使用者の顔に装着されるマスク
【課題】シートと使用者の顔とで形成される内部空間の密閉性を向上できるマスクを提供すること。
【解決手段】マスク1は、一端縁11で互いに接合される平板状の一対のシート10と、シート10の他側縁12から延出する平板状且つ略半円弧形状の一対の耳掛け部20と、を備える。シート10の一端縁11は、略円弧状に形成され、使用者の顔に装着された状態では、耳掛け部20は、各々、使用者の耳に掛けられ、シート10は、一端縁11側で使用者の鼻及び顎に係止され且つ他側縁12側で使用者の頬骨に係止されるとともに、使用者の口唇を所定距離離れて覆う。マスク1は、シート10の使用者の鼻に係止される部分13から延出する平板状の一対の延出部30を更に備え、使用者の顔に装着された状態では、延出部30は、各々、使用者の顔を、鼻から頬骨に亘って覆う。
【解決手段】マスク1は、一端縁11で互いに接合される平板状の一対のシート10と、シート10の他側縁12から延出する平板状且つ略半円弧形状の一対の耳掛け部20と、を備える。シート10の一端縁11は、略円弧状に形成され、使用者の顔に装着された状態では、耳掛け部20は、各々、使用者の耳に掛けられ、シート10は、一端縁11側で使用者の鼻及び顎に係止され且つ他側縁12側で使用者の頬骨に係止されるとともに、使用者の口唇を所定距離離れて覆う。マスク1は、シート10の使用者の鼻に係止される部分13から延出する平板状の一対の延出部30を更に備え、使用者の顔に装着された状態では、延出部30は、各々、使用者の顔を、鼻から頬骨に亘って覆う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の顔に装着されるマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、使用者の顔に装着されるマスク、とりわけ超立体マスクと称されるマスクとして、以下のような構成が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
図8は、従来例に係るマスク100の平面図である。図9は、図8のマスク100の立体状態を示す斜視図である。
マスク100は、一端縁111で互いに接合される平板状の一対のシート110と、これらシート110の他端縁112から延出する平板状且つ略半円弧形状の一対の耳掛け部120と、を備える。このシート110の一端縁111は、シート110の他端縁112とは反対側に膨出する略円弧状である。
【0004】
図10は、図9のマスク100を使用者の顔に装着した状態を示す斜視図である。図11は、図10の上面を示す平面図である。
マスク100が使用者の顔に装着された状態では、耳掛け部120は、各々、使用者の耳に掛けられ、シート110は、一端縁111側で使用者の鼻及び顎に係止され且つ他端縁112側で使用者の頬骨に係止される。
【0005】
ここで、このマスク100によれば、シート110の一端縁111を略円弧状に形成したので、シート110が使用者の鼻及び顎に係止されて使用者の口唇を所定距離離れて覆う。これにより、使用者の口許にシート110が当接しないから、使用者は快適に呼吸や会話等を行うことができ、口紅やリップクリーム等がマスクに付着してしまうという事態の発生を抑制できる。
【0006】
また、シート110及び耳掛け部120を平板状に構成したので、使用者の顔に装着されていない状態では嵩張らないから、快適に携帯できる。
【特許文献1】特開平7−275384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このマスク100によれば、使用者の顔に装着された状態では、一端縁111側で使用者の鼻に係止され且つ他端縁112側で使用者の頬骨に係止されるので、次のような問題がある。
使用者の鼻及び頬骨が、一般に、これら鼻と頬骨との間に介在する部位に比べて、相対的に隆起しているため、鼻及び頬骨に係止されたシート110は、鼻と頬骨との間に介在する部位から離隔される(図11の離隔部位200)。このため、シート110と使用者の顔とで形成される内部空間を充分に密閉できない。
【0008】
しかも、上述したシート110と、鼻と頬骨との間に介在する部位と、の間から、高湿度の呼気が漏出するために、例えば、使用者の着用する眼鏡が曇りやすいといった問題もある。
【0009】
そこで、本発明は、シートと使用者の顔とで形成される内部空間の密閉性を向上できるマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、シートの使用者の鼻に係止される部分から延出する延出部を設けることによって、使用者の鼻から頬骨に亘って顔を覆うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0012】
(1) 一端縁で互いに接合される平板状の一対のシートと、これらシートの他側縁から延出する平板状且つ略半円弧形状の一対の耳掛け部と、を備え、
前記シートの一端縁は、前記シートの他端縁とは反対側に延出する略円弧状である顔装着用のマスクであって、
前記シートの一端縁の一端から前記他端縁の一端に亘って延出する平板状の一対の延出部を更に備えることを特徴とするマスク。
【0013】
(1)の発明によれば、マスクが使用者の顔に装着された状態では、耳掛け部の各々は使用者の耳に掛けられ、シートは、一端縁側で使用者の鼻及び顎に係止され且つ他端縁側で使用者の頬骨に係止される。また、シートの一端縁を略円弧状に形成したので、使用者の顔に装着された状態では、使用者の鼻及び顎に係止されて使用者の口唇を所定距離離れて覆う。
【0014】
ここで、シートの一端縁の一端から他端縁の一端に亘って延出する一対の延出部を更に設けたので、上記一端縁の一端を使用者の鼻に係止させると、これら延出部の各々が、使用者の鼻から頬骨に亘って顔を覆う。これにより、延出部が鼻から頬骨に亘って顔に当接するから、シートと使用者の顔とで形成される内部空間の密閉性を向上できる。
【0015】
しかも、シート、耳掛け部、及び延出部を総て平板状に構成したので、使用者の顔に装着されていない状態では嵩張らないから、快適に携帯できる。
【0016】
また、延出部が鼻から頬骨に亘って顔に当接するので、シートと、鼻と頬骨との間に介在する部位と、の間からの呼気の漏出という従来の問題を解決できる。このため、例えば、使用者の着用する眼鏡が曇るといった事態の発生を抑制できる。
【0017】
(2) 前記延出部の外周は、前記延出部が延出する延出方向に凸の少なくとも1つの曲線を含む(1)記載のマスク。
【0018】
延出方向に尖形部や角部等を有する形状に延出部を構成すると、マスクが顔に装着された際、この角部が顔表面に点接触して触突するために、使用者に不快感を与える場合がある。
ここで、(2)の発明によれば、延出部の外周を、延出方向に凸の少なくとも1つの曲線を含む構成としたので、マスクが顔に装着された際、延出部外周の曲線部分が顔表面に線接触するため、使用者に与える不快感を軽減できる。
【0019】
また、延出方向に点接触部位(例えば、尖形部、角部)を形成しない限りにおいて、延出部の外周が複数の曲線を含む構成でもよい。複数の曲線を適宜組み合わせることで、多様な形状の延出部を構成でき、例えば、外観上の美感や興趣に優れた形状の延出部とすることもできる。
【0020】
ここで、「延出方向」とは、マスクの装着状態で換言すれば、使用者の顔の上部方向に相当する。
【0021】
(3) 前記延出部の外周は、前記延出方向の反対方向である反延出方向に凸の曲線を更に含み、この反延出方向に凸の曲線と、前記延出方向に凸の曲線と、が滑らかに連結された形状である(2)記載のマスク。
【0022】
(3)の発明によれば、延出部の外周を、反延出方向に凸の曲線と延出方向に凸の曲線とが滑らかに連結された形状としたので、マスクが顔に装着された際、延出部が顔表面に線接触するため、使用者に与える不快感を軽減できる。
【0023】
また、反延出方向に凸の曲線を含んで構成できるので、更に多様な形状の延出部を構成でき、例えば、外観上の美感や興趣に更に優れた形状の延出部とすることもできる。
【0024】
ここで、「滑らかに連結された」とは、曲率が連続的に変化するように連結されたことを指し、具体的には、連結された部分に尖形部や角部等が形成されないよう連結されたことを指す。
【0025】
なお、反延出方向に凸の曲線同士が連結されると、延出方向に尖形部が形成されるため、好ましくない。
【0026】
(4)前記延出部は、前記シートの一端縁の一端から前記他端縁の一端に亘って延出するよう、前記シートに接合されている(1)から(3)いずれか記載のマスク。
【0027】
延出部が当接する部位は、一般に、目の縁に近傍する敏感な部位であるため、延出部には、シートと異なる特性(例えば、柔軟性に優れる)が求められる場合がある。
そこで、(4)の発明によれば、延出部をシートと別体としたので、シートと異なる所望の特性を与える形状や組成の延出部を作製できる。ただし、必ずしも、延出部がシートと異なる特性を備えるものである必要はない。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、シートの一端縁の一端から他端縁の一端に亘って延出する一対の延出部を更に設けたので、上記一端縁の一端を使用者の鼻に係止させると、これら延出部の各々が、使用者の鼻から頬骨に亘って顔を覆う。これにより、延出部が鼻から頬骨に亘って顔に当接するから、シートと使用者の顔とで形成される内部空間の密閉性を向上できる。
しかも、シート、耳掛け部、及び延出部を総て平板状に構成したので、使用者の顔に装着されていない状態では嵩張らないから、快適に携帯できる。
また、延出部が鼻から頬骨に亘って顔に当接するので、シートと、鼻と頬骨との間に介在する部位と、の間からの呼気の漏出という従来の問題を解決できる。このため、例えば、使用者の着用する眼鏡が曇るといった事態の発生を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態以外の各実施形態の説明において、第1実施形態と共通するものについては、同一符号を付し、その説明を省略若しくは簡略化する。
【0030】
<第1実施形態>
[全体構成]
図1は本発明の第1実施形態に係るマスク1の平面図である。図2は、図1のマスク1の立体状態を示す斜視図である。
【0031】
マスク1は、一端縁11で互いに接合される平板状の一対のシート10と、これらシート10の他端縁12から延出する平板状且つ略半円弧形状の一対の耳掛け部20と、を備える。シート10の一端縁11は、シート10の他端縁12とは反対側に延出する略円弧状である。
【0032】
耳掛け部20の各々は、本実施形態では、他端縁12でシート10の各々に接合され、この他端縁12から延出している。シート10と耳掛け部20との接合部位15が高剛性となるから、シート10からの耳掛け部20の垂れ下がりが抑制され、耳掛け部20同士の絡み合いを抑制できる。
また、シート10と耳掛け部20との接合を溶着によって行う場合、外側表面の繊維を溶融させることが好ましい。これにより、接合部位の外表面が平滑となるため、例えば、マスクを携帯するとき、重畳されたマスク同士が絡み合うことを抑制できる。
【0033】
ただし、耳掛け部20は、他端縁12から延出していれば、シート10の一部分として一体的に構成してもよい。
【0034】
マスク1は、シート10の使用者の鼻に係止される部分13(一端縁11の一端)から他端縁12の一端に亘って延出する平板状の一対の延出部30を更に備える。延出部30の外周は、延出方向に凸の曲線31と、反延出方向に凸の曲線32と、が滑らかに連結された形状である。
延出部30は、本実施形態では、シート10の一部分として一体的に構成されている。
【0035】
〔シート〕
シート10は、熱可塑性を有し、特に限定されないが、熱可塑性合成繊維を含有する不織布で構成される。これにより、耳掛け部20は、他端縁12でシート10と熱融着される。
【0036】
シート10は、例えば、ポリエチレン/ポリプロピレンの芯鞘繊維、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートの芯鞘繊維で、スルーエア法、ポイントボンド法等により作製され、目付けが50g/m2以上100g/m2以下である。なお、剛軟度は、JIS L1096:1999一般織物試験方法の8.91.1に記載された剛軟性A法(45度カンチレバー法)により、測定される。
このシート10は、後述するカンチレバー法によって測定される剛軟度が、100mm以上200mm以下である。このようなシート10は、顔に装着された状態における立体形状が保持される点で、好ましい。
【0037】
また、シート10は、顔に装着された状態における立体形状がより保持される点で、少なくとも耳掛け部20より低伸縮性に構成されることが好ましい。ここで、良好な肌触り感を損なわないよう、適度の柔軟性を有することが好ましい。
【0038】
例えば、シートの外表面に、繊維が相対的に密である凹部が間欠的に設けられた構成が挙げられる。この構成によれば、凹部は繊維が相対的に密であるため、この凹部を設けたことでシートの伸縮性が低下する。一方、間欠的に設けられた各凹部の間には、柔軟性が保持された部位が介在するため、適度の柔軟性を有する。
【0039】
〔耳掛け部〕
耳掛け部20は、熱可塑性を有し、特に限定されないが、例えば、熱可塑性合成繊維を含有する不織布で構成される。これにより、耳掛け部20は、他端縁12でシート10と熱融着される。
【0040】
また、耳掛け部20は、使用者の耳に痛みを与える事態を抑制できる点で、弾性伸縮可能に構成されることが好ましい。
このような耳掛け部としては、例えば、非弾性的に伸長可能な伸長性繊維からなる伸長層(例えば、プロピレン連続繊維が互いに溶着された不織布)と、弾性伸縮可能な弾性伸縮性繊維からなる弾性層(例えば、熱可塑性合成繊維のエラストマーやウレタン等からなる弾性糸を使用した不織布)と、が積層された構成が挙げられる。
【0041】
〔延出部〕
延出部30は、本実施形態では、シート10と一体で構成されているため、シート10と同様の構成である。
【0042】
延出部30の面積は、小さすぎると、延出部30が使用者の鼻から頬骨に亘って顔に当接できない場合がある一方、大きすぎると、例えば延出部30が使用者の目まで覆ってしまう場合があることから、5cm2以上20cm2以下であることが好ましい。より好ましくは、7cm2以上15cm2以下である。
【0043】
[使用方法]
図3は、図2のマスク1を使用者の顔に装着した状態を示す斜視図である。図4は、図3の上面を示す平面図である。
【0044】
マスク1は、以下のようにして、使用者の顔に装着される。
まず、シート10は、一端縁11側で使用者の鼻及び顎に係止され、且つ、他端縁12側で使用者の頬骨に係止される。これに伴って、シート10は、使用者の口唇を所定距離離れて覆う。
延出部30の各々は、部分13から延出し、鼻から頬骨に亘って顔を覆う。
そして、耳掛け部20が、各々、使用者の耳に掛けられることで、マスク1は使用者の顔に装着される。
【0045】
本実施形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
(A)シート10の使用者の鼻に係止される部分13から延出する一対の延出部30を更に設けたので、使用者の顔に装着された状態では、これら延出部30の各々が、使用者の鼻から頬骨に亘って顔を覆う。これにより、延出部30が鼻から頬骨に亘って顔に当接するから、シート10と使用者の顔とで形成される内部空間の密閉性を向上できる。
【0046】
(B)シート10、耳掛け部20、及び延出部30を総て平板状に構成したので、使用者の顔に装着されていない状態では嵩張らないから、快適に携帯できる。
【0047】
(C)延出部30が鼻から頬骨に亘って顔に当接するので、シート10と、鼻と頬骨との間に介在する部位と、の間からの呼気の漏出という従来の問題を解決できる。このため、例えば、使用者の着用する眼鏡が曇るといった事態の発生を抑制できる。
【0048】
(D)延出部30の外周を、反延出方向に凸の曲線32と延出方向に凸の曲線31とが滑らかに連結された形状としたので、マスク1が顔に装着された際、延出部30が顔表面に線接触するため、使用者に与える不快感を軽減できる。
【0049】
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態に係るマスク1Aの立体状態を示す斜視図である。
【0050】
本実施形態では、シート10A及び延出部30Aの構造が、第1実施形態と異なる。
即ち、平板状且つ略半円弧形状の延出部30Aは、シート10Aと別体に形成される。
【0051】
延出部30Aは、部分13(一端縁11の一端)から他端縁12の一端に亘って延出するよう、シート10Aに接合されている。具体的には、延出部30Aとシート10Aとが、第2の接合部位40で接合されている。シート10Aに接合された延出部30の外周は、延出方向に凸の曲線31Aと、反延出方向に凸の曲線32Aと、が滑らかに連結された形状となっている。
【0052】
延出部30Aは、熱可塑性を有し、特に限定されないが、熱可塑性合成繊維を含有する不織布で構成される。これにより、延出部30Aは、シート10Aと熱融着される。
【0053】
延出部30Aは、例えば、ポリエチレン/ポリプロピレンの芯鞘繊維、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートの芯鞘繊維で、スルーエア法、ポイントボンド法等により作製され、目付けが50g/m2以上100g/m2以下である。
【0054】
延出部30Aの剛軟度は、小さすぎると、延出部30Aが変形して顔から離隔して当接しない場合がある一方、大きすぎると、延出部30Aが当接した際に強い違和感を使用者に与える場合があることから、例えば前述した45度カンチレバー法によって測定される剛軟度が、100mm以上200mm以下であることが好ましい。
【0055】
本実施形態によれば、前述した(A)〜(D)に加えて、次の作用効果が得られる。
(E)延出部30Aが当接する部位は、一般に、目の縁に近傍する敏感な部位であるため、延出部には、シートと異なる特性(例えば、柔軟性に優れる)が求められる場合がある。そこで、本実施形態によれば、延出部30Aをシート10Aと別体としたので、シート10Aと異なる所望の特性を与える形状や組成の延出部30Aを作製できる。
【0056】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、以下のような変形例が挙げられる。
【0057】
〔変形例1〕
図6は、本発明の一変形例に係るマスク1Bの立体構造を示す斜視図である。
【0058】
本変形例では、延出部30Bの構造が第1実施形態と異なる。
即ち、延出部30Bの外周は、延出方向に凸の曲線31Bと、反延出方向に凸の曲線32Ba、32Bbとを含む。部分13(一端縁11の一端)から他端縁12に向けて、反延出方向に凸の曲線32Ba、延出方向に凸の曲線31B、反延出方向に凸の曲線32Bbが、この順に滑らかに連結されている。
【0059】
〔変形例2〕
図7は、本発明の別の変形例に係るマスク1Cの立体構造を示す斜視図である。
【0060】
本変形例では、延出部30Cの構造が第1実施形態と異なる。
即ち、延出部30Cの外周は、延出方向に凸の曲線31Ca、31Cbを含む。そして、これら延出方向に凸の曲線31Caと、延出方向に凸の曲線31Cbとが、連結部位33において連結されている。この結果、延出部30Cは、略ハート形状となっている。
【0061】
この連結部位33は反延出方向に尖がった形状であって、延出方向には点接触部位(例えば、尖形部、角部)が形成されていない。
【0062】
この変形例によれば、前述した(A)〜(D)に加えて、次の作用効果が得られる。
(F)複数の曲線31Ca、31Cbを組み合わせて、延出部30Cを略ハート形状としたので、外観上の美感や興趣に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施形態に係るマスクの平面図である。
【図2】図1のマスクの立体状態を示す斜視図である。
【図3】図2のマスクを使用者の顔に装着した状態を示す斜視図である。
【図4】図3の上面を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るマスクの立体状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の一変形例に係るマスクの立体構造を示す斜視図である。
【図7】本発明の別の変形例に係るマスクの立体構造を示す斜視図である。
【図8】従来例に係るマスクの平面図である。
【図9】図8のマスクの立体状態を示す斜視図である。
【図10】図9のマスクを使用者の顔に装着した状態を示す斜視図である。
【図11】図10の上面を示す平面図である。
【符号の説明】
【0064】
1、1A、1B、1C マスク
10、10A シート
11 一端縁
12 他端縁
20 耳掛け部
30、30A、30B、30C 延出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の顔に装着されるマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、使用者の顔に装着されるマスク、とりわけ超立体マスクと称されるマスクとして、以下のような構成が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
図8は、従来例に係るマスク100の平面図である。図9は、図8のマスク100の立体状態を示す斜視図である。
マスク100は、一端縁111で互いに接合される平板状の一対のシート110と、これらシート110の他端縁112から延出する平板状且つ略半円弧形状の一対の耳掛け部120と、を備える。このシート110の一端縁111は、シート110の他端縁112とは反対側に膨出する略円弧状である。
【0004】
図10は、図9のマスク100を使用者の顔に装着した状態を示す斜視図である。図11は、図10の上面を示す平面図である。
マスク100が使用者の顔に装着された状態では、耳掛け部120は、各々、使用者の耳に掛けられ、シート110は、一端縁111側で使用者の鼻及び顎に係止され且つ他端縁112側で使用者の頬骨に係止される。
【0005】
ここで、このマスク100によれば、シート110の一端縁111を略円弧状に形成したので、シート110が使用者の鼻及び顎に係止されて使用者の口唇を所定距離離れて覆う。これにより、使用者の口許にシート110が当接しないから、使用者は快適に呼吸や会話等を行うことができ、口紅やリップクリーム等がマスクに付着してしまうという事態の発生を抑制できる。
【0006】
また、シート110及び耳掛け部120を平板状に構成したので、使用者の顔に装着されていない状態では嵩張らないから、快適に携帯できる。
【特許文献1】特開平7−275384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このマスク100によれば、使用者の顔に装着された状態では、一端縁111側で使用者の鼻に係止され且つ他端縁112側で使用者の頬骨に係止されるので、次のような問題がある。
使用者の鼻及び頬骨が、一般に、これら鼻と頬骨との間に介在する部位に比べて、相対的に隆起しているため、鼻及び頬骨に係止されたシート110は、鼻と頬骨との間に介在する部位から離隔される(図11の離隔部位200)。このため、シート110と使用者の顔とで形成される内部空間を充分に密閉できない。
【0008】
しかも、上述したシート110と、鼻と頬骨との間に介在する部位と、の間から、高湿度の呼気が漏出するために、例えば、使用者の着用する眼鏡が曇りやすいといった問題もある。
【0009】
そこで、本発明は、シートと使用者の顔とで形成される内部空間の密閉性を向上できるマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、シートの使用者の鼻に係止される部分から延出する延出部を設けることによって、使用者の鼻から頬骨に亘って顔を覆うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0012】
(1) 一端縁で互いに接合される平板状の一対のシートと、これらシートの他側縁から延出する平板状且つ略半円弧形状の一対の耳掛け部と、を備え、
前記シートの一端縁は、前記シートの他端縁とは反対側に延出する略円弧状である顔装着用のマスクであって、
前記シートの一端縁の一端から前記他端縁の一端に亘って延出する平板状の一対の延出部を更に備えることを特徴とするマスク。
【0013】
(1)の発明によれば、マスクが使用者の顔に装着された状態では、耳掛け部の各々は使用者の耳に掛けられ、シートは、一端縁側で使用者の鼻及び顎に係止され且つ他端縁側で使用者の頬骨に係止される。また、シートの一端縁を略円弧状に形成したので、使用者の顔に装着された状態では、使用者の鼻及び顎に係止されて使用者の口唇を所定距離離れて覆う。
【0014】
ここで、シートの一端縁の一端から他端縁の一端に亘って延出する一対の延出部を更に設けたので、上記一端縁の一端を使用者の鼻に係止させると、これら延出部の各々が、使用者の鼻から頬骨に亘って顔を覆う。これにより、延出部が鼻から頬骨に亘って顔に当接するから、シートと使用者の顔とで形成される内部空間の密閉性を向上できる。
【0015】
しかも、シート、耳掛け部、及び延出部を総て平板状に構成したので、使用者の顔に装着されていない状態では嵩張らないから、快適に携帯できる。
【0016】
また、延出部が鼻から頬骨に亘って顔に当接するので、シートと、鼻と頬骨との間に介在する部位と、の間からの呼気の漏出という従来の問題を解決できる。このため、例えば、使用者の着用する眼鏡が曇るといった事態の発生を抑制できる。
【0017】
(2) 前記延出部の外周は、前記延出部が延出する延出方向に凸の少なくとも1つの曲線を含む(1)記載のマスク。
【0018】
延出方向に尖形部や角部等を有する形状に延出部を構成すると、マスクが顔に装着された際、この角部が顔表面に点接触して触突するために、使用者に不快感を与える場合がある。
ここで、(2)の発明によれば、延出部の外周を、延出方向に凸の少なくとも1つの曲線を含む構成としたので、マスクが顔に装着された際、延出部外周の曲線部分が顔表面に線接触するため、使用者に与える不快感を軽減できる。
【0019】
また、延出方向に点接触部位(例えば、尖形部、角部)を形成しない限りにおいて、延出部の外周が複数の曲線を含む構成でもよい。複数の曲線を適宜組み合わせることで、多様な形状の延出部を構成でき、例えば、外観上の美感や興趣に優れた形状の延出部とすることもできる。
【0020】
ここで、「延出方向」とは、マスクの装着状態で換言すれば、使用者の顔の上部方向に相当する。
【0021】
(3) 前記延出部の外周は、前記延出方向の反対方向である反延出方向に凸の曲線を更に含み、この反延出方向に凸の曲線と、前記延出方向に凸の曲線と、が滑らかに連結された形状である(2)記載のマスク。
【0022】
(3)の発明によれば、延出部の外周を、反延出方向に凸の曲線と延出方向に凸の曲線とが滑らかに連結された形状としたので、マスクが顔に装着された際、延出部が顔表面に線接触するため、使用者に与える不快感を軽減できる。
【0023】
また、反延出方向に凸の曲線を含んで構成できるので、更に多様な形状の延出部を構成でき、例えば、外観上の美感や興趣に更に優れた形状の延出部とすることもできる。
【0024】
ここで、「滑らかに連結された」とは、曲率が連続的に変化するように連結されたことを指し、具体的には、連結された部分に尖形部や角部等が形成されないよう連結されたことを指す。
【0025】
なお、反延出方向に凸の曲線同士が連結されると、延出方向に尖形部が形成されるため、好ましくない。
【0026】
(4)前記延出部は、前記シートの一端縁の一端から前記他端縁の一端に亘って延出するよう、前記シートに接合されている(1)から(3)いずれか記載のマスク。
【0027】
延出部が当接する部位は、一般に、目の縁に近傍する敏感な部位であるため、延出部には、シートと異なる特性(例えば、柔軟性に優れる)が求められる場合がある。
そこで、(4)の発明によれば、延出部をシートと別体としたので、シートと異なる所望の特性を与える形状や組成の延出部を作製できる。ただし、必ずしも、延出部がシートと異なる特性を備えるものである必要はない。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、シートの一端縁の一端から他端縁の一端に亘って延出する一対の延出部を更に設けたので、上記一端縁の一端を使用者の鼻に係止させると、これら延出部の各々が、使用者の鼻から頬骨に亘って顔を覆う。これにより、延出部が鼻から頬骨に亘って顔に当接するから、シートと使用者の顔とで形成される内部空間の密閉性を向上できる。
しかも、シート、耳掛け部、及び延出部を総て平板状に構成したので、使用者の顔に装着されていない状態では嵩張らないから、快適に携帯できる。
また、延出部が鼻から頬骨に亘って顔に当接するので、シートと、鼻と頬骨との間に介在する部位と、の間からの呼気の漏出という従来の問題を解決できる。このため、例えば、使用者の着用する眼鏡が曇るといった事態の発生を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態以外の各実施形態の説明において、第1実施形態と共通するものについては、同一符号を付し、その説明を省略若しくは簡略化する。
【0030】
<第1実施形態>
[全体構成]
図1は本発明の第1実施形態に係るマスク1の平面図である。図2は、図1のマスク1の立体状態を示す斜視図である。
【0031】
マスク1は、一端縁11で互いに接合される平板状の一対のシート10と、これらシート10の他端縁12から延出する平板状且つ略半円弧形状の一対の耳掛け部20と、を備える。シート10の一端縁11は、シート10の他端縁12とは反対側に延出する略円弧状である。
【0032】
耳掛け部20の各々は、本実施形態では、他端縁12でシート10の各々に接合され、この他端縁12から延出している。シート10と耳掛け部20との接合部位15が高剛性となるから、シート10からの耳掛け部20の垂れ下がりが抑制され、耳掛け部20同士の絡み合いを抑制できる。
また、シート10と耳掛け部20との接合を溶着によって行う場合、外側表面の繊維を溶融させることが好ましい。これにより、接合部位の外表面が平滑となるため、例えば、マスクを携帯するとき、重畳されたマスク同士が絡み合うことを抑制できる。
【0033】
ただし、耳掛け部20は、他端縁12から延出していれば、シート10の一部分として一体的に構成してもよい。
【0034】
マスク1は、シート10の使用者の鼻に係止される部分13(一端縁11の一端)から他端縁12の一端に亘って延出する平板状の一対の延出部30を更に備える。延出部30の外周は、延出方向に凸の曲線31と、反延出方向に凸の曲線32と、が滑らかに連結された形状である。
延出部30は、本実施形態では、シート10の一部分として一体的に構成されている。
【0035】
〔シート〕
シート10は、熱可塑性を有し、特に限定されないが、熱可塑性合成繊維を含有する不織布で構成される。これにより、耳掛け部20は、他端縁12でシート10と熱融着される。
【0036】
シート10は、例えば、ポリエチレン/ポリプロピレンの芯鞘繊維、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートの芯鞘繊維で、スルーエア法、ポイントボンド法等により作製され、目付けが50g/m2以上100g/m2以下である。なお、剛軟度は、JIS L1096:1999一般織物試験方法の8.91.1に記載された剛軟性A法(45度カンチレバー法)により、測定される。
このシート10は、後述するカンチレバー法によって測定される剛軟度が、100mm以上200mm以下である。このようなシート10は、顔に装着された状態における立体形状が保持される点で、好ましい。
【0037】
また、シート10は、顔に装着された状態における立体形状がより保持される点で、少なくとも耳掛け部20より低伸縮性に構成されることが好ましい。ここで、良好な肌触り感を損なわないよう、適度の柔軟性を有することが好ましい。
【0038】
例えば、シートの外表面に、繊維が相対的に密である凹部が間欠的に設けられた構成が挙げられる。この構成によれば、凹部は繊維が相対的に密であるため、この凹部を設けたことでシートの伸縮性が低下する。一方、間欠的に設けられた各凹部の間には、柔軟性が保持された部位が介在するため、適度の柔軟性を有する。
【0039】
〔耳掛け部〕
耳掛け部20は、熱可塑性を有し、特に限定されないが、例えば、熱可塑性合成繊維を含有する不織布で構成される。これにより、耳掛け部20は、他端縁12でシート10と熱融着される。
【0040】
また、耳掛け部20は、使用者の耳に痛みを与える事態を抑制できる点で、弾性伸縮可能に構成されることが好ましい。
このような耳掛け部としては、例えば、非弾性的に伸長可能な伸長性繊維からなる伸長層(例えば、プロピレン連続繊維が互いに溶着された不織布)と、弾性伸縮可能な弾性伸縮性繊維からなる弾性層(例えば、熱可塑性合成繊維のエラストマーやウレタン等からなる弾性糸を使用した不織布)と、が積層された構成が挙げられる。
【0041】
〔延出部〕
延出部30は、本実施形態では、シート10と一体で構成されているため、シート10と同様の構成である。
【0042】
延出部30の面積は、小さすぎると、延出部30が使用者の鼻から頬骨に亘って顔に当接できない場合がある一方、大きすぎると、例えば延出部30が使用者の目まで覆ってしまう場合があることから、5cm2以上20cm2以下であることが好ましい。より好ましくは、7cm2以上15cm2以下である。
【0043】
[使用方法]
図3は、図2のマスク1を使用者の顔に装着した状態を示す斜視図である。図4は、図3の上面を示す平面図である。
【0044】
マスク1は、以下のようにして、使用者の顔に装着される。
まず、シート10は、一端縁11側で使用者の鼻及び顎に係止され、且つ、他端縁12側で使用者の頬骨に係止される。これに伴って、シート10は、使用者の口唇を所定距離離れて覆う。
延出部30の各々は、部分13から延出し、鼻から頬骨に亘って顔を覆う。
そして、耳掛け部20が、各々、使用者の耳に掛けられることで、マスク1は使用者の顔に装着される。
【0045】
本実施形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
(A)シート10の使用者の鼻に係止される部分13から延出する一対の延出部30を更に設けたので、使用者の顔に装着された状態では、これら延出部30の各々が、使用者の鼻から頬骨に亘って顔を覆う。これにより、延出部30が鼻から頬骨に亘って顔に当接するから、シート10と使用者の顔とで形成される内部空間の密閉性を向上できる。
【0046】
(B)シート10、耳掛け部20、及び延出部30を総て平板状に構成したので、使用者の顔に装着されていない状態では嵩張らないから、快適に携帯できる。
【0047】
(C)延出部30が鼻から頬骨に亘って顔に当接するので、シート10と、鼻と頬骨との間に介在する部位と、の間からの呼気の漏出という従来の問題を解決できる。このため、例えば、使用者の着用する眼鏡が曇るといった事態の発生を抑制できる。
【0048】
(D)延出部30の外周を、反延出方向に凸の曲線32と延出方向に凸の曲線31とが滑らかに連結された形状としたので、マスク1が顔に装着された際、延出部30が顔表面に線接触するため、使用者に与える不快感を軽減できる。
【0049】
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態に係るマスク1Aの立体状態を示す斜視図である。
【0050】
本実施形態では、シート10A及び延出部30Aの構造が、第1実施形態と異なる。
即ち、平板状且つ略半円弧形状の延出部30Aは、シート10Aと別体に形成される。
【0051】
延出部30Aは、部分13(一端縁11の一端)から他端縁12の一端に亘って延出するよう、シート10Aに接合されている。具体的には、延出部30Aとシート10Aとが、第2の接合部位40で接合されている。シート10Aに接合された延出部30の外周は、延出方向に凸の曲線31Aと、反延出方向に凸の曲線32Aと、が滑らかに連結された形状となっている。
【0052】
延出部30Aは、熱可塑性を有し、特に限定されないが、熱可塑性合成繊維を含有する不織布で構成される。これにより、延出部30Aは、シート10Aと熱融着される。
【0053】
延出部30Aは、例えば、ポリエチレン/ポリプロピレンの芯鞘繊維、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートの芯鞘繊維で、スルーエア法、ポイントボンド法等により作製され、目付けが50g/m2以上100g/m2以下である。
【0054】
延出部30Aの剛軟度は、小さすぎると、延出部30Aが変形して顔から離隔して当接しない場合がある一方、大きすぎると、延出部30Aが当接した際に強い違和感を使用者に与える場合があることから、例えば前述した45度カンチレバー法によって測定される剛軟度が、100mm以上200mm以下であることが好ましい。
【0055】
本実施形態によれば、前述した(A)〜(D)に加えて、次の作用効果が得られる。
(E)延出部30Aが当接する部位は、一般に、目の縁に近傍する敏感な部位であるため、延出部には、シートと異なる特性(例えば、柔軟性に優れる)が求められる場合がある。そこで、本実施形態によれば、延出部30Aをシート10Aと別体としたので、シート10Aと異なる所望の特性を与える形状や組成の延出部30Aを作製できる。
【0056】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、以下のような変形例が挙げられる。
【0057】
〔変形例1〕
図6は、本発明の一変形例に係るマスク1Bの立体構造を示す斜視図である。
【0058】
本変形例では、延出部30Bの構造が第1実施形態と異なる。
即ち、延出部30Bの外周は、延出方向に凸の曲線31Bと、反延出方向に凸の曲線32Ba、32Bbとを含む。部分13(一端縁11の一端)から他端縁12に向けて、反延出方向に凸の曲線32Ba、延出方向に凸の曲線31B、反延出方向に凸の曲線32Bbが、この順に滑らかに連結されている。
【0059】
〔変形例2〕
図7は、本発明の別の変形例に係るマスク1Cの立体構造を示す斜視図である。
【0060】
本変形例では、延出部30Cの構造が第1実施形態と異なる。
即ち、延出部30Cの外周は、延出方向に凸の曲線31Ca、31Cbを含む。そして、これら延出方向に凸の曲線31Caと、延出方向に凸の曲線31Cbとが、連結部位33において連結されている。この結果、延出部30Cは、略ハート形状となっている。
【0061】
この連結部位33は反延出方向に尖がった形状であって、延出方向には点接触部位(例えば、尖形部、角部)が形成されていない。
【0062】
この変形例によれば、前述した(A)〜(D)に加えて、次の作用効果が得られる。
(F)複数の曲線31Ca、31Cbを組み合わせて、延出部30Cを略ハート形状としたので、外観上の美感や興趣に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施形態に係るマスクの平面図である。
【図2】図1のマスクの立体状態を示す斜視図である。
【図3】図2のマスクを使用者の顔に装着した状態を示す斜視図である。
【図4】図3の上面を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るマスクの立体状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の一変形例に係るマスクの立体構造を示す斜視図である。
【図7】本発明の別の変形例に係るマスクの立体構造を示す斜視図である。
【図8】従来例に係るマスクの平面図である。
【図9】図8のマスクの立体状態を示す斜視図である。
【図10】図9のマスクを使用者の顔に装着した状態を示す斜視図である。
【図11】図10の上面を示す平面図である。
【符号の説明】
【0064】
1、1A、1B、1C マスク
10、10A シート
11 一端縁
12 他端縁
20 耳掛け部
30、30A、30B、30C 延出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端縁で互いに接合される平板状の一対のシートと、これらシートの他側縁から延出する平板状且つ略半円弧形状の一対の耳掛け部と、を備え、
前記シートの一端縁は、前記シートの他端縁とは反対側に延出する略円弧状である顔装着用のマスクであって、
前記シートの一端縁の一端から前記他端縁の一端に亘って延出する平板状の一対の延出部を更に備えることを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記延出部の外周は、前記延出部が延出する延出方向に凸の少なくとも1つの曲線を含む請求項1記載のマスク。
【請求項3】
前記延出部の外周は、前記延出方向の反対方向である反延出方向に凸の曲線を更に含み、前記反延出方向に凸の曲線と、前記延出方向に凸の曲線と、が滑らかに連結された形状である請求項2記載のマスク。
【請求項4】
前記延出部は、前記シートの一端縁の一端から前記他端縁の一端に亘って延出するよう、前記シートに接合されている請求項1から3いずれか記載のマスク。
【請求項1】
一端縁で互いに接合される平板状の一対のシートと、これらシートの他側縁から延出する平板状且つ略半円弧形状の一対の耳掛け部と、を備え、
前記シートの一端縁は、前記シートの他端縁とは反対側に延出する略円弧状である顔装着用のマスクであって、
前記シートの一端縁の一端から前記他端縁の一端に亘って延出する平板状の一対の延出部を更に備えることを特徴とするマスク。
【請求項2】
前記延出部の外周は、前記延出部が延出する延出方向に凸の少なくとも1つの曲線を含む請求項1記載のマスク。
【請求項3】
前記延出部の外周は、前記延出方向の反対方向である反延出方向に凸の曲線を更に含み、前記反延出方向に凸の曲線と、前記延出方向に凸の曲線と、が滑らかに連結された形状である請求項2記載のマスク。
【請求項4】
前記延出部は、前記シートの一端縁の一端から前記他端縁の一端に亘って延出するよう、前記シートに接合されている請求項1から3いずれか記載のマスク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−185301(P2007−185301A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−4941(P2006−4941)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
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