説明

信号生成回路および試験装置

【課題】試験電圧信号の傾きを容易に調整できる信号生成回路を提供する。
【解決手段】信号生成回路100は、電源装置200を試験するための試験電圧信号Vtestを生成する。信号生成回路は、傾き制御信号生成部13と、積分器14と、信号制限部15と、を備える。制御信号生成部は、基準電圧と傾き制御電圧SLとの間でステップ状に変化する傾き制御信号VSLを生成する。積分器は、傾き制御信号を積分した積分信号Vintを出力する。信号制限部は、積分信号の最大値と最小値を制限し、この制限された信号に基づいて試験電圧信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号生成回路および試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DC−DCコンバータ等の電源装置を試験する試験装置が知られている。試験対象の電源装置は、入力端子に入力された入力電圧を降圧又は昇圧して、出力端子から一定の出力電圧を出力するものである。
【0003】
この試験装置は、電源装置への入力電圧が変化した場合における電源装置からの出力電圧の瞬間的な変動を試験する。試験装置は、信号生成回路と、電源制御回路と、電子負荷と、出力電圧判定部とを備えている。信号生成回路は、下限電圧(例えば0V)から上限電圧(例えば10V)へ又は上限電圧から下限電圧へ所定の傾きで変化する試験電圧信号を生成して、電源制御回路に供給する。電源制御回路は、試験電圧信号を定数倍して、入力電圧(例えば0〜80V)として電源装置に供給する。電子負荷は、電源装置の出力端子から予め定められた大きさの電流を引き込む。出力電圧判定部は、電源装置の出力端子から出力された出力電圧の変動の大きさが基準値以下か判定する。
【0004】
また、この試験装置は、電源装置からの出力電流が変化した場合における電源装置からの出力電圧の瞬間的な変動を試験することもできる。この場合、電源制御回路は入力電圧として一定の電圧を電源装置に供給する。信号生成回路は、所定の傾きで変化する試験電圧信号を生成して、電子負荷の電子負荷制御回路に供給する。これにより、電子負荷は、電源装置の出力端子から、試験電圧信号に応じた電流(例えば0〜10A)を引き込むように制御される。出力電圧判定部は、電源装置の出力端子から出力された出力電圧の変動の大きさが基準値以下か判定する。
【0005】
なお、上記試験装置に関連して、例えば、特許文献1に記載されている試験装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平05−126887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した試験において、試験対象である電源装置の特性に応じて、試験電圧信号を指定された傾きに調整することが求められている。しかしながら、従来の信号生成回路は、D/AコンバータでD/A変換された電圧を試験電圧信号として出力しているため、このD/A変換された電圧の立ち上がり時間によって試験電圧信号の傾きが決定されている。そのため、試験電圧信号の傾きを容易に調整できないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、試験電圧信号の傾きを容易に調整できる信号生成回路および試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る実施例に従った信号生成回路は、
電源装置を試験するための試験電圧信号を生成する信号生成回路であって、
基準電圧と傾き制御電圧との間でステップ状に変化する傾き制御信号を生成する傾き制御信号生成部と、
前記傾き制御信号を積分した積分信号を出力する積分器と、
前記積分信号の最大値と最小値を制限し、この制限された信号に基づいて前記試験電圧信号を出力する、信号制限部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記信号生成回路において、
第1極性の上限電圧を生成する上限電圧生成部と、
第1極性の下限電圧を生成する下限電圧生成部と、をさらに備え、
前記傾き制御電圧は第1極性を有し、前記積分信号は第1極性とは逆の第2極性を有し、
前記信号制限部は、
前記積分信号と前記上限電圧とを加算した第1加算結果が第2極性の場合に、前記第1加算結果の極性を反転して第1加算信号として出力し、前記第1加算結果が第1極性の場合に前記基準電圧を前記第1加算信号として出力する、第1加算器と、
前記積分信号と前記下限電圧とを加算した第2加算結果が第1極性の場合に、前記第2加算結果の極性を反転して第2加算信号として出力し、前記第2加算結果が第2極性の場合に前記基準電圧を前記第2加算信号として出力する、第2加算器と、
前記積分信号と、前記第1加算信号と、前記第2加算信号とを加算した第3加算結果に基づいて前記試験電圧信号を出力する第3加算器と、を有してもよい。
【0011】
上記信号生成回路において、
前記第1極性は正極性であり、前記第2極性は負極性であってもよい。
【0012】
上記信号生成回路において、
前記積分器は、
前記傾き制御信号が一端に加えられる可変抵抗と、
前記可変抵抗の他端が反転入力端子に接続され、前記基準電圧が非反転入力端子に加えられ、前記積分信号を出力端子から出力する、第1演算増幅器と、
前記第1演算増幅器の前記反転入力端子と前記出力端子との間に接続された可変容量と、を有してもよい。
【0013】
上記信号生成回路において、
前記第1加算器は、
前記積分信号が一端に加えられる第1抵抗と、
前記上限電圧が一端に加えられる第2抵抗と、
前記第1抵抗の他端と前記第2抵抗の他端とが反転入力端子に接続され、前記基準電圧が非反転入力端子に加えられる、第2演算増幅器と、
アノードが前記第2演算増幅器の前記反転入力端子に接続され、カソードが前記第2演算増幅器の前記出力端子に接続された、第1ダイオードと、
アノードが前記第2演算増幅器の前記出力端子に接続され、前記第1加算信号をカソードから出力する、第2ダイオードと、
前記第2ダイオードの前記カソードと前記第2演算増幅器の前記反転入力端子との間に接続された第3抵抗と、を有してもよい。
【0014】
上記信号生成回路において、
前記第2加算器は、
前記積分信号が一端に加えられる第4抵抗と、
前記下限電圧が一端に加えられる第5抵抗と、
前記第4抵抗の他端と前記第5抵抗の他端とが反転入力端子に接続され、前記基準電圧が非反転入力端子に加えられる、第3演算増幅器と、
カソードが前記第3演算増幅器の前記反転入力端子に接続され、アノードが前記第3演算増幅器の前記出力端子に接続された、第3ダイオードと、
カソードが前記第3演算増幅器の前記出力端子に接続され、前記第2加算信号をアノードから出力する、第4ダイオードと、
前記第4ダイオードの前記アノードと前記第3演算増幅器の前記反転入力端子との間に接続された第6抵抗と、を有してもよい。
【0015】
上記信号生成回路において、
前記第3加算器は、
前記積分信号が一端に加えられる第7抵抗と、
前記第1加算信号が一端に加えられる第8抵抗と、
前記第2加算信号が一端に加えられる第9抵抗と、
前記第7抵抗、前記第8抵抗および前記第9抵抗の他端が反転入力端子に接続され、前記基準電圧が非反転入力端子に加えられ、前記試験電圧信号を出力端子から出力する、第4演算増幅器と、
前記第4演算増幅器の前記反転入力端子と前記出力端子との間に接続された第10抵抗と、を有してもよい。
【0016】
上記信号生成回路において、
前記上限電圧生成部と、前記下限電圧生成部と、前記傾き制御信号生成部は、D/Aコンバータであってもよい。
【0017】
上記信号生成回路において、
前記第1抵抗と、前記第2抵抗と、前記第3抵抗は、同一の抵抗値を有してもよい。
【0018】
上記信号生成回路において、
前記第4抵抗と、前記第5抵抗と、前記第6抵抗は、同一の抵抗値を有してもよい。
【0019】
上記信号生成回路において、
前記第7抵抗と、前記第8抵抗と、前記第9抵抗と、前記第10抵抗は、同一の抵抗値を有してもよい。
【0020】
本発明の一態様に係る実施例に従った試験装置は、
入力端子に入力された入力電圧に基づいて出力端子から一定の出力電圧を出力する電源装置を試験する試験装置であって、
上記信号生成回路と、
前記信号生成回路から出力された前記試験電圧信号を定数倍して、前記入力電圧として前記電源装置に供給する電源制御回路と、
前記電源装置の前記出力端子から予め定められた大きさの電流を引き込む電子負荷と、
前記電源装置から出力された前記出力電圧の変動の大きさが基準値以下であるか判定する出力電圧判定部と、を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様に係る実施例に従った試験装置は、
入力端子に入力された入力電圧に基づいて出力端子から一定の出力電圧を出力する電源装置を試験する試験装置であって、
前記入力電圧として一定の電圧を前記電源装置に供給する電源制御回路と、
上記信号生成回路と、
前記電源装置の前記出力端子から、前記信号生成回路から出力された前記試験電圧信号に応じた電流を引き込む電子負荷と、
前記電源装置から出力された前記出力電圧の変動の大きさが基準値以下であるか判定する出力電圧判定部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様に係る信号生成回路によれば、基準電圧と傾き制御電圧との間でステップ状に変化する傾き制御信号を生成して、この傾き制御信号を積分することで、傾き制御電圧と積分器の抵抗値と容量値とに応じた傾きを有する積分信号を出力するようにしている。その上で、積分信号の最大値と最小値を制限し、この制限された信号に基づいて試験電圧信号を出力するようにしている。従って、傾き制御電圧と積分器の抵抗値と容量値とを調整することで、試験電圧信号の傾きを容易に調整できる。さらに、試験電圧信号の最大値と最小値も任意の値に設定できる。
【0023】
以上より、電源装置の試験を様々な条件で容易に行うことができるので、電源装置の良/不良を適切に判別できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る信号生成回路のブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施例1に係る信号生成回路の回路図である。
【図3】図3は、本発明の実施例1に係る信号生成回路の波形図である。
【図4】図4は、本発明の実施例2に係る試験装置と電源装置のブロック図である。
【図5】図5は、本発明の実施例2に係る試験装置における入力電圧と出力電圧の波形図である。
【図6】図6は、本発明の実施例3に係る試験装置と電源装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る各実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明の実施例1に係る信号生成回路100のブロック図である。図1に示すように、信号生成回路100は、第1D/Aコンバータ(上限電圧生成部)11と、第2D/Aコンバータ(下限電圧生成部)12と、第3D/Aコンバータ(傾き制御信号生成部)13と、傾き制御回路(積分器)14と、信号制限部15と、を備える。信号制限部15は、第1加算器16と、第2加算器17と、第3加算器18と、を有する。
【0027】
第1D/Aコンバータ11は、入力された上限電圧設定信号SULをD/A変換して、正極性(第1極性)の上限電圧VULを生成する。
【0028】
第2D/Aコンバータ12は、入力された下限電圧設定信号SLLをD/A変換して、正極性の下限電圧VLLを生成する。
【0029】
第3D/Aコンバータ13は、入力された傾き設定信号SSLをD/A変換して、基準電圧と傾き制御電圧SLとの間でステップ状に変化する傾き制御信号VSLを生成する。以下、本実施例では、基準電圧は0V(接地電圧)であるとする。また、傾き制御電圧SLは正極性を有する。
【0030】
傾き制御回路14は、傾き制御信号VSLを積分した積分信号Vintを出力する。積分信号Vintは負極性(第2極性)を有する。
【0031】
信号制限部15は、積分信号Vintの最大値と最小値を制限し、この制限された信号に基づいて試験電圧信号Vtestを出力する。
【0032】
本実施例では、信号制限部15は次のように構成されている。第1加算器16は、積分信号Vintと上限電圧VULとを加算した第1加算結果(Vint+VUL)が負極性の場合に、第1加算結果(Vint+VUL)の極性を反転して第1加算信号Va1として出力する。即ち、この場合には第1加算結果の絶対値を出力する。一方、第1加算器16は、第1加算結果(Vint+VUL)が正極性の場合に基準電圧を第1加算信号Va1として出力する。
【0033】
第2加算器17は、積分信号Vintと下限電圧VLLとを加算した第2加算結果(Vint+VLL)が正極性の場合に、第2加算結果(Vint+VLL)の極性を反転して第2加算信号Va2として出力する。一方、第2加算器17は、第2加算結果(Vint+VLL)が負極性の場合に基準電圧を第2加算信号Va2として出力する。
【0034】
第3加算器18は、積分信号Vintと、第1加算信号Va1と、第2加算信号Va2とを加算した第3加算結果(Vint+Va1+Va2)の極性を反転して試験電圧信号Vtestを出力する。
【0035】
つまり、信号制限部15は、負極性の積分信号Vintの最大値を、下限電圧VLLの極性を反転した値に制限すると共に、積分信号Vintの最小値を、上限電圧VULの極性を反転した値に制限し、この制限された信号(第3加算結果(Vint+Va1+Va2))の極性を反転して試験電圧信号Vtestを出力する。
【0036】
このようにして、信号生成回路100は、図示しない電源装置を試験するための試験電圧信号Vtestを生成する。信号生成回路100のより詳細な動作については、後述する。
【0037】
次に、本実施例における信号生成回路100の具体的な回路構成の一例について説明する。図2は、本発明の実施例1に係る信号生成回路100の回路図である。図2は、傾き制御回路14、第1加算器16、第2加算器17および第3加算器18の具体的な回路構成を示している。
【0038】
傾き制御回路14は、レンジ切り替え抵抗(可変抵抗)RVと、第1演算増幅器OP1と、レンジ切り替え容量(可変容量)CVと、を有する。
【0039】
レンジ切り替え抵抗RVの一端には、第3D/Aコンバータ13から出力された傾き制御信号VSLが加えられる。第1演算増幅器OP1は、レンジ切り替え抵抗RVの他端が反転入力端子(−)に接続され、基準電圧が非反転入力端子(+)に加えられ、積分信号Vintを出力端子から出力する。レンジ切り替え容量CVは、第1演算増幅器OP1の反転入力端子(−)と出力端子との間に接続されている。即ち、傾き制御回路14は積分回路として構成されている。
【0040】
レンジ切り替え抵抗RVは、抵抗RV1,RV2,RV3と、スイッチSW1、SW2,SW3と、を有する。抵抗RV1とスイッチSW1は直列に接続され、抵抗RV2とスイッチSW2は直列に接続され、抵抗RV3とスイッチSW3は直列に接続されている。抵抗RV1,RV2,RV3のスイッチSW1、SW2,SW3に接続されていない3つの端子は互いに接続されて、レンジ切り替え抵抗RVの一端となっている。スイッチSW1、SW2,SW3の抵抗RV1,RV2,RV3に接続されていない3つの端子は互いに接続されて、レンジ切り替え抵抗RVの他端となっている。例えば、抵抗RV1は1kΩ、抵抗RV2は10kΩ、抵抗RV3は100kΩである。
【0041】
レンジ切り替え容量CVは、容量CV1,CV2と、スイッチSW4と、を有する。容量CV1は、第1演算増幅器OP1の反転入力端子(−)と出力端子との間に接続されている。容量CV2とスイッチSW4は、第1演算増幅器OP1の反転入力端子(−)と出力端子との間に、直列に接続されている。例えば、容量CV1は100pF、容量CV2は0.01μFである。
【0042】
第1加算器16は、第1抵抗R1と、第2抵抗R2と、第2演算増幅器OP2と、第1ダイオードD1と、第2ダイオードD2と、第3抵抗R3と、を有する。
【0043】
第1抵抗R1の一端には、傾き制御回路14から出力された積分信号Vintが加えられる。第2抵抗R2の一端には、第1D/Aコンバータ11から出力された上限電圧VULが加えられる。第2演算増幅器OP2は、第1抵抗R1の他端と第2抵抗R2の他端とが反転入力端子(−)に接続され、基準電圧が非反転入力端子(+)に加えられる。
【0044】
第1ダイオードD1は、アノードが第2演算増幅器OP2の反転入力端子(−)に接続され、カソードが第2演算増幅器OP2の出力端子に接続されている。第2ダイオードD2は、アノードが第2演算増幅器OP2の出力端子に接続され、第1加算信号Va1をカソードから出力する。
【0045】
第3抵抗R3は、第2ダイオードD2のカソードと第2演算増幅器OP2の反転入力端子(−)との間に接続されている。例えば、第1抵抗R1、第2抵抗R2および第3抵抗R3は、同一の抵抗値を有している。
【0046】
第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2により、第1加算器16は、前述のように第1加算信号Va1として基準電圧以上を出力し、負電圧を出力しないように構成されている。
【0047】
第2加算器17は、第4抵抗R4と、第5抵抗R5と、第3演算増幅器OP3と、第3ダイオードD3と、第4ダイオードD4と、第6抵抗R6と、を有する。
【0048】
第4抵抗R4の一端には、傾き制御回路14から出力された積分信号Vintが加えられる。第5抵抗R5の一端には、第2D/Aコンバータ12から出力された下限電圧VLLが加えられる。第3演算増幅器OP3は、第4抵抗R4の他端と第5抵抗R5の他端とが反転入力端子(−)に接続され、基準電圧が非反転入力端子(+)に加えられる。
【0049】
第3ダイオードD3は、カソードが第3演算増幅器OP3の反転入力端子(−)に接続され、アノードが第3演算増幅器OP3の出力端子に接続されている。第4ダイオードD4は、カソードが第3演算増幅器OP3の出力端子に接続され、第2加算信号Va2をアノードから出力する。
【0050】
第6抵抗R6は、第4ダイオードD4のアノードと第3演算増幅器OP3の反転入力端子(−)との間に接続されている。例えば、第4抵抗R4、第5抵抗R5および第6抵抗R6は、同一の抵抗値を有している。
【0051】
第3ダイオードD3及び第4ダイオードD4により、第2加算器17は、前述のように第2加算信号Va2として基準電圧以下を出力し、正電圧を出力しないように構成されている。
【0052】
第3加算器18は、第7抵抗R7と、第8抵抗R8と、第9抵抗R9と、第4演算増幅器OP4と、第10抵抗R10と、を有する。
【0053】
第7抵抗R7の一端には、傾き制御回路14から出力された積分信号Vintが加えられる。第8抵抗R8の一端には、第1加算器16から出力された第1加算信号Va1が加えられる。第9抵抗R9の一端には、第2加算器17から出力された第2加算信号Va2が加えられる。第4演算増幅器OP4は、第7抵抗R7、第8抵抗R8および第9抵抗R9の他端が反転入力端子(−)に接続され、基準電圧が非反転入力端子(+)に加えられ、試験電圧信号Vtestを出力端子から出力する。
【0054】
第10抵抗R10は、第4演算増幅器OP4の反転入力端子(−)と出力端子との間に接続されている。例えば、第7抵抗R7、第8抵抗R8、第9抵抗R9および第10抵抗R10は、同一の抵抗値を有している。
【0055】
次に、図3の波形図を参照して、信号生成回路100の動作をより詳細に説明する。図3は、本発明の実施例1に係る信号生成回路100の波形図である。
【0056】
(1)時刻t1以前
時刻t1以前の初期状態では、第1D/Aコンバータ11、第2D/Aコンバータ12及び第3D/Aコンバータ13が0Vを出力するように、上限電圧設定信号SUL、下限電圧設定信号SLL及び傾き設定信号SSLが設定されている。これにより、傾き制御信号VSL、積分信号Vint、上限電圧VUL、第1加算信号Va1、下限電圧VLL、第2加算信号Va2および試験電圧信号Vtestは0Vとなっている。
【0057】
(2)時刻t1から時刻t2
時刻t1において、第3D/Aコンバータ13が傾き制御電圧SLを出力するように、傾き設定信号SSLが設定される。これにより、時刻t1において、傾き制御信号VSLは、0Vから傾き制御電圧SLにステップ状に変化する。この傾き制御信号VSLのステップ状の変化によって、積分信号Vintは、所定の傾きで0Vから負電圧に低下していく。この傾きは、次の様に決定される。
【0058】
ここでは、積分信号Vintの電圧をVとして、変化時間をTとして、レンジ切り替え抵抗RVからレンジ切り替え容量CVに流れる電流をIとして、レンジ切り替え容量CVの容量値をCとして、レンジ切り替え抵抗RVの抵抗値をRとする。
【0059】
レンジ切り替え容量CVにおける電荷の関係式から、次の式(1)が得られる。
C・V=I・T、つまり、V/T=I/C (1)
【0060】
また、レンジ切り替え抵抗RVに流れる電流Iは次の式(2)で表すことができる。
I=SL/R (2)
【0061】
以上の式(1)と式(2)から、積分信号Vintの傾きであるV/Tは、次の式(3)で表すことができる。
V/T=傾き制御電圧SL/レンジ切り替え抵抗RVの抵抗値R/レンジ切り替え容量CVの容量値C (3)
【0062】
即ち、積分信号Vintの傾きは、傾き制御電圧SLを決定する傾き設定信号SSLと、レンジ切り替え抵抗RVの抵抗値Rと、レンジ切り替え容量CVの容量値Cと、によって任意の値に設定できる。予め、レンジ切り替え抵抗RVの抵抗値RはスイッチSW1、SW2,SW3のオン/オフによって設定しておき、レンジ切り替え容量CVの容量値CはスイッチSW4のオン/オフによって設定しておく。
【0063】
これに加え、時刻t1において、第1D/Aコンバータ11からの上限電圧VULが電圧ULとなるように、上限電圧設定信号SULが設定される。ここでは、電圧UL<電圧SLである。
【0064】
上述した所定の傾きで0Vから低下していく積分信号Vintは、時刻t2において、電圧−ULに達する。
【0065】
つまり、時刻t1から時刻t2では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、正極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として0Vを出力する。
【0066】
また、時刻t1から時刻t2では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=0V)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、負極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として0Vを出力する。
【0067】
よって、時刻t1から時刻t2では、積分信号Vintと、第1加算信号Va1と、第2加算信号Va2とを加算した第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は、積分信号Vintに等しくなる。従って、第3加算器18は、積分信号Vintを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、試験電圧信号Vtestは、時刻t1から所定の傾きで増加して、時刻t2で電圧ULに達する。
【0068】
(3)時刻t2から時刻t3
積分信号Vintは、時刻t1から時刻t2までと同一の傾きで電圧−ULから更に低下していく。そして、積分信号Vintは、時刻t3において電圧−SLに達する。
【0069】
つまり、時刻t2から時刻t3では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、負極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として−(Vint+VUL)を出力する。
【0070】
また、時刻t2から時刻t3では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=0V)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、負極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として0Vを出力する。
【0071】
よって、時刻t2から時刻t3では、第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は電圧−ULになる。従って、第3加算器18は、電圧−ULを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、試験電圧信号Vtestは、時刻t2から時刻t3まで電圧ULである。
【0072】
(4)時刻t3から時刻t4
傾き制御信号VSLが一定の傾き制御電圧SLであるため、積分信号Vintは一定の電圧−SLである。
【0073】
つまり、時刻t3から時刻t4では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、負極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として−(Vint+VUL)=SL−ULを出力する。
【0074】
時刻t3から時刻t4の間において、第2D/Aコンバータ12からの下限電圧VLLが電圧LLとなるように、下限電圧設定信号SLLが設定される。電圧LL<電圧UL<電圧SLである。
【0075】
時刻t3から時刻t4では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=0V又は電圧LL)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、負極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として0Vを出力する。
【0076】
よって、時刻t3から時刻t4では、第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は電圧−ULになる。従って、第3加算器18は、電圧−ULを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、試験電圧信号Vtestは、時刻t3から時刻t4まで電圧ULである。
【0077】
(5)時刻t4から時刻t5
時刻t4において、第3D/Aコンバータ13が電圧0Vを出力するように、傾き設定信号SSLが設定される。これにより、時刻t4において、傾き制御信号VSLは、傾き制御電圧SLから0Vにステップ状に変化する。
【0078】
傾き制御信号VSLのステップ状の変化によって、積分信号Vintは、所定の傾きで電圧−SLから0Vに増加していく。この傾きの絶対値は、時刻t1から時刻t3までの傾きの絶対値と同一である。そして、積分信号Vintは、時刻t5において電圧−ULに達する。
【0079】
つまり、時刻t4から時刻t5では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、負極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として−(Vint+VUL)を出力する。
【0080】
また、時刻t4から時刻t5では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=LL)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、負極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として0Vを出力する。
【0081】
よって、時刻t4から時刻t5では、第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は電圧−ULになる。従って、第3加算器18は、電圧−ULを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、試験電圧信号Vtestは、時刻t2から時刻t3まで電圧ULである。
【0082】
(6)時刻t5から時刻t6
積分信号Vintは、時刻t4から時刻t5までと同一の傾きで電圧−ULから更に増加していき、時刻t6において電圧−LLに達する。
【0083】
つまり、時刻t5から時刻t6では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、正極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として0Vを出力する。
【0084】
また、時刻t5から時刻t6では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=LL)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、負極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として0Vを出力する。
【0085】
よって、時刻t5から時刻t6では、第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は積分信号Vintに等しくなる。従って、第3加算器18は、積分信号Vintを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、試験電圧信号Vtestは、時刻t5から所定の傾きで低下して、時刻t6で電圧LLに達する。
【0086】
(7)時刻t6から時刻t7
積分信号Vintは、時刻t4から時刻t6までと同一の傾きで電圧−LLから更に増加して、時刻t7において0Vに達する。
【0087】
つまり、時刻t6から時刻t7では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、正極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として0Vを出力する。
【0088】
また、時刻t6から時刻t7では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=LL)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、正極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として−(Vint+VLL)を出力する。
【0089】
よって、時刻t6から時刻t7では、第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は電圧−LLになる。従って、第3加算器18は、電圧−LLを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、試験電圧信号Vtestは、時刻t6から時刻t7まで電圧LLである。
【0090】
(8)時刻t7以降
傾き制御信号VSLが一定の0Vであるため、積分信号Vintは0Vである。つまり、時刻t7以降では、積分信号Vintと上限電圧VUL(=UL)とを加算した第1加算結果(Vint+VUL)は、正極性である。従って、第1加算器16は、第1加算信号Va1として0Vを出力する。
【0091】
また、時刻t7以降では、積分信号Vintと下限電圧VLL(=LL)とを加算した第2加算結果(Vint+VLL)は、正極性である。従って、第2加算器17は、第2加算信号Va2として−(Vint+VLL)=−LLを出力する。
【0092】
よって、時刻t7以降では、第3加算結果(Vint+Va1+Va2)は電圧−LLになる。従って、第3加算器18は、電圧−LLを反転した試験電圧信号Vtestを出力する。即ち、時刻t7以降、試験電圧信号Vtestは電圧LLである。
【0093】
このように、試験電圧信号Vtestは、時刻t1以前では下限電圧VLL(=0V)であり、時刻t1からt2では正の傾きで増加し、時刻t2から時刻t5では上限電圧VUL(=UL)であり、時刻t5からt6では負の傾きで低下し、時刻t6以降では下限電圧VLL(=LL)である。
【0094】
以上で説明した様に、本実施例の信号生成回路100によれば、基準電圧(0V)と傾き制御電圧SLとの間でステップ状に変化する傾き制御信号VSLを生成して、この傾き制御信号VSLを積分することで、傾き制御電圧SLと、傾き制御回路14のレンジ切り替え抵抗RVの抵抗値Rと、レンジ切り替え容量CVの容量値Cと、に応じた傾きを有する積分信号Vintを出力するようにしている。その上で、積分信号Vintの最大値と最小値を制限し、この制限された信号(第1加算信号Va1+第2加算信号Va2+積分信号Vint)を反転して試験電圧信号Vtestを出力するようにしている。従って、傾き制御電圧SLと傾き制御回路14の抵抗値Rと容量値Cとを調整することで、試験電圧信号Vtestの傾きを容易に調整できる。さらに、試験電圧信号Vtestの最大値と最小値も任意の値に設定できる。
【実施例2】
【0095】
次に、上述した実施例1の信号生成回路100を用いて電源装置200を試験する試験装置110について説明する。
【0096】
図4は、本発明の実施例2に係る試験装置110と電源装置200のブロック図である。図4に示すように、試験装置110は、上述した信号生成回路100と、電源制御回路101と、電子負荷102と、出力電圧判定部103と、を備える。
【0097】
電源制御回路101は、信号生成回路100から出力された試験電圧信号Vtestを定数倍して、入力電圧Vinとして電源装置200に供給する。
【0098】
試験対象である電源装置200は、入力端子に入力された入力電圧Vinを降圧または昇圧して出力端子から一定の出力電圧Voutを出力するものであり、例えば、DC−DCコンバータ等である。
【0099】
電子負荷102は、電源装置200の出力端子から予め定められた大きさの電流Ioutを引き込む。
【0100】
出力電圧判定部103は、電源装置200から出力された出力電圧Voutの変動の大きさが基準値以下であるか判定する。
【0101】
実施例1で説明したように、信号生成回路100において、傾き制御電圧SLと、レンジ切り替え抵抗RVの抵抗値Rと、レンジ切り替え容量CVの容量値Cと、を調整することで、試験電圧信号Vtestの傾きを容易に調整できる。さらに、試験電圧信号Vtestの最大値と最小値も任意の値に設定できる。よって、一例として、入力電圧Vinを、0Vから10Vの範囲の任意の2電圧間で、20μs以上の任意の時間で変化させることができる。
【0102】
これにより、電源制御回路101から出力される入力電圧Vinを、例えば、0Vから80Vの範囲の任意の2電圧間で、20μs以上の任意の時間で変化させることができる。
【0103】
図5は、本発明の実施例2に係る試験装置110における入力電圧Vinと出力電圧Voutの波形図である。図5に示すように、例えば、入力電圧Vinが10Vから20Vに100μsで変化した場合、電源装置200から出力される出力電圧Voutは、この100μsの期間内において変動する。この出力電圧Voutの変動が基準値以下であれば、電源装置200を良と判定できる。また、この出力電圧Voutの変動が基準値より大きければ、電源装置200を不良と判定できる。
【0104】
以上で説明した様に、本実施例によれば、電源装置200への入力電圧Vinが変化した場合における電源装置200からの出力電圧Voutの瞬間的な変動を試験することができる。
【0105】
また、信号生成回路100から出力される試験電圧信号Vtestの傾き、最大値および最小値を変更することで、様々な条件の入力電圧Vinを用いて電源装置200の試験を容易に行うことができるので、電源装置200の良/不良を適切に判別できる。
【実施例3】
【0106】
次に、上述した実施例1の信号生成回路100を用いて電源装置200を試験する他の試験装置120について説明する。
【0107】
図6は、本発明の実施例3に係る試験装置120のブロック図である。図6に示すように、試験装置120は、上述した信号生成回路100と、電源制御回路101と、電子負荷102と、出力電圧判定部103と、を備える。電子負荷102は、電子負荷制御回路102aを有する。
【0108】
電源制御回路101は、一定の入力電圧Vinを電源装置200に供給する。
【0109】
電子負荷制御回路102aは、信号生成回路100から出力された試験電圧信号Vtestに応じて、電子負荷102が引き込む電流Ioutを制御する。電子負荷102は、電子負荷制御回路102aの制御に基づいて、電源装置200の出力端子から、試験電圧信号Vtestに応じた電流Ioutを引き込む。一例として、電子負荷102は、電流Ioutを、0Aから10Aの範囲の任意の2電流間で、200μs以上の任意の時間で変化させることができる。
【0110】
出力電圧判定部103は、実施例2と同様に、電源装置200から出力された出力電圧Voutの変動の大きさが基準値以下であるか判定する。
【0111】
本実施例によれば、電源装置200から流れ出る電流Ioutが所定の傾きで変化した場合における電源装置200からの出力電圧Voutの瞬間的な変動を試験することができる。
【0112】
また、実施例2と同様に、信号生成回路100から出力される試験電圧信号Vtestの傾き、最大値および最小値を変更することで、様々な条件の電流Ioutを用いて電源装置200の試験を容易に行うことができるので、電源装置200の良/不良を適切に判別できる。
【0113】
以上、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変形して実施することができる。
【0114】
例えば、上述した実施例1では、第1極性は正極性であり、第2極性は負極性であるとして説明したが、第1極性は負極性であり、第2極性は正極性であってもよい。この場合、各信号の極性が実施例1とは反転するように、傾き制御回路14、第1加算器16、第2加算器17および第3加算器18の回路構成を変更すればよい。
【符号の説明】
【0115】
11 第1D/Aコンバータ(上限電圧生成部)
12 第2D/Aコンバータ(下限電圧生成部)
13 第3D/Aコンバータ(傾き制御信号生成部)
14 傾き制御回路(積分器)
15 信号制限部
16 第1加算器
17 第2加算器
18 第3加算器
RV レンジ切り替え抵抗(可変抵抗)
CV レンジ切り替え容量(可変容量)
OP1 第1演算増幅器
OP2 第2演算増幅器
OP3 第3演算増幅器
OP4 第4演算増幅器
R1 第1抵抗
R2 第2抵抗
R3 第3抵抗
R4 第4抵抗
R5 第5抵抗
R6 第6抵抗
R7 第7抵抗
R8 第8抵抗
R9 第9抵抗
R10 第10抵抗
D1 第1ダイオード
D2 第2ダイオード
D3 第3ダイオード
D4 第4ダイオード
100 信号生成回路
101 電源制御回路
102 電子負荷
102a 電子負荷制御回路
103 出力電圧判定部
110,120 試験装置
200 電源装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源装置を試験するための試験電圧信号を生成する信号生成回路であって、
基準電圧と傾き制御電圧との間でステップ状に変化する傾き制御信号を生成する傾き制御信号生成部と、
前記傾き制御信号を積分した積分信号を出力する積分器と、
前記積分信号の最大値と最小値を制限し、この制限された信号に基づいて前記試験電圧信号を出力する、信号制限部と、を備える
ことを特徴とする信号生成回路。
【請求項2】
第1極性の上限電圧を生成する上限電圧生成部と、
第1極性の下限電圧を生成する下限電圧生成部と、をさらに備え、
前記傾き制御電圧は第1極性を有し、前記積分信号は第1極性とは逆の第2極性を有し、
前記信号制限部は、
前記積分信号と前記上限電圧とを加算した第1加算結果が第2極性の場合に、前記第1加算結果の極性を反転して第1加算信号として出力し、前記第1加算結果が第1極性の場合に前記基準電圧を前記第1加算信号として出力する、第1加算器と、
前記積分信号と前記下限電圧とを加算した第2加算結果が第1極性の場合に、前記第2加算結果の極性を反転して第2加算信号として出力し、前記第2加算結果が第2極性の場合に前記基準電圧を前記第2加算信号として出力する、第2加算器と、
前記積分信号と、前記第1加算信号と、前記第2加算信号とを加算した第3加算結果に基づいて前記試験電圧信号を出力する第3加算器と、を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号生成回路。
【請求項3】
前記第1極性は正極性であり、前記第2極性は負極性であることを特徴とする請求項2に記載の信号生成回路。
【請求項4】
前記積分器は、
前記傾き制御信号が一端に加えられる可変抵抗と、
前記可変抵抗の他端が反転入力端子に接続され、前記基準電圧が非反転入力端子に加えられ、前記積分信号を出力端子から出力する、第1演算増幅器と、
前記第1演算増幅器の前記反転入力端子と前記出力端子との間に接続された可変容量と、を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の信号生成回路。
【請求項5】
前記第1加算器は、
前記積分信号が一端に加えられる第1抵抗と、
前記上限電圧が一端に加えられる第2抵抗と、
前記第1抵抗の他端と前記第2抵抗の他端とが反転入力端子に接続され、前記基準電圧が非反転入力端子に加えられる、第2演算増幅器と、
アノードが前記第2演算増幅器の前記反転入力端子に接続され、カソードが前記第2演算増幅器の前記出力端子に接続された、第1ダイオードと、
アノードが前記第2演算増幅器の前記出力端子に接続され、前記第1加算信号をカソードから出力する、第2ダイオードと、
前記第2ダイオードの前記カソードと前記第2演算増幅器の前記反転入力端子との間に接続された第3抵抗と、を有する
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の信号生成回路。
【請求項6】
前記第2加算器は、
前記積分信号が一端に加えられる第4抵抗と、
前記下限電圧が一端に加えられる第5抵抗と、
前記第4抵抗の他端と前記第5抵抗の他端とが反転入力端子に接続され、前記基準電圧が非反転入力端子に加えられる、第3演算増幅器と、
カソードが前記第3演算増幅器の前記反転入力端子に接続され、アノードが前記第3演算増幅器の前記出力端子に接続された、第3ダイオードと、
カソードが前記第3演算増幅器の前記出力端子に接続され、前記第2加算信号をアノードから出力する、第4ダイオードと、
前記第4ダイオードの前記アノードと前記第3演算増幅器の前記反転入力端子との間に接続された第6抵抗と、を有する
ことを特徴とする請求項3から請求項5の何れかに記載の信号生成回路。
【請求項7】
前記第3加算器は、
前記積分信号が一端に加えられる第7抵抗と、
前記第1加算信号が一端に加えられる第8抵抗と、
前記第2加算信号が一端に加えられる第9抵抗と、
前記第7抵抗、前記第8抵抗および前記第9抵抗の他端が反転入力端子に接続され、前記基準電圧が非反転入力端子に加えられ、前記試験電圧信号を出力端子から出力する、第4演算増幅器と、
前記第4演算増幅器の前記反転入力端子と前記出力端子との間に接続された第10抵抗と、を有する
ことを特徴とする請求項3から請求項6の何れかに記載の信号生成回路。
【請求項8】
前記上限電圧生成部と、前記下限電圧生成部と、前記傾き制御信号生成部は、D/Aコンバータであることを特徴とする請求項2から請求項7の何れかに記載の信号生成回路。
【請求項9】
前記第1抵抗と、前記第2抵抗と、前記第3抵抗は、同一の抵抗値を有することを特徴とする請求項5に記載の信号生成回路。
【請求項10】
前記第4抵抗と、前記第5抵抗と、前記第6抵抗は、同一の抵抗値を有することを特徴とする請求項6に記載の信号生成回路。
【請求項11】
前記第7抵抗と、前記第8抵抗と、前記第9抵抗と、前記第10抵抗は、同一の抵抗値を有することを特徴とする請求項7に記載の信号生成回路。
【請求項12】
入力端子に入力された入力電圧に基づいて出力端子から一定の出力電圧を出力する電源装置を試験する試験装置であって、
請求項1から請求項11の何れかに記載の信号生成回路と、
前記信号生成回路から出力された前記試験電圧信号を定数倍して、前記入力電圧として前記電源装置に供給する電源制御回路と、
前記電源装置の前記出力端子から予め定められた大きさの電流を引き込む電子負荷と、
前記電源装置から出力された前記出力電圧の変動の大きさが基準値以下であるか判定する出力電圧判定部と、を備える
ことを特徴とする試験装置。
【請求項13】
入力端子に入力された入力電圧に基づいて出力端子から一定の出力電圧を出力する電源装置を試験する試験装置であって、
前記入力電圧として一定の電圧を前記電源装置に供給する電源制御回路と、
請求項1から請求項11の何れかに記載の信号生成回路と、
前記電源装置の前記出力端子から、前記信号生成回路から出力された前記試験電圧信号に応じた電流を引き込む電子負荷と、
前記電源装置から出力された前記出力電圧の変動の大きさが基準値以下であるか判定する出力電圧判定部と、を備える
ことを特徴とする試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−19840(P2013−19840A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154886(P2011−154886)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】