説明

保護継電装置およびその電源部の劣化診断方法

【課題】従来の保護継電装置のハードウェア構成を変更することなく、ソフトウェアの変更のみで、容易に保護継電装置の電源部の劣化を診断することが可能な保護継電装置およびその電源部の劣化診断方法を提供すること。
【解決手段】保護継電装置は、電源部1に入力される一次側電源電圧2と電源部1から出力される二次側電源電圧6の監視を行っている。電源部1には電圧平滑化のためコンデンサが使用されているため、一次側電源電圧2の入力断検出後も二次側電源電圧6は正常値の電圧を出力する。一次側電源電圧入力断検出から二次側電源電圧値の異常発生までの時間を計測し、この計測時間の長短によりコンデンサの劣化、すなわち電源部1の劣化を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統において用いられる保護継電装置、および保護継電装置の電源部の劣化診断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力系統の異常検出に使用される保護継電装置は、例えば20年という長期にわたり使用される。また、保護継電装置に内蔵の電源には、電圧の平滑用として大容量のアルミニウム電解コンデンサが使用されているが、その寿命は周囲温度と通電時間により大幅に変わることが知られている。
【0003】
保護継電装置の信頼性向上のためには、アルミニウム電解コンデンサの寿命を予測し、適切な時期に部品を交換することが必要となる。そのため、これまでも様々なアルミニウム電解コンデンサの寿命予測手法が提案されてきた。例えば、正常なコンデンサと比較し劣化したコンデンサでは電源投入から所定電圧に達するまでの時間が異なる点を利用し、装置電源投入後、出力電圧が所定電圧レベルに達するまでの時間を測定し、正常時の測定時間と比較して測定時間が長くなった場合には、アルミニウム電解コンデンサが劣化したと診断することができる(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-321203号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の保護継電装置におけるアルミニウム電解コンデンサの劣化診断は、電源投入後、出力電圧が所定電圧レベルに達するまでの時間を測定するため、電圧の経時変化を記録する記録計やオシロスコープ等を用いる必要があり、保護継電装置のみでは診断ができず、手間がかかり容易に診断することができなかった。
【0006】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、従来の保護継電装置のハードウェア構成を変更することなく、ソフトウェアの変更のみで、容易に保護継電装置の電源部の劣化を診断することが可能な保護継電装置およびその電源部の劣化診断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る保護継電装置は、装置外部から供給される一次側電源電圧を装置本体で使用される二次側電源電圧に変換する電源部を備えた保護継電装置において、前記電源部は、コンデンサを内蔵して前記一次側電源電圧を前記二次側電源電圧に変換する電圧変換部と、前記一次側電源電圧を監視する一次電源監視部と、前記二次側電源電圧を監視する二次電源監視部と、前記一次電源監視部の出力信号と前記二次電源監視部の出力信号とが入力され、前記一次側電源電圧を供給する一次側電源の遮断後、前記一次電源監視部の出力信号が第1の閾値電圧まで低下して電源断が検出された時刻から前記二次電源監視部の出力信号が第2の閾値電圧まで低下して電源断が検出された時刻までの時間差を計測する時間計測部と、この時間計測部により計測された前記時間差と電源劣化の判定基準値との比較結果に基づき前記電源部の劣化の判定を行う判定演算部と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、従来の保護継電装置のハードウェア構成を変更することなく、ソフトウェアの変更のみで、容易に保護継電装置の電源部の劣化を診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施の形態1に係る保護継電装置の電源部の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、電圧変換部の内部構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、電源劣化の判定方法を説明するための図である。
【図4】図4は、実施の形態2に係る保護継電装置の電源部1の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、実施の形態3に係る保護継電装置の電源部1の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る保護継電装置およびその電源部の劣化診断方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る保護継電装置の電源部1の構成を示すブロック図である。保護継電装置は、電力系統内において事故電流を検出し系統内装置を保護するために使用される。本実施の形態の保護継電装置は、例えばディジタル型である。なお、図1では、保護継電装置を構成する電源部1以外の構成要素を省略している。
【0012】
電源部1は、この電源部1に入力される一次側電源電圧2を保護継電装置内で使用する所定電圧に変換し二次側電源電圧6として出力する電圧変換部3と、一次側電源電圧2を監視する一次電源監視部4と、電圧変換部3から出力される二次側電源電圧6を監視する二次電源監視部5と、一次電源監視部4の出力信号と二次電源監視部5の出力信号とが入力され、一次側電源遮断後、一次電源監視部4の出力信号から検出された電源断の時刻と二次電源監視部5の出力信号から検出された電源断の時刻との時間差を計測する時間計測部7と、この時間計測部7により計測された時間計測値を記憶する記憶部8と、時間計測部7にて計測された時間計測値に基づき電源部1の寿命劣化を判定するとともにその判定結果を保護継電装置外部へ外部出力信号10として出力する判定演算部9と、を備えて構成される。
【0013】
電圧変換部3は、後述するように電圧平滑化のためのコンデンサ(図2参照)を有する。また、一次側電源電圧2は、図示しない一次側電源により供給され、二次側電源電圧6は、図示しない保護継電装置本体に供給される。
【0014】
図2は、電圧変換部3の内部構成の一例を示す図である。図2に示すように、電圧変換部3は、交流である一次側電源電圧2を受けて所定の電圧レベルの交流電圧に変換するトランス部20と、このトランス部20の出力する交流電圧を直流電圧に変換する整流回路部21と、この整流回路部21により生成された直流電圧を充電して二次側電源電圧6として出力するコンデンサ22と、を有する。コンデンサ22は、例えばアルミニウム電解コンデンサである。なお、図2は、電圧変換部3の構成の一例を示すものであり、本実施の形態はこの構成例に限定されない。
【0015】
次に、本実施の形態の動作について図1〜図3を参照して説明する。図3は、電源劣化の判定方法を説明するための図である。図1に示すように、電圧変換部3に入力される一次側電源電圧2は、常時規定電圧を保っているかどうか一次電源監視部4にて監視されており、その監視結果(一次電源監視部4の出力信号)は時間計測部7に出力される。また、電圧変換部3から出力される二次側電源電圧6も同様に、常時規定電圧を保っているかどうか二次電源監視部5にて監視されており、その監視結果(二次電源監視部5の出力信号)は時間計測部7に出力される。
【0016】
時間計測部7は、装置電源を切断する際、すなわち一次側電源の遮断時に、一次電源監視結果が異常となってから、二次電源監視結果が異常となるまでの時間を計測する。すなわち、一次側電源が遮断されると、一次電源監視部4の出力信号は直ちに0に減少するが、二次電源監視部5の出力信号は、電圧変換部3に含まれるコンデンサ22の作用により、その後しばらく規定電圧を保った後に減少する。一次電源監視部4は、一次側電源電圧2が低下しその規定電圧との関係で決まる第1の閾値電圧に達した時に異常検出(すなわち、電源断検出)する。また、二次電源監視部5は、二次側電源電圧6が低下しその規定電圧との関係で決まる第2の閾値電圧に達した時に異常検出(すなわち、電源断検出)する。
【0017】
このように、時間計測部7は、放電時間を計測し、一次電源監視部4の出力信号が第1の閾値電圧以下となって異常が検出された時(すなわち、一次電源監視部4の出力信号において電源断が観測された時)から、二次電源監視部5の出力信号が第2の閾値電圧以下となって異常が検出された時(すなわち、二次電源監視部5の出力信号において電源断が観測された時)までの時間Tを計測する。時間計測部7により計測された時間計測値は、記憶部8にて保持される。
【0018】
判定演算部9は、装置電源遮断後、再度装置電源が投入されると、記憶部8に保持されている時間計測部値を読みとり、その値が電源劣化に相当するか否かの判定処理を行い、その判定結果を外部出力信号10として保護継電装置外に出力する。
【0019】
ここで、電源劣化の判定法について、図3を参照して詳細に説明する。電圧変換部3に含まれるコンデンサ22の劣化は、一次側電源の遮断後、一次電源監視結果が異常となってから二次電源監視結果が異常となるまでの時間Tの長短によって判定することができる。コンデンサ22が劣化すると、その容量が減少し、時間Tがより短くなるからである。そこで、時間Tと比較すべき電源劣化の判定基準値をT0とし、TがT0よりも長い場合は、コンデンサ22は正常、TがT0未満の場合は、コンデンサ22は劣化していると判定することができる。
【0020】
図3の上段では、一次側電源電圧2の時間変化をV1で示している。横軸は時間、縦軸は電圧であり、V1は、規定値を保った状態から、装置電源の遮断により、電圧0の状態に階段状に変化している。このように、一次側電源電圧2は瞬時に第1の閾値電圧以下となるので、電源断時と一次電源監視結果が異常となった時刻はほぼ等しい。
【0021】
図3の中段では、T>T0の場合、すなわちコンデンサ22が正常である場合を示しており、二次側電源電圧6の時間変化をV2で示すとともに、二次側電源の監視結果をL2で表している。V2は、装置電源の遮断後もしばらくの間は規定値を保ち、その後単調減少し、点Pで表される時刻にはその電圧が第2の閾値電圧に等しくなっている。したがって、装置電源の遮断時刻から点Pで表される時刻までの時間がTであり、この場合、T>T0となっている。また、L2は、二次側電源の監視結果が正常である状態が点Pで表される時刻まで続き、点Pで表される時刻以降、二次側電源の監視結果が異常となることを示している。
【0022】
図3の下段では、T<T0の場合、すなわちコンデンサ22が劣化している場合を示しており、二次側電源電圧6の時間変化をV3で示すとともに、二次側電源の監視結果をL3で表している。V3は、装置電源の遮断後もしばらくの間は規定値を保ち、その後単調減少し、点Qで表される時刻にはその電圧が第2の閾値電圧に等しくなっている。したがって、装置電源の遮断時刻から点Pで表される時刻までの時間がTであり、この場合、T<T0となっている。また、L3は、二次側電源の監視結果が正常である状態が点Qで表される時刻まで続き、点Qで表される時刻以降、二次側電源の監視結果が異常となることを示している。
【0023】
以上のように、電源部1、具体的にはコンデンサ22に十分寿命がある場合、一次電源監視結果異常から二次電源監視結果異常までの時間Tは、T≧T0となる。しかし、電源が劣化してくると、T<T0となる。
【0024】
そして、判定演算部9は、電源立ち上げ時に、記憶部8に記憶されたTと判定基準値T0とを比較し、T<T0である場合は外部出力信号10により警報を発し、外部に対し電源部1の劣化を報せる。
【0025】
なお、電源部1に接続されている二次側負荷(保護継電装置本体)は、その装置固有の値で一定値であるため、上述のように二次側電源電圧6の低下時間の長短を判定することにより、コンデンサ22の劣化具合の判定が可能となっている。
【0026】
また、本実施の形態は、従来の保護継電装置に用いられているハードウェア構成を変更することなくソフトウェアの変更のみで実現することができる。すなわち、図1に示す各構成要素はハードウェアとしては従来の構成を利用することができる。例えば、一次電源監視部4、二次電源監視部5はそれぞれ従来の電源部に設けられている。また、時間計測部7に関しては従来の時間計測部に対してソフトウェアのみ変更すればよい。また、記憶部8、判定演算部9は、電源部に設けられたそれぞれメモリ、CPUを用いて実現することができる。
【0027】
このように、本実施の形態によれば、一次電源監視結果異常から二次電源監視結果異常までの時間Tを計測し、その計測値を判定基準値T0と比較することにより、容易にコンデンサ22の劣化、すなわち電源部1の劣化を検出し、検出結果を外部に知らせることができる。この際、従来の保護継電装置のハードウェア構成を変更することなく、ソフトウェアの変更のみで対応することができるので、保護継電装置への適用が容易である。
【0028】
実施の形態2.
図4は、本実施の形態に係る保護継電装置の電源部1の構成を示すブロック図である。図4に示すように、電源部1は、実施の形態1の構成に加えて、判定演算部9に接続された総稼働時間計測部11を備えている。なお、図4では、図1と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0029】
総稼働時間計測部11は、電源部1の総稼働時間を計測し、この計測値Twを判定演算部9に出力する。判定演算部9は、総稼働時間計測部11から入力される総稼働時間(Twとする。)と実施の形態1で説明した時間Tとに基づいて、電源部1の劣化を診断する。詳細には、電源再投入時に、実施の形態1で説明したように時間TとT0との比較を行うとともに、総稼働時間Twを所定期間Tw0と比較し、T<T0でありかつTw>Tw0であれば、外部出力信号10により警報を発し、外部に対し電源部1の劣化を報せる。ここで、所定期間Tw0は、アルミニウム電解コンデンサの一般的な寿命などを考慮して設定される寿命判断のための基準値であり、Tw>Tw0となったときには長期使用により電源部1の劣化が生じていると判定され、Tw≦Tw0では電源部1は正常であると判定される。
【0030】
本実施の形態によれば、実施の形態1による電源劣化診断に加えて、総稼働時間による電源劣化診断も行うようにしたので、診断の信頼性がさらに高くなり、保護継電装置の信頼性の向上を図れる。
【0031】
実施の形態3.
図5は、本実施の形態に係る保護継電装置の電源部1の構成を示すブロック図である。図5に示すように、電源部1は、実施の形態2の構成に加えて、判定演算部9に接続された周囲温度測定部12を備えている。なお、図5では、図4と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0032】
周囲温測定部12は、周囲温度を測定し、この測定値を例えば一定時間間隔で判定演算部9に出力する。判定演算部9は、総稼働時間計測部11から入力される総稼働時間Twに対して周囲温度の測定履歴に基づく補正を施す。一般に、アルミニウム電解コンデンサの劣化の度合いは周囲温度に依存するので、同じ総稼働時間に対しても、周囲温度が低い状況下と高い状況下では劣化の度合いが異なると予想されるからである。本実施の形態では、周囲温度とアルミニウム電解コンデンサの劣化との関係を示す既存のデータ等を用いて、周囲温度履歴に基づく総稼働時間Twの補正を行う。例えば、総稼働時間Twを複数の区間に分け、各区間での平均温度がある一定の範囲から高温側に逸脱した場合は区間の長さに補正係数k1を乗じ、低温側に逸脱した場合は補正係数k2を乗ずるというような補正を行うことで総稼働時間Twの補正を行うことができる。そして、電源再投入時に、実施の形態1で説明したように時間TとT0との比較を行うとともに、周囲温度履歴に基づく補正の施された総稼働時間Twcを所定期間Tw0と比較し、T<T0であり、かつTwc>Tw0であれば、外部出力信号10により警報を発し、外部に対し電源部1の劣化を報せる。
【0033】
本実施の形態によれば、実施の形態1による電源劣化診断に加えて、周囲温度履歴に基づく補正の施された総稼働時間による電源劣化診断も行うようにしたので、診断の信頼性がさらに高くなり、保護継電装置の信頼性の向上を図れる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、電力系統内において事故電流を検出し系統内装置を保護するために使用される保護継電装置の電源劣化の診断に有用である。
【符号の説明】
【0035】
1 電源部
2 一次側電源電圧
3 電圧変換部
4 一次電源監視部
5 二次電源監視部
6 二次側電源電圧
7 時間計測部
8 記憶部
9 判定演算部
10 外部出力信号
11 総稼働時間計測部
12 周囲温度測定部
20 トランス部
21 整流回路部
22 コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置外部から供給される一次側電源電圧を装置本体で使用される二次側電源電圧に変換する電源部を備えた保護継電装置において、
前記電源部は、
コンデンサを内蔵して前記一次側電源電圧を前記二次側電源電圧に変換する電圧変換部と、
前記一次側電源電圧を監視する一次電源監視部と、
前記二次側電源電圧を監視する二次電源監視部と、
前記一次電源監視部の出力信号と前記二次電源監視部の出力信号とが入力され、前記一次側電源電圧を供給する一次側電源の遮断後、前記一次電源監視部の出力信号が第1の閾値電圧まで低下して電源断が検出された時刻から前記二次電源監視部の出力信号が第2の閾値電圧まで低下して電源断が検出された時刻までの時間差を計測する時間計測部と、
この時間計測部により計測された前記時間差と電源劣化の判定基準値との比較結果に基づき前記電源部の劣化の判定を行う判定演算部と、
を備える、
ことを特徴とする保護継電装置。
【請求項2】
前記電源部は、前記時間計測部により計測された前記時間差を記憶する記憶部を備え、
前記判定演算部は、前記一次側電源の遮断後、前記一次側電源が再投入された際に、前記記憶部から前記時間差を読み取り、前記時間差と前記判定基準値とを比較し、前記時間差が前記判定基準値よりも長い場合は、前記電源部は正常であり、前記時間差が前記判定基準値よりも短い場合は、前記電源部は劣化していると判定することを特徴とする請求項1に記載の保護継電装置。
【請求項3】
前記電源部は、当該電源部の総稼働時間を計測する総稼働時間計測部を備え、
前記判定演算部は、前記時間計測部により計測された前記時間差と前記判定基準値との比較結果、および前記総稼働時間に基づき、前記電源部の劣化の判定を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の保護継電装置。
【請求項4】
前記電源部は、当該電源部の総稼働時間を計測する総稼働時間計測部と、周囲温度を測定しその測定値を前記判定演算部に出力する周囲温度測定部と、を備え、
前記判定演算部は、前記時間計測部により計測された前記時間差と前記判定基準値との比較結果、および前記周囲温度の測定履歴に基づく補正が施された前記総稼働時間に基づき、前記電源部の劣化の判定を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の保護継電装置。
【請求項5】
装置外部から供給される一次側電源電圧を装置本体で使用される二次側電源電圧に変換する電源部を備えた保護継電装置の前記電源部の劣化診断方法であって、
前記一次側電源電圧を供給する一次側電源の遮断後、前記一次側電源電圧を監視する一次電源監視部の出力信号が第1の閾値電圧まで低下して電源断が検出された時刻から、前記二次側電源電圧を監視する二次電源監視部の出力信号が第2の閾値電圧まで低下して電源断が検出された時刻までの時間差を計測するステップと、
前記時間差と電源劣化の判定基準値との比較結果に基づき前記電源部の劣化の判定を行うステップと、
を含むことを特徴とする保護継電装置の電源部の劣化診断方法。
【請求項6】
前記時間差を計測するステップ後、前記電源部の劣化の判定を行うステップ前に、前記時間差を記憶部に記憶するステップを含み、
前記電源部の劣化の判定を行うステップでは、前記一次側電源が再投入された際に、前記記憶部から前記時間差が読み取られ、この読み取られた前記時間差と前記判定基準値とが比較され、前記時間差が前記判定基準値よりも長い場合は、前記電源部は正常であり、前記時間差が前記判定基準値よりも短い場合は、前記電源部は劣化していると判定されることを特徴とする請求項5に記載の保護継電装置の電源部の劣化診断方法。
【請求項7】
前記電源部の劣化の判定を行うステップでは、前記時間差が前記判定基準値よりも短く、かつ、総稼働時間計測部により計測された前記電源の総稼働時間が所定期間より長い場合に、前記電源部が劣化していると判定されることを特徴とする請求項5または6に記載の保護継電装置の電源部の劣化診断方法。
【請求項8】
前記総稼働時間は、前記総稼働時間計測部による計測後に、周囲温度測定部により測定された周囲温度の測定履歴に基づいて補正が施されたものであることを特徴とする請求項7に記載の保護継電装置の電源部の劣化診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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