説明

使用済の担持された金属触媒の再生

少なくとも2.5のイオン化定数pK1を有する有機金属錯体形成化剤で、使用済触媒を処理することを含む使用済の担持された金属触媒を再生するための方法。触媒活性は、新しい触媒の近くまたはそれ以上の活性レベルにまで回復する。再生方法は、過酸化水素の製造において、エチルアントラキノン(EAQ)を水素添加するために利用されるようなアルミナ担体上の使用済パラジウム触媒を再生するのに特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貴金属および一般に非貴金属と呼ばれる金属とを含む金属を含有する使用済の担持された金属触媒の再生に関する。金属触媒用の担体材料は、触媒担体として有効な任意の固体材料を含むことができる。本発明は、特に使用済の担持された貴金属触媒を再生するための方法に関する。特に、過酸化水素(H22)物の製造のためにエチルアントラキノン(EAQ)を水素添加するために利用されるパラジウム触媒に関する。本発明の触媒の再生された触媒活性レベルは、新しい触媒のレベルに近いかまたはそれより大きい。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2000年12月22日に提出した米国特許出願第09/745,510号の一部継続出願である。
【0003】
過酸化水素物の従来の製造は、第一に水素供与溶媒、エチルアントラキノン(EAQ)が水素添加され、次いで過酸化水素物を作成するために酸素で酸化されるという2つのステップの方法を伴う。いくつかの過酸化水素製造設備では、水素添加ステップは、アルミナ上のパラジウム触媒、または同種の触媒を用いた固定層反応装置中で行われる。一般的な触媒は、0.28〜0.33重量%のパラジウムを、アルミナ担体の疎孔(large pore)上に保持することができる。触媒の有効な耐用年数は約2年間で、それ以後、その触媒の活性は最初(新しい触媒の活性)の状態またはレベルの約30%まで低下する。この触媒の不活性化は、触媒の活性部位上でのEAQの高分子化から生成した高分子量の有機物が堆積することにより、および/またはパラジウムが、触媒上でより大きな粒子やクラスターへ、徐々に凝集することにより引き起こされると考えられている。使用済パラジウム/アルミナ触媒は、現在、可溶性物質の堆積を取り除くために、まず触媒を有機溶媒で抽出し、次にその使用済触媒を空気中で、約850°Fの温度で炭素を燃焼する制御されたステップにさらすという、単純な「ウォッシュ−バーン(wash−burn)」法を用いて再生されている。この高温再生処理は、触媒担体上で、パラジウムの大きな粒子への有害な凝集を促進させることもある。したがって、使用された触媒をその最初の活性の100%近くに戻すまでうまく再生させることは難しい。現に、単純なウォッシュ−バーン法では、使用された触媒をその最初の活性レベルの、または新しい活性レベルの約70%までしか通常回復させるにすぎない。このような「ウォッシュ−バーン」触媒再生法は、種々の米国および外国特許により開示されている。たとえば、Pineの特許文献1は、使用済の担持されたゼオライト含有触媒上で、貴金属を再分散させるための方法を開示している。Ganguliの特許文献2および特許文献3は、希酸で処理し、ついで温度のレベルを高めて炭素を燃焼除去することにより、有害な金属堆積物を除いて、使用された触媒を再生させるための方法の手段を開示している。さらに、Huangらの特許文献4も、低圧下で塩素および酸素に接触させることにより、シリカのような酸性度の低い担体上での、プラチナのような貴金属の再分散を開示している。
【0004】
本発明の概した目的は、先行技術における使用済触媒の再生方法に内在する限界を克服すること、および使用済触媒の活性を固体担体上の新しい金属触媒の活性のレベルまで、またはその近くまで回復させる方法を提供することである。また、本発明の更なる目的は、組成にかかわらず、固体に担持された使用済の金属触媒に一般的に適応できる、前述の能力を持つ再生方法を提供することである。特有の目的は、他の同種の担持された貴金属触媒と同様に、パラジウム/アルミナ触媒の活性と耐用年数を増加させることにより、過酸化水素製造プロセスの経済性を向上させることである。
【0005】
見かけの触媒反応および不活性化メカニズム、触媒担体材料の表面構造、ならびにその上のパラジウム結晶クラスターの露出の分子レベルでの解釈をもとに、使用されたパラジウム/アルミナ触媒を、これまでの「ウォッシュ−バーン」法により得られたものよりも著しく高い活性レベル(90%またはそれ以上)まで再生し、かつ向上させるために効果的な方法を開発した。この方法は、固体担体上に貴金属および非貴金属の双方を具備する触媒に適用することができ、その固体担体は、固体金属触媒に対して担体として使用できる任意の固体材料を含む。
【0006】
固体担体上の金属を含む使用済触媒を再生するために、使用済触媒を新しい触媒の活性レベルに近い活性レベルまで、もしくはそれ以上にまで回復させる方法またはプロセスが見出された。この方法は、当分野の技術者によく知られている任意の金属触媒担体との組合せに用いる、任意の金属触媒に適用できる。固体担体上の金属触媒の触媒表面上で分子レベルで発生する触媒不活性化事象のメカニズムを評価することを通じて、使用済触媒粒子が有機金属錯体形成剤とともに処理されると、使用済触媒の触媒活性を、完全にまたは大体の部分回復することができることを見出した。適切な有機金属錯体化剤は、少なくともひとつのカルボン酸基を含み、少なくとも2.5のpK1を示す、高分子化学薬品および好ましくは小さい、多官能有機分子である。一般に、好ましい試薬は、ヒドロキシル基およびアミノ基を含む他の官能基を含有する。
【0007】
使用済触媒粒子の有機金属錯体形成剤との処理が、強力な触媒再活性化を達成するために本方法に必須であるが、この処理は、使用済触媒を溶媒で洗浄したり、または乾燥させたり、そして使用済触媒を焼成するなどの他のステップを含むこともでき、一般的に有機金属錯体形成剤と処理する前に適用される。
【0008】
新しい触媒に対して、担体材料は、当分野で知られている任意の触媒担体材料を含むことができる。好ましくは、貴金属は過酸化水素の製造に用いられる。この貴金属は、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)、金(Au)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ロジウム(Rh)、レニウム(Re)、およびルテニウム(Ru)、またはそれらの組合せを含み、通常、パラジウムが好ましい。本発明は、過酸化水素(H22)物の製造のためにエチルアントラキノン(EAQ)を水素添加するために用いられるような、使用済の担持されたパラジウム(Pd)触媒を再生し、高めることに対して特に有用である。
【0009】
EAQを用いた過酸化水素の製造において、触媒はアルミナ担体上の貴金属である。アルミナは、20〜600m2/gmの表面積および50〜600Åの範囲の孔径を有し、好ましくは50〜500m2/gmの表面積および100〜400Åの範囲の孔径を有する。
本発明の使用された触媒再生方法は、次の基本ステップ:有機金属錯体を形成させるために選択された適切な有機処理剤と使用済触媒を接触させて、使用済触媒上の大きな貴金属凝集体をより小さい金属粒子へ分解すること、および、より小さい貴金属粒子を触媒担体上に再分散させること、を含む。適切な触媒処理剤は約2.5より大きいイオン化定数pK1を有するべきである。
【0010】
好ましい方法は、使用済触媒の有機金属錯体化剤との処理の前に、次の追加のステップ:溶媒抽出により使用済の担持された貴金属触媒を洗浄し、適切な有機溶媒と接触させることによって使用済触媒からプロセス汚染物および吸着された化学物質を除くこと、洗浄した使用済触媒を乾燥させ、焼成し、触媒上に残っているポリマー堆積物を除くこと、をも含む。
【0011】
使用済触媒を洗浄する方法に適した有機溶媒は、メタノールなどのアルコール、アミン、ケトン、または0〜200℃の温度および1〜50atmの圧力で、2〜8時間という洗浄条件で利用される同様な有機化合物であってもよい。好ましい溶媒による洗浄条件は、10〜100℃の温度および1〜20atmの圧力で、2〜8時間である。この方法のステップ(2)のための、適切な触媒乾燥条件および焼成条件は、この乾燥のために空気中で、100〜120℃で、1〜8時間触媒を加熱し、その後、焼成ステップのために空気中で、200〜600℃(392〜1112°F)の温度で、1〜24時間さらに加熱することである。これらの範囲内で、乾燥された触媒をより低い温度で、かつより長い時間焼成することは、経済的理由の点で通常好ましい。
【0012】
本発明において適切な有機金属錯体形成剤を、小さい多官能性の非高分子キレート形成化学物質から、またはオリゴマーもしくは高分子の多官能性キレート形成化学物質から選んでもよい。貴金属を再分散する方法に対して適切な、有機金属錯体を形成する化学処理剤は、この処理剤が少なくとも2.5のイオン化定数pK1を示す化学化合物である。
【0013】
有機金属錯体を形成する化学処理剤の例および、それらに対応するイオン化定数pK1は次のとおりであり、そのいくつかは本発明に有用である。
処理剤 pK1
シュウ酸 1.27
EDTA 2.01
クエン酸 3.13
グリコール酸 3.63
コハク酸 4.21
グリシン 9.78
サリチル酸 13.12
【0014】
1.27のpK1を有するシュウ酸と2.01のpK1を有するエチレンジアミノ四酢酸(EDTA)は目的の範囲外であり、そのため本発明に対して目的の有機金属錯体を与えるには適してない。さらに、EDTAはキレート効果によりゼオライトからアルミニウムを取り除くことが明らかにされており、そのためこの担体を不活性化することによってゼオライト担体の効力をなくさせることができる。有機金属錯体を形成するために、ならびに貴金属粒子を再分散させるために有用な反応条件は、10〜500℃の温度および1〜10atmの圧力で1〜8時間であり、好ましくは20〜450℃の温度および1〜5atmの圧力下で2〜6時間である。ほんの少量の蒸気を有する液/気相混合物を利用してもよいが、最良の結果のためには、有機処理剤をより好ましくはその液相に維持すべきである。
【0015】
本発明に基づく触媒再生方法および手順を利用することにより、アルミナ上に担持された使用済のパラジウム(Pd)触媒は、プロセス汚染物および高分子堆積物を除去するために一層よく洗浄されうること、ならびに、そのためにより多くの触媒表面および活性Pd部位をプロセス反応物にさらせることを、実験的に証明している。これまでのよく知られた「ウォッシュ−バーン」再生法によって再生された後では、新しい触媒の活性の約70%だけであるのに比較し、本発明の方法により再生された使用済の担持されたPd触媒は、少なくとも新しい触媒の活性レベルの約80%まで、そして好ましいものは93%〜103%まで著しく上昇した活性を有することを、触媒活性試験も示した。この再生方法は、エチルアントラキノン(EAQ)の水素添加による過酸化水素(H22)の製造に用いられるような、アルミナまたはシリカの担体上に堆積した0.2〜0.4重量%のパラジウムを含有する使用済の担持された触媒に対して、特に有用である。
【0016】
本発明における触媒再生方法および手順により提供される利点は、使用済の貴金属触媒から汚染物および有機堆積物を効果的に除去する能力だけでなく、触媒担体の細孔内のパラジウムのような活性な貴金属分子をばらばらにし、再分散させる能力をも含む。この新しい触媒再生方法および手順は、汚染された触媒表面を洗浄するだけでなく、触媒担体上でのパラジウムのような貴金属の露出および分散をも改善する。この再生法は、触媒活性を新しい触媒標準品の100%あるいはそれ以上に回復させることができ、その結果生じた所望の生成物と副生成物とのモル選択比率は190:1であって、新しい触媒で得られたモル選択比率(150:1)よりもよいモル選択比率である。この触媒再生手順および方法は、パラジウムの代わりの、またはパラジウムに添加した他の貴金属を含む担持された貴金属触媒の再生に有用であると考えられる。そのような使用済触媒の再生後、このプロセス反応物質は、触媒活性金属粒子との接触を向上させ、それによって触媒の活性および生成物選択性を高める。
【0017】
【特許文献1】米国特許第4,148,750号明細書
【特許文献2】米国特許第4,454,240号明細書
【特許文献3】米国特許第4,595,666号明細書
【特許文献4】米国特許第5,188,996号明細書
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
概して、本発明は、使用済の担持された金属触媒の再活性化または再生に関する。この方法は金属錯体化剤の使用に基づいており、この金属錯体化剤は、担持された触媒の触媒性金属成分と有機金属錯体を形成する能力を有する有機化合物である。これらの錯体を形成することにより、金属錯体化剤は、担持された使用済触媒の触媒性金属成分に触媒担体の表面上での再配列を起こさせる。
【0019】
この再配列プロセスの有用性は、使用済(不活性化)触媒の一般的な物理構造に由来する。たびたび、担持された触媒の活性金属成分は、新しい触媒に対してはもとは大きさが小さかった金属粒子が不活性化された触媒に対してはより大きくなるように凝集または焼固を使用中に受けている。これにより、活性を有する表面積が低下し、相当する活性が失われる。
【0020】
本発明において、この再生方法は、失われた活性の大部分または全てを回復させることが出来る。有機金属錯体を形成するプロセスにおいて、担体表面上の大きな金属粒子は分解される。その金属は、より小さな粒子として、もとの新しい触媒中の粒子よりもより小さい粒子と共に再堆積または再配列される。これにより、少なくともこのもとの触媒活性の多くの割合の活性レベルまで、そして時には新しい触媒の触媒活性と同等またはそれ以上のレベルまで、触媒活性を回復させることができる。
【0021】
本発明が関連する親出願において、貴金属はプラチナ、パラジウム、金、オスミウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、およびそれらの組合せであり、そして触媒に対する担体がアルミナである、担持された貴金属触媒を再生する方法の発明の使用が開示された。本明細書で開示されるとおり、この再生方法は、以下のように他の触媒や担体材料に対して有用であることが見出された。
【0022】
A.適用可能な触媒および担体材料
1.再生方法は、固体担体が触媒担体として有用な任意の固体材料を含む、担持された触媒に対して有用である。この担体は、多孔質でも非孔質であってもよい。それは、構造化されたパッキングなどのような、環状、鞍状、もしくは他の形状のような制御された形状の形態か、または、複雑な表面の整然とした幾何学的な配列の使用を含む蒸留用および他相接触用の装置に、一般に用いられる構造化されたパッキングを含むようなより大きな構造物の形態であってもよい、いわゆる構造化された材料(structured materials)の形態で使用することができる。担体は、フィルム、膜、コーティング、または他の主として2次元の構造の形態であってもよい。また、担体は主として球状粒子(すなわちビーズ)の形態であってもよい。
【0023】
触媒担体は、これらに限定されるものではないが、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、キースラガー、珪藻土、ベントナイト、粘土、酸化ジルコニウム、マグネシアを含む酸化物を、種々の他の金属酸化物と同様に、単独でまたは組合せて含むことができる。また、それらは、規則正しい多孔質構造を有し、総称してゼオライトとして知られる多孔質の固体類も含む。触媒担体は、限定されるものではないが、カーボンブラック、活性炭、グラファイト、フッ素化炭素(fluoridated carbon)、および類似のもの、またはそれらの組合せを含む炭素ベース材料を含んでもよい。触媒担体は、燃料電池の電極に用いられるような高分子膜と、イオン交換樹脂もしくは吸着剤として用いられる高分子または樹脂粒子とを含む高分子のような有機固体物を含むことができる。触媒担体は、金属または金属合金を含んでもよい。
【0024】
2.この再生方法は、担持された触媒粒子が貴金属を含み、この貴金属がプラチナ、パラジウム、レニウム、金、オスミウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、およびそれらの組合せでありうる、使用済の担持された金属触媒の再生に有用である。
【0025】
3.この再生方法は、担持された触媒粒子が、全体にまたは一部に、貴金属以外の触媒成分を含む使用済の担持された触媒の再生に有用である。これらは、限定されるものではないが、ニッケル、銅、鉄、コバルト、亜鉛、銀、クロム、バナジウム、チタン、モリブデン、タングステン、マンガン、スカンジウム、またはそれらの組合せを含む触媒性金属を含むことができる。それらは、限定されるものではないが、アルミニウム、ガリウム、インジウム、スズ、アンチモン、鉛、ビスマス、またはそれらの組合せを含む他の(非遷移)金属を含んでもよい。それらは、限定されるものではないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、ベリリウム、カルシウム、マグネシウム、もしくはそれらの組合せを含むアルカリまたはアルカリ土類金属を含むことができる。それらは、限定されるものではないが、ランタン、セリウム、もしくはそれらの組合せを含む希土類金属(ランタニドまたはアクチニド)を含んでもよい。それらは、限定されるものではないが、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、りん、ケイ素、硫黄、塩素、ゲルマニウム、砒素、セレン、臭素、テルル、ヨウ素、又はそれらの組合せを含む非金属または半金属を含むことができる。
【0026】
B.錯体化剤を使っての再生方法
本発明の触媒再生に必要な方法は、使用済または使用された触媒を錯体形成剤と接触させることである。錯体形成剤は、使用済触媒の担持された触媒成分と錯体を形成する能力により定義される化合物である。担持された触媒性材料が一種または複数の金属から主として構成される触媒の場合、好ましい錯体化剤は、キレートと呼ばれる強い有機金属錯体を形成する能力のあるキレート剤である。
【0027】
錯体化剤は担体の表面上の触媒性粒子を分解し、そして、この触媒成分を再分散または再配列して、より小さな触媒性粒子によって特徴付けられる新しい担持された触媒構造を形成する。必須ではないが、これらの小さな粒子はより均質な大きさであってもよく、及び/または使用済触媒上により均質に分散されてもよい。
【0028】
有用な錯体化剤は、限定されるものではないが、以下のものを含む:
a.グリコール酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、グリシン、サリチル酸、イソフタル酸、2−アミノ安息香酸と、類似するものを含む一塩基、二塩基、三塩基脂肪族のおよび芳香族のカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸、有機スルホン酸、並びにそれらの塩、
b.ポリアクリレートおよびメタクリレート、ポリ安息香酸ビニル、ポリビニル硫酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビフェノールカルボネート(polybiphenol carbonates)、ポリベンズイミダゾール、ポリビニルピロリドン、ポリピリジン、と、類似するものを含むポリマーならびにコポリマー、
c.エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N−(ヒドロキシエチル)−エチレンジアミノ三酢酸(HEDTA)と、類似するものを含む脂肪族のおよび芳香族のアミノ化合物、ならびにこれらの塩、
d.アミノトリ(メチランホスホン酸)(ATMP)、1−ヒドロキシ−1,1ジホスホン酸(HEDP)、ジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン)酸、およびこれらに類するものを含む、ソルティア(Solutia)からDequestブランドで市販されているようなホスホネート化合物、並びにそれらの塩。
【0029】
使用済の担持された触媒性金属の有機金属錯体を形成するためのプロセス条件は、0〜500℃の温度、および錯体化剤に対する使用済の触媒性金属粒子のモル比が1:100から100:1であることを含む。好ましい操作条件は、大気圧下で、50〜500℃の温度を含む。使用済の触媒性金属粒子は、有機錯体化剤とともに処理され、その錯体化剤は、水、またはメタノール、グリコール酸、および酢酸のような他の溶媒、または有機金属錯体化剤を溶解することができる任意の溶媒に、好ましくは溶解されている。処理時間は、好ましくは約5時間であり、または1時間から10時間の間である。処理につづき、再生された触媒は、通常の手法により残存する錯体化剤から分離される。再生された触媒は回収され、それ以上の処理をせずに、この触媒プロセス中に直接用いてもよい。例えばEAQ水素添加のような再生された担持金属触媒が使われるプロセスの化学的性質によって、再生された触媒の有機錯体化剤の混合物から分離せずに、再生された触媒をそのプロセスで使用することができる。
【0030】
任意選択的に、錯体化剤で処理するステップの前または後のいずれかに、使用済触媒を他の処理ステップにかけてもよい。これらの他のステップは、限定されるものではないが、液状溶媒を用いた洗浄、ろ過、乾燥、焼成、若しくは還元、又はこれらの組合せを含むことができる。
【0031】
この発明の使用済の担持された金属触媒粒子を再生する方法は、大きな触媒粒子のクラスターを分解するために十分な条件下で、触媒上に有機金属錯体を形成させるための適切な有機処理剤と使用済粒子を接触させることを含み、それによって得られたより小さな粒子は有機金属錯体形成剤と接触することにより担持材料の細孔中に再分散される。有機金属錯体化剤は、好ましくは2.5より大きいイオン化定数pK1を有する。適切な処理剤の接触条件は、10〜500℃の温度で、1〜10atmの圧力下で、2〜8時間である。
【0032】
アルミナ担体上のパラジウム(Pd)触媒のような使用済の担持された貴金属触媒のために開発された、触媒全般の再生方法および手順は、以下の特定のステップ:0〜200℃の温度および1〜50atmの圧力で、メタノールのような選択された液体洗浄溶媒と接触させることにより、有機堆積物を有する使用済の担持されたPd触媒を洗浄して、触媒から有機堆積物を溶かして実質的に取り除くこと、100〜120℃の温度で1〜8時間の間、使用済触媒を乾燥させて、触媒から洗浄溶媒を除くこと、空気中において200〜600℃の温度で1〜24時間の間、洗浄された触媒を焼成して、残存している有機堆積物を触媒から除くこと、触媒上で有機金属錯体を形成するために選ばれた適切な有機処理剤を吸着し、そして、3.63のイオン化定数pK1を有するグリコール酸のような、有機金属錯体形成化剤の液体および蒸気と接触させることにより、大きなPd粒子のクラスターを分解し、そして得られたより小さなパラジウム粒子を担持材料の細孔中に再配置または再分散すること、を含んでもよい。
【0033】
エチルアントラキノン(EAQ)から過酸化水素物を製造するためにアルミナ上の担持されたパラジウム触媒を利用する場合、中間体EAQ:H2二量体分子の臨界直径(critical diameter)は、約120Åである。したがって、触媒上の吸着部位から反応物二量体の自由な移動を可能にするような、アルミナ担体の理想的な孔径は、少なくとも二量体分子の約1.5倍、好ましくは約2.0倍であり、すなわち少なくとも180Å、好ましくは240Åであるべきだ。使用済触媒の再生中に、約180Åより小さい径を有する細孔からPd粒子のクラスターを分解し、そして約180Åより大きな径を持つ細孔中に、得られたより小さなパラジウム粒子が再配置されることが望ましい。また、約180Åより小さな大きさを有する触媒細孔中に、パラジウム粒子が堆積することを避けることも望ましい。したがって、この使用済パラジウム触媒の再生方法のためには、約180Åよりも小さい細孔から、180Åよりも大きい、好ましくは240Åよりも大きい細孔中へパラジウム粒子を再配置することが望ましい。
【0034】
過酸化水素を製造するためのエチルアントラキノン(EAQ)の水素添加中における使用済の担持されたPd触媒の不活性化に関する4つの主な原因は、(1)プロセス供給物または溶媒中の毒作用化学物質によるPd触媒の汚染、(2)活性Pd部位を妨げる骸炭の堆積または大きなポリマー分子の形成、(3)クラスターを形成するPd粒子の凝集、および(4)触媒からのPdの溶出である。触媒不活性化に関する最初の3つの原因は、再生により少なくとも部分的には元に戻すことができるが、溶出によるPdの損失は元に戻すことができない。触媒からパラジウムが失われた後は、再生後のパラジウム粒子の大きさが新しい触媒のパラジウム粒子の大きさよりも小さくなければ、触媒活性をその初期のまたはもとのレベル近くまで回復させることはできない。
【0035】
実験データは、いくつかの触媒不活性化が最初の3つに列記した原因のためであることを示していた。反応機構、触媒構造および不活性化の理論的解釈は、担持されたパラジウム触媒のような、使用されたまたは使用済の担持された貴金属触媒用にこの改良された触媒再生方法および手順を設計するための基礎を提供する。高い活性および高い生成物選択性の状態まで使用済触媒を再生するために、この再生方法は、好ましくは以下の要件:使用済Pd触媒の表面を溶媒で洗浄して、その汚染物および有機堆積物を実質的に除くこと、触媒上の大きなPd粒子のクラスターをより小さな粒子に分解すること、そして小さい細孔から約180Åよりも大きな径を有する細孔へ、このより小さなPd粒子を再配置すること、を達成すべきである。
【0036】
実験結果は、最初の2つの目的が達成されたことを示している。そして、再生された触媒の活性および選択性の結果が、Pdが触媒担体上の所望の形態に再分散または再配置されたとを示すとおり、3番目の目的も達成されたと思われる。理論的考察は本発明の範囲を限定するものではないが、グリコール酸のような適切な有機金属錯体形成剤および再分散剤を用いた場合、Pd粒子に対して以下の作用が発生したと思われる。(1)Pdクラスターとグリコール酸処理剤との間の反応は、大きなPdクラスターをより小さなクラスターおよび粒子に分解する。(2)グリコール酸試剤は、パラジウム粒子間に入り込むことを助け、そのため担体上のこれらの金属粒子がさらに分散することを可能とする。(3)グリコール酸処理剤は、180Åより小さい細孔に入り、Pdと反応することもできる。より多くのPd−グリコール酸錯体が形成されると、その細孔はすべての錯体を保持するには小さすぎ、Pd−グリコール酸材料は、180Åより小さい細孔の外へ順次追い出される。これらのPd−グリコール酸がより大きな細孔中へ移動した後、いくつかのPd−グリコール酸は、水素結合によって相互に結合して、大きなPd−グリコール酸クラスターを形成し、そして、この作用により、180Åより小さい細孔中にPdが堆積することが妨げられる。
【0037】
新しい担持されたパラジウム(Pd)触媒、使用済の担持されたパラジウム(Pd)触媒、および本発明に従い再生された触媒の一般的な表面を、図1(a)から1(d)に図示する。図1(a)に見られるように、新しい触媒の表面はクリーンであり、そして、粒子サイズを制御していない従来型の触媒調製方法が原因で、Pd粒子は小さな細孔にも大きな細孔にも不規則に堆積されている。使用された、または使用済の担持された貴金属触媒については(図1b)、反応条件下で触媒を長期間暴露したことが原因で、Pd粒子は凝集して、より大きなクラスターを形成し、それによって触媒の小さな細孔を少なくとも部分的にブロックした。有機堆積物は、Pd表面およびアルミナ担体上にも形成され、そして、より多くの小さな細孔をブロックすることができる。これらの作用は、触媒活性、表面積、および約200Åよりも小さい細孔の露出する割合を著しく減少させる。
【0038】
約450℃(824°F)の温度で数時間加熱することを含む従来型の触媒再生法は、触媒表面を洗浄することが可能である(図1c)。しかしながら、そのような触媒加熱中のPdの焼結が、担体の多くの小さな細孔の入り口をブロックするより大きな粒子を形成する。大きなPd粒子の表面露出度が低いことは、活性Pdへの反応物の接近を制限する結果となり、そのため新しい触媒標準品よりも活性の低い触媒をもたらす。図1dは、細孔の詰り物が減少または除去されて、表面の露出度が新しい触媒の表面に近い露出度に回復した、再生後の触媒表面の状態を描写している。
【0039】
本発明は、以下の実施例に言及して更に説明されることになるが、本発明の保護範囲を限定するように解釈すべきではない。
【実施例1】
【0040】
過酸化水素(H22)物を製造するためのエチルアントラキノン(EAQ)の水素添加に対して拡張されたオペレーションから得られたアルミナ上に担持された使用済パラジウム(Pd)触媒の試料は、この発明の方法を用いて再生された。この使用済触媒は、アルミナ担体上に0.2〜0.4重量%のパラジウムを含有していた。使用済触媒は、はじめに25℃および雰囲気圧下で、3.3時間メタノール溶媒に接触させ、そして30分(0.5時間)ごとに3回、新しいメタノールに取り替えられた。さらに、洗浄した触媒を空気中において110℃で2時間乾燥させ、次いで、空気中において400℃で4時間焼成させた。焼成させた触媒を、さらに400℃および雰囲気圧下で、グリコール酸試薬と3時間処理した。この手順により再生された使用済触媒に関して得られた結果を表1に示し、図1(d)に図示した。
【0041】
【表1】

【0042】
上記の結果より、触媒がメタノール溶媒で洗浄され、グリコール酸処理剤と接触させることにより再生された後では、その表面積は、新しい触媒の標準品の表面積(82.6m2/g)よりも、望ましい大きい88.1m2/gまで増加したということが認められた。また、240Åより小さい細孔の割合も、使用済触媒に対する9.5%から13.5%にまで増加した。これらの結果は、この発明の触媒再生方法が、使用済触媒から有機堆積物を全て取り除くばかりでなく、担体中の小さな細孔の詰り物も取り除くことを示しており、このことは、使用済触媒上の大きなPd粒子が、再生された触媒については小さな粒子に分解されることを意味している。さらに、表面積の増加は、このPdの粒径が新しい標準品の粒径より小さく、かつこの粒子は主としてより大きな細孔中に堆積することを示しており、そうでなければ触媒表面積は著しく増加してはいないはずである。これらの説明は、触媒の活性および選択性の試験の結果により十分に支持されている。
【0043】
本発明の方法により再生された使用済触媒は、新しい触媒の標準品の100%に近い、またはそれを超える活性を持つ。使用済触媒は何年も使用されてきたため、担体からのPdのいくらかの消耗は避けられないが、この新規触媒再生法は、その活性を新しい標準品の活性の100%近く、またはそれ以上にまで回復させた。この結果は、Pd活性金属は、再生触媒に対してより効果的に使用されているということ、例えばPdが触媒表面上において、より小さい粒径で、かつ方法の反応物が接触しやすい位置に、すなわち約240Åより大きい径の細孔の中に曝されていることを示している。
【0044】
また、触媒再生後において、副生成物に対する所望の水素添加生成物のモル比(190:1)も新しい触媒の標準品に対するモル比(150:1)を上回っていた。この高い選択性は、明らかに240Åより大きい細孔中に堆積したPdの効果である。上記に論じたとおり、EAQ:H2二量体の過剰な水素添加反応と望ましくない生成物EAQ:H4の形成を避けるためには、EAQ:H2が吸着部位にとどまる時間を最小限にし、この中間体ができる限り早く除去されなければならない。EAQ:H2二量体中間体の臨界直径は、約120Åである。理想的には、240Åより小さい径を有し、そして、その中では二量体の自由運動が制限され、過剰な水素添加反応が避けられない触媒細孔中へのPdの堆積は避けなければならない。
【0045】
本発明は広く記載されており、特定の好ましい態様に関しても説明しているが、以下の請求の範囲内として定義された本発明に対しては、修正や変更を加えてもよいことが理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1a】担持された新しいパラジウム触媒に対する担持体の細孔中におけるパラジウムのような貴金属の一般的な堆積を示す概略図。
【図1b】使用済の担持されたパラジウム触媒に対する担持体の細孔中におけるパラジウムのような貴金属の一般的な堆積を示す概略図。
【図1c】850°Fで燃焼後の担持されたパラジウム触媒に対する担持体の細孔中におけるパラジウムのような貴金属の一般的な堆積を示す概略図。
【図1d】再生された担持されたパラジウム触媒に対する担持体の細孔中におけるパラジウムのような貴金属の一般的な堆積を示す概略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済の担持された金属触媒を再生させるのに十分な条件下で、少なくとも2.5のpK1を有する少なくとも一つの有機金属錯体化剤と使用済触媒を接触させることを含むことを特徴とする使用済の担持された金属触媒粒子を再生する方法。
【請求項2】
前記担持された金属触媒は、担持されたパラジウム、プラチナ、レニウム、金、オスミウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、およびそれらの組合せからなる群から選択される貴金属触媒を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記担持された金属触媒は、ニッケル、銅、鉄、コバルト、亜鉛、銀、クロム、バナジウム、チタン、モリブデン、タングステン、マンガン、スカンジウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、スズ、アンチモン、鉛、ビスマス、ナトリウム、カリウム、リチウム、ベリリウム、カルシウム、マグネシウム、ランタン、セリウム、およびそれらの組合せからなる群から選択される金属を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属は、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、リン、ケイ素、硫黄、塩素、ゲルマニウム、砒素、セレン、臭素、テルル、ヨウ素、およびそれらの組合せからなる群から選択される非金属ならびに半金属をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記担体は、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、キースラガー、珪藻土、ベントナイト、粘土、酸化ジルコニウム、マグネシア、ゼオライト、カーボンブラック、活性炭、グラファイト、フッ素化炭素、有機ポリマー、金属、金属合金、およびそれらの組合せからなる群から選択される多孔質ならびに非孔質担体を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記有機金属錯体化剤は、有機キレート化剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記キレート化剤は、脂肪族のもしくは芳香族の一塩基、二塩基、および/または三塩基カルボン酸を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記脂肪族のもしくは芳香族の一塩基、二塩基、および/または三塩基カルボン酸は、グリコール酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、グリシン、サリチル酸、イソフタル酸、2−アミノ安息香酸、ならびにそれらの塩からなる群から選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記キレート化剤は、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、ポリ安息香酸ビニル、ポリビニル硫酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビフェノールカルボネート、ポリベンズイミダゾール、ポリビニルピロリドン、ならびにポリピリジンからなる群から選択されるポリマーを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記キレート化剤は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N−(ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、類似するもの、およびそれらの塩を含む、脂肪族のならびに芳香族のアミノ化合物を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記キレート化剤は、アミノトリ(メチランホスホン酸)(ATMP)、1−ヒドロキシ−1,1ジホスホン酸(HEDP)、ジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン)酸、およびそれらの塩を含むホスホネート化合物を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記有機金属錯体化剤は、一種または複数の酸基を含有する有機キレート化剤および/または高分子キレート化剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記の有機金属錯体化剤と接触させる前に、使用済触媒を洗浄し、乾燥させ、そして焼成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記条件は、0〜400℃の温度で0〜10atmの圧力であることを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記条件は、1〜8時間の処理時間を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
使用済の担持された金属触媒粒子を再生する方法であって、
a)空気中で使用済触媒を焼成すること、および
b)焼成された触媒を少なくとも一つの有機金属錯体化剤と接触させること、
を含み、それにより使用済触媒が新しい触媒の活性の90〜103%の触媒活性レベルまで再生されることを特徴とする方法。
【請求項17】
焼成前に、溶媒との接触で使用済触媒を洗浄するステップをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記使用済触媒は、10〜100℃の温度および1〜20atmの圧力で、担持された触媒粒子の表面を洗浄するのに十分な時間洗浄されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記使用済触媒は、空気中において、350〜500℃の温度で、2〜10時間焼成されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記焼成された触媒は、20〜400℃の温度および1〜5atmで、触媒を再生するのに十分な時間、少なくとも一つの有機金属錯体化剤と接触していることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記有機金属錯体化剤は、少なくとも2.5のpK1を有することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記担持された金属触媒は、担持されたパラジウム、プラチナ、レニウム、金、オスミウム、イリジニウム、ロジウム、ルテニウム、およびそれらの組合せからなる群から選択される貴金属触媒を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記有機金属錯体化剤は、脂肪族のならびに芳香族の一塩基、二塩基、および/または三塩基カルボン酸、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ安息香酸ビニル、ポリビニル硫酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビフェノールカルボネート、ポリベンズイミダゾール、ポリビニルピロリドン、ポリピリジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N−(ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、アミノトリ(メチランホスホン酸)(ATMP)、1−ヒドロキシ−1,1ジホスホン酸(HEDP)、ジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン)酸、それらの塩、およびそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記触媒担体は、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、キースラガー、珪藻土、ベントナイト、粘土、酸化ジルコニウム、マグネシア、ゼオライト、カーボンブラック、活性炭、グラファイト、フッ素化炭素、有機ポリマー、金属、金属合金、およびそれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項16に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【公表番号】特表2006−511334(P2006−511334A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564635(P2004−564635)
【出願日】平成15年3月25日(2003.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2003/009216
【国際公開番号】WO2004/060553
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(504226102)ハイドロカーボン テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【出願人】(504226135)
【出願人】(504226157)
【Fターム(参考)】