説明

信号検出方法

【課題】磁気記憶媒体の不均一による磁気特性の変化を原因とする情報読出し時のエラーレートの劣化を防止する信号検出方法を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために記憶装置10に、情報を記憶する記憶媒体11と、再生信号を生成する再生信号生成手段12と、再生信号からシンクマークパターンを検出するシンクマークパターン検出手段13と、フィルタ設定を行なうフィルタ設定手段14と、再生信号を復調するフィルタ15と、復調した信号からデータを検出するデータ検出手段16と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスク装置などの記憶装置から情報を読み出す際の信号を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置などの記憶装置は、磁気記憶媒体をセクタに分割してデータを記憶している。
この磁気記憶媒体の表面には均一に磁性膜が生成されているが、厳密には磁気特性が微少に変化した部分や欠損している部分が存在している。そのため、周囲と磁気特性が異なる部分では再生信号特性が変化し、磁気ディスク装置から読み出す情報のエラーレートが劣化してしまうという問題があった。
【0003】
特許文献1には、トラック幅方向のマーク幅の違いに応じて光磁気ディスクの記録パワーを最適に制御する光磁気ディスクの記録パワー制御方法について開示されている。
【特許文献1】特開平11−025538号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、磁気記憶媒体の不均一による磁気特性の変化を原因とする情報読出し時のエラーレートの劣化を防止する信号検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る記憶装置は、記憶媒体から再生される再生信号を復調してデータを読み出す記憶装置であって、前記記憶媒体に記憶されている情報から再生信号を生成する再生信号生成手段と、該再生信号における前記データの開始位置を示すシンクマークパターンを検出するシンクマークパターン検出手段と、前記再生信号を復調するためのフィルタであって、復調方法を変更可能なフィルタのフィルタ設定を前記シンクマークパターンに応じて変更するフィルタ設定手段と、該フィルタを介して復調されたデータであって、前記シンクマークパターンに後続するデータを検出するデータ検出手段と、を備える。
【0006】
本発明によると、シンクマークパターン検出手段が検出したシンクマークパターンに応じてフィルタ設定を変更し、このフィルタ設定されたフィルタを介して復調された信号からデータを検出するので、例えば、エラーレートに劣化がみられる領域では、エラーレートが一定水準を満たすようなフィルタ設定と関連付けたシンクマークパターンを使用することによって、磁気記憶媒体の不均一による磁気特性の変化を原因とする情報読出し時のエラーレートの劣化を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
以上に説明したように、本発明によると、磁気記憶媒体の不均一による磁気特性の変化を原因とする情報読出し時のエラーレートの劣化を防止する信号検出方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図1〜図12に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る記憶装置10の概要を説明する図である。
図1に示す記憶装置10は、情報を記憶する記憶媒体11と、記憶媒体11に記憶されている情報から信号(以下、「再生信号」という)を生成する再生信号生成手段12と、再生信号からシンクマークパターンを検出するシンクマークパターン検出手段13と、シンクマークパターンに応じてフィルタ15の設定(以下、この設定を「フィルタ設定」という)を行なうフィルタ設定手段14と、再生信号を復調するフィルタ15と、復調した信号からデータを検出するデータ検出手段16と、を備えている。
【0009】
記憶媒体11には、例えば、磁気ディスクなどが使用される。また、フィルタ15は、1又は2以上のフィルタで構成される。そして、各フィルタの遮断周波数などをフィルタ設定手段15が設定することによって再生信号の復調方法を変更する。
【0010】
データ検出手段16で検出したデータは、上位システムに送信される。
図2は、本発明の実施例に係る記憶装置10の構成例を示す図である。なお、以下に説明する実施例は、記憶装置10の例として磁気ディスク装置200を使用する場合について説明する。
【0011】
図2に示す磁気ディスク装置200は、磁気ディスク装置200全体を制御するHDC(Hard Disk Controller)201と、HDC201が動作するために必要なデータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)202と、HDC201やMPU(Micro Processor Unit)204を動作させるプログラム等を記憶するFlash ROM203と、RDC(Read Channel)205やSVC(Servo Controller)206等の制御をするMPU204と、磁気ディスク209から読み出した信号の再生等をするRDC205と、SPM(Spindle Motor)210やVCM(Voice Coil Motor)212を制御するSVC206と、SPM210やVCM212を駆動するドライバ207及び208と、情報を記憶する磁気ディスク209と、磁気ディスク209を回転させるSPM210と、磁気ディスク209に対してリード・ライトを行なう磁気ヘッド211と、磁気ヘッド211の位置を動かすVCM212と、磁気ヘッド211からの信号を増幅するアンプ213と、を備えている。
【0012】
上位システム214から送られたデータはHDC201が受信する。そして、MPU204からの命令に応じて、データをFlash ROM203に一時的に記憶し、その後RDC205に供給する。RDC205に送られたデータは、アンプ213に送られ、磁気ヘッド211を介して磁気ディスク209に記憶される。
【0013】
一方、磁気ヘッド211により磁気ディスク209から再生された再生信号は、アンプ213に供給される。アンプ213は、再生信号を適当な大きさに増幅してRDC205に供給する。RDC205は、アンプ213から供給された再生信号をデジタルデータに復調してHDC201に供給する。そして、MPU204からの命令に応じて、FLASH ROM203に一時的に記憶する。あるいは、上位システム214に送信する。
【0014】
また、磁気ディスク209に記録されたサーボ情報についても、磁気ヘッド211を介して磁気ディスク209から読み出され、アンプ213に供給される。アンプ213は、再生信号を適当な大きさに増幅してRDC205に供給する。RDC205は、アンプ213から供給された再生信号からサーボ位置決め情報を復調する。
【0015】
MPU204はFlash ROM203に記憶されたプログラムを実行することにより動作する。例えば、サーボ位置情報をSVC26に供給することによって、SVC26を介してVCM212を制御する。そして、磁気ヘッド211を所望の位置にSeekさせるなどの動作を行なう。
【0016】
図3は、本発明の実施例に係る記憶装置10による再生信号の復調処理を説明する図である。
図2に示したRDC205は、復調したデータやHPF302やLPF303等の設定情報を記憶するメモリ301と、アンプ213から供給される再生信号を復調するためのHPF302、LPF303及びFIRフィルタ304と、復調した信号からデジタル信号を検出する検出器305を備えている。
【0017】
HPF302、LPF303、FIRフィルタ304及び検出器305の設定を変更することによってデータの復調方法や再生信号の波形等価方式(例えば、PR(Partial Response)方式)を変更することができる。また、その設定は、例えば、それぞれの内部に備わるレジスタにパラメータを設定する(書き込む)ことによって行なわれる。
【0018】
例えば、磁気ディスク装置200がリード処理を開始すると、RDC205は、MPU204に対して現在の磁気ヘッド211の位置情報を要求する。MPU204は、RDC205から要求のあった磁気ヘッド211の位置情報をRDC205に通知する。
【0019】
RDC205は、メモリ301を参照し、磁気ヘッド211が位置する領域におけるシンクマークのパターンとフィルタ設定との関係を示すテーブル(以下、「設定テーブル」という)からフィルタ設定を取得し、そのフィルタ設定にしたがってHPF302、LPF303、FIRフィルタ304及び検出器305の設定を変更する。
【0020】
一方、磁気ヘッド211を介して磁気ディスク209から読み出された再生信号は、アンプ213により増幅されてRDC205に供給される。供給された再生信号は、RDC205内部のフィルタ302〜304により等化され、検出器305によってデータ検出される。
【0021】
この時、データ開始位置の同期を取るため検出器205によりシンクマーク検出が行われる。RDC205は、メモリ201に記憶されている設定テーブルを参照し、検出器205が検出したシンクマークパターンに対応するフィルタ/信号処理方式の設定を取得する。そして、フィルタ/信号処理方式の設定値をRDC205内部のHPF302、LPF303、FIRフィルタ304及び検出器305に設定を行い、シンクマークに後続するデータの検出を行なう。
【0022】
検出されたデータ情報はHDC201に供給され、上位システムへ送られる。
(1)第1の実施例
以下、本発明に係る第1の実施例について図4〜図8に基づいて説明する。
【0023】
図4は、第1の実施例に係るシンクマーク割付けテーブル40の例を示す図である。図4に示すシンクマーク割付けテーブル40は、磁気ディスクを回転方向に複数分割した領域(以下、「ゾーン」という))毎に付されたゾーン番号と、各ゾーンにおけるシリンダのシリンダ番号と、各シリンダ番号におけるセクタのセクタ番号と、各セクタで使用されているシンクマークパターンと、で構成されている。
【0024】
なお、最初に定義されているシンクマークパターンは、デフォルトシンクマークパターンを示している。例えば、図4に示すシンクマークパターン割付けテーブル40における「1000100011110000」がデフォルトシンクマークパターンを示している。
【0025】
図5は、第1の実施例に係るフィルタ設定テーブル50の例を示す図である。
図5に示すフィルタ設定テーブル50は、図4で示したシンクマークパターンと、そのシンクマークパターンを検出した時に設定するHPF302の遮断周波数、LPF303の高域遮断周波数及びブースト値及びFIRフィルタ304のタップ係数1〜5と、で構成されている。
【0026】
なお、図5に示したHPF302の遮断周波数、LPF303の高域遮断周波数及びブースト値は、理解を簡単にするためにパラメータを設定した結果得られる特性をそのまま示している。例えば、シンクマークパターン「1000100011110000」では、記憶装置10が、HPF302のパラメータに所定の値を設定することによって遮断周波数1.0MHzを得ることを示している。
【0027】
図6は、第1の実施例に係る記憶装置10のフィルタ設定処理を示すフローチャートである。この図6に示す処理は、記憶装置10にデータを記憶する前(例えば、製品出荷前)に1度だけ実行すればよい。
【0028】
ステップS601において、記憶装置10は、セクタに書き込むシンクマークパターンを複数生成する。そして、ステップS602において、ステップS601で生成した複数のシンクマークパターンから1つを選択し、これをデフォルトシンクマークパターンとする。
【0029】
ステップS603において、記憶装置10は、所定の領域のセクタを対象にフィルタ(HPF302、LPF303及びFIRフィルタ304)についてキャリブレーションを行なう。例えば、所定の領域のセクタに対してデータの書き込み・読み出しを行なってエラーレートを検出し、そのエラーレートが所定の値以下となるようにフィルタの設定値(HPFの遮断周波数、LPFの高域遮断周波数やブースト値、FIRフィルタのタップ係数)の調整を行なう。
【0030】
ステップS604において、記憶装置10は、ステップS603で行なったキャリブレーションから得られたフィルタの設定値をデフォルトのシンクマークパターンに対するフィルタ設定(以下、「デフォルトフィルタ設定」という)としてフィルタ設定テーブル50に記憶する。
【0031】
ステップS605において、記憶装置10は、フィルタ(HPF302、LPF303、FIRフィルタ304)にデフォルトフィルタ設定をセットし、全セクタに対して書き込み処理と読み込み処理とを実施することによってエラーレートを測定する。
【0032】
ステップS606において、エラーレートが閾値より大きいセクタを検出すると、記憶装置10は、エラーレートが閾値を満足していないと判断し、処理をステップS607に移行する。そして、記憶装置10は、フィルタ設定テーブル50に登録されているフィルタ設定のうち、まだステップS610〜S613の処理を試していないフィルタ設定(以下、「未試行フィルタ設定」という)を検索する。
【0033】
該当するフィルタ設定がない場合には処理をステップS608に移行し、ステップS606で検出したセクタ(以下、このフローチャートにおいて「対象セクタ」という)を対象にフィルタの設定値のキャリブレーションを行なう。
【0034】
ステップS609において、記憶装置10は、ステップS601で生成したシンクマークパターンのうちシンクマーク割付けテーブル40に登録されていないシンクマークパターンを1つ選択する。
【0035】
そして、ステップS610において、記憶装置10は、ステップS608のキャリブレーションによって得たフィルタ設定とステップS609で選択したシンクマークパターンとを対応付けてフィルタ設定テーブル50に記憶し、ステップS611において、対象セクタ(ゾーン、シリンダ番号、セクタ番号)とステップS609で選択したシンクマークパターンとをシンクマーク割付けテーブル40に記憶する。
【0036】
一方、ステップS607において、未試行フィルタ設定が存在する場合、記憶装置10は、処理をステップS612に移行し、未試行フィルタ設定のうち1つを選択する。そして、フィルタ(HPF302、LPF303、FIRフィルタ304)に当該フィルタ設定をセットし、対象セクタに対して書き込み処理と読み込み処理とを実施することによってエラーレートを測定する。
【0037】
エラーレートを測定すると、記憶装置10は、処理をステップS613に移行する。そして、エラーレートが閾値を満足しているか否かを判断する。エラーレートが閾値より大きい場合、記憶装置10は、エラーレートが閾値を満足しないと判断して処理をステップS607に移行する。また、エラーレートが閾値以下の場合、記憶装置10は、エラーレートが閾値を満足していると判断して処理をステップS611に移行し、対象セクタ(ゾーン、シリンダ番号、セクタ番号)とステップS612で選択したフィルタ設定に対応するシンクマークパターンとをシンクマーク割付けテーブル40に記憶する。
【0038】
なお、図示しないが、ステップS606で検出した全セクタ(エラーレートが閾値より大きいセクタ)について、以上に説明したステップS607〜S613の処理が実施される。
【0039】
ステップS606において、全セクタについてエラーレートが閾値以下の場合、記憶装置10は、エラーレートが閾値を満足していると判断し、処理をステップS611に移行する。そして、デフォルトシンクマークパターンをシンクマーク割付けテーブル40に記憶する。
【0040】
ステップS614において、記憶装置10は、全ゾーンについてステップS603〜S613の処理が完了したか否かをチェックする。ステップS603〜S613の処理を実施していないゾーンがある場合には、処理をステップS615に移行して、ステップS603〜S613の処理を実施していない他のゾーンに処理対象を移行する。そして、処理をステップS603に移行する。
【0041】
また、ステップS614において、全ゾーンについてステップS603〜S613の処理が完了した場合には、処理をステップS616に移行して設定処理を終了する。
図7は、第1の実施例に係る記憶装置10の書き込み処理(ライト処理)を示すフローチャートである。
【0042】
ステップS701において、記憶装置10は、上位システム214から送られたデータを受け付けると、データを所定のサイズ(例えば、1ブロック)に分割してセクタ毎に書き込む処理を開始する。以下、このフローチャートにおいてデータの書き込む先のセクタを「対象セクタ」といい、対象セクタに書き込むデータを「ライトデータ」という。
【0043】
ステップS702において、記憶装置10は、シンクマーク割付けテーブル40を参照し、対象セクタに対応するシンクマークパターンを取得し、ステップS703に処理を移行する。
【0044】
ステップS703において、記憶装置10は、ステップS702で取得したシンクマークパターンがデフォルトシンクマークパターンか否かを判別する。そして、ステップS702で取得したシンクマークパターンがデフォルトシンクマークパターンでない場合には、処理をステップS704に移行する。
【0045】
ステップS704において、記憶装置10は、ライトデータとともにステップS702で取得したシンクマークパターンを対象セクタに書き込む。
一方、ステップS703において、ステップS702で取得したシンクマークパターンがデフォルトシンクマークパターンである場合には、処理をステップS705に移行する。そして、記憶装置10は、ライトデータのみを対象セクタに書き込む。
【0046】
以上に説明したステップS702〜S705の処理をステップS701で分割した全てのライトデータを対象セクタに書き込むまで実行して処理を終了する。
図8は、第1の実施例に係る記憶装置10の読み出し処理(リード処理)を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS801において、記憶装置10は、上位システム214からデータの要求を受け付けると、要求されたデータが格納されている各セクタからデータを読み出す処理を開始する。以下、このフローチャートにおいて要求されたデータが格納されたセクタを「対象セクタ」といい、対象セクタから読み出したデータを「リードデータ」という。
【0048】
ステップS802において、記憶装置10は、例えばFlash ROM203に記憶されているフィルタ設定テーブル50をRDC205に転送し、RDC205内のメモリ301に転送する。そして、記憶装置10は、メモリ301に展開されたフィルタ設定テーブル50を参照してデフォルトシンクマークパターンに対応するフィルタ設定を取得し、HPF302、LPF303、FIRフィルタ304及び検出器305に対してパラメータの設定を行なう。
【0049】
ステップS803において、記憶装置10は、メディア209の対象セクタに記憶されているデータについて信号再生を行なう。そして、ステップS804において、記憶装置10は、ステップS803で生成した再生信号からシンクマークパターンを検出する。
【0050】
例えば、アンプ213からRDC205に送られた再生信号は、HPF302、LPF303、FIRフィルタ304及び検出器305を介してデジタル化される。そして、メモリ301に一時記憶される。MPU204は、メモリ301に一時記憶されたデータを参照し、シンクマークパターンと一致するデータを検索してシンクマークパターンを検出する。
【0051】
ステップS805において、記憶装置10は、フィルタ設定テーブル50を参照し、ステップS804で検出したシンクマークパターンを検索する。そして、ステップS806において、ステップ704で検出したシンクマークパターンがデフォルトシンクマークパターンでない場合には、処理をステップS807に移行する。
【0052】
ステップS807において、記憶装置10は、フィルタ設定テーブル50からステップS804で検出したシンクマークパターンに対応するフィルタ設定を取得する。そして、HPF302、LPF303及びFIRフィルタ304に対してパラメータ等の設定を行なう。
【0053】
ステップS808において、記憶装置10は、シンクマークパターンに後続するデータ領域の再生信号をHPF302、LPF303、FIRフィルタ304及び検出器305を介して復調する。そして、復調したデータは、HDC201を介して上位システム214に転送されることとなる。
【0054】
一方、ステップS806において、ステップ704で検出したシンクマークパターンがデフォルトシンクマークパターンの場合には、処理をステップS809に移行する。そして、ステップS808と同様に、シンクマークパターンに後続するデータ領域の再生信号をフィルタ302〜304及び検出器305を介して復調し、復調したデータは、HDC201を介して上位システム214に転送されることとなる。
【0055】
以上に説明したように、本実施例に係る記憶装置10は、複数の異なるシンクマークパターン毎にフィルタ設定を関連づけておき、このシンクマークパターンに応じてフィルタ設定を変更してデータを検出する。
【0056】
そして、通常(例えば、磁気記憶媒体の表面における磁性膜が均一の領域にあるセクタに対して)はデフォルトフィルタ設定及びこのフィルタ設定と関連づけたデフォルトシンクマークパターンを使用し、エラーレートが劣化する場合(例えば、磁気記憶媒体の表面における磁性膜が不均一であるためエラーレートが閾値を満足しない領域にあるセクタに対して)は、キャリブレーションした結果閾値を満足するエラーレートが得られるフィルタ設定及びこのフィルタ設定と関連づけたシンクマークパターンを使用するので、磁気記憶媒体の不均一による磁気特性の変化を原因とする情報読出し時のエラーレートの劣化を防止することが可能となる。
【0057】
また、シンクマークパターンの検出をRDC205で行なうので、シンクマークパターンに後続するデータの復調方式変更時に外部コントローラ等を使用することなくデータの復調方式を変更することができる。
【0058】
以上に説明した記憶装置10は、検出したシンクマークパターンに応じてフィルタ設定(HPF302、LPF303、FIRフィルタ304)を変更している場合についての例を示したが、検出したシンクマークパターンに応じて再生信号の波形等化方式を変更してもよい。また、再生信号の復調時に反復復号方式を用いる場合には、検出したシンクマークパターンに応じて復調時の反復回数を変更してもよい。
【0059】
すなわち、図5に示したフィルタ設定テーブル50に換えて、図9に示すPR方式設定テーブル90や図10に示す反復回数設定テーブル100を使用して図6〜図8に示した処理を実行すればよい。
【0060】
以下、フィルタ設定テーブル50に換えてPR方式設定テーブル90を使用する場合を第2の実施例とし、フィルタ設定テーブル50に換えて反復回数設定テーブル100を使用する場合を第3の実施例として説明する。
(2)第2の実施例
以下、本発明に係る第2の実施例について図6〜図9を使用して説明する。
【0061】
図9は、本実施例に係るPR方式設定テーブル90の例を示す図である。
図9に示すPR方式設定テーブル90は、図4で示したシンクマークパターンと、そのシンクマークパターンを検出した時に設定するPR方式、HPF302の遮断周波数、LPF303の高域遮断周波数及びブースト値及びFIRフィルタ304のタップ係数1〜5と、で構成されている。
【0062】
なお、図5と同様に、図9に示したPR方式、HPF302の遮断周波数、LPF303の高域遮断周波数及びブースト値は、理解を簡単にするためにフィルタ302〜304及び検出器305にパラメータを設定した結果得られる特性をそのまま示している。
【0063】
また、本実施例では、PR(Partial Response)方式によって再生信号の波形等化を行なっている。PR方式には、符号干渉の与え方によって、帯域通過型の特性をもつPR4(1、0、−1)方式、帯域周波数を制限するEPR4(Extended PR4:1、1、−1、−1)方式及びEEPR4(Extended EPR4:1、2、0、−2、−1)方式を使用している。なお、PR4、EPR4及びEEPR4などのPR方式については、一般的な技術なので詳細な説明は省略する。
【0064】
以下、第2の実施例に係る記憶装置10のPR方式設定処理について図6を参照しながら説明する。なお、ステップS601〜S606及びS614〜S616の処理は第1の実施例に係る記憶装置10と同様なので省略する。
【0065】
図6に示したステップS607において、記憶装置10は、PR方式設定テーブル90に登録されているPR方式のうち、まだステップS610〜S613の処理を試していないPR方式(以下、「未試行PR方式」という)を検索する。
【0066】
該当するPR方式がない場合には処理をステップS608に移行し、ステップS606で検出したセクタ(以下、このフローチャートにおいて「対象セクタ」という)を対象にPR方式及びフィルタの設定値についてキャリブレーションを行なう。
【0067】
ここで、反復復号方式を復調に用いる場合、復調時の反復回数によってエラーレートを変化させることができる。反復回数を多くするほどエラーレートを改善することができるが、反復計算するため自演時間も大きくなるので、エラーレートが閾値を満足する程度に最小な反復回数を設定する。
【0068】
ステップS609において、記憶装置10は、ステップS601で生成したシンクマークパターンのうちシンクマーク割付けテーブル40に登録されていないシンクマークパターンを1つ選択する。
【0069】
そして、ステップS610において、記憶装置10は、ステップS608のキャリブレーションによって得たPR方式及びフィルタ設定とステップS609で選択したシンクマークパターンとを対応付けてPR方式設定テーブル90に記憶し、ステップS611において、対象セクタ(ゾーン、シリンダ番号、セクタ番号)とステップS609で選択したシンクマークパターンとをシンクマーク割付けテーブル40に記憶する。
【0070】
一方、ステップS607において、未試行PR方式が存在する場合、記憶装置10は、処理をステップS612に移行し、未試行PR方式のうち1つを選択する。そして、フィルタ(HPF302、LPF303、FIRフィルタ304)及び検出器305に当該PR方式及びフィルタ設定をセットし、対象セクタに対して書き込み処理と読み込み処理とを実施することによってエラーレートを測定する。
【0071】
エラーレートを測定すると、記憶装置10は、処理をステップS613に移行する。そして、エラーレートが閾値を満足しているか否かを判断する。エラーレートが閾値より大きい場合、記憶装置10は、エラーレートが閾値を満足しないと判断して処理をステップS607に移行する。また、エラーレートが閾値以下の場合、記憶装置10は、エラーレートが閾値を満足していると判断して処理をステップS611に移行し、対象セクタ(ゾーン、シリンダ番号、セクタ番号)とステップS612で選択したPR方式及びフィルタ設定に対応するシンクマークパターンとをシンクマーク割付けテーブル40に記憶する。
【0072】
以下、第2の実施例に係る記憶装置10の読み出し処理(リード処理)について図8を参照しながら説明する。
図8に示したステップS801において、記憶装置10は、上位システム214からデータの要求を受け付けると、要求されたデータが格納されている各セクタからデータを読み出す処理を開始する。以下、このフローチャートにおいて要求されたデータが格納されたセクタを「対象セクタ」といい、対象セクタから読み出したデータを「リードデータ」という。
【0073】
ステップS802において、記憶装置10は、例えばFlash ROM203に記憶されているPR方式設定テーブル90をRDC205に転送し、RDC205内のメモリ301に転送する。そして、記憶装置10は、メモリ301に展開されたPR方式設定テーブル90を参照してデフォルトシンクマークパターンに対応するPR方式及びフィルタ設定を取得し、HPF302、LPF303、FIRフィルタ304及び検出器305に対してパラメータの設定を行なう。
【0074】
ステップS803において、記憶装置10は、メディア209の対象セクタに記憶されているデータについて信号再生を行なう。そして、ステップS804において、記憶装置10は、ステップS803で生成した再生信号からシンクマークパターンを検出する。
【0075】
ステップS805において、記憶装置10は、PR方式設定テーブル90を参照し、ステップS804で検出したシンクマークパターンを検索する。そして、ステップS806において、ステップ704で検出したシンクマークパターンがデフォルトシンクマークパターンでない場合には、処理をステップS807に移行する。
【0076】
ステップS807において、記憶装置10は、PR方式設定テーブル90からステップS804で検出したシンクマークパターンに対応するPR方式及びフィルタ設定を取得する。そして、HPF302、LPF303、FIRフィルタ304及び検出器305に対してパラメータの設定を行なう。
【0077】
ステップS808において、記憶装置10は、シンクマークパターンに後続するデータ領域の再生信号をHPF302、LPF303、FIRフィルタ304及び検出器305を介して復調する。そして、復調したデータは、HDC201を介して上位システム214に転送されることとなる。
【0078】
一方、ステップS806において、ステップ704で検出したシンクマークパターンがデフォルトシンクマークパターンの場合には、処理をステップS809に移行する。そして、ステップS808と同様に、シンクマークパターンに後続するデータ領域の再生信号をフィルタ302〜304及び検出器305を介して復調し、復調したデータは、HDC201を介して上位システム214に転送されることとなる。
(3)第3の実施例
以下、本発明に係る第3の実施例について図6〜図8及び図10を使用して説明する。
【0079】
本実施例では再生信号の復調時に反復復号方式を用いている。そこで、第1の実施例で使用したフィルタ設定テーブル50に替えて以下に示す反復回数設定テーブル100を使用する。
【0080】
図10は、本実施例に係る反復回数設定テーブル100の例を示す図である。
図10に示す反復回数設定テーブル100は、図4で示したシンクマークパターンと、そのシンクマークパターンを検出した時に設定する復調時の反復回数、HPF302の遮断周波数、LPF303の高域遮断周波数及びブースト値及びFIRフィルタ304のタップ係数1〜5と、で構成されている。
【0081】
なお、図5と同様に、図9に示したHPF302の遮断周波数、LPF303の高域遮断周波数及びブースト値は、理解を簡単にするためにフィルタ302〜304及び検出器305にパラメータを設定した結果得られる特性をそのまま示している。
【0082】
以下、第3の実施例に係る記憶装置10の反復回数設定処理について図6を参照しながら説明する。なお、ステップS601〜S606及びS614〜S616の処理は第1の実施例に係る記憶装置10と同様なので省略する。
【0083】
図6に示したステップS607において、記憶装置10は、反復回数設定テーブル100に登録されている反復回数のうち、まだステップS610〜S613の処理を試していない反復回数(以下、「未試行反復回数」という)を検索する。
【0084】
該当する反復回数がない場合には処理をステップS608に移行し、ステップS606で検出したセクタ(以下、このフローチャートにおいて「対象セクタ」という)を対象に反復回数及びフィルタの設定値についてキャリブレーションを行なう。
【0085】
ステップS609において、記憶装置10は、ステップS601で生成したシンクマークパターンのうちシンクマーク割付けテーブル40に登録されていないシンクマークパターンを1つ選択する。
【0086】
そして、ステップS610において、記憶装置10は、ステップS608のキャリブレーションによって得た反復回数及びフィルタ設定とステップS609で選択したシンクマークパターンとを対応付けて反復回数設定テーブル100に記憶し、ステップS611において、対象セクタ(ゾーン、シリンダ番号、セクタ番号)とステップS609で選択したシンクマークパターンとをシンクマーク割付けテーブル40に記憶する。
【0087】
一方、ステップS607において、未試行反復回数が存在する場合、記憶装置10は、処理をステップS612に移行し、未試行反復回数のうち1つを選択する。そして、フィルタ(HPF302、LPF303、FIRフィルタ304)及び検出器305に当該反復回数及びフィルタ設定をセットし、対象セクタに対して書き込み処理と読み込み処理とを実施することによってエラーレートを測定する。
【0088】
エラーレートを測定すると、記憶装置10は、処理をステップS613に移行する。そして、エラーレートが閾値を満足しているか否かを判断する。エラーレートが閾値より大きい場合、記憶装置10は、エラーレートが閾値を満足しないと判断して処理をステップS607に移行する。また、エラーレートが閾値以下の場合、記憶装置10は、エラーレートが閾値を満足していると判断して処理をステップS611に移行し、対象セクタ(ゾーン、シリンダ番号、セクタ番号)とステップS612で選択した反復回数及びフィルタ設定に対応するシンクマークパターンとをシンクマーク割付けテーブル40に記憶する。
【0089】
以下、第3の実施例に係る記憶装置10の読み出し処理(リード処理)について図8を参照しながら説明する。
図8に示したステップS801において、記憶装置10は、上位システム214からデータの要求を受け付けると、要求されたデータが格納されている各セクタからデータを読み出す処理を開始する。以下、このフローチャートにおいて要求されたデータが格納されたセクタを「対象セクタ」といい、対象セクタから読み出したデータを「リードデータ」という。
【0090】
ステップS802において、記憶装置10は、例えばFlash ROM203に記憶されている反復回数設定テーブル100をRDC205に転送し、RDC205内のメモリ301に転送する。そして、記憶装置10は、メモリ301に展開された反復回数設定テーブル100参照してデフォルトシンクマークパターンに対応する反復回数及びフィルタ設定を取得し、HPF302、LPF303、FIRフィルタ304及び検出器305に対してパラメータの設定を行なう。
【0091】
ステップS803において、記憶装置10は、メディア209の対象セクタに記憶されているデータについて信号再生を行なう。そして、ステップS804において、記憶装置10は、ステップS803で生成した再生信号からシンクマークパターンを検出する。
【0092】
ステップS805において、記憶装置10は、反復回数設定テーブル100を参照し、ステップS804で検出したシンクマークパターンを検索する。そして、ステップS806において、ステップ704で検出したシンクマークパターンがデフォルトシンクマークパターンでない場合には、処理をステップS807に移行する。
【0093】
ステップS807において、記憶装置10は、反復回数設定テーブル100からステップS804で検出したシンクマークパターンに対応する反復回数及びフィルタ設定を取得する。そして、HPF302、LPF303、FIRフィルタ304及び検出器305に対してパラメータの設定を行なう。
【0094】
ステップS808において、記憶装置10は、シンクマークパターンに後続するデータ領域の再生信号をHPF302、LPF303、FIRフィルタ304及び検出器305を介して復調する。そして、復調したデータは、HDC201を介して上位システム214に転送されることとなる。
【0095】
一方、ステップS806において、ステップ704で検出したシンクマークパターンがデフォルトシンクマークパターンの場合には、処理をステップS809に移行する。そして、ステップS808と同様に、シンクマークパターンに後続するデータ領域の再生信号をフィルタ302〜304及び検出器305を介して復調し、復調したデータは、HDC201を介して上位システム214に転送されることとなる。
【0096】
なお、第2及び第3の実施例に係る記憶装置10の書き込み処理(ライト処理)は、図7と同様なので説明は省略する。
以上に説明した第2及び第3の実施例も、第1の実施例と同様に、記憶装置10は複数の異なるシンクマークパターン毎にPR方式及びフィルタ設定や反復回数及びフィルタ設定(以下、「フィルタ設定等」という))を関連づけておき、このシンクマークパターンに応じてフィルタ設定等を変更してデータを検出する
そして、通常はデフォルトのフィルタ設定等及びこのフィルタ設定等と関連づけたデフォルトシンクマークパターンを使用し、エラーレートが劣化する場合は、キャリブレーションした結果閾値を満足するエラーレートが得られるフィルタ設定等及びこのフィルタ設定等と関連づけたシンクマークパターンを使用するので、磁気記憶媒体の不均一による磁気特性の変化を原因とする情報読出し時のエラーレートの劣化を防止することが可能となる。
【0097】
なお、第1の実施例では、記憶装置10が磁気ディスク209のデータ領域に記憶されている情報を読み出す際の信号検出方法について説明したが、磁気ディスク209のサーボ領域に記憶されているサーボ情報(シリンダの位置決め情報など)を読み出す際の信号検出についても同様に本発明が適用できることは当然である。
【0098】
この場合、図4に示したシンクマーク割付けテーブル40に換えて、図11に示すシンクマーク割付けテーブル110を使用し、図5に示したフィルタ設定テーブル50に換えて、図12に示すフィルタ設定テーブル120を使用して図6〜図8に示した処理を実行すればよい。 なお、サーボ領域では、磁気ディスク209上のインナーからアウターまで同じ周波数でサーボ信号を書き込むと、半径位置によってサーボ信号の記憶密度が異なり再生信号の特性が変化してしまう。
【0099】
そこで、例えば、ステップS603やS608のキャリブレーションでは、Gray Codeに対するエラーレートが閾値を満足するようにキャリブレーションを実行し、ステップS605では、Gray Codeに対するエラーレートを測定すればよい。
【0100】
図11は、サーボ領域におけるシンクマーク割付けテーブル110の例を示す図である。図11に示すシンクマーク割付けテーブル110は、各シリンダのシリンダ番号と、各シリンダ番号におけるセクタのセクタ番号と、各セクタで使用されているシンクマークパターンと、で構成されている。図4と同様に、最初に定義されているシンクマークパターンは、デフォルトシンクマークパターンを示している。
【0101】
図12は、サーボ領域におけるフィルタ設定テーブル120の例を示す図である。
図12に示すフィルタ設定テーブル120は、図11で示したシンクマークパターンと、そのシンクマークパターンを検出した時に設定するHPF302の遮断周波数、LPF303の高域遮断周波数及びブースト値及びFIRフィルタ304のタップ係数1〜5と、で構成されている。なお、図5と同様に、HPF302の遮断周波数、LPF303の高域遮断周波数及びブースト値は、理解を簡単にするためにパラメータを設定した結果得られる特性をそのまま示している。
【0102】
(付記1) 記憶媒体から再生される再生信号を復調してデータを読み出す記憶装置であって、
前記記憶媒体に記憶されている情報から再生信号を生成する再生信号生成手段と、
該再生信号における前記データの開始位置を示すシンクマークパターンを検出するシンクマークパターン検出手段と、
前記再生信号を復調するためのフィルタであって、復調方法を変更可能なフィルタのフィルタ設定を前記シンクマークパターンに応じて変更するフィルタ設定手段と、
該フィルタを介して復調されたデータであって、前記シンクマークパターンに後続するデータを検出するデータ検出手段と、
を備える記憶装置。
(付記2) 複数の異なるシンクマークパターンを生成するシンクマークパターン生成手段と、
前記記憶媒体に対して所定のデータを書き込んだ後に読み出してエラーレートを特定するエラーレート測定手段と、
該エラーレートが所定の値以下となるように前記シンクマークパターンに対して前記フィルタ設定を割付ける復調方法最適化手段と、
を更に備える付記1に記載の記憶装置。
(付記3) 前記再生信号の復調時に該再生信号の波形等価を行なうパーシャル・レスポンス方式を前記シンクマークパターンに応じて変更する検出方法設定手段、
を更に備える付記1に記載の記憶装置。
(付記4) 前記再生信号の復調時に用いる反復復号方式の反復回数を前記シンクマークパターンに応じて変更する検出方法設定手段、
を更に備える付記1に記載の記憶装置。
(付記5) 前記シンクマークパターンは、前記記憶媒体のサーボ領域のデータの開始位置を示す、ことを特徴とする付記1に記載の記憶装置。
(付記6) 記憶媒体から再生される再生信号を復調してデータを読み出す再生信号検出方法において、
前記記憶媒体に記憶されている情報から再生信号を生成する再生信号生成処理と、
該再生信号における前記データの開始位置を示すシンクマークパターンを検出するシンクマークパターン検出処理と、
前記再生信号を復調するためのフィルタであって、復調方法を変更可能なフィルタのフィルタ設定を前記シンクマークパターンに応じて変更するフィルタ設定処理と、
該フィルタを介して復調されたデータであって、前記シンクマークパターンに後続するデータを検出するデータ検出処理と、
を実行させることを特徴とする再生信号検出方法。
(付記7) 複数の異なるシンクマークパターンを生成するシンクマークパターン生成処理と、
前記記憶媒体に対して所定のデータを書き込んだ後に読み出してエラーレートを特定するエラーレート測定処理と、
該エラーレートが所定の値以下となるように前記シンクマークパターンに対して前記フィルタ設定を割付ける復調方法最適化処理と、
を更に実行させることを特徴とする付記6に記載の再生信号検出方法。
(付記8) 前記再生信号の復調時に該再生信号の波形等価を行なうパーシャル・レスポンス方式を前記シンクマークパターンに応じて変更する検出方法設定処理、
を更に実行させることを特徴とする付記6に記載の再生信号検出方法。
(付記9) 前記再生信号の復調時に用いる反復復号方式の反復回数を前記シンクマークパターンに応じて変更する検出方法設定処理、
を更に実行させることを特徴とする付記6に記載の再生信号検出方法。
(付記10) 前記シンクマークパターンは、前記記憶媒体のサーボ領域のデータの開始位置を示す、ことを特徴とする付記6に記載の再生信号検出方法。
(付記11)
記憶媒体からの再生信号における前記データの開始位置を示すシンクマークパターンを検出するシンクマークパターン検出手段と、
前記再生信号を復調するためのフィルタであって、復調方法を変更可能なフィルタのフィルタ設定を前記シンクマークパターンに応じて変更するフィルタ設定手段と、
該フィルタを介して復調されたデータであって、前記シンクマークパターンに後続するデータを検出するデータ検出手段と、
を備える復調回路。
(付記12)
複数の異なるシンクマークパターンを生成するシンクマークパターン生成手段と、
前記記憶媒体に対して所定のデータを書き込んだ後に読み出してエラーレートを特定するエラーレート測定手段と、
該エラーレートが所定の値以下となるように前記シンクマークパターンに対して前記フィルタ設定を割付ける復調方法最適化手段と、
を更に備える付記11に記載の復調回路。
(付記13) 前記再生信号の波形等価を行なうパーシャル・レスポンス方式を前記シンクマークパターンに応じて変更する検出方法設定手段、
を更に備える付記12に記載の復調回路。
(付記14) 前記再生信号の復調時に用いる反復復号方式の反復回数を前記シンクマークパターンに応じて変更する検出方法設定手段、
を更に備える付記13に記載の復調回路。
(付記15) 前記シンクマークパターンは、前記記憶媒体のサーボ領域のデータの開始位置を示す、ことを特徴とする付記14に記載の復調回路。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の実施例に係る記憶装置の概要を説明する図である。
【図2】本発明の実施例に係る記憶装置の構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る記憶装置による再生信号の復調処理を説明する図である。
【図4】第1の実施例に係るシンクマーク割付けテーブルの例を示す図である。
【図5】第1の実施例に係るフィルタ設定テーブルの例を示す図である。
【図6】第1の実施例に係る記憶装置のフィルタ設定処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施例に係る記憶装置の書き込み処理を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施例に係る記憶装置の読み出し処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施例に係るPR方式設定テーブルの例を示す図である。
【図10】第3の実施例に係る反復回数設定テーブルの例を示す図である。
【図11】第1の実施例に係るサーボ領域におけるシンクマーク割付けテーブルの例を示す図である。
【図12】第1の実施例に係るサーボ領域におけるフィルタ設定テーブルの例を示す図である。
【符号の説明】
【0104】
10 記憶装置
11 記憶媒体
12 再生信号生成手段
13 シンクマークパターン検出手段
14 フィルタ設定手段
15 フィルタ
16 データ検出手段
200 磁気ディスク装置
201 HDC
202 RAM
203 Flash ROM
204 MPU
205 RDC
301 メモリ
302 HPF
303 LPF
304 FIRフィルタ
305 検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体から再生される再生信号を復調してデータを読み出す記憶装置であって、
前記記憶媒体に記憶されている情報から再生信号を生成する再生信号生成手段と、
該再生信号における前記データの開始位置を示すシンクマークパターンを検出するシンクマークパターン検出手段と、
前記再生信号を復調するためのフィルタであって、復調方法を変更可能なフィルタのフィルタ設定を前記シンクマークパターンに応じて変更するフィルタ設定手段と、
該フィルタを介して復調されたデータであって、前記シンクマークパターンに後続するデータを検出するデータ検出手段と、
を備える記憶装置。
【請求項2】
複数の異なるシンクマークパターンを生成するシンクマークパターン生成手段と、
前記記憶媒体に対して所定のデータを書き込んだ後に読み出してエラーレートを特定するエラーレート測定手段と、
該エラーレートが所定の値以下となるように前記シンクマークパターンに対して前記フィルタ設定を割付ける復調方法最適化手段と、
を更に備える請求項1に記載の記憶装置。
【請求項3】
記憶媒体から再生される再生信号を復調してデータを読み出す再生信号検出方法において、
前記記憶媒体に記憶されている情報から再生信号を生成する再生信号生成処理と、
該再生信号における前記データの開始位置を示すシンクマークパターンを検出するシンクマークパターン検出処理と、
前記再生信号を復調するためのフィルタであって、復調方法を変更可能なフィルタのフィルタ設定を前記シンクマークパターンに応じて変更するフィルタ設定処理と、
該フィルタを介して復調されたデータであって、前記シンクマークパターンに後続するデータを検出するデータ検出処理と、
を実行させることを特徴とする再生信号検出方法。
【請求項4】
記憶媒体からの再生信号における前記データの開始位置を示すシンクマークパターンを検出するシンクマークパターン検出手段と、
前記再生信号を復調するためのフィルタであって、復調方法を変更可能なフィルタのフィルタ設定を前記シンクマークパターンに応じて変更するフィルタ設定手段と、
該フィルタを介して復調されたデータであって、前記シンクマークパターンに後続するデータを検出するデータ検出手段と、
を備える復調回路。
【請求項5】
複数の異なるシンクマークパターンを生成するシンクマークパターン生成手段と、
前記記憶媒体に対して所定のデータを書き込んだ後に読み出してエラーレートを特定するエラーレート測定手段と、
該エラーレートが所定の値以下となるように前記シンクマークパターンに対して前記フィルタ設定を割付ける復調方法最適化手段と、
を更に備える請求項4に記載の復調回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−242192(P2007−242192A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−66673(P2006−66673)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】