説明

便器洗浄装置

【課題】自動洗浄モードと手動洗浄モードとの切り替えを確実に行うことができるとともに、装置の大型化を抑制することができる便器洗浄装置を提供すること。
【解決手段】便器洗浄装置1は、回転により開閉機構を駆動させる出力軸2と、モータ11が発生する動力が伝達される固定ギア3と、固定ギア3に対して軸方向に移動自在に支持され、出力軸2と動力を伝達可能に連結される浮動ギア4と、固定ギア3に対して浮動ギア4が軸方向に移動することで係合し、固定ギア3と浮動ギア4とを連結するクラッチ5と、作動時に浮動ギア4に対して連結方向の押圧力を加えるソレノイド6と、ソレノイド6を介して、浮動ギア4に対して連結方向の第1付勢力を加えるアシストバネ7と、浮動ギア4に対して連結方向と反対方向の第2付勢力を加える戻りバネ8とを備える。第1付勢力が第2付勢力以下であり、押圧力と第1付勢力との合計値が第2付勢力を越える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
便器を洗浄する際には、洗浄タンク内と便器とを連通する排水口を開閉機構により開き、洗浄タンク内に貯留されている水を便器に供給する。開閉機構により排水口を開く動作は、ユーザーが手動で行う場合と、自動で行う場合とがある。そこで、開閉機構の動作を手動および自動で行うことができる便器洗浄装置が提案されている。便器洗浄装置では、開閉機構を自動で動作させる自動洗浄モードにおいて、例えばモータなどの動力源の動力を開閉機構に伝達する状態とし、開閉機構を手動で動作させる手動洗浄モードにおいて、開閉機構に洗浄ハンドルに加わる力を開閉機構に伝達するとともに、動力源からの動力が開閉機構に伝達されない状態とする。つまり、便器洗浄装置では、自動洗浄モードと手動洗浄モードとを切り替える機構が必要となる(特許文献1,2参照)。なお、自動洗浄モードにおいて、開閉機構により排水口を開く動作は、例えば排水口を閉塞する栓部材を引き上げる動作となるため大きなトルクを必要とする。従って、従来の便器洗浄装置では、減速機構を用いてモータなどの出力トルクを大きなトルクに変換することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3616905号公報
【特許文献2】特開平8−163893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
切り替え機構としては、特許文献1に示すように、遊星歯車機構を用いたものがある。特許文献1に示すような遊星歯車機構を用いた場合は、遊星歯車が連結歯車に係合する際に、遊星歯車の歯の連結歯車の歯に対する位置が一定に定まらないため、自動洗浄モードと手動洗浄モードとの切り替えがスムーズに行われない虞がある。また、自動洗浄モードにおいて、停電などによりモータに電力が供給されない状態となると、自動洗浄モードから手動洗浄モードに移行することができなくなり、開閉機構により排水口を閉じることができなくなる虞がある。
【0005】
また、切り替え機構としては、特許文献2に示すように、クラッチを用いたものがある。特許文献2に示すようなクラッチを用いた場合は、自動洗浄モードにおいてクラッチの対向する係合部をソレノイドが発生する押圧力(吸引力)により係合させ、手動洗浄モードにおいて対向する係合部をスプリングが発生する付勢力により離間させる。従って、手動洗浄モードから自動洗浄モードに移行させるためには、スプリングが発生する付勢力を越える押圧力を作動開始直後に発生できるソレノイドを用いることとなり、ソレノイドの小型化を図ることができず、便器洗浄装置の大型化を抑制することができない虞がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自動洗浄モードと手動洗浄モードとの切り替えを確実に行うことができるとともに、装置の大型化を抑制することができる便器洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の便器洗浄装置は、洗浄タンク内に配置され、便器と連通する排水口を開閉する開閉機構を動作させる便器洗浄装置であって、洗浄ハンドルが設けられるとともに、前記開閉機構と連結され、回転により前記開閉機構を駆動させる出力軸と、回転自在に支持され、動力源が発生する動力が伝達される第1回転部材と、回転自在に支持されるとともに、前記第1回転部材に対して軸方向に移動自在に支持され、前記出力軸と前記動力を伝達可能に連結される第2回転部材と、前記第1回転部材に対して前記第2回転部材が前記軸方向に移動することで係合し、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを連結するクラッチと、作動時に前記第2回転部材に対して前記第2回転部材を前記第1回転部材と連結する連結方向の押圧力を加えるアクチュエータと、前記アクチュエータを介して、前記第2回転部材に対して前記連結方向の第1付勢力を加える第1弾性部材と、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に配置され、前記第2回転部材に対して前記連結方向と反対方向の第2付勢力を加える第2弾性部材と、を備え、前記第1付勢力は、前記第2付勢力以下であり、前記押圧力と前記第1付勢力との合計値が前記第2付勢力を越えることを特徴とする。
【0008】
上記便器洗浄装置において、前記クラッチが解放される解放状態において前記アクチュエータが作動した直後の前記押圧力は、前記解放状態における前記第2付勢力以下であることが好ましい。
【0009】
上記便器洗浄装置において、前記第2回転部材および前記第1回転部材は、同軸上に配置されており、前記クラッチは、前記第2回転部材および前記第1回転部材の軸方向において互いに対向する端部にそれぞれ複数形成され、互いに軸方向に噛み合う凸部であり、前記凸部は、対向する噛み合い面の幅が先端部に向かうに伴い狭くなるテーパー状に形成されていることが好ましい。
【0010】
上記便器洗浄装置において、前記第1弾性部材は、前記アクチュエータを挟んで前記第2回転部材と軸方向において対向して配置され、前記第1付勢力は、前記アクチュエータを介して、前記第2回転部材に加えられることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る便器洗浄装置によれば、第1付勢力が第2付勢力以下であるので、クラッチを係合状態から解放状態に確実に移行でき、押圧力と第1付勢力との合計値が第2付勢力を越えるので、クラッチを解放状態から係合状態に確実に移行できる。これにより、自動洗浄モードと手動洗浄モードとの切り替えを確実に行うことができる。また、第1弾性部材を備えるので、ソレノイド6が発生する押圧力を小さくすることができ、ソレノイド6の小型化を図れ、装置の大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施形態に係る便器洗浄装置により動作する開閉機構の概略構成例を示す図である。
【図2】図2は、実施形態に係る便器洗浄装置の概略構成例を示す図である。
【図3】図3は、固定ギアを示す図である。
【図4】図4は、浮動ギアを示す図である。
【図5】図5は、ソレノイドとアシストバネと戻りバネとの関係を示す図である。
【図6】図6は、実施形態に係る便器洗浄装置の動作説明図である。
【図7】図7は、係合状態のクラッチを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0014】
本実施形態に係る便器洗浄装置は、洗浄タンク内に配置され、便器と連通する排水口を開閉する開閉機構を動作させるものである。図1は、実施形態に係る便器洗浄装置により動作する開閉機構の概略構成例を示す図である。図2は、実施形態に係る便器洗浄装置の概略構成例を示す図である。図3は、固定ギアを示す図である。図4は、浮動ギアを示す図である。図5は、ソレノイドとアシストバネと戻りバネとの関係を示す図である。図6は、実施形態に係る便器洗浄装置の動作説明図である。図7は、係合状態のクラッチを示す図である。ここで、図2は、クラッチ5が解放状態で、手動洗浄モードを示すものである。また、図5は、縦軸を力F〔N〕とし、横軸をストローク量S〔mm〕とするグラフである。また、図6は、クラッチ5が係合状態で、自動洗浄モードを示すものである。
【0015】
本実施形態に係る便器洗浄装置1は、図1に示すように、開閉機構100を動作させるものである。開閉機構100は、洗浄タンク110(同図に示す2点鎖線)の内部に配置されている。洗浄タンク110の底部には、排水口111が設けられている。排水口111は、便器120(同図に示す2点鎖線)と連通している。つまり、排水口111が開閉機構100により開かれると、洗浄タンク110内に貯留されていた水が排水口111を介して便器120に供給され、便器洗浄が行われる。一方、排水口111が開閉機構100により閉じられると、洗浄タンク110の外部の給水管を介して洗浄タンク110内に供給された水が貯留される。
【0016】
開閉機構100は、栓部材101と、玉鎖102と、引き上げ部材103とを有する。栓部材101は、排水口111を閉塞するものである。玉鎖102は、両端部が栓部材101および引き上げ部材103にそれぞれ接続されている。引き上げ部材103は、回転することで、玉鎖102を介して栓部材101を引き上げるものである。引き上げ部材103は、本体部103aと、本体部103aの軸方向における一方の端部から軸方向と直交する方向、本実施形態では、開閉機構100が動作していない状態で、鉛直下方向に突出する先端部103bとを有する。本体部103aには、便器洗浄装置1の後述する出力軸2のタンク側端部2aが他方の端部から挿入され、固定されている。先端部103bには、玉鎖102が接続されている。従って、開閉機構100は、出力軸2が回転することで、引き上げ部材103が回転し、玉鎖102を引き上げることで、排水口111に対して栓部材101を引き上げ、排水口111を開くこととなる。
【0017】
便器洗浄装置1は、洗浄タンク110の内部に配置されている。便器洗浄装置1は、図2に示すように、出力軸2と、固定ギア3と、浮動ギア4と、クラッチ5と、ソレノイド6と、アシストバネ7と、戻りバネ8とを備える。これらの構成要素は、ケーシング9内に収納されている。ここで、ケーシング9は、アッパーケース91と、ロアケース92とを有し、例えばネジなどにより互いに固定され、ケーシング9を形成している。ここで、ケーシング9は、密閉構造であることが好ましい。便器洗浄装置1には、開閉機構100を動作させる動力として、減速機構10を介してモータ11が発生する動力が伝達される。ここで、減速機構10は、ケーシング9の内部に配置され、モータ11からの出力トルクを大きなトルクに変換するものである。これは、開閉機構100を動作させるためには大きなトルク(栓部材101を引き上げるための力)を必要とするためである。減速機構10は、本実施形態では、大きな減速比を得るために、図示しないウォームギアと、2段ギアとを有する。ウォームギアは、モータ11の回転軸に固定されており、ケーシング9内で回転自在に支持された2段ギアの歯数の少ない側のギアと噛み合っている。モータ11は、動力源であり、便器洗浄装置1を駆動させて、開閉機構100を自動で動作させるものである。モータ11は、図示しない制御装置により電力の供給および制御が行われている。モータ11は、例えば、制御装置と無線を介して信号の授受が可能な遠隔装置をユーザーが便器洗浄を行うために操作することで、制御装置に出力される便器洗浄指示信号に基づいて通電され、駆動することができる。
【0018】
出力軸2は、図1および図2に示すように、回転することで開閉機構100を動作させるものである。出力軸2は、図2に示すように、ケーシング9に対して回転自在に支持されている。出力軸2は、ケーシング9により、ケーシング9に対して軸方向に移動することが規制されている。出力軸2は、洗浄ハンドル21と、駆動ギア22とが設けられている。出力軸2は、軸方向のうち、一方の端部、すなわち洗浄タンク110側(以下、単に「タンク側」と称する)のタンク側端部2aがアッパーケース91からタンク側に突出するとともに、他方の端部、すなわち洗浄ハンドル21側(以下、単に「ハンドル側」と称する)のハンドル側端部2bがロアケース92からハンドル側に突出して形成されている。
【0019】
洗浄ハンドル21は、ユーザーが回転させることで、出力軸2を回転させ、開閉機構100を手動で動作させるものである。洗浄ハンドル21は、洗浄タンク110の外部に位置するように出力軸2に設けられている。洗浄ハンドル21は、出力軸2の端部2bに固定されており、出力軸2と一体回転する。
【0020】
駆動ギア22は、浮動ギア4を介して、モータ11からの動力を出力軸2に伝達するものである。駆動ギア22は、ケーシング9内における出力軸2に固定されており、出力軸2と一体回転する。駆動ギア22は、外周に複数の歯22aが形成され、浮動ギア4の外周に形成された歯4a(図4参照)と接触して配置され、浮動ギア4と噛み合っている。なお、駆動ギア22は、浮動ギア4が固定ギア3に対して軸方向に移動しても、噛み合いを維持できるように歯22aが形成されている。本実施形態では、駆動ギア22および浮動ギア4が平歯車に形成され、駆動ギア22の歯22aは、浮動ギア4の軸方向における位置に拘わらず、浮動ギア4に伝達されたモータ11からの動力を駆動ギア22に伝達することが可能となる浮動ギア4の歯4aと接触面を確保するように、軸方向における長さが設定されている。
【0021】
固定ギア3は、第1回転部材であり、減速機構10を介して、モータ11からの動力が伝達されるものである。固定ギア3は、シャフト12に対して回転自在に支持されている。ここで、シャフト12は、ロアケース92に対して軸方向のうち、他方の端部、すなわちハンドル側端部12bが支持されている。また、シャフト12は、固定ギア3を回転自在に支持した状態で、一方の端部、すなわちタンク側端部12aが固定ギア3よりタンク側に突出するように形成されている。固定ギア3は、ロアケース92により、ケーシング9に対して軸方向におけるハンドル側に移動することが規制されている。固定ギア3は、外周に複数の歯3aが形成されており、減速機構10の図示しない2段ギアの歯数の多い側のギアの外周に形成された歯と接触して配置され、2段ギアの歯数の多い側のギアと噛み合っている。つまり、固定ギア3は、モータ11からの動力が減速機構10を介してトルクが大きく変換された状態で伝達される。また、固定ギア3は、歯3aのタンク側側面よりもタンク側に突出するタンク側突出部3bが形成されている。タンク側突出部3bには、図3に示すように、後述するクラッチ5の固定ギア側凸部51が周方向に等間隔で複数形成されている。
【0022】
浮動ギア4は、第2回転部材であり、図2に示すように、固定ギア3を介して、減速機構10に伝達されたモータ11からの動力が伝達されるものである。浮動ギア4は、クラッチ5が係合状態である場合に、モータ11からの動力が伝達されるものである。浮動ギア4は、シャフト12のタンク側端部12aが挿入されることで、シャフト12に対して回転自在に支持されるとともに、シャフト12に対して軸方向に移動自在に支持されている。つまり、浮動ギア4は、固定ギア3と同軸上で、固定ギア3のタンク側に配置され、固定ギア3に対して軸方向に移動自在に支持されている。また、浮動ギア4は、上述のように駆動ギア22と噛み合っているので、出力軸2にモータ11からの動力を伝達可能に連結されている。また、浮動ギア4は、歯4aのタンク側側面よりもタンク側に突出するタンク側突出部4bが形成されている。タンク側突出部4bは、後述するソレノイド6のソレノイドカバー61およびヨーク62に形成された貫通穴に軸方向に移動時自在に挿入され、可動鉄芯64と接触するものである。また、浮動ギア4は、歯4aのハンドル側側面よりもハンドル側に突出するハンドル側突出部4cが形成されている。ハンドル側突出部4cは、タンク側突出部3bと軸方向において対向するものである。ハンドル側突出部4cは、図4に示すように、後述するクラッチ5の浮動ギア側凸部52が周方向に等間隔で複数形成されている。
【0023】
クラッチ5は、図2に示すように、固定ギア3に対して浮動ギア4が軸方向に移動することで係合し、固定ギア3と浮動ギア4とを連結するものである。クラッチ5は、浮動ギア4を固定ギア3と連結する連結方向、本実施形態では、軸方向のうち、タンク側からハンドル側に向かう方向に、固定ギア3に対して浮動ギア4が移動することで係合するものである。つまり、クラッチ5は、固定ギア3と浮動ギア4とを連結し、モータからの動力により出力軸2を回転させ、開閉機構100を自動で動作させるものである。つまり、クラッチ5は、動力を開閉機構100に伝達する自動洗浄モードで係合され、手動洗浄モードで解放されるものである。クラッチ5は、固定ギア3と浮動ギア4との間に配置されている。クラッチ5は、固定ギア側凸部51と、浮動ギア側凸部52とを有する。
【0024】
固定ギア側凸部51は、タンク側突出部3bのタンク側端部からタンク側に突出して形成されている。固定ギア側凸部51は、図7に示すように、浮動ギア4が固定ギア3に対して連結方向に移動することで、軸方向において隣り合う浮動ギア側凸部52の間に入り込むものである。固定ギア側凸部51は、浮動ギア側凸部52と接触する噛み合い面51a,51bが固定ギア3の周方向において対向して形成されている。ここで、固定ギア側凸部51は、対向する噛み合い面51a,51bの幅が先端部に向かう、すなわちハンドル側からタンク側の向かうに伴い狭くなるテーパー状に形成されている。
【0025】
浮動ギア側凸部52は、ハンドル側突出部4cのハンドル側端部からハンドル側に突出して形成されている。浮動ギア側凸部52は、浮動ギア4が固定ギア3に対して連結方向に移動することで、軸方向において隣り合う固定ギア側凸部51の間に入り込むものである。つまり、クラッチ5は、固定ギア側凸部51と浮動ギア側凸部52とは互いに軸方向に噛み合うことで係合し、固定ギア3と浮動ギア4とを一体回転させるものである。浮動ギア側凸部52は、固定ギア側凸部51と接触する噛み合い面52a,52bが浮動ギア4の周方向において対向して形成されている。ここで、浮動ギア側凸部52は、対向する噛み合い面52a,52bの幅が先端部に向かう、すなわちハンドル側からタンク側の向かうに伴い狭くなるテーパー状に形成されている。
【0026】
ソレノイド6は、アクチュエータであり、図6に示すように、作動時に浮動ギア4を固定ギア3と連結する連結方向に移動させるものである。ソレノイド6は、電磁エネルギーを機関的直線運動に変換するものであり、図2に示すように、浮動ギア4のタンク側に配置されている。ソレノイド6は、ソレノイドカバー61と、ヨーク62と、コイル63と、可動鉄芯64とを有する。ソレノイドカバー61は、ヨーク62と、コイル63と、可動鉄芯64を内部に収容するものであり、ケーシング9に対して固定されている。ヨーク62は、コイル63を挟んで可動鉄芯64と軸方向において対向して、ソレノイドカバー61内に配置されている。ヨーク62は、可動鉄芯64が接触することで、可動鉄芯64が軸方向においてハンドル側に移動できる範囲を規制する。コイル63は、電力が供給されることで電磁エネルギーを発生するものである。コイル63は、リング状に形成され、ヨーク62内に収納されている。コイル63は、図示しない制御装置により電力の供給および制御が行われている。コイル63は、上述の遠隔装置をユーザーが便器洗浄を行うために操作することで、制御装置に出力された便器洗浄指示信号に基づいて通電され、電磁エネルギーを発生する。可動鉄芯64は、電磁エネルギーにより直線運動を行うものである。可動鉄芯64は、円柱状に形成され、軸方向においてコイル63とアッパーケース91との間に配置され、軸方向において移動自在にコイル63に挿入されている。可動鉄芯64には、コイル63が電磁エネルギーを発生することで軸方向のうちタンク側からハンドル側に向かう方向の吸引力が加わる。可動鉄芯64は、加わった吸引力により軸方向においてハンドル側に移動する。従って、可動鉄芯64と軸方向において接触する浮動ギア4は、可動鉄芯64が吸引力により移動することで、軸方向においてハンドル側に移動、すなわちストロークすることとなる。これにより、可動鉄芯64は、軸方向において接触する浮動ギア4に対して連結方向の押圧力Fsを加えることができる。また、可動鉄芯64は、軸方向においてタンク側に半径方向外側に突出するフランジ部64aが形成されている。フランジ部64aは、少なくとも一部がアッパーケース91と軸方向において対向しており、アッパーケース91に接触することで、可動鉄芯64が軸方向においてタンク側に移動できる範囲を規制する。ここで、可動鉄芯64がヨーク62に対して軸方向において最も離間した位置をセット位置とし、最も接近、例えばヨーク62と接触する位置をストローク位置とする。セット位置では、可動鉄芯64と軸方向において接触する浮動ギア4が固定ギア3に対して軸方向において最も離間した状態となり、固定ギア側凸部51と浮動ギア側凸部52とが噛み合わずクラッチ5が解放状態となる。ストローク位置では、可動鉄芯64と軸方向において接触する浮動ギア4が固定ギア3に対して軸方向において最も接近した状態となり、固定ギア側凸部51と浮動ギア側凸部52とが噛み合いクラッチ5が係合状態となる。
【0027】
アシストバネ7は、第1弾性部材であり、ソレノイド6を介して、浮動ギア4に対して連結方向の第1付勢力Faを加えるものである。アシストバネ7は、ソレノイド6を挟んで浮動ギア4と軸方向において対向して配置されている。アシストバネ7は、コイルスプリングであり、可動鉄芯64とアッパーケース91との間に配置されている。アシストバネ7は、アッパーケース91に形成されたハンドル側に突出する支持部91aが内側に挿入されることで、径方向への移動が規制された状態で、アッパーケース91に支持されている。アシストバネ7は、本実施形態では、セット位置において圧縮された状態で可動鉄芯64と軸方向において接触し、ストローク位置においても圧縮された状態で可動鉄芯64と接触するので、可動鉄芯64に常に第1付勢力Faを加えることができる。また、アシストバネ7は、同軸上に配置される固定ギア3、戻りバネ8、浮動ギア4、ソレノイド6よりも軸方向においてタンク側に位置することとなるので、予めアッパーケース91に組み付けておくことができ、便器洗浄装置1の組付性を向上することができる。
【0028】
戻りバネ8は、第2弾性部材であり、浮動ギア4に対して連結方向と反対方向の第2付勢力Fbを加えるものである。戻りバネ8は、コイルスプリングであり、固定ギア3と浮動ギア4との間に配置されている。戻りバネ8は、タンク側突出部3bおよびハンドル側突出部4cが内側に軸方向において対向するように挿入されることで、径方向への移動が規制された状態で、固定ギア3および浮動ギア4に支持されている。戻りバネ8は、本実施形態では、ストローク位置において圧縮された状態で固定ギア3および浮動ギア4と軸方向において接触し、セット位置においても圧縮された状態で固定ギア3および浮動ギア4と接触するので、浮動ギア4に常に第2付勢力Fbを加えることができる。
【0029】
次に、図5を用いて、ソレノイド6とアシストバネ7と戻りバネ8との関係について説明する。ここでは、セット位置のストローク量を0とし、ストローク位置のストローク量をStとする。
【0030】
作動時にソレノイド6が浮動ギア4に加える連結方向の押圧力Fs(同図2点鎖線)は、セット位置では可動鉄芯64とヨーク62とが離間しているため小さくなり、可動鉄芯64とヨーク62とが接近するストローク位置ではセット位置における押圧力Fsと比較して大幅に大きくなる。つまり、ソレノイド6の押圧力Fsは、クラッチ5が解放される解放状態、すなわちセット位置で、作動した直後(以下、単に「連結動作開始直後」と称する)が最も小さくなる。ここで、ソレノイド6は、押圧力Fsとアシストバネ7の第1付勢力Faとの合計値Fx(同図実線)が第2付勢力Fbを越えるように設定されている。従って、ソレノイド6が作動しており、浮動ギア4に押圧力Fsが加わっている状態においては、押圧力Fsと第1付勢力Faとの合計値Fxから第2付勢力Fbを引いたものが浮動ギア4を連結方向に押圧する力である連結力Fl(Fs+Fa−Fb)として浮動ギア4に常に加わることとなる。これにより、手動洗浄モードから自動洗浄モードに確実に移行することができる。セット位置での連結力Flは、可動鉄芯64をセット位置から連結方向に移動させる初期押圧力Y2となる。従って、例えばソレノイド6のセット位置における押圧力Fsあるいはアシストバネ7のセット位置における第1付勢力Faの少なくともいずれか一方を調整することで、セット位置で連結力Flを変化させることができ、可動鉄芯64をセット位置から連結方向に移動させる際の余裕度を変更することができる。また、ソレノイド6は、連結動作開始直後の押圧力Fsが第2付勢力Fb以下、本実施形態では、同じとなるように設定されている。連結動作開始直後の押圧力Fsが第2付勢力Fbと同じであっても、アシストバネ7の第1付勢力Faにより可動鉄芯64をセット位置から連結方向に移動させることができ、クラッチ5を係合させることができる。従って、手動洗浄モードから自動洗浄モードに確実に移行できるとともに、アシストバネ7を備えない便器洗浄装置と比較して、ソレノイド6の小型化を図ることができ、装置の大型化を抑制することができる。
【0031】
アシストバネ7がソレノイド6を介して浮動ギア4に加える連結方向の第1付勢力Fa(同図点線)は、セット位置ではアシストバネ7が最も圧縮されている状態であるので大きくなり、ストローク位置ではセット位置と比較して圧縮されていないので、セット位置における第1付勢力Faと比較して小さくなる。アシストバネ7は、第1付勢力Faが戻りバネ8の第2付勢力Fb以下に設定されている。つまり、アシストバネ7の第1付勢力Faは、可動鉄芯64の位置に拘わらず、戻りバネ8の第2付勢力Fbよりも小さくなる。従って、ソレノイド6が作動しておらず、浮動ギア4に押圧力Fsが加わっていない状態においては、第2付勢力Fbから第1付勢力Faを引いたものが浮動ギア4を連結方向と反対方向に押圧する力である解放力Ff(Fb−Fa)として浮動ギア4に常に加わることとなる。これにより、自動洗浄モードから手動洗浄モードに確実に移行することができる。セット位置での解放力Ffは、セット位置においてソレノイド6が非作動の場合に、可動鉄芯64をセット位置で保持する保持力Y1となる。従って、例えばアシストバネ7のセット位置における第1付勢力Faを調整することで、セット位置での解放力Ffを変化させることができ、可動鉄芯64をセット位置で保持する余裕度を変更することができる。また、アシストバネ7は、線形特性バネであり、セット位置とストローク位置とでの第1付勢力Faの差が大きいことが好ましい。これにより、ストローク位置における解放力Ffがセット位置における解放力Ffと比較して大きくなるので、ソレノイド6が作動状態から非作動状態に移行し、自動洗浄モードから手動洗浄モードに移行する際に、素早く、確実にクラッチ5を解放状態とすることができる。
【0032】
戻りバネ8が浮動ギア4に加える連結方向と反対方向の第2付勢力Fb(同図一点鎖線)は、ストローク位置では戻りバネ8が最も圧縮されている状態であるので大きくなり、セット位置ではストローク位置と比較して圧縮されていないので、ストローク位置における第2付勢力Fbと比較して小さくなる。また、戻りバネ8は、線形特性バネであり、セット位置とストローク位置とでの第2付勢力Fbの差が小さいことが好ましい。これにより、ストローク位置における保持力Y1が小さくなるので、ソレノイド6の小型化を図ることができる。
【0033】
次に、本実施形態に係る便器洗浄装置1の動作について説明する。便器洗浄装置1の動作は、手動洗浄モードと自動洗浄モードとがあり、クラッチ5の係合、解放により切り替える。まず、手動洗浄モードについて説明する。手動洗浄モードは、図2に示すように、クラッチ5を解放状態とし、モータ11からの動力を開閉機構100に伝達せず、洗浄ハンドル21に加わる力を開閉機構100に伝達するモードである。具体的には、手動洗浄モードでは、モータ11を駆動しないことで、固定ギア3にモータ11からの動力が伝達されず、固定ギア3が回転しない。また、ソレノイド6を非作動状態とするので、押圧力Fsが発生せず、浮動ギア4に解放力Ffが加わり、浮動ギア4が連結方向と反対方向に移動するとともに、可動鉄芯64が連結方向と反対方向にセット位置まで移動する。これにより、係合状態のクラッチ5が解放状態となる。可動鉄芯64がセット位置まで移動しても、浮動ギア4に解放力Ffが加わっているので、浮動ギア4および可動鉄芯64は、連結方向への移動が規制され、浮動ギア4が固定ギア3に対して軸方向において最も離間した位置で保持される。従って、手動洗浄モードでは、クラッチ5が解放状態であるので、ユーザーが洗浄ハンドル21を操作することで、洗浄ハンドル21に加わる力により出力軸2が回転すると開閉機構100が排水口111を開くことができる。なお、手動洗浄モードでは、ユーザーが洗浄ハンドル21の操作を終了することで、洗浄ハンドル21に力が加わらない状態とし、引き上げられた栓部材101が自重により鉛直下方向に移動させることで、出力軸2を洗浄ハンドル21に加わる力により回転した方向と反対方向に回転させるとともに、排水口111を閉塞することで、開閉機構100が排水口111を閉じる。
【0034】
次に、自動洗浄モードについて説明する。自動洗浄モードは、図6に示すように、クラッチ5を係合状態とし、モータ11からの動力を開閉機構100に伝達するモードである。具体的には、手動洗浄モードでは、モータ11を駆動して、減速機構10を介して固定ギア3にモータ11からの動力が伝達する。また、ソレノイド6を作動状態とするので、押圧力Fsを発生させ、浮動ギア4に連結力Flが加わり、浮動ギア4が連結方向に移動するとともに、可動鉄芯64が連結方向にストローク位置まで移動する。これにより、解放状態のクラッチ5が係合状態となる。可動鉄芯64がストローク位置まで移動すると、可動鉄芯64とヨーク62との間で吸着力が発生するので、浮動ギア4および可動鉄芯64は、連結方向と反対方向への移動が規制され、浮動ギア4が固定ギア3に対して軸方向において最も接近した位置で保持される。従って、自動洗浄モードでは、クラッチ5が係合状態であるので、減速機構10、固定ギア3、クラッチ5、浮動ギア4、駆動ギア22を介して、伝達されたモータ11からの動力により出力軸2が回転すると開閉機構100が排水口111を開くことができる。なお、自動洗浄モードにより開いた排水口111を開閉機構100により閉じるには、自動洗浄モードから手動洗浄モードに移行することで行われる。
【0035】
以上のように、本実施形態に係る便器洗浄装置1では、第1付勢力Faが第2付勢力Fb以下であるので、ソレノイド6を作動状態から非作動状態とした場合に、連結方向と反対方向の力である解放力Ffが浮動ギア4に常に加わることとなる。従って、浮動ギア4が固定ギア3に対して連結方向と反対方向に移動することができ、クラッチ5が係合状態から解放状態に確実に移行するので、手動洗浄モードから自動洗浄モードに確実に移行することができる。また、押圧力Fsと第1付勢力Faとの合計値Fxが第2付勢力Fbを越えるので、ソレノイド6を非作動状態から作動状態とした場合に、連結方向の力である連結力Flが浮動ギア4に常に加わることとなる。従って、浮動ギア4が固定ギア3に対して連結方向に移動することができ、クラッチ5が解放状態から係合状態に確実に移行するので、自動洗浄モードから手動洗浄モードに確実に移行することができる。また、アシストバネ7の第1付勢力Faは、戻りバネ8の第2付勢力Fbと対向するものであり、押圧力Fsとともに浮動ギア4に加えられるものであるので、アシストバネ7を備えない場合と比較して、同じ係合力Flを浮動ギア4に加える際に、ソレノイド6が発生する押圧力Fs、特に連結動作開始直後の押圧力Fsを小さくすることができる。ここで、連結動作開始直後の押圧力Fsを大きくするためには、ソレノイド6の能力向上が必要であり、能力向上にはコイル63の巻数の増加、ヨーク62の大型化などソレノイド6の大型化、通電する際の電流値の増加が考えられる。従って、アシストバネ7を備えることで、ソレノイド6の小型化を図ることができ、便器洗浄装置1の大型化を抑制することができる。また、便器洗浄装置1の消費電力を低減することができ、経済性を向上させることができる。
【0036】
また、上述のように、自動洗浄モードでは、クラッチ5が係合状態であるので、図7に示すように、固定ギア側凸部51と浮動ギア側凸部52とが互いに軸方向に噛み合い、噛み合い面51aが噛み合い面52bと接触し、噛み合い面51bが噛み合い面52aと接触する。ここで、固定ギア側凸部51の噛み合い面51a,51bおよび浮動ギア側凸部52の噛み合い面52a,52bがテーパー状に形成されているので、係合状態のクラッチ5を介して、固定ギア3に伝達されたモータ11からの動力を浮動ギア4に伝達する際に、浮動ギア側凸部52が固定ギア側凸部51に対して軸方向におけるタンク側に離れようとするとする力を受けることとなる。つまり、クラッチ5が係合状態では、浮動ギア4が固定ギア3に対して軸方向におけるタンク側に離れようとする力を受けることとなる。従って、自動洗浄モードから手動洗浄モードに移行する際に、ソレノイド6が非作動状態あれば、出力軸2を回転させようとする力、モータ11から出力軸2に伝達される動力、あるいは出力軸2に外部からの力が出力軸2に加われば、係合状態のクラッチ5を強制的に解放状態とすることができる。これにより、便器洗浄装置1を構成する構成要素に不具合が生じた場合でも、ソレノイド6を電力が供給されない非作動状態とすることができれば、自動洗浄モードから手動洗浄モードに強制的に移行することができ、開閉機構100により排水口111を確実に閉じることができる。また、ソレノイド6が作動状態であっても、過大な力で出力軸2を回転させようとする場合は、係合状態のクラッチ5を強制的に解放状態とすることができる。従って、便器洗浄装置1の破損を抑制することができ耐久性を向上することができる。
【0037】
また、クラッチ5が係合状態では、浮動ギア4が固定ギア3に対して軸方向におけるタンク側に離れようとする力を受けるので、連結力Fl、特にストローク位置における連結力Flが十分でないと、係合状態のクラッチ5が一旦解放状態となり再び係合状態となることで、栓部材101の引き上げ動作が不十分となる虞がある。従って、アシストバネ7を備えない場合には、ソレノイド6の押圧力Fsを増加することで連結力Flを増加することとなるので、ソレノイド6のサイズが大きくなり、装置の小型化を図ることができない。しかしながら、本実施形態に係る便器洗浄装置1では、アシストバネ7を備えるので、ソレノイド6のサイズを大きくすることなく、連結力Flを増加させることができ、自動洗浄モードにおける開閉機構100の動作が不十分となることを抑制することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、ソレノイド6は、連結動作開始直後の押圧力Fsが第2付勢力Fbと同じとなるように設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、連結力Flが0よりも大きくなれば良いため、連結動作開始直後の押圧力Fsが第2付勢力Fbよりも小さくても良い。この場合は、ソレノイド6の小型化をさらに図ることができ、装置の大型化をさらに抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態では、手動洗浄モードから自動洗浄モードの切り替えを遠隔装置によりユーザーが行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユーザーの使用状況により、ユーザーの便器洗浄を行うために操作に基づかず自動的に行っても良い。例えば、ユーザーが便座に着座したことを検出するセンサを用いて、ユーザーが便座から離れたことに基づいて手動洗浄モードから自動洗浄モードモータ11の切り替えても良い。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上のように、本発明に係る便器洗浄装置は、自動洗浄モードと手動洗浄モードとを切り替える便器洗浄装置に有用であり、特に、自動洗浄モードと手動洗浄モードとの切り替えを確実に行うことができるとともに、装置の大型化を抑制するのに適している。
【符号の説明】
【0041】
1 便器洗浄装置
2 出力軸
21 洗浄ハンドル
4 浮動ギア
5 クラッチ
51 固定ギア側凸部
52 浮動ギア側凸部
6 ソレノイド
7 アシストバネ
8 戻りバネ
9 ケーシング
11 モータ
100 開閉機構
110 洗浄タンク
111 排水口
120 便器
F 力
Fa 第1付勢力
Fb 第2付勢力
Ff 解放力
Fl 連結力
Fs 押圧力
S ストローク量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄タンク内に配置され、便器と連通する排水口を開閉する開閉機構を動作させる便器洗浄装置であって、
洗浄ハンドルが設けられるとともに、前記開閉機構と連結され、回転により前記開閉機構を駆動させる出力軸と、
回転自在に支持され、動力源が発生する動力が伝達される第1回転部材と、
回転自在に支持されるとともに、前記第1回転部材に対して軸方向に移動自在に支持され、前記出力軸と前記動力を伝達可能に連結される第2回転部材と、
前記第1回転部材に対して前記第2回転部材が前記軸方向に移動することで係合し、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを連結するクラッチと、
作動時に前記第2回転部材に対して前記第2回転部材を前記第1回転部材と連結する連結方向の押圧力を加えるアクチュエータと、
前記第2回転部材に対して前記連結方向の第1付勢力を加える第1弾性部材と、
前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に配置され、前記第2回転部材に対して前記連結方向と反対方向の第2付勢力を加える第2弾性部材と、
を備え、
前記第1付勢力は、前記第2付勢力以下であり、
前記押圧力と前記第1付勢力との合計値が前記第2付勢力を越えることを特徴とする便器洗浄装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の便器洗浄装置において、
前記クラッチが解放される解放状態において前記アクチュエータが作動した直後の前記押圧力は、前記解放状態における前記第2付勢力以下である便器洗浄装置。
【請求項3】
前記第2回転部材および前記第1回転部材は、同軸上に配置されており、
前記クラッチは、前記第2回転部材および前記第1回転部材の軸方向において互いに対向する端部にそれぞれ複数形成され、互いに軸方向に噛み合う凸部であり、
前記凸部は、対向する噛み合い面の幅が先端部に向かうに伴い狭くなるテーパー状に形成されている便器洗浄装置。
【請求項4】
前記第1弾性部材は、前記アクチュエータを挟んで前記第2回転部材と軸方向において対向して配置され、
前記第1付勢力は、前記アクチュエータを介して、前記第2回転部材に加えられる便器洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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