説明

健康玩具

【課題】 この発明では、異なる形状の要素を組合わせて遊ぶ際に、手指の鍛錬になり健康を促進することが出来るような、新しい健康玩具を提供する。
【解決手段】 このため、中心部から放射状に且つ3回以上の複数回対称に設けられた腕部と、該腕部の先に設けられた前記腕部よりも径大の掛止部と、から成る放射状体と、該放射状体の隣り合う腕部と該腕部の掛止部とから形成される空間に嵌合する部位を串ダンゴの串部に充てられていると共にダンゴ部の数が異なる複数種の串ダンゴ状体と、の組から構成されていることを特徴とする健康玩具とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は異なる形状の要素を組合わせて遊ぶ玩具に係り、この際に手指の鍛錬になり健康を促進することが出来るような、健康玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特開2010−172568号のように、複数個のブロックを各々の凹凸部分で嵌め合わせて、より大きな塊にしたり具象形状を作ったりして遊ぶためのブロック玩具が提供されている。ブロックの各々は、円筒形の凸部とこの凸部を嵌めるための直方形状の凹部とを備えており、形状や大きさが異なるものを組合わせることで、複雑な形状変化を楽しむことが出来るように構成されている。
【0003】
この他にも種々のブロック玩具が提供されているが、組み合せを楽しむためのブロック玩具は概ね上述した特開2010−172568号に類するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−172568号公報(図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したブロック玩具は、確かにブロックを組み合せて楽しむのには良く、ゲーム性を備えていると言うことは出来る。しかしながら、主として高齢者の老化防止やリハビリに効果があるかと言えば、必ずしもそのような目的に叶うようには作られていない。
【0006】
ところで、両手の指先を合わせて押す運動や、クルミやクルミを模した形状のもの2個を用意しておき掌に包んでこれを揉む動作を行うことで、手の血行を促進したり脳を刺激したりして健康増進を図ることが推奨されている。手の弱りは脳の弱りに繋がるからである。しかしながらこれ等は単調な動作だけなので飽きやすいと言う問題がある。
【0007】
そこでこの発明は、上述のような問題点を解決して、手指の強化が出来、高齢者の老化防止やリハビリに効果があるような、そうした健康玩具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、中心部から放射状に且つ3回以上の複数回対称に設けられた腕部と、該腕部の先に設けられた前記腕部よりも径大の掛止部と、から成る放射状体と、該放射状体の隣り合う腕部と該腕部の掛止部とから形成される空間に嵌合する部位を串ダンゴの串部に充てられていると共にダンゴ部の数が異なる複数種の串ダンゴ状体と、の組から構成されていることを特徴とする健康玩具とすることにより達成される。回転対称数としては3〜8のものが現実的であるが、それ以上のものも可能である。またダンゴ部の数は2以上であれば特に限定はない。また串ダンゴ状体は全体として直線状であっても、湾曲や屈曲や分岐した状態のものであっても良い。
【0009】
組部品すなわち放射状体と串ダンゴ状体とは、一体に組み付けることが出来る。これは放射状体の隣り合う腕部と該腕部の掛止部とから形成される空間に、腕部自体や腕部よりも径大の掛止部からの抵抗力に抗して串ダンゴ状体の串部を押し込むことによって行われる。注目すべきは放射状体の腕部が回転対称に設けられていることによって、串部が未だ填め込まれていない部位には填め込まれている部位からの圧力が加わり、填め込むのにより多くの力が必要になると言う点である。また1本の串ダンゴ状体に関して言えば、どの串部を以て放射状体に組み付けるかで、串ダンゴ状体を持つ手の力を入れる部位が変わることが分かる。またこの発明によればダンゴ部の数が異なる複数種の串ダンゴ状体を備えているため、各々で力の入れ具合が異なるし、放射状体と串ダンゴ状体との組付けのバリエーションも多く複雑になり飽きることがない。
【0010】
このようであるから、手指の強化が出来、手首や腕や肩の鍛錬も可能である。また高齢者の老化防止やリハビリに効果があり、頭を使って脳をより活性化し得るのである。
【0011】
なお放射状体から串ダンゴ状体を外して分解する際にも、どこから着手するかを考えたり、効果的な力の入れ方を工夫するなどして、上述した効果を発揮させることが出来るようになっている。従って、組み付ける際にも分解する際にも、これまでのブロック玩具やクルミでは得られない効果を奏するものであると言うことが出来る。
【0012】
ところでこの発明では、掛止部がボール状を呈するものとしても良い。掛止部の形状は角丸の立方形や鉤形など基本的に任意であるが、ボール状であると組み付けや分解がより円滑に行い得る。
【0013】
更に前記放射状体の前記腕部が6回対称に設けられており、且つ前記串ダンゴ状体が、ダンゴ部の数が3のものと4のものとから成るセットであるものとすることが出来る。当発明者は試行錯誤してこの組み合わせが好適であることを見出した。
【0014】
更に前記放射状体を複数個備えているものとして良い。互いの腕部で放射状体同士を組み付けることが出来るため、腕部の数を増殖させることが可能になる。また腕部の広がりの面に付いて直角方向に面を増やすことが出来て串ダンゴ状体が向く方向が増えるため、興趣が尽きない。
【0015】
また前記放射状体と前記串ダンゴ状体とが各々異なる色に色分けされているものとすることが出来る。組部品がどの種類に属するものであるかが色で容易に分かるため、知育に効果的である。
【0016】
また前記放射状体が電動バイブレータを備えているものとすることが出来る。これによれば電動バイブレータが発する振動で、手指を刺激して上述の効果を高めることが可能である。なおこれとは別に肩や腰などをマッサージする用途に用いることが出来る。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、組部品の組み付けにある程度の力を必要とするため、手指の強化が出来、また組み付けのバリエーションも、高齢者の老化防止やリハビリに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 実施例1の健康玩具の説明図である。
【図2】 この使用状態の説明図である。
【図3】 実施例2の放射状体1,1の使用状態の説明図である。
【図4】 実施例3の健康玩具のA−A線断面を含む説明図である。
【図5】 この使用状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下この発明の3種の実施例を図面に基づいて説明するが、この発明はこれ等の実施例に限定されるものではなく、多くのバリエーションを提供することが可能である。
【実施例1】
【0020】
図1及び図2は実施例1を表す。放射状体1は、中心部10から放射状に6回対称に設けられた6本の腕部11と、該腕部11の先に設けられた腕部11よりも径大のボール状の掛止部12と、から成る。なお中心部10にはステッカー13が貼付されている。また串ダンゴ状体2は、前記腕部11と掛止部12とから形成される空間に嵌合する部位を串部20に充てて3個のダンゴ部21を有する。また串ダンゴ状体3は、同様の串部30と4個のダンゴ部31とを有する。放射状体1の1個に対して、串ダンゴ状体2,3は各々複数個が用意されている。なおダンゴ部21,31はボール状を呈する。
【0021】
実施例1はこのような3種の組部品から構成されている。これを組み付けた例が図2である。いま分かり易いように放射状体1に縦線を、串ダンゴ状体2に斜線を、串ダンゴ状体3に横線を付したが、これらは断面を表すものではなく、表面の色分けを表すものである。
【0022】
このように組み付けて行く過程で手と頭とを使うことになる。そして手首や腕や肩も鍛錬される。また図2のように組み上がると、これを握ったり力を緩めたりする訓練が可能になる。この際の手の感触や組み上がったものから受ける反発力は脳を都合良く刺激するものである。またこのように組み上がったものから別の形を形成するように組み替えることも効果的である。また分解する時にも力と知恵とを使うことになる。
【0023】
なお図1で放射状体1に鎖線で表した円は、串部20,30が嵌め合わさる部位を説明している。ここで図示のように串部20,30が嵌め合わされると、未だ嵌め合わされていない前記空間には、その両側の腕部11や掛止部12から矢線で示すような力が加わるため、次にここに串部20,30を嵌め込むに際してはより多くの力が必要になる。逆に外して分解する場合では初めの頃ほど強い力を必要とする道理である。
【実施例2】
【0024】
この実施例で使用するものは実施例1で説明した3種の組部品と、追加したもう1個の放射状体1とである。図3では2個の放射状体1,1を各々の腕部11と掛止部12とで組み付けたものが表されている。
【0025】
図3で左側の放射状体1は水平状態にありこれに組み付けられた、鎖線で表す串ダンゴ状体2は垂直姿勢を取っている。これに対して右側の放射状体1は垂直状態にあるため、これに組み付けられた、鎖線で表す串ダンゴ状体3は水平姿勢を取っている。
【実施例3】
【0026】
図4及び図5は実施例3を表す。この実施例で特徴的な点は、放射状体4は2個の放射状体を、図の左右で掛止部42,42の位置を合わせるようにして、連結杆44で連結して成る点である。恰も車軸で繋いだ車輪のようである。
【0027】
2個の放射状体は同型のものであり、各々中心部40から放射状に5回対称に設けられた5本の腕部41と、該腕部41の先に設けられた腕部41よりも径大のボール状の掛止部42とから成る。また2個の放射状体の中心部40,40の相対する側には各々連結穴45が設けられており、該連結穴45に連結杆44が嵌入されて、放射状体4が構成されている。なお符合43はステッカーを差す。
【0028】
図4の中心部40にハッチングを付した部位は連結杆44のA−A線断面を表すものである。また放射状体4に鎖線で表した円は、図5で鎖線で表した串ダンゴ状体3の串部が嵌め合わさる部位を説明している。従って放射状体4に串ダンゴ状体3を組み付ける際には同時に左右の2箇所に気を配る必要があり、作業効果をより高めることが出来るようになっている。
【この他の実施例】
【0029】
この実施例は図示しないが、放射状体に、回転軸に偏心重錘を取り付けると共に電池に接続したモータを組み込んで電源スイッチを取り付けた構成が可能である。すなわちこれは電動のバイブレータであり、振動で手指を刺激したり、肩をマッサージしたりすることが出来るものである。
【産業上の利用可能性】
【0030】
この発明の健康玩具は、手指ではなく足指で操作するものとして構成しても良い。子供用の知育玩具として提供することが出来る。また放射状体と串ダンゴ状体とを一体に組み付けてオブジェとして用いることなども可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 放射状体
10 中心部
11 腕部
12 掛止部
13 ステッカー
2 串ダンゴ状体
20 串部
21 ダンゴ部
3 串ダンゴ状体
30 串部
31 ダンゴ部
4 放射状体
40 中心部
41 腕部
42 掛止部
43 ステッカー
44 連結杆
45 連結穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部から放射状に且つ3回以上の複数回対称に設けられた腕部と、該腕部の先に設けられた前記腕部よりも径大の掛止部と、から成る放射状体と、該放射状体の隣り合う腕部と該腕部の掛止部とから形成される空間に嵌合する部位を串ダンゴの串部に充てられていると共にダンゴ部の数が異なる複数種の串ダンゴ状体と、の組から構成されていることを特徴とする健康玩具。
【請求項2】
前記掛止部がボール状を呈するものである請求項1に記載の健康玩具。
【請求項3】
前記放射状体の前記腕部が6回対称に設けられており、且つ前記串ダンゴ状体が、ダンゴ部の数が3のものと4のものとから成るセットである、請求項1または請求項2に記載の健康玩具。
【請求項4】
前記放射状体を複数個備えている、請求項1または請求項2または請求項3に記載の健康玩具。
【請求項5】
前記放射状体と前記串ダンゴ状体とが各々異なる色に色分けされている、請求項1または請求項2または請求項3に記載の健康玩具。
【請求項6】
前記放射状体が電動バイブレータを備えている、請求項1または請求項2または請求項3に記載の健康玩具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−165995(P2012−165995A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44473(P2011−44473)
【出願日】平成23年2月13日(2011.2.13)
【出願人】(309023450)株式会社NS企画 (6)
【Fターム(参考)】