摩層は半透明性ポリマーによって形成することができ、このことは層の半透明性を増加させることができる。
パーセンテージ基準で表現すると、5−mm平方の断片についての平均されたデータポイントに対する不透明性の標準偏差は、例えば約8%から約60%まで、又は12%から約50%までなどのように、約5%以上とすることができ、より具体的には約10%以上とすることができ、さらに具体的には約20%以上とすることができ、最も具体的には約30%以上とすることができる。
【0039】
繊維直径及び研摩層の他の構造的特性(例えば坪量、孔寸法など)を調節することによって好適な半透明性を得られる一方、所望であれば、清澄剤の添加を通じて研摩層のポリマー材料の不透明性を減少させる段階を取り入れることもできる。1つの実施形態においては、好ましくは研摩層の形成に先立って、該研摩層に使われるポリマーに清澄剤が添加される。ポリプロピレン用の清澄剤は、Crompton Corporation(コネティカット州グリニッジ)のMoldPro 931、ベンジリデン・ソルビトール、Polyvel,Inc.(ニュージャージー州ハモントン)のCAP20、Milliken Chemical(サウスカロライナ州スパータンバーグ)のMillad(登録商標)3988清澄剤、及び公知の他の薬剤を含むことができる。清澄剤は通常、ASTM D1003に従い測定されるポリマーの透光性を実質的に増大させ、例えば清澄剤の存在を欠くほぼ同一のポリマーに比べて少なくとも20%透光性を増大させる。(核剤はしばしば清澄剤と同義であり、清澄化が起こるか否かに関わらず、ポリマーの機械的特性を改質するために用いられることもできる。)公知の他の添加剤、フィラー、及び色素もまた、本発明の研摩層中のポリマーと組み合わせて用いることができる。繊維又は粒子形状のグラスファイバー又は他の鉱物で強化されたポリマー性繊維は、本発明の範囲内にある。例えば、鉱物又はガラスを含む繊維、又は他の複合繊維形態は、約50重量%以上の合成ポリマーを含むことができ、より具体的には約60重量%以上の合成ポリマーを含むことができ、更に具体的には約80重量%以上の合成ポリマーを含むことができ、最も具体的には約90重量%から約99重量%の合成ポリマーを含むことができる。
【0040】
一般に、研摩層の熱可塑性ポリマー繊維は、約30ミクロンより大きい平均直径とすることができる。より具体的には、熱可塑性繊維は、約50ミクロンから400ミクロンなどといった約40ミクロンと約800ミクロンの間の平均直径とすることができ、更により具体的には約60ミクロンと約300ミクロンの間の平均直径とすることができ、最も具体的には約70ミクロンと約250ミクロンの間の平均直径とすることができる。そうした繊維は、従来のメルトブローン・ウェブの繊維よりかなり目が粗く、付加的な目の粗さはウェブの研摩特徴の増強に当たって一般に有用である。
メルトブローン・ウェブを形成する繊維は、層の開放網状組織を支持できるように十分に長いものとすることができる。例えば、繊維は少なくとも約1センチメートルの繊維長を持つことができる。より具体的には、繊維は約2cmより大きい特徴的繊維長を持つことができる。
【0041】
所望であれば、繊維は随意的に、例えばミクロスフェア、軽石又は金属の顆粒のようなフィラー粒子を含めること、メルトブローン「ショット」による加工、などといった研摩増強特徴を含むように形成することができる。
ミクロスフェアは、約10ミクロンから約1mmまでの直径を持つことができ、通例、約1ミクロンから約5ミクロンまでの外殻厚さを有するが、これに対してマクロスフェア(同じく幾つかの実施形態において用いることができる)は約1mmより大きい直径を持つことができる。こうした材料は、金属、ガラス、カーボン、マイカ、石英、又は他の鉱物のマイクロビードと、ペンシルヴァニア州所在のPQ Corporationから入手可能なPM 6545として知られるアクリル系ミクロスフェアを含むアクリル系又はフェノール系のプラスチックと、ISP Corporation(ニュージャージー州ウェイン)の架橋アクリル酸塩SunSpheres(商標)中空ミクロスフェア及び同様の中空スフェアと、を含むことができ、また(オランダ国所在のAkzo Nobelの)1事業部門であるスウェーデン国Stockviksverken所在のExpancelの)Expancel(登録商標)ミクロスフェアなどのような膨張可能なスフィアも含むことができる。
【0042】
本発明の1つの実施形態においては、研摩層は、メルトブローン「ショット」加工されたメルトブローン・ウェブなどの不織メルトスパン・ウェブから製造することができる。メルトブローン・ショットは、ストランドと相互に連結されたポリマー(通例はポリプロピレン又は他の熱可塑性材料)の不規則な小球が生成されるように意図的に操作されたメルトブローン工程において適用される目の粗い不均一性層である。所望であれば、ショットを区別して着色し、研摩要素が容易に視認できるようにすることができる
【0043】
随意的に、本発明の研摩層は、2つ又はそれ以上の異なる繊維形式から形成することもできる。例えば、研摩層は、異なるポリマー又はポリマーの異なる組み合わせから形成された異なる繊維形式で形成されることができる。付加的に、研摩層は、異なる配向の繊維、即ち丸まった繊維又は真っすぐな繊維を含む異なる繊維形式、又は互いに異なる長さ又は断面積を持った繊維で形成されることもできる。例えば、ダイ120は、多区域ダイとして、異なる区域に異なるポリマー材料を含むことができ、ダイ120を通してこれらを供給し、区別された異なる繊維に形成して、次いで混合し、形成ベルト114上に不均質に分布させることができる。或いは、2つ又はそれ以上の異なるメルトブローン・サブ層を形成して互いに結合し、異なる繊維形式のかなり均一且つ均質な分布を持った研摩層を形成することもできる。
【0044】
1つの実施形態においては、本発明の研摩層は、個々のポリマー・ストランドの多フィラメント集合体を含むことができる。
ここで用いる「多フィラメント集合体」という用語は、実際に、メルトブローン・ダイ上の隣接する穴から射出された隣接する溶融ポリマー・ストランドの少なくとも部分的な融合(接着)によって形成された、2つ又はそれ以上のポリマー・ストランドの集合体であるメルトブローン繊維を指し、このことは、例えば、空気噴流によって生み出された乱流が普通のメルトブローン操作におけるよりも実質的に少なく、それにより2つ又はそれ以上の隣接するストランドが接触可能となり、該ストランドの長さの少なくとも一部に沿って互いに接合される、といった状況下で達成される。例えば、多フィラメント集合繊維を形成する個々のストランドは、繊維の長さに沿って、約5mmより長い距離に渡って横並びに接合されることができる。よって、多数のポリマーが単繊維として、又は複雑な形状を持って押し出される二成分繊維、多突部形状繊維などは、メルトブローン・ダイの隣接する穴から押し出され又は射出され、ダイを出たとき初めて互いに接着される隣接するポリマー・ストランドを含む本発明の多フィラメント集合繊維と混同されてはならない。
【0045】
メルトブローン・ダイの穴は1つ又はそれ以上の列とすることができる。ダイにおいて1つ以上の穴の列が存在するときには、該穴は千鳥配列とすることも整列させることもでき、又は公知の他の方法で分布させることができる。所望の断面形状を持つ個々のストランドを形成するために、ダイ穴はいずれかの所望の形状とすることができる。1つの実施形態においては、集合されて本発明の集合繊維を形成する前のポリマー・ストランドの断面がほぼ円形となるように、ダイ穴を円形とすることができる。図14A及び図14Bに見ることができるように、ほぼ円形の個々のポリマー・ストランドは、互いに接着された後であっても個々の円形断面を保持することができる。
【0046】
多フィラメント集合体は、特に、直線状に整列された隣接するメルトブローン穴からの3つ又はそれ以上のストランドが、ほぼ平行な(即ち連続的ストランドの中心点を結ぶことによって形成される線が概ね直線であるときに互いに平行な)アレイとして互いに付着した時には、ほぼリボン状の特徴を持つことができる。例えば、図11は、ほぼ平行なアレイの形で付着された6つの個々のポリマー・ストランドから成る多フィラメント集合体を図示する。多フィラメント集合体の幅は、該多フィラメント集合体中のストランドの数に単一のストランドの直径を掛けたものに近いくらいの大きさとなるが、接合されたストランドの一部の融合のために、また幾つかの場合にはストランドのねじれのために、この幅は通常、ストランドの数と単一のストランドの直径(又は平均的な単一のストランドの直径)の積の分率である。この分率は約0.2から約0.99までとすることができ、具体的には約0.4から約0.97までとすることができ、より具体的には約0.6から約0.95までとすることができ、最も具体的には約0.7から約0.95までとすることができる。1つの実施形態においては、多フィラメント集合繊維の非円形断面の主軸を約30ミクロンより大きくすることが可能である。
【0047】
多フィラメント集合体中のストランドの数は、2から約50までの範囲とすることができ、具体的には2から約30までの範囲とすることができ、より具体的には2から約20までの範囲とすることができ、最も具体的には約3から約12までの範囲とすることができる。多フィラメント集合体は、3又はそれ以上、4又はそれ以上、5又はそれ以上、或いは6又はそれ以上の、数加重平均ストランド数を持つことができる。多フィラメント集合体を含むメルトブローン・ウェブは、ウェブの質量の5%以上を構成する多フィラメント集合体を含むことができる(ウェブの質量の5%以上を占める3つ又はそれ以上のストランドを含む多フィラメント集合体など)。例えば、多フィラメント集合体が占めるウェブの質量分率は、約10%以上か、約20%以上か、約30%以上か、約40%以上か、約50%以上か、約60%以上か、約70%以上か、約80%以上か、約90%以上か、又はほぼ100%とすることができる。これらの範囲は、一般に多フィラメント集合体に当てはめることができ、又は少なくとも3つのストランドか、4つのストランドか、5つのストランドか、又は6つのストランドを有する多フィラメント集合体に当てはめることができる。
【0048】
図11は、メルトブローン法などの操作によって単一のポリマー・ストランド238から形成されたポリマー性繊維126の断面を図示し、また比較のために、6つのストランド238の部分的な融合によって形成され、リボン状の構造を得た多フィラメント集合体240の断面を図示する。2つのストランド238が互いに接合されている領域は、カスプ243を備えることができる。
多フィラメント集合体240の断面を完全に囲むことができる最小の長方形241は、幅W及び高さHを有する。幅Wは多フィラメント集合体の幅であり、高さHは多フィラメント集合体の高さである。多フィラメント集合体のアスペクト比は、W/Hの比である。本発明の多フィラメント集合体のアスペクト比は、約2以上か、約3以上か、約4以上か、約5以上か、又は約6以上とすることができ、例えば約3から約12までである。
多フィラメント集合体240のストランド238は、繊維(多フィラメント集合体240)の全長に渡ってほぼ平行の状態を保つことができ、或いはある程度の距離だけ保ち、それから2つ又はそれ以上のより小さな多フィラメント集合体のグループ又は個々のストランド238に分かれることもできる。多フィラメント集合体240のストランド238は、約1mm以上か、5mm以上か、10mm以上か、20mm以上か、又は50mm以上の距離にわたって側部に沿って互いに接合した状態を保つことができる。
【0049】
形成ベルト114は、いかなる好適な形成ベルトとすることもでき、所望であればメルトブローン層に、その研摩性にやはり影響を与えるようなテクスチャを供与することができる。例えば、メルトブローン層の高度な表面テクスチャは、Lindsay Wire Companyから入手可能なもののような高寸法の形成布上にメルトブローン層を形成することによって、達成することができる。別の実施形態においては、研摩層は、布によって支持されるテクスチャ加工されたティシュー・ウェブ又は他のセルロース性ウェブなどのような繊維質の吸収性ウェブ(図示せず)の上に直接形成することができる。図8は、比較的平坦な吸収体層34に取り付けられた高度にテクスチャ加工されたメルトブローン層32を伴う本発明の1つの実施形態の断面図である。或いは又、図7に図示されたように、形成ベルト114を比較的平坦にして、平坦なメルトブローン層32を製造することもできる。
【0050】
研摩層は、好適な繊維坪量及び編成を持つことができ、それにより、可撓性を保ちつつ、複合パッド構造体に良好な擦り落とし特徴を与える。例えば、研摩層を形成するメルトブローン・ウェブは、約10gsmより大きい坪量を持つことができる。より具体的には、メルトブローン・ウェブは、約25gsmと約400gsmの間の坪量を持つことができ、より具体的には約30gsmと約200gsmの間の坪量を持つことができ、最も具体的には約40gsmと約160gsmの間の坪量を持つことができる。メルトブローン・ウェブは、約0.02グラム/立方センチメートル(g/cc)、0.04g/cc、0.06g/cc、0.1g/cc、0.2g/cc、0.4g/cc、0.6g/cc、及び0.8g/ccの中のいずれかから、約0.1g/cc、0.3g/cc、0.5g/cc、及び1g/ccのいずれかまでの範囲の密度を持つことができる(公知の他の値及び範囲もまた本発明の範囲内とすることができる)。1つの実施形態においては、研摩層と接触することにより表面が擦られる時のようにパッドに圧力がかけられる時に、その表面がほぼパッドのメルトブローン層のみに接触するように、研摩層を形成することができる。
【0051】
前述したように、ウェブは、その全体に渡る厚さ及び坪量に変化を持たせて形成し、それにより凸凹した、より研摩性のある表面をもつウェブ製造されるようにすることができる。ウェブの表面に渡る厚さの変化は、固体表面に置かれたときに7.3psi(50kPaの圧力がかかる)の荷重をサンプルに押し当てる、直径0.6インチのプラテンによって測定することができ、このとき固体表面に対するプラテンの変位が、該サンプルの局所厚さを示す。サンプル上の異なる位置における繰り返し測定値を用いて、局所厚さ測定値の分布を得ることができ、そこから標準偏差を算出することができる。本発明の研摩層は、この厚さ測定値において、少なくとも約0.2mm、具体的には少なくとも約0.6mm、より具体的には少なくとも約0.8mm、最も具体的には少なくとも約1.0mmの標準偏差を持つことができる。パーセンテージ基準で表現すると、5−mm平方断片に渡って平均化されたデータポイントに対する坪量の標準偏差は、例えば約8%から約60%まで、又は12%から約50%までなどのように、約5%以上とすることができ、より具体的には約10%以上とすることができ、より具体的には約20%以上とすることができ、最も具体的には約30%以上とすることができる。
【0052】
研摩層の研摩性は、研摩層の形態によって更に増強させることができる。例えば、研摩層は、不均一な坪量、不均一な厚さに起因して、又はテクスチャ加工された湿式堆積ティシュー・ウェブなどの下にある繊維質ウェブの立体形態に起因して、複数の凹凸領域を持つことができる。凸領域と凹領域は、機械方向又は機械横方向などの少なくとも1つの方向にほぼ周期的に約2mm以上の、より具体的には約4mm以上の固有波長をもって離間させることができ、凸領域と凹領域の間には、少なくとも0.3mm以上の、より具体的には約0.6mm以上の、更により具体的には約1mm以上の、最も具体的には約1.2mm以上の固有高低差を持つことができる。
【0053】
別の実施形態においては、研摩層は、ポリプロピレン繊維などの縮小された溶融可能な熱可塑性繊維をその上に分布させた、平坦な不織基体を備えた加工前ウェブを含むことができる。加工前ウェブを加熱して熱可塑性繊維を収縮させ、節のある繊維残部を形成させることができ、これが得られるウェブ材料に研摩性特徴を与える。節のある繊維残部は、ウェブの総繊維重量の約10%から約50%までを構成することができ、約100マイクロメートル以上の平均粒径を持つことができる。節のある残部を形成するのに用いられた繊維に加えて、加工前ウェブは、ポリプロピレンより融点が高く、強度を供与する少なくとも1つの成分を持つ、セルロース性繊維及び合成繊維を含むことができる。加工前ウェブは、湿式堆積法、空気堆積法、又は他の方法で製造することができる。1つの実施形態においては、加工前ウェブは、製紙繊維をほぼ含まない。例えば、加工前ウェブは、ポリプロピレン繊維を含む繊維質ナイロン・ウェブ(例えばナイロン繊維とポリプロピレン繊維の両方を含むボンデッド・カーデッド・ウェブ)とすることができる。
【0054】
研摩層はまた、穿孔して、物品の吸収体層への流体の到達を向上させることができる。例えばピン穿孔されたメルトブローン・ウェブは、穿孔の存在に起因して、増強された研摩性を持つことができる。
他の材料もまた、本発明の研摩層として随意的に用いることができる。例えば、穿孔されたナイロンカバー、ナイロン網状組織、及び例えば3M Corp.(ミシガン州ミネアポリス)のSCOTCHBRITEパッドのような他の擦り落とし製品に見出される材料に類似した材料といった、公知の擦り落とし製品の研摩層として使われる他の材料を使うことができる。
本発明によれば、不織紙ウェブにより形成されるような1つ又はそれ以上の吸収体層に研摩層を固定して、使い捨て擦り落としパッドを形成することができる。本発明によるラミネートが擦り落とし作業又は他の労力を要する作業に用いられた際の製品の耐久性は驚くほどに高い。その卓越した性能の少なくとも一部はラミネートの材料特性における相乗効果に起因し、それは個々の構成材の材料特性に基づいて予測されるものを上回るであろう。例えば、ティシュー・ウェブに結合されたメルトブローン層を含む研摩性ラミネートの引張強度及び伸び特性は、同じメルトブローン層とティシュー・ウェブの非結合の組み合わせよりも実質的に高い引張強度を持つことができる。
【0055】
幾つかの実施形態においては、強度相乗効果は約1.05以上とすることができ、より具体的には約1.1以上とすることができ、更により具体的には約1.2以上とすることができ、最も具体的には約1.5以上とすることができ、例えば約1.05から約3、約1.1から約2.5、及び約1.5から約4などの例示的な範囲を持つ。幾つかの実施形態については、伸び相乗効果は約1.1以上とすることができ、より具体的には約1.3以上とすることができ、更により具体的には約1.5以上とすることができ、最も具体的には約1.8以上とすることができ、例えば約1.3から約3、約1.5から約2.5、及び約1.5から約2などの例示的な範囲を持つ。実質的に1より大きい伸び相乗効果を持つラミネートは、必ず持つとは限らないが実質的に1より大きい強度相乗効果を持つことができる。同様に、実質的に1より大きい強度相乗効果を持つラミネートは、必ず持つとは限らないが実質的に1より大きい伸び相乗効果を持つことができる。
【0056】
吸収体層の紙ウェブは、一般に高レベルの嵩を有するウェブである。更に、このウェブは湿潤環境で用いるために、相当量の湿潤強度及び湿潤弾力性を持つことができる。所望であれば、紙ウェブもまた、前述した研摩層と同様にして、高度にテクスチャ加工し、立体構造を持たせることができる。例えば、紙ウェブは、約0.2mmより大きく、特に約0.4mmより大きい全表面深さを持つことができる。1つの実施形態においては、紙ウェブは、例えばSCOTT(登録商標)Towel又はVIVA(登録商標)Towelのような市販のペーパータオルとすることができる。例えばSCOTT(登録商標)Towelは、通例、30%より大きい(例えば1つの測定値の組は38%の値を出した)湿潤:乾燥引張強度比(横方向に取った、湿潤引張強度と乾燥引張強度の比)を有し、VIVA(登録商標)Towelは通例、60%より大きい(例えば1つの測定値の組は71%の値を出した)湿潤:乾燥引張強度比を有する。湿潤:乾燥引張強度比はまた、10%より大きくするか、20%より大きくするか、40%より大きくするか、又は50%より大きくすることができる。
【0057】
1つの実施形態においては、紙ウェブは、該ウェブが平坦かつ平面的でない状態で繊維を結びつける水素結合が実質的に形成されるように、立体的状態で乾燥されテクスチャ形成されたウェブとすることができる。例えば、このウェブは、該ウェブが高度にテクスチャ加工された通気乾燥布又は他の立体的基体上にある状態で形成することができる。
一般に、クレープ加工されない通気乾燥紙ウェブは、約25gsmより大きい坪量を有することができる。具体的には、紙ウェブは、約40gsmより大きい坪量を有することができ、より具体的には約50gsmより大きい坪量を有することができる。所望であれば、ウェブは、湿潤紙力増強剤及び/又は、重量にして少なくとも約5パーセント(5%)のサーモメカニカルパルプなどの高収率パルプ繊維を含むことができる。ウェブは、高収率パルプ繊維に加えて、軟材繊維及び/又は硬材繊維といった製紙繊維を含むことができる。1つの実施形態においては、ウェブは完全に高収率パルプ繊維及び軟材繊維のみから製造される。軟材繊維は、重量にして約95%から約70%までの量で存在することができる。
【0058】
図2を参照すると、本発明に従って通気乾燥紙シートを製造するための方法が図示されている。(簡略にするために、幾つかの布の動きを定めるために用いられた種々の引張ロールは、符号は付けずに概略的に図示される。本発明の範囲から逸脱することなく、図2に図示された装置及び方法からの変形が為されることが了解されるであろう。)図示されているのは、層化された製紙ヘッドボックス10を有するツインワイヤフォーマであり、該ヘッドボックスは、製紙繊維の水性懸濁液のストリーム11を、工程の中で新たに形成された湿潤ウェブを支持し下流へと運ぶ役目を果たす形成布13の上に射出し又は堆積し、該ウェブは約10乾燥重量パーセントの稠度となるまで部分的に脱水される。湿潤ウェブが形成布に支持されている間に、真空吸引などにより湿潤ウェブの付加的な脱水を行うこともできる。
【0059】
湿潤ウェブは次いで形成布から、ウェブに増大された伸びを与えるため形成布より低速で移動する移送布17へと移送される。これは広く「ラッシュ」移送と呼ばれる。移送布は、形成布のそれと等しいか又はそれより小さい空隙体積を持つことが好ましい。2つの布の間の相対速度差は、0から60パーセントとすることができ、より具体的には約10から40パーセントとすることができる。形成布及び移送布が真空スロットの前縁のところで同時に合流及び分岐するように、移送は真空シュー18の力を借りて行われることが好ましい。
次いでウェブは、真空移送ロール20又は真空移送シューの力を借り、ここでも前述した通り一定隙間移送法を随意的に用いて、移送布から通気乾燥布19へと移動される。通気乾燥布は、移送布と大体同じであるか又は異なる速度で移動することができる。所望であれば、通気乾燥布をより低速で動かして更に伸びを増強することができる。シートを確実に変形させて通気乾燥布になじませるために、移送は真空の力を借りて行われることが好ましく、そのようにして所望の嵩高さ及び外観が得られる。
【0060】
1つの実施形態においては、通気乾燥布は高く且つ長い印象ナックルを含む。例えば、通気乾燥布は、布面から少なくとも約0.005インチ隆起した印象ナックルを1平方インチ当たり大体約5個から約300個まで持つことができる。乾燥の間に、ウェブは、通気乾燥布の表面になじむように巨視的に配置される。
ウェブの移送に用いられる真空のレベルは、水銀柱約3インチから約15インチ(水銀柱75ミリメートルから約380ミリメートル)までとすることができ、水銀柱約5インチ(125ミリメートル)であることが好ましい。真空シュー(陰圧)は、真空によってウェブを次の布へ引き寄せることに加えて、或いはこれに置き換わるものとして、ウェブの反対側から陽圧を用いてウェブを次の布に吹きつけることによって補われるか又はこれに置き換えられてもよい。また、真空ロール(単数又は複数)を用いて真空シュー(単数又は複数)を置き換えることができる。
【0061】
通気乾燥布に支持されている間に、ウェブは通気乾燥機21により、約94パーセント以上の稠度になるまで仕上げ乾燥され、その後保持布22へと移動される。乾燥ベースシート34は、保持布22及び随意的な保持布25を用いてリール24へ移送される。随意的な加圧式ターニングロール26を用いて保持布22から布25へのウェブの移動を容易にすることができる。この目的に適した保持布は、Albany International 84M又は94M、及びAsten 959又は937であり、これらの全ては微細なパターンを持つ比較的平滑な布である。図示されないが、リール・カレンダ加工又はその後のオフライン・カレンダ加工を用いてベースシート34の平滑性と柔らかさを向上させることができる。
【0062】
紙ウェブは、湿潤弾力性を向上させるために、前述した高収率繊維のような湿潤復元繊維を含むことができる。高収率繊維は、例えば、漂白済みケミサーモメカニカルパルプ(BCT&P)のようなサーモメカニカルパルプを含む。シートに存在する高収率パルプ繊維の量は、特定の用途に応じて様々に変えることができる。高収率パルプ繊維は、例えば約5乾燥重量パーセント以上の量で存在することができ、又は具体的には約15乾燥重量パーセント以上の量で存在することができ、更により具体的には約15乾燥重量パーセントから約30乾燥重量%の量で存在することができる。他の実施形態においては、ウェブ中の高収率繊維のパーセンテージは、約30%、約50%、約60%、約70%、及び約90%のうちのいずれかより大きくすることができる。
【0063】
1つの実施形態においては、クレープ加工されない通気乾燥ウェブは、多層の繊維完成紙料から形成することもできる。強度及び柔らかさは両方とも、層形成ヘッドボックスから作り出された層化ウェブによって達成され、該ヘッドボックスにより運ばれる少なくとも1つの層は軟材繊維を含み、別の層は硬材又は他の繊維形式を含む。公知のいかなる方法によって生み出される層状構造も本発明の範囲内にある。
例えば、1つの実施形態においては、高収率パルプ繊維を中心に含む、層化されたウェブ即ち層状ウェブが形成される。高収率パルプ繊維は一般に他の製紙繊維より柔らかいことから、幾つかの用途においては、3層構造シートの中心に配置するなどの方法によってこれらを紙ウェブの中央に組み入れることは利点となる。次いでシートの外側層を軟材繊維及び/又は硬材繊維から製造することができる。
高収率繊維を含むことに加えて、紙ウェブはまた、湿潤弾力性を向上させる湿潤紙力増強剤を含むことができる。実際には、立体紙ウェブを成形するための湿潤強度添加剤を伴う非圧縮式乾燥と湿潤弾力性繊維の塗布との組み合わせは、濡らされた時に、それが圧縮された後であっても極めて高い嵩を維持するウェブを生み出す。
【0064】
「湿潤紙力増強剤」とは、湿潤状態にある繊維の間の結合を固定化するために用いられる材料である。紙ウェブ又は紙シートに付加された時に、そのシートに、0.1を超える湿潤幾何平均引張強度/乾燥幾何平均引張強度の比(GM湿潤:乾燥引張比)を与えるか、又は横方向の0.1を超える湿潤幾何平均引張強度/乾燥幾何平均引張強度の比(CD湿潤:乾燥比)を与える結果をもたらすいかなる材料も、本発明の目的上、湿潤紙力増強剤と呼ばれることになる。通例、こうした材料は、恒久的湿潤紙力増強剤と呼ばれるか、又は「一時的」湿潤紙力増強剤と呼ばれる。恒久的湿潤紙力増強剤と一時的湿潤紙力増強剤を区別するために、恒久的とは、それが紙製品又はティシュー製品に組み入れられた時には、少なくとも5分間水に晒された後で元の湿潤強度の50%より大きい強度を保持するような製品を供与する樹脂と定められる。一時的湿潤紙力増強剤とは、5分間水に浸された後で元の湿潤強度の50%より小さい湿潤強度を示すようなものである。どちらの材料分類も本発明の中にその用途を見出すものであるが、恒久的湿潤紙力増強剤は、本発明のパッドが湿潤状態で長時間用いられた時に利点を提供するものと考えられる。
【0065】
パルプ繊維に付加される湿潤紙力増強剤の量は、繊維の乾燥重量を基本として、少なくとも約0.1乾燥重量パーセントとすることができ、より具体的には約0.2乾燥重量パーセント以上とすることができ、更により具体的には約0.1乾燥重量パーセントから約3乾燥重量パーセントとすることができる。
恒久的湿潤紙力増強剤は、ある程度長期の湿潤弾力性を構造体に与えることになる。これと対照的に、一時的湿潤紙力増強剤は、低い密度及び高い弾力性を持つ構造体を与えるであろうが、水への露出に対する長期に渡る抵抗性を持つ構造体を与えることはないであろう。繊維/繊維結合点における耐水性結合を生成するという本質的な特性が得られる限りにおいて、湿潤強度が生じるメカニズムは本発明の製品に殆ど全く影響を及ぼさない。
【0066】
好適な恒久的湿潤紙力増強剤は、通例、それ自体に架橋能力があるか(ホモ架橋)、もしくはセルロース又は他の木材繊維成分と架橋する能力がある水溶性カチオン系オリゴマー型又はポリマー型の樹脂である。この目的のために最も広汎に使用されている材料は、ポリアミド−ポリアミン−エピクロロヒドリン(PAE)型の樹脂として知られるポリマーのクラスである。これらの材料の実例は、デラウェア州ウィルミントン所在のHercules,Inc.からKYMENE 557Hとして販売されてきた。関連材料は、ノースカロライナ州シャーロット所在のHenkel Chemicals Co.及びジョージア州アトランタのGeorgia−Pacific Resins,Inc.から市販されている。
ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂はまた、本発明において、結合樹脂としても有用である。Monsanto社によって開発され、SANTO RESの名称で流通している材料は、塩基活性化ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂であり、本発明にはこれを用いることができる。消費者製品としてはそれほど広く用いられてはいないが、ポリエチレンイミン樹脂もまた、本発明の製品の結合点を固定化するのに適している。恒久的タイプの湿潤紙力増強剤の他のクラスとしては、ホルムアルデヒドをメラミン又は尿素と反応させて得られるアミノプラスト樹脂が例に挙げられる。
【0067】
好適な一時的湿潤紙力増強剤樹脂は、これらに限定されないが、American Cyanamid社によって開発され、PAREZ 631 NCの名で流通しているもののような樹脂を含む(現在はニュージャージー州ウェスト・パターソン所在のCytec Industriesから入手可能である)。本発明における用途を見出すことができる他の一時的湿潤紙力増強剤は、National Starch社から入手可能でありCO−BOND 1000として流通しているもののような変性でんぷんを含む。列挙した湿潤紙力増強剤樹脂のクラス及びタイプに関しては、この列挙は単に例を供与しているに過ぎないこと、及びこれは他のタイプの湿潤紙力増強剤樹脂を除外することを意図しておらず、本発明の範囲を限定することを意図してもいないということが理解されるべきである。
上述した湿潤紙力増強剤は、本発明と関わる使用における具体的な利点を見出すものではあるが、他のタイプの結合剤もまた、必要な湿潤弾力性を供与するのに使うことができる。これらは、ベースシート製造工程の湿潤端において塗布されるか、又はベースシートが形成された後もしくは乾燥された後で、スプレー法又はプリント法によって塗布される。
【0068】
吸収体層の湿潤引張強度及び乾燥引張強度は、Instron装置のような世界共通の試験機械を用い、Tappi標準条件下で(サンプルは相対湿度50%及び73°Fに4時間にわたって調節される)分速10インチのクロスヘッド速度に4インチのゲージ長及び3インチのジョー幅を用いて、測定することが可能である。吸収体層の乾燥引張強度(機械方向か、横方向か、又は横方向と機械方向の幾何平均の方向に測定される)は、約500g/3インチ以上、約1000g/3インチ以上、約1500g/3インチ以上、約2000g/3インチ以上、約2500g/3インチ以上、及び約3000g/3インチ以上のうちのいずれかとすることができ、例えば約800g/3インチから約3000g/3インチである。吸収体層の湿潤引張強度(機械方向か、横方向か、又は横方向と機械方向の相乗平均をもって、測定される)は、約200g/3インチ以上、約500g/3インチ以上、約700g/3インチ以上、約800g/3インチ以上、約1000g/3インチ以上、約1500g/3インチ以上、及び約2000g/3インチ以上のうちのいずれかとすることができ、例えば約500g/3インチから約2500g/3インチである。随意的に、本発明の吸収体層は、2つ又はそれ以上の同様の又は異なる紙プライから形成された多重プライの紙ウェブを含むことができる。しかしながら、多重プライ吸収体層を形成する時には、予想される条件下での良好な製品性能を得るために、プライ間に固定取付け手段を供与することが必要となる場合もある。例えば、ホットメルト接着剤又は他の公知の固定取付け手段のような接着剤を用い、独立したプライを互いに固定結合して擦り落としパッドの吸収体層を形成することができる。例示的なホットメルト接着剤は、これらに限定されることなく、EVA(酢酸エチル・ビニル)ホットメルト(例えばEVAのコポリマー)、ポリオレフィン・ホットメルト、ポリアミド・ホットメルト、感圧式ホットメルト、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)コポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)コポリマー、及びアクリル酸エチレン・エチル・コポリマー(EEA)、及びポリウレタン系反応型ホットメルト(PUR)などを含むことができる。1つの実施形態においては、ポリ(アルキルオキサゾリン)ホットメルト化合物を用いることができる。イソシアン酸塩、エポキシ、及び他の公知の接着剤もまた用いることができる。本発明の幾つかの実施形態に適するような接着剤の具体的な例は、Sunoco Chemicals(ペンシルヴァニア州フィラデルフィア)社製のSUNOCO CP−1500(アイソタクチック・ポリプロピレン)、Eastman Chemical(テキサス州ロングビュー)社製のEastman C10、Eastman C18、及びEastman P1010(非晶質ポリプロピレン)、Elf Atochem North America(ペンシルヴァニア州フィラデルフィア)社製のFindley H1296及びFindley H2525A、H.B.Fuller Company(ミネソタ州セントポール)社製のHM−0727、HM−2835Y、及び8151−XZP、及びNational Starch and Chemical Corp.(カリフォルニア州バークリー)社製のNational Starch 34−1214及びNational Starch 34シリーズの他の接着剤を含む。
【0069】
ティシュー層を接合するために、又はティシュー層を研摩性ウェブに接合するために接着剤化合物(限定ではないがホットメルト材料を含む)が用いられるときには、接着剤は、110℃より高いか、140℃より高いか、又は155℃より高い温度、例えば約110℃から約200℃か、又は約135℃から約185℃の温度でティシューに結合可能である。ホットメルト接着剤は一般に、強度付与ポリマー、粘着剤樹脂、可塑剤、及び抗酸化剤などの随意的な成分を含む。接着剤化合物は、約10重量%より多い可塑剤、又は約30重量%より少ない可塑剤、より具体的には約25重量%より少ない可塑剤などの可塑剤を含むことができる。同様にして、粘着剤樹脂も、同様に接着剤の質量の約10重量%以上を構成するか、又は接着剤の重量にして約25重量%より少ない量を構成するか、又は接着剤の重量にして約15重量%より少ない量を構成することができる。
【0070】
1つの実施形態においては、接着剤材料は、2つの隣接する層の間に配置された鞘芯二成分繊維などの二成分繊維とすることができる。ポリ乳酸は約120℃から175℃までの範囲の融点を持つことができ、従来型の二成分バインダ繊維に加えて、一方は芯として働く高い融点をもち、より低い融点を持つ他方は鞘として働かせることが可能な2つの異なる種類のポリ乳酸を含む繊維を用いることもできる。
ラテックス材料もまた、本発明の製品中の2つの層を接合する接着剤として使える。ラテックス接着剤の実例は、Findley Adhesices社製のラテックス8085を含む。しかしながら幾つかの実施形態においては、製品はほぼラテックスを含まないか、又は10重量パーセントより少ないラテックスを含むことができ、より具体的には5重量パーセントより少ないラテックスを含むことができ、最も具体的には約2重量パーセントより少ないラテックスを含むことができる。本発明の特許明細書においていずれかの目的で言及されるラテックスは、いずれかのラテックス、合成ラテックス(例えばカチオン系又はアニオン系ラテックス)、或いは天然ラテックス又はその誘導体とすることができる。
【0071】
材料の隣接する層を接合するバインダ材料としてホットメルトが用いられた時には、メルトブローン装置、インクジェットプリンタヘッド、スプレーノズル、及び加圧式オリフィスを含むホットメルトを塗布するためのいかなる公知の装置も用いることができる。ノズル又は他の手段を用いて、不規則なパターンで、或いはスパイラル・パターン又は他のパターンなどの規則的なパターンで、接着剤を塗布することができる。ノズル口径は、約0.1mmから2mmとすることができ、より具体的には約0.2mmから約0.6mmとすることができ、又は0.65mmから1.75mmとすることができる。或いは又、ノズル口径は0.3mmより大きいか、又は0.6mmより大きくすることができる。
【0072】
接着剤を塗布して層を結合するための他のシステムは、基体の上にホットメルト接着剤の連続的なストリームを区別されたパターンで塗布するためのシステムを含む。この方法は、材料ストリームを随伴して、各材料ストリームが基体に向かって動くにつれて該材料ストリームに渦巻き運動が与えられるように配列された複数の気体ストリームを形成するための気体配向機構を含む。基体上の接着剤の半渦流パターンは、1つ又はそれ以上の堆積パターンの選択された横方向の位置を制御しながら達成される。本発明によるラミネートを形成するために、半渦流パターンに加えて、連続的ストリーム或いは非連続的なパルス又はスプレーとして、いかなる公知のパターンのホットメルトもティシュー・ウェブ又は不織ウェブに塗布することができる。他の例示的なパターンは、オメガ字型堆積、正弦曲線状堆積、直線、ジグザグ又は鋸歯状ライン、又はシルクハット型パターン、又はその組み合わせを含む。また接着剤は、周知のように、接着剤フィラメントの開放パターン網状組織の形で塗布することもできる。
【0073】
1つの実施形態においては、本発明の吸収体層は、濡れた時には幾らか半透明となる紙ウェブを含むことができる。この実施形態においては、紙ウェブの不透明度を低くすることができ、そのことにより、乾燥時の紙ウェブが不透明である実施形態においても、吸収体層は湿潤時に半透明性を持つ。しかしながら、所望であれば、紙ウェブは乾燥時にも幾らかの半透明性を呈することができる。例えば、紙ウェブの湿潤時不透明性は、約98%より小さくすることができる(湿潤時不透明性は、不透明な物体については100%であり、透明な物体については0%である)。具体的には、紙ウェブの湿潤時不透明性は、約80%より小さくすることができる。より具体的には、紙ウェブの湿潤時不透明性は約60%より小さくすることができる。
所望であれば、ウェブの研摩層もまた半透明とすることができる。研摩層の開放構造に起因して、ウェブ中の多くの開放空隙即ち孔は、層の深さ全体に渡って延びることができ、層を光が遮られることなく透過して、研摩層にある程度の半透明性を与えることを許す。例えば、研摩層の表面積の約30%より多くが、層の軸方向深さに渡って延びる孔を含むことができる。より具体的には、研摩層の表面積の約50%より多くが、層の深さに渡って延びる孔を含み、研摩層に高度の半透明性を与える。付加的に、メルトブローン研摩層は半透明性ポリマーによって形成することができ、かくして層の半透明性を増強する。
【0074】
擦り落としパッドが半透明であるような実施形態においては、使用者は擦り落としの間に該パッドの清掃効果を視覚的に確認することができる。使用者は例えば、色のついた汚れを擦り落とす時に、半透明性のパッドを通していつその汚れが除去されたかを示す視覚的な合図を見て取ることができる。
いずれかの好適な方法により研摩層及び吸収体層を組み合わせて、本発明の擦り落としパッドを形成することができる。図3は、層を組み合わせるための1つの可能性のある方法を図示し、ここでメルトブローン層32は、形成機械110において、紙ウェブ34の上に直接形成される。この実施形態においては、ウェブ上でポリマーが固化する時に形成される層の間の結合をそれから先で強化することが望ましいであろう。例えば、メルトブローン層32の紙ウェブ34への堆積に先立ち、接着剤を紙ウェブ34に塗布することができる。その後接着剤は擦り落としパッドの層が互いに接着するのを助ける。或いは又、紙ウェブ34上にメルトブローン層32を形成した後で、複合製品に高温及び随意的な圧力を加えて、熱結合プロセスにより層を互いに融合させることができる。例えば、メルトブローン層の繊維が軟化する温度まで複合製品を加熱して、紙ウェブの対向面へのポリマーの一部のある程度の浸透を進め、層の間に強靭で耐久性のある結合を作り出すことができる。
【0075】
図3に図示されたような実施形態においては、ティシューに当たる際のメルトブローン材料の高められた温度を維持し、そのことにより、メルトブローン材料がティシュー層の繊維と結合するようにすることが望ましい場合もある。理論に束縛されることを意図することなしに、使用の間の、即ちラミネートが濡らされて擦り落とし動作を受けている時のティシューへのメルトブローン層の良好な接着のためには、メルトブローン材料の一部を、ティシュー・ウェブの繊維に絡ませるか、又はティシューが濡れた時にメルトブローン層がティシューから剥離することを防止するのに十分なだけティシューの孔マトリクス内部に食い込ませることができると考えられている。そうした結果は、加熱された空気を使用してメルトブローン材料をメルトブローン紡糸口金からティシュー・ウェブまで運ぶことによって、及び/又はティシュー・ウェブ下部に真空を使用して、ティシュー・ウェブの孔マトリクスの中に粘着性のメルトブローン材料を引き込むことによって達成される。例えば、より良好な結合及び可能性のあるセルロース繊維との交絡のためには、形成区域に真空を付与して、ウェブへのポリマー繊維の引っ張りを助けることができる。しかしながら、真空が用いられるときには、ティシューに接触する前にメルトブローン繊維を固化させる可能性があるティシューの近傍の過剰の空気流を防止するように注意を払わなければならない。当業者であれば、狭い真空ボックス、制御された空気流量、パルス化された真空、及び他の手段を、放射線加温もしくは他の材料又は流体(例えば空気)の温度制御手段と随意的に合わせて用いて、研摩層と吸収体層の間の結合を最適化することができる。
【0076】
1つの実施形態においては、セルロース性ウェブを予熱するか、もしくは(セルロース性ウェブ上に直接にメルトブローン形成又はスパンボンド形成することにより、又は前もって形成されたポリマー性繊維の層をセルロース性ウェブに接合することにより)ポリマー性繊維がセルロース繊維上に付着される際に加熱することができる。例えば、IRランプ又は他の加熱源を用いて、ポリマー性繊維がセルロース性ウェブに接触する位置付近のセルロース性ウェブを加熱することができる。特に、繊維が、形成されたてで冷えてきているメルトブローン繊維であるときには、セルロース性ウェブの表面を加熱することにより、セルロース性ウェブとポリマー性繊維の間のより良好な結合を達成することができる。加熱と、セルロース性ウェブ下部の吸引との組み合わせは役に立つ場合があり、一方又は両方の操作は、更にメカニカルプレス法(例えばスポット結合、ロール圧法、スタンプ法など)と組み合わせて、ポリマー性繊維をセルロース性ウェブに更に結合させることができる。
【0077】
或いは又、擦り落としパッドの紙ウェブ及び研摩層を別個に形成し、形成の後で取り付けることもできる。例えば、図4に示されたように、ガイドロール102及び104により紙ウェブ34及びメルトブローン層32を共に誘導して、ロール100及びロール80の間で接触させることもできる。
熱可塑性材料を含む研摩層が前もって形成されており、吸収体層と容易に結合できるほど高温でなくなっている時には、2つの層が接触する際に、又は2つの層が接触した後に、熱を加えて、吸収体層と研摩層の接合を引き起こすことができる。例えば、吸収体層を十分に予熱し、随意的に機械的な圧縮の力を借りて、紙ウェブに触れる際に研摩層の部分的な融合を起こさせることができる。或いは又、2つの層が接触した後でティシュー及び/又は研摩層に熱を加えて、研摩層とメルトブローン層の少なくとも部分的な融合を起こさせることができる。熱は、加熱された表面にティシュー層を接触させ、それがティシューを十分に加熱して該ティシューと接触する研摩層の部分との融合を引き起こすといった形で伝導的に加えることができ、この時ポリマー性層を加熱しすぎないことが好ましい。放射線加温、周波数加温(例えば電子レンジによる加熱)、誘導加温、加熱された空気、ストリーム、又は他の流体を用いた対流加温などを適用して、互いに接触している間にティシュー層及びポリマー性層を加熱するか、又はどちらかの層を、もう一方の層に接合されるに先立って、個別に加熱することができる。
超音波結合及びパターン結合もまた、適用することができる。例えば、超音波エネルギーによって作動される回転ホーンは、研摩層の一部をティシュー・ウェブに対して圧縮し、超音波によって生じる溶接効果に起因するポリマー層の部分融合を引き起こすことができる。同様にして、パターン加熱されたプレート又はドラムは、ティシューと接触する研摩層の部分を圧縮して圧縮部を生じさせ、そのことにより、該圧縮部のティシュー・ウェブへの良好な固着が達成される。
【0078】
代替的な実施形態においては、図5に図示されたように、本発明の層は、形成後に一緒にすることができ、パッドの一方の層又は両方の層に、接触に先立って接着剤82を塗布することができ、これがパッドの層を結合することができる。この実施形態においては、層は接着剤の使用のみを通じて取り付けることができ、又は随意的に、層が一緒にされた後で、層間の結合を更に増強するために、高温及び/又は圧力を適用することもできる。接着剤は、いずれかの方法により、擦り落としパッドの層の一方又は両方に塗布することができる。例えば、図5に図示されたようなスプレー法に加えて、接着剤は、いずれかの公知のプリント法、コート法、又は他の好適な移動方法を通じて塗布することができる。加えて、接着剤は、パッドの層を互いに強固に結合させるいかなる好適な接着剤とすることもできる。接着剤の坪量は約5gsm以上とすることができ、例えば約10gsmから約50gsmであり、より具体的には約15gsmから約40gsmである。或いは又、付加された接着剤の坪量は約5gsmより少なくすることもできる。
【0079】
擦り落としパッドの層を互いに接合する最も適切な方法は、少なくとも部分的には層のテクスチャに左右される。前述したように、メルトブローン層及び/又は紙ウェブは、比較的平滑な形成面の上に形成することができ、従って立体表面テクスチャを殆ど見せないか、或いは、一方又は両方の層を高度にテクスチャ加工された表面上に形成することもできる。例えば、図7は、紙ウェブ34に接合された研摩層32で形成されている擦り落としパッド30の断面を図示し、ここでどちらの層も比較的平滑な表面テクスチャを持っている。このような実施形態においては、層を互いに接合するために、接着剤、高温、圧力、又はその組み合わせが関与する方法を含め、数ある方法のいずれを用いることもできる。
【0080】
代替的な実施形態においては、一方又は両方の層は、高い表面テクスチャを呈することができる。例えば、図8に図示されたように、メルトブローン層32は高度にテクスチャ加工されたメルトブローン層であってもよく、紙ウェブ34は比較的平坦であってもよい。そのような実施形態においては、メルトブローン層32のテクスチャを維持しつつ、メルトブローン層32と紙ウェブ34が接触する箇所において層を強固に結合するためには、スポット結合法が好ましい。メルトブローン層32のテクスチャを損なうような過剰な圧力を複合構造体に及ぼすことなしに、種々の接着剤及び/又は高温が関与する方法を含め、多種多様な公知のスポット結合法を用いることができる。当然ながら、擦り落としパッドは随意的に、高度にテクスチャ加工された紙ウェブを比較的平坦な研摩層に結合したもので形成することもできる。或いは、両方の層を高度にテクスチャ加工することができ、且つ同一の又は異なるテクスチャパターンを持たせることができる。
【0081】
また多種多様な代替的方法を用いて、2つ又はそれ以上のティシュー層を接合するか、又はティシュー層を研摩層に接合することができる。そうした方法は、これらに限定されることなく、以下を含む。
【0082】
・2つの隣接する層の間に粘着性のないバインダ繊維を付加し、その後熱を加えて(例えば赤外線放射、加熱された空気、加熱された表面との接触、誘導加温、マイクロ波放射など)、バインダ繊維の少なくとも部分的な融合を生じさせ、隣接する層に接合させる。層は、実質的に圧縮されないか、又はバインダ繊維がまだ高温であって結合が可能である間に機械的圧縮を受けることができる。結合を容易にするために機械的圧縮が用いられた時には、付与された機械的荷重は100kPa、50kPa、25kPa、10kPa、5kPa、1kPaのうちのいずれかより小さく、又は約1kPaと20kPaの間、又は10kPaと50kPaの間である。
【0083】
・隣接する層との接触に先立って、1つ又はそれ以上の層に粘着性のあるホットメルト材料を塗布する。ホットメルトは、早すぎる冷却を防止するために高温空気中に随伴されたメルトブローン繊維の形態を取るか、又は塗布される層に接触した後でも粘着性を保持するような十分に加熱されたホットメルト材料とすることができ、その後第1の層上のホットメルト材料に第2の層が接触させられて、2つの層の結合を引き起こす。2つの層をラミネートする1つの可能性のある方法は、メルトブローン・ヘッドからのメルトブローン繊維を、層を互いに接触させるものではない対向する負圧ロール、それに続いて層を互いに押圧して結合を起こさせるカレンダー・ロール又はエンボス・ロール上に支持される2つの層の間に、貫通注入することを含む。
【0084】
・押出後に膨張して発泡体中に多孔構造を形成する発泡剤を含有する溶融発泡体加工前原料などの、熱可塑性即ち粘着性のあるポリマー性発泡体を、2つの層の間に押し出す。発泡体は、孔寸法が十分に小さく(例えば1mmより小さく、約10ミクロンから約50ミクロンまでなど)、該発泡体からなる拭き布が、石鹸水又は他の泡生成洗剤を含む水と共に用いられた時に泡を生じさせることができる開放セル発泡体とすることができ、ここで、従来のスポンジを用いる場合にしばしばそうであるように、洗剤溶液で濡れている間に製品を絞ると、溶液が吸収体層を通って押し出されることで泡が生成される。しかしながら、ある種の洗剤溶液が用いられたときに結合効果及び泡生成効果の両方を達成するためには、発泡体の薄い層だけがあればよいであろう。発泡体層は8mmより小さい厚さを持つことができ、例えば約0.5mmから6mmまで、又は1mmから3mmまでとすることができ、10gsmより小さい坪量又は5gsmより小さい坪量を持つことができるが、10gsm以上、20gsm以上、30gsm以上、又は約40gsm以上といったより高い坪量を用いることもでき、例示的な範囲は約15gsmから約60gsm、又は約20gsmから約60gsmまでである。1つの実施形態においては、発泡体層は、吸収体層の両側に置くことができ、即ち擦り落としパッドの主要な2つの層の間、及び吸収体層の外面上に置くことができる。
【0085】
・隣接する層を穿刺するか又は圧着して、繊維の機械的交絡による結合を作り出すことを含む機械的結合を用いることもできる。しかしながら、最も良好な結果を得るためには、ある程度の接着結合が依然として必要とされる。
・熱可塑性バインダ以外のバインダ材料を塗布して、隣接する層を接合する。そのようなバインダ材料は、感圧式接着剤、糊などの硬化性接着剤、及び塩含有溶液の存在下で効力を発揮する塩感応性バインダを含むことができる。
【0086】
本発明の複合擦り落としパッドは、通常は、直接互いに取り付けられる研摩層及び吸収体層の両方を含むことになるが、ある実施形態においては、2つの主要な層の間に付加的な層を含めることができる。図7は、研摩層3と吸収体層34を含む擦り落としパッド30の1つの実施形態の断面を図示し、ここでどちらの層も比較的平滑な表面テクスチャを持っている。このような実施形態においては、層を互いに接合するために、接着剤、高温圧力、又はその組み合わせが関与する方法を含め、数ある方法のいずれを用いることもできる。
代替的な実施形態においては、一方又は両方の層が、高度の表面テクスチャを呈することができる。例えば、図8に図示されたように、研摩層32は研摩面において高度にテクスチャ加工されてもよく、吸収体層34は比較的平坦であってもよい。そのような実施形態においては、2つの層を接合する方法は、層のテクスチャを損なってはならないという制限のみをもつ。
【0087】
図9は擦り落としパッドの別の実施形態を図示し、ここで吸収体層34と研摩層32のどちらも高度の立体テクスチャを呈する。図9に図示された実施形態においては、どちらの層も同一のネストされたテクスチャパターンを有する。或いは、層は異なるテクスチャパターンを持つこともできる。他の実施形態と同じく、2つの層を互いに接合する方法における唯一の制限は、層の所望の表面テクスチャが取り付け手段によって損なわれないということである。例えば、2つの層が異なる、重なり合うテクスチャパターンを持つ時には、スポット結合法が好ましいであろう。
【0088】
図9に図示されたような実施形態においては、層の1つにおける表面テクスチャは、2つの層が互いに取り付けられる時に形成することもできる。例えば、吸収体層34は、クレープ加工されない通気乾燥紙ウェブのような高度にテクスチャ加工されたセルロース性繊維質ウェブとすることができ、研摩層32は吸収体層の上に形成されるか又は結合されることができ、且つ2つの層が組み合わされる時点で吸収体層のテクスチャパターンに適合することができる。例えば、結合工程の一環として、複合物品に熱を加えることができる。これにより、研摩層が軟化して、吸収体層のテクスチャが移ることになり、研摩層は、諸層が互いに取り付けられた後で引き続き吸収体層と同一のテクスチャパターンを呈することができる。
そのような形で研摩層の表面テクスチャを増大させることにより、複合製品の全体的な研摩性を増大させることができる。よって、2つの層の間に相乗効果が存在し、複合擦り落とし製品の研摩面における全体的な研摩性は、取り付け前のどちらの層の研摩性をも上回るものとなる。
更に、ウェブの吸収体層が高度の湿潤弾力性を呈するような実施形態においては、研摩層の付加的テクスチャは、擦り落とし物品が水又は何か他の洗浄流体で飽和された後になっても持続できる。
【0089】
複合擦り落としパッドは、他の形でも層の間に相乗効果を呈することができる。例えば2つの層の繊維は、取り付け工程において、物理的に交絡するか又は互いに融合することができ、そのことにより、層の間にかなり強力な結合が存在する。そのような実施形態においては、複合製品の引張強度は、2つの層の取り付け前の引張強度の合計を上回るか、又は組み合わされた引張強度として、2つの層が同一の広がりをもって互いに隣接して配置されているが互いに結合されておらず、組み合わされた引張強度として一緒に試験される時に測定された引張強度を上回る。
【0090】
本発明の複合擦り落としパッドは、例えば良好な研摩性及び湿潤弾力性などの所望の洗浄上の特徴を呈することができる一方、必要とする原材料はより少なく、且つ良好な可撓性を持ち扱いやすい。例えば、1つの実施形態においては、本発明の擦り落としパッドは全体として150gsmに満たない坪量を持つことができる。本発明の擦り落としパッドはまた、厚さを7mm未満とすることができる。より具体的には、擦り落としパッドは厚さを4mm未満とすることができる。研摩層は、厚さ変動試験法に用いられる装置を使って測定された約0.5mm以上の厚さを持つことができ、或いは厚さは約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上のうちのいずれかの値を持つことができ、例えば約0.5mmから10mm、又は約1mmから5mmの値を持つことができる。或いは又、研摩層の厚さは3mm未満とすることが可能である。
本発明の擦り落としパッドにはまた、所望であれば付加的な層を含めることができる。例えば、本発明の擦り落としパッドは、その両面に、どちらもパッドの中央に挟持された1つ又はそれ以上の吸収体層に取り付けられている2つの研摩層を含むことができる。
【0091】
本発明の1つの実施形態においては、バリア材料からなるバリア層を含めることができ、または吸収体層のどちらかの側の中又は上にサイズ剤を含めることができる。このことは、少量の洗浄化合物(例えば家具用艶出し剤、窓用洗剤、又はレンジ用洗剤のような刺激の強い薬剤)が使われ、パッド全体を濡らすことが望ましくないような時に有用となろう。例えば、バリア層は吸収体層と研摩層の間に置くか、或いは又、吸収体層の外面に置くことができる。1つの実施形態においては、バリア材料は除去可能とすることができる。例えば、本発明の1つの実施形態においては、バリア層は、吸収体層の外面に、使用中に手の乾燥状態を保持できるような不透水性バリア材料を含むことができる。
1つの実施形態においては、バリア材料は、疎水性フィルムとすることができる。しかしながら、いかなる好適な非透水性材料も用いることができると理解されるべきである。好適な水分バリア材料は、例えば、フィルム、織成材料、不織材料、ラミネートなどを含む。バリア材料は例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ポリビニル又は同様の材料のようなプラスチックフィルムでできた液体不浸透性のウェブ又はシートとすることができる。更に、バリア材料は、紙ウェブの表面積の一部のみを占めることができ、または紙ウェブのほぼ全面を覆うこともできる。
【0092】
紙ウェブ及び研摩層に加えて、本発明の擦り落としパッドはまた、どちらかの層の内部に付加的材料を含むことができ、付加的機能層又は機能成分を含むこともできる。例えば、パッドの一部は、石鹸、洗剤、ワックス又は家具用艶出し剤のような艶出し剤、金属用クリーナー、皮革及びビニール用クリーニング剤又は補修剤、衣服に擦りつける染み抜き剤、洗濯前処理溶液、洗浄又は布コンディショニングの向上のための酵素系溶液、ファブリーズ(登録商標)脱臭用化合物(オハイオ州シンシナティ所在のプロクター&ギャンブル社製)の有効成分のような防臭剤、防水用化合物、靴用艶出し剤、染料、ガラスクリーナー、抗菌用化合物、傷薬、ローション及びエモリエントなどを供与することができる。擦り落としパッドに付加できるような他の可能性のある添加剤は、緩衝剤、抗菌剤、又はローション、薬剤(即ちニキビ治療薬)などの皮膚健康剤、又は疎水性皮膚バリア剤、防臭剤、界面活性剤、鉱物油、グリセリンなどを含む。
【0093】
有効成分は、個別包装される時に拭き材上に溶液の形で存在するか、又は使用に先立って拭き材に付加される溶液の形で存在することができる。有効成分はまた、拭き材の中の繊維に付着される乾燥粉末として存在するか、或いは、繊維の中か又は繊維の間の空隙空間の中に含ませられた乾燥化合物として、又は水溶性カプセルの中に閉じ込められるかワックス性即ち高脂質のシェルの中に閉じ込められて機械的な圧縮又は剪断を受けた際に漏出することができる乾燥化合物として、又は拭き材に付属するかこれと協働的に関係し、使用中に又は使用に先立って開封される容器の中に存在することができる。
【0094】
添加剤の塗布は、次のいずれかの好適な方法によって行うことができる。例えば、
・紙ウェブの形成に先立つ、繊維質スラリーへの直接付加。
・層又は複合パッドへのスプレー塗布。例えば、移動する紙ウェブ又はメルトブローン・ウェブの上にスプレーノズルを取り付けて、湿っていてもよくほぼ乾燥していてもよい層に、所望の量の溶液を塗布するようにすることができる。
・オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、いずれかの種類のディジタル印刷などのようなウェブへの印刷。
・層の一方又は両方の表面への、ブレードコーティング、エアナイフコーティング、短期滞留コーティング、キャストコーティングなどのようなコーティング。
・溶液、懸濁液又は乳化液、或いは、ワックスの成分のような粘着性混合物、軟化剤、脱結合剤、オイル、ポリシロキサン化合物又は他のシリコン剤、エモリエント、ローション、インク、又は他の添加剤の形態を取った薬剤のダイヘッドからの押し出し。
・個々の繊維への塗布。例えば、形成面への堆積に先立って、メルトブローン繊維を、化合物のエアロゾル又はスプレーと組み合わせた空気ストリームに載せ、メルトブローン層へ組み入れる前に個々の繊維を処理することができる。
・化合物が、厚さの全範囲に渡ってウェブに完全に浸透することを含む、例えばウェブの厚さの20%より大きい、より具体的には少なくとも約30%、最も具体的にはウェブの厚さの少なくとも約70%といった相当な距離に渡ってウェブの厚みに浸透することを特徴とする、湿潤又は乾燥紙ウェブへの溶液又はスラリーの含浸。
・局部的に塗布するため、又は圧力差の影響下で(例えば真空補助による発泡体の含浸)添加剤を紙ウェブに含浸するための、層への添加剤の発泡塗布(例えば発泡仕上げ)。
・存在する繊維質ウェブへの溶液状化学薬品のパッディング。
・ウェブに塗布するための、添加剤のローラ流体供給。
・スプレー又は他の手段により移動中のベルト又は布に薬剤を塗布し、これらが層に接触して化学薬品を層に塗布すること。
【0095】
添加剤の塗布レベルは、一般に、それが塗布される層の乾燥質量に対して、固形分約0.1重量%から約10重量%とすることができる。より具体的には、塗布レベルは約0.1%から約4%とするか、又は約0.2%から約2%までとすることができる。より高い及びより低い塗布レベルもまた、本発明の範囲内にある。例えば、幾つかの実施形態においては、5%から50%以上までの塗布レベルを考慮することかできる。
パッドの1つ又はそれ以上の側部に、プリント法、コート法、スプレー法、又は他の方法で化学薬品又は化合物を移動させることは、いずれかの公知の薬剤又は化合物(例えばシリコン剤、第4級アンモニウム化合物、エモリエント、アロエベラ抽出物のような皮膚健康剤、クエン酸のような抗菌剤、防臭剤、pH制御剤、サイズ剤、及び多糖類誘導体、湿潤紙力増強剤、染料、芳香剤など)を用いて、均一に行うか、又はパターンなどのように不均一に行うことができる。そうした添加剤の塗布のためには、いかなる公知の方法を用いることもできる。
1つの実施形態においては、擦り落としパッドを供与して、所望の添加化合物は独立した容器又はディスペンサに入れておくことができる。この実施形態においては、添加剤は使用者によって、使用の際に所望の分量だけパッドに塗布されることができる。
【0096】
本発明の擦り落としパッドの層を組み合わせて、いずれかの所望の大きさ又は形状を有し、且ついずれかの特定の目的に適合する製品を形成することができる。例えば、図6は、本発明の1つの実施形態を図示し、ここでメルトブローン層32は紙ウェブ34の表面をほぼ覆って、使用の間に手に保持できるような長方形の擦り落としパッドを形成する。そのような実施形態においては、擦り落としパッドは引っくり返されて、研摩型の清掃と非研摩型の清掃の両方を供与することができる。
或いは又、メルトブローン層は、紙ウェブの表面を部分的にのみ覆い、擦り落としパッド上に単一の擦り落とし面を生成することができ、該パッドは目の粗い研摩領域と平滑な吸収体領域を持つことができる。よって、例えば、パッドの角度又は圧力が加えられるパッドの領域の角度を調節することにより、使用者は清掃中の清掃動作の研摩性を調節することができ、単一の擦り落としパッドの同一の側部に異なるレベルの擦り落とし作用をもつことができる。
【0097】
本発明の擦り落としパッドは、いかなる形状又は配向でも供与することができる。パッドは例えば、正方形、円形、長方形などとすることができる。それは手を使って擦り落とすための手型ミットなどの手袋、又は足に嵌める足型カバーに形成することができる。パッドは、湿潤形態又は乾燥形態のどちらでも包装し販売することができ、随意的にハンドル又は取っ手に取り付けられるように成形して、水切りを備えたワイパー、モップ、トイレ清掃用具、皿洗いワイプ、たわしパッド、及び、金属、陶器、又はコンクリート面を清掃するための擦り落とし用具、艶出し又はやすり掛け用具などのような便利な清掃用具を形成することができる。
【0098】
例えば、図10に図示されるような本発明の1つの実施形態は、剛性の把握装置のベース220に取り付けられる形状にされた本発明の擦り落としパッド30を示している。ベース220は、モップ又はより小型の手持ち式擦り落とし装置に見出されるもののような、使用者が快適に保持することができる形状にされたハンドル210に取り付けられる。擦り落としパッド30は、パッドを強固に保持することが可能な、且つ1つの実施形態においては交換のためにパッドを迅速且つ簡便に解放することが可能な、いずれかの方法によってベース220に保持することができる。例えば、パッド30は、把握スロット225のところでベース220に保持することができる。別の実施形態においては、擦り落としパッド30は、ベース220に恒久的に取り付けることができ、清掃具10全体を使い捨てとすることが可能である。
【0099】
本発明の清掃具は、多くの異なる表面を清掃する即ち擦るのに用いることが可能であり、特定の用途に合わせて設計することが可能である。例えば、清掃具は、長い柄を含むハンドルを持つことが可能であって、床、壁、天井、天井ファン、照明器具、窓などの清掃に使うことが可能である。清掃具が例えば窓の清掃に用いられる場合のようなある種の実施形態においては、周知のように、清掃具は、表面に取り付けられたゴム製水切りのような水切りアタッチメントを有することが可能である。他の実施形態においては、清掃具の研摩層は、清掃される表面をやすり掛けするか又は磨くために用いることが可能である。
【0100】
試験手順
「ガーレイ剛性」とは、Gurley(商標)曲げ抵抗試験機Model 4171−D(ニューヨーク州トロイ所在のPrecision Instruments社製)を用いて成されるウェブの剛性の測定値を指す。試験はTappi標準条件下で(相対湿度50%、23℃)少なくとも4時間調整されたサンプルを用いて行われる。ガーレイ剛性値の判定に適した方法は、TAPPI標準試験T 543 OM−94に示されたものに準拠するが、2インチではなく1.5インチのサンプル長と、2インチではなく1.0インチのサンプル幅を用いるように修正されたものである。長さ1.5インチである幅1インチのサンプルを用いるので、ガーレー数値をガーレイ剛性に換算する式は、ミリグラムを単位として、
剛性=ガーレー数値*11.1mg*(中心からのインチ数/1インチ)*(重さ/5g)
となる。
よって、中心から2インチで重さ25gが用いられた時に得られた8というガーレー数値は、8*11.1mg*2*(25g/5g)=888mgに換算される。
【0101】
本発明の研摩層及び/又は本発明のラミネート製品は、約2500mg以下のガーレイ剛性を持つことができ、具体的には約1500mg以下のガーレイ剛性を持つことができ、より具体的には約800mg以下のガーレイ剛性を持つことができ、更により具体的には約400mg以下のガーレイ剛性を持つことができ、最も具体的には約200mg以下のガーレイ剛性を持つことができ、例えば約40mgから350mg、又は約80mgから約400mgである。これらの剛性値は、ウェブ又は製品のいずれかの方向における測定値について得られる最大値とすることができ(最大剛性値)、又は機械方向(MD剛性値)もしくは横方向(CD剛性値)におけるものとすることもできる。
【0102】
「厚さ変動」とは、研摩層の厚さの不均一性を指す。測定は、7.3psi(50kPa)の圧力を加える直径0.63インチの足部を持ったTMI Model 49−62精密マイクロメーター(ニューヨーク州アミティヴィル所在のTesting Machines,Inc.社製)を用いて、サンプル厚さについての離間された測定値を取ることを含む。試験は、装置が1時間慣らし運転された後で、Tappi標準試験条件下で行われる。試験される材料のストリップが中心1インチのスポットで測定されて、ストリップごとに多数の測定値が与えられる。材料の少なくとも3つのストリップが用いられ、ストリップごとに少なくとも9つの数値が取られる。厚さ変動は、厚さ結果値の標準偏差であり、ミリメートル単位で報告される。
【0103】
「湿潤時不透明度」とは、Technibrite TM Micro TB−1C装置(インディアナ州ニュー・オールバニー所在のTechnidyne Corp.社製)を、ISO不透明度に関する製造業者の指示に従って用いた、湿潤状態におけるサンプルの光学的不透明性の測定値を指し、「乾燥時不透明度」とは乾燥状態におけるサンプルの光学的不透明性の測定値を指し、試験は研摩層を上に向けたサンプルに対して行われる。試験はTappi標準条件下で行われる。湿潤時不透明度は、23℃の脱イオン水の中に1分間浸漬することによって濡らされたサンプルの不透明度の測定値である。次いでサンプルは水から取り出され、その一角を保持して、余分な水分が切れるように3秒間排水される。次いでサンプルは乾燥した吸い取り紙の上に20秒間置かれ、次いで裏返されて、別の吸い取り紙の上に置かれ、更に20秒間そのまま放置されて、次いで直ちに不透明度を試験される。
【0104】
幾つかの実施形態においては、本発明の物品は比較的低い湿潤時不透明度を持ち、それにより使用者は、濡らされた物品を通して、清掃の最中に汚れ又は他の対象物の存在を観察することが可能である。従来のスポンジ及び他の清掃用物品は、ほぼ不透明性となる傾向があるが、本発明の幾つかの実施形態における物品の半透明な性質は、幾つかの清掃状況においては、有用なものとなろう。よって、本発明の物品は、95%、90%、80%、70%、60%、50%、及び40%のうちの大体いずれをも下回ることができ、例示的な範囲は、30%から95%、又は50%から90%、又は40%から80%である。乾燥時不透明度は、例えば約100%というように96%を上回ることができ、或いは例えば約80%から約95%、又は50%から90%、又は40%から85%というように96%を下回ることもできる。1つの実施形態においては、物品の乾燥時不透明度と湿潤時不透明度の差は少なくとも約10%とすることが可能である。
【0105】
「全表面深さ」。シート自体の固有の構造のために、立体的ベースシート又はウェブは、表面の盛り上がりに著しい変動を持つシートである。ここで用いるこの高低差は、「全表面深さ」として表現される。本発明に有用なベースシートは、立体性を所有することができ、約0.1mm以上の、より具体的には約0.3mm以上の、更により具体的には約0.4mm以上の、更により具体的には約0.5mm以上の、更により具体的には約0.4mmから約0.8mmまでの全表面深さを持つことができる。しかしながら、ほぼ平坦なティシューで作られた製品も本発明のある種の実施形態の範囲内にある。
【0106】
概ね平面的なシートの立体構造は、表面形態の観点で表すことができる。本発明の製造に有用な立体シートは、従来の紙においては典型的である殆ど平坦な表面を提示するのではなく目立った形態構造を持ち、これは、1つの実施形態においては、既に参照によって組み入れられた米国特許第5,429,686号の中でChiu他によって教示されるもののような、彫刻通気乾燥布の使用から部分的に導くことができる。結果得られたベースシート表面形態は通例、規則正しい反復単位セルを備えるが、これは通例約2mmと約20mmの間の長さの側部を有する平行四辺形である。湿式堆積材料に関しては、こうした立体ベースシート構造体は、シートが乾燥された後のクレープ加工、エンボス加工、又は他の加工によって形成されるのではなく、湿ったシートを成型することによって形成されるか、又は乾燥前に形成される。このようにして、立体ベースシート構造は濡らされるに際して良好に保持される可能性がより高くなり、高度の湿潤弾力性を与える役に立ち、良好な面内透過性を促進する。空気堆積ベースシートに関しては、繊維質マットを、熱により活性化するバインダ繊維を用いて熱エンボス加工することによって、構造を与えることができる。例えば、熱可塑性材料又はホットメルト・バインダ繊維を含む空気堆積繊維質マットを加熱して、次いで構造体が冷えてシートに恒久的な立体構造が与えられる前にエンボス加工することができる。
【0107】
ベースシートの作成に用いられる彫刻布及び他の布によって与えられる規則正しい幾何学的構造に加えて、面内長さ尺度が約1mm未満であるような付加的な微細構造がベースシートには存在することができる。そのような微細構造は、ウェブが乾燥前に1つの布又はワイヤから別の布又はワイヤへと差動速度移動する間に形成された微小な折り目に起因する。例えば、本発明の材料の幾つかは、市販のモアレ干渉計システムを使って高さプロファイルが測定された時に、0.1mm以上、時には0.2mm以上の微細表面深さを伴う微細構造を持つように見える。これらの微細なピークは、通例、1mmより小さい半値幅を持つ。差動速度移動及び他の処理で生じた微細構造は、付加的な柔らかさ、可撓性、及び嵩高さを与える役に立つ。表面構造の測定は以下で説明される。
【0108】
全表面深さの測定に特に適した方法は、表面を変形させることなく正確な測定を可能にするモアレ干渉計である。本発明の材料への参照のために、表面形態は、約38mmの視野を持つコンピュータ制御の白色光フィールドシフト型モアレ干渉計を用いて測定されねばならない。そうしたシステムの有用な実装の原理は、Bieman他によって説明されている。(L.Bieman,K. Harding,及びA.Boehnlein著、「フィールドシフト型モアレを用いた絶対測定」、SPIE Optical Conference Proceedings、第1614巻、259−264ページ、1991年)。モアレ干渉計に適した市販の装置は、Medar,Inc.(ミシガン州ファーミントン・ヒルズ)が製造し、公称では35−mmの視野用に構築されているが実際には38−mmの視野を持つ(37mmから39.5mmまでの範囲内の視野も妥当である)、CADEYES(登録商標)干渉計である。CADEYES(登録商標)システムは、グリッドを通して投射された白色光を用いて、サンプル表面の上に微細な黒色線を投射する。表面は同様のグリッドを通して観察されてモアレ縞模様を生じ、これがCCDカメラによって観察される。好適なレンズ及びステッパモータは、フィールドシフトのために光学的設定を調節する(技術は下で説明される)。ビデオプロセッサは、取り込まれた縞模様画像をPCコンピュータに送って処理させ、ビデオカメラによって観察された縞模様パターンから表面高さの細部が逆算されるようにする。
【0109】
CADEYESモアレ干渉計システムにおいては、CCDビデオ画像の各画素は、特定の高さ範囲に関連するモアレ縞模様に属すると言われている。Bieman他によって説明されたように(L.Bieman,K.Harding,及びA.Boehnlein著、「フィールドシフト型モアレを用いた絶対測定」、SPIE Optical Conference Proceedings、第1614巻、259−264ページ、1991年)及び、元来Boehnleinに特許が与えられていた(引用によってここに組み入れられる米国特許第5,069,548号)のように、フィールドシフト方法は、ビデオ画像の各ポイントにおける縞の数(どの縞にポイントが属するかを示す)の識別に用いられる。縞の数は、基準面に対し、測定ポイントにおける絶対高さを判定するために必要である。フィールドシフト技術(当該技術分野において時に位相シフト技術と呼ばれる)はまた、サブ縞模様解析(その縞が占める高さ範囲内の測定ポイントの高さの正確な判定)に用いられる。こうしたフィールドシフト法は、カメラベースの干渉計手法と合わせて、正確且つ迅速な絶対高さの測定を可能にし、表面上に存在しうる高さの非連続性に関係なしに、測定が成されることを可能にする。フィールドシフト法と共にモアレ干渉計の原理を組み入れた好適な光学装置、ビデオ・ハードウェア、データ獲得装置、及びソフトウェアが用いられた場合には、本技術はまた、サンプル表面上のざっと250,000個の別個のポイント(画素)の各々の絶対高さが得られることを可能にする。測定された各ポイントは、高さ測定において概ね1.5ミクロンの解像度を持つ。
【0110】
コンピュータ支援干渉計システムを用いて形態データが獲得され、次いで形態データのグレイスケール画像が生成されるが、この画像は以下「高さマップ」と呼ばれる。高さマップは、測定されたサンプルについて得られた形態データに定量的に基づき、通例256階調のグレーでコンピュータモニタ上に表示される。38mm平方の測定領域について得られた高さマップは、表示された高さマップの水平方向概ね500画素及び鉛直方向概ね500画素に対応する、概ね250,000個のデータポイントを含むはずである。高さマップの画素寸法は、512×512CCDカメラに基づくものであり、これはコンピュータ・ソフトウェアによって解析することが可能なサンプル上のモアレパターンの画像を供与するものである。高さマップの各画素は、対応するサンプルのx−位置及びy−位置における高さ測定値を表す。推奨されるシステムにおいて各画素は概ね70ミクロンの幅を持つ、即ち面内の直交方向の両方において約70ミクロンの長さのサンプル表面上の領域を表す。この解像度レベルは、表面から上向きに突出した単一の繊維が表面高さ測定に著しい影響を及ぼすことを防ぐ。z方向の高さ測定は、公称では2ミクロンより小さい正確さと、少なくとも1.5mmのz方向範囲を持たねばならない。(測定方法の更なる背景については、ミシガン州ファーミントン・ヒルズ所在のIntegral Vision(元Medar,Inc.)のCADEYES製品ガイド1994年版、又は他のCADEYES取扱説明書及びMedar,Inc.社の出版物を見よ。)
【0111】
CADEYESシステムは、8つまでのモアレ縞模様を測定することが可能であり、各縞模様は256の深さカウントに分割される(サブ縞模様高さ増分、最小解像可能高低差)。測定範囲に渡っては、2048の高さカウントが存在することになる。これはz方向の全範囲を定めるものであり、それは38−mm視野装置において概ね3mmである。視野における高さ変動が8個より多くの縞模様をカバーした場合には、ラップアラウンド効果が起こって、9番目の縞模様は1番目の縞模様であるかのようにラベル付けされ、10番目の縞模様は2番目の縞模様であるかのようにラベル付けされ、以下同様に続く。換言すれば、測定された高さは、2048の深さカウントによってシフトされるであろう。正確な測定は、8つの縞模様の主フィールドに限定される。
一旦実装され工場較正されて、上述した正確さとz方向範囲を与えるようになると、モアレ干渉計システムは、紙タオルのような材料に関して正確な形態データを与えられるようになる。(当業者は、既知の寸法の表面に測定を行うことで、工場較正の正確さを確認することができる。)試験はTappi条件下(73°F、相対湿度50%)の室内で行われる。サンプルは表面上に平らに設置され、装置の測定面と整合して、又は殆ど整合して置かれねばならず、関心ある最も低い領域と最も高い領域とが両方とも装置の測定領域内にくるような高さでなければならない。
【0112】
一旦適切に設置されると、CADEYES(登録商標)PCソフトウェアを用いてデータ獲得が開始され、通例、データ獲得が開始された時点から30秒以内に250,000データポイントからなる高さマップが獲得され、表示される。(CADEYES(登録商標)システムを用いた際、ノイズ除去のための「コントラスト閾値レベル」は1に設定されており、過剰にデータポイントを除去することなしにある程度のノイズ除去を与える。)データ整理及び表示は、Windows3.1の下で動作するMicrosoft Visual Basic Professional for Windows(version3.0)に基づきカスタマイズされたインターフェースを組み入れたCADEYES(登録商標)のPC用ソフトウェアを用いて達成される。Visual Basicインターフェースは、ユーザがカスタム解析ツールを追加することを可能にする。
【0113】
次いで当業者は形態データの高さマップを用いて、特徴的な単位セル構造を識別することができ(構造が布パターンにより作成された場合には、これらは通例タイルのように配列されてより大きな二次元面積を覆う平行四辺形である)、そうした構造の典型的な谷の深さに対するピークの値を測定することができる。このことを行う単純な方法は、形態的高さマップに描かれた、単位セルの最も高い領域及び最も低い領域を通る線から二次元高さプロファイルを抽出することである。これらの高さプロファイルは、該プロファイルが測定時に比較的平坦に置かれていたシート又はその一部から取られる場合には、ピークと谷との距離について解析される。時々生じる光学的ノイズ及び可能性のある外れ値の影響を排除するために、プロファイルのうちの最も高い10%と最も低い10%は除外されるべきであり、残りのポイントの高さ範囲が表面深さとしてとられる。厳密には、この手順は、ここで「P10」と呼ばれる、10%の材料ラインと90%の材料ラインの間の高低差として定められる変数を算出することを必要とし、ここで材料ラインの概念は、L.Mummeryによって、1990年、ドイツ国ミュールハウゼン、Hommelwerke GmbH社刊「表面テクスチャ分析:入門書」中で説明されるように周知である。この手法においては、図7に関して説明するが、表面31は、空気32から材料33への移行部として見られる。平坦に置かれたシートから取られた任意のプロファイル30に関して、表面が始まる最大高さ−最高峰の高さ−は「0%基準ライン」34即ち「0%材料ライン」の高度であり、それはつまりその高さにおける水平線の長さの0%が材料によって占められているということである。プロファイルの最も低いポイントを通る水平線に沿って、ラインの100%が材料によって占められ、そのラインを「100%材料ライン」35とする。0%及び100%材料ラインの間で(プロファイルの最大ポイント及び最小ポイントの間で)、材料によって占められる水平線長さの分率は、ライン高度が減少するに従い、単調に増大することになる。材料比曲線36は、プロファイルを通る水平線に沿った材料分率と、ラインの高さとの関係を与える。材料比曲線はまた、プロファイルの累積高さ分布でもある。(より正確な用語は「材料分率曲線」となるかもしれない。)
【0114】
一旦材料比曲線が確立されると、それを用いてプロファイルの特徴的なピーク高さを定めることができる。P10「典型的なピーク対谷高さ」媒介変数は、10%材料ライン38と90%材料ライン39の高さの間の差37として定められる。この媒介変数は、典型的なプロファイル構造からの外れ値又は異常な逸脱がP10の高さに殆ど全く影響を与えないという点で、比較的強靭である。P10の単位はmmである。材料の全表面深さは、その表面の典型的な単位セルの高さ極値を包含するプロファイルラインに対するP10表面深さ値として報告される。「微細表面深さ」とは、単位セルの最大値及び最小値を包含するプロファイルに比べて比較的高さが揃った表面の台地領域に沿って見たプロファイルのP10値である。測定値は、本発明のベースシートの殆どのテクスチャ加工された側部について報告され、それは通例、空気流が通気乾燥機に向けられている時に通気乾燥布と接触していた側部である。
【0115】
全表面深さは、ティシュー・ウェブに作り出された形態、特に乾燥工程前に及び乾燥工程の間にシートに作り出された特徴を検査するように意図されたものであるが、エンボス加工、穿孔加工、プリーツ加工などの乾燥変換作業から「人工的に」作り出された大規模な形態は除外するように意図されている。従って、検査されるプロファイルは、ティシュー・ウェブがエンボス加工されている場合には、エンボス加工されていない領域から取られるか、又はエンボス加工されていないティシュー・ウェブに対して測定されなくてならない。全表面深さ測定は、プリーツ又は折り目といった、元のベースシート自体の立体性を反映していない大規模構造を除外しなくてはならない。シート形態は、ベースシート全体に影響を与えるカレンダー法及び他の作業によって低減されうることが認識されている。全表面深さ測定は、カレンダー加工されたベースシートに対して適切に行うことができる。
38−mm視野を持つCADEYES(登録商標)システムはまた、ティシュー・ウェブへの光の到達及び該ウェブの表面測定を可能にする開口部が研摩層に存在する場合には、下にあるティシュー・ウェブに対する研摩層上の材料の高さの測定に使うことができる。研摩層が半透明性材料を含むときには、表面形態の良好な光学的測定を得るために表面に白色スプレーペイントを塗布して、測定される表面の不透明性を増大させることが必要となることもある。
【0116】
研磨性指数を求める試験
ここで用いる「研磨性指数」という用語は、予め指定された形で、固定された荷重下で研摩層の表面上を移動する発泡体のブロックから材料を掻き取る研摩層の能力の尺度である。研磨性指数は、発泡体が完全な16インチの試験サイクルを通して動く時の加重発泡体ブロックの移動1フィート当たりのグラム数に100をかけたもので表した損失質量として報告される。用いられる手順は、ASTM F1015「人工芝競技用表面の相対研摩性のための標準試験方法」に修正を加えたものである。より高い研磨性指数は、より研摩性の高い表面を示すものと考えられる。
研磨性指数の測定準備のために、フェノール系発泡体材料から、1インチ×1インチ×1.25インチの寸法になるように、発泡体試験ブロックが切り取られる。発泡体は、オハイオ州ケント所在のSmithers−Oasis Company(UPC 082322634866)の1事業部門であるOasis Floral Productsにより製造され、「乾燥花卉用発泡体」製品コード665018/63486APPとして流通している、シルクフラワー及びドライフラワーのフラワーアレンジメントに広く使われる周知の市販緑色発泡体である。
【0117】
試験される材料からサンプルが切り取られ、オハイオ州エイボン所在のHenkel GroupのManco,Inc.(UPC 075353071984)により流通されているManco(登録商標)屋内/戸外用カーペットテープを用いて、平坦で剛性のテーブル表面にテープ留めされる。テープは、少なくとも4インチ×4インチの寸法を有するほぼ均一な接着面が確実に与えられるように、テープ部分の重なりを避けてまずテーブル表面に付けられる。次いでサンプルは、テープ留めされた領域の中心に合わされて、正しい位置に穏やかに押圧される。1インチの厚さと168グラムの質量を有する3インチ×3インチの方形のプラスチックブロックがサンプルの上に設置されて、両面テープを有するテーブルの少なくとも4インチ×4インチの領域内を中心とする試験面積を定める。直径2インチで質量1kgの真鍮シリンダがプラスチックブロックの中心に寄せられ、10秒間そのまま置かれて、サンプルをテープ領域に固定する。マーカーを用いて、プラスチックブロックの周囲を辿り、試験面積が描かれる。ブロックと重しがサンプルから取り除かれる。描かれた正方形(3インチ×3インチ)の側部は、そうした方向が定められた時には(例えば不織研摩層の場合のシュート方向)、試験される材料の機械方向及び横方向と位置合わせされねばならない。
【0118】
図25は、試験されるサンプル280の研磨性指数試験のための設営の概略図である。サンプル280は、下にあるティシュー・ウェブ(図示せず)に接合することができる上に面する研摩層32を持つことができる。両面テープ270は、サンプル280をテーブル表面(図示せず)に接合する。発泡体ブロック274は、サンプル280の上側表面の上にマークされた方形試験領域272の下側右手角部282Aに設置される。サンプル280と接触する発泡体ブロック274の表面の寸法は、1インチ×1インチである。発泡体ブロック274の頂部には、直径1インチの円形設置面積を持つ100gの真鍮製重し276が設置される。サンプル280上の発泡体ブロック274の2つの側部は、マークされた試験領域272の角部282Aの内側境界にほぼ重なる。
【0119】
試験を実施するためには、発泡体ブロック274は、下側右手角部282A(開始角部)から試験領域272の上側右手角部282Bへ、次いで他の角部282C、282Dへ、そしてまた元の282Aへと、該発泡体ブロック274がマークされた試験領域272の境界線に確実に沿って、境界線の外には出ずに動くように、手を使って着実に動かされる。手によって下向き又は上向きの力が加えられないように、ただ発泡体ブロック274を、矢印278A−278Dで示されるように逐次的に1つの角部から別の角部へ動かす着実な横向きの力のみが加わるように注意する。重しがかけられた発泡体ブロック274の直立性を維持するために、必要に応じオペレータの両手を用いることもできる。ブロックは1つの側部につき約5秒の着実な速度で動かされる(側部とは、1つの角から次の角までの経路である)。発泡体ブロック274によって辿られる経路は、開始角部282Aで終わる正方形を定める。
【0120】
スムーズで着実な動きを得るために、ブロックを所望の方向に押し出すために1本の指(例えば親指)を発泡体ブロック274の「後方」鉛直面にあて、発泡体ブロック274の安定した位置を維持するために別の指を「前方」鉛直面にあてるべきである。
ブロック274が開始角部282Aに戻ってきた後、再び、重しがかけられたブロック274を持ち上げることなしに、経路が逆順で回られる。このようにしてブロック274は一度通ったのと同じ経路を、但し逆順で、開始角部282Aから下側左手角282Dへ、上側左手角部282Cへ、上側右手角部282Bへ、そしてまた元の282Aへと、着実な横向きの圧力によって動かされ、1つの側部あたり5秒の速度を維持しながら回っていく。
【0121】
このプロセスの間に、発泡体ブロック274の一部は、それが辿る合計16インチ(8インチのサイクルが2つ)の経路の間に研摩によって除去される。100グラムの重し276が取り除かれ、次いで発泡体ブロック274が計量されて、研摩によって除去された発泡体ブロック274の量が、差異によって求められ、記録される。このプロセスは、新たな材料(新たな両面テープ270、試験される同じ材料の新たなサンプル280、及び新たな発泡体ブロック274)を用いて更に2回繰り返され、損失重量が3回求められることを可能にする。3つの測定値の平均が取られ、これに補正率12/16(即ち12インチの経路へと正規化される)を掛け、次いで100を掛けることにより、12インチあたりの質量損失に換算される。得られた媒介変数は、試験された材料の研磨性指数として報告される。
本発明の研摩層は、約1以上、約2以上、約3以上、約4以上、又は約5以上の研磨性指数を持つことができ、例えば約1.5から10、又は約2から約7である。
【実施例1】
【0122】
非クレープ加工通気乾燥ベースシートの用意
改善された乾燥感をもつテクスチャ加工された湿潤弾力性吸収体ウェブの例を実証するために、適切なベースシートを用意した。ベースシートは、非クレープ加工通気乾燥のために適合された連続ティシュー製造機械で製造された。この機械は、長網抄紙形成区域、移送区域、通気乾燥区域、後移送区域及びリールを備える。100%漂白ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)から約1%の稠度の希釈水性スラリーを調製し、希釈前に約4%の稠度で45分間パルプ化された。BCTMPは、Millar Western500/80/00(カナダ、サスカチュワン州メドーレーク所在のMillar−Western)として市販されている。Hercules,Inc.(デラウェア州ウィルミントン所在)によって製造されているKymene557LX湿潤強度剤を、乾燥繊維1トンあたり約16kgのKymeneの量で、カルボキシメチルセルロースとしては乾燥繊維1トンあたり1.5kgの量で水性スラリーに加えた。次いで、スラリーを微細形成布上に堆積させ、真空ボックスによって脱水して、約12%の稠度をもつウェブを形成した。次いで、第1移送ポイントにおいて真空シューを用いてウェブを移送布(Lindsay Wire T−807−1)に移し、2つの布の間に大きな速度差はなく、それらは約5.0メートル毎秒(980フィート毎分)で移動した。ウェブはさらに、第2真空シューを用いて第2移送ポイントにおいて移送布から織成通気乾燥布に移送された。使用された通気乾燥布は、Lindsay Wire T−116−3設計(ウィスコンシン州アップルトン、アップルトンミルズ所在のLindsay Wire Division)であった。T−116−3布は、成形された立体構造を形成するのに非常に適している。第2移送ポイントにおいて、通気乾燥布は、27%の速度差をもって移送布よりゆっくり移動した。次いで、ウェブは、フード付き通気乾燥機に通され、そこでシートが乾燥された。次いで、乾燥されたシートは、通気乾燥布から別の布に移送され、それからシートが巻き取られた。乾燥ベースシートの坪量は、約30gsm(グラム毎平方メートル)であった。シートは、約1mmの厚さ、約0.4mmの全表面深さ、約1000グラム/3インチの幾何平均引張強度(50%相対湿度及び22.8℃における4インチのジョースパン及び10インチ/分のクロスヘッド速度で計測された)、横方向に45%の湿潤:乾燥引張比、1.25のMD:CD引張比、及び17%MD伸び、8.5%CD伸びを有した。
ウェブの通気性は、440CFMで計測された。
【実施例2】
【0123】
第1メルトブローンポリプロピレンウェブのラミネート
ExxonMobil Chemical Comp.(テキサス州ヒューストン所在)によって製造された高分子量アイソタクチック・ポリプロピレン、Achieve3915が、メルトブローン繊維化によってポリマー網を作るために、試験的メルトブローン設備において用いられた。このポリマーの分子量範囲は、約130,000から140,000である。製造業者によれば、ASTM D1238に係るポリマーの溶融流速は、70g/10分であり、これは、メルトブローン作業において典型的に用いられ、かつ普通はスパンボンド作業か又は他のメルトブロー以外の用途に用いられるポリマーの溶融流速の範囲を下回ると考えられる。(例えば、ExxonMobil Chemical Corp.のポリプロピレンPP3546Gのような典型的なメルトブローンポリマーは、ASTM D1238に従って計測された1200g/10分の溶融流速を有し、同じ製造業者のポリプロピレンPP3746Gは、1500g/10分の溶融流速を有する。)高粘度材料は、本発明に係る粗目メルトブローン・ウェブを製造するのに驚くほど有用であることが見出された。
ポリプロピレンは、下に真空を有する多孔性のTeflon(登録商標)コンベヤウェブ上に、華氏485度でメルトブローン・ダイを通して押出された。ウェブ速度は10フィート/分であった。温度、空気圧、及びブローンヘッドから形成テーブルまでの間の距離、並びにポリマーの流速を調節することによって、85から120gsmの坪量を有するメルトブローン・ポリプロピレン網が生成された。
【0124】
図12は、この実施例において用いられたメルトブローン・ダイについて描かれた、メルトブローン・ダイ120の中央切取り部分の概略図である。ダイの主要な部分は、2つの側部ブロック242、242’と、ポリマーが内部チャンバ250に注入される三角形の中央供給ブロック244とを備える。中央供給ブロック244は、断面がほぼ二等辺三角形であり、頂点246において60度の角度で収束する。頂点246に沿って、一連の孔248が内部チャンバ250と流体連通する状態で等間隔にドリル加工される。内部チャンバ250はまた、溶融ポリマーを中央供給ブロック244の孔248に通して押出してポリマーストランド(図示せず)を形成するために、溶融ポリマーの加圧供給源(図示せず)と流体連通している。空気ジェット258、258’は、それぞれ側部ブロック242、242’と中央供給ブロック244との間のギャップ252、252’を通って流れる。ギャップ252、252’は、中央供給ブロック244の頂点246に向けて空気ジェット258、258’の流れを生じさせる加圧空気供給源(図示せず)と流体連通している。ジェット258、258’中の空気は、典型的には、ポリマー・ストランドの早過ぎる冷却を防止するために、ポリマーの融点を超えて良好に加熱される。この例においては、空気温度は華氏約480度であった。従来のメルトブローン作業においては、空気ジェット258、258’は、ポリマー・ストランドを広範囲に細くする高いレベルの剪断を与え、ストランドを分離して、隔離され不規則に配置された繊維を生じさせるために高いレベルの外乱を与える。しかしながら本発明の目的上、空気流速は、外乱を減らして、隣接する孔248からの幾つかの隣接するポリマー・ストランドが多フィラメント集合体へと合体できるようにし、ポリマー・ストランドを繊維の網として下にあるキャリアウェブ(図示せず)上に堆積させるのに十分な空気流及び外乱を依然として与えるように減少される。
【0125】
孔248は、0.015インチの直径を有し、1インチ当たり30個ドリル加工された。ダイ120の有効領域の幅(ポリマー・ストランドを形成するために孔248が設けられた領域)は11.5インチであった。ダイ120全体は幅14インチであった。ギャップ252、252’は、有効領域とは遠い方のダイ120の外端部(図示せず)において中央供給ブロック244と側部ブロック242、242’との間におかれたシムによって決まる0.055インチの幅を有した。孔248のドリル深さ256は、ドリル加工中に各々が中央チャンバ250まで貫通していなければならない、中央供給ブロックの中への距離である。この場合には、ドリル深さは約4mmであった。中央供給ブロック244の高さ(ベース254から頂点246までの距離)は52mmであり、内部チャンバ250の深さ(中央供給ブロック244からドリル深さ256を引いた高さ)は約48mmであった。
【0126】
加圧ポリマー溶融物が注入されるダイブロック120の受け板、空気注入ライン、及びダイの支持構造は、図示されていない。こうした特徴は周知であり、当業者によって容易に設けられる。(千鳥状アレイ、平行ラインなどとして配置することができる2つ又はそれ以上の孔の列248を備えたダイ、又は環状ジェット又は空気が出ていくポリマー・ストランドを囲むダイのような、図12のメルトブローン・ダイの多くの変形は、依然として本発明の範囲内にあることを認識されたい。)
粗目多フィラメント集合体を備えたメルトブローン・ウェブを製造する際に、キャリアワイヤに対するメルトブローン・ダイの「法線」高度、すなわち11インチは、本発明に係る修正された作動条件においては高過ぎたことが分かった。この法線高さにおいては、ストランドは、良好な繊維間結合(ここでは「繊維」という用語は、多フィラメント集合体を包含する)のためにワイヤに当たるときに冷え過ぎて、結果として得られたウェブは一体性を欠くものであった。次いで、ヘッドが数インチ下げられ、良好な繊維間結合が起こるようにされた。ダイの頂点からキャリアワイヤまでの距離は、約7インチであった。実際には、所与のポリマーに最適な高さは、ウェブ速度(それゆえポリマーの流速)と、ポリマー及び加熱空気の両方の温度の関数となる。
【0127】
図12に示されたシステムにおいては、エアギャップ252、252’に適用される加圧空気源が約40から50psigであるときに従来のメルトブローン作業が達成される。しかしながら、本発明の例においては、より粗い繊維を製造するためにより低い空気流速が望ましかったときには、本発明の目的上良好な材料特性をもつ耐久性のある研磨性網を生み出すために、加圧空気源が、作動中に約12psigから20psigに設定された。したがって、従来のメルトブローン作業の約半分より小さい空気流速が用いられた。
メルトブローン材料中のポリプロピレン繊維の直径を計測するために、マイクロメータ(Fowler Precision Tools、モデルS2−550−020)が用いられた。20の繊維が不規則に選択され計測された。70ミクロンから485ミクロンの範囲が得られ、平均250ミクロン、及び標準偏差130ミクロンであった。多フィラメント集合体は、メルトブローン・ウェブの大部分を構成した。
【0128】
既に説明したように、一組のサンプル(120gsmの計測された坪量)における厚さ変動試験は、メルトブローン・ウェブにおいて0.25mmの標準偏差を与えた(平均厚さは1.18mmであった)。比較のために、キンバリー・クラーク社において市販用に製造された、坪量39gsmの、より慣習的なメルトブローンウェブは、0.03mmの標準偏差をもつことが計測された(平均厚さは0.29mmであった)。
メルトブローン・ウェブのガーレイ剛性測定は、138.8mgの平均MD剛性を与え、標準偏差は35.9mgであった。CD剛性は150mgであり、標準偏差は34.0mgであった。計測されたサンプルの坪量は120gsmであった。
多フィラメント集合体を含むメルトブローンウェブの通気性が、1130CFM(平均6つのサンプル)において計測された。2つのメルトブローン層が重ねられたときに、2つの層が合わさった状態の通気性は、797CFM(3つの計測位置の平均)において計測された。
【0129】
メルトブローンウェブは、実施例1の非クレープ加工ティシューウェブに接合された。第1の作動(作動2−A)において、メルトブローンウェブは、非クレープ加工通気乾燥ティシューウェブの切断区域に接合され、ホットメルトアプリケータにより華氏320度においてスワールスプレーパターンで適用されるホットメルト接着剤(カリフォルニア州バークリー所在のNational Starch Chemical CompanyのNS−5610)を用いて、第1ラミネートが製造された。メルトブローン・ウェブは、優れた接着性を示し、良好な擦り落としを呈する(高い引っかき抵抗性)。
第2の作動(作動2−B)において、メルトブローンウェブは、ティシューウェブに接合されて、Sunbeam(登録商標)モデル3953−006 1200ワットアイロンの最高(「リンネル」)熱設定によって達成される熱結合を用いて第2ラミネートを製造する。3インチ×6インチに切断されたティシューウェブを、同じ寸法に切断されたメルトブローンウェブの上におき、ティシューウェブの上にアイロンをおいて、約2から3秒間にわたって軽い圧力(約10lbsの力)をかけ、次いで持ち上げて隣接するスポット上においた。これは、数回繰り返され、ティシューの各スポットは、メルトブローンウェブがその研磨性特性を失うことなくティシューと良好に結合することになるまで、典型的には2ないしは3回アイロンと接触させられる。(実際には、温度、圧力の適用、及び加熱時間はすべて、製造される特定の製品のために最適化される。
ラミネートの切断サンプルの通気性は、316CFMにおいて計測された。
【0130】
第2ラミネートの表面形態は、既に説明したようなモアレ干渉計を用いて計測された。視野38mmの光学ヘッド(公称35mm)を使用した。ポリプロピレン繊維の不透明度を改善するために、Krylon(登録商標)1502フラットホワイトペイント(オハイオ州クリーブランド所在のSherwin−Williams)の缶を用いて、フラットホワイトスプレーペイントを、ペイントされるラミネートのほとんどの部分に約2秒間にわたって、さっと動かすことにより約6インチの距離からスプレーして、サンプルに軽くつけた。適用されるペイントは、ティシュー上に視認できる孔を埋めるか又は遮断するようには見えず、表面の形態を大きく変化させるようには見えなかった。軽くペイントされたラミネートの通気性は306CFMで計測された。
【0131】
図13は、上からとられた(平面図状の)作動2−Bの非ペイントメルトブローン−ティシューラミネート200の顕微鏡写真である。顕微鏡写真は、熱可塑性ポリマー繊維126より実質的に小さい直径及び小さい長さの製紙繊維127からなる紙ウェブ34上の研磨性メルトブローン層32の熱可塑性ポリマー繊維126を示す。メルトブローン層32は、ほとんど全てが、紙ウェブ34上にやや不規則に配置されたリボン状構造に互いに接合された2つより多いポリマー・ストランドを有する多フィラメント集合体240からなるように見える。長さ尺度は、顕微鏡写真において2500ミクロン(2.5mm)の長さを有するグレイバー211によって示される。多フィラメント集合体は、約100から約500ミクロンまでの範囲の幅を有することが見られる。
【0132】
図13における幾つかの多フィラメント集合体240は、短い距離にわたって180度又はそれ以上ツイストされた。理論によって縛られることを望むわけではないが、多フィラメント集合体240の一般的なツイストは、多フィラメント集合体240が実質的に平坦なままであり(紙ウェブに対して)かつツイストされない場合より研磨性の高い表面を与えると考えられる。一実施形態においては、3平方センチメートル(3cm×3cm)の領域は、平均で(少なくとも20の代表的な3平方センチメートル領域のサンプリングに基づく)その軸線周りに少なくとも180度のツイストを形成する少なくとも1つの多フィラメント集合体を有する。より具体的には、各々がそれらの軸線に沿って少なくとも180度、一実施形態においては少なくとも360度又は少なくとも720度ツイストされる、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、又は少なくとも50の多フィラメント集合体が存在してもよい。一実施形態においては、3平方cmの面積における少なくとも1つの多フィラメント集合体は、3cmより小さい距離内で、より具体的には1cmより小さい距離内で、繊維の長さに沿って(繊維の経路に追従して)360度のツイストが生じるように螺旋状にツイストされた構造を有する。
【0133】
図14Aは、紙ウェブ34の上に配置された多フィラメント集合体240を含む研磨性メルトブローン層32を示す、作動2−Bのメルトブローン−ティシュー・ラミネート200の断面の顕微鏡写真である。溶融領域260は、メルトブローン層32において見ることができ、取付け工程の間のアイロンによる紙ウェブ34の加熱によって明らかに生じる。紙ウェブ34においては、通気乾燥中の紙ウェブ34の成形に起因した隆起領域262が見られる。ウェブの非圧縮乾燥中に形成されたこうした形態構造は、製紙繊維127の間の水素結合が、クレープ加工におけるような平坦で密集した状態ではなく、立体的な状態で形成されるので、非常に高い湿潤弾力性をもつ。クレープ加工ウェブが湿潤されたときには、クレープ加工中によれと微小圧縮の形態で乾燥繊維に付加された嵩高構造は、湿った繊維が膨潤するのに伴って弛緩され、そのため、クレープ加工されたウェブは、濡れると平坦な状態に戻ることになる。しかし、非クレープ加工通気乾燥立体ウェブが湿潤されたときには、構造体はほとんど維持される。さらに、図14Aの紙ウェブ34の成形された立体形態はまた、メルトブローン層32の形態に寄与し、メルトブローン層32の研磨性を改善し、メルトブローン−ティシューラミネート200の清掃するか又は拭取る力を改善する。エンボス加工されたウェブとは異なり、図14Aにおける非クレープ加工通気乾燥紙ウェブ34は、実質的に一様な密度を有する立体構造を有する。
【0134】
図示された幾つかの多フィラメント集合体240は、多数のストランドが実質的に整列されたリボン状の構造を有するが、他のものは、千鳥状構造を示すか、又は互いに対する位置が変化するストランドを有する。多フィラメント集合体240は、3つ又はそれ以上のストランド238を有し、図14Aに基づき、4つ又はそれ以上のストランド238を有する多フィラメント集合体240は、メルトブローン層32の50重量%をはるかに上回る(例えば、おそらくは90重量%を上回る)。
【0135】
図14Bは、ホワイトスプレーペイント(既に説明したKrylon(登録商標)ペイント)でごく軽くスプレーされた、作動2−Bのメルトブローン−ティシューラミネート200の断面の顕微鏡写真である。「J」と付された多フィラメント集合体240は、約1mmの繊維路にわたって、その軸線(ツイスト軸線)に対して約180度のツイストを達成する。言い換えれば、紙ウェブ34から遠い方に面していた「J」と付された多フィラメント集合体の側部は、ツイスト後には紙ウェブ34の方に面する。
作動2−Bのラミネートにおいては、下にある非クレープ加工通気乾燥ティシュー上の研磨性層の計測された形態を、図15において図表的に見ることができ、図15においては、512×512ピクセル高さマップ142を示すようにカスタマイズされたCADEYES(登録商標)システムによって生成されるメルトブローン−ティシューラミネートの形態データのスクリーンショット140が示されており、高さマップ142の右の方に、高さマップ142上のプロファイルライン156に沿った高さプロファイルに対応するプロファイル146を示すプロファイル表示ボックス144を備える。プロファイルは、それぞれプロファイルライン156に沿った隆起領域及び凹領域に対応する種々のピーク148及び谷150を示す。高さマップ142に示されたおよそ38mm平方の領域においては、最も明るい領域は最も高い高さ計測値に対応し、最も暗い領域は計測された表面の最も低い高さに対応する。プロファイルボックス144においては、10%材料ライン152と90%材料ライン154が示されており、2つのライン152、154の間の高さのギャップは1.456mmと報告され、高さマップ142を横切るプロファイルライン156に沿った表面深さは1.456mmであることを意味する。
【0136】
谷150aのようなプロファイル146の幾つかの部分は、メルトブローン研磨性層の下のティシュー・ウェブの表面に対応する。したがって、下にあるティシュー・ウェブの表面を貫通して延びて、上から見たときにティシュー・ウェブを見ることができる開口部によって占有される、メルトブローン研磨性層の表面積の部分が存在する。顕微鏡により低(10x)倍率でティシュー・ウェブへの付加的な開口部が見える。38mm視野のCADEYES(登録商標)デバイスの解像度においては、下にあるティシューへと延びる小さい開口部を識別するのが困難な場合がある。
高さマップ142の右上部分においては、幾つかの非繊維領域は、他の凹んだ領域の中で際立って白く見える。これは、この領域における信号強度が低かったために、データが付与されるフリンジのステップ不連続性をもたらす光学ノイズによるものであると考えられる。計測できない点在しているピクセルも存在するが、一般に、メルトブローン・ウェブの繊維特性は、モアレ緩衝計測によってとらえられた。
【0137】
図16は、同じ高さマップ142であるが、高さマップデータから抽出された異なるプロファイル146を与えるように選択された異なるプロファイルライン156をもつスクリーンショット140を与える。ここでは、ライン152及び154は、手動で選択され、必ずしも10%及び90%材料ラインに対応する必要はないが、約1.7mmの深さを示すプロファイル146上の特徴的なピーク及び谷の高さを識別する試みを表す。谷150aは、下にあるティシュー・ウェブの一部に対応し、ティシュー・ウェブ上の研磨性層の厚さはおよそ1.7mmであることを示す。
領域158a及び158bにおいては、メルトブローン・ウェブは、下にある立体ティシューのテクスチャからの水平方向バンドを見ることができるのに十分なだけ薄い。したがって、メルトブローン・ウェブは、高及び低濃度の(高い及び低い坪量の)繊維の領域を有し、それにより1mm×2mmより大きい寸法の、又は2mm×4mmより大きい寸法の、下にあるティシューの領域(すなわち、実質的に研磨性ポリマー繊維を含まない寸法をもつ領域)を見ることができる。
【0138】
作動2−Bから製造された10個のサンプルは、湿潤及び乾燥不透明度について試験された。平均乾燥不透明度は67.65%(標準偏差1.14%)であり、平均湿潤不透明度は53.97%(標準偏差3.1%)であり、湿潤したサンプルにおいては、繊維1グラムあたり平均1.60グラムの水を含有する(繊維1グラムあたり0.15グラムの水の標準偏差)。一例として、ニュージャージー州ウェーン所在のReckitt&Colman Inc.によって市販されているChore Boy(登録商標)Golden Fleece(商標)Scouring Cloth(UPC#0 26600 30316 7)は、3つのサンプルについて95.1%の乾燥不透明度、95.83%の湿潤不透明度、及び固体1グラムあたり0.54グラムの水の水吸い上げ(固体1グラムあたり0.16グラムの水の標準偏差)を示した。
【0139】
第3の作動(作動2−C)においては、メルトブローン・ウェブは、上記の作動2−Bについて説明されたように、キンバリー・クラーク社(テキサス州ダラス所在)によって製造されたプレーンホワイトSCOTT(登録商標)タオル(UPC054000173431−コアコードJE2 11 290 01)に、アイロンをかけることによって熱結合された。118CFMにおいて通気性が計測され、異なるロールからとられたSCOTT(登録商標)タオルティシューのみの2つのサンプルは、140CFM及び135CFMで計測された。135CFMの通気性値をもつSCOTT(登録商標)タオルティシューサンプルの上にメルトブローン・ウェブのサンプルが単におかれ、2つの層が熱結合することなく重ねられて134CFMの通気性がもたらされ、それは、熱結合工程によって、ティシュー・ウェブにおける幾つかの孔が閉塞されて、ティシューと研磨性層との非結合の組み合わせに対する通気性がわずかに減少することを表す。
図17は、作動2−Cのメルトブローン−ティシュー・ラミネート200の顕微鏡写真による平面図であり、紙ウェブ34(SCOTT(登録商標)タオル)の上におかれた、主に多フィラメント集合体240の形態のポリマー繊維126を含む研磨性メルトブローン層32を示す。メルトブローン層32の融合領域260は、紙ウェブ34に接合されているように見える。
【0140】
示されている多フィラメント集合体240の幾つかは、その後幾つかのストランド238が分離する距離にわたって実質的に平行な多数のストランド238をもつリボン状構造を有する。1つの例は、「M」と付された多フィラメント集合体240によって与えられる。3つの円は、多フィラメント集合体240の一部が多フィラメント集合体240の残りの部分から分離し、異なる方向をたどる、明白な分岐部261を示す。
図18は、作動2−Cのメルトブローン−ティシューラミネート200の断面の顕微鏡写真である。1つの多フィラメント集合体240の下の融合領域260は、紙ウェブ34に接合されるように見える。多フィラメント集合体240においては多くのストランド138が明白であり、約10のオーダーのストランド数が存在する。
第4の作動(作動2−D)においては、メルトブローン・ウェブは、上記の作動2−Bにおいて説明されたように、キンバリー・クラーク社(テキサス州ダラス所在)によって製造された市販のVIVA(登録商標)タオルに、アイロンをかけることによって熱結合された。通気性は、97.1CFMにおいて計測された。
【0141】
図19は、作動2−Dのメルトブローン−ティシューラミネート200の顕微鏡写真平面図であり、紙ウェブ34(VIVA(登録商標)タオル)の上におかれた、主に多フィラメント集合体240の形態のポリマー繊維126を含む研磨性メルトブローン層32を示す。紙ウェブ34においては、このウェブの二重再クレープ加工製造工程の結果として得られるラテックス結合領域263が見える。
関係のある試みにおいては、この実施例において説明された方法に係る別のメルトブローンポリマーウェブを形成するために同様のポリマーが用いられた。ExxonMobil Chemical Corp.によるAchieve3915ポリプロピレンの代わりに、Achieve3915ポリマーにおいて得られたのと同様の特性をもつメルトブローン・ウェブを製造するために、Achieve3825ポリプロピレンが用いられた。Achieve3825ポリプロピレンは、32g/10分の溶融流速をもつメタロセン等級のポリプロピレンである。多フィラメント集合体はまた、Achieve3915ポリマーにおいて得られたのと同じ特徴をもつように製造された。溶融したAchieve3825ポリマーを押出すために、より高い背圧が要求され、より低い溶融流速のために、Achieve3915の280psigに比べて約400psigが要求された。
【実施例3】
【0142】
第2メルトブローンポリプロピレンウェブ
ティシューとのラミネートを形成するために用いられる第2メルトブローンポリプロピレンウェブを製造するために、約221℃の公称処理温度を有するBassell North America(デラウェア州ウィルミントン所在)によって製造されたBassell PF015ポリプロピレンが用いられた。実施例2とは異なる試験設備が用いられた。メルトブローン・ウェブは、1時間あたり4ポンド毎インチ(4P1H)の機械方向幅をもたらすメルトブローンチップ(1インチあたり30個の孔、孔直径0.0145インチ)を通して製造された。繊維の粗さは、約50gsmから100gsmの間で変化する坪量を目標としながら、処理温度及び主空気圧を徐々に下げることによって達成された。50gsmのメルトブローンにおいては、ライン速度は78フィート毎分であり、100gsmのメルトブローンにおいては、ライン速度は39フィート毎分である。華氏約500度(260℃)の最初の処理温度が、華氏約392度(200℃)から華氏約410度(200℃)の間に下げられ、ダイ先端部は華氏410度(210℃)であった。主空気圧は、3.5−4psigの通常範囲から0.5psigより低く下げられた。ダイ先端部及びスピンポンプ圧は、それぞれ約170−190psig及び340−370psigであった。これらの設定値は、キャリアワイヤに接触して成形されることによる良好な研磨性をもつ粗目メルトブローン・ウェブを得るために繰り返し到達された。従来の作動においては、メルトブローン繊維は、それらがキャリアワイヤ上に載ったときに比較的結束され、キャリアワイヤに接触して顕著には成形されないが、この場合には、メルトブローン繊維は、キャリアワイヤのテクスチャに適合して、該メルトブローン繊維に研磨性テクスチャが成形されることを可能にするのに十分なだけ依然としてやわらかい。
【0143】
メルトブローンは、独立した製品として約50gsm及び約100gsmの坪量で形成され、また、実施例1のUCTADティシュー上に、及び市販のVIVA(登録商標)ペーパータオル上に直接堆積された。メルトブローン・ウェブは、単独では、113.7mg(34.5mgの標準偏差)の平均MDガーレイ剛性値、及び113.0mg(41.9mgの標準偏差)の平均CDガーレイ剛性値をもつことが計測された。試験されたサンプルは、100gsmの坪量を有するものであった。
既に説明されたように、高坪量の一組のサンプル(100gsmの計測された坪量)の厚さ変動試験は、メルトブローン・ウェブにおいては0.07mmの標準偏差(平均厚さは0.99mmであった)を与えた。
単一層のメルトブローンの通気性の測定は、1500CFMを超える値を与える。メルトブローン・ウェブの2つの重ね合わされたプライは、1168CFMの通気性を与えた(6つの位置での計測の平均)。
1つの作動(作動3−A)においては、実施例1において形成されたのと同じ非クレープ加工通気乾燥ティシューが用いられ、ティシュー・ウェブ上に50gsmのメルトブローンが直接形成されている。図20は、メルトブローン層とのラミネートの高さマップ142を示す。高さマップ142のからのプロファイルライン156に沿ってとられたプロファイル146は、約0.728mmの表面深さ(10%材料ライン152と90%材料ライン154との間の高さの差)を生み出す。形成中にメルトブローン・ウェブが成形されるキャリアワイヤの形態に対応する反復的な構造を見ることができる。約9.5mm及び1.5mmの側部を有する平行四辺形である反復的な構造の単位セル153が示されている。
【0144】
図21は、ホワイトスプレーペイント(オハイオ州クリーブランド所在のSherwin−WilliamsのKrylon(登録商標)1502フラットホワイトペイント)で軽くスプレーされた、作動3−Aのメルトブローン−ティシューラミネート200の顕微鏡写真平面図であり、必要であれば粒子状物質265をポリマー繊維126に結合できることを示している。この実施形態における粗目ポリマー繊維126は、通常は、単一のストランド238である。メルトブローン層32の融合領域260は、紙ウェブ34に接合されているように見える。
作動3−Aのメルトブローン−ティシューラミネート200の顕微鏡写真断面図である。
ラミネートは、381CFM(6つの位置での計測値の平均)において計測された通気性を有するものであった。
1つの表面上にメルトブローン層が形成された後にウェブを反転させ、反対側の表面に再びメルトブローン層を適用して、ティシューが両方の側に研磨性層をもつようにすることによって幾つかの作動も行われた。
【0145】
実施例2において与えられたアイロンがけ手順に従って、メルトブローン・ウェブを実施例1のティシューにアイロンがけすることによって、別のサンプルの組(作動3−B)が調製された。湿潤及び乾燥不透明度について8つのサンプルを試験した。平均乾燥不透明度は64.0%(標準偏差0.82%)であり、平均湿潤不透明度は47.2%(標準偏差2.2%)であり、湿潤されたサンプルにおいては繊維1グラムあたり平均1.59グラムの水を含有した(繊維1グラムあたり0.10グラムの水の標準偏差)。
メルトブローン・ウェブをVIVA(登録商標)ペーパータオル上に直接形成することによって、別のラミネート(作動3−C)が製造された。
ラミネートはまた、スワールパターンで適用されるホットメルト接着剤を用いて、研磨性層を水圧交絡拭取り材に接合することによっても形成された。キンバリー・クラーク社(テキサス州ダラス)によって製造された拭取り材は、WypAll(登録商標)Teri(登録商標)拭取り材であり、それらのパッケージは、Everhart他の1994年2月8日付けの米国特許第5,284,703号において知られており、該特許は、水圧交絡されて連続フィラメント基体(例えばスパンボンドウェブ)にされる約70重量%より多いパルプ繊維を含有する複合布を開示している。
【実施例4】
【0146】
第2メルトブローン・ウェブの変化
実施例3に従って、しかしキャリアワイヤに接触して小さな成形が生じるように幾つかの修正を加えて(メルトブローン繊維がより迅速に冷却されるように、空気温度がより低く、ダイ先端部からキャリアワイヤまでの距離がより大きくされる)、メルトブローン・ウェブを製造した。繊維は従来のメルトブローン繊維より依然として粗かったが、メルトブローン・ウェブの研磨性特性は、メルトブローン・ウェブに付与される大規模形態の欠如により明白に減少された。(多フィラメント集合体をもたないように見えたメルトブローン・ウェブは、存在する場合には、キャリアワイヤに接触して成形されることによって付与された顕微鏡写真形態に関係なしに、より高い研磨性特徴に寄与することになると考えられる。)
【実施例5】
【0147】
相乗効果的な材料特性
本発明の幾つかの実施形態の強度相乗効果及び伸び相乗効果を実証するために、実施例2の第1メルトブローン・ウェブを用いて、ラミネートと非結合層の引張試験を行った。以下の表1に結果が示されており、試験は、多数のサンプルの平均として報告されている(1つの計測値につき5つのサンプル)。メルトブローン・ウェブは、単独では、3インチあたり3393グラムの平均引張強度を有した(Instron Universal Testing Machineにより、4インチのゲージ長及び10インチ毎分のクロスヘッド速度で計測された)。Scott(登録商標)タオルのサンプル(約25%の高収率パルプ繊維と湿潤強度樹脂を含む市販の非クレープ加工通気乾燥ティシュー・ウェブ)に隣接して配置されるが結合はされなかったとき(2つのウェブが重ねられ、一緒に試験された)には、引張強度は、3707g/3インチであった。メルトブローン・ウェブが(実施例2に示されるように)Scott(登録商標)タオルに熱結合されたときには、引張強度は5385g/3インチに増加し、それは45%の増加であり、1.45の強度相乗効果を与えた。伸び相乗効果は2.06であった。
【0148】
別の作動においては、メルトブローン・ウェブは、実施例1の非クレープ加工通気乾燥ティシュー・ウェブ(「30gsmUCTAD」と付された)と共に試験され、2つのウェブが結合されていないときに3565g/3インチの平均引張強度を与えるが、熱結合されたウェブにおいては、平均引張強度は3915g/3インチであり、強度相乗効果は約1.10である。伸び相乗効果は1.36であった。
第3の作動においては、VIVA(登録商標)タオルがティシューとして用いられた。強度相乗効果は1.22であり、伸び相乗効果は1.44であった。
【0149】
【実施例6】
【0150】
研磨性特性
本発明の製品、及び市販の擦り落とし材料の研磨性を説明するために、実施例2から実施例4に説明されるように本発明に従って形成された種々のサンプル、並びに各々が研磨性材料層を含む擦り落とし及び清掃のために市販されている5つの製品についての研磨性指数試験を行った。
5つの市販の製品は、A)3M Home Care Products(ミネソタ州セントポール所在)によって市販されているO−Cel−O(登録商標)Heavy Duty Scrub Pad(UPC053200072056)と、B)同じく3M Home Care Products(ミネソタ州セントポール所在)によって市販されており、ポリプロピレンと他の材料とを含むと考えられる暗い栗色に着色された網状ポリマー材料を有する製品であるScotch Brite(登録商標)Heavy Duty Scrub Pad(UPC051131502185)と、C)同じく3M Home Care Products(ミネソタ州セントポール所在)によって市販されている製品であって、試験のためにスポンジから研磨性層がScotch Brite(登録商標)Delicate Duty Scrub Sponge(UPC021200000027)と、D)Reckitt&Colman,Inc.(ニュージャージー州ウェーン所在)によって市販されているChore Boy(登録商標)Golden Fleece(登録商標)Scouring Cloth(UPC026600313167)と、E)約33gsmの坪量を有する合成ポリマーウェブ(重いメルトブローンウェブ)上に緑色に着色されたメルトブローン層を備えた、キンバリー・クラーク社(テキサス州ヒューストン)によって市販されているSani−Tuff(登録商標)拭取り材であった。乾燥Sani−Tuff(登録商標)拭取り材は、98.5CFM(3つの計測値の平均)の通気性を有するものであった。
【0151】
表2は、研磨性指数結果を示す。興味深いことに、多数の多フィラメント集合体を含む実施例2のメルトブローン・ウェブは、最も高い研磨性指数(約5.5)を示した。実施例2のメルトブローン・ウェブが比較的平滑なVIVA(登録商標)ペーパータオル上にアイロン付けされている作動2−Dの材料は、同様に高い研磨性指数を示した(約4.25)。分離されたメルトブローン・ウェブ自体に比べて僅かに低い研磨性指数は、取付け工程によって生じるメルトブローンの表面深さの僅かな増加によるものである。
実施例3の分離されたメルトブローン・ウェブは、高い研磨性指数(約4.5)を示したが、多フィラメント集合体を含む実施例2のメルトブローン・ウェブほど高くはない。この研磨性材料は、粗目キャリア布によって付与された巨視的形態を有し、それは、研磨性に寄与すると考えられる。作動3−Aにおいては、メルトブローン・ウェブは、実施例1のティシュー上に直接形成された場合には、もはやキャリアワイヤからテクスチャを受けることはできなかった。しかしながら、高度にテクスチャ加工されたティシューは、良好な研磨性を与えていたメルトブローン・ウェブに、作動3−Aの材料の高い研磨性指数(約4)の要因となりうる巨視的形態を与えると考えられる。しかしながら、実施例2のメルトブローン・ウェブが、際立った形態及びUCTADティシューの高い表面深さをもたない比較的平滑なVIVA(登録商標)ペーパータオル上に形成されたときには、結果として得られる研磨性指数は比較的低く(約1.25)、それによりメルトブローン・ウェブの形態の重要性が示唆され、有用な形態特徴は、適切なキャリアワイヤに接触する有効な成形によって、又は良好な形態(例えば、約0.2mm又はそれ以上の表面深さ、及び随意的には約5平方ミリメートル又はそれ以上、或いは約8平方ミリメートル又はそれ以上の面積を有する特徴的な単位セルのピーク及び谷の繰り返しパターンを有する)を有するティシュー・ウェブ上にメルトブローン・ウェブを直接形成することによって付与することができる。
【0152】
実施例4の分離されたメルトブローン・ウェブは、実施例3と同じキャリアワイヤ上に、しかしメルトブローン・ウェブをキャリアワイヤの形態に接触して有効に成形しない条件下で形成され、結果として比較的平坦なメルトブローン構造がもたらされた。これは、実施例4のメルトブローン・ウェブにおいて見出される比較的低い研磨性指数(約1)の要因であると考えられる。このメルトブローン・ウェブは、973CFMの通気性(ウェブの異なる位置における6つの計測値の平均)をもたらした。
市販の製品A、B及びDの周知の研磨性特徴は、比較的高い研磨性指数値に反映された。拭取ることを意図されたものではあるが、市販の製品Eは、本発明の多くの実施形態の粗さ又は研磨性特性をもたないメルトブローン層を用いるものであり、約0.75の比較的低い研磨性指数を示した。
【0153】
【実施例7】
【0154】
予言的実施例
図23は、不均一な厚さを有する下にある吸収体繊維層34の表面に対して不均一な高さを有する研磨性層32を備えた擦り落としパッド30の断面を示す予言的実施例が描かれている。この実施形態においては、研磨性層34の厚さは、下にある吸収体繊維層34の高さが最も高い領域において最も大きいが、下にある繊維性ウェブ34がウェブの平均より大きい厚さ、高さ、又は局所的坪量を有するときに研磨性層が比較的小さい厚さを有する配列、或いは研磨性層の厚さ又は坪量の変動が、吸収体繊維性ウェブ34の構造変動とはあまり関係なく変化する配列を含む他の配列(図示せず)も可能である。
図23の描かれた実施形態においては、研磨性層32の高さ及び厚さ変動(研磨性層32の坪量又は嵩、或いはその両方の変動、並びに不透明度及び孔体積のような他の特性の変動に対応する)は、図示された横方向の特徴的波長「WL」を有し、それは、機械方向、横方向、又は機械方向に45度の角度をなす方向といった特定の製品に有意な他の平面内方向にとることができる。この場合には、波長「WL」はまた、下にある吸収体繊維層34の高さ変動の波長に対応する。
【0155】
吸収体繊維層34の凹部領域にわたる研磨性層32の部分は、強度の増加のために熱結合されて、より高い密度をもたらす領域、或いは製造中に生じたより低い坪量又はより高い密度の領域、もしくは吸収体繊維性ウェブ34に接合する前に材料を除去するために穿孔されている領域を表すことができる。
関連する仮定的実施例が図24に示されており、繊維性ウェブ34は、一方の側に第1の擦り取り研磨性層32を有し、反対側に第2の研磨性層32’を有する。ここでは、両方の研磨性層32、32’は、不均一な高さと、吸収体繊維層34の形態に伴って変化する随意的な密度値を有する。この場合には、2つの研磨性層32、32’は、互いに位相がずれた状態で変化し、吸収体ウェブ34の第1側の研磨性材料をもたない穴又は領域は、その吸収体ウェブ34上の研磨性材料をもたない領域とは正反対である反対側の研磨性材料の存在によって相補されている。
【0156】
本発明のラミネートのいずれにおいても1層より多いティシュー又は他の吸収体繊維ウェブを用いることができる。
本発明へのこれらの並びに他の修正及び変形は、添付の請求項により詳細に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施されることができる。さらに、種々の実施形態の態様は、全て又は部分的に置き換え可能であることを理解されたい。さらに、当業者であれば、上記の詳細な説明は、単なる例であって、そうした添付の請求項においてさらに示される本発明を制限することを意図されるものではないことを認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の研磨性層を製造する工程ラインの一実施形態の概略図である。
【図2】本発明に使用可能な非クレープ加工通気乾燥紙ウェブを形成する工程の一実施形態の図である。
【図3】本発明の複合構造を製造する工程ラインの一実施形態の概略図である。
【図4】本発明の複合構造の層を組み合わせる工程の実施形態である。
【図5】本発明の複合構造の層を組み合わせる工程の別の実施形態である。
【図6】本発明の擦り落としパッドの一実施形態の斜視図である。
【図7】本発明の擦り落としパッドの一実施形態の断面図である。
【図8】本発明の擦り落としパッドの別の実施形態の断面図である。
【図9】本発明の擦り落としパッドの別の実施形態の断面図である。
【図10】擦り落としパッドが剛性の把握装置上に保持される、本発明の清掃具の一実施形態の斜視図である。
【図11】単一のポリマー・ストランドから形成された繊維と、6つの癒合したストランドから形成された多フィラメント集合体の断面図である。
【図12】メルトブローダイの部分切取図である。
【図13】本発明に係るメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真平面図である。
【図14A】多フィラメント集合体を示すメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真断面図である。
【図14B】多フィラメント集合体を示すメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真断面図である。
【図15】メルトブロー−ティシューラミネートの高さマップにおける形態データの表示であり、高さマップから抽出された輪郭線も示されている。
【図16】図15に示されているのと同じ高さマップからの形態データの表示であるが、異なる輪郭線が示されている。
【図17】多フィラメント集合体を示すメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真断面図である。
【図18】図17のメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真断面図である。
【図19】メルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真平面図である。
【図20】本発明に係る別のメルトブロー−ティシューラミネートの高さマップにおける形態データの表示である。
【図21】図20に示されたものに対応するメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真平面図である。
【図22】図21のメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真断面図である。
【図23】研磨性層における不均一性を有する、本発明に係る物品の一実施形態の断面図を示す。
【図24】繊維性吸収体層の両側の2つの研磨性層の各々における不均一性を有する、本発明に係る物品の断面を示す。
【図25】研磨性指数試験の開始点を示す。
【技術分野】
【0001】
多くの清掃及びパーソナルケア作業のために、研磨性擦り落としパッドが一般的に用いられる。一般に、擦り落としパッドは、天然素材の又は人造の研磨性材料を含む。これまで一般的に用いられた典型的な研磨性材料の例は、軽石、ヘチマ、スチールウール、及び多様なプラスチック材料を含む。非吸収性研磨性材料は、これらの製品においては、吸収体スポンジ状裏あて材と組み合わされる場合が多い。例えば、研磨性材料は、天然スポンジ、再生セルロース又はその他の形式の吸収性発泡体製品の吸収体層も含む多層製品上に層を形成する場合が多い。
これらの擦り落としパッドは、高価なものとなって、使い捨て又は使い切り製品には適さないものとなりがちである。しかしながら、製品の用途の性質により、製品は、たったの1回ないしは2回の使用後に、泥、グリース、バクテリア、その他の汚染物質で汚れることがある。したがって、消費者は、汚れていない清掃パッドを使用しているとはっきり認識するために、これらの高価な擦り落としパッドを非常に頻繁に取替えなければならない。
【背景技術】
【0002】
これまで、研磨性清掃物品の例が説明されている。例えば、国際公開出願番号WO02/41748号、米国特許第5,213,588号、及び米国特許第6,013,349号を参照されたい。
本発明は、過去の擦り落としパッドにおいて直面するこれらの及び他の問題に対処するものであって、多様な研磨性レベルを与えることができ、薄く、快適で、持ちやすくすることができ、良好な吸収性をもち、過去の研磨性清掃物品においてはこれまで与えられなかった利点を与えることができる使い捨て擦り落としパッドに向けられている。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、家庭内清掃又はパーソナルケア用途、並びに工業的清掃その他の用途に用いるための使い捨て擦り落とし製品に向けられている。一実施形態においては、本発明は、本発明の擦り落とし製品を取り外し可能に取り付けて、便利な清掃具を形成することができるハンドル及び剛性のベースを含む清掃具に向けられている。
本発明の擦り落とし製品は、多層製品であり、一般に、少なくとも2つの個別の層、すなわち研磨性層と、製紙繊維からなるティシュー層、コフォーム層、空気堆積ウェブ又はこれらの組み合わせ、もしくは他の公知のセルロースウェブといった吸収性繊維層を含む。研磨性層は、メルトブローン又はスパンボンド法で堆積された繊維においては典型的なように、無秩序に又は不規則に分布された主として粗目ポリマー繊維から形成される。一実施形態においては、研磨性層は、メルトブローン工程又は他の繊維形成工程の間に複数のポリマー・ストランド(すなわち該工程によって製造された個々の繊維)を部分的に融合させて、一体化された繊維状のほぼ非円形の構造を形成することによって形成された多フィラメント集合繊維を含み、該構造においては、実質的に平行なポリマーフィラメントが、それらの側部に沿って接合される。こうした多フィラメント集合体は、メルトブローン法又はスパンボンド法において通常得られる個々のストランドより非常に大きい有効直径を有することができ、複雑な断面形状は、従来の円形繊維において達成されるより高い研磨性を与えるのに一層適しており、有効な清掃及び研磨性に寄与することができる。
【0004】
研磨性層のポリマー繊維は、通常は、開放された多孔性構造を形成する。例えば、研磨性層内の開放気孔スペースは、研磨性層の全体積の約10%以上、特に約50%以上、より特定的には約60%以上とすることができる。さらに、研磨性層の表面積(すなわち、研磨性層の表面によって定められる全面積)の多くの割合は、下にある吸収体層を見ることができる開口部によって占められる。例えば、研磨性層の表面積(上から見た平面において見られる面積)の約10%又はそれ以上、特に約20%又はそれ以上、より特定的には約40%又はそれ以上、最も特定的には約55%又はそれ以上が、下にある吸収体層を見ることができる開口部によって占められる。擦り落とし製品の吸収体層は、例えば、紙ウェブを含むことができ、吸収体層は、非クレープ加工通気乾燥紙ウェブを含むことができる。
【0005】
研磨性層は、メルトブローン法又はスパンボンド法での繊維形成に適した合成熱可塑性ポリマーといったポリマー材料から形成することができる。また、熱硬化性ポリマー、並びに光硬化可能ポリマーその他の硬化可能ポリマーを用いることもできる。一実施形態においては、繊維は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ナイロン、ポリアミド、又は他の適切なコポリマーといった熱可塑性ポリマーから形成することができる。1つの特定の実施形態においては、研磨性繊維は、ポリプロピレンから形成することができる。随意的には、繊維は、二成分又は多成分繊維とすることができる。必要であれば、研磨性層は、2つ又はそれ以上の異なる形式の研磨性繊維から形成することができる。例えば、研磨性層は、層の全体にわたって不均一に互いに混合された異なるタイプの繊維を含むことができる。或いは、研磨性層は、研磨性層の断面にわたるサブ層といったより均質な形で堆積された異なるタイプの繊維を含むことができる。一実施形態においては、研磨性層のポリマー繊維は、実質的に可塑剤を含まず、或いは、33重量パーセント又はそれ以下、より特定的には約20重量パーセント又はそれ以下、さらに特定的には約10重量パーセント又はそれ以下、最も特定的には約3重量パーセント又はそれ以下の可塑剤を有することができる。ポリマー繊維における主要なポリマーは、以下のいずれかの分子量、すなわち、約100,000又はそれ以上、約500,000又はそれ以上、約1,000,000又はそれ以上、約3,000,000又はそれ以上、及び約5,000,000又はそれ以上の分子量を有することができる。
【0006】
一般に、研磨性層中の熱可塑性ポリマー繊維の平均直径は、約30ミクロンより大きいものとされる。より具体的には、熱可塑性繊維の平均直径は、約40ミクロンから600ミクロン、より具体的には約50ミクロンから400ミクロン、さらに具体的には約60ミクロンから300ミクロン、最も具体的には約70ミクロンから約250ミクロンといった、約40ミクロンから約800ミクロンまでの間とすることができる。こうした繊維は、従来のメルトブローン・ウェブの繊維より実質的に粗く、追加された粗さは、通常は、ウェブの研磨性特性を増加させる一助となる。既に指定された平均繊維直径の値はまた、以下でより十分に説明される非円形の多フィラメント集合体の幅のことをいう。例えば、それらの側部に沿って融合された2つ又はそれ以上のポリマー・ストランドの多フィラメント集合体は、約50ミクロンから約800ミクロンの幅、又はその他の既に指定された範囲といった、個々の非融合ストランドの幅の2倍に近い又はそれより大きい幅を有することができる。さらに、多フィラメント集合体においては、約100ミクロン又はそれ以上、約250ミクロン又はそれ以上、約400ミクロン又はそれ以上、約600ミクロン又はそれ以上、及び約800ミクロン又はそれ以上の幅といった他の幅を達成することができる。
【0007】
擦り落としパッドの研磨性層においては、研磨性層のポリマー繊維はまた、約1cmより長く、具体的には約2cmより長くすることができる。
研磨性層の研磨性特性に他の因子が寄与することもある。粗目であることに加えて、研磨性層の繊維は、約1000MPa又はそれ以上、具体的には約2000MPa又はそれ以上、より具体的には約3000MPa又はそれ以上、最も特定的には約5000MPa又はそれ以上といった、ポリプロピレンの弾性係数にほぼ等しい又はそれより大きい弾性係数といった高い弾性係数を有することができる。一例として、フェノールプラスチックは、約8000MPaの弾性係数を有することができ、15%ガラス繊維で強化されたポリアミド(ナイロン6,6)は、4400MPaの報告された弾性係数を有する(一方、ガラス強化されていない場合の弾性係数は約1800MPaである)。
或るポリマーグループにおいては、融点の上昇は、研磨性特性の改善と関連がある。したがって、一実施形態においては、研磨性繊維は、以下の範囲、すなわち、約120℃から約350℃、約150℃から約250℃、又は約160℃から約210℃といった範囲によって例示される約140℃又はそれ以上、約160℃又はそれ以上、約170℃又はそれ以上、約180℃又はそれ以上、或いは約200℃又はそれ以上といった120℃より高い融点を有することができる。
【0008】
或る実施形態においては、比較的高い粘度又は低い溶融流速を有するポリマーは、有効な清掃のための粗目ウェブを製造するのに有用である。ポリマーの溶融流速は、ASTM D1238に従って計測される。メルトブロー作業に典型的に用いられるポリマーは、約1000g/10分又はそれ以上の溶融流速を有することができ、本発明の或る実施形態においては、研磨性層を製造するのに用いられるポリマーは、ASTM D1238によれば、3000g/10分又は2000g/10分より小さい、例えば、約1000g/10分より小さい、又は約500g/10分より小さい、具体的には200g/10分より小さい、より具体的には100g/10分より小さい、最も具体的には、約15g/10分から約250g/10分、又は約20g/10分から約400g/10分といった80g/10分より小さい溶融流速を有することができる。
研磨性層の研磨性はさらに、研磨性層の形状によってさらに増強させることができる。例えば、研磨性層は、不均一な坪量、不均一な厚さ、又はテクスチャ化された湿式堆積ティシュー・ウェブのような下にある繊維性ウェブの立体形状に起因する複数の凹凸領域を有することができる。凹凸領域は、機械方向又は横方向といった少なくとも一方向に実質的に周期的に間隔を置いて配置され、約2mm又はそれ以上、より具体的には約4mm又はそれ以上の特徴的な波長と、少なくとも0.3mm又はそれ以上、より具体的には約0.6mm又はそれ以上、さらに具体的には約1mm又はそれ以上、最も具体的には約1.2mm又はそれ以上の、凸領域と凹領域との間の特徴的な高さの差を有する。
【0009】
一実施形態においては、研磨性層は、本質的にメルトブローン又はスパンボンドポリマー繊維と、随意的な接着剤又は他の結合手段とからなる。別の実施形態においては、研磨性層は、スクリムではないか、又はスクリムを含まない。関連する実施形態においては、研磨性層は、表面上に規則正しく直線的に配置された繊維又はポリマーラブ(例えば、少なくとも3cm又はそれ以上延びる1つ又はそれ以上の平行なリブの組を有する規則正しいパターンに押出され又は成形されたポリマーラブ)を実質的にもたない。
或る実施形態においては、研磨性層は、ティシュー層上に直接形成されることができ、又は先ず形成され、次いで接着剤手段、熱結合などによってティシューに接合されることができる。研磨性層が最初に形成されるときには、適切な立体表面上に形成し、又は成形することによって、立体形状をもつようにされる。例えば、メルトブローン・ウェブは、粗目キャリアワイヤ上に形成することができる。メルトブローン繊維がワイヤに当たるときに、依然として溶融しているか又は部分的に溶融している場合には、メルトブローン繊維が十分に固化する前に該繊維をワイヤにさらに押し付けるために、特にワイヤにわたる水圧の助けによって、ワイヤのテクスチャがウェブに付与される。ワイヤに接触するメルトブローン繊維の成形の改善は、ポリマーの適切に高い温度か又はエアジェットの温度を用いることによって、及び/又はメルトブローン・ダイとキャリアワイヤとの間の距離を調節することによって達成可能である。キャリアワイヤは、清掃のために有用なメルトブローン・ウェブ上の凸領域に対応する反復的な一連のくぼみを有することができる。立体キャリアワイヤは、メルトブローンに隆起した構造を付与することができ、該構造は、所望の研磨性レベルに応じて、周囲のメルトブローン布から約0.2mm又はそれ以上、より具体的には約0.4mm又はそれ以上持ち上がる。軽度の研磨性から強度の研磨性にわたる擦り落としパッドを製造することができる。
【0010】
繰り返し構造は、キャリアワイヤの最小特徴単位セルとして表され、単位セルは、約1mm又はそれ以上、例えば約2mm又はそれ以上の最小面内長さスケール(例えば、平行四辺形である単位セルにおいては短い方の辺の長さ、又は六角形といったより複雑な形状においては小さい方の機械方向幅及び横方向幅)を有することができ、或いは約5平方ミリメートル又はそれ以上(例えば1mm×5mmの寸法の単位セル)、もしくは約20平方ミリメートル又はそれ以上の面積を有することができる。キャリアワイヤは、該キャリアワイヤからのテクスチャ化されたメルトブローン・ウェブの除去を改善するために、液体シリコンといった剥離剤で処理するか、或いはTeflon(登録商標)又は他の剥離剤で被覆することができる。
擦り落としパッドの研磨性層の坪量は、普通は、約10グラム毎平方メートル(gsm)より大きいものとすることができる。より具体的には、研磨性層の坪量は、約25から約200gsmまでの間、より具体的には約30から150gsmまでの間、最も具体的には約40gsmから130gsmまでの間とすることができる。研磨性層は、研磨性材料と繊維性ウェブとの熱結合又は他の相互作用(例えば、水圧交絡すること、ニードリングすること等)によって、下にある繊維性ウェブに直接的に接合することができ、吸収体繊維ウェブへの研磨性層の繊維の付加的な接着剤接合は実質的に存在しない。別の実施形態においては、ホットメルト又は硬化接着剤が適用されて2つの層が接合され、接着剤の坪量は、約10gsmから約50gsm、より具体的には約15gsmから約40gsmといった約5gsm又はそれ以上である。或いは、付加された接着剤の坪量は、約5gsmより少ないものとすることができる。
【0011】
必要であれば、研磨性層は、やや半透明とすることができる。例えば、研磨性層によって覆われる表面積は、隠されていない孔にて光が層を通過できるようにする、研磨性層の軸方向深さを貫通して延びる開放気孔又は孔を含むことができる。一実施形態においては、研磨性層表面の表面積の約30%は、こうした孔を含む。より具体的には、研磨性層の表面によって定められる表面積の約50%は、層を若干半透明にする孔を含むことができる。さらに、研磨性層と繊維性ウェブとのラミネートの全体は、特に濡れたときに半透明となることができる。
研磨性層の繊維直径その他の構造特性(例えば坪量、孔径など)を調節することによって適切な半透明度を得ることができるが、必要に応じて、清澄剤の添加により研磨性層のポリマー材料の不透明度を減少させるステップを行うことができる。一実施形態においては、好ましくは研磨性層を形成する前に、研磨性層に用いられるポリマーに清澄剤を添加することができる。ポリプロピレン用の清澄剤は、Crompton社(コネチカット州グリニッチ)のMoldPro931、Polyvel,Inc(ニュージャージー州ハモントン)のベンジリデンソルビトールCAP20、Milliken Chemical(サウスカロライナ州スパータンバーグ所在)からのMillad(登録商標)3988清澄剤、及び当該技術分野では公知の他の薬剤を含むことができる。清澄剤によって、通常は、ポリマーは、清澄剤が存在しない場合の実質的に同一のポリマーに対し、光透過性が少なくとも20%増加するというように、ASTM D1003に従って計測されときの光透過性が大きく増加することになる。(核剤は、しばしば清澄剤と同義であり、清澄化が起こるか否かに関わらず、ポリマーの機械的特性を改質するために用いられることもできる。)当該技術分野では公知の他の添加剤、フィラー、及び顔料を、本発明の研磨性相中のポリマーと組み合わせることもできる。ガラス又は他の鉱物で強化された繊維又は粒子形態のポリマー繊維が、本発明の範囲内に包含される。例えば、鉱物又はガラス含有繊維又は他の複合繊維形態は、約50重量%又はそれ以上の合成ポリマー、より具体的には約60重量%又はそれ以上の合成ポリマー、さらに具体的には約80重量%又はそれ以上の合成ポリマー、最も具体的には約90重量%から約99重量%の合成ポリマーからなる。
【0012】
研磨性層は、ガス又は液体が研磨性層を容易に通過できるようにする高い透過性を与える比較的開放された構造をもつことができる。透過性は、圧力125Pa(水0.5インチ)に設定され、普通の直径7cmの開口部(38平方センチメートル)を有し、Tappi調整室(華氏73度、相対湿度50%)内で作動する、Textest AG(Zurich,Switzerland)によって製造されたFX3300通気性デバイスで計測された通気性という用語で表すことができる。研磨性層は、以下のいずれか、すなわち、約100CFM(立方フィート毎分)又はそれ以上、約200CFM又はそれ以上、約300CFM又はそれ以上、約500CFM又はそれ以上、もしくは約700CFM又はそれ以上、例えば、約250CFMから約1500CFM、約150CFMから約1000CFM、約100CFMから約800CFM、もしくは約100CFMから約500CFMの通気性をもつことができる。或いは、研磨性層の通気性は、約400CFMより小さいものとすることができる。研磨性層が150gsmより小さい坪量を有する場合には、少なくとも150の組み合わされた坪量を有する研磨性層の多数のプライは、約70CFM又はそれ以上、もしくは単一の研磨性層において与えられる前述の値又は範囲のいずれかの通気性を呈することができる。
【0013】
乾燥吸収体層は、約40CFM又はそれ以上、約60CFM又はそれ以上、及び約80CFM又はそれ以上といった、30立方フィート毎分(CFM)より大きい通気性値を有することができる。或いは、吸収体層は、約15から約30CFMまでの間、又は約20CFMから約80CFMの通気性を有することができる。非常に高い値も可能である。例えば、吸収体層の通気性は、約150CFM又はそれ以上、200CFM又はそれ以上、300CFM又はそれ以上、もしくは400CFM又はそれ以上とすることができる。一例として、高収率繊維からなる非クレープ加工通気乾燥ティシューは、20gsmのウェブにおいて615CFMをもつことが計測され、Scott(登録商標)タオル(テキサス州ダラス所在のキンバリー・クラーク社)のサンプルは、140CFMの通気性をもつことが計測され、VIVA(登録商標)ペーパータオル(テキサス州ダラス所在のキンバリー・クラーク社)のサンプルは、113CFMの通気性をもつことが計測された。
研磨性層お吸収体層からなる乾燥擦り落とし製品は、実質的に気体透過性である必要はないが、以下のいずれか、すなわち、約10CFM又はそれ以上、約50CFM又はそれ以上、約80CFM又はそれ以上、約100CFM又はそれ以上、約200CFM又はそれ以上、約300CFM又はそれ以上、及び約350CFM又はそれ以上、例えば、約10CFMから約500CFM、約20CFMから約350CFM、約30CFMから約250CFM、又は約40CFMから約400CFMの通気性をもつことができる。
【0014】
一実施形態においては、製品の吸収体層を形成する紙ウェブは、非クレープ加工通気乾燥紙ウェブとすることができ、通常は、約10gsmより大きい坪量を有することができる。より具体的には、坪量は、約20から約150gsmまでの間、さらに具体的には約40gsmから約120gsmまでの間とすることができる。さらに、紙ウェブは、高収率パルプ繊維からなるものとすることができる。例えば、紙ウェブは、約5乾燥重量パーセントより多い高収率パルプ繊維を含むことができる。一実施形態においては、紙ウェブは、約15から約30乾燥重量パーセントまでの間の高収率パルプ繊維を含むことができる。他の実施形態においては、ウェブ中の高収率繊維の割合は、以下、すなわち約30%、約50%、約60%、約70%、及び約90%のいずれかより多くすることができる。一実施形態においては、擦り落とし物品の吸収体層は、多プライ紙ウェブ製品とすることができる。例えば、2つ又はそれ以上のティシュー層のラミネート、或いは空気堆積ウェブと湿式堆積ティシューのラミネートは、当該技術分野では公知の接着剤又は他の手段を用いて形成することができる。
必要であれば、紙ウェブは、濡れたときに半透明性を呈することができる。例えば、紙ウェブは、約98%より小さい、特定的には約80%より小さい、より特定的には約60%より小さい湿潤不透明度をもつことができる。一実施形態においては、吸収体層は、濡れたときに半透明となるようにすることができ、擦り落とし製品によって清掃されている面が見えるように、半透明の研磨性層に取り付けることができる。
【0015】
擦り落としパッドの2つの主な層は、適切な方法のいずれかによって取り付けられる。例えば、層は、互いに接着剤により又は熱により結合することができる。一実施形態においては、層は、ホットメルト接着剤で互いに結合することができる。
製品の2つの主な層に加えて、擦り落としパッドは、随意的には、他の層又は添加剤を含むことができる。例えば、研磨性層は、層に入っている粒子状軽石又はミクロスフェアといった種々の可能な添加剤によってさらに研磨性にすることができる。また、パッドは、吸収体層上の疎水性障壁層といった付加的な層を含むことができる。疎水性障壁層は、製品に適用されたフィルムといった恒久的な層か、又は疎水性シートといった取り外し可能な層とすることができる。疎水性障壁は、吸収体層と研磨性層との間に存在させて、吸収体層の一部又は全てが濡れるのを防止することができ、又は随意的には、吸収体層の外面上に存在させて、使用中に手が濡れてくるのを防止することができる。さらに、擦り落とし製品は、石鹸、洗剤、緩衝剤、抗菌剤、皮膚健康剤、ローション、薬剤、研磨性剤などといった、主な層のいずれかに関連する他の添加剤を含有することができる。
【0016】
本発明の擦り落とし製品は、多くの異なる用途に有用なものとすることができる。例えば、擦り落としパッドは、皿洗い用布、たわしパッド、磨きパッド、やすり掛けパッド、又はピーリングパッドのようなパーソナルクレンジングパッドとして有用なものとすることができる。さらに、擦り落とし製品は、床、壁、窓、トイレなどを清掃するのに有用な清掃具の一部とすることができる。特定の実施形態においては、本発明の製品は、吸収体層をもたずに研磨性層のみを含むことができる。例えば、メルトブロー又はスパンボンド研磨性層のみを、取り付けられた吸収体層をもつか又はもたない場合のたわしパッド、磨きパッド、やすり掛けパッド、又はピーリングパッドのようなパーソナルクレンジングパッドとして用いることができる。
【0017】
定義
ここで用いられる「メルトブローン繊維」という用語は、通常は、溶融した熱可塑性材料を、複数の微細な、通常は円形のダイ毛細管を通じて、収束する高速の、普通は高温のガス(例えば空気)流の中へ溶融糸又はフィラメントとして押し出し、溶融した熱可塑性材料のフィラメントがガス流によって細められ、直径が縮小されることにより形成されるポリマー材料の繊維を意味する。その後、メルトブローン繊維は、高速ガス流により運ばれ、集積面に堆積されて、不規則に分散されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。メルトブローン繊維は、連続的又は非連続的であり、集積面に堆積されるときには、通常は自己結合する。しかしながら、或る実施形態においては繊維の縮小を減少させるために、また或る実施形態においては溶融ポリマーの隣接フィラメントが融合(例えばストランドのそれぞれの側部に沿って付着)され、隣接するストランドの近接する側部に沿って少なくとも部分的に接合されて、多フィラメント集合繊維(すなわち、ここでさらに定義される2つ又はそれ以上のポリマー・ストランドからなる集合繊維)である繊維を形成できるようにするために、低い又は極めてわずかな空気流が用いられる。
【0018】
ここで用いられる「製紙繊維」は、全ての公知のセルロース繊維又はセルロース繊維を含有する繊維混合物を含む。本発明のウェブを製造するのに適した繊維は、この限りではないが、天然又は合成セルロース繊維、綿、マニラ麻、ケナフ、サバイグラス、亜麻、アフリカハネガヤ、わら、ジュートヘンプ、バガス、トウワタフロス繊維、及びパイナップル葉繊維といった非木材繊維、並びに北方及び南方軟木クラフト繊維といった軟木繊維、ユーカリ、カエデ、バーチ、及びポプラといった硬木繊維を含む落葉樹及び針葉樹から得られる木材繊維のいずれかを含む。木材繊維は、高収率又は低収率形態で調製することができ、クラフト、亜硫酸処理、高収率パルプ化法その他の公知のパルプ化法を含む公知の方法のいずれかによってパルプ化することができる。有機溶媒パルプ化法から調製された繊維を用いることもできる。乾燥重量の50%より多い又は少ない、或いは乾燥重量の約5%から約30%までの繊維の一部は、レーヨン、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、二成分鞘−芯繊維、多成分バインダ繊維などといった合成繊維とすることができる。例示的なポリエチレン繊維は、Hercules,Inc.(デラウェア州ウィルミントン所在)から入手可能なPulpex(登録商標)である。公知の漂白方法のいずれかを用いることができる。合成セルロース系の繊維には、全ての種類のレーヨンと、ビスコース又は化学的に改質されたセルロースから誘導されたその他の繊維が含まれる。マーセル化パルプ、化学的に硬化され又は架橋された繊維、もしくはスルホン化繊維といった化学的に処理された天然セルロース繊維を用いることができる。製紙繊維を用いる際の良好な機械的特性のために、繊維は比較的損傷を受けず、大部分は精製されないか又はほんのわずかに精製されることが望ましい。再生繊維を用いることができるが、それらの機械的特性及び汚染物質を含有しないことにより、バージン繊維が通常は有用である。マーセル化繊維、再生セルロース繊維、微生物により産出されたセルロース、レーヨン、及び他のセルロース材料又はセルロース誘導体を用いることができる。適切な製紙繊維はまた、再生繊維、バージン繊維、又はそれらの混合物を含むことができる。高い嵩及び良好な圧縮特性を可能にする特定の実施形態においては、繊維は、少なくとも200、より具体的には少なくとも300、さらに具体的には少なくとも400、最も具体的には少なくとも500のカナダ標準形ろ水度をもつことができる。
【0019】
ここで用いられる「高収率パルプ繊維」は、約65パーセント又はそれ以上、より具体的には約75パーセント又はそれ以上、さらに具体的には約75から約95パーセントの収率を与えるパルプ化工程によって製造される製紙繊維である。収率は、最初の木材重量の百分率で表される加工された繊維の結果として得られる量である。こうしたパルプ化法は、漂白ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)圧力/圧力サーモメカニカルパルプ(PTMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、サーモメカニカルケミカルパルプ(TMCP)、高収率亜硫酸パルプ、及び高収率クラフトパルプを含み、これらの全ては、結果として得られる繊維に高レベルのリグニンを残す。高収率繊維は、典型的な化学的にパルプ化された繊維に対して剛性が高い(乾燥状態と湿潤状態との両方において)ことがよく知られている。クラフト及び他の非高収率繊維のセル壁は、リグニンのためにより可撓性となる傾向があり、セル壁上の又はセル壁の一部の「モルタル」又は「グルー」が、大幅に除去されている。リグニンはまた、水に膨潤せず、疎水性であり、繊維に対する水の軟化作用に抵抗し、クラフト繊維に対し、湿潤高収率繊維のセル壁の剛性を維持する。好ましい高収率パルプ繊維はまた、かなり全体的に、比較的損傷していない繊維、高ろ水度(250カナダ標準形ろ水度(CSF)又はそれ以上、より具体的には350CSF又はそれ以上、さらに具体的には400CSF又はそれ以上、例えば約500から750CSF)、及び低い微小繊維含有量(Britt jar試験により25パーセントより少ない、より具体的には20パーセントより少ない、さらに具体的には15パーセントより少ない、もっと具体的には10パーセントより少ない)をもつことによって特徴付けることができる。上記の一般的な製紙繊維に加えて、高収率パルプ繊維はまた、トウワタ種子フロス繊維、アバカ、ヘンプ、綿などのような他の天然繊維を含む。
【0020】
ここで用いられる「セルロース」という用語は、重要な成分としてセルロースを有する材料を含み、具体的には約20重量%又はそれ以上のセルロース又はセルロース誘導体、より具体的には約50重量%又はそれ以上のセルロース又はセルロース誘導体を含むことを意図されている。したがって、この用語は、綿、典型的な木材パルプ、非木材セルロース繊維、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、レーヨン、ビスコース繊維、サーモメカニカル木材パルプ、ケミカル木材パルプ、デボンデッド・ケミカル木材パルプ、NMMO中セルロース溶液から形成されたライオセルその他の繊維、トウワタ、又はバクテリア・セルロース、ライオセル、及びビスコース、レーヨンなどを含む。必要であれば、溶液から紡糸又は再生されていない繊維を排他的に用いることができ、又はウェブの少なくとも約80%は、セルロース溶液から生成されたスパン繊維を含まないものとすることができる。セルロースウェブの例は、湿式堆積クレープ加工ティシュー、湿式堆積非クレープ加工ティシュー、Procter and Gamble(オハイオ州シンシナティ所在)によって製造されたBounty(登録商標)ペーパータオル又はCharmin(登録商標)トイレットペーパといったパターン緻密化又は刻印ティシュー、化粧紙、トイレットペーパ、バインダ繊維からなる空気堆積ウェブのような乾燥堆積セルロースウェブ、少なくとも20%の製紙繊維又は少なくとも50%の製紙繊維からなるコフォームウェブ、発泡形成ティシュー、家庭及び産業用拭取り材、Everhart他の1994年2月8日に発行された米国特許第5,284,703号、及びSuskind他の1989年2月28日に発行された米国特許第4,808,467号のウェブによって例示される、製紙繊維と水圧交絡されたスパンボンドウェブのような水圧交絡ウェブといった、公知のティシュー材料又は関連する繊維性ウェブを含むことができる。一実施形態においては、セルロースウェブは、該ウェブに高い湿潤又は乾燥引張強度を与えるために、ラミネート、接着剤結合、又は水圧交絡により製紙繊維が付加されるか、又は(例えば、テキサス州ダラス所在のキンバリー・クラーク社のVIVA(登録商標)ペーパータオルによって例示される、グラビア印刷又は他の公知の手段によって)ラテックスのような接着剤がウェブに含浸されたスパンボンドウェブのような合成ポリマー網を含む強化されたセルロースウェブとすることができる。強化ポリマー(接着剤を含む)は、セルロースウェブの重量の約1%又はそれ以上、又は以下のいずれか、すなわちセルロースウェブの重量の約1%から約50%、又は約3%から約35%といった、セルロースウェブの重量の約5%又はそれ以上、約10%又はそれ以上、約20%又はそれ以上、約30%又はそれ以上、もしくは約40%又はそれ以上含有されることができる。
【0021】
ここで用いられる「気孔体積」とは、固形分を含まないサンプルによって占められるスペースの体積のことをいう。百分率で表されるときには、固形分を含まないサンプルによって占められる全体積の割合のことをいう。
ここで用いられる「強度相乗効果」及び「伸び相乗効果」とは、非結合状態に対し層が結合されたときの、研磨性層とティシュー層との組み合わせの材料特性における相乗効果的改善の大きさのことをいう。本発明に係るラミネートが、擦り落とし作業又は他の労力を要する作業に用いられるときには、製品の耐久性を驚くほど高めることができる。優れた性能の少なくとも一部は、ラミネートの材料特性における相乗効果によるものであり、個々の構成材の材料特性に基づいて予測されるものより優れている。例えば、ティシュー・ウェブに結合されたメルトブローン層を含む研磨性ラミネートの引張強度及び伸び特性は、同じメルトブローン層とティシュー・ウェブの互いに結合されていない組み合わせより実質的に高い引張強度をもつことができる。結合されたラミネートの引張強度と2つ又はそれ以上の層の非結合の組み合わせの引張強度との比を、「強度相乗効果」と呼ぶ。引張測定は、10インチ毎分のクロスヘッド速度での引張試験機において、3インチジョー幅、4インチゲージ長で行われる。引張強度は、破断前の最大荷重としてとられ、伸びは、最大荷重点での長さの増加パーセントである。ラミネートの伸び(引張試験における破断点伸び)はまた、互いに結合されていない2つ又はそれ以上の層の伸びより高くすることができる。結合されたラミネートの伸びと、互いに結合されていない2つ又はそれ以上の層の組み合わせの伸びとの比を、「伸び相乗効果」と呼ぶ。特に指定のない限り、強度相乗効果及び伸び相乗効果を求めるのに用いられる引張試験は、構成材の機械方向に行われる、すなわち、研磨性層が明白に認識できる機械方向をもたないか、又はラミネート製品のティシューの機械方向と位置合わせされない機械方向をもつときには、ティシュー構成材の引張試験は、通常はティシュー・ウェブにおいて最も高い引張強度を有する方向である機械方向に行われる。
【0022】
或る実施形態においては、強度相乗効果は、約1.05から約3、約1.1から約2.5、及び約1.5から約4の例示的な範囲において、約1.05又はそれ以上、より具体的には約1.1又はそれ以上、さらに具体的には約1.2又はそれ以上、最も具体的には約1.5又はそれ以上とすることができる。或る実施形態においては、伸び相乗効果は、約1.3から約3、約1.5から約2.5、及び約1.5から約2の例示的な範囲において、約1.1又はそれ以上、より具体的には約1.3又はそれ以上、さらに具体的には約1.5又はそれ以上、最も具体的には約1.8又はそれ以上とすることができる。実質的に1より大きい伸び相乗効果をもつラミネートは、必ずしもそうである必要はないが、実質的に1より大きい強度相乗効果を有することができる。同様に、実質的に1より大きい強度相乗効果をもつラミネートは、必ずしもそうである必要はないが、実質的に1より大きい伸び相乗効果を有することができる。
「全表面深さ」は、表面の凸部分と凹部分との間の特徴的な高さの差を示す、表面の形態の尺度である。全表面深さを計測するために用いられる光学技術を、以下に説明する。
当業者にとって最良の形態を含む、本発明の十分な及び本発明を可能にする開示が、付属の図面の参照を含む本明細書の残りの部分でさらに具体的に説明される。
本明細書及び図面における参照番号の反復使用は、本発明の同じ又は類似した特徴又は要素を表すことを意図されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
これより本発明の実施形態の詳細な説明が行われ、以下にそのうちの1つ又はそれ以上の実施例が示される。各実施例は、本発明を限定するのではなく、本発明を説明する目的で与えられる。事実、本発明の範囲又は精神を逸脱することなしに、本発明に種々の修正および変形を施せることが、当業者には明らかになるであろう。例えば、1つの実施形態の一部として図示された又は説明された特徴を、別の実施形態に用いて、更に別の実施形態を得ることができる。従って、そうした修正及び変形を、添付の請求項及びその均等物の範囲内に入るものとして網羅することを、本発明は意図されている。
【0024】
本発明は一般に、家庭内清掃用途及びパーソナルケア用途を含む幅広い用途での使用に適した使い捨て擦り落としパッドに向けられる。本発明の擦り落とし製品は、例えば、皿洗い用布、汎用雑巾、たわし又は磨きパッド、又は例えばピーリングパッドのようなパーソナルケア製品などとして用いるのに適している。特定の実施形態においては、本発明の擦り落とし製品は、例えばやすり掛け又は磨き用途において、表面の層を除去するのに用いることができる。
本発明の擦り落としパッドは、一般に多層構造を持ち、不織紙ウェブを含む吸収体層に固定された不織研摩層を含む。例えば、研摩層は、多孔性の、柔軟な、メルトブローン・ウェブとすることができ、例えばクレープ加工されていない通気乾燥(UCTAD)紙ウェブのような嵩高い吸収性紙ウェブに熱結合させることができる。
【0025】
複合擦り落としパッドの2つの別個の層は、他の複合擦り落とし物品に勝る清掃上の利点を提供することができ、且つ、より低いコストでそれを提供することができる。他の利点は、使い捨て擦り落としパッドからも得られる。例えば、柔らかい紙ウェブ並びにパッドの柔軟性は、従来の複合擦り落とし物品に比べ、清掃の間に物品を遥かに良好に保持できるようにする。加えて、パッドを、剛性の把握装置に取付けられる形状にして、使用者の必要に応じ、強力な又は軽度の擦り落としのための便利な清掃具を形成することができる。例えば、本発明の擦り落とし製品を保持する能力がある清掃具は、床、壁、窓、トイレ、天井ファンなどを清掃するのに用いることができ、また表面を磨くこと又はやすり掛けすることによって表面を清掃するのに用いることもできる。
【0026】
擦り落としパッドは、所望であれば随意的にパッドの能力を増強させるような洗剤又は薬品といった種々の添加剤を含むことができる。更に擦り落としパッドは、濡れた時には半透明となり、それにより、擦り落としの続く間、使用者が清掃されている表面を見られるようにすることができる。特に有利な点として、本発明の複合構造の構成材層の間に相乗効果が生じる場合があり、擦り落としパッドが個々の層の機械的特性の合計よりも大きな機械的特性を呈する場合があることが見出されてきた。例えば、機械的特性の中でもとりわけ引張強度及び耐久性は、個々の層における同じ特性の合計よりも複合構造において、より大きいものとなる場合がある。同様にして、取り付けられた吸収体層のテクスチャにより、パッドの研摩表面の研摩性を増強させることができる。
【0027】
本発明の擦り落としパッドの研摩層は、一般に、パッド上に粗くざらざらした表面を形成するのに十分な強度及び硬度を有する、開放された多孔性の構造に形成される材料を含むことができる。好適な材料は豊富にあり、天然材料とすることも合成材料とすることもできる。可能性のある例示的な材料には、所望の開放性構造へと形成される公知の研摩材料がある。可能性のある合成材料は、例えば、溶融ポリマー即ち非硬化ポリマーから形成され、次いで硬化処理されて所望の研摩層を形成することができるメルトスパン不織ウェブのようなポリマー性材料とすることができる。
本発明の研摩層として、他の材料を随意的に用いることができる。例えば、穿孔ナイロンカバー、ナイロン網状組織、及び例えば3M Corp.(ミネソタ州ミネアポリス)のSCOTCHBRITEパッドのような他の研摩製品に見出される材料に類似した材料といった、公知の市販の擦り落とし製品の研摩層として用いられている他の材料を用いることができる。
擦り落としパッドの研摩層を形成するために用いられる材料及び工程は、意図された製品の所望の最終用途に合わせて選び、設計することができる。例えば、洗顔パッドのようなパーソナルケア製品として設計された擦り落としパッドは、家庭内清掃用途に用いるための擦り落としパッドより柔らかく、より研摩性が低い研摩層を含むことができる。よって、原材料、添加剤、繊維直径、層密度並びに剛性などは、最終製品の所望の特徴に従い、様々に変えることができる。
【0028】
1つの実施形態においては、擦り落としパッドの研摩層は、熱可塑性ポリマー材料を使って形成できるような不織メルトブローン・ウェブを含むことができる。一般に、メルトブローン不織ウェブを形成するために用いることができるいかなる好適な熱可塑性ポリマーも、擦り落としパッドの研摩層のために用いることができる。可能性のある、使用に適した熱可塑性ポリマーの網羅的ではないリストは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリプロピレン、高密度ポリプロピレン、塩化ポリビニル、塩化ビニリデン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリ(メチル)アクリレート、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、ABS、ポリエーテルエステルなどのポリマー又はコポリマー、或いはポリアミド、ポリカプロラクタン、熱可塑性でんぷん、ポリビニル・アルコール、ポリエステルアミド(随意的に可塑剤としてグリセリンを伴う)のようなポリ乳酸、ポリフェニルサルファイド(PPS)、ポリ・エーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ポリビニリデン、ポリウレタン、及びポリウレアを含む。例えば、1つの実施形態においては、研摩層は、ポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性ポリマーを伴って形成されたメルトブローン不織ウェブを含むことができる。ポリプロピレン及び例えばPETなどの他のポリマーでできたアロイ繊維のようなポリマー・アロイもまた研摩層に用いることができる。幾つかのポリマーの組み合わせにおいては、有効な配合を供与するために相溶化剤が必要となる場合もある。1つの実施形態においては、研摩性ポリマーはハロゲン化合物をほぼ持たない。別の実施形態においては、研摩性ポリマーはポリオレフィンではなく、例えばポリプロピレン又はポリエチレンなどより研摩性の高い材料(例えば約1200MPa以上の曲げ弾性率、又は85以上のショアD硬度を有する)を含む。
【0029】
研摩層の繊維は、目が粗いことに加えて、ポリプロピレンにほぼ等しいか又はそれより大きい、例えば約1,000Mpa以上の、具体的には約2,000Mpa以上の、より具体的には約3,000Mpa以上の、最も具体的には約5,000Mpa以上の、高い弾性係数を持つことができる。説明目的として、フェノール系プラスチックは、約8000MPaの弾性係数を持つことができ、15%のグラスファイバーで強化されたポリアミド(ナイロン6,6)は、約4,400MPaの弾性係数を持つことが報告されている(グラスファイバー強化無しの場合、弾性係数は約1,800MPaである)。
研摩層の繊維は、所望に応じてエラストマー性とすることも非エラストマー性とすることも可能である(例えば結晶性又は半結晶性)。加えて、研摩層は、エラストマー性繊維と非エラストマー性繊維を混ぜたものを含むことができる。
【0030】
幾つかのポリマー・グループに関して、融点を高くすることが、研摩特徴の向上に関連する場合がある。よって、研摩層は、1つの実施形態においては、約120℃から約350℃まで、又は約150℃から約250℃まで、又は約160℃から約210℃まで、といった範囲で例示される、例えば約140℃以上の、又は約160℃以上の、又は約170℃以上の、又は約180℃以上の、又は約200℃以上などの、約120℃より大きい融点を持つことができる。
良好な研摩特性の指標となる別の尺度は、標準試験方法ASTM D 1706により測定されるショアD硬度である。一般に、好適な研摩層のポリマー性材料は、例えば約65以上の、又はより具体的には約70以上の、又は最も具体的には約80以上などの、約50以上のショアD硬度を有することができる。例えばポリプロピレンは通例、約70から約80のショアD硬度を有する。
【0031】
1つの実施形態においては、研摩層のポリマー性材料は、約500MPa以上の曲げ率と、約50以上のショアD硬度を持つことができる。代替的な実施形態においては、ポリマー性材料は、約800MPa以上の曲げ率と、約50以上のショアD硬度を持つことができる。
1つの実施形態においては、擦り落としパッドの研摩層は、熱可塑性ポリマー材料を用いて形成されるような不織メルトブローン・ウェブを含むことができる。一般に、メルトブローン不織ウェブを形成するのに使用可能ないかなる好適な熱可塑性ポリマーも、擦り落としパッドの研摩層に使うことができる。可能性のある、使用に適した熱可塑性ポリマーの網羅的なリストは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ナイロンなどのポリマー又はコポリマー、或いはポリアミド、ポリカプロラクタン、熱可塑性でんぷん、ポリビニル・アルコール、例えばポリエステルアミド(随意的に可塑剤としてグリセリンを伴う)のようなポリ乳酸を含む。例えば、1つの実施形態においては、研摩層は、ポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性ポリマーを伴って形成されたメルトブローン不織ウェブを含むことができる。
1つの実施形態においては、研摩層のポリマー性繊維は、可塑剤をほぼ含まないか、又は33重量パーセント以下の可塑剤を含むことができ、より具体的には約20重量パーセント以下の可塑剤を含むことができ、更に具体的には約3重量パーセント以下の可塑剤を含むことができる。ポリマー性繊維の主成分となるポリマーは、約100,000以上、約500,000以上、約1,000,000以上、約3,000,000以上、及び約5,000,000以上のうちいずれかの分子量を持つことができる。
【0032】
研摩層は、いずれかの好適な断面を持つ繊維を含むことができる。例えば、研摩層の繊維は、円形又は非円形の断面を伴う目の粗い繊維を含むことができる。しかも、非円形断面の繊維は、例えば「4DG」繊維(8叉断面形状を持つ特殊PET深溝入り繊維)のような溝入り繊維即ち多突部形状の繊維を含むことができる。加えて、繊維は、単一のポリマー又はコポリマーで形成された単成分繊維とすることができ、又は多成分繊維とすることもできる。
物理的特性の所望の組み合わせを持つ研摩層を製造する試みの中で、1つの実施形態においては、多成分フィラメント又は二成分フィラメント及び繊維から作られた不織ポリマー性布地を用いることができる。二成分又は多成分のポリマー性繊維又はフィラメントは、区別できる2つ又はそれ以上のポリマー性成分を含む。多成分フィラメントの種々の成分は、フィラメントの断面に渡り、ほぼ区別された区域に配列され、該フィラメントの長さに沿って連続的に延びる。例えば、二成分フィラメントは、横並び配列又は芯鞘配列を持つことができる。通例、1つの成分は他の成分とは異なる特性を呈し、そのことによりフィラメントは2つの成分の特性を呈する。例えば、1つの成分は比較的強靭なポリプロピレンとすることができ、他の成分は比較的柔らかいポリエチレンとすることができる。最終的に得られるのは、強靭ではあるが柔らかい不織布である。
【0033】
1つの実施形態においては、強度及び研摩性の向上のために、研摩層はメタロセン・ポリプロピレン即ち「シングルサイト」ポリオレフィンを含む。例示的なシングルサイト材料は、ミネソタ州Vadnais Heights所在のH.B.Fuller Companyから入手可能である。
別の実施形態においては、研摩層は、ポリプロピレン繊維などの縮小された溶融可能な熱可塑性繊維をその上に分布させた、平坦な不織基体を備えた加工前ウェブを含む。加工前ウェブは、加熱されて熱可塑性繊維が収縮し、節のある繊維残部を形成することができ、これが得られるウェブ材料に研摩性特徴を与える。節のある繊維残部は、ウェブの総繊維重量の約10%から約50%までを占めることができ、約100マイクロメートル以上の平均粒径を持つことができる。節のある残部を形成するのに用いられる繊維に加えて、加工前ウェブは、強度を供与するためにポリプロピレンより融点が高い少なくとも1つの成分を含有するセルロース性繊維及び合成繊維を含むことができる。加工前ウェブは、湿式堆積法、空気堆積法、又は他の方法で製造することができる。1つの実施形態においては、加工前ウェブは、実質的に製紙繊維を含まない。例えば、加工前ウェブは、ポリプロピレン繊維を含む繊維質ナイロン・ウェブ(例えばナイロン繊維とポリプロピレン繊維の両方を含むボンデッド・カーデッド・ウェブ)とすることができる。
【0034】
研摩層はまた、穿孔して、物品の吸収体層への流体の到達を向上させることができる。例えばピン穿孔されたメルトブローン・ウェブは、穿孔の存在に起因して、増強された研摩性を持つことができる。
研摩層の形成に使われた材料はまた、所望に応じて種々の添加剤を含むことができる。例えば、光安定剤、熱安定剤、処理助剤、及びポリマーの熱老化安定性を増強する添加剤などの種々の安定剤をポリマーに添加することができる。更に、ヘキサノールなどの補助湿潤剤、アルキルリン酸カリウムなどの帯電防止剤、及び種々のフルオロポリマーなどの撥アルコール剤(例えばDuPont Repellent 9356H)もまた存在することができる。所望の添加剤は、ダイの中のポリマーに添加剤を含ませることによって、或いは又、形成後に、スプレー工程などを通じて研摩層に添加することによって、研摩層に含ませることができる。
【0035】
例示する目的のために、擦り落としパッドの研摩層に用いられるようなメルトブローン不織ウェブを形成するためのシステムの1つの実施形態が、図1に示されている。図示されたように、このシステムは、本発明によるメルトブローン・ウェブ32を製造するために使うことができる、全体を110で表す形成機械を含む。詳細には、形成機械110は、矢印で示された方向に駆動されるようにローラ116及び118の周囲に巻かれた、エンドレス有孔形成ベルト114を含む。
形成ベルト114はいかなる好適な形成ベルトであってもよく、所望であれば、メルトブローン層に付加的な立体テクスチャを与えることができる。付加されたテクスチャは、層の研摩性に影響を与えることができる。例えば、メルトブローン層における高い度合いの表面テクスチャは、Lindsay Wire Companyから入手可能なもののような高寸法形成布上にメルトブローン層を形成することによって、達成することができる。図8は、高度にテクスチャ加工された形成布の上に形成されるような、高度にテクスチャ加工されたメルトブローン層32を示した、本発明の1つの実施形態の断面図である。次いで、本発明の擦り落としパッドの形成に当たって、高度にテクスチャ加工されたメルトブローン層を吸収体層34に取り付けることができる。
【0036】
図1の形成機械システムはまた、繊維126を形成するために用いられるダイ120を含むことができる。ダイ120のスループットは、1時間にわたるダイ幅1インチ当たりの溶融ポリマーのポンド数(PIH)で指定される。熱可塑性ポリマーがダイ120を出るに際し、通常は空気である高圧流体がポリマー流を縮小させ、展延して、繊維126を形成する。繊維126は形成ベルト114上に不規則に堆積させることができ、メルトブローン層32を形成する。
従来のメルトブローン材料の製造においては、ポリマーストランドを縮小して微細な薄い繊維を生み出すためには、通常、高速の空気が用いられる。本発明においては、空気の流域を増大させるか又は他の形で、メルトブローン・ダイヘッドから出てくる溶融したポリマーストランドのすぐそばの空気流の速度を減少させるなどして、空気流システムを調節することにより、繊維直径の大幅な縮小を防止する(即ち繊維縮小の程度を減少させる)ことが可能である。繊維直径の縮小を制限することで繊維の粗さを増大させることができ、それにより該繊維によって形成される層の研摩性を増大させることができる。
【0037】
さらに、ダイ出口近くの空気流を用いてポリマー性繊維を撹乱し、形成ベルト上に高度に不均一となるような形に広げることができる。ベルト上に堆積された粗いメルトブローン繊維の高度の不均一性がウェブ上に顕れ、それは厚さの変化と、ウェブ断面の坪量の変化とを示すことができる、即ちウェブ上に不均等な表面が生み出され、このことは該繊維によって形成される層の研摩性を増大させることができる。
加えて、ウェブ形成中の繊維の不均一な広がりは、内部に増加された空隙空間を持つウェブを生み出すことができる。例えば、層のかなりの部分を占める開放空隙を有する、開放された繊維網状組織を形成することができる。例えば、研摩層の空隙体積は、材料の体積の約10%より大きくすることができ、具体的には約50%より大きくすることができ、より具体的には約60%より大きくすることができる。これらの開放空隙材料は良好な擦り落とし特性を本来的に有する。
【0038】
ウェブに作り出された空隙空間即ち孔はまた、ウェブにわたる不透明度に変化を生み出すことができ、そのことにより、該ウェブによって形成された研摩層は幾らか半透明となる。繊維の不規則な堆積及び、その結果得られる研摩層の開放構造に起因して、ウェブに形成された孔の多くは、層の深さ全体に渡って延びることができ、層を光が遮られることなく透過して、研摩層にある程度の半透明性を与えることを可能にする。ある実施形態においては、研摩層の表面積の約30%より多くが、層の軸方向深さに渡って延びる開放空隙空間を含む。より具体的には、研摩層の表面積の約50%より多くが、層の軸方向深さに渡って延びる開放空隙空間を含み、研摩層に高度の半透明性を与える。よって、研摩層の表面積のかなりの割合を開口部即ち孔が占めることができ、これを通して下にある吸収体層を見ることができる。例えば、約10%以上、具体的には約20%以上、より具体的には約40%以上、及び最も具体的には約55%以上の研摩層表面積(上方からの平面図で見た表面積)を、開口部即ち孔が占めることができ、これを通して下にある吸収体層を見ることができる。付加的に、研摩層は半透明性ポリマーによって形成することができ、このことは層の半透明性を増加させることができる。
パーセンテージ基準で表現すると、5−mm平方の断片についての平均されたデータポイントに対する不透明性の標準偏差は、例えば約8%から約60%まで、又は12%から約50%までなどのように、約5%以上とすることができ、より具体的には約10%以上とすることができ、さらに具体的には約20%以上とすることができ、最も具体的には約30%以上とすることができる。
【0039】
繊維直径及び研摩層の他の構造的特性(例えば坪量、孔寸法など)を調節することによって好適な半透明性を得られる一方、所望であれば、清澄剤の添加を通じて研摩層のポリマー材料の不透明性を減少させる段階を取り入れることもできる。1つの実施形態においては、好ましくは研摩層の形成に先立って、該研摩層に使われるポリマーに清澄剤が添加される。ポリプロピレン用の清澄剤は、Crompton Corporation(コネティカット州グリニッジ)のMoldPro 931、ベンジリデン・ソルビトール、Polyvel,Inc.(ニュージャージー州ハモントン)のCAP20、Milliken Chemical(サウスカロライナ州スパータンバーグ)のMillad(登録商標)3988清澄剤、及び公知の他の薬剤を含むことができる。清澄剤は通常、ASTM D1003に従い測定されるポリマーの透光性を実質的に増大させ、例えば清澄剤の存在を欠くほぼ同一のポリマーに比べて少なくとも20%透光性を増大させる。(核剤はしばしば清澄剤と同義であり、清澄化が起こるか否かに関わらず、ポリマーの機械的特性を改質するために用いられることもできる。)公知の他の添加剤、フィラー、及び色素もまた、本発明の研摩層中のポリマーと組み合わせて用いることができる。繊維又は粒子形状のグラスファイバー又は他の鉱物で強化されたポリマー性繊維は、本発明の範囲内にある。例えば、鉱物又はガラスを含む繊維、又は他の複合繊維形態は、約50重量%以上の合成ポリマーを含むことができ、より具体的には約60重量%以上の合成ポリマーを含むことができ、更に具体的には約80重量%以上の合成ポリマーを含むことができ、最も具体的には約90重量%から約99重量%の合成ポリマーを含むことができる。
【0040】
一般に、研摩層の熱可塑性ポリマー繊維は、約30ミクロンより大きい平均直径とすることができる。より具体的には、熱可塑性繊維は、約50ミクロンから400ミクロンなどといった約40ミクロンと約800ミクロンの間の平均直径とすることができ、更により具体的には約60ミクロンと約300ミクロンの間の平均直径とすることができ、最も具体的には約70ミクロンと約250ミクロンの間の平均直径とすることができる。そうした繊維は、従来のメルトブローン・ウェブの繊維よりかなり目が粗く、付加的な目の粗さはウェブの研摩特徴の増強に当たって一般に有用である。
メルトブローン・ウェブを形成する繊維は、層の開放網状組織を支持できるように十分に長いものとすることができる。例えば、繊維は少なくとも約1センチメートルの繊維長を持つことができる。より具体的には、繊維は約2cmより大きい特徴的繊維長を持つことができる。
【0041】
所望であれば、繊維は随意的に、例えばミクロスフェア、軽石又は金属の顆粒のようなフィラー粒子を含めること、メルトブローン「ショット」による加工、などといった研摩増強特徴を含むように形成することができる。
ミクロスフェアは、約10ミクロンから約1mmまでの直径を持つことができ、通例、約1ミクロンから約5ミクロンまでの外殻厚さを有するが、これに対してマクロスフェア(同じく幾つかの実施形態において用いることができる)は約1mmより大きい直径を持つことができる。こうした材料は、金属、ガラス、カーボン、マイカ、石英、又は他の鉱物のマイクロビードと、ペンシルヴァニア州所在のPQ Corporationから入手可能なPM 6545として知られるアクリル系ミクロスフェアを含むアクリル系又はフェノール系のプラスチックと、ISP Corporation(ニュージャージー州ウェイン)の架橋アクリル酸塩SunSpheres(商標)中空ミクロスフェア及び同様の中空スフェアと、を含むことができ、また(オランダ国所在のAkzo Nobelの)1事業部門であるスウェーデン国Stockviksverken所在のExpancelの)Expancel(登録商標)ミクロスフェアなどのような膨張可能なスフィアも含むことができる。
【0042】
本発明の1つの実施形態においては、研摩層は、メルトブローン「ショット」加工されたメルトブローン・ウェブなどの不織メルトスパン・ウェブから製造することができる。メルトブローン・ショットは、ストランドと相互に連結されたポリマー(通例はポリプロピレン又は他の熱可塑性材料)の不規則な小球が生成されるように意図的に操作されたメルトブローン工程において適用される目の粗い不均一性層である。所望であれば、ショットを区別して着色し、研摩要素が容易に視認できるようにすることができる
【0043】
随意的に、本発明の研摩層は、2つ又はそれ以上の異なる繊維形式から形成することもできる。例えば、研摩層は、異なるポリマー又はポリマーの異なる組み合わせから形成された異なる繊維形式で形成されることができる。付加的に、研摩層は、異なる配向の繊維、即ち丸まった繊維又は真っすぐな繊維を含む異なる繊維形式、又は互いに異なる長さ又は断面積を持った繊維で形成されることもできる。例えば、ダイ120は、多区域ダイとして、異なる区域に異なるポリマー材料を含むことができ、ダイ120を通してこれらを供給し、区別された異なる繊維に形成して、次いで混合し、形成ベルト114上に不均質に分布させることができる。或いは、2つ又はそれ以上の異なるメルトブローン・サブ層を形成して互いに結合し、異なる繊維形式のかなり均一且つ均質な分布を持った研摩層を形成することもできる。
【0044】
1つの実施形態においては、本発明の研摩層は、個々のポリマー・ストランドの多フィラメント集合体を含むことができる。
ここで用いる「多フィラメント集合体」という用語は、実際に、メルトブローン・ダイ上の隣接する穴から射出された隣接する溶融ポリマー・ストランドの少なくとも部分的な融合(接着)によって形成された、2つ又はそれ以上のポリマー・ストランドの集合体であるメルトブローン繊維を指し、このことは、例えば、空気噴流によって生み出された乱流が普通のメルトブローン操作におけるよりも実質的に少なく、それにより2つ又はそれ以上の隣接するストランドが接触可能となり、該ストランドの長さの少なくとも一部に沿って互いに接合される、といった状況下で達成される。例えば、多フィラメント集合繊維を形成する個々のストランドは、繊維の長さに沿って、約5mmより長い距離に渡って横並びに接合されることができる。よって、多数のポリマーが単繊維として、又は複雑な形状を持って押し出される二成分繊維、多突部形状繊維などは、メルトブローン・ダイの隣接する穴から押し出され又は射出され、ダイを出たとき初めて互いに接着される隣接するポリマー・ストランドを含む本発明の多フィラメント集合繊維と混同されてはならない。
【0045】
メルトブローン・ダイの穴は1つ又はそれ以上の列とすることができる。ダイにおいて1つ以上の穴の列が存在するときには、該穴は千鳥配列とすることも整列させることもでき、又は公知の他の方法で分布させることができる。所望の断面形状を持つ個々のストランドを形成するために、ダイ穴はいずれかの所望の形状とすることができる。1つの実施形態においては、集合されて本発明の集合繊維を形成する前のポリマー・ストランドの断面がほぼ円形となるように、ダイ穴を円形とすることができる。図14A及び図14Bに見ることができるように、ほぼ円形の個々のポリマー・ストランドは、互いに接着された後であっても個々の円形断面を保持することができる。
【0046】
多フィラメント集合体は、特に、直線状に整列された隣接するメルトブローン穴からの3つ又はそれ以上のストランドが、ほぼ平行な(即ち連続的ストランドの中心点を結ぶことによって形成される線が概ね直線であるときに互いに平行な)アレイとして互いに付着した時には、ほぼリボン状の特徴を持つことができる。例えば、図11は、ほぼ平行なアレイの形で付着された6つの個々のポリマー・ストランドから成る多フィラメント集合体を図示する。多フィラメント集合体の幅は、該多フィラメント集合体中のストランドの数に単一のストランドの直径を掛けたものに近いくらいの大きさとなるが、接合されたストランドの一部の融合のために、また幾つかの場合にはストランドのねじれのために、この幅は通常、ストランドの数と単一のストランドの直径(又は平均的な単一のストランドの直径)の積の分率である。この分率は約0.2から約0.99までとすることができ、具体的には約0.4から約0.97までとすることができ、より具体的には約0.6から約0.95までとすることができ、最も具体的には約0.7から約0.95までとすることができる。1つの実施形態においては、多フィラメント集合繊維の非円形断面の主軸を約30ミクロンより大きくすることが可能である。
【0047】
多フィラメント集合体中のストランドの数は、2から約50までの範囲とすることができ、具体的には2から約30までの範囲とすることができ、より具体的には2から約20までの範囲とすることができ、最も具体的には約3から約12までの範囲とすることができる。多フィラメント集合体は、3又はそれ以上、4又はそれ以上、5又はそれ以上、或いは6又はそれ以上の、数加重平均ストランド数を持つことができる。多フィラメント集合体を含むメルトブローン・ウェブは、ウェブの質量の5%以上を構成する多フィラメント集合体を含むことができる(ウェブの質量の5%以上を占める3つ又はそれ以上のストランドを含む多フィラメント集合体など)。例えば、多フィラメント集合体が占めるウェブの質量分率は、約10%以上か、約20%以上か、約30%以上か、約40%以上か、約50%以上か、約60%以上か、約70%以上か、約80%以上か、約90%以上か、又はほぼ100%とすることができる。これらの範囲は、一般に多フィラメント集合体に当てはめることができ、又は少なくとも3つのストランドか、4つのストランドか、5つのストランドか、又は6つのストランドを有する多フィラメント集合体に当てはめることができる。
【0048】
図11は、メルトブローン法などの操作によって単一のポリマー・ストランド238から形成されたポリマー性繊維126の断面を図示し、また比較のために、6つのストランド238の部分的な融合によって形成され、リボン状の構造を得た多フィラメント集合体240の断面を図示する。2つのストランド238が互いに接合されている領域は、カスプ243を備えることができる。
多フィラメント集合体240の断面を完全に囲むことができる最小の長方形241は、幅W及び高さHを有する。幅Wは多フィラメント集合体の幅であり、高さHは多フィラメント集合体の高さである。多フィラメント集合体のアスペクト比は、W/Hの比である。本発明の多フィラメント集合体のアスペクト比は、約2以上か、約3以上か、約4以上か、約5以上か、又は約6以上とすることができ、例えば約3から約12までである。
多フィラメント集合体240のストランド238は、繊維(多フィラメント集合体240)の全長に渡ってほぼ平行の状態を保つことができ、或いはある程度の距離だけ保ち、それから2つ又はそれ以上のより小さな多フィラメント集合体のグループ又は個々のストランド238に分かれることもできる。多フィラメント集合体240のストランド238は、約1mm以上か、5mm以上か、10mm以上か、20mm以上か、又は50mm以上の距離にわたって側部に沿って互いに接合した状態を保つことができる。
【0049】
形成ベルト114は、いかなる好適な形成ベルトとすることもでき、所望であればメルトブローン層に、その研摩性にやはり影響を与えるようなテクスチャを供与することができる。例えば、メルトブローン層の高度な表面テクスチャは、Lindsay Wire Companyから入手可能なもののような高寸法の形成布上にメルトブローン層を形成することによって、達成することができる。別の実施形態においては、研摩層は、布によって支持されるテクスチャ加工されたティシュー・ウェブ又は他のセルロース性ウェブなどのような繊維質の吸収性ウェブ(図示せず)の上に直接形成することができる。図8は、比較的平坦な吸収体層34に取り付けられた高度にテクスチャ加工されたメルトブローン層32を伴う本発明の1つの実施形態の断面図である。或いは又、図7に図示されたように、形成ベルト114を比較的平坦にして、平坦なメルトブローン層32を製造することもできる。
【0050】
研摩層は、好適な繊維坪量及び編成を持つことができ、それにより、可撓性を保ちつつ、複合パッド構造体に良好な擦り落とし特徴を与える。例えば、研摩層を形成するメルトブローン・ウェブは、約10gsmより大きい坪量を持つことができる。より具体的には、メルトブローン・ウェブは、約25gsmと約400gsmの間の坪量を持つことができ、より具体的には約30gsmと約200gsmの間の坪量を持つことができ、最も具体的には約40gsmと約160gsmの間の坪量を持つことができる。メルトブローン・ウェブは、約0.02グラム/立方センチメートル(g/cc)、0.04g/cc、0.06g/cc、0.1g/cc、0.2g/cc、0.4g/cc、0.6g/cc、及び0.8g/ccの中のいずれかから、約0.1g/cc、0.3g/cc、0.5g/cc、及び1g/ccのいずれかまでの範囲の密度を持つことができる(公知の他の値及び範囲もまた本発明の範囲内とすることができる)。1つの実施形態においては、研摩層と接触することにより表面が擦られる時のようにパッドに圧力がかけられる時に、その表面がほぼパッドのメルトブローン層のみに接触するように、研摩層を形成することができる。
【0051】
前述したように、ウェブは、その全体に渡る厚さ及び坪量に変化を持たせて形成し、それにより凸凹した、より研摩性のある表面をもつウェブ製造されるようにすることができる。ウェブの表面に渡る厚さの変化は、固体表面に置かれたときに7.3psi(50kPaの圧力がかかる)の荷重をサンプルに押し当てる、直径0.6インチのプラテンによって測定することができ、このとき固体表面に対するプラテンの変位が、該サンプルの局所厚さを示す。サンプル上の異なる位置における繰り返し測定値を用いて、局所厚さ測定値の分布を得ることができ、そこから標準偏差を算出することができる。本発明の研摩層は、この厚さ測定値において、少なくとも約0.2mm、具体的には少なくとも約0.6mm、より具体的には少なくとも約0.8mm、最も具体的には少なくとも約1.0mmの標準偏差を持つことができる。パーセンテージ基準で表現すると、5−mm平方断片に渡って平均化されたデータポイントに対する坪量の標準偏差は、例えば約8%から約60%まで、又は12%から約50%までなどのように、約5%以上とすることができ、より具体的には約10%以上とすることができ、より具体的には約20%以上とすることができ、最も具体的には約30%以上とすることができる。
【0052】
研摩層の研摩性は、研摩層の形態によって更に増強させることができる。例えば、研摩層は、不均一な坪量、不均一な厚さに起因して、又はテクスチャ加工された湿式堆積ティシュー・ウェブなどの下にある繊維質ウェブの立体形態に起因して、複数の凹凸領域を持つことができる。凸領域と凹領域は、機械方向又は機械横方向などの少なくとも1つの方向にほぼ周期的に約2mm以上の、より具体的には約4mm以上の固有波長をもって離間させることができ、凸領域と凹領域の間には、少なくとも0.3mm以上の、より具体的には約0.6mm以上の、更により具体的には約1mm以上の、最も具体的には約1.2mm以上の固有高低差を持つことができる。
【0053】
別の実施形態においては、研摩層は、ポリプロピレン繊維などの縮小された溶融可能な熱可塑性繊維をその上に分布させた、平坦な不織基体を備えた加工前ウェブを含むことができる。加工前ウェブを加熱して熱可塑性繊維を収縮させ、節のある繊維残部を形成させることができ、これが得られるウェブ材料に研摩性特徴を与える。節のある繊維残部は、ウェブの総繊維重量の約10%から約50%までを構成することができ、約100マイクロメートル以上の平均粒径を持つことができる。節のある残部を形成するのに用いられた繊維に加えて、加工前ウェブは、ポリプロピレンより融点が高く、強度を供与する少なくとも1つの成分を持つ、セルロース性繊維及び合成繊維を含むことができる。加工前ウェブは、湿式堆積法、空気堆積法、又は他の方法で製造することができる。1つの実施形態においては、加工前ウェブは、製紙繊維をほぼ含まない。例えば、加工前ウェブは、ポリプロピレン繊維を含む繊維質ナイロン・ウェブ(例えばナイロン繊維とポリプロピレン繊維の両方を含むボンデッド・カーデッド・ウェブ)とすることができる。
【0054】
研摩層はまた、穿孔して、物品の吸収体層への流体の到達を向上させることができる。例えばピン穿孔されたメルトブローン・ウェブは、穿孔の存在に起因して、増強された研摩性を持つことができる。
他の材料もまた、本発明の研摩層として随意的に用いることができる。例えば、穿孔されたナイロンカバー、ナイロン網状組織、及び例えば3M Corp.(ミシガン州ミネアポリス)のSCOTCHBRITEパッドのような他の擦り落とし製品に見出される材料に類似した材料といった、公知の擦り落とし製品の研摩層として使われる他の材料を使うことができる。
本発明によれば、不織紙ウェブにより形成されるような1つ又はそれ以上の吸収体層に研摩層を固定して、使い捨て擦り落としパッドを形成することができる。本発明によるラミネートが擦り落とし作業又は他の労力を要する作業に用いられた際の製品の耐久性は驚くほどに高い。その卓越した性能の少なくとも一部はラミネートの材料特性における相乗効果に起因し、それは個々の構成材の材料特性に基づいて予測されるものを上回るであろう。例えば、ティシュー・ウェブに結合されたメルトブローン層を含む研摩性ラミネートの引張強度及び伸び特性は、同じメルトブローン層とティシュー・ウェブの非結合の組み合わせよりも実質的に高い引張強度を持つことができる。
【0055】
幾つかの実施形態においては、強度相乗効果は約1.05以上とすることができ、より具体的には約1.1以上とすることができ、更により具体的には約1.2以上とすることができ、最も具体的には約1.5以上とすることができ、例えば約1.05から約3、約1.1から約2.5、及び約1.5から約4などの例示的な範囲を持つ。幾つかの実施形態については、伸び相乗効果は約1.1以上とすることができ、より具体的には約1.3以上とすることができ、更により具体的には約1.5以上とすることができ、最も具体的には約1.8以上とすることができ、例えば約1.3から約3、約1.5から約2.5、及び約1.5から約2などの例示的な範囲を持つ。実質的に1より大きい伸び相乗効果を持つラミネートは、必ず持つとは限らないが実質的に1より大きい強度相乗効果を持つことができる。同様に、実質的に1より大きい強度相乗効果を持つラミネートは、必ず持つとは限らないが実質的に1より大きい伸び相乗効果を持つことができる。
【0056】
吸収体層の紙ウェブは、一般に高レベルの嵩を有するウェブである。更に、このウェブは湿潤環境で用いるために、相当量の湿潤強度及び湿潤弾力性を持つことができる。所望であれば、紙ウェブもまた、前述した研摩層と同様にして、高度にテクスチャ加工し、立体構造を持たせることができる。例えば、紙ウェブは、約0.2mmより大きく、特に約0.4mmより大きい全表面深さを持つことができる。1つの実施形態においては、紙ウェブは、例えばSCOTT(登録商標)Towel又はVIVA(登録商標)Towelのような市販のペーパータオルとすることができる。例えばSCOTT(登録商標)Towelは、通例、30%より大きい(例えば1つの測定値の組は38%の値を出した)湿潤:乾燥引張強度比(横方向に取った、湿潤引張強度と乾燥引張強度の比)を有し、VIVA(登録商標)Towelは通例、60%より大きい(例えば1つの測定値の組は71%の値を出した)湿潤:乾燥引張強度比を有する。湿潤:乾燥引張強度比はまた、10%より大きくするか、20%より大きくするか、40%より大きくするか、又は50%より大きくすることができる。
【0057】
1つの実施形態においては、紙ウェブは、該ウェブが平坦かつ平面的でない状態で繊維を結びつける水素結合が実質的に形成されるように、立体的状態で乾燥されテクスチャ形成されたウェブとすることができる。例えば、このウェブは、該ウェブが高度にテクスチャ加工された通気乾燥布又は他の立体的基体上にある状態で形成することができる。
一般に、クレープ加工されない通気乾燥紙ウェブは、約25gsmより大きい坪量を有することができる。具体的には、紙ウェブは、約40gsmより大きい坪量を有することができ、より具体的には約50gsmより大きい坪量を有することができる。所望であれば、ウェブは、湿潤紙力増強剤及び/又は、重量にして少なくとも約5パーセント(5%)のサーモメカニカルパルプなどの高収率パルプ繊維を含むことができる。ウェブは、高収率パルプ繊維に加えて、軟材繊維及び/又は硬材繊維といった製紙繊維を含むことができる。1つの実施形態においては、ウェブは完全に高収率パルプ繊維及び軟材繊維のみから製造される。軟材繊維は、重量にして約95%から約70%までの量で存在することができる。
【0058】
図2を参照すると、本発明に従って通気乾燥紙シートを製造するための方法が図示されている。(簡略にするために、幾つかの布の動きを定めるために用いられた種々の引張ロールは、符号は付けずに概略的に図示される。本発明の範囲から逸脱することなく、図2に図示された装置及び方法からの変形が為されることが了解されるであろう。)図示されているのは、層化された製紙ヘッドボックス10を有するツインワイヤフォーマであり、該ヘッドボックスは、製紙繊維の水性懸濁液のストリーム11を、工程の中で新たに形成された湿潤ウェブを支持し下流へと運ぶ役目を果たす形成布13の上に射出し又は堆積し、該ウェブは約10乾燥重量パーセントの稠度となるまで部分的に脱水される。湿潤ウェブが形成布に支持されている間に、真空吸引などにより湿潤ウェブの付加的な脱水を行うこともできる。
【0059】
湿潤ウェブは次いで形成布から、ウェブに増大された伸びを与えるため形成布より低速で移動する移送布17へと移送される。これは広く「ラッシュ」移送と呼ばれる。移送布は、形成布のそれと等しいか又はそれより小さい空隙体積を持つことが好ましい。2つの布の間の相対速度差は、0から60パーセントとすることができ、より具体的には約10から40パーセントとすることができる。形成布及び移送布が真空スロットの前縁のところで同時に合流及び分岐するように、移送は真空シュー18の力を借りて行われることが好ましい。
次いでウェブは、真空移送ロール20又は真空移送シューの力を借り、ここでも前述した通り一定隙間移送法を随意的に用いて、移送布から通気乾燥布19へと移動される。通気乾燥布は、移送布と大体同じであるか又は異なる速度で移動することができる。所望であれば、通気乾燥布をより低速で動かして更に伸びを増強することができる。シートを確実に変形させて通気乾燥布になじませるために、移送は真空の力を借りて行われることが好ましく、そのようにして所望の嵩高さ及び外観が得られる。
【0060】
1つの実施形態においては、通気乾燥布は高く且つ長い印象ナックルを含む。例えば、通気乾燥布は、布面から少なくとも約0.005インチ隆起した印象ナックルを1平方インチ当たり大体約5個から約300個まで持つことができる。乾燥の間に、ウェブは、通気乾燥布の表面になじむように巨視的に配置される。
ウェブの移送に用いられる真空のレベルは、水銀柱約3インチから約15インチ(水銀柱75ミリメートルから約380ミリメートル)までとすることができ、水銀柱約5インチ(125ミリメートル)であることが好ましい。真空シュー(陰圧)は、真空によってウェブを次の布へ引き寄せることに加えて、或いはこれに置き換わるものとして、ウェブの反対側から陽圧を用いてウェブを次の布に吹きつけることによって補われるか又はこれに置き換えられてもよい。また、真空ロール(単数又は複数)を用いて真空シュー(単数又は複数)を置き換えることができる。
【0061】
通気乾燥布に支持されている間に、ウェブは通気乾燥機21により、約94パーセント以上の稠度になるまで仕上げ乾燥され、その後保持布22へと移動される。乾燥ベースシート34は、保持布22及び随意的な保持布25を用いてリール24へ移送される。随意的な加圧式ターニングロール26を用いて保持布22から布25へのウェブの移動を容易にすることができる。この目的に適した保持布は、Albany International 84M又は94M、及びAsten 959又は937であり、これらの全ては微細なパターンを持つ比較的平滑な布である。図示されないが、リール・カレンダ加工又はその後のオフライン・カレンダ加工を用いてベースシート34の平滑性と柔らかさを向上させることができる。
【0062】
紙ウェブは、湿潤弾力性を向上させるために、前述した高収率繊維のような湿潤復元繊維を含むことができる。高収率繊維は、例えば、漂白済みケミサーモメカニカルパルプ(BCT&P)のようなサーモメカニカルパルプを含む。シートに存在する高収率パルプ繊維の量は、特定の用途に応じて様々に変えることができる。高収率パルプ繊維は、例えば約5乾燥重量パーセント以上の量で存在することができ、又は具体的には約15乾燥重量パーセント以上の量で存在することができ、更により具体的には約15乾燥重量パーセントから約30乾燥重量%の量で存在することができる。他の実施形態においては、ウェブ中の高収率繊維のパーセンテージは、約30%、約50%、約60%、約70%、及び約90%のうちのいずれかより大きくすることができる。
【0063】
1つの実施形態においては、クレープ加工されない通気乾燥ウェブは、多層の繊維完成紙料から形成することもできる。強度及び柔らかさは両方とも、層形成ヘッドボックスから作り出された層化ウェブによって達成され、該ヘッドボックスにより運ばれる少なくとも1つの層は軟材繊維を含み、別の層は硬材又は他の繊維形式を含む。公知のいかなる方法によって生み出される層状構造も本発明の範囲内にある。
例えば、1つの実施形態においては、高収率パルプ繊維を中心に含む、層化されたウェブ即ち層状ウェブが形成される。高収率パルプ繊維は一般に他の製紙繊維より柔らかいことから、幾つかの用途においては、3層構造シートの中心に配置するなどの方法によってこれらを紙ウェブの中央に組み入れることは利点となる。次いでシートの外側層を軟材繊維及び/又は硬材繊維から製造することができる。
高収率繊維を含むことに加えて、紙ウェブはまた、湿潤弾力性を向上させる湿潤紙力増強剤を含むことができる。実際には、立体紙ウェブを成形するための湿潤強度添加剤を伴う非圧縮式乾燥と湿潤弾力性繊維の塗布との組み合わせは、濡らされた時に、それが圧縮された後であっても極めて高い嵩を維持するウェブを生み出す。
【0064】
「湿潤紙力増強剤」とは、湿潤状態にある繊維の間の結合を固定化するために用いられる材料である。紙ウェブ又は紙シートに付加された時に、そのシートに、0.1を超える湿潤幾何平均引張強度/乾燥幾何平均引張強度の比(GM湿潤:乾燥引張比)を与えるか、又は横方向の0.1を超える湿潤幾何平均引張強度/乾燥幾何平均引張強度の比(CD湿潤:乾燥比)を与える結果をもたらすいかなる材料も、本発明の目的上、湿潤紙力増強剤と呼ばれることになる。通例、こうした材料は、恒久的湿潤紙力増強剤と呼ばれるか、又は「一時的」湿潤紙力増強剤と呼ばれる。恒久的湿潤紙力増強剤と一時的湿潤紙力増強剤を区別するために、恒久的とは、それが紙製品又はティシュー製品に組み入れられた時には、少なくとも5分間水に晒された後で元の湿潤強度の50%より大きい強度を保持するような製品を供与する樹脂と定められる。一時的湿潤紙力増強剤とは、5分間水に浸された後で元の湿潤強度の50%より小さい湿潤強度を示すようなものである。どちらの材料分類も本発明の中にその用途を見出すものであるが、恒久的湿潤紙力増強剤は、本発明のパッドが湿潤状態で長時間用いられた時に利点を提供するものと考えられる。
【0065】
パルプ繊維に付加される湿潤紙力増強剤の量は、繊維の乾燥重量を基本として、少なくとも約0.1乾燥重量パーセントとすることができ、より具体的には約0.2乾燥重量パーセント以上とすることができ、更により具体的には約0.1乾燥重量パーセントから約3乾燥重量パーセントとすることができる。
恒久的湿潤紙力増強剤は、ある程度長期の湿潤弾力性を構造体に与えることになる。これと対照的に、一時的湿潤紙力増強剤は、低い密度及び高い弾力性を持つ構造体を与えるであろうが、水への露出に対する長期に渡る抵抗性を持つ構造体を与えることはないであろう。繊維/繊維結合点における耐水性結合を生成するという本質的な特性が得られる限りにおいて、湿潤強度が生じるメカニズムは本発明の製品に殆ど全く影響を及ぼさない。
【0066】
好適な恒久的湿潤紙力増強剤は、通例、それ自体に架橋能力があるか(ホモ架橋)、もしくはセルロース又は他の木材繊維成分と架橋する能力がある水溶性カチオン系オリゴマー型又はポリマー型の樹脂である。この目的のために最も広汎に使用されている材料は、ポリアミド−ポリアミン−エピクロロヒドリン(PAE)型の樹脂として知られるポリマーのクラスである。これらの材料の実例は、デラウェア州ウィルミントン所在のHercules,Inc.からKYMENE 557Hとして販売されてきた。関連材料は、ノースカロライナ州シャーロット所在のHenkel Chemicals Co.及びジョージア州アトランタのGeorgia−Pacific Resins,Inc.から市販されている。
ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂はまた、本発明において、結合樹脂としても有用である。Monsanto社によって開発され、SANTO RESの名称で流通している材料は、塩基活性化ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂であり、本発明にはこれを用いることができる。消費者製品としてはそれほど広く用いられてはいないが、ポリエチレンイミン樹脂もまた、本発明の製品の結合点を固定化するのに適している。恒久的タイプの湿潤紙力増強剤の他のクラスとしては、ホルムアルデヒドをメラミン又は尿素と反応させて得られるアミノプラスト樹脂が例に挙げられる。
【0067】
好適な一時的湿潤紙力増強剤樹脂は、これらに限定されないが、American Cyanamid社によって開発され、PAREZ 631 NCの名で流通しているもののような樹脂を含む(現在はニュージャージー州ウェスト・パターソン所在のCytec Industriesから入手可能である)。本発明における用途を見出すことができる他の一時的湿潤紙力増強剤は、National Starch社から入手可能でありCO−BOND 1000として流通しているもののような変性でんぷんを含む。列挙した湿潤紙力増強剤樹脂のクラス及びタイプに関しては、この列挙は単に例を供与しているに過ぎないこと、及びこれは他のタイプの湿潤紙力増強剤樹脂を除外することを意図しておらず、本発明の範囲を限定することを意図してもいないということが理解されるべきである。
上述した湿潤紙力増強剤は、本発明と関わる使用における具体的な利点を見出すものではあるが、他のタイプの結合剤もまた、必要な湿潤弾力性を供与するのに使うことができる。これらは、ベースシート製造工程の湿潤端において塗布されるか、又はベースシートが形成された後もしくは乾燥された後で、スプレー法又はプリント法によって塗布される。
【0068】
吸収体層の湿潤引張強度及び乾燥引張強度は、Instron装置のような世界共通の試験機械を用い、Tappi標準条件下で(サンプルは相対湿度50%及び73°Fに4時間にわたって調節される)分速10インチのクロスヘッド速度に4インチのゲージ長及び3インチのジョー幅を用いて、測定することが可能である。吸収体層の乾燥引張強度(機械方向か、横方向か、又は横方向と機械方向の幾何平均の方向に測定される)は、約500g/3インチ以上、約1000g/3インチ以上、約1500g/3インチ以上、約2000g/3インチ以上、約2500g/3インチ以上、及び約3000g/3インチ以上のうちのいずれかとすることができ、例えば約800g/3インチから約3000g/3インチである。吸収体層の湿潤引張強度(機械方向か、横方向か、又は横方向と機械方向の相乗平均をもって、測定される)は、約200g/3インチ以上、約500g/3インチ以上、約700g/3インチ以上、約800g/3インチ以上、約1000g/3インチ以上、約1500g/3インチ以上、及び約2000g/3インチ以上のうちのいずれかとすることができ、例えば約500g/3インチから約2500g/3インチである。随意的に、本発明の吸収体層は、2つ又はそれ以上の同様の又は異なる紙プライから形成された多重プライの紙ウェブを含むことができる。しかしながら、多重プライ吸収体層を形成する時には、予想される条件下での良好な製品性能を得るために、プライ間に固定取付け手段を供与することが必要となる場合もある。例えば、ホットメルト接着剤又は他の公知の固定取付け手段のような接着剤を用い、独立したプライを互いに固定結合して擦り落としパッドの吸収体層を形成することができる。例示的なホットメルト接着剤は、これらに限定されることなく、EVA(酢酸エチル・ビニル)ホットメルト(例えばEVAのコポリマー)、ポリオレフィン・ホットメルト、ポリアミド・ホットメルト、感圧式ホットメルト、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)コポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)コポリマー、及びアクリル酸エチレン・エチル・コポリマー(EEA)、及びポリウレタン系反応型ホットメルト(PUR)などを含むことができる。1つの実施形態においては、ポリ(アルキルオキサゾリン)ホットメルト化合物を用いることができる。イソシアン酸塩、エポキシ、及び他の公知の接着剤もまた用いることができる。本発明の幾つかの実施形態に適するような接着剤の具体的な例は、Sunoco Chemicals(ペンシルヴァニア州フィラデルフィア)社製のSUNOCO CP−1500(アイソタクチック・ポリプロピレン)、Eastman Chemical(テキサス州ロングビュー)社製のEastman C10、Eastman C18、及びEastman P1010(非晶質ポリプロピレン)、Elf Atochem North America(ペンシルヴァニア州フィラデルフィア)社製のFindley H1296及びFindley H2525A、H.B.Fuller Company(ミネソタ州セントポール)社製のHM−0727、HM−2835Y、及び8151−XZP、及びNational Starch and Chemical Corp.(カリフォルニア州バークリー)社製のNational Starch 34−1214及びNational Starch 34シリーズの他の接着剤を含む。
【0069】
ティシュー層を接合するために、又はティシュー層を研摩性ウェブに接合するために接着剤化合物(限定ではないがホットメルト材料を含む)が用いられるときには、接着剤は、110℃より高いか、140℃より高いか、又は155℃より高い温度、例えば約110℃から約200℃か、又は約135℃から約185℃の温度でティシューに結合可能である。ホットメルト接着剤は一般に、強度付与ポリマー、粘着剤樹脂、可塑剤、及び抗酸化剤などの随意的な成分を含む。接着剤化合物は、約10重量%より多い可塑剤、又は約30重量%より少ない可塑剤、より具体的には約25重量%より少ない可塑剤などの可塑剤を含むことができる。同様にして、粘着剤樹脂も、同様に接着剤の質量の約10重量%以上を構成するか、又は接着剤の重量にして約25重量%より少ない量を構成するか、又は接着剤の重量にして約15重量%より少ない量を構成することができる。
【0070】
1つの実施形態においては、接着剤材料は、2つの隣接する層の間に配置された鞘芯二成分繊維などの二成分繊維とすることができる。ポリ乳酸は約120℃から175℃までの範囲の融点を持つことができ、従来型の二成分バインダ繊維に加えて、一方は芯として働く高い融点をもち、より低い融点を持つ他方は鞘として働かせることが可能な2つの異なる種類のポリ乳酸を含む繊維を用いることもできる。
ラテックス材料もまた、本発明の製品中の2つの層を接合する接着剤として使える。ラテックス接着剤の実例は、Findley Adhesices社製のラテックス8085を含む。しかしながら幾つかの実施形態においては、製品はほぼラテックスを含まないか、又は10重量パーセントより少ないラテックスを含むことができ、より具体的には5重量パーセントより少ないラテックスを含むことができ、最も具体的には約2重量パーセントより少ないラテックスを含むことができる。本発明の特許明細書においていずれかの目的で言及されるラテックスは、いずれかのラテックス、合成ラテックス(例えばカチオン系又はアニオン系ラテックス)、或いは天然ラテックス又はその誘導体とすることができる。
【0071】
材料の隣接する層を接合するバインダ材料としてホットメルトが用いられた時には、メルトブローン装置、インクジェットプリンタヘッド、スプレーノズル、及び加圧式オリフィスを含むホットメルトを塗布するためのいかなる公知の装置も用いることができる。ノズル又は他の手段を用いて、不規則なパターンで、或いはスパイラル・パターン又は他のパターンなどの規則的なパターンで、接着剤を塗布することができる。ノズル口径は、約0.1mmから2mmとすることができ、より具体的には約0.2mmから約0.6mmとすることができ、又は0.65mmから1.75mmとすることができる。或いは又、ノズル口径は0.3mmより大きいか、又は0.6mmより大きくすることができる。
【0072】
接着剤を塗布して層を結合するための他のシステムは、基体の上にホットメルト接着剤の連続的なストリームを区別されたパターンで塗布するためのシステムを含む。この方法は、材料ストリームを随伴して、各材料ストリームが基体に向かって動くにつれて該材料ストリームに渦巻き運動が与えられるように配列された複数の気体ストリームを形成するための気体配向機構を含む。基体上の接着剤の半渦流パターンは、1つ又はそれ以上の堆積パターンの選択された横方向の位置を制御しながら達成される。本発明によるラミネートを形成するために、半渦流パターンに加えて、連続的ストリーム或いは非連続的なパルス又はスプレーとして、いかなる公知のパターンのホットメルトもティシュー・ウェブ又は不織ウェブに塗布することができる。他の例示的なパターンは、オメガ字型堆積、正弦曲線状堆積、直線、ジグザグ又は鋸歯状ライン、又はシルクハット型パターン、又はその組み合わせを含む。また接着剤は、周知のように、接着剤フィラメントの開放パターン網状組織の形で塗布することもできる。
【0073】
1つの実施形態においては、本発明の吸収体層は、濡れた時には幾らか半透明となる紙ウェブを含むことができる。この実施形態においては、紙ウェブの不透明度を低くすることができ、そのことにより、乾燥時の紙ウェブが不透明である実施形態においても、吸収体層は湿潤時に半透明性を持つ。しかしながら、所望であれば、紙ウェブは乾燥時にも幾らかの半透明性を呈することができる。例えば、紙ウェブの湿潤時不透明性は、約98%より小さくすることができる(湿潤時不透明性は、不透明な物体については100%であり、透明な物体については0%である)。具体的には、紙ウェブの湿潤時不透明性は、約80%より小さくすることができる。より具体的には、紙ウェブの湿潤時不透明性は約60%より小さくすることができる。
所望であれば、ウェブの研摩層もまた半透明とすることができる。研摩層の開放構造に起因して、ウェブ中の多くの開放空隙即ち孔は、層の深さ全体に渡って延びることができ、層を光が遮られることなく透過して、研摩層にある程度の半透明性を与えることを許す。例えば、研摩層の表面積の約30%より多くが、層の軸方向深さに渡って延びる孔を含むことができる。より具体的には、研摩層の表面積の約50%より多くが、層の深さに渡って延びる孔を含み、研摩層に高度の半透明性を与える。付加的に、メルトブローン研摩層は半透明性ポリマーによって形成することができ、かくして層の半透明性を増強する。
【0074】
擦り落としパッドが半透明であるような実施形態においては、使用者は擦り落としの間に該パッドの清掃効果を視覚的に確認することができる。使用者は例えば、色のついた汚れを擦り落とす時に、半透明性のパッドを通していつその汚れが除去されたかを示す視覚的な合図を見て取ることができる。
いずれかの好適な方法により研摩層及び吸収体層を組み合わせて、本発明の擦り落としパッドを形成することができる。図3は、層を組み合わせるための1つの可能性のある方法を図示し、ここでメルトブローン層32は、形成機械110において、紙ウェブ34の上に直接形成される。この実施形態においては、ウェブ上でポリマーが固化する時に形成される層の間の結合をそれから先で強化することが望ましいであろう。例えば、メルトブローン層32の紙ウェブ34への堆積に先立ち、接着剤を紙ウェブ34に塗布することができる。その後接着剤は擦り落としパッドの層が互いに接着するのを助ける。或いは又、紙ウェブ34上にメルトブローン層32を形成した後で、複合製品に高温及び随意的な圧力を加えて、熱結合プロセスにより層を互いに融合させることができる。例えば、メルトブローン層の繊維が軟化する温度まで複合製品を加熱して、紙ウェブの対向面へのポリマーの一部のある程度の浸透を進め、層の間に強靭で耐久性のある結合を作り出すことができる。
【0075】
図3に図示されたような実施形態においては、ティシューに当たる際のメルトブローン材料の高められた温度を維持し、そのことにより、メルトブローン材料がティシュー層の繊維と結合するようにすることが望ましい場合もある。理論に束縛されることを意図することなしに、使用の間の、即ちラミネートが濡らされて擦り落とし動作を受けている時のティシューへのメルトブローン層の良好な接着のためには、メルトブローン材料の一部を、ティシュー・ウェブの繊維に絡ませるか、又はティシューが濡れた時にメルトブローン層がティシューから剥離することを防止するのに十分なだけティシューの孔マトリクス内部に食い込ませることができると考えられている。そうした結果は、加熱された空気を使用してメルトブローン材料をメルトブローン紡糸口金からティシュー・ウェブまで運ぶことによって、及び/又はティシュー・ウェブ下部に真空を使用して、ティシュー・ウェブの孔マトリクスの中に粘着性のメルトブローン材料を引き込むことによって達成される。例えば、より良好な結合及び可能性のあるセルロース繊維との交絡のためには、形成区域に真空を付与して、ウェブへのポリマー繊維の引っ張りを助けることができる。しかしながら、真空が用いられるときには、ティシューに接触する前にメルトブローン繊維を固化させる可能性があるティシューの近傍の過剰の空気流を防止するように注意を払わなければならない。当業者であれば、狭い真空ボックス、制御された空気流量、パルス化された真空、及び他の手段を、放射線加温もしくは他の材料又は流体(例えば空気)の温度制御手段と随意的に合わせて用いて、研摩層と吸収体層の間の結合を最適化することができる。
【0076】
1つの実施形態においては、セルロース性ウェブを予熱するか、もしくは(セルロース性ウェブ上に直接にメルトブローン形成又はスパンボンド形成することにより、又は前もって形成されたポリマー性繊維の層をセルロース性ウェブに接合することにより)ポリマー性繊維がセルロース繊維上に付着される際に加熱することができる。例えば、IRランプ又は他の加熱源を用いて、ポリマー性繊維がセルロース性ウェブに接触する位置付近のセルロース性ウェブを加熱することができる。特に、繊維が、形成されたてで冷えてきているメルトブローン繊維であるときには、セルロース性ウェブの表面を加熱することにより、セルロース性ウェブとポリマー性繊維の間のより良好な結合を達成することができる。加熱と、セルロース性ウェブ下部の吸引との組み合わせは役に立つ場合があり、一方又は両方の操作は、更にメカニカルプレス法(例えばスポット結合、ロール圧法、スタンプ法など)と組み合わせて、ポリマー性繊維をセルロース性ウェブに更に結合させることができる。
【0077】
或いは又、擦り落としパッドの紙ウェブ及び研摩層を別個に形成し、形成の後で取り付けることもできる。例えば、図4に示されたように、ガイドロール102及び104により紙ウェブ34及びメルトブローン層32を共に誘導して、ロール100及びロール80の間で接触させることもできる。
熱可塑性材料を含む研摩層が前もって形成されており、吸収体層と容易に結合できるほど高温でなくなっている時には、2つの層が接触する際に、又は2つの層が接触した後に、熱を加えて、吸収体層と研摩層の接合を引き起こすことができる。例えば、吸収体層を十分に予熱し、随意的に機械的な圧縮の力を借りて、紙ウェブに触れる際に研摩層の部分的な融合を起こさせることができる。或いは又、2つの層が接触した後でティシュー及び/又は研摩層に熱を加えて、研摩層とメルトブローン層の少なくとも部分的な融合を起こさせることができる。熱は、加熱された表面にティシュー層を接触させ、それがティシューを十分に加熱して該ティシューと接触する研摩層の部分との融合を引き起こすといった形で伝導的に加えることができ、この時ポリマー性層を加熱しすぎないことが好ましい。放射線加温、周波数加温(例えば電子レンジによる加熱)、誘導加温、加熱された空気、ストリーム、又は他の流体を用いた対流加温などを適用して、互いに接触している間にティシュー層及びポリマー性層を加熱するか、又はどちらかの層を、もう一方の層に接合されるに先立って、個別に加熱することができる。
超音波結合及びパターン結合もまた、適用することができる。例えば、超音波エネルギーによって作動される回転ホーンは、研摩層の一部をティシュー・ウェブに対して圧縮し、超音波によって生じる溶接効果に起因するポリマー層の部分融合を引き起こすことができる。同様にして、パターン加熱されたプレート又はドラムは、ティシューと接触する研摩層の部分を圧縮して圧縮部を生じさせ、そのことにより、該圧縮部のティシュー・ウェブへの良好な固着が達成される。
【0078】
代替的な実施形態においては、図5に図示されたように、本発明の層は、形成後に一緒にすることができ、パッドの一方の層又は両方の層に、接触に先立って接着剤82を塗布することができ、これがパッドの層を結合することができる。この実施形態においては、層は接着剤の使用のみを通じて取り付けることができ、又は随意的に、層が一緒にされた後で、層間の結合を更に増強するために、高温及び/又は圧力を適用することもできる。接着剤は、いずれかの方法により、擦り落としパッドの層の一方又は両方に塗布することができる。例えば、図5に図示されたようなスプレー法に加えて、接着剤は、いずれかの公知のプリント法、コート法、又は他の好適な移動方法を通じて塗布することができる。加えて、接着剤は、パッドの層を互いに強固に結合させるいかなる好適な接着剤とすることもできる。接着剤の坪量は約5gsm以上とすることができ、例えば約10gsmから約50gsmであり、より具体的には約15gsmから約40gsmである。或いは又、付加された接着剤の坪量は約5gsmより少なくすることもできる。
【0079】
擦り落としパッドの層を互いに接合する最も適切な方法は、少なくとも部分的には層のテクスチャに左右される。前述したように、メルトブローン層及び/又は紙ウェブは、比較的平滑な形成面の上に形成することができ、従って立体表面テクスチャを殆ど見せないか、或いは、一方又は両方の層を高度にテクスチャ加工された表面上に形成することもできる。例えば、図7は、紙ウェブ34に接合された研摩層32で形成されている擦り落としパッド30の断面を図示し、ここでどちらの層も比較的平滑な表面テクスチャを持っている。このような実施形態においては、層を互いに接合するために、接着剤、高温、圧力、又はその組み合わせが関与する方法を含め、数ある方法のいずれを用いることもできる。
【0080】
代替的な実施形態においては、一方又は両方の層は、高い表面テクスチャを呈することができる。例えば、図8に図示されたように、メルトブローン層32は高度にテクスチャ加工されたメルトブローン層であってもよく、紙ウェブ34は比較的平坦であってもよい。そのような実施形態においては、メルトブローン層32のテクスチャを維持しつつ、メルトブローン層32と紙ウェブ34が接触する箇所において層を強固に結合するためには、スポット結合法が好ましい。メルトブローン層32のテクスチャを損なうような過剰な圧力を複合構造体に及ぼすことなしに、種々の接着剤及び/又は高温が関与する方法を含め、多種多様な公知のスポット結合法を用いることができる。当然ながら、擦り落としパッドは随意的に、高度にテクスチャ加工された紙ウェブを比較的平坦な研摩層に結合したもので形成することもできる。或いは、両方の層を高度にテクスチャ加工することができ、且つ同一の又は異なるテクスチャパターンを持たせることができる。
【0081】
また多種多様な代替的方法を用いて、2つ又はそれ以上のティシュー層を接合するか、又はティシュー層を研摩層に接合することができる。そうした方法は、これらに限定されることなく、以下を含む。
【0082】
・2つの隣接する層の間に粘着性のないバインダ繊維を付加し、その後熱を加えて(例えば赤外線放射、加熱された空気、加熱された表面との接触、誘導加温、マイクロ波放射など)、バインダ繊維の少なくとも部分的な融合を生じさせ、隣接する層に接合させる。層は、実質的に圧縮されないか、又はバインダ繊維がまだ高温であって結合が可能である間に機械的圧縮を受けることができる。結合を容易にするために機械的圧縮が用いられた時には、付与された機械的荷重は100kPa、50kPa、25kPa、10kPa、5kPa、1kPaのうちのいずれかより小さく、又は約1kPaと20kPaの間、又は10kPaと50kPaの間である。
【0083】
・隣接する層との接触に先立って、1つ又はそれ以上の層に粘着性のあるホットメルト材料を塗布する。ホットメルトは、早すぎる冷却を防止するために高温空気中に随伴されたメルトブローン繊維の形態を取るか、又は塗布される層に接触した後でも粘着性を保持するような十分に加熱されたホットメルト材料とすることができ、その後第1の層上のホットメルト材料に第2の層が接触させられて、2つの層の結合を引き起こす。2つの層をラミネートする1つの可能性のある方法は、メルトブローン・ヘッドからのメルトブローン繊維を、層を互いに接触させるものではない対向する負圧ロール、それに続いて層を互いに押圧して結合を起こさせるカレンダー・ロール又はエンボス・ロール上に支持される2つの層の間に、貫通注入することを含む。
【0084】
・押出後に膨張して発泡体中に多孔構造を形成する発泡剤を含有する溶融発泡体加工前原料などの、熱可塑性即ち粘着性のあるポリマー性発泡体を、2つの層の間に押し出す。発泡体は、孔寸法が十分に小さく(例えば1mmより小さく、約10ミクロンから約50ミクロンまでなど)、該発泡体からなる拭き布が、石鹸水又は他の泡生成洗剤を含む水と共に用いられた時に泡を生じさせることができる開放セル発泡体とすることができ、ここで、従来のスポンジを用いる場合にしばしばそうであるように、洗剤溶液で濡れている間に製品を絞ると、溶液が吸収体層を通って押し出されることで泡が生成される。しかしながら、ある種の洗剤溶液が用いられたときに結合効果及び泡生成効果の両方を達成するためには、発泡体の薄い層だけがあればよいであろう。発泡体層は8mmより小さい厚さを持つことができ、例えば約0.5mmから6mmまで、又は1mmから3mmまでとすることができ、10gsmより小さい坪量又は5gsmより小さい坪量を持つことができるが、10gsm以上、20gsm以上、30gsm以上、又は約40gsm以上といったより高い坪量を用いることもでき、例示的な範囲は約15gsmから約60gsm、又は約20gsmから約60gsmまでである。1つの実施形態においては、発泡体層は、吸収体層の両側に置くことができ、即ち擦り落としパッドの主要な2つの層の間、及び吸収体層の外面上に置くことができる。
【0085】
・隣接する層を穿刺するか又は圧着して、繊維の機械的交絡による結合を作り出すことを含む機械的結合を用いることもできる。しかしながら、最も良好な結果を得るためには、ある程度の接着結合が依然として必要とされる。
・熱可塑性バインダ以外のバインダ材料を塗布して、隣接する層を接合する。そのようなバインダ材料は、感圧式接着剤、糊などの硬化性接着剤、及び塩含有溶液の存在下で効力を発揮する塩感応性バインダを含むことができる。
【0086】
本発明の複合擦り落としパッドは、通常は、直接互いに取り付けられる研摩層及び吸収体層の両方を含むことになるが、ある実施形態においては、2つの主要な層の間に付加的な層を含めることができる。図7は、研摩層3と吸収体層34を含む擦り落としパッド30の1つの実施形態の断面を図示し、ここでどちらの層も比較的平滑な表面テクスチャを持っている。このような実施形態においては、層を互いに接合するために、接着剤、高温圧力、又はその組み合わせが関与する方法を含め、数ある方法のいずれを用いることもできる。
代替的な実施形態においては、一方又は両方の層が、高度の表面テクスチャを呈することができる。例えば、図8に図示されたように、研摩層32は研摩面において高度にテクスチャ加工されてもよく、吸収体層34は比較的平坦であってもよい。そのような実施形態においては、2つの層を接合する方法は、層のテクスチャを損なってはならないという制限のみをもつ。
【0087】
図9は擦り落としパッドの別の実施形態を図示し、ここで吸収体層34と研摩層32のどちらも高度の立体テクスチャを呈する。図9に図示された実施形態においては、どちらの層も同一のネストされたテクスチャパターンを有する。或いは、層は異なるテクスチャパターンを持つこともできる。他の実施形態と同じく、2つの層を互いに接合する方法における唯一の制限は、層の所望の表面テクスチャが取り付け手段によって損なわれないということである。例えば、2つの層が異なる、重なり合うテクスチャパターンを持つ時には、スポット結合法が好ましいであろう。
【0088】
図9に図示されたような実施形態においては、層の1つにおける表面テクスチャは、2つの層が互いに取り付けられる時に形成することもできる。例えば、吸収体層34は、クレープ加工されない通気乾燥紙ウェブのような高度にテクスチャ加工されたセルロース性繊維質ウェブとすることができ、研摩層32は吸収体層の上に形成されるか又は結合されることができ、且つ2つの層が組み合わされる時点で吸収体層のテクスチャパターンに適合することができる。例えば、結合工程の一環として、複合物品に熱を加えることができる。これにより、研摩層が軟化して、吸収体層のテクスチャが移ることになり、研摩層は、諸層が互いに取り付けられた後で引き続き吸収体層と同一のテクスチャパターンを呈することができる。
そのような形で研摩層の表面テクスチャを増大させることにより、複合製品の全体的な研摩性を増大させることができる。よって、2つの層の間に相乗効果が存在し、複合擦り落とし製品の研摩面における全体的な研摩性は、取り付け前のどちらの層の研摩性をも上回るものとなる。
更に、ウェブの吸収体層が高度の湿潤弾力性を呈するような実施形態においては、研摩層の付加的テクスチャは、擦り落とし物品が水又は何か他の洗浄流体で飽和された後になっても持続できる。
【0089】
複合擦り落としパッドは、他の形でも層の間に相乗効果を呈することができる。例えば2つの層の繊維は、取り付け工程において、物理的に交絡するか又は互いに融合することができ、そのことにより、層の間にかなり強力な結合が存在する。そのような実施形態においては、複合製品の引張強度は、2つの層の取り付け前の引張強度の合計を上回るか、又は組み合わされた引張強度として、2つの層が同一の広がりをもって互いに隣接して配置されているが互いに結合されておらず、組み合わされた引張強度として一緒に試験される時に測定された引張強度を上回る。
【0090】
本発明の複合擦り落としパッドは、例えば良好な研摩性及び湿潤弾力性などの所望の洗浄上の特徴を呈することができる一方、必要とする原材料はより少なく、且つ良好な可撓性を持ち扱いやすい。例えば、1つの実施形態においては、本発明の擦り落としパッドは全体として150gsmに満たない坪量を持つことができる。本発明の擦り落としパッドはまた、厚さを7mm未満とすることができる。より具体的には、擦り落としパッドは厚さを4mm未満とすることができる。研摩層は、厚さ変動試験法に用いられる装置を使って測定された約0.5mm以上の厚さを持つことができ、或いは厚さは約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上のうちのいずれかの値を持つことができ、例えば約0.5mmから10mm、又は約1mmから5mmの値を持つことができる。或いは又、研摩層の厚さは3mm未満とすることが可能である。
本発明の擦り落としパッドにはまた、所望であれば付加的な層を含めることができる。例えば、本発明の擦り落としパッドは、その両面に、どちらもパッドの中央に挟持された1つ又はそれ以上の吸収体層に取り付けられている2つの研摩層を含むことができる。
【0091】
本発明の1つの実施形態においては、バリア材料からなるバリア層を含めることができ、または吸収体層のどちらかの側の中又は上にサイズ剤を含めることができる。このことは、少量の洗浄化合物(例えば家具用艶出し剤、窓用洗剤、又はレンジ用洗剤のような刺激の強い薬剤)が使われ、パッド全体を濡らすことが望ましくないような時に有用となろう。例えば、バリア層は吸収体層と研摩層の間に置くか、或いは又、吸収体層の外面に置くことができる。1つの実施形態においては、バリア材料は除去可能とすることができる。例えば、本発明の1つの実施形態においては、バリア層は、吸収体層の外面に、使用中に手の乾燥状態を保持できるような不透水性バリア材料を含むことができる。
1つの実施形態においては、バリア材料は、疎水性フィルムとすることができる。しかしながら、いかなる好適な非透水性材料も用いることができると理解されるべきである。好適な水分バリア材料は、例えば、フィルム、織成材料、不織材料、ラミネートなどを含む。バリア材料は例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ポリビニル又は同様の材料のようなプラスチックフィルムでできた液体不浸透性のウェブ又はシートとすることができる。更に、バリア材料は、紙ウェブの表面積の一部のみを占めることができ、または紙ウェブのほぼ全面を覆うこともできる。
【0092】
紙ウェブ及び研摩層に加えて、本発明の擦り落としパッドはまた、どちらかの層の内部に付加的材料を含むことができ、付加的機能層又は機能成分を含むこともできる。例えば、パッドの一部は、石鹸、洗剤、ワックス又は家具用艶出し剤のような艶出し剤、金属用クリーナー、皮革及びビニール用クリーニング剤又は補修剤、衣服に擦りつける染み抜き剤、洗濯前処理溶液、洗浄又は布コンディショニングの向上のための酵素系溶液、ファブリーズ(登録商標)脱臭用化合物(オハイオ州シンシナティ所在のプロクター&ギャンブル社製)の有効成分のような防臭剤、防水用化合物、靴用艶出し剤、染料、ガラスクリーナー、抗菌用化合物、傷薬、ローション及びエモリエントなどを供与することができる。擦り落としパッドに付加できるような他の可能性のある添加剤は、緩衝剤、抗菌剤、又はローション、薬剤(即ちニキビ治療薬)などの皮膚健康剤、又は疎水性皮膚バリア剤、防臭剤、界面活性剤、鉱物油、グリセリンなどを含む。
【0093】
有効成分は、個別包装される時に拭き材上に溶液の形で存在するか、又は使用に先立って拭き材に付加される溶液の形で存在することができる。有効成分はまた、拭き材の中の繊維に付着される乾燥粉末として存在するか、或いは、繊維の中か又は繊維の間の空隙空間の中に含ませられた乾燥化合物として、又は水溶性カプセルの中に閉じ込められるかワックス性即ち高脂質のシェルの中に閉じ込められて機械的な圧縮又は剪断を受けた際に漏出することができる乾燥化合物として、又は拭き材に付属するかこれと協働的に関係し、使用中に又は使用に先立って開封される容器の中に存在することができる。
【0094】
添加剤の塗布は、次のいずれかの好適な方法によって行うことができる。例えば、
・紙ウェブの形成に先立つ、繊維質スラリーへの直接付加。
・層又は複合パッドへのスプレー塗布。例えば、移動する紙ウェブ又はメルトブローン・ウェブの上にスプレーノズルを取り付けて、湿っていてもよくほぼ乾燥していてもよい層に、所望の量の溶液を塗布するようにすることができる。
・オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、いずれかの種類のディジタル印刷などのようなウェブへの印刷。
・層の一方又は両方の表面への、ブレードコーティング、エアナイフコーティング、短期滞留コーティング、キャストコーティングなどのようなコーティング。
・溶液、懸濁液又は乳化液、或いは、ワックスの成分のような粘着性混合物、軟化剤、脱結合剤、オイル、ポリシロキサン化合物又は他のシリコン剤、エモリエント、ローション、インク、又は他の添加剤の形態を取った薬剤のダイヘッドからの押し出し。
・個々の繊維への塗布。例えば、形成面への堆積に先立って、メルトブローン繊維を、化合物のエアロゾル又はスプレーと組み合わせた空気ストリームに載せ、メルトブローン層へ組み入れる前に個々の繊維を処理することができる。
・化合物が、厚さの全範囲に渡ってウェブに完全に浸透することを含む、例えばウェブの厚さの20%より大きい、より具体的には少なくとも約30%、最も具体的にはウェブの厚さの少なくとも約70%といった相当な距離に渡ってウェブの厚みに浸透することを特徴とする、湿潤又は乾燥紙ウェブへの溶液又はスラリーの含浸。
・局部的に塗布するため、又は圧力差の影響下で(例えば真空補助による発泡体の含浸)添加剤を紙ウェブに含浸するための、層への添加剤の発泡塗布(例えば発泡仕上げ)。
・存在する繊維質ウェブへの溶液状化学薬品のパッディング。
・ウェブに塗布するための、添加剤のローラ流体供給。
・スプレー又は他の手段により移動中のベルト又は布に薬剤を塗布し、これらが層に接触して化学薬品を層に塗布すること。
【0095】
添加剤の塗布レベルは、一般に、それが塗布される層の乾燥質量に対して、固形分約0.1重量%から約10重量%とすることができる。より具体的には、塗布レベルは約0.1%から約4%とするか、又は約0.2%から約2%までとすることができる。より高い及びより低い塗布レベルもまた、本発明の範囲内にある。例えば、幾つかの実施形態においては、5%から50%以上までの塗布レベルを考慮することかできる。
パッドの1つ又はそれ以上の側部に、プリント法、コート法、スプレー法、又は他の方法で化学薬品又は化合物を移動させることは、いずれかの公知の薬剤又は化合物(例えばシリコン剤、第4級アンモニウム化合物、エモリエント、アロエベラ抽出物のような皮膚健康剤、クエン酸のような抗菌剤、防臭剤、pH制御剤、サイズ剤、及び多糖類誘導体、湿潤紙力増強剤、染料、芳香剤など)を用いて、均一に行うか、又はパターンなどのように不均一に行うことができる。そうした添加剤の塗布のためには、いかなる公知の方法を用いることもできる。
1つの実施形態においては、擦り落としパッドを供与して、所望の添加化合物は独立した容器又はディスペンサに入れておくことができる。この実施形態においては、添加剤は使用者によって、使用の際に所望の分量だけパッドに塗布されることができる。
【0096】
本発明の擦り落としパッドの層を組み合わせて、いずれかの所望の大きさ又は形状を有し、且ついずれかの特定の目的に適合する製品を形成することができる。例えば、図6は、本発明の1つの実施形態を図示し、ここでメルトブローン層32は紙ウェブ34の表面をほぼ覆って、使用の間に手に保持できるような長方形の擦り落としパッドを形成する。そのような実施形態においては、擦り落としパッドは引っくり返されて、研摩型の清掃と非研摩型の清掃の両方を供与することができる。
或いは又、メルトブローン層は、紙ウェブの表面を部分的にのみ覆い、擦り落としパッド上に単一の擦り落とし面を生成することができ、該パッドは目の粗い研摩領域と平滑な吸収体領域を持つことができる。よって、例えば、パッドの角度又は圧力が加えられるパッドの領域の角度を調節することにより、使用者は清掃中の清掃動作の研摩性を調節することができ、単一の擦り落としパッドの同一の側部に異なるレベルの擦り落とし作用をもつことができる。
【0097】
本発明の擦り落としパッドは、いかなる形状又は配向でも供与することができる。パッドは例えば、正方形、円形、長方形などとすることができる。それは手を使って擦り落とすための手型ミットなどの手袋、又は足に嵌める足型カバーに形成することができる。パッドは、湿潤形態又は乾燥形態のどちらでも包装し販売することができ、随意的にハンドル又は取っ手に取り付けられるように成形して、水切りを備えたワイパー、モップ、トイレ清掃用具、皿洗いワイプ、たわしパッド、及び、金属、陶器、又はコンクリート面を清掃するための擦り落とし用具、艶出し又はやすり掛け用具などのような便利な清掃用具を形成することができる。
【0098】
例えば、図10に図示されるような本発明の1つの実施形態は、剛性の把握装置のベース220に取り付けられる形状にされた本発明の擦り落としパッド30を示している。ベース220は、モップ又はより小型の手持ち式擦り落とし装置に見出されるもののような、使用者が快適に保持することができる形状にされたハンドル210に取り付けられる。擦り落としパッド30は、パッドを強固に保持することが可能な、且つ1つの実施形態においては交換のためにパッドを迅速且つ簡便に解放することが可能な、いずれかの方法によってベース220に保持することができる。例えば、パッド30は、把握スロット225のところでベース220に保持することができる。別の実施形態においては、擦り落としパッド30は、ベース220に恒久的に取り付けることができ、清掃具10全体を使い捨てとすることが可能である。
【0099】
本発明の清掃具は、多くの異なる表面を清掃する即ち擦るのに用いることが可能であり、特定の用途に合わせて設計することが可能である。例えば、清掃具は、長い柄を含むハンドルを持つことが可能であって、床、壁、天井、天井ファン、照明器具、窓などの清掃に使うことが可能である。清掃具が例えば窓の清掃に用いられる場合のようなある種の実施形態においては、周知のように、清掃具は、表面に取り付けられたゴム製水切りのような水切りアタッチメントを有することが可能である。他の実施形態においては、清掃具の研摩層は、清掃される表面をやすり掛けするか又は磨くために用いることが可能である。
【0100】
試験手順
「ガーレイ剛性」とは、Gurley(商標)曲げ抵抗試験機Model 4171−D(ニューヨーク州トロイ所在のPrecision Instruments社製)を用いて成されるウェブの剛性の測定値を指す。試験はTappi標準条件下で(相対湿度50%、23℃)少なくとも4時間調整されたサンプルを用いて行われる。ガーレイ剛性値の判定に適した方法は、TAPPI標準試験T 543 OM−94に示されたものに準拠するが、2インチではなく1.5インチのサンプル長と、2インチではなく1.0インチのサンプル幅を用いるように修正されたものである。長さ1.5インチである幅1インチのサンプルを用いるので、ガーレー数値をガーレイ剛性に換算する式は、ミリグラムを単位として、
剛性=ガーレー数値*11.1mg*(中心からのインチ数/1インチ)*(重さ/5g)
となる。
よって、中心から2インチで重さ25gが用いられた時に得られた8というガーレー数値は、8*11.1mg*2*(25g/5g)=888mgに換算される。
【0101】
本発明の研摩層及び/又は本発明のラミネート製品は、約2500mg以下のガーレイ剛性を持つことができ、具体的には約1500mg以下のガーレイ剛性を持つことができ、より具体的には約800mg以下のガーレイ剛性を持つことができ、更により具体的には約400mg以下のガーレイ剛性を持つことができ、最も具体的には約200mg以下のガーレイ剛性を持つことができ、例えば約40mgから350mg、又は約80mgから約400mgである。これらの剛性値は、ウェブ又は製品のいずれかの方向における測定値について得られる最大値とすることができ(最大剛性値)、又は機械方向(MD剛性値)もしくは横方向(CD剛性値)におけるものとすることもできる。
【0102】
「厚さ変動」とは、研摩層の厚さの不均一性を指す。測定は、7.3psi(50kPa)の圧力を加える直径0.63インチの足部を持ったTMI Model 49−62精密マイクロメーター(ニューヨーク州アミティヴィル所在のTesting Machines,Inc.社製)を用いて、サンプル厚さについての離間された測定値を取ることを含む。試験は、装置が1時間慣らし運転された後で、Tappi標準試験条件下で行われる。試験される材料のストリップが中心1インチのスポットで測定されて、ストリップごとに多数の測定値が与えられる。材料の少なくとも3つのストリップが用いられ、ストリップごとに少なくとも9つの数値が取られる。厚さ変動は、厚さ結果値の標準偏差であり、ミリメートル単位で報告される。
【0103】
「湿潤時不透明度」とは、Technibrite TM Micro TB−1C装置(インディアナ州ニュー・オールバニー所在のTechnidyne Corp.社製)を、ISO不透明度に関する製造業者の指示に従って用いた、湿潤状態におけるサンプルの光学的不透明性の測定値を指し、「乾燥時不透明度」とは乾燥状態におけるサンプルの光学的不透明性の測定値を指し、試験は研摩層を上に向けたサンプルに対して行われる。試験はTappi標準条件下で行われる。湿潤時不透明度は、23℃の脱イオン水の中に1分間浸漬することによって濡らされたサンプルの不透明度の測定値である。次いでサンプルは水から取り出され、その一角を保持して、余分な水分が切れるように3秒間排水される。次いでサンプルは乾燥した吸い取り紙の上に20秒間置かれ、次いで裏返されて、別の吸い取り紙の上に置かれ、更に20秒間そのまま放置されて、次いで直ちに不透明度を試験される。
【0104】
幾つかの実施形態においては、本発明の物品は比較的低い湿潤時不透明度を持ち、それにより使用者は、濡らされた物品を通して、清掃の最中に汚れ又は他の対象物の存在を観察することが可能である。従来のスポンジ及び他の清掃用物品は、ほぼ不透明性となる傾向があるが、本発明の幾つかの実施形態における物品の半透明な性質は、幾つかの清掃状況においては、有用なものとなろう。よって、本発明の物品は、95%、90%、80%、70%、60%、50%、及び40%のうちの大体いずれをも下回ることができ、例示的な範囲は、30%から95%、又は50%から90%、又は40%から80%である。乾燥時不透明度は、例えば約100%というように96%を上回ることができ、或いは例えば約80%から約95%、又は50%から90%、又は40%から85%というように96%を下回ることもできる。1つの実施形態においては、物品の乾燥時不透明度と湿潤時不透明度の差は少なくとも約10%とすることが可能である。
【0105】
「全表面深さ」。シート自体の固有の構造のために、立体的ベースシート又はウェブは、表面の盛り上がりに著しい変動を持つシートである。ここで用いるこの高低差は、「全表面深さ」として表現される。本発明に有用なベースシートは、立体性を所有することができ、約0.1mm以上の、より具体的には約0.3mm以上の、更により具体的には約0.4mm以上の、更により具体的には約0.5mm以上の、更により具体的には約0.4mmから約0.8mmまでの全表面深さを持つことができる。しかしながら、ほぼ平坦なティシューで作られた製品も本発明のある種の実施形態の範囲内にある。
【0106】
概ね平面的なシートの立体構造は、表面形態の観点で表すことができる。本発明の製造に有用な立体シートは、従来の紙においては典型的である殆ど平坦な表面を提示するのではなく目立った形態構造を持ち、これは、1つの実施形態においては、既に参照によって組み入れられた米国特許第5,429,686号の中でChiu他によって教示されるもののような、彫刻通気乾燥布の使用から部分的に導くことができる。結果得られたベースシート表面形態は通例、規則正しい反復単位セルを備えるが、これは通例約2mmと約20mmの間の長さの側部を有する平行四辺形である。湿式堆積材料に関しては、こうした立体ベースシート構造体は、シートが乾燥された後のクレープ加工、エンボス加工、又は他の加工によって形成されるのではなく、湿ったシートを成型することによって形成されるか、又は乾燥前に形成される。このようにして、立体ベースシート構造は濡らされるに際して良好に保持される可能性がより高くなり、高度の湿潤弾力性を与える役に立ち、良好な面内透過性を促進する。空気堆積ベースシートに関しては、繊維質マットを、熱により活性化するバインダ繊維を用いて熱エンボス加工することによって、構造を与えることができる。例えば、熱可塑性材料又はホットメルト・バインダ繊維を含む空気堆積繊維質マットを加熱して、次いで構造体が冷えてシートに恒久的な立体構造が与えられる前にエンボス加工することができる。
【0107】
ベースシートの作成に用いられる彫刻布及び他の布によって与えられる規則正しい幾何学的構造に加えて、面内長さ尺度が約1mm未満であるような付加的な微細構造がベースシートには存在することができる。そのような微細構造は、ウェブが乾燥前に1つの布又はワイヤから別の布又はワイヤへと差動速度移動する間に形成された微小な折り目に起因する。例えば、本発明の材料の幾つかは、市販のモアレ干渉計システムを使って高さプロファイルが測定された時に、0.1mm以上、時には0.2mm以上の微細表面深さを伴う微細構造を持つように見える。これらの微細なピークは、通例、1mmより小さい半値幅を持つ。差動速度移動及び他の処理で生じた微細構造は、付加的な柔らかさ、可撓性、及び嵩高さを与える役に立つ。表面構造の測定は以下で説明される。
【0108】
全表面深さの測定に特に適した方法は、表面を変形させることなく正確な測定を可能にするモアレ干渉計である。本発明の材料への参照のために、表面形態は、約38mmの視野を持つコンピュータ制御の白色光フィールドシフト型モアレ干渉計を用いて測定されねばならない。そうしたシステムの有用な実装の原理は、Bieman他によって説明されている。(L.Bieman,K. Harding,及びA.Boehnlein著、「フィールドシフト型モアレを用いた絶対測定」、SPIE Optical Conference Proceedings、第1614巻、259−264ページ、1991年)。モアレ干渉計に適した市販の装置は、Medar,Inc.(ミシガン州ファーミントン・ヒルズ)が製造し、公称では35−mmの視野用に構築されているが実際には38−mmの視野を持つ(37mmから39.5mmまでの範囲内の視野も妥当である)、CADEYES(登録商標)干渉計である。CADEYES(登録商標)システムは、グリッドを通して投射された白色光を用いて、サンプル表面の上に微細な黒色線を投射する。表面は同様のグリッドを通して観察されてモアレ縞模様を生じ、これがCCDカメラによって観察される。好適なレンズ及びステッパモータは、フィールドシフトのために光学的設定を調節する(技術は下で説明される)。ビデオプロセッサは、取り込まれた縞模様画像をPCコンピュータに送って処理させ、ビデオカメラによって観察された縞模様パターンから表面高さの細部が逆算されるようにする。
【0109】
CADEYESモアレ干渉計システムにおいては、CCDビデオ画像の各画素は、特定の高さ範囲に関連するモアレ縞模様に属すると言われている。Bieman他によって説明されたように(L.Bieman,K.Harding,及びA.Boehnlein著、「フィールドシフト型モアレを用いた絶対測定」、SPIE Optical Conference Proceedings、第1614巻、259−264ページ、1991年)及び、元来Boehnleinに特許が与えられていた(引用によってここに組み入れられる米国特許第5,069,548号)のように、フィールドシフト方法は、ビデオ画像の各ポイントにおける縞の数(どの縞にポイントが属するかを示す)の識別に用いられる。縞の数は、基準面に対し、測定ポイントにおける絶対高さを判定するために必要である。フィールドシフト技術(当該技術分野において時に位相シフト技術と呼ばれる)はまた、サブ縞模様解析(その縞が占める高さ範囲内の測定ポイントの高さの正確な判定)に用いられる。こうしたフィールドシフト法は、カメラベースの干渉計手法と合わせて、正確且つ迅速な絶対高さの測定を可能にし、表面上に存在しうる高さの非連続性に関係なしに、測定が成されることを可能にする。フィールドシフト法と共にモアレ干渉計の原理を組み入れた好適な光学装置、ビデオ・ハードウェア、データ獲得装置、及びソフトウェアが用いられた場合には、本技術はまた、サンプル表面上のざっと250,000個の別個のポイント(画素)の各々の絶対高さが得られることを可能にする。測定された各ポイントは、高さ測定において概ね1.5ミクロンの解像度を持つ。
【0110】
コンピュータ支援干渉計システムを用いて形態データが獲得され、次いで形態データのグレイスケール画像が生成されるが、この画像は以下「高さマップ」と呼ばれる。高さマップは、測定されたサンプルについて得られた形態データに定量的に基づき、通例256階調のグレーでコンピュータモニタ上に表示される。38mm平方の測定領域について得られた高さマップは、表示された高さマップの水平方向概ね500画素及び鉛直方向概ね500画素に対応する、概ね250,000個のデータポイントを含むはずである。高さマップの画素寸法は、512×512CCDカメラに基づくものであり、これはコンピュータ・ソフトウェアによって解析することが可能なサンプル上のモアレパターンの画像を供与するものである。高さマップの各画素は、対応するサンプルのx−位置及びy−位置における高さ測定値を表す。推奨されるシステムにおいて各画素は概ね70ミクロンの幅を持つ、即ち面内の直交方向の両方において約70ミクロンの長さのサンプル表面上の領域を表す。この解像度レベルは、表面から上向きに突出した単一の繊維が表面高さ測定に著しい影響を及ぼすことを防ぐ。z方向の高さ測定は、公称では2ミクロンより小さい正確さと、少なくとも1.5mmのz方向範囲を持たねばならない。(測定方法の更なる背景については、ミシガン州ファーミントン・ヒルズ所在のIntegral Vision(元Medar,Inc.)のCADEYES製品ガイド1994年版、又は他のCADEYES取扱説明書及びMedar,Inc.社の出版物を見よ。)
【0111】
CADEYESシステムは、8つまでのモアレ縞模様を測定することが可能であり、各縞模様は256の深さカウントに分割される(サブ縞模様高さ増分、最小解像可能高低差)。測定範囲に渡っては、2048の高さカウントが存在することになる。これはz方向の全範囲を定めるものであり、それは38−mm視野装置において概ね3mmである。視野における高さ変動が8個より多くの縞模様をカバーした場合には、ラップアラウンド効果が起こって、9番目の縞模様は1番目の縞模様であるかのようにラベル付けされ、10番目の縞模様は2番目の縞模様であるかのようにラベル付けされ、以下同様に続く。換言すれば、測定された高さは、2048の深さカウントによってシフトされるであろう。正確な測定は、8つの縞模様の主フィールドに限定される。
一旦実装され工場較正されて、上述した正確さとz方向範囲を与えるようになると、モアレ干渉計システムは、紙タオルのような材料に関して正確な形態データを与えられるようになる。(当業者は、既知の寸法の表面に測定を行うことで、工場較正の正確さを確認することができる。)試験はTappi条件下(73°F、相対湿度50%)の室内で行われる。サンプルは表面上に平らに設置され、装置の測定面と整合して、又は殆ど整合して置かれねばならず、関心ある最も低い領域と最も高い領域とが両方とも装置の測定領域内にくるような高さでなければならない。
【0112】
一旦適切に設置されると、CADEYES(登録商標)PCソフトウェアを用いてデータ獲得が開始され、通例、データ獲得が開始された時点から30秒以内に250,000データポイントからなる高さマップが獲得され、表示される。(CADEYES(登録商標)システムを用いた際、ノイズ除去のための「コントラスト閾値レベル」は1に設定されており、過剰にデータポイントを除去することなしにある程度のノイズ除去を与える。)データ整理及び表示は、Windows3.1の下で動作するMicrosoft Visual Basic Professional for Windows(version3.0)に基づきカスタマイズされたインターフェースを組み入れたCADEYES(登録商標)のPC用ソフトウェアを用いて達成される。Visual Basicインターフェースは、ユーザがカスタム解析ツールを追加することを可能にする。
【0113】
次いで当業者は形態データの高さマップを用いて、特徴的な単位セル構造を識別することができ(構造が布パターンにより作成された場合には、これらは通例タイルのように配列されてより大きな二次元面積を覆う平行四辺形である)、そうした構造の典型的な谷の深さに対するピークの値を測定することができる。このことを行う単純な方法は、形態的高さマップに描かれた、単位セルの最も高い領域及び最も低い領域を通る線から二次元高さプロファイルを抽出することである。これらの高さプロファイルは、該プロファイルが測定時に比較的平坦に置かれていたシート又はその一部から取られる場合には、ピークと谷との距離について解析される。時々生じる光学的ノイズ及び可能性のある外れ値の影響を排除するために、プロファイルのうちの最も高い10%と最も低い10%は除外されるべきであり、残りのポイントの高さ範囲が表面深さとしてとられる。厳密には、この手順は、ここで「P10」と呼ばれる、10%の材料ラインと90%の材料ラインの間の高低差として定められる変数を算出することを必要とし、ここで材料ラインの概念は、L.Mummeryによって、1990年、ドイツ国ミュールハウゼン、Hommelwerke GmbH社刊「表面テクスチャ分析:入門書」中で説明されるように周知である。この手法においては、図7に関して説明するが、表面31は、空気32から材料33への移行部として見られる。平坦に置かれたシートから取られた任意のプロファイル30に関して、表面が始まる最大高さ−最高峰の高さ−は「0%基準ライン」34即ち「0%材料ライン」の高度であり、それはつまりその高さにおける水平線の長さの0%が材料によって占められているということである。プロファイルの最も低いポイントを通る水平線に沿って、ラインの100%が材料によって占められ、そのラインを「100%材料ライン」35とする。0%及び100%材料ラインの間で(プロファイルの最大ポイント及び最小ポイントの間で)、材料によって占められる水平線長さの分率は、ライン高度が減少するに従い、単調に増大することになる。材料比曲線36は、プロファイルを通る水平線に沿った材料分率と、ラインの高さとの関係を与える。材料比曲線はまた、プロファイルの累積高さ分布でもある。(より正確な用語は「材料分率曲線」となるかもしれない。)
【0114】
一旦材料比曲線が確立されると、それを用いてプロファイルの特徴的なピーク高さを定めることができる。P10「典型的なピーク対谷高さ」媒介変数は、10%材料ライン38と90%材料ライン39の高さの間の差37として定められる。この媒介変数は、典型的なプロファイル構造からの外れ値又は異常な逸脱がP10の高さに殆ど全く影響を与えないという点で、比較的強靭である。P10の単位はmmである。材料の全表面深さは、その表面の典型的な単位セルの高さ極値を包含するプロファイルラインに対するP10表面深さ値として報告される。「微細表面深さ」とは、単位セルの最大値及び最小値を包含するプロファイルに比べて比較的高さが揃った表面の台地領域に沿って見たプロファイルのP10値である。測定値は、本発明のベースシートの殆どのテクスチャ加工された側部について報告され、それは通例、空気流が通気乾燥機に向けられている時に通気乾燥布と接触していた側部である。
【0115】
全表面深さは、ティシュー・ウェブに作り出された形態、特に乾燥工程前に及び乾燥工程の間にシートに作り出された特徴を検査するように意図されたものであるが、エンボス加工、穿孔加工、プリーツ加工などの乾燥変換作業から「人工的に」作り出された大規模な形態は除外するように意図されている。従って、検査されるプロファイルは、ティシュー・ウェブがエンボス加工されている場合には、エンボス加工されていない領域から取られるか、又はエンボス加工されていないティシュー・ウェブに対して測定されなくてならない。全表面深さ測定は、プリーツ又は折り目といった、元のベースシート自体の立体性を反映していない大規模構造を除外しなくてはならない。シート形態は、ベースシート全体に影響を与えるカレンダー法及び他の作業によって低減されうることが認識されている。全表面深さ測定は、カレンダー加工されたベースシートに対して適切に行うことができる。
38−mm視野を持つCADEYES(登録商標)システムはまた、ティシュー・ウェブへの光の到達及び該ウェブの表面測定を可能にする開口部が研摩層に存在する場合には、下にあるティシュー・ウェブに対する研摩層上の材料の高さの測定に使うことができる。研摩層が半透明性材料を含むときには、表面形態の良好な光学的測定を得るために表面に白色スプレーペイントを塗布して、測定される表面の不透明性を増大させることが必要となることもある。
【0116】
研磨性指数を求める試験
ここで用いる「研磨性指数」という用語は、予め指定された形で、固定された荷重下で研摩層の表面上を移動する発泡体のブロックから材料を掻き取る研摩層の能力の尺度である。研磨性指数は、発泡体が完全な16インチの試験サイクルを通して動く時の加重発泡体ブロックの移動1フィート当たりのグラム数に100をかけたもので表した損失質量として報告される。用いられる手順は、ASTM F1015「人工芝競技用表面の相対研摩性のための標準試験方法」に修正を加えたものである。より高い研磨性指数は、より研摩性の高い表面を示すものと考えられる。
研磨性指数の測定準備のために、フェノール系発泡体材料から、1インチ×1インチ×1.25インチの寸法になるように、発泡体試験ブロックが切り取られる。発泡体は、オハイオ州ケント所在のSmithers−Oasis Company(UPC 082322634866)の1事業部門であるOasis Floral Productsにより製造され、「乾燥花卉用発泡体」製品コード665018/63486APPとして流通している、シルクフラワー及びドライフラワーのフラワーアレンジメントに広く使われる周知の市販緑色発泡体である。
【0117】
試験される材料からサンプルが切り取られ、オハイオ州エイボン所在のHenkel GroupのManco,Inc.(UPC 075353071984)により流通されているManco(登録商標)屋内/戸外用カーペットテープを用いて、平坦で剛性のテーブル表面にテープ留めされる。テープは、少なくとも4インチ×4インチの寸法を有するほぼ均一な接着面が確実に与えられるように、テープ部分の重なりを避けてまずテーブル表面に付けられる。次いでサンプルは、テープ留めされた領域の中心に合わされて、正しい位置に穏やかに押圧される。1インチの厚さと168グラムの質量を有する3インチ×3インチの方形のプラスチックブロックがサンプルの上に設置されて、両面テープを有するテーブルの少なくとも4インチ×4インチの領域内を中心とする試験面積を定める。直径2インチで質量1kgの真鍮シリンダがプラスチックブロックの中心に寄せられ、10秒間そのまま置かれて、サンプルをテープ領域に固定する。マーカーを用いて、プラスチックブロックの周囲を辿り、試験面積が描かれる。ブロックと重しがサンプルから取り除かれる。描かれた正方形(3インチ×3インチ)の側部は、そうした方向が定められた時には(例えば不織研摩層の場合のシュート方向)、試験される材料の機械方向及び横方向と位置合わせされねばならない。
【0118】
図25は、試験されるサンプル280の研磨性指数試験のための設営の概略図である。サンプル280は、下にあるティシュー・ウェブ(図示せず)に接合することができる上に面する研摩層32を持つことができる。両面テープ270は、サンプル280をテーブル表面(図示せず)に接合する。発泡体ブロック274は、サンプル280の上側表面の上にマークされた方形試験領域272の下側右手角部282Aに設置される。サンプル280と接触する発泡体ブロック274の表面の寸法は、1インチ×1インチである。発泡体ブロック274の頂部には、直径1インチの円形設置面積を持つ100gの真鍮製重し276が設置される。サンプル280上の発泡体ブロック274の2つの側部は、マークされた試験領域272の角部282Aの内側境界にほぼ重なる。
【0119】
試験を実施するためには、発泡体ブロック274は、下側右手角部282A(開始角部)から試験領域272の上側右手角部282Bへ、次いで他の角部282C、282Dへ、そしてまた元の282Aへと、該発泡体ブロック274がマークされた試験領域272の境界線に確実に沿って、境界線の外には出ずに動くように、手を使って着実に動かされる。手によって下向き又は上向きの力が加えられないように、ただ発泡体ブロック274を、矢印278A−278Dで示されるように逐次的に1つの角部から別の角部へ動かす着実な横向きの力のみが加わるように注意する。重しがかけられた発泡体ブロック274の直立性を維持するために、必要に応じオペレータの両手を用いることもできる。ブロックは1つの側部につき約5秒の着実な速度で動かされる(側部とは、1つの角から次の角までの経路である)。発泡体ブロック274によって辿られる経路は、開始角部282Aで終わる正方形を定める。
【0120】
スムーズで着実な動きを得るために、ブロックを所望の方向に押し出すために1本の指(例えば親指)を発泡体ブロック274の「後方」鉛直面にあて、発泡体ブロック274の安定した位置を維持するために別の指を「前方」鉛直面にあてるべきである。
ブロック274が開始角部282Aに戻ってきた後、再び、重しがかけられたブロック274を持ち上げることなしに、経路が逆順で回られる。このようにしてブロック274は一度通ったのと同じ経路を、但し逆順で、開始角部282Aから下側左手角282Dへ、上側左手角部282Cへ、上側右手角部282Bへ、そしてまた元の282Aへと、着実な横向きの圧力によって動かされ、1つの側部あたり5秒の速度を維持しながら回っていく。
【0121】
このプロセスの間に、発泡体ブロック274の一部は、それが辿る合計16インチ(8インチのサイクルが2つ)の経路の間に研摩によって除去される。100グラムの重し276が取り除かれ、次いで発泡体ブロック274が計量されて、研摩によって除去された発泡体ブロック274の量が、差異によって求められ、記録される。このプロセスは、新たな材料(新たな両面テープ270、試験される同じ材料の新たなサンプル280、及び新たな発泡体ブロック274)を用いて更に2回繰り返され、損失重量が3回求められることを可能にする。3つの測定値の平均が取られ、これに補正率12/16(即ち12インチの経路へと正規化される)を掛け、次いで100を掛けることにより、12インチあたりの質量損失に換算される。得られた媒介変数は、試験された材料の研磨性指数として報告される。
本発明の研摩層は、約1以上、約2以上、約3以上、約4以上、又は約5以上の研磨性指数を持つことができ、例えば約1.5から10、又は約2から約7である。
【実施例1】
【0122】
非クレープ加工通気乾燥ベースシートの用意
改善された乾燥感をもつテクスチャ加工された湿潤弾力性吸収体ウェブの例を実証するために、適切なベースシートを用意した。ベースシートは、非クレープ加工通気乾燥のために適合された連続ティシュー製造機械で製造された。この機械は、長網抄紙形成区域、移送区域、通気乾燥区域、後移送区域及びリールを備える。100%漂白ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)から約1%の稠度の希釈水性スラリーを調製し、希釈前に約4%の稠度で45分間パルプ化された。BCTMPは、Millar Western500/80/00(カナダ、サスカチュワン州メドーレーク所在のMillar−Western)として市販されている。Hercules,Inc.(デラウェア州ウィルミントン所在)によって製造されているKymene557LX湿潤強度剤を、乾燥繊維1トンあたり約16kgのKymeneの量で、カルボキシメチルセルロースとしては乾燥繊維1トンあたり1.5kgの量で水性スラリーに加えた。次いで、スラリーを微細形成布上に堆積させ、真空ボックスによって脱水して、約12%の稠度をもつウェブを形成した。次いで、第1移送ポイントにおいて真空シューを用いてウェブを移送布(Lindsay Wire T−807−1)に移し、2つの布の間に大きな速度差はなく、それらは約5.0メートル毎秒(980フィート毎分)で移動した。ウェブはさらに、第2真空シューを用いて第2移送ポイントにおいて移送布から織成通気乾燥布に移送された。使用された通気乾燥布は、Lindsay Wire T−116−3設計(ウィスコンシン州アップルトン、アップルトンミルズ所在のLindsay Wire Division)であった。T−116−3布は、成形された立体構造を形成するのに非常に適している。第2移送ポイントにおいて、通気乾燥布は、27%の速度差をもって移送布よりゆっくり移動した。次いで、ウェブは、フード付き通気乾燥機に通され、そこでシートが乾燥された。次いで、乾燥されたシートは、通気乾燥布から別の布に移送され、それからシートが巻き取られた。乾燥ベースシートの坪量は、約30gsm(グラム毎平方メートル)であった。シートは、約1mmの厚さ、約0.4mmの全表面深さ、約1000グラム/3インチの幾何平均引張強度(50%相対湿度及び22.8℃における4インチのジョースパン及び10インチ/分のクロスヘッド速度で計測された)、横方向に45%の湿潤:乾燥引張比、1.25のMD:CD引張比、及び17%MD伸び、8.5%CD伸びを有した。
ウェブの通気性は、440CFMで計測された。
【実施例2】
【0123】
第1メルトブローンポリプロピレンウェブのラミネート
ExxonMobil Chemical Comp.(テキサス州ヒューストン所在)によって製造された高分子量アイソタクチック・ポリプロピレン、Achieve3915が、メルトブローン繊維化によってポリマー網を作るために、試験的メルトブローン設備において用いられた。このポリマーの分子量範囲は、約130,000から140,000である。製造業者によれば、ASTM D1238に係るポリマーの溶融流速は、70g/10分であり、これは、メルトブローン作業において典型的に用いられ、かつ普通はスパンボンド作業か又は他のメルトブロー以外の用途に用いられるポリマーの溶融流速の範囲を下回ると考えられる。(例えば、ExxonMobil Chemical Corp.のポリプロピレンPP3546Gのような典型的なメルトブローンポリマーは、ASTM D1238に従って計測された1200g/10分の溶融流速を有し、同じ製造業者のポリプロピレンPP3746Gは、1500g/10分の溶融流速を有する。)高粘度材料は、本発明に係る粗目メルトブローン・ウェブを製造するのに驚くほど有用であることが見出された。
ポリプロピレンは、下に真空を有する多孔性のTeflon(登録商標)コンベヤウェブ上に、華氏485度でメルトブローン・ダイを通して押出された。ウェブ速度は10フィート/分であった。温度、空気圧、及びブローンヘッドから形成テーブルまでの間の距離、並びにポリマーの流速を調節することによって、85から120gsmの坪量を有するメルトブローン・ポリプロピレン網が生成された。
【0124】
図12は、この実施例において用いられたメルトブローン・ダイについて描かれた、メルトブローン・ダイ120の中央切取り部分の概略図である。ダイの主要な部分は、2つの側部ブロック242、242’と、ポリマーが内部チャンバ250に注入される三角形の中央供給ブロック244とを備える。中央供給ブロック244は、断面がほぼ二等辺三角形であり、頂点246において60度の角度で収束する。頂点246に沿って、一連の孔248が内部チャンバ250と流体連通する状態で等間隔にドリル加工される。内部チャンバ250はまた、溶融ポリマーを中央供給ブロック244の孔248に通して押出してポリマーストランド(図示せず)を形成するために、溶融ポリマーの加圧供給源(図示せず)と流体連通している。空気ジェット258、258’は、それぞれ側部ブロック242、242’と中央供給ブロック244との間のギャップ252、252’を通って流れる。ギャップ252、252’は、中央供給ブロック244の頂点246に向けて空気ジェット258、258’の流れを生じさせる加圧空気供給源(図示せず)と流体連通している。ジェット258、258’中の空気は、典型的には、ポリマー・ストランドの早過ぎる冷却を防止するために、ポリマーの融点を超えて良好に加熱される。この例においては、空気温度は華氏約480度であった。従来のメルトブローン作業においては、空気ジェット258、258’は、ポリマー・ストランドを広範囲に細くする高いレベルの剪断を与え、ストランドを分離して、隔離され不規則に配置された繊維を生じさせるために高いレベルの外乱を与える。しかしながら本発明の目的上、空気流速は、外乱を減らして、隣接する孔248からの幾つかの隣接するポリマー・ストランドが多フィラメント集合体へと合体できるようにし、ポリマー・ストランドを繊維の網として下にあるキャリアウェブ(図示せず)上に堆積させるのに十分な空気流及び外乱を依然として与えるように減少される。
【0125】
孔248は、0.015インチの直径を有し、1インチ当たり30個ドリル加工された。ダイ120の有効領域の幅(ポリマー・ストランドを形成するために孔248が設けられた領域)は11.5インチであった。ダイ120全体は幅14インチであった。ギャップ252、252’は、有効領域とは遠い方のダイ120の外端部(図示せず)において中央供給ブロック244と側部ブロック242、242’との間におかれたシムによって決まる0.055インチの幅を有した。孔248のドリル深さ256は、ドリル加工中に各々が中央チャンバ250まで貫通していなければならない、中央供給ブロックの中への距離である。この場合には、ドリル深さは約4mmであった。中央供給ブロック244の高さ(ベース254から頂点246までの距離)は52mmであり、内部チャンバ250の深さ(中央供給ブロック244からドリル深さ256を引いた高さ)は約48mmであった。
【0126】
加圧ポリマー溶融物が注入されるダイブロック120の受け板、空気注入ライン、及びダイの支持構造は、図示されていない。こうした特徴は周知であり、当業者によって容易に設けられる。(千鳥状アレイ、平行ラインなどとして配置することができる2つ又はそれ以上の孔の列248を備えたダイ、又は環状ジェット又は空気が出ていくポリマー・ストランドを囲むダイのような、図12のメルトブローン・ダイの多くの変形は、依然として本発明の範囲内にあることを認識されたい。)
粗目多フィラメント集合体を備えたメルトブローン・ウェブを製造する際に、キャリアワイヤに対するメルトブローン・ダイの「法線」高度、すなわち11インチは、本発明に係る修正された作動条件においては高過ぎたことが分かった。この法線高さにおいては、ストランドは、良好な繊維間結合(ここでは「繊維」という用語は、多フィラメント集合体を包含する)のためにワイヤに当たるときに冷え過ぎて、結果として得られたウェブは一体性を欠くものであった。次いで、ヘッドが数インチ下げられ、良好な繊維間結合が起こるようにされた。ダイの頂点からキャリアワイヤまでの距離は、約7インチであった。実際には、所与のポリマーに最適な高さは、ウェブ速度(それゆえポリマーの流速)と、ポリマー及び加熱空気の両方の温度の関数となる。
【0127】
図12に示されたシステムにおいては、エアギャップ252、252’に適用される加圧空気源が約40から50psigであるときに従来のメルトブローン作業が達成される。しかしながら、本発明の例においては、より粗い繊維を製造するためにより低い空気流速が望ましかったときには、本発明の目的上良好な材料特性をもつ耐久性のある研磨性網を生み出すために、加圧空気源が、作動中に約12psigから20psigに設定された。したがって、従来のメルトブローン作業の約半分より小さい空気流速が用いられた。
メルトブローン材料中のポリプロピレン繊維の直径を計測するために、マイクロメータ(Fowler Precision Tools、モデルS2−550−020)が用いられた。20の繊維が不規則に選択され計測された。70ミクロンから485ミクロンの範囲が得られ、平均250ミクロン、及び標準偏差130ミクロンであった。多フィラメント集合体は、メルトブローン・ウェブの大部分を構成した。
【0128】
既に説明したように、一組のサンプル(120gsmの計測された坪量)における厚さ変動試験は、メルトブローン・ウェブにおいて0.25mmの標準偏差を与えた(平均厚さは1.18mmであった)。比較のために、キンバリー・クラーク社において市販用に製造された、坪量39gsmの、より慣習的なメルトブローンウェブは、0.03mmの標準偏差をもつことが計測された(平均厚さは0.29mmであった)。
メルトブローン・ウェブのガーレイ剛性測定は、138.8mgの平均MD剛性を与え、標準偏差は35.9mgであった。CD剛性は150mgであり、標準偏差は34.0mgであった。計測されたサンプルの坪量は120gsmであった。
多フィラメント集合体を含むメルトブローンウェブの通気性が、1130CFM(平均6つのサンプル)において計測された。2つのメルトブローン層が重ねられたときに、2つの層が合わさった状態の通気性は、797CFM(3つの計測位置の平均)において計測された。
【0129】
メルトブローンウェブは、実施例1の非クレープ加工ティシューウェブに接合された。第1の作動(作動2−A)において、メルトブローンウェブは、非クレープ加工通気乾燥ティシューウェブの切断区域に接合され、ホットメルトアプリケータにより華氏320度においてスワールスプレーパターンで適用されるホットメルト接着剤(カリフォルニア州バークリー所在のNational Starch Chemical CompanyのNS−5610)を用いて、第1ラミネートが製造された。メルトブローン・ウェブは、優れた接着性を示し、良好な擦り落としを呈する(高い引っかき抵抗性)。
第2の作動(作動2−B)において、メルトブローンウェブは、ティシューウェブに接合されて、Sunbeam(登録商標)モデル3953−006 1200ワットアイロンの最高(「リンネル」)熱設定によって達成される熱結合を用いて第2ラミネートを製造する。3インチ×6インチに切断されたティシューウェブを、同じ寸法に切断されたメルトブローンウェブの上におき、ティシューウェブの上にアイロンをおいて、約2から3秒間にわたって軽い圧力(約10lbsの力)をかけ、次いで持ち上げて隣接するスポット上においた。これは、数回繰り返され、ティシューの各スポットは、メルトブローンウェブがその研磨性特性を失うことなくティシューと良好に結合することになるまで、典型的には2ないしは3回アイロンと接触させられる。(実際には、温度、圧力の適用、及び加熱時間はすべて、製造される特定の製品のために最適化される。
ラミネートの切断サンプルの通気性は、316CFMにおいて計測された。
【0130】
第2ラミネートの表面形態は、既に説明したようなモアレ干渉計を用いて計測された。視野38mmの光学ヘッド(公称35mm)を使用した。ポリプロピレン繊維の不透明度を改善するために、Krylon(登録商標)1502フラットホワイトペイント(オハイオ州クリーブランド所在のSherwin−Williams)の缶を用いて、フラットホワイトスプレーペイントを、ペイントされるラミネートのほとんどの部分に約2秒間にわたって、さっと動かすことにより約6インチの距離からスプレーして、サンプルに軽くつけた。適用されるペイントは、ティシュー上に視認できる孔を埋めるか又は遮断するようには見えず、表面の形態を大きく変化させるようには見えなかった。軽くペイントされたラミネートの通気性は306CFMで計測された。
【0131】
図13は、上からとられた(平面図状の)作動2−Bの非ペイントメルトブローン−ティシューラミネート200の顕微鏡写真である。顕微鏡写真は、熱可塑性ポリマー繊維126より実質的に小さい直径及び小さい長さの製紙繊維127からなる紙ウェブ34上の研磨性メルトブローン層32の熱可塑性ポリマー繊維126を示す。メルトブローン層32は、ほとんど全てが、紙ウェブ34上にやや不規則に配置されたリボン状構造に互いに接合された2つより多いポリマー・ストランドを有する多フィラメント集合体240からなるように見える。長さ尺度は、顕微鏡写真において2500ミクロン(2.5mm)の長さを有するグレイバー211によって示される。多フィラメント集合体は、約100から約500ミクロンまでの範囲の幅を有することが見られる。
【0132】
図13における幾つかの多フィラメント集合体240は、短い距離にわたって180度又はそれ以上ツイストされた。理論によって縛られることを望むわけではないが、多フィラメント集合体240の一般的なツイストは、多フィラメント集合体240が実質的に平坦なままであり(紙ウェブに対して)かつツイストされない場合より研磨性の高い表面を与えると考えられる。一実施形態においては、3平方センチメートル(3cm×3cm)の領域は、平均で(少なくとも20の代表的な3平方センチメートル領域のサンプリングに基づく)その軸線周りに少なくとも180度のツイストを形成する少なくとも1つの多フィラメント集合体を有する。より具体的には、各々がそれらの軸線に沿って少なくとも180度、一実施形態においては少なくとも360度又は少なくとも720度ツイストされる、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、又は少なくとも50の多フィラメント集合体が存在してもよい。一実施形態においては、3平方cmの面積における少なくとも1つの多フィラメント集合体は、3cmより小さい距離内で、より具体的には1cmより小さい距離内で、繊維の長さに沿って(繊維の経路に追従して)360度のツイストが生じるように螺旋状にツイストされた構造を有する。
【0133】
図14Aは、紙ウェブ34の上に配置された多フィラメント集合体240を含む研磨性メルトブローン層32を示す、作動2−Bのメルトブローン−ティシュー・ラミネート200の断面の顕微鏡写真である。溶融領域260は、メルトブローン層32において見ることができ、取付け工程の間のアイロンによる紙ウェブ34の加熱によって明らかに生じる。紙ウェブ34においては、通気乾燥中の紙ウェブ34の成形に起因した隆起領域262が見られる。ウェブの非圧縮乾燥中に形成されたこうした形態構造は、製紙繊維127の間の水素結合が、クレープ加工におけるような平坦で密集した状態ではなく、立体的な状態で形成されるので、非常に高い湿潤弾力性をもつ。クレープ加工ウェブが湿潤されたときには、クレープ加工中によれと微小圧縮の形態で乾燥繊維に付加された嵩高構造は、湿った繊維が膨潤するのに伴って弛緩され、そのため、クレープ加工されたウェブは、濡れると平坦な状態に戻ることになる。しかし、非クレープ加工通気乾燥立体ウェブが湿潤されたときには、構造体はほとんど維持される。さらに、図14Aの紙ウェブ34の成形された立体形態はまた、メルトブローン層32の形態に寄与し、メルトブローン層32の研磨性を改善し、メルトブローン−ティシューラミネート200の清掃するか又は拭取る力を改善する。エンボス加工されたウェブとは異なり、図14Aにおける非クレープ加工通気乾燥紙ウェブ34は、実質的に一様な密度を有する立体構造を有する。
【0134】
図示された幾つかの多フィラメント集合体240は、多数のストランドが実質的に整列されたリボン状の構造を有するが、他のものは、千鳥状構造を示すか、又は互いに対する位置が変化するストランドを有する。多フィラメント集合体240は、3つ又はそれ以上のストランド238を有し、図14Aに基づき、4つ又はそれ以上のストランド238を有する多フィラメント集合体240は、メルトブローン層32の50重量%をはるかに上回る(例えば、おそらくは90重量%を上回る)。
【0135】
図14Bは、ホワイトスプレーペイント(既に説明したKrylon(登録商標)ペイント)でごく軽くスプレーされた、作動2−Bのメルトブローン−ティシューラミネート200の断面の顕微鏡写真である。「J」と付された多フィラメント集合体240は、約1mmの繊維路にわたって、その軸線(ツイスト軸線)に対して約180度のツイストを達成する。言い換えれば、紙ウェブ34から遠い方に面していた「J」と付された多フィラメント集合体の側部は、ツイスト後には紙ウェブ34の方に面する。
作動2−Bのラミネートにおいては、下にある非クレープ加工通気乾燥ティシュー上の研磨性層の計測された形態を、図15において図表的に見ることができ、図15においては、512×512ピクセル高さマップ142を示すようにカスタマイズされたCADEYES(登録商標)システムによって生成されるメルトブローン−ティシューラミネートの形態データのスクリーンショット140が示されており、高さマップ142の右の方に、高さマップ142上のプロファイルライン156に沿った高さプロファイルに対応するプロファイル146を示すプロファイル表示ボックス144を備える。プロファイルは、それぞれプロファイルライン156に沿った隆起領域及び凹領域に対応する種々のピーク148及び谷150を示す。高さマップ142に示されたおよそ38mm平方の領域においては、最も明るい領域は最も高い高さ計測値に対応し、最も暗い領域は計測された表面の最も低い高さに対応する。プロファイルボックス144においては、10%材料ライン152と90%材料ライン154が示されており、2つのライン152、154の間の高さのギャップは1.456mmと報告され、高さマップ142を横切るプロファイルライン156に沿った表面深さは1.456mmであることを意味する。
【0136】
谷150aのようなプロファイル146の幾つかの部分は、メルトブローン研磨性層の下のティシュー・ウェブの表面に対応する。したがって、下にあるティシュー・ウェブの表面を貫通して延びて、上から見たときにティシュー・ウェブを見ることができる開口部によって占有される、メルトブローン研磨性層の表面積の部分が存在する。顕微鏡により低(10x)倍率でティシュー・ウェブへの付加的な開口部が見える。38mm視野のCADEYES(登録商標)デバイスの解像度においては、下にあるティシューへと延びる小さい開口部を識別するのが困難な場合がある。
高さマップ142の右上部分においては、幾つかの非繊維領域は、他の凹んだ領域の中で際立って白く見える。これは、この領域における信号強度が低かったために、データが付与されるフリンジのステップ不連続性をもたらす光学ノイズによるものであると考えられる。計測できない点在しているピクセルも存在するが、一般に、メルトブローン・ウェブの繊維特性は、モアレ緩衝計測によってとらえられた。
【0137】
図16は、同じ高さマップ142であるが、高さマップデータから抽出された異なるプロファイル146を与えるように選択された異なるプロファイルライン156をもつスクリーンショット140を与える。ここでは、ライン152及び154は、手動で選択され、必ずしも10%及び90%材料ラインに対応する必要はないが、約1.7mmの深さを示すプロファイル146上の特徴的なピーク及び谷の高さを識別する試みを表す。谷150aは、下にあるティシュー・ウェブの一部に対応し、ティシュー・ウェブ上の研磨性層の厚さはおよそ1.7mmであることを示す。
領域158a及び158bにおいては、メルトブローン・ウェブは、下にある立体ティシューのテクスチャからの水平方向バンドを見ることができるのに十分なだけ薄い。したがって、メルトブローン・ウェブは、高及び低濃度の(高い及び低い坪量の)繊維の領域を有し、それにより1mm×2mmより大きい寸法の、又は2mm×4mmより大きい寸法の、下にあるティシューの領域(すなわち、実質的に研磨性ポリマー繊維を含まない寸法をもつ領域)を見ることができる。
【0138】
作動2−Bから製造された10個のサンプルは、湿潤及び乾燥不透明度について試験された。平均乾燥不透明度は67.65%(標準偏差1.14%)であり、平均湿潤不透明度は53.97%(標準偏差3.1%)であり、湿潤したサンプルにおいては、繊維1グラムあたり平均1.60グラムの水を含有する(繊維1グラムあたり0.15グラムの水の標準偏差)。一例として、ニュージャージー州ウェーン所在のReckitt&Colman Inc.によって市販されているChore Boy(登録商標)Golden Fleece(商標)Scouring Cloth(UPC#0 26600 30316 7)は、3つのサンプルについて95.1%の乾燥不透明度、95.83%の湿潤不透明度、及び固体1グラムあたり0.54グラムの水の水吸い上げ(固体1グラムあたり0.16グラムの水の標準偏差)を示した。
【0139】
第3の作動(作動2−C)においては、メルトブローン・ウェブは、上記の作動2−Bについて説明されたように、キンバリー・クラーク社(テキサス州ダラス所在)によって製造されたプレーンホワイトSCOTT(登録商標)タオル(UPC054000173431−コアコードJE2 11 290 01)に、アイロンをかけることによって熱結合された。118CFMにおいて通気性が計測され、異なるロールからとられたSCOTT(登録商標)タオルティシューのみの2つのサンプルは、140CFM及び135CFMで計測された。135CFMの通気性値をもつSCOTT(登録商標)タオルティシューサンプルの上にメルトブローン・ウェブのサンプルが単におかれ、2つの層が熱結合することなく重ねられて134CFMの通気性がもたらされ、それは、熱結合工程によって、ティシュー・ウェブにおける幾つかの孔が閉塞されて、ティシューと研磨性層との非結合の組み合わせに対する通気性がわずかに減少することを表す。
図17は、作動2−Cのメルトブローン−ティシュー・ラミネート200の顕微鏡写真による平面図であり、紙ウェブ34(SCOTT(登録商標)タオル)の上におかれた、主に多フィラメント集合体240の形態のポリマー繊維126を含む研磨性メルトブローン層32を示す。メルトブローン層32の融合領域260は、紙ウェブ34に接合されているように見える。
【0140】
示されている多フィラメント集合体240の幾つかは、その後幾つかのストランド238が分離する距離にわたって実質的に平行な多数のストランド238をもつリボン状構造を有する。1つの例は、「M」と付された多フィラメント集合体240によって与えられる。3つの円は、多フィラメント集合体240の一部が多フィラメント集合体240の残りの部分から分離し、異なる方向をたどる、明白な分岐部261を示す。
図18は、作動2−Cのメルトブローン−ティシューラミネート200の断面の顕微鏡写真である。1つの多フィラメント集合体240の下の融合領域260は、紙ウェブ34に接合されるように見える。多フィラメント集合体240においては多くのストランド138が明白であり、約10のオーダーのストランド数が存在する。
第4の作動(作動2−D)においては、メルトブローン・ウェブは、上記の作動2−Bにおいて説明されたように、キンバリー・クラーク社(テキサス州ダラス所在)によって製造された市販のVIVA(登録商標)タオルに、アイロンをかけることによって熱結合された。通気性は、97.1CFMにおいて計測された。
【0141】
図19は、作動2−Dのメルトブローン−ティシューラミネート200の顕微鏡写真平面図であり、紙ウェブ34(VIVA(登録商標)タオル)の上におかれた、主に多フィラメント集合体240の形態のポリマー繊維126を含む研磨性メルトブローン層32を示す。紙ウェブ34においては、このウェブの二重再クレープ加工製造工程の結果として得られるラテックス結合領域263が見える。
関係のある試みにおいては、この実施例において説明された方法に係る別のメルトブローンポリマーウェブを形成するために同様のポリマーが用いられた。ExxonMobil Chemical Corp.によるAchieve3915ポリプロピレンの代わりに、Achieve3915ポリマーにおいて得られたのと同様の特性をもつメルトブローン・ウェブを製造するために、Achieve3825ポリプロピレンが用いられた。Achieve3825ポリプロピレンは、32g/10分の溶融流速をもつメタロセン等級のポリプロピレンである。多フィラメント集合体はまた、Achieve3915ポリマーにおいて得られたのと同じ特徴をもつように製造された。溶融したAchieve3825ポリマーを押出すために、より高い背圧が要求され、より低い溶融流速のために、Achieve3915の280psigに比べて約400psigが要求された。
【実施例3】
【0142】
第2メルトブローンポリプロピレンウェブ
ティシューとのラミネートを形成するために用いられる第2メルトブローンポリプロピレンウェブを製造するために、約221℃の公称処理温度を有するBassell North America(デラウェア州ウィルミントン所在)によって製造されたBassell PF015ポリプロピレンが用いられた。実施例2とは異なる試験設備が用いられた。メルトブローン・ウェブは、1時間あたり4ポンド毎インチ(4P1H)の機械方向幅をもたらすメルトブローンチップ(1インチあたり30個の孔、孔直径0.0145インチ)を通して製造された。繊維の粗さは、約50gsmから100gsmの間で変化する坪量を目標としながら、処理温度及び主空気圧を徐々に下げることによって達成された。50gsmのメルトブローンにおいては、ライン速度は78フィート毎分であり、100gsmのメルトブローンにおいては、ライン速度は39フィート毎分である。華氏約500度(260℃)の最初の処理温度が、華氏約392度(200℃)から華氏約410度(200℃)の間に下げられ、ダイ先端部は華氏410度(210℃)であった。主空気圧は、3.5−4psigの通常範囲から0.5psigより低く下げられた。ダイ先端部及びスピンポンプ圧は、それぞれ約170−190psig及び340−370psigであった。これらの設定値は、キャリアワイヤに接触して成形されることによる良好な研磨性をもつ粗目メルトブローン・ウェブを得るために繰り返し到達された。従来の作動においては、メルトブローン繊維は、それらがキャリアワイヤ上に載ったときに比較的結束され、キャリアワイヤに接触して顕著には成形されないが、この場合には、メルトブローン繊維は、キャリアワイヤのテクスチャに適合して、該メルトブローン繊維に研磨性テクスチャが成形されることを可能にするのに十分なだけ依然としてやわらかい。
【0143】
メルトブローンは、独立した製品として約50gsm及び約100gsmの坪量で形成され、また、実施例1のUCTADティシュー上に、及び市販のVIVA(登録商標)ペーパータオル上に直接堆積された。メルトブローン・ウェブは、単独では、113.7mg(34.5mgの標準偏差)の平均MDガーレイ剛性値、及び113.0mg(41.9mgの標準偏差)の平均CDガーレイ剛性値をもつことが計測された。試験されたサンプルは、100gsmの坪量を有するものであった。
既に説明されたように、高坪量の一組のサンプル(100gsmの計測された坪量)の厚さ変動試験は、メルトブローン・ウェブにおいては0.07mmの標準偏差(平均厚さは0.99mmであった)を与えた。
単一層のメルトブローンの通気性の測定は、1500CFMを超える値を与える。メルトブローン・ウェブの2つの重ね合わされたプライは、1168CFMの通気性を与えた(6つの位置での計測の平均)。
1つの作動(作動3−A)においては、実施例1において形成されたのと同じ非クレープ加工通気乾燥ティシューが用いられ、ティシュー・ウェブ上に50gsmのメルトブローンが直接形成されている。図20は、メルトブローン層とのラミネートの高さマップ142を示す。高さマップ142のからのプロファイルライン156に沿ってとられたプロファイル146は、約0.728mmの表面深さ(10%材料ライン152と90%材料ライン154との間の高さの差)を生み出す。形成中にメルトブローン・ウェブが成形されるキャリアワイヤの形態に対応する反復的な構造を見ることができる。約9.5mm及び1.5mmの側部を有する平行四辺形である反復的な構造の単位セル153が示されている。
【0144】
図21は、ホワイトスプレーペイント(オハイオ州クリーブランド所在のSherwin−WilliamsのKrylon(登録商標)1502フラットホワイトペイント)で軽くスプレーされた、作動3−Aのメルトブローン−ティシューラミネート200の顕微鏡写真平面図であり、必要であれば粒子状物質265をポリマー繊維126に結合できることを示している。この実施形態における粗目ポリマー繊維126は、通常は、単一のストランド238である。メルトブローン層32の融合領域260は、紙ウェブ34に接合されているように見える。
作動3−Aのメルトブローン−ティシューラミネート200の顕微鏡写真断面図である。
ラミネートは、381CFM(6つの位置での計測値の平均)において計測された通気性を有するものであった。
1つの表面上にメルトブローン層が形成された後にウェブを反転させ、反対側の表面に再びメルトブローン層を適用して、ティシューが両方の側に研磨性層をもつようにすることによって幾つかの作動も行われた。
【0145】
実施例2において与えられたアイロンがけ手順に従って、メルトブローン・ウェブを実施例1のティシューにアイロンがけすることによって、別のサンプルの組(作動3−B)が調製された。湿潤及び乾燥不透明度について8つのサンプルを試験した。平均乾燥不透明度は64.0%(標準偏差0.82%)であり、平均湿潤不透明度は47.2%(標準偏差2.2%)であり、湿潤されたサンプルにおいては繊維1グラムあたり平均1.59グラムの水を含有した(繊維1グラムあたり0.10グラムの水の標準偏差)。
メルトブローン・ウェブをVIVA(登録商標)ペーパータオル上に直接形成することによって、別のラミネート(作動3−C)が製造された。
ラミネートはまた、スワールパターンで適用されるホットメルト接着剤を用いて、研磨性層を水圧交絡拭取り材に接合することによっても形成された。キンバリー・クラーク社(テキサス州ダラス)によって製造された拭取り材は、WypAll(登録商標)Teri(登録商標)拭取り材であり、それらのパッケージは、Everhart他の1994年2月8日付けの米国特許第5,284,703号において知られており、該特許は、水圧交絡されて連続フィラメント基体(例えばスパンボンドウェブ)にされる約70重量%より多いパルプ繊維を含有する複合布を開示している。
【実施例4】
【0146】
第2メルトブローン・ウェブの変化
実施例3に従って、しかしキャリアワイヤに接触して小さな成形が生じるように幾つかの修正を加えて(メルトブローン繊維がより迅速に冷却されるように、空気温度がより低く、ダイ先端部からキャリアワイヤまでの距離がより大きくされる)、メルトブローン・ウェブを製造した。繊維は従来のメルトブローン繊維より依然として粗かったが、メルトブローン・ウェブの研磨性特性は、メルトブローン・ウェブに付与される大規模形態の欠如により明白に減少された。(多フィラメント集合体をもたないように見えたメルトブローン・ウェブは、存在する場合には、キャリアワイヤに接触して成形されることによって付与された顕微鏡写真形態に関係なしに、より高い研磨性特徴に寄与することになると考えられる。)
【実施例5】
【0147】
相乗効果的な材料特性
本発明の幾つかの実施形態の強度相乗効果及び伸び相乗効果を実証するために、実施例2の第1メルトブローン・ウェブを用いて、ラミネートと非結合層の引張試験を行った。以下の表1に結果が示されており、試験は、多数のサンプルの平均として報告されている(1つの計測値につき5つのサンプル)。メルトブローン・ウェブは、単独では、3インチあたり3393グラムの平均引張強度を有した(Instron Universal Testing Machineにより、4インチのゲージ長及び10インチ毎分のクロスヘッド速度で計測された)。Scott(登録商標)タオルのサンプル(約25%の高収率パルプ繊維と湿潤強度樹脂を含む市販の非クレープ加工通気乾燥ティシュー・ウェブ)に隣接して配置されるが結合はされなかったとき(2つのウェブが重ねられ、一緒に試験された)には、引張強度は、3707g/3インチであった。メルトブローン・ウェブが(実施例2に示されるように)Scott(登録商標)タオルに熱結合されたときには、引張強度は5385g/3インチに増加し、それは45%の増加であり、1.45の強度相乗効果を与えた。伸び相乗効果は2.06であった。
【0148】
別の作動においては、メルトブローン・ウェブは、実施例1の非クレープ加工通気乾燥ティシュー・ウェブ(「30gsmUCTAD」と付された)と共に試験され、2つのウェブが結合されていないときに3565g/3インチの平均引張強度を与えるが、熱結合されたウェブにおいては、平均引張強度は3915g/3インチであり、強度相乗効果は約1.10である。伸び相乗効果は1.36であった。
第3の作動においては、VIVA(登録商標)タオルがティシューとして用いられた。強度相乗効果は1.22であり、伸び相乗効果は1.44であった。
【0149】
【実施例6】
【0150】
研磨性特性
本発明の製品、及び市販の擦り落とし材料の研磨性を説明するために、実施例2から実施例4に説明されるように本発明に従って形成された種々のサンプル、並びに各々が研磨性材料層を含む擦り落とし及び清掃のために市販されている5つの製品についての研磨性指数試験を行った。
5つの市販の製品は、A)3M Home Care Products(ミネソタ州セントポール所在)によって市販されているO−Cel−O(登録商標)Heavy Duty Scrub Pad(UPC053200072056)と、B)同じく3M Home Care Products(ミネソタ州セントポール所在)によって市販されており、ポリプロピレンと他の材料とを含むと考えられる暗い栗色に着色された網状ポリマー材料を有する製品であるScotch Brite(登録商標)Heavy Duty Scrub Pad(UPC051131502185)と、C)同じく3M Home Care Products(ミネソタ州セントポール所在)によって市販されている製品であって、試験のためにスポンジから研磨性層がScotch Brite(登録商標)Delicate Duty Scrub Sponge(UPC021200000027)と、D)Reckitt&Colman,Inc.(ニュージャージー州ウェーン所在)によって市販されているChore Boy(登録商標)Golden Fleece(登録商標)Scouring Cloth(UPC026600313167)と、E)約33gsmの坪量を有する合成ポリマーウェブ(重いメルトブローンウェブ)上に緑色に着色されたメルトブローン層を備えた、キンバリー・クラーク社(テキサス州ヒューストン)によって市販されているSani−Tuff(登録商標)拭取り材であった。乾燥Sani−Tuff(登録商標)拭取り材は、98.5CFM(3つの計測値の平均)の通気性を有するものであった。
【0151】
表2は、研磨性指数結果を示す。興味深いことに、多数の多フィラメント集合体を含む実施例2のメルトブローン・ウェブは、最も高い研磨性指数(約5.5)を示した。実施例2のメルトブローン・ウェブが比較的平滑なVIVA(登録商標)ペーパータオル上にアイロン付けされている作動2−Dの材料は、同様に高い研磨性指数を示した(約4.25)。分離されたメルトブローン・ウェブ自体に比べて僅かに低い研磨性指数は、取付け工程によって生じるメルトブローンの表面深さの僅かな増加によるものである。
実施例3の分離されたメルトブローン・ウェブは、高い研磨性指数(約4.5)を示したが、多フィラメント集合体を含む実施例2のメルトブローン・ウェブほど高くはない。この研磨性材料は、粗目キャリア布によって付与された巨視的形態を有し、それは、研磨性に寄与すると考えられる。作動3−Aにおいては、メルトブローン・ウェブは、実施例1のティシュー上に直接形成された場合には、もはやキャリアワイヤからテクスチャを受けることはできなかった。しかしながら、高度にテクスチャ加工されたティシューは、良好な研磨性を与えていたメルトブローン・ウェブに、作動3−Aの材料の高い研磨性指数(約4)の要因となりうる巨視的形態を与えると考えられる。しかしながら、実施例2のメルトブローン・ウェブが、際立った形態及びUCTADティシューの高い表面深さをもたない比較的平滑なVIVA(登録商標)ペーパータオル上に形成されたときには、結果として得られる研磨性指数は比較的低く(約1.25)、それによりメルトブローン・ウェブの形態の重要性が示唆され、有用な形態特徴は、適切なキャリアワイヤに接触する有効な成形によって、又は良好な形態(例えば、約0.2mm又はそれ以上の表面深さ、及び随意的には約5平方ミリメートル又はそれ以上、或いは約8平方ミリメートル又はそれ以上の面積を有する特徴的な単位セルのピーク及び谷の繰り返しパターンを有する)を有するティシュー・ウェブ上にメルトブローン・ウェブを直接形成することによって付与することができる。
【0152】
実施例4の分離されたメルトブローン・ウェブは、実施例3と同じキャリアワイヤ上に、しかしメルトブローン・ウェブをキャリアワイヤの形態に接触して有効に成形しない条件下で形成され、結果として比較的平坦なメルトブローン構造がもたらされた。これは、実施例4のメルトブローン・ウェブにおいて見出される比較的低い研磨性指数(約1)の要因であると考えられる。このメルトブローン・ウェブは、973CFMの通気性(ウェブの異なる位置における6つの計測値の平均)をもたらした。
市販の製品A、B及びDの周知の研磨性特徴は、比較的高い研磨性指数値に反映された。拭取ることを意図されたものではあるが、市販の製品Eは、本発明の多くの実施形態の粗さ又は研磨性特性をもたないメルトブローン層を用いるものであり、約0.75の比較的低い研磨性指数を示した。
【0153】
【実施例7】
【0154】
予言的実施例
図23は、不均一な厚さを有する下にある吸収体繊維層34の表面に対して不均一な高さを有する研磨性層32を備えた擦り落としパッド30の断面を示す予言的実施例が描かれている。この実施形態においては、研磨性層34の厚さは、下にある吸収体繊維層34の高さが最も高い領域において最も大きいが、下にある繊維性ウェブ34がウェブの平均より大きい厚さ、高さ、又は局所的坪量を有するときに研磨性層が比較的小さい厚さを有する配列、或いは研磨性層の厚さ又は坪量の変動が、吸収体繊維性ウェブ34の構造変動とはあまり関係なく変化する配列を含む他の配列(図示せず)も可能である。
図23の描かれた実施形態においては、研磨性層32の高さ及び厚さ変動(研磨性層32の坪量又は嵩、或いはその両方の変動、並びに不透明度及び孔体積のような他の特性の変動に対応する)は、図示された横方向の特徴的波長「WL」を有し、それは、機械方向、横方向、又は機械方向に45度の角度をなす方向といった特定の製品に有意な他の平面内方向にとることができる。この場合には、波長「WL」はまた、下にある吸収体繊維層34の高さ変動の波長に対応する。
【0155】
吸収体繊維層34の凹部領域にわたる研磨性層32の部分は、強度の増加のために熱結合されて、より高い密度をもたらす領域、或いは製造中に生じたより低い坪量又はより高い密度の領域、もしくは吸収体繊維性ウェブ34に接合する前に材料を除去するために穿孔されている領域を表すことができる。
関連する仮定的実施例が図24に示されており、繊維性ウェブ34は、一方の側に第1の擦り取り研磨性層32を有し、反対側に第2の研磨性層32’を有する。ここでは、両方の研磨性層32、32’は、不均一な高さと、吸収体繊維層34の形態に伴って変化する随意的な密度値を有する。この場合には、2つの研磨性層32、32’は、互いに位相がずれた状態で変化し、吸収体ウェブ34の第1側の研磨性材料をもたない穴又は領域は、その吸収体ウェブ34上の研磨性材料をもたない領域とは正反対である反対側の研磨性材料の存在によって相補されている。
【0156】
本発明のラミネートのいずれにおいても1層より多いティシュー又は他の吸収体繊維ウェブを用いることができる。
本発明へのこれらの並びに他の修正及び変形は、添付の請求項により詳細に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施されることができる。さらに、種々の実施形態の態様は、全て又は部分的に置き換え可能であることを理解されたい。さらに、当業者であれば、上記の詳細な説明は、単なる例であって、そうした添付の請求項においてさらに示される本発明を制限することを意図されるものではないことを認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の研磨性層を製造する工程ラインの一実施形態の概略図である。
【図2】本発明に使用可能な非クレープ加工通気乾燥紙ウェブを形成する工程の一実施形態の図である。
【図3】本発明の複合構造を製造する工程ラインの一実施形態の概略図である。
【図4】本発明の複合構造の層を組み合わせる工程の実施形態である。
【図5】本発明の複合構造の層を組み合わせる工程の別の実施形態である。
【図6】本発明の擦り落としパッドの一実施形態の斜視図である。
【図7】本発明の擦り落としパッドの一実施形態の断面図である。
【図8】本発明の擦り落としパッドの別の実施形態の断面図である。
【図9】本発明の擦り落としパッドの別の実施形態の断面図である。
【図10】擦り落としパッドが剛性の把握装置上に保持される、本発明の清掃具の一実施形態の斜視図である。
【図11】単一のポリマー・ストランドから形成された繊維と、6つの癒合したストランドから形成された多フィラメント集合体の断面図である。
【図12】メルトブローダイの部分切取図である。
【図13】本発明に係るメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真平面図である。
【図14A】多フィラメント集合体を示すメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真断面図である。
【図14B】多フィラメント集合体を示すメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真断面図である。
【図15】メルトブロー−ティシューラミネートの高さマップにおける形態データの表示であり、高さマップから抽出された輪郭線も示されている。
【図16】図15に示されているのと同じ高さマップからの形態データの表示であるが、異なる輪郭線が示されている。
【図17】多フィラメント集合体を示すメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真断面図である。
【図18】図17のメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真断面図である。
【図19】メルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真平面図である。
【図20】本発明に係る別のメルトブロー−ティシューラミネートの高さマップにおける形態データの表示である。
【図21】図20に示されたものに対応するメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真平面図である。
【図22】図21のメルトブロー−ティシューラミネートの顕微鏡写真断面図である。
【図23】研磨性層における不均一性を有する、本発明に係る物品の一実施形態の断面図を示す。
【図24】繊維性吸収体層の両側の2つの研磨性層の各々における不均一性を有する、本発明に係る物品の断面を示す。
【図25】研磨性指数試験の開始点を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
擦り落とし製品であって、
厚さがその幅にわたって変化するように不均一に分布された研磨性ポリマー繊維を含み、約100より大きい通気性をもつ開放多孔性構造を有する研磨性層と、
繊維性セルロースウェブからなる吸収体層と、
を備え、前記研磨性層が前記吸収体層に取り付けられ、前記研磨性層は、前記擦り落とし製品の外面を形成する第1面を有することを特徴とする擦り落とし製品。
【請求項2】
前記セルロースウェブが、クレープ加工されていない通気乾燥紙ウェブからなることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項3】
前記セルロースウェブが、空気堆積ウェブか又はコフォームウェブのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項4】
約1.05又はそれより大きい強度相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項5】
約1.2又はそれより大きい強度相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項6】
約1.1又はそれより大きい伸び相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項7】
約1.5又はそれより大きい伸び相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項8】
約30立方フィート毎分又はそれより大きい通気性をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項9】
約60立方フィート毎分又はそれより大きい通気性をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項10】
約80立方フィート毎分又はそれより大きい通気性をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項11】
約150立方フィート毎分又はそれより大きい通気性をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項12】
前記製品が実質的にラテックスを含有しないことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項13】
前記吸収体層がラテックスバインダを含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項14】
約2500mg又はそれより小さい機械方向のガーレイ剛性を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項15】
約500mg又はそれより小さい機械方向のガーレイ剛性を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項16】
前記研磨性層が、約0.2mm又はそれより大きい厚さの変動を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項17】
前記研磨性層が、約1mm又はそれより大きい厚さの変動を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項18】
前記熱可塑性ポリマーがエラストマーであることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項19】
前記熱可塑性ポリマーがエラストマーではないことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項20】
前記研磨性繊維が、約120℃又はそれより大きい融点を有する熱可塑性ポリマー繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項21】
前記熱可塑性ポリマーが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、高密度ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリ尿素、及びこれらのコポリマーからなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載の擦り落とし製品。
【請求項22】
前記熱可塑性ポリマー繊維が、約40ミクロンより大きい平均直径を有することを特徴とする請求項20に記載の擦り落とし製品。
【請求項23】
前記熱可塑性ポリマー繊維がポリプロピレンを含むことを特徴とする請求項20に記載の擦り落とし製品。
【請求項24】
前記研磨性層が2つ又はそれ以上の異なる熱可塑性ポリマー繊維を含むことを特徴とする請求項20に記載の擦り落とし製品。
【請求項25】
前記異なる熱可塑性ポリマー繊維が、前記研磨性層内で実質的に均質に分布されることを特徴とする請求項24に記載の擦り落とし製品。
【請求項26】
前記異なる熱可塑性ポリマー繊維が、前記研磨性層内で不均質に分布されることを特徴とする請求項24に記載の擦り落とし製品。
【請求項27】
前記研磨性繊維が多成分繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項28】
前記研磨性繊維の長さが約1cmより長いことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項29】
前記研磨性層が約0.5mmより大きい平均厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項30】
前記研磨性層が、約0.5から約10mmまでの間の平均厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項31】
前記研磨性層がさらに粒子状物質を含み、前記粒子状物質が、前記研磨性層の研磨性を増加させることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項32】
前記研磨性層が約10gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項33】
前記研磨性層が約50gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項34】
前記研磨性層の表面積の約5%以上が、前記セルロースウェブへの直接光学的アクセスを与える孔を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項35】
前記第1面の表面積の約30%又はそれ以上が、前記研磨性層の軸方向深さを貫通して延びる孔を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項36】
前記研磨性層の表面積の約50%以上が、前記セルロースウェブへの直接光学的アクセスを与える孔を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項37】
前記セルロースウェブが約10gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項38】
前記セルロースウェブが、約5乾燥重量パーセントより多い高収率パルプ繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項39】
前記セルロースウェブが、約15から約40乾燥重量パーセントの高収率パルプ繊維を含むことを特徴とする請求項38に記載の擦り落とし製品。
【請求項40】
前記吸収体層が、互いに接着剤により取り付けられた2つ又はそれ以上のセルロースウェブを含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項41】
前記セルロースウェブが、約98%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項42】
前記セルロースウェブが乾燥不透明度を有し、前記乾燥不透明度と前記湿潤不透明度との間の差が、約10%又はそれより大きいことを特徴とする請求項41に記載の擦り落とし製品。
【請求項43】
前記セルロースウェブが約96%より小さい乾燥不透明度と、約90%より小さい湿潤不透明度とを有し、前記乾燥不透明度と前記湿潤不透明度との間の差が、約10%又はそれより大きいことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項44】
前記セルロースウェブが、約80%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項45】
前記セルロースウェブが、約0.1より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項46】
前記セルロースウェブが、約0.4より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項47】
前記研磨性層が前記吸収体層に接着剤結合されることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項48】
前記研磨性層が、前記吸収体層に熱結合されることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項49】
前記吸収体層の表面の少なくとも一部の上に疎水性障壁層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項50】
前記障壁層が、前記研磨性層と前記吸収体層との間に配置されることを特徴とする請求項49に記載の擦り落とし製品。
【請求項51】
前記研磨性外面とは反対側の第2外面をさらに備え、前記第2外面が前記障壁層を含むことを特徴とする請求項49に記載の擦り落とし製品。
【請求項52】
前記障壁層が取り外し可能な障壁層であることを特徴とする請求項51に記載の擦り落とし製品。
【請求項53】
前記障壁層が疎水性フィルムであることを特徴とする請求項49に記載の擦り落とし製品。
【請求項54】
前記擦り落とし製品が、前記擦り落とし製品に関連する添加剤を含み、前記添加剤は、石鹸、洗剤、緩衝剤、抗菌剤、皮膚健康剤、ローション、薬剤、研磨性剤、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項55】
前記研磨性層が、約50gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項56】
前記研磨性繊維が、非円形の断面を有する集合繊維を含み、前記集合繊維が、該集合繊維の少なくとも5mmの長さに沿って並列構成に配列された2つ又はそれ以上の個々の繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項57】
約3又はそれより大きいアスペクト比を有する断面をもつ複数の集合繊維を含むことを特徴とする請求項56に記載の擦り落とし製品。
【請求項58】
前記集合繊維が前記研磨性繊維の重量の約5%又はそれ以上を占めることを特徴とする請求項56に記載の擦り落とし製品。
【請求項59】
前記集合繊維が前記研磨性繊維の重量の約40%又はそれ以上を占めることを特徴とする請求項56に記載の擦り落とし製品。
【請求項60】
前記集合繊維がフォーク形の集合繊維を含むことを特徴とする請求項56に記載の擦り落とし製品。
【請求項61】
前記多フィラメント集合繊維が、ツイスト多フィラメント集合繊維を含むことを特徴とする請求項56に記載の擦り落とし製品。
【請求項62】
前記研磨性層がメタロセンポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項63】
前記研磨性層が、約2000g/10分又はそれより小さい溶融流速を有するポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項64】
前記研磨性層が、約100g/10分又はそれより小さい溶融流速を有するポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項65】
前記研磨性層が、凸領域を有する単位セルの繰り返しパターンを付与するように立体表面に対して成形され、前記単位セルは、約5平方ミリメートル又はそれより大きい面積を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項66】
前記紙ウェブは、約0.2mm又はそれより大きい表面深さを有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項67】
前記紙ウェブは、繰り返しパターン、すなわち約5平方ミリメートル又はそれより大きい面積を有する特徴的な単位セルの凸領域及び凹領域を有することを特徴とする請求項66に記載の擦り落とし製品。
【請求項68】
前記研磨性層が、約1又はそれより大きい研磨性指数を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項69】
前記研磨性層が、約5又はそれより大きい研磨性指数を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項70】
前記研磨性層が、約500CFMより大きい通気性を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項71】
前記擦り落とし製品が、皿洗い用拭取り材であることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項72】
前記擦り落とし製品が、たわしパッドであることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項73】
前記擦り落とし製品が、磨きパッドであることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項74】
前記擦り落とし製品が、やすり掛けパッドであることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項75】
前記擦り落とし製品が、パーソナルクレンジングパッドであることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項76】
前記洗浄パッドがピーリングパッドであることを特徴とする請求項75に記載の擦り落とし製品。
【請求項77】
平均直径が約40ミクロンより大きく、長さが約1cmより長い、不規則に分布された熱可塑性ポリマー繊維を含むメルトブローン・ウェブからなる研磨性層と、前記メルトブローン・ウェブは、約0.5mmより大きい平均厚さと、前記研磨性層の全体積の約10%以上を占める前記研磨性層内の開放スペースを定める開放多孔性構造とを有し、
約10gsmより大きい坪量を有するセルロースウェブを含む吸収体層と、
を備え、前記研磨性層は前記吸収体層に取り付けられ、前記研磨性層は前記擦り落としパッドの研磨性外面を形成することを特徴とする擦り落とし製品。
【請求項78】
約1.1又はそれより大きい強度相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項79】
約1.5又はそれより大きい強度相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項80】
約1.1又はそれより大きい伸び相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項81】
約1.5又はそれより大きい伸び相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項82】
前記セルロースウェブが、少なくとも一方の側において約0.3mm又はそれより大きい全表面深さを有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項83】
前記熱可塑性ポリマーがポリプロピレンを含むことを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項84】
前記ポリマー繊維が、約40ミクロンから約400ミクロンまでの間の平均直径を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項85】
前記研磨性層がさらに粒子状物質を含み、前記粒子状物質が、前記製品の研磨性を増加させることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項86】
前記研磨性層の通気性が、約100CFMより大きいことを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項87】
前記研磨性層が、約0.7mmより大きい平均厚さを有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項88】
前記研磨性層が、約2mmから約10mmまでの間の平均厚さを有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項89】
前記セルロースウェブが、連続ポリマー網で補強されることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項90】
前記セルロースウェブが、含浸接着剤で補強されることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項91】
前記研磨性層が、約25gsmから約100gsmまでの間の坪量を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項92】
前記研磨性層が、約50gsm又はそれより大きい坪量を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項93】
前記セルロースウェブが、約20gsmから約100gsmまでの間の坪量を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項94】
前記セルロースウェブが、約5から約30乾燥重量パーセントの高収率パルプ繊維を含むことを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項95】
前記セルロースウェブが、約98%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項96】
前記セルロースウェブが、約80%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項97】
前記セルロースウェブが、通気乾燥セルロースウェブであることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項98】
前記研磨性層が、前記吸収体層に熱結合されることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項99】
前記研磨性層が、前記吸収体層に接着剤結合されることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項100】
前記吸収体層の表面の少なくとも一部の上に疎水性障壁層をさらに備えることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項101】
前記障壁層が、前記研磨性層と前記吸収体層との間に配置されることを特徴とする請求項100に記載の擦り落とし製品。
【請求項102】
前記障壁層が疎水性フィルムであることを特徴とする請求項100に記載の擦り落とし製品。
【請求項103】
前記擦り落とし製品が、前記擦り落とし製品に関連する添加剤を含み、前記添加剤は、石鹸、洗剤、緩衝剤、抗菌剤、皮膚健康剤、ローション、薬剤、研磨性剤、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項104】
前記セルロースウェブが、約0.3より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項105】
前記セルロースウェブが、約0.4より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項106】
前記セルロースウェブが、約0.5より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項107】
前記研磨性層が、約2又はそれより大きいアスペクト比を有する断面をもつ少なくとも約5重量%の集合繊維を含み、前記集合繊維が、前記集合繊維の長さの少なくとも約5mmに沿って、2つ又はそれ以上の研磨性繊維を並列構成で含むことを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項108】
前記製品の3センチメートル四方の領域が、3cmより長くない繊維路長に沿って、その軸線周りで少なくとも180度のねじれを形成する、平均して少なくとも1つのツイスト多フィラメント集合繊維を含むことを特徴とする請求項107に記載の擦り落とし製品。
【請求項109】
前記製品の3センチメートル四方の領域が、それらのそれぞれの軸線周りで少なくとも180度のねじれを形成する、平均少なくとも10のツイスト多フィラメント集合繊維を含むことを特徴とする請求項107に記載の擦り落とし製品。
【請求項110】
前記研磨性層が、約1又はそれ以上の研磨性指数を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項111】
擦り落とし製品であって、
平均直径が約40ミクロンより大きく、長さが約1cmより長い、不規則に分布されたメルトスパンポリマー研磨性繊維を含む研磨性層と、前記研磨性層は、前記研磨性層の全体積の約10%以上を占める研磨性層内の気孔スペースを定める開放多孔性構造と、約1mmより大きい平均厚さとを有し、
約10gsmより大きい坪量と約0.1より大きい幾何平均湿潤:乾燥強度比とを有するセルロースウェブからなる吸収体層と、
を備え、前記研磨性層は、前記吸収体層に取り付けられ、前記研磨性層は、前記擦り落としパッド上に研磨性外面を形成し、前記研磨性層の表面の約30%以上が、前記研磨性層の軸方向深さを横切って延びる気孔を定め、前記吸収体層は、約98%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする擦り落とし製品。
【請求項112】
前記セルロースウェブが、ポリマー網で補強されることを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項113】
前記セルロースウェブが、含浸ラテックスで補強されることを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項114】
前記セルロースウェブが、含浸ホットメルトで補強されることを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項115】
前記ポリマー繊維が半透明であることを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項116】
前記研磨性層が、約50gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項117】
前記ポリマー繊維が、ポリプロピレンを含むことを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項118】
前記ポリマー繊維が、約40ミクロンから約400ミクロンまでの間の平均直径を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項119】
前記研磨性層の表面積の約50%以上が、前記研磨性層の軸方向深さを貫通して延びる孔を含むことを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項120】
前記研磨性層が、約25gsmから約100gsmまでの間の坪量を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項121】
前記セルロースウェブが、約20gsmから約100gsmまでの間の坪量を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項122】
前記セルロースウェブが、約0.3より大きい幾何平均湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項123】
前記セルロースウェブが、約0.4より大きい幾何平均湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項124】
前記吸収体層が、約80%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項125】
前記吸収体層が、約60%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項126】
前記研磨性層が前記吸収体層に熱結合されることを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項127】
前記研磨性層が前記吸収体層に接着剤結合されることを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項128】
前記擦り落とし製品が、前記擦り落とし製品に関連する添加剤を含み、前記添加剤は、石鹸、洗剤、緩衝剤、抗菌剤、皮膚健康剤、ローション、薬剤、研磨性剤、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項129】
前記研磨性層が、約100CFMより大きい通気性を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項130】
前記研磨性層が、約2mmから約10mmまでの間の平均厚さを有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項131】
前記研磨性層が集合繊維を含み、前記集合繊維が、該集合繊維の長さに沿って少なくとも約5mmにわたって並列構成に配列された2つ又はそれ以上の研磨性繊維を含むことを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項132】
前記集合繊維が、約2から約50のポリマーフィラメントを含むことを特徴とする請求項131に記載の擦り落とし製品。
【請求項133】
前記研磨性層が、約1又はそれより大きい研磨性指数を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項134】
前記擦り落とし製品が98%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項135】
清掃具であって、
ハンドルと、
前記ハンドルに取り付けられた剛性のベースと、
前記剛性のベースに取り付けられた擦り落としパッドと、
を備え、前記擦り落としパッドは、セルロースウェブからなる吸収体層と、不規則に分布された研磨性繊維を含む不織ウェブからなる研磨性層とを備え、前記研磨性層は、気孔スペースとして前記研磨性層の約10%以上を定める開放多孔性構造を有し、前記研磨性層及び前記吸収体層は互いに結合されることを特徴とする清掃具。
【請求項136】
前記研磨性繊維が熱可塑性ポリマーを含むことを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項137】
前記熱可塑性ポリマーがポリプロピレンを含むことを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項138】
前記セルロースウェブが、非クレープ加工通気乾燥セルロースウェブであることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項139】
前記研磨性層及び前記吸収体層が互いに熱結合されることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項140】
前記研磨性層及び前記吸収体層が互いに接着剤結合されることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項141】
前記擦り落としパッドに関連する添加剤をさらに含み、前記添加剤は、石鹸、洗剤、緩衝剤、抗菌剤、皮膚健康剤、ローション、薬剤、研磨性剤、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項142】
前記研磨性層が、約0.7mmより大きい平均厚さを有することを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項143】
前記セルロースウェブが、約0.3より大きい幾何平均湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項144】
前記セルロースウェブが、約0.4より大きい幾何平均湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項145】
前記セルロースウェブが、約0.6より大きい幾何平均湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項146】
前記研磨性層が集合繊維を含み、前記集合繊維が、該集合繊維の少なくとも5mmの長さに沿って並列構成に配列された2つ又はそれ以上の研磨性繊維を含むことを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項147】
前記研磨性層が、約1又はそれより大きい研磨性指数を有することを特徴とする請求項135に記載の擦り落とし製品。
【請求項148】
前記研磨性層が、約5又はそれより大きい研磨性指数を有することを特徴とする請求項135に記載の擦り落とし製品。
【請求項149】
前記清掃具がモップであることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項150】
前記清掃具がトイレ清掃具であることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項151】
前記清掃具が壁清掃具であることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項152】
前記清掃具が窓清掃具であることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項153】
前記清掃具がやすり掛け具であることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項154】
前記清掃具が磨き用具であることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項155】
前記清掃具に取り付けられた水切りをさらに備えることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項156】
前記擦り落としパッドが、前記剛性のベースに取り外し可能に取り付けられることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項157】
前記擦り落としパッドが、前記剛性のベースに恒久的に取り付けられることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項158】
擦り落とし製品を形成する方法であって、
厚さがその幅にわたって変化するように不均一に分布されたポリマー繊維を含み、開放多孔性構造と約100CFMより大きい通気性とを有する研磨性層を形成し、
繊維性セルロースウェブからなる吸収体層を形成し、
前記研磨性層を前記吸収体層に取り付けて、前記研磨性層が前記擦り落とし製品の外面を形成するようにする、
ことを含む方法。
【請求項159】
前記吸収体層が、非クレープ加工通気乾燥紙ウェブからなることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項160】
前記非クレープ加工通気乾燥ウェブが層をなすウェブであることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項161】
前記研磨性層が熱可塑性ポリマー繊維を含むことを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項162】
前記研磨性層がメルトブローンポリマー繊維を含むことを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項163】
前記メルトブローン・ダイが多区分ダイを含むことを特徴とする請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記メルトブローンポリマー繊維が、メルトブローン・ダイから前記吸収体層の表面上に堆積されることを特徴とする請求項162に記載の方法。
【請求項165】
前記研磨性層が、約0.5mmより大きい平均厚さを有することを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項166】
細くされた熱可塑性繊維を含む加工前ウェブを形成し、前記加工前ウェブを前記熱可塑性繊維の融点より低い温度に加熱して、前記細くされた繊維の一部を縮ませて、節のある繊維残部を形成することをさらに含み、前記研磨性層は、前記節のある繊維残部を含むことを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項167】
前記メルトブローン・ダイは、多区分ダイを含むことを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項168】
ダイヘッドを備えたメルトブローン・ダイから、前記ダイヘッドの下のキャリア布に前記集合繊維を押出すことをさらに含み、前記キャリア布は、約10インチから約5インチまでの間だけ前記ダイヘッドの下にあることを特徴とする請求項167に記載の方法。
【請求項169】
前記ダイヘッドは、前記キャリア布より約7インチ上にあることを特徴とする請求項168に記載の方法。
【請求項170】
前記メルトブローン・ダイはさらに、空気流を約3から約20psigまでの間で給送するための加圧空気源を備えることを特徴とする請求項168に記載の方法。
【請求項171】
前記メルトブローン・ダイはさらに、空気流を約12から約20psigまでの間で給送するための加圧空気源を備えることを特徴とする請求項168に記載の方法。
【請求項172】
前記研磨性層が、ポリマー多フィラメント集合繊維からなることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項173】
前記研磨性層が、高度にテクスチャ化された形成ベルト上に形成されることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項174】
前記研磨性層及び前記吸収体層が、互いに接着剤結合されることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項175】
前記研磨性層及び前記吸収体層が、ホットメルト接着剤によって互いに接着剤結合されることを特徴とする請求項174に記載の方法。
【請求項176】
前記ホットメルト接着剤が、前記研磨性層の表面か又は前記吸収体層の表面にパターン状に適用されることを特徴とする請求項175に記載の方法。
【請求項177】
前記吸収体層及び前記研磨性層が、超音波結合、機械的結合、及び前記メルトブローン層と前記吸収体層との少なくとも部分的な融合をもたらす熱の適用からなる群から選択された工程によって互いに結合されることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項178】
前記吸収体層及び前記研磨性層は、前記層が互いに隣接して保持される際に、前記吸収体層及び前記研磨性層への熱及び圧力の適用によって互いに結合されることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項179】
前記擦り落とし製品に障壁層を付加することをさらに含む、請求項158に記載の方法。
【請求項180】
前記障壁層は、前記擦り落とし製品の前記研磨性層と前記吸収体層との間に取り付けられることを特徴とする請求項179に記載の方法。
【請求項181】
前記障壁層は、前記研磨性層とは反対側の前記擦り落とし製品の表面に適用されることを特徴とする請求項179に記載の方法。
【請求項182】
前記擦り落とし製品に添加剤を組み入れることをさらに含む、請求項158に記載の方法。
【請求項183】
皿洗い用布であって、
厚さがその幅にわたって変化するように不均一に分布された研磨性ポリマー繊維からなり、約100CFM又はそれより大きい通気性をもつ開放多孔性構造を有する研磨性層と、
繊維性セルロースウェブからなる吸収体層と、
を備え、前記研磨性層が前記吸収体層に取り付けられ、前記研磨性層は、該皿洗い用布の外面を形成することを特徴とする皿洗い用布。
【請求項184】
前記セルロースウェブは、非クレープ加工通気乾燥セルロースウェブからなることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項185】
前記セルロースウェブは、空気堆積ウェブか又はコフォームウェブのいずれかからなることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項186】
約1.05又はそれ以上の強度相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項187】
約1.1又はそれ以上の伸び相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項188】
約30立方フィート毎分又はそれ以上の通気性をさらに有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項189】
前記製品は、実質的にラテックスを含まないことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項190】
約2500mg又はそれ以下の機械方向ガーレイ剛性を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項191】
約500mg又はそれ以下の機械方向ガーレイ剛性を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項192】
前記研磨性繊維は、約120℃又はそれより高い融点を有する熱可塑性ポリマー繊維を含むことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項193】
前記熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、高密度ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリ尿素、及びこれらのコポリマーからなる群から選択されることを特徴とする請求項192に記載の皿洗い布。
【請求項194】
前記熱可塑性ポリマー繊維は、約40ミクロンより大きい平均直径を有することを特徴とする請求項193に記載の皿洗い布。
【請求項195】
前記研磨性繊維がポリプロピレンを含むことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項196】
前記研磨性層が、2つ又はそれ以上の異なる熱可塑性ポリマー繊維を含むことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項197】
前記研磨性繊維が多成分繊維を含むことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項198】
前記研磨性繊維の長さが、約1cm又はそれ以上であることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項199】
前記研磨性層が、約10gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項200】
前記研磨性層の表面積の約10%以上が、前記セルロースウェブへの直接光学アクセスを与える孔によって占められることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項201】
前記セルロースウェブが、約10gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項202】
前記セルロースウェブが、約5乾燥重量パーセントより多い高収率パルプ繊維を含むことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項203】
前記吸収体層が、互いに接着剤結合された2つ又はそれ以上のセルロースウェブからなることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項204】
前記研磨性層が、前記吸収体層に接着剤結合されることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項205】
前記皿洗い用布は、前記皿洗い用布に関連する添加剤を含み、前記添加剤は、石鹸、洗剤、緩衝剤、抗菌剤、皮膚健康剤、ローション、薬剤、研磨性剤、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項206】
前記研磨性繊維が、非円形の断面を有する多フィラメント集合繊維からなることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項207】
約3又はそれ以上のアスペクト比を有する断面をもつ複数の多フィラメント集合繊維を含むことを特徴とする請求項206に記載の皿洗い布。
【請求項208】
前記多フィラメント集合繊維は、前記研磨性繊維の重量の約5%又はそれ以上を構成することを特徴とする請求項206に記載の皿洗い布。
【請求項209】
前記セルロースウェブは、約0.2mm又はそれ以上の表面深さを有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項210】
前記研磨性層は、約1又はそれ以上の研磨性指数を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項211】
前記研磨性層は、約5又はそれ以上の研磨性指数を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項212】
前記セルロースウェブが、約0.10より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項213】
前記セルロースウェブが、約0.40より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項214】
前記セルロースウェブが、約0.60より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項215】
前記セルロースウェブが、約200g/3g H2Oより大きい湿潤引張強度を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項216】
前記セルロースウェブが、約500g/3g H2Oより大きい湿潤引張強度を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項217】
前記セルロースウェブが、約1500g/3g H2Oより大きい湿潤引張強度を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項218】
前記セルロースウェブが、約500g/3g H2Oから約2500g/3g H2Oの間の湿潤引張強度を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項219】
前記皿洗い用布が、約50CFMより大きい通気性を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項220】
前記皿洗い用布が、約90%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項1】
擦り落とし製品であって、
厚さがその幅にわたって変化するように不均一に分布された研磨性ポリマー繊維を含み、約100より大きい通気性をもつ開放多孔性構造を有する研磨性層と、
繊維性セルロースウェブからなる吸収体層と、
を備え、前記研磨性層が前記吸収体層に取り付けられ、前記研磨性層は、前記擦り落とし製品の外面を形成する第1面を有することを特徴とする擦り落とし製品。
【請求項2】
前記セルロースウェブが、クレープ加工されていない通気乾燥紙ウェブからなることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項3】
前記セルロースウェブが、空気堆積ウェブか又はコフォームウェブのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項4】
約1.05又はそれより大きい強度相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項5】
約1.2又はそれより大きい強度相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項6】
約1.1又はそれより大きい伸び相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項7】
約1.5又はそれより大きい伸び相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項8】
約30立方フィート毎分又はそれより大きい通気性をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項9】
約60立方フィート毎分又はそれより大きい通気性をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項10】
約80立方フィート毎分又はそれより大きい通気性をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項11】
約150立方フィート毎分又はそれより大きい通気性をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項12】
前記製品が実質的にラテックスを含有しないことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項13】
前記吸収体層がラテックスバインダを含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項14】
約2500mg又はそれより小さい機械方向のガーレイ剛性を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項15】
約500mg又はそれより小さい機械方向のガーレイ剛性を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項16】
前記研磨性層が、約0.2mm又はそれより大きい厚さの変動を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項17】
前記研磨性層が、約1mm又はそれより大きい厚さの変動を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項18】
前記熱可塑性ポリマーがエラストマーであることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項19】
前記熱可塑性ポリマーがエラストマーではないことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項20】
前記研磨性繊維が、約120℃又はそれより大きい融点を有する熱可塑性ポリマー繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項21】
前記熱可塑性ポリマーが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、高密度ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリ尿素、及びこれらのコポリマーからなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載の擦り落とし製品。
【請求項22】
前記熱可塑性ポリマー繊維が、約40ミクロンより大きい平均直径を有することを特徴とする請求項20に記載の擦り落とし製品。
【請求項23】
前記熱可塑性ポリマー繊維がポリプロピレンを含むことを特徴とする請求項20に記載の擦り落とし製品。
【請求項24】
前記研磨性層が2つ又はそれ以上の異なる熱可塑性ポリマー繊維を含むことを特徴とする請求項20に記載の擦り落とし製品。
【請求項25】
前記異なる熱可塑性ポリマー繊維が、前記研磨性層内で実質的に均質に分布されることを特徴とする請求項24に記載の擦り落とし製品。
【請求項26】
前記異なる熱可塑性ポリマー繊維が、前記研磨性層内で不均質に分布されることを特徴とする請求項24に記載の擦り落とし製品。
【請求項27】
前記研磨性繊維が多成分繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項28】
前記研磨性繊維の長さが約1cmより長いことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項29】
前記研磨性層が約0.5mmより大きい平均厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項30】
前記研磨性層が、約0.5から約10mmまでの間の平均厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項31】
前記研磨性層がさらに粒子状物質を含み、前記粒子状物質が、前記研磨性層の研磨性を増加させることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項32】
前記研磨性層が約10gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項33】
前記研磨性層が約50gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項34】
前記研磨性層の表面積の約5%以上が、前記セルロースウェブへの直接光学的アクセスを与える孔を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項35】
前記第1面の表面積の約30%又はそれ以上が、前記研磨性層の軸方向深さを貫通して延びる孔を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項36】
前記研磨性層の表面積の約50%以上が、前記セルロースウェブへの直接光学的アクセスを与える孔を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項37】
前記セルロースウェブが約10gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項38】
前記セルロースウェブが、約5乾燥重量パーセントより多い高収率パルプ繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項39】
前記セルロースウェブが、約15から約40乾燥重量パーセントの高収率パルプ繊維を含むことを特徴とする請求項38に記載の擦り落とし製品。
【請求項40】
前記吸収体層が、互いに接着剤により取り付けられた2つ又はそれ以上のセルロースウェブを含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項41】
前記セルロースウェブが、約98%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項42】
前記セルロースウェブが乾燥不透明度を有し、前記乾燥不透明度と前記湿潤不透明度との間の差が、約10%又はそれより大きいことを特徴とする請求項41に記載の擦り落とし製品。
【請求項43】
前記セルロースウェブが約96%より小さい乾燥不透明度と、約90%より小さい湿潤不透明度とを有し、前記乾燥不透明度と前記湿潤不透明度との間の差が、約10%又はそれより大きいことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項44】
前記セルロースウェブが、約80%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項45】
前記セルロースウェブが、約0.1より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項46】
前記セルロースウェブが、約0.4より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項47】
前記研磨性層が前記吸収体層に接着剤結合されることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項48】
前記研磨性層が、前記吸収体層に熱結合されることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項49】
前記吸収体層の表面の少なくとも一部の上に疎水性障壁層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項50】
前記障壁層が、前記研磨性層と前記吸収体層との間に配置されることを特徴とする請求項49に記載の擦り落とし製品。
【請求項51】
前記研磨性外面とは反対側の第2外面をさらに備え、前記第2外面が前記障壁層を含むことを特徴とする請求項49に記載の擦り落とし製品。
【請求項52】
前記障壁層が取り外し可能な障壁層であることを特徴とする請求項51に記載の擦り落とし製品。
【請求項53】
前記障壁層が疎水性フィルムであることを特徴とする請求項49に記載の擦り落とし製品。
【請求項54】
前記擦り落とし製品が、前記擦り落とし製品に関連する添加剤を含み、前記添加剤は、石鹸、洗剤、緩衝剤、抗菌剤、皮膚健康剤、ローション、薬剤、研磨性剤、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項55】
前記研磨性層が、約50gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項56】
前記研磨性繊維が、非円形の断面を有する集合繊維を含み、前記集合繊維が、該集合繊維の少なくとも5mmの長さに沿って並列構成に配列された2つ又はそれ以上の個々の繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項57】
約3又はそれより大きいアスペクト比を有する断面をもつ複数の集合繊維を含むことを特徴とする請求項56に記載の擦り落とし製品。
【請求項58】
前記集合繊維が前記研磨性繊維の重量の約5%又はそれ以上を占めることを特徴とする請求項56に記載の擦り落とし製品。
【請求項59】
前記集合繊維が前記研磨性繊維の重量の約40%又はそれ以上を占めることを特徴とする請求項56に記載の擦り落とし製品。
【請求項60】
前記集合繊維がフォーク形の集合繊維を含むことを特徴とする請求項56に記載の擦り落とし製品。
【請求項61】
前記多フィラメント集合繊維が、ツイスト多フィラメント集合繊維を含むことを特徴とする請求項56に記載の擦り落とし製品。
【請求項62】
前記研磨性層がメタロセンポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項63】
前記研磨性層が、約2000g/10分又はそれより小さい溶融流速を有するポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項64】
前記研磨性層が、約100g/10分又はそれより小さい溶融流速を有するポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項65】
前記研磨性層が、凸領域を有する単位セルの繰り返しパターンを付与するように立体表面に対して成形され、前記単位セルは、約5平方ミリメートル又はそれより大きい面積を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項66】
前記紙ウェブは、約0.2mm又はそれより大きい表面深さを有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項67】
前記紙ウェブは、繰り返しパターン、すなわち約5平方ミリメートル又はそれより大きい面積を有する特徴的な単位セルの凸領域及び凹領域を有することを特徴とする請求項66に記載の擦り落とし製品。
【請求項68】
前記研磨性層が、約1又はそれより大きい研磨性指数を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項69】
前記研磨性層が、約5又はそれより大きい研磨性指数を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項70】
前記研磨性層が、約500CFMより大きい通気性を有することを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項71】
前記擦り落とし製品が、皿洗い用拭取り材であることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項72】
前記擦り落とし製品が、たわしパッドであることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項73】
前記擦り落とし製品が、磨きパッドであることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項74】
前記擦り落とし製品が、やすり掛けパッドであることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項75】
前記擦り落とし製品が、パーソナルクレンジングパッドであることを特徴とする請求項1に記載の擦り落とし製品。
【請求項76】
前記洗浄パッドがピーリングパッドであることを特徴とする請求項75に記載の擦り落とし製品。
【請求項77】
平均直径が約40ミクロンより大きく、長さが約1cmより長い、不規則に分布された熱可塑性ポリマー繊維を含むメルトブローン・ウェブからなる研磨性層と、前記メルトブローン・ウェブは、約0.5mmより大きい平均厚さと、前記研磨性層の全体積の約10%以上を占める前記研磨性層内の開放スペースを定める開放多孔性構造とを有し、
約10gsmより大きい坪量を有するセルロースウェブを含む吸収体層と、
を備え、前記研磨性層は前記吸収体層に取り付けられ、前記研磨性層は前記擦り落としパッドの研磨性外面を形成することを特徴とする擦り落とし製品。
【請求項78】
約1.1又はそれより大きい強度相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項79】
約1.5又はそれより大きい強度相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項80】
約1.1又はそれより大きい伸び相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項81】
約1.5又はそれより大きい伸び相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項82】
前記セルロースウェブが、少なくとも一方の側において約0.3mm又はそれより大きい全表面深さを有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項83】
前記熱可塑性ポリマーがポリプロピレンを含むことを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項84】
前記ポリマー繊維が、約40ミクロンから約400ミクロンまでの間の平均直径を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項85】
前記研磨性層がさらに粒子状物質を含み、前記粒子状物質が、前記製品の研磨性を増加させることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項86】
前記研磨性層の通気性が、約100CFMより大きいことを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項87】
前記研磨性層が、約0.7mmより大きい平均厚さを有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項88】
前記研磨性層が、約2mmから約10mmまでの間の平均厚さを有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項89】
前記セルロースウェブが、連続ポリマー網で補強されることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項90】
前記セルロースウェブが、含浸接着剤で補強されることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項91】
前記研磨性層が、約25gsmから約100gsmまでの間の坪量を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項92】
前記研磨性層が、約50gsm又はそれより大きい坪量を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項93】
前記セルロースウェブが、約20gsmから約100gsmまでの間の坪量を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項94】
前記セルロースウェブが、約5から約30乾燥重量パーセントの高収率パルプ繊維を含むことを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項95】
前記セルロースウェブが、約98%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項96】
前記セルロースウェブが、約80%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項97】
前記セルロースウェブが、通気乾燥セルロースウェブであることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項98】
前記研磨性層が、前記吸収体層に熱結合されることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項99】
前記研磨性層が、前記吸収体層に接着剤結合されることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項100】
前記吸収体層の表面の少なくとも一部の上に疎水性障壁層をさらに備えることを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項101】
前記障壁層が、前記研磨性層と前記吸収体層との間に配置されることを特徴とする請求項100に記載の擦り落とし製品。
【請求項102】
前記障壁層が疎水性フィルムであることを特徴とする請求項100に記載の擦り落とし製品。
【請求項103】
前記擦り落とし製品が、前記擦り落とし製品に関連する添加剤を含み、前記添加剤は、石鹸、洗剤、緩衝剤、抗菌剤、皮膚健康剤、ローション、薬剤、研磨性剤、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項104】
前記セルロースウェブが、約0.3より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項105】
前記セルロースウェブが、約0.4より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項106】
前記セルロースウェブが、約0.5より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項107】
前記研磨性層が、約2又はそれより大きいアスペクト比を有する断面をもつ少なくとも約5重量%の集合繊維を含み、前記集合繊維が、前記集合繊維の長さの少なくとも約5mmに沿って、2つ又はそれ以上の研磨性繊維を並列構成で含むことを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項108】
前記製品の3センチメートル四方の領域が、3cmより長くない繊維路長に沿って、その軸線周りで少なくとも180度のねじれを形成する、平均して少なくとも1つのツイスト多フィラメント集合繊維を含むことを特徴とする請求項107に記載の擦り落とし製品。
【請求項109】
前記製品の3センチメートル四方の領域が、それらのそれぞれの軸線周りで少なくとも180度のねじれを形成する、平均少なくとも10のツイスト多フィラメント集合繊維を含むことを特徴とする請求項107に記載の擦り落とし製品。
【請求項110】
前記研磨性層が、約1又はそれ以上の研磨性指数を有することを特徴とする請求項77に記載の擦り落とし製品。
【請求項111】
擦り落とし製品であって、
平均直径が約40ミクロンより大きく、長さが約1cmより長い、不規則に分布されたメルトスパンポリマー研磨性繊維を含む研磨性層と、前記研磨性層は、前記研磨性層の全体積の約10%以上を占める研磨性層内の気孔スペースを定める開放多孔性構造と、約1mmより大きい平均厚さとを有し、
約10gsmより大きい坪量と約0.1より大きい幾何平均湿潤:乾燥強度比とを有するセルロースウェブからなる吸収体層と、
を備え、前記研磨性層は、前記吸収体層に取り付けられ、前記研磨性層は、前記擦り落としパッド上に研磨性外面を形成し、前記研磨性層の表面の約30%以上が、前記研磨性層の軸方向深さを横切って延びる気孔を定め、前記吸収体層は、約98%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする擦り落とし製品。
【請求項112】
前記セルロースウェブが、ポリマー網で補強されることを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項113】
前記セルロースウェブが、含浸ラテックスで補強されることを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項114】
前記セルロースウェブが、含浸ホットメルトで補強されることを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項115】
前記ポリマー繊維が半透明であることを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項116】
前記研磨性層が、約50gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項117】
前記ポリマー繊維が、ポリプロピレンを含むことを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項118】
前記ポリマー繊維が、約40ミクロンから約400ミクロンまでの間の平均直径を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項119】
前記研磨性層の表面積の約50%以上が、前記研磨性層の軸方向深さを貫通して延びる孔を含むことを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項120】
前記研磨性層が、約25gsmから約100gsmまでの間の坪量を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項121】
前記セルロースウェブが、約20gsmから約100gsmまでの間の坪量を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項122】
前記セルロースウェブが、約0.3より大きい幾何平均湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項123】
前記セルロースウェブが、約0.4より大きい幾何平均湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項124】
前記吸収体層が、約80%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項125】
前記吸収体層が、約60%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項126】
前記研磨性層が前記吸収体層に熱結合されることを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項127】
前記研磨性層が前記吸収体層に接着剤結合されることを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項128】
前記擦り落とし製品が、前記擦り落とし製品に関連する添加剤を含み、前記添加剤は、石鹸、洗剤、緩衝剤、抗菌剤、皮膚健康剤、ローション、薬剤、研磨性剤、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項129】
前記研磨性層が、約100CFMより大きい通気性を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項130】
前記研磨性層が、約2mmから約10mmまでの間の平均厚さを有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項131】
前記研磨性層が集合繊維を含み、前記集合繊維が、該集合繊維の長さに沿って少なくとも約5mmにわたって並列構成に配列された2つ又はそれ以上の研磨性繊維を含むことを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項132】
前記集合繊維が、約2から約50のポリマーフィラメントを含むことを特徴とする請求項131に記載の擦り落とし製品。
【請求項133】
前記研磨性層が、約1又はそれより大きい研磨性指数を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項134】
前記擦り落とし製品が98%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項111に記載の擦り落とし製品。
【請求項135】
清掃具であって、
ハンドルと、
前記ハンドルに取り付けられた剛性のベースと、
前記剛性のベースに取り付けられた擦り落としパッドと、
を備え、前記擦り落としパッドは、セルロースウェブからなる吸収体層と、不規則に分布された研磨性繊維を含む不織ウェブからなる研磨性層とを備え、前記研磨性層は、気孔スペースとして前記研磨性層の約10%以上を定める開放多孔性構造を有し、前記研磨性層及び前記吸収体層は互いに結合されることを特徴とする清掃具。
【請求項136】
前記研磨性繊維が熱可塑性ポリマーを含むことを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項137】
前記熱可塑性ポリマーがポリプロピレンを含むことを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項138】
前記セルロースウェブが、非クレープ加工通気乾燥セルロースウェブであることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項139】
前記研磨性層及び前記吸収体層が互いに熱結合されることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項140】
前記研磨性層及び前記吸収体層が互いに接着剤結合されることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項141】
前記擦り落としパッドに関連する添加剤をさらに含み、前記添加剤は、石鹸、洗剤、緩衝剤、抗菌剤、皮膚健康剤、ローション、薬剤、研磨性剤、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項142】
前記研磨性層が、約0.7mmより大きい平均厚さを有することを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項143】
前記セルロースウェブが、約0.3より大きい幾何平均湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項144】
前記セルロースウェブが、約0.4より大きい幾何平均湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項145】
前記セルロースウェブが、約0.6より大きい幾何平均湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項146】
前記研磨性層が集合繊維を含み、前記集合繊維が、該集合繊維の少なくとも5mmの長さに沿って並列構成に配列された2つ又はそれ以上の研磨性繊維を含むことを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項147】
前記研磨性層が、約1又はそれより大きい研磨性指数を有することを特徴とする請求項135に記載の擦り落とし製品。
【請求項148】
前記研磨性層が、約5又はそれより大きい研磨性指数を有することを特徴とする請求項135に記載の擦り落とし製品。
【請求項149】
前記清掃具がモップであることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項150】
前記清掃具がトイレ清掃具であることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項151】
前記清掃具が壁清掃具であることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項152】
前記清掃具が窓清掃具であることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項153】
前記清掃具がやすり掛け具であることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項154】
前記清掃具が磨き用具であることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項155】
前記清掃具に取り付けられた水切りをさらに備えることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項156】
前記擦り落としパッドが、前記剛性のベースに取り外し可能に取り付けられることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項157】
前記擦り落としパッドが、前記剛性のベースに恒久的に取り付けられることを特徴とする請求項135に記載の清掃具。
【請求項158】
擦り落とし製品を形成する方法であって、
厚さがその幅にわたって変化するように不均一に分布されたポリマー繊維を含み、開放多孔性構造と約100CFMより大きい通気性とを有する研磨性層を形成し、
繊維性セルロースウェブからなる吸収体層を形成し、
前記研磨性層を前記吸収体層に取り付けて、前記研磨性層が前記擦り落とし製品の外面を形成するようにする、
ことを含む方法。
【請求項159】
前記吸収体層が、非クレープ加工通気乾燥紙ウェブからなることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項160】
前記非クレープ加工通気乾燥ウェブが層をなすウェブであることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項161】
前記研磨性層が熱可塑性ポリマー繊維を含むことを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項162】
前記研磨性層がメルトブローンポリマー繊維を含むことを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項163】
前記メルトブローン・ダイが多区分ダイを含むことを特徴とする請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記メルトブローンポリマー繊維が、メルトブローン・ダイから前記吸収体層の表面上に堆積されることを特徴とする請求項162に記載の方法。
【請求項165】
前記研磨性層が、約0.5mmより大きい平均厚さを有することを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項166】
細くされた熱可塑性繊維を含む加工前ウェブを形成し、前記加工前ウェブを前記熱可塑性繊維の融点より低い温度に加熱して、前記細くされた繊維の一部を縮ませて、節のある繊維残部を形成することをさらに含み、前記研磨性層は、前記節のある繊維残部を含むことを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項167】
前記メルトブローン・ダイは、多区分ダイを含むことを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項168】
ダイヘッドを備えたメルトブローン・ダイから、前記ダイヘッドの下のキャリア布に前記集合繊維を押出すことをさらに含み、前記キャリア布は、約10インチから約5インチまでの間だけ前記ダイヘッドの下にあることを特徴とする請求項167に記載の方法。
【請求項169】
前記ダイヘッドは、前記キャリア布より約7インチ上にあることを特徴とする請求項168に記載の方法。
【請求項170】
前記メルトブローン・ダイはさらに、空気流を約3から約20psigまでの間で給送するための加圧空気源を備えることを特徴とする請求項168に記載の方法。
【請求項171】
前記メルトブローン・ダイはさらに、空気流を約12から約20psigまでの間で給送するための加圧空気源を備えることを特徴とする請求項168に記載の方法。
【請求項172】
前記研磨性層が、ポリマー多フィラメント集合繊維からなることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項173】
前記研磨性層が、高度にテクスチャ化された形成ベルト上に形成されることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項174】
前記研磨性層及び前記吸収体層が、互いに接着剤結合されることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項175】
前記研磨性層及び前記吸収体層が、ホットメルト接着剤によって互いに接着剤結合されることを特徴とする請求項174に記載の方法。
【請求項176】
前記ホットメルト接着剤が、前記研磨性層の表面か又は前記吸収体層の表面にパターン状に適用されることを特徴とする請求項175に記載の方法。
【請求項177】
前記吸収体層及び前記研磨性層が、超音波結合、機械的結合、及び前記メルトブローン層と前記吸収体層との少なくとも部分的な融合をもたらす熱の適用からなる群から選択された工程によって互いに結合されることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項178】
前記吸収体層及び前記研磨性層は、前記層が互いに隣接して保持される際に、前記吸収体層及び前記研磨性層への熱及び圧力の適用によって互いに結合されることを特徴とする請求項158に記載の方法。
【請求項179】
前記擦り落とし製品に障壁層を付加することをさらに含む、請求項158に記載の方法。
【請求項180】
前記障壁層は、前記擦り落とし製品の前記研磨性層と前記吸収体層との間に取り付けられることを特徴とする請求項179に記載の方法。
【請求項181】
前記障壁層は、前記研磨性層とは反対側の前記擦り落とし製品の表面に適用されることを特徴とする請求項179に記載の方法。
【請求項182】
前記擦り落とし製品に添加剤を組み入れることをさらに含む、請求項158に記載の方法。
【請求項183】
皿洗い用布であって、
厚さがその幅にわたって変化するように不均一に分布された研磨性ポリマー繊維からなり、約100CFM又はそれより大きい通気性をもつ開放多孔性構造を有する研磨性層と、
繊維性セルロースウェブからなる吸収体層と、
を備え、前記研磨性層が前記吸収体層に取り付けられ、前記研磨性層は、該皿洗い用布の外面を形成することを特徴とする皿洗い用布。
【請求項184】
前記セルロースウェブは、非クレープ加工通気乾燥セルロースウェブからなることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項185】
前記セルロースウェブは、空気堆積ウェブか又はコフォームウェブのいずれかからなることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項186】
約1.05又はそれ以上の強度相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項187】
約1.1又はそれ以上の伸び相乗効果をさらに有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項188】
約30立方フィート毎分又はそれ以上の通気性をさらに有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項189】
前記製品は、実質的にラテックスを含まないことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項190】
約2500mg又はそれ以下の機械方向ガーレイ剛性を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項191】
約500mg又はそれ以下の機械方向ガーレイ剛性を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項192】
前記研磨性繊維は、約120℃又はそれより高い融点を有する熱可塑性ポリマー繊維を含むことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項193】
前記熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、高密度ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリ尿素、及びこれらのコポリマーからなる群から選択されることを特徴とする請求項192に記載の皿洗い布。
【請求項194】
前記熱可塑性ポリマー繊維は、約40ミクロンより大きい平均直径を有することを特徴とする請求項193に記載の皿洗い布。
【請求項195】
前記研磨性繊維がポリプロピレンを含むことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項196】
前記研磨性層が、2つ又はそれ以上の異なる熱可塑性ポリマー繊維を含むことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項197】
前記研磨性繊維が多成分繊維を含むことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項198】
前記研磨性繊維の長さが、約1cm又はそれ以上であることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項199】
前記研磨性層が、約10gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項200】
前記研磨性層の表面積の約10%以上が、前記セルロースウェブへの直接光学アクセスを与える孔によって占められることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項201】
前記セルロースウェブが、約10gsmより大きい坪量を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項202】
前記セルロースウェブが、約5乾燥重量パーセントより多い高収率パルプ繊維を含むことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項203】
前記吸収体層が、互いに接着剤結合された2つ又はそれ以上のセルロースウェブからなることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項204】
前記研磨性層が、前記吸収体層に接着剤結合されることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項205】
前記皿洗い用布は、前記皿洗い用布に関連する添加剤を含み、前記添加剤は、石鹸、洗剤、緩衝剤、抗菌剤、皮膚健康剤、ローション、薬剤、研磨性剤、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項206】
前記研磨性繊維が、非円形の断面を有する多フィラメント集合繊維からなることを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項207】
約3又はそれ以上のアスペクト比を有する断面をもつ複数の多フィラメント集合繊維を含むことを特徴とする請求項206に記載の皿洗い布。
【請求項208】
前記多フィラメント集合繊維は、前記研磨性繊維の重量の約5%又はそれ以上を構成することを特徴とする請求項206に記載の皿洗い布。
【請求項209】
前記セルロースウェブは、約0.2mm又はそれ以上の表面深さを有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項210】
前記研磨性層は、約1又はそれ以上の研磨性指数を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項211】
前記研磨性層は、約5又はそれ以上の研磨性指数を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項212】
前記セルロースウェブが、約0.10より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項213】
前記セルロースウェブが、約0.40より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項214】
前記セルロースウェブが、約0.60より大きい横方向の湿潤:乾燥強度比を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項215】
前記セルロースウェブが、約200g/3g H2Oより大きい湿潤引張強度を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項216】
前記セルロースウェブが、約500g/3g H2Oより大きい湿潤引張強度を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項217】
前記セルロースウェブが、約1500g/3g H2Oより大きい湿潤引張強度を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項218】
前記セルロースウェブが、約500g/3g H2Oから約2500g/3g H2Oの間の湿潤引張強度を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項219】
前記皿洗い用布が、約50CFMより大きい通気性を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【請求項220】
前記皿洗い用布が、約90%より小さい湿潤不透明度を有することを特徴とする請求項183に記載の皿洗い布。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公表番号】特表2006−512951(P2006−512951A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564704(P2004−564704)
【出願日】平成15年9月8日(2003.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2003/028240
【国際公開番号】WO2004/060130
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
WINDOWS
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年9月8日(2003.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2003/028240
【国際公開番号】WO2004/060130
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
WINDOWS
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】
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