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保湿ペーパー,保湿ペーパーの製造装置,及び保湿ペーパーの製造方法
説明

保湿ペーパー,保湿ペーパーの製造装置,及び保湿ペーパーの製造方法

【課題】保湿ペーパーに施された印刷インクが固化した場合であっても,使用者に対し,良好な肌触り有する保湿ペーパー,その製造装置,及びその製造方法を提供する。
【解決手段】保湿剤が塗布された第1のペーパー1を,印刷が施された第2のペーパー2の印刷面2aに接するように重ね合わせ,第2のペーパー2の印刷面2aが使用者の肌に直接接しないようにすることで,使用者に対し,良好な肌触りを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,保湿ペーパー,保湿ペーパーの製造装置及び保湿ペーパーの製造方法に関する。具体的に説明すると,本発明は,例えば文字,図形,又は模様の印刷が施された保湿ペーパー,保湿ペーパーの製造装置,及び保湿ペーパーの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から,保湿剤を含有した保湿ペーパーが知られている。この保湿ペーパー,例えば,ティシュペーパーやトイレットペーパーのような衛生用紙として用いられる。また,従来から,保湿ペーパーに,例えば文字や,図形,模様の印刷を施すことが知られている(特許文献1,特許文献2)。
【0003】
特許文献1には,印刷インキとローション薬液を混合したものを薄葉紙に塗布して,印刷が施された保湿ペーパーを得ることが記載されている。
【0004】
また,特許文献2には,ティシュペーパーに印刷を施した後,ティシュペーパーの非印刷面に保湿剤を塗布することにより,印刷が施された保湿ペーパーを得ることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−252214号公報
【特許文献2】特開2008−183127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら,ペーパーにインクを塗布して印刷を施すと,通常,インクの乾燥に伴ってインクの固化が進行し,インクが塗布された印刷面の肌触りが悪くなるという不具合が生じていた。
【0007】
この点,特許文献1に開示された技術は,印刷インキとローション薬液を混合したものを薄葉紙に塗布することとしているが,この混合液に含まれる印刷インキが固化すると,ペーパー全体の肌触りが悪くなるという問題を有している。
【0008】
また,特許文献2に開示された技術は,ティシュペーパーの非印刷面に保湿剤を塗布することとしているが,ティシュペーパーの印刷面が使用者の肌に接した場合,良好でない肌触りを与える恐れがある。
【0009】
このため,現在では,保湿ペーパーに塗布された印刷インクが固化した場合であっても,使用者に対し,良好な肌触りを提供することのできる保湿ペーパー,製造装置,及び製造方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで,本発明の発明者は,上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,保湿剤が塗布された第1のペーパーを,印刷が施された第2のペーパーの印刷面に接するように重ね合わせ,第2のペーパーの印刷面が使用者の肌に直接接しないようにすることで,使用者に対し,良好な肌触りを提供することができるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に本発明は,以下の構成を有する。
【0011】
本発明の第1の側面は,2枚以上のペーパーが重ね合わされて形成された保湿ペーパーに関する。
本発明の保湿ペーパーは,保湿剤が塗布された第1のペーパー1と,印刷が施された印刷面2aを有する第2のペーパー2を含む。
そして,第2のペーパー2は,その印刷面2aが,保湿ペーパーの内側の面となるように,第1のペーパー1と重ね合わされている。
【0012】
上述したとおり,印刷が施された面(印刷面)はインクが固化することにより肌触りが悪くなるという問題を有しているが,上記構成のように,第2のペーパーの印刷面に保湿剤が塗布された第2のペーパーを重ね合わせて保湿ペーパーを形成することにより,保湿ペーパーの表裏両方について,良好な肌触りを持たせることができる。また,ペーパーの印刷面が,直接使用者の肌に触れることがないため,例えばインクに対し敏感な肌を持つ者であっても,インクによる影響を受けずに保湿ペーパーを使用することができるようになる。また,使用者は,第1のペーパー側や第2のペーパーの非印刷面側から,第2のペーパーに施された印刷を透過して視認することができるため,保湿ペーパーの審美性を保つことができる。
【0013】
本発明は,さらに,第3のペーパー3を含むものであってもよい。その場合において,第3のペーパー3は,第2のペーパー2のうち,印刷が施されていない非印刷面2bに接するように重ね合わさせることができる。
【0014】
上記構成のように,3枚のペーパーを積層して保湿ペーパーを形成することにより,保湿ペーパーの強度を向上させることができる。また,第3のペーパーを第2のペーパーの非印刷面2b側に重ね合わせることにより,使用者は,第1のペーパーを通して,第2のペーパーに施された印刷を視認でき,保湿ペーパーの審美性も保つことができる。
【0015】
本発明の保湿ペーパーが第3のペーパー3をさらに含むものである場合,第3のペーパー3を第1のペーパー1と第2のペーパー2との間に位置させ,第2のペーパー2の印刷面2aが第3のペーパー3に接するように,重ね合わせることとしてもよい。
【0016】
上述した通り,3枚のペーパーを積層して保湿ペーパーを形成することにより,保湿ペーパーの強度を向上させることができる。また,第3のペーパーを第1のペーパーと第2のペーパーの間に重ね合わせる場合であっても,使用者は,第1のペーパー及び第3のペーパーを通して,第2のペーパーに施された印刷を視認できる。また,例えば,第2のペーパーに印刷を施すに際し,文字や図形等を,鏡像文字(鏡文字)で,印刷することにより,使用者は,第2のペーパーの非印刷面側から,その印刷を視認することができ,保湿ペーパーの審美性を保つことができる。
【0017】
本発明の第2の側面は,少なくとも第1のペーパー1と第2のペーパー2が重ね合わされた保湿ペーパーを製造するための製造装置に関する。
本発明の製造装置は,基本的に,保湿剤塗布部21と,印刷部22と,重ね合わせ部24を有する。
保湿剤塗布部21は,第1のペーパー1に保湿剤を塗布するための手段である。
印刷部22は,第2のペーパー2に印刷を施し,第2のペーパーに印刷面2aを形成するための手段である。
重ね合わせ部24は,第2のペーパー2の印刷面2aが,保湿ペーパーの内側の面となるように,第1のペーパー1と第2のペーパー2を重ね合わせる手段である。
【0018】
本発明の製造装置は,さらに,重ね合わせ部24により第1のペーパー1と第2のペーパー2が重ね合わされた保湿ペーパー10を,切断して折り畳む折畳加工部26と,折畳加工部26により折り畳まれた保湿ペーパー10を,カートンに詰め込むカートン詰め部27をさらに備えることが好ましい。
【0019】
保湿ペーパーが,例えばティシュペーパーのようなカートン詰めされる衛生用紙として使用される場合,その製造工程においては,複数のペーパーを重ね合わせた後,巻き取りロールによって巻き取り,他の装置へ搬送することが一般的である。一方,上記構成のように,複数のペーパーを重ね合わせた後,その下流において,折り畳み加工を施してカートンに詰める作業を一連の製造装置で行うことにより,製造工程を省略することができ,結果として製造コストを低減させることが可能になる。
【0020】
本発明の第3の側面は,少なくとも第1のペーパー1と第2のペーパー2が重ね合わされた保湿ペーパーを製造するための製造方法に関する。
本発明の製造方法には,保湿剤塗布工程と,印刷工程と,重ね合わせ工程が含まれる。
保湿剤塗布工程は,第1のペーパー1に保湿剤を塗布する工程である。
印刷工程は,第2のペーパー2に印刷を施し,第2のペーパーに印刷面2aを形成する工程である。
重ね合わせ工程は,第2のペーパー2の印刷面2aが保湿ペーパーの内側の面となるように,第1のペーパー1と第2のペーパー2を重ね合わせる工程である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば,保湿ペーパーに塗布された印刷インクが固化した場合であっても,使用者に対し,良好な肌触りを与える保湿ペーパー,保湿ペーパー製造装置,及び保湿ペーパー製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は,2枚のペーパーが積層した保湿ペーパーの例を示す斜視図である。図1(a)は,内面に印刷面が位置する保湿ペーパーの例であって,2枚のペーパーが分離した状態を示している。図1(b)は,内面に印刷面が位置する保湿ペーパーの例であって,2枚のペーパーが積層した状態を示している。
【図2】図2は,3枚のペーパーが積層した保湿ペーパーの例を示す斜視図である。図2(a)は,内面に印刷面が位置する保湿ペーパーの例であって,3枚のペーパーが積層した状態を示している。図2(b)は,第3のペーパーが,第2のペーパーの非印刷面に重ね合わされる例を示している。図2(c)は,第3のペーパーを第1のペーパーと第2のペーパーとの間に位置させ,第2のペーパーの印刷面が第3のペーパーに接するように重ね合せた例を示している。
【図3】図3は,2枚のペーパーが積層した保湿ペーパーであって,鏡像文字の印刷が施された例を示す斜視図である。図3(a)は,2枚のペーパーが分離した状態を示している。図3(b)は,保湿ペーパーを,第1のペーパー側から見た状態を示している。図3(c)は,保湿ペーパーを,第2のペーパーの非印刷面側から見た状態を示している。
【図4】図4は,本発明の製造装置の第1の実施形態の概略側面図である。
【図5】図5は,本発明の製造装置の第2の実施形態の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
なお,本明細書において,「A〜B」とは,「A以上B以下」であることを意味している。
【0024】
(1. 保湿ペーパーの第1の実施形態)
図1は,本発明の保湿ペーパーの第1の実施形態を示している。第1の実施形態は,2枚のペーパーが積層した保湿ペーパーに関するものである。保湿ペーパー10の種類は特に限定されるものではないが,保湿ペーパー10は,例えば衛生用紙として好適に使用することができる。衛生用紙の例は,ティシュペーパー,ちり紙,ペーパータオル,キッチンタオル,キッチンシート,あくとりシート,又はトイレットペーパーである。また,保湿ペーパー10を形成する2枚のペーパーの種類についても特に限定されず,例えば衛生用紙の原紙として使用されている公知のものを広く採用することができる。
【0025】
まず,図1(a)には,内面に印刷面が位置する保湿ペーパーの例であって,2枚のペーパーを分離した状態が示されている。図1(a)に示されるように,保湿ペーパー10は,第1のペーパー1と第2のペーパー2を重ね合わせることにより構成される。第1のペーパー1には,保湿剤が塗布されている。第2のペーパー2には,片面側から印刷が施され,印刷面2aが形成されている。また,第2のペーパー2は,印刷が施されていない側の面が,非印刷面2bとなる。
【0026】
図1(b)は,内面に印刷面が位置する保湿ペーパーの例であって,2枚のペーパーが重ね合わされた状態を示している。図1(b)に示されるように,第1のペーパー1は,第2のペーパー2の印刷面2aに接するようにして,第2のペーパー2と重ね合わされる。すると,第2のペーパー2の印刷面2aに施された印刷は,第1のペーパー1を透過して,視認することができるようになる。なお,図1(b)において,破線で示された模様は,第1のペーパー1を透過して視認される模様を表現している。また,図示は省略するが,第2のペーパー2の印刷面2aに施された印刷は,第2のペーパー2の非印刷面2b側からであっても,第2のペーパーを透過して,視認することができる。
【0027】
このように,保湿ペーパー10の内面に印刷を施した場合であっても,その印刷は,ペーパーを透過して視認されるため,保湿ペーパーの外観を美的なものとすることができる。また,印刷が施された面(印刷面)は,インクの固化より肌触りが悪くなるという問題を有しているが,第2のペーパー2の印刷面2aに保湿剤が塗布された第1のペーパー1を重ね合わせて保湿ペーパー10を形成することにより,保湿ペーパー10の表裏両方について,良好な肌触りを持たせることができる。
【0028】
上記のように,保湿ペーパー10の原紙には保湿剤が塗布されるため,保湿剤が塗布されても破断しにくい強度を持つものを採用することが好ましい。原紙の原料としては,例えば,針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を混合したものを採用することができる。原紙は,例えば,NBKPを30%〜90%含み,LBKPを10%〜70%含むものであることが好ましい。また,原紙の坪量は,例えば,11g/m〜19g/mや,13g/m〜18g/mであることが好ましく,15g/m〜17g/mであることが特に好ましい。
【0029】
保湿ペーパー10の第1のペーパー1に塗布される保湿剤としては,一般的な保湿ペーパーに用いられる各種の液体を用いることができる。保湿剤としては,例えば,グリセリン,ジグリセリン,プロピレングリコール,1.3−ブチレングリコール,ポリエチレングリコール等の多価アルコール;ソルビトール,グルコース,キシリトール,マルトース,マルチトール,マンニトール,トレハロース等の糖類;グルコール酸系薬剤及びその誘導体;セタノール,ステアリルアルコール,オレイルアルコール等の高級アルコール;流動パラフィン等の中の一種又は二種以上の成分を含む液体(溶液であってもよい)を用いることができる。また,第1のペーパー1には,上記保湿剤に加えて,消毒剤,薬効成分を含む薬液,香料や着色剤を含む液体が塗布されてもよい。
【0030】
第1のペーパー1に塗布される液体(保湿剤,その他液体を含む)の量は,最終的な製品である保湿ペーパー全体の質量のうち,保湿ペーパーに付着した液体の量が,例えば2〜30質量%,3〜25質量%,又は4〜20質量%となることが好ましい。液体の量を2重量%以上とすることで,保湿ペーパーにしっとり感を確実に発現させることが可能になる。また,液体の量を30重量%以下とすることで,液体の量が多すぎて紙力が弱くなり,紙切れ等が発生するという不具合を効果的に防止できる。
【0031】
印刷に用いられるインクは,油性又は水性を問わず,公知となっている種々のインクを用いることができる。印刷に用いられるインクには,例えば,水溶性インクであって,顔料,水性ワニス(合成樹脂と水),及び添加物を含有しており,溶剤としてエタノールを含有したものを用いることが好ましい。また,インクは,バインダー樹脂としてエポキシ変性ポリアミド樹脂を含有することが好ましい。エポキシ変性ポリアミド樹脂は,ポリアルキレンポリアミンを必須成分とするポリアミン成分とジカルボン酸成分を,アミノ基が過剰に存在する条件のもとで反応させて生成されるポリアミドポリアミンに,更にエピハロヒドリンを反応させて得られるエポキシ変性ポリアミド樹脂である。このような水溶性インクを用いて,ペーパー印刷を施せば,インクの裏抜けや紙の縮れを抑制して印刷を行うことができる。
【0032】
第2のペーパー2に施される印刷の図柄や色は,使用者の趣向に合わせ,適宜選択することができる。例えば,子供向けに各種キャラクタを印刷してもよいし,花柄や,動物柄,植物柄等のイラスト,文字,図形,又は記号等を印刷することができる。
【0033】
その他,保湿ペーパー10のソフトネスは,例えば,10mN/10cm〜50mN/10cm,20mN/10cm〜40mN/10cm,又は30mN/10cmとすることができる。
【0034】
(2. 保湿ペーパーの第2の実施形態)
続いて,図2を参照して,本発明の保湿ペーパーの第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は,3枚のペーパーが積層した保湿ペーパーに関するものである。図2(a)は,第1のペーパー1,第2のペーパー2,及び第3のペーパー3が,この順に重ね合わされて形成された保湿ペーパー10の例を示している。第1のペーパー1には保湿剤が塗布されており,第2のペーパー2には印刷が施されている。第3のペーパー3は,保湿剤が塗布されたものであってもよいし,保湿剤が塗布されていなくても良い。また,第3のペーパー3に,印刷を施すことも可能である。
【0035】
図2(b)は,図2(a)に示された保湿ペーパーであって,第1のペーパー1,第2のペーパー2,及び第3のペーパー3がそれぞれ分離した状態を示している。図2(b)に示されるように,印刷が施された第2のペーパー2の印刷面2aには,保湿剤が塗布された第1のペーパー1が重ね合わされている。このため,第2のペーパー2の印刷面2aが,印刷インクの固化により肌触りが悪くなった場合であっても,第1のペーパー1によって覆われ,保湿ペーパー全体の肌触りを良好に保つことができる。また,第2のペーパー2の印刷面2aに施された印刷は,図2(a)に示されるように,第1のペーパー1を透過して視認することができるようになっている。一方,第2のペーパー2の非印刷面2bには,第3のペーパー3が重ね合わされている。このように,第1のペーパー1,第2のペーパー2,及び第3のペーパー3を重ね合わせて,保湿ペーパー10を形成することにより,保湿ペーパー10全体の強度を向上させることができる。
【0036】
図2(c)は,第1のペーパー1,第3のペーパー3,及び第2のペーパー2が,この順に重ね合わされる別の例を示している。すなわち,図2(c)に示されるように,第3のペーパー3は,第1のペーパー1と第2のペーパー2の間に位置するように重ね合わされる。ここで,第3のペーパー3のうち,第1のペーパー1に接触する面を接触面3aとし,第1のペーパー1に接触しない面を非接触面3bとする。そして,第3のペーパー3の非接触面3bには,第2のペーパー2の印刷面2aが接するように重ね合わされる。このように,第1のペーパー1,第3のペーパー3,及び第2のペーパー2をこの順に重ね合わせて,保湿ペーパー10を形成することによっても,保湿ペーパー10全体の強度を向上させることができる。また,第2のペーパー2の印刷面2aに施された印刷は,第1のペーパー1及び第3のペーパー3を透過して視認することができる。また,第2のペーパー2の印刷面2aに施された印刷は,第2のペーパー2の非印刷面側2b側からも視認可能になっている。
【0037】
上述したように,第3のペーパー3には,第1のペーパー1と同様に保湿剤を塗布することとしてもよいし,第2のペーパー2と同様に印刷を施すこととしてもよい。例えば,第3のペーパー3に保湿剤を塗布する場合,第2のペーパー2の一方面(例えば印刷面)に第1のペーパー1を重ね合わせ,第2のペーパー2の他方面(例えば非印刷面)に第3のペーパー3を重ね合わせることにより,保湿ペーパー10の両面の肌触りを向上させることもできる。また,このようにすれば,第2のペーパー2の両面に印刷を施した場合であっても,印刷インクの固化の影響を受けて,保湿ペーパー10の肌触りが低下することもなくなる。
【0038】
また,例えば,第3のペーパー3に印刷を施す場合,第3のペーパー3の印刷面を,第2のペーパー2の印刷面2a又は非印刷面2bに重ね合わせることにより,第2のペーパー2に施された印刷と第3のペーパー3に施された印刷が階層的になる。このため,第2のペーパー2及び第3のペーパー3の両方に,印刷を施すことで,保湿ペーパー10を見たときに,印刷の奥行や,印刷の色の濃淡が表現されるため,保湿ペーパー10の審美性を向上させることができる。
【0039】
(3.保湿ペーパーの第3の実施形態)
図3は,本発明の保湿ペーパーの第3の実施形態について説明するための図である。第3の実施形態は,2枚のペーパーが積層した保湿ペーパーに関するものである。第3の実施形態において,第1のペーパー1には保湿剤が塗布され,第2のペーパー2の片面には印刷が施される。このため,第2のペーパー2は,印刷が施された印刷面2aと,印刷が施されていない非印刷面2bを有する。ここで,第2のペーパー2の印刷面2aには,鏡像文字(鏡文字)が印刷されている。
【0040】
図3(b)は,図3(a)に示された2枚のペーパーを重ね合わせた保湿ペーパー10を,第1のペーパー1側から見た状態の例を示している。図3(b)に示されるように,第2のペーパー2の印刷面2aに印刷された鏡像文字は,第1のペーパー1を透過して,視認される。
【0041】
図3(c)は,図3(b)に示された保湿ペーパー10の表裏を反転させ,保湿ペーパー10を,第2のペーパー2の非印刷面2bから見た状態の例を示している。図3(b)に示されるように,第2のペーパー2の印刷面2aに印刷された鏡像文字は,第2のペーパー2の非印刷面2b側から見ることによって反転され,正像文字として視認可能となる。このように,第2のペーパー2に文字等の印刷を行う場合,鏡像文字として印刷しても,第2のペーパー2の非印刷面2b側から正像文字として視認可能となる。また,図示は省略するが,第2のペーパー2の印刷面2aには,正像文字と鏡像文字とを組み合わせて印刷することとしてもよい。
【0042】
また,第2のペーパー2の印刷面2aに施した印刷は,第1のペーパー1を透過して見るよりも,第2のペーパー2の非印刷面2b側から見た方が,鮮明に視認することができる。このため,特に文字のような正像・鏡像があるもの(左右対称でないもの)を印刷する場合には,正像で印刷するよりも,鏡像で印刷することが好ましい。文字等を鏡像で印刷することにより,保湿ペーパーの使用者は,鏡像文字が反転された正像文字を,より鮮明に視認することができる。
【0043】
(4.製造装置及び製造方法の第1の実施形態)
次に,図4及び図5を参照して,保湿ペーパーの製造装置及び製造方法について説明する。図4及び図5は,保湿ペーパーの製造装置20の全体構成を示す概略側面図である。なお,以下に説明する製造装置及び製造方法は,一実施形態であり,保湿ペーパーの製造装置及び製造方法は以下ものに限定されるものではなく,公知の手段を適宜採用できる。
【0044】
図4に示されるように,製造装置20は,その上流側に,第1の巻出しローラ31と第2の巻出しローラ32が配置されている。第1の巻出しローラ31からは第1のペーパー1が送り出され,第2の巻出しローラ32からは第2のペーパー2が送り出される。第1の巻出しローラ31の下流側には保湿剤塗布部21が配置されており,保湿剤塗布部21は,第1のペーパー1の全面に保湿剤を塗布する(保湿剤塗布工程)。また,第2の巻出しローラ32の下流側には印刷部22が配置されており,印刷部22は,第2のペーパー2の片面に印刷を施す(印刷工程)。また,印刷部22の下流側には乾燥部25が配置されており,乾燥部25は,印刷が施された第2のペーパー2を乾燥させる(乾燥工程)。さらに,乾燥部25の下流側には張力付加部23が配置されており,張力付加部23は,第2のペーパー2のインク皺を延ばすために第2のペーパー2に対して張力を付加する(張力付加工程)。そして,保湿剤塗布部21と張力付加部23の下流側には重ね合わせ部24が位置しており,重ね合わせ部24は,第1のペーパー1と第2のペーパー2を重ね合わせて,保湿ペーパー10を形成する(重ね合わせ工程)。このとき,重ね合わせ部24においては,第1のペーパー1が,第2のペーパ2の印刷面2aに重ね合わせられるようになっている。そして,重ね合わせ部24により形成された保湿ペーパー10は,巻き取りローラ36により巻き取られる。
【0045】
第1のペーパー1及び第2のペーパー2は,それぞれ,第1の巻出しローラ31及び第2の巻出しローラ32の下流に位置するピンチローラ34を経て下流側へ搬送される。第1のペーパー1及び第2のペーパー2は,上述したように,最終的に巻き取りローラ36によって巻き取られる。このため,第1のペーパー1及び第2のペーパー2は,第1の巻出しローラ31及び第2の巻出しローラ32から,巻き取りローラ36まで繋がっている。第1のペーパー1及び第2のペーパー2は,製造装置20の適所に存在するピンチローラ34や,補助ローラ35,巻き取りローラ36などによって,搬送方向(ペーパーの長手方向)に一定の張力が与えられ,弛まずに搬送される。
【0046】
(4−1.巻出しローラ,原紙)
図4に示されるように,製造装置20の上流側には,第1の巻出しローラ31と,第2の巻出しローラ32が位置している。第1の巻出しローラ31には第1のペーパー1が保持されており,第2の巻出しローラ32には第2のペーパー2が保持されている。第1のペーパー1及び第2のペーパー2は,それぞれ,保湿ペーパー10の原紙となる。
【0047】
本発明において,保湿ペーパー10の原紙として使用される第1のペーパー1及び第2のペーパー2の種類は,特に限定されるものでなく,例えば衛生用紙の原紙として使用されている公知のものを広く採用することができる。衛生用紙の例は,ティシュペーパー,ちり紙,ペーパータオル,キッチンタオル,キッチンシート,あくとりシート,又はトイレットペーパーである。
【0048】
本発明の製造装置20において使用される原紙には,保湿剤が塗布されるため,保湿剤が塗布されても破断しにくい強度を持つものを採用することが好ましい。原紙の原料としては,例えば,針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を混合したものを採用することができる。
【0049】
また,本発明の製造装置20において使用される原紙には,印刷が施されるため,クレープが細かく紙表面が滑らかであるものを採用することが好ましい。また,原紙のヤンキードライヤーへの接触面が,保湿ペーパー10の外側面(表面及び裏面)に位置するようにすることが好ましい。これにより,保湿ペーパー10の外側面の手触りを向上させることができる。また,原紙のヤンキードライヤーへの接触面を第2のペーパーの印刷面2aとすることにより,印刷が鮮明になる。例えば,図2(b)に示される保湿ペーパー10の場合には,原紙のヤンキードライヤーへの接触面を第2のペーパーの印刷面2aとするとともに,原紙のヤンキードライヤーへの接触面を第1のペーパー1及び第3のペーパー3の外側面(保湿ペーパー10の表面及び裏面)とすれば,印刷部22によって施す印刷が鮮明になり,しかも保湿ペーパー10の外側面の手触りを向上させることができる。また,図2(c)に示される保湿ペーパー10の場合に,手触りを重視すれば,第1のペーパー1のうち,原紙のヤンキードライヤーへの接触面を保湿ペーパーの外表面とし,第2のペーパーのうち,原紙のヤンキードライヤーへの非接触面を印刷面2a,原紙のヤンキードライヤーへの接触面を非印刷面2bとすることが好ましい。
【0050】
また,本発明に製造装置20において,基本的に,第1のペーパー1には保湿剤が塗布され,第2のペーパー2には印刷が施される。このため,第1のペーパー1として使用する原紙の種類と,第2のペーパー2として使用する原紙の種類は,その性質に応じて異なるものとしてもよい。例えば,保湿剤が塗布される第1のペーパー1は,保湿剤を豊富に含ませつつ強度を保持するために,原紙の坪量を15g/m〜19g/mとすることが好ましい。一方,印刷が施される第2のペーパー2は,印刷インクを鮮明にするために,原紙の坪量を10g/m〜14g/mとすることが好ましい。
【0051】
(4−2.保湿剤塗布部)
第1の巻出しローラ31の下流側には,保湿剤塗布部21が位置している。保湿剤塗布部21は,例えば保湿剤タンクと塗布部を有しており,第1のペーパー1に対して,保湿剤を塗布する機能を持つ。保湿剤塗布部21としては,例えば,ノズル式噴霧器や,ローター式噴霧器を採用することができる。ノズル式噴霧器は,ノズル内にて保湿剤に圧力を掛け,先細となった開口部から霧状の保湿剤を噴霧するタイプの噴霧器である。また,ローター式噴霧器は,ローターに複数枚のフィンが付設されており,ローターを高速回転させ,その遠心力によりフィンに付着した保湿剤を霧状に噴霧するタイプの噴霧器である。ただし,保湿剤塗布部21として使用される機器は,これらのものに限定されず,第1のペーパー1に対して保湿剤を塗布可能な機器であればよく,例えば,転写ローラを用いて第1のペーパー1に対して保湿剤を塗布する機器や,その他公知の機器も採用可能である。
【0052】
保湿剤塗布部21が塗布する保湿剤としては,上述したように,一般的な保湿ペーパーに用いられる各種の液体を用いることができる。また,保湿剤塗布部21は,上記保湿剤に加えて,消毒剤,薬効成分を含む薬液,香料や着色剤を含む液体を,ペーパーに対して塗布することとしてもよい。
【0053】
保湿剤塗布部21により塗布される液体(保湿剤,その他液体を含む)の量は,最終的な製品である保湿ペーパー全体の質量のうち,保湿ペーパーに付着した液体の量が,例えば2〜30質量%,3〜25質量%,又は4〜20質量%となることが好ましい。液体の量を2重量%以上とすることで,保湿ペーパーにしっとり感を確実に発現させることが可能になる。また,液体の量を30重量%以下とすることで,液体の量が多すぎて紙力が弱くなり,紙切れ等が発生するという不具合を効果的に防止できる。
【0054】
(4−3.印刷部)
第2の巻出しローラ32の下流側には,印刷部22が位置している。印刷部22は,第2のペーパー2に対して,印刷を施す機能を持つ。印刷部22としては,例えば,公知の回転印刷塗布装置を採用できる。例えば,印刷部22は,印刷ドラム221と,印刷ドラム221の円周に配置された複数のプリンタ222を有する。そして,印刷部22は,印刷ドラム221にペーパーを巻きつけながら,複数のプリンタ222によって,搬送されてくるペーパーに対して,順次印刷インクを塗布していく。
【0055】
印刷部22により施される印刷の図柄や色は,利用者の趣向に合せて適宜変更可能である。例えば,複数のプリンタ222に印刷インクを供給するインクタンクには,それぞれ異なる色の印刷インクを充填しておくことにより,様々な色で印刷を施すことができる。これにより,利用者の趣向に合わせて,各種キャラクタや,花柄,動物柄,植物柄のような模様や,文字,記号,図形を描くよう自由に設定できる。また,印刷部22は,図形や図柄や,文字を鏡像で印刷することとしてもよい。
【0056】
印刷に用いられるインクは,上述したように,油性又は水性を問わず,公知となっている種々のインクを用いることができる。印刷に用いられるインクには,例えば,水溶性インクであって,顔料,水性ワニス(合成樹脂と水),及び添加物を含有しており,溶剤としてエタノールを含有したものを用いることが好ましい。また,インクは,バインダー樹脂としてエポキシ変性ポリアミド樹脂を含有することが好ましい。
【0057】
また,印刷部22は,図4に示されるように,第2のペーパー2の面のうち,第1のペーパー1と接する側の面に印刷を施す。このように,第2のペーパー2の面のうち第1のペーパー1と接する側の面に印刷を施すことで,第2のペーパー2と第1のペーパー1を重ね合わせると,第2のペーパー2の印刷面2aが,保湿ペーパー10の内面に位置するようになる。
【0058】
(4−4.乾燥部)
印刷部22の下流側には,乾燥部25が位置している。乾燥部25は,第2のペーパー2に塗布された印刷インクを乾燥させる機能を持つ。図4に示された例において,乾燥部25は,第2のペーパー2を自然乾燥させるものである。乾燥部25は,ローラで第2のペーパー2を長く広げて,第2のペーパー2の印刷面2aが空気に触れるようにして搬送することにより,印刷したインクを乾燥させることができる構造になっている。
【0059】
乾燥部25は,印刷部22と張力付加部23の間に位置しており,印刷部22から張力付加部23までの間の乾燥時間は,例えば,4秒〜30秒,5秒〜20秒,又は6秒〜10秒であることが好ましい。第2のペーパー2に塗布された印刷インクは,4秒程度の時間で第2のペーパー2を搬送させれば,確実に乾燥させることができる。
【0060】
また,乾燥部25としては,温風,冷風,又は常温風を第2のペーパー2に対して送風するドライヤーを採用することもできる。第2のペーパー2に対して機械的に風を送り込むことにより,印刷インクの乾燥を迅速に行うことができるとともに,印刷インクの発色も良好になる。
【0061】
(4−5.張力付加部)
乾燥部25の下流側には,張力付加部23が位置している。本発明において,この張力部下部23は,任意の構成である。張力付加部23は,第2のペーパー2に対して張力を付加し,印刷インクの固化により生じた皺を引き延ばす機能を有している。張力付加部23としては,例えば,第2のペーパー2をその搬送方向と直交する方向(直交方向)に押圧するロール状のテンションコントローラを採用できる。テンションコントローラは,第2のペーパー2の搬送方向と直交する方向に上下駆動し,ペーパーの搬送方向に回転可能な構成を有しており,第2のペーパー2に加えられる張力を調整することができる。これにより,第2のペーパー2に対して張力を付加することができ,印刷インクが固化することにより生じた皺が引き延ばされる。
【0062】
張力付加部23は,第2のペーパー2の直交方向の破断荷重に対して,10%〜90%,20%〜80%,30%〜70%,又は40%〜60%の張力を付加することが好ましい。例えば,第2のペーパー2の直交方向の破断荷重が100mm幅あたり60Nである場合,張力付加部23により付加される張力は,100mm幅あたり6N〜54Nであることが好ましい。これにより,第2のペーパー2を破断させずに,印刷インクの固化により生じた皺のみを引き延ばすことができる。
【0063】
張力付加部23は,第2のペーパー2の印刷面2a及び非印刷面2bのいずれの方向から,第2のペーパー2を押圧するものであってもよい。ただし,図4に示されるように,張力付加部23が第2のペーパー2の非印刷面2bを押圧するように配置されることにより,張力を付加するに際し,第2のペーパー2の印刷が滲んだり霞んだりするという不具合を防止できる。
【0064】
また,張力付加部23は,第2のペーパー2の両面から押圧ローラ(図示省略)で挟み込むことにより,第2のペーパー2に対して張力を付加するものであってもよい。このような構造によっても,上記構造と同様に,第2のペーパー2に生じた印刷皺を引き延ばすことが可能である。
【0065】
(4−6.重ね合わせ部)
保湿剤塗布部21及び張力付加部23の下流側には,重ね合わせ部24が位置している。重ね合わせ部24は,保湿剤が塗布された第1のペーパー1と,印刷が施された第2のペーパーを重ね合わせる。このとき,重ね合わせ部24においては,第1のペーパー1が,第2のペーパー2の印刷面2a側に接するように,重ね合わされる。これにより,第1のペーパー1と第2のペーパー2が重ね合わされた保湿ペーパー10が形成される。第1のペーパー1と第2のペーパー2を重ね合わせ部24により重ね合わせることで,第1のペーパー1に塗布された保湿剤を,第2のペーパー2に浸透させ,保湿ペーパー10全体にムラ無く保湿剤を含浸させることができる。
【0066】
重ね合わせ部24は,第1のペーパー1と第2のペーパー2を重ね合わせた保湿ペーパー10を,その両面から押圧する押圧ローラを備えることが好ましい。押圧ローラは,保湿ペーパー10の両面を挟み込みつつ,適切な圧力を保湿ペーパー10に対して付加しながら回転し,保湿ペーパー10を下流側へ搬送する。このように,保湿ペーパー10に圧力を付加することにより,第1のペーパー1に塗布された保湿剤が第2のペーパー2に浸透することを促進できる。
【0067】
(4−7.巻き取りローラ)
重ね合わせ部24の下流側には,巻き取りローラ36が位置している。巻き取りローラ36は,第1のペーパー1及び第2のペーパー2が重ね合わされた保湿ペーパー10を巻き取り,ロール状に保持する。巻き取りローラ36によって,保湿ペーパー10を一定時間ロール状に保持することで,保湿剤の浸透がさらに均一化する。巻き取りローラ36により巻き取られた保湿ペーパー10は,ロール状のまま他の加工装置にセットされる。加工装置としては,トイレットペーパーに加工する周知のシートロール加工装置や,ティシュペーパーに加工するティシュペーパー加工装置等が採用される。例えば,ティシュペーパー加工装置では,折畳加工部及びカートン詰め部が設けられ,折畳加工部によって保湿ペーパー10を折り畳むとともに切断してカートン詰めに適したサイズと枚数のペーパー群を形成し,その後,カートン詰め部によって,折畳加工部により形成されたペーパー群を,カートンに詰める作業を行う。カートン詰め部は,別ラインで製造されたカートンを開き,その内部空間にペーパー群を押し込む。そして,例えばカートン内フラップと外フラップを張り合わせることにより,ペーパー群を内部空間に封入する。これにより,保湿ペーパーをカートン内に詰めることができる。折畳加工部としては,例えば,公知の折板式加工機やロータリーシリンダー式加工機を採用することができ,カートン詰め部としては,公知の装置を採用することができる。
【0068】
巻き取りローラ36により巻き取られた保湿ペーパー10は,パレットの上に立てた後,ポリエチレン,ポリプロピレン,又はポリエステル等のプラスチック製のフィルムによって密封することが好ましい。プラスチック製のフィルムによって保湿ペーパー10を密封し,24時間程度の時間を置くことで,保湿剤を保湿ペーパー10全体に馴染ませることができる。
【0069】
(4−8.第3の巻出しローラ)
第1の実施形態の製造装置20は,第1のペーパー1と第2のペーパー2の他に,第3のペーパー3を有する保湿ペーパー10を製造することも可能である。
例えば,第2のペーパー2の面のうち,印刷部22により印刷が施される面を印刷面2aとし,印刷が施されない面を非印刷面2bとする。
この場合において,第3のペーパー3は,第2のペーパー2の印刷面2aか,第2のペーパー2の非印刷面2bに重ね合わせることができる。
【0070】
すなわち,実施形態の製造装置20は,第3のペーパー3を巻き出すための第3の巻出しローラ33を備えるものであってもよい。例えば,図4に示されるように,第1のペーパー1に保湿剤が塗布される前に,第1のペーパー1と第3のペーパー3を重ね合わせることとしてもよい。また,第2のペーパー2に印刷が施される前に,第2のペーパー2と第3のペーパー3を重ね合わせることとしてもよい。そして,重ね合わせ部24において第1のペーパー1,第2のペーパー2,及び第3のペーパー3を重ね合わせることにより,ペーパーが3層となった保湿ペーパー10を製造することができる。3枚のペーパーが重なることにより,保湿剤を含んだ保湿ペーパー10の強度を向上させることができる。
【0071】
(5.製造装置及び製造方法の第2の実施形態)
次に,図5を参酌して,製造装置及び製造方法の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の説明に関し,上述した製造装置及び製造方法の第1の実施形態と同じ構成を有する点については説明を省略する。すなわち,第2の実施形態は,第1のペーパー1と第2のペーパー2を重ね合わせ部24において重ね合わせて保湿ペーパー10を形成する点までは,第1の実施形態と同じ構成を有している。ただし,第2の実施形態は,形成した保湿ペーパー10を巻きとるための巻き取りローラを有しておらず,代わりに,折畳加工部26及びカートン詰め部27を有する。第2の実施形態は,一連の製造装置において,保湿ペーパーの形成,保湿ペーパーの折畳加工,及び保湿ペーパーのカートン詰め作業を行う。このため,第2の実施形態に係る製造装置20は,例えばティシュペーパーのようなカートンに箱詰めして販売される衛生用紙の製造装置として好適に用いることができる。
【0072】
(5−1) 折畳加工部
折畳加工部26は,重ね合わせ部24の下流側に配置され,重ね合わされた保湿ペーパーを切断して折り畳み,カートン詰めに適したサイズと枚数のペーパー群を形成する機能を持つ。折畳加工部26としては,例えば,公知の折板式加工機やロータリーシリンダー式加工機を採用することができる。
【0073】
また,本発明の製造装置は,複数のペーパーが積層された保湿ペーパーを製造するためのものであるため,折畳加工に際し,複数のペーパーをエンボス加工により相互に接合することが好ましい。これにより,複数のペーパーが,使用に際して離れ難くなる。
【0074】
例えば,折畳加工部26は,重ね合わせ部24から搬出された保湿ペーパー10を,その流れ方向に沿って所定幅に切断する。その後,折畳加工部26は,所定幅となった複数の保湿ペーパー10を,折り機によって,適宜Z状に折り畳みながら積み重ねる。そして,折畳加工部26は,折り畳まれ積層された保湿ペーパー10を,その流れ方向と直交する方向に沿って所定長さに切断する。これにより,カートン詰めに適した所定幅及び所定長さを有するペーパー群が形成される。
【0075】
また,本発明の製造装置のように,液体が含浸され強度が低い保湿ペーパーを製造する装置においては,折畳加工部26として,ロータリーシリンダー式加工機を用いることが好ましい。ロータリーシリンダー式加工機は,バイス(つかみ)とタッカー(押し込み)を備えたシリンダー2本から構成された加工機であり,供給される2枚の長尺ペーパーを,シリンダーを回転させながら,交互に折り重ねた後カットする動作を繰り返していくことにより,ペーパーの折り畳みを行うことができる。このため,保湿ペーパーに過剰な負荷を掛けずに,折畳加工を達成できる。
【0076】
(5−2) カートン詰め部
カートン詰め部27は,折畳加工部26の下流側に位置し,折畳加工部26により形成されたペーパー群を,カートンに詰める作業を行う。カートン詰め部27は,別ラインで製造されたカートンを開き,その内部空間にペーパー群を押し込む。そして,例えばカートン内フラップと外フラップを張り合わせることにより,ペーパー群を内部空間に封入する。これにより,保湿ペーパーをカートン内に詰めることができる。カートン詰め部27としては,公知の装置を採用することができる。
【0077】
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。例えば,上記実施形態では,第2のペーパーの片面に印刷が施された例を中心に説明したが,第2のペーパーの両面に印刷を施すこととしてもよい。この場合,両面に印刷が施された第2のペーパーの両面に,保湿剤が塗布されたペーパーを重ね合わせることしてもよいし,片面にのみ保湿剤が塗布されたペーパーを重ね合わせることしてもよい。また,両面に印刷が施された第2のペーパーの一方の面に保湿剤が塗布されたペーパーを重ね合わせ,他方の面に保湿剤が塗布されていないペーパーを重ね合わせることとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は,印刷が施された保湿ペーパーの製造装置及び製造方法に関するものである。従って,本発明は,例えばティシュペーパーやトイレットペーパーのような衛生用紙の製造産業において好適に利用し得る。
【符号の説明】
【0079】
1 第1のペーパー
2 第2のペーパー
2a 印刷面
2b 非印刷面
3 第3のペーパー
3a 接触面
3b 非接触面
10 保湿ペーパー
20 製造装置
21 保湿剤塗布部
22 印刷部
221 印刷ドラム
222 プリンタ
23 張力付加部
24 重ね合わせ部
25 乾燥部
26 折畳加工部
27 カートン詰め部
31 第1の巻出しローラ
32 第2の巻出しローラ
33 第3の巻出しローラ
34 ピンチローラ
35 補助ローラ
36 巻き取りローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚以上のペーパーが重ね合わされて形成された保湿ペーパーであって,
保湿剤が塗布された第1のペーパー(1)と,
印刷が施された印刷面(2a)を有する第2のペーパー(2)を含み,
前記第2のペーパー(2)は,前記印刷面(2a)が前記保湿ペーパーの内側の面となるように,前記第1のペーパー(1)と重ね合わされている
保湿ペーパー。

【請求項2】
さらに,第3のペーパー(3)を含み,
前記第3のペーパー(3)は,前記第2のペーパー(2)のうち,印刷が施されていない非印刷面(2b)に接するように,重ね合わされている
請求項1に記載の保湿ペーパー。

【請求項3】
さらに,第3のペーパー(3)を含み,
前記第3のペーパー(3)は,前記第1のペーパー(1)と前記第2のペーパー(2)との間に位置し,
前記第3のペーパー(3)のうち,前記第1のペーパー(1)と接する面を接触面(3a)とし,前記第1のペーパー(1)と接しない面を非接触面(3b)とした場合に,
前記第3のペーパー(3)は,前記第2のペーパー(2)の前記印刷面(2a)に,前記非接触面(3b)が接するように,重ね合わされている
請求項1に記載の保湿ペーパー。

【請求項4】
少なくとも第1のペーパー(1)と第2のペーパー(2)が重ね合わされた保湿ペーパーを製造するための製造装置であって,
前記第1のペーパー(1)に保湿剤を塗布する保湿剤塗布部(21)と,
前記第2のペーパー(2)に印刷を施し,印刷面(2a)を形成する印刷部(22)と,
前記第2のペーパー(2)の前記印刷面(2a)が,前記保湿ペーパーの内側の面となるように,前記第1のペーパー(1)と前記第2のペーパー(2)を重ね合わせる重ね合わせ部(24)を有する。
保湿ペーパーの製造装置。

【請求項5】
前記重ね合わせ部(24)により第1のペーパー(1)と第2のペーパー(2)が重ね合わされた保湿ペーパー(10)を,切断して折り畳む折畳加工部(26)と,
前記折畳加工部(26)により折り畳まれた保湿ペーパー(10)を,カートンに詰め込むカートン詰め部(27)をさらに備える
請求項4に記載の保湿ペーパーの製造装置。

【請求項6】
少なくとも第1のペーパー(1)と第2のペーパー(2)が重ね合わされた保湿ペーパーを製造するための製造方法であって,
前記第1のペーパー(1)に保湿剤を塗布する保湿剤塗布工程と,
前記第2のペーパー(2)に印刷を施し,印刷面(2a)を形成する印刷工程と,
前記第2のペーパー(2)の前記印刷面(2a)が,前記保湿ペーパーの内側の面となるように,前記第1のペーパー(1)と前記第2のペーパー(2)を重ね合わせる重ね合わせ工程を含む
保湿ペーパーの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−94238(P2013−94238A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237144(P2011−237144)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(312013310)王子ネピア株式会社 (21)
【出願人】(000122298)王子ホールディングス株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】