説明

充放電特性評価方法及び充放電特性評価装置

【課題】表示画素の測定輝度に基づく高精度な充放電特性の評価方法及びその評価装置を提供する。
【解決手段】列毎に配置されたデータ線にデータ電圧を行順次に出力するデータ線駆動回路を備えた表示装置において、行列状に配置された表示画素へデータ電圧を書き込む時の充放電特性評価方法は、第1の表示階調に対応する第1のデータ電圧をM−1行目の表示画素に書き込む第1ステップ(S01)と、M行目の表示画素の容量素子とデータ線とを導通させた期間、データ線駆動回路より第1の表示階調と異なる第2の表示階調に対応する第2のデータ電圧をデータ線に出力させる第2ステップ(S02)と、第2ステップで書き込まれた電圧により発光したM行目の表示画素の輝度(S03)に基づいて、当該表示画素の充放電特性を求める第3ステップ(S04)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電特性評価方法及び充放電特性評価装置に関し、特に表示装置が備える表示画素への書き込み時の充放電特性評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電流駆動型の発光素子を用いた画像表示装置として、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と記す。)を用いた有機ELディスプレイが知られている。この有機ELディスプレイは、視野角特性が良好で、消費電力が少ないという利点を有するため、次世代のFPD(Flat Panel Display)候補として注目されている。
【0003】
通常、表示画素を構成する有機EL素子はマトリクス状に配置される。例えば、アクティブマトリクス型の有機ELディスプレイでは、複数の走査線と複数のデータ線との交点に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が設けられ、このTFTに保持容量素子(コンデンサ)及び駆動トランジスタのゲートが接続されている。そして、選択した走査線を通じてこのTFTをオンさせ、データ線からのデータ信号を駆動トランジスタ及び保持容量素子に入力し、その駆動トランジスタ及び保持容量素子によって有機EL素子の発光タイミングを制御する。この画素駆動回路の構成により、アクティブマトリクス型の有機ELディスプレイでは、次の走査(選択)まで有機EL素子を発光させることが可能であるため、デューティ比が上がってもディスプレイの輝度減少を招くようなことはない。従って、アクティブマトリクス型の有機EL表示装置は、低電圧で駆動でき、低消費電力化が可能となる。
【0004】
しかしながら、アクティブマトリクス型の有機ELディスプレイでは、表示画素の構造が微細化及び薄型化されるほど、また、表示画素数が増加するほど、データ線及び走査線などの配線を細く、かつ、長くする必要がある。これにより、保持容量素子に対し信号に応じた電圧を書き込む際、データ線の配線抵抗による時定数のため、書き込みに遅れが生じ、所定の書き込み期間内に保持容量素子の充電率が100%にならないという問題が生じる。保持容量素子の充電率が100%にならないで書き込まれた場合、映像信号を反映した画像が表示されず、表示品質の低下が生じてしまう。
【0005】
この問題に対し、例えば、特許文献1では、液晶パネルの各TFTが所属する表示画素行の番号の増加につれて入力電圧を次第に増大させる補正を行い、当該補正された入力電圧を各表示画素行のTFTに出力するという液晶表示装置の駆動方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献2では、表示画素の輝度を測定し、測定された輝度に対応する画素電圧を演算し、これと検査用の入力電圧とを比較し、各表示画素の充電率を判断する液晶表示装置の製造方法が開示されている。
【0007】
上述した方案により、高解像度及び大型パネルにおける、データドライバに対する近端と遠端との負荷の差異による充電遅延の問題を解決でき、パネルの均一性を保証し画面の表示品質を向上させることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−86630号公報
【特許文献2】特開2008−122965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述したように、データ線の配線抵抗による時定数は、データ線の抵抗値に依存し、データドライバからの距離で充放電率が異なる。さらには、充放電率に影響する時定数は、データ線の抵抗値のほか、データ線と当該データ線に交差する走査線とにより形成される寄生容量にも大きく起因する。
【0010】
特許文献1に記載された液晶表示装置の駆動方法では、画素行番号の増加、つまりデータドライバからの距離により入力電圧を調整しているが、当該調整は、上述した寄生容量や入力階調を考慮した調整ではない。さらには、各画素回路の特性ばらつきを考慮した調整ではない。
【0011】
また、特許文献2に記載された液晶表示装置の製造方法では、測定輝度に基づいた充電率の算出を行っているが、液晶表示装置のように、データ電圧が交流化されて各表示画素に書き込まれる方式では、測定輝度から算出された画素電圧と検査用の入力電圧との電位差を検出できるので上記充電率の算出は可能である。しかし、有機EL表示装置のように直流のデータ電圧が各表示画素に書き込まれる方式では、測定輝度から算出された表示画素電圧と検査用の入力電圧との定常状態における電位差から、上記充電率を算出することは困難である。
【0012】
上記観点から、特許文献1及び2に記載された従来の駆動方法及び製造方法では、各表示画素へのデータ電圧の正確な書き込みを行うための充放電率を高精度に評価することが困難であり、また、液晶表示装置の駆動方式に限定されてしまうといった課題を有する。
【0013】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、表示画素の測定輝度に基づく高精度な充放電特性の評価方法及びその評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る充放電特性評価方法は、行列状に配置され各々が容量素子を備えた複数の表示画素と、列毎に配置され前記複数の表示画素の各々にデータ電圧を供給するための複数のデータ線と、前記複数のデータ線に前記データ電圧を行順次に出力するデータ線駆動回路とを備えた表示装置において、前記複数の表示画素へ前記データ電圧を書き込む時の充放電特性を評価する方法であって、第L列(Lは自然数)におけるM−1(Mは2以上の自然数)行目の表示画素を第1の表示階調で表示させるよう、前記第1の表示階調に対応する第1のデータ電圧を前記M−1行目の表示画素の容量素子に書き込む第1ステップと、前記第1ステップの後、前記第L列におけるM行目の表示画素を前記第1の表示階調と異なる第2の表示階調で表示させるよう、前記M行目の表示画素の容量素子と前記データ線とを導通させた所定の書き込み期間に、前記データ線駆動回路より前記第2の表示階調に対応する第2のデータ電圧を前記データ線に出力させる第2ステップと、前記第2ステップの後、前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記M行目の表示画素の輝度に基づいて、前記M行目の表示画素の充放電特性を求める第3ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の充放電特性評価方法及び充放電特性評価装置によれば、表示画素の測定輝度に基づく正確な充放電特性の評価ができるので、当該充放電特性を反映させた高精度な画素表示補正が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置1の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2A】表示部が有する表示画素の回路構成の一例及びその周辺回路との接続を示す図である。
【図2B】同一表示画素列に属する表示画素の回路構成及び接続関係を示す図である。
【図3A】1本のデータ線に発生する抵抗及び容量を表す等価回路図である。
【図3B】データ線を伝わるデータ電圧の応答波形を表す図である。
【図4】本発明の充放電特性評価方法に使用される評価システムの機能ブロック図である。
【図5A】充放電特性評価のために表示パネルへ入力される入力画像及び表示パネルから出力される出力画像の一部を表す図である。
【図5B】撮像装置で撮像された画像から各表示画素行の輝度に対応した電圧を算出した結果を表すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態に係る充放電特性評価方法を説明する動作フローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態の変形例を示す充放電特性評価方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る充放電特性評価方法は、行列状に配置され各々が容量素子を備えた複数の表示画素と、列毎に配置され前記複数の表示画素の各々にデータ電圧を供給するための複数のデータ線と、前記複数のデータ線に前記データ電圧を行順次に出力するデータ線駆動回路とを備えた表示装置において、前記複数の表示画素へ前記データ電圧を書き込む時の充放電特性を評価する方法であって、第L列(Lは自然数)におけるM−1(Mは2以上の自然数)行目の表示画素を第1の表示階調で表示させるよう、前記第1の表示階調に対応する第1のデータ電圧を前記M−1行目の表示画素の容量素子に書き込む第1ステップと、前記第1ステップの後、前記第L列におけるM行目の表示画素を前記第1の表示階調と異なる第2の表示階調で表示させるよう、前記M行目の表示画素の容量素子と前記データ線とを導通させた所定の書き込み期間に、前記データ線駆動回路より前記第2の表示階調に対応する第2のデータ電圧を前記データ線に出力させる第2ステップと、前記第2ステップの後、前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記M行目の表示画素の輝度に基づいて、前記M行目の表示画素の充放電特性を求める第3ステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
本態様によると、隣接する画素行間で表示階調を急変させた階調パターンを入力画像とすることにより、データ線の寄生抵抗、走査線との間の寄生容量、及び入力表示階調などを総合的に考慮して求められた、データ電圧の書き込み時の充放電特性を、輝度測定に基づいて表示画素ごとに評価することが可能となる。
【0019】
よって、表示画素の測定輝度に基づく正確な充放電特性の評価ができるので、当該充放電特性を反映させた高精度な画素表示補正が可能となる。
【0020】
また、本発明に係る充放電特性評価方法の一態様は、前記第3ステップでは、前記第2ステップで前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度と、全ての表示画素を第2の表示階調で一斉表示させた場合の前記表示画素の輝度との比を第1充放電率として算出することにより、前記第L列における前記M行目の表示画素の充放電特性を求めてもよい。
【0021】
これにより、第2ステップで容量素子に書き込まれた電圧による発光輝度と第1の表示階調で一斉表示させた場合の発光輝度との比である充放電率を、同一表示画素において算出できるので、画素間の特性ばらつきを含まない高精度な充放電率を、表示画素ごとに算出することが可能となる。
【0022】
また、本発明に係る充放電特性評価方法の一態様は、さらに、前記第3ステップの前に、前記第L列におけるN−1(NはMと異なる2以上の自然数)行目の表示画素を第1の表示階調で表示させるよう、前記第1のデータ電圧を前記N−1行目の表示画素の容量素子に書き込む第4ステップと、前記第4ステップの後、前記第L列におけるN行目の表示画素を前記第2の表示階調で表示させるよう、前記N行目の表示画素の容量素子と前記データ線とを導通させた所定の書き込み期間に、前記データ線駆動回路より前記第2のデータ電圧を前記データ線に出力させる第5ステップとを含み、前記第3ステップでは、前記第2ステップで前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度、及び、前記第5ステップで前記N行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度に基づいて、前記第L列における表示画素の充放電特性を求めてもよい。
【0023】
これにより、第2ステップでM行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧による発光輝度と、第5ステップでN行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧による発光輝度とを比較することにより、例えば、充放電率の画素行間での差異を把握することが可能となり、高精度に充放電特性を評価することが可能となる。
【0024】
また、本発明に係る充放電特性評価方法の一態様は、前記第3ステップでは、前記第2ステップで前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度と、全ての表示画素を第2の表示階調で一斉表示させた場合の前記表示画素の輝度との比を第1充放電率として算出し、前記第5ステップで前記N行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度と、全ての表示画素を第2の表示階調で一斉表示させた場合の前記表示画素の輝度との比を第2充放電率として算出し、前記第1充放電率及び前記第2充放電率から、前記第L列における表示画素の充放電特性を求めてもよい。
【0025】
これにより、第2ステップで容量素子に書き込まれた電圧による発光輝度と第1の表示階調で一斉表示させた場合の発光輝度との比である第1充放電率を、同一のM行目の表示画素において算出できる。また、第5ステップで容量素子に書き込まれた電圧による発光輝度と第1の表示階調で一斉表示させた場合の発光輝度との比である第2充放電率を、同一のN行目の表示画素において算出できる。よって、充放電率の画素行間での差異を、表示画素ごとに高精度に算出することが可能となる。
【0026】
また、本発明に係る充放電特性評価方法の一態様は、さらに、前記第3ステップの前に、第K列(Kは自然数)におけるM−1(Mは2以上の自然数)行目の表示画素を第1の表示階調で表示させるよう、前記第1のデータ電圧を前記M−1行目の表示画素の容量素子に書き込む第6ステップと、前記第6ステップの後、前記第K列におけるM行目の表示画素を前記第1及び前記第2の表示階調と異なる第3の表示階調で表示させるよう、前記M行目の表示画素の容量素子と前記データ線とを導通させた所定の書き込み期間に、前記データ線駆動回路より前記第3の表示階調に対応する第3のデータ電圧を前記データ線に出力させる第7ステップとを含み、前記第3ステップでは、前記第2ステップで前記第L列における前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度、及び、前記第7ステップで前記第K列における前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度に基づいて、表示階調に応じた表示画素の充放電特性を求めてもよい。
【0027】
これにより、第2ステップで第2の表示階調を表示させるべく容量素子に書き込まれた電圧による発光輝度と、第7ステップで第3の表示階調を表示させるべく容量素子に書き込まれた電圧による発光輝度とに基づいて、例えば、表示階調ごとに充放電率を設定することが可能となり、表示階調に応じた充放電特性を算出することが可能となる。
【0028】
また、本発明に係る充放電特性評価方法の一態様は、前記第3ステップでは、前記第2ステップで前記第L列における前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度と、全ての表示画素を第2の表示階調で一斉表示させた場合の前記表示画素の輝度との比を第1充放電率として算出し、前記第7ステップで前記第K列における前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度と、全ての表示画素を第2の表示階調で一斉表示させた場合の前記表示画素の輝度との比を第3充放電率として算出し、前記第1充放電率及び前記第3充放電率から、表示階調に応じた各表示画素の充放電特性を求めてもよい。
【0029】
これにより、第2ステップで容量素子に書き込まれた電圧による発光輝度と第1の表示階調で一斉表示させた場合の発光輝度との比である第1充放電率を、第L列における同一のM行目の表示画素において算出できる。また、第7ステップで容量素子に書き込まれた電圧による発光輝度と第1の表示階調で一斉表示させた場合の発光輝度との比である第2充放電率を、第K列における同一のM行目の表示画素において算出できる。よって、書き込み時の充放電率を、表示階調ごとに高精度に算出することが可能となる。
【0030】
また、本発明に係る充放電特性評価方法の一態様は、前記第1ステップでは、前記データ線駆動回路より前記第1の表示階調である黒表示階調に対応する黒表示電圧を出力させることにより、前記黒表示電圧を前記M−1行目の表示画素の容量素子に書き込み、前記第2ステップでは、前記データ線駆動回路より前記第2の表示階調である白表示階調に対応する白表示電圧を出力させてもよい。
【0031】
各表示画素へのデータ電圧の書き込み時に発生する充放電不足を評価するために、隣接する画素行間で表示階調を急変させた階調パターンを入力画像とするにあたり、黒表示階調から白表示階調への階調パターンの変化が最も大きい。当該階調パターンを用いることにより、最大の充放電率不足が発生するので、最も高精度な充放電率を算出することが可能となる。
【0032】
なお、本発明は、上記に示す充放電特性評価方法として実現できるだけではなく、当該充放電特性評価方法を実行する充放電特性評価装置として実現することもできる。また、上記充放電特性評価方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現してもよい。
【0033】
本実施の形態では、有機EL表示装置の有する表示画素の書き込み時における充放電特性を正確に評価する方法を説明する。
【0034】
以下説明する充放電特性評価方法は、行列状に配置され各々が容量素子を備えた複数の表示画素と、列毎に配置され当該複数の表示画素の各々にデータ電圧を供給するための複数のデータ線と、当該複数のデータ線にデータ電圧を行順次に出力するデータ線駆動回路とを備えた表示装置において、複数の表示画素へデータ電圧を書き込む時の充放電特性を評価する方法であって、(1)第L列(Lは自然数)におけるM−1(Mは2以上の自然数)行目の表示画素を第1の表示階調で表示させるよう、第1の表示階調に対応する第1のデータ電圧をM−1行目の表示画素の容量素子に書き込む第1ステップと、(2)第1ステップの後、第L列におけるM行目の表示画素を第1の表示階調と異なる第2の表示階調で表示させるよう、M行目の表示画素の容量素子とデータ線とを導通させた所定の書き込み期間に、データ線駆動回路より第2の表示階調に対応する第2のデータ電圧をデータ線に出力させる第2ステップと、(3)第2ステップの後、M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧により発光したM行目の表示画素の輝度に基づいて、各表示画素の充放電特性を求める第3ステップとを含む。これにより、表示画素の測定輝度に基づく正確な充放電特性の評価ができるので、当該充放電特性を反映させた高精度な画素表示補正が可能となる。
【0035】
以下、本発明の実施の形態に係る充放電特性の評価方法について、図面を参照しながら説明する。
【0036】
図1は、本発明の実施の形態に係る有機EL表示装置1の電気的な構成を示すブロック図である。同図における有機EL表示装置1は、制御回路12と、表示パネル11とを備えた表示装置である。表示パネル11は、走査線駆動回路111と、データ線駆動回路112と、表示部113とを備える。
【0037】
制御回路12は、走査線駆動回路111及びデータ線駆動回路112の制御を行う機能を有する。制御回路12は、表示動作時には、外部から入力された映像信号データを、補正パラメータに基づいて補正して、データ線駆動回路112へと出力する。
【0038】
また、制御回路12は、製造工程においては、充放電特性評価装置と通信することにより、当該充放電特性評価装置の指示に従って表示パネル11を駆動する機能を有する。
【0039】
表示部113は、行列状に配置され各々が容量素子を備えた複数の表示画素を備え、外部から有機EL表示装置1へ入力された映像信号に基づいて画像を表示する。
【0040】
図2Aは、表示部の有する表示画素の回路構成の一例及びその周辺回路との接続を示す図である。同図における表示画素208は、走査線200と、データ線201と、電源線202と、選択トランジスタ203と、駆動トランジスタ204と、有機EL素子205と、保持容量素子206と、共通電極207とを備える。また、周辺回路は、走査線駆動回路111と、データ線駆動回路112とを備える。
【0041】
走査線駆動回路111は、走査線200に接続されており、表示画素208の選択トランジスタ203の導通及び非導通を制御する機能を有する。
【0042】
データ線駆動回路112は、列毎に配置され複数の表示画素208の各々にデータ電圧を供給するための複数のデータ線201に接続されており、表示階調に対応したデータ電圧を行順次に出力して、駆動トランジスタ204に流れる信号電流を決定する機能を有する。
【0043】
選択トランジスタ203は、ゲートが、走査線200に接続されており、データ線201のデータ電圧を駆動トランジスタ204のゲートに供給するタイミングを制御する機能を有する。
【0044】
駆動トランジスタ204は、駆動素子として機能し、駆動トランジスタ204のゲートは、選択トランジスタ203を介してデータ線201に接続され、ソースが有機EL素子205のアノードに接続され、ドレインが、電源線202に接続されている。これにより、駆動トランジスタ204は、ゲートに供給されたデータ電圧を、そのデータ電圧に対応した信号電流に変換し、変換された信号電流を有機EL素子205に供給する。
【0045】
有機EL素子205は、発光素子として機能し、有機EL素子205のカソードは、共通電極207に接続されている。
【0046】
保持容量素子206は、電源線202と駆動トランジスタ204のゲート端子との間に接続されている。保持容量素子206は、例えば、選択トランジスタ203がオフ状態となった後も、直前のゲート電圧を維持し、継続して駆動トランジスタ204から有機EL素子205へ駆動電流を供給させる機能を有する。
【0047】
なお、図1及び図2Aには記載されていないが、電源線202は電源に接続されている。また、共通電極207も別の電源に接続されている。
【0048】
上述した回路素子の接続関係より、データ線駆動回路112から供給されたデータ電圧は、選択トランジスタ203を介して駆動トランジスタ204のゲート端子へと印加される。駆動トランジスタ204は、そのデータ電圧に応じたドレイン電流を、信号電流として、有機EL素子205へ流す。これにより、上記信号電流に応じた発光輝度で、有機EL素子205が発光する。
【0049】
図2Bは、同一表示画素列に属する表示画素の回路構成及び接続関係を示す図である。アクティブマトリクス型の有機EL表示装置では、高精細化に伴い表示画素構造が微細化及び薄型化されるほど、また、表示画素数が増加するほど、データ線201及び走査線200の配線を細く、かつ、長くする必要がある。よって、データ線201には、抵抗(R1、・・・、Rk、R(k+1))が発生し、また、データ線201と走査線200とが各表示画素に対応して交差することにより、データ線201と走査線200との間には寄生容量(Cp1、・・・、Cpk、Cp(k+1))が発生している。
【0050】
図3Aは、1本のデータ線に発生する抵抗及び容量を表す等価回路図である。同図に示されたデータ線駆動回路112から出力されるデータ電圧を、各表示画素に配置された保持容量素子206に書き込む際、データ線201の配線抵抗R1〜Rk、及び寄生容量Cp1〜Cpkによる時定数のため、保持容量素子206への充放電、すなわち書き込みに遅れが生じる。これにより、所定の書き込み期間内に保持容量素子206の充放電率が100%にならないという問題が生じる。この問題は、高精細化や大型化が進めば進むほど上記時定数が大きくなり、データ線駆動回路からの距離が大きいほど高負荷となる。
【0051】
図3Bは、データ線を伝わるデータ電圧の応答波形を表す図である。同図において横軸は時間の経過を表し、縦軸はデータ線201の電圧値、つまり書き込み電圧を表す。図3Bには、走査線電圧がHIGHレベルとなると同時に、データ線駆動回路112の出力電圧が電圧値Aから電圧値Bへステップ変化した場合の、データ線駆動回路112近端に配置された表示画素及び遠端に配置された表示画素における書き込み電圧の応答波形が表されている。
【0052】
データ線駆動回路112の近端では負荷が軽く、遠端では負荷が重いため、近端に配置された表示画素と遠端に配置された表示画素とでは、書き込み電圧波形の鈍り方が大きく変わる。そのため、遠端に配置された表示画素では、書き込み期間内に所望のデータ電圧に達しない場合がある。つまり、図3Bの応答波形において、データ線駆動回路112の近端に配置された表示画素では、書き込み期間終了時には書き込み電圧Bが保持容量素子206に保持され、有機EL素子205は電圧Bに対応した輝度で発光するが、遠端に配置された表示画素では、書き込み電圧Cが保持容量素子206に保持され、有機EL素子205は電圧Cに対応した輝度で発光することになる。
【0053】
このように、例えば、データ線駆動回路112の遠端に配置された表示画素において、保持容量素子206の充放電率が100%にならないで書き込まれた場合、映像信号を反映した画像が表示されず、表示品質の低下が生じてしまう。
【0054】
以下では、上述した表示品質の低下を防止すべく、書き込み電圧の高精度な補正を実現するために、データ線駆動回路112からの距離、寄生容量及び入力階調などを考慮した、表示画素の測定輝度に基づく高精度な充放電特性の評価方法及びその評価システムについて説明する。
【0055】
図4は、本発明の充放電特性の評価方法に使用される評価システムの機能ブロック図である。同図に記載された評価システムは、充放電特性評価装置2と、撮像装置3と、表示パネル11と、制御回路12とを備える。
【0056】
充放電特性評価装置2は、演算部21と、記憶部22と、通信部23とを備え、充放電率を算出するまでの工程を制御する機能を有する。充放電特性評価装置2としては、例えば、パーソナルコンピュータが適用される。
【0057】
撮像装置3は、充放電特性評価装置2の通信部23からの制御信号により、表示パネル11を撮像し、撮像された画像データを通信部23へ出力する。撮像装置3としては、例えば、CCDカメラや輝度計が適用される。
【0058】
充放電特性評価装置2は、有機EL表示装置1内の制御回路12及び撮像装置3へ、通信部23を介して制御信号を出力し、制御回路12及び撮像装置3から測定データを取得して当該測定データを記憶部22に格納する。さらに、充放電特性評価装置2は、格納された測定データをもとに演算部21で演算して各表示画素の充放電率を算出する。なお、制御回路12は、有機EL表示装置1に内蔵されない制御回路を使用してもよい。
【0059】
具体的には、充放電特性評価装置2は、表示パネル11に対して、データ線201の長さ方向に、白、黒、白、黒、・・・を交互に繰り返すストライプ表示を行わせる。黒表示画素に対して、データ線駆動回路112から遠くなる方向に隣接する白表示画素は、データ線201の有する時定数により充放電不足となり、所望の白表示よりも暗く表示される。上記ストライプ表示において、黒表示画素に隣接する上記白表示画素の輝度を測定することにより、画面全体の充放電率の分布を高精度に算出することが可能となる。そして、算出された充放電率に応じて、データ線駆動回路112により書き込まれるデータ電圧を補正することで、所望の表示輝度を得ることが可能となる。
【0060】
以下、充放電特性評価装置2が実行する充放電特性の評価方法について、図面を用いて具体的に説明する。
【0061】
図5Aは、充放電特性評価のために表示パネルへ入力される入力画像及び表示パネルから出力される出力画像の一部を表す図である。また、図5Bは、撮像装置で撮像された画像から各表示画素行の輝度に対応した電圧を算出した結果を表すグラフである。また、図6は、本発明の実施の形態に係る充放電特性評価方法を説明する動作フローチャートである。
【0062】
まず、充放電特性評価装置2は、表示パネル11に配置された各表示画素の充放電特性を評価するために、例えば、図5Aの左図のような、白表示及び黒表示が複数の表示画素行単位で交互に表示されるストライプ画像を、制御回路12を介して、表示パネル11に表示させる。
【0063】
具体的には、充放電特性評価装置2は、例えば、1行目から4行目の表示画素行に属する表示画素を第1の表示階調である0階調で黒表示させるように、走査線駆動回路111により1行目から4行目の画素行に属する表示画素208の保持容量素子206の各々とデータ線201とを行順次に導通させる。そして、充放電特性評価装置2は、上記保持容量素子206の各々とデータ線201とが導通している所定の書き込み期間に、データ線駆動回路112より黒表示に対応する第1のデータ電圧をデータ線201に行順次に出力させることにより、第1のデータ電圧を1行目から4行目の画素行に属する表示画素の保持容量素子206に書き込む。上述した4行目の表示画素行に属する表示画素へのデータ電圧の書き込み動作は第1ステップに相当する。
【0064】
次に、充放電特性評価装置2は、例えば、5行目から8行目の表示画素行に属する表示画素を第2の表示階調である255階調で白表示させるように、走査線駆動回路111により5行目から8行目の画素行に属する表示画素208の保持容量素子206の各々とデータ線201とを行順次に導通させる。そして、充放電特性評価装置2は、上記保持容量素子206の各々とデータ線201とが導通している所定の書き込み期間に、データ線駆動回路112より白表示に対応する第2のデータ電圧をデータ線201に行順次に出力させる。上述した5行目の表示画素行に属する表示画素へのデータ電圧の書き込み動作は第2ステップに相当する。
【0065】
図6に記載された動作フローチャートで説明すると、充放電特性評価装置2は、(M−1)行目(4行目)の表示画素に対し、所定期間に、黒表示に対応した第1のデータ電圧を書き込む(図6のステップS01)。一方、充放電特性評価装置2は、M行目(5行目)の表示画素に対し、所定期間に、白表示に対応した第2のデータ電圧を書き込む(図6のステップS02)。
【0066】
次に、充放電特性評価装置2は、撮像装置3に対して、上記ストライプ画像データを表示している表示パネル11を撮像させる。そして、充放電特性評価装置2は、撮像装置3で撮像された画像から、各表示画素の輝度を測定し、当該測定輝度に対応したデータ電圧値を算出する。具体的には、5行目の表示画素208の保持容量素子206に書き込まれた電圧に応じて発光した上記5行目の表示画素208の輝度に基づいて、各表示画素の充放電特性を求める。上述した5行目の表示画素の輝度測定及び充放電特性算出動作は第3ステップに相当する。
【0067】
図6に記載された動作フローチャートで説明すると、充放電特性評価装置2は、(M−1)行目(4行目)の表示画素及びM行目(5行目)の表示画素の輝度を測定する(図6のステップS03)。そして、測定輝度に対応したデータ電圧値を算出する。
【0068】
また、上述した第1ステップ及び第2ステップを、第1ステップ及び第2ステップが実行された同一のデータ線201における異なる画素行において繰り返し実行してもよい。
【0069】
具体的には、充放電特性評価装置2は、例えば、901行目から904行目の表示画素行に属する表示画素を0階調で黒表示させるように、走査線駆動回路111により901行目から904行目の画素行に属する表示画素208の保持容量素子206の各々とデータ線201とを行順次に導通させる。そして、充放電特性評価装置2は、上記保持容量素子206の各々とデータ線201とが導通している所定の書き込み期間に、データ線駆動回路112より黒表示に対応する第1のデータ電圧をデータ線201に行順次に出力させることにより、第1のデータ電圧を901行目から904行目の画素行に属する表示画素の保持容量素子206に書き込む。上述した904行目の表示画素行に属する表示画素208へのデータ電圧の書き込み動作は第4ステップに相当する。
【0070】
次に、充放電特性評価装置2は、例えば、905行目から908行目の表示画素行に属する表示画素208を255階調で白表示させるように、走査線駆動回路111により905行目から908行目の画素行に属する表示画素208の保持容量素子206の各々とデータ線201とを行順次に導通させる。そして、充放電特性評価装置2は、上記保持容量素子206の各々とデータ線201とが導通している所定の書き込み期間に、データ線駆動回路112より白表示に対応する第2のデータ電圧をデータ線201に行順次に出力させる。上述した905行目の表示画素行に属する表示画素へのデータ電圧の書き込み動作は第5ステップに相当する。
【0071】
このように、走査線駆動回路111及びデータ線駆動回路112により、1行目から4行目の画素行への黒表示及び5行目から8行目の画素行への白表示、という表示態様を異なる画素行間で繰り返してもよい。
【0072】
図5Bにおいて、上段に示されたグラフは、上記ストライプ画像データを表示した表示パネル11を撮像した画像から各画素行の輝度に対応した電圧値を算出した結果である。一方、下段に示されたグラフは、画面全体を白表示させるラスタ画像データを表示させた表示パネル11を撮像した画像から、各画素行の輝度に対応した電圧値を算出した結果である。両グラフとも、横軸は、書き込み対象である画素行(データ線駆動回路112の近傍からの画素行)を表す。一方、縦軸は、撮像画像により測定された輝度から算出されたデータ電圧値であり、換言すれば、書き込み期間終了時に保持容量素子206に保持された電圧値を表す。
【0073】
図5Bの上段のグラフにおいて、隣接する画素行間で、黒表示に対応するデータ電圧供給から白表示に対応するデータ電圧供給へと変化する場合、また、白表示に対応するデータ電圧供給から黒表示に対応するデータ電圧供給へと変化する場合には、保持容量素子206への充放電応答特性が鈍っている。具体的には、図5Aにおいて、黒表示から白表示へと変化する5行目、13行目、905行目及び913行目の充電電圧が、書き込み期間内に白表示に対応する電圧に到達していない。また、図5Aにおいて、白表示から黒表示へと変化する9行目、17行目、909行目及び917行目の充(放)電電圧が、書き込み期間内に黒表示に対応する電圧に到達していない。
【0074】
上述した黒表示画素と白表示画素との境界部における充放電応答特性の鈍りは、データ線201が有する抵抗及び走査線200との間に発生する容量などの負荷があることに起因する。
【0075】
また、図5Bの上段のグラフにおいて、前段画素行が黒表示であり白表示へと変化する画素行において、データ線駆動回路112の近端にある画素行(5行目及び13行目)の電圧(VS1)と、データ線駆動回路112の遠端にある画素行(905行目及び913行目)の電圧(VS2)とを比較すると、データ線駆動回路112の遠端にある画素行の電圧の方が低く(VS1>VS2)、より充電不足の状態となっている。
【0076】
上述したデータ線駆動回路112からの距離に依存した充放電応答特性の差異は、データ線駆動回路112から遠くなるほどデータ電圧供給に対して高負荷となり、高負荷となるほどデータ線上の電圧変化が鈍ることに起因する。
【0077】
図5Aの右図は、上記ストライプ画像データを表示パネル11へ入力した場合の、出力画像の一部を表している。上述したように、黒表示から白表示へと変化する5行目、13行目、905行目及び913行目の画素行は白表示されるべきところ、白表示よりも暗い階調表示となっている。また、白表示から黒表示へと変化する9行目、17行目、909行目及び917行目の画素行は黒表示されるべきところ、黒表示よりも明るい階調表示となっている。
【0078】
以上のように、図5Aの左図に示されたストライプ状の入力画像に対応するデータ電圧を書き込んで、図5Aの右図に示された出力画像を表示し、当該出力画像に基づいて図5Bの上段に示された画素行ごとの発光輝度に対応した換算電圧値を算出することにより、各表示画素における充放電率を算出することが可能となる。以下、図5Bに示されたグラフから、充放電率を算出する方法を説明する。
【0079】
まず、図5Bの上段のグラフにおいて、黒表示から白表示へと変化する画素行(5行目)に属する表示画素Aの電圧(VS1)を算出する。次に、図5Bの下段のグラフにおいて、白ラスタ画像を表示させた場合の上記表示画素Aの基準電圧(V)を算出する。本実施の形態に係る有機EL表示装置1のように、直流のデータ電圧を表示画素へと書き込む方式では、白ラスタ画像を表示させた場合には、書き込み期間内ではデータ線201の電圧が変化しないため、図5Bの上段のグラフに見られるような充電不足は発生しない。これにより、表示画素Aの第1充放電率は、VS1/Vとして算出できる。また、同様にして、黒表示から白表示へと変化する画素行(905行目)に属する表示画素Bの第2充放電率は、VS2/Vとして算出できる。
【0080】
このように、同一表示画素におけるストライプ画像とラスタ画像との電圧を比較することにより、例えば、駆動トランジスタ204の閾値電圧のばらつきなど、画素間の特性ばらつきを含まない高精度な充放電率を、表示画素ごとに算出することが可能となる。
【0081】
また、5行目の表示画素208の保持容量素子206に書き込まれた電圧による発光輝度と、905行目の表示画素208の保持容量素子206に書き込まれた電圧による発光輝度とを比較することにより、上述した第1充放電率VS1/V及び第2充放電率VS2/Vのように、充放電率の画素行間での差異を把握することが可能となり、高精度に充放電特性を評価することが可能となる。
【0082】
有機EL表示装置1の製造において、表示パネル11の作製工程の最後に、表示画素間の特性ばらつきによる輝度ムラを低減させ高画質化するため、通常では、各表示画素の有する特性ばらつきを補正する特性ばらつき補正データの取得及び書き込みを実行する。この特性ばらつき補正データの取得にあたり、表示部113の面内輝度分布を光学測定する工程が存在する。具体的には、本工程は、全ての表示画素に対して同一のデータ電圧を印加したラスタ画像の面内輝度ばらつきを、撮像装置により複数の表示階調にて数回測定する。よって、上述した充放電特性評価のために使用するラスタ画像は、上記特性ばらつき補正データ取得のための光学測定時に、既に取得される。また、上記光学測定に使用される撮像装置は、上述した充放電率の算出工程で用いられる撮像装置と共用できる。よって、本発明の要部である充放電率の算出工程を、特性ばらつき補正データを取得する工程に続けて実行することで、製造工数の増加を最小限に抑えることが可能となる。
【0083】
つまり、充放電特性評価装置2は、M行目(5行目)の測定輝度と基準輝度とを比較し、M行目(5行目)の表示画素の充放電率を算出する(図6のステップS04)。
【0084】
これに対して、ラスタ画像から得られる基準電圧を用いずに充放電率を算出することも可能である。図5Bの上段のグラフにおいて、例えば、白表示に対応するデータ電圧が完全に充電された画素行(8行目)の表示画素Cの電圧(VW1)を基準電圧としてもよい。
【0085】
また、上述した実施例では、黒表示及び白表示の2値からなるストライプ画像を表示させることにより充放電率を算出したが、上記2値は、それぞれ、黒及び白以外の中間階調であってもよい。
【0086】
ここで、上述した充放電特性評価方法により、データ線駆動回路112から供給されるデータ電圧を補正して、データ線201及び走査線200の時定数による輝度ムラを解消する方法を説明する。例えば、N行目の表示画素Dを127階調(対応するデータ電圧は8Vと仮定する)で発光させる場合、上述した充放電特性評価方法により、表示画素Dの充放電率が90%と算出されたと仮定する。また、(N−1)行目の表示画素には3Vのデータ電圧が供給されているとすると、N行目に供給すべきデータ電圧を補正しない場合、書き込み期間終了時の表示画素Dには、
(8V−3V)×0.9+3V=7.5V
のデータ電圧が供給され保持される。この場合には、表示画素Dは、127階調に対応した輝度より暗い輝度で発光することになる。そこで、上述した評価方法で算出した充放電率により、表示画素Dを127階調に対応した輝度で発光させるために、補正後のデータ電圧をXと仮定して、表示画素Dへの供給データ電圧が8VになるようなXを以下のように算出する。
【0087】
(X−3V)×0.9+3V=8V
【0088】
上記式により、補正後のデータ電圧Xは、8.56Vと算出される。そして、データ線駆動回路112から8.56Vのデータ電圧を表示画素Dに供給することにより、表示画素Dを127階調に対応した輝度で発光させることができる。
【0089】
なお、上述した実施の形態では、白表示及び黒表示など、特定の2表示値から充放電率を算出する方法を説明したが、本発明に係る充放電特性評価方法は、以下のような、複数のストライプ入力画像による高精度な充放電率算出も可能である。
【0090】
図7は、本発明の実施の形態の変形例を示す充放電特性評価方法を説明する図である。表示画素の充放電率は、同一表示画素であっても表示階調ごとに異なる場合が想定される。この場合には、表示階調ごとの充放電率を算出することにより、より高精度な輝度ムラ補正をすることが可能となる。図7の右下に示されるように、例えば、4種類の各中間階調と黒階調とをストライプ表示させた4種類の入力画像ごとに、充放電率を算出する。この場合、図7の(a)〜(d)のように、4種類の入力画像ごとに充放電率を算出してもよいし、図7の(e)のように、入力画像を等分割することにより領域ごとに異なる2値画像を含む1入力画像を表示させて、画素行単位で、表示階調ごとの充放電率を算出してもよい。
【0091】
つまり、上述した第1ステップ及び第2ステップにより、隣接画素行間で黒表示から白表示へと階調変化させた場合の第1充放電率を算出するとともに、第1充放電率を算出した表示画素または、当該表示画素の属する画素行に配置された表示画素において、黒表示から中間階調表示へと階調変化させた場合の第3充放電率を算出する。以下、第3充放電率を算出する工程を説明する。
【0092】
具体的には、充放電特性評価装置2は、例えば、1行目から4行目の表示画素行に属する表示画素を0階調で黒表示させるように、走査線駆動回路111により1行目から4行目の画素行に属する表示画素208の保持容量素子206の各々とデータ線201とを行順次に導通させる。そして、充放電特性評価装置2は、上記保持容量素子206の各々とデータ線201とが導通している所定の書き込み期間に、データ線駆動回路112より黒表示に対応する第1のデータ電圧をデータ線201に行順次に出力させることにより、第1のデータ電圧を1行目から4行目の画素行に属する表示画素の保持容量素子206に書き込む。上述した4行目の表示画素行に属する表示画素208へのデータ電圧の書き込み動作は第6ステップに相当する。
【0093】
次に、充放電特性評価装置2は、例えば、5行目から8行目の表示画素行に属する表示画素208を127階調でグレー表示させるように、走査線駆動回路111により5行目から8行目の画素行に属する表示画素208の保持容量素子206の各々とデータ線201とを行順次に導通させる。そして、充放電特性評価装置2は、上記保持容量素子206の各々とデータ線201とが導通している所定の書き込み期間に、データ線駆動回路112よりグレー表示に対応する第3のデータ電圧をデータ線201に行順次に出力させる。上述した5行目の表示画素行に属する表示画素へのデータ電圧の書き込み動作は第7ステップに相当する。
【0094】
最後に、充放電特性評価装置2は、第2ステップで5行目の表示画素208の保持容量素子206に書き込まれた電圧に応じて発光した表示画素208の輝度、及び、第7ステップで5行目の表示画素208の保持容量素子206に書き込まれた電圧に応じて発光した表示画素208の輝度に基づいて、表示階調に応じた各表示画素の充放電特性を求める。
【0095】
これにより、表示画素の測定輝度に基づく表示階調ごとの充放電特性の評価ができるので、当該充放電特性を反映させたより高精度な画素表示補正が可能となる。
【0096】
以上、本実施の形態に係る充放電特性評価方法によれば、隣接する画素行間で表示階調を急変させたストライプ画像を入力画像とすることにより、データ線の寄生抵抗、走査線との間の寄生容量、及び入力表示階調などを総合的に考慮した書き込み時の充放電特性を、輝度測定に基づいて表示画素ごとに評価することが可能となる。
【0097】
よって、表示画素の測定輝度に基づく正確な充放電特性の評価ができるので、当該充放電特性を反映させた高精度な画素表示補正が可能となる。
【0098】
また、画素行番号の増加、つまりデータ線駆動回路からの距離により単純にデータ電圧を補正する場合、誤差マージンの大きい充放電特性をもとに補正データを生成しなければならない。これに対し、本発明の充放電特性評価方法によれば、実測定に基づく評価のため上記誤差マージンが最小化されるので、設計スペックを緩和できパネルの設計が容易になる。
【0099】
さらに、表示パネル内での充放電率の差異に対する解消策として、データ線駆動回路を分割して表示パネルの左右または上下に配置する、または、画素列ごとに配置されるデータ線の本数を増加させる、などが挙げられる。しかしこれらの方策は、コスト増を招来し得策ではない。これに対し、本発明の充放電特性評価方法は、従来の製造工程に組み込まれている画素間の特性ばらつきを補正する輝度測定工程および当該工程で使用される撮像装置などを利用できるので、製造工数の増加を最小限に抑えることができ、補正データ生成のための製造コストを低減できる。
【0100】
以上、実施の形態に基づいて本発明に係る充放電特性評価方法及び充放電特性評価装置を説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
【0101】
なお、上記実施の形態では、隣接する画素行間で、黒表示から白表示へと変化させた場合の充放電特性を評価しているが、この場合の表示階調パターンの変化が最も大きい。よって、当該階調パターンを用いることにより、最大の充放電率不足が発生するので、最も高精度な充放電率を算出することが可能となるが、本発明の充放電特性評価方法は当該階調パターンに限られない。すなわち、上記第1ステップにおける第1の表示階調及び上記第2ステップにおける第2の表示階調は、互いに異なる中間階調であってもよい。
【0102】
また、上記実施の形態では、データ線が列ごとに配置され、データ線駆動回路から各データ線を介し、データ電圧が行順次に表示画素へと供給される方式に則り、本発明の充放電特性評価方法及び充放電特性評価装置を説明した。しかしながら、例えば、データ線が行ごとに配置され、データ線駆動回路から各データ線を介し、データ電圧が列順次に表示画素へと供給される方式においても、本発明の充放電特性評価方法及び充放電特性評価装置が実質的に適用される。
【0103】
上記充放電特性評価装置2は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。RAM又はハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、充放電特性評価装置2は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0104】
上記充放電特性評価装置2を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSIから構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成要素を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0105】
上記充放電特性評価装置2を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。このICカード又はモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0106】
また、本発明は、上記に示す充放電特性評価方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0107】
また、本発明は、コンピュータプログラム又はデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO(Magneto−Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−ROM、DVD−RAM、BD、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
【0108】
また、本発明は、コンピュータプログラム又はデジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送などを経由して伝送するものとしてもよい。
【0109】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、マイクロプロセッサは、コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
【0110】
また、プログラム又はデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、あるいはプログラム又はデジタル信号を、ネットワークなどを経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明の充放電特性評価方法及び充放電特性評価装置は、大画面及び高解像度が要望される薄型テレビ及びパーソナルコンピュータのディスプレイなどの技術分野に有用である。
【符号の説明】
【0112】
1 有機EL表示装置
2 充放電特性評価装置
3 撮像装置
11 表示パネル
12 制御回路
21 演算部
22 記憶部
23 通信部
111 走査線駆動回路
112 データ線駆動回路
113 表示部
200 走査線
201 データ線
202 電源線
203 選択トランジスタ
204 駆動トランジスタ
205 有機EL素子
206 保持容量素子
207 共通電極
208 表示画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状に配置され各々が容量素子を備えた複数の表示画素と、列毎に配置され前記複数の表示画素の各々にデータ電圧を供給するための複数のデータ線と、前記複数のデータ線に前記データ電圧を行順次に出力するデータ線駆動回路とを備えた表示装置において、前記複数の表示画素へ前記データ電圧を書き込む時の充放電特性を評価する方法であって、
第L列(Lは自然数)におけるM−1(Mは2以上の自然数)行目の表示画素を第1の表示階調で表示させるよう、前記第1の表示階調に対応する第1のデータ電圧を前記M−1行目の表示画素の容量素子に書き込む第1ステップと、
前記第1ステップの後、前記第L列におけるM行目の表示画素を前記第1の表示階調と異なる第2の表示階調で表示させるよう、前記M行目の表示画素の容量素子と前記データ線とを導通させた所定の書き込み期間に、前記データ線駆動回路より前記第2の表示階調に対応する第2のデータ電圧を前記データ線に出力させる第2ステップと、
前記第2ステップの後、前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記M行目の表示画素の輝度に基づいて、前記M行目の表示画素の充放電特性を求める第3ステップとを含む
充放電特性評価方法。
【請求項2】
前記第3ステップでは、
前記第2ステップで前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度と、全ての表示画素を第2の表示階調で一斉表示させた場合の前記表示画素の輝度との比を第1充放電率として算出することにより、前記第L列における前記M行目の表示画素の充放電特性を求める
請求項1に記載の充放電特性評価方法。
【請求項3】
さらに、前記第3ステップの前に、
前記第L列におけるN−1(NはMと異なる2以上の自然数)行目の表示画素を第1の表示階調で表示させるよう、前記第1のデータ電圧を前記N−1行目の表示画素の容量素子に書き込む第4ステップと、
前記第4ステップの後、前記第L列におけるN行目の表示画素を前記第2の表示階調で表示させるよう、前記N行目の表示画素の容量素子と前記データ線とを導通させた所定の書き込み期間に、前記データ線駆動回路より前記第2のデータ電圧を前記データ線に出力させる第5ステップとを含み、
前記第3ステップでは、
前記第2ステップで前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度、及び、前記第5ステップで前記N行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度に基づいて、前記第L列における表示画素の充放電特性を求める
請求項1に記載の充放電特性評価方法。
【請求項4】
前記第3ステップでは、
前記第2ステップで前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度と、全ての表示画素を第2の表示階調で一斉表示させた場合の前記表示画素の輝度との比を第1充放電率として算出し、
前記第5ステップで前記N行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度と、全ての表示画素を第2の表示階調で一斉表示させた場合の前記表示画素の輝度との比を第2充放電率として算出し、
前記第1充放電率及び前記第2充放電率から、前記第L列における表示画素の充放電特性を求める
請求項3に記載の充放電特性評価方法。
【請求項5】
さらに、前記第3ステップの前に、
第K列(Kは自然数)におけるM−1(Mは2以上の自然数)行目の表示画素を第1の表示階調で表示させるよう、前記第1のデータ電圧を前記M−1行目の表示画素の容量素子に書き込む第6ステップと、
前記第6ステップの後、前記第K列におけるM行目の表示画素を前記第1及び前記第2の表示階調と異なる第3の表示階調で表示させるよう、前記M行目の表示画素の容量素子と前記データ線とを導通させた所定の書き込み期間に、前記データ線駆動回路より前記第3の表示階調に対応する第3のデータ電圧を前記データ線に出力させる第7ステップとを含み、
前記第3ステップでは、
前記第2ステップで前記第L列における前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度、及び、前記第7ステップで前記第K列における前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度に基づいて、表示階調に応じた表示画素の充放電特性を求める
請求項1に記載の充放電特性評価方法。
【請求項6】
前記第3ステップでは、
前記第2ステップで前記第L列における前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度と、全ての表示画素を第2の表示階調で一斉表示させた場合の前記表示画素の輝度との比を第1充放電率として算出し、
前記第7ステップで前記第K列における前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記表示画素の輝度と、全ての表示画素を第2の表示階調で一斉表示させた場合の前記表示画素の輝度との比を第3充放電率として算出し、
前記第1充放電率及び前記第3充放電率から、表示階調に応じた各表示画素の充放電特性を求める
請求項5に記載の充放電特性評価方法。
【請求項7】
前記第1ステップでは、前記データ線駆動回路より前記第1の表示階調である黒表示階調に対応する黒表示電圧を出力させることにより、前記黒表示電圧を前記M−1行目の表示画素の容量素子に書き込み、
前記第2ステップでは、前記データ線駆動回路より前記第2の表示階調である白表示階調に対応する白表示電圧を出力させる
請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の充放電特性評価方法。
【請求項8】
行列状に配置され各々が容量素子を備えた複数の表示画素と、列毎に配置され前記複数の表示画素の各々にデータ電圧を供給するための複数のデータ線と、前記複数のデータ線に前記データ電圧を行順次に出力するデータ線駆動回路とを備えた表示装置における、前記複数の表示画素へ前記データ電圧を書き込む時の充放電特性を評価する充放電特性評価装置であって、
第L列(Lは自然数)におけるM−1(Mは2以上の自然数)行目の表示画素を第1の表示階調で表示させるよう、前記第1の表示階調に対応する第1のデータ電圧を前記M−1行目の表示画素の容量素子に書き込み、
前記第1のデータ電圧を前記M−1行目の表示画素の容量素子に書き込んだ後、前記第L列におけるM行目の表示画素を前記第1の表示階調と異なる第2の表示階調で表示させるよう、前記M行目の表示画素の容量素子と前記データ線とを導通させた所定の書き込み期間に、前記データ線駆動回路より前記第2の表示階調に対応する第2のデータ電圧を前記データ線に出力させ、
前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記M行目の表示画素の輝度に基づいて、前記M行目の表示画素の充放電特性を求める
充放電特性評価装置。
【請求項9】
行列状に配置され各々が容量素子を備えた複数の表示画素と、列毎に配置され前記複数の表示画素の各々にデータ電圧を供給するための複数のデータ線と、前記複数のデータ線に前記データ電圧を行順次に出力するデータ線駆動回路とを備えた表示装置において、前記複数の表示画素へ前記データ電圧を書き込む時の充放電特性を評価する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
第L列(Lは自然数)におけるM−1(Mは2以上の自然数)行目の表示画素を第1の表示階調で表示させるよう、前記第1の表示階調に対応する第1のデータ電圧を前記M−1行目の表示画素の容量素子に書き込む第1ステップと、
前記第1ステップの後、前記第L列におけるM行目の表示画素を前記第1の表示階調と異なる第2の表示階調で表示させるよう、前記M行目の表示画素の容量素子と前記データ線とを導通させた所定の書き込み期間に、前記データ線駆動回路より前記第2の表示階調に対応する第2のデータ電圧を前記データ線に出力させる第2ステップと、
前記第2ステップの後、前記M行目の表示画素の容量素子に書き込まれた電圧に応じて表示した前記M行目の表示画素の輝度に基づいて、前記M行目の表示画素の充放電特性を求める第3ステップとを含む
プログラム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−68816(P2013−68816A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207643(P2011−207643)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】