充電ケーブル装置
【課題】駐車面上に置かれたケーブルを取り纏め作業する際に、手が汚れて使用者が不快を感じることを防止することが可能な充電ケーブル装置を提供すること。
【解決手段】充電ケーブル装置1は、ケーブル10の先端に設けられた充電ガン20から突出するように設けられた把持部30を備えており、把持部30をケーブル10の中間部10cに押し付けると、把持部30がケーブル10の中間部10cを突出方向の先端側から取り込んで、ケーブル10に触れることなく把持することができるようになっている。
【解決手段】充電ケーブル装置1は、ケーブル10の先端に設けられた充電ガン20から突出するように設けられた把持部30を備えており、把持部30をケーブル10の中間部10cに押し付けると、把持部30がケーブル10の中間部10cを突出方向の先端側から取り込んで、ケーブル10に触れることなく把持することができるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電スタンド等の給電源から車両へ電力を供給する電力ラインを有するケーブルと車両の充電口に装着される充電ガンとを備える充電ケーブル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、給電源である給電スタンド等から延びるケーブルの先端に車両の充電口に装着される充電ガンが設けられた充電ケーブル装置が知られている。このような充電ケーブル装置は、比較的長尺のケーブルを備えている(例えば、下記特許文献1参照。)。一般的に、充電口の位置が異なる複数の車種に対応できるとともに、充電スタンドに対する車両の駐車位置や駐車方向の変動にも対応できるように、充電ケーブル装置には比較的長尺のケーブルが採用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−226817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術の充電ケーブル装置では、ケーブルが比較的長尺であるために、充電ガンを車両の充電口に装着して充電を行う際には、ケーブルの中間部が車両を駐車している駐車面(地面や床面)上に置かれる。そのため、ケーブルの中間部は、外表面が比較的汚れやすい。
【0005】
車両への充電が終了した際には、使用者は、充電ガンを充電口から離脱させるとともに、長尺のケーブルを取り纏める必要がある。このとき、駐車面上に置かれて汚れたケーブルの中間部を使用者が手で取り纏め操作すると、手が汚れて使用者が不快を感じる場合があるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、駐車面上に置かれたケーブルを取り纏め操作する際に、手が汚れて使用者が不快を感じることを防止することが可能な充電ケーブル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
給電源(2)から車両(3)へ電力を供給する電力ラインを有するケーブル(10)と、
ケーブルの一端に設けられ、グリップ部(22)を有し、車両への充電時にグリップ部が握られて車両の充電口(3a)に装着される充電ガン(20)と、
充電ガン、もしくは、ケーブルのうち充電ガン側の手元部(10a)から突出するように設けられ、ケーブルの手元部以外の部分を、突出方向の先端側から取り込んで把持することが可能な把持部(30)と、を備えることを特徴としている。
【0008】
これによると、車両への充電が終了した際には、使用者は、グリップ部を握って充電ガンを充電口から離脱させる。その後、使用者は、充電ガンもしくはケーブルのうち充電ガン側の手元部から突出するように設けられた把持部を車両の駐車面上に置かれたケーブルに向かわせて、把持部の先端側からケーブルを取り込んで把持部で把持することができる。したがって、使用者は、ケーブルを取り纏める際に駐車面上に置かれたケーブルに手で直接触れる必要がない。このようにして、駐車面上に置かれたケーブルを取り纏め操作する際に、手が汚れて使用者が不快を感じることを防止することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明では、把持部は、充電ガンから突出するように設けられており、充電ガンは、その全体が、把持部の突出方向の先端(30a)を通り把持部にて把持されるケーブルに平行な線よりも、把持部の基端(30b)側にあることを特徴としている。
【0010】
これによると、充電ガンから突出する把持部を、駐車面上に置かれたケーブルに向かわせて先端側からケーブルを取り込んで把持部に把持させる際に、充電ガンが駐車面に触れることを防止することができる。したがって、充電ガンが汚れることを抑止することができる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明では、把持部は、把持したケーブルを開放する開放手段(40)を備えることを特徴としている。これによると、車両への充電を行う際には、把持部に把持したケーブルを開放手段で開放して、ケーブルの取り纏め状態を容易に解除することができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明では、充電ガンは、充電ガンを充電口から脱離させる際に操作する脱離操作部(23)を有し、脱離操作部が操作されたときに開放手段がケーブルを開放する開放動作を行うことを特徴としている。
【0013】
充電ガンは、充電ガンを充電口から脱離させる際に操作する脱離操作部を有しており、給電源側に車両への非充電時に充電ガンを装着するガンホルダが設けられている場合には、車両への充電を開始する際には脱離操作部を操作して充電ガンをガンホルダから取り外すようになっていることが一般的である。
【0014】
したがって、本請求項に記載の充電ケーブル装置によれば、車両への充電を開始する際には、充電ガンをガンホルダから取り外す脱離操作部の操作に連動して開放手段を動作させ、ケーブルの取り纏め状態を速やかに解除することができる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明では、ケーブルは、把持部に把持される際の目標となる位置に、目標となる位置である旨を標示する標示部(11)を有することを特徴としている。これによると、把持部でケーブルの標示部を把持することにより、ケーブルを比較的コンパクトに取り纏めることが可能である。
【0016】
また、請求項6に記載の発明では、標示部は、ケーブルの延在方向の両端部に、ケーブルから径外方向に突出する一対の環状の鍔状部(12b)を有することを特徴としている。これによると、ケーブルが車両の駐車面上に置かれたときには、標示部の一対の鍔状部が駐車面に接することにより、一対の鍔状部に挟まれた部位は駐車面から浮き上がった状態となる。したがって、把持部でケーブルの標示部を容易に把持することができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明では、標示部には、把持部が把持する際のケーブルの方向を示す方向標示(11a)がなされていることを特徴としている。これによると、把持部でケーブルの標示部を把持してケーブルを取り纏める際に、ケーブルの取り纏め形状を所定の形状にすることが可能である。
【0018】
また、請求項8に記載の発明では、把持部は、充電ガンに対して変位可能に設けられていることを特徴としている。これによると、充電ガンを車両の充電口に装着する車両への充電時に、把持部が車両等に干渉する場合には、把持部を充電ガンに対して変位させて、干渉を回避することが可能である。
【0019】
また、請求項9に記載の発明では、把持部は、複数設けられていることを特徴としている。これによると、極めて長尺のケーブルであっても、比較的コンパクトに取り纏めることが可能である。
【0020】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態における充電ケーブル装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成を示す模式図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】第1の実施形態の充電ケーブル装置1のケーブル10の一部を示す斜視図である。
【図5】第1の実施形態の充電ケーブル装置1のケーブル10を取り纏める際の第1状態を示す模式図である。
【図6】第1の実施形態の充電ケーブル装置1の把持部30がケーブル10を把持する前の状態を示す断面図である。
【図7】第1の実施形態の充電ケーブル装置1の把持部30がケーブル10を把持した状態を示す断面図である。
【図8】第1の実施形態の第1の実施形態の充電ケーブル装置1のケーブル10を取り纏める際の第2状態を示す模式図である。
【図9】第1の実施形態の充電ケーブル装置1の把持部30がケーブル10を開放した状態を示す断面図である。
【図10】第2の実施形態の充電ケーブル装置1のケーブル10の一部を示す側面図である。
【図11】第3の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成の一例を示す模式図である。
【図12】第3の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成の一例を示す模式図である。
【図13】第3の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成の一例を示す模式図である。
【図14】(a)〜(d)は、第4の実施形態の充電ケーブル装置のケーブルを取り纏める動作を説明するための模式図である。
【図15】(a)、(b)は、第5の実施形態の充電ケーブル装置のケーブルの取り纏めを解除する動作を説明するための模式図である。
【図16】他の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成を示す模式図である。
【図17】他の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成を示す模式図である。
【図18】他の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成を示す模式図である。
【図19】他の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成を示す模式図である。
【図20】他の実施形態の充電ケーブル装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0023】
(第1の実施形態)
本発明を適用した第1の実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。図1は、本発明を適用した第1の実施形態における充電ケーブル装置1の概略構成を示す模式図である。図2は、充電ケーブル装置1の要部構成を示す模式図であり、図3は、図2のIII−III線断面図である。また、図4は、充電ケーブル装置1のケーブル10の一部を示す斜視図である。
【0024】
図1に示すように、充電ケーブル装置1は、例えばモータを走行駆動源とする電気自動車やプラグインハイブリッド自動車等の車両3に搭載された電池に充電を行う際に、給電源である充電スタンド2から車両3へ電力を供給するためのものである。
【0025】
充電ケーブル装置1は、充電スタンド2から延びるケーブル10と、ケーブル10の先端に設けられた充電ガン20とを備えている。ケーブル10は、充電スタンド2から車両3へ電力を供給するための電力ラインや充電スタンド2と車両3との間で通信を行うための信号ラインを内部に有している。
【0026】
図2に示すように、充電ガン20は、例えば樹脂製の外殻を有し、ケーブル10の先端部である手元部10aの延設方向と略同一方向に延びる部分と、当該部分と交差する方向に延びる部分とからなる屈曲形状をなしている。充電ガン20の先端には、車両3の充電口(充電リッド)3a(図1参照)に接続する接続端子部21が設けられている。
【0027】
充電ガン20のうちケーブル手元部10aの延設方向と略同一方向に延びる部分は、充電ガン20を取り扱う際に使用者が握るグリップ部22となっている。充電ガン20のグリップ部22よりもケーブル接続端に近い部分には、図示左下方に向かって突出する把持部30が設けられている。
【0028】
図3にも示すように、把持部30は、充電ガン20の外殻と一体的に設けられた柱状部31と、柱状部31の図示下方の先端側に柱状部31と一体的に設けられて、ケーブル10を保持する保持部32とを有している。図3に示すように、保持部32は、内部に保持するケーブル10を通過させるためのスリット部を図示下方に有して、断面形状が略C字形状をなしている。保持部32の内径は、ケーブル10の外径とほぼ同等に形成されている。
【0029】
保持部32は、図示下方に形成されたスリット部の両側から、図示下方に向かうほど相互の間隔が徐々に大きくなるように突出する一対の突出部を有している。この一対の突出部は、保持部32にケーブル10を保持する際にケーブル10を受け入れるための受け入れ部33である。前述のスリット部の幅(図3図示左右方向の寸法)は、ケーブル10の外径よりも若干小さくなっている。一対の受け入れ部33の相互に対向する面部の間隔は、図示上端はスリット部の幅と同等であり、図示下端ではケーブル10の外径よりも大きくなっている。
【0030】
このような構成により、図示下方からケーブル10が受け入れ部33に押し付けられた場合には、断面略C字形状の保持部32が弾性変形して、スリット部を開くように撓んでケーブル10を通過させ、その後撓み変形を復元して保持部32内にケーブル10を保持できるようになっている。
【0031】
図2に示すように、把持部30は、充電ガン20から大きく突出するように設けられている。充電ガン20は、その構成の全体が、把持部30の突出方向の先端30aを通り、かつ、把持部30の保持部32内周面の軸線に平行な線(すなわち、保持部32内で保持されるケーブル10の軸線に平行な線)よりも、把持部30の基端30b側に位置している(図2に二点鎖線で示す線よりも図示上方に、充電ガン20の構成全体が位置している
)。
【0032】
図3に示すように、ケーブル10を把持する把持部30には、把持したケーブル10を開放する開放手段をなすリリース部40が設けられている。リリース部40は、把持部30の保持部32で保持されたケーブル10をスリット部を通して外部に押し出すための押し出し部材41と、この押し出し部材41を図示上方に付勢する例えばコイル状のスプリング42とにより構成されている。
【0033】
押し出し部材41は、例えば樹脂製であり、操作ボタン部41a、ピン部41bおよび連結部41cが一体的に形成されている。操作ボタン部41aは、充電ガン20の外殻よりも図示上方に突出しており、ケーブルリリースの際に押される操作部である。ピン部41bは、把持部30の柱状部31内に図示上下方向に延設された貫通孔31a内に配設され、保持部32内に保持されたケーブルを押し出すための押し出し部である。
【0034】
連結部41cは、充電ガン20の外殻内において、外殻内に延設されたケーブル10を迂回するように設けられ、操作ボタン部41aとピン部41bとを連結している。連結部41cは、操作ボタン部41aが押されたときの操作力を、ピン部41bに伝達する伝達部である。スプリング42は、充電ガン20の外殻の図示下方壁面の上面と、リリース部40の連結部43の図示下端面との間に縮設されている。
【0035】
これにより、押し出し部材41の連結部41cは、充電ガン20の外殻の図示上方壁面の下面に押し付けられている。この状態では、ピン部41bは、保持部32の内周面よりも内方には突出していない。ピン部41bの先端(図示下方端)は、保持部32の内周面にほぼ並んだ位置にある。
【0036】
図1に示すように、ケーブル10には、比較的長尺のケーブルが用いられる。これは、車種により充電口3aの位置が異なる場合があること、および、充電スタンド2に対して車両3の駐車位置や駐車方向が異なる場合があることに対応するためである。そのため、充電ガン20が車両3の充電口3aに装着された状態では、長尺のケーブル10の中間部10cは、車両3が駐車する駐車面4(駐車する地面もしくは床面)上に置かれる。
【0037】
ケーブル10の中間部10cは、ケーブル10のうち、充電ガン20側で駐車面4よりも上方に位置する手元部10a(充電ガン側端部)および充電スタンド2側で駐車面4よりも上方に位置するスタンド側端部10bを除く部分である。
【0038】
図4に示すように、ケーブル10の中間部10cには、把持部30でケーブル10を把持する際に把持目標となる位置にマーキングが施されたマーク部11が形成されている。マーク部11は、把持目標位置である旨を標示する標示部に相当する。マーク部11は、ケーブル10の絶縁外皮の色を変更したり、絶縁外皮とは色が異なるテープ等を巻きつけることにより形成される。マーク部11は、後述する車両への非充電時にケーブル10をコンパクトに取り纏める際に把持するに好ましい所定位置に形成されている。
【0039】
マーク部11には、把持部30でケーブル10を把持する際に把持するケーブルの方向(向き、1つの方向)を示す矢印11aが形成されている。矢印11aは、把持部30が把持する際のケーブル10の方向を示す方向標示(向き標示)である。矢印11aは、後述する車両への非充電時にケーブル10をコンパクトに取り纏める際に把持部30が把持するケーブル10の好ましい方向を示している。この方向標示は矢印11aに限らず、例えば充電ガンの外形を認識させる形状や上下等の文字の標示であってもかまわない。
【0040】
次に、上記構成の充電ケーブル装置1の作動について説明する。
【0041】
車両3への充電が終了した後に、使用者は、まず、グリップ部22を握って充電ガン20を車両3の充電口3aから離脱させる。次に、グリップ部22を握ったまま、充電ガン20から突出するように設けられた把持部30の受け入れ部33を、駐車面4上に置かれたケーブル10の中間部10cのマーク部11に合わせ、上方から押し付ける。このとき、充電ガン20の接続端子部21がマーク部11の矢印11aの先端方向を向くようにする。これにより、図5に示すように、ケーブル10の中間部10cの所定位置が把持部30により把持される。
【0042】
具体的には、図6に示すように、充電ガン20から突設された把持部30の受け入れ部33を、駐車面4上に置かれたケーブル10の中間部10cの所定位置に上方から押し付けると、保持部32が撓んで把持部30の先端30a側から保持部32内にケーブル10が進入し、図7に示すように、ケーブル10の中間部10cが保持部32により保持される。
【0043】
ケーブル10の中間部10cの所定位置を把持部30により把持したら、図8に示すように、充電ガン20を充電スタンド2のガンホルダ2aに装着する。このとき、把持部30により把持されたケーブル10の中間部10cが、充電ガン20とともに持ち上げられる。これにより、ケーブル10は、充電スタンド2の前面(図示右面)に沿って上下方向に大きく蛇行するように垂れ下り、コンパクトに取り纏められる。
【0044】
次に車両3への充電を行うときには、充電ガン20を充電スタンド2のガンホルダ2aから取り外すとともに、充電ガン20の外殻から突出したリリース部40の操作ボタン部41aを押す。図9に示すように、操作ボタン41aを押す操作が行われると、操作力が連結部41cを介してピン部41bに伝達され、ピン部41bの先端が保持部32の内周面よりも内方に突出する。これにより、保持部32に保持されていたケーブル10の中間部10cは、保持部32の外部に放出される。リリース部40は、把持部30が把持したケーブル10を開放する開放手段である。
【0045】
上述の構成および作動によれば、充電ケーブル装置1は、ケーブル10の先端に設けられた充電ガン20から突出するように設けられた把持部30を備えており、把持部30は、ケーブル10の中間部10cを、突出方向の先端30a側から取り込んで把持することができるようになっている。
【0046】
これによると、車両3への充電が終了した際には、使用者は、充電ガン20のグリップ部22を握って充電ガン20を充電口3aから離脱させた後、充電ガン20を握ったまま把持部30を駐車面4上に置かれたケーブル10の中間部10cに向かわせて、ケーブル10に触れることなく把持部30の先端30a側からケーブル10を取り込んで把持部30で把持することができる。したがって、駐車面4上に中間部10cが置かれたケーブル10を取り纏め作業する際に、手が汚れて使用者が不快を感じることを防止することができる。
【0047】
従来から、駐車面上に置かれたケーブルに触れることなくケーブルを取り纏める方法として、ケーブルをコードリールに巻き取る方法が知られている。しかしながら、汚れたケーブルをコードリールに巻き取る場合には、ケーブルに付着した異物等により巻取りを良好に行い難いという不具合を発生する場合がある。また、ケーブルをコードリールに巻き取ると、巻き取り後の体格が比較的大きくなってしまうという問題もある。
【0048】
本実施形態の充電ケーブル装置1によれば、ケーブル10に異物等が付着していたとしても、ケーブル10の取り纏めを行い難くなることはない。また、ケーブル10の取り纏め後の体格も比較的コンパクトにすることが可能である。
【0049】
また、充電ガン20は、その全体が、把持部30の先端30aを通り把持部30のケーブル保持部32の軸線に平行な線よりも、把持部30の基端30b側に位置している。
【0050】
これによると、把持部30を駐車面4上に置かれたケーブル10の中間部10cに向かわせて先端30a側からケーブル10を取り込む際に、充電ガン20が駐車面4に触れることを防止することができる。図2に矢印で示した距離だけ充電ガン20を駐車面4から離すことができる。したがって、充電ガン20、特に接続端子部21が汚れることを防止することができる。
【0051】
また、把持部30は、把持したケーブル10を開放するリリース部40を備えている。これによると、車両3への充電を行う際には、把持部30に把持しているケーブル10をリリース部40で開放して、ケーブル10をコンパクトに取り纏めた状態を容易に解除することができる。
【0052】
また、ケーブル10の中間部10cには、把持部30に把持される際の所定の目標位置に、目標位置である旨を標示するマーク部11が設けられている。これによると、把持部30でケーブル10のマーク部11を把持することにより、容易にケーブル10をコンパクトに取り纏めることができる。
【0053】
また、このマーク部11には、把持部30が把持する際のケーブル10の方向を示す矢印11aが標示されている。これによると、把持部30でケーブル10のマーク部11を把持してケーブル10を取り纏める際に、ケーブル10の取り纏め形状を所定の形状にすることが容易である。
【0054】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図10に基づいて説明する。
【0055】
本第2の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、ケーブルに設けた標示部の構成が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成、第2の実施形態において説明しない他の構成は、第1の実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
【0056】
図10に示すように、本実施形態では、ケーブル10の中間部10cには、把持部30でケーブル10を把持する際に把持目標となる位置にスリーブ12が装着されている。スリーブ12は、ケーブル10延在方向に軸線が延びてケーブル10の絶縁外皮を覆うように設けられた円筒部12aと、円筒部12aの軸線方向の両端部から径外方向に環状に張り出した一対の鍔状部12bとにより構成されている。スリーブ12は、例えば可撓性を有する樹脂製であり、円筒部12aと一対の鍔状部12bとが一体成形されている。
【0057】
スリーブ12は(具体的には一対の鍔状部12bに挟まれた円筒部12aは)、把持部30による把持目標位置である旨を標示する標示部に相当する。スリーブ12は、車両への非充電時にケーブル10をコンパクトに取り纏める際に把持するに好ましい所定位置に配設されている。
【0058】
本実施形態の構成によれば、把持部30でスリーブ12の円筒部12aを把持することにより、容易にケーブル10をコンパクトに取り纏めることができる。また、ケーブル10の中間部10cが駐車面4上に置かれたときには、スリーブ12の一対の鍔状部12bが駐車面4に接することにより、円筒部12aは駐車面4から浮き上がった状態となる。したがって、把持部30でケーブル10に装着したスリーブ12の円筒部12aを容易に把持することができる。
【0059】
上述の説明では、把持目標位置である旨を標示する標示部としてスリーブ12を用いていたが、これに限定されるものではない。ケーブル10から径外方向に突出する一対の環状の鍔状部を有していればよく、例えば、ケーブルの絶縁外皮に一対の環状の鍔状部を形成したものであってもよい。
【0060】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図11〜図13に基づいて説明する。
【0061】
本第3の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、把持部が充電ガンに対して変位可能である点が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成、第3の実施形態において説明しない他の構成は、第1の実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
【0062】
図11に示すように、本実施形態の第1例では、充電ガン20から突設された把持部230は、回動支持部35を支点として、二点鎖線で示した位置と実線で示した位置との間で回動可能となっている。把持部230でケーブル10を把持する際には、把持部230は二点鎖線で示した位置をとり、充電ガン20が車両3の充電口3aに装着される際には、把持部230は実線位置に回動変位される。
【0063】
また、図12に示すように、本実施形態の第2例では、充電ガン20から突設された把持部330は、充電ガン20の把持部330取付部分の軸線を中心に、二点鎖線で示した位置と実線で示した位置との間で回動可能となっている。把持部330でケーブル10を把持する際には、把持部330は二点鎖線で示した位置をとり、充電ガン20が車両3の充電口3aに装着される際には、把持部330は実線位置に回動変位される。
【0064】
また、図13に示すように、本実施形態の第3例では、充電ガン20から突設された把持部430は、回動支持部35を支点として、二点鎖線で示した位置と破線で示した位置との間で回動可能となっている。把持部430でケーブル10を把持する際には、把持部430は二点鎖線で示した位置をとり、充電ガン20が車両3の充電口3aに装着される際には、把持部430は破線位置に回動変位されて、充電ガン20の外殻内に収容される。
【0065】
本実施形態の3つの例では、いずれも、把持部は充電ガンに対して変位可能となっている。これにより、充電ガン20を車両3の充電口3aに装着する車両3への充電時に、把持部が車両3等に干渉する場合には、把持部を充電ガン20に対して変位させて、干渉を回避することができるようになっている。
【0066】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について図14に基づいて説明する。
【0067】
本第4の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、ケーブルにも把持部を追加した点が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成、第4の実施形態において説明しない他の構成は、第1の実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
【0068】
図14(a)に示すように、本実施形態では、ケーブル10の手元部10aに、把持部30とは異なる第2の把持部530が設けられている。本実施形態のケーブル10は、例えば第1の実施形態のケーブルよりも長尺となっている。把持部530には、例えば使用者が握ることができる取っ手が設けられている以外は、把持部30と同様の構成を備えている。
【0069】
本実施形態の充電ケーブル装置では、車両3への充電が終了した後に、使用者は、まず、グリップ部22を握って充電ガン20を車両3の充電口3aから離脱させる。次に、グリップ部22を握っていないほうの手で把持部530を操作し、図14(b)に示すように、把持部530をケーブル10の中間部10cに押し付けて把持する。
【0070】
さらに、充電ガン20のグリップ部22を握ったまま、図14(c)に示すように、充電ガン20から突出するように設けられた把持部30を、ケーブル10の中間部10cのうち把持部530が把持した部分よりも充電スタンド2側の部分に押し付けて把持する。その後、図14(d)に示すように、充電ガン20を充電スタンド2のガンホルダ2aに装着する。
【0071】
このとき、把持部30、530により把持されたケーブル10の中間部10cが、充電ガン20とともに持ち上げられる。これにより、ケーブル10は、充電スタンド2の前面(図示右面)に沿って上下方向に大きく蛇行するように垂れ下り、コンパクトに取り纏められる。
【0072】
ケーブル10の中間部10cには、把持部530が把持する目標位置となる部分、および、把持部30が把持する目標位置となる部分のそれぞれに、第1の実施形態や第2の実施形態で説明した標示部を設けることが好ましい。また、2つの標示部は、把持部530に対応するものと、把持部30に対応するものとの識別が可能であることが好ましい。
【0073】
本実施形態の構成によれば、ケーブル10の中間部10cを把持する把持部が2つ設けられているので、極めて長尺のケーブルであっても、比較的コンパクトに取り纏めることが可能である。
【0074】
本実施形態では、2つの把持部30、530を設けていたが、これに限定されるものではなく、把持部は3つ以上であってもよい。また、把持部30、530は、充電ガン20とケーブル10の手元部10aとに1つずつ設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、充電ガン20から突設する2つの把持部を、充電ガン20の幅方向に並設してもかまわない。
【0075】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について図15に基づいて説明する。
【0076】
本第5の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、把持部が把持しているケーブルを開放する構成が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成、第5の実施形態において説明しない他の構成は、第1の実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
【0077】
図15(a)に示すように、本実施形態では、第1の実施形態では説明を省略していたリリースボタン23が充電ガン20に設けられている。リリースボタン23は、充電ガン20を充電スタンド2のガンホルダ2aから脱離させるとき、および、充電ガン20を車両3の充電口3aから脱離させるときに操作する操作ボタンである。リリースボタン23は、本実施形態における脱離操作部に相当する。
【0078】
本実施形態の充電ケーブル装置は、リリースボタン23が操作されたときに、第1の実施形態で説明した把持部30の開放手段であるリリース部が作動するようになっている。図15(a)に示す状態からリリースボタン23を操作して、図15(b)に示すように充電ガン20をガンホルダ2aから脱離させると、これに連動して、把持部30からケーブル10の中間部が開放されるようになっている。
【0079】
リリースボタン23の操作に連動するケーブル10の開放動作は、リリースボタン23から把持部30のリリース部へ操作力を伝達することにより達成されるものであってもよいし、リリースボタン23からの電気信号により図示を省略している把持部30のリリース部のアクチュエータを作動させて達成されるものであってもよい。
【0080】
本実施形態の構成によれば、車両3への充電を開始する際には、充電ガン20をガンホルダ2aから取り外すときのリリースボタン23の操作に連動して把持部30の開放手段を動作させ、ケーブル10の取り纏め状態を速やかに解除することができる。
【0081】
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0082】
上記各実施形態では、ケーブル10の中間部10cを把持する把持部は充電ガン20に設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、図16に示す把持部630のように、ケーブル10のうち充電ガン20側の手元部10aからケーブル径外方向に突出するように設けられていてもよい。把持部630を設けることができる手元部10aとは、前述したように、ケーブル10のうち、充電ガン20側で駐車面4よりも上方に位置する部分(充電ガン側端部)である。
【0083】
車両の充電口は、一般的に70cm以上の高さに設けられるため、把持部630を設けることが好ましい手元部は、ケーブルの充電ガンが設けられた一端より70cm以内の部分とすることができる。この部分に把持部を設ければ、把持部が駐車面に触れて汚れることを防止することができる。また、使用者が一方の手で充電ガンのグリップ部を握り、他方の手で把持部を取り扱うことを考慮すれば、把持部を設ける手元部は、ケーブルの充電ガンが設けられた一端より50cm以内の部分であることが一層好ましく、30cm以内の部分であればより一層好ましい。
【0084】
また、上記各実施形態では、把持部は、内部にケーブル10を保持する保持部32を撓ませて、突出方向の先端側からケーブル10を取り込んで把持するものであったが、これに限定されるものではない。突出方向の先端側からケーブルを取り込んで把持することができるものであればよく、例えば、図17に示す把持部730のように、力点、支点および作用点を有し、力点に加わるスプリングの力により作用点となる一対の平板状部からなる保持部732でケーブル10の中間部10cを挟み込んで保持する、洗濯ばさみ状の把持部であってもかまわない。把持部730は、スプリングを圧縮するように一対の力点を狭めることで、保持部732で保持しているケーブル10を開放することができる。したがって、力点となる部分は、把持部730の開放手段でもある。
【0085】
また、上記各実施形態では、充電ガン20は、ケーブル10の手元部10aの延設方向と略同一方向に延びる部分と、当該部分と交差する方向に延びる部分とからなる屈曲形状をなしていた。そして、把持部は、充電ガン20のうちケーブル10の手元部10aの延設方向と略同一方向に延びる部分から、この部分に略直交する方向に突出していたが、これに限定されるものではない。
【0086】
例えば、把持部は、図18に示す把持部830のように、充電ガン20のうちケーブル10の手元部10aの延設方向と略同一方向に延びる部分から、この部分に直交する方向に対して傾斜して突出して突出していてもかまわない。図18に示す把持部830によれば、充電ガン20の全体が、把持部830の先端30aを通り把持部830のケーブル保持部32の軸線に平行な線(図示二点鎖線)よりも、把持部830の基端30b側に位置するという条件を満たすために把持部を大きく突出させる必要がない。これにより、把持部の突出量を抑制することが可能である。
【0087】
また、充電ガンは、例えば、図19に示す充電ガン920のように、ケーブル10の手元部10aの延設方向と略同一方向に延びる部分のみからなるものであってもよい。図19に示す充電ガン920によれば、充電ガン920の全体が、把持部30の先端30aを通り把持部30のケーブル保持部32の軸線に平行な線(図示二点鎖線)よりも、把持部30の基端30b側に位置するという条件を満たすために把持部を大きく突出させる必要がない。これによっても、把持部の突出量を抑制することが可能である。
【0088】
また、上記各実施形態では、充電ケーブル装置は、給電源である充電スタンドから延びるものであったが、これに限定されるものではない。例えば、図20に示すように、ケーブル10の一端に充電ガン20が設けられ、他端にコンセント用のプラグ50が設けられた充電ケーブル装置であってもよい。
【0089】
すなわち、充電スタンドから延された充電ケーブル装置ではなく、例えば、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車等の車両に付属する(例えば付属部品として搭載される)単品の充電ケーブル装置であってもよい。図20に示す充電ケーブル装置の場合には、コンセントが給電源に相当する。図20に示す符号60を付した構成は、電流制御装置である。本発明を適用した充電ケーブル装置は、電流制御装置を備えていてもよいし、備えていなくてもかまわない。
【0090】
また、上記各実施形態では、把持部は、ケーブル10の中間部10cを把持するものであったが、これに限定されるものではない。ケーブル10の手元部10a以外の部分を把持するものであればよく、例えば、ケーブル10のスタンド側端部10bを把持してケーブル10を取り纏めるものであってもよい。
【0091】
また、上記各実施形態では、ケーブル10は、充電スタンド2等の給電源から車両3へ電力を供給するための電力ラインを内部に有していたが、これに限定されるものではない。例えば、ケーブルは、電力ラインを介して、双方向の電力供給(給電源から車両への電力供給および車両から車両外部への電力供給)を行うものであってもよい。また、ケーブルは、電力ラインを介して、車両から車両外部への電力供給のみを行うものであってもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 充電ケーブル装置
2 充電スタンド
3 車両
3a 充電口
10 ケーブル
10a 手元部
10c 中間部
11 マーク部(標示部)
11a 矢印(方向標示)
20 充電ガン
22 グリップ部
23 リリースボタン(脱離操作部)
30 把持部
40 リリース部(開放手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電スタンド等の給電源から車両へ電力を供給する電力ラインを有するケーブルと車両の充電口に装着される充電ガンとを備える充電ケーブル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、給電源である給電スタンド等から延びるケーブルの先端に車両の充電口に装着される充電ガンが設けられた充電ケーブル装置が知られている。このような充電ケーブル装置は、比較的長尺のケーブルを備えている(例えば、下記特許文献1参照。)。一般的に、充電口の位置が異なる複数の車種に対応できるとともに、充電スタンドに対する車両の駐車位置や駐車方向の変動にも対応できるように、充電ケーブル装置には比較的長尺のケーブルが採用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−226817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術の充電ケーブル装置では、ケーブルが比較的長尺であるために、充電ガンを車両の充電口に装着して充電を行う際には、ケーブルの中間部が車両を駐車している駐車面(地面や床面)上に置かれる。そのため、ケーブルの中間部は、外表面が比較的汚れやすい。
【0005】
車両への充電が終了した際には、使用者は、充電ガンを充電口から離脱させるとともに、長尺のケーブルを取り纏める必要がある。このとき、駐車面上に置かれて汚れたケーブルの中間部を使用者が手で取り纏め操作すると、手が汚れて使用者が不快を感じる場合があるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、駐車面上に置かれたケーブルを取り纏め操作する際に、手が汚れて使用者が不快を感じることを防止することが可能な充電ケーブル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
給電源(2)から車両(3)へ電力を供給する電力ラインを有するケーブル(10)と、
ケーブルの一端に設けられ、グリップ部(22)を有し、車両への充電時にグリップ部が握られて車両の充電口(3a)に装着される充電ガン(20)と、
充電ガン、もしくは、ケーブルのうち充電ガン側の手元部(10a)から突出するように設けられ、ケーブルの手元部以外の部分を、突出方向の先端側から取り込んで把持することが可能な把持部(30)と、を備えることを特徴としている。
【0008】
これによると、車両への充電が終了した際には、使用者は、グリップ部を握って充電ガンを充電口から離脱させる。その後、使用者は、充電ガンもしくはケーブルのうち充電ガン側の手元部から突出するように設けられた把持部を車両の駐車面上に置かれたケーブルに向かわせて、把持部の先端側からケーブルを取り込んで把持部で把持することができる。したがって、使用者は、ケーブルを取り纏める際に駐車面上に置かれたケーブルに手で直接触れる必要がない。このようにして、駐車面上に置かれたケーブルを取り纏め操作する際に、手が汚れて使用者が不快を感じることを防止することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明では、把持部は、充電ガンから突出するように設けられており、充電ガンは、その全体が、把持部の突出方向の先端(30a)を通り把持部にて把持されるケーブルに平行な線よりも、把持部の基端(30b)側にあることを特徴としている。
【0010】
これによると、充電ガンから突出する把持部を、駐車面上に置かれたケーブルに向かわせて先端側からケーブルを取り込んで把持部に把持させる際に、充電ガンが駐車面に触れることを防止することができる。したがって、充電ガンが汚れることを抑止することができる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明では、把持部は、把持したケーブルを開放する開放手段(40)を備えることを特徴としている。これによると、車両への充電を行う際には、把持部に把持したケーブルを開放手段で開放して、ケーブルの取り纏め状態を容易に解除することができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明では、充電ガンは、充電ガンを充電口から脱離させる際に操作する脱離操作部(23)を有し、脱離操作部が操作されたときに開放手段がケーブルを開放する開放動作を行うことを特徴としている。
【0013】
充電ガンは、充電ガンを充電口から脱離させる際に操作する脱離操作部を有しており、給電源側に車両への非充電時に充電ガンを装着するガンホルダが設けられている場合には、車両への充電を開始する際には脱離操作部を操作して充電ガンをガンホルダから取り外すようになっていることが一般的である。
【0014】
したがって、本請求項に記載の充電ケーブル装置によれば、車両への充電を開始する際には、充電ガンをガンホルダから取り外す脱離操作部の操作に連動して開放手段を動作させ、ケーブルの取り纏め状態を速やかに解除することができる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明では、ケーブルは、把持部に把持される際の目標となる位置に、目標となる位置である旨を標示する標示部(11)を有することを特徴としている。これによると、把持部でケーブルの標示部を把持することにより、ケーブルを比較的コンパクトに取り纏めることが可能である。
【0016】
また、請求項6に記載の発明では、標示部は、ケーブルの延在方向の両端部に、ケーブルから径外方向に突出する一対の環状の鍔状部(12b)を有することを特徴としている。これによると、ケーブルが車両の駐車面上に置かれたときには、標示部の一対の鍔状部が駐車面に接することにより、一対の鍔状部に挟まれた部位は駐車面から浮き上がった状態となる。したがって、把持部でケーブルの標示部を容易に把持することができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明では、標示部には、把持部が把持する際のケーブルの方向を示す方向標示(11a)がなされていることを特徴としている。これによると、把持部でケーブルの標示部を把持してケーブルを取り纏める際に、ケーブルの取り纏め形状を所定の形状にすることが可能である。
【0018】
また、請求項8に記載の発明では、把持部は、充電ガンに対して変位可能に設けられていることを特徴としている。これによると、充電ガンを車両の充電口に装着する車両への充電時に、把持部が車両等に干渉する場合には、把持部を充電ガンに対して変位させて、干渉を回避することが可能である。
【0019】
また、請求項9に記載の発明では、把持部は、複数設けられていることを特徴としている。これによると、極めて長尺のケーブルであっても、比較的コンパクトに取り纏めることが可能である。
【0020】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態における充電ケーブル装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成を示す模式図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】第1の実施形態の充電ケーブル装置1のケーブル10の一部を示す斜視図である。
【図5】第1の実施形態の充電ケーブル装置1のケーブル10を取り纏める際の第1状態を示す模式図である。
【図6】第1の実施形態の充電ケーブル装置1の把持部30がケーブル10を把持する前の状態を示す断面図である。
【図7】第1の実施形態の充電ケーブル装置1の把持部30がケーブル10を把持した状態を示す断面図である。
【図8】第1の実施形態の第1の実施形態の充電ケーブル装置1のケーブル10を取り纏める際の第2状態を示す模式図である。
【図9】第1の実施形態の充電ケーブル装置1の把持部30がケーブル10を開放した状態を示す断面図である。
【図10】第2の実施形態の充電ケーブル装置1のケーブル10の一部を示す側面図である。
【図11】第3の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成の一例を示す模式図である。
【図12】第3の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成の一例を示す模式図である。
【図13】第3の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成の一例を示す模式図である。
【図14】(a)〜(d)は、第4の実施形態の充電ケーブル装置のケーブルを取り纏める動作を説明するための模式図である。
【図15】(a)、(b)は、第5の実施形態の充電ケーブル装置のケーブルの取り纏めを解除する動作を説明するための模式図である。
【図16】他の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成を示す模式図である。
【図17】他の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成を示す模式図である。
【図18】他の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成を示す模式図である。
【図19】他の実施形態の充電ケーブル装置の要部構成を示す模式図である。
【図20】他の実施形態の充電ケーブル装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0023】
(第1の実施形態)
本発明を適用した第1の実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。図1は、本発明を適用した第1の実施形態における充電ケーブル装置1の概略構成を示す模式図である。図2は、充電ケーブル装置1の要部構成を示す模式図であり、図3は、図2のIII−III線断面図である。また、図4は、充電ケーブル装置1のケーブル10の一部を示す斜視図である。
【0024】
図1に示すように、充電ケーブル装置1は、例えばモータを走行駆動源とする電気自動車やプラグインハイブリッド自動車等の車両3に搭載された電池に充電を行う際に、給電源である充電スタンド2から車両3へ電力を供給するためのものである。
【0025】
充電ケーブル装置1は、充電スタンド2から延びるケーブル10と、ケーブル10の先端に設けられた充電ガン20とを備えている。ケーブル10は、充電スタンド2から車両3へ電力を供給するための電力ラインや充電スタンド2と車両3との間で通信を行うための信号ラインを内部に有している。
【0026】
図2に示すように、充電ガン20は、例えば樹脂製の外殻を有し、ケーブル10の先端部である手元部10aの延設方向と略同一方向に延びる部分と、当該部分と交差する方向に延びる部分とからなる屈曲形状をなしている。充電ガン20の先端には、車両3の充電口(充電リッド)3a(図1参照)に接続する接続端子部21が設けられている。
【0027】
充電ガン20のうちケーブル手元部10aの延設方向と略同一方向に延びる部分は、充電ガン20を取り扱う際に使用者が握るグリップ部22となっている。充電ガン20のグリップ部22よりもケーブル接続端に近い部分には、図示左下方に向かって突出する把持部30が設けられている。
【0028】
図3にも示すように、把持部30は、充電ガン20の外殻と一体的に設けられた柱状部31と、柱状部31の図示下方の先端側に柱状部31と一体的に設けられて、ケーブル10を保持する保持部32とを有している。図3に示すように、保持部32は、内部に保持するケーブル10を通過させるためのスリット部を図示下方に有して、断面形状が略C字形状をなしている。保持部32の内径は、ケーブル10の外径とほぼ同等に形成されている。
【0029】
保持部32は、図示下方に形成されたスリット部の両側から、図示下方に向かうほど相互の間隔が徐々に大きくなるように突出する一対の突出部を有している。この一対の突出部は、保持部32にケーブル10を保持する際にケーブル10を受け入れるための受け入れ部33である。前述のスリット部の幅(図3図示左右方向の寸法)は、ケーブル10の外径よりも若干小さくなっている。一対の受け入れ部33の相互に対向する面部の間隔は、図示上端はスリット部の幅と同等であり、図示下端ではケーブル10の外径よりも大きくなっている。
【0030】
このような構成により、図示下方からケーブル10が受け入れ部33に押し付けられた場合には、断面略C字形状の保持部32が弾性変形して、スリット部を開くように撓んでケーブル10を通過させ、その後撓み変形を復元して保持部32内にケーブル10を保持できるようになっている。
【0031】
図2に示すように、把持部30は、充電ガン20から大きく突出するように設けられている。充電ガン20は、その構成の全体が、把持部30の突出方向の先端30aを通り、かつ、把持部30の保持部32内周面の軸線に平行な線(すなわち、保持部32内で保持されるケーブル10の軸線に平行な線)よりも、把持部30の基端30b側に位置している(図2に二点鎖線で示す線よりも図示上方に、充電ガン20の構成全体が位置している
)。
【0032】
図3に示すように、ケーブル10を把持する把持部30には、把持したケーブル10を開放する開放手段をなすリリース部40が設けられている。リリース部40は、把持部30の保持部32で保持されたケーブル10をスリット部を通して外部に押し出すための押し出し部材41と、この押し出し部材41を図示上方に付勢する例えばコイル状のスプリング42とにより構成されている。
【0033】
押し出し部材41は、例えば樹脂製であり、操作ボタン部41a、ピン部41bおよび連結部41cが一体的に形成されている。操作ボタン部41aは、充電ガン20の外殻よりも図示上方に突出しており、ケーブルリリースの際に押される操作部である。ピン部41bは、把持部30の柱状部31内に図示上下方向に延設された貫通孔31a内に配設され、保持部32内に保持されたケーブルを押し出すための押し出し部である。
【0034】
連結部41cは、充電ガン20の外殻内において、外殻内に延設されたケーブル10を迂回するように設けられ、操作ボタン部41aとピン部41bとを連結している。連結部41cは、操作ボタン部41aが押されたときの操作力を、ピン部41bに伝達する伝達部である。スプリング42は、充電ガン20の外殻の図示下方壁面の上面と、リリース部40の連結部43の図示下端面との間に縮設されている。
【0035】
これにより、押し出し部材41の連結部41cは、充電ガン20の外殻の図示上方壁面の下面に押し付けられている。この状態では、ピン部41bは、保持部32の内周面よりも内方には突出していない。ピン部41bの先端(図示下方端)は、保持部32の内周面にほぼ並んだ位置にある。
【0036】
図1に示すように、ケーブル10には、比較的長尺のケーブルが用いられる。これは、車種により充電口3aの位置が異なる場合があること、および、充電スタンド2に対して車両3の駐車位置や駐車方向が異なる場合があることに対応するためである。そのため、充電ガン20が車両3の充電口3aに装着された状態では、長尺のケーブル10の中間部10cは、車両3が駐車する駐車面4(駐車する地面もしくは床面)上に置かれる。
【0037】
ケーブル10の中間部10cは、ケーブル10のうち、充電ガン20側で駐車面4よりも上方に位置する手元部10a(充電ガン側端部)および充電スタンド2側で駐車面4よりも上方に位置するスタンド側端部10bを除く部分である。
【0038】
図4に示すように、ケーブル10の中間部10cには、把持部30でケーブル10を把持する際に把持目標となる位置にマーキングが施されたマーク部11が形成されている。マーク部11は、把持目標位置である旨を標示する標示部に相当する。マーク部11は、ケーブル10の絶縁外皮の色を変更したり、絶縁外皮とは色が異なるテープ等を巻きつけることにより形成される。マーク部11は、後述する車両への非充電時にケーブル10をコンパクトに取り纏める際に把持するに好ましい所定位置に形成されている。
【0039】
マーク部11には、把持部30でケーブル10を把持する際に把持するケーブルの方向(向き、1つの方向)を示す矢印11aが形成されている。矢印11aは、把持部30が把持する際のケーブル10の方向を示す方向標示(向き標示)である。矢印11aは、後述する車両への非充電時にケーブル10をコンパクトに取り纏める際に把持部30が把持するケーブル10の好ましい方向を示している。この方向標示は矢印11aに限らず、例えば充電ガンの外形を認識させる形状や上下等の文字の標示であってもかまわない。
【0040】
次に、上記構成の充電ケーブル装置1の作動について説明する。
【0041】
車両3への充電が終了した後に、使用者は、まず、グリップ部22を握って充電ガン20を車両3の充電口3aから離脱させる。次に、グリップ部22を握ったまま、充電ガン20から突出するように設けられた把持部30の受け入れ部33を、駐車面4上に置かれたケーブル10の中間部10cのマーク部11に合わせ、上方から押し付ける。このとき、充電ガン20の接続端子部21がマーク部11の矢印11aの先端方向を向くようにする。これにより、図5に示すように、ケーブル10の中間部10cの所定位置が把持部30により把持される。
【0042】
具体的には、図6に示すように、充電ガン20から突設された把持部30の受け入れ部33を、駐車面4上に置かれたケーブル10の中間部10cの所定位置に上方から押し付けると、保持部32が撓んで把持部30の先端30a側から保持部32内にケーブル10が進入し、図7に示すように、ケーブル10の中間部10cが保持部32により保持される。
【0043】
ケーブル10の中間部10cの所定位置を把持部30により把持したら、図8に示すように、充電ガン20を充電スタンド2のガンホルダ2aに装着する。このとき、把持部30により把持されたケーブル10の中間部10cが、充電ガン20とともに持ち上げられる。これにより、ケーブル10は、充電スタンド2の前面(図示右面)に沿って上下方向に大きく蛇行するように垂れ下り、コンパクトに取り纏められる。
【0044】
次に車両3への充電を行うときには、充電ガン20を充電スタンド2のガンホルダ2aから取り外すとともに、充電ガン20の外殻から突出したリリース部40の操作ボタン部41aを押す。図9に示すように、操作ボタン41aを押す操作が行われると、操作力が連結部41cを介してピン部41bに伝達され、ピン部41bの先端が保持部32の内周面よりも内方に突出する。これにより、保持部32に保持されていたケーブル10の中間部10cは、保持部32の外部に放出される。リリース部40は、把持部30が把持したケーブル10を開放する開放手段である。
【0045】
上述の構成および作動によれば、充電ケーブル装置1は、ケーブル10の先端に設けられた充電ガン20から突出するように設けられた把持部30を備えており、把持部30は、ケーブル10の中間部10cを、突出方向の先端30a側から取り込んで把持することができるようになっている。
【0046】
これによると、車両3への充電が終了した際には、使用者は、充電ガン20のグリップ部22を握って充電ガン20を充電口3aから離脱させた後、充電ガン20を握ったまま把持部30を駐車面4上に置かれたケーブル10の中間部10cに向かわせて、ケーブル10に触れることなく把持部30の先端30a側からケーブル10を取り込んで把持部30で把持することができる。したがって、駐車面4上に中間部10cが置かれたケーブル10を取り纏め作業する際に、手が汚れて使用者が不快を感じることを防止することができる。
【0047】
従来から、駐車面上に置かれたケーブルに触れることなくケーブルを取り纏める方法として、ケーブルをコードリールに巻き取る方法が知られている。しかしながら、汚れたケーブルをコードリールに巻き取る場合には、ケーブルに付着した異物等により巻取りを良好に行い難いという不具合を発生する場合がある。また、ケーブルをコードリールに巻き取ると、巻き取り後の体格が比較的大きくなってしまうという問題もある。
【0048】
本実施形態の充電ケーブル装置1によれば、ケーブル10に異物等が付着していたとしても、ケーブル10の取り纏めを行い難くなることはない。また、ケーブル10の取り纏め後の体格も比較的コンパクトにすることが可能である。
【0049】
また、充電ガン20は、その全体が、把持部30の先端30aを通り把持部30のケーブル保持部32の軸線に平行な線よりも、把持部30の基端30b側に位置している。
【0050】
これによると、把持部30を駐車面4上に置かれたケーブル10の中間部10cに向かわせて先端30a側からケーブル10を取り込む際に、充電ガン20が駐車面4に触れることを防止することができる。図2に矢印で示した距離だけ充電ガン20を駐車面4から離すことができる。したがって、充電ガン20、特に接続端子部21が汚れることを防止することができる。
【0051】
また、把持部30は、把持したケーブル10を開放するリリース部40を備えている。これによると、車両3への充電を行う際には、把持部30に把持しているケーブル10をリリース部40で開放して、ケーブル10をコンパクトに取り纏めた状態を容易に解除することができる。
【0052】
また、ケーブル10の中間部10cには、把持部30に把持される際の所定の目標位置に、目標位置である旨を標示するマーク部11が設けられている。これによると、把持部30でケーブル10のマーク部11を把持することにより、容易にケーブル10をコンパクトに取り纏めることができる。
【0053】
また、このマーク部11には、把持部30が把持する際のケーブル10の方向を示す矢印11aが標示されている。これによると、把持部30でケーブル10のマーク部11を把持してケーブル10を取り纏める際に、ケーブル10の取り纏め形状を所定の形状にすることが容易である。
【0054】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図10に基づいて説明する。
【0055】
本第2の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、ケーブルに設けた標示部の構成が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成、第2の実施形態において説明しない他の構成は、第1の実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
【0056】
図10に示すように、本実施形態では、ケーブル10の中間部10cには、把持部30でケーブル10を把持する際に把持目標となる位置にスリーブ12が装着されている。スリーブ12は、ケーブル10延在方向に軸線が延びてケーブル10の絶縁外皮を覆うように設けられた円筒部12aと、円筒部12aの軸線方向の両端部から径外方向に環状に張り出した一対の鍔状部12bとにより構成されている。スリーブ12は、例えば可撓性を有する樹脂製であり、円筒部12aと一対の鍔状部12bとが一体成形されている。
【0057】
スリーブ12は(具体的には一対の鍔状部12bに挟まれた円筒部12aは)、把持部30による把持目標位置である旨を標示する標示部に相当する。スリーブ12は、車両への非充電時にケーブル10をコンパクトに取り纏める際に把持するに好ましい所定位置に配設されている。
【0058】
本実施形態の構成によれば、把持部30でスリーブ12の円筒部12aを把持することにより、容易にケーブル10をコンパクトに取り纏めることができる。また、ケーブル10の中間部10cが駐車面4上に置かれたときには、スリーブ12の一対の鍔状部12bが駐車面4に接することにより、円筒部12aは駐車面4から浮き上がった状態となる。したがって、把持部30でケーブル10に装着したスリーブ12の円筒部12aを容易に把持することができる。
【0059】
上述の説明では、把持目標位置である旨を標示する標示部としてスリーブ12を用いていたが、これに限定されるものではない。ケーブル10から径外方向に突出する一対の環状の鍔状部を有していればよく、例えば、ケーブルの絶縁外皮に一対の環状の鍔状部を形成したものであってもよい。
【0060】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図11〜図13に基づいて説明する。
【0061】
本第3の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、把持部が充電ガンに対して変位可能である点が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成、第3の実施形態において説明しない他の構成は、第1の実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
【0062】
図11に示すように、本実施形態の第1例では、充電ガン20から突設された把持部230は、回動支持部35を支点として、二点鎖線で示した位置と実線で示した位置との間で回動可能となっている。把持部230でケーブル10を把持する際には、把持部230は二点鎖線で示した位置をとり、充電ガン20が車両3の充電口3aに装着される際には、把持部230は実線位置に回動変位される。
【0063】
また、図12に示すように、本実施形態の第2例では、充電ガン20から突設された把持部330は、充電ガン20の把持部330取付部分の軸線を中心に、二点鎖線で示した位置と実線で示した位置との間で回動可能となっている。把持部330でケーブル10を把持する際には、把持部330は二点鎖線で示した位置をとり、充電ガン20が車両3の充電口3aに装着される際には、把持部330は実線位置に回動変位される。
【0064】
また、図13に示すように、本実施形態の第3例では、充電ガン20から突設された把持部430は、回動支持部35を支点として、二点鎖線で示した位置と破線で示した位置との間で回動可能となっている。把持部430でケーブル10を把持する際には、把持部430は二点鎖線で示した位置をとり、充電ガン20が車両3の充電口3aに装着される際には、把持部430は破線位置に回動変位されて、充電ガン20の外殻内に収容される。
【0065】
本実施形態の3つの例では、いずれも、把持部は充電ガンに対して変位可能となっている。これにより、充電ガン20を車両3の充電口3aに装着する車両3への充電時に、把持部が車両3等に干渉する場合には、把持部を充電ガン20に対して変位させて、干渉を回避することができるようになっている。
【0066】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について図14に基づいて説明する。
【0067】
本第4の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、ケーブルにも把持部を追加した点が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成、第4の実施形態において説明しない他の構成は、第1の実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
【0068】
図14(a)に示すように、本実施形態では、ケーブル10の手元部10aに、把持部30とは異なる第2の把持部530が設けられている。本実施形態のケーブル10は、例えば第1の実施形態のケーブルよりも長尺となっている。把持部530には、例えば使用者が握ることができる取っ手が設けられている以外は、把持部30と同様の構成を備えている。
【0069】
本実施形態の充電ケーブル装置では、車両3への充電が終了した後に、使用者は、まず、グリップ部22を握って充電ガン20を車両3の充電口3aから離脱させる。次に、グリップ部22を握っていないほうの手で把持部530を操作し、図14(b)に示すように、把持部530をケーブル10の中間部10cに押し付けて把持する。
【0070】
さらに、充電ガン20のグリップ部22を握ったまま、図14(c)に示すように、充電ガン20から突出するように設けられた把持部30を、ケーブル10の中間部10cのうち把持部530が把持した部分よりも充電スタンド2側の部分に押し付けて把持する。その後、図14(d)に示すように、充電ガン20を充電スタンド2のガンホルダ2aに装着する。
【0071】
このとき、把持部30、530により把持されたケーブル10の中間部10cが、充電ガン20とともに持ち上げられる。これにより、ケーブル10は、充電スタンド2の前面(図示右面)に沿って上下方向に大きく蛇行するように垂れ下り、コンパクトに取り纏められる。
【0072】
ケーブル10の中間部10cには、把持部530が把持する目標位置となる部分、および、把持部30が把持する目標位置となる部分のそれぞれに、第1の実施形態や第2の実施形態で説明した標示部を設けることが好ましい。また、2つの標示部は、把持部530に対応するものと、把持部30に対応するものとの識別が可能であることが好ましい。
【0073】
本実施形態の構成によれば、ケーブル10の中間部10cを把持する把持部が2つ設けられているので、極めて長尺のケーブルであっても、比較的コンパクトに取り纏めることが可能である。
【0074】
本実施形態では、2つの把持部30、530を設けていたが、これに限定されるものではなく、把持部は3つ以上であってもよい。また、把持部30、530は、充電ガン20とケーブル10の手元部10aとに1つずつ設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、充電ガン20から突設する2つの把持部を、充電ガン20の幅方向に並設してもかまわない。
【0075】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について図15に基づいて説明する。
【0076】
本第5の実施形態は、前述の第1の実施形態と比較して、把持部が把持しているケーブルを開放する構成が異なる。なお、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成、第5の実施形態において説明しない他の構成は、第1の実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
【0077】
図15(a)に示すように、本実施形態では、第1の実施形態では説明を省略していたリリースボタン23が充電ガン20に設けられている。リリースボタン23は、充電ガン20を充電スタンド2のガンホルダ2aから脱離させるとき、および、充電ガン20を車両3の充電口3aから脱離させるときに操作する操作ボタンである。リリースボタン23は、本実施形態における脱離操作部に相当する。
【0078】
本実施形態の充電ケーブル装置は、リリースボタン23が操作されたときに、第1の実施形態で説明した把持部30の開放手段であるリリース部が作動するようになっている。図15(a)に示す状態からリリースボタン23を操作して、図15(b)に示すように充電ガン20をガンホルダ2aから脱離させると、これに連動して、把持部30からケーブル10の中間部が開放されるようになっている。
【0079】
リリースボタン23の操作に連動するケーブル10の開放動作は、リリースボタン23から把持部30のリリース部へ操作力を伝達することにより達成されるものであってもよいし、リリースボタン23からの電気信号により図示を省略している把持部30のリリース部のアクチュエータを作動させて達成されるものであってもよい。
【0080】
本実施形態の構成によれば、車両3への充電を開始する際には、充電ガン20をガンホルダ2aから取り外すときのリリースボタン23の操作に連動して把持部30の開放手段を動作させ、ケーブル10の取り纏め状態を速やかに解除することができる。
【0081】
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0082】
上記各実施形態では、ケーブル10の中間部10cを把持する把持部は充電ガン20に設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、図16に示す把持部630のように、ケーブル10のうち充電ガン20側の手元部10aからケーブル径外方向に突出するように設けられていてもよい。把持部630を設けることができる手元部10aとは、前述したように、ケーブル10のうち、充電ガン20側で駐車面4よりも上方に位置する部分(充電ガン側端部)である。
【0083】
車両の充電口は、一般的に70cm以上の高さに設けられるため、把持部630を設けることが好ましい手元部は、ケーブルの充電ガンが設けられた一端より70cm以内の部分とすることができる。この部分に把持部を設ければ、把持部が駐車面に触れて汚れることを防止することができる。また、使用者が一方の手で充電ガンのグリップ部を握り、他方の手で把持部を取り扱うことを考慮すれば、把持部を設ける手元部は、ケーブルの充電ガンが設けられた一端より50cm以内の部分であることが一層好ましく、30cm以内の部分であればより一層好ましい。
【0084】
また、上記各実施形態では、把持部は、内部にケーブル10を保持する保持部32を撓ませて、突出方向の先端側からケーブル10を取り込んで把持するものであったが、これに限定されるものではない。突出方向の先端側からケーブルを取り込んで把持することができるものであればよく、例えば、図17に示す把持部730のように、力点、支点および作用点を有し、力点に加わるスプリングの力により作用点となる一対の平板状部からなる保持部732でケーブル10の中間部10cを挟み込んで保持する、洗濯ばさみ状の把持部であってもかまわない。把持部730は、スプリングを圧縮するように一対の力点を狭めることで、保持部732で保持しているケーブル10を開放することができる。したがって、力点となる部分は、把持部730の開放手段でもある。
【0085】
また、上記各実施形態では、充電ガン20は、ケーブル10の手元部10aの延設方向と略同一方向に延びる部分と、当該部分と交差する方向に延びる部分とからなる屈曲形状をなしていた。そして、把持部は、充電ガン20のうちケーブル10の手元部10aの延設方向と略同一方向に延びる部分から、この部分に略直交する方向に突出していたが、これに限定されるものではない。
【0086】
例えば、把持部は、図18に示す把持部830のように、充電ガン20のうちケーブル10の手元部10aの延設方向と略同一方向に延びる部分から、この部分に直交する方向に対して傾斜して突出して突出していてもかまわない。図18に示す把持部830によれば、充電ガン20の全体が、把持部830の先端30aを通り把持部830のケーブル保持部32の軸線に平行な線(図示二点鎖線)よりも、把持部830の基端30b側に位置するという条件を満たすために把持部を大きく突出させる必要がない。これにより、把持部の突出量を抑制することが可能である。
【0087】
また、充電ガンは、例えば、図19に示す充電ガン920のように、ケーブル10の手元部10aの延設方向と略同一方向に延びる部分のみからなるものであってもよい。図19に示す充電ガン920によれば、充電ガン920の全体が、把持部30の先端30aを通り把持部30のケーブル保持部32の軸線に平行な線(図示二点鎖線)よりも、把持部30の基端30b側に位置するという条件を満たすために把持部を大きく突出させる必要がない。これによっても、把持部の突出量を抑制することが可能である。
【0088】
また、上記各実施形態では、充電ケーブル装置は、給電源である充電スタンドから延びるものであったが、これに限定されるものではない。例えば、図20に示すように、ケーブル10の一端に充電ガン20が設けられ、他端にコンセント用のプラグ50が設けられた充電ケーブル装置であってもよい。
【0089】
すなわち、充電スタンドから延された充電ケーブル装置ではなく、例えば、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車等の車両に付属する(例えば付属部品として搭載される)単品の充電ケーブル装置であってもよい。図20に示す充電ケーブル装置の場合には、コンセントが給電源に相当する。図20に示す符号60を付した構成は、電流制御装置である。本発明を適用した充電ケーブル装置は、電流制御装置を備えていてもよいし、備えていなくてもかまわない。
【0090】
また、上記各実施形態では、把持部は、ケーブル10の中間部10cを把持するものであったが、これに限定されるものではない。ケーブル10の手元部10a以外の部分を把持するものであればよく、例えば、ケーブル10のスタンド側端部10bを把持してケーブル10を取り纏めるものであってもよい。
【0091】
また、上記各実施形態では、ケーブル10は、充電スタンド2等の給電源から車両3へ電力を供給するための電力ラインを内部に有していたが、これに限定されるものではない。例えば、ケーブルは、電力ラインを介して、双方向の電力供給(給電源から車両への電力供給および車両から車両外部への電力供給)を行うものであってもよい。また、ケーブルは、電力ラインを介して、車両から車両外部への電力供給のみを行うものであってもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 充電ケーブル装置
2 充電スタンド
3 車両
3a 充電口
10 ケーブル
10a 手元部
10c 中間部
11 マーク部(標示部)
11a 矢印(方向標示)
20 充電ガン
22 グリップ部
23 リリースボタン(脱離操作部)
30 把持部
40 リリース部(開放手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電源(2)から車両(3)へ電力を供給する電力ラインを有するケーブル(10)と、
前記ケーブルの一端に設けられ、グリップ部(22)を有し、前記車両への充電時に前記グリップ部が握られて前記車両の充電口(3a)に装着される充電ガン(20)と、
前記充電ガン、もしくは、前記ケーブルのうち前記充電ガン側の手元部(10a)から突出するように設けられ、前記ケーブルの前記手元部以外の部分を、突出方向の先端側から取り込んで把持することが可能な把持部(30)と、
を備えることを特徴とする充電ケーブル装置。
【請求項2】
前記把持部は、前記充電ガンから突出するように設けられており、
前記充電ガンは、その全体が、前記把持部の突出方向の先端(30a)を通り前記把持部にて把持される前記ケーブルに平行な線よりも、前記把持部の基端(30b)側にあることを特徴とする請求項1に記載の充電ケーブル装置。
【請求項3】
前記把持部は、把持した前記ケーブルを開放する開放手段(40)を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の充電ケーブル装置。
【請求項4】
前記充電ガンは、前記充電ガンを前記充電口から脱離させる際に操作する脱離操作部(23)を有し、前記脱離操作部が操作されたときに前記開放手段が前記ケーブルを開放する開放動作を行うことを特徴とする請求項3に記載の充電ケーブル装置。
【請求項5】
前記ケーブルは、前記把持部に把持される際の目標となる位置に、当該目標となる位置である旨を標示する標示部(11)を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の充電ケーブル装置。
【請求項6】
前記標示部は、前記ケーブルの延在方向の両端部に、前記ケーブルから径外方向に突出する一対の環状の鍔状部(12b)を有することを特徴とする請求項5に記載の充電ケーブル装置。
【請求項7】
前記標示部には、前記把持部が把持する際の前記ケーブルの方向を示す方向標示(11a)がなされていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の充電ケーブル装置。
【請求項8】
前記把持部は、前記充電ガンに対して変位可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の充電ケーブル装置。
【請求項9】
前記把持部は、複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の充電ケーブル装置。
【請求項1】
給電源(2)から車両(3)へ電力を供給する電力ラインを有するケーブル(10)と、
前記ケーブルの一端に設けられ、グリップ部(22)を有し、前記車両への充電時に前記グリップ部が握られて前記車両の充電口(3a)に装着される充電ガン(20)と、
前記充電ガン、もしくは、前記ケーブルのうち前記充電ガン側の手元部(10a)から突出するように設けられ、前記ケーブルの前記手元部以外の部分を、突出方向の先端側から取り込んで把持することが可能な把持部(30)と、
を備えることを特徴とする充電ケーブル装置。
【請求項2】
前記把持部は、前記充電ガンから突出するように設けられており、
前記充電ガンは、その全体が、前記把持部の突出方向の先端(30a)を通り前記把持部にて把持される前記ケーブルに平行な線よりも、前記把持部の基端(30b)側にあることを特徴とする請求項1に記載の充電ケーブル装置。
【請求項3】
前記把持部は、把持した前記ケーブルを開放する開放手段(40)を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の充電ケーブル装置。
【請求項4】
前記充電ガンは、前記充電ガンを前記充電口から脱離させる際に操作する脱離操作部(23)を有し、前記脱離操作部が操作されたときに前記開放手段が前記ケーブルを開放する開放動作を行うことを特徴とする請求項3に記載の充電ケーブル装置。
【請求項5】
前記ケーブルは、前記把持部に把持される際の目標となる位置に、当該目標となる位置である旨を標示する標示部(11)を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の充電ケーブル装置。
【請求項6】
前記標示部は、前記ケーブルの延在方向の両端部に、前記ケーブルから径外方向に突出する一対の環状の鍔状部(12b)を有することを特徴とする請求項5に記載の充電ケーブル装置。
【請求項7】
前記標示部には、前記把持部が把持する際の前記ケーブルの方向を示す方向標示(11a)がなされていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の充電ケーブル装置。
【請求項8】
前記把持部は、前記充電ガンに対して変位可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の充電ケーブル装置。
【請求項9】
前記把持部は、複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の充電ケーブル装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−110028(P2013−110028A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255416(P2011−255416)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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