説明

信号レベル判定装置及び信号レベル判定方法

インパルス性雑音を含む背景雑音が存在する中で信号をロバストに検出するための装置及び方法が開示される。信号の各値は、2次元空間内の直交軸上の2つの座標によって定義される半円上の点にそれぞれマッピングされる。変換された各点の2つの座標からそれぞれの平均が計算され、それぞれの2つの平均を用いて半円上の点の密度を表す検出閾値が計算される。信号値の平均が計算されて検出閾値と比較される。代替的には、半円上の点の密度に基づいて平均が調整され、調整された平均が一定の閾値と比較される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インパルス性干渉を有する背景雑音内で信号を検出するための方法及び装置に関する。また、限定はしないが、刻々と変化する荒れた海面によって後方散乱した干渉信号が存在する中で、小さな物体から反射される信号を検出するのに特に適している。
【背景技術】
【0002】
数多くの実用的な用途において、概ねガウス特性を有する雑音(たとえば、熱雑音)とインパルス性の干渉との混合物によって、目的とする信号が劣化する。そのような組み合わせの確率分布は、多くの場合に所謂「ヘビー」テールを示すことになり、非ガウス現象を特徴付けるために種々の統計モデルが開発されている。たとえば、海面から反射されるマイクロ波信号の大きさは多くの場合に、ワイブル分布、対数正規分布、又はK分布によって特徴付けられる。
【0003】
海洋環境において動作するマイクロ波センサは、海面反射と呼ばれることもある海面から反射される不要な信号が存在する中で、潜在的に目的とする種々の小さな物体を確実に検出することが期待される。検出される小さな物体は、ボート及び筏、ブイ、種々の漂積物及び氷山の小さな破片を含む。それらの物体の中には、船舶が安全に航海するのを大きく脅かすものもあれば、救難任務、沿岸監視、自国保安等の目的となるものもある。
【0004】
非ガウス海面反射は、多くの場合にガウス雑音に関して最適に動作するように設計されている数多くのセンサの検出性能に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、多年にわたって、海面反射がある中で小さな信号を検出するという問題に対して、種々の解決策が提案されてきた。
【0005】
海面反射がある中で物体を検出することができる実用的な非コヒーレントシステムの代表的な例が、2007年10月23日の米国特許第7,286,079号:「Method and Apparatus for Detecting Slow-Moving Target in High-Resolution Sea Clutter」において提示されている。
【0006】
上記の開示によれば、各レンジセルからのレーダーエコー(radar return)を2値データのストリームに変換するために比較器が用いられる。反射された信号が所定の閾値を超える場合には、その信号は2値データの「1」によって表され、そうでない場合には、その信号は2値データの「0」によって表される。この動作が図1において概略的に示されている。そのような「硬」判定の1つの短所は明らかであり、閾値をわずかに下回る信号は全体的な検出判定に影響を及ぼす可能性があるにも関わらず破棄されるため、有用な情報が無視される。
【0007】
次に、レンジエクステント(range-extent)フィルタが2値信号を処理し、隣接するレンジセル内に現れる「1」を含むクラスタの存在を示す。これらのクラスタは、レンジ内に延在する物体の存在を示しているものと見なされる。図2は、レンジエクステントフィルタリングの動作を示す。しかしながら、そのようなフィルタを効率的にすべき場合には、仮想される物体の広がりが予め分からなければならない。さらに、単一のレンジセルを占有する程度の小さい物体には、レンジエクステントフィルタリングは適用することができない。
【0008】
最後に、仮想される物体の時間的な持続性が所定の時間間隔にわたって調べられる。適切な持続積分器(persistence integrator)の出力が予め選択された閾値を超える場合には、物体検出が宣言される。この動作が図3に概略的に示されている。残念なことに、時間における積分は、閾値処理又はハードリミッティングの過程において失われる情報を再生することはできない。
【0009】
上記のシステムの検出性能が、S. D. Blunt、K. Gerlach、J. Heyerによる「HRR Detector for Slow-Moving Targets in Sea Clutter」(IEEE Transaction on Aerospace and Electronic Systems, vol. 43, Jul. 2007, pp. 965-975)においてさらに詳しく解析されている。
【0010】
この刊行物は関連する理論的背景を検討し、さらには、検出器の実用的な実施態様に繋がる種々の仮定及び単純化も検討している。
【0011】
たとえば、検出器によって利用される比較器のステップ状の特性は、理論的な解析から得られる最適な非線形特性の唯一の好都合かつ実用的な近似であることを示している。
【0012】
さらに、図1aの観測結果を線形に(算術平均と同様に)結合してその結果を閾値と比較しても、インパルス性の雑音を示す背景に対して必要とされるロバストな検出手順は得られないことを明らかにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
それゆえ、雑音のある背景において、信号をロバストに検出するための方法及び装置を提供することが望ましい。
【0014】
特に、この方法及び装置は、従来の技法よりも効率的にスパイク性の海面反射がある中で小さな物体を検出できるようにすることが望ましいが、この目的に限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、信号値を処理して雑音のある背景内で信号を検出する方法が提供される。この方法は、信号プロセッサが、
複数の信号値のそれぞれを、円の少なくとも一部の円弧上の第1及び第2の座標によって定義される各点にマッピングするプロセスと、
円弧上の点の密度の指標を計算するプロセスと、
信号値のレベルを表す値を閾値と比較するプロセスと
を実行することを含み、比較される値のうちの少なくとも1つは、円弧上の点の計算された密度の指標に基づいて生成される。
【0016】
本願の発明者は、このようにして閾値を設定することによって、信号値のレベルを表す値として算術平均が用いられる場合であっても、改善された検出性能を達成できることを見出した。
【0017】
本発明はさらに、上記の方法を実行するための装置も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】各レンジセルからのレーダーエコー(radar return)を2値信号のストリームに変換するための比較器の従来技術における使用法を示す図である。
【図2】クラスタの存在を示すために2値データにおいて実行されるレンジエクステントフィルタの従来技術における動作を示す図である。
【図3】持続積分器の従来技術における動作を示す図である。
【図4】第1の例による、円弧平均を求めるステップを示す図である。
【図5】第1の例に従って構築される円弧平均計算器CMCの機能ブロック図である。
【図6】第2の例に従って構築される円弧平均計算器CMCの機能ブロック図である。
【図7】a)は、第3の例に従って構築される2つのマッピング関数を示す図である。b)は、信号値の角度位置への変換を示す図である。c)は、信号値の単位半円上へのマッピングを示す図である。
【図8】第3の例に従って構築される修正型円弧平均計算器MCMCの機能ブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施形態における、信号検出のために円弧平均CM及び円弧密度DCの両方が用いられるときの判定領域を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に従って構築される円弧平均計算器CMCを組み込んだ信号検出システムSDTの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
インパルス性雑音がある中での信号検出を分析したところ、図1aにおいて示されるような信号値の指標として従来の算術平均を利用して検出閾値と比較しても、最適な検出性能を与えることができないことがわかった。それゆえ、信号を検出するための改善されたロバストな方法が必要とされる。
【0020】
本発明の実施形態によれば、信号の1組の観測値(たとえば、包絡線、大きさ、或いは電力)の各値pを、円弧上の位置を定義する直交軸上の2つの座標(x,y)を有する2次元空間内の1つの点にそれぞれ変換する。この円弧は180度(他の単位においても等量)以下の角度を有する。この円弧は半円弧であることが好ましい。x座標について平均値XKを計算し、y座標について平均値YKを計算する。そして、結果として生成される2つの平均値を用いて、半円上の点の密度の指標DCCを計算する。その後、この指標を用いて、信号レベル値pの平均と比較される検出閾値を設定する。本発明は、このようにして検出閾値を設定することによって、平均と検出閾値との比較が従来の技法に比べてよりロバスト性のある結果を生み出すことを見出した。詳細には、インパルス性雑音によって引き起こされる誤検出の数が削減される。
【0021】
検出閾値と比較される平均は、算術平均、或いは他の形の平均とすることができる。限定はしないが、さらなるタイプの平均の例として、円上の変換された信号点のx座標及びy座標の平均値XK及びYKを用いて、2次元空間内の変換された各点における平均方向θMDを計算してもよい。そして、この平均方向θMDを用いて、観測された信号を検出閾値と比較する。第1の技法では、この比較は、逆変換M-1を適用して平均方向θMDを観測値の信号領域にマッピングし直し、本明細書において円弧平均pCMと呼ばれる量を与え、この円弧平均と上記のように設定された検出閾値とを信号領域において比較することによって実行される。その代わりとなる同等の第2の技法では、比較は、検出閾値を半円の2次元空間内に変換した後、平均方向θMDをその検出閾値と比較することによって実行される。
【0022】
本発明の詳細な実施形態を説明する前に、円弧密度DCCを計算するために本実施形態において用いられる平均値XK及びYK(すなわち、半円上にマッピングされる信号値のx座標及びy座標の平均値)、そして必要に応じて、平均方向θMD及び/又は円弧平均pCMを計算するためのいくつかの方法例を説明する。
【0023】
第1の例
第1の例によれば、以下の3つのステップ(図4においても概略的に示されている)を含む手順を適用することによって、平均値XK及びYK並びに円弧平均pCMが計算される。
【0024】
ステップ1
信号の観測値pを、マッピング関数M(p)を用いて単位半円上にマッピングする。その結果、目的とする所定の範囲(PL,PH)からの各値pkは、角度位置θkで単位半円上に配置される対応する点によって表される。
【0025】
したがって、信号のK個の観測値
【0026】
【数1】

【0027】
は、以下の対応する1組のK個の角度によって表される。
【0028】
【数2】

【0029】
ただし、αは任意の初期角度である。
【0030】
ステップ2
半円の2次元空間内にあるマッピングされた各点pkのx座標及びy座標を求めるために、角度{θk}の正弦及び余弦を計算する。その後、それらの計算値を別々に平均して、2つの個々の平均値を求める。
【0031】
【数3】

【0032】
平均方向又は円弧平均が検出閾値と比較されることになる場合には、1組の角度における平均方向θMDを、以下の式から求める。
【0033】
【数4】

【0034】
そして、円弧平均を以下のステップ3に従って計算する。明らかに、これらのプロセスは、信号レベル値pの算術平均のような平均が検出閾値と比較される場合には不要である。
【0035】
ステップ3
平均方向θMDに逆マッピングM-1(θ)を適用し、観測された信号値pの信号領域内に変換し直すことによって、以下に示す1組のK個の元になる信号値の円弧平均pCMを得る。
【0036】
【数5】

【0037】
続いて、円弧平均pCMを信号領域において閾値と比較する(代替的には、方向θMDを、半円の2次元空間にマッピングした閾値と比較する)。
【0038】
図4は、所与の1組の信号値の円弧平均pCMを求める手順を概略的に示している。この事例では、図示される半円は最初の2つの象限に現れるが(それゆえ、α=0)、この特定の特徴は不可欠ではない。
【0039】
第1の例と円弧平均pCMを使用する利点を理解するのを容易にするために、説明に役に立つ簡単な例を以下に与える。
【0040】
第1のステップは、pの測定値を、(0,180)度の区間に入る値p*に変換することである。pの測定値を以下のように仮定する。
【0041】
【数6】

【0042】
線形シフト演算によって各値から200が減算され、以下の値が得られる。
【0043】
【数7】

【0044】
次に、線形スケーリング演算によって各値が2で除算され、以下の値が得られる。
【0045】
【数8】

【0046】
このとき、信号値pのこれらの変換値p*は、(0,180)の区間に入っている。変換値p*とそれらに対応する度単位で表された角度位置θとは、同じ数値を有する。
【0047】
データをシフト及びスケーリングするためのこの方法は、この演算のために用いることができる数多くの方法の一例にすぎないことに留意されたい。
【0048】
上記の1組の変換値p*の算術平均pAMは、以下の通りである。
【0049】
【数9】

【0050】
上記の式から明らかなように、単一の相対的に大きな観測値p6*=150(たとえば、干渉する雑音スパイク)が、残りの5個の観測値p1*〜p5*の平均(30)を大きくシフトする。
【0051】
この実施形態における処理の第2のステップでは、変換値p1*〜p6*の平均方向θMDが、以下の式から求められる。
【0052】
【数10】

【0053】
それゆえ、円弧領域内における算術平均pAMは50に等しかったが、観測値の平均方向θMDは41に等しい。平均方向θMDは、単一のより大きな観測値(すなわち、p6*)によって及ぼされる影響がはるかに小さいので、値pの平均レベルのよりロバストな推定量であることが理解されよう。
【0054】
この処理の第3のステップにおいて、この例では、平均方向θMD=41度を、逆マッピングM-1を用いて変換して測定信号pと同じ領域に戻す。
【0055】
それゆえ、変換された値pCM=(41×2)+200=282である。
【0056】
一方、信号領域内の信号値pの算術平均は、[(5×260)+500]/6=300である。
【0057】
したがって、この例によって生成される円弧平均pCMは、従来の算術平均よりも信号領域内の値pの平均レベルをよりロバストに示している。これは、円弧平均pCMの値のほうが、算術平均よりも誤った信号値p6によって及ぼされる影響が小さいためである。
【0058】
K、YK及びpCMの上記の計算を実行するための装置が図5に示されている。
【0059】
図5に示される計算器は、以下の機能ユニットを備える。
− シフト及びスケールユニット502;
− 2つの非線形変換器SNL503及びCNL504;
− 2つのタップ付き遅延線DLS505及びDLC506;
− 2つの平均化回路AVS507及びAVC508;
− 演算ユニットATU509。
【0060】
包絡線、大きさ、或いは電力のような正の入力信号PPがシフト及びスケールユニット502に通されると、ユニット502は、入力信号の各値を180度にわたる範囲内の値にマッピングする。それにより、正規化された信号NPが生成される。
【0061】
正規化された信号レベルNPは、2つの非線形変換器SNL503及びCNL504に並列に加えられる。変換器の出力SS及びCCは、共通の入力値NPから2つの適切に選択されたマッピング関数を利用することによって求められる。検討している事例では、以下の通りである。
【0062】
【数11】

【0063】
先に述べたように、値SS及びCCは、2次元空間内の値NPのx座標及びy座標を定義する。
【0064】
信号SS及びCCは、それぞれのタップ付き遅延線DLS505及びDLC506に沿って伝搬する:信号SSのK個のサンプルを遅延セルS1、S2、...、SKの出力において取得することができ、一方、信号CCのK個のサンプルを遅延セルC1、C2、...、CKの出力において取得することができる。
【0065】
平均化回路AVS507は、その出力において、セルS1、S2、...、SKから得られる入力値の和に比例する値ASを生成する。同様に、平均化回路AVC508は、その出力において、セルC1、C2、...、CKから得られる入力値の和に比例する値ACを生成する。これら2つの値AS及びACは、演算ユニットATU509によって用いられ、円弧平均CMが求められる。
【0066】
その後、比較ユニット(図5には示されていない)において、計算された円弧平均CMが検出閾値と比較される。
【0067】
第2の例
上記の第1の例では、信号値pは「シフト及びスケール」タイプの線形演算を利用することによって角度値θに変換された。しかしながら、実用的な用途では、ダイナミックレンジを非線形に調整するために、観測された信号値に対して最初に非線形(たとえば対数)変換を適用した後、そのように変換された値を単位半円にマッピングすることが好都合である場合がある。そのような処理を実行する例が以下に示される。
【0068】
たとえば、有用な非線形マッピングは以下の形のものである。
【0069】
【数12】

【0070】
ただし、クリップ関数H(・)は、その引数の最小値と最大値をそれぞれ−π/2とπ/2に制限し、γは、処理される信号のダイナミックレンジをさらに調整するために用いられるスケーリング係数である。
【0071】
たとえば、観測値pの範囲が0.01から100までの場合には、γ=π/4がpの全ての値を(−π/2,π/2)内に収めることになる。ただし、両端も範囲に含む。0.01〜100の範囲外であるpの新たな値が後に検出された場合に、その新たなp値に対してもγの同じ値が用いられるようにするために、クリップ関数Hには、pの新たなマッピング値を(−π/2,π/2)の範囲に制限することが要求される。実際には、p値が大抵の場合に0.01〜100の範囲に入っており、これらの限界値に達するか又は限界値を超えることがめったにない場合、クリップ関数Hは通常は用いられない。
【0072】
以下の理由から、半円上にマッピングする前に対数変換を適用することが、他の非線形変換を用いることよりも好ましい場合がある。
1.対数変換は圧縮性があり、大きい観測値ほど抑制する。
2.除算が単純な減算に変わるので、元になるデータのスケールパラメータがシフトパラメータに変換され、それにより、信号正規化の演算が簡略化される。
【0073】
図6は、本発明の第2の例に従って構築される円弧平均計算器CMCの機能ブロック図である。
【0074】
この計算器は、以下の機能ユニットを備える。
− 対数変換器LGI601;
− 減算器SBT602;
− 2つの非線形変換器SNL503及びCNL504;
− 2つのタップ付き遅延線DLS505及びDLC506;
− 2つの平均化回路AVS507及びAVC508;
− 演算ユニットATU609。
【0075】
したがって、図5に示される第1の例の計算器と比べると、シフト及びスケールユニット502の代わりに、対数変換器LGI601及び減算器SBT602が用いられている。他の全ての構成要素は同じであるが、ATU609は例外であり、pに対して実行される対数演算を考慮するために、第1の例と比べて異なる逆マッピングM-1を実行する。
【0076】
包絡線、大きさ、或いは電力のような正の入力信号PPが対数変換器LGI601に通されると、入力信号PPのレベルの対数指標である信号LPが生成される。すなわち、
【0077】
【数13】

【0078】
次に、減算器SBT602において、信号LPから目的とする或る基準レベルBGの対数BLが減算されることによって、信号LPが正規化される。
【0079】
【数14】

【0080】
たとえば、信号検出問題では、基準レベルは長期の観測値から得られる背景雑音の平均レベルとすることができる。LPから値BLを減算する操作は、LPの値を(−π/2,π/2)の角度範囲を有する単位半円上の点にマッピングする。これは、係数γによって与えられるスケーリングと等価である。
【0081】
正規化された信号レベルNPは、2つの非線形変換器SNL503及びCNL504に並列に加えられる。変換器の出力SS及びCCは、共通の入力値NPから2つの適切に選択されたマッピング関数を利用することによって求められる。この例では、以下の通りである。
【0082】
【数15】

【0083】
信号SS及びCCは、それぞれのタップ付き遅延線DLS505及びDLC506に沿って伝搬する:信号SSのK個のサンプルを遅延セルS1、S2、...、SKの出力において取得することができ、一方、信号CCのK個のサンプルを遅延セルC1、C2、...、CKの出力において取得することができる。
【0084】
平均化回路AVS507は、その出力において、セルS1、S2、...、SKから得られる入力値の和に比例する値ASを生成する。同様に、平均化回路AVC508は、その出力において、セルC1、C2、...、CKから得られる入力値の和に比例する値ACを生成する。これら2つの値AS及びACは、演算ユニットATU609によって用いられ、円弧平均CMが求められる。
【0085】
その後、比較ユニット(図6には示されていない)において、計算された円弧平均が検出閾値と比較される。
【0086】
第3の例
上記の例では、信号値pを単位半円上の点にマッピングした後、三角演算子を適用して点の位置を定義する半円の2次元空間内の2つの座標を求める。続いて、これらの座標を用いて円弧密度を計算し、必要に応じて平均方向θMD及び円弧平均pCMを計算する。しかしながら、信号値pの半円への初期マッピングを、結果として生成される半円上の点の2つの座標を直接与えるように実行してもよい。したがって、第1及び第2の例における三角演算を実行することによって座標を計算する必要はない。
【0087】
そのような処理の一例が以下に説明される。
【0088】
一般的に、信号値pの半円へのマッピングは、適切に構築された2つのマッピング関数S(p)及びC(p)を使用することによって実行することができる。マッピングは半円を生成することを要求されるので、それらのマッピング関数は以下の条件を満たさなければならない。
【0089】
【数16】

【0090】
ただし、bは定数である。単位半円の場合、b=1である。
【0091】
第3の例によれば、第1のマッピング関数S(p)は単調に増加する連続関数になる。この関数は、最小信号レベルPLの場合に最小値である−1を有し、最大信号レベルPHにおいて+1に等しい最大値に達すると仮定する。そのような関数は無限に存在し、正弦波の適切に選択された一部分は数ある選択肢のうちの1つであるが、別の有用な関数が以下において検討される。
【0092】
次に、第2のマッピングC(p)が、マッピング関数S(p)から以下のようにして得られる。
【0093】
【数17】

【0094】
それゆえ、2つのマッピング関数S(p)及びC(p)を利用するマッピング演算M[S(p),C(p)]は、1次元のp空間から2次元の(S,C)空間への非線形変換と見なすことができる。結果として、各信号値pは、その点の一方の座標がS(p)によって定義され、その点の他方の座標がC(p)によって定義されるように、単位半円上の点に直接マッピングされる。その後、S(p)及びC(p)に算術平均を直接適用して、平均方向のためのパラメータを求めることができる。
【0095】
より詳細には、平均方向θMDは、以下のように計算される。
【0096】
【数18】

【0097】
その後、平均方向θMDを半円の空間にマッピングされた検出閾値と比較することができる。代替的には、必要であれば平均方向θMDに逆マッピングM-1(θ)を適用することによって、信号値の円弧平均pCMが求められ、この円弧平均pCMが検出閾値と比較される。逆マッピングM-1は、M-1を定義する数学的な関数を計算して評価することによって、又は数値技法(反復法等)を用いて要求される値を求めることによって、求めることができる。
【0098】
双曲線関数tanh w及び1/(cosh w)は、マッピング関数S(p)及びC(p)として有利に利用することができる。
【0099】
より詳細には、
【0100】
【数19】

【0101】
であるので、マッピング[tanh w,1/(cosh w)]は、値wを表す点を単位半円上に置く。
【0102】
正規化するために、双曲線変換tanh w及び1/(cosh w)を実行する前に、対数変換を使用してw=ln(p)とすることが好都合であろう。この場合、円弧平均計算器の機能ブロック図は、図6に示される機能ブロック図と類似の構造を有する。しかしながら、この場合、非線形変換器SNL503及びCNL504は、以下のマッピング演算を実行する。
【0103】
【数20】

【0104】
対数変換と双曲線変換とを組み合わせることによって、円弧平均計算器の構造を単純化することもできる。そのような単純化は以下のように行うことができる。
【0105】
【数21】

【0106】
であるので、双曲線変換tanh(w)に先立って対数変換w=ln(p)が行なわれる場合には、以下の式が成り立つ。
【0107】
【数22】

【0108】
図7a及び図7bに示されるように、2つのマッピング関数の形状は、信号値pと、単位半円上の値を表す点の対応する角度位置θとの間の関係を表す。この関係は非線形であり、「ソフト」リミッタのその形は、以下の数学的な表現から生じる。
【0109】
【数23】

【0110】
図7cは、信号のいくつかの選択された元になる値pに対応する角度位置θを有する単位半円を示す。図に示されるように、信号の値が大きいほど(p>10)、対応する角度位置θが限界値π/2に近いクラスタを形成する。その一方で、1よりも小さいpの値は、象限全体(−π/2,0)を占有する角度位置θを生成する。
【0111】
観測値{p1,p2,...,pK-1,pK}からパラメータYK及びXKが、
【0112】
【数24】

【0113】
に従って求められると、信号値pの円弧平均pCMは、以下の式から得られる。
【0114】
【数25】

【0115】
図8は、第3の例に従って構築される修正型円弧平均計算器MCMC800の機能ブロック図である。この構成では、図6の円弧平均計算器600において用いられる対数変換器LGI601及び減算器SBT602が、可変利得増幅器VGI801によって置き換えられている。この増幅器は、目的とする基準レベルを示す信号BGに応じてその利得を調整する。
【0116】
この構成では、変換器SNL802及びCNL803の出力SS及びCCは、共通入力CPから、以下のようにして得られる。
【0117】
【数26】

【0118】
修正型システムによって実行される他の機能及び演算は、図6のシステムによって実行されるのと同様であり、したがって、ここでは再び説明しない。
【0119】
以下の例では、背景雑音がある中での信号の検出において、円弧平均を使用することの利点について述べる。この例では、対数関数及び双曲線関数がマッピングのために利用される。
【0120】
単位電力熱雑音と、時折、雑音レベルの10倍を超えるスパイクが生じるインパルス性干渉とを含む雑音のある背景内において、単位電力のランダム信号が検出されると仮定する。また、例示のために、検出閾値が1.9に設定されていると仮定する。
【0121】
信号が無い場合に、背景雑音の6個の観測値が以下のようであると仮定する。
【0122】
【数27】

【0123】
5個の等しいサンプルは熱雑音レベルを表すものであり、サンプル番号6はインパルス性干渉によって生成されたものであろう。この場合、算術平均PAMは2.5に等しい。それゆえ、値2.5は1.9の検出閾値よりも大きいので、算術平均PAMが検出統計値として用いられる場合、誤検出(false alarm)が宣言されるであろう。
【0124】
ここで、算術平均ではなく円弧平均pCMを用いて背景雑音のレベルを判定すると仮定する。パラメータY6及びX6は以下のようになる。
【0125】
【数28】

【0126】
それゆえ、円弧平均pCMは以下のようになる。
【0127】
【数29】

【0128】
上記より、この場合、円弧平均pCMは検出閾値を超えないので、誤検出は生じない。
【0129】
ここで、検出されるべきランダム信号が存在し、この信号+雑音の事例においては6個の観測値が全て等しく、たとえばp1=p2=...=p6=2であると仮定する。この場合、算術平均pAMと円弧平均pCMはともに等しく、すなわちpAM=pCM=2であり、いずれも正しい検出判定に繋がることは明らかである。
【0130】
したがって、円弧平均を検出統計値として利用する主な利点は、時折生じるより大きな観測値を減衰させる能力から得られる。一般的に、そのような特性はインパルス性の雑音によって劣化した信号を処理する際に非常に有用である。
【0131】
第1の実施形態
本発明の第1の実施形態によれば、単位半円上の点の円弧密度DCCが計算され、それを用いて円弧平均pCMと比較される検出閾値が設定される。かつ/又は、円弧密度は、検出閾値と比較される以前の円弧平均の値の調整に用いられる。
【0132】
信号レベルpの値{pk}を表す点{θk}の円弧密度DCCは、以下の式から求められる。
【0133】
【数30】

【0134】
ただし、
【0135】
【数31】

【0136】
であり、S(pk)及びC(pk)は、マッピングのために用いられる2つの関数である。
【0137】
値XK及びYKは、上記第3の例において信号値pの半円上への初期マッピングによって出力されるので、第3の例はこれらの値XK及びYKを計算するのに最も適している。しかしながら、第1及び第2の例のように、pを半円上にマッピングした後に、XK及びYKを計算してもよいことは、当業者には明らかであろう。
【0138】
点{θk}が半円上の密集したクラスタを形成するとき、円弧密度DCCの値は1に近くなる。しかしながら、点{θk}が、たとえば支配的な雑音に起因して広範囲に分散するとき、円弧密度DCCの値は著しく小さくなる。したがって、円弧密度DCCの値を円弧平均と共に用いて、信号検出をさらに改善することができる。
【0139】
図9は、円弧平均CMを円弧密度DCと適切に組み合わせて検出判定領域を構築するときの検出性能の潜在的な改善を示す。
【0140】
検出のために円弧平均CMだけが利用されるとき、円弧密度にかかわらず、円弧平均の観測値が判定閾値THを超える場合に、信号の存在が宣言される。この場合、判定領域D1は、ラインTHから延在する長方形の形状を有する。
【0141】
しかしながら、円弧平均CMが円弧密度DCと共に用いられるとき、結果として生成される判定領域は、領域D2だけ拡大される。円弧密度値が或る所定の閾値C1を超えるとき、円弧平均のための判定閾値THは新たな下側値T1まで徐々に下げられるであろう。明らかに、面積(D1+D2)は単独の面積D1よりも大きく、閾値THが判定境界DBによって置き換えられると、改善された検出性能が達成される。
【0142】
図10は、円弧密度を用いて検出閾値を設定する、本発明の第1の実施形態に従って構築される信号検出器SDT1000の機能ブロック図である。信号検出器SDT1000の目的とする用途は、海面反射がある中での小さな物体の検出である。背景雑音、又は信号+雑音の観測サンプルPPが、円弧平均計算器CMC1001において処理される。背景雑音の平均レベルを示す補助信号BLを利用することによって、サンプルレベルが正規化される。そのような信号は、たとえば、被試験セルに隣接する複数のレンジセルによって生成される観測値を長い時間間隔にわたって取り込んだものを平均することによって得ることができる。
【0143】
円弧平均計算器CMC1001は、それぞれ円弧平均及び円弧密度を示している2つの出力CM及びDCを提供する。これらの信号は、判定ブロックDET1011によって用いられ、観測サンプルPPが海面反射だけによって生成されたのか、それとも海面反射内に埋もれた物体によって生成されたのかが判定される。そのために、判定境界を定義する信号DBが、判定ブロックDET1011の入力DBに加えられる。このブロックの出力信号SDは、海面反射内の信号の存否に関する包括的な判定である。
【0144】
上記の実施形態では、円弧密度DCCは、円弧平均pCMと比較される閾値を調整するために用いられることに留意されたい(図9に示されている)。しかしながら、これは、円弧密度DCCに基づいて円弧平均pCMの値を調整し、調整された平均を無変更の閾値と比較することと等価である。したがって、この実施形態では、閾値の代わりにpCMを調整してもよい。同様に、円弧密度DCCに基づいて閾値及び円弧平均pCMの両方を調整してもよい。
【0145】
第2の実施形態
上記の第1の実施形態では、円弧平均pCMが円形密度DCCに基づいて設定された閾値と比較される。しかしながら、代わりに、算術平均或いは平均方向θMDのような、観測された信号値の種々の平均が閾値と比較されてもよい。
【0146】
同様に、平均(どのようなタイプであっても)を円弧密度DCCの計算値に基づいて調整し、その調整された平均を一定の閾値と比較することもできる。
【0147】
さらに、円弧密度DCCの計算値に基づいて、平均及び閾値の両方を調整してもよい。
【0148】
変更及び変形
本発明の好ましい実施形態のこれまでの説明は、例示及び説明のために提示されてきたものであり、本発明を網羅的に述べることも、開示されるのと全く同じ形に限定することも意図していない。これまでの説明に鑑みて、数多くの改変、変更、及び変形によって、当業者は本発明を検討される特定の用途に合わせて種々の実施形態において利用できるようになるのは明らかである。
【0149】
たとえば、上記の例及び実施形態では、信号値pが半円上の点にマッピングされる。しかしながら、半円全体を用いることは不可欠ではなく、代わりに、半円よりも小さな円弧を用いることもできる。より詳細には、信号値pは、半円弧によって定められる角度、すなわちπラジアン(180度)以下の角度を有する任意の円弧にマッピングすることができる。
【0150】
上記の全ての例及び実施形態において、XK(すなわち、半円上の点のx座標の平均)及びYK(すなわち、半円上の点のy座標の平均)の両方を求めた後、それら両方の値を用いてθMDを計算することによって、平均方向θMDが計算される。しかしながら、ロバストではないが、XK及びYKの両方を求める必要はなく、平均方向θMDを計算する代わりに、代替の平均MALTを以下のように計算することもできる。
【0151】
【数32】

【0152】
より詳細には、点pが角度範囲0度〜180度又は180度〜360度を含む単位半円にマッピングされるとき、XKの計算に用いられる余弦値がこの範囲内で一意の値を有するので、MALT=XKが用いられる。すなわち、半円上の点pの値とx軸との間に1:1のマッピングが存在する。一方、点pが角度範囲90度〜270度又は270度〜90度を含む単位半円にマッピングされるとき、YKの計算に用いられる正弦値がこの範囲内で一意の値を有するので、MALT=YKが用いられる。
【0153】
そして、検出閾値が半円の2次元空間にマッピングされた後に、代替の平均MALTを検出閾値と比較することができる。代替的に、代替の平均MALTを信号領域にマッピングし直して検出閾値と比較することもできる。たとえば、第1及び第2の例では、このようにマッピングし直すことは、逆余弦マッピング(MALT=XKの場合)、又は逆正弦マッピング(MALT=YKの場合)を用いて半円上の点にマッピングし直した後、逆マッピングM-1を適用することによって実行することができる。
【0154】
当然のことながら、他の変更も可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号処理方法であって、
複数の信号値のそれぞれを、直交軸上の第1の座標及び第2の座標によって定義される2次元空間内における、半円弧によって定められる角度以下の角度を有する円弧上の各点にマッピングすることと、
前記円弧上の前記マッピングされた点の密度の指標を求めることと、
前記信号値の平均を計算することと、
前記平均を検出閾値と比較することと
を含み、
前記検出閾値は、前記求められた密度の指標に基づいて設定され、かつ/又は、前記計算された平均は、比較される前に、前記求められた密度の指標に基づいて調整される、信号処理方法。
【請求項2】
前記信号値のそれぞれは、
前記信号値に第1の関数S(p)を適用して前記円弧上の前記点の第1の座標のための値を計算すると共に、前記信号値に第2の関数C(p)を適用して前記円弧上の前記点の第2の座標のための値を計算することによって、前記円弧上の各点にマッピングされ、
ただし、前記第1の関数及び前記第2の関数は、S2(p)+C2(p)=bの関係を満たし、pは信号値であり、bは定数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の関数は、S(p)=(p2−1)/(p2+1)であり、
前記第2の関数は、C(p)=2p/(p2+1)である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記円弧上の前記マッピングされた点の前記密度の指標は、
前記マッピングされた各点の第1の座標値の平均を含む第1の平均値を計算することと、
前記マッピングされた各点の第2の座標値の平均を含む第2の平均値を計算することと、
前記第1の平均値及び前記第2の平均値に基づいて、前記密度の指標を求めることとによって求められる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記密度の指標は、
【数1】

に従って求められ、
ただし、DCCは前記密度の指標であり、XKは前記第1の平均値であり、YKは前記第2の平均値である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記検出閾値は、
前記密度の指標を密度閾値と比較することと、
前記密度の指標と前記密度閾値との間の関係に基づいて前記検出閾値を設定することと
によって設定される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記検出閾値は、前記密度の指標が前記密度閾値を超えるときに、予め設定された値を小さくすることによって設定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
信号処理装置であって、
複数の信号値のそれぞれを、直交軸上の第1の座標及び第2の座標によって定義される2次元空間内における、半円弧によって定められる角度以下の角度を有する円弧上の各点にマッピングするように動作可能な信号値マップ器と、
前記円弧上の前記マッピングされた点の密度の指標を求めるように動作可能な密度指標計算器と、
前記信号値の平均を計算するように動作可能な信号平均値計算器と、
前記信号値の平均を検出閾値と比較するように動作可能な検出器と
を備え、
前記検出器は、前記求められた密度の指標に基づいて前記検出閾値を設定するように動作可能な値設定器、及び、前記求められた密度の指標に基づいて前記信号値の前記計算された平均を前記検出閾値との比較前に調整するように動作可能な信号平均値調整器のうちの少なくとも一方を含む、信号処理装置。
【請求項9】
前記信号値マップ器は、
前記信号値に第1の関数S(p)を適用して前記円弧上の前記点の第1の座標のための値を計算すると共に、前記信号値に第2の関数C(p)を適用して前記円弧上の前記点の第2の座標のための値を計算することによって、前記信号値のそれぞれを前記円弧上の各点にマッピングするように構成され、
ただし、前記第1の関数及び前記第2の関数は、S2(p)+C2(p)=bの関係を満たし、pは信号値であり、bは定数である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記信号値マップ器は、
S(p)=(p2−1)/(p2+1)を含む第1の関数を適用することと、
C(p)=2p/(p2+1)を含む第2の関数を適用することと
によって、前記信号値のそれぞれを前記円弧上の各点にマッピングするように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記密度指標計算器は、
前記マッピングされた各点の第1の座標値の平均を含む第1の平均値を計算するように動作可能な第1の座標平均値計算器と、
前記マッピングされた各点の第2の座標値の平均を含む第2の平均値を計算するように動作可能な第2の座標平均値計算器と、
前記第1の平均値及び前記第2の平均値に基づいて前記密度の指標を求めるように動作可能な平均値プロセッサと
を備える、請求項8〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記密度指標平均値プロセッサは、
【数2】

に従って前記密度の指標を求めるように構成され、
ただし、DCCは前記密度の指標であり、XKは前記第1の平均値であり、YKは前記第2の平均値である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記検出器は、
前記密度の指標を密度閾値と比較するように動作可能な比較器と、
前記密度の指標と前記密度閾値との間の関係に基づいて前記検出閾値を設定するように動作可能な閾値設定器と
を含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記閾値設定器は、前記密度の指標が前記密度閾値を超えるときに、予め設定された値を小さくすることによって前記検出閾値を設定するように構成される、請求項13に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−521246(P2011−521246A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509959(P2011−509959)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056063
【国際公開番号】WO2009/141342
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(501253316)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (77)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】20 Frederick Sanger Road, The Surrey Research Park, Guildford, Surrey GU2 5YD, Great Britain
【Fターム(参考)】