説明

信号灯器の制御函等機器の装柱装置

【課題】 歩道側や車道側に対する突出量を現場に合わせて調整した状態で機器の装柱を行える装置を提供する。
【解決手段】 電柱Dの周側に突設した機器支持金具1の受支部片1bの上端に、機器Bの上部側に突設した掛止金具4の一対の掛止部片7,7をそれぞれ掛止する、一対三組の掛止切欠8,8、8A,8A、8B,8Bを横方向に並設する。前記機器Bの下部に金具基枠2aを取付けて先端の弧状の部片2a´を電柱の前記周側に当てる補助金具2の取付け部片2bには前記各組の掛止切欠8,8、8A,8A、8B,8Bに対応する組付孔10,10A,10Bをそれぞれ設ける。そして、所望の該組付孔を通じて螺合する、前記基部片の締付け用ボルト5のねじ孔を機器Bの前記下部に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号灯器の制御器等の機器の装柱装置に係り、概し、機器を電柱の低所において装置する際に適用するものである。
【背景技術】
【0002】
機器に突設したボルトを締付け金具に貫通させ、金具より突出した前記ボルト先端にナットを螺合、締付けることによって下側支持金具を機器に取付けておき、一方、上側支持金具を電柱に締付け、該上側支持金具に設けた受止片に前記機器に取付けた掛止金具を掛止した後に前記下側支持金具を電柱周面に当てバンド体を用いて該下側支持金具を電柱に締め付けて機器を装柱するようにした構造のものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】実公昭62−45446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来例は、電柱側の受止片に機器側の掛止片に掛止することにより、機器の電柱に対する取付け位置が決まり、しかも、係止片と受止片の組付け個所は単一な構成を採るものであるから、機器を装柱状態にした後に、当該機器が歩道側や車道側に突出する当不適当な位置にあることが判別されると、装柱作業を当初よりやり直す等無駄な作業を必要とする。
【0005】
本発明は、斯様な従来例の欠点に着目し、歩道側や車道側に対する突出量を現場に合わせて調整した状態で機器の装柱を行える装置を提供することを目的として創案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電柱の周側に突設した機器支持金具の受支部片の上端に、機器の上部側に突設した掛止金具の一対の掛止部片をそれぞれ掛止する、一対一組の掛止切欠を複数組横方向に並設し、前記機器の下部に締付け部片を取付けて先端の弧状の部片を電柱の前記周側に当てる補助金具の前記締付け部片には前記各組の掛止切欠に対応する締付け孔をそれぞれ設け、所望の該締付け孔を通じて螺合する、前記基部片の締付け用ボルトのねじ孔を機器の前記下部に設けた、構成としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、信号灯器の制御函等の機器を装柱することができることは勿論、装柱時に現場の状況に合わせて位置調整して装柱でき、しかも、電柱の接(切)線方向に位置調整して装柱できるから、外観上良好な装柱状態を得ることができる。
【実施例】
【0008】
図面は、本発明に係る信号灯器の制御函等機器の装柱装置の一実施例を示し、図1は正面図、図2は図1の平面図、図3は柱を省略して示した図1のx−x線断面図、図4は機器受金具と掛止金具の関係を示す拡大平面図、図5は図4の正面図、図6は機器受金具の斜視図、図7は補助金具の斜視図、図8は掛止金具の斜視図である。
【0009】
実施例のものは、バンド3を用いて電柱Dに締付けて電柱Dより突設するように上側の支持金具1と下側の補助金具2を配し、支持金具1に機器Bに取り付けた掛止金具4を掛止し、補助金具2を機器Bに締付けボルト5で締付けるようにしたものである。
【0010】
前記支持金具1は、金属板を平面視略方形状に折り曲げて構成した金具基枠1aの側部片1a´´の先端を平板状の受支部片1bに熔接して構成し、両端が前記側部片1a´´に連続する、金具基枠1aの中央部片1a´を電柱Dに適合する弧状にし、二又に分岐する先端側を受支部片1bに前記の通り熔接した各側部片1a´´,1a´´の前記中央部片1a´側の基部には、前記バンド3を挿通する挿通口6,6´を設け、一方の挿通口6は側部片1a´´全体を二又分岐状にして窓口形状にして構成して工具の挿入窓口を兼用させる一方、金具基枠1aと共に支持金具1を構成する前記受支部片1bは、両端を折り曲げ状にして補強され、上端に前記掛止金具4に設けた一対の掛止部片7,7を掛止する一対三組の掛止切欠8,8、8A,8A、8B,8Bを横方向に並べて設けたものである。
【0011】
前記補助金具2は、支持金具1と同様に金属板を平面視略方形状に折り曲げて構成した金具基枠2aの側部片2a´´の先端を平板状の締付け部片2bに熔接して構成し、両端が前記側部片2a´´に連続する、金具基枠2aの中央部片2a´を電柱Dに適合する弧状にし、二又に分岐する先端側を締付け部片2bに前記の通り熔接した各側部片2a´´,2a´´の前記中央部片2a´側の基部には、前記バンド片3を挿通する挿通口9,9´を設け、一方の挿通口9は該側部片2a´´全体を二又分岐状にして前記締付け部片2bとで形つくる窓口形状と成して工具の挿入用窓を兼用させる一方、金具基枠2aと共に補助金具2を構成する前記締付け部片2bの上下両端部には前記締付けボルト5を貫通する締付け孔10,10A,10Bを前記一対一組の掛止切欠8,8、8A,8A、8B,8Bに対応させて並設してある。
【0012】
なお、各締付け孔10,10A,10Bが互いに連通させてあるのは、加工上の関係である。
【0013】
また、前記掛止金具4は、前記各組の一対の掛止切欠8,8又は8A,8A又は8B,8B間の離開間隔と略同幅の縦長の基板4aの上端両側に前記各組の一対の掛止切欠8,8、8A,8A、8B,8Bのいずれか一対の掛止切欠8,8又は8A,8A又は8B,8Bに掛止する掛止部片7,7を折り曲げ状にして突設し、基板4aの上下両側には機器Bに締付ける締付けボルト11貫通用の透孔12を設けて構成したものである。
【0014】
しかして、機器Bの上部側の所定の位置に設けたねじ孔に基板4aの透孔12を通じて締付けボルト11を螺合、締付けて、掛止金具4を機器Bに取り付け、また、機器Bの下部側の所定位置に設けたねじ孔に現場に合わせて選択した締付け孔10,10A,10B中の一つのものに貫通させた締付けボルト5を螺合、締付けて補助金具2を締付け部片2bにおいて取付けておき、一方、電柱D側に挿通口9,9´を通じて組合わせたバンド3を電柱Dに締付けて支持金具1を金具基枠1aの中央部片1a´において電柱Dに取付け、この支持金具1の受支部片1bに設けた掛止切欠8,8A,8Bから、補助金具2を機器Bに締付けボルト11を用いて取付ける際に現場の状況に対応させて選択した締付け孔10,10A,10B中の一つのものに対応する一対のもの8,8又は8A,8A又は8B,8Bを選択し、機器Bに突設した前記掛止金具4の掛止部片7,7を掛止させ、次いで、補助金具2の挿通口9,9´、バンド3を通して電柱Dに締付けて機器Bの装柱作業を終えるのである。
【0015】
この装柱作業中、受支部片1bの前面1b´が歩道に対して、例えば直交する位置に配するようにして支持金具1をバンド3を用いて装柱し、電柱Dからの歩道側又は車道側に対する機器Bの突出量を見計らって、3組の掛止切欠8,8、8A,8A、8B,8Bより一組のものを選択し、かつ、該一組のものに対応する締付け孔10,10A,10B中から選んだ一つのものに締付けボルト5を貫通させ、その先端をねじ孔に螺合して機器Bに補助金具2を締付けるようにするのである。
【0016】
実施例の場合は、例えば、図5において一組の掛止切欠8,8(組付け孔10が対応)が車道側に偏した位置にあるとしたときは、他の一組の掛止切欠8B,8B(組付け孔10Bが対応)は歩道側に偏して位置することになり、これらの間に介在するもう一組の掛止切欠8A,8A(組付け孔10Aが対応)は、他の組の掛止組8,8と8B,8Bとの間、相対的には前記歩道側と車道側の中間に位置するように配せられることになるが、実施例の態様に限定する必要はない。
【0017】
いずれにしても、現場において歩道や道路等によって基準とした方向に対して直交する方向に位置調整を行って機器Bの装柱を行うことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】正面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】柱を省略して示した図1のx−x線断面図。
【図4】機器受金具と掛止金具の関係を示す拡大平面図。
【図5】図4の正面図。
【図6】機器受金具の斜視図。
【図7】補助金具の斜視図。
【図8】掛止金具の斜視図。
【符号の説明】
【0019】
1 支持金具
2 補助金具
2a 金具基枠
2b 取付け部片
2a´ 中央部片
4 掛止金具
5 締付けボルト
7 掛止部片
8,8A,8B 掛止切欠
10,10A,10B 組付け孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電柱の周側に突設した機器支持金具の受支部片の上端に、機器の上部側に突設した掛止金具の一対の掛止部片をそれぞれ掛止する、一対一組の掛止切欠を複数組横方向に並設し、前記機器の下部に取付け部片を取付けて先端の弧状の部片を電柱の前記周側に当てる補助金具の前記取付け部片には前記各組の掛止切欠に対応する組付孔をそれぞれ設け、所望の該組付孔を通じて螺合する、前記基部片の締付け用ボルトのねじ孔を機器の前記下部に設けた、信号灯器の制御函等機器の装柱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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