説明

信号処理装置及び信号再生装置

【課題】
高記録密度化に対応し、符号間干渉や隣接トラックの影響を排除して安定した動作を行い得る信号処理装置及び信号再生装置を実現する。
【解決手段】
再生信号から基準クロックを生成する基準クロック生成手段と、基準クロックと再生信号との位相誤差を検出して位相検出信号を生成する位相検出手段と、位相検出信号に基づいて基準クロックの位相を補正するクロック補正手段と、検出した位相誤差が所定の位相誤差基準値を越えたとき、当該検出した位相誤差を相殺する方向の位相を有する補正パルスを位相検出信号における位相誤差を検出した変化点以降の変化点に付加する信号補正手段とを信号処理装置に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は信号処理装置及び信号再生装置に関し、光ディスク装置やハードディスクドライブ等の円盤状記録媒体の再生装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスクや光磁気ディスク、磁気ディスク等の円盤状の記録媒体に対して記録や再生を行う記録再生装置が広く実用化されており、このような記録再生装置においてはPLL回路を用いて再生信号から基準クロックを生成している(例えば、特許文献1参照)。そして、このような記録再生装置においては、記録密度や信頼性の向上が求められている。
【0003】
図5は光ディスク装置1の構成を示す。通常、光ディスク装置1においては光ディスク2を脱着可能になされており、これにより光ディスク2自体にアドレス情報やトラッキング制御用の軌道制御情報等が記入されている。光ディスク2には軌道制御用として円周状あるいは螺旋状の凹凸の溝構造、あるいは凹(または凸)のピット列の集合構造をもつ。さらにアドレス情報が、記録された信号の中の所定の位置に記入されたり、あるいは凹凸の溝構造あるいは凹(または凸)のピット列を特定の周波数でうねらせ(ウォブリング)当該うねりに意図的に偏差を与える方法によって記入されている。
【0004】
光ディスク装置1は、光ディスク2を概略一定の回転速度、または線速度に保つ駆動部3と、当該光ディスク2に対してデータの記録や再生を行う光ピックアップ5を所定の位置に保持し、制御命令等によってその位置の移動を正確に行う記録再生部4とを有している。光ディスク2を装着する際には、当該光ディスク2をターンテーブル6上に載置した後、上部からディスク押さえ7によって光ディスク2を挟持することにより、スピンドルモータ8の回転軸と光ディスク2の中心位置を正確に合致させる。スピンドルモータ8は図示しない制御回路によって、上述したアドレス情報を用いて所望の回転速度に制御される。
【0005】
光ピックアップ4には、レーザ光を集光及び受光する為の対物レンズ9の位置を電磁力によって保持制御する2軸デバイスや、レーザ光の光源であるレーザダイオード、レーザ光の戻りビームを電気信号に変換するPDIC(Photo Detecting IC)等を有している。
【0006】
光ピックアップ5は、受光した戻りビームを光電変換してなるRF信号を、後述する信号処理回路20(図6)に出力する。信号処理回路20はRF信号から記録データを読み取るとともに、2軸デバイスやスピンドルモータ8、並びに光ピックアップ5を移動させるためのスレッドモーター10を制御する。これらの制御の結果、光ピックアップ5から出射されるレーザ光は所望のトラック上に適切に照射される。またスレッドモーター10の回転力は減速ギア11及び送り軸12を介して光ピックアップ5に伝達され、当該光ピックアップ5を往復駆動する。
【0007】
次に、光ディスク装置1の信号処理回路20の構成を、図6を用いて説明する。信号処理回路20のイコライザアンプ21は、光ピックアップ5から供給されるRF信号S1の高周波領域のゲインや位相を調整して波形歪みを補正し、当該RF信号S1に対してディジタル処理を行い判定を行うサンプリング回路22と、当該サンプリング回路に対して時間基準を与えるPLL回路30に供給する。
【0008】
PLL回路30は、コンパレータ31、位相検出器32,ローパスフィルタ33,VCO(Voltage Control Oscillator)34,1/m分周器35及び1/n分周器36で構成される。この実施例ではm=1、n=2である。
【0009】
まず、基準クロックCKに位相ずれが無い状態におけるPLL回路30の動作を、図7(A)〜(H)を用いて説明する。図7(A)は光ディスク2に記録されている記録データの一部を示し、3T、2T、2Tの連続信号である。この記録データはライトクロック(図7(B))に従って記録されている。そして、記録データを読み出してなるRF信号S1の波形を図7(C)に示す。
【0010】
コンパレータ31はRF信号S1を平均DCレベルで2値化し、0または1の値を取るコンパレータ出力S2を生成して後段の位相検出器32に供給する。一方1/n分周器36は、VCO34から供給される原発振クロックCKsを1/2分周して基準クロックCK(図7(F))を生成し、位相検出器32に供給する。
【0011】
位相検出器32は基準クロックCKとコンパレータ出力S2とのExOR(Exclusive OR)を取り、この結果を位相検出信号S3としてローパスフィルタ33に供給する。
【0012】
この位相検出信号S3は、その”1”レベルと”0”レベルの時間の比率がコンパレータ出力S2と基準クロックCKとの位相情報に相当する。すなわち、コンパレータ出力S2の変化点とそれを挟み込む基準クロックCKの変化点の時間情報が位相情報となっている。原発振クロックCKs(図7(E))の1波長を1単位した場合の位相情報を図7(H)に示し、記録データにおける3T及び2Tに対応する波形部分の総和位相情報も”0”、すなわち誤差"0"になっていることがわかる。
【0013】
ローパスフィルタ33は、安定したPLL発振を行うために位相検出信号S3からクロック成分を除去し、誤差信号S4として後段のVCO34に供給する。この例の場合、コンパレータ出力S2と基準クロックCKとが同期しており総和位相情報すなわち誤差が"0"であるから、当該誤差信号S4は”0”となる。VCO34は入力された誤差信号S4に従って原発振クロックCKsを制御していく。この場合誤差"0"であるので現在の状態を維持することになる。
【0014】
1/m分周器35は原発振クロックCKsをそのままサンプリング回路22に供給する(m=1のため)。サンプリング回路22は、RF信号S1を原発振クロックCKs(図7(E)の立下りエッジでサンプリングし、その値を後段の回路(図示せず)に供給する。この例の場合には明らかに3T、2T、2Tのパターンである事が判定され、判定の為のマージン振幅Mも十分な大きさを確保できている。
【0015】
次に、基準クロックCKが遅れている場合におけるPLL回路30の動作を、図7(I)〜(M)を用いて説明する。図7(I)に示すコンパレータ出力S2は、基準クロックCKが遅れていない場合(図7(D))と同様であるが、原発振クロックCKs’(図7(J))の位相が若干遅れているため、これを1/n分周した基準クロックCK’は図7(K)に示すタイミングとなる。このため当該基準クロックCK’とコンパレータ出力S2とのExclusive ORでなる位相検出信号S3’は図7(L)に示すタイミングとなる。
【0016】
ここで、当該位相検出信号S3’の先頭部分は、コンパレータ出力S2の変化点とそれを挟み込む基準クロックCK’の変化点の時間が−1/4及び3/4になっており、このことは1エッジにつき1/2の誤差を検出したことを表している。そして、記録データにおける3T及び2Tに対応する波形部分の総和位相情報(すなわち誤差)は”1/2”となっている。
【0017】
上述したようにサンプリング回路22は、入力されたRF信号S1を原発振クロックCKs’の立下りエッジでサンプリングし、その値を後段の回路に供給するが、この場合マージン振幅M’(図7(C))はクロック位相ずれが無い場合に比べて小さい値となっていることが判る。
【0018】
一方クロック補正手段としてのVCO34には、位相検出信号S3’からクロック成分を除去された、誤差”1/2”の値を有する誤差信号S4’(図7(M))がローパスフィルタ34から供給される。VCO34はこれに応じて原発振クロックCKs’の位相を進め、これにより速やかに位相が同期される。
【0019】
以上は位相情報を0、1の2値で処理する例で説明したが、図8のように、位相情報を1、0、−1の3値で処理する方法も実現されており、同様に位相情報から誤差を抜き出してVCOにフィードバックさせて安定にクロックを抽出する機能を実現している。この場合1は電源電圧レベル、−1はグランド電圧レベル、0はハイインピーダンス状態を表し、各々の時間の割合に応じて発生する終端電圧が以降の回路に与えられる。
【0020】
さらには、時間軸情報でなくRF信号S1のエッジにおけるマージン振幅から位相誤差を抽出する方法もあり、これを図9を用いて説明する。
【0021】
まずRF信号S1の極性変化点における傾きを計算する。この例では1Tの間に振幅が20変化するので0.05T/振幅となる。その後、変化点の前後のサンプリングの振幅値をもとに傾きの極性を調べる。例えば、サンプリング点P2の傾きの極性は、サンプリング点P1が負の値かつP3が正の値であるので極性は“正“(すなわち1)と判定される。次にP2のサンプリング値”3“に正の傾き係数を掛けることにより位相誤差が導かれる。すなわち、サンプリング点P2の位相誤差=3×(1)×0.05=0.15Tの位相誤差となる。同様に、サンプリング点P5の傾きの極性は、サンプリング点P4が正の値かつP6が負の値であるので極性は“負“(すなわち−1)と判定される。そして、サンプリング点P5の位相誤差は−3×(−1)×0.05=0.15Tとなる。
【0022】
このように、各サンプリング点でのRF信号S1の振幅値を測定する事から位相誤差を導く事ができるので、このように得られた位相誤差を抜き出してからの出力を2値あるいは3値の形式に置きかえる事は容易である。続くローパスフィルタ33(図6)以降の処理は同様であるため説明は省略する。
【特許文献1】特開平11−73739号公報(段落〔0004〕、図12)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
上述のように光ディスク装置やハードディスクドライブの信号処理回路においては、PLL回路によってRF信号から基準クロックを生成し、以降の処理で情報が復号されていくのであるが、近年、光ディスク、磁気ディスク共に記録密度の向上が進み、光ヘッドのMTF限界や磁気ヘッドのギャップ限界に近づいている。このため、信号処理回路に与えられる信号は短い波長成分の振幅が小さくなり、PLL回路にもその影響が出てきている。
【0024】
このような波形の例を図10(A)に示す。記録密度が低い従来のRF信号S1においては、3T部分と2T部分の振幅がほぼ同じ値を取っている。これに対し高密度のRF信号S1hでは、3T部分の振幅も小さくなっているが、2T部分の振幅はさらに小さくなっている。これは、ヘッドの再生限界近くの成分までが復号に必要な帯域に含まれているためである。これらのRF信号に対して同期している原クロックCKs及び基準クロックCKをそれぞれ図10(B)及び図10(C)に示す。
【0025】
詳細な説明の為に、高密度のRF信号S1hの振幅を拡大した波形を図10(D)に示す。この拡大波形で分るように、3Tから2Tへと変化するエッジが平均DCレベルを横切る位置は若干2T側にシフトしている。これは、3T(+)の波形と2T(−)の波形の重ね合わせをした場合に、平均DCレベルを横切る位置付近での信号成分が2T(−)の方が小さい為に+方向に偏ってしまう為である(符号間干渉)。
【0026】
この符号間干渉の影響を受けて、3Tから2Tへ変化するエッジの位相は若干の遅れ(図10(D)に示す位相エラーdh、誤差”1/8”相当)を持つ。この位相エラーdhは通常の場合比較的小さいので、長期的にみれば逆の3T(−)と2T(+)の波形等の符号間干渉等と打ち消され、情報の復号には影響を及ぼさない。
【0027】
ところが、トラッキング方向の高密度化に伴って、隣接するトラックの信号がRF信号に影響を及ぼす場合がある。特に光ディスク装置の場合、光ディスクが脱着可能であるため、装着されたディスクの偏芯や傾き等によって隣接するトラックの信号の影響を大きく受ける場合がある。この場合、隣接するトラックの信号は低い周波数領域の信号として影響するため、信号処理回路から見るとRF信号にDCオフセットが重畳されたのと同様の状態になる。
【0028】
例えば、+方向のDCオフセットが重畳された状態の信号波形は、RF信号S1hの波形を固定したまま平均DCレベルをオフセット分だけ下げることにより、等価的に表現することができる。この場合コンパレータ出力S2は図10(E)のようになり、このときの位相検出信号S3は図10(F)のようになる。
【0029】
DCオフセットの影響により、RF信号S1hの立ち上がり及び立ち下がりにおける位相エラーが発生する。例えば3Tの立ち上がりにおいては−方向の位相エラーd1が生じ、3Tの立ち下がりにおいては+方向の位相エラーd2が生じている。
【0030】
原理的には符号間干渉が無い場合、位相エラーd1及びd2の合成値は“0”になるのであるが、この場合前述の高密度化によるエラーdhに加え、3T部分における立ち上がりの傾きよりも立ち下りの傾きが緩やかであるため、位相エラーd1(誤差”1/8”相当)よりも位相エラーd2(誤差”−3/8”相当)が大きく、このためDCオフセットが無い場合の位相エラーdh(誤差”1/8”相当)に比べて位相エラー(d2−d1=−3/8−1/8=−1/4)が増大し、これによりPLL回路が正常に動作せず、信号を正確に復号できなくなることがある。
【0031】
このように従来の信号処理回路においては、符号間干渉及び隣接トラックの影響によって信号を正確に復号し得ないことがあるという問題があった。
【0032】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、高記録密度化に対応し、符号間干渉や隣接トラックの影響を排除して安定した動作を行い得る信号処理装置及び信号再生装置を実現しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
かかる課題を解決するため本発明においては、再生信号から基準クロックを生成する基準クロック生成手段と、基準クロックと再生信号との位相誤差を検出して位相検出信号を生成する位相検出手段と、位相検出信号に基づいて基準クロックの位相を補正するクロック補正手段と、検出した位相誤差が所定の位相誤差基準値を越えたとき、当該検出した位相誤差を相殺する方向の位相を有する補正パルスを、位相検出信号における位相誤差を検出した変化点以降の変化点に付加する信号補正手段とを信号処理装置に設けた。
【0034】
位相誤差が位相誤差基準値を越えたとき、当該検出した位相誤差を相殺する方向の位相を有する補正パルスを位相検出信号における位相誤差を検出した変化点以降の変化点に付加することにより、簡易な構成で、確実に符号間干渉や隣接トラックの影響を排除することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、位相誤差が位相誤差基準値を越えたとき、当該検出した位相誤差を相殺する方向の位相を有する補正パルスを位相検出信号における位相誤差を検出した変化点以降の変化点に付加することにより、簡易な構成で、確実に符号間干渉や隣接トラックの影響を排除して安定した動作を行い得る信号処理装置及び信号再生装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0037】
(1)光ディスク装置の全体構成
図6との対応部分に同一符号を付して示す図1において、40は全体として本発明を適用した光ディスク装置を示し、装着した光ディスク(図示せず)に対してデータの記録や再生を行う信号再生手段としてのディスクドライブ部41と、当該ディスクドライブ部41に対して送受する各種信号の処理を行う信号処理回路42とを有している。この信号処理回路42は、PLL回路43が有する位相検出器44の構成が異なる以外は、図6に示した信号処理回路20と同一の構成を有している。
【0038】
信号処理回路41のイコライザアンプ21は、ディスクドライブ部41が光ディスクから再生したRF信号S1に対して高周波領域のゲインや位相を調整して波形歪みを補正し、サンプリング回路22及びPLL回路43に供給する。
【0039】
基準クロック生成手段としてのPLL回路43は、コンパレータ31、位相検出器44、ローパスフィルタ33、VCO34、1/m分周器35及び1/n分周器36で構成される。
【0040】
コンパレータ31はRF信号S1を平均DCレベルで2値化し、0または1の値を取るコンパレータ出力S2を生成して後段の位相検出器44に供給する。一方1/n分周器36は、VCO34から供給される原発振クロックCKsを1/2分周して基準クロックCKを生成し、位相検出器44に供給する。
【0041】
位相検出器44は基準クロックCKとコンパレータ出力S2とのExORを取り、この結果を位相検出信号S3としてローパスフィルタ33に供給する。この位相検出信号S3は、その”1”レベルと”0”レベルの時間の比率がコンパレータ出力S2と基準クロックCKとの位相情報に相当する。ローパスフィルタ33は位相検出信号S3からクロック成分を除去し、誤差信号S4としてクロック補正手段としてのVCO34に供給する。
【0042】
1/m分周器35は原発振クロックCKsをそのままサンプリング回路22に供給する(m=1のため)。サンプリング回路22は、RF信号S1を原発振クロックCKsの立下りエッジでサンプリングし、その値を後段の回路(図示せず)に供給する。
【0043】
(2)本発明による位相検出器
(2−1)位相検出器の構成
まず、本発明の特徴である位相検出器44の構成を説明する。位相検出器44の第1のExOR44は、基準クロックCKとコンパレータ出力S2とのExORを取り、この結果を位相検出信号S3として、後段の第2のExOR45を介してローパスフィルタ33(図1)に供給する。
【0044】
ここで上述したように、光ディスクの高記録密度化に伴い、RF信号における符号間干渉や隣接トラックの影響によるDCオフセットによって、コンパレータ出力S2に位相エラーが発生し、これにより正常にPLLを行い得なくなるという問題がある。このため本発明の位相検出器44は、コンパレータ出力S2における位相エラーを検出して位相検出信号S3を補正するための補正パルスS50を生成する信号補正手段としての補正パルス生成部50を有している。
【0045】
この補正パルス生成部50には、コンパレータ出力S2(図3(E))及び原発振クロックCKs(図3(A))が入力される。遅延器51は原発振クロックCKsを90°遅延して遅延原発振クロックCKsd(図3(B))を生成し、これを第2のフリップフロップ回路55のCK入力端、インバータ52及びNOR53に供給する。
【0046】
インバータ52は遅延原発振クロックCKsdを反転して反転原発振クロックCKsdrを生成し、これを第3のフリップフロップ回路56及び第4のフリップフロップ回路59のCK入力端に供給する。NOR53は原発振クロックCKs及び遅延原発振クロックCKsdに対してNOR演算をおこない、この結果をNOR出力Nor1(図3(D))として第1のAND60及び第2のAND61に供給する。
【0047】
第1のフリップフロップ回路54は、D入力端に入力したコンパレータ出力S2及びCK入力端に入力した原発振クロックCKsに基づいて第1のフリップフロップ出力FF1(図3(G))を生成し、これを第3のExOR57及び第4のExOR58に供給する。
【0048】
同様に第2のフリップフロップ回路55は、D入力端に入力したコンパレータ出力S2及びCK入力端に入力した遅延原発振クロックCKsdに基づいて第2のフリップフロップ出力FF2(図3(H))を生成し、これを第4のExOR58に供給する。
【0049】
さらに第3のフリップフロップ回路56は、D入力端に入力したコンパレータ出力S2及びCK入力端に入力した反転原発振クロックCKsdrに基づいて第3のフリップフロップ出力FF3(図3(I))を生成し、これを第3のExOR及び第4のExOR58に供給する。
【0050】
第3のExOR57は、第1のフリップフロップ出力FF1及び第3のフリップフロップ出力FF3に対してExOR演算を行い、この結果を第3のExOR出力Xor3(図3(J))として第4のフリップフロップ回路59のD入力端に供給する。同様に第4のExOR58は、第1のフリップフロップ出力FF1及び第2のフリップフロップ出力FF2に対してExOR演算を行い、この結果を第4のExOR出力Xor4(図3(L))として第4のフリップフロップ回路59のD入力端に供給する。
【0051】
第4のフリップフロップ回路59は、D入力端に入力した第3のExOR出力Xor3とCK入力端に入力した反転原発振クロックCKsdrに基づいて第4のフリップフロップ出力FF4(図3(K))を生成し、これを第1のAND60に供給する。
【0052】
第1のAND60は、第4のフリップフロップ出力FF4及びNOR出力Nor1に対してAND演算を行い、この結果を第1のAND出力And1としてOR62に供給する。同様に第2のAND61は、第4のExOR出力Xor4及びNOR出力Nor1に対してAND演算を行い、この結果を第2のAND出力And2としてOR62に供給する。
【0053】
OR62は、第1のAND出力And1及び第2のAND出力And2に対してOR演算を行い、この結果を位相エラーを補正するための補正パルスS50として、第2のExOR45に供給する。
【0054】
そして信号補正手段としての第2のExOR45は、位相検出信号S3及び補正パルスS50に対してExOR演算を行うことにより、当該位相検出信号S3における位相エラーの影響を補正してローパスフィルタ33(図1)に供給する。
【0055】
(2−2)位相エラーがある場合の動作
次に、コンパレータ出力S2に大きな位相エラーが発生している場合における位相検出器44の動作を、図4のタイミングチャートを用いて説明する。この例では、コンパレータ出力S2(図4(E))の前半で大きな位相遅れが、後半で大きな位相進みが生じている。このコンパレータ出力S2において、本来クロックに同調している場合における信号の理想変化点をP1〜P4で示すとともに、各理想変化点から実際の変化点までの位相差をそれぞれF1〜F4の囲み枠で示す。この状態における位相検出信号S3には大きな位相エラーが含まれている。
【0056】
まず、コンパレータ出力S2前半の位相遅れ部分について説明する。第3のExOR57は第1のフリップフロップ出力FF1(図4(G))及び第3のフリップフロップ出力FF3(図4(I))を入力し、図4(J)に示す第3のExOR出力Xor3を出力する。
【0057】
そして第4のフリップフロップ回路59は、D入力端に入力される第3のExOR出力Xor3とCK入力端に入力される反転原発振クロックCKsdrから、図4(K)に示す第4のフリップフロップ出力FF4を生成する。
【0058】
この第4のフリップフロップ出力FF4は、直前の遅れ検出区間(遅延クロックCKsdの立ち下がりから原発振クロックCKsの立ち上がりまで)にコンパレータ出力S2の変化点がある場合(極性変化があった場合)に“1”が生成される。この場合では、本来P1にあるべきコンパレータ出力S2の立ち上がりやP2にあるべき立ち下がりが、それぞれ対応する遅れ検出区間まで遅れてきている事を検出している。
【0059】
この遅れのため、位相検出信号S3(図4(F))にも遅れ方向の大きな位相誤差F1、F2が発生している。なお、ここで位相進み/遅れ誤差と第1のExOR44の “1”/“0”の極性が一致しないが、これはこの図4に置ける信号例が、基準クロックの偶数の長さの例であるからである。偶数の場合は、誤差が相殺されてしまうが、奇数の場合誤差の極性が一致して誤差が発生する。PLL回路の動作としては確率的にランダムとなる系を想定しているので、総合的には位相進み/遅れ誤差と第1のExOR44の“1”/“0”の極性が一致するのである。
【0060】
本来、PLL回路が動作しクロックが同調している場合には、殆どの極性変化が各理想変化点付近に集中するはずであり、上述のごとく、この大きな位相誤差F1、F2はRF信号S1の振幅が小さい事と隣接トラックからの漏洩信号に起因する誤検出が起こった結果を示している。その為、これらの大きな位相誤差を抑制すれば、この影響を小さくすることができる。
【0061】
上述の通り、遅れ検出区間にコンパレータ出力の立ち上がり又は立ち下がりがあった場合、第4のフリップフロップ出力FF4が”1”となる。第4のフリップフロップ出力FF4が“1”を示している区間では、当該第4のフリップフロップ出力FF4及びNOR出力Nor1(図4(D))についてのAND演算結果でなる第1のAND出力And1(図4(M))は“1”となる。そしてOR62の出力でなる補正パルスS50は、図4(O)に示すように、基準クロックCKの立ちあがりの直前に原発振クロックCKsの1/4の長さだけ“1”を生成する。
【0062】
上述したように第2のExOR45は、この補正パルスS50と位相検出信号S3とののExOR演算を行うことにより当該位相検出信号S3に対して位相補正を行う。
【0063】
すなわち、基準クロックCKの立ちあがり直前の補正パルスS50の“1”は、補正前の位相検出信号S3(図4(F))における変化点P5及びP6を、図4(P)に示す補正後の位相検出信号S3における変化点P5a及びP6aまで、原発振クロックCKsの1/4の長さだけ移動させる。この結果位相誤差としては、G1及びG2で示される進み方向の補正値が付加されることになる。
【0064】
このため、最初の立ち上がり検出部分における原発振クロックCKsの1/4以上の遅れ位相誤差F1は1/4の進み位相の補正値G1によって相殺され、残りの値が補正後の遅れ誤差となる。同様に、次の立ち下がり検出部分でも、遅れ位相誤差F2を補正値G2で相殺した残り値が補正後の遅れ誤差となる。
【0065】
コンパレータ出力S2後半の位相進み部分についても同様である。第4のExOR58は第1のフリップフロップ出力FF1(図4(G))及び第2のフリップフロップ出力FF2(図4(H))を入力し、図4(L)に示す第4のExOR出力Xor4を出力する。
【0066】
そして、第4のExOR出力Xor4及びNOR出力Nor1(図4(D))についてのAND演算結果でなる第2のAND出力And2(図4(N))は、基準クロックCKの立ちあがりの直前に原発振クロックCKsの1/4の長さだけ“1”を生成する。
【0067】
この補正パルスS50の“1”は、補正前の位相検出信号S3(図4(F))における変化点P7及びP8を、図4(P)に示す補正後の位相検出信号S3における変化点P8a及びP8aまで、原発振クロックCKsの1/4の長さだけ移動させる。この結果位相誤差としては、G3及びG4で示される遅れ方向の補正値が付加されることになる。
【0068】
このため、進み位相誤差F3は遅れ位相の補正値G3によって相殺され、残りの値が補正後の遅れ誤差となる。同様に、進み位相誤差F4を補正値G4で相殺した残り値が補正後の遅れ誤差となる。
【0069】
かくして位相検出器44は、コンパレータ出力S2において原発振クロックCKsの1/4以上の位相エラーを検出したとき、これを相殺する方向の補正パルスを位相検出信S3に付加する。
【0070】
(2−3)位相エラーが無い場合の動作
次に、コンパレータ出力S2に位相エラーが発生していない状態における位相検出器44の動作を、図3のタイミングチャートを用いて説明する。
【0071】
この状態においては、遅延原発振クロックCKsdの立ち下がりから原発振クロックCKsの立ち上がりまでの検出区間にコンパレータ出力S2(図3(E))の変化点が無いため、第4のフリップフロップ出力FF4(図3(K))は全区間で”0”となる。同様に原発振クロックCKsの立ち上がりから遅延原発振クロックCKsdの立ち下がりまでの検出区間にコンパレータ出力S2の変化点が無いため、第4のExOR出力Xor4(図3(L))は遅延原発振クロックCKsdの立ち上がり以降のタイミングで “0”となり、NOR出力Nor1(図3(D))と同時に”1”となる区間は存在しなくなる。
【0072】
このため第1のAND出力And1及び第2のAND出力And2はいずれも全区間で”0”となり、従って補正パルスS50は常に“0”となり、これにより位相検出信号S3は位相補正を受けることなく、そのままローパスフィルタ33に供給される。
【0073】
(3)動作及び効果
以上の構成において、位相検出器44は、コンパレータ出力S2の変化点における位相誤差を常に監視し、当該位相誤差が判断基準値となる原発振クロックCKsの1/4を越えたとき、検出した位相誤差を相殺する方向の位相を有する原発振クロックCKsの1/4長の補正パルスを、位相検出信号S3における位相誤差を検出した変化点以降の変化点に付加するようにした。
【0074】
これにより、位相検出信号S3に生じる判断基準値以上の位相誤差を選択的に抑制し、符号間干渉及び隣接トラックの影響を排除して、安定したPLL動作を行わせることができる。
【0075】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、信号の位相情報を0、1の2値で処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図8に示した位相情報を1、0、−1の3値で処理する場合にも適用することができる。すなわち、まずコンパレータ信号S2の変化点で発生する位相誤差の大きさを同様に検出する。その回路例は上述の実施の形態と同じ構成が使えるので省略する。その検出結果、ある一定以上の大きさの誤差が発生した場合には、上述と同じタイミングで反対方向の誤差出力を付加するようにすれば良い。
【0076】
さらに、図9に示したRF信号の振幅から位相誤差を抽出する場合にも適用することができる。この場合、振幅のサンプリング値が一定以上の大きさが測定された場合には一定の相殺する振幅値を加えた値に変換するか、あるいは一定の振幅値に置きかえる等の演算処理を行う事によって容易に実現できる。
【0077】
しかし、図2に示す位相検出器44が効果的に動作するのは、基準クロックCKが理想クロックと周波数的に同じである事が前提となっている。例えば、再生動作開始時に基準クロックCKを初期値から理想クロックと同じ周波数に持ち込む場合には、ExOR回路の信号反転の位置が今回の範囲に制限されず、所望の効果が期待できない。そればかりではなく、発生する位相誤差の大きい情報を抑制する事になるので回路全体の利得が小さくなり、基準クロックCKを初期値から理想クロックと同じ周波数に持ち込む為の時間が大きくなるという欠点が生じる。この事は、再生動作開始時等においては本回路による位相検出信号S3の補正を行わないほうが、より良い再生処理をする事が出来る事を示している。
【0078】
この点に鑑みて、本発明による図2のような位相検出器44と従来のExOR型の位相検出器とを併設し、これらを切替手段によって適宜切り替えて使用するようにすれば、理想的な再生信号処理を実現出来る。すなわち、再生動作開始時等には従来の位相検出器を動作させ、以降の処理で、基準クロックCKが理想クロックと周波数的に同じである事を検出した後に、本発明による位相検出器44に切り替えて位相検出信号S3の補正を行うようにすれば、より良い再生動作を実現できる。
【0079】
基準クロックCKが理想クロックと周波数的に同じである事を検出する為の方法としては、予め決められた固定パターン、例えばフレームシンク信号が安定して検出できた事で行う方法が有力である。この場合、図示しない後段の信号処理回路において、RF信号からフレームシンク信号を安定して検出できたことを示すフレームシンク検出信号を生成するようにし、切替手段はフレームシンク検出信号が入力されている時は本発明による位相検出器44を選択し、当該フレームシンク検出信号が入力されていない時は従来のExOR型の位相検出器を選択するようにすればよい。
【0080】
あるいは、ディスク内の主信号に付加された正誤判定用のパリティの演算結果の正常判定が安定して続く事により、基準クロックCKが理想クロックと周波数的に同じであると判定するようにしても良い。この場合、図示しない後段のパリティ判定回路においてパリティが正常であることを示すパリティ検出信号を生成するようにし、切替手段はパリティ検出信号が入力されている時は本発明による位相検出器44を選択して位相検出信号S3の補正を行い、当該パリティ検出信号が入力されていない時は従来のExOR型の位相検出器を選択するようにすればよい。
【0081】
このように本発明は、発生する位相誤差全てで位相誤差の大きさを検出し、その結果によって誤差を抑制する方法であるが、上述のように大きな位相誤差が発生する原因は短い長さの再生信号の振幅が小さくなることに起因している。この為、上述のような相殺処理は再生振幅の小さい波形の場合に限定されるはずである。ところが、極性の変化する時点では次ぎの極性変化点がどこに位置されるのか判定できず、これまでの説明の例のように変化点検出と同時に相殺誤差を加えるか否かを判断できないのである。
【0082】
この場合、前述の回路にフリップフロップ回路を用いた長さ検出回路を追加し、一定の長さを検出した場合にのみ相殺する誤差を検出に要した時間の後のタイミングで付加する構成にすれば良い。この場合、原理的には前述の回路例よりは応答速度が遅れる事になるが、実際には殆ど問題とはならないレベルである。
【0083】
このように、検出した時点から一定時間以上離れた時点に大きな位相誤差を相殺する為の位相誤差を付加するようにすれば、符号間干渉を正しく補正することができる。
【0084】
さらに上述の実施の形態においては、光ディスク装置の信号処理回路に本発明を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ハードディスクドライブ等の各種記録再生装置の信号処理回路に本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の信号処理装置は、光ディスク装置やハードディスクドライブに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】光ディスク装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による位相検出器の構成を示す回路図である。
【図3】位相誤差が無い場合のタイミングチャートである。
【図4】位相誤差がある場合のタイミングチャートである。
【図5】光ディスクの構成を示す略線的斜視図である。
【図6】信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【図7】PLL回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】3値の場合のPLL回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】マージン振幅から位相誤差を抽出する場合の説明に供するタイミングチャートである。
【図10】位相エラーの説明に供するタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0087】
1、40……光ディスク装置、20、42……信号処理回路、21……イコライザアンプ、22……サンプリング回路、31……コンパレータ、32、44……位相検出器、33……ローパスフィルタ、34……VCO、35……1/m分周器、36……1/n分周器、50……補正パルス生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生信号から基準クロックを生成する基準クロック生成手段と、
上記基準クロックと上記再生信号との位相誤差を検出して位相検出信号を生成する位相検出手段と、
上記位相検出信号に基づいて上記基準クロックの位相を補正するクロック補正手段と、
上記検出した位相誤差が所定の位相誤差基準値を越えたとき、当該検出した位相誤差を相殺する方向の位相を有する補正パルスを、上記位相検出信号における位相誤差を検出した変化点以降の変化点に付加する信号補正手段と
を具えることを特徴とする信号処理装置。
【請求項2】
上記信号補正手段は、上記検出した位相誤差を相殺する方向の、上記位相誤差基準値に相当する位相を有する上記補正パルスを上記位相検出信号に付加する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
上記再生信号に付加されている固定パターンを検出する固定パターン検出手段を具え、
上記信号補正手段は、上記固定パターン検出手段が上記固定パターンを検出しているとき、上記補正パルスを上記位相検出信号に付加する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項4】
上記再生信号に付加されているパリティを判定するパリティ判定手段を具え、
上記信号補正手段は、上記パリティ判定手段が正常なパリティを検出できているとき、上記補正パルスを上記位相検出信号に付加する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項5】
記録媒体から再生信号を再生する信号再生手段と、
上記再生信号から基準クロックを生成する基準クロック生成手段と、
上記基準クロックと上記再生信号との位相誤差を検出して位相検出信号を生成する位相検出手段と、
上記位相検出信号に基づいて上記基準クロックの位相を補正するクロック補正手段と、
上記検出した位相誤差が所定の位相誤差基準値を越えたとき、当該検出した位相誤差を相殺する方向の位相を有する補正パルスを、上記位相検出信号における位相誤差を検出した変化点以降の変化点に付加する信号補正手段と
を具えることを特徴とする信号再生装置。
【請求項6】
上記信号補正手段は、上記検出した位相誤差を相殺する方向の、上記位相誤差基準値に相当する位相を有する上記補正パルスを上記位相検出信号に付加する
ことを特徴とする請求項5に記載の信号再生装置。
【請求項7】
上記再生信号に付加されている固定パターンを検出する固定パターン検出手段を具え、
上記信号補正手段は、上記固定パターン検出手段が上記固定パターンを検出しているとき、上記補正パルスを上記位相検出信号に付加する
ことを特徴とする請求項5に記載の信号再生装置。
【請求項8】
上記再生信号に付加されているパリティを判定するパリティ判定手段を具え、
上記信号補正手段は、上記パリティ判定手段が正常なパリティを検出できているとき、上記補正パルスを上記位相検出信号に付加する
ことを特徴とする請求項5に記載の信号再生装置。
【請求項9】
再生信号から基準クロックを生成する基準クロック生成ステップと、
上記基準クロックに対する上記再生信号の変化点の位相誤差を検出する位相誤差検出ステップと、
上記検出した位相誤差が所定の位相誤差基準値を越えたとき、当該検出した位相誤差を相殺する方向の位相を有する補正パルスを、位相検出信号における位相誤差を検出した変化点以降の変化点に付加する信号補正ステップと
を具えることを特徴とする信号補正方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−79787(P2006−79787A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−265629(P2004−265629)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】