説明

倉庫管理システム及び倉庫管理プログラム

【課題】倉庫営業者が保有する倉庫におけるデッドスペースの発生を抑制し、倉庫の収容能力を可及的に活用する。
【解決手段】
所有者テーブル124には、各会員毎に、倉庫営業者との間で合意された体積から現に倉庫営業者に寄託されている寄託物の体積総和を減じた残りの体積である空きスペースが、登録されている。デッドスペーステーブル125には、各物理的格納スペース毎に、空きスペースの寸法が登録されている。倉庫管理プログラム121を読み込んだ倉庫管理サーバ1のCPU11は、或る会員が寄託を依頼した物の寸法が入力されると、当該寸法に基づいて計算される体積が当該会員について所有者テーブル124に登録されている空きスペース以内である場合に限り、前記物の寸法によって特定される空間を内包する寸法の空きスペースを有するものとしてデッドスペーステーブル125に登録されている物理的格納スペースを特定し、倉庫業者に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫の空きスペースに顧客から寄託された物を保管するサービスを支援する倉庫管理システム及び倉庫管理プログラムに、関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫営業者とは、他人の為に物品を倉庫に保管することを業とする者をいう(商法597
条)。
【0003】
倉庫営業者が顧客と包括的な寄託契約を締結する場合、予め、倉庫内の一定の物理的格納スペース(部屋,棚,ロッカー,ボックス,等、物理的に一定の容積に区切られたスペース)を、当該顧客の専用の保管場所として確保し、当該専用保管場所に収容できる範囲の物(受寄物)を一定料金で預かって、当該専用保管場所に収容する特約(所謂固定スペース貸し)を結ぶことが多い。
【0004】
かかる固定スペース貸しによる寄託契約の場合、顧客にとっては、常に一定のスペースが特定場所に確保されているので、当該物理的格納スペースに収容可能な限度で、タイムリーな荷物の出し入れが期待できるというメリットがあり、倉庫営業者にとっても、一定の収入が期待できるというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4237551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、実際には、固定スペース貸しの特約を結んでいる顧客が、常に、自己専用の物理的格納スペースに隙間無く受寄物を収容しているわけではないので、倉庫営業者が保有する倉庫全体としてみた場合、多くの空間が、何等荷物の収容されていないデッドスペースと化している場合が多い。
【0007】
また、個々の顧客が、新たな寄託物を自己専用の物理的格納スペースに預けようとした場合に、新たな荷物の寸法や形状に依っては、当該荷物の体積が当該顧客専用の物理的格納スペースの空き空間の容積以下であっても、収容不可能となってしまう場合がある。このような場合には、顧客にとっても、自己専用の物理的格納スペースの空き空間がデッドスペースと化してしまう。
【0008】
そこで、本発明の課題は、倉庫営業者が各寄託者との間で所定範囲で物を保管する旨の包括的な寄託契約を締結した場合においても、倉庫営業者が保有(所有又は占有)する倉庫内の物理的格納スペースにおけるデッドスペースの発生を抑制でき、倉庫の収容能力を可及的に活用することを可能とする、倉庫管理システムの提供である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による手段は、各物理的格納スペース毎に、空きスペースの寸法が登録されている第1の記憶部,各人毎に、予め定められた上限体積から現に前記物理的格納スペースに格納されている物の体積総和を減じた残りの体積である空き体積が登録されている第2の記憶部,入力インタフェースに、寄託者の識別情報及び当該寄託者が寄託を求める物の寸法が入力された場合に、入力された物の寸法に基づいて計算される体積が、入力された識
別情報に基づいて特定される寄託者について第2の記憶部に登録されている空き体積以内である場合に限り、前記物の寸法によって特定される空間を内包する寸法の空きスペースを有するものとして前記第1の記憶部に登録されている物理的格納スペースを特定する特定手段,入力インタフェースに入力された識別情報に基づいて特定される寄託者について前記第2の記憶部に登録されている空き体積から、前記入力インタフェースに入力された物の寸法に基づいて計算される体積を減じるとともに、前記特定手段によって特定された物理的格納スペースについて前記第1の記憶部に登録されている空きスペースの寸法を、前記入力インタフェースに入力された物の寸法によって特定される空間に相当する分減じる更新手段,及び、前記特定手段によって特定された物理的格納スペースの特定情報を出力する出力手段を備える。
【発明の効果】
【0010】
倉庫営業者が各寄託者との間で所定範囲で物を保管する旨の包括的な寄託契約を締結した場合においても、倉庫営業者が保有(所有又は占有)する倉庫内の物理的格納スペースにおけるデッドスペースの発生を抑制でき、倉庫の収容能力を可及的に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】倉庫管理支援システムの実施形態であるネットワークシステムの概略構成を示すブロック図
【図2】会員管理データベースのデータ構造を示す表
【図3】所有者テーブルのデータ構造を示す表
【図4】デッドスペーステーブルのデータ構造を示す表
【図5】商品格納テーブルのデータ構造を示す表
【図6】預け品依頼テーブル兼引き取り品依頼テーブルのデータ構造を示す表
【図7】ISBNデータDBのデータ構造を示す表
【図8】JANデータDBのデータ構造を示す表
【図9】体積情報DBのデータ構造を示す表
【図10】会員登録処理の内容を示すフローチャート
【図11】デッドスペース更新申請処理の内容を示すフローチャート
【図12】寄託依頼時処理の内容を示すフローチャート
【図13】商品登録時処理の内容を示すフローチャート
【図14】商品登録時処理の内容を示すフローチャート
【図15】会員アクセス時処理の内容を示すフローチャート
【図16】会員アクセス時処理の内容を示すフローチャート
【図17】図15のS420,図16のS433,S434にて実行される所有権変更処理サブルーチンを示すフローチャート
【図18】図15のS406にて実行される引取処理サブルーチンを示すフローチャート
【図19】課金処理の内容を示すフローチャート
【図20】マイページ画面の内容を示す図
【図21】トップページ画面の内容を示す図
【図22】実施形態の作用の説明図
【図23】従来における固定スペース貸しの説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<前提説明>
以下、図面に基づいて、本発明による倉庫管理システムの実施の形態の一例を説明する。以下に示す例は、倉庫営業者と業務委託契約を交わした通信業者(例えば、インターネットコンテンツプロバイダ)が倉庫管理システムを運用し、その運用を通じて、各顧客と
倉庫業者との間における寄託契約の仲介をする他、顧客間における寄託物の譲渡(売買契約,贈与契約,交換契約)の仲介を行う例である。もっとも、本発明は、このような形態に限定されるものではなく、倉庫営業者自体が倉庫管理システムを運用しても良く、顧客間における寄託物の譲渡の仲介を行う部分が省かれても良い。また、倉庫営業者と顧客との間に寄託契約が締結されることを前提とするが、通信業者と顧客との間に寄託契約が締結され、倉庫営業者は通信業者から再寄託を受けるものと、構成されても良い。なお、本倉庫管理システムを用いた仲介によって締結される包括的寄託契約を、通常の物単位の寄託契約や固定スペース貸し方式の寄託契約から区別するために、「体積固定型包括寄託契約」と称する。
<システム構成>
図1は、実施形態による倉庫管理システムを含むネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。この図1に示されているように、このネットワークシステムは、倉庫営業者の事業所Cに設置されているネットワーク端末(コンピュータ)である倉庫営業者端末2,各顧客が使用するネットワーク端末(コンピュータ)である多数(図1では3台のみ図示)ユーザ端末3,上記各端末2,3との間でネットワーク(例えば、インターネット)Nを通じて通信可能な倉庫管理サーバ1,及び、上記ネットワークNに接続された外部サーバ群4から、構成されている。
【0013】
倉庫営業者端末2は、ネットワーク接続機能を有する通常構成のコンピュータであり、相互にバスを通じて接続されたCPU21,ハードディスク22,プリンタ23,通信アダプタ24,入力装置25及びディスプレイ26を有している。
【0014】
ハードディスク22は、OS(Operating System),ウェブブラウザプログラム221,等の各種プログラムを格納した記憶媒体である。
【0015】
CPU21は、ハードディスク22から読み出した各プログラムを読み出して実行する中央処理装置である。
【0016】
入力装置25は、CPU21に対して各種コマンドや各種データを入力するために用いられるキーボード,ポインティングデバイス,バーコードリーダ,RF−IDリーダ等である。
【0017】
ディスプレイ26は、CPU21による処理結果を表示する出力装置である。
【0018】
通信装置24は、CPU21によって生成された倉庫管理サーバ1宛のメッセージをネットワークNに対応したプロトコルに依る通信データに変換してネットワークNへ送り出したり、ネットワークNを通じて倉庫管理サーバ1から受信した通信データをCPU21が処理可能なデータ形式に変換してCPU21に入力するインタフェース装置である。
【0019】
プリンタ23は、CPU21の指示によって、印刷データに基づく印刷を行う出力装置である。
【0020】
ユーザ端末3も、ネットワーク接続機能を有する通常構成のコンピュータであり、相互にバスを通じて接続されたCPU31,ハードディスク32,通信アダプタ34,入力装置35及びディスプレイ36を有している。ユーザ端末3を構成する各部品は、倉庫営業者端末2のものと全く同じであるので、その説明を省略する。
【0021】
倉庫管理サーバ1は、実際には、複数台のサーバコンピュータやディスク装置から構成され得るが、図1では、一台のサーバコンピュータから構成されるものとして、簡略化されている。即ち、図1に示される倉庫管理サーバ1は、相互にバスBによって接続された
CPU11,通信アダプタ14,RAM(Random Access Memory)13及びハードディスク12から、構成されている。
【0022】
これらのうち、CPU110は、この倉庫管理サーバ1全体の制御を行う中央処理装置(コンピュータ)であり、特定手段及び更新手段に相当する。
【0023】
また、RAM13は、CPU11が各種処理を実行するに際しての作業領域が展開される主記憶装置である。
【0024】
また、通信アダプタ14は、ネットワークNに対して直接(若しく、図示せぬ企業内LANやルータ4を通じて)ネットワークNに接続された繋がる専用線に接続され、ネットワークNを通じて各端末2,3から受信した通信データをCPU11が処理可能なデータ形式に変換してCPU11に入力したり、CPU11によって生成された各端末2,3宛のメッセージをネットワークN用のプロトコルに依る通信データに変換してネットワークNへ送り出す、入力インタフェース兼出力装置である。
【0025】
ハードディスク12は、CPU11によって読み出されて実行される各種プログラム及び各種データを格納している記憶装置である。
【0026】
このハードディスク12が格納してCPU11によって実行される各種プログラムには、倉庫管理サーバ1がウェブサーバ装置として機能するために通常必要なプログラム(OS[Operating System],ウェブサーバプログラム,認証システム等の幾つかのCGIプログラムないしサーブレット,等)の他、各顧客と倉庫営業者間での体積固定型包括寄託契約締結の仲介を行ったり各顧客間での寄託物の譲渡を仲介する倉庫管理システムとしての機能を実現するための倉庫管理プログラム121が、含まれている。
【0027】
また、ハードディスク13が格納している各種データには、上記走行管理プログラム121に従って参照され且つ上記倉庫管理プログラム1に従ってデータが登録される各種データベースないしテーブル(会員管理データベース123,所有者テーブル124,デッドスペーステーブル125,商品格納テーブル126,預け品依頼テーブル兼引き取り品依頼テーブル127)や、各種画面ないしフォームデータ122が、含まれている。
【0028】
会員管理データベース123は、当該倉庫管理サーバ1を運営している通信業者の仲介によって倉庫営業者と体積固定型寄託契約を締結した各顧客(即ち、会員)毎に、その個人情報(会員情報)を登録したレコードを有するデータベースである。図2に示すように、会員管理データベース123を構成する各レコードは、夫々、会員の本名が登録される「氏名」欄,会員の個人識別子(所有者ID)が登録される「所有者ID」欄,パスワード等の認容用のデータが登録される「認証用データ」欄,会員専用に生成されるウェブページ(マイページ)のURL(Uniform Resource Locator)が登録される「マイページURL」欄,会員に対して発生した債権を回収する手段についての情報(例えば、クレジットカード番号)が登録される「課金情報」欄,会員の住所が登録される「住所」欄,会員が締結した体積固定型契約の内容(体積)に従って定まる月極めの寄託料金が登録される「月毎課金額」欄,会員が体積固定型契約を締結してから半年毎にフラグがリセットされるとともに当該会員について後述する引取処理が実行されるとフラグがセットされる「無料配送済みフラグ」欄,無料配送済みフラグがリセットされた状態で後述する引取処理が実行される毎に配送料金が加算される「当月追加額」欄,「電子メールアドレス」欄,等を有する。
【0029】
なお、当該会員管理データベース123には、当該通信業者とコンテンツ提供サービスの提供契約を締結した全会員についての個人情報が登録される一方、後述する所有者テー
ブル124には、会員管理データベース123に登録された会員のうち当該通信業者の仲介によって倉庫営業者と体積固定型寄託契約を締結した会員についての情報のみが登録されるように、構成されても良い。その場合、会員管理DB123の月毎課金額には、体積固定型寄託契約を締結していない会員については、コンテンツ提供サービスの月額料金のみが登録され、体積固定型寄託契約を締結している会員については、コンテンツ提供サービスの月額料金及び月極寄託料金の合計額が登録される。
【0030】
所有者テーブル124は、図3に示すように、倉庫営業者と体積固定型寄託契約を締結した会員毎にレコードを有しており、各レコードは、契約によって合意された上限体積[単位:m3]が登録される「契約スペース」欄,現に寄託中の受寄物の合計体積[単位:
3]が登録される「利用スペース」欄,上限体積から現に寄託中の受寄物の合計体積を
減じた残りの体積である空き体積[単位:m3]が登録される「残スペース」欄からなる
レコードを有するテーブルである。ハードディスク12における当該所有者テーブル124を記憶した部分が、第2の記憶部に相当する。
【0031】
デッドスペーステーブル125は、倉庫営業者が保有(所有ないし占有)する各倉庫の各物理的格納スペース毎に、その受寄物収容情況を管理するためのテーブルである。ここで、倉庫営業者が保有(所有ないし占有)する倉庫の物理的格納スペースについて説明する。図1に示すように、倉庫営業者は、一又は複数の倉庫を保有している。複数の倉庫を保有する場合、各倉庫は、同一の敷地内に建てられている場合もあるし、離散した複数の敷地に夫々建てられている場合もある。そして、各倉庫内は、物理的に、複数の空間に限られている。このように、物理的に区切られた各空間が、「物理的格納スペース」であり、デッドスペース管理の基準となっている。具体的には、「物理的格納スペース」は、例えば、部屋として定義されても良いし、棚として定義されても良いし、ロッカーとして定義されても良いし、ボックスとして定義されても良い。図4は、倉庫営業者が2つの倉庫(A倉庫,B倉庫)を保有し、A倉庫が三つの物理的格納スペース(A1−3−1,A4−4−2,A4−4−3)から構成され、B倉庫が一つの物理的格納スペース(B1−1−1)から構成されている場合におけるデッドスペーステーブル125の例である。
【0032】
図4に示されるように、デッドスペーステーブル125の各レコードは、個々の物理的格納スペースに対応しており、夫々、倉庫の名称が記載される「倉庫名」欄,物理的格納スペースの識別情報(位置ナンバー)が登録される「位置No.」欄,物理的格納スペースの高さ(X),幅(Y),奥行(Z)の各寸法[単位:m]が登録される「収納スペース」欄,物理的格納スペースに更に収納可能な空間(空きスペース)の高さ(X),幅(Y),奥行(Z)の各寸法[単位:m]が登録される「収納可能スペース」欄,空きスペースに対する受寄物の収容方向(どの方向に差し込むか)を特定する「収納方法(方向)」欄,収納方向における空きスペースの寸法[単位:m]が登録される「空きスペース」欄,及び、物理的格納スペースに収容済みの受寄物の個数が登録される「格納数」欄から、構成される。ハードディスク12における当該デッドスペーステーブル125を記憶した部分が、第1の記憶部に相当する。
【0033】
商品格納テーブル126は、体積固定型寄託契約に従って、倉庫営業者に寄託された各受寄物についての情報を管理するテーブルである。即ち、商品格納テーブル126は、図5に示されるように、各受寄物毎にレコードを有しており、各レコードは、受寄物の寄託時に倉庫営業者によって当該受寄物又はその養生用ケースに付される電子タグのID(格納ユニークID)が登録される「格納ユニークID」欄,受寄物の種別が登録される「種別」欄,受寄物に印刷されたコード(ISDNコード,JANコード,等)が登録される「商品コード」欄,受寄物の商品名が登録される「商品名」欄,商品画像データ自体又は商品画像データのURLが登録される「商品画像」欄,寄託者によって申告された受寄物のコンディションが登録される「申告によるコンディション」欄,寄託時に倉庫営業者が
受寄物を検品することによって評価されたコンディションが登録される「検品時のコンディション」欄,受寄物の現在の所有者の個人識別子(所有者ID)が登録される「所有者ID」欄,所有者が受寄物を単に保管しているだけか(“保管する”)売りに出しているのか(“売る”)無償譲渡しようとしているのか(“あげる”)物々交換しようとしているのか(“交換する”)についてのステータス(商品ステータス)が登録される「商品ステータス」欄,所有者が受寄物を公開を希望しているのか(“公開”)非公開を希望しているのか(“非公開”)についてのステータス(公開ステータス)が登録される「公開ステータス」欄,受寄物が裸で物理的格納スペースに収容される場合には当該受寄物自体の高さ(X),幅(Y),奥行(Z)の各寸法[単位:m]が登録される一方、受寄物が養生用ケースに収納されて物理的格納スペースに収容される場合には当該養生用ケースの高さ(X),幅(Y),奥行(Z)の各寸法[単位:m]が登録される「商品サイズ」欄,受寄物の体積[単位:m3]が登録される「体積」欄,及び、受寄物について商品ステー
タスが“売る”である場合にその売価[単位:円]が登録される「売価」欄から、構成される。ハードディスク12における当該商品格納テーブル126を記憶した部分が、第3の記憶部に相当する。
【0034】
預け品依頼テーブル兼引き取り品依頼テーブル127は、寄託された各受寄物に対する倉庫営業者の作業状況が登録されるテーブルである。預け品依頼テーブル兼引き取り品依頼テーブル127の各レコードは、図6に示されるように、各受寄物毎にレコードを有しており、各レコードは、寄託者(所有者)の個人識別子(所有者ID)が登録される「所有者ID」欄,受寄物の商品名が登録される「商品名」欄,寄託者によって申告された受寄物のコンディションが登録される「申告によるコンディション」欄,寄託者が倉庫管理サーバ1に対して寄託を依頼した日(依頼日)が登録される「依頼日」欄,寄託物を倉庫営業者が受領した日(到着日)が登録される「到着日」欄,及び、作業進捗状況が登録される「作業ステータス」欄から、構成される。
【0035】
図1において、外部サーバ群4は、倉庫営業者端末2がネットワークを通じてアクセス可能なウェブサーバ装置であり、夫々、データベースを有し、倉庫営業者端末2から問い合わされた条件に合致した情報を各データベースから読み出して、倉庫営業者端末2に応答するサーバである。外部サーバ群4が有するデータベースには、図7に示すISBNデータDB(Data Base)41,図8に示すJANデータDB(Data Base)42,図9に示す体積情報DB(Data Base)43がある。
【0036】
ISBNデータDB41は、図7に示すように、日本図書コード管理センターが管理する各ISBNコード毎にレコードを有しており、各レコードは、ISBNコード自体が登録される「ISBNコード」欄,ISBNコードが付与された書籍の商品名(書名)が登録される「商品名(書名)」欄,当該書籍の著者名が登録される「著者名」欄,当該書籍の新品定価が登録される「金額(定価)」欄,当該書籍の表紙のイメージ画像データが登録される「イメージ画像」欄から、構成される。
【0037】
JANデータDB42は、図8に示すように、財団法人流通システム開発センターが管理するJANコード毎にレコードを有しており、各レコードは、JANコード自体が登録される「JANコード」欄,JANコードが付与された商品の商品名(書名)が登録される「商品名」欄,当該商品のメーカー名が登録される「メーカー名」欄,当該書籍の新品定価が登録される「金額(定価)」欄,当該書籍の表紙のイメージ画像データが登録される「イメージ画像」欄から、構成される。
【0038】
体積情報DB43は、図9に示すように、ISBNコード又はJANコードが付与された商品毎にレコードを有しており、各レコードは、ISBNコード又はJANコードが登録される「ISBN・JANコード」欄,商品の高さ(X)[単位:m]が登録される「
X(高さ)」欄,幅(Y)[単位:m]が登録される「Y(幅)」欄,奥行き(Z)[単位
:m]が登録される「Z(奥行)」欄,重量[単位:g]が登録される「重量」欄から、
構成される。
<倉庫管理プログラムによる処理内容>
以下、図10〜図19のフローチャートを参照して、倉庫管理プログラム121に従ってCPU11が実行する処理の内容を説明する。
[会員登録時]
図10のフローチャートに示す会員登録時処理は、会員管理データベース123に会員として登録されていない顧客が新規に体積固定型寄託契約の申込をするための処理である。この会員登録時処理は、かかる顧客が操作しているとともにウェブブラウザプログラム321による処理を実行しているユーザ端末3からの会員登録要求メッセージを受信した時に、スタートする。
【0039】
スタート後最初のS001では、CPU11は、入会申込画面の画面/フォームデータ122を、メッセージ送信元のユーザ端末3へ送信する。この入会申込画面には、図2に示す会員管理DB123の「氏名」欄,「課金情報」欄,「住所」欄,「電子メールアドレス」欄,図3に示す所有者テーブルの「契約スペース」欄に夫々対応した入力欄,及び、各入力欄に入力された情報をパラメータとするメッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させるタグが付されたアイテムが含まれている。
【0040】
CPU11は、次のS002においてユーザ端末3からの上記メッセージを待ち、上記メッセージを受信すると、S003において、所有者ID,マイページURL及び認証用データを夫々生成する。また、CPU11は、上記メッセージに含まれる「契約スペース」の値に基づいて、月毎課金額を決定する。
【0041】
次のS004では、CPU11は、S002にて受信したメッセージ中の各パラメータ(契約スペースを除く)及びS003にて生成・決定した情報からなる会員情報を、会員管理データベース123に登録する。
【0042】
次のS005では、CPU11は、S002にて受信したメッセージ中の契約スペースの値及びS002にて生成した所有者IDに基づき、新規レコードを追加する。S005を完了すると、CPU11は、会員登録時処理を終了する。
[デッドスペース更新申請時]
図11に示すデッドスペース更新申請時処理は、通信業者が仲介する体積固定型寄託契約以外の事情に因って倉庫営業者が保有する各倉庫の各物理的格納スペースにおける受寄物の収納情況に変動が生じた場合に、その事実をデッドスペーステーブル125に反映させるための、処理である。このデッドスペース更新申請時処理は、ウェブブラウザプログラム221による処理を実行している倉庫営業者端末2からのデッドスペース申請メッセージを受信した倉庫管理サーバ1のCPU11が、所定の認証処理に成功した場合に、スタートする。
【0043】
スタート後最初のS101では、CPU11は、申請画面の画面/フォームデータ122を、メッセージ送信元の倉庫営業者端末2へ送信する。この申請画面には、何れの倉庫の何れの物理収容スペースの収納可能スペースが、どのように変動(拡大又は縮小)したかを特定させるための幾つかの入力欄,及び、各入力欄に入力された情報をパラメータとするメッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させるタグが付されたアイテムが含まれている。
【0044】
CPU11は、次のS102において倉庫営業者端末2からの上記メッセージを待ち、上記メッセージを受信すると、S103において、メッセージ中のパラメータに従って、
デッドスペーステーブル125中の該当物理スペースについての「収納可能スペース」欄の登録内容及び「空きスペース」欄の登録内容を、更新する。S103を完了すると、CPU11は、デッドスペース更新申請時処理を終了する。
[寄託依頼時]
図12のフローチャートに示す寄託依頼時処理は、会員管理データベース123に登録されている会員が、或る寄託物を倉庫営業者へ送付(郵送,運送)するに先立って、倉庫営業者の代理人としての通信業者に寄託を依頼するための、処理である。この寄託依頼時処理は、かかる会員が操作しているとともにウェブブラウザプログラム321による処理を実行しているユーザ端末3からの寄託依頼メッセージを受信した倉庫管理サーバ1のCPU11が、ユーザ端末3の操作者から送信された所有者IDに対する所定の認証処理に成功した場合に、スタートする。
【0045】
スタート後最初のS201では、CPU11は、寄託依頼画面の画面/フォームデータ122を、メッセージ送信元のユーザ端末3へ送信する。この寄託依頼画面には、図6に示す預け品依頼テーブル兼引き取り品依頼テーブル127の「所有者ID」欄,「商品名」欄,及び、「申請によるコンディション」欄に夫々対応した入力欄,並びに、各入力欄に入力された情報をパラメータとするメッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させるタグが付されたアイテムが含まれている。
【0046】
CPU11は、次のS202においてユーザ端末3からの上記メッセージを待ち、上記メッセージを受信すると、S203において、S202にて受信したメッセージ中の各パラメータが登録されているとともに「作業ステータス」=“新規”と設定された新規レコードを、預け品依頼テーブル兼引き取り品依頼テーブル127に登録する。S203を完了すると、CPU11は、会員登録時処理を終了する。
[商品登録時]
図13及び図14のフローチャートに示す商品登録時処理は、上記会員から送付(郵送,運送)された寄託物を受領した倉庫営業者の担当者が当該寄託物の情報を商品格納テーブル126に登録するための、処理である。この処理に先立って、倉庫営業者の担当者は、予め合意されたルールに従って送付元の会員が寄託物を倉庫営業者に送付するための送付状又は送付伝票に書き込んだ当該会員の所有者IDを読み取り、当該寄託物を送付用の梱包から取り出し、必要に応じて養生用ケースに収容し、寄託物の外面(養生用ケースを用いない場合)又は養生用ケースの外面に電子タグ(RF−ID,以下同じ)を付しておく。
【0047】
そして、この商品登録時処理は、ウェブブラウザプログラム221による処理を実行している倉庫営業者端末2からの商品登録要求メッセージを受信した倉庫管理サーバ1のCPU11が、所定の認証処理に成功した場合に、スタートする。
【0048】
スタート後、最初のS301では、CPU11は、当該会員の所有者IDの取得を試みる。例えば、商品登録要求メッセージに所有者IDが含まれている場合には、当該メッセージ中から所有者IDを抽出する。それ以外の場合には、CPU11は、倉庫営業者端末2へ所有者IDの送信画面を応答し、当該送信画面の機能により返信されてきた所有者IDを受信しても良い。かくして所有者IDの取得に成功したCPU11は、処理をS302へ進める。
【0049】
S302では、CPU11は、預け品依頼テーブル兼引き取り品依頼テーブル127を検索し、S301にて取得した所有者IDを含むとともに「作業ステータス」=“新規”に設定されているレコードを抽出する。このとき、依頼元の会員が複数の寄託物について夫々上記寄託依頼処理を実行させていた場合には、複数のレコードが抽出されることになる。
【0050】
次のS303では、CPU11は、到着日登録画面の画面/フォームデータ122を、倉庫営業者端末2へ送信する。この到着日登録画面には、S302にて抽出された各レコード中の商品名が列挙され、何れの商品名に対応した寄託物の登録であるかを選択させるオプションボタンが含まれているとともに、寄託物到着日の入力欄,及び、オプションボタンによって選択された商品名及び入力欄に入力された寄託物到着日をパラメータとするメッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させるタグが付されたアイテムが、含まれている。
【0051】
CPU11は、次のS304においてユーザ端末3からの上記メッセージを待ち、上記メッセージを受信すると、処理をS305へ進める。
【0052】
S305では、CPU11は、預け品依頼テーブル兼引き取り品依頼テーブル127から、S304にて受信したメッセージ中の商品名を含むレコードを検索し、検索したレコードにおける「作業ステータス」欄の値を、“検品中”に変更する。
【0053】
次のS306では、CPU11は、商品登録画面の画面/フォームデータ122を、倉庫営業者端末2へ送信する。この到着日登録画面には、図5に示す商品格納テーブル126の各欄に夫々対応した入力欄(「申告によるコンディション」欄,「商品ステータス」欄,「公開ステータス」欄,「位置No.」欄,「売値」欄を除く),及び、各入力欄に入力された情報をパラメータとするメッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させるタグが付されたアイテムが含まれている。なお、「商品名」の入力欄には、S305にて検索したレコード中の「商品名」欄の値が初期設定されていても良い。当該商品登録画面の画面/フォームデータ122を受信した倉庫営業者端末2では、担当者は、受寄物又はその養生用ケースに付された電子タグのID(格納ユニークID)を読み出して、前記画面の対応入力欄に入力する。また、当該受寄物にISBNコードが付されていれば、ISBNデータDB41にアクセスし、当該ISBNに対応する商品名,商品画像を読み出し、これらISBNコード,商品名,商品画像を前記画面の対応入力欄に入力する。また、当該受寄物にJANコードが印刷されていれば、JANデータDB42にアクセスし、当該JANコードに対応する商品名,商品画像を読み出し、これらJANコード,商品名,商品画像を前記画面の対応入力欄に入力する。また、担当者は、受寄物又はその養生用ケースの高さ(X),幅(Y)及び奥行き(Z)の各寸法を計測して、前記画面の対応入力欄に入力する。また、担当者は、受寄物の種別,コンディションを評価して、「種別」及び「検品時のコンディション」欄に夫々入力する。以上の後に、担当者が前記画面中の送信アイテムを操作すると、倉庫営業者端末2のCPU21は、各入力欄に入力されたデータを含むメッセージを、倉庫管理サーバ1へ送信する。
【0054】
CPU11は、次のS307において倉庫営業者端末2からの上記メッセージを待ち、上記メッセージを受信すると、S308において、所有者テーブル124を検索し、S301にて取得した所有者IDを含むレコードを読み出す。
【0055】
次のS309では、CPU11は、S307にて受信したデータ中の「商品サイズ」の高さ(X),幅(Y)及び奥行き(Z)の値に基づいて算出される体積(受寄物体積)が、S308にて所有者テーブル124から読み出したレコード中の残スペースを超えているか否かをチェックする。そして、前者が後者以下であれば、処理をS312へ進める。
【0056】
これに対して、前者が後者を超えていれば、CPU11は、S310において、S308にて抽出したレコード中の残スペースが受寄物体積以上となるまで、当該レコードにおける契約スペースの値及び残スペースの値を、単位量づつ増量していく。そして、CPU11は、前者が後者以上となった時点で、処理をS311へ進める。
【0057】
S311では、CPU11は、S310における契約スペースの増量分に相当する額だけ、会員管理データベース123におけるS301にて取得した所有者IDを含むレコード中の「月額課金額」欄の値を増加する。S311を完了すると、CPU11は、処理をS312へ進める。
【0058】
S312では、CPU11は、デッドスペーステーブル125を検索して、「収納可能スペース」欄に登録されている高さ(X),幅(Y)及び奥行き(Z)の各寸法が示す空間が、S307にて受信したデータ中の「商品サイズ」の高さ(X),幅(Y)及び奥行き(Z)の各寸法が示す空間を内包するか否かに基づいて、受寄物又はその養生用ケースのサイズ以上となる収納可能スペースの有無をチェックする。そして、受寄物又はその養生用ケースのサイズ以上となる収納可能スペースがあれば、CPU11は、処理をS316へ進める。
【0059】
これに対して、受寄物又はその養生用ケースのサイズ以上となる収納可能スペースがなければ、CPU11は、S314において、新たなスペースの確保をすべき旨の警告画面の画面/フォームデータ122を倉庫営業者端末2へ送信した後に、処理をS313へ戻す。倉庫営業者端末2のCPU21により実行されているウェブブラウザプログラム221によってディスプレイ26上に表示される当該警告画面を見た担当者は、何れかの物理的格納スペース内を整理することにより、空きスペースを拡大した上で、図11に示すデッドスペース更新申請処理を実行させる。その結果、当該物理的格納スペースについてデッドスペーステーブル125に登録されている収納格納スペースの寸法が拡大されるので、二回目以降のS313の処理において、受寄物又はその養生用ケースのサイズ以上となる収納可能スペースがあるとの判断がなされる可能性が生じる。
【0060】
S315では、CPU11は、受寄物又はその養生用ケースのサイズ以上となる収納可能スペースを有する物理的格納スペースが複数あるか否かをチェックする。そして、CPU11は、かかる物理的格納スペースが一つだけあれば処理を直接S317へ進め、かかる物理的格納スペースが複数あれば、S316において、収納可能スペースの寸法が小さい方の物理的格納スペースの「位置No.」を選択した後に、処理をS317へ進める。
【0061】
なお、上述したS309〜S316の処理が、寄託者の識別情報及び当該寄託者が寄託を求める物の寸法が入力された場合に、入力された物の寸法に基づいて計算される体積が、入力された識別情報に基づいて特定される寄託者について前記第2の記憶部に登録されている空き体積以内である場合に限り、前記物の寸法によって特定される空間を内包する寸法の空きスペースを有するものとして前記第1の記憶部に登録されている物理的格納スペースを特定する特定手段に、相当する。
【0062】
S317では、CPU11は、デッドスペーステーブル125における「収納可能スペース」欄(S315において一つだけであると判断された物理的格納スペースに対応したレコードにおける「収納可能スペース」欄,若しくは、S316にて選択された「位置No.」に対応したレコードにおける「収納可能スペース」欄)に登録されている寸法を、S307にて受信したデータ中の「商品サイズ」の高さ(X),幅(Y)及び奥行き(Z)の各寸法が示す空間分だけ減じる。
【0063】
次の318では、CPU11は、S308にて所有者テーブル124から読み出したレコード中の「利用スペース」欄の値に、S307にて受信したデータ中の「商品サイズ」の高さ(X),幅(Y)及び奥行き(Z)の値に基づいて算出される体積(受寄物体積)を加算するとともに、「残スペース」欄の値から上記受寄物体積を減算する。
【0064】
なお、上述したS317及びS318が、入力された識別情報に基づいて特定される寄
託者について前記第2の記憶部に登録されている空き体積から、前記入力インタフェースに入力された物の寸法に基づいて計算される体積を減じるとともに、前記特定手段によって特定された物理的格納スペースについて前記第1の記憶部に登録されている空きスペースの寸法を、前記入力インタフェースに入力された物の寸法によって特定される空間に相当する分減じる更新手段に、相当する。
【0065】
次のS319では、CPU11は、S307にて受信したデータ中の各パラメータ,S313にて受寄物又はその養生用ケースのサイズ以上となる収納可能スペースがあると判断された物理的格納スペースの位置No.(かかる物理的格納スペースが複数存在する場合にはS316にて選択された位置No.),S302にて抽出したレコード中の「申請によるコンディション」欄の値,商品ステータス=保管(初期値),公開ステータス=非公開が登録された新規レコードを、商品格納テーブル126に追加する。
【0066】
即ち、S319が、特定手段によって寄託物に関して物理的格納スペースが特定された場合に、当該寄託物について、当該物理的格納スペースの識別情報,並びに、入力インタフェースに入力された寸法及び寄託者の識別情報を、前記第3の記憶部に登録する登録手段に、相当する。
【0067】
次の320では、CPU11は、S313にて受寄物又はその養生用ケースのサイズ以上となる収納可能スペースがあると判断された物理的格納スペースの位置No.(かかる物理的格納スペースが複数存在する場合にはS316にて選択された位置No.)を、倉庫営業者端末2へ応答する。即ち、S320が、特定手段によって特定された物理的格納スペースの特定情報を出力する出力手段に、相当する。
【0068】
倉庫営業者端末2のCPU21により実行されているウェブブラウザプログラム221によってディスプレイ26上に表示されている位置No.を見た担当者は、当該位置No.が示す物理的格納スペース内の空きスペースに、受寄物を収納する。
【0069】
次のS321では、CPU11は、S305にて預け品依頼テーブル兼引き取り品依頼テーブル127から検索したレコードにおける「作業ステータス」欄の値を、“収納済”に変更する。S321を完了すると、CPU11は、商品登録時処理を終了する。
[会員アクセス時]
図15及び図16のフローチャートに示す会員アクセス時処理は、何れかの会員が操作するユーザ端末3から、当該ユーザのマイページ(図20)のURL,トップページ(21)のURL,売りますページのURL,あげますページのURL,又は、交換しますページのURLを指定したメッセージが倉庫管理サーバ1に受信され、当該倉庫管理サーバ1のCPU11が、ユーザ端末3の操作者から送信された所有者IDに対する所定の認証処理に成功した場合に、スタートする。
【0070】
スタート後最初のS401では、CPU11は、受信したメッセージ中に指定されたURLに基づき、要求されたページの種類を識別する。
【0071】
S401にてマイページが要求されたと判断した場合(即ち、認証された会員の所有者IDに対応して会員管理データベース123に登録されているマイページURLがメッセージ中に指定されている場合)には、CPU11は、S402において、認証された会員専用のマイページ(図20参照)の画面データを生成する。即ち、CPU11は、マイページの画面/フォームデータ122を読み出すとともに、認証された会員の所有者IDを含む上から9個のレコードを商品格納テーブル126から読み出し、読み出したレコード中の「商品画像」欄に登録されている画像データを、上記画面データにおける「自分の書庫」欄にリンクさせるとともに、読み出した各レコードにおける「種別」欄の値101,
「商品名」欄の値102,「商品ステータス」欄の値103,「売価」欄の値104(商品ステータス=“売ります”となっているレコードについてのみ),「公開ステータス」欄の値105(商品ステータス=“保管”となっているレコードについてのみのみ)を、上記画面データにおける「書庫にあるリスト」欄に追記する。なお、「商品ステータス」欄の値103は、クリックされる毎に「商品ステータス」欄の値103を順次変更させるステータス変更要求メッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させるボタンとして、設定される。また、「売価」欄の値104は、変更ボタン107が操作されたときに入力内容を変更要求値とするステータス変更要求メッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させるテキストボックス内に、表示される。また、「公開ステータス」欄の値105は、クリックされる毎に「公開ステータス」欄の値を順次変更させるステータス変更要求メッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させるボタンとして、設定される。また、マイページにおける「書庫にあるリスト」欄中には、各受寄物に対応して、対応する受寄物の格納ユニークIDをパラメータとして含む引取要求メッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させる「引取」ボタン106が、含まれている。また、マイページには、テキストボックスに入力されたキーワードを検索条件として指定した更新要求メッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させる検索欄107,及び、選択されたジャンルを検索条件として指定した更新要求メッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させるジャンル欄108を、含んでいる。さらに、マイページには、トップページのURLを指定したメッセージ,売りますページのURLを指定したメッセージ,あげますページのURLを指定したメッセージ,マイページのURLを指定したメッセージ,交換しますページのURLを指定したメッセージを夫々倉庫管理サーバ1へ送信させる各タブ109が、含まれている。CPU11は、上記のようにして生成したマイページの画面データを、メッセージ送信元のユーザ端末2へ応答する。
【0072】
S403では、CPU11は、メッセージ送信元のユーザ端末3からステータス要求メッセージを受信したか否かをチェックし、受信していなければ処理を直接S405へ進め、受信していれば、S404において、商品格納テーブル126におけるステータス変更要求メッセージにおいて変更を要求された受寄物についての「商品ステータス」欄,「公開ステータス」欄又は「売価」欄の値を、変更要求された値に変更した後に、処理をS405へ進める。
【0073】
S405では、CPU11は、メッセージ送信元のユーザ端末3から引取要求メッセージを受信したか否かをチェックし、受信していなければ処理を直接S407へ進め、受信していれば、S406において、後述する引取処理を実行した後に、処理をS407へ進める。
【0074】
S407では、CPU11は、メッセージ送信元のユーザ端末3から更新要求メッセージを受信したか否かをチェックし、受信していなければ処理を直接S403へ戻し、受信していれば、S408において、商品格納テーブル126における認証された会員の所有者IDを含むレコードを更新要求メッセージにおいて指定された検索条件に従ってソートした結果である上位9個のレコードに基づいて、マイページの画面データにおける「自分の書庫」欄及び「書庫にあるリスト」欄を更新し、更新後のマイページの画面データをメッセージ送信元のユーザ端末3へ送信した後に、処理をS403へ戻す。
【0075】
S401にてトップページが要求されたと判断した場合には、CPU11は、S409において、トップページ(図21)の画面データを生成する。即ち、CPU11は、トップページの画面/フォームデータ122を読み出すとともに、「公開ステータス」=“公開”に設定されている全レコードのうち上から9個のレコードを商品格納テーブル126から読み出し、読み出したレコード中の「商品画像」欄に登録されている画像データを、上記画面データにおける「新着紹介枠」欄にリンクさせる。このトップページには、マイページと同様に、検索欄107,ジャンル欄108,及び、各タブ109が含まれている
。CPU11は、上記のようにして生成したトップページの画面データを、メッセージ送信元のユーザ端末2へ応答する。
【0076】
次のS410では、CPU11は、メッセージ送信元のユーザ端末3から更新要求メッセージを受信したか否かをチェックし、受信していなければ処理を直接S410へ戻し、受信していれば、S411において、商品格納テーブル126における「公開ステータス」=“公開”に設定されているレコードを更新要求メッセージにおいて指定された検索条件に従ってソートした結果である上位9個のレコードに基づいて、トップページの画面データにおける「新着紹介枠」欄を更新し、更新後のトップページの画面データをメッセージ送信元のユーザ端末3へ送信した後に、処理をS410へ戻す。
【0077】
S401にて売りますページ又はあげますページが要求されたと判断した場合には、CPU11は、S412において、売りますページの画面データ又はあげますページの画面データを生成する。即ち、CPU11は、売りますページが要求されている場合には、売りますページの画面/フォームデータ122(そのレイアウトはトップページと同じ構成である)を読み出すとともに、「商品ステータス」=“売る”に設定されている全レコードのうち上から9個のレコードを商品格納テーブル126から読み出し、読み出したレコード中の「商品画像」欄に登録されている画像データを、上記画面データの中央の欄にリンクさせる。同様に、CPU11は、あげますページが要求されている場合には、あげますページの画面/フォームデータ122(そのレイアウトはトップページと同じ構成である)を読み出すとともに、「商品ステータス」=“あげる”に設定されている全レコードのうち上から9個のレコードを商品格納テーブル126から読み出し、読み出したレコード中の「商品画像」欄に登録されている画像データを、上記画面データの中央の欄にリンクさせる。なお、各画面データに設定された画像データへのリンクには、画像データがクリックされた場合に当該画像データに対応した格納ユニークIDをパラメータとする商品選択メッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させるアンカータグが、設定されている。その他、売りますページ及びあげますページには、マイページと同様に、検索欄107,ジャンル欄108,及び、各タブ109が含まれている。CPU11は、上記のようにして生成した売りますページ又はあげますページの画面データを、メッセージ送信元のユーザ端末2へ応答する。
【0078】
S413では、CPU11は、メッセージ送信元のユーザ端末3から商品選択要求メッセージを受信したか否かをチェックし、受信していなければ、処理をS414へ進める。
【0079】
S414では、CPU11は、メッセージ送信元のユーザ端末3から更新要求メッセージを受信していたか否かをチェックし、受信していなければ処理を直接S413へ戻し、受信していれば、S416において、商品格納テーブル126における「商品ステータス」=“売ります”に設定されているレコード(S412において売りますページが要求された場合)又は「商品ステータス」=“あげます”に設定されているレコード(S412においてあげますページが要求された場合)を更新要求メッセージにおいて指定された検索条件に従ってソートした結果である上位9個のレコードに基づいて、売りますページ又はあげますページの画面データの中央の欄を更新し、更新後の売りますページ又はあげますページの画面データをメッセージ送信元のユーザ端末3へ送信した後に、処理をS413へ戻す。
【0080】
一方、商品選択要求メッセージを受信したとS413にて判定した場合(即ち、寄託物の識別情報が入力された場合)には、CPU11は、S417において、受信した選択要求メッセージにパラメータとして含まれる格納ユニークIDに対応する所有者ID及び商品名を商品格納テーブル126から読み出し、読み出した所有者IDに対応した電子メールアドレスを会員管理データベース123から読み出し、読み出した電子メールアドレス
宛に、上記商品名が示す寄託物の売却又は無償譲渡を承諾するか拒絶するかを確認させるメッセージ(承諾確認メッセージ)を、送信する。
【0081】
次のS418では、上記承諾確認メッセージに対する応答を待ち、拒絶する旨の応答があった場合には、CPU11は、S419において、拒絶された旨を表示する警告画面の画面/フォームデータ122を読み出し、データ売りますページ又はあげますページ要求元のユーザ端末2へ送信した後に、処理をS413へ戻す。
【0082】
一方、承諾する旨の応答があったとS418にて判断した場合には、CPU11は、認証された所有者ID(即ち、入力された会員の識別情報)が示す者(譲受人)と当該寄託物の所有者との間で譲渡の合意(売買契約又は贈与契約)が成立したことを前提として、S420において、所有者変更処理を実行する。
【0083】
図17は、S420にて実行される所有者変更処理サブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンに入って最初のS501では、CPU11は、商品格納テーブル126における譲渡対象受寄物に対応したレコード中の「所有者ID」欄の値を、譲受人について会員管理データベース123に登録されている所有者IDに変更するとともに、同レコード中の「商品ステータス」欄の値を“保管”に、「公開ステータス」欄の値を“非公開”に、夫々、初期化する。
【0084】
次のS502では、CPU11は、譲渡人について所有者テーブル124に登録されている「利用スペース」欄の値から、譲渡対象受寄物について商品格納テーブル126の「商品サイズ」欄に登録されている高さ(X),幅(Y)及び奥行き(Z)の各寸法に基づいて算出される体積を減ずるとともに、「残スペース」欄の値に上記体積を加算する。
【0085】
次のS503では、CPU11は、譲受人について所有者テーブル124に登録されている「残スペース」欄の値が、譲渡対象受寄物について商品格納テーブル126の「商品サイズ」欄に登録されている高さ(X),幅(Y)及び奥行き(Z)の各寸法に基づいて算出される体積以上であるか否かを、チェックする。そして、前者が後者以上である場合には、CPU11は、処理を直接S506へ進める。
【0086】
これに対して、前者が後者未満であるとS503にて判断した場合には、CPU11は、S504において、譲受人について所有者テーブル124に登録されている「残スペース」欄の値が上記譲渡対象受寄物の体積以上となるまで、当該レコードにおける契約スペースの値及び残スペースの値を、単位量づつ増量していく。そして、CPU11は、前者が後者以上となった時点で、処理をS505へ進める。
【0087】
S505では、CPU11は、S504における契約スペースの増量分に相当する額だけ、譲受人について会員管理データベース123の「月額課金額」欄に登録されている値を増加する。S505を完了すると、CPU11は、処理をS506へ進める。
【0088】
S506では、CPU11は、譲受人について所有者テーブル124に登録されている「利用スペース」欄の値に、譲渡対象受寄物について商品格納テーブル126の「商品サイズ」欄に登録されている高さ(X),幅(Y)及び奥行き(Z)の各寸法に基づいて算出される体積を加算するとともに、「残スペース」欄の値から上記体積を減算する。S506を完了すると、CPU11は、所有権変更処理サブルーチンを修了して、処理をメインルーチンに戻す。
【0089】
なお、上述したS502〜S506が、第3の記憶部に登録されている寄託物のうち当該寄託物に対応して前記第3の記憶物に識別情報が登録されている所有者から他者に譲渡
される寄託物の識別情報,及び、譲受人である前記他者の識別情報が入力された場合に、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている識別情報によって特定される所有者について前記第2の記憶部に登録されている空き体積に、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている寸法に基づいて計算される体積を加算するとともに、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている所有者の識別情報を前記譲受人の識別情報に変更し、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている寸法に基づいて計算される体積が、前記譲受人について前記第2の記憶部に登録されている空き体積以内である場合に限り、当該譲受人について前記第2の記憶部に登録されている空き体積から、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている寸法に基づいて計算される体積を減じる更新手段に、相当する。
【0090】
処理が戻された図15のメインルーチンでは、CPU11は、S420の完了後に、S421において、精算処理を実行する。即ち、S401において売りますページが要求されていた場合において、譲渡対象受寄物について商品格納テーブル126の「売価」欄に登録されている売価を、譲受人について会員管理データベース123の「当月追加額」欄に登録されている値に加算するとともに、譲渡人について会員管理データベース123の「課金情報」欄に登録されている課金手段を用いて、当該売価を譲渡人に送金する処理を実行する。なお、S401においてあげますページが要求されていた場合には、何等の精算処理も行われない。S421を完了すると、CPU11は、処理をS413へ戻す。
【0091】
S401にて交換しますページが要求されたと判断した場合には、CPU11は、S402において、交換しますページの画面データを生成する。即ち、CPU11は、交換しますページの画面/フォームデータ122(そのレイアウトはトップページと同じ構成である)を読み出すとともに、「商品ステータス」=“交換する”に設定されている全レコードのうち上から9個のレコードを商品格納テーブル126から読み出し、読み出したレコード中の「商品画像」欄に登録されている画像データを、上記画面データの中央の欄にリンクさせる。なお、交換しますページの画面データに設定された画像データへのリンクには、画像データがクリックされた場合に当該画像データに対応した格納ユニークIDをパラメータとする商品選択メッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させるアンカータグが、設定されている。その他、交換しますページには、マイページと同様に、検索欄107,ジャンル欄108,及び、各タブ109が含まれている。CPU11は、上記のようにして生成した交換しますページの画面データを、メッセージ送信元のユーザ端末2へ応答する。
【0092】
S423では、CPU11は、メッセージ送信元のユーザ端末3から商品選択要求メッセージを受信したか否かをチェックし、受信していなければ、処理をS424へ進める。
【0093】
S424では、CPU11は、メッセージ送信元のユーザ端末3から更新要求メッセージを受信していたか否かをチェックし、受信していなければ処理を直接S423へ戻し、受信していれば、S425において、商品格納テーブル126における「商品ステータス」=“交換します”に設定されているレコードを更新要求メッセージにおいて指定された検索条件に従ってソートした結果である上位9個のレコードに基づいて、交換しますページの中央の欄を更新し、更新後の交換しますページの画面データをメッセージ送信元のユーザ端末3へ送信した後に、処理をS423へ戻す。
【0094】
一方、商品選択要求メッセージを受信したとS423にて判定した場合(即ち、受寄物の識別情報が入力された場合)には、CPU11は、S426において、認証された会員専用のマイページの画面データを生成する。即ち、CPU11は、マイページの画面/フォームデータ122を読み出すとともに、認証された会員の所有者ID(即ち、入力された会員の識別情報)を含むとともに「商品コンディション」欄の値が“売ります”又は“
交換します”に設定されているレコードのうち、上から9個のレコードを商品格納テーブル126から読み出し、読み出したレコード中の「商品画像」欄に登録されている画像データを、上記画面データにおける「自分の書庫」欄にリンクさせる。なお、マイページの画面データに設定された画像データへのリンクには、画像データがクリックされた場合に当該画像データに対応した格納ユニークIDをパラメータとする商品選択メッセージを倉庫管理サーバ1へ送信させるアンカータグが、設定されている。当該マイページの画面データのその他の構成は、S402にて生成されるものと同じである。CPU11は、上記のようにして生成したマイページの画面データを、メッセージ送信元のユーザ端末2へ応答する。
【0095】
S427では、CPU11は、メッセージ送信元のユーザ端末3から商品選択要求メッセージを受信したか否かをチェックし、受信していなければ、処理をS428へ進める。
【0096】
S428では、CPU11は、メッセージ送信元のユーザ端末3から更新要求メッセージを受信していたか否かをチェックし、受信していなければ処理を直接S427へ戻し、受信していれば、S429において、商品格納テーブル126における「商品ステータス」=“交換します”に設定されているレコードを更新要求メッセージにおいて指定された検索条件に従ってソートした結果である上位9個のレコードに基づいて、交換しますページの中央の欄を更新し、更新後の交換しますページの画面データをメッセージ送信元のユーザ端末3へ送信した後に、処理をS427へ戻す。
【0097】
一方、商品選択要求メッセージを受信したとS427にて判定した場合には、CPU11は、S430において、受信した選択要求メッセージにパラメータとして含まれる格納ユニークIDに対応する所有者IDを商品格納テーブル126から読み出し、読み出した所有者IDに対応した電子メールアドレスを会員管理データベース123から読み出し、読み出した電子メールアドレス宛に、S423にて受信した商品選択メッセージにより選択された寄託物(対象商品)とS427の商品選択メッセージにより選択された寄託物(代償商品)との交換を承諾するか拒絶するかを確認するためのメッセージ(承諾確認メッセージ)を送信する。
【0098】
次のS431では、上記承諾確認メッセージに対する応答を待ち、拒絶する旨の応答があった場合には、CPU11は、S432において、拒絶された旨を表示する警告画面の画面/フォームデータ122を読み出し、データ売りますページ又はあげますページ要求元のユーザ端末2へ送信した後に、処理をS423へ戻す。
【0099】
一方、承諾する旨の応答があったとS431にて判断した場合には、CPU11は、当事者間で交換契約(相互の譲渡契約)が成立したことを前提として、S433において、S423にて受信した商品選択メッセージにより選択された寄託物(対象商品)についての所有者変更処理を実行する。具体的には、CPU11は、S423にて受信した商品選択メッセージにより選択された寄託物(対象商品)に関して、図17に示す所有者変更処理サブルーチンを実行する。
【0100】
次のS434では、S427にて受信した商品選択メッセージにより選択された寄託物(代償商品)についての所有者変更処理を実行する。具体的には、CPU11は、S427にて受信した商品選択メッセージにより選択された寄託物(代償商品)に関して、図17に示す所有者変更処理サブルーチンを実行する。S434を完了すると、CPU11は、処理をS423へ戻す。
【0101】
次に、或る寄託物について当初の寄託者又はその譲受人がマイページ上の引取ボタン106を操作することによってS406において実行される引取処理を、説明する。図18
は、S406にて実行される引取処理サブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンに入って最初のS601では、CPU11は、預け品依頼テーブル兼引き取り品依頼テーブル127におけるS405にて受信した引取要求メッセージに対応した寄託物についてのレコード中の「作業ステータス」欄の値を、“引取依頼中”に変更する。
【0102】
次のS602では、CPU11は、S405にて受信した引取要求メッセージにパラメータとして含まれている格納ユニークIDを含むレコードを商品格納テーブル126から読み出し、読み出したレコード中の「商品サイズ」欄に登録されている高さ(X),幅(Y)及び奥行き(Z)の各寸法に基づいて算出される体積合計,及び、同レコード中の「所有者ID」の値に対応して会員管理データベース123に登録されている住所に基づいて、図示せぬ宅配料金表を参照することにより、宅配料金を算出する。そして、CPU11は、算出した宅配料金をディスプレイ36上に表示させる画面データを、メッセージ送信元のユーザ端末3へ送信する。
【0103】
次のS603では、CPU11は、認証された会員の所有者IDを含むレコードを会員管理データベース123から読み出し、読み出したレコード中の「無料配送済みフラグ」の値をチェックする。そして、「無料配送済みフラグ」がセットされている場合には、CPU11は、S605において、当該フラグをリセットした後に、処理をS606へ進める。一方、「無料配送済みフラグ」がリセットされている場合には、CPU11は、S604において、S602にて算出した宅配料金を、上記レコード中の「当月追加額」欄の値に加算した後に、処理をS606へ進める。
【0104】
S606では、CPU11は、認証された会員の所有者IDに対応して会員管理データベース123に登録されている氏名及び住所,S405にて受信した引取要求メッセージにパラメータとして含まれている格納ユニークID,当該格納ユニークIDに対応付けて商品格納テーブル126に登録されている商品名,位置No.に基づいて配送用伝票データを生成して、生成した配送用伝票データを、倉庫営業者端末2へ送信する。当該配送用伝票データを受信した倉庫営業者端末2では、当該配送用伝票データに基づいて、プリンタ23が配送用伝票を印刷する。
【0105】
次のS607では、CPU11は、上記位置No.に対応してデッドスペーステーブル125の「収納可能スペース」欄及び「空きスペース」欄に登録されている寸法を、上記格納ユニークIDに対応付けて商品格納テーブル126の「商品サイズ」欄に登録されている高さ(X),幅(Y)及び奥行き(Z)の各寸法が示す空間分だけ拡大する。
【0106】
次のS608では、CPU11は、認証された会員の所有者IDに対応して所有者テーブル124に登録されている「利用スペース」欄の値から、譲渡対象受寄物について商品格納テーブル126の「商品サイズ」欄に登録されている高さ(X),幅(Y)及び奥行き(Z)の各寸法に基づいて算出される体積を減ずるとともに、「残スペース」欄の値に上記体積を加算する。
【0107】
次のS609では、CPU11は、預け品依頼テーブル兼引き取り品依頼テーブル127におけるS405にて受信した引取要求メッセージに対応した寄託物についてのレコード中の「作業ステータス」欄の値を、“出荷済”に変更する。
【0108】
次のS610では、CPU11は、商品格納テーブル126から、S405にて受信した引取要求メッセージにパラメータとして含まれている格納ユニークIDを含むレコードを削除する。S610を完了すると、CPU11は、引取処理サブルーチンを収量して、図15のメインルーチンに処理を戻す。
【0109】
なお、上述したS607,S608及びS610が、第3の記憶部に登録されている寄託物のうち当該寄託物に対応して前記第3の記憶物に識別情報が登録されている所有者によって引き取られる寄託物の識別情報が入力された場合に、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている特定情報によって特定される物理的格納スペースについて前記第1の記憶部に登録されている空きスペースの寸法を、前記第3の記憶部に登録されている当該寄託物についての寸法によって特定される空間に相当する分拡大し、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている識別情報によって特定される所有者について前記第2の記憶部に登録されている空き体積に、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている寸法に基づいて計算される体積を加算し、前記第3の記憶部に登録されている当該寄託物についての情報を削除する更新手段に、相当する。
[課金処理]
図19のフローチャートに示す課金処理は、毎月の締日において各会員毎の請求額を算出するために自動実行される処理である。
【0110】
スタート後最初のS701では、CPU11は、会員管理データベース123を参照し、各会員毎に、「月毎課金額」欄に登録されている金額及び「当月追加額」欄に登録されている金額を合算することにより、当月課金額を算出する。
【0111】
次のS702では、CPU11は、各会員について会員管理データベース123に登録されている「課金情報」を用いて、S701にて算出した当月課金額を請求する処理を実行する。S702を完了すると、CPU11は、課金処理を終了する。
<作用>
上述したように構成された本実施形態の利点を、従来例と比較して、説明する。
【0112】
図23は、固定スペース貸しによる包括的寄託契約のみを顧客との間で締結している倉庫営業者の倉庫内の状態を表す概念図である。この場合、上述したように、各物理的格納スペースは、特定の顧客からの受寄物の格納のためにのみ用いられ、各物理的格納スペースに空きスペースが存在しても、他の顧客からの受寄物が格納されることはない。また、各物理的格納スペースに発生した空きスペースに寄託物を格納可能かどうかは、当該空きスペースの形状に依存する。
【0113】
例えば、図23における“Aさん”専用の物理的格納スペースに発生した空きスペースの体積が、“Aさん”が新たに格納しようとする寄託物200の体積よりも大きくても、当該空きスペースの幅が当該寄託物200の幅よりも狭い限り、当該寄託物200を当該空きスペースに収納させることはできない。この場合、“Aさん”は、当該倉庫に当該寄託物に預けることを諦めて、他に寄託営業者を求めるしかない。
【0114】
これに対して、本実施形態によると、一つの物理的格納スペースが複数の寄託者のために共用され、ただ、所有者テーブル124により、各会員毎の残り利用可能体積(残りスペース)が管理されているのみである。従って、物理的格納スペースは、物理的に会員毎に細分化されているわけではないので、空きスペースも一つにまとまり、よって、空きスペースの寸法が従来よりも大きくなる。よって、空きスペースに寄託物を格納可能かどうかが空きスペースの形状に依存する可能性は、その分だけ低くなる。従って、空きスペースに寄託物を格納可能かどうかを、所有者テーブル124において管理されている各会員毎の空きスペースの体積に依存させることが、可能となるのである。
【0115】
例えば、図22における“Aさん”が所有者テーブル124に登録されている利用可能体積以下の体積を有する寄託物200を新たに寄託しようとする場合、当該寄託物200の形状にはあまり依存せず、当該寄託物200の寄託が可能と判断される。これに対して、“Aさん”が所有者テーブル124に登録されている利用可能体積を越える体積を有す
る寄託物200を新たに寄託しようとする場合、当該寄託物200の寄託が不可能と判断される。しかし、“Aさん”は、倉庫業者との体積固定型寄託契約を更改して契約スペースを増量することで、利用可能体積(残スペース)を増加させれば、当該寄託物200を寄託することが可能となる。
【0116】
なお、全ての会員が、常時、契約スペースの上限一杯まで寄託をしていることはなく、実際には、各会員毎に、現実に寄託をしている寄託物の体積総和が契約スペースの限度内において時の経過につれて変動していると考えられる。従って、全会員の契約スペースの総和が倉庫の体積を超えたとしても、倉庫が一杯になってしまう可能性は低い。よって、倉庫業者にとって、寄託契約料収入を従来よりも向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0117】
1 倉庫管理サーバ
2 倉庫営業者端末
3 ユーザ端末
11 CPU
12 ハードディスク
121 倉庫管理プログラム
123 会員管理データベース
124 所有者テーブル
125 デッドスペーステーブル
126 商品格納テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫内の物理的格納スペースに寄託者から寄託された物品を保管するサービスを支援する倉庫管理システムであって、
各物理的格納スペース毎に、空きスペースの寸法が登録されている第1の記憶部と、
各人毎に、予め定められた上限体積から現に前記物理的格納スペースに格納されている物の体積総和を減じた残りの体積である空き体積が登録されている第2の記憶部と、
情報が入力される入力インタフェースと、
前記入力インタフェースに、寄託者の識別情報及び当該寄託者が寄託を求める物の寸法が入力された場合に、入力された物の寸法に基づいて計算される体積が、入力された識別情報に基づいて特定される寄託者について前記第2の記憶部に登録されている空き体積以内である場合に限り、前記物の寸法によって特定される空間を内包する寸法の空きスペースを有するものとして前記第1の記憶部に登録されている物理的格納スペースを特定する特定手段と、
前記入力インタフェースに入力された識別情報に基づいて特定される寄託者について前記第2の記憶部に登録されている空き体積から、前記入力インタフェースに入力された物の寸法に基づいて計算される体積を減じるとともに、前記特定手段によって特定された物理的格納スペースについて前記第1の記憶部に登録されている空きスペースの寸法を、前記入力インタフェースに入力された物の寸法によって特定される空間に相当する分減じる更新手段と、
前記特定手段によって特定された物理的格納スペースの特定情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする倉庫管理システム。
【請求項2】
前記倉庫内の何れかの物理的格納スペースに格納されている各寄託物毎に、その寸法,所有者の識別情報,及び、それが格納されている物理的格納スペースの特定情報が登録されている第3の記憶部を更に備え、
前記更新手段は、
前記入力インタフェースに、前記第3の記憶部に登録されている寄託物のうち当該寄託物に対応して前記第3の記憶物に識別情報が登録されている所有者によって引き取られる寄託物の識別情報が入力された場合に、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている特定情報によって特定される物理的格納スペースについて前記第1の記憶部に登録されている空きスペースの寸法を、前記第3の記憶部に登録されている当該寄託物についての寸法によって特定される空間に相当する分拡大し、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている識別情報によって特定される所有者について前記第2の記憶部に登録されている空き体積に、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている寸法に基づいて計算される体積を加算し、前記第3の記憶部に登録されている当該寄託物についての情報を削除し、
前記出力手段は、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている識別情報によって特定される物理的格納スペースの特定情報を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の倉庫管理システム。
【請求項3】
前記特定手段によって寄託物に関して物理的格納スペースが特定された場合に、当該寄託物について、当該物理的格納スペースの識別情報,並びに、入力インタフェースに入力された寸法及び寄託者の識別情報を、前記第3の記憶部に登録する登録手段を
更に備えることを特徴とする請求項2記載の倉庫管理システム。
【請求項4】
前記更新手段は、
前記入力インタフェースに、前記第3の記憶部に登録されている寄託物のうち当該寄託物に対応して前記第3の記憶物に識別情報が登録されている所有者から他者に譲渡される寄託物の識別情報,及び、譲受人である前記他者の識別情報が入力された場合に、当該寄
託物について前記第3の記憶部に登録されている識別情報によって特定される所有者について前記第2の記憶部に登録されている空き体積に、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている寸法に基づいて計算される体積を加算するとともに、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている所有者の識別情報を前記譲受人の識別情報に変更し、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている寸法に基づいて計算される体積が、前記譲受人について前記第2の記憶部に登録されている空き体積以内である場合に限り、当該譲受人について前記第2の記憶部に登録されている空き体積から、当該寄託物について前記第3の記憶部に登録されている寸法に基づいて計算される体積を減じる
ことを特徴とする請求項2記載の倉庫管理システム。
【請求項5】
前記入力インタフェースには、ネットワークを通じて情報が入力される
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の倉庫管理システム。
【請求項6】
前記出力手段は、前記物理的格納スペースの特定情報をネットワークを通じて所定の端末へ送信する
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の倉庫管理システム。
【請求項7】
倉庫内の物理的格納スペースに寄託者から寄託された物品を保管するサービスを支援する倉庫管理プログラムであって、
情報が入力される入力インタフェースを有するとともに、各物理的格納スペース毎に、空きスペースの寸法が登録されている第1の記憶部,及び、各人毎に、予め定められた上限体積から現に前記物理的格納スペースに格納されている物の体積総和を減じた残りの体積である空き体積が登録されている第2の記憶部にアクセス可能なコンピュータを、
前記入力インタフェースに、寄託者の識別情報及び当該寄託者が寄託を求める物の寸法が入力された場合に、入力された物の寸法に基づいて計算される体積が、入力された識別情報に基づいて特定される寄託者について第2の記憶部に登録されている空き体積以内である場合に限り、前記物の寸法によって特定される空間を内包する寸法の空きスペースを有するものとして前記第1の記憶部に登録されている物理的格納スペースを特定する特定手段,
前記入力インタフェースに入力された識別情報に基づいて特定される寄託者について前記第2の記憶部に登録されている空き体積から、前記入力インタフェースに入力された物の寸法に基づいて計算される体積を減じるとともに、前記特定手段によって特定された物理的格納スペースについて前記第1の記憶部に登録されている空きスペースの寸法を、前記入力インタフェースに入力された物の寸法によって特定される空間に相当する分減じる更新手段,及び、
前記特定手段によって特定された物理的格納スペースの特定情報を出力する出力手段
として機能させる倉庫管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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