説明

偽造防止用潜像模様形成体及びその作製方法

【課題】上面から視認すると均一な色味となり、斜めから視認すると濃淡の階調を有するカラーの潜像が全方位より認識でき真偽判別を可能とする。
【解決手段】基材表面に、カラー画像の色要素となる複数色12、13、14の同色が隣合わない、かつ、基材を上面から視認した際には周期性が読み取れないよう全方位的に色要素が配置された印刷パターンと、基材表面に基材面より側方に突出した頂点部もしくは頂面部と、基材へと繋がる側面部で囲まれた形状の凸部11を独立して潜像部に配置した隆起パターンと、双方を形成した基材に対して、斜めから視認した際、俯瞰図である選択図(a)においては下方を視認位置とした場合、視認位置から視認できる隆起パターンの頂面部と側面部を覆う印刷パターンの色味が潜像として析出する偽造防止用潜像画像形成体及びその作製方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行券、有価証券、パスポート、身分証明書、カード、印紙類、証明書及び入場券等の偽造防止及び改ざん防止が要求される貴重印刷物等に適用される、カラー又は単色の濃淡階調潜像を有する偽造防止用潜像模様形成体及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銀行券、有価証券、パスポート、身分証明書、カード、印紙類、証明書及び入場券等の貴重印刷物は、その性質上、偽造又は改ざん等を抑制することが要求される。この防止策として、微細な画線構成等を付与して、その有無により真偽判別を行う等の技術が公知である。
【0003】
しかし、微細な画線構成等は、カラー複写機によってほぼ再現できることから、容易に真偽判別ができなくなってきている。特に、最近の電子カラー複写機又はスキャナー等の精度向上及びその普及により、貴重印刷物が容易に複製され、偽造される危険性がある。
【0004】
このような技術的背景において、本願出願人は、基材上に凹凸形状を有するレリーフ模様を形成し、その上に単色で万線模様を印刷することによって潜像を付与し、基材の角度を変えて視認することにより単色の潜像を認識できるようにして、真偽判別に供する技術を出願している(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0005】
また、基材上に凹凸形状を有するレリーフ模様を形成した上に、カラーで万線模様を印刷することでカラー潜像が認識できる真偽判別に供する技術についても出願している。(例えば、特許文献3参照)
【0006】
【特許文献1】特許2600094号公報
【特許文献2】特許2615401号公報
【特許文献3】特開2000‐313160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、基材上に形成されたカラー万線模様を印刷して潜像を付与したものは、正面から視認した際、単色の万線模様と異なり、繰り返し配置されるカラー万線模様が際立つため、二次的に発生する混色がフラットにならず、デザインバランスを壊してしまうことから改良の余地があった。
【0008】
また、カラー潜像を析出する公知の技術は、レリーフ模様とカラー万線により潜像が視認できる技術であり、レリーフ模様の長手方向と並行となる方向からのみ視認できるものであることから、視認方向を問わずに潜像を確認することはできないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明における課題として、真上から視認される模様を、均一な色合い又は絵柄として、微妙な色合いや濃淡階調で確認できるようにし、全体的なデザインに影響を与えないようにすること及びカラー潜像の視認を一定方向ではなく、他方向からも視認できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、基材表面に複数の第一の要素から成る凹部及び/又は凸部による第一の領域(以下「隆起パターン」という。)を設け、その上に色材による複数の第二の要素から成る第二の領域(以下「印刷パターン」という。)を有する構成であり、真上方向以外の斜めから視認した場合に、潜像模様が視認される偽造防止用潜像模様形成体である。
【0011】
本発明は前述の課題を解決するため、印刷パターンをカラー画像の色要素となる複数の色に着色された多角形又は円形が、格子状、蜂の巣状等全方位的に隣接して配置される配列構成とし、基材表面を上面から視認した場合に、カラーの周期性が読み取れない配置とし、隆起パターンは、基材表面上に基材と同色で、多角形又は円形で独立して基材表面上から突出した凸部を形成し、凸部それぞれは頂点部か頂辺部又は頂面部と頂点部あるいは頂辺部又は頂面部を囲むように、基材から繋がる側面部から成る隆起形状であり、潜像として析出する箇所に独立して配置され、凸部を中心に全方向から凸部の頂面部と側面部を覆う色味が潜像として視認できる偽造防止用潜像模様形成体であることを特徴としている。
【0012】
また、前述の印刷パターンは、カラー画像の色要素となる複数の色(例えば、色の三原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの三色)それぞれが特定の形状で、隣り合うように配列した印刷パターンからなる。この印刷パターンの色味は基材色も含め限定はなく色数も制限しない。この、三原色を交互に配列した場合は、上面から視認した際に、何ら模様は視認されないが、色ごとに任意に配置することにより、カラー模様として視認できる偽造防止用潜像模様形成体であることを特徴としている。
【0013】
また、前述の印刷パターンは、多角形又は円形が集合し、各色要素として着色された集合体であり、多角形又は円形の各々の面積を異ならせることで濃淡表現となり、上面から視認した際、階調を持ったカラー模様として視認できる偽造防止用潜像模様形成体であることを特徴としている。
【0014】
また、前述の隆起パターンは、隆起パターンの頂面部及び側面部を覆う色味が潜像として析出し、隆起パターンの凸部における側面部の面数を多く有するほど視認方向が増える偽造防止用潜像模様形成体であることを特徴としている。さらに、隆起パターンを構成する凸部の形状に制限はなく、すべてが同一形状、同一サイズでなくても良い。
【0015】
また、隆起パターンは、凸部の頂面部及び側面部を覆う色味が潜像として析出し、二色以上が覆う場合は混色として視認され、隆起パターンの頂面部及び/又は側面部の表面積を変えることで潜像の濃淡表現を行う偽造防止用潜像模様形成体であることを特徴としている。
【0016】
また、隆起パターンは、多角形又は円形で基材から突出した凸部又は基材から陥没した凹部であり、形状及びサイズ等に制約はなく、独立して潜像部に配置される偽造防止用潜像模様形成体であることを特徴としている。
【0017】
また、基材表面に隆起パターン及びカラー画像の色要素となる複数の色の印刷パターンを形成することにより、基材表面を上面から視認した際、階調を持ったカラー模様が視認され、斜めから視認すると上面から視認した時とは異なるカラー潜像が視認できる偽造防止用潜像模様形成体の作製方法であって、前述の隆起パターンにより析出するカラー潜像の原画となるカラー原画像を複数の色要素に分解して各色要素ごとに濃淡の階調を有する色分解画像を形成する工程と、印刷パターンの原画となるカラー原画像を、複数の色要素に分解して各色要素ごとに濃淡の階調を有する色分解画像を形成する工程と、多角形又は円形等の形状で隆起し、断面が凸部として形成した一以上の凸部を有する基材と同色の隆起パターンを形成する工程と、カラー画像の色要素となる複数の色から成る印刷パターンの配列構成を多数印刷する工程を含む偽造防止用潜像模様形成体の作製方法であることを特徴としている。
【0018】
また、基材表面に隆起パターン及びカラー画像の色要素となる複数の色の印刷パターンを形成することにより、基材表面を上面から視認した際、階調を持ったカラー模様が視認され、斜めから視認すると、上面から視認したときとは異なるカラー潜像が視認できる偽造防止用潜像模様形成体の作製方法であって、隆起パターンにより析出するカラー潜像の原画となるカラー原画像を、複数の色要素に分解して各色要素ごとに濃淡の階調を有する色分解画像を形成する工程と、印刷パターンの原画となるカラー原画像を複数の色要素に分解して各色要素ごとに濃淡の階調を有する色分解画像を形成する工程と、カラー画像の色要素となる複数の色から成る印刷パターンの配列構成を多数印刷する工程と、多角形もしくは円形等の形状で隆起し、断面が凸部として形成した一以上の凸部を有する基材と同色の隆起パターンを形成する工程を含む偽造防止用潜像模様形成体の作製方法であることを特徴としている。
【0019】
また、前述の色要素となる色インキは、例えば、イエロー、マゼンタ及びシアン等の三原色を用いてカラーの潜像を表現するものであり、色味と色数は限定しない。
【0020】
また、基材表面に隆起パターン及び多数の印刷パターンを形成することにより、基材表面を上面から視認した際、階調を持った単色模様が視認され、斜めから視認すると上面から視認した時とは異なる階調を持った単色模様の潜像が視認できる偽造防止用潜像模様形成体の作製方法であって、隆起パターンの原画となる原画像を多数の階調に分解して濃淡の階調を有する分解画像を形成する工程と、印刷パターンの原画となる原画像を多数の階調に分解して濃淡の階調を有する分解画像を形成する工程と、多角形又は円形等の形状で隆起し、断面が凸部として形成した一以上の凸部を有する基材と同色の隆起パターンを形成する工程と、原画像を単色で多数の階調から成る印刷パターンの配列構成を印刷する工程を含む偽造防止用潜像模様形成体の作製方法であることを特徴としている。
【0021】
また、基材表面に隆起パターン及び多数の印刷パターンを形成することにより、基材表面を上面から視認した際、階調を持った単色模様が視認され、斜めから視認すると上面から視認したときとは異なる階調を持った単色模様の潜像が視認できる偽造防止用潜像模様形成体の作製方法であって、隆起パターンの原画となる原画像を多数の階調に分解して濃淡の階調を有する分解画像を形成する工程と、印刷パターンの原画となる原画像を多数の階調に分解して濃淡の階調を有する分解画像を形成する工程と、原画像を単色で多数の階調から成る印刷パターンの配列構成を印刷する工程と、多角形もしくは円形等の形状で隆起し、断面が凸部として形成した一以上の凸部を有する基材と同色の隆起パターンを形成する工程を含む偽造防止用潜像模様形成体の作製方法であることを特徴としている。
【0022】
また、印刷パターンは、色分解画像の濃淡の階調に応じて印刷パターンの色要素として着色された多角形又は円形の面積を変えることで色調と濃淡表現を行う偽造防止用潜像模様形成体の作製方法であることを特徴としている。
【0023】
また、隆起パターンは、色分解画像又は分解画像の濃淡の階調に応じて、隆起パターンの頂面部、側面部の表面積を変えることで潜像の濃淡表現となる偽造防止用潜像模様形成体の作製方法であることを特徴としている。
【0024】
また、隆起パターンは、凹版印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、エンボス加工又はすき入れ加工等により形成する偽造防止用潜像模様形成体の作製方法であることを特徴としているが、凹凸が形成されるならば、製造方法は限定しない。
【0025】
また、前述の基材は、紙、樹脂又は金属等隆起パターンの凹凸の形成及び印刷パターンの着色ができる基材である偽造防止用潜像模様形成体であることを特徴としており、凹凸の形成及び着色ができる基材であれば、何ら限定されない。
【0026】
本発明を解決するための手段に用いた第二の領域については、説明上、印刷パターンとしているが、色材による付与が可能であれば、印刷に何ら限定しない。
【発明の効果】
【0027】
本発明における効果として、基材上に形成されたカラー画像の色要素となる複数の色が、格子状又は蜂の巣状等全方位的に隙間なく配置される配列構成とすることで、基材表面を上面から視認した場合にカラーの周期性が読み取れず、均一な色合いとなり、任意に印刷パターンの形状及び大きさを調整した際は、濃淡階調のある絵柄を表現ことが可能であることから、デザインバランスの良い印刷物を作製できるという効果を奏する。
【0028】
また、カラー画像の色要素となる複数の色(例えば、色の三原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの三原色)それぞれの印刷パターンと関連づけて、基材と同色の凸部の形状及び配置を任意に決めた隆起パターンとしたことで、特定の方位では潜像の微妙な色合いや濃淡階調が確認でき、全方位では潜像の存在が確認できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明を実施するための最良の形態について説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための最良の形態に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内であれば、適宜、実施することができる。
【0030】
本発明の偽造防止用潜像模様形成体は、例えば、証券、パスポート、身分証明書等の貴重印刷物であり、図1(a)に示すように、基材1上に基材と同色の凸部3を有する隆起パターンが形成され、この隆起パターン上にカラー画像の色要素となる複数の色、例えば三色の印刷パターンを印刷することによりカラー潜像を形成して成る構成である。基材1は、紙、樹脂、繊維等から形成されたものである。
【0031】
本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。図1は、隆起パターンの上に印刷パターンが覆った絵柄が視認点によって視認の異なる原理を示した断面における説明図の一例を、図2は、印刷パターンを上面から視認した際の配置図と、隆起パターンを上面から視認したときの配置図と、印刷パターンと隆起パターンを組み合わせた時の上面から視認した配置図の一例を、図3は、偽造防止用潜像模様形成体の印刷パターンに対して、隆起パターンの凸部の位置を変えた時に視認される潜像の色味の違いを示した図の一例をそれぞれ示す。
【0032】
まず、本発明における潜像模様の析出について、図1、図2及び図3を用いて説明する。図1(a)、(b)及び(c)は、図2(c)A−A断面を拡大したものである。図1(a)に示すように、本発明の偽造防止用潜像模様形成体は、真上2から視認すると、何ら模様や文字等は視認できないが、図1(b)に示すように、斜め4から視認すると、隆起パターンの凸部により潜像として析出する部分5と、凸部の陰となり視認できなくなる部分6とに分かれることで、視認できる部分5を覆う印刷パターンのカラーにより原画像と同様の色調を有するカラーの模様が視認できるものである。
【0033】
また、図1(c)は、図1(b)と逆に凹部とした場合の図である。図1(c)に示すように、斜め4から視認すると、隆起パターンの凹部により潜像として析出する部分5と、凹部の陰となり視認できなくなる部分6とに分かれることで、視認できる部分5を覆う印刷パターンのカラーにより原画像と同様の色調を有するカラーの模様が視認できるものである。
【0034】
図2は、本発明に係る偽造防止用潜像模様形成体の基本的な構成を説明する図であり、図2(c)は、偽造防止用潜像模様形成体の要部を示す平面図であり、そのA−A断面を図1(a)で示す。隆起パターンの凸部3は、基材1上に、エンボス、凹版印刷、すき入れ等により隆起したものであり、潜像部分に周期性を持たずに独立して配置された基材と同色の多数の凸部3から構成される。
【0035】
図2(c)において、基材1上に、カラー画像の色要素となる複数の色である三色のY(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)にそれぞれ対応した印刷パターンY7、M8、C9が形成されている。潜像を析出するためのそれぞれの凸部3は、多角形であり、潜像を析出する色味の箇所に視認方向から視認できる側面及び頂面部を配置する構成とする隆起パターンの凸部10から成る。
【0036】
これを具体的に隆起パターンの配置により析出する原理を偽造防止用潜像模様形成体の平面図である図3にて示すと、視認点を図中下方からとした場合、図3(a)では、隆起パターンの凸部11はY12を析出する場合の配置である。図3(b)では、隆起パターンの凸部15はY16とM17の二次色の色味が析出する場合の配置である。図3(c)では、隆起パターンの凸部19はY20とM21とC22の三次色の色味が析出する場合の配置である。これら隆起パターンの凸部は所望の印刷や潜像の精度等を考慮して適宜設定されるものである。隆起パターンはこのような凸部形状を本基材上に多数形成し構成される。
【0037】
図2(c)に示すように、隆起パターンが形成された基材1上に、Y、M、Cの三色の印刷パターンY7、M8、C9が印刷されている。印刷パターンY7、M8、C9は、同色が隣り合うことがないように規則的に配置されている。隆起パターンの凸部10は析出する色によって不規則に印刷パターンの中に配置されるが、上面から視認した場合、有色である印刷パターンに覆われるため認識されない。三色の印刷パターンY7、M8、C9は多角形もしくは円形の形状等、形を限定しないが、例えば図2(a)に示すような六角形を蜂の巣状に基材1上に形成されている。
【0038】
以上の構成から成る偽造防止用潜像模様形成体の作用について以下説明する。図1(a)に示すように、偽造防止用潜像模様形成体をその印刷面の真上2から(印刷面に対して垂直方向から)視認すると、基材上に印刷されている印刷パターンは、隆起パターンに影響されず全面を視認することができる。すなわち、図2(a)に示されている通りに視認される。
【0039】
図1(b)において、偽造防止用潜像模様形成体を基材1に対して左側斜め上方(図3(a)では下方)から視認すると次のようになる。図3(a)において、隆起パターンの凸部11についてみると、矢印X方向に向かって隆起パターンの凸部11より右側に位置する印刷パターンのM13とC14は、隆起パターンの凸部11の陰となって視認できないが、隆起パターンの凸部11の頂面部と頂面部より左側に位置する側面部の印刷パターンのY12は隆起パターンの凸部11の陰となることなく視認できる。
【0040】
図3(b)において、隆起パターンの凸部15についてみると、隆起パターンの凸部15よりX方向に向かって右側に位置する印刷パターンのC18は、隆起パターンの凸部15の陰となって視認できないが、隆起パターンの凸部15の頂面部と頂面部より左側に位置する側面部の印刷パターンのY16とM17は隆起パターンの凸部15の陰となることなく視認できる。
【0041】
図3(c)において、隆起パターンの凸部19についてみると、隆起パターンの凸部19よりX方向に向かって凸部19の頂面部と頂面部より左側に位置する印刷パターンのY20とM21とC22は隆起パターンの凸部19の陰となることなく視認できる。
【0042】
これにより、図3(a)において、X方向に向かい左側斜め上方から隆起パターンの凸部11を視認すると、三色の印刷パターンY12、M13、C14は、図3(d)に示すようにY12が視認され、背景色25と区別できるようになる。図3(b)において、X方向に向かい左側斜め上方から隆起パターンの凸部15を視認すると、三色の印刷パターンY16、M17、C18は、図3(e)に示すように、Y16、M17が見えることとなる。図3(e)は拡大した状態であり、実際の隆起パターンの凸部は小さいため目視で視認すると二色の印刷パターンY16、M17の色は図3(e)の示すように混色された二次色23となって視認され、背景色25と区別できるようになる。
【0043】
図3(c)において、X方向に向かい左側斜め上方から隆起パターンの凸部19を視認すると、三色の印刷パターンY20、M21、C22は、図3(f)に示すようにY20、M21、C22が見えることとなる。図3(f)は拡大した状態であり、実際の隆起パターンの凸部は小さいため目視で視認すると三色の印刷パターンY20、M21、C22の色は図3(f)に示すように混色された三次色24となって視認される。図の説明では背景色25と同一の色味となっているが、隆起パターンの凸部の配置、大きさを調整することで3色の混色割合を任意に指定できることで混合割合が同一となる背景色と区別できるようになる。
【0044】
したがって、隆起パターンの配置位置により偽造防止用潜像模様形成体は、その印刷面に対して真上から視認した色味と、斜め上方から視認した色味では異なって見えることとなる。
【0045】
図3(a)、(b)、(c)において、隆起パターンの凸部と、印刷パターンのY、M、Cの組み合わせによるカラー潜像が視認できる同様の原理で、他の隆起パターンの凸部についても、それぞれの位置、大きさ等を適宜設計することにより、斜め上方から視認すると様々な色味が潜像として視認できる偽造防止用潜像模様形成体となる。このような潜像の有無により、真偽の判別が可能となる。
【0046】
次に、本発明の偽造防止用潜像模様形成体の作製方法について説明する。
隆起パターンは、潜像部位が隆起又は陥没することで形成される。図1(d)は潜像模様を形成する方法として凹版印刷のエンボスにて基材上に隆起パターンを形成する一例を示した図である。潜像となる絵柄は、基材表面の形状を隆起又は陥没した各要素の集合体である隆起パターンにより視認され、各要素の配置は潜像として視認する色味によって印刷パターンとして配置されたY、M、Cの各色要素と関連して色分解画像を基に配置する。この配置された隆起パターンをフィルムに像として形成し、感光膜を塗布した金属板と重ねて露光、現像し、像の部分の金属が露出し、腐食液で金属を腐食し、凹版が形成される。また、フィルムの像を逆像とすることで同じ工程で凸版が形成される。
【0047】
この製造された図1(d)の凹版64を用いて、凹版インキを詰めずに凹版印刷を行うことで、基材表面の形状を隆起又は陥没した図1(d)のエンボス模様10を形成し、隆起パターンとなる。また、凸版においてもエンボスは形成できる。この隆起パターンの要素を個別に色要素と関連して配置する製造方法により所望する色味の潜像が視認できる。また、印刷パターンの各色要素は、ウェットオフセット印刷にて基材上に形成する。この各色要素は、例えばY、M、Cであり隣り合わないように前方位に配置され、各色要素に色分解してフィルムに像として形成し、感光膜が塗布された平版と重ねて露光、現像し平版が製造される。この製造された平版を用いてウェットオフセット印刷を行うことで、図4(d)、(e)のY31、35、M32、36、C33、37に記すように基材表面に印刷パターンが形成される。
【0048】
本発明の偽造防止用潜像模様形成体は、基材表面の形状が隆起又は陥没した隆起パターンの上に印刷パターンを重ねた構成であり、本説明のエンボスとウェットオフセット印刷の組み合わせにおいては、基材に印刷パターンを付与した後、隆起パターンを付与する工程が最善である。
【実施例】
【0049】
本発明に係る偽造防止用潜像模様形成体の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して以下説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施例に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内であれば、適宜、実施することができる。
【0050】
(実施例1)本発明の実施例1について図3及び図4を用いて説明する。図3(a)、(b)、(c)で示した偽造防止用潜像模様形成体は、隆起パターンの凸部11、15、19の大きさが同じであり、それぞれの隆起パターンの頂面部と側面部を覆う面積が同一であるため、潜像の色味は異なるが同濃度として視認される。
【0051】
また、隆起パターンの各要素の形状は六角形を蜂の巣状に配置したものを一例とするが、図2(d)、(e)に示すように四角形、円形などの形状でも、図2(d)の断面B−Bと図2(e)の断面C−Cは、図1(b)に示すように、斜め4から視認すると、隆起パターンの凸部により潜像として析出する部分5と、凸部の陰となり視認できなくなる部分6とに分かれることで、視認できる部分5を覆う印刷パターンのカラーにより原画像と同様の色調を有するカラーの模様が視認できることから同様の効果となる。
また、隆起パターンの各要素は凹版印刷の凹版インキにて基材上に形成する製造方法とする。図1(e)は凹版印刷にて形成する一例を示した図である。
【0052】
潜像となる絵柄は、基材表面の形状を隆起又は陥没した各要素の集合体である隆起パターンにより視認され、各要素の配置は潜像として視認する色味によって印刷パターンとして配置されたY、M、Cの各色要素と関連して色分解画像を基に配置する。この配置された隆起パターンを像としてフィルムに形成し、感光膜を塗布した金属板と重ねて露光、現像し、像の部分の金属が露出し、腐食液で金属を腐食し、凹版が形成される。この製造された図1(e)の凹版65を用いて、凹版インキ66を詰めて凹版印刷を行うことで、基材表面に隆起した図1(e)の凹版インキ66を形成し、隆起パターンとなる。
【0053】
また、印刷パターンの各要素の形状は六角形を蜂の巣状に配置したものを一例とするが、図2(d)、(e)に示すように四角形、円形などの形状でも、図1(a)に示すように偽造防止用潜像模様形成体をその印刷面の真上2から(印刷面に対して垂直方向から)視認すると、基材上に印刷されている印刷パターンは、隆起パターンに影響されず全面を視認できることから同様の効果となる。
【0054】
また、印刷パターンの各色要素は、ドライオフセット印刷にて基材上に形成する。また、各色要素は、例えばY、M、Cが隣合わないように前方位に配置し、各色要素に色分解してフィルムに像として形成し、感光性がある樹脂版と重ねて露光、現像し樹脂凸版が製造される。この製造された樹脂凸版を用いてドライオフセット印刷を行うことで、図4(d)、(e)のY31、35、M32、36、C33、37に記すように基材表面に印刷パターンが形成される。
【0055】
本発明の偽造防止用潜像模様形成体は、基材表面の形状が隆起又は陥没した隆起パターンの上に印刷パターンを重ねた構成であり、本説明の凹版印刷とオフセット印刷の組み合わせにおいては、基材に印刷パターンを付与した後、隆起パターンを付与する工程が最善である。
【0056】
図4(d)、(e)、(f)は、偽造防止用潜像模様形成体の要部平面図であり、図4(a)は図4(d)のB−Bの断面図であり、図4(b)は図4(e)のC−C断面図であり、図4(c)は図4(f)のD−D断面図である。図4(d)、(e)、(f)はY(イエロー)を潜像として表現する構成である。
【0057】
図4(d)、(e)は、隆起パターンの凸部の大きさを変え、凸部30より凸部34を小さくした場合を表している。この大きさを変えたことによる影響を図4(a)、(b)の断面図で比較すると、頂面部と側面部を覆うY(イエロー)の面積は、Y27よりY29が小さくなる。面積の増減は単位面積に占める面積率の増減となり、斜め上方26、28より視認した際、濃度の増減として認識される。これにより図4(d)、(e)を真上から視認した際の平面図の色味は同一であるが、図4(d)、(e)を下方から視認した際、潜像であるY(イエロー)の濃度は図4(d)より(e)が下がって視認される。
【0058】
実施例1は、隆起パターンの凸部の大きさを変えることで潜像として視認できる面積を調整し、潜像の濃淡を表現する方法である。図4(a)の隆起パターンの凸部のような台形の断面でなくても、面積を調整できるなら、図4(c)で示すような、隆起パターンの凸部の頂面部がない円錐や角錐でも同様の効果を得ることができる。隆起パターンそれぞれの潜像として視認できる面積を調整することで、単色、二次色又は三次色と色味に影響することなく濃淡の表現が可能となり、偽造防止用潜像模様形成体を斜めから視認した際、よりきめ細かな色調を有するカラー潜像が視認可能となる。
【0059】
(実施例2)図5は、本発明に係る偽造防止用潜像模様形成体の実施例2を説明する図である。図5(a)、(b)は、偽造防止用潜像模様形成体の要部平面図であり、図5(a)、(b)は、Y(イエロー)を潜像として表現する構成である。
【0060】
また、隆起パターンの各要素の形状は六角形を蜂の巣状に配置したものを一例とするが、図2(d)、(e)に示すように四角形、円形などの形状でも、図2(d)の断面B−Bと図2(e)の断面C−Cは、図1(b)に示すように、斜め4から視認すると、隆起パターンの凸部により潜像として析出する部分5と、凸部の陰となり視認できなくなる部分6とに分かれることで、視認できる部分5を覆う印刷パターンのカラーにより原画像と同様の色調を有するカラーの模様が視認できることから同様の効果となる。
【0061】
また、隆起パターンの各要素は、すき入れにて基材上に形成する製造方法とする。図1(f)は、すき入れにて形成する一例を示した図である。潜像となる絵柄は、基材表面の形状を隆起又は陥没した各要素の集合体である隆起パターンにより視認され、各要素の配置は潜像として視認する色味によって印刷パターンとして配置されたY、M、Cの各色要素と関連して色分解画像を基に配置する。この配置された隆起パターンを像としてフィルムに形成し、感光膜を塗布した抄紙網と重ねて露光、現像し、像の部分が硬化してすき入れ型が形成される。この製造された図1(f)のすき入れ型68を付与した抄紙網で用紙をすくことで紙料69表面に隆起形状(すき入れ模様)を形成し、隆起パターンとなる。
【0062】
また、印刷パターンの各要素の形状は六角形を蜂の巣状に配置したものを一例とするが、図2(d)、(e)に示すように四角形、円形などの形状でも、図1(a)に示すように偽造防止用潜像模様形成体をその印刷面の真上2から(印刷面に対して垂直方向から)視認すると、基材上に印刷されている印刷パターンは、隆起パターンに影響されず全面を視認できることから同様の効果となる。
【0063】
また、印刷パターンの各色要素は、インクジェットプリンタにて基材上に形成する。また、各色要素は、例えばY、M、Cが隣合わないように前方位に配置し、各色要素に色分解したデータを作製し、インクジェットプリンタを用いて印刷を行うことで、図4(d)、(e)のY31、35、M32、36、C33、37に記すように基材表面に印刷パターンが形成される。
【0064】
図5(a)の三色の印刷パターンY39、M40、C41は、同一の面積である。図5(b)の三色の印刷パターンのY43は、M44、C45より面積を狭くした図であり、図5(b)のM44、C45と、図5(a)のM40、C41、Y39は同一の面積である。図5(a)を真上から視認した際、各色の面積が同一であることから、三次色の色味は同一濃度で三色が混色した無彩色となる。図5(b)はY43の面積がM44、C45より狭くなることで紫みの三次色となる。この三色の印刷パターンの面積比を調整することで偽造防止用潜像模様形成体を真上から視認した際、三次色の色味を指定することができる。また、三色の面積比を保持したまま面積を増減すると、三次色の色味を保持して濃淡の指定もできる。
【0065】
なお、図5(a)、(b)の印刷パターンの面積を変えて色味を調整しても、隆起パターンの凸部38と42は同一の大きさであり、頂面部及び側面部を覆う印刷パターンの色の比率と面積も同一であることから潜像の色味と濃度は同一になる。
【0066】
これにより、実施例2の手段で、偽造防止用潜像模様形成体を上面から視認した際に視認される印刷パターンの色味、濃淡調整と、斜めから視認した際視認される潜像の色味、濃淡調整が個別に実施可能となり、細かな色調を有する偽造防止用潜像模様形成体となる。
【0067】
(実施例3)本発明に係る偽造防止用潜像模様形成体を製造する工程の概略について、図6に沿って説明する。ここでは隆起パターンは凹版印刷によるエンボスにて基材上に凹凸を形成し、印刷パターンはオフセット印刷にて基材上に色味を形成するものとする。
【0068】
図6(a)の印刷パターンの作製について、ここでは、カラー原画像を通常のカラー印刷に用いるY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の三色それぞれに、周知の色分解技術により色分解する。これにより、図7(a)に示すようなカラー原画像を模様及びその色調に応じた濃度分布を有するY色分解画像、M色分解画像及びC色分解画像が得られる。この色分解画像を元に、色味、濃淡にあわせた印刷パターンを作製していく。例えば、図7(a)に示すようなカラー原画像の47はY(イエロー)とM(マゼンタ)の混色。48はC(シアン)の単色。49はY(イエロー)の単色とした場合、色分解したY色分解画像は図8(b)に示すような画像となる。M色分解画像は図8(c)に示すような画像となる。
【0069】
C色分解画像は図8(d)に示すような画像となる。この色調分解した画像からパターン変換すると、47の部分は図7(e)で示すようにY53とM54の面積がC55よりも広い印刷パターンとなる。48の部分は、図7(d)で示すようにC55の面積がY53とM54よりも大きな印刷パターンとなる。48は、色味は同一であるが階調のある絵柄であり、三色の面積比を保持したまま全体的な面積の増減がなされた印刷パターンとなる。この色味と階調の情報から、印刷パターンに変換したのが図7(d)の51の個所が図7(f)、図7(d)の52の個所が図7(g)である。
【0070】
これら色分解及びパターン変換の処理により作製された版面と、色分解した色味と同色のイエローインキ(Y)、マゼンタインキ(M)及びシアンインキ(C)を用いてオフセット印刷方式により用紙に印刷することで、潜像模様を付与する前の偽造防止用潜像模様形成体が完成する。説明ではオフセット印刷を利用する説明としているが、色分解した色味と同色であれば印刷方式、着色材料、印刷される媒体の組合せは自由である。
【0071】
図6(b)隆起パターンの作製について、潜像として析出する絵柄の元となるカラー原稿を通常のカラー印刷に用いるY(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の三色のそれぞれに、周知の色分解技術により色分解する。これにより、図8(a)に示すようなカラー原画像の模様及びその色調に応じた濃度分布を有するY色分解画像、M色分解画像及びC色分解画像が得られる。例えば、図8(a)に示すようなカラー原画像の57はM(マゼンタ)とC(シアン)の混色、58はY(イエロー)の単色とした場合、色分解したY色分解画像は図8(b)に示すような画像となり、M色分解画像は図8(c)に示すような画像となり、C色分解画像も図8(c)に示すような画像となる。
【0072】
潜像は、視認方向から視認できる側面部と頂面部の色が色味として視認できることから、色調分解の画像を元に色味、濃淡を考慮して隆起パターンの凸部を配置していく。具体的な配置の説明として、58の色味はY(イエロー)であることから、図8(d)の下からが潜像の視認方向とした場合、隆起パターンの凸部59は印刷パターンのY60が視認できる側面部と頂面部を覆うよう配置する。57の色味はM(マゼンタ)とC(シアン)の混色であることから、図8(e)の下からが潜像の視認方向とした場合、隆起パターンの凸部63は印刷パターンのM61、C62が視認できる側面部と頂面部を覆うよう配置する。
【0073】
これら色分解、隆起変換の処理によって作製された凹版版面により、凹版印刷機を用いて、インキを用いずにオフセット印刷にて作製した偽造防止用潜像模様形成体に印刷することで、圧力により凹凸のエンボスが形成される。これにより潜像が付与された偽造防止用潜像模様形成体の完成となる。
【0074】
説明では、凹版印刷を利用する説明としているが、凹凸の潜像情報が付与できれば凹版印刷に限らず凸版印刷等印刷方式は限定しない。また、凹凸の形成にインキを使用しないエンボス方式を説明したが、凹凸の形成に凹版インキを用いても同様の効果を得ることはできる。
【0075】
本発明の偽造防止用潜像模様形成体は、潜像の析出に基材の凹凸が必要であり、逆に凹凸がないと潜像は失われる。この原理により、コピー機等、光学的に読み取り複製物を作製する機器は、この凹凸形状を複製することができないことから偽造防止技術として効果がある。また、複製物に後から凹凸を加えることも、原稿の凹凸が微細であること及び配置によって色味、濃淡が変化してしまうことから、偽造防止技術として効果がある。
【0076】
以上、本発明に係る実施例1〜3に基づいて実施の形態を説明したが、前述の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術思想の範囲内で、さらにいろいろな実施例があることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】隆起パターンの上に印刷パターンが覆った絵柄が視認点によって視認の異なる原理を示した断面における説明図
【図2】印刷パターンを上面から視認した際の配置図と、隆起パターンを上面から視認した時の配置図と、印刷パターンと隆起パターンを組み合わせた時の上面から視認した配置図
【図3】偽造防止用潜像模様形成体の印刷パターンに対して、隆起パターンの凸部の位置を変えた時に視認される潜像の色味の違いを示した図
【図4】実施例1の偽造防止用潜像模様形成体を上面からの視認した際と断面図にて、印刷パターンに対して隆起パターンの凸部の表面積を変えた時、潜像として視認される濃度の違いを説明した図
【図5】実施例2の偽造防止用潜像模様形成体を上面から視認した際、印刷パターンの各色の面積を変えた時の色味の違いを説明した図
【図6】実施例3の偽造防止用潜像模様形成体の印刷パターンと隆起パターンを生成するための工程図
【図7】実施例3の絵柄の各位置で、色味、濃度に応じた偽造防止用潜像模様形成体の印刷パターンの各色の面積を変えたときの効果を説明した図
【図8】実施例3の絵柄の各位置で、潜像の色味に応じた偽造防止用潜像模様形成体の隆起パターンの位置を変えた時の効果を説明した図
【符号の説明】
【0078】
1 基材
2 視認点
3 視認面(印刷パターン)
4 視認点
5 視認面(印刷パターン)
6 視認できない面(印刷パターン)
7 Y(イエロー)
8 M(マゼンタ)
9 C(シアン)
10凸部(隆起パターン)
11凸部(隆起パターン)
12Y(イエロー)
13M(マゼンタ)
14C(シアン)
15凸部(隆起パターン)
16Y(イエロー)
17M(マゼンタ)
18C(シアン)
19凸部(隆起パターン)
20Y(イエロー)
21M(マゼンタ)
22C(シアン)
23Y(イエロー)とM(マゼンタ)の混色
24Y(イエロー)とM(マゼンタ)とC(シアン)の混色
25Y(イエロー)とM(マゼンタ)とC(シアン)の混色
26視認点
27視認面(印刷パターン)
28視認点
29視認面(印刷パターン)
30凸部(隆起パターン)
31Y(イエロー)
32M(マゼンタ)
33C(シアン)
34凸部(隆起パターン)
35Y(イエロー)
36M(マゼンタ)
37C(シアン)
38凸部(隆起パターン)
39Y(イエロー)
40M(マゼンタ)
41C(シアン)
42凸部(隆起パターン)
43Y(イエロー)
44M(マゼンタ)
45C(シアン)
46基材
47Y(イエロー)とM(マゼンタ)の混色
48C(シアン)
49Y(イエロー)
50M(マゼンタ)
51C(シアン)高濃度
52C(シアン)低濃度
53Y(イエロー)
54M(マゼンタ)
55C(シアン)
56基材
57C(シアン)とM(マゼンタ)の混色
58Y(イエロー)
59凸部(隆起パターン)
60Y(イエロー)
61M(マゼンタ)
62C(シアン)
63凸部(隆起パターン)
64凹版(凸版)
65凹版
66凹版インキ
67抄紙網
68すき入れ模様(樹脂)
69紙料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材表面に多角形及び/又は円形の形状をした第一の要素が複数配置された第一の領域と多角形及び/又は円形の形状をした第二の要素が複数配置された第二の領域を少なくとも有し、前記複数の第一の要素は、凹部及び/又は凸部により形成され、前記複数の第二の要素は、規則的に配置され、かつ、少なくとも二色以上の色材により着色され、前記第一の要素である凹部及び/又は凸部に前記第二の要素の少なくとも一部が重畳され、前記第一の要素の配置により潜像模様が形成され、前記基材は、視認する方向によって前記第一の要素の凹部及び/又は凸部により、前記第二の要素の少なくとも一部が死角となることで前記潜像模様が視認されることを特徴とする偽造防止用潜像模様形成体。
【請求項2】
前記第一の要素に重畳される前記第二の要素は、各々の前記第一の要素における凹部及び/又は凸部に、複数の前記第二の要素の少なくとも一部が重畳されることを特徴とする請求項1記載の偽造防止用潜像模様形成体。
【請求項3】
前記第一の要素は、4角形又は6角形の形状であることを特徴とする請求項1又は2記載の偽造防止用潜像模様形成体。
【請求項4】
前記色材は、インキであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の偽造防止用潜像模様形成体。
【請求項5】
前記第二の要素は、4角形又は6角形の形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の偽造防止用潜像模様形成体。
【請求項6】
前記第二の領域は、前記複数の第二の要素における各々の面積を異ならせることで、前記潜像模様とは異なる可視模様が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の偽造防止用潜像模様形成体。
【請求項7】
前記複数の第一の要素は、各々の面積を異ならせることにより、階調のある前記潜像模様が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の偽造防止用潜像模様形成体。
【請求項8】
前記第二の領域は、隣接して配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の偽造防止用潜像模様形成体。
【請求項9】
前記第二の領域は、前記潜像模様の視認性を向上させるため、前記第二の要素の形状によって隣接部分に発生する隙間に第三の要素を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の偽造防止用潜像模様形成体。
【請求項10】
基材表面に複数の第一の要素から成る第一の領域と複数の第二の要素から成る第二の領域を有し、前記第二の領域の少なくとも一部が、前記第一の領域に重畳する位置に配置され、前記第一の領域における複数の前記第一の要素の配置により潜像模様が形成される偽造防止用潜像模様形成体の作製方法であって、前記基材の表面に、多角形及び/又は円形の形状をした凹部及び/又は凸部により複数の前記第一の要素による第一の領域を施す手段と、前記第一の領域における複数の前記第一の要素の少なくとも一部に重畳する位置に、少なくとも一色以上の色材により規則的に配置した多角形及び/又は円形の形状で着色した前記第二の領域における複数の前記第二の要素を施す手段から成ることを特徴とする偽造防止用潜像模様形成体の作製方法。
【請求項11】
前記複数の第一の要素の凹部は、エンボス加工又はすき入れ加工により施すことを特徴とする請求項10記載の偽造防止用潜像模様形成体の作製方法。
【請求項12】
前記複数の第一の要素の凸部は、前記基材と同色又は透明のインキで印刷することにより施すことを特徴とする請求項10記載の偽造防止用潜像模様形成体の作製方法。
【請求項13】
前記複数の第二の要素は、印刷により施すことを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の偽造防止用潜像模様形成体の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−214304(P2009−214304A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−57245(P2008−57245)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】