説明

依頼応答システム

【課題】電話による要望依頼の受付の容易化と対応の迅速化。
【解決手段】依頼主から電話を通じて入力される信号若しくは前記依頼主の電話機14からの発信者番号通知信号により前記依頼主を特定する依頼主特定手段18と、電話機14を介して前記依頼主から伝えられる前記依頼主の音声を依頼要望データとして記憶する記憶手段17と、前記依頼主特定手段18が特定した依頼主に対応する担当者の端末機20に電子メールを送信するメール送信手段21とを有し、前記メール送信手段21は前記依頼要望データを音声ファイルとして前記電子メールに添付する依頼応答システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、依頼応答システムに関するものであり、特に、依頼者から電話により依頼が届いたら、担当者に迅速に依頼事項を通知する依頼応答システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物の再配達の依頼、メンテナンス修理の依頼等を電話で行うことは周知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−145514
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷物の再配達の依頼やメンテナンス修理の依頼等を電話で行う際には、受付センターに電話をしてそこのオペレーターに依頼主の要望・希望を伝えることになるが、オペレーターの受付マニュアルに従った応答では、依頼主の真意が配達担当者や修理担当者に伝わりきらず、「かゆいところに手が届く」細やかな対応が出来ているとは言えなかった。
【0005】
また、依頼主の要望を受付けたオペレーターは、要望事項をキーボード入力で電子化するが、電子化される事項はオペレーターの判断により取捨選択されがちで、対応にバラツキが生じる。
【0006】
また、キーボード入力で電子化するから人的・機械的にシステムへの負担が大きく、対応時間も長くなる。
【0007】
また、依頼主からの電話を受けてから、適切な担当者に対応指示書が届くまでに時間がかかり過ぎていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
よって本発明は、依頼主からの電話を受けて前記依頼主を特定する依頼主特定手段18と、前記依頼主からの電話通信により入手した依頼要望データを記憶する記憶手段17と、前記依頼主特定手段18が特定した依頼主に対応する端末機20に電子メールを送信するメール送信手段21とを有し、前記メール送信手段21は前記依頼要望データを音声ファイルとして前記電子メールに添付する依頼応答システムとしたものである。
また、本発明は、依頼主から電話を通じて入力される信号若しくは前記依頼主の電話機14からの発信者番号通知信号により前記依頼主を特定する依頼主特定手段18と、電話機14を介して前記依頼主から伝えられる前記依頼主の音声を依頼要望データとして記憶する記憶手段17と、前記依頼主特定手段18が特定した依頼主に対応する担当者の端末機20に電子メールを送信するメール送信手段21とを有し、前記メール送信手段21は前記依頼要望データを音声ファイルとして前記電子メールに添付する依頼応答システムとしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、端末機20に送信された電子メールに添付の音声ファイルは、再配達指示書(対応指示書)として機能するから、担当者の都合の良いときに容易に依頼主の正確な要望を確認でき、迅速な対応が可能となる。
また、本発明によれば、依頼主の要望に対して高度な対応が出来る一方で、依頼主に担当者の端末機20のデータ(電話番号等)を告知せずに済むため、端末機20のデータ流出等の問題も発生しない。
また、依頼主からの希望に関するデータ内容を分析解析する必要がないため、システムの負担は少なく、対応も迅速に行える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による依頼応答システムの全体の概要ブロック図。
【図2】不在連絡票の詳細図。
【図3】電話受付センターのブロック図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明による依頼応答システムを実施例に基づいて説明する。本依頼応答システムは多種の業種において利用可能であり、一例として、運送業において用いる場合について説明する。
【0012】
10は荷物の配達先であり、本依頼応答システムにおいては荷物の受取人である配達先10が依頼主先となる。11は配達先10に投函される不在連絡票11であり、不在連絡票11には問合せ番号12が記載されている。
【0013】
13は電話受付センターであり、通常、運送業者の管理下に置かれる。電話受付センター13は、配達先10の一般電話機や携帯電話機等の電話機14からの発信に自動応答する応答手段15と、電話機14にメッセージを送出するメッセージ送出手段16と、電話機14から伝えられる依頼主の音声を記録する記憶手段17と、依頼主特定手段18と、再配達受付手段19とを備えている。
【0014】
不在連絡票11を受け取った配達先10の荷受人(依頼主)が、不在連絡票11を見て電話受付センター13に電話を掛けると、これに応答手段15が応答し、メッセージ送出手段16が荷受人に問合せ番号12の入力を求めるメッセージを送出する。問合せ番号12はPBトーン等の信号により送信され、依頼主特定手段18は信号から不在連絡票11の内容を特定する。本システムを運送業に適用させた場合には、不在連絡票11の内容から再配達すべき荷物(依頼主)を特定し、(その依頼主の)当該荷物がどこに保管されているか、配達中のトラックにあるのか、集配センターに戻されているのか等が参照される。
【0015】
問合せ番号12の解析により荷物が特定されると、再配達受付手段19は、再配達するドライバー(担当者)を特定する。再配達ドライバーを特定する条件設定は本発明の要旨ではなく、本発明を利用する業者がそれぞれの営業体系に応じて最適であると判断した者を指定すればよく、一般的には、最初の配達を行った者や、配送センターに残っている者となる。
【0016】
20は再配達ドライバーが所有する端末機であり、車載用、携帯用の何れでも良いが、音声ファイルが添付された電子メールを受信できる端末となる。
【0017】
再配達を希望する荷受人は、問合せ番号12を送信後、メッセージ送出手段16からのメッセージに従って再配達希望に関する再配達データ(依頼要望データ)を電話機14を介して口頭で(音声で)送出し、その音声は記憶手段17に記録される。再配達データには、再配達希望日時が含まれる。本発明では再配達データの内容分析は行わない点が主要な特徴の1つとなり、再配達データはそのまま音声ファイルとして保存すればよい。
【0018】
再配達データの保存が終わると、電子メール送信手段21は再配達ドライバーが所有する端末機20への電子メールを作成し、これに再配達データそのものである音声ファイルを添付して端末機20に、再配達指示書として送信する。
【0019】
再配達指示書としての電子メールは、電波状況に多少左右されるが略オンタイムで受信されるから、再配達ドライバーが運転中であったり、配達先10に出向いたりしている最中でも円滑に再配達ドライバーに届けられ、都合の良いときに容易に確認でき、迅速な対応が可能となる。加えて、留守番電話のように再配達ドライバーがセンターにアクセスする必要もない。
【0020】
また、再配達ドライバーが端末機20で着信電子メールを見て、添付の音声ファイルを開くと、荷受人から受けた再配達データをそのまま再生して聞くことができるから、特定のマニュアルに沿って作成された再配達指示書では伝達しきれない依頼主の希望を入手でき、これに応じることも可能となる。
【0021】
また、本発明のシステムにおいては、荷受人の要望に対して高度な対応が出来る一方で、荷受人に再配達ドライバーの端末機20のデータ(電話番号等)を告知せずに済むため、端末機20のデータ流出等の問題も発生しない。
【0022】
また、荷受人からの再配達希望に関するデータ内容を分析解析する必要がないため、システムの負担は少ない。
【0023】
以上のような本発明による依頼応答システムは、その他の業種においても利用可能であり、例えば、介護分野、メンテナンス分野等での利用が想定されている。
【0024】
介護分野では、要介護者が居る居所が依頼主先10となり、依頼主は電話機14を用いて電話受付センター13に電話を掛けて、依頼要望データを録音する。介護分野のように依頼主が予め限られた登録者である場合には、依頼主特定手段18は電話機14からの発信電話番号により依頼主を特定することが出来る。
【0025】
依頼主の特定が行われると、運送業の時と同様に、依頼主に応じた介護ヘルパー等が所有する特定の端末機20が指定され、依頼要望データの音声ファイルが電子メールに添付されて送信される。
【0026】
介護分野の利用においても、端末機20を有する介護ヘルパーは直接電話に出られるときが限られるため、依頼要望データを音声ファイルとして受信する利便性は高く、音声ファイルは備忘録としても機能する。
【0027】
メンテナンス分野での利用は、介護分野での利用に近い体系となり、依頼主は会員登録した限られたメンバーとなり、依頼要望データを音声ファイルとして端末機20に配信されることで、迅速なメンテナンスサービスが行える。なお、メンテナンス分野での利用では、端末機20は依頼主先10へのアクセスが早い者が優先される。
【0028】
最初に説明した運送業に関する実施例では、「再配達」に主眼を置いており、この場合には、依頼主に対して依頼主(荷物)を特定するために必要な問合せ番号12の入力を求めており、発信電話番号通知により依頼主を特定できる介護分野やメンテナンス分野と基本的な相違が認められる。そして、運送業においても、荷物の集荷に主眼を置いた場合には発信電話番号通知により依頼主を特定できるようになるため、同じ運送業においても依頼主特定手段18がどのような信号に基づいて依頼主を特定するか異なることになる。いずれにしても、本願発明では、電子メールに音声ファイルを添付して(適切な)担当者の端末機20送信することが最大の要旨であり、依頼主特定手段18の特定条件は利用する分野において適宜変更されるものとなる。
【符号の説明】
【0029】
10…配達先、11…不在連絡票、12…問合せ番号、13…電話受付センター、14…電話機、15…応答手段、16…メッセージ送出手段、17…記憶手段、18…依頼主特定手段、19…再配達受付手段、20…端末機、21…電子メール送信手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
依頼主からの電話を受けて前記依頼主を特定する依頼主特定手段18と、前記依頼主からの電話通信により入手した依頼要望データを記憶する記憶手段17と、前記依頼主特定手段18が特定した依頼主に対応する端末機20に電子メールを送信するメール送信手段21とを有し、前記メール送信手段21は前記依頼要望データを音声ファイルとして前記電子メールに添付する依頼応答システム。
【請求項2】
請求項1において、更に、前記依頼主からの電話機14を介した発呼に対して自動応答する応答手段15を有する依頼応答システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記依頼主特定手段18は前記依頼主から送信される特定の番号を解析することで前記依頼主を特定する依頼応答システム。
【請求項4】
依頼主から電話を通じて入力される信号若しくは前記依頼主の電話機14からの発信者番号通知信号により前記依頼主を特定する依頼主特定手段18と、電話機14を介して前記依頼主から伝えられる前記依頼主の音声を依頼要望データとして記憶する記憶手段17と、前記依頼主特定手段18が特定した依頼主に対応する担当者の端末機20に電子メールを送信するメール送信手段21とを有し、前記メール送信手段21は前記依頼要望データを音声ファイルとして前記電子メールに添付する依頼応答システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−169932(P2012−169932A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30187(P2011−30187)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(500553800)株式会社電話放送局 (1)
【Fターム(参考)】