説明

保持クリップを含む電気コンタクト組立体およびコネクタ

【課題】電磁結合の悪影響を低減、より速い信号伝送速度で動作可能とするプラグを提供する。
【解決手段】1対のコンタクトチャネルは、共通の方向に互いに対して平行に延びる中心軸を有する。コンタクトチャネルは、それぞれのチャネル壁によって画定され、誘電体119のチャネル間部分によって分離される。チャネル壁は、対応する中心軸の周囲に延びる壁外周部を有する。電気コネクタ100は、コンタクトチャネル内で受容される嵌合コンタクト120と、コンタクトチャネル内で嵌合コンタクトとチャネル壁の間に位置決めされる保持クリップとを含むコンタクトサブアセンブリを有する。保持クリップはそれぞれ、開放側面をもつ凹状体を有する。凹状体は壁外周部の周りに部分的に延び、開放側面は壁外周部の一部分に沿って位置決めされる。保持クリップは、互いに向き合うような向きである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に電気コネクタに関し、より詳細には、高速信号伝送用の電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
通信ケーブルを電気システム内へプラグ接続するために使用される電気コネクタは、差動対を形成するいくつかの導体を収容するハウジングを含むことができる。差動対は、プラグ着脱可能な相手側コネクタが係合されると、電気システムの相手側コネクタ内の対応する差動対と接続するように構成される。しかしながら、現在使用されているプラグ着脱可能なコネクタは、差動対間の望ましくない電磁結合のため、特定の制限を有することがある。たとえば、公知のプラグ着脱可能なコネクタの動作速度は、ギガビット・イーサネットの速度より遅い伝送速度に制限されることがある。これらのプラグ着脱可能なコネクタがギガビット・イーサネットを上回る速度で動作した場合、差動対間の望ましくない電磁結合により、信号のインテグリティおよびコネクタの性能が損なわれるはずである。より具体的には、プラグ着脱可能なコネクタの動作速度を増大させると、望ましくない近端クロストーク(NEXT)、遠端クロストーク、および/または反射損失を増大させることがあり、その場合コネクタは、ギガビット・イーサネットなどの適用分野に対する業界の要件を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、解決すべき問題は、電磁結合の悪影響を低減させるように構成されたプラグ着脱可能なコネクタが必要とされていることである。また一般に、より速い信号伝送速度で動作可能であり、および/または所望の電気的性能を得ることが可能なプラグ着脱可能なコネクタも必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
その解決策は、誘電体と、誘電体を貫通する1対のコンタクトチャネルとを有するプラグインサートを含む電気コネクタによって提供される。コンタクトチャネルは、共通の方向に互いに対して平行に延びる中心軸を有する。コンタクトチャネルは、それぞれのチャネル壁によって画定され、誘電体のチャネル間部分(inter-channel portion)によって分離される。チャネル壁は、対応する中心軸の周囲に延びる壁外周部(wall perimeters)を有する。電気コネクタはまた、1対のコンタクトチャネルによって保持されるコンタクトサブアセンブリを含む。コンタクトサブアセンブリは、コンタクトチャネル内で受容される嵌合コンタクトと、コンタクトチャネル内で嵌合コンタクトとチャネル壁の間に位置決めされる保持クリップとを含む。保持クリップはそれぞれ凹状体を有し、クリップ縁部は開放側面によって分離される。凹状体は、壁外周部の周りに部分的に延び、開放側面は、壁外周部の一部分に沿って位置決めされる。保持クリップは、互いに向き合うような向きであり、したがってチャネル間部分は、保持クリップの開放側面間をまっすぐに延びる。
【0005】
以下、添付の図面を参照して本発明を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、一実施形態によって形成された電気コネクタの斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した電気コネクタとともに使用可能な、1対のコンタクトチャネルを拡大した横断面図である。
【図3】図3は、コンタクトチャネル内に配置された嵌合コンタクトおよび保持クリップを示す図2の拡大横断面図である。
【図4】図4は、図1に示した電気コネクタとともに使用可能な保持クリップの分離した側面図である。
【図5】図5は、図4に示した保持クリップの斜視図である。
【図6】図6は、図4に示した保持クリップの後端部の平面図である。
【図7】図7は、一実施形態によって形成された電気コネクタ組立体の断面図である。
【図8】図8は、図7に示したコネクタ組立体の垂直断面図を拡大した図である。
【図9】図9は、図7に示したコネクタ組立体とともに使用可能な電気コネクタの正面端面図である。
【図10】図10は、他の実施形態によって形成された電気コネクタの正面端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一実施形態では、誘電体と、誘電体を貫通する1対のコンタクトチャネルとを有するプラグインサートを含む電気コネクタが提供される。コンタクトチャネルは、共通の方向に互いに対して平行に延びる中心軸を有する。コンタクトチャネルは、それぞれのチャネル壁によって画定され、誘電体のチャネル間部分によって分離される。チャネル壁は、対応する中心軸の周囲に延びる壁外周部を有する。電気コネクタはまた、1対のコンタクトチャネルによって保持されるコンタクトサブアセンブリを含む。コンタクトサブアセンブリは、コンタクトチャネル内で受容される複数の嵌合コンタクトと、コンタクトチャネル内で嵌合コンタクトとチャネル壁の間に位置決めされる複数の保持クリップとを含む。保持クリップはそれぞれ凹状体を有し、クリップ縁部は開放側面によって分離される。凹状体は、壁外周部の周りに部分的に延び、開放側面は、壁外周部の一部分に沿って位置決めされる。複数の保持クリップは互いに向き合うような向きであり、チャネル間部分は保持クリップの開放側面間をまっすぐに延びる。
【0008】
他の実施形態では、誘電体と、誘電体を貫通する複数のコンタクトチャネルとを備えるプラグインサートを含む電気コネクタが提供される。コンタクトチャネルは、共通の方向に互いに対して平行に延びる中心軸を有する。コンタクトチャネルは、それぞれのチャネル壁によって画定される。チャネル壁は、対応する中心軸の周囲に延びる壁外周部を有する。複数のコンタクトチャネルは、関連するコンタクトチャネル対(pairs of contact channels)を含む。それぞれの関連するコンタクトチャネル対は、誘電体の対応するチャネル間部分によって分離される。電気コネクタはまた、プラグインサートによって保持される1組のコンタクトサブアセンブリを含む。コンタクトサブアセンブリはそれぞれ、1対の関連するコンタクトチャネル内で受容される複数の嵌合コンタクトを含む。コンタクト面は、前記1対の関連するコンタクトチャネルの中心軸を貫通する。コンタクトサブアセンブリはそれぞれまた、コンタクトチャネル内に位置決めされた複数の保持クリップを含む。保持クリップはそれぞれ凹状体を有し、クリップ縁部は開放側面によって分離される。凹状体は、対応する壁外周部の周りに部分的に延び、開放側面は、対応する壁外周部の一部分に沿って位置決めされる。複数の保持クリップは互いに向き合うような向きであり、チャネル間部分は保持クリップの開放側面間をまっすぐに延びる。このコンタクトサブアセンブリ組は、2つの隣接するコンタクトサブアセンブリを含む。隣接するコンタクトサブアセンブリのコンタクト面は、互いに対して垂直に延びる。
【0009】
本明細書に記載の実施形態は、データ信号を伝送するように構成された嵌合コンタクトを有する電気コネクタを含む。嵌合コンタクトは、他の公知のコネクタに比べて電気コネクタの性能を改善するように配置された差動対を形成することができる。たとえば、本明細書に記載の実施形態は、挿入損失、近端クロストーク(NEXT)、遠端クロストーク、および反射損失のうちの少なくとも1つを低減、制御、または改善するように構成された差動対を有する。さらに、本明細書に記載の実施形態では、当該電気コネクタを別のコネクタに嵌合させるとき、電気コネクタを容易に組み立てられるようにし、また嵌合コンタクトを容易に保持できるようにする保持クリップを利用する。特定の実施形態では、隣接する嵌合コンタクトを係合させる複数の保持クリップは、電気コネクタの性能を改善するために、互いに位置決めすることができる。たとえば、保持クリップは、隣接する差動対間で近端クロストーク(NEXT)性能が最適化されるように、対称となる方向に配置することができる。さらに、公知の電気コネクタと比較すると、保持クリップによって、嵌合コンタクト間に均一の量の誘電体材料が位置することができ、場合によっては、嵌合コンタクトのより密な構成(またはより高い密度)が可能となる。
【0010】
特定の実施形態では、電気コネクタは、プラグ着脱可能なコネクタである。本明細書では、「プラグ着脱可能なコネクタ」とは、プラグ着脱可能な係合によって別の電気コネクタ(相手側コネクタとも呼ぶ)と嵌合するように構成された電気コネクタである。プラグ着脱可能な係合とは、2つの電気コネクタを、どちらのコネクタも損傷することなく容易に分離できるような取外し可能な係合である。本明細書に記載のプラグ着脱可能なコネクタは、相手側コネクタのキャビティ内へ挿入されるように構成されたプラグインサートを含むことができる。プラグ着脱可能なコネクタはまた、相手側コネクタからプラグインサートを受容するキャビティを有するレセプタクル・コネクタとすることができる。したがって、2つのプラグ着脱可能なコネクタからなるコネクタ組立体は、プラグインサートを有するプラグ着脱可能な第1コネクタを含むことができる。この第1コネクタのプラグインサートは、プラグ着脱可能な第2コネクタのキャビティ内へ挿入される。第2コネクタは、プラグインサートを受容するように構成されたキャビティを有する。単なる例示にすぎないが、本明細書に記載の実施形態は、(a)16接点、寸法13のMIL−38999インサートを有するモジュラ・コネクタ、(b)寸法7または9のMIL−38999プラグ・シェル内に8接点インサートを有するモジュラ・コネクタ、(c)Quadraxのような金属シェル内に8接点インサートを有するモジュラ・コネクタ、および(d)Quadraxのような金属シェル内に16+接点インサートを有するモジュラ・コネクタに類似のものとすることができる。いくつかの実施形態では、電気コネクタは、図1に示す電気コネクタ100など、円形の横断面を有することができる。但し、代替実施形態では、電気コネクタは、多角形の横断面(たとえば、矩形、5角形)または半円形の横断面など、非円形の横断面を有することができる。
【0011】
さらに、プラグ着脱可能なコネクタは、ギガビット・イーサネット内で適用されるような高速で動作することができる。特定の実施形態では、プラグ着脱可能なコネクタは、10Gのイーサネット内で適用されるような速度で信号を伝送することができる。但し、他の実施形態では、プラグ着脱可能なコネクタは、高速で動作しないことがある。本明細書に記載の様々な実施形態は、データ信号を伝送するのに適用できるが、他の実施形態は、データ信号に加えて電力を伝送するように、または電力のみを伝送するように構成してもよい。
【0012】
図1は、一実施形態によって形成された電気コネクタ100の斜視図である。電気コネクタ100は、嵌合端部196と装填端部198の間を長手方向軸190に沿って延びるコネクタハウジング102を含むことができる。コネクタハウジング102は、装填端部198でケーブル104に接続することができる。図示の実施形態では、電気コネクタ100は実質上、直線状の構造を有し、コネクタハウジング102全体が長手方向軸190に沿った方向に延びる。代替実施形態では、コネクタハウジング102全体が長手方向軸190に沿って延びていないことがあり、所望の形状とすることができる。たとえば、コネクタハウジング102は、直角の構造を有することができる。図示のように、コネクタハウジング102は本体106を含む。本体106は、装填端部198を含み、ケーブル104に接続される。コネクタハウジング102はまた嵌合壁108を含む。嵌合壁108は、本体106から突出し、長手方向軸190に沿って嵌合端部196へ延びる。嵌合壁108はまた、長手方向軸190の周囲に延び、または長手方向軸190を取り囲んで、ハウジングキャビティ110を提供する。嵌合壁108は、ハウジングキャビティ110の開口111を画定する前縁部109を含む。嵌合壁108、開口111、およびハウジングキャビティ110は、相手側コネクタ(図示せず)と嵌合するように寸法および形状を設定することができる。
【0013】
嵌合壁108は、相手側コネクタと係合するように寸法および形状を設定された横断面を有することができる。この横断面は、長手方向軸190に対して垂直に切り取ったものである。より具体的には、嵌合壁108の横断面は、実質上円形とすることができる。嵌合壁108はまた、電気コネクタ100と相手側コネクタを容易に位置合わせできるように、キーイング機構115を含むことができる。さらに、ハウジングキャビティ110は、相手側コネクタからプラグ本体を受容するように寸法および形状を設定することができる。図示のように、嵌合壁108は、外側表面112と、ハウジングキャビティ110を画定する内側表面114とを有する。外側表面112は、相手側コネクタに固定するように構成することができる。たとえば、外側表面112は、相手側コネクタにおける内側表面上の相補形のねじ山と係合するようにねじ山をつけて構成することができる。但し、他の実施形態では、内側表面114に、相手側コネクタにおける外側表面上の相補形のねじ山と係合するようにねじ山をつけて構成することができる。代替実施形態では、電気コネクタ100は、相手側コネクタと係合するための他の機構を有することができる。
【0014】
電気コネクタ100はまた、コネクタハウジング102によって保持されたオーガナイザまたはプラグインサート118を含む。プラグインサート118は、ハウジングキャビティ110内に位置し、プラグインサート118の誘電体119を貫通する複数のコンタクトチャネル125(図2に示す)を含む。誘電体119は、誘電体材料を含む。コンタクトチャネル125は、電気コネクタ100における複数の嵌合コンタクト120を所定の配置で保持するように構成される。図示の実施形態では、嵌合コンタクト120は、プラグインサート118から開口111の方へ、長手方向軸190に対して平行に延びる。嵌合コンタクト120は、相手側コネクタの嵌合コンタクト(図示せず)と電気的に接続するように、所定の構成で配置することができる。図1に示すように、嵌合コンタクト120は、ピンコンタクトとすることができる。但し、他の実施形態では、嵌合コンタクト120は、ピンコンタクトを受容するように構成されたソケットコンタクトとすることができる。
【0015】
図2は、長手方向軸190(図1)に対して垂直に切り取ったプラグインサート118の一部分を拡大した横断面図であり、1対のコンタクトチャネル125A、125Bを示す。より具体的には、図2は、保持クリップ150A、150B(図3に示す)を配置できるコンタクトチャネル125A、125Bの横断面図を示す。コンタクトチャネル125A、125Bは、誘電体119の一部分を貫通する。特定の実施形態では、1対のコンタクトチャネル125A、125Bはまた、嵌合コンタクト120A、120B(図3に示す)の差動対を受容するように構成されるという点で、関連する1対のコンタクトチャネルと呼ぶことができる。図示のように、コンタクトチャネル125A、125Bは、各コンタクトチャネルの中心を貫通する中心軸192A、192Bをそれぞれ有する。中心軸192A、192Bは、共通の方向に互いに対して平行に、また長手方向軸190(図1)に対して平行に延びる。図2では、中心軸192A、192Bは、紙面に出入りする方向に延びる。
【0016】
コンタクトチャネル125A、125Bは、嵌合コンタクト120A、120B(図3)ならびに保持クリップ150A、150B(図3)を受容するように寸法および形状を設定することができる。図示のように、コンタクトチャネル125A、125Bは、それぞれのチャネル壁126A、126Bによって画定される。チャネル壁126A、126Bは、誘電体119の内部表面128A、128Bを含む。チャネル壁126A、126Bならびに内部表面128A、128Bは、それぞれの中心軸192A、192Bの周囲に延びる。また、チャネル壁126A、126Bは、それぞれ対応する中心軸192A、192Bの周囲に延びる壁外周部WP、WPを有する。壁外周部WP、WPは、中心軸192A、192Bに対して垂直に切り取った(または長手方向軸190(図1)に対して垂直に切り取った)コンタクトチャネル125A、125Bの横断面を画定する。言い換えれば、壁外周部WP、WPは、それぞれの中心軸192A、192Bに沿った方向で視認される。壁外周部WP、WPは、平面閉曲線(たとえば、円形、楕円形、長方形など、または幾何形状の組合せ)を形成することができる。たとえば、図示の実施形態では、壁外周部WP、WPは、寸法設定の異なる2つの半円形を含む。
【0017】
図示のように、チャネル壁126A、126Bはそれぞれ、内壁部分130および外壁部分132を含むことができる。異なるコンタクトチャネル125A、125Bの内壁部分130は、互いに隣接して位置する。外壁部分132は、互いから離れて位置する。
【0018】
同じく図示のように、誘電体119のチャネル間部分134は、コンタクトチャネル125Aとコンタクトチャネル125Bを分離することができる。チャネル間部分134は、内壁部分130間をまっすぐに延びる。チャネル間部分134は、内壁部分130を画定する内部表面128A、128Bを含む。より具体的には、チャネル間部分134は、コンタクトチャネル125Aにおける内壁部分130の内部表面128Aからコンタクトチャネル125Bにおける内壁部分130の内部表面128Bまでを画定することができる。さらに、チャネル間部分134は、壁外周部WP、WPを部分的に画定することができる。図示の実施形態では、チャネル間部分134は、実質上I字形である。同じく図示のように、コンタクトチャネル125A、125Bは、本体面BPに対して対称とすることができる。本体面BPは、コンタクトチャネル125A、125B間を延びてチャネル間部分134を2等分する。本体面BPは、コンタクト面CP(図3に示す)に対して垂直とすることができる。
【0019】
図示の実施形態では、内壁部分130および外壁部分132は、半円形の形状(または半円形の輪郭)を有する。より具体的には、内壁部分130および外壁部分132は、それぞれの曲率半径を有することができる。内壁部分130と外壁部分132の曲率半径は、異なってもよい。図示のように、半径RA1は、共通の中心Cから測定され、外壁部分132の内部表面128Aまで延びる。半径RA2は、中心Cから測定され、内壁部分130の内部表面128Aまで延びる。半径RA1は、半径RA2より大きい。半径RA1と半径RA2は、異なる曲率半径を画定することができる。さらに、コンタクトチャネル125Bの内側部分130および外壁部分132は、同様に、コンタクトチャネル125Bの共通の中心Cから測定される半径RB1および半径RB2を有することができる。半径RB1は、半径RB2より大きい。
【0020】
コンタクトチャネル125A、125Bの外壁部分132は、実質上C字形とすることができる。図示の実施形態では、外壁部分132は、半円形である。但し、他の実施形態では、外壁部分132は、半円形よりわずかに大きくても、半円形より小さくてもよい。たとえば、外壁部分132は、4分の1の円形とすることができる。外壁部分132はまた、円形ではない他の形状を有することもできる。
【0021】
外壁部分132は、本体セグメント152ならびに径方向セグメント154、156を含むことができる。径方向セグメント154、156は、対応する本体セグメント152の両端に対して径方向に(すなわち、中心軸192から離れて)延びる。本体セグメント152は、コンタクトチャネル125A、125Bの外壁部分132のそれぞれの曲率半径によって画定することができる。より具体的には、半径RA1および半径RB1をそれぞれ中心Cおよび中心Cから回転させることによって得られる曲線が、本体セグメント152の形状を形成することができる。図示の実施形態では、半径RA1および半径RB1は実質上等しく、半径RA2および半径RB2は実質上等しい。また、図示の実施形態では、半径RA1および半径RA2ならびに半径RB1および半径RB2は、それぞれ共通の中心Cおよび共通の中心Cから測定される。但し、代替実施形態では、半径RA1および半径RA2の曲率半径の中心、ならびに半径RB1および半径RB2の曲率半径の中心は異なってもよい。
【0022】
図3は、図2に示すプラグインサート118の一部を拡大した横断面図であり、コンタクトサブアセンブリ180を示す。コンタクトサブアセンブリ180は、1対のコンタクトチャネル125A、125Bによって保持される。コンタクトサブアセンブリ180は、コンタクトチャネル125A、125B内に配置された嵌合コンタクト120A、120Bならびに保持クリップ150A、150Bを含む。保持クリップ150A、150Bは、コンタクトチャネル125A、125B内で、対応する嵌合コンタクト120A、120Bとそれぞれのチャネル壁126A、126Bの間に位置決めされる。より具体的には、コンタクトチャネル125A、125Bの外壁部分132は、コンタクトチャネル125A、125B内で保持クリップ150A、150Bと係合することができる。
【0023】
図3に示すように、保持クリップ150A、150Bはそれぞれ、凹状体160を有する。凹状体160はそれぞれ、クリップ縁部184とクリップ縁部186の間を延びる。クリップ縁部184とクリップ縁部186は、開放側面188によって分離される。開放側面188はまた、コンタクトチャネル125内に形成された空隙として特徴付けることができる。なお、この空隙は、クリップ縁部184および186、嵌合コンタクト120、ならびにチャネル壁126の内壁部分130の間に概ね位置する。凹状体160はそれぞれ、対応する壁外周部WP、WPの周りに部分的に延び、開放側面188は、壁外周部WP、WPの一部分に沿って位置決めされる。保持クリップ150A、150Bの開放側面188間をチャネル間部分134がまっすぐに延びるように、保持クリップ150A、150Bは互いに向き合うように位置決めされる。保持クリップ150A、150Bは、互いに直径方向に対向することができる。図示の実施形態では、保持クリップ150A、150Bは、同一の構造を有する。但し、代替実施形態では、保持クリップ150A、150Bは、異なる構造を有することができる。
【0024】
嵌合コンタクト120A、120Bが保持クリップ150A、150Bを通って挿入可能なように、外壁部分132は、対応する保持クリップ150A、150Bを収容し、またはこれらに適合するように構成される。外壁部分132は、保持クリップ150A、150Bを保持するために、様々な形状を有することができる。したがって、実施形態は、半円形のコンタクトチャネル(または外壁部分)に限定されるものではなく、保持クリップを収容するために、他の形状を有することができる。
【0025】
同じく図3に示すように、コンタクトサブアセンブリ180の中心軸192A、192Bは、コンタクト面CP内で、コンタクト面CPに対して平行に延びることができる。図示の実施形態では、コンタクト面CPは、嵌合コンタクト120A、120B、チャネル間部分134、開放側面188、ならびに保持クリップ150A、150Bの凹状体160を横切る。さらに、嵌合コンタクト120A、120B間に配置してもよい唯一の物質(または空気もしくはガス以外の材料)は、誘電体119の誘電体材料のみとすることができる。そのような場合、嵌合コンタクト120A、120B間の電磁結合を最適化することができる。したがって、公知の電気コネクタと比較すると、保持クリップ150A、150Bにより、隣接する嵌合コンタクト120A、120B間に均一な量の誘電体材料が配置することができる。いくつかの実施形態では、保持クリップ150A、150Bによって、電気コネクタ100(図1)内の嵌合コンタクト120の構成(または密度)をより密にすることも可能である。
【0026】
代替実施形態では、保持クリップ150A、150Bを使用して、電力を伝送する嵌合コンタクト間の誘電体破壊強度を改善することもできる。たとえば、保持クリップ150A、150Bは、嵌合コンタクトが互いに対して近接するのを低減することができる。さらに、公知の電気コネクタと比較すると、保持クリップ150A、150Bによって、嵌合コンタクト間に位置する誘電体材料の量を増大させることができる。したがって、保持クリップ150A、150Bは、電力を伝送する嵌合コンタクト間のアークの発生を防止または低減することができる。
【0027】
図4〜図6は、例示的な保持クリップ150をより詳細に示す。図示のように、保持クリップ150は、前端部162と後端部164の間を長手方向に延びる凹状体160を有する。凹状体160はまた、両方のクリップ縁部184および186間を延びる。図示のように、保持クリップ150は、前端部162と後端部164の間で測定される長さL(図4)を有することができ、保持クリップ150は、外側表面または壁面170と内側表面またはチャネル表面182(図6)の間で測定される厚さT(図6)を有することができる。図示の実施形態では、厚さTは実質上均一であるが、他の実施形態では、厚さTは変動してもよい。さらに、図示の実施形態では、保持クリップ150は、変形可能な弾性シート材料から型押しおよび形成することができる。但し、他の製造プロセスを使用してもよい。
【0028】
同じく図4〜図6に示すように、保持クリップ150は、前端部162から後端部164の方へ延びる弾性の可撓性フィンガ172を含むことができる。可撓性フィンガ172には、型押しした空隙173によって輪郭をつけることができる。可撓性フィンガ172は、嵌合コンタクト120が対応するコンタクトチャネル125内へ挿入されるとき、対応する嵌合コンタクト120と係合するように構成される。可撓性フィンガ172は、先端縁部176まで延びることができる。弛緩した状態(relaxed condition)では、可撓性フィンガ172は、内側表面182から離れて延びる。
【0029】
特に図6を参照すると、保持クリップ150は、内側表面182に沿ってクリップ縁部184とクリップ縁部186の間に位置するコンタクト受容空間174を画定することができる。可撓性フィンガ172は、前端部162から後端部164まで長手方向に延びるため、コンタクト受容空間174内へ延びることができ、先端縁部176はコンタクト受容空間174内に位置する。対応するコンタクトチャネル125の中心軸192(図2)に対して、可撓性フィンガ172は、中心軸192の方へ少なくとも部分的に(すなわち、径方向に少なくとも部分的に)延びることができる。たとえば、可撓性フィンガ172は、コンタクト受容空間174内へ湾曲しても、前端部162から直線的に延びてもよい。
【0030】
図3に戻ると、保持クリップ150A、150Bは、コンタクトチャネル125A、125Bを通って嵌合コンタクト120A、120Bを自由に動かすことができる形状とされる。保持クリップ150A、150Bならびに壁外周部WP、WPは、嵌合コンタクト120A、120Bが邪魔されないように(たとえば、嵌合コンタクト120A、120Bが引っかからないように、または保持クリップ150A、150Bの部品を引っかけないように)、保持クリップ150A、150Bならびに壁外周部WP、WPを通って嵌合コンタクト120A、120Bを挿入可能なように構成することができる。たとえば、図示の実施形態では、保持クリップ150A、150Bの内側表面182A、182Bは、それぞれ内部表面128A、128Bと実質上同一平面である。コンタクトチャネル125A、125Bを通って嵌合コンタクト120A、120Bが挿入されると、可撓性フィンガ172は嵌合コンタクト120A、120Bと係合し、コンタクトチャネル125A、125B内での嵌合コンタクト120A、120Bの保持(たとえば、retain)を容易にすることができる。たとえば、可撓性フィンガ172は、嵌合コンタクト120が中心軸192に沿った方向に動くのを少なくとも防止することができる。
【0031】
図7は、一実施形態によって形成された電気コネクタ組立体200の断面図である。コネクタ組立体200は、ともにプラグ着脱可能な第1コネクタ202および第2コネクタ204を含む。プラグ着脱可能な第1コネクタ202および第2コネクタ204は、図1に示した電気コネクタ100に類似のものとすることができる。プラグ着脱可能なコネクタ202は、基部本体210とキャップ本体212とを備えるプラグインサート206を含む。基部本体210とキャップ本体212は、互いに連結してプラグインサート206を形成する。プラグインサート206は、嵌合コンタクト208(本明細書では、ピンコンタクト208と呼ぶ)および保持クリップ216を保持するように構成された複数のコンタクトチャネル214を含む。ピンコンタクト208および保持クリップ216は、上述した嵌合コンタクト120(図1)および保持クリップ150(図3)に類似のものとすることができる。
【0032】
同様に、プラグ着脱可能なコネクタ204は、基部本体230とキャップ本体232とを備えるプラグインサート226を含む。基部本体230とキャップ本体232は、互いに連結してプラグインサート226を形成する。プラグインサート226は、嵌合コンタクト228(本明細書では、ソケットコンタクト228と呼ぶ)および保持クリップ236を保持するように構成された複数のコンタクトチャネル234を含む。ソケットコンタクト228および保持クリップ236は、上述した嵌合コンタクト120(図1)および保持クリップ150(図3)に類似のものとすることができる。但し、図7に示すように、プラグ着脱可能なコネクタ202、204が正しく位置合わせおよび係合されると、ソケットコンタクト228は、ピンコンタクト208を受容してこれらに係合し、ピンコンタクト208との間で電気的接続を確立する。
【0033】
図8は、コネクタ組立体200(図7)の垂直断面図を拡大した図であり、ピンコンタクト208とソケットコンタクト228が互いに係合した状態を示す。図示のように、基部本体210のコンタクトチャネル214、基部本体230のコンタクトチャネル234は、それぞれ対応するクリップ領域240、242を含む。クリップ領域240、242は、それぞれ保持クリップ216、236を受容するように寸法および形状を設定される。クリップ領域240、242は、たとえば、図2および図3に関して説明した壁外周部WP、WPに類似の壁外周部を有することができる。さらに、基部本体210は、開口238を含む前部表面244を有する。基部本体230は、開口258を含む前部表面254を有する。図示のように、クリップ領域240、242は、それぞれ前部表面244、254から基部本体210、230内へ深さD、Dまで延びる。深さD、Dは、保持クリップ216、236の長さ(保持クリップ150(図4)の長さLなど)に概ね等しく、またはそれ以上である。
【0034】
プラグ着脱可能なコネクタ202を構成するために、保持クリップ216は、基部本体210の開口238を通って挿入される。開口238は、クリップ領域240へのアクセスを提供する。次いで、基部本体210の前部表面244に、キャップ本体212を係合させることができる。キャップ本体212は、基部本体210の開口238と位置合わせされる対応する孔239を有することができる。基部本体210の前部表面244にキャップ本体212が取り付けられてプラグインサート206を形成すると、プラグインサート206のクリップ領域240内に保持クリップ216を閉じ込めることができる。次いで、ピンコンタクト208をコンタクトチャネル214内へ前進させることができる。ピンコンタクト208は、コンタクトチャネル214によって受容されると、保持クリップ216の可撓性フィンガ250と係合し、可撓性フィンガ250を径方向外側へ偏向させる。可撓性フィンガ250は、ピンコンタクト208の表面に沿って摺動する。可撓性フィンガ250は、ピンコンタクト208に沿って延びる凹部または溝252を通過すると、溝252内に入って(たとえば、跳ね返って)、ピンコンタクト208と係合することができる。一度係合されると、ピンコンタクト208は、コンタクトチャネル234内へ取外し工具を挿入し、これを使用して可撓性フィンガ250を偏向させない限り、軸方向後方へ動くことはできない。たとえば、ともにプラグ着脱可能なコネクタ202とコネクタ204とが係合すると、保持クリップ216、またはより具体的には可撓性フィンガ250によって、ピンコンタクト208とソケットコンタクト228との係合時にピンコンタクト208が後方へ動くのを確実に止めることができる。プラグ着脱可能なコネクタ204は、プラグ着脱可能なコネクタ202と類似の形で構成することができる。
【0035】
図9は、電気コネクタ202の正面端面図であり、ピンコンタクト208が1組(符号282)のコンタクトサブアセンブリ280の形で配置されることを示す。以下では特にピンコンタクトを参照するが、ピンコンタクトの互いに対する配置についての以下の説明は、ソケットコンタクトにも同様に適用することができる。図9に示すように、2つのピンコンタクト208は、差動対Pを形成することができる。より具体的には、複数のピンコンタクト208は、複数の差動対P1〜P8を形成することができる。各差動対Pは、正の極性を有する一方のピンコンタクト208と、負の極性を有する他方のピンコンタクト208とを有する(すなわち、一方のピンコンタクト208は、他方のピンコンタクト208とは約180°位相がずれた信号電流を伝送する)。各差動対P1〜P8は、ピンコンタクト208A、208Bならびに対応する保持クリップ216A、216Bを含むコンタクトサブアセンブリ280を備えることができる。同じく図示のように、プラグインサート206は、プラグインサート206の中心を貫通する空気誘電体またはプラグキャビティ215を有することができる。
【0036】
差動対P1〜差動対P8(またはコンタクトサブアセンブリ280)は、差動対P1〜差動対P8のピンコンタクト208間の望ましくない電磁結合を最小にするように、互いに対して配置することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、隣接する差動対P(またはコンタクトサブアセンブリ280)は、互いに対して所定の向きを有することができる。本明細書では、嵌合コンタクトの2つの差動対が、(a)2つの差動対間に位置する別の差動対の他の嵌合コンタクトをもたないとき、または(b)2つの差動対間に位置する空気誘電体をもたないとき、2つの差動対は互いに「隣接」している。さらに、隣接する差動対は、他の差動対と比較すると、互いに比較的近接している。たとえば図9では、差動対P1は、差動対P2、P8に隣接している。但し、差動対P2、P8は、互いに隣接していない。
【0037】
図示の実施形態では、隣接する差動対P(またはコンタクトサブアセンブリ280)は、互いに対して実質上垂直の向きである。たとえば、差動対P5、P6はそれぞれ、コンタクト面CP、CPを有する。コンタクト面CP、CPは、図3に関して上述したコンタクトチャネルの中心軸をそれぞれ貫通する。差動対P5のコンタクトサブアセンブリ280と差動対P6のコンタクトサブアセンブリ280は、互いに隣接しており、それぞれのコンタクト面CPとコンタクト面CPは、互いに対して垂直である。特定の実施形態では、コンタクト面CPは、コンタクト面CPに関して上述のチャネル間部分、開放側面、および凹状体を貫通するだけでなく、隣接する差動対P5のチャネル間部分も貫通することができる。さらにいくつかの実施形態では、1つのコンタクトサブアセンブリ280は、2つのコンタクトサブアセンブリ280に隣接し、両方に対して垂直であってもよい。たとえば、差動対P5のコンタクトサブアセンブリ280はまた、差動対P4のコンタクトサブアセンブリ280に対して垂直の向きである。
【0038】
いくつかの実施形態では、1組(符号282)のコンタクトサブアセンブリ280内のコンタクトサブアセンブリ280の数は、4の倍数とすることができる。たとえば、図示の実施形態では、8つのコンタクトサブアセンブリ280が16個のピンコンタクトを備える。他の実施形態では、4つのコンタクトサブアセンブリ280が8つのコンタクトを備えることができる。さらに他の実施形態では、12および16個のコンタクトサブアセンブリ280を含むことができる。但し、代替実施形態では、コンタクトサブアセンブリは4の倍数ではない。
【0039】
図10は、電気コネクタ100に類似している、別の実施形態によって形成された電気コネクタ402の正面端面図である。電気コネクタ402は、上述したコンタクトサブアセンブリ280に類似する、1組(符号404)のコンタクトサブアセンブリ406を有する。コンタクトサブアセンブリ406は、差動対P9〜差動対P12を構成する。図示のように、コンタクトサブアセンブリ406はそれぞれ、2つの他のコンタクトサブアセンブリ406のみに隣接することができる。さらに、コンタクトサブアセンブリ406はそれぞれ、2つの他のコンタクトサブアセンブリ406に対して垂直の向きとすることができる。
【0040】
上記の説明は、限定ではなく例示を目的とすることを理解されたい。したがって、上述の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために、多くの修正を加えることができる。たとえば、上記のピンコンタクトの説明は、ソケットコンタクトにも同様に適用することができる。コンタクトサブアセンブリは、ソケットコンタクトおよび保持クリップを含むことができる。したがって、以下の特許請求の範囲が嵌合コンタクトに言及する場合、嵌合コンタクトは、たとえばピンコンタクトおよびソケットコンタクトとすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体(119)を備え、前記誘電体(119)を貫通する1対のコンタクトチャネル(125A、125B)を有するプラグインサート(118)であって、前記コンタクトチャネル(125A、125B)が共通の方向に互いに対して平行に延びる中心軸(192A、192B)を有し、前記コンタクトチャネル(125A、125B)がそれぞれのチャネル壁(126A、126B)によって画定されるとともに、前記誘電体(119)のチャネル間部分(134)によって分離され、前記チャネル壁(126A、126B)が前記対応する中心軸(192A、192B)の周囲に延びる壁外周部(WP、WP)を有する、プラグインサート(118)と、
前記1対のコンタクトチャネル(125A、125B)によって保持されるコンタクトサブアセンブリ(180)であって、前記コンタクトサブアセンブリ(180)が前記コンタクトチャネル(125A、125B)内で受容される嵌合コンタクト(120)と、前記コンタクトチャネル(125A、125B)内で前記嵌合コンタクト(120)と前記チャネル壁(126A、126B)の間に位置決めされる保持クリップ(150A、150B)とを備え、前記保持クリップ(150A、150B)がそれぞれ凹状体(160)を有し、クリップ縁部(184、186)が開放側面(188)によって分離され、前記凹状体(160)が前記壁外周部(WP、WP)の周りに部分的に延び、前記開放側面(188)が前記壁外周部(WP、WP)の一部分に沿って位置決めされ、前記保持クリップ(150A、150B)が互いに向き合うような向きであり、したがって前記チャネル間部分(134)が前記保持クリップ(150A、150B)の前記開放側面(188)間をまっすぐに延びる、コンタクトサブアセンブリ(180)と、
を備える電気コネクタ(100)。
【請求項2】
前記壁外周部(WP)がそれぞれ、内壁部分(130)および外壁部分(132)を含み、
前記外壁部分(132)が、前記保持クリップ(150)と係合し、
前記誘電体(119)の前記チャネル間部分(134)が、一方のコンタクトチャネル(125)の内壁部分(130)から他方のコンタクトチャネル(125)の内壁部分(130)まで延び、
前記内壁部分(130)が、前記開放側面(188)と連結する、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項3】
前記内壁部分(130)と前記外壁部分(132)が異なる形状を有し、
前記外壁部分(132)の輪郭が、それぞれの前記保持クリップ(150)を保持するように構成される、請求項2に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項4】
前記内壁部分(130)が第1の半円形状を有し、
前記外壁部分(132)が第2の半円形状を有し、
前記第1の半円形状と前記第2の半円形状が異なる曲率半径を有する、請求項2に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項5】
前記中心軸(192)が、コンタクト面(CP)内で前記コンタクト面(CP)に対して平行に延び、
前記コンタクト面(CP)が、前記嵌合コンタクト(120)、前記チャネル間部分(134)、および前記保持クリップ(150)の前記凹状体(160)を横切る、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項6】
前記コンタクトサブアセンブリ(180)が、第1のコンタクトサブアセンブリであり、
前記電気コネクタ(100)が、前記第1のコンタクトサブアセンブリに隣接する第2のコンタクトサブアセンブリをさらに備え、
前記第1コンタクトサブアセンブリおよび前記第2のコンタクトサブアセンブリの前記コンタクト面が互いに対して垂直である、請求項5に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項7】
前記電気コネクタ(100)が、前記第1のコンタクトサブアセンブリおよび前記第2のコンタクトサブアセンブリを含む1組のコンタクトサブアセンブリを含み、
前記1組のコンタクトサブアセンブリ内のコンタクトサブアセンブリの数が4の倍数である、請求項6に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項8】
前記誘電体(119)が誘電体材料を含み、
複数の前記嵌合コンタクト(120)を分離する材料が、前記開放側面(188)間の前記チャネル間部分(134)の前記誘電体材料のみである、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項9】
前記保持クリップ(150)が、対応するコンタクト受容空間(174)を画定する内側表面を有するとともに、前記コンタクト受容空間(174)内へ延びる弾性の可撓性フィンガ(172)を備え、
前記嵌合コンタクト(120)が、前記コンタクト受容空間(174)を通って動くときに、前記可撓性フィンガ(172)を径方向外側へ偏向させる、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項10】
前記嵌合コンタクト(120)が嵌合コンタクトの差動対を備える、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項11】
前記嵌合コンタクト(120)を通して10Gのイーサネット以上の高速度でデータ信号を伝送可能である、請求項10に記載の電気コネクタ(100)。
【請求項12】
前記プラグインサート(118)が、基部本体(210)とキャップ本体(212)とを備え、
前記基部本体(210)が、前部表面(244)と、前記前部表面(244)から前記基部本体(210)内へ延びるクリップ受容キャビティとを有し、
前記クリップ受容キャビティが、前記保持クリップ(150)を受容し、
前記キャップ本体(212)が、前記前部表面(244)と係合して、前記クリップ受容キャビティ内に前記保持クリップ(150)を閉じ込める、請求項1に記載の電気コネクタ(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−74375(P2012−74375A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−210377(P2011−210377)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(399132320)タイコ・エレクトロニクス・コーポレイション (234)
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Corporation
【Fターム(参考)】