説明

修飾したメニンゴコッカスのポリサッカライドを結合したワクチン

【課題】グループBN.meningitidisや大腸菌K1により発生する髄膜炎を予防するワクチンの製造に有用な、ポリサッカライド誘導体の提供。
【解決手段】不飽和なアシル基(C3-4)で置換されたシアル酸残基を持つ、グループBN.meningitidis又は大腸菌K1のポリサッカライド。免疫学的に適切なタンパク質(破傷風菌の変性毒素、ジフテリアの変性毒素、CRM197およびメニンゴコッカスの外膜タンパク質等)と共有結合した、該不飽和なC2-4N-アシル誘導ポリサッカライドの複合体分子。さらに、天然ポリサッカライドと比較して免疫原性が高く交差反応する抗体の誘導が低い、該複合体分子を含むワクチン組成物。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の属する分野
本発明は、化学的に修飾した、Neisseria meningitidisのグループBのポリサッカライドに関する。また本発明は、各々修飾されたポリサッカライドがキャリアータンパク質に結合したものなどを含むワクチンも提供する。
【0002】
発明の背景
グループBN. meningitidisや大腸菌K1により発生する髄膜炎は、主要な世界的な健康的問題である。グループB髄膜炎は風土病としても発病するし、伝染性にも発病する。グループB髄膜炎は報告されたあらゆるメニンゴコッカス性髄膜炎の約半数を占めており、K1陽性大腸菌は新生児における髄膜炎を誘発する主要な原因である。現在グループBメニンゴコッカスおよび大腸菌K1により起こる病気に対するワクチンで、商業的に入手可能なものはない。これは、大部分が、グループBメニンゴコッカスのポリサッカライド(GBMP)がヒトでは免疫原性が弱いという事実によっている。天然のGBMPの低い免疫原性とそれによる免疫耐性は、ヒトと動物の組織で共通のエピトープがあるからだと仮定されてきた。近年、GBMPと外膜タンパク質との複合体に基づくワクチンが候補としていくつか報告されたが、依然としてヒトにおけるそれらの効果の明確な証拠はない。
【0003】
近年、合成され化学的に修飾された、(Nープロピオン酸化)グループBポリサッカライドタンパク質(N-Pr-GBMPタンパク質)複合体に基づくワクチンの新しい概念が開発された。このワクチンはマウスで、保護的であるだけでなく、非修飾GBMP(すなわちN-アセチル-GBMP)と交差反応する高い力値のIgG抗体を誘導する。この概念は米国特許第4,727,136号(Harold J. Jenningsら、1988年2月23日発行)に記載され請求されている。
【0004】
米国特許第4,727,136号に記載されているように、交差反応をする抗体を産生するワクチンのみが、免疫寛容の破壊を犠牲にして成功することができると推論されてきた。天然のN-Ac-GBMPおよびヒトと動物の組織において、α-(2-8)結合のシアル酸残基(少なくとも10残基は必要)の鎖を含む共通のエピトープが特定されたことから、この仮定は正当化されている(Jennings, Contrib. Microbiol. Immunol. Basel, Karger, 1989, vol. 10, 151-165)。これらのポリシアロシルル(polysialosyl)鎖は、発育抗原として機能し、大部分で胎児の神経細胞接着における胎児の状態に関連してきた(Finne et, al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 1983, 122, 482)。出生後の成熟の間、この抗原は発現が抑えられる(Friedlander, et al., J. Cell Biol. 1985, 101, 412)が、病気の筋肉の再生中の成熟したヒト(Cashman, et al., Ann. Neuron., 1987, 21, 481)や、腫瘍細胞(Roth, et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 1988, 85, 299)や、ナチュラルキラー(NK)細胞とCD3陽性T細胞(Husmann, et al., Eur. J. Immunol., 1989, 19, 1761)では発現している。これら胎児抗原に対する寛容の破壊の意義はまだ確立されていないが、ヒトのエピトープに対する免疫原性の低いワクチンを開発するためには望ましい。
【0005】
したがって、本発明の目的は、免疫原性がありなお宿主の天然のエピトープとの交差反応性が低下した抗体を誘導する、修飾したグループBメニンゴコッカスのポリサッカライドを開発することである。もう一つの目的は、これらの修飾されたポリサッカライドを含むポリサッカライド-タンパク質複合体を提供することである。本発明のもう一つの目的は、GBMPに対する交差反応性が実質的に低い、免疫原性の特徴のあるワクチンを提供することである。
【0006】
発明の概要
本発明は、一般的に化学的に修飾されたN. meningitidisのグループBポリサッカライドを提供する。本発明はまた、それぞれの修飾されたポリサッカライドがタンパク質キャリアーと結合したワクチンを提供する。
【0007】
特に本発明は、不飽和なN. meningitidisのグループBポリサッカライドのN-アシル誘導体、および不飽和N-アシル誘導ポリサッカライドがタンパク質に共有結合で結合した複合体、およびN. meningitidisの不飽和N-アシル誘導ポリサッカライドの複合体分子を含む薬剤組成物、およびこれら薬剤組成物のワクチンとしての使用を提供する。
【0008】
本発明の一面として、不飽和なアシル化群(C3-4)に置換した、シアル酸残基N-アセチル(C2)基を持つ、修飾された髄膜炎菌グループBポリサッカライドを提供するものである。
【0009】
もう一つの面として、本発明は、免疫学的に適切なタンパク質と結合した不飽和なC2-4 N-アシル誘導ポリサッカライドを含み、天然ポリサッカライドと比較して免疫原性が高く交差反応する抗体の誘導が低い、抗原性のある複合体を提供する。
【0010】
更なる面として、本発明は、適切な担体または希釈液と結合した、不飽和なN-アシル誘導体ポリサッカライドとタンパク質の複合体を含むワクチンを提供する。本発明のワクチンは、ヒトでの使用に適した療法的に有効な量のアジュバント、例えばリン酸アルミニウムや水酸化アルミニウムやステアリルチロシン、をも含みうる。
【0011】
更なる面として、N. meningitidisや大腸菌K1感染症に対して哺乳動物を免疫する方法を提供する。これは、そのような感染症に対してヒトを含む哺乳動物を対象に、免疫学的に有効な量の本発明のワクチンを非経口的に投与する方法を含む。本ワクチンは一般的に体重1kg 当たり約1〜50μg、例えば5〜25μgで投与する。
【0012】
更なる面として、本発明はグループBのN. meningitidisや大腸菌K1により起こる髄膜炎から保護することのできる血清やγグロブリン画分を提供する。その画分は、本研究のワクチンを哺乳動物へ免疫し、そして好ましくは免疫血清からγグロブリン画分を単離することで得られる。ついで上記の生物で起こった進行中の感染症から守るためもしくは治療のために、その画分を個体へ投与する。このことから、本発明の免疫原性ワクチン複合体が、GBMPに交差反応する抗体を最小限にしか誘導せずに、その好都合な免疫原性から治療に有効な抗血清の原料となりうるということは、高い評価が得られるだろう。本発明の複合体は、モノクローナル抗体および場合によっては抗イディオタイプ抗体を賛成するためにも有用であるだろう。
【0013】
上に参照したJenningsらの米国特許第4,727,136号に示すように、N-Pr-GBMP-タンパク質複合体により誘導される、殺菌力および保護力のある抗体のほとんどがGBMP交差反応性抗体とは無関係であることを我々は見いだした。実際、ほとんどの保護活性がGBMPに交差反応しないN-Pr-GBMP特異的抗体群に含まれている。この観点から、N-Pr-GBMPがグループBメニンゴコッカスの表面上にある独特の殺菌力のあるエピトープに似ていると考えられている。
【0014】
本発明は、殺菌効果のあるエピトープに似ていて、複合体型で高い免疫原性を示すだけでなくGBMPと交差反応する抗体を誘導することを実質的には避ける、化学的に修飾したGBMPを合成することができるという発見に基づいている。
【0015】
本発明に到達するまでに、他の化学的に修飾されたGBMPが合成され、それぞれタンパク質へ結合させ、その複合体をマウスへ注入し、その効果をN-Pr-GBMPタンパク質複合体による効果と比較した。驚くことに、N-アシル化における不飽和結合の存在により、特に免疫原性が高い複合体を生み出していることがこれまでにわかった。
【0016】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の発明の特別な態様の詳細な説明に示す研究によりさらによくわかるだろう。発明の範囲はこの文書に添付している請求項を介してのみ限定される。
【0017】
発明の詳細な説明
本発明は一般に、グループBのNeisseria meningitidisの新規な不飽和N-アシル誘導体ポリサッカライド、および新規なグループB不飽和N-アシル誘導体の複合体、グループBのNeisseria meningitidisの不飽和N-アシル誘導体ポリサッカライド断片が共有結合でタンパク質に結合した複合分子を含む薬剤組成物、およびこれら組成物のワクチンとしての使用を提供する。
【0018】
本発明は式中R1が少なくとも一つの二重結合を含むC2-C4不飽和アルキル基である、構造式Iに示すグループBのN. meningitidisの不飽和N-アシル誘導体ポリサッカライドに関する:
【0019】
【化1】

【0020】
本発明の一つの態様として、構造式1のR1は3個または4個の炭素と二つの隣接しない二重結合を持つ。
本発明のさらなる態様として、構造式1のR1は2個、3個または4個の炭素であり、そしてアシル化炭素から最も離れた炭素は二重結合で結合している。
【0021】
本発明で有効な、構造式1のグループBメニンゴコッカスの修飾したN-アシル誘導体ポリサッカライドの、特定の、しかし限定するものではない例としては、特例(限定された例ではない)は、下記のものを含む:
【0022】
【化2】

【0023】
および
【0024】
【化3】

【0025】
グループBメニンゴコッカスポリサッカライドは、当該技術分野で既知の方法によりN. meningitidisから単離する。一つのそのような方法では、グループBメニンゴコッカス(系統981B)は蒸留水1Lに対し30 g.の無水トッドヘウィットブロス(Todd Hewitt Broth)(Difco Laboratories、デトロイト、ミシガン)を用いて発酵槽で37℃で増殖させた。発酵槽での増殖の前に、凍結乾燥した系統ははじめにろうそく型の広口瓶で37℃で、5%(v/v)ヒツジ血液寒天(Difco Laboratories、デトロイト、ミシガン)プレートで増殖させた。そしてバクテリアをエーレンメイヤー(Erlenmeyer)フラスコ中の1 Lのトッドヘウィットブロス(上述)へ移し、37℃で7時間、190 r.p.m.で攪拌した。ついでこの接種原を発酵槽へ移した。16時間発酵槽で増殖させた後、最終濃度0.75%のホルマリンを加えることでバクテリアを殺した。連続的に遠心分離することでバクテリアを除き、その上清からグループBメニンゴコッカスのポリサッカライドを単離し、精製した。この方法は高温(50-60℃)のフェノールでなく低温(4℃)の90%フェノールで未処理のポリサッカライド溶液をかき回すことでタンパク質を抽出したこと以外は、Bundleら(J. Biol. Chem., 249, 4797-4801 (1974))に記載されている通りである。この後半の手順は、GBMPの高分子量型を産生することを保証している。
【0026】
大腸菌(018: K1: H7)(NRCC 4283)は、1 Lにつき37 gの無水ブレインハートインフィュージョン(Brain Heart Infusion;BHI)(Difco Laboratories、デトロイト、ミシガン)を含む蒸留水で37℃で発酵槽中で増殖させた。発酵槽で増殖させる前に、凍結乾燥した系統はエーレンメイヤーフラスコ中の50 mlの上記のBHI溶液で、37℃7時間、200 r.p.m.で攪拌し、増殖させた。ついでこの増殖したものを1.5 Lの上記のBHI溶液に移し、7時間、上と同じ条件で増殖させた。ついでこの接種原を発酵槽へ移した。
【0027】
この大腸菌K1の夾膜のポリサッカライドの単離、精製において使われた手順は、グループBメニンゴコッカスのポリサッカライドを単離するための上記の手順と全く同じであった。
【0028】
上記した単離・精製手順は有用でありうる唯一の手順であるというわけではなく、例えばWatsonら(J. Immunol., 81, 331 (1958))や先に言及した米国特許第4,727,136号に書いてあるその他の手順も利用可能であるということは高く評価されるであろう。
【0029】
天然のポリサッカライドは分子のシアル酸残基部位で反応性のアミンを提供するために脱N-アセチル化される。脱N-アセチル化は、知られているいずれかの方法、例えば塩基性水性培地で高い温度(例えば約90℃から110℃)で、約13から14のpHで行うことができる。塩基性水性培地は、例えば約2 Mの水酸化ナトリウムのように、水酸化アルカリ金属の水溶液が適切である。または、水溶液のヒドラジンも使用しうる。脱N-アセチル化の度合いは、条件により約30から100%の範囲をとりうる。約90から100%の脱N-アセチル化まで到達するのが好ましい。脱N-アセチル化産物は例えば冷却、中和、精製(もし望むのであれば)、凍結乾燥により回収させることができる。
【0030】
脱N-アセチル化の結果、大抵は平均分子量が約3,000から50,000ダルトンの範囲であるポリサッカライド断片を産生する。本発明の使用としては、断片または全長のポリサッカライドを使用することができる。
【0031】
ついで断片または全長の脱N-アセチル化ポリサッカライドはそれからN-アシル化され、対応するN-アシル化産物が産生される。脱N-アセチル化ポリサッカライドを約pH 7.5から9.0の水溶性緩衝培地に溶かし、ついで適切な不飽和アシル無水物を加え、随意に溶解度をあげるためにアルコールを加え、反応が完全になるまで10℃以下に冷やすことで、N-アシル化を行うことができる。もし望むなら、反応培地は精製できる。利用されうる精製方法の限定されない例として、透析した後に凍結乾燥させN-アシル化産物を回収させる方法がある。反応は実際には約10から20 時間のうちに完了する。典型的な例として1H nmrなどの分析技術で測ったN-アシル化の度合いは、少なくとも90%で、100%に近い方がより好ましい。N-アシル化反応により顕著な断片の分子量の減少は起こらない。
【0032】
本発明の複合体分子は、式中R2には不飽和C2-4アシル群である、構造式IIの構造を持つ:
【0033】
【化4】

【0034】
そのため複合体は本発明の不飽和ポリサッカライドを含む可能性があるし、またアクリロイル誘導体を含む可能性もある。
本発明によると、複合化の目的のため、平均分子量が約10から200シアル酸残基に相当するC2-4のN-アシル化物質を選ぶのが好ましい。このように、好ましい複合体はN-アクリロイル(2-プロペネオイル)誘導体である。これは一般的に、N-アシル化GBMPをウルトラゲル(商標)AcA 44カラム(ビーズ直径60-140 um)でPBSで溶出するゲル濾過により達成する。または、適切な大きさの膜も用いることができる。
【0035】
平均分子量が30,000から40,000ダルトン、例えば10,000から15,000ダルトンの不飽和N-アシル化物質が、本発明のために用いることが好ましい。これは、その平均分子量の範囲のN-アシル化GBMP物質を含む、カラムの溶出画分を集めることにより得る。より大きい平均分子量、例えば30,000から40,000ダルトンの範囲のN-アシル化物質も、本発明によって有用であることが証明された。
【0036】
本発明の複合体分子の、タンパク質に対するポリサッカライドのモル比は、1モルのタンパク質に対し20モルのポリサッカライドが好ましい。より好ましくは、比が1モルタンパク質に対し約2から15モルのポリサッカライドである。最も好ましくは、比が1モルタンパク質に対し約4から7モルのポリサッカライドである。タンパク質/ポリサッカライド比の多様性は、複合化反応における最初の組成物の割合を調整することで到達される可能性がある。
【0037】
タンパク質へ結合した不飽和N-アシル誘導体ポリサッカライドを含む複合体分子を提供することに加え、本発明は、様々な型のポリサッカライドが一つのタンパク質に結合しているような多価の複合体とそのワクチンをも企図している。
【0038】
本発明のワクチンは不飽和N-アシル化ポリサッカライドが免疫学的に適切なキャリアータンパク質に結合させることで産生される。好ましくはタンパク質キャリアー自身が免疫原である。バクテリアのタンパク質、または破傷風菌の変成毒素、ジフテリア変成毒素、交差反応性物質(CRMs)、好ましくはCRM197'(スクラボ社、シエナ、イタリアより入手)、そしてメニンゴコッカスの外膜タンパク質のようなバクテリアのキャリアータンパク質などを含むポリペプチドが、適切なキャリアータンパク質としての限定されない例である。
【0039】
修飾されたポリサッカライド断片とキャリアータンパク質が結合するために、いずれかの複合化様式でも用いられうる。好ましい方法は米国特許第4,356,170号に記述されている。すなわち、シスビシナル(cis-vicinal)の水酸基群の酸化を介して、末端のアルデヒド基をN-アシル化ポリサッカライドに導入し、還元アミノ化によりタンパク質のアミノ基へアルデヒド基をカップリングする方法である。それによりポリサッカライドとタンパク質は-CH2-NH-タンパク質結合を介して結合される。
【0040】
しかし、本発明の複合体ワクチンは還元アミノ化により産生されるものに限定されないことは理解される。このように本ワクチンは、アジピン酸ヒドラジドスペーサーを用いた、N-アシル化ポリサッカライドとキャリアータンパク質との複合化により産生されうる(この方法はSchneerson, R.ら、投稿準備中、b型Haemophilus influenzaeポリサッカライドタンパク質複合体の特徴と免疫原性(J. Exp. Med., 1952, 361-476 (1980))、およびLance K, Gordonの米国特許第第4, 644, 059号に記載されている)。またはメルクにより開発された2成分のスペーサー技術も用いられる可能性もあり(Marburg, S.らの「巨大分子の生体分子化学:バクテリアのポリサッカライドとNeisseria meningitidis膜タンパク質の複合体の合成」(J. Am. Chem. Soc., 108, 5282-5287 (1986))に記載されている)または、ひょっとしたら、還元末端法も使用できる。
【0041】
本発明により調整された複合分子は、典型的には、ポリサッカライド断片の骨格の末端の一つの結合部位を介して、本発明のメニンゴコッカスのポリサッカライド断片の少なくとも一つに結合しているタンパク質を含む。このように、本発明は、もし望めば一つの末端以外はタンパク質により隠蔽されていないポリサッカライド成分であるメニンゴコッカス複合体分子を、産生する能力を提供する。側鎖の末端のシアル酸を介してメニンゴコッカスポリサッカライドとタンパク質を結合させる他の方法は、結果として交差結合ということになり、複数の部位でポリサッカライドとタンパク質が付着しうる。本発明はいろいろな方法を組み合わせて使用してできうる複合体分子をも企図する。
【0042】
意味のある交差結合を持っていない、結果としてできたN-アシル化ポリサッカライドタンパク質複合体は水溶液に可溶性である。このことにより本発明のこれら複合体がワクチンとして使うのに特によい候補となる。
【0043】
本発明の結果としてできた不飽和N-アシル化ポリサッカライドタンパク質複合体は、マウスでin vitroの試験が行われ、N-プロピオニル化ポリサッカライドと比較すると、免疫原的特性がより改良されたことが示された。それに加え、交差反応する抗体の形成の実質的な減少が観察される。さらに不飽和複合体は、他の試した複合体に比べて予想外に高い殺菌活性価を示した。この観点から、本発明のワクチンはグループBのN. meningitidisや大腸菌K1微生物により起こる髄膜炎に対して有効であろうと考えられている。特に興味深いのは、バクテリアの髄膜炎に最も影響されやすいヒトの幼児を保護するワクチンである。
【0044】
本発明のワクチンは、ワクチンに適切だとして当業者に既知の標準的な担体、緩衝液、保存液を含みうる。それに加え、明礬(alum)やステアリルチロシンのようなアジュバントも、免疫原的応答を上昇させるための処方に含みうる。
【0045】
本発明のワクチンは一般的に、生理食塩水や他の注入可能な溶液のような、いずれかの適切な薬学的に許容可能な担体中で、複合体を分散させることで形成されている。本発明のワクチンの投与は、皮下、腹腔内、筋肉内投与を含むがこれらに限定はされないよく知られたいずれかの方法によってでも効果がありうる。ワクチンの好ましい投与方法は、非経口投与である。例えばラクトースやソルビトールのような安定化剤と、リン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムまたは硫酸アルミニウムのようなアジュバントのような、ワクチンの慣習的添加物も存在しうる。
【0046】
本発明のワクチンは、免疫原性応答を誘発するために十分な量を投与される。典型的には約1から50μgの量のポリサッカライドがそのような応答を起こすのに効果的である。ワクチンを受けるヒトの大きさ、体重、年齢に基づいて、投与量を調節しうる。ヒトの抗体応答は、抗体力価や殺菌活性をアッセイすることによってモニターすることができ、もし必要なら応答を高めるために抗原接種をすることができる。
【0047】
ヒト幼児に対する適切なワクチンの量は、一般的に体重1 kg当たり約5から25 μg、もしくは約1から10 μgの範囲である。
【実施例】
【0048】
これら実施例は、本発明を遂行する際の様々な解釈を例示することであり、とにかく本発明の範囲を狭めるつもりのものではない。
実施例1 N-アクリロイル化GBMPの合成
N-アクリロイル化GBMPの合成は、Roy R.らによって記述されている(Glycoconjugate J.(1990) 7:3-12)。脱N-アセチル化GBMP(150 mg)を2.0 ml の蒸留水に溶解した。その溶液を0℃まで冷却し、塩化アクリロイル(acryloyl chloride)(Aldrich Chemical Co.)を、一回分を50 μlとして総量500μlになるように処理注した。溶液のpHを、自動滴定装置を用いて4M NaOHを加え、pH 8.5に維持した。すべての酸塩化物を完全に加え終わった(2時間)後に、pH 12まで上げて、30分間この状態に維持した。この物質を4℃で蒸留水に対する徹底的な透析によって精製し、凍結乾燥品として163 mg得られた。物質のH-NMRによってアクリロイル置換基特有の集積パターンによって、N-アシル化が100%であることが明らかになった。
【0049】
実施例2 N-アクリロイル化GBMPの活性化
N-アクリロイル化GBMP(150 mg)を蒸留水(1.25 ml)に溶解し、ついでNaIO4水溶液0.2M(〜50回)を3.75 ml加えた。この溶液は室温1時間の間は暗黒下に置き、ついでエチエングリコール(400μl, 10回分)を加えた。室温にて1時間後、水によって平衡化されたセファデックス G-10(Sephadex G-10)(1.6x100)カラム(Pharmacia Fine Chemicals)へ直接加えた。活性化した産物はヴォイドヴォリューム(the void volume)のピークにカラムから溶出され、それを回収し凍結乾燥した。さらに、リン酸塩緩衝塩類溶液(pH 7.6)によって平衡化されたBioGel A.5カラム(1.6x100)(BioRad)を用いて酸化産物を分画した。溶出物のうち選ばれた画分をHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)分析((Pharmacia-Superose 12カラム)に基づき、分子量プールを作成した。それぞれの画分の相対的なKav値とあらかじめ作図しておいた標準曲線との比較し、酸化アクリロイル化GBMPを含む分離された11KDの画分を選出した。その画分は前述した方法で透析することで精製した。分画物質のH-NMRスペクトルは酸化N-アクリロイル化GBMPと一致した。
【0050】
実施例3 N-アクリロイル化GBMPを結合した破傷風変性毒素の調製
新たに精製された単量体の破傷風変性毒素(TT-m; 3.5 mg)と酸化アクリロイル化GBMPの11KD画分10.5 mgを、Pierceのreacti-vial中で結合させた。シアノほう水素化ナトリウム(sodium cyanoborohydrate)(7.0 mg)を加え、それらの混合物を233μlのリン酸緩衝液(0.1 M pH 7.5)に溶解した。その溶液を37℃で、合計で5日間、インキュベートした。サイズ排除HPLC(Superose 12, Pharmacia)にて、複合化が進むのにつれて複合体が高分子量に移動することを視覚化するために、定期的に複合体をモニターした。最終的な複合体は、上述のPBSにて平衡化されたBioGel A.5カラムでの分画により、はじめの原料から精製され、続いて透析後、凍結乾燥した。比色定量分析による総シアル酸量(スヴェンナーホルム法(Svennerholm method))とタンパク質量(BCA法、Pierce社)より、複合体に含まれるシアル酸は12〜30%の間であることを示した。
【0051】
実施例4 マウスへの免疫
一般的に、10匹の雌CF1マウス(8〜10週令)に2 μgのシアル酸に相当する量の複合体を、アジュバントとしてのAlum(Alhydrogel, Superfos Biosector)または、RIBI's 完全または部分アジュバントシステム(RIBI Immunochem)の存在下でもしくは比存在下で、腹腔内投与(0.2 ml)により免疫した。最初の接種に続き、21日目と35日目に追加接種し、45日目に全採血した。血液は心採血によって回収し、血清は分注し-86℃にて保存した。
【0052】
実施例5 殺菌アッセイ
殺菌アッセイは組織培養96穴マイクロタイタープレート(Corning)上で実行した。すべての抗血清は使用前に56℃にて30分間かけて非働化した。グループBメニンゴコッカス(系統80-165 B:2b:p.1)は、CO2濃度5%の大気中、37℃でチョコレート寒天プレート(QueLab))上に、一晩、増殖さた後、2枚目のプレートに植え付け、さらに5時間インキュベートした。抗血清をハンクス均衡塩溶液(Hank's balanced salt solution(HBSS))を用い、各ウェルにつき最終量50μlになるようにプレート内にて直接希釈し、適切な希釈液とした。O.D.(λ580)= 0.1 の吸光度となるよう、GBMのHBSS懸濁液を作成した。アッセイの細菌使用時希釈液を得るため、この懸濁液を40,000倍に希釈した。各ウェルに、新たにに解凍したウサギ乳児補体(Pel-Freeze Biologicals)(20μl)を加え、細菌使用時希釈液を30μl加えた。そして、プレートを37℃で1時間振とうした。まず各ウェルの内容物を混合し、35 μl をチョコレート寒天プレートにまいた。ついでそのプレートをCO2濃度5%の大気中、37℃で一晩インキュベートし、コロニー形成ユニット(CFU)の数をカウントした。%殺菌は、次の手法に従い、対照であるHBSSウェルもしくは無関係な抗血清のどちらかの平均値に対する相対値として決定した。
【式1】
【0053】

【0054】
実施例6 受動保護アッセイ
N-アシル化GBMP-TTを免疫したことより得られたマウス抗血清は、一般的に滅菌した塩類溶液またはPBS(リン酸塩緩衝液)にて希釈した。200μlの希釈した抗血清を、5匹の雌CF1マウス(8〜10週令)を1群として、静脈注射した。一時間後、各群のマウスに、グループB髄膜炎菌(GMB 80165 B:2b:P.1)の懸濁液(500 μl; 800-1200 CFU/ml)を腹腔内に注射した。5時間後、心採血により個別のマウスより血液を回収し、10μlの血液をチョコレート寒天プレートにまいた。CO2濃度5%の大気中、37℃でインキュベートし、15〜20時間後にコロニー形成単位(CFU)の数を決定した。
【0055】
受動保護アッセイは特異的な抗体の存在下における細菌の減少またはクリアランスに基づいて、特異的な抗体を持たない対照群との関係を測定する。マウスの抗N-アシル化GBMP複合体の抗血清で提供される保護の程度は、無関係な対照抗血清またはPBSとの関係により、各種血清のCFUの減少のパーセントによって示される。
【0056】
実施例7 Neisseria meningitidisグループBに対するワクチンの合成と生物学的活性
N. meningitidisグループBに対する新規複合体ワクチンは、天然のポリサッカライドを独特に修飾することに基づく設計によって合成された。天然のポリサッカライド(N-Ac GBMP)のアミノ基末端は、N-アセチル基から完全にN-アクリロイル基(NH-CO-CH=CH2)に変換されることにより誘導させた。1Hと13C-NMR分光測定法などによる物理学的手法によって新種の同一性と同質性を確実に特徴付け、さらにポリサッカライドの解重合による分子量の変化がないことをサイズ排除HPLCの手法により論証した。タンパク質との複合体は記述した手順に同様な手順で作られた。簡単に言うと、N-アクリロイル化GBMポリサッカライド調製物から始め、N-アクリロイル化GBMP-破傷風毒素複合体の異なる二つのロットを調製した。それぞれの複合体の比色定量分析によって、それら複合体中の総シアル酸の占める割合が、それぞれ13%と20%であることを明らかにした。複合体の1H-NMR分光測定法によって、修飾されたポリサッカライドがタンパク質上に間違いなく存在していることを明らかにした。
【0057】
隔離された動物実験において、N-アクリロイルGBMP-TT複合体を事例1では、それぞれ塩水、水酸化アルミニウム、あるいはRIBI's 完全アジュバント(MPL+TDM+CWS)と共に、事例2では、RIBI'sアジュバントのみと共に、マウスに注入した。マウスでは、このワクチンは目に見えるほど十分に耐性であった。
【0058】
それぞれの抗血清の血清学的試験では、両者の複合体では、RIBIのアジュバントシステムを用いたN-プロピオニル化GBMP-TT構築物の場合に比べ、特異的な反応は比較的または高く誘導されていることがみられた(表1を参照)。N-アクリロイル化GBMP-TT抗血清の交差反応とみなされる予備的な研究では、N-プロピオニル化GBMP-TT抗血清でみられた交差反応と同程度の結果が示された(表2を参照)。N-アクリロイル化GBMP-TT抗血清の二つのロットのうち一つは、同一の実験によりN-プロピオニル化GBMP-TT構築物を投与した場合に比べ、天然のGMBPとの交差反応の顕著な減少を示した。
【0059】
N-アクリロイル化GBMP-TTの両者のロットについて、生きているGBMに対する殺菌活性について試したところ、N-プロピオニル化GBMP-TT抗血清と比較すると顕著な活性を示した。これらの結果は、表1と表3に要約されている。表1の結果は、同一物を複製して行われた殺菌アッセイの産物であり、同じ物質で行われた他のアッセイで得られた希釈値と一致する。表1のデータは、アクリロイル基は、とくに効果的な殺菌活性を持つことと一致する。表3はN-アクリロイル化GBMP-TT抗血清の二つのロットと、同様の動物実験により得られたN-プロピオニル化GBMP-TT抗血清との殺菌活性について、比較している。このアッセイは15倍多くの細菌数を使用するので、強い活性を持つ血清のみが検出される。N-アクリロイル化GBMP-TT抗血清とN-プロピオニル化GBMP-TT抗血清との比較により、殺菌活性は事実上等価とみなしうる。
【0060】
受動保護実験は、多様な希釈液について行われ、そのすべてが顕著なクリアランスを示したので、マウスに対する保護が推論された(図1を参照)。Nプロピオニル化GBMP-TTに対する抗血清の異なる希釈液の比較でも、ほぼ同様の結果が得られた。受動保護実験における二つのロットのN-アクリロイル化GBMP-TT抗血清の比較により、実験的誤差の範囲で同等にマウスを保護したことが示された(表3を参照)。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
【表3】

【0064】
実施例8 N-アシル修飾されたGBMP-TT複合体を用いた更なる研究
一連のN-アシル修飾されたGBMポリサッカライド(N-プロピオニル化GBMP(NPr)、(N-ブタノイル化GBMP(NBu)、N-ペンタノイル化GBMP(NPe)そしてN-アクリロイル化GBMP(NAcryl))は、ポリサッカライドの脱重合を制限するためのpH調節を使用する以外は、本質的には前述した様に合成した。1H-および13C-NMR分光測定法により、修飾したポリサッカライドを完全に同定することができ、そしてそれぞれのポリサッカライドが100%誘導されていることがわかった。一連の同一分子量の酸化ポリサッカライド断片(11KD)を、標準化したカラム上でSEC-HPLCでプロフィールされた実行に基づき作成した。複合体のすべては、正確に同一の条件下で合成した。比色定量分析により、以下のシアル酸が含まれる物質が回収された:NPr-28%、NBu-30%、NPe-18%、NAcryl-19%。
【0065】
マウスを2μgのシアル酸/複合体を、塩類溶液中、または水酸化アルミニウム上に吸収させて、あるいはRIBIのアジュバントに乳化するかのいずれかで免役する。すべての複合体は、外見上の倦怠感の徴候なくよく耐過された。
【0066】
相同的なポリサッカライド抗原に対する様々な抗血清のELISA力価測定は、表1に要約する。最も高い力価を生み出すアジュバントは、のN-プロピオイルからN-ペンタノイルまで上昇するRIBIシリーズであると確認され、他の疎水性アジュバンドシステムを用いた先の発見を証明した。明礬などのアジュバンドシステムの場合、力価に関連する傾向はないようであった。免疫したポリサッカライドに対する特異性も、アシル鎖がN-プロピオイルからN-ペンタノイルへ長さが増えるにつれ同様に上昇し、RIBIシリーズにおいて最も顕著に上昇する(表2を参照)。この結果も、同様の傾向を示した以前の結果と一致する。力価と特異性の上昇を除いては、殺菌アッセイおよび受動産生アッセイの両方で、天然のバクテリアに対する活性において関連した上昇はない。N-Pr抗血清は、N-BuとN-Pe抗血清に対して相対的に50%と90%のレベルで、顕著に高い(14から25倍高い)殺菌効果値を示す。それと一致して、抗血清の様々な希釈での受動保護実験では、1:6の希釈でも顕著なクリアランスを示したN-Pr抗血清とは異なり、最も高い濃度でのみN-BuとN-Peで顕著なバクテリアのクリアランスを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N-アシル基が以下の構造式(I):
【化1】

(式中、R1は少なくとも一つの二重結合を含むC3-4の不飽和アルキル基である)で表されるN-アシル誘導体で置換されている、修飾したグループBメニンゴコッカスのポリサッカライド。
【請求項2】
R1が4つの炭素でありそして2つの隣接していない二重結合を有する、請求項1に記載のポリサッカライド。
【請求項3】
R1が4つの炭素でありそして1つの二重結合を有する、請求項1に記載のポリサッカライド。
【請求項4】
R1が3つの炭素である、請求項1に記載のポリサッカライド。
【請求項5】
R1がCH2=CH-CH2-CH2である、請求項2に記載のポリサッカライド。
【請求項6】
R1がCH2=CH-CH2である、請求項3に記載のポリサッカライド。
【請求項7】
アシルの炭素からもっとも離れた炭素が二重結合で結合している、請求項1に記載のポリサッカライド。
【請求項8】
R1が4つの炭素である、請求項7に記載のポリサッカライド。
【請求項9】
R1が3つの炭素である、請求項7に記載のポリサッカライド。
【請求項10】
構造式(II):
【化2】

(式中、R2は少なくとも一つの二重結合を含み、断片がタンパク質に共有結合している)で表される、少なくとも一つのポリサッカライドの断片を含む複合体分子。
【請求項11】
タンパク質が細菌に由来する、請求項10に記載の複合体分子。
【請求項12】
細菌が、Neisseria meningitidisである、請求項10に記載の複合体分子。
【請求項13】
タンパク質が、破傷風菌の変性毒素、ジフテリアの変性毒素、CRM197およびメニンゴコッカスの外膜タンパク質(OMP)からなる群から選択される細菌に由来する、請求項10に記載の複合体分子。
【請求項14】
ポリサッカライド断片が、N-アシル誘導体ポリサッカライドであり、タンパク質が破傷風菌の変性毒素およびOMPであり、ポリサッカライド断片の分子量が約3kDaから50kDaである、請求項10に記載の複合体分子。
【請求項15】
ポリサッカライド断片がN-アシル誘導体ポリサッカライドであり、タンパク質が破傷風菌の変性毒素であり、ポリサッカライド断片の分子量が約10000である、請求項10に記載の複合体分子。
【請求項16】
タンパク質に対するポリサッカライドのモル比が1のタンパク質に対して約20のポリサッカライドである、請求項19に記載の複合体分子。
【請求項17】
タンパク質に対するポリサッカライドのモル比が約1モルのタンパク質に対して約4〜7モルののポリサッカライドである、請求項20に記載の複合体分子。
【請求項18】
N-アシル誘導体断片を含む、請求項10に記載の複合体分子。
【請求項19】
タンパク質と共有結合したグループBメニンゴコッカスのC3-5の不飽和N-アシル誘導体ポリサッカライド断片を含む、複合体分子のワクチン組成物。
【請求項20】
タンパク質組成物が、破傷風菌の変性毒素、ジフテリアの変性毒素、CRM197およびメニンゴコッカスの外膜タンパク質からなる群から選択される細菌に由来する、請求項19に記載のワクチン組成物。
【請求項21】
前記断片がN-アシル誘導体ポリサッカライドであり、ポリサッカライド断片の分子量が約3kDaから50kDaである、請求項19に記載のワクチン組成物。
【請求項22】
タンパク質組成物がNeisseria meningitidisに由来する、請求項19に記載のワクチン組成物。
【請求項23】
請求項10に記載の複合体で免疫した哺乳動物の体内で生成する抗体を含む免疫血清。
【請求項24】
複合体のポリサッカライドがC3-5の不飽和N-アシル誘導体ポリサッカライドの断片である、請求項23に記載の免疫血清。
【請求項25】
免疫量の請求項19に記載のワクチンを哺乳類に投与することを含む、Neisseria meningitidisおよびE. coli K1感染に対して哺乳類を免疫する方法。

【公開番号】特開2008−285675(P2008−285675A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126880(P2008−126880)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【分割の表示】特願平9−500043の分割
【原出願日】平成8年6月7日(1996.6.7)
【出願人】(508113262)ナショナル・リサーチ・カウンシル・オブ・カナダ (1)
【Fターム(参考)】