健康測定装置
【課題】被験者の運動能力に関係する健康指標を一般家庭でも簡便に再現性よく測定する。
【解決手段】被験者の足13が乗せられる踏台と、踏台に埋設されたブロック8bと、ブロック8bを上下方向に昇降させることにより被験者の立位姿勢を変化させる姿勢調整部29,30,31と、踏台に足13を乗せた状態の被験者の重心位置を検出する検出部と、検出部により検出された重心位置から重心動揺パラメータを算出し、算出された重心動揺パラメータに基づき被験者の運動能力に関係する健康指標を算出する演算部とを備える。
【解決手段】被験者の足13が乗せられる踏台と、踏台に埋設されたブロック8bと、ブロック8bを上下方向に昇降させることにより被験者の立位姿勢を変化させる姿勢調整部29,30,31と、踏台に足13を乗せた状態の被験者の重心位置を検出する検出部と、検出部により検出された重心位置から重心動揺パラメータを算出し、算出された重心動揺パラメータに基づき被験者の運動能力に関係する健康指標を算出する演算部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体の重心動揺パラメータから筋力,関節柔軟性,平衡感覚等の身体の運動能力に関係する健康指標を測定する健康測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、身体の重心位置の軌跡長や重心位置の軌跡により囲まれる面積等の身体の重心動揺パラメータを測定することにより、身体の運動能力に関係する健康指標を測定する装置が知られている。具体的には、現在の身体の重心位置と目標となる身体の重心位置を表示し、身体の重心位置が現在の重心位置から目標となる重心位置に移動するまでの時間を測定することにより健康指標を測定する装置や、重量計の踏台に掛かる荷重変動から健康指標を測定する装置が考案されている(特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2002−253534号公報
【特許文献2】特開2006−051158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
重心動揺パラメータを測定する際には、被験者は閉眼片足立ち姿勢や最大前傾姿勢,最大後傾姿勢等の測定姿勢を所定時間保持する必要があるが、このような測定姿勢を所定時間保持することは高齢者等にとって非常に難しく、安全性の面で問題がある。さらに、最大前傾姿勢や最大後傾姿勢等の測定姿勢は被験者の主観によって異なり、測定姿勢の基準が不明確であるために、測定の度毎に測定姿勢が変化することによって健康指標を再現性よく測定することが難しい。このため、従来の装置は、主に医療機関において使用されており、一般家庭向けには普及していないというのが現状である。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、身体の運動能力に関係する健康指標を一般家庭でも簡便に再現性よく測定可能な健康測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る健康測定装置は、被験者の足が乗せられる踏台と、踏台に埋設されたブロック部とブロック部を上下方向に昇降させることにより被験者の立位姿勢を変化させる姿勢調整部と、踏台に足を乗せた状態の被験者の重心位置を検出する検出部と、検出部により検出された重心位置から重心動揺パラメータを算出し、算出された重心動揺パラメータに基づき被験者の運動能力に関係する健康指標を算出する演算部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る健康測定装置によれば、踏台に埋設されたブロックを昇降させることにより重心動揺パラメータを算出するために必要な測定姿勢に被験者の姿勢を誘導するので、被験者の運動能力に関係する健康指標を一般家庭でも簡便に再現性よく測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態となる健康測定装置の構成について説明する。
【0008】
〔第1の実施形態〕
始めに、図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施形態となる健康測定装置の構成について説明する。
【0009】
〔装置の構成〕
本発明の第1の実施形態となる健康測定装置は、図4に示すように、被験者の両足が乗せられる踏台2、踏台2内部に埋設されたロードセル(荷重センサ)3a,3b,3c,3dと、ロードセル3a,3b,3c,3dの出力信号を増幅出力する増幅器4a,4b,4c,4dと、増幅器4a,4b,4c,4dの出力信号をAD(アナログ/デジタル)変換するAD変換器5と、AD変換器5の出力信号を用いて重心動揺パラメータ及び被験者の運動能力に関係する健康指標を演算する演算部6と、被験者の重心位置や演算部6により演算された重心動揺パラメータ及び被験者の運動能力に関係する健康指標を表示する表示部7とを主な構成要素として備える。
【0010】
健康測定装置の本体1には、図1に示すように、表示部7と、踏台2の所定位置に設けられたブロック8a,8bと、切替スイッチ9と、電源スイッチ11と、足固定位置ガイド12a,12bとが設けられている。ブロック8a,8bは、ゴム弾性体等により形成され、図2に示すように、被験者による切替スイッチ9の押下操作と連動してアクチュエータ(図示せず)により上下方向に昇降制御される。具体的には、ブロック8a,8bの上面は、通常時は踏台2の面とほぼ同一面になるように埋設されているが、アクチュエータが、ポンプ29により油圧を発生させ、シリンダー30内でプランジャー31を押し出すことにより、図3に示すように所定量隆起する。
【0011】
〔健康指標測定時の動作〕
このような構成を有する健康測定装置は、以下のように動作することにより被験者の運動能力に関係する健康指標を測定する。すなわち、始めに被験者が、電源スイッチ11をオン状態に切り替えた後、踏台2に乗り、図2に示すように足固定位置ガイド12a,12bに足13を合わせて静止立位状態を保持する。次に、増幅器4a,4b,4c,4dがロードセル3a,3b,3c,3dの検出信号を増幅し、AD変換器5が所定のサンプリング周波数で増幅器4a,4b,4c,4dの出力信号をAD変換する。次に、演算部6が、AD変換器5の出力信号を重心位置座標に変換し、変換された重心位置座標を用いて軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータを算出する。なお、重心動揺パラメータの算出方法は本願発明の出願時点で公知であるのでその説明は省略する。詳しくは、特公昭48−33950号公報,昭50−16918号公報,昭60−16919号公報,特許2760471号公報,特許2710223号公報,特許2760472号公報を参照のこと。
【0012】
次に、被験者が切替スイッチ9を押下するのに応じてアクチュエータが作動することによって、ブロック8a,8bが踏台2の水平面から所定量隆起する。そして被験者は再び、足固定位置ガイド12a,12bに足13を合わせ、図3に示すように足裏の一部、例えば土踏まず14が持ち上げられた状態で静止立位状態を保持する。土踏まず14が持ち上げられたことにより、足13と踏台2との接地面積が減少し、ブロック8a,8bが隆起していない状態に比べて被験者の身体のバランスは悪くなる。従ってバランスを保持するためには足裏の筋力と足関節の柔軟性が必要になる。そしてこの状態で再び所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。
【0013】
このように本発明の第1の実施形態となる健康測定装置では、ブロック8a,8bが隆起することにより2種類の測定姿勢における重心動揺パラメータを算出するので、これらのパラメータを用いて筋力,関節柔軟性,平衡感覚機能等の被験者の運動能力に関係する健康指標を測定することができる。一般に、筋力,関節柔軟性,平衡感覚機能が優れている場合、同姿勢における重心動揺パラメータの差は小さい。一方、筋力,柔軟性,平衡感覚機能が劣っている場合には、両姿勢の重心動揺パラメータの差は大きく現れる。また、運動等トレーニングにより筋力,柔軟性,平衡感覚機能が向上すれば両姿勢の重心動揺パラメータの差は小さくなるためトレーニング効果を簡易的、且つ、安全に計測することができる。
【0014】
〔第2の実施形態〕
次に、図5,図6を参照して、本発明の第2の実施形態となる健康測定装置の構成について説明する。
【0015】
本発明の第2の実施形態となる健康測定装置では、図5,図6に示すように、ロック機構16a,16bによって踏台2に傾斜板15a,15bが水平に保持されている。傾斜板15a,15bの上面は、通常時は踏台2の面とほぼ同一面になるように埋設されているが、アクチュエータが、ポンプ29により油圧を発生させ、シリンダー30内でプランジャー31a,31bを持ち上げることにより、所定量隆起する。また、ポンプ29とシリンダー30間には電磁弁32a,32bが設けられ、ポンプ29が発生する油圧の切り替えを行うことができる。
【0016】
〔健康指標測定時の動作〕
このような構成を有する健康測定装置は、以下のように動作することにより被験者の運動能力に関係する健康指標を測定する。すなわち、始めに被験者が、電源スイッチ11をオン状態に切り替え、図6(a)に示すように踏台2に乗り、足固定位置ガイド12a,12bに足を合わせ、静止立位状態を保持する。次に、増幅器4a,4b,4c,4dがロードセル3a,3b,3c,3dの検出信号を増幅し、AD変換器5が所定のサンプリング周波数で増幅器4a,4b,4c,4dの出力信号をAD変換する。次に、演算部6が、AD変換器5の出力信号を重心位置座標に変換し、変換された重心位置座標を用いて軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータを算出する。
【0017】
次に被験者が切替スイッチ9を押下するのに応じて、傾斜板15bの一方のロック機構16aが解除されると共に電磁弁32a及び電磁弁32bがそれぞれ開状態及び閉状態になる。次に、アクチュエータによってプランジャー31aが持ち上がり、ブロック19aが隆起することにより、図6(b)に示すように傾斜板15bが傾き、踵部17が持ち上がる。そしてこの状態で所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。その後、ポンプ29が油圧を下げることにより傾斜板15bを水平状態に戻し、ロック機構16aが作動し傾斜板15bは再び水平に保持される。
【0018】
次に、被験者が再度切替スイッチ9を押下するのに応じて今度はロック機構16bが解除されると共に、電磁弁32a及び電磁弁32bがそれぞれ閉状態及び開状態になる。次に、アクチュエータによって図6(c)に示すようにブロック19bが隆起し、拇指丘部18が持ち上がり、所定の角度で身体を傾斜するように誘導させる。そしてこの状態で所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。その後、ポンプ29が油圧を下げることで傾斜板15bが水平状態まで戻され、ロック機構16bが作動し傾斜板15bは水平に保たれる。
【0019】
このように本発明の第2の実施形態となる健康測定装置ではブロック8a,8bが隆起することによって傾斜板15a,15bが傾くことにより3種類の測定姿勢における重心動揺パラメータを算出するので、これらのパラメータを用いて筋力,柔軟性,平衡感覚機能等の被験者の運動能力に関係する健康指標を測定することができる。一般に、被験者の足裏が持ち上がると水平面に立っている状態に比べて被験者の姿勢のバランスが悪くなる。そのため筋力,柔軟性,平衡感覚機能が優れている場合、3種類の測定姿勢におけるパラメータ間の差は小さい。一方、筋力,柔軟性,平衡感覚機能が劣っている場合にはパラメータ間の差は大きく現れる。また、運動等トレーニングにより筋力,柔軟性,平衡感覚機能が向上すればパラメータ間の差は小さくなるため、トレーニング効果を簡易的かつ安全に計測することができる。
【0020】
〔第3の実施形態〕
次に、図7,図8を参照して、本発明の第3の実施形態となる健康測定装置の構成について説明する。
【0021】
本発明の第3の実施形態となる健康測定装置では、図7,図8に示すように、踏台2に踵部17及び拇指丘部18にほぼ当接するようにブロック19a〜19dが設けられている。ブロック19a〜19dの上面は、通常時は踏台2の面とほぼ同一面になるように埋設されているが、アクチュエータが、ポンプ29により油圧を発生させ、又は油圧を下げ、シリンダー30内でプランジャー31a,bを上下させることにより、上下方向に所定量移動する。
【0022】
〔健康指標測定時の動作〕
このような構成を有する健康測定装置は、以下のように動作することにより被験者の運動能力に関係する健康指標を測定する。すなわち、始めに被験者が、電源スイッチ11をオン状態に切り替え、図8(a)に示すように踏台2に乗り、足固定位置ガイド12a,12bに足を合わせ、静止立位姿勢を保持する。次に、増幅器4a,4b,4c,4dがロードセル3a,3b,3c,3dの検出信号を増幅し、AD変換器5が所定のサンプリング周波数で増幅器4a,4b,4c,4dの出力信号をAD変換する。次に、演算部6が、AD変換器5の出力信号を重心位置座標に変換し、変換された重心位置座標を用いて軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータを算出する。
【0023】
次に被験者が切替スイッチ9を再び押下するのに応じて、電磁弁32a及び電磁弁32bがそれぞれ開状態及び閉状態になる。次に、アクチュエータが作動することにより、図8(b)に示すようにブロック19aが踏台2の水平面から所定量隆起し、踵部17が持ち上げられることで被験者の姿勢はやや前傾姿勢に誘導される。この状態で所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。
【0024】
次に被験者が切替スイッチ9を再び押下するのに応じて、ブロック19aが踏台2の水平面の位置まで戻った後、電磁弁32a及び電磁弁32bがそれぞれ閉状態及び開状態になる。次に、アクチュエータが作動することにより油圧が発生し、図8(c)に示すようにブロック19bが踏台2の水平面から所定量隆起することにより足裏の拇指丘部18が持ち上げられる。このとき被験者の身体は拇指丘部18が持ち上げられることでやや後傾姿勢に誘導される。この状態で所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。その後、ブロック19bは踏台2の水平面の位置まで戻る。
【0025】
このように本発明の第3の実施形態となる健康測定装置ではブロック19a〜19dが隆起することにより3種類の測定姿勢における重心動揺パラメータが算出されるので、これらのパラメータを用いて、筋力,関節柔軟性,平衡感覚機能等の被験者の運動能力に関係する健康指標を測定することができる。被験者の踵17及び拇指丘部18を持ち上げることで、水平面に立っている状態に比べてバランスが悪くなる。従って筋力,関節柔軟性,平衡感覚機能が優れている場合には、各姿勢における重心動揺パラメータ間の差は小さい。一方、筋力,柔軟性,平衡感覚機能が劣っている場合には各姿勢の重心動揺パラメータ間の差は大きく現れる。また、運動等トレーニングにより筋力,柔軟性,平衡感覚機能が向上すれば各姿勢の重心動揺パラメータ間の差は小さくなるため、トレーニング効果を簡易的かつ安全に計測することができる。なお、本実施形態では図8(c)に示すようにブロックが足指にかかることなく拇指丘部18のみを持ち上げることで足指屈筋力が働かないため、図6に示した傾斜板を用いた測定方法と比較して足関節のみの柔軟性評価が一層明確になる。
【0026】
〔第4の実施形態〕
次に、図9,図10を参照して、本発明の第4の実施形態となる健康測定装置の構成について説明する。
【0027】
本発明の第4の実施形態となる健康測定装置では、ブロック19a〜19dの上面は通常時は図10(a)に示すように踏台2の面とほぼ同一面になるように埋設されている。また図9に示すように、ブロック19a及びブロック19bとブロック19c及びブロック19dとはエラストマー等の伸縮性材料により形成された連結部24a〜24dによりそれぞれ領域23aと領域23bと連結されている。
【0028】
〔健康指標測定時の動作〕
このような構成を有する健康測定装置は、以下のように動作することにより被験者の運動能力に関係する健康指標を測定する。すなわち、始めに被験者が電源スイッチ11をオン状態に切り替え、図10(a)に示すように踏台2に乗り、足固定位置ガイド12a,12bに足を合わせ、静止立位で保持する。次に、増幅器4a,4b,4c,4dがロードセル3a,3b,3c,3dの検出信号を増幅し、AD変換器5が所定のサンプリング周波数で増幅器4a,4b,4c,4dの増幅信号をAD変換する。次に、演算部6が、AD変換器5の出力信号を重心位置座標に変換し、変換された重心位置座標を用いて軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータを算出する。
【0029】
次に、被験者が切替スイッチ9を押下するのに応じて電磁弁32a及び電磁弁32bがそれぞれ開状態及び閉状態になる。そして、アクチュエータが作動することにより、図10(b)に示すように、ブロック19aが所定量踏み台2の水平面より沈降し、これに応じて領域23aもブロック19aに引っ張られて傾く。このとき被験者の姿勢は踵が下がることでやや後傾姿勢が誘導される。この状態で所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。
【0030】
次に、被験者が切替スイッチ9を再び押すのに応じて、ブロック19aが踏台2の水平面の位置まで戻った後、電磁弁32a及び電磁弁32bがそれぞれ閉状態及び開状態になる。そしてアクチュエータ10が作動することにより、図10(c)に示すように、ブロック19bが所定量踏み台2の水平面より沈降し、領域23aもブロック19bに引っ張られて傾く。このとき被験者の姿勢は拇指丘部が下がることでやや前傾姿勢が誘導される。この状態で所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。その後、ブロック19bが踏台2の水平面の位置まで戻る。
【0031】
このように本発明の第4の実施形態となる健康測定装置ではブロック19a〜19dが沈降することによって領域23a及び領域23bが傾くことにより複数の異なる姿勢における重心動揺パラメータが計測されるので、これらのパラメータを用いて、筋力、関節柔軟性、平衡感覚機能等の被験者の運動能力に関係する健康指標を測定することができる。なお、被験者の踵及び拇指丘を持ち上げることにより、水平面に立っている状態に比べて被験者の姿勢のバランスは悪くなる。ここで筋力,関節柔軟性,平衡感覚機能が優れている場合には、各姿勢における重心動揺パラメータ間の差は小さい。一方、筋力,柔軟性,平衡感覚機能が劣っている場合には各姿勢の重心動揺パラメータ間の差は大きく現れる。また、運動等トレーニングにより筋力,柔軟性,平衡感覚機能が向上すれば各姿勢の重心動揺パラメータ間の差は小さくなるため、トレーニング効果を簡易的かつ安全に計測することができる。また、本実施例では本体1の窪みに足を置くことになるため、万一の場合にも倒れにくく、安全に計測することができる。
【0032】
〔その他の実施形態〕
図11に示す健康測定装置では、複数個以上のブロック19a〜19eが踏台2内に埋め込まれ、ブロック19a〜19eとアクチュエータ10間には上下移動させるブロックを切り替えるための電磁弁等の切替機構が設けられている。また本体1内に設けられたメモリには足のサイズと踵及び拇指丘の位置との関係を表すデータベースが予め記憶されており、被験者が足のサイズを入力することにより例えば被験者の踵及び拇指丘の位置に対応する最適な2個のブロック19b,dが選択される。そしてアクチュエータ10は切替スイッチ9によりブロック19b又はブロック19dのみを上下させる。このような構成によれば、被験者の足のサイズによらず、同一条件で筋力,柔軟性,平衡感覚機能を評価することができる。
【0033】
図12に示す健康測定装置では、踏台2内に埋設された複数のブロック19i(1)〜i(n)はエラストマー型感圧センサにより形成されてマトリックスを構成しており、電源スイッチ11がオン状態になると始めに足裏の圧力分布を計測し、高い圧力分布を示す部位を踵及び拇指丘と特定し、アクチュエータ10により踵及び拇指丘部分に対応するブロック19iを上下させ、異なる姿勢状態を誘導し、重心動揺パラメータを計測する。このような構成によれば、足の形状によらず、より厳密に筋力,柔軟性,平衡感覚機能を評価することができる。
【0034】
図13に示す健康測定装置では、踏台2内に埋設されたブロック19a,bの上に踵17及び拇指丘18の生理的曲率に合った凹型の部材20a,bが設けられている。このような構成によれば、被験者はこの部材に足の踵及び拇指丘を合わせることで簡単に足の位置決めをすることができる。なお、図14に示すように土踏まず14の生理的曲率に合わせた凸型の部材21を設け、土踏まず14を凸型の部材21にあわせることによっても簡単に位置決めをすることができる。このようにすることで、位置ずれが少なくなり、測定精度が向上する。
【0035】
図15に示す健康測定装置では、足の踵17及び拇指丘18のブロック19a,19bが交互に連続的に隆起するように構成されている。このような構成によれば、筋力,足関節,平衡感覚機能の追従性を評価することができる。なお、交互隆起には規則性があってもよいし、不規則であってもよい。このようにすることで動的なバランス能力と筋力、足関節柔軟性が一層詳細にわかる。
【0036】
図16(a),(b)に示す健康測定装置では、ブロック19a〜19dの表面にそれぞれ足裏電極22a〜22dが設けられ、所定の周波数を有する微弱な交流電流を足裏電極22a,22cにより身体に流し、他方の足裏電極22b,22d間の電圧を測定することでインピーダンスを計測し、所定の変換式を用いることで内臓脂肪,筋肉量,水分量等の体組成成分を算出する。このような構成によれば、体組成成分と重心動揺パラメータを組み合わせることにより足裏から体調等の健康状態と運動による改善効果が一層詳細にわかるようになる。
【0037】
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、本実施形態の健康指標測定装置は体組成成分を測定するものであるが、足裏電極を用いて心電計測を同時に行ったり、電極の代わりに光電センサを用いて脈波信号を計測したり、血流状態を同時に測定したり、心電計測と脈波信号を用いて脈波伝播時間を測定したり、所定の変換式に基づき血圧を算出するようにしてもよい。
【0038】
また本実施形態では、アクチュエータは油圧式であるが、空気圧,水圧,空気ばね等、ブロックを上下に移動させる機構であればどのような構成であってもよい。また、本実施形態では、切替スイッチ9により複数の測定姿勢を誘導するようにしたが、電源スイッチ11を入れてから複数の測定姿勢における計測を所定のインターバルで連続して行うようにしてもよい。
【0039】
また本実施形態では、ブロックをアクチュエータにより可動させているが、踏台の所定の位置に予め所定量の窪みを設け、ブロックを埋め込むようにしても良い。また、ブロックの形状は四角柱,円柱,半円柱等の形状でもよい。また本実施形態では、両足を踏台に乗せて計測を行うようにしたが、片足ずつ測定するようにしてもよい。このように、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図2】図1に示す健康測定装置の通常時の構成を示す断面図である。
【図3】図1に示す健康測定装置のブロック隆起時の構成を示す断面図である。
【図4】図1に示す健康測定装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図6】図5に示す健康測定装置の重心動揺パラメータ測定時の動作を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図8】図7に示す健康測定装置の重心動揺パラメータ測定時の動作を説明するための断面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図10】図9に示す健康測定装置の重心動揺パラメータ測定時の動作を説明するための断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図12】本発明の他の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図13】本発明の他の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図14】本発明の他の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図15】本発明の他の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図16】本発明の他の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【符号の説明】
【0041】
1:本体
2:踏台
3a,3b,3c,3d:ロードセル
4a,4b,4c,4d:増幅器
5:AD変換器
6:演算部
7:表示部
8a,8b:ブロック
9:切替スイッチ
10:アクチュエータ
11:電源スイッチ
12a,12b:足固定位置ガイド
30:シリンダー
31:プランジャー
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体の重心動揺パラメータから筋力,関節柔軟性,平衡感覚等の身体の運動能力に関係する健康指標を測定する健康測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、身体の重心位置の軌跡長や重心位置の軌跡により囲まれる面積等の身体の重心動揺パラメータを測定することにより、身体の運動能力に関係する健康指標を測定する装置が知られている。具体的には、現在の身体の重心位置と目標となる身体の重心位置を表示し、身体の重心位置が現在の重心位置から目標となる重心位置に移動するまでの時間を測定することにより健康指標を測定する装置や、重量計の踏台に掛かる荷重変動から健康指標を測定する装置が考案されている(特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2002−253534号公報
【特許文献2】特開2006−051158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
重心動揺パラメータを測定する際には、被験者は閉眼片足立ち姿勢や最大前傾姿勢,最大後傾姿勢等の測定姿勢を所定時間保持する必要があるが、このような測定姿勢を所定時間保持することは高齢者等にとって非常に難しく、安全性の面で問題がある。さらに、最大前傾姿勢や最大後傾姿勢等の測定姿勢は被験者の主観によって異なり、測定姿勢の基準が不明確であるために、測定の度毎に測定姿勢が変化することによって健康指標を再現性よく測定することが難しい。このため、従来の装置は、主に医療機関において使用されており、一般家庭向けには普及していないというのが現状である。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、身体の運動能力に関係する健康指標を一般家庭でも簡便に再現性よく測定可能な健康測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る健康測定装置は、被験者の足が乗せられる踏台と、踏台に埋設されたブロック部とブロック部を上下方向に昇降させることにより被験者の立位姿勢を変化させる姿勢調整部と、踏台に足を乗せた状態の被験者の重心位置を検出する検出部と、検出部により検出された重心位置から重心動揺パラメータを算出し、算出された重心動揺パラメータに基づき被験者の運動能力に関係する健康指標を算出する演算部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る健康測定装置によれば、踏台に埋設されたブロックを昇降させることにより重心動揺パラメータを算出するために必要な測定姿勢に被験者の姿勢を誘導するので、被験者の運動能力に関係する健康指標を一般家庭でも簡便に再現性よく測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態となる健康測定装置の構成について説明する。
【0008】
〔第1の実施形態〕
始めに、図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施形態となる健康測定装置の構成について説明する。
【0009】
〔装置の構成〕
本発明の第1の実施形態となる健康測定装置は、図4に示すように、被験者の両足が乗せられる踏台2、踏台2内部に埋設されたロードセル(荷重センサ)3a,3b,3c,3dと、ロードセル3a,3b,3c,3dの出力信号を増幅出力する増幅器4a,4b,4c,4dと、増幅器4a,4b,4c,4dの出力信号をAD(アナログ/デジタル)変換するAD変換器5と、AD変換器5の出力信号を用いて重心動揺パラメータ及び被験者の運動能力に関係する健康指標を演算する演算部6と、被験者の重心位置や演算部6により演算された重心動揺パラメータ及び被験者の運動能力に関係する健康指標を表示する表示部7とを主な構成要素として備える。
【0010】
健康測定装置の本体1には、図1に示すように、表示部7と、踏台2の所定位置に設けられたブロック8a,8bと、切替スイッチ9と、電源スイッチ11と、足固定位置ガイド12a,12bとが設けられている。ブロック8a,8bは、ゴム弾性体等により形成され、図2に示すように、被験者による切替スイッチ9の押下操作と連動してアクチュエータ(図示せず)により上下方向に昇降制御される。具体的には、ブロック8a,8bの上面は、通常時は踏台2の面とほぼ同一面になるように埋設されているが、アクチュエータが、ポンプ29により油圧を発生させ、シリンダー30内でプランジャー31を押し出すことにより、図3に示すように所定量隆起する。
【0011】
〔健康指標測定時の動作〕
このような構成を有する健康測定装置は、以下のように動作することにより被験者の運動能力に関係する健康指標を測定する。すなわち、始めに被験者が、電源スイッチ11をオン状態に切り替えた後、踏台2に乗り、図2に示すように足固定位置ガイド12a,12bに足13を合わせて静止立位状態を保持する。次に、増幅器4a,4b,4c,4dがロードセル3a,3b,3c,3dの検出信号を増幅し、AD変換器5が所定のサンプリング周波数で増幅器4a,4b,4c,4dの出力信号をAD変換する。次に、演算部6が、AD変換器5の出力信号を重心位置座標に変換し、変換された重心位置座標を用いて軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータを算出する。なお、重心動揺パラメータの算出方法は本願発明の出願時点で公知であるのでその説明は省略する。詳しくは、特公昭48−33950号公報,昭50−16918号公報,昭60−16919号公報,特許2760471号公報,特許2710223号公報,特許2760472号公報を参照のこと。
【0012】
次に、被験者が切替スイッチ9を押下するのに応じてアクチュエータが作動することによって、ブロック8a,8bが踏台2の水平面から所定量隆起する。そして被験者は再び、足固定位置ガイド12a,12bに足13を合わせ、図3に示すように足裏の一部、例えば土踏まず14が持ち上げられた状態で静止立位状態を保持する。土踏まず14が持ち上げられたことにより、足13と踏台2との接地面積が減少し、ブロック8a,8bが隆起していない状態に比べて被験者の身体のバランスは悪くなる。従ってバランスを保持するためには足裏の筋力と足関節の柔軟性が必要になる。そしてこの状態で再び所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。
【0013】
このように本発明の第1の実施形態となる健康測定装置では、ブロック8a,8bが隆起することにより2種類の測定姿勢における重心動揺パラメータを算出するので、これらのパラメータを用いて筋力,関節柔軟性,平衡感覚機能等の被験者の運動能力に関係する健康指標を測定することができる。一般に、筋力,関節柔軟性,平衡感覚機能が優れている場合、同姿勢における重心動揺パラメータの差は小さい。一方、筋力,柔軟性,平衡感覚機能が劣っている場合には、両姿勢の重心動揺パラメータの差は大きく現れる。また、運動等トレーニングにより筋力,柔軟性,平衡感覚機能が向上すれば両姿勢の重心動揺パラメータの差は小さくなるためトレーニング効果を簡易的、且つ、安全に計測することができる。
【0014】
〔第2の実施形態〕
次に、図5,図6を参照して、本発明の第2の実施形態となる健康測定装置の構成について説明する。
【0015】
本発明の第2の実施形態となる健康測定装置では、図5,図6に示すように、ロック機構16a,16bによって踏台2に傾斜板15a,15bが水平に保持されている。傾斜板15a,15bの上面は、通常時は踏台2の面とほぼ同一面になるように埋設されているが、アクチュエータが、ポンプ29により油圧を発生させ、シリンダー30内でプランジャー31a,31bを持ち上げることにより、所定量隆起する。また、ポンプ29とシリンダー30間には電磁弁32a,32bが設けられ、ポンプ29が発生する油圧の切り替えを行うことができる。
【0016】
〔健康指標測定時の動作〕
このような構成を有する健康測定装置は、以下のように動作することにより被験者の運動能力に関係する健康指標を測定する。すなわち、始めに被験者が、電源スイッチ11をオン状態に切り替え、図6(a)に示すように踏台2に乗り、足固定位置ガイド12a,12bに足を合わせ、静止立位状態を保持する。次に、増幅器4a,4b,4c,4dがロードセル3a,3b,3c,3dの検出信号を増幅し、AD変換器5が所定のサンプリング周波数で増幅器4a,4b,4c,4dの出力信号をAD変換する。次に、演算部6が、AD変換器5の出力信号を重心位置座標に変換し、変換された重心位置座標を用いて軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータを算出する。
【0017】
次に被験者が切替スイッチ9を押下するのに応じて、傾斜板15bの一方のロック機構16aが解除されると共に電磁弁32a及び電磁弁32bがそれぞれ開状態及び閉状態になる。次に、アクチュエータによってプランジャー31aが持ち上がり、ブロック19aが隆起することにより、図6(b)に示すように傾斜板15bが傾き、踵部17が持ち上がる。そしてこの状態で所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。その後、ポンプ29が油圧を下げることにより傾斜板15bを水平状態に戻し、ロック機構16aが作動し傾斜板15bは再び水平に保持される。
【0018】
次に、被験者が再度切替スイッチ9を押下するのに応じて今度はロック機構16bが解除されると共に、電磁弁32a及び電磁弁32bがそれぞれ閉状態及び開状態になる。次に、アクチュエータによって図6(c)に示すようにブロック19bが隆起し、拇指丘部18が持ち上がり、所定の角度で身体を傾斜するように誘導させる。そしてこの状態で所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。その後、ポンプ29が油圧を下げることで傾斜板15bが水平状態まで戻され、ロック機構16bが作動し傾斜板15bは水平に保たれる。
【0019】
このように本発明の第2の実施形態となる健康測定装置ではブロック8a,8bが隆起することによって傾斜板15a,15bが傾くことにより3種類の測定姿勢における重心動揺パラメータを算出するので、これらのパラメータを用いて筋力,柔軟性,平衡感覚機能等の被験者の運動能力に関係する健康指標を測定することができる。一般に、被験者の足裏が持ち上がると水平面に立っている状態に比べて被験者の姿勢のバランスが悪くなる。そのため筋力,柔軟性,平衡感覚機能が優れている場合、3種類の測定姿勢におけるパラメータ間の差は小さい。一方、筋力,柔軟性,平衡感覚機能が劣っている場合にはパラメータ間の差は大きく現れる。また、運動等トレーニングにより筋力,柔軟性,平衡感覚機能が向上すればパラメータ間の差は小さくなるため、トレーニング効果を簡易的かつ安全に計測することができる。
【0020】
〔第3の実施形態〕
次に、図7,図8を参照して、本発明の第3の実施形態となる健康測定装置の構成について説明する。
【0021】
本発明の第3の実施形態となる健康測定装置では、図7,図8に示すように、踏台2に踵部17及び拇指丘部18にほぼ当接するようにブロック19a〜19dが設けられている。ブロック19a〜19dの上面は、通常時は踏台2の面とほぼ同一面になるように埋設されているが、アクチュエータが、ポンプ29により油圧を発生させ、又は油圧を下げ、シリンダー30内でプランジャー31a,bを上下させることにより、上下方向に所定量移動する。
【0022】
〔健康指標測定時の動作〕
このような構成を有する健康測定装置は、以下のように動作することにより被験者の運動能力に関係する健康指標を測定する。すなわち、始めに被験者が、電源スイッチ11をオン状態に切り替え、図8(a)に示すように踏台2に乗り、足固定位置ガイド12a,12bに足を合わせ、静止立位姿勢を保持する。次に、増幅器4a,4b,4c,4dがロードセル3a,3b,3c,3dの検出信号を増幅し、AD変換器5が所定のサンプリング周波数で増幅器4a,4b,4c,4dの出力信号をAD変換する。次に、演算部6が、AD変換器5の出力信号を重心位置座標に変換し、変換された重心位置座標を用いて軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータを算出する。
【0023】
次に被験者が切替スイッチ9を再び押下するのに応じて、電磁弁32a及び電磁弁32bがそれぞれ開状態及び閉状態になる。次に、アクチュエータが作動することにより、図8(b)に示すようにブロック19aが踏台2の水平面から所定量隆起し、踵部17が持ち上げられることで被験者の姿勢はやや前傾姿勢に誘導される。この状態で所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。
【0024】
次に被験者が切替スイッチ9を再び押下するのに応じて、ブロック19aが踏台2の水平面の位置まで戻った後、電磁弁32a及び電磁弁32bがそれぞれ閉状態及び開状態になる。次に、アクチュエータが作動することにより油圧が発生し、図8(c)に示すようにブロック19bが踏台2の水平面から所定量隆起することにより足裏の拇指丘部18が持ち上げられる。このとき被験者の身体は拇指丘部18が持ち上げられることでやや後傾姿勢に誘導される。この状態で所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。その後、ブロック19bは踏台2の水平面の位置まで戻る。
【0025】
このように本発明の第3の実施形態となる健康測定装置ではブロック19a〜19dが隆起することにより3種類の測定姿勢における重心動揺パラメータが算出されるので、これらのパラメータを用いて、筋力,関節柔軟性,平衡感覚機能等の被験者の運動能力に関係する健康指標を測定することができる。被験者の踵17及び拇指丘部18を持ち上げることで、水平面に立っている状態に比べてバランスが悪くなる。従って筋力,関節柔軟性,平衡感覚機能が優れている場合には、各姿勢における重心動揺パラメータ間の差は小さい。一方、筋力,柔軟性,平衡感覚機能が劣っている場合には各姿勢の重心動揺パラメータ間の差は大きく現れる。また、運動等トレーニングにより筋力,柔軟性,平衡感覚機能が向上すれば各姿勢の重心動揺パラメータ間の差は小さくなるため、トレーニング効果を簡易的かつ安全に計測することができる。なお、本実施形態では図8(c)に示すようにブロックが足指にかかることなく拇指丘部18のみを持ち上げることで足指屈筋力が働かないため、図6に示した傾斜板を用いた測定方法と比較して足関節のみの柔軟性評価が一層明確になる。
【0026】
〔第4の実施形態〕
次に、図9,図10を参照して、本発明の第4の実施形態となる健康測定装置の構成について説明する。
【0027】
本発明の第4の実施形態となる健康測定装置では、ブロック19a〜19dの上面は通常時は図10(a)に示すように踏台2の面とほぼ同一面になるように埋設されている。また図9に示すように、ブロック19a及びブロック19bとブロック19c及びブロック19dとはエラストマー等の伸縮性材料により形成された連結部24a〜24dによりそれぞれ領域23aと領域23bと連結されている。
【0028】
〔健康指標測定時の動作〕
このような構成を有する健康測定装置は、以下のように動作することにより被験者の運動能力に関係する健康指標を測定する。すなわち、始めに被験者が電源スイッチ11をオン状態に切り替え、図10(a)に示すように踏台2に乗り、足固定位置ガイド12a,12bに足を合わせ、静止立位で保持する。次に、増幅器4a,4b,4c,4dがロードセル3a,3b,3c,3dの検出信号を増幅し、AD変換器5が所定のサンプリング周波数で増幅器4a,4b,4c,4dの増幅信号をAD変換する。次に、演算部6が、AD変換器5の出力信号を重心位置座標に変換し、変換された重心位置座標を用いて軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータを算出する。
【0029】
次に、被験者が切替スイッチ9を押下するのに応じて電磁弁32a及び電磁弁32bがそれぞれ開状態及び閉状態になる。そして、アクチュエータが作動することにより、図10(b)に示すように、ブロック19aが所定量踏み台2の水平面より沈降し、これに応じて領域23aもブロック19aに引っ張られて傾く。このとき被験者の姿勢は踵が下がることでやや後傾姿勢が誘導される。この状態で所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。
【0030】
次に、被験者が切替スイッチ9を再び押すのに応じて、ブロック19aが踏台2の水平面の位置まで戻った後、電磁弁32a及び電磁弁32bがそれぞれ閉状態及び開状態になる。そしてアクチュエータ10が作動することにより、図10(c)に示すように、ブロック19bが所定量踏み台2の水平面より沈降し、領域23aもブロック19bに引っ張られて傾く。このとき被験者の姿勢は拇指丘部が下がることでやや前傾姿勢が誘導される。この状態で所定時間重心動揺を計測し、軌跡長,矩形面積,平均重心位置等の重心動揺パラメータが算出される。その後、ブロック19bが踏台2の水平面の位置まで戻る。
【0031】
このように本発明の第4の実施形態となる健康測定装置ではブロック19a〜19dが沈降することによって領域23a及び領域23bが傾くことにより複数の異なる姿勢における重心動揺パラメータが計測されるので、これらのパラメータを用いて、筋力、関節柔軟性、平衡感覚機能等の被験者の運動能力に関係する健康指標を測定することができる。なお、被験者の踵及び拇指丘を持ち上げることにより、水平面に立っている状態に比べて被験者の姿勢のバランスは悪くなる。ここで筋力,関節柔軟性,平衡感覚機能が優れている場合には、各姿勢における重心動揺パラメータ間の差は小さい。一方、筋力,柔軟性,平衡感覚機能が劣っている場合には各姿勢の重心動揺パラメータ間の差は大きく現れる。また、運動等トレーニングにより筋力,柔軟性,平衡感覚機能が向上すれば各姿勢の重心動揺パラメータ間の差は小さくなるため、トレーニング効果を簡易的かつ安全に計測することができる。また、本実施例では本体1の窪みに足を置くことになるため、万一の場合にも倒れにくく、安全に計測することができる。
【0032】
〔その他の実施形態〕
図11に示す健康測定装置では、複数個以上のブロック19a〜19eが踏台2内に埋め込まれ、ブロック19a〜19eとアクチュエータ10間には上下移動させるブロックを切り替えるための電磁弁等の切替機構が設けられている。また本体1内に設けられたメモリには足のサイズと踵及び拇指丘の位置との関係を表すデータベースが予め記憶されており、被験者が足のサイズを入力することにより例えば被験者の踵及び拇指丘の位置に対応する最適な2個のブロック19b,dが選択される。そしてアクチュエータ10は切替スイッチ9によりブロック19b又はブロック19dのみを上下させる。このような構成によれば、被験者の足のサイズによらず、同一条件で筋力,柔軟性,平衡感覚機能を評価することができる。
【0033】
図12に示す健康測定装置では、踏台2内に埋設された複数のブロック19i(1)〜i(n)はエラストマー型感圧センサにより形成されてマトリックスを構成しており、電源スイッチ11がオン状態になると始めに足裏の圧力分布を計測し、高い圧力分布を示す部位を踵及び拇指丘と特定し、アクチュエータ10により踵及び拇指丘部分に対応するブロック19iを上下させ、異なる姿勢状態を誘導し、重心動揺パラメータを計測する。このような構成によれば、足の形状によらず、より厳密に筋力,柔軟性,平衡感覚機能を評価することができる。
【0034】
図13に示す健康測定装置では、踏台2内に埋設されたブロック19a,bの上に踵17及び拇指丘18の生理的曲率に合った凹型の部材20a,bが設けられている。このような構成によれば、被験者はこの部材に足の踵及び拇指丘を合わせることで簡単に足の位置決めをすることができる。なお、図14に示すように土踏まず14の生理的曲率に合わせた凸型の部材21を設け、土踏まず14を凸型の部材21にあわせることによっても簡単に位置決めをすることができる。このようにすることで、位置ずれが少なくなり、測定精度が向上する。
【0035】
図15に示す健康測定装置では、足の踵17及び拇指丘18のブロック19a,19bが交互に連続的に隆起するように構成されている。このような構成によれば、筋力,足関節,平衡感覚機能の追従性を評価することができる。なお、交互隆起には規則性があってもよいし、不規則であってもよい。このようにすることで動的なバランス能力と筋力、足関節柔軟性が一層詳細にわかる。
【0036】
図16(a),(b)に示す健康測定装置では、ブロック19a〜19dの表面にそれぞれ足裏電極22a〜22dが設けられ、所定の周波数を有する微弱な交流電流を足裏電極22a,22cにより身体に流し、他方の足裏電極22b,22d間の電圧を測定することでインピーダンスを計測し、所定の変換式を用いることで内臓脂肪,筋肉量,水分量等の体組成成分を算出する。このような構成によれば、体組成成分と重心動揺パラメータを組み合わせることにより足裏から体調等の健康状態と運動による改善効果が一層詳細にわかるようになる。
【0037】
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、本実施形態の健康指標測定装置は体組成成分を測定するものであるが、足裏電極を用いて心電計測を同時に行ったり、電極の代わりに光電センサを用いて脈波信号を計測したり、血流状態を同時に測定したり、心電計測と脈波信号を用いて脈波伝播時間を測定したり、所定の変換式に基づき血圧を算出するようにしてもよい。
【0038】
また本実施形態では、アクチュエータは油圧式であるが、空気圧,水圧,空気ばね等、ブロックを上下に移動させる機構であればどのような構成であってもよい。また、本実施形態では、切替スイッチ9により複数の測定姿勢を誘導するようにしたが、電源スイッチ11を入れてから複数の測定姿勢における計測を所定のインターバルで連続して行うようにしてもよい。
【0039】
また本実施形態では、ブロックをアクチュエータにより可動させているが、踏台の所定の位置に予め所定量の窪みを設け、ブロックを埋め込むようにしても良い。また、ブロックの形状は四角柱,円柱,半円柱等の形状でもよい。また本実施形態では、両足を踏台に乗せて計測を行うようにしたが、片足ずつ測定するようにしてもよい。このように、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図2】図1に示す健康測定装置の通常時の構成を示す断面図である。
【図3】図1に示す健康測定装置のブロック隆起時の構成を示す断面図である。
【図4】図1に示す健康測定装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図6】図5に示す健康測定装置の重心動揺パラメータ測定時の動作を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図8】図7に示す健康測定装置の重心動揺パラメータ測定時の動作を説明するための断面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図10】図9に示す健康測定装置の重心動揺パラメータ測定時の動作を説明するための断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図12】本発明の他の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図13】本発明の他の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図14】本発明の他の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図15】本発明の他の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【図16】本発明の他の実施形態となる健康測定装置の構成を示す上面図である。
【符号の説明】
【0041】
1:本体
2:踏台
3a,3b,3c,3d:ロードセル
4a,4b,4c,4d:増幅器
5:AD変換器
6:演算部
7:表示部
8a,8b:ブロック
9:切替スイッチ
10:アクチュエータ
11:電源スイッチ
12a,12b:足固定位置ガイド
30:シリンダー
31:プランジャー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の足が乗せられる踏台と、
前記踏台に埋設されたブロック部と
前記ブロック部を上下方向に昇降させることにより被験者の立位姿勢を変化させる姿勢調整部と、
前記踏台に足を乗せた状態の被験者の重心位置を検出する検出部と、
前記検出部により検出された重心位置から重心動揺パラメータを算出し、算出された重心動揺パラメータに基づき被験者の運動能力に関係する健康指標を算出する演算部と
を備えることを特徴とする健康測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、前記ブロック部を隆起させることによって被験者の足裏の一部を傾斜させることにより、被験者の立位姿勢を前傾又は後傾姿勢に誘導することを特徴とする健康測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、前記ブロック部を沈降させることによって被験者の足裏の一部を沈み込ませることにより、被験者の立位姿勢を前傾又は後傾姿勢に誘導することを特徴とする健康測定装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の健康測定装置であって、前記足裏の一部は踵又は拇指丘部であることを特徴とする健康測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、拇指丘部より先の足裏部に荷重が掛からないように被験者の姿勢を後傾姿勢に誘導することを特徴とする健康測定装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、踵及び拇指丘部の位置を検出する手段を備えることを特徴とする健康測定装置。
【請求項7】
請求項6に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、足の長さと踵及び拇指丘部の位置の関係を示すデータを記憶するデータベースを備え、被験者の足の長さに対応する踵及び拇指丘部の位置のデータを当該データベースから読み出すことにより踵及び拇指丘部の位置を検出することを特徴とする健康測定装置。
【請求項8】
請求項6に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、足裏の圧力分布を検出し、検出された圧力分布に基づいて踵及び拇指丘部の位置を検出することを特徴とする健康測定装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のうち、いずれか1項に記載の健康測定装置であって、前記踏台は被験者の足の位置決めを行うための凹型又は凸型部材を備えることを特徴とする健康測定装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のうち、いずれか1項に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、交互かつ連続的に前傾及び後傾姿勢を誘導することを特徴とする健康測定装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項9のうち、いずれか1項に記載の健康測定装置であって、
少なくとも4つのブロック表面に設けられた電極と、当該電極のうち、2つの電極より印加した電流と残りの2つの出力電極より検出した電圧によりインピーダンスを算出し、所定の変換式に基づき算出されたインピーダンスから体組成を算出することにより被験者の健康状態を判定する手段とを備えることを特徴とする健康測定装置。
【請求項1】
被験者の足が乗せられる踏台と、
前記踏台に埋設されたブロック部と
前記ブロック部を上下方向に昇降させることにより被験者の立位姿勢を変化させる姿勢調整部と、
前記踏台に足を乗せた状態の被験者の重心位置を検出する検出部と、
前記検出部により検出された重心位置から重心動揺パラメータを算出し、算出された重心動揺パラメータに基づき被験者の運動能力に関係する健康指標を算出する演算部と
を備えることを特徴とする健康測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、前記ブロック部を隆起させることによって被験者の足裏の一部を傾斜させることにより、被験者の立位姿勢を前傾又は後傾姿勢に誘導することを特徴とする健康測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、前記ブロック部を沈降させることによって被験者の足裏の一部を沈み込ませることにより、被験者の立位姿勢を前傾又は後傾姿勢に誘導することを特徴とする健康測定装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の健康測定装置であって、前記足裏の一部は踵又は拇指丘部であることを特徴とする健康測定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、拇指丘部より先の足裏部に荷重が掛からないように被験者の姿勢を後傾姿勢に誘導することを特徴とする健康測定装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、踵及び拇指丘部の位置を検出する手段を備えることを特徴とする健康測定装置。
【請求項7】
請求項6に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、足の長さと踵及び拇指丘部の位置の関係を示すデータを記憶するデータベースを備え、被験者の足の長さに対応する踵及び拇指丘部の位置のデータを当該データベースから読み出すことにより踵及び拇指丘部の位置を検出することを特徴とする健康測定装置。
【請求項8】
請求項6に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、足裏の圧力分布を検出し、検出された圧力分布に基づいて踵及び拇指丘部の位置を検出することを特徴とする健康測定装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のうち、いずれか1項に記載の健康測定装置であって、前記踏台は被験者の足の位置決めを行うための凹型又は凸型部材を備えることを特徴とする健康測定装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のうち、いずれか1項に記載の健康測定装置であって、前記姿勢調整部は、交互かつ連続的に前傾及び後傾姿勢を誘導することを特徴とする健康測定装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項9のうち、いずれか1項に記載の健康測定装置であって、
少なくとも4つのブロック表面に設けられた電極と、当該電極のうち、2つの電極より印加した電流と残りの2つの出力電極より検出した電圧によりインピーダンスを算出し、所定の変換式に基づき算出されたインピーダンスから体組成を算出することにより被験者の健康状態を判定する手段とを備えることを特徴とする健康測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−104667(P2008−104667A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290639(P2006−290639)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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