使用者保持装置および冷却衣から成る使用者用冷却システム
【課題】使用者の冷却(冷房)用の使用者保持装置に関連した冷却システム、および使用者の冷却(冷房)用の衣服を提供する。
【解決手段】使用者保持装置の使用者62用冷却システム70は、冷却剤の供給源から冷却剤を受けるための入口102と目的地120に冷却剤を放出する出口104とを持つ冷却剤導管100を備えた標的の冷却システムである。導管は非永久的かつ手動で形状調節が可能であり、調整後に形状が安定しており、かつ使用者保持装置と使用者の一方または両方に着脱可能な形で固定可能である。
【解決手段】使用者保持装置の使用者62用冷却システム70は、冷却剤の供給源から冷却剤を受けるための入口102と目的地120に冷却剤を放出する出口104とを持つ冷却剤導管100を備えた標的の冷却システムである。導管は非永久的かつ手動で形状調節が可能であり、調整後に形状が安定しており、かつ使用者保持装置と使用者の一方または両方に着脱可能な形で固定可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載した主題は、病院用ベッドなどの使用者保持装置に関し、特に、使用者の冷却(冷房)用の使用者保持装置に関連した冷却システム、および使用者の冷却(冷房)用の衣服に関連する。
【背景技術】
【0002】
内科患者が過度に汗をかく原因となりうる数多くの一般的な病状が存在する。こうした患者は、不快なほどに暑さを感じる。その上、発汗の存在は患者の皮膚を弱め、患者が病院用ベッドのマットレス上に安静にしている際、皮膚がマットレスに接触する部位でその患者が褥瘡を発症するリスクは高くなる。このリスクは、患者とマットレスとの間の微気候管理(MCM)トッパーを用いて減じることができる。MCMトッパーには、患者の下側を流れて熱および発汗を環境に移動させるための比較的冷たい空気の流れを許容する内部通路が含まれる。こうしたトッパーにはまた、空気の一部を通路から逃がし、それによって患者を直接的に冷やし、またその患者の皮膚から汗を蒸発させるための、一列に並んだ冷却孔が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、高性能のMCMトッパーでさえも、常に充分な軽減を提供してくれるとは限らない。したがって、患者を冷却し、汗を蒸発させるためのその他の方法を考案することが望ましく、その方法が単純、安価で、信頼性が高く、使用が簡便であり、かつ医療施設内に存在する可能性の高い既存の設備および/またはインフラを利用することができれば特に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
皮膚の所定の「パッチ」についての発汗レート(発汗量)は、深部体温の強い関数、平均皮膚温度のやや強い関数、および局所皮膚温度の比較的弱い関数であると考えられる。学術的研究では、手のひらなど身体のある一定の領域、および三叉神経が司る領域に適用される温度的刺激は、深部温度および平均皮膚温度への不釣合いに強い影響を持つことが示唆されている。したがって、上体の温度的に敏感な領域を冷却することにより、身体の下側の皮膚(すなわち、マットレスと接触する皮膚)から放出される汗のレベルを著しく減少させることが可能である。したがって、本出願は、使用者用の使用者保持装置の冷却システムについて説明する。冷却システムは、冷却源から冷却剤(冷却材)を受けるための注入口と目的地に冷却剤を放出する出口とを持つ冷却剤導管を備えた標的の冷却システムである。導管は、非永久的かつ手動で形状調節が可能であり、調整後に形状が安定しており、かつ使用者保持装置と使用者の一方または両方に着脱可能な形で固定可能である。1つの実施態様において、目的地は、使用者の身体の局部領域に標的の冷却剤の送達を達成するために選択された周囲環境である。本出願はまた、使用者(例えば患者)が着用する手袋も開示する。手袋は、少なくとも1つの冷却剤取込み口と以下の少なくとも1つを持つ。
a)冷却剤取込み口から排出口に伸びた冷却剤通路、および
b)部品的に手袋により、また部分的に使用者により流体経路の範囲を画定する使用者との協力関係。
【0005】
排出口は、冷却剤を通路から周囲環境に、流体経路に、またはその両方に排出する。流体経路によって受け取られた冷却剤は、周囲環境に放出される。
【0006】
本明細書に記載した冷却システムの多様な実施例の前述およびその他の機能は、下記の詳細な説明および付属の図面でより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、送風機ユニットから、温度的刺激が深部体温および/または平均皮膚温度について不釣合いな効果を持つと考えられる患者のそれぞれの身体部位に極めて近い個別の目的地の場所まで延びた、3本の冷却剤導管を有する病院用ベッドの斜視図である。
【図2】図2は、切断して送風機ハウジングの内部の構成要素を表示した、ベッドの足側端部および送風機ユニットを持つ送風機ユニットの詳細な平面図である。
【図3】図3は、図2の一部分の拡大図である。
【図4】図4A〜4Eは、冷却剤導管をベッドフレーム構成要素に固定するための、さまざまなスタイルのクランプの形態で固定機能を表示した図である。
【図5】図5は、面ファスナー固定機能を図示した図4Aと類似した斜視図である。
【図6】図6は、冷却剤導管を患者の腕に固定するために使用した面ファスナー固定機能を図示した、ベッド使用者の手のひらおよび前腕の平面図である。
【図7】図7は、図6の方向7−−7での図である。
【図8】図8は、複数の送風機吐出しポートと複数の冷却システム導管との間の一対一の対応を示す平面図である。
【図9】図9は、単一の送風機吐出しポートが冷却剤を本路と複数の分岐を含む導管に供給する配置を図示した、図8の平面図と類似した平面図である。
【図10】図10は、分岐導管の1つが切り離され、キャップが取り付けられている、図9のそれと類似した図である。
【図11】図11および図12はそれぞれ、使用者が着用する手袋の平面図および断面側面図であって、ここで、手袋は着用者の手と連携して、一部は手袋により、また一部は着用者により境界を成す流体経路が画定され、その経路が冷却剤を周囲環境に排出するために入口から出口まで延びており、またここで、出口は着用者の指と手袋の指の遠位端により形成される環により画定される。
【図12】図11および図12はそれぞれ、使用者が着用する手袋の平面図および断面側面図であって、ここで、手袋は着用者の手と連携して、一部は手袋により、また一部は着用者により境界を成す流体経路が画定され、その経路が冷却剤を周囲環境に排出するために入口から出口まで延びており、またここで、出口は着用者の指と手袋の指の遠位端により形成される環により画定される。
【図13】図13〜14はそれぞれ、図11〜12の手袋と類似した平面図および断面側面図であって、ここで、冷却剤を周囲環境に放出するための出口は、一列に並んだ出口の穴(通気穴)により画定される。
【図14】図13〜14はそれぞれ、図11〜12の手袋と類似した平面図および断面側面図であって、ここで、冷却剤を周囲環境に放出するための出口は、一列に並んだ出口の穴(通気穴)により画定される。
【図15】図15〜16はそれぞれ、使用者が着用する手袋の部分的に切断した平面図および断面側面図であって、手袋の内側を貫通して手袋材料の内部の層と外部の層の間を延びる流体通路を持ち、それぞれの経路には冷却剤を経路から周囲環境に排出するための1つ以上の排出口が含まれる。
【図16】図15〜16はそれぞれ、使用者が着用する手袋の部分的に切断した平面図および断面側面図であって、手袋の内側を貫通して手袋材料の内部の層と外部の層の間を延びる流体通路を持ち、それぞれの経路には冷却剤を経路から周囲環境に排出するための1つ以上の排出口が含まれる。
【図17】図17は、側面に沿った個別の通路への冷却剤の配分を助ける流体分配器としての役割を果たす手袋プレナムを含む、図15のそれと類似した図である。
【図18】図18〜19はそれぞれ、手袋の平面図および断面側面図であって、これは手袋の内側を貫通し手袋材料の内側層と外側層の間を延びる通路と、一部は手袋により、また一部は着用者の手により境界を成す冷却剤経路とを含むが、通路には、冷却剤を通路から経路に排出するための一列に並んだ排出口を含み、経路は冷却剤を周囲環境に排出するために出口まで延び、またここで、出口は着用者の指と手袋の指の遠位端により形成される環により画定される。
【図19】図18〜19はそれぞれ、手袋の平面図および断面側面図であって、これは手袋の内側を貫通し手袋材料の内側層と外側層の間を延びる通路と、一部は手袋により、また一部は着用者の手により境界を成す冷却剤経路とを含むが、通路には、冷却剤を通路から経路に排出するための一列に並んだ排出口を含み、経路は冷却剤を周囲環境に排出するために出口まで延び、またここで、出口は着用者の指と手袋の指の遠位端により形成される環により画定される。
【図20】図20は、送風機と目的地所在地との間の冷却剤導管に、ベッドフレームに着脱できないように付着された柔軟性のある導管部分が含まれる、病院用ベッドの別の変形物の斜視図である。
【図21】図21は、導管がサイドレールに取り付けられたノズルに供給する、図20のそれと類似した斜視図である。
【図22】図22は、送風機と図21のそれと類似したノズルがどちらもサイドレールに取り付けられている、病院用ベッドの別の変形物の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜3を参照するが、病院用ベッド20で例証した使用者保持装置には、ベッドの頭側端部24から足側端部26に長軸方向に、および左側32から右側34に横方向に延びたフレーム22が含まれる。キャスター36は、フレームから床38まで延びる。フレームにはまた、ヘッドボード42、フットボード44、左右の頭側端部サイドレール46、48、および左右の足側端部サイドレール50、52が含まれる。図中で、右側のサイドレールは上昇または展開した位置にあり、左側のサイドレールは下降または格納した位置にある。IVポール56は、フレームから垂直に延びる。IVポールは、フレームの永久的な構成部品とすることも、または介護者が必要に応じてフレームに取り付けたりフレームから取り外したりする、補助的なフレーム構成部品とすることもできる。IVポールをフレームに取り付ける手段は、その中に介護者がポールの下部端を置くソケットのような単純なものとすることができる。使用者62を保持するためのマットレス60は、フレームに載っている。オプションのトッパー64は、マットレスに載っている。図示したベッド用に適切なトッパーの1つのタイプは、電動式トッパーである。電動式トッパーは、内部の通路がある。動作時に、空気が通路を通って流れ、使用者の冷却および汗の蒸発を助ける。
【0009】
冷却システム70には、永久的にまたは非永久的にフットボードまたはベッドフレームのその他の部品に取り付けられた送風機ユニット72が含まれる。送風機ユニットには、プレナム78を画定するハウジング76と、周囲の空気入口(空気取り入れ口)開口部80、ファン82、オプションの冷却機84または周囲の空気を調整するためのその他のデバイス、およびファンおよび冷却機の下流の1つ以上の吐出しポート88、90が含まれる。周囲空気の形態での冷却剤94がファン82により送風機ハウジングに引き込まれ、オプションの冷却機84またはその他の調整デバイスが存在しており動作中である場合は調整され、吐出しポートを通して排出される。図1〜3の送風機は、2つのタイプの吐出しポートを持つ。吐出しポート88は、トッパー供給ホース92によって冷却剤をトッパー64に供給する。吐出しポート90は、冷却剤をそれぞれの冷却剤導管100(特定の導管を示す参照番号に添えたA、B、Cなどの文字を持つ)に供給する。各導管100は、冷却剤を送風機72などのその冷却源から受ける入口102を持つ。各導管100の入口102は、図2〜3に図示したクイック接続金具110などの適切なコネクタにより、送風機吐出しポート90に接続されている。弁112は各ポート90を通って流れる流体の流れを調節し、導管がポートに接続されている場合には導管取込み口102に流れ込ませる。各導管はまた、冷却剤を目的地に排出するための出口104を持つ。図1において、目的地は、使用者の付近にあり、使用者の身体の選択した部位に効果的な冷却を提供できるように使用者に十分近い周囲環境である。
【0010】
送風機72は、フットボードに取り付けた局所的送風機として図示されている。ところが、送風機はベッドに取り付けないユニットとすることもできる。一例は、ユーティリティ室に配置される送風機であり、配管が送風機ユニットから病室の壁または頭部壁上の排出ポート90A(図1)に延びる。
【0011】
図1〜3の送風機は、冷却用導管100および使用者保持装置の少なくとも1つのその他の構成部品、すなわちトッパー64により共有される。別の方法として、送風機は冷却システムの冷却用導管専用とすることができる。
【0012】
各導管100は、非永久的および手動で形状調整が可能で、かつ調整後に形状が安定するものである。言い換えれば、使用者は、導管を希望の形状に曲げることができ(手動で形状調整が可能)、その後で使用者が別の安定した形状に曲げない限り(非永久的に形状調整が可能)、導管はその形状を保つ(調整後に形状が安定)。図示した導管は、例えば、図3に表示した、畝のある構成の結果としてのこれらの特性を達成している。形状の調整機能によって、介護者は、送風機吐出しポート90から介護者が出口104の配置を希望する任意の目的地の位置に、都合のよい選択した経路に沿って導管を配置できる。目的地の位置は、導管出口から出る冷却剤が標的の位置で効果的な冷却を提供できる、使用者の身体上の標的位置に十分に近い位置である。満足な標的と考えられる2つの位置には、使用者の手のひらと、例えば首、あごおよび頬など三叉神経の司る領域がある。例えば、導管100Aは、右側の足側端部サイドレールの外側寄りベッドの右側に沿って延び、右側の頭側端部サイドレールの上を越えて、使用者の右あごに近接した目的地120Aの出口104で終了する。導管100Bは、左側の足側端部サイドレールの内側寄りのベッドの左側に沿って延び、IVポール56で急に内側に向きを変え、使用者の左あご付近の目的地120Bでの出口で終了する。導管100Cは、マットレスの右側の足側端部に沿って長軸方向と垂直方向に延びた後、マットレスの上部に沿って短距離に延び、使用者の右手のひら付近の目的地120Cでのその出口104で終了する。導管の形状調節機能により、使用者は、導管の出口端104を希望する方向にすることができる。例えば、図1は、任意の同一平面基準線124に対して同じ水平面上の異なる角度α1(実線)およびα2(極細線)に向けた導管100Aの出口端を示す。図1も、任意の同一平面基準線126に対して同一垂直面上の異なる角度β1(実線)およびβ2(極細線)に向けた導管100Bの出口端を示す。図1は、単に図示の便宜を図り、単一平面に限定した方向角度αおよびβの差異を示す。実際には、こうした限定を守る必要はない。
【0013】
図1および4〜7を参照するが、固定機能130は、各冷却システム導管100を、使用者保持装置に、使用者に、または両方に着脱可能で固定可能にする。図4Aおよび4Bにおいて、固定機能は、導管100に外接するバンド134と、バンドから延びた一対の湾曲可能なアーム136とを持つクランプ132である。使用時、アームは図に示すとおり、使用者がクランプをサイドレールまたはその他のフレーム構成部品上にスナップ留めできるように湾曲する。次に、湾曲可能なアームは、使用者がクランプを引き離すことによってアームが湾曲してつかみが解除されることで使用者がクランプを外すまで、サイドレールをつかむ。
【0014】
クランプ132の1つの実施態様において、バンド134は、導管の周りにきつくフィットし、バンドに対する導管軸140の局所的な方向への導管のスリップを防止する。その結果、導管に対するクランプの位置は固定される。別の実施態様において、バンドは、導管の周りにやや弱めのきつさでフィットし、使用者が導管をクランプバンド内でスライドさせるか、またはクランプバンドを導管に沿ってスライドさせて、クランプを導管に沿った希望の位置にすることができる。それにもかかわらず、後者の実施態様は、クランプが導管に沿った希望の位置に配置されると、使用者によって意図的に移動しない限りその位置に留まる傾向にあるように、ある程度の滑り抵抗を示すように設計される。第3の実施態様において、クランプには、解除して導管とクランプの相対的移動が許容されるか、あるいは噛み合わせてこうした移動を防止するかまたはそれに抵抗することができるロックまたはラッチが含まれうる。クランプが固定または可動であるかを問わず、クランプがサイドレールからの着脱ほどは導管から都合よく着脱できないことを考えると、図4Aおよび4Bのクランプは主に導管100に関連する。別の方法として、図4C〜4Dに示すとおり、バンドおよびアームの役割は、バンド134がサイドレール(またはその他のフレーム構成部品)に外接し、アーム136が導管をつかむよう逆にすることができる。こうした配置において、クランプが、導管からの着脱ほどはサイドレールまたはその他のフレーム構成部品から都合よく着脱できないことを考えると、クランプは主に使用者保持装置と関連する。図4Eに示すさらに別のオプションは、クランプが簡単に導管とフレーム構成部品の両方にスナップ留めでき、そこから取り外すことができるように、2組のアーム136を備えたクランプである。
【0015】
図5は、VELCRO(登録商標)面ファスナー固定機能130の実施例を示す。この固定機能は、サイドレールまたはその他のフレーム構成部品上の1つ以上の位置でのフックのパッチ144と、導管上の1つ以上の位置でのループのパッチ146とから成る。クランプ固定機能と同様、面ファスナーパッチは、使用者の判断によって、サイドレールおよび/または導管に沿って固定位置に配置されるか、サイドレールおよび/または導管に沿ってスライド可能か、またはサイドレールおよび/または導管から着脱するように設計することができる。
【0016】
図6〜7は、使用者が位置を変更した場合でも、出口104は使用者の手のひらに対して定位置に留まり、導管出口104から出る冷却剤が使用者の手のひらを横切って確実に流れるよう、使用者の手首に別のタイプの面ファスナー固定機能130により固定された導管100の出口端を示す。図示した固定は、導管100に取り付け端152で取り付けられ、使用者の手首に巻きつくことができるよう十分に長く、また導管を所定の位置に保持するようにそれ自体が固定されるVELCRO(登録商標)ストラップ150である。
【0017】
クランプまたは面ファスナー以外の固定機能を使用することもできる。
【0018】
図8〜10は、網羅的ではないが送風機および導管オプションの組を示す。図8は、図1同様、複数の送風機吐出しポート90と複数の冷却システム導管100との間の一対一の対応を示す。各導管は、図1に示す目的地120A、120B、120Cなど、別個の目的地に延びる。単純なマニュアル弁として図示した弁112は、送風機プレナム78から出る流体の流れを調節する。クイック接続継手110が、各導管の送風機排出部品への取り付けを達成する。図9は、単一の送風機吐出しポート90が、冷却剤を本路160および複数の分岐162A、162Bを備えた導管100に供給する配列を示す。弁114は、分岐162Aを通る流れを調節する。分岐162Bを通る流れは調節されない。本路160は複数の目的地への冷却剤を運ぶが、そのそれぞれが専用の分岐によって供給される。ねじ山のあるオスおよびメスの継ぎ手164、166によって各分岐の本路への取り付けが達成されるが、一部またはすべての分岐は永久的に本路に取付けすることができる。図10は、分岐導管162Bが切り離され、キャップ168が取り付けられた図9の配置を示す。
【0019】
流れ調節弁112、114は、ソレノイド制御弁などの簡単なオン/オフ式弁とすることも、または質量流量および/または分配など冷却剤の流れパラメータの調節の要件に応じて調節弁とすることもできる。弁は、図2、3および8に示すとおり送風機吐出しポートに(弁112)、図9〜10に示すとおり導管本路および導管分岐の付近の合流点に(弁114)、またはその他の任意の所望の場所に配置することができる。特に申し分ない1つの位置は導管出口で、図1に示すとおり、導管100Bには、使用者が使用地点の近くに立った姿勢で、使用時点で冷却剤の質量流量を調節できるロータリー弁またはノズル172が含まれる。導管出口での弁またはノズルは、出口から出る冷却剤の噴出パターンを調節できるタイプのものとすることもできる。
【0020】
少なくとも一部の用途において、任意の調節可能な流れ制御弁の代わりに、またはそれに加えて、調節可能でない流量制限器を含めることが望ましい場合がある。単純なオリフィス プレート176の形態でのこうした流量制限器を図8の最も上の導管に示す。こうした流量制限器の使用は、冷却剤導管100だけでなく、低空気損失トッパー64など使用者保持装置の別の構成部品にも空気を供給する場合に特に望ましいことがある。流量制限器は、トッパーに優先的に供給し、トッパーでの冷却剤の枯渇を防止するために、冷却システム導管への冷却剤の流れを詰まらせる。
【0021】
図11〜12を参照するが、冷却システムには、使用者が着用可能な手袋190などの衣服も含まれうる。手袋には、手のひら側192、手の甲側194、手首端196、中手領域198、およびそれぞれ中手端204および遠位端206を持つ指202が含まれる。指は、手袋を着用したときに手袋指が着用者の指208の周りにゆるくフィットするように、使用者の指の直径よりもわずかに大きな直径を持つ。また、着用者の指が手袋指の遠位端を越えて延びるように、手袋の指は短縮され、遠位端で開いている。手袋には、その手のひら側で手首端196の付近で手袋に取り付けられる冷却剤取込み口接続具210も含まれる。冷却剤導管の出口端104は、入口が送風機出口から排出された冷却剤の目的地となるように、永久的にまたは着脱可能な形で入口210に取り付けられる。
【0022】
手袋は、冷却剤導管により排出された冷却剤のための冷却剤の流路を提供する。下記の考察に照らして理解されるとおり、この流路は、流体経路、流体通路、または流体経路および流体通路の組み合わせを備えうる。
【0023】
ベッド使用者が着用する時、手袋は、着用者の手と連携して、一部は手袋により、また一部は着用者により排他的に境界を成す流体経路220を画定する。この経路は、入口210から流路の出口に延び、特に経路出口222は着用者の指と手袋指の遠位端により形成される環224により画定される。動作時、流体経路は入口210から冷却剤を受け取り、冷却剤を着用者の手に沿って導き、冷却剤を出口222により周囲環境に排出する。図12に図示したとおり、経路は使用者の手のひら側と手の甲側の両方に沿って延ばすことができるが、入手可能な研究では、標的の冷却は手の甲側よりも手のひらに沿う方がより効果的であることが示唆されている。したがって、使用者の手と連携して着用者の手のひら側に沿った流体経路のみを画定する手袋で十分であると考えられる。
【0024】
図13〜14を参照するが、手袋190の別の変形物において、手袋指202の遠位端206は着用者の指の周りにぴったりとフィットする。さらに、一連の出口穴230は、流体経路220が入口210から出口穴230により集合的に画定される出口222に延びるよう手袋を貫通し、集合的に経路出口222を画定する。図11〜12の変形物と同様、流体経路は冷却剤を入口210から受取り、冷却剤を着用者の手に沿って導き、出口穴230で表現されている出口222により冷却剤を周囲環境に排出する。標的の冷却は、着用者の手の甲側よりも着用者の手のひらに沿った方がより効果的であると考えられるため、手袋の手のひら側にのみ出口穴を設けることで十分でありうる。
【0025】
図15〜16を参照するが、手袋190の別の変形物は、手袋の内側、手袋材料の内部層と外部層254、256の間を通って延びる、流体通路240A、240B、240C、240Dを備えている。各通路は、冷却剤を通路から周囲環境に排出するための1つ以上の排出口260を持つ。通路240Aは、その遠位端に単一の排出口260を持つ、線形または準線形の通路である。通路240Bは、通路の手首端から通路の遠位端までその長さに沿って分布された排出口260を持つ類似した通路である。通路240Cは、その遠位端に単一の排出口260を持つ曲がりくねった通路である。通路240Dは、排出口260がその長さに沿って分布しているらせん状の通路である。簡潔に図示するために、さまざまな通路の幾何学形状を単一の手袋として示している。実際には、手袋には1つのタイプのみの通路幾何学形状を用いる可能性が高くなる。
【0026】
図示した通路幾何学形状は、可能性のある幾何学形状をすべて網羅したものではない。通路の数は、図示したものよりも多いことも少ないこともありうる。動作時、冷却剤は手袋取込み口110から通路240を通り、着用者の皮膚に直接接触することなく排出口260を出る。その結果、熱は内側材料層を通って冷却剤の流れに流れ込み、これにより熱が環境に移動する。手袋の設計者は、使用者の手からの希望するレートでの熱移動に適合する熱伝導率を持つ内側層254の材質を選択できる。また、着用者の皮膚からの汗の除去を希望する範囲に応じて、内側層は蒸気浸透性でもある。繰り返しになるが、入手可能な研究では、冷却剤通路を手袋の手のひら側のみに設けることで恐らく十分であることが示唆されている。
【0027】
図17は、手袋冷却剤取込み口210と個別の通路の中手端204との間に流れ方向に存在する手袋プレナム264を含めた、図15〜16のそれと類似した手袋を示す。プレナムは、個別の通路への冷却剤の横方向の配分を助ける流体分配器としての役目を果たす。
【0028】
図18〜19は、流路に手袋の内部を手袋材料の内側層と外側層254、256の間を通って延びる通路240と、一部は手袋により、また一部は着用者の手により境界を成す冷却剤経路220の両方が含まれる、手袋190の変形物を示す。図示した特定の実施態様には、図15および17にある個別の通路ではなく、単一の大きな通路240がある。この通路には、一列に並んだ排出口260が含まれる。手袋指の遠位端と着用者の指により形成される環224が、流路または経路排気出口222を画定する。動作時、手袋取込み口210で受け取られた冷却剤は、流体通路240を通って流れ、この通路から通路排出口260により経路220に排出され、経路220を着用者の皮膚に沿って流れ、出口の環224により環境に放出される。繰り返しになるが、入手可能な研究では、冷却剤通路および経路を手袋の手のひら側のみに設けることで恐らく十分であることが示唆されている。
【0029】
図20は、病院用ベッドの別の変形物および関連する冷却システムの斜視図である。冷却システムには、送風機72に取り付けられたフレームからカプラー270に延びた第一の導管部分96を持つ導管100が含まれる。第一の導管部分は、ベッドフレームに着脱できないように取り付けられる。本明細書で使用する時、「着脱できないように取り付け」は、図4〜5の固定機能130の場合のように、導管がフレームからの着脱を日常的かつ簡便にするよう意図されていないことを意味する。それが取り付けられたフレーム部品の相対的な角度方向の変化(例えば角度θの変化)に適応できるように、第一の導管部分は柔軟性がある。ただし、第一の導管部分は、その形状を調節した後で形状は必ずしも安定する必要はない。導管100にはまた、カプラー270から導管出口104に延びた第二の導管部分98が含まれる。第二の導管部分98は、非永久的および手動で形状調整が可能、かつ調整後に形状が安定するものである。
【0030】
図21は、導管がサイドレール46に取り付けられたノズル274に供給する、図20のそれと類似した斜視図である。図示したノズルは、民間航空機の客席で使用されるものと類似したもので、使用者はノズルのリング276をひねって流量を調整でき、またノズルを、軸278、280を中心に旋回させて、ノズルから出る冷却剤の流れの方向を変更できる。
【0031】
図22は、送風機72と図21のそれと類似したノズル274がどちらもサイドレール46に取り付けられている、病院用ベッドの別の変形物の斜視図である。別の方法として、送風機および/またはノズルは、ヘッドボードまたはフットボードなど、その他のベッド構成要素内またはその上に取り付けることができる。
【0032】
この開示では具体的な実施態様を記載しているが、当業者であれば、付随の請求項で規定される主題から逸脱することなく、形態や詳細に対してさまざまな変更を行うことができることが理解されるであろう。
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載した主題は、病院用ベッドなどの使用者保持装置に関し、特に、使用者の冷却(冷房)用の使用者保持装置に関連した冷却システム、および使用者の冷却(冷房)用の衣服に関連する。
【背景技術】
【0002】
内科患者が過度に汗をかく原因となりうる数多くの一般的な病状が存在する。こうした患者は、不快なほどに暑さを感じる。その上、発汗の存在は患者の皮膚を弱め、患者が病院用ベッドのマットレス上に安静にしている際、皮膚がマットレスに接触する部位でその患者が褥瘡を発症するリスクは高くなる。このリスクは、患者とマットレスとの間の微気候管理(MCM)トッパーを用いて減じることができる。MCMトッパーには、患者の下側を流れて熱および発汗を環境に移動させるための比較的冷たい空気の流れを許容する内部通路が含まれる。こうしたトッパーにはまた、空気の一部を通路から逃がし、それによって患者を直接的に冷やし、またその患者の皮膚から汗を蒸発させるための、一列に並んだ冷却孔が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、高性能のMCMトッパーでさえも、常に充分な軽減を提供してくれるとは限らない。したがって、患者を冷却し、汗を蒸発させるためのその他の方法を考案することが望ましく、その方法が単純、安価で、信頼性が高く、使用が簡便であり、かつ医療施設内に存在する可能性の高い既存の設備および/またはインフラを利用することができれば特に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
皮膚の所定の「パッチ」についての発汗レート(発汗量)は、深部体温の強い関数、平均皮膚温度のやや強い関数、および局所皮膚温度の比較的弱い関数であると考えられる。学術的研究では、手のひらなど身体のある一定の領域、および三叉神経が司る領域に適用される温度的刺激は、深部温度および平均皮膚温度への不釣合いに強い影響を持つことが示唆されている。したがって、上体の温度的に敏感な領域を冷却することにより、身体の下側の皮膚(すなわち、マットレスと接触する皮膚)から放出される汗のレベルを著しく減少させることが可能である。したがって、本出願は、使用者用の使用者保持装置の冷却システムについて説明する。冷却システムは、冷却源から冷却剤(冷却材)を受けるための注入口と目的地に冷却剤を放出する出口とを持つ冷却剤導管を備えた標的の冷却システムである。導管は、非永久的かつ手動で形状調節が可能であり、調整後に形状が安定しており、かつ使用者保持装置と使用者の一方または両方に着脱可能な形で固定可能である。1つの実施態様において、目的地は、使用者の身体の局部領域に標的の冷却剤の送達を達成するために選択された周囲環境である。本出願はまた、使用者(例えば患者)が着用する手袋も開示する。手袋は、少なくとも1つの冷却剤取込み口と以下の少なくとも1つを持つ。
a)冷却剤取込み口から排出口に伸びた冷却剤通路、および
b)部品的に手袋により、また部分的に使用者により流体経路の範囲を画定する使用者との協力関係。
【0005】
排出口は、冷却剤を通路から周囲環境に、流体経路に、またはその両方に排出する。流体経路によって受け取られた冷却剤は、周囲環境に放出される。
【0006】
本明細書に記載した冷却システムの多様な実施例の前述およびその他の機能は、下記の詳細な説明および付属の図面でより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、送風機ユニットから、温度的刺激が深部体温および/または平均皮膚温度について不釣合いな効果を持つと考えられる患者のそれぞれの身体部位に極めて近い個別の目的地の場所まで延びた、3本の冷却剤導管を有する病院用ベッドの斜視図である。
【図2】図2は、切断して送風機ハウジングの内部の構成要素を表示した、ベッドの足側端部および送風機ユニットを持つ送風機ユニットの詳細な平面図である。
【図3】図3は、図2の一部分の拡大図である。
【図4】図4A〜4Eは、冷却剤導管をベッドフレーム構成要素に固定するための、さまざまなスタイルのクランプの形態で固定機能を表示した図である。
【図5】図5は、面ファスナー固定機能を図示した図4Aと類似した斜視図である。
【図6】図6は、冷却剤導管を患者の腕に固定するために使用した面ファスナー固定機能を図示した、ベッド使用者の手のひらおよび前腕の平面図である。
【図7】図7は、図6の方向7−−7での図である。
【図8】図8は、複数の送風機吐出しポートと複数の冷却システム導管との間の一対一の対応を示す平面図である。
【図9】図9は、単一の送風機吐出しポートが冷却剤を本路と複数の分岐を含む導管に供給する配置を図示した、図8の平面図と類似した平面図である。
【図10】図10は、分岐導管の1つが切り離され、キャップが取り付けられている、図9のそれと類似した図である。
【図11】図11および図12はそれぞれ、使用者が着用する手袋の平面図および断面側面図であって、ここで、手袋は着用者の手と連携して、一部は手袋により、また一部は着用者により境界を成す流体経路が画定され、その経路が冷却剤を周囲環境に排出するために入口から出口まで延びており、またここで、出口は着用者の指と手袋の指の遠位端により形成される環により画定される。
【図12】図11および図12はそれぞれ、使用者が着用する手袋の平面図および断面側面図であって、ここで、手袋は着用者の手と連携して、一部は手袋により、また一部は着用者により境界を成す流体経路が画定され、その経路が冷却剤を周囲環境に排出するために入口から出口まで延びており、またここで、出口は着用者の指と手袋の指の遠位端により形成される環により画定される。
【図13】図13〜14はそれぞれ、図11〜12の手袋と類似した平面図および断面側面図であって、ここで、冷却剤を周囲環境に放出するための出口は、一列に並んだ出口の穴(通気穴)により画定される。
【図14】図13〜14はそれぞれ、図11〜12の手袋と類似した平面図および断面側面図であって、ここで、冷却剤を周囲環境に放出するための出口は、一列に並んだ出口の穴(通気穴)により画定される。
【図15】図15〜16はそれぞれ、使用者が着用する手袋の部分的に切断した平面図および断面側面図であって、手袋の内側を貫通して手袋材料の内部の層と外部の層の間を延びる流体通路を持ち、それぞれの経路には冷却剤を経路から周囲環境に排出するための1つ以上の排出口が含まれる。
【図16】図15〜16はそれぞれ、使用者が着用する手袋の部分的に切断した平面図および断面側面図であって、手袋の内側を貫通して手袋材料の内部の層と外部の層の間を延びる流体通路を持ち、それぞれの経路には冷却剤を経路から周囲環境に排出するための1つ以上の排出口が含まれる。
【図17】図17は、側面に沿った個別の通路への冷却剤の配分を助ける流体分配器としての役割を果たす手袋プレナムを含む、図15のそれと類似した図である。
【図18】図18〜19はそれぞれ、手袋の平面図および断面側面図であって、これは手袋の内側を貫通し手袋材料の内側層と外側層の間を延びる通路と、一部は手袋により、また一部は着用者の手により境界を成す冷却剤経路とを含むが、通路には、冷却剤を通路から経路に排出するための一列に並んだ排出口を含み、経路は冷却剤を周囲環境に排出するために出口まで延び、またここで、出口は着用者の指と手袋の指の遠位端により形成される環により画定される。
【図19】図18〜19はそれぞれ、手袋の平面図および断面側面図であって、これは手袋の内側を貫通し手袋材料の内側層と外側層の間を延びる通路と、一部は手袋により、また一部は着用者の手により境界を成す冷却剤経路とを含むが、通路には、冷却剤を通路から経路に排出するための一列に並んだ排出口を含み、経路は冷却剤を周囲環境に排出するために出口まで延び、またここで、出口は着用者の指と手袋の指の遠位端により形成される環により画定される。
【図20】図20は、送風機と目的地所在地との間の冷却剤導管に、ベッドフレームに着脱できないように付着された柔軟性のある導管部分が含まれる、病院用ベッドの別の変形物の斜視図である。
【図21】図21は、導管がサイドレールに取り付けられたノズルに供給する、図20のそれと類似した斜視図である。
【図22】図22は、送風機と図21のそれと類似したノズルがどちらもサイドレールに取り付けられている、病院用ベッドの別の変形物の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜3を参照するが、病院用ベッド20で例証した使用者保持装置には、ベッドの頭側端部24から足側端部26に長軸方向に、および左側32から右側34に横方向に延びたフレーム22が含まれる。キャスター36は、フレームから床38まで延びる。フレームにはまた、ヘッドボード42、フットボード44、左右の頭側端部サイドレール46、48、および左右の足側端部サイドレール50、52が含まれる。図中で、右側のサイドレールは上昇または展開した位置にあり、左側のサイドレールは下降または格納した位置にある。IVポール56は、フレームから垂直に延びる。IVポールは、フレームの永久的な構成部品とすることも、または介護者が必要に応じてフレームに取り付けたりフレームから取り外したりする、補助的なフレーム構成部品とすることもできる。IVポールをフレームに取り付ける手段は、その中に介護者がポールの下部端を置くソケットのような単純なものとすることができる。使用者62を保持するためのマットレス60は、フレームに載っている。オプションのトッパー64は、マットレスに載っている。図示したベッド用に適切なトッパーの1つのタイプは、電動式トッパーである。電動式トッパーは、内部の通路がある。動作時に、空気が通路を通って流れ、使用者の冷却および汗の蒸発を助ける。
【0009】
冷却システム70には、永久的にまたは非永久的にフットボードまたはベッドフレームのその他の部品に取り付けられた送風機ユニット72が含まれる。送風機ユニットには、プレナム78を画定するハウジング76と、周囲の空気入口(空気取り入れ口)開口部80、ファン82、オプションの冷却機84または周囲の空気を調整するためのその他のデバイス、およびファンおよび冷却機の下流の1つ以上の吐出しポート88、90が含まれる。周囲空気の形態での冷却剤94がファン82により送風機ハウジングに引き込まれ、オプションの冷却機84またはその他の調整デバイスが存在しており動作中である場合は調整され、吐出しポートを通して排出される。図1〜3の送風機は、2つのタイプの吐出しポートを持つ。吐出しポート88は、トッパー供給ホース92によって冷却剤をトッパー64に供給する。吐出しポート90は、冷却剤をそれぞれの冷却剤導管100(特定の導管を示す参照番号に添えたA、B、Cなどの文字を持つ)に供給する。各導管100は、冷却剤を送風機72などのその冷却源から受ける入口102を持つ。各導管100の入口102は、図2〜3に図示したクイック接続金具110などの適切なコネクタにより、送風機吐出しポート90に接続されている。弁112は各ポート90を通って流れる流体の流れを調節し、導管がポートに接続されている場合には導管取込み口102に流れ込ませる。各導管はまた、冷却剤を目的地に排出するための出口104を持つ。図1において、目的地は、使用者の付近にあり、使用者の身体の選択した部位に効果的な冷却を提供できるように使用者に十分近い周囲環境である。
【0010】
送風機72は、フットボードに取り付けた局所的送風機として図示されている。ところが、送風機はベッドに取り付けないユニットとすることもできる。一例は、ユーティリティ室に配置される送風機であり、配管が送風機ユニットから病室の壁または頭部壁上の排出ポート90A(図1)に延びる。
【0011】
図1〜3の送風機は、冷却用導管100および使用者保持装置の少なくとも1つのその他の構成部品、すなわちトッパー64により共有される。別の方法として、送風機は冷却システムの冷却用導管専用とすることができる。
【0012】
各導管100は、非永久的および手動で形状調整が可能で、かつ調整後に形状が安定するものである。言い換えれば、使用者は、導管を希望の形状に曲げることができ(手動で形状調整が可能)、その後で使用者が別の安定した形状に曲げない限り(非永久的に形状調整が可能)、導管はその形状を保つ(調整後に形状が安定)。図示した導管は、例えば、図3に表示した、畝のある構成の結果としてのこれらの特性を達成している。形状の調整機能によって、介護者は、送風機吐出しポート90から介護者が出口104の配置を希望する任意の目的地の位置に、都合のよい選択した経路に沿って導管を配置できる。目的地の位置は、導管出口から出る冷却剤が標的の位置で効果的な冷却を提供できる、使用者の身体上の標的位置に十分に近い位置である。満足な標的と考えられる2つの位置には、使用者の手のひらと、例えば首、あごおよび頬など三叉神経の司る領域がある。例えば、導管100Aは、右側の足側端部サイドレールの外側寄りベッドの右側に沿って延び、右側の頭側端部サイドレールの上を越えて、使用者の右あごに近接した目的地120Aの出口104で終了する。導管100Bは、左側の足側端部サイドレールの内側寄りのベッドの左側に沿って延び、IVポール56で急に内側に向きを変え、使用者の左あご付近の目的地120Bでの出口で終了する。導管100Cは、マットレスの右側の足側端部に沿って長軸方向と垂直方向に延びた後、マットレスの上部に沿って短距離に延び、使用者の右手のひら付近の目的地120Cでのその出口104で終了する。導管の形状調節機能により、使用者は、導管の出口端104を希望する方向にすることができる。例えば、図1は、任意の同一平面基準線124に対して同じ水平面上の異なる角度α1(実線)およびα2(極細線)に向けた導管100Aの出口端を示す。図1も、任意の同一平面基準線126に対して同一垂直面上の異なる角度β1(実線)およびβ2(極細線)に向けた導管100Bの出口端を示す。図1は、単に図示の便宜を図り、単一平面に限定した方向角度αおよびβの差異を示す。実際には、こうした限定を守る必要はない。
【0013】
図1および4〜7を参照するが、固定機能130は、各冷却システム導管100を、使用者保持装置に、使用者に、または両方に着脱可能で固定可能にする。図4Aおよび4Bにおいて、固定機能は、導管100に外接するバンド134と、バンドから延びた一対の湾曲可能なアーム136とを持つクランプ132である。使用時、アームは図に示すとおり、使用者がクランプをサイドレールまたはその他のフレーム構成部品上にスナップ留めできるように湾曲する。次に、湾曲可能なアームは、使用者がクランプを引き離すことによってアームが湾曲してつかみが解除されることで使用者がクランプを外すまで、サイドレールをつかむ。
【0014】
クランプ132の1つの実施態様において、バンド134は、導管の周りにきつくフィットし、バンドに対する導管軸140の局所的な方向への導管のスリップを防止する。その結果、導管に対するクランプの位置は固定される。別の実施態様において、バンドは、導管の周りにやや弱めのきつさでフィットし、使用者が導管をクランプバンド内でスライドさせるか、またはクランプバンドを導管に沿ってスライドさせて、クランプを導管に沿った希望の位置にすることができる。それにもかかわらず、後者の実施態様は、クランプが導管に沿った希望の位置に配置されると、使用者によって意図的に移動しない限りその位置に留まる傾向にあるように、ある程度の滑り抵抗を示すように設計される。第3の実施態様において、クランプには、解除して導管とクランプの相対的移動が許容されるか、あるいは噛み合わせてこうした移動を防止するかまたはそれに抵抗することができるロックまたはラッチが含まれうる。クランプが固定または可動であるかを問わず、クランプがサイドレールからの着脱ほどは導管から都合よく着脱できないことを考えると、図4Aおよび4Bのクランプは主に導管100に関連する。別の方法として、図4C〜4Dに示すとおり、バンドおよびアームの役割は、バンド134がサイドレール(またはその他のフレーム構成部品)に外接し、アーム136が導管をつかむよう逆にすることができる。こうした配置において、クランプが、導管からの着脱ほどはサイドレールまたはその他のフレーム構成部品から都合よく着脱できないことを考えると、クランプは主に使用者保持装置と関連する。図4Eに示すさらに別のオプションは、クランプが簡単に導管とフレーム構成部品の両方にスナップ留めでき、そこから取り外すことができるように、2組のアーム136を備えたクランプである。
【0015】
図5は、VELCRO(登録商標)面ファスナー固定機能130の実施例を示す。この固定機能は、サイドレールまたはその他のフレーム構成部品上の1つ以上の位置でのフックのパッチ144と、導管上の1つ以上の位置でのループのパッチ146とから成る。クランプ固定機能と同様、面ファスナーパッチは、使用者の判断によって、サイドレールおよび/または導管に沿って固定位置に配置されるか、サイドレールおよび/または導管に沿ってスライド可能か、またはサイドレールおよび/または導管から着脱するように設計することができる。
【0016】
図6〜7は、使用者が位置を変更した場合でも、出口104は使用者の手のひらに対して定位置に留まり、導管出口104から出る冷却剤が使用者の手のひらを横切って確実に流れるよう、使用者の手首に別のタイプの面ファスナー固定機能130により固定された導管100の出口端を示す。図示した固定は、導管100に取り付け端152で取り付けられ、使用者の手首に巻きつくことができるよう十分に長く、また導管を所定の位置に保持するようにそれ自体が固定されるVELCRO(登録商標)ストラップ150である。
【0017】
クランプまたは面ファスナー以外の固定機能を使用することもできる。
【0018】
図8〜10は、網羅的ではないが送風機および導管オプションの組を示す。図8は、図1同様、複数の送風機吐出しポート90と複数の冷却システム導管100との間の一対一の対応を示す。各導管は、図1に示す目的地120A、120B、120Cなど、別個の目的地に延びる。単純なマニュアル弁として図示した弁112は、送風機プレナム78から出る流体の流れを調節する。クイック接続継手110が、各導管の送風機排出部品への取り付けを達成する。図9は、単一の送風機吐出しポート90が、冷却剤を本路160および複数の分岐162A、162Bを備えた導管100に供給する配列を示す。弁114は、分岐162Aを通る流れを調節する。分岐162Bを通る流れは調節されない。本路160は複数の目的地への冷却剤を運ぶが、そのそれぞれが専用の分岐によって供給される。ねじ山のあるオスおよびメスの継ぎ手164、166によって各分岐の本路への取り付けが達成されるが、一部またはすべての分岐は永久的に本路に取付けすることができる。図10は、分岐導管162Bが切り離され、キャップ168が取り付けられた図9の配置を示す。
【0019】
流れ調節弁112、114は、ソレノイド制御弁などの簡単なオン/オフ式弁とすることも、または質量流量および/または分配など冷却剤の流れパラメータの調節の要件に応じて調節弁とすることもできる。弁は、図2、3および8に示すとおり送風機吐出しポートに(弁112)、図9〜10に示すとおり導管本路および導管分岐の付近の合流点に(弁114)、またはその他の任意の所望の場所に配置することができる。特に申し分ない1つの位置は導管出口で、図1に示すとおり、導管100Bには、使用者が使用地点の近くに立った姿勢で、使用時点で冷却剤の質量流量を調節できるロータリー弁またはノズル172が含まれる。導管出口での弁またはノズルは、出口から出る冷却剤の噴出パターンを調節できるタイプのものとすることもできる。
【0020】
少なくとも一部の用途において、任意の調節可能な流れ制御弁の代わりに、またはそれに加えて、調節可能でない流量制限器を含めることが望ましい場合がある。単純なオリフィス プレート176の形態でのこうした流量制限器を図8の最も上の導管に示す。こうした流量制限器の使用は、冷却剤導管100だけでなく、低空気損失トッパー64など使用者保持装置の別の構成部品にも空気を供給する場合に特に望ましいことがある。流量制限器は、トッパーに優先的に供給し、トッパーでの冷却剤の枯渇を防止するために、冷却システム導管への冷却剤の流れを詰まらせる。
【0021】
図11〜12を参照するが、冷却システムには、使用者が着用可能な手袋190などの衣服も含まれうる。手袋には、手のひら側192、手の甲側194、手首端196、中手領域198、およびそれぞれ中手端204および遠位端206を持つ指202が含まれる。指は、手袋を着用したときに手袋指が着用者の指208の周りにゆるくフィットするように、使用者の指の直径よりもわずかに大きな直径を持つ。また、着用者の指が手袋指の遠位端を越えて延びるように、手袋の指は短縮され、遠位端で開いている。手袋には、その手のひら側で手首端196の付近で手袋に取り付けられる冷却剤取込み口接続具210も含まれる。冷却剤導管の出口端104は、入口が送風機出口から排出された冷却剤の目的地となるように、永久的にまたは着脱可能な形で入口210に取り付けられる。
【0022】
手袋は、冷却剤導管により排出された冷却剤のための冷却剤の流路を提供する。下記の考察に照らして理解されるとおり、この流路は、流体経路、流体通路、または流体経路および流体通路の組み合わせを備えうる。
【0023】
ベッド使用者が着用する時、手袋は、着用者の手と連携して、一部は手袋により、また一部は着用者により排他的に境界を成す流体経路220を画定する。この経路は、入口210から流路の出口に延び、特に経路出口222は着用者の指と手袋指の遠位端により形成される環224により画定される。動作時、流体経路は入口210から冷却剤を受け取り、冷却剤を着用者の手に沿って導き、冷却剤を出口222により周囲環境に排出する。図12に図示したとおり、経路は使用者の手のひら側と手の甲側の両方に沿って延ばすことができるが、入手可能な研究では、標的の冷却は手の甲側よりも手のひらに沿う方がより効果的であることが示唆されている。したがって、使用者の手と連携して着用者の手のひら側に沿った流体経路のみを画定する手袋で十分であると考えられる。
【0024】
図13〜14を参照するが、手袋190の別の変形物において、手袋指202の遠位端206は着用者の指の周りにぴったりとフィットする。さらに、一連の出口穴230は、流体経路220が入口210から出口穴230により集合的に画定される出口222に延びるよう手袋を貫通し、集合的に経路出口222を画定する。図11〜12の変形物と同様、流体経路は冷却剤を入口210から受取り、冷却剤を着用者の手に沿って導き、出口穴230で表現されている出口222により冷却剤を周囲環境に排出する。標的の冷却は、着用者の手の甲側よりも着用者の手のひらに沿った方がより効果的であると考えられるため、手袋の手のひら側にのみ出口穴を設けることで十分でありうる。
【0025】
図15〜16を参照するが、手袋190の別の変形物は、手袋の内側、手袋材料の内部層と外部層254、256の間を通って延びる、流体通路240A、240B、240C、240Dを備えている。各通路は、冷却剤を通路から周囲環境に排出するための1つ以上の排出口260を持つ。通路240Aは、その遠位端に単一の排出口260を持つ、線形または準線形の通路である。通路240Bは、通路の手首端から通路の遠位端までその長さに沿って分布された排出口260を持つ類似した通路である。通路240Cは、その遠位端に単一の排出口260を持つ曲がりくねった通路である。通路240Dは、排出口260がその長さに沿って分布しているらせん状の通路である。簡潔に図示するために、さまざまな通路の幾何学形状を単一の手袋として示している。実際には、手袋には1つのタイプのみの通路幾何学形状を用いる可能性が高くなる。
【0026】
図示した通路幾何学形状は、可能性のある幾何学形状をすべて網羅したものではない。通路の数は、図示したものよりも多いことも少ないこともありうる。動作時、冷却剤は手袋取込み口110から通路240を通り、着用者の皮膚に直接接触することなく排出口260を出る。その結果、熱は内側材料層を通って冷却剤の流れに流れ込み、これにより熱が環境に移動する。手袋の設計者は、使用者の手からの希望するレートでの熱移動に適合する熱伝導率を持つ内側層254の材質を選択できる。また、着用者の皮膚からの汗の除去を希望する範囲に応じて、内側層は蒸気浸透性でもある。繰り返しになるが、入手可能な研究では、冷却剤通路を手袋の手のひら側のみに設けることで恐らく十分であることが示唆されている。
【0027】
図17は、手袋冷却剤取込み口210と個別の通路の中手端204との間に流れ方向に存在する手袋プレナム264を含めた、図15〜16のそれと類似した手袋を示す。プレナムは、個別の通路への冷却剤の横方向の配分を助ける流体分配器としての役目を果たす。
【0028】
図18〜19は、流路に手袋の内部を手袋材料の内側層と外側層254、256の間を通って延びる通路240と、一部は手袋により、また一部は着用者の手により境界を成す冷却剤経路220の両方が含まれる、手袋190の変形物を示す。図示した特定の実施態様には、図15および17にある個別の通路ではなく、単一の大きな通路240がある。この通路には、一列に並んだ排出口260が含まれる。手袋指の遠位端と着用者の指により形成される環224が、流路または経路排気出口222を画定する。動作時、手袋取込み口210で受け取られた冷却剤は、流体通路240を通って流れ、この通路から通路排出口260により経路220に排出され、経路220を着用者の皮膚に沿って流れ、出口の環224により環境に放出される。繰り返しになるが、入手可能な研究では、冷却剤通路および経路を手袋の手のひら側のみに設けることで恐らく十分であることが示唆されている。
【0029】
図20は、病院用ベッドの別の変形物および関連する冷却システムの斜視図である。冷却システムには、送風機72に取り付けられたフレームからカプラー270に延びた第一の導管部分96を持つ導管100が含まれる。第一の導管部分は、ベッドフレームに着脱できないように取り付けられる。本明細書で使用する時、「着脱できないように取り付け」は、図4〜5の固定機能130の場合のように、導管がフレームからの着脱を日常的かつ簡便にするよう意図されていないことを意味する。それが取り付けられたフレーム部品の相対的な角度方向の変化(例えば角度θの変化)に適応できるように、第一の導管部分は柔軟性がある。ただし、第一の導管部分は、その形状を調節した後で形状は必ずしも安定する必要はない。導管100にはまた、カプラー270から導管出口104に延びた第二の導管部分98が含まれる。第二の導管部分98は、非永久的および手動で形状調整が可能、かつ調整後に形状が安定するものである。
【0030】
図21は、導管がサイドレール46に取り付けられたノズル274に供給する、図20のそれと類似した斜視図である。図示したノズルは、民間航空機の客席で使用されるものと類似したもので、使用者はノズルのリング276をひねって流量を調整でき、またノズルを、軸278、280を中心に旋回させて、ノズルから出る冷却剤の流れの方向を変更できる。
【0031】
図22は、送風機72と図21のそれと類似したノズル274がどちらもサイドレール46に取り付けられている、病院用ベッドの別の変形物の斜視図である。別の方法として、送風機および/またはノズルは、ヘッドボードまたはフットボードなど、その他のベッド構成要素内またはその上に取り付けることができる。
【0032】
この開示では具体的な実施態様を記載しているが、当業者であれば、付随の請求項で規定される主題から逸脱することなく、形態や詳細に対してさまざまな変更を行うことができることが理解されるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者保持装置の使用者向けの標的の冷却システムであって、冷却剤導管を備え、前記冷却剤導管は、その供給源から冷却剤を受ける入口と、前記冷却剤を目的地に排出する出口とを有し、前記導管の少なくとも一部分が非永久的かつ手動で形状調整が可能であり、調整後には形状が安定し、かつ前記使用者保持装置および前記使用者の一方または両方に着脱固定可能であることを特徴とする冷却システム。
【請求項2】
前記目的地が周囲環境である、請求項1の冷却システム。
【請求項3】
前記目的地が、前記使用者の身体の局所領域に標的冷却剤の送達を達成するよう選択される、請求項2の冷却システム。
【請求項4】
前記局所領域が
a)前記使用者の手のひら、および
b)前記使用者の三叉神経領域
より構成される群から選択される、請求項3の冷却システム。
【請求項5】
内部の冷却剤通路と、冷却剤を前記通路に供給する少なくとも1つの入口と、冷却剤を前記通路から排出する少なくとも1つの排出口とを有する衣服を含み、
前記目的地が前記衣服への前記入口である、請求項1の冷却システム。
【請求項6】
前記衣服が手のひら側と手の甲側を持つ手袋で、前記冷却剤通路が前記手のひら側に沿って延びている、請求項5の冷却システム。
【請求項7】
前記衣服が手袋であり、少なくとも1つの排出口が冷却剤を周囲環境に排出する、請求項5の冷却システム。
【請求項8】
前記衣服が手袋であり、少なくとも1つの排出口が前記通路からの冷却剤を、部分的に前記使用者により、また部分的に前記衣服により境界を成す流体経路に排出する、請求項5の冷却システム。
【請求項9】
前記導管が前記衣服にその前記入口で着脱可能に取り付けられている、請求項5の冷却システム。
【請求項10】
部分的に前記使用者により、また部分的に前記衣服により境界を成す流体の流れの経路を画定する、前記使用者が着用可能な衣服を含み、前記目的地が前記流れの経路の上流端である、請求項1の冷却システム。
【請求項11】
前記使用者保持装置または前記使用者に着脱可能で固定できるように、主として前記導管に関連した固定機能を含む、請求項1の冷却システム。
【請求項12】
前記使用者保持装置に着脱可能で固定できるようにするために、主として前記使用者保持装置に関連した固定機能を含む、請求項1の冷却システム。
【請求項13】
冷却剤を前記冷却剤導管に供給するための局所的送風機を備えた、請求項1の冷却システム。
【請求項14】
前記局所的送風機が、前記冷却剤導管と前記使用者保持装置の少なくとも1つのその他の構成要素との間で共有される、請求項13の冷却システム。
【請求項15】
前記局所的送風機が前記冷却システム専用である、請求項13の冷却システム。
【請求項16】
前記送風機に複数の送風機吐出しポートが含まれ、それぞれが冷却剤送達導管に接続可能であり、前記送風機吐出しポートのうち少なくとも一部にそれを通過する流体の流れを調整するための手段が含まれる、請求項13の冷却システム。
【請求項17】
前記冷却用導管に本路および少なくとも1つの分岐が含まれる、請求項1の冷却システム。
【請求項18】
前記冷却剤導管に、前記導管を通して流れる流体の質量流量を制限するための、少なくとも1つの調整できない流量制限器が含まれる、請求項1の冷却システム。
【請求項19】
前記冷却剤導管に、前記導管を通して流れる冷却剤の流れパラメータを調整できるように調節するための手段が含まれる、請求項1の冷却システム。
【請求項20】
前記排出される冷却剤の噴射パターンを調整するための手段を含む、請求項1の冷却システム。
【請求項21】
前記導管入口の上流に前記冷却剤の調整のための調整装置を含む、請求項1の冷却システム。
【請求項22】
その使用者が着用する手袋であって、前記手袋は、
少なくとも1つの冷却剤取込み口と
a)前記冷却剤取込み口から少なくとも1つの排出口に伸びた冷却剤通路、および
b)部品的に前記手袋により、また部分的に前記使用者により流体経路の範囲を画定する前記使用者との協力関係と、
のうち少なくとも1つを有し、
i)前記少なくとも1つの排出口は、前記冷却剤を前記通路から周囲環境および前記流体経路の一方またはその両方に排出し、かつ
ii)前記流体経路は、前記入口により取り込まれた冷却剤を受け取り、前記受け取った冷却剤を周囲環境に排出する、
手袋。
【請求項23】
前記手袋が手のひら側と手の甲側を持ち、前記冷却剤通路が、手のひら側に沿って、存在し延びている、請求項22の手袋。
【請求項24】
前記手袋は、中手端および遠位端を持つ指を含み、前記指は、前記使用者の指が前記遠位端を越えて延びるように短縮されている、請求項22の手袋。
【請求項25】
前記手袋に取り付けられた冷却剤取込み口を含む、請求項22の手袋。
【請求項26】
前記入口の下流に流体分配器を含む、請求項25の手袋。
【請求項27】
フレームを有する使用者保持装置の使用者向けの標的の冷却システムであって、
その供給源から冷却剤を受ける第一の導管部分を有する冷却剤導管を備え、前記第一の導管部分は着脱できないように前記フレームに固定され、前記導管はまた、前記冷却剤を目的地に排出するための出口を有する第二の導管部分を含み、前記第二の導管部分は、非永久的かつ手動で形状調整が可能であり、調整後には形状が安定し、前記第一の導管部分は、調整後に形状が安定しない、使用者保持装置の使用者向けの標的の冷却システム。
【請求項28】
少なくとも1つの流量調整可能かつ方向調整可能な排出ノズルを含む、請求項27の冷却システム。
【請求項29】
フレームと、ヘッドボード、フットボードおよびサイドレールで構成される群から選択される周囲の板を備えるベッドであって、前記ベッドがまた前記周囲の板の1つに収容された送風機と、前記送風機から冷却剤を受けるために前記周囲の板のうち1つに取り付けられたノズルとを含み、前記ノズルが流量調整可能および方向調整可能なノズルのうち少なくとも1つであるベッド。
【請求項1】
使用者保持装置の使用者向けの標的の冷却システムであって、冷却剤導管を備え、前記冷却剤導管は、その供給源から冷却剤を受ける入口と、前記冷却剤を目的地に排出する出口とを有し、前記導管の少なくとも一部分が非永久的かつ手動で形状調整が可能であり、調整後には形状が安定し、かつ前記使用者保持装置および前記使用者の一方または両方に着脱固定可能であることを特徴とする冷却システム。
【請求項2】
前記目的地が周囲環境である、請求項1の冷却システム。
【請求項3】
前記目的地が、前記使用者の身体の局所領域に標的冷却剤の送達を達成するよう選択される、請求項2の冷却システム。
【請求項4】
前記局所領域が
a)前記使用者の手のひら、および
b)前記使用者の三叉神経領域
より構成される群から選択される、請求項3の冷却システム。
【請求項5】
内部の冷却剤通路と、冷却剤を前記通路に供給する少なくとも1つの入口と、冷却剤を前記通路から排出する少なくとも1つの排出口とを有する衣服を含み、
前記目的地が前記衣服への前記入口である、請求項1の冷却システム。
【請求項6】
前記衣服が手のひら側と手の甲側を持つ手袋で、前記冷却剤通路が前記手のひら側に沿って延びている、請求項5の冷却システム。
【請求項7】
前記衣服が手袋であり、少なくとも1つの排出口が冷却剤を周囲環境に排出する、請求項5の冷却システム。
【請求項8】
前記衣服が手袋であり、少なくとも1つの排出口が前記通路からの冷却剤を、部分的に前記使用者により、また部分的に前記衣服により境界を成す流体経路に排出する、請求項5の冷却システム。
【請求項9】
前記導管が前記衣服にその前記入口で着脱可能に取り付けられている、請求項5の冷却システム。
【請求項10】
部分的に前記使用者により、また部分的に前記衣服により境界を成す流体の流れの経路を画定する、前記使用者が着用可能な衣服を含み、前記目的地が前記流れの経路の上流端である、請求項1の冷却システム。
【請求項11】
前記使用者保持装置または前記使用者に着脱可能で固定できるように、主として前記導管に関連した固定機能を含む、請求項1の冷却システム。
【請求項12】
前記使用者保持装置に着脱可能で固定できるようにするために、主として前記使用者保持装置に関連した固定機能を含む、請求項1の冷却システム。
【請求項13】
冷却剤を前記冷却剤導管に供給するための局所的送風機を備えた、請求項1の冷却システム。
【請求項14】
前記局所的送風機が、前記冷却剤導管と前記使用者保持装置の少なくとも1つのその他の構成要素との間で共有される、請求項13の冷却システム。
【請求項15】
前記局所的送風機が前記冷却システム専用である、請求項13の冷却システム。
【請求項16】
前記送風機に複数の送風機吐出しポートが含まれ、それぞれが冷却剤送達導管に接続可能であり、前記送風機吐出しポートのうち少なくとも一部にそれを通過する流体の流れを調整するための手段が含まれる、請求項13の冷却システム。
【請求項17】
前記冷却用導管に本路および少なくとも1つの分岐が含まれる、請求項1の冷却システム。
【請求項18】
前記冷却剤導管に、前記導管を通して流れる流体の質量流量を制限するための、少なくとも1つの調整できない流量制限器が含まれる、請求項1の冷却システム。
【請求項19】
前記冷却剤導管に、前記導管を通して流れる冷却剤の流れパラメータを調整できるように調節するための手段が含まれる、請求項1の冷却システム。
【請求項20】
前記排出される冷却剤の噴射パターンを調整するための手段を含む、請求項1の冷却システム。
【請求項21】
前記導管入口の上流に前記冷却剤の調整のための調整装置を含む、請求項1の冷却システム。
【請求項22】
その使用者が着用する手袋であって、前記手袋は、
少なくとも1つの冷却剤取込み口と
a)前記冷却剤取込み口から少なくとも1つの排出口に伸びた冷却剤通路、および
b)部品的に前記手袋により、また部分的に前記使用者により流体経路の範囲を画定する前記使用者との協力関係と、
のうち少なくとも1つを有し、
i)前記少なくとも1つの排出口は、前記冷却剤を前記通路から周囲環境および前記流体経路の一方またはその両方に排出し、かつ
ii)前記流体経路は、前記入口により取り込まれた冷却剤を受け取り、前記受け取った冷却剤を周囲環境に排出する、
手袋。
【請求項23】
前記手袋が手のひら側と手の甲側を持ち、前記冷却剤通路が、手のひら側に沿って、存在し延びている、請求項22の手袋。
【請求項24】
前記手袋は、中手端および遠位端を持つ指を含み、前記指は、前記使用者の指が前記遠位端を越えて延びるように短縮されている、請求項22の手袋。
【請求項25】
前記手袋に取り付けられた冷却剤取込み口を含む、請求項22の手袋。
【請求項26】
前記入口の下流に流体分配器を含む、請求項25の手袋。
【請求項27】
フレームを有する使用者保持装置の使用者向けの標的の冷却システムであって、
その供給源から冷却剤を受ける第一の導管部分を有する冷却剤導管を備え、前記第一の導管部分は着脱できないように前記フレームに固定され、前記導管はまた、前記冷却剤を目的地に排出するための出口を有する第二の導管部分を含み、前記第二の導管部分は、非永久的かつ手動で形状調整が可能であり、調整後には形状が安定し、前記第一の導管部分は、調整後に形状が安定しない、使用者保持装置の使用者向けの標的の冷却システム。
【請求項28】
少なくとも1つの流量調整可能かつ方向調整可能な排出ノズルを含む、請求項27の冷却システム。
【請求項29】
フレームと、ヘッドボード、フットボードおよびサイドレールで構成される群から選択される周囲の板を備えるベッドであって、前記ベッドがまた前記周囲の板の1つに収容された送風機と、前記送風機から冷却剤を受けるために前記周囲の板のうち1つに取り付けられたノズルとを含み、前記ノズルが流量調整可能および方向調整可能なノズルのうち少なくとも1つであるベッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−139508(P2012−139508A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−277(P2012−277)
【出願日】平成24年1月4日(2012.1.4)
【出願人】(503278256)ヒル−ロム サービシズ,インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−277(P2012−277)
【出願日】平成24年1月4日(2012.1.4)
【出願人】(503278256)ヒル−ロム サービシズ,インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】
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