説明

保湿ペーパーの製造装置及び保湿ペーパーの製造方法

【課題】印刷インクの固化によりペーパーに生じた皺の影響をなくし,見栄えが良く,かつ保湿剤が効果的に浸透した保湿ペーパーを得るための製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも2枚のペーパー1,2,3が重ね合わされた保湿ペーパー10を製造する製造装置20において,一方のペーパーに保湿剤を塗布する保湿剤塗布部を設け,他方のペーパーに印刷を施す印刷部22を設け,両ペーパーを重ね合わせる重ね合わせ部24の前に,印刷を施したペーパーに張力を付加して皺を引き延ばす張力付加部23を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,保湿ペーパーの製造装置及び保湿ペーパーの製造方法に関する。具体的に説明すると,本発明は,例えば文字,図形,又は模様の印刷が施された保湿ペーパーの製造装置,及び製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から,保湿剤を含有した保湿ペーパーが知られている。この保湿ペーパー,例えば,ティシュペーパーやトイレットペーパーのような衛生用紙として用いられる。また,従来から,保湿ペーパーに,例えば文字や,図形,模様の印刷を施すことが知られている(特許文献1,特許文献2)。
【0003】
特許文献1には,印刷インキとローション薬液を混合したものを薄葉紙に塗布して,印刷が施された保湿ペーパーを得ることが記載されている。
【0004】
また,特許文献2には,ティシュペーパーに印刷を施した後,ティシュペーパーの非印刷面に保湿剤を塗布することにより,印刷が施された保湿ペーパーを得ることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−252214号公報
【特許文献2】特開2008−183127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら,通常,ペーパーにインクを塗布して印刷を施した場合,ペーパーの乾燥が進むにつれて,ペーパーに塗布されたインクが固化することとなる。そして,印刷インクが固化すると,ペーパーの印刷部分に皺が生じ,外観の見栄えが悪くなるという問題があった。
【0007】
さらに,複数枚のペーパーを重ね合わせて一組の保湿ペーパーを形成する場合,印刷が施されたペーパーに皺が生じると,この皺が原因となり,複数のペーパーの間に空隙が生じる恐れがある。複数のペーパーの間に空隙が生じると,保湿剤を塗布した際に,複数のペーパーの全てに保湿剤が効果的に浸透せず,保湿剤の含浸ムラが生じるという問題があった。すなわち,保湿剤の含浸ムラは,保湿ペーパーに湿潤している部分と乾燥している部分を生じさせ,結果として良質な製品が得られないという事態を招くものであった。
【0008】
このように,印刷インクの固化が原因となり生じるペーパーの皺は,種々の問題を招くものである。
このため,現在では,印刷インクの固化によりペーパーに生じた皺の影響をなくし,見栄えが良く,かつ保湿剤が効果的に浸透した保湿ペーパーを得るための製造装置,及び製造方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで,本発明の発明者は,上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,少なくとも2枚のペーパーが重ね合わされた保湿ペーパーを製造するにあたり,一方のペーパーに保湿剤を塗布し,他方のペーパーに印刷を施しつつ,両ペーパーを重ね合わせる前に,印刷を施したペーパーに張力を付加して皺を引き延ばすことにより,見栄えが良く,かつ保湿剤が効果的に浸透した保湿ペーパーを得ることができるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に本発明は,以下の構成を有する。
【0010】
本発明の第1の側面は,少なくとも第1のペーパー1と第2のペーパー2が重ね合わされた保湿ペーパー10の製造装置に関する。
本発明の製造装置は,保湿剤塗布部21,印刷部22,張力付加部23,及び重ね合わせ部24を備えている。
保湿剤塗布部21は,第1のペーパー1に保湿剤を塗布するための手段である。
印刷部22は,第2のペーパー2に印刷を施すための手段である。
張力付加部23は,印刷部22の下流側に配置され,印刷部22により印刷が施された第2のペーパー2に対して適切な張力を付加するための手段である。すなわち,張力付加部23は,第2のペーパー2の印刷部分に生じた皺を引き延ばす機能を有する。
重ね合わせ部24は,保湿剤塗布部21により保湿剤が塗布された第1のペーパー1と,張力付加部23により張力が付加された第2のペーパー2を重ね合わせて,保湿ペーパー10を得るための手段である。
なお,本発明の製造装置は,第1のペーパー1及び第2のペーパー2の他に,第3のペーパー3を含む保湿ペーパー10を製造するものであってもよい。また,本発明の製造装置は,4枚以上のペーパーが積層される保湿ペーパー10を製造するものであってもよい。
【0011】
上記のように,本発明の製造装置は,保湿ペーパーを形成する少なくとも2枚のペーパーを重ね合わせる前に,一方のペーパーに保湿剤を塗布し,他方のペーパーに印刷を施す。そして,印刷が施されたペーパーに張力を付加して皺を引き延ばしてから,保湿剤が塗布されたペーパーと重ね合わせる。このため,本発明によれば,印刷インクの固化によりペーパーに生じた皺の影響をなくし,見栄えが良く,かつ保湿剤が効果的に浸透した保湿ペーパーを得ることができる。
【0012】
本発明の製造装置は,さらに,印刷部22により印刷が施された第2のペーパー2を乾燥させる乾燥部25を備えることが好ましい。乾燥部25は,第2のペーパー2を自然乾燥させるものであってもよいし,例えばドライヤーのような空気乾燥装置を用いて第2のペーパー2を乾燥させるものであってもよい。この場合,張力付加部23は,乾燥部25により乾燥された第2のペーパー2に対して張力を付加する。
【0013】
このように,第2のペーパーに付着した印刷インクを乾燥させた後,第2のペーパーと第1のペーパーを重ね合わせることにより,印刷インクが第1のペーパーに付着する事態を回避できる。また,第2のペーパーと第1のペーパーを重ね合わせた後に,第2のペーパーに付着した印刷インクの固化が進行すると,結果として第2のペーパーと第1のペーパーの間に空隙が生じることが懸念されるが,第2のペーパーに付着した印刷インクを乾燥させてから皺を引き延ばしておくことにより,両ペーパーの間に空隙が生じる事態を回避できる。また,第2のペーパー全体を乾燥状態とすることにより,第1のペーパーに塗布された保湿剤が,第2のペーパーに浸透し易くなる。
従って,保湿ペーパーを見栄え良く美麗に仕上げることができるとともに,保湿剤を効率良くペーパー全体に浸透させることが可能になる。
【0014】
本発明の製造装置の重ね合わせ部24においては,第2のペーパー2の印刷面2aが第1のペーパー1と接する面となるように,第1のペーパー1と第2のペーパー2を重ね合わせることとしてもよい。ここで,第2のペーパーの「印刷面」とは,印刷部により印刷が施された面を意味し,「非印刷面」とは,印刷部により印刷が施されていない面を意味する。
【0015】
第2のペーパーに付着した印刷インクが固化すると,第2のペーパーの印刷面が多少粗い肌触りになることがある。そこで,第2のペーパーの印刷面に,第1のペーパーを重ね合わせることにより,保湿ペーパーの肌触りをさらに向上させることができる。
【0016】
本発明の製造装置の張力付加部23は,第2のペーパー2の非印刷面2bを押圧することにより,第2のペーパー2に対して張力を付加するものであってもよい。
【0017】
第2のペーパーに張力を付加する際,第2のペーパーの印刷面を押圧すると,第2のペーパーに付着した印刷インクが滲んだり霞んだりする恐れがある。そこで,張力付加部が第2のペーパーの非印刷面を押圧することにより,このような事態を防止することができる。
【0018】
本発明の製造装置は,さらに,折畳加工部26と,カートン詰め部27を備えることが好ましい。折畳加工部26は,重ね合わせ部24により第1のペーパー1と第2のペーパー2が重ね合わされた保湿ペーパー10を,所定幅に切断し,折り畳んだ後に,所定長さに切断するための手段である。また,カートン詰め部27は,折り畳まれるとともに所定長さに切断された保湿ペーパー10を,カートンに詰め込むための手段である。
【0019】
保湿ペーパーが,例えばティシュペーパーのようなカートン詰めされる衛生用紙として使用される場合,その製造工程においては,複数のペーパーを重ね合わせた後,巻き取りロールによって巻き取り,他の装置へ搬送することが一般的である。一方,上記構成のように,複数のペーパーを重ね合わせた後,その下流において,折り畳み加工を施し,カートンに詰める作業を一連の製造装置で行うことにより,製造工程を省略することができ,結果として製造コストを低減させることが可能になる。
【0020】
本発明の第2の側面は,少なくとも第1のペーパー1と第2のペーパー2が重ね合わされた保湿ペーパー10の製造方法に関する。本発明の製造方法は,3枚以上のペーパーが積層される保湿ペーパー10を製造するものであってもよい。
本発明の製造方法は,保湿剤塗布工程と,印刷工程と,張力付加工程と,重ね合わせ工程を含む。
保湿剤塗布工程は,第1のペーパー1に保湿剤を塗布する工程である。
印刷工程は,第2のペーパー2に印刷を施す工程である。
張力付加工程は,印刷工程で印刷が施された第2のペーパー2に張力を付加する工程である。
重ね合わせ工程は,保湿剤塗布工程で保湿剤が塗布された第1のペーパー1と張力付加工程で張力が付加された第2のペーパー2を重ね合わせる工程である。
本発明の製造方法は,さらに,印刷工程で印刷が施された第2のペーパーを乾燥させる乾燥工程を含むものであってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば,印刷インクの固化によりペーパーに生じた皺の影響をなくし,見栄えが良く,かつ保湿剤が効果的に浸透した保湿ペーパーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は,本発明の第1の実施形態に係る製造装置の概略側面図である。
【図2】図2は,本発明の第2の実施形態に係る製造装置の概略側面図である。
【図3】図3は,本発明の第3の実施形態に係る製造装置の概略側面図である。
【図4】図4は,2枚のペーパーが積層した保湿ペーパーの例を示す斜視図である。図4(a)は,外表面に印刷面が位置する保湿ペーパーの例であって2枚のペーパーを積層した状態を示している。図4(b)は,外表面に印刷面が位置する保湿ペーパーの例であって,2枚のペーパーを分離した状態を示している。図4(c)は,内面に印刷面が位置する保湿ペーパーの例であって,2枚のペーパーを分離した状態を示している。
【図5】図5は,3枚のペーパーが積層した保湿ペーパーの例を示す斜視図である。図5(a)は,外表面に印刷面が位置する保湿ペーパーの例であって,3枚のペーパーを積層した状態を示している。図5(b)は,外表面に印刷面が位置する保湿ペーパーの例であって,3枚のペーパーを分離した状態を示している。図5(c)は,内面に印刷面が位置する保湿ペーパーの例であって,3枚のペーパーを分離した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
なお,本明細書において,「A〜B」とは,「A以上B以下」であることを意味している。
【0024】
(1) 第1の実施形態
図1は,本発明の第1の実施形態に関する製造装置20の全体構成を示す概略側面図である。第1の実施形態の製造装置20は,第2のペーパー2の印刷面2aが保湿ペーパー10の外表面に位置するように,保湿ペーパー10を製造するための装置である。
【0025】
図1に示されるように,製造装置20は,その上流側に,第1の巻出しローラ31と第2の巻出しローラ32が配置されている。第1の巻出しローラ31からは第1のペーパー1が送り出され,第2の巻出しローラ32からは第2のペーパー2が送り出される。第1の巻出しローラ31の下流側には保湿剤塗布部21が配置されており,保湿剤塗布部21は,第1のペーパー1に対して保湿剤を塗布する。また,第2の巻出しローラ32の下流側には印刷部22が配置されており,印刷部22は,第2のペーパー2に対して印刷を施す。また,印刷部22の下流側には乾燥部25が配置されており,乾燥部25は,第2のペーパー2を乾燥させる。さらに,乾燥部25の下流側には張力付加部23が配置されており,張力付加部23は,第2のペーパー2の皺を延ばすために第2のペーパー2に対して張力を付加する。そして,保湿剤塗布部21と張力付加部23の下流側には重ね合わせ部24が位置しており,重ね合わせ部24は,第1のペーパー1と第2のペーパー2を重ね合わせて,保湿ペーパー10を形成する。そして,重ね合わせ部24により形成された保湿ペーパー10は,巻き取りローラ36により巻き取られる。
【0026】
第1のペーパー1及び第2のペーパー2は,それぞれ,第1の巻出しローラ31及び第2の巻出しローラ32の下流に位置するピンチローラ34を経て下流側へ搬送される。第1のペーパー1及び第2のペーパー2は,上述したように,最終的に巻き取りローラ36によって巻き取られる。このため,第1のペーパー1及び第2のペーパー2は,第1の巻出しローラ31及び第2の巻出しローラ32から,巻き取りローラ36まで繋がっている。第1のペーパー1及び第2のペーパー2は,製造装置20の適所に存在するピンチローラ34や,補助ローラ35,巻き取りローラ36などによって,搬送方向(ペーパーの長手方向)に一定の張力が与えられ,弛まずに搬送される。
【0027】
(1−1.巻出しローラ,原紙)
図1に示されるように,製造装置20の上流側には,第1の巻出しローラ31と,第2の巻出しローラ32が位置している。第1の巻出しローラ31には第1のペーパー1が保持されており,第2の巻出しローラ32には第2のペーパー2が保持されている。第1のペーパー1及び第2のペーパー2は,それぞれ,保湿ペーパー10の原紙となる。
【0028】
本発明において,保湿ペーパー10の原紙として使用される第1のペーパー1及び第2のペーパー2の種類は,特に限定されるものでなく,例えば衛生用紙の原紙として使用されている公知のものを広く採用することができる。衛生用紙の例は,ティシュペーパー,ちり紙,ペーパータオル,キッチンタオル,キッチンシート,あくとりシート,又はトイレットペーパーである。
【0029】
本発明の製造装置20において使用される原紙には,保湿剤が塗布されるため,保湿剤が塗布されても破断しにくい強度を持つものを採用することが好ましい。原紙の原料としては,例えば,針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を混合したものを採用することができる。原紙は,例えば,NBKPを30%〜90%含み,LBKPを10%〜70%含むものであることが好ましい。また,原紙の坪量は,例えば,11g/m〜19g/mや,13g/m〜18g/mであることが好ましく,15g/m〜17g/mであることが特に好ましい。
【0030】
また,本発明の製造装置20において使用される原紙には,印刷が施されるため,クレープが細かく紙表面が滑らかであるものを採用することが好ましい。また,原紙のヤンキードライヤーへの接触面を印刷面とすることが好ましい。これにより,印刷が鮮明になるとともに,手触りが良くなる。
【0031】
また,本発明に製造装置20において,基本的に,第1のペーパー1には保湿剤が塗布され,第2のペーパー2には印刷が施される。このため,第1のペーパー1として使用する原紙の種類と,第2のペーパー2として使用する原紙の種類は,その性質に応じて異なるものとしてもよい。例えば,保湿剤が塗布される第1のペーパー1は,保湿剤を豊富に含ませつつ強度を保持するために,原紙の坪量を15g/m〜19g/mとすることが好ましい。一方,印刷が施される第2のペーパー2は,印刷インクを鮮明にするために,原紙の坪量を11g/m〜14g/mとすることが好ましい。
【0032】
(1−2.保湿剤塗布部)
第1の巻出しローラ31の下流側には,保湿剤塗布部21が位置している。保湿剤塗布部21は,例えば保湿剤タンクと塗布部を有しており,第1のペーパー1に対して,保湿剤を塗布する機能を持つ。保湿剤塗布部21としては,例えば,ノズル式噴霧器や,ローター式噴霧器を採用することができる。ノズル式噴霧器は,ノズル内にて保湿剤に圧力を掛け,先細となった開口部から霧状の保湿剤を噴霧するタイプの噴霧器である。また,ローター式噴霧器は,ローターに複数枚のフィンが付設されており,ローターを高速回転させ,その遠心力によりフィンに付着した保湿剤を霧状に噴霧するタイプの噴霧器である。ただし,保湿剤塗布部21として使用される機器は,これらのものに限定されず,第1のペーパー1に対して保湿剤を塗布可能な機器であればよく,例えば,転写ローラを用いて第1のペーパー1に対して保湿剤を塗布する機器や,その他公知の機器も採用可能である。
【0033】
保湿剤塗布部21が塗布する保湿剤としては,一般的な保湿ペーパーに用いられる各種の液体を用いることができる。保湿剤としては,例えば,グリセリン,ジグリセリン,プロピレングリコール,1.3−ブチレングリコール,ポリエチレングリコール等の多価アルコール;ソルビトール,グルコース,キシリトール,マルトース,マルチトール,マンニトール,トレハロース等の糖類;グルコール酸系薬剤及びその誘導体;セタノール,ステアリルアルコール,オレイルアルコール等の高級アルコール;流動パラフィン等の中の一種又は二種以上の成分を含む液体(溶液であってもよい)を用いることができる。また,保湿剤塗布部21は,上記保湿剤に加えて,消毒剤,薬効成分を含む薬液,香料や着色剤を含む液体を,ペーパーに対して塗布することとしてもよい。
【0034】
保湿剤塗布部21により塗布される液体(保湿剤,その他液体を含む)の量は,最終的な製品である保湿ペーパー全体の質量のうち,保湿ペーパーに付着した液体の量が,例えば2〜30質量%,3〜25質量%,又は4〜20質量%となることが好ましい。液体の量を2重量%以上とすることで,保湿ペーパーにしっとり感を確実に発現させることが可能になる。また,液体の量を30重量%以下とすることで,液体の量が多すぎて紙力が弱くなり,紙切れ等が発生するという不具合を効果的に防止できる。
【0035】
(1−3.印刷部)
第2の巻出しローラ32の下流側には,印刷部22が位置している。印刷部22は,第2のペーパー2に対して,印刷を施す機能を持つ。印刷部22としては,例えば,公知の回転印刷塗布装置を採用できる。例えば,印刷部22は,印刷ドラム221と,印刷ドラム221の円周状に配置された複数のプリンタ222を有する。そして,印刷部22は,印刷ドラム221にペーパーを巻きつけながら,複数のプリンタ222によって,搬送されてくるペーパーに対して,順次印刷インクを塗布していく。
【0036】
印刷部22により施される印刷の図柄や色は,利用者の趣向に合せて適宜変更可能である。例えば,複数のプリンタ222に印刷インクを供給するインクタンクには,それぞれ異なる色の印刷インクを充填しておくことにより,様々な色で印刷を施すことができる。これにより,利用者の趣向に合わせて,各種キャラクタや,花柄,動物柄,植物柄のような模様や,文字,記号,図形を描くよう自由に設定できる。
【0037】
印刷に用いられるインクは,油性又は水性を問わず,公知となっている種々のインクを用いることができる。印刷に用いられるインクには,例えば,水溶性インクであって,顔料,水性ワニス(合成樹脂と水),及び添加物を含有しており,溶剤としてエタノールを含有したものを用いることが好ましい。また,インクは,バインダー樹脂としてエポキシ変性ポリアミド樹脂を含有することが好ましい。エポキシ変性ポリアミド樹脂は,ポリアルキレンポリアミンを必須成分とするポリアミン成分とジカルボン酸成分を,アミノ基が過剰に存在する条件のもとで反応させて生成されるポリアミドポリアミンに,更にエピハロヒドリンを反応させて得られるエポキシ変性ポリアミド樹脂である。このような水溶性インクを用いて,ペーパー印刷を施せば,柔らかい風合いを損なわず,かつインクの裏抜けや紙の縮れを抑制して印刷を行うことができる。
【0038】
また,本発明の第1の実施形態において,印刷部22は,図1に示されるように,第2のペーパー2の面のうち,第1のペーパー1に接しない側の面に印刷を施している。従って,最終的に第2のペーパー2と第1のペーパー1を重ね合わせると,第2のペーパー2の印刷面2aが,保湿ペーパー10の外表面に位置するようになる。一方,本発明は,後述するように,印刷部22において,第2のペーパー2の面のうち,第1のペーパー1と接する側の面に印刷を施すことも可能である。この場合,第2のペーパー2と第1のペーパー1を重ね合わせると,第2のペーパー2の印刷面2aが,保湿ペーパー10の内面に位置するようになる。
【0039】
(1−4.乾燥部)
印刷部22の下流側には,乾燥部25が位置している。乾燥部25は,第2のペーパー2に塗布された印刷インクを乾燥させる機能を持つ。図1に示された例において,乾燥部25は,第2のペーパー2を自然乾燥させるものである。乾燥部25は,ローラで第2のペーパー2を長く広げて,第2のペーパー2の印刷面2aが空気に触れるようにして搬送することにより,印刷したインクを乾燥させることができる構造になっている。
【0040】
乾燥部25は,印刷部22と張力付加部23の間に位置しており,印刷から張力付加までの間の乾燥時間は,例えば,4秒〜30秒,5秒〜20秒,又は6秒〜10秒であることが好ましい。第2のペーパー2に塗布された印刷インクは,4秒程度の時間で第2のペーパー2を搬送させれば,確実に乾燥させることができる。
【0041】
また,乾燥部25としては,温風,冷風,又は常温風を第2のペーパー2に対して送風するドライヤーを採用することもできる。第2のペーパー2に対して機械的に風を送り込むことにより,印刷インクの乾燥を迅速に行うことができるとともに,印刷インクの発色も良好になる。
【0042】
(1−5.張力付加部)
乾燥部25の下流側には,張力付加部23が位置している。張力付加部23は,第2のペーパー2に対して張力を付加し,印刷インクの固化により生じた皺を引き延ばす機能を有している。張力付加部23としては,例えば,第2のペーパー2をその搬送方向と直交する方向(直交方向)に押圧するロール状のテンションコントローラを採用できる。テンションコントローラは,第2のペーパー2の搬送方向と直交する方向に上下駆動し,ペーパーの搬送方向に回転可能な構成を有しており,第2のペーパー2に加えられる張力を調整することができる。これにより,第2のペーパー2に対して張力を付加することができ,印刷インクが固化することにより生じた皺が引き延ばされる。
【0043】
張力付加部23は,第2のペーパー2の直交方向の破断荷重に対して,10%〜90%,20%〜80%,30%〜70%,又は40%〜60%の張力を付加することが好ましい。例えば,第2のペーパー2の直交方向の破断荷重が100mm幅あたり60Nである場合,張力付加部23により付加される張力は,100mm幅あたり6N〜54Nであることが好ましい。これにより,第2のペーパー2を破断させずに,印刷インクが固化により生じた皺のみを引き延ばすことができる。
【0044】
張力付加部23は,第2のペーパー2の印刷面2a及び非印刷面2bのいずれの方向から,第2のペーパー2を押圧するものであってもよい。ただし,張力付加部23が,第2のペーパー2の非印刷面2bを押圧するように配置されることにより,張力を付加するに際し,第2のペーパー2の印刷が滲んだり霞んだりするという不具合を防止できる。
【0045】
また,張力付加部23は,第2のペーパー2の両面から押圧ローラ(図示省略)で挟み込むことにより,第2のペーパー2に対して張力を付加するものであってもよい。このような構造によっても,上記構造と同様に,第2のペーパー2に生じた印刷皺を引き延ばすことが可能である。
【0046】
(1−6.重ね合わせ部)
保湿剤塗布部21及び張力付加部23の下流側には,重ね合わせ部24が位置している。重ね合わせ部24は,保湿剤が塗布された第1のペーパー1と,皺が引き延ばされた第2のペーパーを重ね合わせる。これにより,第1のペーパー1と第2のペーパー2が重ね合わされた保湿ペーパー10が形成される。第1のペーパー1と第2のペーパー2を重ね合わせ部24により重ね合わせることで,第1のペーパー1に塗布された保湿剤を,第2のペーパー2に浸透させ,保湿ペーパー10全体にムラ無く保湿剤を含浸させることができる。
【0047】
重ね合わせ部24は,第1のペーパー1と第2のペーパー2を重ね合わせた保湿ペーパー10を,その両面から押圧する押圧ローラを備えることが好ましい。押圧ローラは,保湿ペーパー10の両面を挟み込みつつ,適切な圧力を保湿ペーパー10に対して付加しながら回転し,保湿ペーパー10を下流側へ搬送する。このように,保湿ペーパー10に圧力を付加することにより,第1のペーパー1に塗布された保湿剤が第2のペーパー2に浸透することを促進できる。
【0048】
(1−7.巻き取りローラ)
重ね合わせ部24の下流側には,巻き取りローラ36が位置している。巻き取りローラ36は,第1のペーパー1及び第2のペーパー2が重ね合わされた保湿ペーパー10を巻き取り,ロール状に保持する。巻き取りローラ36によって,保湿ペーパー10を一定時間ロール状に保持することで,保湿剤の浸透がさらに均一化する。巻き取りローラ36により巻き取られた保湿ペーパー10は,ロール状のまま他の加工装置にセットされる。加工装置としては,トイレットペーパーに加工する周知のシートロール加工装置や,ティシュペーパーに加工するティシュペーパー加工装置等が採用される。例えば,ティシュペーパー加工装置では,折畳加工部及びカートン詰め部が設けられ,折畳加工部によって保湿ペーパー10を折り畳むとともに切断してカートン詰めに適したサイズと枚数のペーパー群を形成し,その後,カートン詰め部によって,折畳加工部により形成されたペーパー群を,カートンに詰める作業を行う。カートン詰め部は,別ラインで製造されたカートンを開き,その内部空間にペーパー群を押し込む。そして,例えばカートン内フラップと外フラップを張り合わせることにより,ペーパー群を内部空間に封入する。これにより,保湿ペーパーをカートン内に詰めることができる。折畳加工部としては,例えば,公知の折板式加工機やロータリーシリンダー式加工機を採用することができ,カートン詰め部としては,公知の装置を採用することができる。
【0049】
巻き取りローラ36により巻き取られた保湿ペーパー10は,パレットの上に立てた後,ポリエチレン,ポリプロピレン,又はポリエステル等のプラスチック製のフィルムによって密封することが好ましい。プラスチック製のフィルムによって保湿ペーパー10を密封し,24時間程度の時間を置くことで,保湿剤を保湿ペーパー10全体に馴染ませることができる。
【0050】
(1−8.第3の巻出しローラ)
第1の実施形態の製造装置20は,第1のペーパー1と第2のペーパー2の間に,第3のペーパー3が位置する保湿ペーパー10を製造することも可能である。すなわち,第1の実施形態の製造装置20は,第3のペーパー3を巻き出すための第3の巻出しローラ33を備えるものであってもよい。例えば,図1に示されるように,第1のペーパー1に保湿剤が塗布される前に,第1のペーパー1と第3のペーパー3を重ね合わせることとしてもよい。また,第2のペーパー2に印刷が施される前に,第2のペーパー2と第3のペーパー3を重ね合わせることとしてもよい。そして,第1のペーパー1と第2のペーパー2の間に第3のペーパー3を位置させ,重ね合わせ部24において重ね合わせることにより,ペーパーが3層となった保湿ペーパー10を製造することができる。3層ペーパーが重なることにより,保湿剤を含んだ保湿ペーパー10の強度を向上させることができる。
【0051】
(2) 第2の実施形態
次に,図2を参酌して,本発明の第2の実施形態に係る製造装置20について説明する。本発明の第2の実施形態に関し,上述した第1の実施形態と同じ構成を有する点については説明を省略する。すなわち,第2の実施形態は,第1のペーパー1と第2のペーパー2を重ね合わせ部24において重ね合わせて保湿ペーパー10を形成する点までは,第1の実施形態と同じ構成を有している。ただし,第2の実施形態は,形成した保湿ペーパー10を巻きとるための巻き取りローラを有しておらず,代わりに,折畳加工部26及びカートン詰め部27を有する。第2の実施形態は,一連の製造装置において,保湿ペーパーの形成,保湿ペーパーの折畳加工,及び保湿ペーパーのカートン詰め作業を行う。このため,第2の実施形態に係る製造装置20は,例えばティシュペーパーのようなカートンに箱詰めて販売される衛生用紙の製造装置として好適に用いることができる。
【0052】
(2−1) 折畳加工部
折畳加工部26は,重ね合わせ部24の下流側に配置され,重ね合わされた保湿ペーパーを切断して折り畳み,カートン詰めに適したサイズと枚数のペーパー群を形成する機能を持つ。折畳加工部26としては,例えば,公知の折板式加工機やロータリーシリンダー式加工機を採用することができる。
【0053】
また,本発明の製造装置は,複数のペーパーが積層された保湿ペーパーを製造するためのものであるため,折畳加工に際し,複数のペーパーをエンボス加工により相互に接合することが好ましい。これにより,複数のペーパーが,使用に際して離れ難くなる。
【0054】
例えば,折畳加工部26は,重ね合わせ部24から搬出された保湿ペーパー10を,その流れ方向に沿って切断し,所定幅に成型する。その後,折畳加工部26は,所定幅となった複数の保湿ペーパー10を,折り機によって,適宜Z状に折り畳みながら積み重ねる。そして,折畳加工部26は,折り畳まれ積層された保湿ペーパー10を,その流れ方向と直交する方向に切断し,所定長さに成型する。これにより,カートン詰め適した所定幅及び所定長さを有するペーパー群が形成される。
【0055】
また,本発明の製造装置のように,液体が含浸され強度が低い保湿ペーパーを製造する装置においては,折畳加工部26として,ロータリーシリンダー式加工機を用いることが好ましい。ロータリーシリンダー式加工機は,バイス(つかみ)とタッカー(押し込み)を備えたシリンダー2本から構成された加工機であり,供給される2枚の長尺ペーパーを,シリンダーを回転させながら,交互に折り重ねた後カットする操作を繰り返していくことにより,ペーパーの折り畳みを行うことができる。このため,保湿ペーパーに過剰な負荷を掛けずに,折畳加工を達成できる。
【0056】
(2−2) カートン詰め部
カートン詰め部27は,折畳加工部26の下流側に位置し,折畳加工部26により形成されたペーパー群を,カートンに詰める作業を行う。カートン詰め部27は,別ラインで製造されたカートンを開き,その内部空間にペーパー群を押し込む。そして,例えばカートン内フラップと外フラップを張り合わせることにより,ペーパー群を内部空間に封入する。これにより,保湿ペーパーをカートン内に詰めることができる。カートン詰め部27としては,公知の装置を採用することができる。
【0057】
(3) 第3の実施形態
次に,図3を参酌して,本発明に係る製造装置20の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は,上述した第1の実施形態と異なり,印刷部22において,第2のペーパー2の面のうち,第1のペーパー1に接する側の面に,印刷を施すものである。
【0058】
このため,第3の実施形態により製造された保湿ペーパー10は,第2のペーパー2の印刷面2aが,第1のペーパー1と第2のペーパー2の内面に位置することなる。すなわち,第2のペーパー2に付着した印刷インクが固化すると,第2のペーパー2の印刷面2aが多少粗い肌触りになることがあるが,第2のペーパー2の印刷面2aに,第1のペーパー1を重ね合わせることにより,保湿ペーパー10の肌触りを,さらに向上させることができる。
【0059】
第3の実施形態においては,第2のペーパー2に印刷を施すに際し,文字や図形,模様を,通常の方法(正像文字)で,印刷することとしてもよい。この場合,利用者は,第2のペーパー2に印刷された文字等を第1のペーパー1を透過して読み取ることができる。また,第2のペーパー2に印刷を施すに際し,文字や図形,模様を,鏡像文字(鏡文字)で,印刷することとしてもよい。この場合,利用者は,第2のペーパー2の印刷面2aに印刷された文字等を,第2のペーパー2の非印刷面2b側から読み取ることができる。ただし,図3に示されるように,第2のペーパー2の非印刷面2b側に,さらに第3のペーパーが積層される場合には,文字や図形,模様を,通常の方法(正像文字)で,印刷することが好ましい。
【0060】
(4) 保湿ペーパーの製造方法
次に,保湿ペーパーの製造方法について説明する。本発明に係る保湿ペーパーの製造方法は,基本的に,上述した保湿ペーパーの製造装置20を用いて行われる。保湿ペーパーの製造方法は,保湿剤塗布工程と,印刷工程と,乾燥工程と,張力付加工程と,重ね合わせ工程を含む。まず,保湿剤塗布工程において,第1のペーパー1に保湿剤を塗布する。また,印刷工程において,第2のペーパー2に印刷を施す。乾燥工程では,第2のペーパー2に付着した印刷インクを乾燥させる。その後,張力付加工程において,印刷工程で印刷が施された第2のペーパー2に張力を付加し,印刷皺を引き延ばす。そして,重ね合わせ工程では,保湿剤塗布工程で保湿剤が塗布された第1のペーパー1と,張力付加工程で張力が付加された第2のペーパー2を重ね合わせ,保湿ペーパー10を形成する。形成された保湿ペーパー10は,巻きとりローラによって巻き取られるものであってもよい。また,形成された保湿ペーパー10は,折畳加工部により折畳加工され,その後,カートン詰め部によってカートンに詰め込まれるものであってもよい。
【0061】
(5) 保湿ペーパー
図4及び図5は,本発明の製造装置及び製造方法により,製造された保湿ペーパー10の例を示す斜視図である。
【0062】
図4には,2枚のペーパーが積層された保湿ペーパー10の例が示されている。
図4(a)に示されるように,本発明によれば,第2のペーパー2に印刷が施され,第1のシート1に保湿剤が塗布された保湿ペーパー10を得ることができる。
保湿ペーパー10は,図4(b)に示されるように,第2のペーパー2の印刷面2aが,保湿ペーパー10の外表面に位置するものであってもよい。この場合,第2のペーパー2は,非印刷面2bが第1のペーパー1に接するように,重ね合わされる。
一方,保湿ペーパー10は,図4(c)に示されるように,第2のペーパー2の印刷面2aが,保湿ペーパー10の内面に位置するものであってもよい。この場合,第2のペーパー2は,印刷面2aが第1のペーパー1が接するように,重ね合わされる。
【0063】
図5には,3枚のペーパーが積層された保湿ペーパー10の例が示されている。
図5(a)に示されるように,本発明によれば,印刷が施された第2のペーパー2及び保湿剤が塗布された第1のペーパー1の他,第3のペーパー3が積層した保湿ペーパー10を得ることができる。第3のペーパー3は,第1のペーパー1と共に保湿剤塗布部21を通過したものであってもよいし,第2のペーパー2と共に印刷部22を通過したものであってもよい。
保湿ペーパー10は,図5(b)に示されるように,第2のペーパー2の印刷面2aが,保湿ペーパー10の外表面に位置するものであってもよい。この場合,第2のペーパー2は,非印刷面2bが第3のペーパー3と接するように重ね合わされる。また,第3のペーパー3と第1のペーパー1が互いに接するように重ね合わされる。
一方,保湿ペーパー10は,図5(c)に示されるように,第2のペーパー2の印刷面2aが,保湿ペーパー10の内面に位置するものであってもよい。この場合,第2のペーパー2は,印刷面2aが第1のペーパー1に接するように重ね合わされる。また,第2のペーパー2は,非印刷面2bが第3のペーパー3に接するように重ね合わされる。
【0064】
上記のように,第2のペーパー2の印刷面2aを保湿ペーパー10の外表面に位置させることにより,利用者に対して,印刷した文字や模様をはっきりと視認させることができる。一方,第2のペーパー2の印刷面2aを保湿ペーパー10の内面に位置させることにより,保湿ペーパー10の肌触りをさらに向上させることができる。
このように,第2のペーパー2の印刷面2aを保湿ペーパー10の外表面に位置させるか,内面に位置させるかは,保湿ペーパー10に印刷を施す目的や用途に応じて,適切な方を適宜選択すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は,印刷が施された保湿ペーパーの製造装置及び製造方法に関するものである。従って,本発明は,例えばティシュペーパーやトイレットペーパーのような衛生用紙の製造産業において好適に利用し得る。
【符号の説明】
【0066】
1 第1のペーパー
2 第2のペーパー
2a 印刷面
2b 非印刷面
3 第3のペーパー
10 保湿ペーパー
20 製造装置
21 保湿剤塗布部
22 印刷部
221 印刷ドラム
222 プリンタ
23 張力付加部
24 重ね合わせ部
25 乾燥部
26 折畳加工部
27 カートン詰め部
31 第1の巻出しローラ
32 第2の巻出しローラ
33 第3の巻出しローラ
34 ピンチローラ
35 補助ローラ
36 巻き取りローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のペーパー(1)と第2のペーパー(2)が重ね合わされた保湿ペーパーを製造するための製造装置であって,
前記第1のペーパー(1)に保湿剤を塗布する保湿剤塗布部(21)と,
前記第2のペーパー(2)に印刷を施す印刷部(22)と,
前記印刷部(22)により印刷が施された第2のペーパー(2)に張力を付加する張力付加部(23)と,
前記保湿剤塗布部(21)により保湿剤が塗布された第1のペーパー(1)と前記張力付加部(23)により張力が付加された第2のペーパー(2)を重ね合わせる重ね合わせ部(24)を備える
製造装置。

【請求項2】
前記印刷部(22)により印刷が施された第2のペーパー(2)を乾燥させる乾燥部(25)をさらに備え,
前記張力付加部(23)は,前記乾燥部(25)により乾燥された第2のペーパーに張力を付加する
請求項1に記載の製造装置。

【請求項3】
前記第2のペーパー(2)は,前記印刷部(22)により印刷が施された印刷面(2a)と,印刷が施されていない非印刷面(2b)を有し,
前記張力付加部(23)は,前記第2のペーパー(2)の非印刷面(2b)を押圧することにより,前記第2のペーパー(2)に対して張力を付加する
請求項1又は請求項2に記載の製造装置。

【請求項4】
前記第2のペーパー(2)は,前記印刷部(22)により印刷が施された印刷面(2a)と,印刷が施されていない非印刷面(2b)を有し,
前記重ね合わせ部(24)では,前記第2のペーパー(2)の印刷面(2a)が前記第1のペーパー(1)に接する面となるように,前記第1のペーパー(1)と前記第2のペーパー(2)が重ね合わされる
請求項1から請求項3のいずれかに記載の製造装置。

【請求項5】
前記重ね合わせ部(24)により第1のペーパー(1)と第2のペーパー(2)が重ね合わされた保湿ペーパー(10)を,切断して折り畳む折畳加工部(26)と,
前記折畳加工部(26)により折り畳まれた保湿ペーパー(10)を,カートンに詰め込むカートン詰め部(27)をさらに備える
請求項1から請求項4のいずれかに記載の製造装置。

【請求項6】
少なくとも第1のペーパー(1)と第2のペーパー(2)が重ね合わされた保湿ペーパーを製造するための製造方法であって,
前記第1のペーパー(1)に保湿剤を塗布する保湿剤塗布工程と,
前記第2のペーパー(2)に印刷を施す印刷工程と,
前記印刷工程で印刷が施された第2のペーパー(2)に張力を付加する張力付加工程と,
前記保湿剤塗布工程で保湿剤が塗布された第1のペーパー(1)と前記張力付加工程で張力が付加された第2のペーパー(2)を重ね合わせる重ね合わせ工程を含む
製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−70884(P2013−70884A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213477(P2011−213477)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(312013310)王子ネピア株式会社 (21)
【出願人】(000122298)王子ホールディングス株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】