説明

信号出力装置及び信号出力方法

【課題】この発明は、入力された複数系統の信号を多重化出力する際に、ユーザにとっての取り扱いをより便利にし得るようにした信号出力装置及び信号出力方法を提供することを目的としている。
【解決手段】本編情報とそれに関連する関連情報が存在することを示す関連有り情報とが入力される入力手段13〜15と、入力された関連有り情報に基づいて関連情報が存在することを通知する通知手段25と、入力された関連有り情報に基づいて関連情報を取得する取得手段21,22と、取得された関連情報を入力された本編情報に多重化して出力する出力手段17とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば映像や音声等に対応した複数系統の信号を多重化して出力する信号出力装置及び信号出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、例えばPC(Personal Computer)等においては、その内部の蓄積メディアに記録された情報と、ネットワーク等を介して外部から取得した情報とを、ディスプレイ上に同時に表示することが可能である。
【0003】
しかしながら、PCでは、それぞれ内容の関連しない独立した複数の情報がディスプレイ上に同時表示されるだけであって、相互に関連する情報を同期させて多重化表示することには対応していないのが現状である。
【0004】
特許文献1には、画面上に表示されたWebマークをクリックすると、インターネット上のサーバにリンクして、画面上のストリーム情報に関連するWebページをアクセスするもので、タイトル情報の再生を一時的に中断してアクセスしたWebページを表示し、Webページの表示が終了するとタイトル情報の再生を再開する構成が開示されている。
【特許文献1】特開平11−161664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、入力された複数系統の信号を多重化出力する際に、ユーザにとっての取り扱いをより便利にし得るようにした信号出力装置及び信号出力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る信号出力装置は、本編情報と、本編情報に関連する関連情報が存在することを示す関連有り情報とが入力される入力手段と;入力手段に入力された関連有り情報に基づいて関連情報が存在することを通知する通知手段と;入力手段に入力された関連有り情報に基づいて関連情報を取得する取得手段と;取得手段で取得された関連情報を入力手段に入力された本編情報に多重化して出力する出力手段とを備えるようにしたものである。
【0007】
また、この発明に係る信号出力方法は、本編情報と、本編情報に関連する関連情報が存在することを示す関連有り情報とが入力される入力工程と;入力工程で入力された関連有り情報に基づいて関連情報が存在することを通知する通知工程と;入力工程で入力された関連有り情報に基づいて関連情報を取得する取得工程と;取得工程で取得された関連情報を入力工程で入力された本編情報に多重化して出力する出力工程とを備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
上記した発明によれば、本編情報中に関連有り情報が検出されると、その旨を通知するようにしたので、ユーザは、本編映像を見ながら関連情報の存在を容易に認識して、その取得を行なうことができるようになり、ユーザにとっての取り扱いをより便利にすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明する光ディスク再生装置11を示している。この光ディスク再生装置11は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスク12から、ドライブ部13によって映像や音声等を含む信号を読み取ることができる。このドライブ部13で読み取られた信号は、入力バッファ14を介して信号処理部15に供給される。
【0010】
この信号処理部15は、入力された信号に対して、エラー訂正処理及び復号化処理等の所定の再生処理を施すことにより、映像や音声等に対応したデジタルの信号を復元する。この信号処理部15で復元された信号は、出力バッファ16を介して多重化処理部17に供給される。
【0011】
一方、この光ディスク再生装置11は、例えば光ディスク12に記録されている情報に基づいて、外部のネットワーク18に接続された情報提供者に対して、サーバ19を介して映像や音声等の信号を要求することができる。そして、このサーバ19から供給された信号は、入力端子20及び入力バッファ21を介して信号処理部22に供給される。
【0012】
この信号処理部22は、入力された信号に対して、認証処理、エラー訂正処理及び復号化処理等の所定の再生処理を施すことにより、映像や音声等に対応したデジタルの信号を復元する。この信号処理部22で復元された信号は、出力バッファ23を介して上記多重化処理部17に供給される。
【0013】
そして、上記多重化処理部17は、各出力バッファ16,23からそれぞれ出力される信号を多重化して、出力端子24を介して外部に出力する。
【0014】
ここで、この光ディスク再生装置11は、上記した一連の動作を含むその全ての動作を制御部25によって統括的に制御されている。この制御部25は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵しており、操作部であるリモートコントローラ26からの操作情報を受けて、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0015】
この場合、制御部25は、CPUが実行する制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)27と、該CPUに作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)28と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリ29とを有している。
【0016】
図2及び図3は、上記した一連の多重化処理動作をまとめたフローチャートを示している。すなわち、処理が開始(ステップS1)されると、制御部25は、ステップS2で、ユーザから光ディスク12の再生開始要求があるか否かを判別し、再生開始要求があると判断された場合(YES)、ステップS3で、光ディスク12の再生を実行する。
【0017】
このような光ディスク12の再生状態において、制御部25は、ステップS4で、光ディスク12から、現在再生している本編情報に関連する情報(オプションコンテンツ)が、他の情報供給メディア(ネットワーク18等)に存在することを示す関連有り情報が再生されたか否かを判別する。
【0018】
そして、関連有り情報が再生されないと判断された場合(NO)、制御部25は、ステップS3の処理に戻される。また、関連有り情報が再生されたと判断された場合(YES)、制御部25は、ステップS5で、関連情報が存在することをユーザに通知し、ステップS6で、関連有り情報に含まれる関連情報の取得先を示す情報をユーザに通知する。
【0019】
これらの通知は、制御部25が、例えば、図4に示すように、光ディスク12の本編映像30を表示している画面上に、関連情報が存在することを示すためのアイコン31と、関連情報の取得先情報32として、ネットワーク18のダウンロード接続先アドレスとを多重して表示させることにより実現される。
【0020】
そして、制御部25は、ステップS7で、ユーザから関連情報の取得(ダウンロード)が要求されたか否かを判別し、要求されていないと判断された場合(NO)、ステップS3の処理に戻される。
【0021】
また、上記ステップS7で関連情報の取得が要求されたと判断された場合(YES)、制御部25は、ステップS8で、優先度の設定状態を確認する。すなわち、この光ディスク再生装置11では、光ディスク12の再生中に関連有り情報が得られたとき、光ディスク12の再生を優先させるか、関連情報の取得を優先させるかを、ユーザが予め設定することができ、その設定情報は不揮発性メモリ29に格納されている。
【0022】
このため、制御部25は、優先度の設定状態を確認し、ステップS9で、関連情報の取得が優先に設定されているか否かを判別する。そして、関連情報の取得が優先に設定されていると判断された場合(YES)、制御部25は、ステップS10で、光ディスク12の本編の再生を停止するとともに、サーバ19に対して関連情報の取得を要求する。
【0023】
この場合、多重化処理部17からは、サーバ19に対して関連情報の取得が要求された時点から以降の本編映像30が出力されなくなり、画面には、再生停止された時点における本編映像30が静止映像として表示される。
【0024】
その後、制御部25は、ステップS11で、関連情報の取得状況を画面に表示させる。この取得状況の表示は、例えば、図5に示すように、光ディスク12の本編映像(静止映像)30、関連情報が存在することを示すためのアイコン31、関連情報の取得先情報32を表示している画面上に、ダウンロード状況の0%〜100%までを視覚的に示すイメージ映像33を表示させることにより実現される。
【0025】
次に、制御部25は、ステップS12で、関連情報の取得が完了しているか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS10の処理に戻される。また、ステップS12で関連情報の取得が完了していると判断された場合(YES)、制御部25は、ステップS13で、光ディスク12の再生を再開させ、得られた本編情報30と取得した関連情報とを多重化して画面に表示させ、処理を終了(ステップS17)する。
【0026】
このときの表示画面は、例えば、図6に示すように、光ディスク12の本編映像30を表示している画面上に、関連情報映像34を重ねて表示させたものとなる。なお、光ディスク12の再生が再開され、本編映像30に関連情報映像34が多重化されて出力された時点で、上記したアイコン31、関連情報の取得先情報32、関連情報の取得状況を示すイメージ映像33等は、画面上から消去される。
【0027】
また、上記ステップS9で関連情報の取得が優先に設定されていないと判断された場合(NO)、制御部25は、ステップS14で、光ディスク12の本編の再生を継続したままの状態で、サーバ19に対して関連情報の取得を要求する。
【0028】
そして、制御部25は、ステップS15で、関連情報の取得状況を画面に表示させる。この取得状況の表示は、例えば、図5に示したように、光ディスク12の本編映像30、関連情報が存在することを示すためのアイコン31、関連情報の取得先情報32を表示している画面上に、ダウンロード状況の0%〜100%までを視覚的に示すイメージ映像33を表示させることにより実現される。
【0029】
次に、制御部25は、ステップS16で、関連情報の取得が完了しているか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS14の処理に戻される。また、ステップS16で関連情報の取得が完了していると判断された場合(YES)、制御部25は、ステップS13で、光ディスク12からの本編情報と取得した関連情報とを多重化して画面に表示させ、処理を終了(ステップS17)する。
【0030】
このときの表示画面も、例えば、図6に示したように、光ディスク12の本編映像30を表示している画面上に、関連情報映像34を重ねて表示させたものとなる。なお、光ディスク12の本編映像30に関連情報映像34が多重化されて出力された時点で、上記したアイコン31、関連情報の取得先情報32、関連情報の取得状況を示すイメージ映像33等は、画面上から消去される。
【0031】
上記した実施の形態によれば、光ディスク12の再生中に関連情報が存在することを示す関連有り情報が再生されると、その旨を示すアイコン31と関連情報の取得先情報32とを画面に表示させるようにしたので、ユーザは、光ディスクの本編映像を見ながら関連情報の存在を容易に認識して、その取得を行なうことができ、ユーザにとっての取り扱いをより便利にすることが可能となる。
【0032】
また、関連情報が存在する場合に、その取得を優先するか、光ディスクの再生を優先させるかをユーザが設定できるようにしたことで、より一層ユーザにとって使い勝手の良いものとなる。さらに、関連情報の取得中に、その取得状況を示すイメージ映像33を表示させることによっても、ユーザにとっての取り扱いを便利にしている。
【0033】
ここで、上記した実施の形態では、画面上にアイコン31を表示して関連情報の存在をユーザに通知するようにしたが、この通知は、例えば音声によって行なうようにしてもよいものである。また、関連情報としては、画面に表示される映像情報に限らず、音声情報であっても良いものである。さらに、関連情報の取得先情報32は、本編と関連情報とを多重化して映像表示している状態でも、常時表示させるようにすることができる。
【0034】
また、本編情報は、光ディスク12に限らず、他の記録メディアや伝送メディア等から取得することができる。さらに、関連情報も、ネットワーク18に限らず、他の記録メディアや伝送メディア等から取得することができる。要するに、本編情報に関連情報の存在とその取得先情報とが含まれて入力され、取得先情報に示される取得先から関連情報を取得して本編情報に多重化することができる装置に適用可能である。
【0035】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、光ディスク再生装置を説明するために示すブロック構成図。
【図2】同実施の形態における光ディスク再生装置の多重化処理動作の一部を説明するために示すフローチャート。
【図3】同実施の形態における光ディスク再生装置の多重化処理動作の残部を説明するために示すフローチャート。
【図4】同実施の形態における光ディスク再生装置の多重化処理動作によって表示される画面の一例を説明するために示す図。
【図5】同実施の形態における光ディスク再生装置の多重化処理動作によって表示される画面の他の例を説明するために示す図。
【図6】同実施の形態における光ディスク再生装置の多重化処理動作によって表示される画面のさらに他の例を説明するために示す図。
【符号の説明】
【0037】
11…光ディスク再生装置、12…光ディスク、13…ドライブ部、14…入力バッファ、15…信号処理部、16…出力バッファ、17…多重化処理部、18…ネットワーク、19…サーバ、20…入力端子、21…入力バッファ、22…信号処理部、23…出力バッファ、24…出力端子、25…制御部、26…リモートコントローラ、27…ROM、28…RAM、29…不揮発性メモリ、30…本編映像、31…アイコン、32…取得先情報、33…イメージ映像、34…関連情報映像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本編情報と、前記本編情報に関連する関連情報が存在することを示す関連有り情報とが入力される入力手段と、
前記入力手段に入力された前記関連有り情報に基づいて前記関連情報が存在することを通知する通知手段と、
前記入力手段に入力された前記関連有り情報に基づいて前記関連情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された前記関連情報を前記入力手段に入力された前記本編情報に多重化して出力する出力手段とを具備することを特徴とする信号出力装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記関連有り情報に含まれる前記関連情報の取得先を通知することを特徴とする請求項1記載の信号出力装置。
【請求項3】
前記通知手段は、前記取得手段による前記関連情報の取得状況を順次通知することを特徴とする請求項1記載の信号出力装置。
【請求項4】
前記通知手段は、通知すべき情報を前記出力手段を介して外部に出力させることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の信号出力装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記関連有り情報に含まれる前記関連情報の取得先に基づいて前記関連情報を取得することを特徴とする請求項1記載の信号出力装置。
【請求項6】
前記出力手段は、
前記取得手段が前記関連情報の取得を行なっている間、前記本編情報の出力を継続させることと、
前記取得手段が前記関連情報の取得を行なっている間、前記本編情報の出力を停止させることとを選択的に設定可能であることを特徴とする請求項1記載の信号出力装置。
【請求項7】
本編情報と、前記本編情報に関連する関連情報が存在することを示す関連有り情報とが入力される入力工程と、
前記入力工程で入力された前記関連有り情報に基づいて前記関連情報が存在することを通知する通知工程と、
前記入力工程で入力された前記関連有り情報に基づいて前記関連情報を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得された前記関連情報を前記入力工程で入力された前記本編情報に多重化して出力する出力工程とを具備することを特徴とする信号出力方法。
【請求項8】
前記出力工程は、
前記取得工程で前記関連情報の取得が行なわれている間、前記本編情報の出力を継続させる工程と、
前記取得工程で前記関連情報の取得が行なわれている間、前記本編情報の出力を停止させる工程とを選択的に設定可能であることを特徴とする請求項7記載の信号出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−174065(P2006−174065A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363389(P2004−363389)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】