説明

個人複合識別装置

例えば小売店環境内におけるRFIDの急増に伴う主要な欠点は、顧客に関する情報がどの程度経営者に対して送られるのかについて、また、その情報がどのように使用されるのかについて顧客が細心の注意を払わなければならないという点である。そのようなプライバシーに対する懸念は、多くの環境におけるRFIDの遍在性に対する最も大きな障害のうちの一つと考えられる。また、顧客は、RFIDを収容する自分の装置に対して計り知れない量の情報を送信される。これらのプライバシーに対する懸念に対処するため、本発明は、パーソナルプロファイルを送信するための装置、システム、方法を含んでいる。即ち、本発明は、パーソナルプロファイルを収容するメモリと、パーソナルプロファイル選択要素と、信号を送信するための送信器とを含み、当該信号は、パーソナルプロファイル選択要素を使用して選択されたパーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野及び背景技術】
【0001】
無線周波数識別(RFID)タグは、ちょうどトランスポンダが行うように、情報を無線信号によって読取装置へ配信する。これにより、マシン(機械)は、オブジェクト(対象物)に関連するデータを読み取ることができる。RFID装置の魅力の一つは、大量の情報を伝達することができるその可能性にある。これは、そのデータ容量が大きく制限されている従来のバーコードとは対照的である。情報を記憶するための更に他の装置は、印刷された及び印刷されていない(例えばエッチングされた)マシン可読記号(例えばパターン認識プロセスを使用する)や、電子透かしを含んでいる。
【0002】
RFIDタグは、プログラム可能(プログラマブル)であってもよく、また、様々な環境因子をタグ内に記録できるセンサを含んでいてもよい。
【0003】
RFIDが製品に取り付けられる場合、RFIDは、その特定の製品を一義的に識別することができ、それにより、中央データベース内において、当該製品を、その製造年月日、それを運搬した輸送船舶、その輸送年月日、それが出荷された小売店、それが販売された小売店、それが製造された方法、それが製造された時期等に関連付けることができる。他の利点は、MRL装置の方向に読取装置を向けることなく読取装置から特定距離だけ離間した状態に維持することにより走査できるという点である。一部の読取装置は、多くのRFIDを直ちに読み取ることができる。
【0004】
また、RFIDは、人物、例えばストアやレストラン等の特定の環境内にいる人物を識別するために使用することができる。そのような環境の経営者は、RFID若しくは他の種類の近接場デバイスを所持する人物、又は、経営者の環境内のRFIDから情報を受け取る人物に関する多くのタイプの情報を探知することができる。例えば、経営者は、顧客が購入したもの、身体的特徴等の顧客に関する個人情報、好みの支払い方法、及び、顧客のRFID又はMRL装置が経営者の読取装置から要求を受け取るときに送信する任意の他の情報を探知することができる。
【0005】
現在、RFIDは、顧客が所持し得る携帯電話、PDA及び他の携帯電子機器内に組み込まれている。また、RFIDは、顧客の衣服に取り付けることもでき、あるいは、顧客の身体の皮下に植え込むことさえできる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば小売店環境内におけるRFIDの急増に伴う主要な欠点は、顧客に関する情報がどの程度まで経営者に対して送られるのかについて、また、その情報がどのように使用されるのかについて顧客が細心の注意を払わなければならないという点である。そのようなプライバシーに対する懸念は、多くの環境におけるRFIDの遍在性に対する最も大きな障害のうちの一つと考えられる。また、顧客は、RFIDを収容する自分の装置に対して計り知れない量の情報を送信される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらのプライバシーに関する問題に対処するため、本発明は、一態様において、パーソナルプロファイルを送信するための装置であって、パーソナルプロファイルを収容するメモリと、パーソナルプロファイル選択要素と、信号を送信するための送信器と、を備え、前記信号は、前記パーソナルプロファイル選択要素を使用して選択されたパーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットを含む、装置を含む。
【0008】
実施の一形態において、前記パーソナルプロファイルは、複数のサブセットを更に含んでいる。
【0009】
他の実施の形態において、前記パーソナルプロファイル選択要素は、スイッチを備えている。他の実施の形態において、前記スイッチは、顧客により手動で操作できる。
【0010】
実施の一形態において、前記送信器は、RFIDを更に備えている。
【0011】
実施の一形態において、前記パーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットを送信するように読取装置から要求を受け取るトランシーバを更に備えている。他の実施の形態において、前記読取装置のみが独占的に前記信号を受け取る。
【0012】
実施の一形態において、前記パーソナルプロファイルは、変更されてメモリ内に記憶されることができる。他の実施の形態において、前記メモリは、無線により、有線接続により、又は、これらの両方により変更される。
【0013】
実施の一形態において、少なくとも一つのパーソナルプロファイルは、ユーザ状態、送信モード、読取装置アクセス、及び/又は、支払いに関する情報を含んでいる。
【0014】
実施の一形態において、装置は、キーチェーン、クレジットカード、スマートカード、携帯電話、PDA、無線機器、ポータブルマイクロコンピュータ、又は、ウェアラブル機器を含む。
【0015】
他の態様において、パーソナルプロファイルの送信及び/又は受信を制限するための装置は、前記パーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットを選択するためのパーソナルプロファイル選択要素と、読取装置から要求を受け取るときに信号を送信するトランシーバと、を備え、前記信号は、前記パーソナルプロファイル選択要素を使用して選択されたパーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットを含んでいる。
【0016】
実施の一形態において、ユーザが少なくとも一つの設定及び少なくとも一つのオプションを定め、前記オプション及び設定が少なくとも一つのサブセットを形成する。
【0017】
実施の一形態において、メモリがプログラム可能であり、ユーザが少なくとも一つのサブセットの少なくとも一つのパラメータをプログラムすることができる。
【0018】
実施の一形態において、前記トランシーバは、装置の外部にあり且つ装置により無線でアクセス可能なメモリにアクセスする。
【0019】
実施の一形態において、前記トランシーバは、RFIDタグを更に備えている。他の実施の形態において、前記トランシーバは、情報を含む信号を受け取るとともに、前記情報が前記パーソナルプロファイルの前記サブセットに含まれるオプションに適合する場合にのみ前記情報をメモリに記憶する。
【0020】
他の態様において、パーソナルプロファイルを選択して送信するための装置は、少なくとも第1及び第2のサブセットを有するパーソナルプロファイルを収容するメモリと、前記パーソナルプロファイルの前記第1のサブセット及び/又は前記第2のサブセットを選択するための少なくとも二つのパーソナルプロファイル選択要素と、前記第1のサブセット及び/又は前記第2のサブセットを送信するための送信器と、を備える。
【0021】
実施の一形態において、前記第1のサブセットと前記第2のサブセットとの間の重複部分を選択するためのアービタを備えている。他の実施の形態において、前記アービタは、ソフトウェア、ハードウェア、又は、ソフトウェア及びハードウェアの両方を含む。他の実施の形態において、前記送信器は、選択された重複部分を含む信号を送信する。
【0022】
他の態様において、パーソナルプロファイルの読み取りを許可するためのシステムは、前記パーソナルプロファイルを収容するメモリ、パーソナルプロファイル選択要素、及び、信号を送信するためのタグを有する装置と、要求を送信するように構成された読取装置と、を備え、前記タグは前記信号を送信し、前記信号は、前記パーソナルプロファイル選択要素を使用して選択された前記パーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットのみを含んでいる。
【0023】
他の態様において、環境内においてパーソナルプロファイルを選択するための方法は、パーソナルプロファイルをメモリに入力するステップと、前記パーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットを形成するステップと、少なくとも一つのサブセットを選択するステップと、前記環境内において要求を受け取ると、少なくとも一つのサブセットに基づいて情報を送信及び/又は受信するステップと、を含む。
【0024】
実施の一形態において、前記形成ステップは、少なくとも二つのサブセットを形成することを含む。他の実施の形態において、前記形成ステップは、前記パーソナルプロファイルから少なくとも一つのサブセットを自動的に形成することを含む。他の実施の形態において、環境からの送信要求を認識することにより前記選択ステップのトリガから送信要求を受信することを含む。
【0025】
他の実施の形態において、前記認識ステップは、前記トリガステップのソースを識別するとともに、前記環境の識別に基づいて前記サブセットを送信することを含む。他の実施の形態において、環境内の読取装置から送信要求を受け取ることを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は多くの利点を提供するものであり、以下、それらの利点のいくつかについて実施の形態を参照しながら説明する。
【0027】
図1は、パーソナルプロファイルを送信する装置1を示している。顧客によって入力され且つメモリに記憶された情報は、パーソナルプロファイルを形成する。パーソナルプロファイルのサブセット(一部)は、パーソナルプロファイルに含まれる情報の限られた部分である。これらのサブセットは、何の情報を装置1から送信できるのか、又は、何の情報を装置1によって受信できるのかを限定してもよい。これらのサブセットは、様々なカテゴリの情報に対応する設定により形成されてもよい。各設定は、送信でき又は受信できるサブセット中の特定の情報を制限するオプションを含んでいてもよい。
【0028】
装置1は、(図1に示されるような)キーチェーン、クレジットカード、スマートカード、携帯電話、PDA、無線機器、ポータブルマイクロコンピュータ、衣類、又は、RFIDタグを収容できる任意の他の携帯機器であってよい。例えば、顧客が小売店の環境内へ装置1を持ち込む場合、顧客は、自分が受信したい情報が何であるのか及び自分が送信したい情報が何であるのかを選択できる。これは、例えば、パーソナルプロファイル選択要素2,3,4を起動させることにより達成される。
【0029】
図1の実施例において、パーソナルプロファイル選択要素2は、「visa(登録商標)」、「amex(登録商標)」及び「debit」のオプションを含んでいる。これらのオプションは、三つの異なる支払い方法に対応している。例えば、顧客が小売店環境に入り且つ製品を選んで購入する際に「visa」を選択する場合、支払いは顧客のvisaの口座に対して請求される。visa口座番号は、装置1内のメモリにプログラムすることができ、(チェックアウト時に)環境内の読取装置からの要求に応じて呼び戻す(リコールする)ことができ、また、装置1内のタグによって送信することができる。例えば、顧客が小売店環境に入り且つ製品を選んで購入する際に「amex」を選択する場合、支払いは顧客のamexの口座に対して請求される。amex口座番号(例えば情報)は、装置1内のメモリにプログラムすることができ、(チェックアウト時に)環境内の読取装置からの要求に応じて呼び戻す(リコールする)ことができ、また、装置1内のタグによって送信することができる。顧客は、経営者が読み込むかもしれない任意の情報(即ち、口座番号、クレジットカードのタイプ等)を装置1のメモリにプログラムしてもよい。
【0030】
パーソナルプロファイル選択要素3は、顧客が望み得るショッピングの形態を選択する。モード設定を選択すると、顧客が環境から受け取ることができる情報のタイプが制限されてもよい。例えば、「new」モードは、所定の時間内(即ち、最近6ヶ月内)に環境に入る新製品に関する情報だけを環境内の送信器から受信することができる。「Offers」モードは、顧客が利用可能な様々な提供(即ち、現在行われているセール、又は、カスタマーロイヤルティディスカウント)に関してだけ環境から読み取ることができる。「Deal」は、例えば正規の値段から一定のパーセント(即ち、20%又はそれ以上のセール)割引された製品に関する情報だけを読み取ることができる。
【0031】
パーソナルプロファイル選択要素4は、環境が装置1から読み取ることを顧客が許可するアクセス設定を選択する。例えば、「none」オプションは、環境の経営者が顧客の装置1から任意の情報を読み取ることを許可しないように構成することができる。「limited」オプションは、経営者が顧客の情報の一部を装置1から読み取ることを許可し得る。「full」オプションは、メモリ内に収容された顧客の情報に対する無制限のアクセスを許可し得る。顧客は、各オプションに対応する情報(例えば、特定の設定において何の特定情報が読み取られてよいのか)をプログラムし得る。
【0032】
図1の実施例において、顧客は、パーソナルプロファイル選択要素2における支払い設定から「visa」オプションを選択し、パーソナルプロファイル選択要素3のモード設定から「new」オプションを選択し、パーソナルプロファイル選択要素4のアクセス設定から「none」オプションを選択した。従って、図1の実施例において、装置1上で選択された総てのパーソナルプロファイルサブセットは、「visa」、「new」、「none」となる。
【0033】
図1の実施例において、装置1は、パーソナルプロファイル選択要素2,3,4を様々な位置まで回転させることにより、9個の考えられるパーソナルプロファイルサブセットの選択を可能にする(例えば、三つのパーソナルプロファイルセレクタがそれぞれ三つのオプションの時期を選ぶ)。装置1は任意の数のパーソナルプロファイル選択要素を含むことができ、また、各パーソナルプロファイル選択要素は任意の数のオプションを含むことができる。パーソナルプロファイル選択要素2,3,4は、例えばダイヤル、スイッチ、ボタン等を含む当該分野において周知の任意のタイプの選択要素であってもよい。
【0034】
図2は、モードパーソナルプロファイル選択要素3を「mode」オプションまで回転させることにより「visa」、「offers」、「none」の設定状態になっている装置1を示している。
【0035】
図3は、メモリ30と、パーソナルプロファイル選択要素31,32,33と、タグ34と、アービトレータ35とを含む装置1の実施例を示している。顧客は、パーソナルプロファイルセレクタ31,32,33において利用可能なオプションに対応する情報をメモリ30に記憶する。パーソナルプロファイル選択要素31,32,33における各スイッチ35は異なるオプションに対応している。顧客がスイッチ35を閉じると、メモリ30は、スイッチ35が対応しているオプションに関連する情報をタグ34が送信し又は受信することを許可する。スイッチ35は、アナログスイッチ、半導体スイッチ、ソフトウェアスイッチであってもよく、又は、当業者に周知の任意の他のスイッチであってもよい。また、スイッチ35は、ソフトウェアマトリクスであってもよく、これにより、様々なオプションの選択では、パーソナルプロファイルサブセットを形成するようにマトリクス上の点を選択する。メモリ30は、半導体メモリ、RAM、ROM、ソフトウェアメモリであってもよく、又は、当業者に周知の任意の他のメモリであってもよい。顧客は、任意のスイッチ35を選択してよく、又は、スイッチを何ら選択しなくてもよい(即ち、顧客がどのような情報をも読み取りたくないと考える場合、又は、どのような情報をも送信したくないと考える場合)。装置1は、閉じられたスイッチ35が重複する情報又は相反する情報に対応している場合、アービタ36を有する。アービタ36は、総てのパーソナルプロファイルが相反するオプションを含むとき(即ち、図1の実施例においては、「limited」及び「full」の両方を同時に選択できる場合)にタグ34が送信又は受信できる情報が何であるのかを決定する。アービタ36は、当業者に周知の任意のアービタである。
【0036】
図4は、装置1及び装置1の外部にあるメモリ30を示している。外部装置40は、メモリ30を有しており、無線で(即ち、トランシーバ42がトランシーバ41と通信する)又は有線接続により装置1によってアクセスされ得る。読取装置が情報をタグ34に対して送信するとき、又は、読取装置がタグ34から情報を要求するとき、装置1内のトランシーバ42は、別個の装置40内のトランシーバ41と通信を行って、メモリ30を読み取る。メモリ30は、どのスイッチ35が閉じられ及び/又は開かれるかにより決定される顧客の選択したオプションに従って何の情報を送信でき又は受信できるのかについて記憶している。外部装置40は、例えば、携帯電話、PDA、又は、メモリを収容できる任意の他の携帯機器であってよい。
【0037】
図5は、二つの部分50,51に分けることができる装置1であって、少なくとも一つのオプションに関連する情報をメモリ30内に記憶できるようにするために部分51がマイクロコンピュータ(図示せず)のUSBポートに入力できるUSBコネクタ53を有している装置1を示している。また、装置1内に収容されたトランシーバに対して又はタグ34に対して情報を送信することにより、情報を無線でメモリ30内に記憶させることもできる。
【0038】
メモリ30内に記憶された情報は、装置1が送信するか又は受信するかに基づいて、一つのサブセットを協働して形成するオプション及び設定の両方を形成する。図6は、三つのそのような設定60,61,62を示している。支払い設定60は、visaオプション600(例えばvisa口座番号)と、amexオプション601(例えばamex口座番号)と、debitオプション602(例えばdebit口座番号)とを含んでいる。設定は、ユーザが望む任意の数のオプションを含むことができる。一例として、顧客は、マスターカード(登録商標)オプション603を加え、そのオプションを選択できるように対応するスイッチ35又は設定を指定してもよい。モード設定61は、newオプション604(即ち、最近6ヶ月内で新たに利用可能となった製品)と、offersオプション605(即ち、所定の時間範囲内で利用可能な提供)と、dealオプション606(即ち、最大50%の割引)とを含んでいる。また、顧客は、クーポンオプション607(即ち、所定範囲の製品との使用において何のクーポンが利用可能であるのか)を加えてもよい。アクセス設定62は、noneオプション608(即ち、情報が全く送信されなくてよい)と、limitedオプション609(即ち、限られた情報が送信されてもよい)と、fullオプション610(即ち、総ての情報が送信される)とを含んでいる。また、顧客は、顧客によりカスタマイズされた特定の情報だけが送信されるcustomオプション611を形成してもよい。
【0039】
また、オプションは、更なるレベルの細かさを含んでいてもよい。例えば、図7は、モード設定61の更に詳細な図を示している。Newオプション604は、更なるレベルの細部に対応するオプション604a乃至604dを含んでいる。例えば、顧客は、最近6ヶ月内に利用可能となった新製品に関する情報を受け取ることだけを希望し得る。これがオプション604aであってもよい。オプション604bは、例えば最近1年以内に利用可能となった新製品であってもよい。オプション604cは、例えば最近6ヶ月以内に利用可能となった新たなサービスであってもよい。オプション604dは、例えば過去1年内に利用可能となった新たなサービスであってもよい。顧客は、所望のレベルの細かさに応じて、任意の数の詳細なオプションをプログラムできる。
【0040】
更なる実施例として、offersオプション605は、オプション605a(即ち、過去1週間内に利用可能となった提供)と、オプション605b(即ち、過去1ヶ月内に利用可能となった提供)と、オプション605c(即ち、現在行われている提供)と、オプション605d(即ち、今後に行われる提供)とを含むことができる。また、dealオプション606は、オプション606a(即ち、最低10%の割引)と、オプション606b(即ち、最低20%の割引)と、オプション606c(即ち、最低50%の割引)と、オプション606d(即ち、総ての利用可能な割引)とを含むことができる。また、顧客は、複数のオプションを選択するように一つのパーソナルプロファイル選択要素をプログラムしてもよい(即ち、newオプション604が604a及び604bに相当し、offersオプション605がオプション605dを含み、dealオプション606が606a及び606cを含んでいる)。更に、装置1に利用可能な総ての情報を受信又は送信するために任意のオプションを設定することができる。
【0041】
アクセス設定62に関して、図8は、顧客が送信に利用できることを望む情報を入力可能なマトリクスを示している。Noneオプション608は、例えば、名前、年齢、住所、製品嗜好等の基本的な情報だけを含んでいてもよい。Limitedオプション609は、例えば性別、人種、民族性、性的指向、身長、体重、髪の色、眼の色、職業、趣味、電話番号、結婚歴、靴のサイズ、服のサイズ等を含む更に詳細な情報を有していてもよい。図8では、Limitedオプション609が、limitedオプション609及びnoneオプション608の両方の情報を含むように示されているため、limitedオプション609を選択すると、両方のオプションの送信が可能になる。Fullオプション610は、例えば、運転免許証番号、社会保障番号、政府ID番号、学歴、給料、病歴、携帯電話番号等を含んでいてもよい。また、Fullオプション610は、limitedオプション609及びnoneオプション608の総ての情報を含んでいてもよい。更に、プライバシーを保護するため、顧客は、自分の個人的な快適レベルに応じてアクセス設定62のオプションのうちの一つ又は総てにおいて自分が送信に利用できることを望む情報をカスタマイズしてもよい。
【0042】
図9は、パーソナルプロファイルを読み取ることができるようにするためのシステムを示している。図9のシステムにおいて、環境90は、ショップ在庫データベース91と、カスタマデータベース92と、例えばタグ読取装置及びタグ書込装置を有するフロントエンドインタフェース93とを含んでいる。顧客は、パーソナルプロファイルサブセットを装置1により選択した状態で環境90に入る。フロントエンドインタフェース93は、経営者によって入力された情報を送信するとともに、それに利用できる総ての情報を顧客から読み取る。装置1は、パーソナルプロファイルサブセットの送信及び装置1のパーソナルプロファイル選択要素によって認められた限られた量の情報の受信だけを許可する。このようにして、顧客は、自分が望む情報だけを受信するとともに、顧客が指定する個人情報を経営者が知ることを許可する。
【0043】
図10は、環境内でパーソナルプロファイルを選択する方法のフローチャートを示している。この方法において、顧客は、ステップ100において、パーソナルプロファイルをメモリ30に入力する。その後、ステップ101において、ユーザは、選択要素2,3,4を選択することにより、パーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットを形成する。また、ステップ101は、顧客によって入力された情報を認識し且つそれを様々なオプションに自動的にソートするプロセッサにより自動的に実行することもできる。ステップ102では、装置1がサブセットを選択し、また、タグ34は、当該サブセットに基づいて情報を送信し又は受信するように環境から要求を受け取ると、そのようにする。また、装置1は、特定の環境(即ち、小売店環境、特定のタイプのストア、レストラン等)を識別しているステップ101aを実行してもよい。これは、環境のタイプに基づいてステップ101bで一つのサブセットを形成し、また、サブセットに基づいて情報を送信し又は受信するように環境から要求を受け取るときにタグ34がステップ102でそのようにする前にステップ101cにおいて上記形成されたサブセットを選択するといった更なるステップをトリガしてもよい。
【0044】
特定の例示的な実施の形態に関して本発明を説明してきた。本発明が前述した実施の形態及びその変形例に限定されず、また、当業者であれば添付の請求項の思想及び範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正を行うことができることは理解されるべきである。
【0045】
添付の請求項の解釈においては、以下の点を理解されたい。
a)用語「備える、含む(comprising)」は、所定の請求項に記載された要素又は行為以外の要素又は行為の存在を排除しない。
b)要素の前にくる用語「一つ(a,an)」は、そのような要素の複数の存在を排除しない。
c)請求項中の任意の参照符号は、請求項の範囲を限定しない。
d)いくつかの「手段」は、同じアイテム又はハードウェア又はソフトウェア実施構造又は機能によって実現されてもよい。
e)開示された任意の要素は、ハードウェア部分(例えば、別個の集積電子回路を含んでいる)、ソフトウェア部分(例えばコンピュータプログラミング)、及び、これらの任意の組み合わせからなっていてもよい。
f)ハードウェア部分は、アナログ部分及びデジタル部分の一方又は両方からなっていてもよい。
g)任意の開示された装置又はその一部は、別に具体的に述べられていない場合には、互いに組み合わされてもよく、又は、更なる部分に分離されてもよい。
h)行為の特定の順序は、具体的に指摘されない限り、要求されないものとする。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第1の構成のパーソナルプロファイルセレクタを有する装置を示している。
【図2】第2の構成の図1の装置を示している。
【図3】パーソナルプロファイルセレクタとメモリとタグとを有する装置を示している。
【図4】メモリが装置から分離している図4の装置を示している。
【図5】入力部を含む図1の装置を示している。
【図6】パーソナルプロファイルを形成する設定及びオプションを示している。
【図7】パーソナルプロファイルのモードオプションを示している。
【図8】パーソナルプロファイルのアクセスオプションを示している。
【図9】パーソナルプロファイルを読み取ることができるようにするためのシステムを示している。
【図10】環境内でパーソナルプロファイルを選択する方法のフローチャートを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルプロファイルを送信するための装置であって、
パーソナルプロファイルを収容するメモリと、
パーソナルプロファイル選択要素と、
信号を送信するための送信器と、
を備え、
前記信号は、前記パーソナルプロファイル選択要素を使用して選択されたパーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットを含んでいることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記パーソナルプロファイルは、複数のサブセットを更に含んでいることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記パーソナルプロファイル選択要素は、スイッチを備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記スイッチは、ユーザにより手動で操作できることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記送信器は、RFIDを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記パーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットを送信するように読取装置から要求を受け取るトランシーバを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記読取装置のみが独占的に前記信号を受け取ることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記パーソナルプロファイルは、変更されてメモリ内に記憶されることができることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記メモリは、無線により、有線接続により、又は、これらの両方により変更されることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも一つのパーソナルプロファイルは、ユーザ状態、送信モード、読取装置アクセス、及び/又は、支払いに関する情報を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
装置は、キーチェーン、クレジットカード、スマートカード、携帯電話、PDA、無線機器、ポータブルマイクロコンピュータ、又は、ウェアラブル機器を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
パーソナルプロファイルの送信及び/又は受信を制限するための装置であって、
前記パーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットを選択するためのパーソナルプロファイル選択要素と、
読取装置から要求を受け取るときに信号を送信するトランシーバと、
を備え、
前記信号は、前記パーソナルプロファイル選択要素を使用して選択されたパーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットを含んでいることを特徴とする装置。
【請求項13】
ユーザが少なくとも一つの設定及び少なくとも一つのオプションを定め、前記オプション及び設定が少なくとも一つのサブセットを形成することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
メモリがプログラム可能であり、ユーザが少なくとも一つのサブセットの少なくとも一つのパラメータをプログラムすることができることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記トランシーバは、装置の外部にあり且つ装置により無線でアクセス可能なメモリにアクセスすることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記トランシーバは、RFIDタグを更に備えていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記トランシーバは、情報を含む信号を受け取るとともに、前記情報が前記パーソナルプロファイルの前記サブセットに含まれるオプションに適合する場合にのみ前記情報をメモリに記憶することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項18】
パーソナルプロファイルを選択して送信するための装置であって、
少なくとも第1及び第2のサブセットを有するパーソナルプロファイルを収容するメモリと、
前記パーソナルプロファイルの前記第1のサブセット及び/又は前記第2のサブセットを選択するための少なくとも二つのパーソナルプロファイル選択要素と、
前記第1のサブセット及び/又は前記第2のサブセットを送信するための送信器と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項19】
前記第1のサブセットと前記第2のサブセットとの間の重複部分を選択するためのアービタを更に備えていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記アービタは、ソフトウェア、ハードウェア、又は、ソフトウェア及びハードウェアの両方を含むことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記送信器は、選択された重複部分を含む信号を送信することを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項22】
パーソナルプロファイルの読み取りを許可するためのシステムであって、
前記パーソナルプロファイルを収容するメモリ、パーソナルプロファイル選択要素、及び、信号を送信するためのタグを有する装置と、
要求を送信するように構成された読取装置と、
を備え、
前記タグは前記信号を送信し、前記信号は、前記パーソナルプロファイル選択要素を使用して選択された前記パーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットのみを含んでいることを特徴とするシステム。
【請求項23】
環境内においてパーソナルプロファイルを選択するための方法であって、
パーソナルプロファイルをメモリに入力するステップと、
前記パーソナルプロファイルの少なくとも一つのサブセットを形成するステップと、
少なくとも一つのサブセットを選択するステップと、
前記環境内において要求を受け取ると、少なくとも一つのサブセットに基づいて情報を送信及び/又は受信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記形成ステップは、少なくとも二つのサブセットを形成することを更に含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記形成ステップは、前記パーソナルプロファイルから少なくとも一つのサブセットを自動的に形成することを更に含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
環境からの送信要求を認識することにより前記選択ステップのトリガから送信要求を受信することを更に含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記認識ステップは、前記トリガステップのソースを識別するとともに、前記環境の識別に基づいて前記サブセットを送信することを更に含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
環境内の読取装置から送信要求を受け取ることを更に含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−531143(P2007−531143A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505718(P2007−505718)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051039
【国際公開番号】WO2005/096239
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】