説明

保護用透明シートを配設した収納ケース

【課題】運搬しにくく、汚れたり擦れたりしやすく、使用時にロール状シートから一端を引き出しにくく、図面や地図とともに収納しにくいという課題を解決するものである。
【解決手段】ロール状保護用透明シー1トを支持する支持部2と該支持部に取り付けられた鍔部3と該鍔部に取り付けられた半円筒状被覆部4と前記鍔部に取り付けられたフランジ部5と前記半円筒状被覆部に嵌合する下部半円筒状被覆部4と上部半円筒状被覆部6からなることを特徴とする保護用透明シートを配設した収納ケースにするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は図面又は地図を広げて見る際に、図面又は地図の上に配置して作戦や指示を書き込むための透明シートを収納する収納ケースに関し、さらに詳細には、透明シートを収納する収納ケースを屋外に持ち運び、登山の時や自衛隊が図面又は地図を広げて、図面又は地図の上に配置して作戦や指示をする際に利用される保護用透明シートを配設した収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図面又は地図に登山のルートや作戦や指示をじかに書き込むと、その図面又は地図は繰り返し使用できなくなるので、図面又は地図の上に書き込みができるように透明シートを配設する用具が利用されている(実開昭62−123679号公報)。
【特許文献1】実開昭62−123679号公報
【0003】
図4に示す海図等の図上作戦用具11は、アクリル樹脂等の透明板12とこれの四隅に装着した支柱13からなり、用具11は海図14の上に載置される。このとき透明板12と海図14とは平行で両者間に簡易は支柱13により間隔が置かれている。海図14の真上から透明板12を通して海図14を観察しながら潮の流れ、魚の回遊経路など、さらに水温、塩分濃度その他のデータを透明板12に記入する。修正を要する場合は、これらを消去して再度記入する。
【0004】
上記図上作戦用具11は、透明板のため、嵩張り持ち運びが困難である。そこで、巻き取り可能な透明シートを用いれば、ロール状に巻き取られ、持ち運びが容易になるが、運搬中に汚れたりシートの表面が擦れたりする欠点がある。また、ロール状シートをカバー材で被覆すると、使用時にカバー材を除去する手間がかかる。また、ロール状シートをカバー材で被覆しただけでは、運搬時に、ロール状シートは直立させても自立しにくく、ロール状シートから一端を引き出す作業も不安定である。更に自衛隊が作業中にロール状シートを引き出して用いる時に、ロール状シートが露出していると、光が反射して他人に気付かれやすいという欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の技術の欠点、即ち、保護用透明シートが運搬しにくく、汚れたり擦れたりしやすく、使用時にロール状シートから一端を引き出しにくく、図面や地図とともに収納しにくいという課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、特許請求の範囲の請求項に記載した保護用透明シートを配設した収納ケースを構成したものである。
即ちその基本構成としては、
(イ)保護用透明シートを配設した収納ケースは、ロール状保護用透明シートを支持する支持部と該支持部に取り付けられた鍔部と該鍔部に取り付けられた下部半円筒状被覆部と前記鍔部に取り付けられたフランジ部と前記下部半円筒状被覆部に嵌合する上部半円筒状被覆部とからなるものである。
(ロ)ロール状保護用透明シートは、図面を保護し、油性ペンで書き込みできるものであって、ポリオレフィン系又はポリハロゲン化ビニル系フィルムからなる。
(ハ)前記フランジ部は、前記収納ケースが縦に直立できるように平坦部を有し、前記収納ケースが横にして静止することができるように多角形を有している。
(ニ)前記収納ケースは、前記ロール状保護用透明シートの収納と収納された前記ロール状保護用透明シートを引き出せるように前記半円筒状被覆部同士の間に開口部を有している。
(ホ)前記収納ケースは、耐水性防音性材料からなっている。
(ヘ)前記収納ケースは、可視光を反射しにくい材料で被覆されている。
(ト)前記収納ケースは、表面の一部又は全部が迷彩柄で被覆されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、従来の技術の問題点を克服し、保護用透明シートを配設した収納ケースは、運搬しやすく、保護用透明シートは汚れたり擦れたりするのを防止することができる。また、ロール状保護用透明シートを引き出せるように前記半円筒状被覆部同士の間に開口部を有しているので、カッタ等でシートを必要な量だけ容易に引き出し切断し、必要に応じて、シートを再度収納することができる。
ロール状保護用透明シートは、表面が可視光を反射しにくい材料であれば他人に気付かれにくく、表面の一部又は全部が迷彩柄で被覆されていれば目立ちにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の保護用透明シートを配設した収納ケースについて詳細に述べる。
収納ケースCの構成は図1、及び図2に示す構造よりなるものであり、 ロール状保護用透明シート1を支持する支持部2と支持部2に取り付けられた鍔部3と鍔部3に取り付けられた下部半円筒状被覆部4と鍔部3に取り付けられたフランジ部5と半円筒状被覆部4に嵌合する上部半円筒状被覆部6とからなっている。
下部半円筒状被覆部4と上部半円筒状被覆部6は耐水性防音性材料からなっている。
【0009】
支持部2は前記収納ケースが縦に直立できるように平坦部を有し、前記収納ケースが横に静止することができるよう多角形を有する半円筒状筒部21とこれに連接した筒部22と筒部22に連接した円盤部23とからなる。支持部2に取り付けられた鍔部3は、木製又は合成樹脂からなり、所定厚さを有する円板からなり、支持部2の上方に偏向した位置に円盤部23にボルト24で取り付けられている。下部半円筒状被覆部4は合成樹脂で形成されており、鍔部3の左右両側を一端にして鍔部3の下半円周を被覆するように半円筒状に形成されている。
【0010】
下部半円筒状被覆部4の両端には支持部2に取り付けられた鍔部3にボルト41で取り付けられている。
フランジ部5は木製又は合成樹脂からなり、鍔部3に取り付けられており、収納ケースCが縦に直立できるように平坦部51を有し、収納ケースCが横に静止することができるよう多角形、例えば図1に示すように、四角形をなしている。
そして、上部半円筒状被覆部6は半円筒状被覆部4に一端で嵌合し、他端は開口7を有するように鍔部3の上半円周を被覆するように半円筒状に形成されている。
【0011】
収納ケースCは、耐水性防音性材料からなるが、可視光を反射しにくい材料で被覆されていてもよく、表面の一部又は全部が迷彩柄で被覆されていてもよい。
ロール状保護用透明シート1は図面を保護し、油性ペンで書き込みできるポリオレフィン系又はポリハロゲン化ビニル系フィルムが好適である。
【0012】
保護用透明シートを配設した収納ケースの使用に際して、収納ケースCの両端の支持部2にロール状保護用透明シートを支持し、下部半円筒状被覆部4に上部半円筒状被覆部6を鍔部3の上半円周を被覆するように一端側を嵌合すると、他端側には開口が形成され、ロール状保護用透明シートを開口から引き出しておく。図面又は地図に登山のルートや作戦や指示をする際には、図面又は地図の上に開口から引き出した透明シートを配設し、透明シートの上に所要事項を記入し、作戦や指示をすることができる。記入事項の変更の必要が生じたときでも消去して容易に書き換えることができる。
また、収納ケースの両端は平坦部を有し多角形に形成されているから、収納ケースが縦に直立でき、また横にして静止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
保護用透明シートを配設した収納ケースは、登山の時や自衛隊が図面又は地図を広げて、図面又は地図の上に配置して作戦や指示をする際に利用されるばかりでなく、漁業や船舶運航において、海図等の図上作戦や携帯用トイレットペーパーの収納ケースとしても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の保護用透明シートを配設した収納ケースの部分斜視図である。
【図2】本発明の保護用透明シートを配設した収納ケースの断面図である。
【図3】本発明の保護用透明シートを配設した収納ケースを直立させた斜視図である。
【図4】従来の透明シートを配設した用具の斜視図である。
【符号の説明】
【0015】
1 ; ロール状保護用透明シート
2 ; 支持部
3 ; 鍔部
4 ; 下部半円筒状被覆部
5 ; フランジ部
6 ; 下部半円筒状被覆部
7 ; 開口
21 ; 半円筒状筒部
22 ; 筒部
23 ; 円盤部
24 ; ボルト
51 ; 平坦部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状保護用透明シートを支持する支持部と該支持部に取り付けられた鍔部と該鍔部に取り付けられた下部半円筒状被覆部と前記鍔部に取り付けられたフランジ部と前記下部半円筒状被覆部に嵌合する上部半円筒状被覆部とからなることを特徴とする保護用透明シートを配設した収納ケース。
【請求項2】
ロール状保護用透明シートは図面を保護し、油性ペンで書き込みできるものであって、ポリオレフィン系又はポリハロゲン化ビニル系フィルムである請求項1記載の保護用透明シートを配設した収納ケース。
【請求項3】
前記フランジ部は、前記収納ケースが縦に直立できるように平坦部を有し、前記収納ケースが横に静止することができるよう多角形を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の保護用透明シートを配設した収納ケース。
【請求項4】
前記収納ケースは、前記ロール状保護用透明シートの収納と収納された前記ロール状保護用透明シートを引き出せるように前記半円筒状被覆部同士の間に開口部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の保護用透明シートを配設した収納ケース。
【請求項5】
前記収納ケースは、耐水性防音性材料からなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の保護用透明シートを配設した収納ケース。
【請求項6】
前記収納ケースは、可視光を反射しにくい材料で被覆されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の保護用透明シートを配設した収納ケース。
【請求項7】
前記収納ケースは、表面の一部又は全部が迷彩柄で被覆されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の保護用透明シートを配設した収納ケース。





















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−190738(P2009−190738A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29976(P2008−29976)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000005359)富士紡ホールディングス株式会社 (180)
【Fターム(参考)】